JP2015003283A - 浄水フィルター - Google Patents

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Abstract

【課題】大きな空塔速度(SV)を有する場合にも、高い総トリハロメタンろ過能力を有し、さらに目詰まりの生じ難い浄水フィルターを提供する。【解決手段】粉末状活性炭及びバインダー繊維を含み、前記粉末状活性炭は、レーザー回折/散乱式法で測定した積算体積百分率D50が50〜150μmであり、かつ、レーザー回折/散乱式法で測定した粒径が40μm以下の粉末状活性炭の割合が7体積%以下である、浄水フィルター。【選択図】なし

Description

本発明は、浄水フィルターに関する。さらに、本発明は、水栓一体型浄水器用に適した浄水フィルター、当該浄水フィルターを備えた浄水カートリッジ、及び当該浄水カートリッジを充填してなる浄水器に関する。
従来、飲料用に供される水道水などには、殺菌を目的として塩素が添加されている。しかしながら、水道水中に含まれる塩素は、水道水中に含まれる有機物と反応して、有機ハロゲン系化合物を生成する。例えば、天然有機物であるフミン質が水道水中において塩素と反応すると、発がん性物質であるトリハロメタンを生成することが知られている。
水道水中に含まれるこれらの有機ハロゲン系化合物を取り除くため、例えば、活性炭などを用いた浄水フィルターが広く用いられている。
例えば、特定の粒状活性炭の粒径が0.1〜1mmの範囲の粒子群の質量が全粒子の質量の80%以上である活性炭層と中空糸膜束とが配置された浄水器が知られている(例えば、特許文献1参照。)。該浄水器によれば、トリハロメタンの除去効果を十分な期間持続し、かつ十分な吐出流量が得られるとされている。
また、60−100メッシュパス粒状活性炭(すなわち、粒径150〜250μm)と100メッシュパス粒状活性炭(すなわち、粒径150μm以下)を混合したものを用いた第1フィルターと、中空糸膜からなる第2フィルターからなる水処理器用フィルターが知られている(例えば、特許文献2参照。)。該水処理器用フィルターによれば、塩素の除去や濁りなどを除去する性能が高く、中空糸を長持ちさせることができるとされている。
また、中心粒子径が80μm〜120μmで、特定の粒径分布である粉末状活性炭と繊維状バインダーを含む混合物を成型してなる活性炭成型体が知られている(例えば、特許文献3参照。)該活性炭成型体によれば、揮発性有機化合物等の除去性能に優れ、さらに、濁り除去能力に優れるとされる。
特開平11−47733号公報 特開2001−79541号公報 国際公開第2011/016548号パンフレット
近年、このような浄水フィルターには、高い総トリハロメタンろ過能力が求められている。例えば、浄水フィルターには、JIS S3201の「揮発性有機化合物のろ過能力試験」における総トリハロメタンの総ろ過水量(総トリハロメタンの除去率が80%に低下するまでの水量)が多いことが要求されてきている。該総ろ過水量が多いほど、浄水フィルターの使用可能期間(取替え期間)が長くなる。
加えて、浄水フィルターが水栓一体型浄水器用である場合などには、浄水フィルターは小型化(例えば体積50cm3程度)する必要がある。浄水フィルターが小型になると、空塔速度(SV)が大きくなり、高い総トリハロメタンろ過能力を維持することが難しくなる。例えば、特許文献1〜3に開示されたような従来の浄水フィルターにおいて、体積を50cm3とし、空塔速度(SV)を2400/h、ろ過流量を2L/分とすると、総トリハロメタンろ過能力が不十分となる。このように、従来の浄水フィルターでは、高い総トリハロメタンろ過能力を保持しつつ、小型化を行うことは困難である。
浄水フィルターの高い総トリハロメタンろ過能力を保持しつつ、小型化を行うために、例えば、粒径の小さい活性炭を使用し、浄水フィルターにおける活性炭の充填密度を高めることが考えられる。しかしながら、活性炭の充填密度を高めることには限界がある。また、活性炭の粒径を小さくしすぎると、総トリハロメタンろ過能力が80%に低下する前に、水道水中に含まれる懸濁物質などによって、浄水フィルターに目詰まりが生じるという問題がある。
例えば、前記特許文献1に開示されている浄水器は、十分な吐出流量を得るために、粒状活性炭の粒径を単に大きくしたものであることから、総トリハロメタンの除去効果に劣るという問題がある。具体的には、特許文献1の実施例1では、活性炭層の体積を50cm3とし、ろ過流量を2L/分、すなわち、空塔速度(SV)を2400/hとして評価されているところ、総トリハロメタンのろ過能力は12.4(L/cm3)である。これは、1日当たり10Lの水をろ過した場合に、活性炭層の取り替え期間がわずか約2ヶ月となるものであり、近年の要求に十分応えられるものではない。
また、前記特許文献2に開示されている水処理器用フィルターは、粒径の小さい粒状活性炭が多く含まれていると考えられ、該粒状活性炭からなる第1フィルターの目詰まりが起こりやすいという問題がある。具体的には、特許文献2の実施例1では、第1フィルターの体積を約120cm3とし、ろ過流量を2L/分、すなわち、空塔速度(SV)を約1000/hと小さい条件で評価しているにも関わらず、濁度除去能力は20(L/cm3)未満である。従って、残留塩素除去能力が20(L/cm3)以上であったとしても、残留塩素除去能力を十分に発揮する前に第1フィルターが目詰まりを起こしてしまう。
さらに、特許文献3に開示されている活性炭成型体は、空塔速度(SV)が1000/h程度において総トリハロメタンのろ過能力が約20(L/cm3)であり、2000/hを超えるような高空塔速度条件下においては、総トリハロメタンのろ過能力がさらに低下し、総トリハロメタンの除去効果に劣るという問題がある。
本発明は、大きな空塔速度(SV)を有する場合にも、高い総トリハロメタンろ過能力を有し、さらに目詰まりの生じ難い浄水フィルターを提供することを主な目的とする。さらに、本発明は、水栓一体型浄水器用に適した浄水フィルター、当該浄水フィルターを備えた浄水カートリッジ、及び当該浄水カートリッジを充填してなる浄水器を提供することも目的とする。
本発明者は、上記のような課題を解決すべく鋭意検討を行った。その結果、粉末状活性炭及びバインダー繊維を含み、粉末状活性炭が、レーザー回折/散乱式法で測定した積算体積百分率D50が50〜150μmであり、かつ、レーザー回折/散乱式法で測定した粒径が40μm以下の粉末状活性炭の割合が7体積%以下である浄水フィルターは、大きな空塔速度(SV)を有する場合にも、高い総トリハロメタンろ過能力を有し、さらに目詰まりが生じ難いことを見出した。すなわち、従来技術では、目詰まりを低減させるために粉状活性炭の中心粒径を大きくするという手法がとられていたのに対し、特定の粒径以下の粉状活性炭の割合を小さくするとともに、D50を特定の範囲とすることにより、高い総トリハロメタンろ過能力を有し、さらに目詰まりが生じ難いという相反する課題を一気に解決できることを見出した。本発明は、これらの知見に基づいて、さらに検討を重ねることにより完成された発明である。
すなわち、本発明は、下記に掲げる態様の発明を提供する。
項1.粉末状活性炭及びバインダー繊維を含み、
前記粉末状活性炭は、レーザー回折/散乱式法で測定した積算体積百分率D50が50〜150μmであり、かつ、レーザー回折/散乱式法で測定した粒径が40μm以下の粉末状活性炭の割合が7体積%以下である、浄水フィルター。
項2. 前記粉末状活性炭は、レーザー回折/散乱式法で測定した積算体積百分率D10が55〜75μmであり、レーザー回折/散乱式法で測定した積算体積百分率D90が160〜190μmである、項1に記載の浄水フィルター。
項3. 空塔速度(SV)2400/hにおける総トリハロメタンろ過能力が20L/cm3以上である、項1または2に記載の浄水フィルター。
項4. 標準カオリンを用いて濁度を2度に設定した試料水を空塔速度(SV)2400/hで通水し、流量が初期流量の50%になるまでの単位体積当たりの通水寿命(L/cm3)が、前記総トリハロメタンろ過能力(L/cm3)の1.5倍以上である、項3に記載の浄水フィルター。
項5. 見かけ密度が0.4〜0.5g/cm3である、項1〜4のいずれかに記載の浄水フィルター。
項6. 前記粉末状活性炭が、やしがら活性炭と樹脂系活性炭とを含み、
前記粉末活性炭中における、やしがら活性炭と樹脂系活性炭との質量比が、37:63〜68:32である、項1〜5のいずれかに記載の浄水フィルター。
項7. BET法により測定される前記樹脂系活性炭の比表面積が、800〜1100m2/gである、項6に記載の浄水フィルター。
項8. 金属ケイ酸塩及びイオン交換樹脂からなる群から選択された少なくとも1種を含む、項1〜7のいずれかに記載の浄水フィルター。
項9. 外径20〜35mm及び長さ50〜150mmの円筒形状を有する水栓一体型浄水器用である、項1〜8のいずれかに記載の浄水フィルター。
項10. 項1〜9のいずれかに記載の浄水フィルターと中空糸膜モジュールとを備える、浄水カートリッジ。
項11. 項10に記載の浄水カートリッジを充填してなる、浄水器。
本発明の浄水フィルターによれば、高い総トリハロメタンろ過能力を有し、さらに目詰まりの生じ難い浄水フィルターを提供することができる。さらに、本発明によれば、水栓一体型浄水器用に適した浄水フィルター、当該浄水フィルターを備えた浄水カートリッジ、及び当該浄水カートリッジを充填してなる浄水器を提供することもできる。
本発明の浄水フィルターは、粉末状活性炭及びバインダー繊維を含み、粉末状活性炭が、レーザー回折/散乱式法で測定した積算体積百分率D50が50〜150μmであり、かつ、レーザー回折/散乱式法で測定した粒径が40μm以下の粉末状活性炭の割合が7体積%以下であることを特徴とする。以下、本発明の浄水フィルター、本発明の浄水フィルターを用いた水栓一体型浄水器用浄水フィルター、本発明の浄水フィルターを備えた浄水カートリッジ、及び本発明の浄水カートリッジを充填してなる浄水器について詳述する。
本発明の浄水フィルターは、粉末状活性炭及びバインダー繊維を含む。さらに、本発明においては、粉末状活性炭が、レーザー回折/散乱式法で測定した積算体積百分率D50が50〜150μmであり、かつ、レーザー回折/散乱式法で測定した粒径が40μm以下の粉末状活性炭の割合が7体積%以下である。本発明においては、積算体積百分率D50がこのような範囲にあり、かつ、粒径が40μm以下の粉末状活性炭の割合が7体積%以下であることにより、高い総トリハロメタンろ過能力を有し、さらに目詰まりの生じ難い浄水フィルターを提供することが可能となる。
本発明において、粉末状活性炭は、ゼゴミル、ボールミル、ジェットミルなどの粉砕機などを使用する公知の方法で活性炭を所定の粒度に粉砕することにより得られる。このような活性炭の具体例としては、やしがらを原料とするやしがら活性炭、石炭を原料とする石炭系活性炭、木質を原料とする木質系活性炭、フェノール樹脂などの樹脂を原料とする樹脂系活性炭などの公知の活性炭が挙げられる。粉末状活性炭は、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。浄水フィルターの総トリハロメタンろ過能力を高めつつ、目詰まりを抑制する観点から、粉末状活性炭としては、やしがら活性炭及び樹脂系活性炭の少なくとも一方を使用することが好ましく、やしがら活性炭及び樹脂系活性炭を併用することが特に好ましい。樹脂系活性炭の中でも、フェノール樹脂系活性炭が特に好ましい。
粉末状活性炭は、レーザー回折/散乱式法で測定した積算体積百分率D50が50〜150μmである。浄水フィルターの総トリハロメタンろ過能力を高めつつ、目詰まりを抑制する観点から、粉末状活性炭の積算体積百分率D50としては、好ましくは70〜130μm程度、より好ましくは90〜120μm程度が挙げられる。このような積算体積百分率D50を有する粉末状活性炭は、例えば、上記の活性炭を粉砕した後、篩で分級することにより得られる。なお、本発明において、積算体積百分率D50とは、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(堀場製作所社製の商品名LA−920)を用いて測定された、粉末状活性炭の粒度分布における積算値が50%となる粒度をいう。
また、粉末状活性炭は、浄水フィルターの総トリハロメタンろ過能力を高めつつ、目詰まりを抑制する観点から、レーザー回折/散乱式法で測定した積算体積百分率D10が55〜75μm程度であることが好ましく、60〜75μm程度であることがより好ましい。同様の観点から、レーザー回折/散乱式法で測定した積算体積百分率D90が160〜190μmであることが好ましく、170〜180μm程度であることがより好ましい。上記の積算体積百分率D50に加えて、さらにこれらの積算体積百分率D10、D90を有する粉末状活性炭は、上記の活性炭を粉砕した後、篩で分級することにより得られる。なお、本発明において、積算体積百分率D10、D90とは、それぞれ、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(堀場製作所社製の商品名LA−920)を用いて測定された、粉末状活性炭の粒度分布における積算値が10%、90%となる粒度をいう。
本発明において、粉末状活性炭は、レーザー回折/散乱式法で測定した粒径が40μm以下の粉末状活性炭の割合が7体積%以下である。浄水フィルターの総トリハロメタンろ過能力を高めつつ、目詰まりを抑制する観点から、粉末状活性炭は、レーザー回折/散乱式法で測定した粒径が40μm以下の粉末状活性炭の割合が5体積%以下であることがより好ましい。なお、本発明において、粒径が40μm以下の粉末状活性炭の割合は、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(堀場製作所社製の商品名LA−920)を用いて測定した値である。
粉末状活性炭の比表面積としては、浄水フィルターの総トリハロメタンろ過能力を高めつつ、目詰まりを抑制する観点から、例えば700〜1300m2/g程度、好ましくは800〜1200m2/g程度が挙げられる。例えば、粉末状活性炭として、やしがら活性炭を使用する場合、同様の観点から、やしがら活性炭の比表面積は、800〜1200m2/g程度とすることが特に好ましい。また、例えば、粉末状活性炭として、樹脂系活性炭を用いる場合、同様の観点から、樹脂系活性炭の比表面積は、800〜1100m2/g程度とすることが好ましく、850〜1100m2/g程度とすることが特に好ましい。なお、比表面積は、BET法により求められる値である。
本発明の浄水フィルターにおける粉末状活性炭の割合としては、浄水フィルターの総トリハロメタンろ過能力を高めつつ、目詰まりを抑制する観点から、例えば85〜95質量%程度、好ましくは88〜93質量%程度が挙げられる。粉末状活性炭において、やしがら活性炭と樹脂系活性炭とを併用する場合、浄水フィルターの総トリハロメタンろ過能力を高めつつ、目詰まりを抑制する観点から、やしがら活性炭と樹脂系活性炭との質量比(やしがら活性炭:樹脂系活性炭)としては、好ましくは37:63〜68:32程度、より好ましくは42:58〜53:47程度が挙げられる。
また、本発明の浄水フィルターに用いる粉末状活性炭の充填密度としては、浄水フィルターの総トリハロメタンろ過能力を高めつつ、目詰まりを抑制する観点から、例えば0.3〜0.8g/cm3程度が挙げられる。例えば、粉末状活性炭として、やしがら活性炭を使用する場合、同様の観点から、やしがら活性炭の充填密度は、0.6〜0.7g/cm3程度とすることが特に好ましい。また、例えば、粉末状活性炭として、樹脂系活性炭を用いる場合、同様の観点から、樹脂系活性炭の充填密度は、0.3〜0.6g/cm3程度とすることが特に好ましい。
本発明の浄水フィルターにおいて、バインダー繊維とは、上記の粉末状活性炭と一体化されることにより、粉末状活性炭を絡めてフィルター状に賦形するものである。本発明の浄水フィルターにおいては、バインダー繊維に粉末状活性炭が融着していてもよい。バインダー繊維としては、浄水フィルターに使用される公知のフィブリル化されたバインダー繊維を用いることができる。このようなフィブリル化されたバインダー繊維の繊維種の具体例としては、アクリル繊維、アクリル系繊維、ポリエチレン繊維、セルロース繊維、アラミド繊維などが挙げられる。バインダー繊維は、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
バインダー繊維の繊維長としては、浄水フィルターの総トリハロメタンろ過能力を高めつつ、目詰まりを抑制する観点から、好ましくは0.7〜2mm程度が挙げられる。また、同様の観点から、バインダー繊維の繊維径としては、好ましくは3μm以下程度が挙げられる。
本発明の浄水フィルターにおけるバインダー繊維の割合としては、浄水フィルターの総トリハロメタンろ過能力を高めつつ、目詰まりを抑制する観点から、例えば2〜6質量%程度、好ましくは3〜5質量%程度が挙げられる。
本発明の浄水フィルターは、粉末状活性炭及びバインダー繊維に加えて、さらに他の成分を含んでいてもよい。他の成分としては、特に制限されず、公知の浄水フィルターに用いられるものが挙げられる。他の成分の具体例としては、例えば、溶解性鉛の除去の観点から、ケイ酸チタニウム、ケイ酸アルミニウムなどの金属ケイ酸塩;アクリレート系イオン交換繊維などの繊維状のイオン交換樹脂や粉状、粒状のイオン交換樹脂等などが挙げられる。他の成分は、1種類のみ使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明の浄水フィルターが金属ケイ酸塩を含む場合、金属ケイ酸塩の割合としては、例えば3〜7質量%程度、好ましくは4〜6質量%程度が挙げられる。また、本発明の浄水フィルターがイオン交換樹脂を含む場合、中でもアクリレート系イオン交換繊維を含む場合、アクリレート系イオン交換繊維の割合としては、例えば2〜6質量%程度、好ましくは3〜5質量%程度が挙げられる。
本発明の浄水フィルターの見かけ密度としては、浄水フィルターの総トリハロメタンろ過能力を高めつつ、目詰まりを抑制する観点から、好ましくは0.4〜0.5g/cm3程度が挙げられる。見かけ密度が0.4g/cm3よりも小さい場合、浄水フィルターにおける単位体積当たりの総トリハロメタンろ過能力が低下する場合がある。一方、見かけ密度が0.5g/cm3よりも大きい場合、浄水フィルターが目詰まりしやすくなる場合がある。なお、本発明において、浄水フィルターの見かけ密度は、浄水フィルターを熱風乾燥機にて80℃、3時間乾燥させ、デシケーター内で室温まで冷却した後、電子天秤にて質量を秤量し、その質量(g)を浄水フィルターの体積(cm3)で除して得られた値である。
本発明の浄水フィルターの体積は、用途に応じて適宜設定することができる。例えば、水栓一体型浄水器用の浄水フィルターである場合には、30〜70cm3程度が挙げられる。また、本発明の浄水フィルターの形状についても、用途に応じて適宜設定することができ、例えば、円筒形状などが挙げられる。浄水フィルターの形状が円筒形状である場合、長さは50〜150mm程度、内径は6〜30mm程度、外径は20〜35mm程度とすることができる。
本発明の浄水フィルターは、例えば、空塔速度(SV)が1500〜3000/h程度の条件で使用することができる。
本発明の浄水フィルターの総トリハロメタンろ過能力としては、空塔速度(SV)が例えば2400/hと大きい場合にも、例えば20L/cm3以上、さらには24L/cm3以上とすることができる。
なお、本発明において、浄水フィルターの総トリハロメタンのろ過能力は、次のようにして測定して得られる値である。JIS S 3201 2010 6.5.3揮発性有機化合物ろ過能力試験に準じ、浄水フィルターの両端面をシリコーンシーラント(セメダイン社製)でシールした後、ステンレス製ハウジングに充填し、ろ過精度0.1μmのフィルターにより浄化処理したイオン交換水に、総トリハロメタン濃度が100±20ppbとなるようにトリハロメタン類を添加したものを調整原水とし、圧力が0.1MPa、空塔速度(SV)が2400/hとなるように外側から内側に10分間通水をおこなう。次いで、ろ過流量を維持したまま、1日5時間以上連続通水をおこない、浄水フィルター通過前後で総トリハロメタンの濃度をヘッドスペース−ガスクロマトグラフ法にて定量測定し、流入水に対する流出水の総トリハロメタンの水中濃度が初期20%以上になる点を破過点とし、該破過点までの総ろ過水量(L)を求める。得られた総ろ過水量(L)を浄水フィルター体積(cm3)で割った値を総トリハロメタンろ過能力(L/cm3)とする。
例えば、上記総トリハロメタンろ過能力が24L/cm3である場合、一般的な水栓一体型浄水器用の小型の浄水フィルター(体積50cm3)であれば、1日当たり10Lの水をろ過した場合に、浄水フィルターの取り替え期間が約4ヶ月となる。
また、本発明の浄水フィルターにおいて、標準カオリンを用いて濁度を2度に設定した試料水を空塔速度(SV)2400/hで通水し、流量が初期流量の50%になるまでの単位体積当たりの通水寿命(L/cm3)としては、例えば30L/cm3以上、さらには40L/cm3以上とすることができる。このような通水寿命を有する本発明の浄水フィルターは、総トリハロメタンろ過能力を高めつつ、目詰まりが抑制されている。
なお、本発明において、浄水フィルターの通水寿命は、次のようにして測定して得られる値である。JIS S 3201 2010 6.5.2に準じ、浄水フィルターの両端面をシリコーンシーラント(セメダイン社製)でシールした後、ステンレス製ハウジングに充填し、ろ過精度0.1μmのフィルターにより浄化処理したイオン交換水に、標準カオリンの濁度が2度に調整したものを調整原水とし、圧力が0.1MPa、空塔速度(SV)が2400/hとなるように外側から内側に10分間通水をおこない、初期流量(L/分)を測定する。次いで、圧力を0.1MPaに維持したまま、1日5時間以上連続通水をおこない、ろ過流量(L/分)が初期流量(L/分)の50%になるまでの通水量(L)を求める。そして、該通水量(L)を浄水フィルター体積(cm3)で割った値を浄水フィルターの通水寿命(L/cm3)とする。
すなわち、本発明の浄水フィルターは、水道水中に含まれる懸濁物質をなるべく捕捉せずに、むしろ積極的に通過させつつ、総トリハロメタンろ過能力が特別顕著に優れる点で、従来の浄水フィルターと大きく相違する。従って、例えば、水道水中に含まれる懸濁物質を捕捉する中空糸膜モジュールと組み合わせて浄水カートリッジとすれば、特別顕著に優れる総トリハロメタンろ過能力と、中空糸膜モジュールによる濁り除去性能とを両立させることができ、該浄水カートリッジの取替え期間(使用可能期間)を長くすることができる。
さらに、本発明の浄水フィルターにおいては、上記の総トリハロメタンろ過能力(A)と、上記の総ろ過水量(B)とが、好ましくは(B)/(A)=1.5以上、より好ましくは(B)/(A)=2.0以上の関係を充足することが好ましい。(B)/(A)=1.5以上の関係を充足することにより、例えば、中空糸膜モジュールと組み合わせた浄水カートリッジとした場合、十分な流量を確保することができ、かつ、総トリハロメタンろ過能力と濁り除去性能を両立することができる。(B)/(A)=1.5未満の場合は、例えば、中空糸膜モジュールと組み合わせた場合に、浄水フィルターの目詰まりによる流量低下が律速となり、総トリハロメタンろ過能力と中空糸膜モジュールの濁り除去性能を十分に発揮する前に、浄水カートリッジを交換せざるを得ないことになりやすくなる。
本発明の浄水フィルターの製造方法としては、特に制限されず、少なくとも上記の粉末状活性炭と上記のバインダー繊維とを用い、公知の方法を適用することができる。本発明の浄水フィルターの製造方法の具体例としては、スラリー吸引法などが挙げられる。スラリー吸引法においては、上記の粉末状活性炭、上記のバインダー繊維、及び必要に応じて上記の他の成分を水と混合してスラリーを得る。次に、例えば、多数の小孔が形成された内管と外管とを備えた二重管状容器を用い、内管と外管との間にスラリーを流し込み、中心部からスラリーを吸引することによって円筒型の成型体を得る。この成型体を乾燥させることにより、浄水フィルターが得られる。成形体は、必要に応じて、加熱処理、圧縮処理に供してもよい。なお、スラリー中の粉末状活性炭とバインダー繊維の割合は、浄水フィルター中における上記の割合となる様に設定することができる。また、スラリー吸引法においては、浄水フィルターの形状は、スラリーを流し込む容器の形状に対応する形状となるため、容器の形状を変更することにより、浄水フィルターの形状を種々の形状とすることができる。
本発明の浄水フィルターは、水栓一体型浄水器用の浄水フィルターとして、特に好適に使用することができる。水栓一体型浄水器用の浄水フィルターは、小型であることにより、従来、総トリハロメタンろ過能力が低下しやすく、目詰まりも生じやすいことが問題となっているが、本発明の浄水フィルターは、高い総トリハロメタンろ過能力を有し、さらに目詰まりも生じ難いため、水栓一体型浄水器に適用した場合にも、総トリハロメタンろ過能力の低下や目詰まりを効果的に抑制することができる。
本発明の浄水フィルターは、例えば中空糸膜モジュールなどと共に用いることにより、浄水カートリッジとすることができる。本発明の浄水カートリッジにおいては、処理対象となる水をカートリッジ内の浄水フィルターに送り、浄水フィルターでトリハロメタンなどを除去し、次に水を中空糸膜モジュールに送り、浄水フィルターで除去されなかった懸濁物質等を除去することができる。本発明の浄水フィルターを用いた浄水カートリッジは、例えば、上記の水栓一体型浄水器などに充填して使用することができる。
本発明の浄水器は、本発明の浄水カートリッジを充填してなり、通水に供される。通水方式としては、ろ過対象となる原水全量をろ過する全ろ過方式、循環ろ過方式などを採用することができる。
以下に、実施例及び比較例を示して本発明を詳細に説明する。ただし、本発明は、実施例に限定されない。
<実施例1>
粉末状活性炭として、比表面積が1000m2/gである粒状のやしがら活性炭を、ボールミルでD50がこの段階で60μm程度となるように粉砕した後、270メッシュ(目開き53μm)の篩で分級し、篩に残ったものを用いた。また、同じく粉末状活性炭として、比表面積が910m2/gである粒状のフェノール樹脂系活性炭を、ボールミルでD50がこの段階で60μm程度となるように粉砕した後、270メッシュ(目開き53μm)の篩で分級し篩に残ったものを用いた。バインダー繊維として、日本エクスラン社製の商品名ビィパルを叩解したものを用いた。金属ケイ酸塩として、ケイ酸チタニウムを用いた。なお、粉末状活性炭の積算体積百分率D50、D10、及びD90は、上記やしがら活性炭と上記フェノール樹脂系活性炭とを表1の組成となるように混合し、この混合物について、レーザー回折式粒度分布測定装置(堀場製作所社製の商品名LA−920)を用いて測定した。粉末状活性炭における40μm以下の粒子の割合は、同じレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置を用いて測定した。
表1の組成となるように粉末状活性炭、バインダー繊維、及びケイ酸チタニウムを水と混合し、スラリーを得た。得られたスラリーを、金型を用いて外径31.2mm、内径8.0mm、長さ70.0mmの円筒形状に成形し、実施例1の浄水フィルターを得た。該浄水フィルターの体積は、50cm3であった。
<実施例2>
フェノール樹脂系活性炭として、比表面積が870m2/gである粒状のものを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2の浄水フィルターを得た。
<実施例3>
フェノール樹脂系活性炭として、比表面積が1040m2/gである粒状のものを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例3の浄水フィルターを得た。
<実施例4>
フェノール樹脂系活性炭として、比表面積が827m2/gである粒状のものを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例4の浄水フィルターを得た。
<実施例5>
粉末状活性炭として、比表面積が1000m2/gである粒状のやしがら活性炭を、ボールミルでD50がこの段階で60μm程度となるように粉砕した後、270メッシュ(目開き53μm)の篩で分級し篩に残ったものを用いた。また、同じく粉末状活性炭として、比表面積が910m2/gである粒状のフェノール樹脂系活性炭を、ボールミルでD50がこの段階で60μm程度となるように粉砕した後、440メッシュ(目開き32μm)の篩で分級し篩に残ったものを用いた。バインダー繊維として、日本エクスラン社製の商品名ビィパルを叩解したものを用いた。金属ケイ酸塩として、ケイ酸チタニウムを用いた。なお、粉末状活性炭の積算体積百分率D50、D10、及びD90は、上記やしがら活性炭と上記フェノール樹脂系活性炭とを表1の組成となるように混合し、この混合物について、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(堀場製作所社製の商品名LA−920)を用いて測定した。粉末状活性炭における40μm以下の粒子の割合は、同じレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置を用いて測定した。
表1の組成となるように粉末状活性炭、バインダー繊維、及びケイ酸チタニウムを水と混合し、スラリーを得た。得られたスラリーを、金型を用いて外径31.2mm、内径8.0mm、長さ70.0mmの円筒形状に成形し、実施例5の浄水フィルターを得た。該浄水フィルターの体積は、50cm3であった。
<比較例1>
粉末状活性炭として、比表面積が1000m2/gである粒状のやしがら活性炭を、ボールミルでD50がこの段階で60μm程度となるように粉砕した後、270メッシュ(目開き53μm)の篩で分級し篩に残ったものを用いた。また、同じく粉末状活性炭として、比表面積が910m2/gである粒状のフェノール樹脂系活性炭を、ボールミルでD50がこの段階で60μm程度となるように粉砕した後、440メッシュ(目開き32μm)の篩で分級し篩に残ったものを用いた。バインダー繊維として、日本エクスラン社製の商品名ビィパルを叩解したものを用いた。金属ケイ酸塩として、ケイ酸チタニウムを用いた。なお、粉末状活性炭の積算体積百分率D50、D10、及びD90は、上記やしがら活性炭と上記フェノール樹脂系活性炭とを表1の組成となるように混合し、この混合物について、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(堀場製作所社製の商品名LA−920)を用いて測定した。粉末状活性炭における40μm以下の粒子の割合は、同じレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置を用いて測定した。
表1の組成となるように粉末状活性炭、バインダー繊維、及びケイ酸チタニウムを水と混合し、スラリーを得た。得られたスラリーを、金型を用いて外径31.2mm、内径8.0mm、長さ70.0mmの円筒形状に成形し、比較例1の浄水フィルターを得た。該浄水フィルターの体積は、50cm3であった。
<比較例2>
粉末状活性炭として、比表面積が910m2/gである粒状のフェノール樹脂系活性炭を、ボールミルでD50がこの段階で60μm程度となるように粉砕した後、分級せずに用いた。バインダー繊維として、日本エクスラン社製の商品名ビィパルを叩解したものを用いた。金属ケイ酸塩として、ケイ酸チタニウムを用いた。なお、粉末状活性炭の積算体積百分率D50、D10、及びD90は、上記フェノール樹脂系活性炭をレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(堀場製作所社製の商品名LA−920)を用いて測定した。粉末状活性炭における40μm以下の粒子の割合は、同じレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置を用いて測定した。
表1の組成となるように粉末状活性炭、バインダー繊維、及びケイ酸チタニウムを水と混合し、スラリーを得た。得られたスラリーを、金型を用いて外径31.2mm、内径8.0mm、長さ70.0mmの円筒形状に成形し、比較例2の浄水フィルターを得た。該浄水フィルターの体積は、50cm3であった。
<比較例3>
粉末状活性炭として、比表面積が1000m2/gである粒状のやしがら活性炭を、ボールミルでD50がこの段階で60μm程度となるように粉砕した後、270メッシュ(目開き53μm)の篩で分級し篩に残ったものを用いた。また、同じく粉末状活性炭として、比表面積が910m2/gである粒状のフェノール樹脂系活性炭をD50がこの段階で60μm程度となるように粉砕した後、分級せずに用いた。バインダー繊維として、日本エクスラン社製の商品名ビィパルを叩解したものを用いた。金属ケイ酸塩として、ケイ酸チタニウムを用いた。なお、粉末状活性炭の積算体積百分率D50、D10、及びD90は、上記やしがら活性炭と上記フェノール樹脂系活性炭とを表1の組成となるように混合し、この混合物について、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(堀場製作所社製の商品名LA−920)を用いて測定した。粉末状活性炭における40μm以下の粒子の割合は、同じレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置を用いて測定した。
表1の組成となるように粉末状活性炭、バインダー繊維、及びケイ酸チタニウムを水と混合し、スラリーを得た。得られたスラリーを、金型を用いて外径31.2mm、内径8.0mm、長さ70.0mmの円筒形状に成形し、比較例3の浄水フィルターを得た。該浄水フィルターの体積は、50cm3であった。
<比較例4>
粉末状活性炭として、比表面積が1260m2/gである粒状のやしがら活性炭を、ボールミルでD50がこの段階で60μm程度となるように粉砕した後、270メッシュ(目開き53μm)の篩で分級して用いた。また、同じく粉末状活性炭として、比表面積が910m2/gである粒状のフェノール樹脂系活性炭を、ボールミルでD50がこの段階で60μm程度となるように粉砕した後、270メッシュ(目開き53μm)の篩で分級し篩を通過したものを用いた。バインダー繊維として、日本エクスラン社製の商品名ビィパルを叩解したものを用いた。金属ケイ酸塩として、ケイ酸チタニウムを用いた。なお、粉末状活性炭の積算体積百分率D50、D10、及びD90は、上記やしがら活性炭と上記フェノール樹脂系活性炭とを表1の組成となるように混合し、この混合物について、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(堀場製作所社製の商品名LA−920)を用いて測定した。粉末状活性炭における40μm以下の粒子の割合は、同じレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置を用いて測定した。
表1の組成となるように粉末状活性炭、バインダー繊維、及びケイ酸チタニウムを水と混合し、スラリーを得た。得られたスラリーを、金型を用いて外径31.2mm、内径8.0mm、長さ70.0mmの円筒形状に成形し、比較例4の浄水フィルターを得た。該浄水フィルターの体積は、50cm3であった。
<比較例5>
やしがら活性炭とフェノール樹脂系活性炭との比率を、表1の組成となるように変更したこと以外は、比較例1と同様にして、比較例5の浄水フィルターを得た。
<比較例6>
やしがら活性炭とフェノール樹脂系活性炭との比率を、表1の組成となるように変更したこと以外は、比較例1と同様にして、比較例6の浄水フィルターを得た。
[総トリハロメタンろ過能力の測定]
JIS S 3201 2010 6.5.3揮発性有機化合物ろ過能力試験に準じ、実施例1〜5及び比較例1、3〜6で得られた浄水フィルターの両端面をシリコーンシーラント(セメダイン社製)でシールした後、ステンレス製ハウジングに充填し、ろ過精度0.1μmのフィルターにより浄化処理したイオン交換水に、総トリハロメタン濃度が100±20ppbとなるようにトリハロメタン類を添加したものを調整原水とし、所定の流量圧力が0.1MPa、空塔速度(SV)が2400/hとなるように外側から内側に10分間通水をおこなった。次いで、ろ過流量を維持したまま、1日5時間以上連続通水をおこない、浄水フィルター通過前後で総トリハロメタンの濃度をヘッドスペース−ガスクロマトグラフ法にて定量測定し、流入水の総トリハロメタンの水中濃度に対する流出水の総トリハロメタンの水中濃度が20%以上になる点を破過点とし、該破過点までの総ろ過水量(L)を求めた。得られた総ろ過水量(L)を浄水フィルター体積(cm3)で割った値を総トリハロメタンろ過能力(L/cm3)とし、20L/cm3以上を合格とした。結果を表1に示す。なお、比較例2で得られた浄水フィルターは、圧力損失が高く、動水圧0.1MPaをかけた状態で、標準カオリンを通水した場合の初期流量が1.2L/分(すなわち、空塔速度(SV)が1440/h)と非常に小さくなったため、総トリハロメタンろ過能力の測定は行わなかった。
[見かけ密度の測定]
実施例1〜5及び比較例1〜6で得られた浄水フィルターの見かけ密度は、浄水フィルターを熱風乾燥機にて80℃、3時間乾燥させ、デシケーター内で室温まで冷却した後、電子天秤にて質量を秤量し、その質量(g)を浄水フィルターの体積(cm3)で除して得られた値である。なお、浄水フィルターの体積(cm3)は、外径、内径、高さを、ノギスを用いて測定し、外径、内径、高さのそれぞれについて、最大値と最小値との平均値を算出し、該平均値から体積を求めた。結果を表1に示す。
[標準カオリンを用いた通水寿命の測定]
JIS S 3201 2010 6.5.2に準じ、実施例1〜5及び比較例1、3〜6で得られた浄水フィルターの両端面をシリコーンシーラント(セメダイン社製)でシールした後、ステンレス製ハウジングに充填し、ろ過精度0.1μmのフィルターにより浄化処理したイオン交換水に、標準カオリンの濁度が2度に調整したものを調整原水とし、圧力が0.1MPa、空塔速度(SV)が2400/hとなるように外側から内側に10分間通水をおこない、初期流量(L/分)を測定した。次いで、圧力を0.1MPaに維持したまま、1日5時間以上連続通水をおこない、ろ過流量(L/分)が初期流量(L/分)の50%になるまでの通水量(L)を求めた。そして、該通水量(L)を浄水フィルター体積(cm3)で割った値を浄水フィルターの通水寿命(L/cm3)とし、30L/cm3以上を合格とした。結果を表1に示す。なお、比較例2で得られた浄水フィルターは、圧力損失が高く、動水圧0.1MPaをかけた状態で、標準カオリンを通水した場合の初期流量が1.2L/分(すなわち、空塔速度(SV)が1440/h)と非常に小さくなったため、通水寿命の測定は行わなかった。なお、標準カオリンとして、ナカライテスク社製のカオリン(特級 粒径0.1〜4μm)を使用した。
また、上記で得られた総トリハロメタンろ過能力(L/cm3):(A)に対する上記の通水寿命(L/cm3):(B)の割合((B)/(A))を算出し、1.5以上を合格とした。結果を表1に示す。
Figure 2015003283
表1に示されるように、粉末状活性炭が、レーザー回折/散乱式法で測定した積算体積百分率D50が50〜150μmであり、かつ、レーザー回折/散乱式法で測定した粒径が40μm以下の粉末状活性炭の割合が7体積%以下である、実施例1〜5の浄水フィルターでは、空塔速度(SV)が2400/hと大きい場合にも、総トリハロメタンろ過能力が20L/cm3と大きいだけでなく、標準カオリンを通水した場合の初期流量の50%に達するまでの通水寿命値が大きく、ろ過能力に優れ、目詰まりを起こしにくいことが明らかとなった。特に、実施例1〜3においては、フェノール樹脂系活性炭の比表面積が850〜1100m2/gであったことから、総トリハロメタンろ過能力が24L/cm3以上と特に大きく、高いろ過能力と目詰まり抑制能を有することが明らかとなった。一方、レーザー回折/散乱式法で測定した粒径が40μm以下の粉末状活性炭の割合が7体積%よりも大きい比較例1〜6の浄水フィルターでは、標準カオリンを通水した場合の初期流量の50%に達するまでの通水寿命値が小さく、目詰まりを起こしやすいことが明らかとなった。

Claims (11)

  1. 粉末状活性炭及びバインダー繊維を含み、
    前記粉末状活性炭は、レーザー回折/散乱式法で測定した積算体積百分率D50が50〜150μmであり、かつ、レーザー回折/散乱式法で測定した粒径が40μm以下の粉末状活性炭の割合が7体積%以下である、浄水フィルター。
  2. 前記粉末状活性炭は、レーザー回折/散乱式法で測定した積算体積百分率D10が55〜75μmであり、レーザー回折/散乱式法で測定した積算体積百分率D90が160〜190μmである、請求項1に記載の浄水フィルター。
  3. 空塔速度(SV)2400/hにおける総トリハロメタンろ過能力が20L/cm3以上である、請求項1または2に記載の浄水フィルター。
  4. 標準カオリンを用いて濁度を2度に設定した試料水を空塔速度(SV)2400/hで通水し、流量が初期流量の50%になるまでの単位体積当たりの通水寿命(L/cm3)が、前記総トリハロメタンろ過能力(L/cm3)の1.5倍以上である、請求項3に記載の浄水フィルター。
  5. 見かけ密度が0.4〜0.5g/cm3である、請求項1〜4のいずれかに記載の浄水フィルター。
  6. 前記粉末状活性炭が、やしがら活性炭と樹脂系活性炭とを含み、
    前記粉末活性炭中における、やしがら活性炭と樹脂系活性炭との質量比が、37:63〜68:32である、請求項1〜5のいずれかに記載の浄水フィルター。
  7. BET法により測定される前記樹脂系活性炭の比表面積が、800〜1100m2/gである、請求項6に記載の浄水フィルター。
  8. 金属ケイ酸塩及びイオン交換樹脂からなる群から選択された少なくとも1種を含む、請求項1〜7のいずれかに記載の浄水フィルター。
  9. 外径20〜35mm及び長さ50〜150mmの円筒形状を有する水栓一体型浄水器用である、請求項1〜8のいずれかに記載の浄水フィルター。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の浄水フィルターと中空糸膜モジュールとを備える、浄水カートリッジ。
  11. 請求項10に記載の浄水カートリッジを充填してなる、浄水器。
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