JP2015004619A - テラヘルツ波を用いた異物検査装置及びその方法 - Google Patents
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Abstract
Description
図1は、本発明によるテラヘルツ波を用いた異物検査装置の一実施例を示す全体構成図である。被検査体2は、凍結乾燥剤などの検査試料4を収納した容器3から成り、検査試料4に含まれる異物5を検出する。被検査体2にテラヘルツ波を照射し、これを透過したテラヘルツ波の強度を測定する。検査試料4に異物5が存在するとテラヘルツ波の透過率が変化するので、テラヘルツ波の受光強度の変化から異物の有無を判定する。
被検査体2に入射されるテラヘルツ波15のビーム断面形状は、従来はスポット形状21に示すような円形状であった。また、ビーム径を小さく絞り込んだスポット形状22とすることで、ビームスポットのパワー密度が増大し検出感度を向上させることができる。しかし、スポット形状22のようにビーム径を小さく絞った場合、ビーム照射面積が狭くなることから、検査領域の大きい被検査体では検査に要する時間はより増大してしまう。
レーザー光源31はフェムト秒程度の光パルスを出射し、アイソレータ32を介してビームスプリッタ33に入射させる。ビームスプリッタ33はレーザー光を励起光と参照光に分岐する。励起光はミラー34で反射され可動反射鏡35との間を往復する。可動反射鏡35はその位置を調整することで、励起光の光路長(遅延時間)を調整するものである。励起光はテラヘルツ波発振器36に入射し、テラヘルツ波発振器36からパルス状のテラヘルツ波15を発生する。発振周波数は0.3〜3THzの範囲で、パルス幅は0.5psとする。テラヘルツ波発振器36には定電圧電源37から電源供給される。その後テラヘルツ波15は、光学系により楕円形絞りのスポット形状23となって被検査体2に入射される。
S102では、テラヘルツ波受光部12により、被検査体2を透過したテラヘルツ波の強度を測定する。その際、テラヘルツ波受光部12での受光強度が最大になるように、可動反射鏡35の位置を調整して最適な光路長に設定する。これで得られた測定値を基準値G0とする。
S103では、基準試料に対する基準測定値G0と基準光路長(調整後の可動反射鏡35の位置)を、検査結果格納部14に記憶する。
S105では、走査手段10により被検査体2を所定方向に走査する。走査方向に対し、楕円形絞りのスポット形状23の長軸は垂直方向とする(図2参照)。
S106では、テラヘルツ波受光部12により被検査体2を透過したテラヘルツ波を受光してその強度を測定する。被検査体2の測定値をGとする。
S108では、異物有無判定部13は、各走査位置における差分値ΔGを閾値gとを比較する。差分値ΔGが閾値g以下であればS109へ進み、差分値ΔGが閾値gより大きければS110へ進む。
S109では、「異物無し」と判定し、その旨表示する(図6でG1の場合)。
S110では、「異物有り」と判定し、その旨表示する(図6でG2の場合)。
S111では、異物判定結果と測定値Gを検査結果格納部14に保存する。
S113では、テラヘルツ波15の照射位置を次の走査ラインにずらす(図2で距離mだけ移動させる)。具体的には、テラヘルツ波15の光路をガルバノミラー等で移動させるか、被検査体2の位置をステージや回転機構等で移動させる。S105に戻り、次の走査ラインでの測定を繰り返す。
また、S108〜S110では、被検査体2の異物有無の判定を異物有無判定部13により自動的に行うものとした。これに代えて、検査結果格納部14に保存した測定結果を参照して、検査者が判定しても良いことは言うまでもない。
Claims (7)
- 被検査体に含まれる異物を検出するテラヘルツ波を用いた異物検査装置において、
前記被検査体を所定方向に走査する走査手段と、
前記走査手段により走査される前記被検査体にテラヘルツ波を照射するテラヘルツ波照射部と、
前記被検査体を透過したテラヘルツ波を受光し受光強度を測定するテラヘルツ波受光部と、
前記テラヘルツ波受光部の測定した受光強度から前記被検査体に含まれる異物の有無を判定する異物有無判定部とを備え、
前記テラヘルツ波照射部は前記テラヘルツ波のスポット形状を略楕円形状とし、その長軸方向を前記被検査体の走査方向に対し垂直に向けて照射することを特徴とするテラヘルツ波を用いた異物検査装置。 - 請求項1に記載のテラヘルツ波を用いた異物検査装置において、
前記テラヘルツ波照射部は、光学系に非軸放物面鏡とシリンドリカルレンズを用いることで、前記テラヘルツ波のスポット形状を略楕円形状とすることを特徴とするテラヘルツ波を用いた異物検査装置。 - 請求項1に記載のテラヘルツ波を用いた異物検査装置において、
前記テラヘルツ波照射部は、光学系に非軸放物面鏡を有し該非軸放物面鏡に入射するテラヘルツ波の位置を中心からずらすことで、前記テラヘルツ波のスポット形状を略楕円形状とすることを特徴とするテラヘルツ波を用いた異物検査装置。 - 請求項1ないし3のいずれか1項に記載のテラヘルツ波を用いた異物検査装置において、
前記テラヘルツ波照射部は、光パルスを発生するレーザー光源と、光パルスを励起光と参照光に分岐するビームスプリッタと、前記励起光の光路長を調整する可動反射鏡と、光路長の調整された励起光を入射してパルス状のテラヘルツ波を発生するテラヘルツ波発振器とを有し、
前記テラヘルツ波受光部は、前記ビームスプリッタで分岐された参照光を入射し、これに同期して前記被検査体を透過したテラヘルツ波の信号を検出するテラヘルツ波検出部を有するものであって、
前記可動反射鏡により光路長を調整することで、前記テラヘルツ波検出部の検出するテラヘルツ波の検出信号を最大化することを特徴とするテラヘルツ波を用いた異物検査装置。 - 被検査体に含まれる異物を検出するテラヘルツ波を用いた異物検査方法において、
前記被検査体を所定方向に走査するステップと、
略楕円形状のスポット形状を有するテラヘルツ波を発生するステップと、
前記走査される被検査体に対し、前記略楕円形状のスポット形状の長軸方向を前記被検査体の走査方向に対し垂直に向けて前記テラヘルツ波を照射するステップと、
前記被検査体を透過したテラヘルツ波を受光し受光強度を測定するステップと、
前記測定した受光強度から前記被検査体に含まれる異物の有無を判定するステップと、
を備えることを特徴とするテラヘルツ波を用いた異物検査方法。 - 請求項5に記載のテラヘルツ波を用いた異物検査方法において、
前記テラヘルツ波を照射するステップは、光パルスを発生して励起光と参照光に分岐するステップと、前記励起光の光路長を調整するステップと、光路長の調整された励起光を入射してパルス状のテラヘルツ波を発生するステップと、を有し、
前記受光強度を測定するステップは、前記分岐された参照光を入射し、これに同期して前記被検査体を透過したテラヘルツ波の信号を検出するステップを有し、
前記光路長を調整することで、前記検出するテラヘルツ波の検出信号を最大化することを特徴とするテラヘルツ波を用いた異物検査方法。 - 請求項5または6に記載のテラヘルツ波を用いた異物検査方法において、
前記異物の有無を判定するステップでは、前記被検査体で測定された受光強度と異物の含まれない基準試料で測定された受光強度とを比較し、その差分値が閾値より大きいか否かにより判定することを特徴とするテラヘルツ波を用いた異物検査方法。
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