JP2015004292A - 凝縮水処理機構 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】インタークーラ22で生成された凝縮水が流通する凝縮水通路60Aと、凝縮水通路60Aに介装され凝縮水を貯留する貯留部62と、凝縮水通路60Aの貯留部62よりも凝縮水通路60Aの一端部61a側に介装された背圧用切替弁63と、一端部が排気通路30Aに接続され他端部が背圧用切替弁67に接続された背圧用通路66Aとを備え、背圧用切替弁67は、凝縮水通路60Aの一端部61aと貯留部62とを連通し且つ背圧用通路66Aを介した排気通路30Aと貯留部62との連通を遮断する状態と、凝縮水通路60Aの一端部61aと貯留部62との連通を遮断し且つ背圧用通路65Aを介した排気通路30Aと貯留部62とを連通する状態とを切り替える。
【選択図】図1
Description
また、排気中の窒素酸化物(以下、「NOx」という)を低減させるために、排気の一部を吸気通路に還流させて新気とともに再燃焼させるEGR(Exhaust Gas Recirculation)システムが実用化されている。
通常、排気には、燃焼により生成された水蒸気が含まれるため、新気よりも多くの水蒸気が含まれている。このため、低圧EGRで還流された排気を含む吸気が、過給機で圧縮されインタークーラで冷却されることにより、吸気中の水蒸気が凝縮して水(以下、「凝縮水」という)が生成される場合がある。
そこで、低圧EGRを備えた吸排気系において、インタークーラで生成された凝縮水を処理する技術が開発されている。かかる技術が、例えば特許文献1及び2に開示されている。
なお、この目的に限らず、後述する発明を実施するための形態に示す各構成により導かれる作用効果であって、従来の技術によっては得られない作用効果を奏することも本発明の他の目的として位置づけることができる。
(3)前記凝縮水通路の前記貯留部よりも前記凝縮水通路の前記他端部側に介装され、前記凝縮水を浄化するフィルタを備えたことが好ましい。
(5)前記排気処理装置は、昇温機能付き一次排気処理装置と前記一次排気処理装置よりも下流側に介装され排気を浄化処理する二次排気処理装置とを有し、前記再生用通路の前記一端部は、前記排気通路の前記一次排気処理装置よりも下流側であって前記二次排気処理装置よりも上流側に接続されたことが好ましい。
(7)前記凝縮水通路における前記貯留部と前記再生用切替弁との間に介装され、開度を調整可能な弁を備えたことが好ましい。
(8)前記凝縮水通路の前記一端部は、前記吸気通路を形成する吸気管に形成されたスリット又は細孔であることが好ましい。
(9)前記凝縮水通路の前記一端部は、前記吸気通路のなかで鉛直高さが最も低い部分に接続されたことが好ましい。
なお、本実施形態でいう上流及び下流は、吸気,排気又は凝縮水の流れる方向を基準にしている。
〔1.構成〕
〔1−1.エンジン及びその吸排気系〕
まず、図1を参照して、エンジン並びにその吸気系及び排気系の構成を説明する。
〔1−1−1.エンジン〕
エンジン1は、ディーゼルエンジンであり、シリンダヘッド2,シリンダブロック3及びクランクケース4を有している。なお、エンジン1は、図示省略するが気筒を複数有する多気筒エンジンとして構成されている。
また、エンジン1には、クランク軸4aの回転角度を検出し、この回転角度からエンジン1の回転数(以下、「エンジン回転数」という)を検出するクランク角センサ90が付設されている。
次に、エンジン1の上流側に設けられた吸気系の構成を説明する。
吸気系には、吸気管10及びこれに介装又は付設された各装置と、吸気管10とエンジン1の吸気ポート2aとの間に介装されているインテークマニホールド(以下、「インマニ」と略称する)19とが備えられている。
吸気管10及びこれに介装又は付設された各装置とインマニ19とは、それぞれの内部に吸気通路10A(図1では一箇所にのみ符号を付す)を形成している。
吸気管10には、上流から順にエアクリーナ20,第一スロットル弁21,ターボチャージャ(過給機)50のコンプレッサ50a,インタークーラ22,第二スロットル弁23が配置されている。
インタークーラ22は、吸気の冷却装置である。このインタークーラ22では、ターボチャージャ50により圧縮されて上昇した吸気温度が低下され、吸気の空気密度の低下が回復される。
インマニ19には、連続的に空燃比を検出するリニア空燃比センサ(いわゆるLAFS)93が設けられている。
次に、エンジン1の下流側に設けられた排気系の構成について説明する。
排気系には、エキゾーストマニホールド(以下、「エキマニ」と略称する)39と、この下流側に接続された排気管30及びこれに介装又は付設された各装置とが備えられている。
エキマニ39と排気管30及びこれに介装又は付設された各装置とは、それぞれの内部に排気通路30A(図1では一箇所にのみ符号を付す)を形成している。
エキマニ39には、後述する高圧EGRシステム52が接続されている。
排気管30には、上流から順に上述のターボチャージャ50のタービン50b,一次排気処理装置40,二次排気処理装置41が配置されている。
また、一次排気処理装置40には、DPF40bの上流と下流との差圧を検出する差圧センサ94が付設されている。
また、DOC40aによる酸化熱により、一次排気処理装置40下流側の二次排気処理装置41に吸蔵された硫黄成分が放出(いわゆるSパージ)されるようになっている。
なお、一次排気処理装置40よりも下流側であって二次排気処理装置41よりも上流側には、上流から順に、後述する凝縮水処理機構60及び低圧EGR51の各要部が接続されている。
この二次排気処理装置41の下流側の排気通路30Aには、後述する凝縮水処理機構60が二箇所に接続されている。
本吸排気系には、吸気系と排気系に跨って低圧EGRシステム51及び高圧EGRシステム52が設けられている。これらのEGRシステム51,52は、排気を吸気に還流させることによりNOxを低減させるためのものである。
低圧EGRクーラ51dは、還流される排気の温度を低下させる冷却装置である。この低圧EGRクーラ51dよりも他端部51b側(吸気側)には、低圧EGR弁51eが設けられている。
低圧EGR弁51eは、低圧EGRシステム51による排気の還流量を調整するものであり、開度調整可能な弁として構成されている。
高圧EGRクーラ52dは、低圧EGRクーラ51dと同様に構成された冷却装置であり、また、高圧EGR弁52eは、低圧EGR弁51eと同様に構成された開度調整可能な弁である。
次に、上記したエンジン1の吸排気系に適用される凝縮水処理機構60の構成について説明する。
凝縮水処理機構60は、ターボチャージャ50で圧縮された吸気がインタークーラ22で冷却されることにより生成された凝縮水を処理するための機構である。具体的には、最低部10aに溜まろうとする凝縮水を吸気通路10Aの系外に導いて貯留し、この凝縮水を排気通路30Aに排出させるためのものである。
以下、凝縮水管61,タンク62,背圧用切替弁63,背圧用配管65,開閉弁64,再生用切替弁67,再生用配管66,フィルタ68の順に各構成を説明する。
スリット11は、吸気管10に沿う吸気の流通を妨げないような大きさ又は配置で設けられている。ここでは、複数のスリット11が千鳥状に配置され、各スリット11の長手方向が吸気の流通方向に沿うように配向されたものを例示する。複数のスリット11の千鳥状配置によれば、スリット11の大きさの設定自由度を確保しやすく、各スリット11の長手方向を吸気の流通方向に沿わせることにより、吸気の流通を妨げ難くすることができる。ただし、スリット11の配向及び配置は何れも任意であり、その他の配向や配置を採ることができる。
ここでは、第一流入接続部63a及び流出接続部63cのそれぞれに凝縮水管61が接続され、第二流入接続部63bに背圧用配管65が接続されている。
ここでは、第一流入接続部67a及び流出接続部67cのそれぞれに凝縮水管61が接続され、第二流入接続部67bに再生用配管66が接続されている。
フィルタ68は、加熱により浄化能力を再生可能な再生フィルタである。このフィルタ68は、凝縮水中に含まれうる異物を吸着又は除去するものであればよく、例えば活性炭フィルタを用いることができる。
次に、凝縮水処理機構60を制御する制御装置100の構成を説明する。なお、制御装置100は、マイクロプロセッサやROM,RAM等を集積したLSIデバイスや組み込み電子デバイスとして構成される電子制御装置である。
本実施形態では、制御装置100により実施される制御のうち、EGRシステム51,52の制御及び凝縮水処理機構60の制御に着目して説明する。
低圧EGRシステム51は、主に低圧EGR弁51eの開度が調整されることにより制御され、副次的に第一スロットル弁21の開度が調整されることにより制御される。これらの弁51e,21の開度が調整されることで排気の還流量が制御され、低圧EGRシステム51が制御される。
制御装置100は、センサ90〜94による検出情報に基づいて、上記のEGRシステム51,52にかかる弁21,23,51e,52eの開度を制御し、排気の還流量を制御する。
凝縮水処理機構60は、開閉弁64の開度が調整され、切替弁63,67が切り替えられることにより制御される。以下、凝縮水処理機構60の制御について、凝縮水を貯留する貯留制御と、凝縮水を排出する排出制御と、フィルタ68を再生する再生制御とを説明する。
貯留制御は、凝縮水を吸気通路10Aからその系外に導いてタンク62に貯留するものである。この貯留制御では、背圧用切替弁63が上記(i)の貯留状態にされ、再生用切替弁67が上記(II)の再生状態にされる。なお、貯留制御では、開閉弁64は制御されず、その開度は任意である。
排出制御は、タンク62に貯留された凝縮水をインマニ19により形成される吸気通路10Aに排出するものである。この排出制御では、背圧用切替弁63が上記(ii)の排出状態にされ、再生用切替弁67が上記(I)の凝縮水浄化状態にされ、開閉弁64が少なくとも開放状態とされる。なお、開閉弁64は、所望の凝縮水の排出度合に応じて開度調整される。
再生制御は、フィルタ68を加熱することで浄化能力を再生させるものである。この再生制御では、各弁63,64,67の状態は貯留制御と同様であり、背圧用切替弁63が上記(i)の貯留状態にされ、再生用切替弁67が上記(II)の再生状態にされる。このため、再生制御及び貯留制御は、実質的に同一であり、同時に実施される。
制御装置100は、貯留制御,排出制御及び再生制御を各種の条件に応じて実施する。この制御装置100は、湿度センサ91やエアフローセンサ92の検出情報に基づいて、凝縮水の生成量を推定演算している。さらに、制御装置100は、推定演算した凝縮水の生成量と予め記憶されたタンク62の容量とに基づいて、タンク62が凝縮水で満杯か否かを判定している。
例えば、制御装置100は、推定演算した凝縮水の生成量が所定量未満であれば、貯留制御を実施し、また、推定演算した凝縮水の生成量が所定量以上であれば、排出制御を実施する。ここでいう所定量としては、タンク62の容量の半分や1/3といった量を用いることができる。
本発明の一実施形態にかかる凝縮水処理機構60は、上述のように構成されるため、以下のような作用及び効果を得ることができる。
新気の吸気は、エアクリーナ20を経て、第一スロットル弁21のスロットル開度に応じて絞られる。この下流の低圧EGRシステム51の他端部51bでは、低圧EGR弁51eの開度に応じて還流された排気と新気とが合流した吸気がターボチャージャ50のコンプレッサ50aにより圧縮される。
この凝縮水は、吸気管10の最低部10aに溜まろうとするが、この最低部10aに接続された凝縮水処理機構60の一端部61aから吸気系の系外に導かれる。
したがって、本実施形態の凝縮水処理機構60によれば、凝縮水が吸気通路10Aに溜まることが無く、凝縮水の巻き上げを防止することができる。
凝縮水通路60Aのタンク62よりも下流側にはフィルタ68が備えられているため、凝縮水を浄化して排出することができる。
また、排出制御が実施され、再生用切替弁67により凝縮水浄化状態に切り替えられたときには、タンク62とフィルタ68を介した排気通路30Aとが連通され、凝縮水をフィルタ68で浄化して排気通路30Aに排出することができる。
凝縮水通路60Aにおけるタンク62と再生用切替弁67との間には、開度を調整可能な開閉弁64が介装されるため、凝縮水の排出度合を調整することができる。
凝縮水通路60Aの一端部61aは、吸気通路10Aを形成する吸気管10の最低部10aに形成されたスリット11であるため、吸気の流通を妨げることがなく、凝縮水を凝縮水処理機構60に導入することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
上述の実施形態では、最低部10aが吸気管10のなかで最も鉛直高さが低いものを説明したが、最低部10aは、少なくともインタークーラ19よりも下流側の吸気通路10Aのなかで最も低い部分であればよい。この場合も、最低部10aに溜まろうとする凝縮しは、凝縮水処理機構60により適切に処理される。
また、ターボチャージャ50に替えて、エンジン1の出力軸により駆動されるスーパーチャージャを用いてもよい。
また、ディーゼルエンジンを例に挙げて上述したが、これに替えてガソリンエンジンを用いてもよい。この場合、燃料としてガソリンを用いるのは勿論、インジェクタや後処理装置などの構成がガソリンエンジンに対応したものになる。
5 燃焼室
10 吸気管
10a 最低部
10A 吸気通路
11 スリット
19 インテークマニホールド
22 インタークーラ
23 第二スロットル弁
30 排気管
30A 排気通路
39 エキゾーストマニホールド
40 一次排気処理装置
41 二次排気処理装置
50 ターボチャージャ(過給機)
51 低圧EGRシステム
52 高圧EGRシステム
60 凝縮水処理機構
60A 凝縮水通路
61A 第一凝縮水通路
61B 第二凝縮水通路
61C 第三凝縮水通路
61 凝縮水管
61a 一端部
61b 他端部
62 タンク(貯留部)
63 背圧用切替弁
64 開閉弁
65 背圧用配管
65A 背圧用通路
66 再生用配管
66A 再生用通路
67 再生用切替弁
68 フィルタ
93 リニア空燃比センサ
100 制御装置
Claims (9)
- エンジンの吸気通路において吸気を過給する過給機よりも下流側に介装され、前記過給機により過給された吸気を冷却するインタークーラと、
前記エンジンの排気通路と前記吸気通路の前記過給機よりも上流側とを接続するEGR通路と、
一端部が前記吸気通路の前記インタークーラ又は前記インタークーラよりも下流側に接続され、他端部が前記排気通路に接続され、前記インタークーラで生成された凝縮水が流通する凝縮水通路と、
前記凝縮水通路に介装され、前記凝縮水を貯留する貯留部と、
前記凝縮水通路の前記貯留部よりも前記凝縮水通路の前記一端部側に介装された背圧用切替弁と、
一端部が前記排気通路に接続され、他端部が前記背圧用切替弁に接続された背圧用通路と、を備え、
前記背圧用切替弁は、
前記凝縮水通路の前記一端部と前記貯留部とを連通し、且つ、前記背圧用通路を介した前記排気通路と前記貯留部との連通を遮断する状態と、
前記凝縮水通路の前記一端部と前記貯留部との連通を遮断し、且つ、前記背圧用通路を介した前記排気通路と前記貯留部とを連通する状態とを切り替える
ことを特徴とする、凝縮水処理機構。 - 前記排気通路に介装され、排気を浄化処理する排気処理装置を備え、
前記背圧用通路の前記一端部は、前記排気通路の前記排気処理装置よりも下流側に接続された
ことを特徴とする、請求項1記載の凝縮水処理機構。 - 前記凝縮水通路の前記貯留部よりも前記凝縮水通路の前記他端部側に介装され、前記凝縮水を浄化するフィルタを備えた
ことを特徴とする、請求項1又は2記載の凝縮水処理機構。 - 前記凝縮水通路の前記貯留部と前記フィルタとの間に介装された再生用切替弁と、
一端部が前記排気通路に接続され、他端部が前記再生用切替弁に接続された再生用通路とを備え、
前記フィルタは、加熱により浄化能力を再生可能な再生フィルタであり、
前記再生用切替弁は、
前記貯留部と前記フィルタを介した前記排気通路とを連通し、且つ、前記再生用通路の前記一端部と前記フィルタを介した前記排気通路との連通を遮断する状態と、
前記貯留部と前記フィルタを介した前記排気通路との連通を遮断し、且つ、前記再生用通路の前記一端部と前記フィルタを介した前記排気通路とを連通する状態とを切り替える
ことを特徴とする、請求項3記載の凝縮水処理機構。 - 前記排気処理装置は、昇温機能付き一次排気処理装置と前記一次排気処理装置よりも下流側に介装され排気を浄化処理する二次排気処理装置とを有し、
前記再生用通路の前記一端部は、前記排気通路の前記一次排気処理装置よりも下流側であって前記二次排気処理装置よりも上流側に接続された
ことを特徴とする、請求項4記載の凝縮水処理機構。 - 前記背圧用通路の前記一端部は、前記排気通路の前記二次排気処理装置よりも下流側に接続された
ことを特徴とする、請求項5記載の凝縮水処理機構。 - 前記凝縮水通路における前記貯留部と前記再生用切替弁との間に介装され、開度を調整可能な弁を備えた
ことを特徴とする、請求項4〜6の何れか1項に記載の凝縮水処理機構。 - 前記凝縮水通路の前記一端部は、前記吸気通路を形成する吸気管に形成されたスリット又は細孔である
ことを特徴とする、請求項1〜7の何れか1項に記載の凝縮水処理機構。 - 前記凝縮水通路の前記一端部は、前記吸気通路のなかで鉛直高さが最も低い部分に接続された
ことを特徴とする、請求項1〜8の何れか1項に記載の凝縮水処理機構。
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