JP2015002012A - 接点装置及び回路遮断器 - Google Patents
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Abstract
【課題】可動接点と固定接点との間の導通不良や接点同士の固着を抑えることができる回路遮断器を提供する。【解決手段】摺動部は、ホルダ部材101とともに同方向に回動される可動リンク50と、可動リンク50の回動限界より以前にホルダ部材101と当接してホルダ部材101の回動を規制する固定ピン109とを備える。固定ピン109によるホルダ部材101(ホルダ部104)の回動規制中に固定ピン109に対して作用する回動方向への力の少なくとも一部によって、回動が規制されたホルダ部材101を、前記可動接点111を前記固定接点120に対して摺動させる方向に移動させる。可動接点111は、回動途中で固定ピン109により回動が規制されて摺動方向である長手方向Yに移動され、固定接点120と摺動する。【選択図】図5
Description
本発明は、接点装置及び回路遮断器に関するものである。
回路遮断器は、電源と負荷とを接続した回路において所定の回路状態に達した際には、接点間を引き外して回路を遮断する(例えば、特許文献1参照)。回路遮断器は、例えば、配線用遮断器、漏電遮断器、過電圧遮断器、不足電圧遮断器等がある。配線用遮断器は、短絡又は過負荷による異常電流が流れた際に回路を遮断する。漏電遮断器は、漏電が発生した際に回路を遮断する。過電圧遮断器は、回路の電圧が所定電圧よりも高い際に回路を遮断する。不足電圧遮断器は、回路の電圧が所定電圧よりも低い際に回路を遮断する。上記の回路遮断器を組み合わせた複合遮断器を使用することもある。
上記の回路遮断器では、固定接点に対して可動接点を接離する接点装置と、ハンドルの操作に応じて接点装置を動作させるリンク機構と、回路が所定の回路状態となった際にリンク機構を介して接点間を引き外す電磁引き外し装置と、を備えたものがある。この接点装置の可動接点は、可動導電板に取り付けられている。可動導電板と端子部とは、溶接等によって電気的に接続されている。
しかしながら、可動接点と固定接点との少なくとも一方に、酸化被膜が形成されたり、汚れが付着したりする虞がある。これにより、接点間の導通不良の発生や接点同士が固着する虞がある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、可動接点と固定接点との間の導通不良や接点同士の固着を抑えることができる接点装置及び回路遮断器を提供することにある。
上記課題を解決するために、接点装置は、固定接点と、一端側が所定の軸周りに回動可能に軸支される可動部材の他端側で設けられて、前記固定接点と接離可能な可動接点と、前記可動接点を前記固定接点に対して摺動させる摺動部と、を備えたことを特徴とする。
また上記構成において、前記摺動部は、前記可動部材とともに同方向に回動される可動リンクと、前記可動リンクの回動限界より以前に前記可動部材と当接して該可動部材の回動を規制する規制部とを備え、前記規制部による前記可動部材の回動規制中に前記規制部に対して作用する回動方向への力の少なくとも一部によって、回動が規制された前記可動部材を、前記可動接点を前記固定接点に対して摺動方向に移動させることが好ましい。
上記課題を解決するために、回路遮断器は、上記いずれかの接点装置を備えたことを特徴とする。
本発明の接点装置及び回路遮断器によれば、可動接点と固定接点との間の導通不良や接点同士の固着を抑えることができる。
以下、接点装置を回路遮断器の一種である過電圧遮断器に具体化した一実施形態について説明する。
図1に示すように、過電圧遮断器は、回路の電圧が所定電圧よりも高くなったときに回路を遮断する。過電圧遮断器は、短絡又は過負荷による異常電流が流れたときに回路を遮断する配線用遮断器等の回路遮断器と組み合わされて使用される。
図1に示すように、過電圧遮断器は、回路の電圧が所定電圧よりも高くなったときに回路を遮断する。過電圧遮断器は、短絡又は過負荷による異常電流が流れたときに回路を遮断する配線用遮断器等の回路遮断器と組み合わされて使用される。
過電圧遮断器の筐体10は、有底筒状の第1カバー11と、有底筒状の第2カバー12とを備えている。第1カバー11と第2カバー12とは、例えば絶縁性を有する合成樹脂によって形成されている。筐体10は、有底筒状の第1カバー11の開口部11aと、有底筒状の第2カバー12の開口部12aとが対向した状態で組み付けられて略扁平の箱状に形成されている。
図2及び図3に示すように、第1カバー11及び第2カバー12は、組み付け方向から見た平面視において、一方(図2及び図3の左右方向)に長く、他方(図2及び図3の上下方向)に短い形状となっている。ここで、組み付け方向を幅方向X、第1及び第2カバー11,12の長手方向を長手方向Y、第1及び第2カバー11,12の短手方向を短手方向Zとする。なお、短手方向Zは前記幅方向X及び長手方向Yと直交する方向である。
図1〜図3に示すように過電圧遮断器の筐体10には、外部電線を接続する端子部13が設けられている。端子部13は、筐体10の外側から外部電線を接続しやすいように、筐体10の中央からずれた位置(図2中左側)に設けられる。
第1カバー11と第2カバー12とによって形成される空間には、ハンドル20と、表示部材30と、リンク機構40と、電磁引外装置90と、接点装置100と、励磁回路を実装した回路基板14が配置されている。過電圧遮断器の筐体10の上面中央には、ハンドルゲート16が形成されている。過電圧遮断器の筐体10の上面の端子部13と反対側には、表示窓17が形成されている。
図2及び図3に示すように、リンク機構40は、連動駒41と、可動リンク50と、スラストバー60と、ラッチ部材70と、表示ラッチ部材80と、を備えている。
ハンドル20が操作されると、スラストバー60によってリンク機構40が駆動される。リンク機構40が駆動すると、リンク機構40に接続された接点装置100が回動して、固定接点120と可動接点111とが接離される。回路の電圧が所定電圧よりも高くなると、回路基板14の励磁回路が電磁引外装置90を励磁して、リンク機構40が駆動される。電磁引外装置90によってリンク機構40が駆動されると、接点装置100が回動して、固定接点120から可動接点111が引き外される。また、表示部材30は、リンク機構40の動きによって回動して、動作状態を表示する。
ハンドル20が操作されると、スラストバー60によってリンク機構40が駆動される。リンク機構40が駆動すると、リンク機構40に接続された接点装置100が回動して、固定接点120と可動接点111とが接離される。回路の電圧が所定電圧よりも高くなると、回路基板14の励磁回路が電磁引外装置90を励磁して、リンク機構40が駆動される。電磁引外装置90によってリンク機構40が駆動されると、接点装置100が回動して、固定接点120から可動接点111が引き外される。また、表示部材30は、リンク機構40の動きによって回動して、動作状態を表示する。
図4及び図5に示すように、ハンドル20は、円柱状の回動部21と、操作部22とを備えている。回動部21は、第1回動軸18を中心に回動する。第1回動軸18は、第1カバー11に設けられている。ハンドル20は、操作部22が操作されることによって、第1回動軸18を中心に回動する。操作部22には、連接される回路遮断器のハンドルの操作部に連結する角棒状の連結棒23が突設されている。よって、過電圧遮断器のハンドル20は、この連結棒23によって、他の回路遮断器のハンドルと一緒に回動する。操作部22が端子部13と反対側に位置するときがオン位置(通電位置)である。操作部22が端子部13側に位置するときがオフ位置(電流遮断位置)である。ハンドル20は、ハンドルばね25により、オン位置からオフ位置に回動する方向に付勢力を常時付与されている。なお、ハンドル20のオフ位置からオン位置への回転(回動)方向を「オン回転方向」とし、ハンドル20のオフ位置からオン位置への回転(回動)方向を「オフ回転方向」とする。
連動駒41は、第3回動軸43を中心に回動可能に支持されている。連動駒41には、金属製の連動棒42の一端が保持されている。連動棒42の他端は、第2カバー12のスリット12bから外部に突出する。連動棒42の他端は、他の回路遮断器の連動駒に連結される。
可動リンク50とラッチ部材70と表示部材30とは、第2回動軸19を中心に回動する。第2回動軸19は、筐体10に両端が保持される。可動リンク50は、駆動ばね55によって、ハンドル20のオフ回転方向に付勢力を常時付与されている。駆動ばね55の一端は、第1カバー11に係止されている。駆動ばね55の他端は、可動リンク50に係止されている。ハンドル20には、ハンドルばね25によってオフ回転方向の付勢力が常時付与されている。ラッチ部材70と表示部材30とは、ラッチばね75の各端部を保持しているため同じ方向に回動する。また、表示ラッチ部材80は、捻りコイルばねである表示ラッチばね85によってハンドル20のオン回転方向の付勢力が常時付与されている。
スラストバー60は、金属の丸棒によってU字状に形成されている。スラストバー60の操作側端部61は、ハンドル20の接続穴24に挿入されている。スラストバー60の伝達側端部62は、可動リンク50の係合突片51とラッチ部材70のラッチ片71とによってできるリンク孔54に配置されている。この状態がラッチ部材70によってスラストバー60がラッチされた状態(ラッチ状態)となる。このラッチ状態では、ハンドル20の動きがスラストバー60を介して可動リンク50に伝達される。一方、可動リンク50が電磁引外装置90によって駆動されて、可動リンク50とラッチ部材70とが相対的に回動すると、リンク孔54が開く。そして、スラストバー60の他端がリンク孔54の外側に出て、スラストバー60のラッチが解除された状態(ラッチ解除状態)となる。
表示ラッチ部材80は、第4回動軸81を中心に回動可能に支持されている。表示ラッチ部材80は、表示ラッチばね85によってハンドル20のオフ回転方向に付勢力が常時付与されている。表示ラッチ部材80の上端部82が、表示部材30の下側に設けられた係合凸部32に下側から当接することによって、表示部材30がハンドル20のオフ回転方向に回動できないようになっている。表示部材30の先端部は、回路状態を表示する表示部31である。表示部31の上面は、表示部材30の方向に沿って2つの領域に区画されている。表示部材30の上面には、ハンドル20側から順に正常状態を示す正常領域31aと、トリップ状態を示すトリップ領域31bとが配置されている。これらの領域31a,31bのどちらかが表示窓17から露出する。
接点装置100は、可動接点111を備えた可動導電板110と、可動導電板110を保持するホルダ部材101とを備えている。ホルダ部材101は、その一端側が移動軸102によって回動可能に軸支され、移動軸102を介して可動リンク50に保持されている。このため、可動リンク50が
可動導電板110は、接続線119を介して端子部13と接続されている。また、接点装置100は、可動導電板110を保持するホルダ部材101の回動限界の途中位置で当接する略円柱状の固定ピン109を備える。図1に示すように、固定ピン109は第1カバー11と第2カバー12の両方に形成された係合穴11b(図1では一方のみ図示)に固定される。なお、ホルダ部材101の回動限界とは、前記固定ピン109が無かった場合でのホルダ部材101の回動可能な範囲における限界のことである。
可動導電板110は、接続線119を介して端子部13と接続されている。また、接点装置100は、可動導電板110を保持するホルダ部材101の回動限界の途中位置で当接する略円柱状の固定ピン109を備える。図1に示すように、固定ピン109は第1カバー11と第2カバー12の両方に形成された係合穴11b(図1では一方のみ図示)に固定される。なお、ホルダ部材101の回動限界とは、前記固定ピン109が無かった場合でのホルダ部材101の回動可能な範囲における限界のことである。
図2及び図3に示すように、筐体10の内部には、回路基板14が収納されている。回路基板14には、コイルへの通電に応じてラッチ部材70を駆動する電磁引外装置90と、電源電圧の異常を検出すると電磁引外装置90のコイル92の励磁を停止する励磁回路の部品が実装されている。
電磁引外装置90は、合成樹脂製のボビン91と、コイル92と、固定鉄心93と、ホルダ部材96と、可動鉄心97と、コイルばね98とを備えている。
固定鉄心93は、磁性材料(例えば鉄など)であって、板材によりU字状に形成されている。固定鉄心93の上側脚片は、ボビン91の孔内に挿入される。固定鉄心93の上側脚片の先端は、ボビン91から露出している。また、固定鉄心93の下側脚片95にはコイルばね98が環装されている。ホルダ部材96は、ボビン91に保持されたホルダ回動軸96cを中心に回動自在に取り付けられる。ホルダ部材96の先端には、ラッチ部材70の当接部72に当接する第1当接部96aと、表示ラッチ部材80の下側当接部83に当接する第2当接部96bとが設けられている。第1当接部96aは、ホルダ部材96がハンドル20のオン回転方向に回動した際に、ホルダ部材96の第1当接部96aがラッチ部材70の当接部72に当接して、ラッチ部材70をオフ回転方向に回動させる。ホルダ部材96には、磁性材料からなる板状の可動鉄心97が保持されている。可動鉄心97は、固定鉄心93の両脚片95の先端面(磁極面)に可動鉄心97が当接する位置と、固定鉄心93の両脚片95の先端面(磁極面)から離間する位置との間で回動できるようになっている。
固定鉄心93は、磁性材料(例えば鉄など)であって、板材によりU字状に形成されている。固定鉄心93の上側脚片は、ボビン91の孔内に挿入される。固定鉄心93の上側脚片の先端は、ボビン91から露出している。また、固定鉄心93の下側脚片95にはコイルばね98が環装されている。ホルダ部材96は、ボビン91に保持されたホルダ回動軸96cを中心に回動自在に取り付けられる。ホルダ部材96の先端には、ラッチ部材70の当接部72に当接する第1当接部96aと、表示ラッチ部材80の下側当接部83に当接する第2当接部96bとが設けられている。第1当接部96aは、ホルダ部材96がハンドル20のオン回転方向に回動した際に、ホルダ部材96の第1当接部96aがラッチ部材70の当接部72に当接して、ラッチ部材70をオフ回転方向に回動させる。ホルダ部材96には、磁性材料からなる板状の可動鉄心97が保持されている。可動鉄心97は、固定鉄心93の両脚片95の先端面(磁極面)に可動鉄心97が当接する位置と、固定鉄心93の両脚片95の先端面(磁極面)から離間する位置との間で回動できるようになっている。
図8及び図9に示すように、ホルダ部材101は、移動軸102を介して可動リンク50に保持される腕部103と、可動導電板110を保持するホルダ部104とを備えている。腕部103には前記移動軸102を挿通する挿通孔103aを備える。ホルダ部材101は、可動リンク50に形成された挿通孔50a(図4及び図5参照)と前記腕部103の挿通孔103aとに移動軸102が挿通されることで可動リンク50に保持される。
可動導電板110は、導電性を有する弾性材からなる。可動導電板110の一端側には、固定接点120と接触する可動接点111が設けられている。可動導電板110の他端側には、U字状の保持部112が設けられている。可動導電板110の保持部がホルダ部材101のホルダ部104に保持される。
ホルダ部材101のホルダ部104は、U字状の把持部105を備えている。把持部105は、可動導電板110の保持部112を把持する。把持部105の接続部分には、可動導電板110の保持部112の間に延出する延出部106を備えている。把持部105の先端には、可動導電板110の保持部112の幅方向において抜け止めする係止片107が設けられている。また、延出部106の先端には、可動導電板110の保持部112の幅方向において抜け止めする係止片108が設けられている。係止片107と係止片108とは逆方向延出して設けられている。延出部106の下部には、可動導電板110に係合する凸部106aが設けられている。
可動導電板110の保持部112の先端は、折り曲げられた折曲部113となっている。折曲部113は、ホルダ部材101のホルダ部104に当接する。可動導電板110の保持部112には、ホルダ部104の凸部106aに係止する係止部114が設けられている。係止部114は、保持部112の一部がU字状の内側に折り曲げて形成される。折曲部113には、U字状の内側へ突出する突片115が設けられている。係止部114と突片115とは、可動導電板110がホルダ部材101に装着された際に、ホルダ部104の凸部106aを挟んで位置する。可動導電板110の折曲部113には、取付金具118を介して接続線119の一端が接続されている。
可動導電板110をホルダ部材101に装着する際には、可動導電板110のU字状の保持部112をホルダ部104の側方から圧縮した状態で挿入する。このとき、保持部112は、係止片107と係止片108との間を通過する。そして、可動導電板110を長手方向に移動させることで、係止部114がホルダ部104の凸部106aを通過して、突片115が凸部106aに係止する。凸部106aは、突片115と係止部114とに挟まれる。可動導電板110は圧縮による反発力によってホルダ部材101に保持されている。
図8及び図9に示すように、接続線119の一端が取付金具118を介して可動導電板110の折曲部113に接続されて、ホルダ部104の把持部105を周回して、接続線119の他端が端子部13に接続される。
図2及び図5に示すように、固定ピン109は、前記ホルダ部材101のホルダ部104と当接して、ホルダ部材101のそれ以上の回動を規制する。このため、ホルダ部104に保持される可動導電板110(可動接点111)のそれ以上の回動が規制される。このとき、可動接点111は、前記固定接点120と当接した状態となっている。ただし、可動リンク50の前記第2回動軸19を中心とした回動動作自体は規制されることがない。また、可動リンク50が回動されると、移動軸102が第2回動軸19中心に回動することとなる。ここで、可動リンク50の第2回動軸19を中心とした回動は、前記可動リンク50(移動軸102)を長手方向Yと短手方向Zとの少なくとも一方に移動させる動作である。このため、可動リンク50が第2回動軸19中心に回動されると、長手方向Yへの移動成分が生じることとなる。これにより、前記固定ピン109と当接したホルダ部104(ホルダ部材101)は、第2回動軸19を中心として回動されないものの、長手方向Yへの移動成分が作用して、固定ピン109と当接した状態で長手方向Yに移動する。これにより、ホルダ部104の保持される可動導電板110の可動接点111が固定接点120と当接した状態で長手方向Yに移動、即ち摺動することとなる。
次に、過電圧遮断器の動作について説明する。
まず、ハンドル20をオフ位置からオン位置に動かして、過電圧遮断器を図4に示されるオフ状態から、図7に示されるオン状態に切り替える際の動作について説明する。
まず、ハンドル20をオフ位置からオン位置に動かして、過電圧遮断器を図4に示されるオフ状態から、図7に示されるオン状態に切り替える際の動作について説明する。
図7に示すように、ハンドル20をオフ位置からオン位置に向けて(オン回転方向)に回動させると、スラストバー60によって可動リンク50の係合突片51が押され、可動リンク50がオン回転方向に回動する。
このとき、可動リンク50の第2回動軸19中心の回動に伴って、ホルダ部材101は第2回動軸19を中心としてオン回転方向に回動する。すると、ホルダ部材101のホルダ部104に保持された可動導電板110が第2回動軸19を中心としてオン回転方向に回動する。
そして、図5に示すようにハンドル20がオフ位置とオン位置との略中間位置のとき、可動導電板110に設けられる可動接点111が固定接点120と当接する。このとき、ホルダ部104は固定ピン109と当接し、それ以上の回動が規制される。
その後、図6に示すように、ハンドル20が更にオン位置に向けて回動されると、可動リンク50が第2回動軸19中心に回動される。このとき、ホルダ部104は前述したように固定ピン109によってそれ以上の回動が規制されているため、可動リンク50(移動軸102)の長手方向Y一方への移動分だけ、ホルダ部104が長手方向Y一方側(図6中左側)に移動することとなる。これにより、ホルダ部104に保持される可動導電板110が同様に長手方向Y一方側に移動する。これに伴って、可動導電板110に設けられる可動接点111が固定接点120と当接した状態で長手方向Y一方側に移動、即ち摺動することとなる。
ここで、ハンドル20の第1回動軸18と、スラストバー60の伝達側端部62とを結ぶ直線を切替境界線Lとする。切替境界線L上にスラストバー60の操作側端部61及び伝達側端部62の両方が配置するとき、前述したホルダ部104の長手方向Y一方側への移動限界点となる。
そして、図7に示すようにハンドル20が回動されて、切替境界線Lを、スラストバー60の操作側端部61が越えると、可動リンク50の第2回動軸19を中心とした回動方向が反転する。このため、可動リンク50回動時の長手方向Yの移動方向が長手方向Y一方側から長手方向Y他方側(図7中右側)となる。これに伴い、ホルダ部104、可動導電板110及び可動接点111が長手方向Y他方側に移動する。この際、可動接点111と固定接点120との当接状態は維持されたままであるため、固定接点120上を可動接点111が摺動することとなる。
またハンドル20が回動されて、切替境界線Lを、スラストバー60の操作側端部61が越えると、スラストバー60の伝達側端部62が係合突片51に押し付けられた状態で停止する。この時、ハンドル20及びスラストバー60はオン位置に保持され、過電圧遮断器がオン状態となる。ラッチ部材70は、ラッチばね75の付勢力を受けて、スラストバー60の伝達側端部62側に当接する位置まで回動する。表示部材30の係止部33が可動リンク50に押されることによって、表示部材30はオン回転方向に回動し、表示リセット位置に移動する。この状態では、表示ラッチ部材80は付勢力を受けて、表示部材30をラッチ可能な位置に移動している。また、連動駒41は、可動リンク50の回動に合わせてオン回転方向に回動し、連動棒42を介して他の回路遮断器の連動駒を変位させる。また、電磁引外装置90は、オン状態において電源電圧が正常であれば、コイル92に通電されず、ホルダ部材96はコイルばね98の付勢力を受けて可動鉄心97が固定鉄心93から離間した状態となる。この状態ではホルダ部材96の第1当接部96aがラッチ部材70から離れた位置に移動している。
次に、ハンドル20をオン位置からオフ位置に動かして過電圧遮断器を図7に示されるオン状態から、図4に示されるオフ状態に切り替える際の動作について説明する。
図4に示すように、ハンドル20をオン位置からオフ位置に向けてオフ回転方向に回動させると、スラストバー60によってラッチ部材70が引っ張られる。ラッチ部材70は、ラッチばね75の付勢力に抗してハンドル20のオフ回転方向に回動し、リンク孔54が上側に開いた状態となる。可動リンク50は、駆動ばね55の付勢力を受けてハンドル20のオフ回転方向に回動する。連動駒41は、ラッチ部材70の突起部73に押されることによって、付勢力に抗してハンドル20のオフ回転方向に回動する。表示部材30は、ラッチばね75の付勢力を受けてハンドル20のオフ回転方向に回動し、係合凸部32が表示ラッチ部材80の上端部82に当接して停止する。この状態では、表示部31の正常領域31aが表示窓17から露出する。
図4に示すように、ハンドル20をオン位置からオフ位置に向けてオフ回転方向に回動させると、スラストバー60によってラッチ部材70が引っ張られる。ラッチ部材70は、ラッチばね75の付勢力に抗してハンドル20のオフ回転方向に回動し、リンク孔54が上側に開いた状態となる。可動リンク50は、駆動ばね55の付勢力を受けてハンドル20のオフ回転方向に回動する。連動駒41は、ラッチ部材70の突起部73に押されることによって、付勢力に抗してハンドル20のオフ回転方向に回動する。表示部材30は、ラッチばね75の付勢力を受けてハンドル20のオフ回転方向に回動し、係合凸部32が表示ラッチ部材80の上端部82に当接して停止する。この状態では、表示部31の正常領域31aが表示窓17から露出する。
次に、電磁引外装置90の作動によって、過電圧遮断器が図2及び図7に示されるオン状態から、図3の過電圧トリップした瞬間を経由して、トリップ状態へ切り替わる際の動作について説明する。
図3に示すように、オン状態において、電源電圧が定格電圧よりも高い所定の設定値を上回っていること(過電圧状態)を励磁回路が検出すると、励磁回路によってコイル92を通電させて可動鉄心97を固定鉄心93側に吸引させる。これによって、過電圧遮断器をトリップさせる。ホルダ部材96は可動鉄心97が固定鉄心93に吸引されることで、ハンドル20のオン回転方向に回動する。ホルダ部材96がハンドル20のオン回転方向に回動すると、ホルダ部材96の第1当接部96aによってラッチ部材70の当接部72が押される。ラッチ部材70がハンドル20のオフ回転方向に回動し、スラストバー60の伝達側端部62がラッチ部材70のラッチ片71から離れる。スラストバー60の伝達側端部62からラッチ部材70のラッチ片71が離れると、スラストバー60の操作側端部61を中心にハンドル20のオフ回転方向に回動する。
スラストバー60の伝達側端部62がリンク孔54の外側へ離脱するため、スラストバー60の支えを失った可動リンク50は駆動ばね55の付勢力を受けてハンドル20のオフ回転方向に回動し、オフ位置に移動する。また、ラッチ部材70の突起部73によって連動駒41が上側に押され、連動棒42によって他の回路遮断器の開閉機構が駆動され、開閉機構によって接点がオフされる。これにより、他の回路遮断器に接続された負荷機器への電源供給が遮断され、負荷機器を保護することができる。なお、ホルダ部材96は固定鉄心93の可動鉄心97に対する吸引力によってハンドル20のオン回転方向に回動する。
また、表示ラッチ部材80の下側当接部83がホルダ部材96の第2当接部96bに押されてハンドル20のオフ回転方向に回動することによって、表示部材30のラッチが解除される。表示部材30は、ラッチが解除されると、ラッチばね75の付勢力を受けてハンドル20のオフ回転方向に回動する。表示部31のトリップ領域31bが表示窓17から露出する。その後、ハンドル20がハンドルばね25の付勢力を受けて前記オフ回転方向に回動してオフ位置まで移動すると、スラストバー60の伝達側端部62が、リンク孔54の開口部を通ってリンク孔54に挿入され、ラッチ片71に係合する位置まで移動する。この時、スラストバー60の伝達側端部62は、可動リンク50とラッチ部材70とで囲まれるリンク孔54に挿入された状態となり、ハンドル20をオン回転方向に回動させてオン位置に移動させると、図4に示す状態となる。
次に、本実施形態の効果を記載する。
(1)可動接点111は、回動途中で固定ピン109により回動が規制されて摺動方向である長手方向Yに移動され、固定接点120と摺動する。これにより、接点111,120同士の表面を研磨することができるため、導通を阻害する酸化皮膜および汚れを除去することで、接触信頼性を向上させることができる。また、接点111,120が固着した際には固着部分にせん断力を加えて固着を解消することができる。
(1)可動接点111は、回動途中で固定ピン109により回動が規制されて摺動方向である長手方向Yに移動され、固定接点120と摺動する。これにより、接点111,120同士の表面を研磨することができるため、導通を阻害する酸化皮膜および汚れを除去することで、接触信頼性を向上させることができる。また、接点111,120が固着した際には固着部分にせん断力を加えて固着を解消することができる。
(2)摺動部は、ホルダ部材101とともに同方向に回動される可動リンク50と、可動リンク50の回動限界より以前にホルダ部材101と当接してホルダ部材101の回動を規制する固定ピン109とを備える。固定ピン109によるホルダ部材101(ホルダ部104)の回動規制中に固定ピン109に対して作用する回動方向への力の少なくとも一部によって、回動が規制されたホルダ部材101を、前記可動接点111を前記固定接点120に対して摺動させる方向に移動させる。このような比較的簡素な構成によって、接点111,120同士の表面を研磨することができるため、導通を阻害する酸化皮膜および汚れを除去することで、接触信頼性を向上できる。このような比較的簡素な構成によって、接点111,120が固着した際には固着部分にせん断力を加えて固着を解消することができる。
(3)固定ピン109はカバー11,12と別体であるため、固定ピン109を要しない他の回路遮断器に同カバー11,12を利用することができる。
尚、上記実施形態は、以下のように変更してもよい。
尚、上記実施形態は、以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、固定ピン109をカバー11,12の係合穴11bに固定する構成としたが、予めカバー11,12と一体形成してもよい。このような構成とすることで、部品点数の増加を抑えることができる。
・上記実施形態では、固定ピン109を略棒状としたが、その形状はこれに限らない。
・上記実施形態では、接点装置100を過電圧遮断器に採用したが、接点装置100を他の回路遮断器に採用してもよい。
・上記実施形態では、接点装置100を過電圧遮断器に採用したが、接点装置100を他の回路遮断器に採用してもよい。
・上記実施形態並びに上記各変形例は適宜組み合わせてもよい。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ) 請求項1又は2に記載の接点装置において、
前記摺動部は、筐体内で支持されて前記可動部材の回動を規制するものであり、前記筐体に対して着脱可能に構成されることを特徴とする接点装置。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ) 請求項1又は2に記載の接点装置において、
前記摺動部は、筐体内で支持されて前記可動部材の回動を規制するものであり、前記筐体に対して着脱可能に構成されることを特徴とする接点装置。
これにより、前記摺動部を必要としない接点装置と、摺動部を必要とする接点装置との両方で筐体を利用することができる。このように筐体を共通部品とすることで、各接点装置のコストを抑えることができる。
(ロ) 前記(イ)に記載の接点装置を備えたことを特徴とする回路遮断器。
これにより、前記摺動部を必要としない接点装置と、摺動部を必要とする接点装置との両方で筐体を利用することができる。このように筐体を共通部品とすることで、各回路遮断器のコストを抑えることができる。
これにより、前記摺動部を必要としない接点装置と、摺動部を必要とする接点装置との両方で筐体を利用することができる。このように筐体を共通部品とすることで、各回路遮断器のコストを抑えることができる。
19…第2回動軸、50…可動リンク(摺動部)、100…接点装置、101…ホルダ部材(可動部材)、109…固定ピン(摺動部を構成する規制部)、111…可動接点、120…固定接点。
Claims (3)
- 固定接点と、
一端側が所定の軸周りに回動可能に軸支される可動部材の他端側
で設けられて、前記固定接点と接離可能な可動接点と、
前記可動接点を前記固定接点に対して摺動させる摺動部と、
を備えたことを特徴とする接点装置。 - 請求項1に記載の接点装置において、
前記摺動部は、前記可動部材とともに同方向に回動される可動リンクと、前記可動リンクの回動限界より以前に前記可動部材と当接して該可動部材の回動を規制する規制部とを備え、
前記規制部による前記可動部材の回動規制中に前記規制部に対して作用する回動方向への力の少なくとも一部によって、回動が規制された前記可動部材を、前記可動接点を前記固定接点に対して摺動方向に移動させることを特徴とする接点装置。 - 請求項1又は2に記載の接点装置を備えたことを特徴とする回路遮断器。
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