JP2015000400A - 固定床式生物学的脱窒方法及び装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】嫌気的条件の破壊や悪臭を含む排ガスの発生を防止しながら、担体充填層内に滞留蓄積した窒素ガスを効率的に排出することのできる固定床方式の生物学的脱窒方法を提供する。
【解決手段】酸化態窒素含有水を、生物付着担体が充填された充填層をもつ固定床方式の脱窒部で脱窒処理する方法において、充填層内で脱窒反応によって発生し、充填層から流出した窒素ガスを充填層下部に注入することによって充填層内部に滞留するガスを充填層から抜くことを含む方法。
【選択図】図1

Description

本発明は固定床方式の生物学的脱窒方法に関する。また、本発明は固定床方式の生物学的脱窒装置に関する。
従来、液中の窒素酸化物を生物学的に還元脱窒する方式としては、微生物(脱窒菌)の保持形態に応じて、活性汚泥中の脱窒菌の働きを利用した浮遊方式、脱窒菌を選択的に凝集させる自己造粒方式、生物付着担体の表面に脱窒菌を固定化する担体方式等が知られている。
担体方式は生物付着担体を脱窒充填層に充填するもので、通常は浮遊方式のように微生物の分離工程を有しない点が特徴である。担体方式は固定床方式と流動床方式とに大別される。固定床方式は被処理水を充填層に下降流で通水するのが一般的である。そのため、通水圧力の上昇を抑えるため逆洗浄などを行わなければならない。比較的中小規模の処理に採用されることが多い。流動床方式は脱窒充填層の底部から被処理水を上昇流で通水することによって担体を流動化させながら処理するものである。そのため、流動床方式においては一般には逆洗を行う必要はない。
固定床方式においては流動床方式に比べて脱窒槽内の生物付着担体の流動性が低く、担体の充填密度は高くなる。そのため、固定床方式を採用して脱窒処理を行う場合、脱窒反応によって発生した窒素ガスが担体充填層から抜け難く、滞留し易い。特開2002−159245号公報(特許文献1)においては、窒素ガスが担体充填層内に滞留すると脱窒効率が低下するおそれがあるという問題を指摘している。当該公報ではこの問題を解消するために、脱窒菌を着床した多数の処理材(担体)に下方から空気を供給する散気装置を脱窒槽に設け、所定時間毎に散気装置から空気を供給することを提案している。そして空気注入の停止を処理材近傍の溶存酸素濃度の上昇を検出することによって行っている。
特開2002−159245号公報
特許文献1においては窒素ガスの滞留を解消するために空気を供給する方法を提案しているが、空気供給時は脱窒反応が中断され、連続的な脱窒処理を行うことができないため、時間効率が損なわれる。また、空気は担体充填層の嫌気的条件を一時的に破壊するため、脱窒反応の遅滞が懸念される。更に、脱窒を補助するために担体充填層に還元剤を添加する場合があるが、残留溶存酸素によって還元剤が無駄になるおそれもある。更に、空気を外部から供給すると、排ガスが悪臭成分を含むため脱臭装置で処理しなければならないという問題もある。
本発明は上記事情に鑑みて創作されたものであり、嫌気的条件の破壊や悪臭を含む排ガスの発生を防止しながら、担体充填層内に滞留蓄積した窒素ガスを効率的に排出することのできる固定床方式の生物学的脱窒方法を提供することを課題の一つとする。また、本発明は嫌気的条件の破壊や悪臭を含む排ガスの発生を防止しながら、担体充填層内に滞留蓄積した窒素ガスを効率的に排出することのできる固定床方式の生物学的脱窒装置を提供することも課題の一つとする。
本発明者は上記課題を解決するために鋭意研究したところ、酸化態窒素含有水を生物付着担体を充填した固定床方式の脱窒部で脱窒する方法において、該脱窒部で発生するガスを抜き取り、該脱窒部下部から注入することによって該脱窒部内部に滞留する窒素ガスを効果的に抜くことができることを見出した。
本発明は上記知見を基礎として完成したものであり、一側面において、酸化態窒素含有水を、生物付着担体が充填された充填層をもつ固定床方式の脱窒部で脱窒処理する方法において、充填層内で脱窒反応によって発生し、充填層から流出した窒素ガスを充填層下部に注入することによって充填層内部に滞留するガスを充填層から抜くことを含む方法である。
本発明に係る脱窒処理方法の一実施形態においては、充填層下部への窒素ガスの注入が間欠的である。
本発明に係る脱窒処理方法の別の一実施形態においては、充填層下部への窒素ガスの注入が、充填層内のガス滞留蓄積と相関のある対象を監視して、その検出値に基づいてなされる。
本発明に係る脱窒処理方法の更に別の一実施形態においては、充填層内のガス滞留蓄積と相関のある対象が、処理水の硫黄系物質濃度、脱窒部内の硫化水素濃度、処理水の濁度、処理水の酸化態窒素濃度、脱窒部内の水位、脱窒部の内部圧力、又は、還元剤を供給する場合の処理水の還元剤濃度である。
本発明に係る脱窒処理方法の更に別の一実施形態においては、充填層下部への窒素ガスの注入は、定期的に実施される。
本発明に係る脱窒処理方法の更に別の一実施形態においては、前記酸化態窒素含有水が硫酸イオンを含む。
本発明に係る脱窒処理方法の更に別の一実施形態においては、注入される窒素ガスが圧縮ガスである。
本発明は別の一側面において、酸化態窒素含有水を脱窒するための生物付着担体が充填された充填層をもつ固定床方式の脱窒部を備えた脱窒装置であって、充填層内で脱窒反応によって発生し、充填層から流出した窒素ガスを充填層下部に注入するための移送手段を有する脱窒装置である。
本発明に係る脱窒装置の一実施形態においては、脱窒部は充填層の上方に気相部を備え、移送手段は気相部にある窒素ガスを引き抜いて充填層下部に注入する。
本発明に係る脱窒装置の別の一実施形態においては、脱窒部からの排気ラインを備え、排気ラインには逆止弁が配備されている。
本発明に係る脱窒装置の更に別の一実施形態においては、移送手段による前記窒素ガスの注入量を規定する因子を制御するための制御部と、充填層内のガス滞留蓄積と相関のある対象を監視するための検出手段とを有し、制御部は検出手段によって検出した検出値に基づいて前記因子に対して前記窒素ガスの注入量を変化させるように指示する。
本発明に係る脱窒装置の更に別の一実施形態においては、充填層内のガス滞留蓄積と相関のある対象が、処理水の硫黄系物質濃度、脱窒部内の硫化水素濃度、処理水の濁度、処理水の酸化態窒素濃度、脱窒部内の水位、脱窒部の内部圧力、又は、還元剤を供給する場合の処理水の還元剤濃度である。
本発明に係る脱窒装置の更に別の一実施形態においては、移送手段が圧縮ガス貯留タンクを備える。
本発明によれば、実施態様に応じて以下のような各種の効果が得られる。
1.脱窒反応によって発生する窒素ガスを利用することによって、担体充填層に滞留蓄積したガスを嫌気的条件下に維持したまま排出することができる。
2.窒素ガス注入時に酸化態窒素含有水の流入を継続しても、脱窒部は嫌気的条件が維持されるので脱窒反応を支障なく継続することができ、時間効率が良い。
3.内部ガス(気相部ガス)を循環することによって、臭気成分の槽外への排出を防止できる。特に充填層の洗浄では大量のガスを使用するため、排ガス処理の負担を大幅に削減できる。また、処理水の悪臭を抑制できるという効果も得られる。
4.外部からガスを供給するわけではないので洗浄排ガスの処理費用が掛からない。そのため、担体充填層の洗浄に際し、十分なガス量によるガス洗浄を行うことができる。そして、副次的に担体充填層の逆洗に必要な水量を減少でき、排水量が少なくなるという利点も得られる。
5.腐敗臭の臭気成分(硫化水素、低級有機酸)は脱窒の還元剤として利用できるので、充填層内で発生した臭気ガスを脱窒菌が付着している充填層に戻して注入することによって、その分外部からの有価の還元剤注入量を削減することができる。
本発明に係る固定床方式の生物学的脱窒装置の一例を説明するための模式図である。 本発明に係る固定床方式の生物学的脱窒装置の別の一例を説明するための模式図である。 本発明に係る脱窒装置の制御系のブロック線図の一例である。 実施例3における経過時間と充填層の水位(ろ高)の関係を示す。 実施例で使用した脱窒槽の概要図である。
次に本発明の実施形態について図1を参照しつつ説明する。図1には、本発明の生物学的脱窒装置100の一実施形態に係る模式図が示されている。脱窒装置100は酸化態窒素含有水1を脱窒するための生物付着担体が充填された充填層102をもつ固定床方式の脱窒部101を備える。充填層は、図示していないが、生物付着担体、該担体の落下防止用の支持材(砂利)及び格子状の集水部から構成することができる。脱窒部101の構成態様としては特に制限はないが、例えば槽、塔、カラム、筒などが考えられる。より具体的には、形状として直方体型、立方体型、円筒形、塔型など公知の形状、壁材料としてコンクリート、FRP、鋳鉄等公知材料を適宜選択することができる。充填層102は担体を最大限活用するために流入水で満たされており、水位は充填層102の上端より高いのが通常である。そのため、充填層102の上方には液相部110が形成されている。
酸化態窒素含有水1としては、硝酸や亜硝酸などの窒素酸化物を含有する水であれば特に制限はないが、例示的には、上水、下水、し尿、用水、海水、排水、及び魚介類の飼育水などが挙げられる。特に、例示した水中に含まれるアンモニア性窒素を酸化処理後の水、とりわけ好気的条件下での生物学的硝化後の水が典型例として挙げられる。また、酸化態窒素含有水1は硫酸イオン等の硫黄分を含むことも可能である。硫酸イオン等の硫黄分を含有する水を処理する場合には硫化水素の生成による悪臭が問題となりやすいが、本発明では悪臭防止効果がある。そのため、硫黄分を含有する酸化態窒素含有水を処理対象とすることで本発明を効果的に活用できる。
生物付着担体の表面には脱窒菌が付着している。嫌気的条件下における脱窒菌の作用によって、酸化態窒素含有水1中の酸化態窒素は脱窒反応を受け、窒素まで還元される。生物付着担体としては、当業者に公知の生物付着担体が制限なく使用可能であるが、例えばアンスラサイト、活性炭(特に球状や粒状の活性炭)、セラミック、砂、合成樹脂などが挙げられる。生物付着担体は表面積を増大させるべく、球状、粒状、管状、ハニカム状、ポーラス状といった種々の形状を取り得る。これらの中でも容易に逆洗することができる粒状あるいは球状の担体が好ましい。
酸化態窒素含有水1は酸化態窒素含有水流入管103を通って脱窒部101に上部から流入する。脱窒反応を促進するために、脱窒部101に更に還元剤3を供給することもできる。本実施形態においては、還元剤3は還元剤流入管104を通って酸化態窒素含有水1と同様に脱窒部101に上部から流入する。還元剤3としては脱窒用の還元剤として知られている任意の還元剤が使用できるが、例えばメタノールやエタノール等のアルコール、酢酸やプロピン酸などの有機酸、硫化水素等が挙げられ、これらは単独で使用してもよいし、適宜組み合わせて使用してもよい。中でも経済的なメタノールが好ましい。
脱窒部101に流入した酸化態窒素含有水1及び還元剤3は充填層102を下方に向かって通過する。この間に、酸化態窒素含有水1は脱窒菌によって窒素に分解される。充填層102内で発生した窒素ガスは充填層102内を酸化態窒素含有水1に対して向流側、すなわち上方向に移動する。充填層102を抜けた窒素ガス4は充填層102の上側に設けられた気相部105を経由し、排気管106を通って装置100の外に排出される。排気管106は、図示していないが、100mm程度水封された水封槽により、外気と遮断されている。一方、充填層102を下方に通り抜けた処理水5は、装置100の外へ排出される。排出された処理水5は放流されるか又は用水等として再利用される。また、処理水5は中継槽107を経由させてから装置100の外へ排出することもできる。中継槽107に処理水5を貯留することで、これを逆洗用水11として使用することが可能となる。
酸化態窒素含有水1の脱窒処理を継続してくと、発生した窒素ガスの一部が充填層102内に滞留蓄積していく。これによって、充填層102内における脱窒のための有効容積が減少し、脱窒効率が低下する。また、充填層102内にガス溜まりができると、流下水の偏流が生じるため、酸化態窒素含有水1が通過しないデッドゾーンが形成される。デッドゾーンには酸化態窒素が到達しないため、酸化還元電位が低下し、脱窒菌の腐敗が起きる。また、硫酸イオン等の硫黄分を含有する水を処理する場合には硫化水素が生成する。その結果、悪臭が発生する。
そこで、本発明に係る脱窒装置100では、充填層102から流出した窒素ガスを充填層102下部に注入するための移送手段108を有している。窒素ガス6が充填層102下部に注入されると、充填層102内部に滞留蓄積していた窒素ガスは、注入された窒素ガス6に同伴されて充填層102から抜ける。これにより、脱窒のための有効容積が回復し、デッドゾーンも解消されるので、脱窒反応を正常状態に戻すことができる。
本実施形態によれば、充填層102を抜けた窒素ガスは移送手段108によって返送されて充填層102に注入されるので、窒素ガスの内部循環が生じる。この際、臭気成分(硫化水素、低級有機酸など)を含む臭気ガスの大部分は窒素ガスに同伴して内部循環するが、一部は排気管106、水封槽(図示せず)を経由して外部に放出される。外部への臭気ガスの放出を確実に防止するために、排気管を遮断してもよい。臭気成分は脱窒の還元剤として利用可能であるので、臭気ガスを脱窒菌が付着している充填層に注入することによって、その分外部からの有価の還元剤注入量を削減することができるという利点も得られる。
充填層102から流出した窒素ガスを引き抜く場所については特に制限はないが、脱窒部101内において充填層102の上方に気相部105を設け、ここに窒素ガスが蓄えられるようにしておき、気相部105の何れかの場所から引き抜くことが好ましい。また、本発明において“充填層下部”とは、充填層102の上下中央よりも下側の部分を指し、引き抜いた窒素ガスは充填層下部の何れの箇所に注入してもよいが、充填層102内に滞留蓄積するガスを効果的に抜く観点からは、充填層102の底部に上方に向かって注入することが好ましい。また、充填層102内に窒素ガス6を満遍なく行き渡らせる観点からは、充填槽102の底部に多数の注入口を設けることが好ましい。多数の注入口は例えば分岐管、分散板、散気管(ディフューザー)等を利用することによって設置可能である。
充填層102下部への窒素ガス6の注入は、連続的に行うこともできるし、間欠的に行うこともできる。何れの態様であっても、窒素ガス6の注入時に酸化態窒素含有水1の流入を継続しても、脱窒部101は嫌気的条件を維持可能なので脱窒反応を支障なく継続することができる。また、連続注入は窒素ガスの蓄積を未然に防ぐことができる。しかしながら、充填層102内に滞留蓄積しているガスを抜くためには大流量の窒素ガス6を短時間注入するという手法が効果的である。そのため、充填層102下部への窒素ガス6の注入は間欠的に行うことが好ましい。また、注入された窒素ガスや充填層102内部に滞留蓄積していた窒素ガスが充填層102を上方に移動する際の勢いによって、充填層102に付着している脱窒菌の一部が担体から剥離して窒素ガスと共に充填層102上方の液相部110に移動することが考えられる。しかしながら、間欠的な注入の場合、窒素ガス6の注入停止後に脱窒菌が落下して再び充填層102に戻るので、菌体剥離による脱窒不足を回避することができるという利点もある。
移送手段108としては、充填層102から流出した窒素ガス4を充填層下部に注入することさえできれば特に制限はないが、例えばブロワー、コンプレッサーを利用することができる。気相部105と充填層102の下部を配管109で連結し、配管途中に移送手段108を設置すればよい。移送手段108の中では、以下に述べる理由によりブロワーが好ましい。ブロワー稼動直後は気相部101のガスが吸引されて瞬間的に減圧状態になるので、充填層102内の滞留蓄積ガスの一部を気相部105に移動させる効果があり、さらに充填層下部から注入される窒素ガス6によってガス溜まりが破壊され、気相部105に移動する。すなわち、気相部からの内部ガスの吸引初期は気相部を一時的に減圧することができるため、滞留蓄積ガス抜きに関して担体充填層へのガス注入との相乗効果が得られる。
このように内部発生した窒素ガス6の間欠的循環は相乗的な効果を期待できる。気相部101の減圧効果を向上するためには、窒素ガス4の排出ライン106にガス逆流防止用の逆止弁109を配備すればよい。
他の窒素ガスの注入方法について図2を参照しつつ説明する。移送手段108と充填層102の間に圧縮ガス貯留タンク111を配備して、該貯留タンク111に窒素ガス6を圧縮貯留し、バルブ112を介して間欠的に窒素ガス6を圧縮ガスの状態で注入することもできる。貯留タンク111の前段にベビコンなどの圧縮機を設置してもよい。このような方法によればブロワー等の移送手段108は小型のものでも短時間に大量の窒素ガス6を脱窒層102に注入することができるので、滞留蓄積ガスの抜出効果を高めることができる。
充填層102下部への窒素ガス6の注入を間欠実施する場合の通気時間及びガス流量は、充填層容積にもよるが、目安としては充填層102の高さが静置時に比べて1.1〜1.5倍程度、好ましくは1.2〜1.4倍程度膨張するガス流量で1〜10秒、好ましくは2〜5秒注入すればよい。注入は定期的に所定量で行っても良い。これは手動で行っても良いし、予め設定したプログラムに基づいて自動で注入されるようにしてもよい。この場合、複雑な制御系を構築する必要はないため、簡便なシステムを構築可能である。
充填層102内のガス滞留蓄積と相関のある何らかの対象を監視して、その検出値に基づいて、移送手段による前記窒素ガスの注入量を規定する因子(例えばブロワーの駆動手段であるモータのon/off、モータの回転数)を変化させることで、注入時期や注入量を決定しても良い。この場合、滞留蓄積ガスの抜出を過不足なく行うことができるという利点が得られる。
充填層102内のガス滞留蓄積と相関が高いという理由により、好適な監視対象としては、脱窒部内の水位、脱窒部の内部圧力、充填層内部のデッドゾーン形成より生ずる処理水の濁度、処理水の硫黄系物質濃度、又は気相部ガス中の硫化水素濃度、充填層有効容積減少によって残留する酸化態窒素あるいは還元剤の濃度が挙げられる。これらの中では、自動測定の容易な処理水の濁度を監視対象とするのが好ましい。処理水中の硫黄系物質としては金属硫黄、硫黄イオン、硫化水素の少なくとも一つ以上を監視対象とすればよく、また処理水中の硫化水素は気相中の硫化水素を測定することによって間接的に監視することができる。
前記窒素ガスの注入量を規定する因子は、手動及び自動の何れで制御してもよい。自動制御する場合、脱窒装置は、当該因子を制御するための制御部と、監視対象の検出手段とを有し、制御部は検出手段によって検出した監視対象の検出値に基づいて前記因子に対して前記窒素ガスの注入量を変化させるように指示する。具体的な例として、処理水中の濁度を監視対象とし、ブロワーを移送手段108として利用した場合の制御系のブロック線図を図3に示す。ここでは、脱窒装置100は、ブロワーのモータの負荷を制御するための制御部201と、処理水中の濁度の測定部202とを有し、制御部201は測定部202によって測定した濁度に基づいてモータの負荷を変化させる。このような制御を行った結果、最終的には充填層102内部に窒素ガスが滞留蓄積するのを防止することができ、安定的な脱窒処理を行うことが可能となる。
ある時点における処理水の濁度を測定部202(濁度計)で検出すると、測定した濁度はそれに応じた電気信号に変換される。その後、コンピュータ等から入力される濁度目標値(又は許容限界値)を表す電気信号と比較され、目標値(又は許容限界値)との差に応じて、制御部201によって、ブロワーへの負荷であるモータの回転速度(モータの始動及び停止を含む)、すなわち充填槽102への窒素注入量を操作する。窒素注入流量の変化に応じて処理水の濁度も変化する。例えば、濁度が許容限界値に達していない場合には脱窒処理が正常に行われていると判断し、ブロワーは停止状態を維持し、濁度が許容限界値を超えた場合には窒素ガスが充填槽内に多量に滞留蓄積していると判断し、ブロワーを起動する。ブロワーが停止するタイミングは、例えば検出された他の監視項目が目標値に達したときとしてもよいし、予め定めた一定時間運転後とするようにしてもよい。
このように、本実施形態では処理水の濁度を読み取り、この濁度が目標値に近づくように、又は、許容限界値を超えた場合にモータの回転速度を操作してフィードバック制御する。目標値は一定値でなくて、許容範囲のある幅をもった値であってもよい。監視対象が異なる場合においても、基本的に同様の制御系を構築することができる。
また、先述した圧縮ガス貯留タンク111を配備する実施形態では、移送手段の一つである圧縮ガス貯留タンク111からの窒素ガスの注入量を規定する因子として、圧縮ガス貯留タンク111からのガス排出量を調節するバルブ112の開閉度合を設定することができる。
脱窒処理を継続していくと、充填層102の内部で脱窒菌が増殖し、また、酸化態窒素含有水1中のSSが充填層102の内部に蓄積されることによって充填層102の通水抵抗が上昇することも考えられる。これに対しては中継槽107の内部に貯留されている処理水を逆洗用水11として通水すればよい。逆洗排水12は充填層102の上方の液相部110を介して脱窒部101外に排出することができる。逆洗前に、充填層102内の担体が攪拌するように窒素ガス6を注入しておくこともできる。撹拌時間は1分未満程度とするのが好ましいが、生物付着担体上の脱窒菌の付着強度が大きい場合は1分以上が必要になるので、逆洗後の通水抵抗の低下と攪拌時間、強度の関係を経験的に把握して、適宜設定すればよい。過剰な攪拌は付着脱窒菌を過剰に剥離することがあるので、剥離状況にも注意することが好ましい。ガス攪拌後はろ過物、剥離脱窒菌を脱窒部101外に排出するために逆洗用水を注入することができる。逆洗ポンプ114の起動は窒素ガス6による攪拌終了後に設定すればよい。逆洗時間は1〜10分、好ましくは2〜5分、逆洗用水量は充填層102の高さが静置時に比べて1.1〜1.5倍程度、好ましくは1.2〜1.4倍程度膨張する程度が良い。
以下、本発明及びその利点をより良く理解するための実施例を示すが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
脱窒菌が付着した粒径3mmのアンスラサイト充填層201を図5に示す脱窒槽200(高さ1600mm)に充填した固定床式脱窒装置(脱窒槽底部から150mmまでの高さに散気管202、格子状の目皿203及び砂利204を順に設置し、その上に内径200mm、充填層高さ700mm、充填容量約19Lの充填層201を形成)を用意した。すなわち、充填層底面は脱窒槽の底面から高さ150mmのところにある。当該脱窒装置は図1に記載の構成をもつ。被処理水としては下水の硝化水を選択し、当該装置へ供給し、脱窒試験を行った。水位は充填層上端(充填層底面からの高さ700mm)から200mm(充填層底面からの高さ900mm)になるように設定した。実施条件を表1に示す。
(例1)
表1の条件で脱窒処理を開始してから、充填層中の窒素ガス溜まり発生に起因するろ高(水位)の上昇とともに、処理水の硫化水素臭が強くなったため、気相部のガスを3時間毎に5秒間、充填層が1.4倍程度に膨張するようにブロワーにより充填層底部から間欠的に注入した。その結果、ろ高が低下し、硫化水素臭も低下した。
(例2)
充填層中の窒素ガス溜まりの状況は水位(ろ高)をレベル計で自動検出して、水位が充填層上端から500mm(充填層底面からの高さ1200mm)に達した時点で自動的に窒素ガスを、5秒間充填層が1.4倍程度に膨張するように充填層底部から注入した。その結果、充填層底面からのろ高1200mmとろ高950mmのときの、処理水のNO3−Nはそれぞれ約5.2mg/L、約0.3mg/Lであり、処理水のメタノール濃度はそれぞれ約24mg/L、約1.1mg/Lであった。これは、充填槽内に滞留蓄積した窒素ガスが抜けることで脱窒のための有効容積が回復し、脱窒反応が正常化して酸化態窒素及びメタノールが適切に消費されたことによると判断される。また、水位上昇時と低下時の処理水の濁度及び硫黄(硫黄イオン、金属硫黄コロイド、硫化水素性硫黄)濃度を随時測定した結果、図4に示すように、水位上昇時には濁度及び硫黄濃度が上昇し、水位低下時には濁度及び硫黄濃度が低下した。これより、脱窒処理水の濁度、硫黄濃度、硝酸性窒素濃度、又は還元剤であるメタノール濃度を自動検出して窒素ガスを自動注入することが充填槽内に滞留蓄積する窒素ガスを抜くために有効であることが分かる。
1 酸化態窒素含有水
3 還元剤
4 排出窒素ガス
5 処理水
6 循環窒素ガス
11 逆洗用水
12 逆洗排水
100 脱窒装置
101 脱窒部
102 充填層
103 酸化態窒素含有水流入管
104 還元剤流入管
105 気相部
106 排気管
107 中継槽
108 移送手段
109 配管
110 液相部
111 圧縮ガス貯留タンク
112 バルブ
114 逆洗ポンプ
200 脱窒槽
201 アンスラサイト充填層
202 散気管
203 目皿
204 砂利

Claims (13)

  1. 酸化態窒素含有水を、生物付着担体が充填された充填層をもつ固定床方式の脱窒部で脱窒処理する方法において、充填層内で脱窒反応によって発生し、充填層から流出した窒素ガスを充填層下部に注入することによって充填層内部に滞留するガスを充填層から抜くことを含む方法。
  2. 充填層下部への窒素ガスの注入が間欠的である請求項1に記載の方法。
  3. 充填層下部への窒素ガスの注入が、充填層内のガス滞留蓄積と相関のある対象を監視して、その検出値に基づいてなされる請求項1又は2に記載の方法。
  4. 充填層内のガス滞留蓄積と相関のある対象が、処理水の硫黄系物質濃度、脱窒部内の硫化水素濃度、処理水の濁度、処理水の酸化態窒素濃度、脱窒部内の水位、脱窒部の内部圧力、又は、還元剤を供給する場合の処理水の還元剤濃度である請求項3に記載の方法。
  5. 充填層下部への窒素ガスの注入は、定期的に実施される請求項1又は2に記載の方法。
  6. 前記酸化態窒素含有水が硫酸イオンを含む請求項1〜5の何れか一項に記載の方法。
  7. 注入される窒素ガスが圧縮ガスである請求項1〜6の何れか一項に記載の方法。
  8. 酸化態窒素含有水を脱窒するための生物付着担体が充填された充填層をもつ固定床方式の脱窒部を備えた脱窒装置であって、充填層内で脱窒反応によって発生し、充填層から流出した窒素ガスを充填層下部に注入するための移送手段を有する脱窒装置。
  9. 脱窒部は充填層の上方に気相部を備え、移送手段は気相部にある窒素ガスを引き抜いて充填層下部に注入する請求項8に記載の脱窒装置。
  10. 脱窒部からの排気ラインを備え、排気ラインには逆止弁が配備されている請求項8又は9に記載の脱窒装置。
  11. 移送手段による前記窒素ガスの注入量を規定する因子を制御するための制御部と、充填層内のガス滞留蓄積と相関のある対象を監視するための検出手段とを有し、制御部は検出手段によって検出した検出値に基づいて前記因子に対して前記窒素ガスの注入量を変化させるように指示する請求項8〜10の何れか一項に記載の脱窒装置。
  12. 充填層内のガス滞留蓄積と相関のある対象が、処理水の硫黄系物質濃度、脱窒部内の硫化水素濃度、処理水の濁度、処理水の酸化態窒素濃度、脱窒部内の水位、脱窒部の内部圧力、又は、還元剤を供給する場合の処理水の還元剤濃度である請求項11に記載の脱窒装置。
  13. 移送手段が圧縮ガス貯留タンクを備える請求項8〜12の何れか一項に記載の脱窒装置。
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