JP2015001218A - 過給機用スクロールハウジングの製造方法 - Google Patents

過給機用スクロールハウジングの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2015001218A
JP2015001218A JP2013127570A JP2013127570A JP2015001218A JP 2015001218 A JP2015001218 A JP 2015001218A JP 2013127570 A JP2013127570 A JP 2013127570A JP 2013127570 A JP2013127570 A JP 2013127570A JP 2015001218 A JP2015001218 A JP 2015001218A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mold
molded body
machining
scroll
flow path
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2013127570A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6186920B2 (ja
Inventor
啓介 松元
Keisuke Matsumoto
啓介 松元
健 中野
Ken Nakano
健 中野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
IHI Corp
Original Assignee
IHI Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by IHI Corp filed Critical IHI Corp
Priority to JP2013127570A priority Critical patent/JP6186920B2/ja
Publication of JP2015001218A publication Critical patent/JP2015001218A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6186920B2 publication Critical patent/JP6186920B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Supercharger (AREA)

Abstract

【課題】寸法誤差が素材原因か加工原因かを判断することのできる過給機用スクロールハウジングの製造方法の提供。
【解決手段】気体を渦巻き状に流動させるスクロール流路2cを備えるタービンハウジング2aの製造方法であって、スクロール流路2cに対応する形状の中子を上下に分割可能な割型内に設置して鋳型を形成し、該鋳型に基づく成型体20を得る鋳造工程と、鋳型のうち下主型により成型された成型体20の黒皮面に加工基準Aを設定し、該加工基準A以外の部分を機械加工することにより寸法調整を行う機械加工工程と、を有する、という手法を採用する。
【選択図】図3

Description

本発明は、過給機用スクロールハウジングの製造方法に関するものである。
内燃機関に用いられる過給機は、コンプレッサインペラとタービンインペラとが同軸で連結された構造を有し、内燃機関の排気ガスによってタービンインペラが回転駆動され、該回転駆動によりコンプレッサインペラが空気を圧縮し、その圧縮された空気が内燃機関に供給されるようになっている。この過給機は、排気ガスを渦巻き状に流動させてタービンインペラに供給するスクロール流路を備えるタービンハウジング(スクロールハウジング)と、コンプレッサインペラによって圧縮された空気を渦巻き状に流動させるスクロール流路を備えるコンプレッサハウジング(スクロールハウジング)とを有している。
このような過給機用スクロールハウジングは、鋳造によって成型されている。特許文献1には、ターボチャージャ用タービンハウジングおよびその製造方法が開示されている。この手法は、スクロール流路に対応する形状を有する中子を形成し、その中子を割型内に設置してタービンハウジングの鋳型を形成し、その鋳型内に注湯することで成型体を得て、次いでその成型体から中子を除去することで、タービンハウジングを製造するものである。
特開平4−81523号公報
過給機用スクロールハウジングは、鋳造後、組み付け等のための寸法調整を行うべく鋳肌面をNC機械等で機械加工している。従来では、この機械加工の加工基準を、加工してしまう面に設定していた。
ところで、鋳造段階で例えば割型が浮いていた場合(素材原因)、機械加工段階で例えばNC機械の加工精度が悪かった場合(加工原因)、加工後の製品に寸法誤差が生じる。しかしながら、従来手法では、加工基準を加工してしまうため、加工後に寸法誤差が生じた場合に、素材原因か加工原因かの判断がつかなかった。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、寸法誤差が素材原因か加工原因かを判断することのできる過給機用スクロールハウジングの製造方法の提供を目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明は、気体を渦巻き状に流動させるスクロール流路を備える過給機用スクロールハウジングの製造方法であって、前記スクロール流路に対応する形状の中子を上下に分割可能な割型内に設置して鋳型を形成し、該鋳型に基づく成型体を得る鋳造工程と、前記鋳型のうち下型により成型された前記成型体の黒皮面に加工基準を設定し、該加工基準以外の部分を機械加工することにより寸法調整を行う機械加工工程と、を有する、という手法を採用する。
この手法を採用することによって、本発明では、上下に分割可能な割型で鋳型を形成し、その鋳型のうち下型により形成された成型体の黒皮面に加工基準を設定する。機械加工工程では、加工基準を黒皮面に設定し、当該加工基準以外の部分を機械加工するため、加工基準を残すことができ、NC機械等の加工精度等の加工原因を判断することができる。また、鋳造工程では、鋳型の下型は安定的に接地しており、上型のように浮くことがないため、下型により形成された成型体の黒皮面に加工基準を設定することにより、上型の浮き等の素材原因を判断することができる。
また、本発明においては、前記機械加工工程では、前記成型体の外表面に前記加工基準を設定する、という手法を採用する。
この手法を採用することによって、本発明では、成型体の外表面に加工基準を設定することにより、スクロール流路を形成する中子(成型体の内表面)で加工基準を取るよりも容易に加工基準を取ることができる。
また、本発明においては、前記機械加工工程では、前記成型体の重心を囲うように前記加工基準を複数設定する、という手法を採用する。
この手法を採用することによって、本発明では、成型体の重心を囲うように加工基準を複数設定することにより、成型体を安定的に保持することができる。
また、本発明においては、前記成型体は、前記スクロール流路に対応する外表面に、前記スクロール流路に沿って径方向に突出して形成されたリブを有しており、前記機械加工工程では、前記リブに前記加工基準を設定する、という手法を採用する。
この手法を採用することによって、本発明では、スクロール流路に対応する外表面に突出するリブに加工基準を設定することにより、加工基準を最外径付近に設定することができる。また、リブは平面部を有しているため、形状を変更することなく容易に加工基準を設定することができる。
また、本発明においては、前記リブは、断熱カバーを被せたときに、前記外表面と前記断熱カバーとの間に空気層を形成するものである、という手法を採用する。
この手法を採用することによって、本発明では、断熱カバー自体の断熱性能を増大させることなく、スクロールハウジングの断熱性能を向上させる機能を有するリブに、寸法誤差が素材原因か加工原因かを判断することのできる機能を付与することで、構造の簡略化を図ることができる。
本発明によれば、寸法誤差が素材原因か加工原因かを判断することができる。
本発明の第1実施形態における過給機の全体構成図である。 本発明の第1実施形態におけるタービンハウジングの製造方法における鋳型の構成図である。 本発明の第1実施形態における成型体の機械加工部を示す図である。 本発明の第1実施形態における成型体の加工基準の配置を示す図である。 本発明の第2実施形態におけるコンプレッサハウジングの製造方法における鋳型の構成図である。 本発明の第2実施形態における成型体の機械加工部を示す図である。 本発明の第2実施形態における成型体の加工基準の配置を示す図である。 本発明の一別実施形態における成型体の加工基準の配置を示す図である。 本発明の一別実施形態における成型体の加工基準の配置を示す図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態における過給機1の全体構成図である。
過給機1は、内燃機関等から排気される排気ガスを受けて回転動力を得るタービン2と、タービン2によって得られた回転動力を伝達する軸部3と、軸部3から伝達される回転動力によって空気を圧縮するコンプレッサ4とを備えている。
タービン2は、タービンハウジング(過給機用スクロールハウジング)2aと、タービンインペラ2bとを備えている。タービンハウジング2aは、タービンインペラ2bを収容すると共に、タービンインペラ2bの収容空間に接続される排気ガス流路(スクロール流路2c及び排気流路2d)を備える容器である。タービンインペラ2bは、スクロール流路2cから排気流路2dに流れる排気ガスを受けて回転駆動されるラジアルインペラである。
軸部3は、ベアリングハウジング3aと、ベアリング3bと、シャフト3cとを備えている。ベアリングハウジング3aは、ベアリング3b及びシャフト3cを収容する容器であり、タービンハウジング2aに固定されている。ベアリング3bは、ベアリングハウジング3aの内部に収容されており、シャフト3cを回転可能に支持する。シャフト3cは、一端部がタービンインペラ2bと接続され、他端部がコンプレッサ4の後述のコンプレッサインペラ4bと接続されている。
コンプレッサ4は、コンプレッサハウジング4aと、コンプレッサインペラ4bとを備えている。コンプレッサハウジング4aは、コンプレッサインペラ4bを収容すると共に、コンプレッサインペラ4bの収容空間に接続される空気流路(吸気流路4cとスクロール流路4d)を備える容器である。コンプレッサインペラ4bは、シャフト3cを介して伝達される回転動力によって回転駆動され、吸気流路4cから供給される空気をディフューザー4eにて圧縮してスクロール流路4dに吐出するラジアルインペラである。
上述のように構成された過給機1では、内燃機関からスクロール流路2cに排気ガスが導入されると、タービンインペラ2bに排気ガスが供給される。この排気ガスの供給によって、タービンインペラ2b、シャフト3c及びコンプレッサインペラ4bが、一体となって回転する。これにより、タービン2において回転動力が得られ、この回転動力が軸部3を介してコンプレッサ4に伝達され、コンプレッサ4において圧縮空気が生成される。
ここで、高温の排気ガスが流動するスクロール流路2cを備えるタービンハウジング2aには、断熱カバー2eが被されている。断熱カバー2eは、グラスウール等の断熱材から形成されている。この断熱カバー2eは、タービンハウジング2aの高温となる外表面2a1が外部に露出しないようにするものであり、その断熱効果により、そのカバー表面温度を所定温度以下とさせるようになっている。
タービンハウジング2aには、スクロール流路2cに対応する外表面2a1に、スクロール流路2cの渦巻き形状に沿って径方向に突出して形成されたリブ2fが設けられている。リブ2fは、断熱カバー2eを被せたときに、外表面2a1と断熱カバー2eとの間に空気層Sを形成するものである。空気は、熱伝導率が小さく、大きな断熱性能を有する。このため、空気層Sが形成されることで、タービンハウジング2aにおける断熱性能を向上させることができる。
続いて、上記構成のタービンハウジング2aの製造方法について説明する。
タービンハウジング2aの製造方法は、大別して、鋳型を用いて成型体を得る鋳造工程と、成型体の寸法調整を行う機械加工工程と、からなる。
図2は、本発明の第1実施形態におけるタービンハウジング2aの製造方法における鋳型10の構成図である。
鋳造工程では、先ず、タービンハウジング2aの形状に応じた鋳型10を形成する。鋳型10は、上主型11と、下主型12と、中子13,14と、を有する。
上主型11と下主型12は、上下に分割可能な割型を構成している。この上主型11と下主型12は、タービンハウジング2aの外表面2a1(図1参照)に対応する形状を有している。中子13,14は、上主型11と下主型12との間に設置されている。この中子13は、タービンハウジング2aのスクロール流路2c(図1参照)に対応する形状を有している。中子14は、タービンハウジング2aの排気流路2d(図1参照)に対応する形状を有している。
下主型12には、中子14が支持されており、中子14の上に中子13が支持されている。上主型11は、中子13に接触し、押さえ付けるようになっている。すなわち、中子14の上に、中子13を順に重ね、それを下主型12にセットし、上主型11を閉じることにより、この鋳型10内のキャビティ空間がタービンハウジング2aの形状に対応したものとなる。上主型11と下主型12の割面16は、渦巻き状に配置されたリブ2f(図1参照)に沿って形成され、手前側と奥側で高さが異なっている。
上主型11には、不図示の湯口及び押湯等が形成されている。図2に示すように鋳型10をセットしたら、この鋳型10に鋳鉄の溶湯を注油する。これにより、中子13,14を内包する成型体20(後述する図3参照)が形成される。次に、鋳型10を上下に型開きして成型体20を取り出し、この成型体20から中子13,14を除去する。中子13は、スクロール流路2cに対応する形状を有しているため、中子13を除去することで、スクロール流路2cが形成される。
図3は、本発明の第1実施形態における成型体20の機械加工部21,22,23を示す図である。
鋳造工程を経て、図3に示すような成型体20が得られる。次の機械加工工程では、成型体20の機械加工部21,22,23を削ることで、寸法調整を行う。機械加工工程では、成型体20を図示しない台座に固定し、NC機械等を用いて加工を行う。
機械加工工程では、先ず、成型体20の加工基準Aを設定する。本実施形態では、鋳型10のうち下主型12により成型された成型体20の黒皮面(外表面2a1)に加工基準Aを設定する。なお、成型体20の黒皮面とは、酸化被膜からなる鋳肌面である。
図4は、本発明の第1実施形態における成型体20の加工基準Aの配置を示す図である。なお、図4は、図3における矢視X図に対応する。
成型体20の加工基準Aは、図4に示すように、複数設定されている。図4に示す符号24は、成型体20の重心を示している。本実施形態の加工基準Aは、成型体20の重心24を囲うように3つ設定されている。加工基準Aは、成型体20を3点で保持する支点となるため、安定性を考慮すると、重心24からなるべく遠くになるように設定した方が好ましい。このため、本実施形態では、スクロール流路2cに沿って径方向に突出して形成されたリブ2fに加工基準Aを設定し、3点で保持する面積を大きく確保している。
成型体20の重心24から最も遠くなる点は、スクロール流路2cの入口2c1付近である。このため、加工基準Aの一つは、スクロール流路2cの入口2c1付近のリブ2fに設定されている。加工基準Aの残りの二つは、入口2c1付近に設定された加工基準Aを頂角とする三角形の重心Bが、成型体20の重心24にできるだけ一致するような配置で設定されている。これにより、成型体20を安定的に保持することができる。
このように成型体20の加工基準Aを設定したら、加工基準Aの設定面をクランプして、設定面が水平になるよう支持固定する。そして先ず、図3に示すように、成型体20の機械加工部21を加工する。次に、機械加工部21よりも内側の機械加工部22を加工する。最後に、成型体20の天地を逆にして、機械加工部23を加工する。なお、このときは、機械加工部21を加工した加工面25を基準とする。以上の機械加工により、図1に示す寸法精度を有するタービンハウジング2aを製造することができる。
本実施形態では、上下に分割可能な割型で鋳型10を形成し、その鋳型10のうち下主型12により形成された成型体20の黒皮面に加工基準Aを設定している。機械加工工程では、加工基準Aを黒皮面に設定し、当該加工基準A以外の部分を機械加工するため、加工基準Aを残すことができる。したがって、例えば、加工後に、加工基準Aから加工面25までの距離がNC機械に入力した値からズレている場合には、当該寸法誤差が、NC機械の加工精度による加工原因であると判断することができる。
また、鋳造工程では、鋳型10の下主型12は安定的に接地しており(図2参照)、上主型11のように浮くことがない。したがって、例えば、加工基準Aから加工面25までの距離がNC機械に入力した値からズレてはいないが、中子13によって形成されるスクロール流路2cまでの距離がズレている場合には、当該寸法誤差が、上主型11の浮きによる成型体20の素材原因であると判断することができる。したがって、本実施形態によれば、タービンハウジング2aの寸法誤差が素材原因か加工原因かを容易に判断することができる。
加工基準Aは、スクロール流路2cとタービンインペラ2bとの関係を最適とする観点からは、中子13によって形成されるスクロール流路2cに設定することが本来的には好ましい。しかしながら、成型体20の作り易さ(鋳型10の作り易さ)や、機械加工のし易さ(クランプのし易さ)を考慮すると、現実的ではない。このため、本実施形態では、成型体20の外表面2a1に加工基準Aを設定することにより、スクロール流路2cで加工基準Aを取るよりも、容易に加工基準Aを取ることができるようになる。
また、本実施形態では、スクロール流路2cに対応する外表面2a1に突出するリブ2fに加工基準Aを設定することにより、成型体20の重心24を囲うよう、加工基準Aを最外径付近に設定でき、成型体20を安定的に保持することができる。また、リブ2fは平面部を有しているため、タービンハウジング2aの形状を設計変更することなく容易に加工基準Aを設定することができる。また、リブ2fは、断熱カバー2e自体の断熱性能を増大させることなく、タービンハウジング2aの断熱性能を向上させる機能を有するものであるため、当該リブ2fを利用し、寸法誤差が素材原因か加工原因かを判断することのできる機能を付与することで、新たな構造を付加することのないようにし、タービンハウジング2aの構造の簡略化を図ることが可能となる。
このように、上述の本実施形態によれば、気体を渦巻き状に流動させるスクロール流路2cを備えるタービンハウジング2aの製造方法であって、スクロール流路2cに対応する形状の中子13を上下に分割可能な割型内に設置して鋳型10を形成し、該鋳型10に基づく成型体20を得る鋳造工程と、鋳型10のうち下主型12により成型された成型体20の黒皮面に加工基準Aを設定し、該加工基準A以外の部分を機械加工することにより寸法調整を行う機械加工工程と、を有する、という手法を採用することによって、タービンハウジング2aの寸法誤差が素材原因か加工原因かを判断することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
図5は、本発明の第2実施形態におけるコンプレッサハウジング4aの製造方法における鋳型30の構成図である。図6は、本発明の第2実施形態における成型体40の機械加工部41,42,43を示す図である。図7は、本発明の第2実施形態における成型体40の加工基準Aの配置を示す図である。なお、図7は、図6における矢視Y図に対応する。
図5〜図7に示すように、第2実施形態では、気体を渦巻き状に流動させるスクロール流路4dを備えるコンプレッサハウジング(過給機用スクロールハウジング)4aの製造方法について説明する。
コンプレッサハウジング4aの製造方法は、大別して、鋳型30を用いて成型体40を得る鋳造工程と、成型体40の寸法調整を行う機械加工工程と、からなる。
鋳造工程では、先ず、コンプレッサハウジング4aの形状に応じた鋳型30を形成する。鋳型30は、図5に示すように、上主型31と、下主型32と、中子33,34と、を有する。
上主型31と下主型32は、上下に分割可能な割型を構成している。この上主型31と下主型32は、コンプレッサハウジング4aの外表面4a1(図1参照)に対応する形状を有している。中子33,34は、上主型31と下主型32との間に設置されている。この中子33は、コンプレッサハウジング4aのスクロール流路4dに対応する形状を有している。中子34は、コンプレッサハウジング4aの吸気流路4cに対応する形状を有している。上主型31と下主型32の割面35は、リブ4f(図1参照)の上方に形成される。
上主型31には、不図示の湯口及び押湯等が形成されている。図5に示すように鋳型30をセットしたら、この鋳型30に鋳鉄の溶湯を注油する。そして、鋳型30を上下に型開きして成型体40を取り出し、この成型体40から中子33,34を除去する。中子33は、スクロール流路4dに対応する形状を有しているため、中子33を除去することで、スクロール流路4dが形成される(図6参照)。
次の機械加工工程では、成型体40の機械加工部41,42,43を削ることで、寸法調整を行う。機械加工工程では、成型体40を図示しない台座に固定し、NC機械等を用いて加工を行う。
機械加工工程では、先ず、成型体40の加工基準Aを設定する。本実施形態では、鋳型30のうち下主型32により成型された成型体40の黒皮面(外表面4a1)に加工基準Aを設定する。
本実施形態の加工基準Aは、図7に示すように、成型体40の重心44を囲うように3つ設定されている。本実施形態では、加工基準Aを設定するためのリブ4fを設けている。リブ4fは、スクロール流路4dに対応する外表面4a1に径方向に突出して形成されており、スクロール流路4dに沿って点在している。加工基準Aの一つは、最外径となるリブ4fの一つに設定されている。なお、加工基準Aの残りの二つは、適当な角度を付けて設定している。加工基準Aを結ぶ三角形の重心Bは、成型体40の重心44にできるだけ一致することが好ましいが、外形の制約がある場合、成型体40の重心44が最低限、加工基準Aを結んだ三角形から外に出ることがないように配置することが好ましい。
このように成型体40の加工基準Aを設定したら、加工基準Aの設定面をクランプして、設定面が水平になるよう支持固定する。そして、図6に示すように、成型体40の機械加工部41を加工する。次に、機械加工部41よりも内側の機械加工部42を加工する。最後に、成型体40の天地を逆にして、機械加工部43を加工する。なお、このときは、機械加工部41を加工した加工面45を基準とする。以上の機械加工により、図1に示す寸法精度を有するコンプレッサハウジング4aを製造することができる。
本実施形態では、上下に分割可能な割型で鋳型30を形成し、その鋳型30のうち下主型32により形成された成型体40の黒皮面(リブ4f)に加工基準Aを設定している。機械加工工程では、加工基準Aを黒皮面に設定し、当該加工基準A以外の部分を機械加工するため、加工基準Aを残すことができる。したがって、例えば、加工後に、加工基準Aから加工面45までの距離がNC機械に入力した値からズレている場合には、当該寸法誤差が、NC機械の加工精度による加工原因であると判断することができる。
また、鋳造工程では、鋳型30の下主型32は安定的に接地しており(図5参照)、上主型31のように浮くことがない。したがって、例えば、加工基準Aから加工面45までの距離がNC機械に入力した値からズレてはいないが、中子33によって形成されるスクロール流路4dまでの距離がズレている場合には、当該寸法誤差が、上主型31の浮きによる成型体40の素材原因であると判断することができる。したがって、本実施形態によれば、コンプレッサハウジング4aの寸法誤差が素材原因か加工原因かを容易に判断することができる。
このように、上述の第2実施形態によれば、気体を渦巻き状に流動させるスクロール流路4dを備えるコンプレッサハウジング4aの製造方法であって、スクロール流路4dに対応する形状の中子33,34を上下に分割可能な割型内に設置して鋳型30を形成し、該鋳型30に基づく成型体40を得る鋳造工程と、鋳型30のうち下主型32により成型された成型体40の黒皮面に加工基準Aを設定し、該加工基準A以外の部分を機械加工することにより寸法調整を行う機械加工工程と、を有する、という手法を採用することによって、コンプレッサハウジング4aの寸法誤差が素材原因か加工原因かを判断することができる。
以上、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
例えば、上記実施形態では、成型体の外周に突出したリブに加工基準を設定した手法について説明したが、本発明はこの手法に限定されるものではなく、図8あるいは図9に示すように加工基準を設定してもよい。なお、以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
図8(a)は、本発明の一別実施形態における成型体40の加工基準Aの配置を示す図である。図8(b)は、本発明の一別実施形態における成型体40の断面図である。
図8(b)に示すように、別実施形態におけるコンプレッサハウジング4aの成型体40では、ディフューザー4e(図1参照)が配置される溝4e1に加工基準Aを設定している。加工基準Aは、溝4e1よりも凹んで形成された凹部4e2に設定されている。凹部4e2は、成型体40の機械加工がされない黒皮面である。
また、図8(a)に示すように、加工基準Aは、成型体40の重心44を囲うように3つ設定されている。加工基準Aを結ぶ三角形の重心Bは、成型体40の重心44の近くに配置されるようになっている。
この別実施形態によれば、凹部4e2をスクロール流路4dと共に中子33(図5参照)で形成すれば、中子33基準で加工基準Aを取ることができため、スクロール流路4dとコンプレッサインペラ4bとの関係を最適に調整することが容易になる。
図9(a)は、本発明の一別実施形態における成型体40の加工基準Aの配置を示す図である。図9(b)は、本発明の一別実施形態における成型体40の断面図である。
図9(b)に示すように、もう一つの別実施形態におけるコンプレッサハウジング4aの成型体40では、スクロール流路4dに対応する外表面4a1に、軸方向に突出して形成された突起部4gに加工基準Aを設定している。突起部4gは、成型体40の機械加工がされない黒皮面である。
また、図9(a)に示すように、加工基準Aは、成型体40の重心44を囲うように3つ設定されている。加工基準Aを結ぶ三角形の重心Bは、成型体40の重心44の近くに配置されるようになっている。
この別実施形態によれば、図9(b)に示すように、突起部4gの高さを調整することで加工基準Aを同一平面上に設定することができるため、機械加工のし易さ(クランプのし易さ)を向上させることができる。また、図9(a)に示すように、突起部4gの配置を任意に設定することで、加工基準Aを頂角とする三角形の重心Bを、成型体40の重心44にできるだけ一致するような配置にすることも可能となる。
その他、例えば、上記実施形態では、鋳型として図2及び図5に示すような形態を例示したが、本発明はこの形態に限定されるものでない。例えば、図2及び図5に示す鋳型が天地逆の形態であってもよい。
1…過給機、2a…タービンハウジング(過給機用スクロールハウジング)、2a1…外表面、2c…スクロール流路、2e…断熱カバー、2f…リブ、4a…コンプレッサハウジング(過給機用スクロールハウジング)、4d…スクロール流路、4f…リブ、10…鋳型、11…上主型、12…下主型(下型)、13,14…中子、20…成型体、24…重心、30…鋳型、31…上主型、32…下主型(下型)、33,34…中子、40…成型体、44…重心、A…加工基準、S…空気層

Claims (5)

  1. 気体を渦巻き状に流動させるスクロール流路を備える過給機用スクロールハウジングの製造方法であって、
    前記スクロール流路に対応する形状の中子を上下に分割可能な割型内に設置して鋳型を形成し、該鋳型に基づく成型体を得る鋳造工程と、
    前記鋳型のうち下型により成型された前記成型体の黒皮面に加工基準を設定し、該加工基準以外の部分を機械加工することにより寸法調整を行う機械加工工程と、を有する、ことを特徴とする過給機用スクロールハウジングの製造方法。
  2. 前記機械加工工程では、前記成型体の外表面に前記加工基準を設定する、ことを特徴とする請求項1に記載の過給機用スクロールハウジングの製造方法。
  3. 前記機械加工工程では、前記成型体の重心を囲うように前記加工基準を複数設定する、ことを特徴とする請求項1または2に記載の過給機用スクロールハウジングの製造方法。
  4. 前記成型体は、前記スクロール流路に対応する外表面に、前記スクロール流路に沿って径方向に突出して形成されたリブを有しており、
    前記機械加工工程では、前記リブに前記加工基準を設定する、ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の過給機用スクロールハウジングの製造方法。
  5. 前記リブは、断熱カバーを被せたときに、前記外表面と前記断熱カバーとの間に空気層を形成するものである、ことを特徴とする請求項4に記載の過給機用スクロールハウジングの製造方法。
JP2013127570A 2013-06-18 2013-06-18 過給機用スクロールハウジングの製造方法 Expired - Fee Related JP6186920B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013127570A JP6186920B2 (ja) 2013-06-18 2013-06-18 過給機用スクロールハウジングの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013127570A JP6186920B2 (ja) 2013-06-18 2013-06-18 過給機用スクロールハウジングの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015001218A true JP2015001218A (ja) 2015-01-05
JP6186920B2 JP6186920B2 (ja) 2017-08-30

Family

ID=52295885

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013127570A Expired - Fee Related JP6186920B2 (ja) 2013-06-18 2013-06-18 過給機用スクロールハウジングの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6186920B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017110634A (ja) * 2015-12-11 2017-06-22 パナソニックIpマネジメント株式会社 ターボ機械
WO2019124546A1 (ja) * 2017-12-22 2019-06-27 カルソニックカンセイ株式会社 タービンハウジングの製造方法
JP7438384B2 (ja) 2020-09-24 2024-02-26 三菱重工エンジン&ターボチャージャ株式会社 ターボチャージャのケーシングの製造方法

Citations (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS56132348U (ja) * 1980-03-06 1981-10-07
JPH0481523A (ja) * 1990-07-20 1992-03-16 Asahi Tec Corp ターボチャージャ用タービンハウジングおよびその製造方法
JPH05329572A (ja) * 1992-05-29 1993-12-14 Musashi Seimitsu Ind Co Ltd 段付歯車の製造方法
JPH084581A (ja) * 1994-06-15 1996-01-09 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 鋳造部品
JPH11351356A (ja) * 1998-06-10 1999-12-24 Honda Motor Co Ltd 円盤状素材
JP2000024608A (ja) * 1998-07-07 2000-01-25 Taiyo Seisakusho:Kk 中空物洗浄装置および中空物の洗浄方法
JP2001295620A (ja) * 2000-04-18 2001-10-26 Daihatsu Motor Co Ltd 内燃機関におけるオイルパンの構造
JP2003056354A (ja) * 2001-08-21 2003-02-26 Hmy Ltd 自動車用排気系タービンハウジング
JP2003291035A (ja) * 2002-03-31 2003-10-14 Honda Motor Co Ltd 車両用ホイールの製法およびその中間素材
WO2007018166A1 (ja) * 2005-08-05 2007-02-15 Kitagawa Iron Works Co., Ltd. ターボチャージャハウジングの把持方法およびワーク把持装置
JP2008202467A (ja) * 2007-02-19 2008-09-04 Ihi Corp 過給機
US20100232959A1 (en) * 2006-06-21 2010-09-16 Nobuo Takei Bearing structure of rotating machine, rotating machine, method of manufacturing bearing structure, and method of manufacturing rotating machine

Patent Citations (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS56132348U (ja) * 1980-03-06 1981-10-07
JPH0481523A (ja) * 1990-07-20 1992-03-16 Asahi Tec Corp ターボチャージャ用タービンハウジングおよびその製造方法
JPH05329572A (ja) * 1992-05-29 1993-12-14 Musashi Seimitsu Ind Co Ltd 段付歯車の製造方法
JPH084581A (ja) * 1994-06-15 1996-01-09 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 鋳造部品
JPH11351356A (ja) * 1998-06-10 1999-12-24 Honda Motor Co Ltd 円盤状素材
JP2000024608A (ja) * 1998-07-07 2000-01-25 Taiyo Seisakusho:Kk 中空物洗浄装置および中空物の洗浄方法
JP2001295620A (ja) * 2000-04-18 2001-10-26 Daihatsu Motor Co Ltd 内燃機関におけるオイルパンの構造
JP2003056354A (ja) * 2001-08-21 2003-02-26 Hmy Ltd 自動車用排気系タービンハウジング
JP2003291035A (ja) * 2002-03-31 2003-10-14 Honda Motor Co Ltd 車両用ホイールの製法およびその中間素材
WO2007018166A1 (ja) * 2005-08-05 2007-02-15 Kitagawa Iron Works Co., Ltd. ターボチャージャハウジングの把持方法およびワーク把持装置
US20100232959A1 (en) * 2006-06-21 2010-09-16 Nobuo Takei Bearing structure of rotating machine, rotating machine, method of manufacturing bearing structure, and method of manufacturing rotating machine
JP2008202467A (ja) * 2007-02-19 2008-09-04 Ihi Corp 過給機

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017110634A (ja) * 2015-12-11 2017-06-22 パナソニックIpマネジメント株式会社 ターボ機械
WO2019124546A1 (ja) * 2017-12-22 2019-06-27 カルソニックカンセイ株式会社 タービンハウジングの製造方法
US11371367B2 (en) 2017-12-22 2022-06-28 Marelli Corporation Manufacturing method of turbine housing
JP7438384B2 (ja) 2020-09-24 2024-02-26 三菱重工エンジン&ターボチャージャ株式会社 ターボチャージャのケーシングの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP6186920B2 (ja) 2017-08-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN207049073U (zh) 送风装置以及吸尘器
CN103056325B (zh) 抽气阀阀壳铸钢件的铸造方法
JP4778097B1 (ja) 過給機用のコンプレッサハウジング及びその製造方法
RU2014133439A (ru) Интегрированная отливка турбонагнетателя
JP6186920B2 (ja) 過給機用スクロールハウジングの製造方法
US5630461A (en) Method for making stator frame for dynamoelectric machine
CN101988517B (zh) 送风风扇
RU2477196C2 (ru) Лопатка газотурбинного двигателя, выполненная литьем, и способ ее изготовления, турбина, содержащая такую лопатку, и газотурбинный двигатель
JP5985329B2 (ja) ターボチャージャ及びその製造方法
JP2006046340A (ja) ガスタービンエンジンロータブレードを冷却するための方法及び装置
US20140284845A1 (en) Motor Water-Cooling Structure and Manufacturing Method Thereof
KR20160044434A (ko) 배기가스 터보과급기의 터빈 하우징
JP2017537251A (ja) ガスタービンエンジンで使用可能な構成部品を形成するためのセラミック鋳型を有するダイカストシステム
JP7020552B2 (ja) 回転機械および回転機械の内胴部の製造方法
CN203926136U (zh) 涡轮增压器压气机壳及其压铸模具
JP5796346B2 (ja) ステータハウジングの製造方法
US9273692B2 (en) Centrifugal fan, housing component cast, and method of manufacturing housing component
JP4277242B2 (ja) タービンハウジング一体排気マニホールドの製造方法
CN102019347B (zh) 一种通过开工艺窗口制备导叶内环的方法
JP6512761B2 (ja) 過給機及び遮熱板の製造方法
JP2013536370A (ja) 排気ターボ過給機の軸受筐体
CN203614459U (zh) 离心风扇
CN202612138U (zh) 轴流风扇
CN206060383U (zh) 用于压缩机的转子和具有其的旋转式压缩机
CN206153539U (zh) 一种精密压铸模具螺旋式点冷装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160426

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170228

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170227

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170403

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20170404

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170704

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170717

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6186920

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees