JP2014534567A - 絶縁および熱伝達手段として使用される液体組成物、前記組成物を含有する電気装置、およびこのような組成物を調製する方法 - Google Patents

絶縁および熱伝達手段として使用される液体組成物、前記組成物を含有する電気装置、およびこのような組成物を調製する方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、誘電組成物として使用されてもよい液体組成物に関し、前記組成物は、少なくとも1つの天然トリグリセリドと、トリグリセリドと異なる少なくとも1つの脂肪酸エステルとの混合物を含んでなり、前記脂肪酸は、少なくとも1つの植物油または別の同等の天然資源から誘導され、(i)少なくとも1つの天然トリグリセリド中、およびトリグリセリドと異なる少なくとも1つの脂肪酸エステル中に存在する脂肪酸は、エステル中の脂肪酸総重量に対する重量基準で、−少なくとも70%、好ましくは85%を超える、少なくとも1つの一不飽和脂肪酸、−0〜10%未満の少なくとも1つの多価不飽和脂肪酸、−18と異なる数の炭素原子を含有する炭化水素鎖を有する、20%未満、好ましくは10%未満の少なくとも1つの脂肪酸を含んでなり、(ii)混合物中に存在する少なくとも1つの天然トリグリセリドは、混合物総重量に対して10〜90重量%、好ましくは40〜75%重量に相当する。

Description

本発明は、例えば、変圧器、コンデンサ、ケーブル、または回路遮断器などの電気装置内で、誘電流体、特に絶縁流体および冷却剤として有用な組成物に関する。
誘電流体組成物は、通常、電気装置、特に変圧器で使用される。これらの液体は、装置の様々な導体素子を絶縁して、装置の操作中の加熱を制限し、装置の耐用期間を増大させる目的を有する。高性能流体は、装置サイズを最小化するのに必須である。
目下知られている誘電性液体組成物のほとんどは、本質的に、原油の特定カットからの炭化水素を含んでなる組成物である。石油誘導体ベースのこれらの組成物は、一般に低い発火温度(ひいては著しい引火性)を有し、ほとんどの場合は低い生分解性によっても特徴付けられ、さらにまた、比較的高い毒性によっても特徴付けられることがある(石油誘導体ベースの誘電組成物は、確かに、ほとんどの場合、芳香族分子および/またはハロゲンを有する)。これらの液体は、電気装置の絶縁のためには、比較的満足のいくものではないと認められる。確かに、操作中に、特に大量の熱が生じ得る電気的変圧器で使用する場合、これらの流体は、重大な可燃性リスクを呈する。これに加えて、電気装置の外囲器が破損した場合は、液体ベースの石油誘導体が、重大な汚染(土壌、河川、地下水)を引き起こすと思われる。これらの化合物の着火に起因する火災の場合は、大気汚染もまた発生することもある。
石油誘導体を含有するこれらの誘電流体に加えて、例えばシリコーン油などのその他の毒性のより低い液体組成物が開発されている。これらの代案の組成物は、確かにより効果的であると認められたが、それらはコストがはるかに高く、それらは実際には、例えば超高層および/または公共の建築物内に設置される主変圧器または電気機器など、高価な数種の特定機器内でのみ使用されている。
したがって、石油誘導体を含有する誘電流体を置き換えるために、無毒かつ生分解性であり、その合成が可能な限り安価であって、興味深い誘電性能を持つ化合物の利用が試みられている。この文脈で、天然植物油または家畜廃棄物脂肪のいくつかは、興味深いいくつかの絶縁特性を呈するために、可能な候補として提案されている。
しかし天然植物油は、多くの場合、例えば変圧器などの電気装置で、誘電流体としてそのまま使用できないことが分かった。確かに、それらは、高流動点に付随する高粘度(特に低温における)をはじめとする特定の不都合を有し、一般にそれらの原料、精製または取り扱い次第で、一般に重大な酸化傾向(被酸化性)を示すこともある。
植物油の特性を改善するために、(国際施用国際公開第97/22977号パンフレット、国際公開第97/49100号パンフレット、国際公開第号パンフレット98/31021、および国際公開第00/11682号パンフレットにおいて)、抗酸化剤、凍結防止、またはポリメタクリレートなどの粘度改良剤を追加することで、これらの油を改質し、前述の欠陥に対抗することが提案されている。しかしこれらの添加剤はまた、通常は低生分解性または非生分解性で毒性があり、それらがその中で使用される電気装置を損傷することが認められた。これは、その酸性度が知られているポリメタクリレートに特にあてはまり、そのためそれは電気装置、特に電気的変圧器に重大な腐食をもたらし得る。
それほどではないにせよ、このような植物油の生分解性を失うことなく、それらの特性を修正するために、天然植物油中に存在するトリグリセリド(グリセロールと脂肪酸のエステル)を変化させることが、試みられている。この点において、これらのグリセロールエステルを、イソブタノールのエステルなどのその他のアルコールのエステルに変換する、様々な試みがなされている。しかしこれらの試験は、完全に確証的ではない。実際に、この特定の文脈で行われた研究は、電気装置内における効率的で持続可能な利用のために、このような組成物が有すべき、全ての物理的および化学的特性を有する組成物を得ることに失敗した。特に、天然植物油のトリグリセリドを変化させるためにこれまでに実施された試験は、誘電装置内で冷却誘電流体として利用するための全ての必要な特性がある組成物の製造に失敗している。特に、国際基準IEC 60296、IEC 60465、またはIEC 61099、および同等物によって要求される、電気絶縁、冷却特性、低粘度、低密度、および酸化に関する安定性の双方の観点で適応された特性を有する、本トリグリセリドの変換からの改質植物油組成物については、記載されていない。
国際公開第2004/108871号パンフレットは、絶縁液体および熱伝達液体として使用される改質オレイン酸キャノーラ油ベースの液体組成物と、前記液体組成物を含有する電気装置とを開示する。この先行する公開中では、液体組成物は、天然トリグリセリドと、2−エチル−1−ヘキサノール脂肪酸エステルとの混合物ベースであり、前記脂肪酸は、通常は植物油から誘導され、混合物には、その他のエステルが含有されていてもよく、
(i)全てのグリセロール(トリグリセリド)エステル、および2−エチル−1−ヘキサノールエステル混合物中に存在する脂肪酸は、エステル中の脂肪酸の全質量に対する重量基準で、
−例えばオレイン酸などのC18の少なくとも70%、好ましくは72〜90%の一不飽和脂肪酸、
−一般にほとんどがリノール酸および/またはリノレン酸などのC18の多価不飽和脂肪酸である、10〜20%の多価不飽和脂肪酸、
−18のいくつかの異なる炭素原子を含有する炭化水素鎖を有する、10%未満、好ましくは7%未満の脂肪酸
を含み、
(ii)混合物中に存在するトリグリセリドは、混合物の全質量に対して25〜80%、好ましくは40〜75%の質量に相当し、前記組成物中に存在するトリグリセリド以外の脂肪酸エステルは、一般に本質的に2−エチル−1−ヘキサノールのモノエステルである。
下でさらに考察されるこの先行公開における主要見解は、特にアルコール、すなわち2−エチル−1−ヘキサノールのエステル中のこれらの油の画分中に存在する脂肪酸トリグリセリドを変換することで、いくつかの特定の天然植物油を修飾することにより、電気絶縁液体組成物を得て、2−エチル−1−ヘキサノールのエステルの最終含有量を調節し、特にこれらの基準に従って、電気装置用誘電流体冷却剤として適切であることを証明することであった。意外にも、2−エチル−1−ヘキサノールによる、油画分の改質後に得られたこれらの改質油は、特に電気絶縁と粘度に関して興味深い特性を有する。したがって、得られた組成物は、高い分解電圧と低い粘度を有することが証明された。
国際公開第2010/111698号パンフレットは、電気的エネルギーを生成し、貯蔵し、変換および/または配分するための装置内における、熱伝達誘電流体としての大豆油の使用を開示し、大豆油は、その中で少なくとも70%の脂肪酸がC14〜C22一価不飽和であり、16%未満の脂肪酸が多価不飽和であるものである。
大豆種子を抽出して加工し、大豆油およびミールを製造する方法の最初の例が、国際公開第2010/111698号パンフレットに記載されている。
圧偏油糧穀物から脂肪酸エステルを製造する方法の別の例は、国際公開第2009/013349号パンフレットで開示されている。
より具体的には、この先行公開によって教示される方法は、脂肪酸エステルを製造するのに使用され、それはバイオディーゼルとして使用され得て、油料種子全体から調製され、以下のステップを含んでなる。
a.非脱ぷ種子全体を予熱するステップと;
b.油料種をそれらの穀皮と共に圧偏するステップと;
c.0.5〜2.5%、好ましくは1.5%〜2%の水および揮発性物質含有量を得るように、圧偏種子を乾燥するステップと;
d.触媒存在下で、圧偏乾燥種子とアルコール媒体とを接触させることで、エステル交換するステップと;
e.エステル交換から生じる液相および固相を分離するステップと;
f.ステップe)から生じる液相を中和するステップと;
g.アルコールを除去して、脂肪酸エステルからグリセリンを分離するステップ。
他方では、国際公開第2010/124118号パンフレットは、グリースを製造するための方法および装置を開示する。この公開では、植物油が高温に曝露すると、ユニークに異なる挙動を有することが、特に示されている。いくつかの植物油の場合、ひとたび油温が150℃(300°F)を超えると、油は迅速に酸化し始め、この迅速な酸化を矯正する手順を取らないと生成物は重合し始めて、不可逆性変化がもたらされる。このような場合、生成物は、部分的にまたは完全に重合し、あるいは石鹸からポリマーに状態が変化し得て、潤滑価値がほとんどなくなる。しかし大豆またはその他の植物油とリチウムとが反応して、安定グリースを生成し得るように、それらを安定化するいくつかの方法がある。高オレイン酸植物油の使用は、最終製品の酸化安定性を改善するのに頻繁に用いられる。植物油は、それらのより高い粘度指数のために、高温に曝露した際、より安定した質感を呈する。その結果、適切に調合された植物油ベースのグリースは、使用中により安定した質感を示す。
この先行公開では、出願人は、特に、記載される発明の石鹸、ひいてはグリースが、従来の加熱方法(例えばホットプレート、熱ブランケット)を使用して調製された同等の石鹸およびグリースとの比較で、特性の最適組み合わせを提供し得ることを発見している。より均一で制御可能な加熱を提供する能力は、次に全工程をより迅速でより効率的にするのを助ける。より具体的には、従来の手段を使用して加熱された同一組成物との比較で、マイクロ波エネルギーによる加熱が組成物に与える酸化損傷は、顕著により少ないと記載されている。例えばOSI(「油安定性指数」)という用語は、油組成物が酸化に抵抗する能力と対応することが多い値である。OSIを測定する適切な方法は、AOCS試験法Cd 12−92として知られており、この先行公開では、その開示が参照によって援用されている。次にOSIが高いほど、最初の石鹸調製の観点、またより長期間にわたる石鹸または対応するグリース使用の観点の双方から、組成物が利用のために一般によりふさわしいことは、典型的な事実である。要約すると、この先行公開では、典型的には高オレイン酸含有油である油を加熱するためのマイクロ波の使用は、特にグリースとしてのそれらの使用に関して、それらが高いOSI値、換言すれば酸化に抵抗するそれらの能力を保てるようにすることが示されている。OSI試験の適合性、および変圧器の使用における実際の性能との関連性は、未だに確立されていない。
本発明の電気に関わる目的では、植物油の使用に基づく流体は、伝統的に精製、漂白、脱臭、および脱ろう(RBD)油を使用し、したがって全ての先行利用法は、それに基づいて確立されている。
従来のRBD操作では、様々な段階、すなわち脱ガム、中和、洗浄、乾燥、漂白、濾過、および脱臭で、不純物が除去される。この化学工程には、高いエネルギー要求量、汚染された流出物の廃棄などの多数の欠点があるだけでなく、食品または工業用途における油の耐久性と保存に対して保護属性を持つ油の必須構成要素の損失もある。これに加えて、RBD精製所は非常に大規模な工場であり、それは本発明の工業的応用に適さないこともある。
誘電組成物として使用されてもよい液体組成物であって、前記組成物は、少なくとも1つの天然トリグリセリドと、トリグリセリドと異なる少なくとも1つの脂肪酸エステルとの混合物を含んでなり、
前記脂肪酸エステルの脂肪酸は、少なくとも1つの植物油または別の同等の天然資源から誘導され、
(i)少なくとも1つの天然トリグリセリド中、およびトリグリセリドと異なる少なくとも1つの脂肪酸エステル中に存在する脂肪酸は、エステル中の脂肪酸総重量に対する重量基準で、
−少なくとも70%、好ましくは85%を超える、少なくとも1つの一不飽和脂肪酸、
−0〜10%未満の少なくとも1つの多価不飽和脂肪酸、
−18と異なる数の炭素原子を含有する炭化水素鎖を有する、20%未満、好ましくは10%未満の少なくとも1つの脂肪酸
を含んでなり、
(ii)混合物中に存在する少なくとも1つの天然トリグリセリドは、混合物総重量に対して10〜90重量%、好ましくは40〜75%重量に相当する。
a.非脱ぷ種子全体を予熱するステップと;
b.均質層を形成するために、油料種をそれらの穀皮と共に圧偏するステップと;
c.0.05〜2.5%、好ましくは0.5%〜1.5%の水および揮発性物質含有量を得るように、圧偏種子を乾燥するステップと;
d.触媒存在下で、圧偏乾燥種子とアルコール媒質とを接触させることで、エステル交換および/または共エステル交換するステップと;
e.エステル交換から生じる液相および固相を分離するステップと;
f.ステップe)から生じる液相を中和するステップと;
g.アルコールを除去して、脂肪酸エステルからグリセリンを分離するステップと
を含んでなる、油料種子全体またはその他の同等の構成要素から調製される、誘電組成物として使用するための脂肪酸エステルを調製する方法であって、少なくともステップ(a)および(c)は、マイクロ波によって実施される。
本発明の組成物方法(compositions methods)は、図面を参照して、以下の詳細な説明からより良く理解されるであろう。
時間経時的な熱酸化レベル(%および速度)の漸進的変化を比較するいくつかの曲線を図示する。 本発明のUHOC(超高オレイン酸キャノーラ)のTGA/DSCスキャンを提供する。
本発明は、好ましくは下の表1(同等の試験法を含む)に列挙される有利な特性(そうでない場合はより良い特性)を有する組成物を、一般的に非常に興味深いコストで提供できるようにする。
Figure 2014534567
一実施形態では、本発明は、誘電組成物として使用されてもよい、天然トリグリセリドと脂肪酸エステルとの混合物ベースの液体組成物に関し、前記脂肪酸は、通常は植物油または別の同等の構成要素から誘導され、
(i)全てのエステル中に存在する脂肪酸は、エステル中の脂肪酸全質量に対する重量基準で、
−少なくとも70%、好ましくは85%を超える一不飽和脂肪酸、
−0〜10%未満、好ましくは0.01〜10%未満、より望ましくは0.05〜10%未満の多価不飽和脂肪酸
−18と異なる数の炭素原子を含有する炭化水素鎖を有する、20%未満、好ましくは10%未満の脂肪酸
を含み、
(ii)混合物中に存在するトリグリセリドは、混合物全質量に対して、10〜90%、好ましくは40〜75%の質量に相当する。前記組成物中に存在するトリグリセリド以外の脂肪酸エステルは、一般に本質的にモノエステルである。好ましくはそれらは、2−エチル−1−ヘキサノールのモノ脂肪酸エステルである。
好ましくは上記液体組成物は、少なくとも1つの天然トリグリセリドと少なくとも1つの脂肪酸エステルとの混合物ベースであり、前記少なくとも1つの脂肪酸エステルはトリグリセリドと異なり、天然トリグリセリドをグリセロールと異なるアルコールで変換して、少なくとも1つの脂肪酸エステルにすることで、少なくとも1つの天然トリグリセリドから誘導される。「トリグリセリドと異なる脂肪酸エステル」という用語は、脂肪酸エステルがトリグリセリドでないこと、すなわちグリセロールの脂肪酸トリエステルでないことを意味する。
一実施形態では、前記組成物中に含有される脂肪酸エステルの混合物は、
−油または別の同等構成要素の脂肪酸エステルの全質量に対する重量基準で、
−少なくとも70%のC12〜C24の一不飽和脂肪酸
−10%未満の二不飽和酸(C12:2〜C24:2
−二不飽和酸と三不飽和酸の総含有量が、10%未満、好ましくは7%以下、好ましくは5%以下、好ましくは3%以下であるという条件で、最大5%の三不飽和酸(C12:3〜C24:3)
−18個を超える炭素原子を有する5%未満の脂肪酸
の脂肪酸組成を有する、10〜90体積%の植物油または別の同等構成要素と、
−90〜10体積%の前記植物油または同等構成要素と
の混合物であり、トリグリセリドは、得られた組成物が−10℃よりも低い流動点と、180℃よりも高く、好ましくは240℃よりも高い燃焼点を有するように、エステルに変換されている。
トリグリセリドは、例えば2−エチル−1−ヘキサノールのエステルに変換されている。誘電性、気候、生分解性、レオロジー性能などの結果として生じる組成物特性次第で、好ましくはバイオベース原料からの分枝、直鎖、および環状アルコールが適する。
その他の適切なアルコールは、以下のようなポリオールである。
−エタン1,2ジオール
−プロパン1,2ジオール
−プロパン1,3ジオール
−メチル−2−プロパン1,3ジオール
−ジメチル2,2−プロパン1,3ジオール
−エチル2−プロパン1,3ジオール
−ジエチル2,2−プロパン1,3ジオール
−2ブチル2エチル−プロパン1,3ジオール
−ブタン1,4ジオール
−ペンタン1,5ジオール
−メチル4ブタン1、4ジオール
−ペンタン2,3ジオール
−ヘキサン1,6ジオール
−オクタン1,8ジオール
−デカン1、10ジオール
−ドデカン1、12ジオール
−オクタデカン1、12ジオール
−トリメチロールプロパン(TMOP)
−ペンタエリトロール
−ジペンタエリトロール
−ネオペンチルグリコール(NPG)
−フタリル(Phtalyl)アルコール
−イソフタリル(Isophtalyl)アルコール
−テレフタリル(Terepthalyl)アルコール
−ジグリセロール(直鎖および環状)
−トリグリセロール
−ジヒドロキシアセトン
−1,4シクロヘキサンジメタノール
−ビスフェノール−A
−イソソルビド
−2,5ビス(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン
−2,5ビス(ヒドロキシメチル)フラン
−1,8テルピン
−1,8テルピネオール
(最適な箇所に、上の一覧を配置および/または反復すること)
一実施形態では、非改質油/改質油の体積比は、90:10、75:25〜40:60、特に35:65〜50:50である。
一実施形態では、植物油は、酸分70%以上のC12:1〜C24:1を有するUHO(超高オレイン酸)キャノーラ油、またはHO(高オレイン酸)ヒマワリ油、またはHO大豆油である。この組成基準を満たす分画パーム油、およびその混合物もまた適する。
一実施形態では、本発明は、電気エネルギーを生成し、貯蔵し、変換および/または配分するための装置内における、電気絶縁および熱伝達液体としての組成物の使用に関する。
一実施形態では、電気エネルギーを生成し、貯蔵し、変換および/または配分するための装置は、電気絶縁液体冷却剤として、本発明による組成物を含んでなる。
一実施形態では、電気エネルギーを生成し、貯蔵し、変換および/または配分するための装置は、電気絶縁紙またはフィルムとして、本発明による組成物で含浸された紙またはフィルムを含んでなる。
一実施形態では、本発明は、
a.非脱ぷ種子全体を予熱するステップと;
b.均質層を形成するために、油料種をそれらの穀皮と共に圧偏するステップと;
c.0.05〜2.5%、好ましくは0.5%〜1.5%の水および揮発性物質含有量を得るように、圧偏種子を乾燥するステップと;
d.触媒存在下で、圧偏乾燥種子とアルコール媒質とを接触させることで、エステル交換および/または共エステル交換するステップと;
e.エステル交換から生じる液相および固相を分離するステップと;
f.ステップe)から生じる液相を中和するステップと;
g.アルコールを除去して、脂肪酸エステルからグリセリンを分離するステップと
を含んでなる、油料種子全体またはその他の同等の構成要素から調製される、誘電組成物として使用するための脂肪酸エステルを調製する方法に関し、少なくともステップ(a)および(c)は、マイクロ波によって実施される。
一実施形態では、別のステップ(b)および(d)〜(g)が、マイクロ波補助の下で実施される。
一実施形態では、エステル交換および/または共エステル交換ステップd)における触媒は、酵素および/または塩基および/または酸、および/または固体、および/または液体である。
この説明の目的で、「脂肪酸エステル混合物ベースの組成物」という表現は、完全にまたは部分的に脂肪酸エステル混合物からなる組成物、すなわち本質的に6〜24個の炭素原子を含んでなる飽和カルボン酸または不飽和のエステル混合物を意味する。本発明の脂肪酸組成物のエステルは、一般に植物原料、植物一般、またはトール油などの木材処理誘導体、または藻類または微細藻類または動物脂肪の脂肪酸エステルベースであり、あるいは糖類から誘導され、これらの脂肪酸は、通常は1つまたは複数の植物油、植物一般、またはトール油などの木材処理誘導体、または藻類または微細藻類または動物脂肪原料から誘導され、または糖類から誘導される。
好ましくは、本発明の脂肪酸エステルベースの組成物は、主に(そして頻繁に排他的に)、脂肪酸エステル混合物から構成される。したがって好ましい実施形態によれば、本発明の組成物は、痕跡量の化合物、すなわち一般に2重量%未満、好ましくは1重量%未満、さらには0,5重量%未満で存在する遊離脂肪酸、遊離アルコール、および/またはモノ−またはジグリセリドなどと、調質後500ppm未満の水、好ましくは250ppm未満の遊離水と組み合わされていてもよい、少なくとも98重量%、好ましくは重量少なくとも99重量%の脂肪酸エステル混合物を含んでなる。
しかし可能な実施形態では、本発明の誘電性組成物は、一般的抗酸化剤または油の流動点を低下させるために、および/または凍結防止特性を確保するために、一般に使用される薬剤をはじめとする、脂肪酸エステル以外の追加的な要素を含んでなってもよく、これらの添加剤は好ましくは生分解性であり無毒である。しかし必要ならば本発明の組成物は、少なくとも80重量%、有利には少なくとも90重量%、なおもより好ましくは少なくとも95重量%の脂肪酸エステルから、主に構成される。
本発明の組成物中に存在する脂肪酸エステル混合物は、上で定義されるような特定の脂肪酸組成によって特徴付けられ、上で定義されるような特定のアルコール組成物に関連する。「脂肪酸組成」(または「脂肪酸プロファイル」)という表現が、この説明全体を通じて使用され、それは植物油の特性解析で通常使用されて、すなわちメタノールエステル中に存在する全ての脂肪酸エステルの変換後に、脂肪酸エステル混合物に与えられる「脂肪酸としての」量が、混合物の脂肪酸のメタノールエステル総量に対する、前記エステル脂肪酸メタノールの量の質量比で計算される。したがって本明細書で定義される「脂肪酸プロファイル」という表現は、ISO 5508に準じるが、これに限定されるものではない、意味を有する。
同様に、脂肪酸エステル混合物の「トリグリセリド含有量」を定義し得て、脂肪酸エステル混合物中の前記「トリグリセリド含有量」は、脂肪酸エステル混合物の全質量に対するトリグリセリド混合物の量の質量比によって定義される。実験的に、脂肪酸エステル混合物を含有する組成物のトリグリセリドプロファイルは、液体クロマトグラフィー(例えばHPLC)によって、クロマトグラフィー後に得られる、分離した異なるトリグリセリドと脂肪酸エステルの比率を定量することで、判定し得る。
典型的に、本発明の組成物中では、C12〜C24の一不飽和脂肪酸の含有量は70重量%以上であり、この含有量は通常72〜90重量%である。
好ましくは、このC12〜C24の一不飽和脂肪酸の含有量は、少なくとも73重量%、好ましくは少なくとも76重量%である。
「C12〜C24の一不飽和脂肪酸」は、本説明の意味では、12個の(またはそれを超える)炭素原子があり、その炭化水素鎖中に1つの不飽和(C=C結合)のみを呈するカルボン酸を規定するが、このカルボン酸は好ましくは直鎖である。
好ましくは、本発明による組成物中に存在するC12〜C24の一不飽和脂肪酸エステルは、完全にまたは部分的に(好ましくは本質的にすなわち少なくとも95質量%、好ましくは少なくとも98質量%が)、CH3−(CH27−CH=CH−(CH27−COOHのオレイン酸エステルであり、二重結合は位置9にあって、シス配置である。
これに加えて、本発明による単離する組成物(isolating composition)は、特徴的に、質量基準で10%未満、7%以下、5%以下、または3%以下である、多価不飽和脂肪酸量を有する。「多価不飽和脂肪酸」は、本説明の意味では、その炭化水素鎖の中に2つ以上の不飽和を有するカルボン酸であり、この酸は、一般に12〜24個の炭素原子を有する一般に、本発明の組成物中に存在する多価不飽和脂肪酸は、本質的にC18脂肪酸であり、好ましくは痕跡量のその他の多価不飽和脂肪酸と組み合わされていてもよい、リノール酸および/またはリノレン酸である。当業者が本説明から理解するであろうように、もちろんその他の多価不飽和酸が想定されてもよい。好ましくは、本発明の組成物中の多価不飽和脂肪酸含有量は、10重量%未満、好ましくは7重量%未満、好ましくは5重量%未満、好ましくは3重量%未満である。この点において、理論によるいかなる拘束も望まないが、以前の研究は、多価不飽和脂肪酸の含有量が低下するにつれて、本発明による組成物の酸化耐性が増大することを示唆することもある。したがってこのような多価不飽和酸の比率をできる限り低下させることが、重要である。
一不飽和および多価不飽和脂肪酸以外のC12〜C24脂肪酸中の本発明の組成物の含有量は、一般に20重量%未満、好ましくは10重量%未満である。いずれにしても、18と異なる数の炭素原子を含有する炭化水素鎖を有する脂肪酸含有量は、典型的に5重量%未満、典型的に3重量%以下である。有利な実施形態によると、一不飽和および多価不飽和C18の脂肪酸以外の脂肪酸である本発明の組成物は、ステアリン酸、パルミチン酸、アラキジン酸、エイコセン酸、ベヘン酸、およびエルカ酸から選択される、1つまたは複数の化合物を含んでなる混合物から本質的になる。
一般に本発明の組成物中では、2−エチル−1−ヘキサノールの脂肪酸エステルなどの脂肪酸モノエステル以外の脂肪酸エステルは、本質的に、好ましくは全て、トリグリセリド、すなわちグリセロール由来の脂肪酸トリエステルである。
しかし可能な一実施形態によると、トリグリセリドおよび2−エチル−1−ヘキサノール脂肪酸エステル以外の脂肪酸エステルは、C3またはC5アルコールエステル、または例えばネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールまたはジペンタエリトロールのエステルなどの複合アルコールのエステルなど、その他のモノアルコールエステルを含んでもよい。必要ならば本発明の組成物中の含有量(トリグリセリド+2−エチル−1−ヘキサノール脂肪酸エステルなどの脂肪酸エステル)は、少なくとも80%であることが好ましい。
誘電性、気候、生分解性、およびレオロジー性能などの結果として生じる組成物特性次第で、好ましくはバイオベース原料からの分枝、直鎖、および環状アルコールが適する。
その他の適切なアルコールは、以下のようなポリオールである。
−エタン1,2ジオール
−プロパン1,2ジオール
−プロパン1,3ジオール
−メチル−2−プロパン1,3ジオール
−ジメチル2,2−プロパン1,3ジオール
−エチル2−プロパン1,3ジオール
−ジエチル2,2−プロパン1,3ジオール
−2ブチル2エチル−プロパン1,3ジオール
−ブタン1,4ジオール
−ペンタン1,5ジオール
−メチル4ブタン1、4ジオール
−ペンタン2,3ジオール
−ヘキサン1,6ジオール
−オクタン1,8ジオール
−デカン1、10ジオール
−ドデカン1、12ジオール
−オクタデカン1、12ジオール
−トリメチロールプロパン(TMOP)
−ペンタエリトロール
−ジペンタエリトロール
−ネオペンチルグリコール(NPG)
−フタリル(Phtalyl)アルコール
−イソフタリル(Isophtalyl)アルコール
−テレフタリル(Terepthalyl)アルコール
−ジグリセロール(直鎖および環状)
−トリグリセロール
−ジヒドロキシアセトン
−1,4シクロヘキサンジメタノール
−ビスフェノール−A
−イソソルビド
−2,5ビス(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン
−2,5ビス(ヒドロキシメチル)フラン
−1,8テルピン
−1,8テルピネオール
好ましくはトリグリセリド以外のエステルは、−10℃よりも低い流動点と、250℃よりも高い燃焼点を有する。
上記要求事項をほぼ満たす、このようなエステルの例を流動点の値と共に示すと、2−エチルヘキシルオレアート−36℃、ネオペンチルグリコールジオレアート−27℃、トリメチロールプロパントリオレアート−24℃、ペンタエリスリトールテトラオレアート−15℃、イソブチルオレアート−27℃、およびイソプロピルオレアート−9℃である。
流動点低下は、エステル量とは系統的に比例せず、したがって事例毎のシミュレーションによって、最も良く予測される。
好ましくは、一不飽和酸C12:1〜C24:1は、85%以上の比率であり、C12〜C24のような多価不飽和酸は、10%以下、7%以下、または5%以下、3%以下である。
一般に、本発明の組成物は、混合物が、上で定義される脂肪酸プロファイルをもたらすという条件で、植物油、または植物一般、またはトール油などの木材処理誘導体、または藻類または微細藻類または動物脂肪などの同等の天然資源など、または糖類から誘導される第1の構成要素と、前記第1の構成要素と同一であるかまたは異なる第2の構成要素のトリグリセリド変換によって得られる2−エチルヘキサノールなどのエステル混合物とを混合することで得られ得る。したがって本発明の組成物の形成のために、いくつかの異なる構成要素の混合物を利用し得るが、ほとんどの場合、単一油、または本説明で言及されるその他の構成要素が使用される。
特に有利な実施形態によると、本発明の組成物中に含有される脂肪酸エステル混合物は、本発明の組成物について確定されたような脂肪酸組成、すなわち油Xの脂肪酸エステル全質量に対して少なくとも70重量%のC12〜C24の一不飽和脂肪酸含有量、10重量%未満の多価不飽和脂肪酸含有量、10重量%未満であり、好ましくは上記の好ましい量である、18と異なる数の炭素原子を有する脂肪酸を有する、植物油Xから得られる。次に前記植物油Xの画分、すなわち油Xの10%〜90体積%を例えば2−エチル−1−ヘキサノールで処理し、それによって最初に植物油のその画分中に含有されるトリグリセリド(脂肪酸とグリセロールのトリエステル)を例えば2−エチル−1−ヘキサノールなどのアルコールのエステルに変換することで、本発明の脂肪酸エステル混合物が得られる。
例えばトリグリセリドの2−エチル−1−ヘキサノールなどのエステルへの変換は、トリグリセリドの加水分解と、それに続く例えば2−エチル−1−ヘキサノールなどによるエステル化によってもまた、達成されてよい操作である。別の考えうる代案では、この変換はまた、エステル交換(トリグリセリドと2−エチル−1−ヘキサノールまたはその他のアルコールとの直接反応)によって、または既に形成されたモノエステルのエステル交換によって達成し得る。反応は、酸または塩基で触媒される、液体または固体などの様々な化学的条件下で、またはより好ましくは酵素的触媒作用によって、より好ましくは原料のその他の属性を保持して、コストを低下させる目的で、非固定化酵素的触媒作用によって実施し得る。
変換実施の性質が何であっても、この変換が、特に遊離脂肪酸形成を制限することで副産物形成を最小化して、実施されることが一般に好ましい。確かにこれらの酸は量が高過ぎると、その中でそれらが用いられる電気装置の「腐食」を誘発すると思われる。本発明の組成物を調製する方法は、必要ならばその最小化を含めて酸分を調節できるようにして、特に変圧器などの電気装置内での使用に高度に適合性の組成物を得られるようにする。
好ましくは、本発明の組成物中に存在する脂肪酸エステルの混合物は、好ましくは10〜90体積%の植物油Xと、その中でトリグリセリドが好ましくは完全に2−エチル−1−ヘキサノールエステルなどのエステルに変換されている、10〜90体積%の同一植物油Xとの混合物である。好ましくはこの混合物中で、非改質植物油X/改質植物油Xの体積比は、90:10、75:25〜40:60、好ましくは65:35〜50:50である。「改質油X」は、その中でトリグリセリドが2−エチル−1−ヘキサノールエステルなどのエステルに変換されている油Xを意味する。
本発明の特に有利な実施形態によると、植物油Xは、「超高オレイン酸キャノーラ」UHOCとして知られているキャノーラ油、すなわちオレイン酸含有量が70%以上、好ましくは80%以上、最も好ましくは85%以上のキャノーラ油である。
特に有利には、非限定的例として、本発明の組成物の調製に使用されるオレイン酸キャノーラ油は、以下の脂肪酸組成を有する(質量百分率)。
−一不飽和酸(C12:1〜C24:1:約70〜90%、
−二不飽和酸(C12:2〜C24:2:10%未満、
−三不飽和酸(C12:3〜C24:3):最大5%、
ただし二不飽和酸と三不飽和酸の総含有量は、10%未満、好ましくは7%以下、好ましくは5%以下、好ましくは3%以下であり、
−パルミチン酸(C16:0):約3.0〜7.0%、
−ステアリン酸(C18:0):約1.0〜5%
−アラキジン酸(C20:0):約0.1〜0.8%、
−エイコセン酸(C20:1):約0.5〜2,0%
−ベヘン酸:1,5%未満
−エルカ酸:0,3%未満
−その他の酸:2,5%未満。
先に指摘されたように、それらの異なる特性を考えると、本発明の誘電性組成物は、有利には変圧器、コンデンサ、回路遮断器、ケーブル、モーターなどの電気装置内で電気絶縁および冷却液体組成物として使用され得る。これらの組成物は、より普遍的には、電気エネルギーを生成し、貯蔵し、変換および/または配分するのに興味深い。
広く定義すると、誘電流体組成物は、電気装置内での使用のために、30kVを超え、好ましくは45kVよりも高く、なおもより好ましくは少なくとも55kVである分解電圧を有さなくてはならない。分解電圧が少なくとも70kVであることが、なおもより有利である。組成物の「電圧破壊」という用語は、2電極間にいかなる放電も観察されることなく、前記組成物中に浸漬された距離2.5mmの2電極にかけられてもよい、(50または60Hzの)工業的周波数の最大値代案電圧(alternative voltage)が意図される。より厳密には、分解電圧は、IEC 60156規格(norm CEI 60156)または同等物によって規定される試験プロトコルに従って測定された、この電圧値を指す。その特定の配合のために、本発明の誘電性組成物は、一般に70kVを超える分解電圧を有し、この電圧は、一般に80kV以上であり、または90kV以上にさえ至る。これらの特に著しい電気絶縁特性によって、本発明の組成物は、変圧器などの装置に特に適するようになる。
さらに、高い分解電圧に加えて、本発明者らによって開発された特定の配合は、電気絶縁分野での用途において、多数の望ましい特性を有する。
これに加えて本発明の誘電性組成物は、変圧器などの電気装置絶縁のための冷却実装に適した特定の粘度特性を有する。特にそれらは、ISO 3104(またはIEC 61868極低温)に従って、定義され測定される、この種の応用に必須の動的粘度特性を示す。したがって本発明の組成物は、一般に30mm2.s-1未満、典型的に12〜28mm2.s-1である動的粘度(その自重下における液体組成物の毛細管流によって40℃で評価される)を有し、すなわちシリコーン油よりも粘度が低い。以前の研究は、本発明の組成物の粘度が、2−エチルヘキサノールエステルなどのエステルの量と共に低下することを、示唆するようである。特定用途において粘度を低下させたければ、もちろん2−エチルヘキサノールエステルのエステル含有量が、組成物に所望されるその他の特性と調和するという条件であるが、2−エチルヘキサノールエステルのエステル含有量が可能な限り高い組成物を使用することが、有利である。
したがって本発明の組成物は、一般に0.15〜0.0005である誘電正接値(FDDまたはtanδ)をはじめとする、その他の興味深い誘電特性を一般に有し、この値は、好ましくは0.02未満、より好ましくは0.005未満である。「誘電正接(FDDまたはtanδ)」は、本発明の意味では、IEC 60247規格(nom CEI 60247)または同等物に記載される方法に従って、その中で誘電性媒質が本組成物のみからできている、コンデンサ内において、印加電圧と生じる電流の間の位相変位を測定することで、90℃で測定されてもよい、損失角の正接が意図される。
さらに本発明の誘電性組成物は、一般に液体水よりも低く、一般に氷よりも低い密度を有する。したがってISO 3675に従って20℃で評価された密度は、0.95kg.dm-3未満、好ましくは0.90kg.dm-3未満である。この特徴は、特に微量の水が浸透する恐れがある変圧器のような装置で使用するのに、有利である。必要ならば、変圧器充填液体組成物と比べてより重い水は変圧器底に移動し、その結果、組成物の絶縁特性の劣化および低下リスクが制限される。
これに加えて、本発明の組成物は、典型的に−21度未満の特に有利な流動点を呈示し、流動点は一般に−25℃以下、好ましくは−30℃以下である。流動点は、油が凝固する温度として定義される。この特定の温度は、ISO 3016に従って測定し得る。一般に、本発明による組成物の流動点は、エステル中に存在する多価不飽和脂肪酸の含有量が増大すると、上昇する傾向がある。これに加えて、本発明の組成物の流動点は、一般に、組成物中に存在するエステルが、高含量でモノエステルを有する場合に、特により低い。したがって可能な限り低い流動点を有する本発明の組成物得るために、その他のエステルを犠牲にして、多価不飽和脂肪酸のモノエステルの存在を支持することが一般に有利である。それらの結晶化プロファイルを考えると、分枝エステルは直鎖エステルと比べてより低い流動点を示すこともあるので、エステルを形成するアルコールの選択は重要である。
最後に、本発明の組成物は高い引火点を有し、それは2−エチルヘキサノールエステルなどのエステルが減少すると、上昇する傾向がある。組成物の引火点は、ISO 2592(クリーブランド開放法)に従った、または有利にはISO 2719(ペンスキー・マルテンス密閉カップ法)に従った測定をはじめとする、その点で組成物が、火に近づくと引火性になる温度である。本発明の組成物引火点は一般に少なくとも200℃、好ましくは少なくとも250℃であり、特に2−エチルヘキサノールエステル含有量が十分に低い場合、280℃または300℃を超え得る。これらの特に高い引火点は、目下知られている耐火性の高い最良の誘電液体と同等である。
これに加えて、本発明の組成物は、通常は、一般に0.15W.m-1.K-1を超えて、通常は、20℃で少なくとも0.20W.m-1.K-1である、すなわち目下知られている誘電流体よりも高い、優れた熱伝導率を有する。熱伝導率は、液体の2つの等温点間の勾配(いわゆる「熱線」)の結果として、定常状態における単位時間当たりの熱流動量によって測定される。
他方、本発明による組成物は、通常は非常に低い酸度を有し、したがって好ましくは0,1mg KOH/g未満、好ましくは0.08mg KOH/g未満の酸価を有する(値はISO 660に従って測定された)。この低酸度によって、それは特に電気装置内、特に変圧器内での使用に適するようになる。
電気装置用途におけるこれらの興味深い特性に加えて、本発明の組成物は、興味深い生分解特性を有する。したがって本発明の組成物の生分解性は、CECL−33−A−94による測定で、21日後にそれらが95%を超えて生分解されるようなものである。上の例に示されるような天然植物油またはその他の構成要素をベースとする本発明の組成物はまた、極めて低い毒性も示す。
これらの異なる特性を考えると、本発明の組成物は、特に電気装置のための誘電流体として適切である。本発明の組成物である絶縁組成物を含む電気装置、特にこのような組成物を含有する変圧器は、本発明の別の特有の目的である。
トリグリセリドと、UHOCから誘導された2−エチル−ヘキシルオレアート、2−EHOなどのエステルとの組成物をはじめとする本発明の組成物は、特に変圧器内での使用に適することが認められた。
この点において、変圧器の性格と寸法次第で、使用される誘電液体に必須の特性が変動し得ることに留意すべきである。一般に、本発明の組成物は、ほとんどの従来の変圧器に良好に適応し;それらのいくつかは、特定タイプの特殊変圧器になおもより適している。
例えば本発明は、特定の態様に従って、完全に充填されて密封され、定格を100kVAとして、130kgの液体を含有する、変圧器内の誘電流体および冷却剤として特に適する組成物を提供し、これらの特定の組成物は、下の表2に列挙される特性、またはそれらに勝る特性を有する。
Figure 2014534567
実施例の項に提供する例示的な実施例によって、本発明の様々な利点と特徴をさらに詳細に例証する。
本発明の典型的な平均的UHOC組成物が、下に提供される:
−オレイン酸C18:1 約88%
−リノール酸C18:2 約3〜4%
−リノレン酸C18:3 <2%
−全飽和C16:0〜C24:0 約5〜6%
以下の組成を有する、その他の高オレイン酸油もまた、本発明に適する。
Figure 2014534567
図1および実施例14示されるように、本出願で定義される組成物は、例えば国際公開第2004/108871号パンフレットによる先行技術組成物に優る明らかな利点をもたらす。特に多価不飽和脂肪酸の比率を低下させることで、低粘度および低酸化のその他の有益な特性をなおも維持または改善しながら、組成物の抗酸化特性が改善され、したがって製品の全体的特性が改善する。
以下の表4は、発明の組成物の所望の特性に基づいて選択がなされる、油の追加的な原料を示す。
Figure 2014534567
直接混合またはエステル交換、共エステル交換、エステル交換(inter−transesterification)、分画から得られるその混合物は、中鎖トリグリセリド(MCT)を含んでなる適切な原料である。
既述のように、別の態様では、本発明は、本発明の組成物を調製する方法に関する。本発明の発想は、教示される製造法については、典型的に国際公開第2009/013349号パンフレットで開示されるような基本的調製法から開始して、一つには加熱装置としてマイクロ波を使用し、そして国際公開第2010/124118号パンフレットで部分的に教示される調質手段もまた使用して、この記載される方法を本質的に改善し、処理油の特性に関して、この先行技術文献によって教示される利点から、恩恵を被ることである。国際公開第2010/124118号パンフレットの方法は、かなり異なる技術分野と効果である、鹸化に主に関するが、加熱補助手段としてのマイクロ波の(系統的)使用は、本発明の組成物に対して非常に良好な結果を有することが実証されている。鹸化は基本的に、本発明の組成物の調製において、回避すべき反応である。さらに酵素的実体およびマイクロ波の関与は、実際にユニークな驚くべき組み合わせ属性を有する。さらに、数種の反応の同時の実施を意味する並流反応を基本的方法に組み込むことで、収率が改善され、使用中性能が優れた、所望の調合物のシングルステップでの生成を確実にした。
国際公開第2009/013349号パンフレットおよび国際公開第2010/124118号パンフレット双方で言及される方法は、著しく異なる製品である、バイオ燃料およびグリースをそれぞれ製造するために発明されており、その規格は、本発明の製剤の所望の要件とはかけ離れている。バイオ燃料の製造および使用では、例えば水および遊離アルコールが容認され、時には有益であるのに対し、それらは電気的性能を低下させ、または火災促進剤であることから、誘電流体では有害であることを考えると、バイオディーゼルの製造工程は、本発明の組成物の製造工程と矛盾する。したがって言及されるどちらの方法も、別個にまたは組み合わせてのいずれでも、本発明の所望の調合物を製造するのには使えない。例えば残留水、遊離アルコール、酸化生成物、遊離酸、天然抗酸化剤のレベルは、本発明の所望の調合物の場合、厳密に規定される一方で、言及される2つの例では、これらの実体は有益であり、またはさして重大でないと見られるかもしれない。これらの正確な規格を考えると、本発明による組成物を製造するための本発明の方法において、例えばグリース製造で定義されるマイクロ波(本説明では略語「MW」でも言及される)条件、またはバイオ燃料製造で使用される高温の滞留時間を使用することは、考えられない。
特に国際公開第2009/013349号パンフレットのグリース製造で使用されるような長時間のMW曝露は、本発明の所望の調合物に必須の特性を保持する観点からは、非常に破壊的であり得る。
拡散率、反応材料の相互溶解度、好ましい組成実体の調整、化学的環境の予備調節、競合的であるが非生産的な化学種の形成または除去の回避、選択的な熱的および非熱的マイクロ波の相互作用が知識に基づく理由のいくつかであり、これは驚くべき結果に対して、部分的で拘束力のない答えを与えるかもしれない。
マイクロ波の特定の利点は、製品をより低い温度で内部から加熱することであり、加熱後でさえも製品の性質が保持される。提案される調合物は、その効果を最適化するのに特に適するようであり、ひいてはより短い時間差で、より高い収率をもたらした。指標として、2時間以内に起きる反応は、好ましい媒体内では5〜10分間未満で起き、収率は改善されて、非生産的副反応は10×低下する。
さらに熱酸化耐性などの保持特性に対して、有益なまたは少なくとも有害でない効果を有する、油構成要素の完全性と特性の保全が、全ての必要な加工段階とレベルにおいて、オンラインマイクロ波曝露によって達成される。MW曝露および補助条件は、各段階のために適切に調整されなくてはならない。
特に高感受性の化学物質ファミリーは、例えば本発明の調合物を製造するために使用される成分の選択された構成要素に天然の、トコフェロール、トコトリエノール、およびステロールである。これらのファミリーの全てのサブカテゴリーが、同じ有益な形質を呈するわけではなく、したがってMW条件は、それに応じてさらに設定される。種子中の油の酸化耐性機構全体は、複数実体とそれらの間の相互作用とを含んでなり、したがって各構成要素の貢献度はほとんど未知のままでありながら、全体として考察される。
中程度のオレイン酸(60%)のキャノーラ油のトコフェロールおよびステロールの化学的プロファイルを下の表5に提供する。ビタミンEファミリーにも属するトコトリエノールは、表には示されないが、天然抗酸化系内の稀で有益な要素である。値は、UHCOを完全に代表するが、化学物質はほぼ同じであり、したがってUHCO油の代表的な酸化耐性機構部分に相当する。
Figure 2014534567
したがって油料種子全体および/または油構成要素から調製される、誘電組成物として使用し得る脂肪酸エステルを調製する方法は、以下の文と実施例の節で詳述される。
前記工程は、以下のステップを含んでなる。
a.非脱ぷ超高オレイン酸(UHO)または高オレイン酸(HO)種子全体を本質的にマイクロ波(MW)を通じて予熱するステップと;
b.好ましくはマイクロ波(MW)補助の下で油料種子を圧偏し、それらの穀皮で層を形成するステップと;
c.0.05〜2.5%、好ましくは0.5%〜1.5%の水および揮発性物質含有量を得るように、マイクロ波(MW)補助の下で圧偏種子を乾燥するステップと;
d.好ましくはマイクロ波(MW)補助の下、触媒存在下で、圧偏された乾燥種子および/または油構成要素と、アルコール媒質とを接触させることにより、エステル交換/共エステル交換するステップと;
e.好ましくはマイクロ波補助の下で、エステル交換から生じた液相および固相を分離するステップと;
f.好ましくはマイクロ波補助の下で、ステップe)から生じた液相を中和するステップと;
g.好ましくはマイクロ波補助の下で、アルコールを除去して脂肪酸エステルからグリセリンを分離するステップ。
これらのステップは、後の説明でa〜gの対応する文字によって参照される。
非脱ぷUHO(超高オレイン酸)またはHO(高オレイン酸)種子全体を調質するためのマイクロ波使用の1つの利点は、この工程が、それらの穀皮を「切断」または「開裂」できるようにすることであり、それは次の油料種子を圧偏するステップを単純化できる。したがってこのような圧偏するステップは、工程の次のステップを考慮した加熱種子の準備と見なされてもよい。
ステップ(d)に加えて、調製された油が、例えば別の油(構成要素)、別の脂肪酸と混合されて、上で「非改質油X」と対比して「改質油X」と述べられる、所定の特性を有する所望のモノエステルまたはモノグリセリドまたはジグリセリドがもたらされる、共エステル交換ステップもまた追加してもよい。本発明における共エステル交換は、一般に、50%の種子のエステル交換が起きるなど、ひとたび油が部分的に種子からエステル交換されたら実施され、次に別の油が反応媒質に添加されて、最初の油のエステル交換がなおも進行しながら、並流的にエステル交換される。合成化学種に対する天然化学種は、置き替え可能な実体であるが、それらを別にまたは並流的に処理するために、いくつかの工程調整が必要である。
種子は、好ましくは、栽培され得る植物種子から選択される。例えば、キャノーラ、ジャトロファ種子、ラッカセイ、トウゴマ、ゴマ種子、ヒマワリ種子、紅花種子、大豆、ルピナス種子、アマナズナ種子、綿実を使用してもよい。その他の好ましい種子は、ヒマワリ種子およびジャトロファ属種子である。本発明のスキームでは、胚芽、種、穀粒、および堅果もまた、この範疇に含まれる。より好ましくは、種子はキャノーラである。その他の適切な材料は、上の表4で示される。
本発明の方法目的では、種子は、それらの穀皮の全てまたは大半と共に使用し得る。本発明の意味では、「油料種子」は、種子全体またはその穀皮部分が取り除かれた種子を指す。例えば、キャノーラ、ヒマワリ種子、およびジャトロファ属種子に関しては、種子は、好ましくは本質的に全体が使用され、すなわちその穀皮の少なくとも80%と共に使用される。これは、エステル交換および/または共エステル交換ステップd)において、アルコール媒質と接触させた際に、圧偏種子の崩壊を回避させ得る、有利な線維性支持体を形成する。
しかし果実(例えばマカダミアナッツ、ブラジルナッツ、アンディローバナッツ、ココナツ、シアーナッツまたはクプアスナッツ)と比較して、穀皮が嵩張る場合は、エステル交換反応を乱さないように、種子からその穀皮部分を取り除くことが好ましい。種子が大型(例えばマカダミアナッツ、ブラジルナッツ、アンディローバナッツ、ココナツ、シアーナッツまたはクプアスナッツ)であれば、種子の事前破砕の実施が有利なこともある。
本発明の方法目的のステップb)によると、油料種子は圧偏される。次にそれらは、一般に細長いシート、フレークまたはチップの形態になる。カレンダー掛けロールおよび同等の積層加工手段、プレスベルト、スクリュープレスなどの装置を使用して、ステップb)の一部または全部を実施し得る。マイクロ波(MW)によって補助されるこれらの機械的手段は、対応する伝統的加熱補助操作と比較して、好ましい選択肢を構成する。
圧偏ステップの前に、種子は、好ましくは清浄にされて予備乾燥され、すなわち石、布切れ、小枝、金属粒、埃などの固体不純物が除去される。前記予備乾燥は、本質的にマイクロ波によって実施される。
圧偏種子の厚さは、主に、インライン形成されるエステルの割合などの最終調合物の規格に左右される。
油料種子は、それらの柔軟性が増大するように、b)の圧偏ステップを実施する前に、30℃〜70℃、好ましくは45℃の温度で予熱してもよい。MW補助は、種子の中心に到達して、ベーキングの場合のように外皮形成を高める傾向がある従来の加熱と比べて、はるかにより均一に最も重要な分子実体と相互作用するMW波の能力を考えると、適切な種子柔軟性、より普遍的には粘弾性を得るのに、非常に適することが分かった。
この目的で、例証のみを目的として、油料種子は、b)の圧偏ステップを実施する前に、従来の加熱装置による30分間との比較で、MW補助により、好ましくは45〜75℃の温度で5〜60分間、好ましくは5分間加熱し得る。さらにMW補助は、任意選択の水蒸気下処理に対する必要性をなくす。主要反応生成物である水は、反応それ自体と、誘電体としてのその使用に対する最終配合物とに関わる、二重の理由のために、正確に制御しなくてはならない。
本発明によると、油種子の圧偏は、有利にはローラー、カレンダー掛けロール、および同等の積層加工手段、プレスベルト、スクリュープレスを使用して達成され、特別設計のスクリューに沿うピッチパターン分布である。
MW補助によって、種子分割の回避において、ローラー径および速度はもはや重要でなくなる。この欠点は、概して、国際公開第2009/013349号パンフレットの言及される方法では、説明されていない。
特定の一実施形態によると、油料種子の圧偏は、好ましくは、上方および下方引張ベルトの相対的速度制御と張力、および/またはベルト表面パターン、および/またはサーペンタイン型プレス構成などのロール経路構成によって達成される、適切な剪断速度能力のある、単回通過またはベルト圧搾中の滑面ローラーを使用して達成される。
b)の圧偏ステップにおけるMW補助は、圧偏なしと比べて顕著により高い収率、すなわちより良いエステル交換および/または共エステル交換率と、より良い全体的抽出率を可能にすることから、本方法において必須のステップである。
圧偏ステップ後、種子は、可能な限り迅速に乾燥させて、酵素活性を停止させ、それによって含有物質の劣化を回避しなくてはならない。したがってc)の乾燥燥工程は、b)の圧偏ステップの直後に実施される。また、乾燥工程によって、d)のエステル交換ステップを実施する前に、圧偏種子を貯蔵することが可能である。圧偏種子の乾燥は、0.05〜2.5%、好ましくは0.5%〜1.5%の水および揮発性物質含有量を得るように実施された。この操作は、より迅速でより均一なMW補助乾燥によって実施することが最良であり、有害な酵素活性をなおも停止させしながら、過剰な加熱と行過ぎが回避される。長い乾燥時間は、再度大幅に短縮される。水制御はるかにより正確であり、通常、種子供給材料特性の季節的変動によって影響される乾燥目標に、より容易に調節される。
水および/または遊離脂肪酸の存在は、副反応である鹸化を促進するので、一般に植物油およびアルコールは、可能な限り無水であるべきで、油の遊離脂肪酸(FFA)含有量は低くなくてはならない。
乾燥種子の水および揮発性物質の含有量は、NF V 03−909または、IEC 60814試験法または同等物を使用してアッセイされる。
特定の一実施形態によると、c)の乾燥工程は、50〜100℃、好ましくは70℃〜90℃の温度を達成するMW設定下で実施される。
c)の乾燥工程後、触媒存在下で圧偏乾燥種子をアルコール媒質に接触させることで、エステル交換および/または共エステル交換ステップが実施される。触媒は、塩基性または酸性であってもよく、好ましくは塩基性または酵素的である。触媒は、固体または液体であり得る。本発明のコンテクストにおける実用的限界については、エステル交換および/または共エステル交換は、超臨界CO2などの超臨界条件下で実施し得る。
アルコール媒質は、C3〜C12、好ましくは2−エチル1−ヘキサノールなどのC8分枝アルコールから選択される、1つまたは複数のアルコールを含んでなってもよく、抽出性に関して好ましい共溶媒効果を付加し、酵素触媒反応の場合は表面阻害を回避するために、ヘキサンおよび/またはイソオクタン(osioctane)などの1つまたは複数の脂肪族炭化水素との混合物中にあってもよい。tert−ブタノールは、酵素に対して安定化効果を有する。アルコール媒質は、好ましくは、含水量が1000ppm未満、好ましくは500ppm未満の2−エチル1−ヘキサノールである。アルコール媒質は、得られるエステルが、−10℃よりも低い流動点と250℃よりも高い燃焼点を呈示するように、選択されてもよい。
知識に基づくが拘束は意図しない指標に従って、アルコールの分枝構造は、結晶/ゲル形成に影響を及ぼし、より低い温度でのより低い粘度を提供することで、流動点の改善に寄与する傾向がある一方、炭素鎖の長さはより高い引火点に有利な傾向がある。どちらの側面も標的用途に望ましく、次に妥協点が見出され、共エステル交換およびMW補助などの融通性を可能にする本発明の方法の性質によって、妥協が容易になる。
その他の適切なアルコールは、以下のようなポリオールである。
−エタン1,2ジオール
−プロパン1,2ジオール
−プロパン1,3ジオール
−メチル−2−プロパン1,3ジオール
−ジメチル2,2−プロパン1,3ジオール
−エチル2−プロパン1,3ジオール
−ジエチル2,2−プロパン1,3ジオール
−2ブチル2エチル−プロパン1,3ジオール
−ブタン1,4ジオール
−ペンタン1,5ジオール
−メチル4ブタン1、4ジオール
−ペンタン2,3ジオール
−ヘキサン1,6ジオール
−オクタン1,8ジオール
−デカン1、10ジオール
−ドデカン1、12ジオール
−オクタデカン1、12ジオール
−トリメチロールプロパン(TMOP)
−ペンタエリトロール
−ジペンタエリトロール
−ネオペンチルグリコール(NPG)
−フタリル(Phtalyl)アルコール
−イソフタリル(Isophtalyl)アルコール
−テレフタリル(Terepthalyl)アルコール
−ジグリセロール(直鎖および環状)
−トリグリセロール
−ジヒドロキシアセトン
−1,4シクロヘキサンジメタノール
−ビスフェノール−A
−イソソルビド
−2,5ビス(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン
−2,5ビス(ヒドロキシメチル)フラン
−1,8テルピン
−1,8テルピネオール
塩基触媒は、好ましくは無水かつ均質であり、水酸化ナトリウム、カリ化合物、炭酸ナトリウムまたは炭酸カリウムまたは炭酸水素塩、炭酸ナトリウムまたは炭酸カリウム、メチル酸ナトリウムまたはカリウムのメチル酸塩またはエタノラートから選択され得る。
酸触媒は、例えば硫酸であってもよい。
ナノMgO(約60nmの粒度)などのナノ分散触媒をはじめとする固体触媒を使用する不均一条件もまた使用可能であるが、場合によっては、固体の分離は、液体相と比較してより困難になる。
酵素的に、または同等に化学酵素的に、触媒されるエステル交換または共エステル交換では、以下の例証的条件が採用された。
−反応に必要な活性化エネルギーを低下させ、ひいては最小の副産物を生じることが分かった、Novozym 435、カンジダ・アンタルクチカ(Candida Antartica)を使用する。
−Novozym 435は、酢酸エチル、ギ酸、および過酸化水素と配合される(前記の全ての成分は、実験目的でSigma−Aldrichから入手できる)。
−反応は、45〜75℃の温度範囲で実施され、以下のようにMW補助によってより容易に調節できる。
−65℃の温度を標的とする、270Wで2.5分間、または90Wで3.5分間に相当するMW出力設定、あるいは
−75℃の温度を標的とする、270Wで3分間、または90Wで4分間に相当するMW出力設定。
−赤外線温度チェックを継続的に実施する。
さらなる例は、専用の節で詳述される。
カンジダ・ルゴーサ(Candida rugosa)もまた、35〜55℃に設定された温度条件下における適切な酵素である。
適切な酵素は、例えば、カンジダ属(Candida)、カンジダ・アンタルクチカ(Candida antarctica)、サーモミセス・ラヌギノスス(Thermomyces lanuginosus)、リゾムコール・ミーヘイ(Rhizomucor miehei)、および細菌ブルクホルデリア・セパシア(Bukholdeira cepacia)、シュードモナス・アルカリゲネス(Pseudomonas alcaligenes)、シュードモナス・メンドシナ(Pseudomonas mendocina)、クロモバクテリウム・ビスコサム(Chromobacterium viscosum)などのいくつかの微生物の細胞内または細胞外で産生される。
非固定化リパーゼは、価格対性能比の観点から、最も好ましい酵素ファミリーである。
「リパーゼ」という用語は、本明細書の用法では、カルボン酸エステル結合を加水分解して、カルボン酸を放出できる酵素(EC 3.1.1)を指す。リパーゼの例としては、トリアシルグリセロールリパーゼ(EC 3.1.1.3)、ガラクトリパーゼ(EC 3.1.1.26)、ホスホリパーゼ(EC 3.1.1.32)が挙げられるが、これに限定されるものではない。
リパーゼは、天然原料から単離および/または精製されてもよく、あるいはそれは組換えDNA技術の使用によって調製されてもよい。
好ましくはリパーゼは、トリアシルグリセロールリパーゼ、ガラクトリパーゼ、ホスホリパーゼを含んでなる群から選択される。
より好ましくはリパーゼは、トリアシルグリセロールリパーゼ(EC 3.1.1.3)、ホスホリパーゼA2(EC 3.1.1.4)、ガラクトリパーゼ(EC 3.1.1.26)、ホスホリパーゼA1(EC 3.1.1.32)、リポタンパク質リパーゼA2(EC 3.1.1.34)の1つまたは複数であってもよい。
リパーゼは、天然リパーゼの変異体または誘導体であってもよい。
いくつかの態様では、好ましくはリパーゼは、トリアシルグリセロールリパーゼまたは部分的活性トリグリセリド酵素である。
好ましくはリパーゼは、実質的に純粋なおよび/または実質的に単離された形態で添加される。
本発明で有用なリパーゼは、細菌種、真菌種、酵母種、動物細胞、および植物細胞に由来し得る。酵素が、リパーゼを自然に産生する原料生物の培養物を培養することで提供されてもよい一方で、それを国際公開第9800136号パンフレットに記載されるような遺伝子組み換え細胞によって生産することが、より都合良く費用効率が高くあってもよい。「由来する」という用語は、リパーゼをコードする遺伝子が、生物源から単離されて、遺伝子を発現できる宿主細胞に挿入されたことを暗示してもよい。国際公開第02/03805号パンフレットは、リパーゼの原料をいくつかを教示する。本発明のいくつかの態様では、リパーゼは、Novozymes 435(Novozymesによって供給される)またはその変異体であってもよい。
本発明の方法で使用するのに適した、工業的マイクロ波設備の一例としては、例えば国際公開第03/050345号パンフレットに記載される設備が参照されてもよい。具体的には、本明細書で適切なマイクロ波反応器は、一例としてこの先行技術文献に記載される反応器である。典型的に、このようなマイクロ波反応器は、電磁場を生じる。「マイクロ波」とは、本明細書の用法では、周波数5MHz〜500GHzの範囲の電磁放射を意味する。政府の規制と、現在使用できる磁電管動力源のために、工業的応用では、周波数は、通常915または2450MHzである。本明細書で適切なマイクロ波反応器は、円筒形状の単一モードマイクロ波反応器である。国際公開第03/050345号パンフレットの図2および3で描写される、この環状断面反応器は、放射状に対称的な電磁場分布と、明確に定義された軸方向電磁場プロファイルとを組み合わせている。本発明に特に適した反応器の一例は、A.C.Metaxas and R.J.Meredith,Industrial Heating,Peter Peregrinus Ltd.,London,England,1983,pp.183−193で説明される、単一モードTM010(Transverse Magnetic 010モード)円筒共振空洞であり、動力源としてAmerican Microwave Technology(AMT)固体増幅器を備えて、波長32.7cmで28 VDC電源装置から電力供給され、最大電力レベルは400wで、内側長さ(L)30cmおよび内側半径(登録商標)12.5cmの寸法で、共振周波数は915MHzである。
Milestone Inc.,Monroe CT,USAのマイクロ波チャンバー反応器もまた、エステル交換および共エステル交換を実施するのに適する。Ethosシリーズは、シミュレーションで必要とされる、その正確な温度、圧力、ワット数、および出力設定のために、特に適する。
もちろん先行予備試験によって検証さえすれば、本発明を実施するために、あらゆるその他の同等の装置を使用してもよい。
工程全体にわたり、MW補助は、従来の加熱手段では数えられていない温度の行過ぎを排除する。
電磁気のマクスウェル方程式を使用して、マイクロ波加熱および材料による熱吸収と拡散の指針とし得る。
酵素的MW補助エステル交換および共エステル交換は、従来の加熱および酸または塩基触媒反応と比較して、所望の調合物の誘電特性、酸化耐性、および残留酸度に対して有益である。
MW補助の非熱的効果(厳密的な熱的効果とは反対に)は、概して驚くべき反応効率の一部と考えられ、数時間に対して数分間の大幅に短縮された時間内に(または例えば処理量次第で5時間に対して1時間以内に)約95%をもたらす。例えばMW補助の下では、分子衝突および配向は、従来の加熱と比較して追加の駆動力を有する。MW補助によって促進される、酵素と反応実体間の鍵と錠の効果もまた、好ましいと考えられる。
調合物の低温流れ挙動は、MW補助の非熱的効果のために改善されると考えられ、特にHO大豆およびUHOキャノーラ構成要素とそれらの油の場合などでは、トリグリセリドの二量体化が回避または排除される。MW振動は、典型的に、本発明の方法によって最高5℃〜10℃の流動点低下が得られ得る程度まで、結晶化熱力学に影響を及ぼし、これは驚くべ気であり、所望の調合物の用途に非常に好ましい。
水相互作用の低下は、安定性と精製工程の双方に関して、酵素的経路による所望の調合物の製造における、重大な要素であることが分かった。工程設定および供給材料特性次第で、酵素反応中に数%のみの水の添加が必要なこともある。実施例は、その趣旨で提供される。
グリセロールをはじめとするアルコールなどのいくつかの反応実体の親水性、そして油などのいくつかのその他の反応実体の疎水性を考えると、酵素媒質の表面再生を促進して、例えば質量移動抵抗性をもたらす、好ましい実体の1つの単層による表面阻害を回避することが、有益であることが分かった。このような再生は、ベルトプレスなどのベルト間における剪断、またはスクリューピッチ内に作られるスクリュープレス不連続性などの妨害物による反応床の物理的再配置/妨害によって達成し得る。表面水洗もまた適切なこともある。回転効果、実体の好ましい配置、統計的衝突頻度、より低い活性化エネルギー要求などの分子レベルにおけるMW処理の非熱的効果を考えると、MW補助条件の場合、触媒の表面再生はそれほど重要でない。
選択された工程段階では、例えば変圧の要件次第で、なおもより純粋な調合等級のために、窒素などの不活性ガスシールもまた使用されることもある。
エステル交換ステップの開始前に、圧偏種子をアルコール媒質で含浸させてエステル交換を促進するように、好ましくはバッチ条件下で、最初に圧偏種子をアルコール媒質と接触させることが、有利なこともある。予備含浸は、40〜80℃の温度で実施し得る。このステップは、好ましくはMWで補助される。
KOHまたはNaOH触媒などのより伝統的な触媒作用の場合、以下の例証的条件が、所望の結果をもたらすようであった。
エステル交換反応の収率を最適化するために、触媒/圧偏種子の重量比は、好ましくは0.5%〜2.5%、および/またはアルコール/圧偏種子の重量比は、好ましくは100/100〜500/100である。
油に関しては、1重量%の触媒と、6:1のアルコール:油が好ましい比率である。
MW補助は、典型的に、例証のみを目的として、1200Wの設定で3〜5分間に相当する照射線量で、得られた混合物をマイクロ波フィールドで照射して実施される。好ましい温度範囲は、30〜50℃である。収率は、これらの条件下で95%を超える。
これらの制限を意図しない条件下で、NaOHの場合は35℃が好ましい温度である。
従来の加熱との比較上、エステル交換/共エステル交換反応は、有利には45〜55℃の温度で実施される。好ましくは50℃前後で、時間は20分間から2時間にわたる。
実際には、d)エステル交換ステップにおける圧偏種子とアルコール媒質との接触は、所望の調合物規格と生産性を満たすように高さ調節された圧偏種子床への振りかけ、またはその中への注入によって実施される。同様の方法を使用して、振りかけまたは注入された構成要素を使用して、モノエステルおよび油構成要素に関して所望の調合物組成をもたらす、相補的共エステル交換反応を確実にした。
専用の節の例では、これは工程全体にわたる本発明の一般的実践である、MW補助条件を使用することの追加的利点をさらに強調している。
エステル交換/共エステル交換ステップ後、前記エステル交換から生じる液相および固相は、好ましくは水切り、圧搾、遠心分離または一般に使用される固体液体分離によって分離される。収集された液相は、エステル交換反応によって生じる脂肪酸エステルを含有する。
固相中に存在する脂肪酸エステルの残りを収集するために、以下の追加的なステップを実施することが可能である。
h)ステップd)から生じる前記固相のアルコール抽出;
I)固相の収集;
j)e)のエステル交換ステップおよびh)の抽出ステップから生じる液相の濾過およびグループ化。
ステップe)から生じたグループ化された液相は、様々なメンブレンを使用して濾過または限外濾過して、微粉または小粒子を除去し得る。
h)の抽出ステップは、好ましくは、アルコール/圧偏種子の重量比が100/100〜200/100であり、含水量が1000ppm未満、好ましくは500ppm未満である、C1〜C12アルコールから選択されるアルコール性媒質を用いた、向流式浸出によって実施される。
次に、h)の抽出ステップから生じた液相が添加されてもよい、ステップe)から生じた液相は、反応触媒が塩基であれば酸、反応触媒が酸であれば塩基のいずれかを使用して中和される。
酸は、好ましくは、硫酸、塩酸、リン酸、クエン酸または酢酸から選択される。
塩基は、例えば水酸化ナトリウムまたは炭酸であってもよい。
液相に添加される酸の量は、好ましくは脂肪酸エチルエステルの脂肪酸含有量が、例えば0.1%(または表1に示されるように酸価<0.1mg KOH/g)など、調合物の所望の酸価未満を保つように決定される。
液相の中和は、その中の石鹸の量を増加させないように部分的に実施される。
f)の中和ステップ後、次にアルコール媒質は液相から除去されて、グリセリンは脂肪酸エステルから分離される。
アルコールは、好ましくは、使用される反応アルコール媒質次第で、200〜1000ミリバールなどの減圧下において、適切な温度で、代案としては選択されたアルコールの大気圧下の沸点前後で、アルコールを含まないレベルに近い残留アルコール含有量が得られるまで、蒸発させて除去される。この操作は、好ましくはMW補助の下で実施される。
脂肪酸エステルからグリセリンの分離は、好ましくはMW補助の下で、60〜80℃の温度で、例えば1200RPMで指標持続期間10分間で遠心分離することによって、好ましくは行われる。これはまた、静止傾斜法によって行われてもよい。グリセリンは、触媒、石鹸、リン酸誘導体または硫酸ナトリウムなどの不純物の大半をその中に保有する。
次に脂肪酸エステルは、有利には好ましくは約80℃でさらに水洗されて、不純物が完全に除去され、次に好ましくは約80℃で、特に傾斜法または遠心処理によって、MW補助の下で洗浄水から分離され、次に全乾燥物質に対して200ppm未満、好ましくは100ppm未満の残留含水量が得られ、したがって表1の所望の規格を満たすまで、好ましくは200ミリバール前後において、加圧下90〜100℃の温度での蒸発によって乾燥される。次にこのようにして得られた脂肪酸エステルは、冷却後窒素下で包装し得る。
好ましくはより穏やかな技法が使用され、例えば分子ふるいなどを使用して、水に関する所望の規格を満たし得る。
上述の様々な液体分離および不純物除去は、高密度非多孔性ポリマー複合メンブレン、逆浸透およびナノ、限外またはマイクロ濾過などの選択的メンブレン上で実施し得る。
従来の物理的精製とは対照的に、膜処理を使用する精製は、著しくより単純であり、より低いエネルギー消費量、周囲温度での操作、化学物質の添加なし、トコフェロール、トコトリエノール、およびステロールなど、より高い酸化耐性に寄与するものなどの油の全ての望ましい構成要素の保持などの利点を提供する。
望ましくない追加的な酸化生成物は、日本国草津市の日東電工からのNTGX膜シリーズ、具体的にはNTGX−AXおよびNTGX−2200などであるが、これに限定されるものではない、メンブレンによって一般的に除去される。NTGXメンブレンは、活性ケイ素層とポリイミドまたはポリスルホン支持層からできた、疎水性メンブレンである。それらはヒマワリ、キャノーラまたは大豆油およびそれらの混合物をベースとする、本発明の調合物に効果的であることが立証された。必要と判断される場合は常に、MW補助を使用し得て、本発明調合物の穏やかな取り扱いをさらに支持し、その天然の有益な構成要素を保持して、例えば水、遊離アルコール、遊離酸、および酸化生成物に関して、厳密な調合規格を満たす。
工程のあらゆる段階で、天然または合成添加剤を再添加し、または添加して、所望の調合物を完成させ得る。例えばセサモール(semasol)とγトコフェロールの配合物は、所望の調合物の酸化抵抗性に有益なことが分かり、典型的に200〜600ppmのγトコフェロールと、50〜500ppmのセサモール(ゴマ(Sesamum indicume L.)種子からの、またはSigma Aldrich Co.からのセサモールとしての)は、適切な混合物を構成し、それは同等量の別々の成分よりも優れた性能を有する。粘度改良剤、流動点低下剤、引火点促進剤、防蝕剤、およびその他の伝統的に組み込まれる添加剤もまた、あらゆる段階で添加し得る。
上述の実施例、値、および方法手順は、例示のみを目的とし、制限的に解釈されるべきではない。本発明の異なる実施形態は、状況次第で共に組み合わせてもよい。これに加えて、例えば同等の手段、値、材料またはステップを使用して、本発明の精神および範囲内で、その他の実施形態が想定されてもよい。特に断りのない限り、単数および複数形は同義的に使用され得て、例えば本発明の調合物(単数)と本発明の調合物(複数)は同等である。
本発明の組成物が使用される可能な装置として変圧器に言及されるが、例えば、発電機、コンデンサ、位相反転器、電気モーター、スイッチ、およびケーブルなどのその他の装置も、もちろん可能である。より普遍的には、電気エネルギーを生成し、貯蔵し、変換および/または配分するための装置内における、熱伝達誘電流体としての所望の調合物の使用。
油組成物の酸化特性は、HAAC(危害要因分析に基づく必須管理点)ISO 9000規則に準じて、Testo 270(Test INC,40 White Lake Rd.,Sparta,NJ 07871,USA)油試験機を使用して評価した。機器によって容易に提供されるTPM(総極性物質)の値を使用して、組成物の酸化百分率を定義した(酸化%=Testo 270上のTPM読取)。その誘電率に関して油の電気特性を測定する、交差指形コンデンサを備えた、このタイプの油試験機は、選択された応用分野における本発明の利点を概説するのに特に適している。セラミック材料は、米国特許第6822461号明細書に従った特殊な方法を使用して金製条導体が付着された、プレート交差指形コンデンサのための担体材料として使用される。
OSI(AOCS)、ASTMD2440またはRancimat EN14112などのより伝統的な間接的化学的方法は、本発明でカバーされる電気的用途および調合物について、明確に定義されていないため、信頼できる比較を提供しない。これらの試験(OSIおよびD2440およびEN14112)における性能と、使用性能との間には、実証された相関がない。
米国特許第6822461号明細書は、選択されたタイプの油試験機とそのプローブをより詳細にカバーする。
Testo 270の較正は、認定された較正センターによって定期的に実施され、その目的のために各測定に先だって、較正油を使用して確認される。
センサーは、温度が均一になるまでに一定時間がかかる。Testo 270は、ひとたび容量プローブが油中に浸漬されると、約20秒以下の応答時間を有する。測定が安定値に達したら、それを示す可聴信号が使用者に知らされる。測定値はディスプレイ上に示され、選択された170℃の温度に設定されたオーブン内に、サンプルが置かれた時間の関数として、直接コンピュータ処理される。
図1は、本発明の比較例および好ましい実施形態について、時間と対比した酸化%の全ての該当する測定値を提供する。
比較例1
国際公開第2004/108871号パンフレットの実施形態の最も好ましい組成物に最も近い高オレイン酸油組成物が、本発明の進歩性を示すための比較材料の役割を果たした。
DOW Inc.またはMonsanto Inc.から市販される、高オレイン酸含有量キャノーラ/セイヨウアブラナ種子は、工業プロセスで伝統的に知られるように圧搾され、RBD(精製脱臭および漂白)工業化学手順に従って精製された。このようなRBD処理は、実施例3で説明される。得られた市販の油が、使用される。Natreon(登録商標)およびCabriolet(登録商標)は代表銘柄で、より新しい高オレイン酸油でもある。組成に続いて、特性および統計が評価された。
Figure 2014534567
実施例1の油の物理特性
外観:淡黄色
色:2.5
匂い:軽度
15℃での比重:0.917g/cm3
屈折率:1.472
40℃での粘度:36mm2/s
100℃での粘度:8.2mm2/s
粘度指数:215
中和価:0.3mg KOH/g
ヨウ素価:102mg I2/g
2−エチル−1−ヘキサノール(2−EHO)エステル中に存在するトリグリセリドを変換するように、上記ナタネ油の画分を2−エチル−1−ヘキサノール(2−EHA)でエステル交換した。グリセロールは、媒質から除去された。ナタネ油と同じ脂肪酸組成である、2−エチルヘキサノールエステルの混合物が得られた。
25%の比較例1の油の2−エチル−1−ヘキサノールエステルと、比較例1の選択された油とを混合すると、比較例1の誘電組成物が生じた。
以下の化学工程を使用して、比較例1の油の2−EHOを調製した。
2−EHOを調製する化学工程
2−EHOは、約80℃で、2−エチル−1−ヘキサノール(2−EHA)によって、高オレイン酸植物油(例えばナタネ、キャノーラ)を塩基触媒エステル交換して調製された。方法は大過剰の2−EHAを使用し、それは蒸留によって回収される。反応からの副産物はグリセロールであり、それは生成物から容易に相分離される。生成物は数回の水洗によって精製され、窒素噴霧して真空下で乾燥される。噴霧は、残留2−EHAの除去を助ける。
上記反応の質量平衡の一例は、次のようである。
Figure 2014534567
実施例2
本発明の好ましい実施形態の超高オレイン酸キャノーラ(UHOC)油は、国際公開第0051415号パンフレットおよび米国特許第6323392号明細書に記載される雑種栽培法に従った、243バッチのキャノーラ種子の配合物から得られた。
この方法は、(1)内生的に形成される種子の異型脂肪酸プロファイルと、(2)種子収量との組み合わせに帰せられる、改善された商業的価値を有する、セイヨウアブラナ(Brassica napus)F1雑種種子を形成するための、改善された植物育成法を提供することを目指す。
米国特許第6323392号明細書の発明はまた、きわめて高いオレイン酸(C18:1)含有量を呈示する、セイヨウアブラナ(Brassica napus)F1雑種種子を形成するための、改善された植物育成法も提供する。
国際公開第0051415号パンフレットおよび米国特許第6323392号明細書の方法は、最も望ましいC18:2およびC18:3の含有量をもたらすように、さらに適応された。
実施例2のバッチ選択および好ましい実施形態の配合物。
Figure 2014534567

Figure 2014534567
平均値(Av.)は、本発明の好ましい実施形態の油を得るために使用された、選択された種子バッチ組成物に対応する。選択された種子バッチの平均含油量は、43%である。選択された種子バッチの残留水は、6.6%であった。
実施例2の油は、以下の条件下におけるTGA/DSCスキャンによって、さらに特性解析される。
特定の条件および機器への参照が、以下に提供される。
機器:2960 SDT−CE5275 Ta装置(同時実行DSC−TGA差次的スキャニング熱量および熱重量分析法)
試験条件:
−650[℃]まで10℃/分
−気流:100ml/分
−空気組成
N2:78.09%
O2:20.95%
Ar:0.93%
CO2:0.03
図2:UHOCのTGA/DSCスキャン
実施例3
RBD処理を使用して、油を精製、漂白、および脱臭する場合は常に、以下の工程順序が適用される。
機械的に、そして(適用可能な場合は)化学的に、種子から抽出された油画分を合わせて、回転蒸発器を使用して、20ミリバールの真空下において、70℃で3時間乾燥した。
精製、漂白、および脱臭は、機械的撹拌器および還流凝縮器を備えた、二重ジャケット付き反応器内で実施した。
精製は、以下のステップに従って実施する。
−約4kgの油と2.5重量%のリン酸を反応器に装填する。
−混合物を500rpmの下で、75℃で30分間加熱する。
−得られた混合物をRTに冷却して、1000rpmで遠心分する。
−油相をデカンテーションによって分離する。
中和および漂白は、以下のステップに従って実施する。
−精製画分の酸性指数は、ISO 660に従って、例えば0.64mg KOH/gと評価される。精製画分を反応器に入れる。
−上の酸性指数例では、0.8重量%の水酸化ナトリウムを反応器に添加する。
−得られた混合物を40℃で加熱して、脱イオン水(約3600gの精製油に対して727g)によって200rpmの下で15分間洗浄し、pHを測定する。
−中性pHに達するまで、上の洗浄操作を繰り返し、選択された実施例では、一般に約725gの脱イオン水による4回の連続洗浄が必要である。
−得られた中和洗浄油画分(3600g)を、約10重量%の活性粘土(好ましくは通常市販されているTONSILベントナイト活性粘土)と共に反応器に装填する。
−得られた混合物を200rpmの下で70℃に加熱し、次に反応器を50ミリバールに設定された真空ラインに接続して、同一撹拌レベルを60分間保つ。
−窒素噴霧して混合物を濾過に移し、それに5gの濾過助剤(Filtracel EFC 950C)を添加する。
−最後に、この操作終了時に約3500gの中和脱色油を収集する。
脱臭は、以下のステップに従って実施する。
−反応器内において8ミリバール真空下で200℃に加熱してから、高精度バルブを使用して、漂白脱臭油画分(3500g)に水蒸気を注入する。約17gの蒸気を使用して、注入を約40〜45分間持続する。
得られたRBD油は、窒素ブランケット下で、UV保護ガラス容器内に貯蔵される。
実施例4
好ましい実施形態の種子予備調節は、以下の操作に従って実施する。
種子を清浄化してMW(マイクロ波)乾燥し、機械的に圧偏する。
−直径15cm、長さ15cmで10kgのステンレス鋼シリンダーを使用して、単層に近い実施例2の種子のキャノーラ床を紙製濾材上でロールプレスする。
−より多量の場合、次のようなゴム引カレンダー(calendaring)ロールの使用が好ましい。
○60〜70rpmでローラー間隔が0.15mmよりも小さい14cmおよび24cm長さの滑面ローラーがある、DAMMAN CROES S.A.Internationalのカレンダー(calendaring)装置の使用。
−MW補助予熱の便益を強調するために、以下の実験を実施した。
○上に従った加熱およびロール圧搾なしの種子サンプルが、対照である。
○種子サンプルが100℃の均質温度(IR温度測定)に達するまで通気オーブン加熱し、次に上に従ってロール圧搾して、非加熱参照と比べて5%の油抽出量増大をもたらす。
○種子サンプルを市販の電子レンジ内(加熱調和のための三重分散装置(T.D.S.)を装着したSamsung MW82P)で、1分間900Wの設定でMW加熱して、種子温度が均質化するまで20秒間待ち、1分間900Wの設定でMWで再度加熱して、熱弛緩を20秒間待ち、上に従ってロール圧搾して、非加熱参照と比べて10%の油抽出量増大をもたらす。このMW加熱時間は、サンプル内に一様に分布する、100℃のサンプルIR評価温度をもたらした。
その他の実施例で強調されるように、MW補助予熱は油抽出の収率と、油の熱酸化特性に有益である。
種子のMW補助予備調節は、詳細な説明で示されるように、工業規模の装置で最適に実施される。
図2のような種子から所望の調合物(例えば誘電配合物)へのあらゆる加工段階で、適用可能な場合は常に、MW補助に特権が与えられる(得られる調合物の有益な特性を考慮して)。
本発明の好ましい実施形態では、適用される出力を適切な時間間隔にわたり時間配分して、局在性のエネルギー取り込み可能性と、結果として生じる分子損傷とを最小化する出力設定もまた、使用される。特に好ましい一実施形態では、マイクロ波出力がサンプルに印加されない「休止または緩和」間隔がある一連の間隔で、マイクロ波出力がサンプルに印加される。出力印加間隔および休止間隔は、好都合には、配向試験に基づいて配分される。介在性休止間隔は、不都合な熱的効果を防止して、1〜2秒の短時間であり得る。
本発明を実施する好ましい様式において、装置の適切な「出力」設定を使用するのに加えて、経時的に印加出力を配分する努力がなされるものと理解される。
工業規模のMW機器によって、これらの照射および緩和順序は、コンピュータ化され自動され得る。
実施例5
本発明の好ましい実施形態では、実施例4の教示に従って、ひとたび種子を予備調節して圧偏したら、得られた材料を直接エステル交換のために使用し、またはさらなる抽出のために使用して、次にそのまま使用し、または液相エステル交換反応に供し得る。
実施例5は、予備調節された圧偏種子材料に実施される、さらなる抽出ステップの概要を述べる。
80℃に設定された加熱内部スリーブを装着したスクリュープレスTaby 40Aに、予備調節材料を供給した。処理量は0.2kg/分に調節した。油を辺縁出口から、固体ケークを押出スクリュー先端から収集した。次に11μmの濾過膜を装着したスピンオンタイプフィルターを使用して、窒素噴霧して油を濾過した。
いかなる最適化もない全体的な抽出操作の収率は、最初の種子重量に対して28%であった。
遠心分離もまた使用され、種子ケークから油を分離して、ほぼ同じ抽出量を得た。
押出中に圧偏種子材料を80℃で加熱する代わりの、圧偏種子材料の40℃でのMW補助加熱は、押出温度の顕著な低下を助け、より良い抽出と油特性もたらした。代案としては、押出量を増大させて温度を維持し、居住時間(residence time)を短縮することで、なおもより良い抽出および油特性がもたらされた。乾燥機ケークは、その残留含油量を2〜4%低下させ得た。MW補助押出は、一つにはその比誘電率を考えると、油それ自体により良いより一様な加熱を提供すると考えられる。種子媒質中のこのより均一な熱分布もまた、供給物のより大きな柔軟性と押出適性に寄与する。
固体ケークは、ヘキサンを使用してさらに抽出し得る。残留油は様々な目的のために使用され得て、一般に、直接押出画分と混合される。
典型的に、ケークは、油がその誘電特性のために使用される場合は、好ましくはMW補助の下で、または通気オーブン内で、90℃で12時間にわたり、6.5kgのケーク量にさらに乾燥される。そのステップ後に、ケークの残留湿度レベルは約1.95%である。
乾燥ケークにソックスレー連続ヘキサン抽出を実施して、残留油を除去する。抽出器の受容体/カートリッジは、20Lの容量を有する。凝縮器および蒸留経路は、連続抽出を確実にして可能にする。
ケーク抽出条件は、以下のように要約される。
−6.5kgのケークあたり、
−サイクル毎に5kgのヘキサンを使用し、
−4回の抽出サイクルを実施して、
−サイクル毎のケーク/ヘキサン接触時間は約1時間であり、
−20ミリバールの真空下における最終蒸留は、60℃で3時間に及んだ。
追加的な16%の油が、ケークから抽出された。
後続の実施例でさらに実証されるように、本発明の全ての段階における熱曝露回避は、本発明の抽出およびエステル交換ステップの双方において、例えばそして最も好ましくはUHOCであるトリグリセリド原料から製造された、得られた調合物の熱酸化特性に有益であることを示した。加熱の低下は、バイオベースのトリグリセリド原料の酸化耐性機構をさらに保護すると考えられる。ビタミン類は熱に対して特に感受性が高く、その他の天然保存実体についても同様である。さらに溶媒抽出は、化学工程と同様に、これらの酸化耐性機構にもまた影響を及ぼしがちである。
穏和で清浄な工程が、本発明の最も望ましい実施形態である。
より低温での圧搾は、これらの「穏和」で「清浄な」工程の一部であり、本実施例5に記載される抽出工程における従来の加熱を、好ましくは実施例4に従って、マイクロ波出力が「休止または緩和」間隔の一連の間隔にわたり、サンプルに印加されて実施されるMW補助加熱によって、置き換えることで実施し得る。
実施例6
MW補助温度管理下における、非固定化リパーゼによる低温での酵素的エステル交換。
以下の3種類のEC 3−1−1−3非固定化酵素を使用して、本発明の好ましいエステル交換の実施形態を実証した。
−LPS 122は、シュードモナス‐セパシア(Pseudomonas cepacia)の選択された細菌系統から発酵プロセスによって製造された、DuPont/Daniscoからの脂肪分解酵素製剤である。
−LPS 123は、アルカリゲネス属(Alcaligenes)の選択された細菌系統から発酵プロセスによって製造された、DuPont/Daniscoからの脂肪分解酵素製剤である。
−LPS 124は、リゾプス・オリゼ(Rhizopus oryzae)の選択された糸状菌株から発酵プロセスによって製造された、DuPont/Daniscoからの脂肪分解酵素製剤である。
一般エステル交換反応は、以下のように実施された。
凝縮器と機械式撹拌装置を装着した二重ジャケット付き反応器内で、選択油の2−EHAによるエステル交換反応を実施した。油、2−EHA、および酵素的触媒作用(enzymatic catalysis)を25℃で混合し、次に温度を40℃に増大させる。反応経過は、一定時間毎に採取される試料上で実施されるGPCによって評価する。
含まれる成分量は、次のとおりである。
−100gの油
−特に断りのない限り0.2重量%で水和された、58.8gの2−EHA
−上記は、4のアルコール対油比に相当する
−油の2重量%に相当する2gの酵素的触媒作用(enzymatic catalysis)
本発明の最も好ましい実施形態では、設定温度の加熱または保持は、実施例4で教示されるように、休止−緩和間隔を伴って、MW補助の下で実施された。MW補助は、反応完了前の所与の反応時間で、従来の加熱との比較で、少なくとも10%の収率増大をもたらした。改善された組成物特性もまた観察され、実施例14で考証された。
実施例7
実施例6のLPS 122を酵素触媒として使用して、実施例2のUHOC種子から100gの油を抽出して、実施例6のエステル交換反応プロトコルを実行した。
5時間の反応時間後、トリグリセリド(TG)変換は45%であった。
150時間の反応時間後、トリグリセリド(TG)変換は95.5%であり、選択的2−EHO変換は72.6%であった。
それらの収率を最適化する試みは、行われなかった。
実施例8
実施例6のLPS 123を酵素触媒として使用して、実施例2のUHOC種子から100gの油を抽出して、実施例6のエステル交換反応プロトコルを実行した。
4時間の反応時間後、トリグリセリド(TG)変換は80%であった。
20時間の反応時間後、トリグリセリド(TG)変換は80%であり、選択的2−EHO変換は77%であった。
それらの収率を最適化する試みは、行われなかった。
実施例9
実施例6のLPS 123を酵素触媒として使用して、以下の表に示す組成の100gの油に、実施例8のエステル交換反応プロトコルを実行した。RBD処理は、実施例3に記載されるものと類似する。
1時間の反応時間後、トリグリセリド(TG)変換は76.8%であった。
20時間の反応時間後、トリグリセリド(TG)変換は96%であり、選択的2−EHO変換は78.2%であった。
それらの収率を最適化する試みは、行われなかった。
Figure 2014534567
HOSの酵素触媒エステル交換反応は、選択的かつ生産的である。
実施例10
実施例6のLPS 124を酵素触媒として使用して、実施例2のUHOC種子から100gの油を抽出して、実施例6のエステル交換反応プロトコルを実行し、2−EHAは0.2重量%の代わりに1重量%で水和した。
200時間の反応時間後、トリグリセリド(TG)変換は72%であり、選択的2−EHO変換は50%であった。
それらの収率を最適化する試みは、行われなかった。
実施例7、8、9、10に従って試験した全てのリパーゼ酵素の内、酵素触媒作用によって2−EHOを生成する上で、リパーゼ123が、変換収率が最も効率的であり、最も選択的なリパーゼであった。
実施例11
実施例4のロール圧搾/カレンダー(calendaring)手順に従って、予備調節され圧偏された100gの抽出可能油を含有する実施例2の種子の適量を実施例8のエステル交換条件に供した。
TGおよび2−EHOの変換率は、実施例8の変換率と同一である。
エステル交換ステップの開始前に、アルコール性媒質の吸収を高め、次にエステル交換をさらに高めるように、圧偏種子をアルコール媒質に浸漬することが有利であると分かった。
固体種子部分の分離は、0.5バ−ル未満の純粋な窒素下で、11ミクロン孔径の濾紙上の反応混合物の濾過によって達成された。
1000rpmにおけるデカンテーションおよび遠心分離もまた、適切であることが分かった。
冷却後、分離/精製した脂肪酸エステルを窒素下で充填した。
実施例12
実施例4の手順に従って予備調節され圧偏された、50gの抽出可能油を含有する実施例2の種子の適量を実施例8のエステル交換条件に供した。
ひとたびTG変換率が50%に達したら、実施例9の50gの大豆油を反応器に添加して、同一プロトコル下で反応を継続した。
TGおよび2−EHOの全体的変換率は、実施例9の変換率と同一であった。
エステル交換ステップの開始前に、アルコール性媒質の吸収を高め、次にエステル交換をさらに高めるように、圧偏種子をアルコール媒質に浸漬することが有利であると分かった。
固体種子部分の分離は、0.5バ−ル未満の純粋な窒素下で、11ミクロン孔径の濾紙上の反応混合物の濾過によって達成された。
1000rpmにおけるデカンテーションおよび遠心分離もまた、適切であることが分かった。
冷却後、分離/精製した脂肪酸エステルを窒素下で充填した。
上に概説される手順は、第1のエステル交換がなおも進行中でありながら、1つはなおも圧偏種子ケーク中にあり、1つは別個の液体として添加される、2つの油の並流エステル交換が、優れた収率で所望のエステル組成物を生成することを実証する。
比較例13
市販の誘電組成物、すなわちCargill Inc.からのFR3(登録商標)から製造された、本発明の誘電性組成物を評価するために、FR3(登録商標)組成物に典型的である、下の表の汎用大豆油を比較例1のエステル交換プロトコルに供した(2−EHOを調製する化学工程を参照されたい)。
Figure 2014534567
さらなる試験のために、得られた2−EHOをFR3(登録商標)に混合した。
25%(重量)の比較例13の油の2−エチル−1−ヘキサノールエステルと、75%のFR3(著作権)とを混合して、比較例13の誘電組成物をもたらした。
実施例14
比較例および発明実施例の経時的熱酸化性能。
図2は、各ファミリーで実施された対応する直線回帰と共に、1〜6で番号付けされて丸で囲まれる、一連の熱酸化データセットを提供する。この線形計算の勾配は、時間あたりの百分率で表された熱酸化比に相当する。
例えば2と番号付けされるデータセットの直線回帰線の勾配が、6と番号付けされる直線回帰の勾配よりも高いことを考えると、2と番号付けされるデータセットは、6と番号付けされるデータセットと比べて、より高い熱酸化比を有する。
図1の#1のデータセットは、比較例13に相当する。
図1のデータセット#2は、実施例1の種子組成物から製造された国際公開第2004/108871号パンフレットの好ましい実施形態に相当する誘電配合物の比較例1に相当し、その中で、
−スクリュー圧搾され続いて溶媒抽出された、実施例5に従ったケーク、
−次に実施例3に従って、(ケークの溶媒抽出油に添加されたスクリュー圧搾された油から)得られた油をRDB精製し、
−実施例1の化学工程によって得られた25%の対応する2−EHOに、上記油を添加した。
−得られた混合物は、データセット#2のエステル組成物である。
図1のデータセット#3は、出発油として実施例1の種子組成物から製造されたエステル組成物に相当し、それは
−実施例11に従って処理され、
−固体分離後に25/75の2−EHO/油の比率を生じて、
−得られた混合物は、データセット#3のエステル組成物である。
全ての温度および/または居住時間(residential times)が、収率に対して許容可能な最小まで低下するように、従来の加熱が、工程全体に沿って、実施例4に概説したようにMW加熱とMW補助処理で置き換えられたこと以外は、図1のデータセット#4は、データセット3#と同じエステル組成物に対応する。得られたデータセット#4のエステル組成物。
図1のデータセット#5は、75%の実施例9の油組成物と、実施例1の化学工程を介して得られた25%のその対応する2−EHOを含んでなる、エステル組成物に相当する。
−得られた混合物は、データセット#5のエステル組成物である。
図1のデータセット#6は、実施例2の油を出発油とした、UHOC油組成物に相当し、
−実施例11に従って処理され、
−固体分離後に25/75の2−EHO/UHOCの比率を生じて、
−全ての温度および/または居住時間(residential times)が、収率に対して許容可能な最小まで低下するように、従来の加熱が、工程全体に沿って、MW加熱とMW補助処理で置き換えられる。
−得られた混合物は、データセット#6のエステル組成物である。
図2のデータセット#1、#2、#5は同様に処理され、25/75重量%(2−EHO/油)のエステル組成物を生じた。これらの3つのデータセット間の差は、開始油組成物であり、データセット#1では市販の大豆油、すなわちFR3(著作権)市販絶縁油、データセット#2では高オレイン酸キャノーラ油HOC、およびデータセット#5では高オレイン酸大豆油HOSが使用される。
各熱酸化速度および%熱酸化レベルは、高い一不飽和脂肪酸含量と低い多価不飽和脂肪酸含有量を有する、本発明のエステル組成物の利点を示す。
同一エステル組成物、すなわちHOCを用いて、図2のデータセット#2、#3、#4エステル組成物が、3つの異なる方法で処理された。データセット#2のエステル組成物は、溶媒抽出、RBD古典的精製、および2−EHOを調製する化学工程を含んでなる化学的経路に従って、作成された。これらの全ステップは、通常の温度と熱暴露下で実施された。
データセット#3のエステル組成物の調製は、この化学的経路と熱暴露でなく、ロールプレス、および濾過による機械的精製、デカンテーション、および遠心分離を含む。データセット#3のエステル組成物の調製はまた、2−EHOを調製するための酵素触媒処理も含んでなる。
最後に、工程全体に沿って、MW加熱および補助が使用されて、温度および/または曝露時間が、適切な収率を得るのに許容可能な最小までさらに低下されたこと以外は、データセット#4のエステル組成物の調製は、データセット#3に対応する調製と同一である。
図1のデータセット#2、#3、#4は、2−EHO調製品の酵素的アプローチと組み合わされた、非化学的経路、より低い温度、およびより短い滞留時間の利点を明らかに示す。
最後にデータセット#6は、上に概説される全ての利点、すなわち油組成物と工程を組み合わせて、熱酸化速度と百分率について最適なエステル組成物をもたらす。MW補助はまた、好ましい油UHOCが優れた誘電特性を有することを考えると、分子活性に関して、説明されていない利点を有する。本発明の酵素は、MW補助の下で、改善された選択性と活性を有する。図2のデータセット#5(HOSを用いた化学工程)と、データセット#6(UHOCを用いた本発明の方法)との比較は、本発明の方法が熱分解の観点から、より良いエステル組成物を生成することをさらに立証する。HOSとUHOCは、組成に関して好ましい実施形態の範囲内である。#6データセットと#4データセットとの比較はまた、好ましい実施例のよりクリーンでより穏やかなプロセスを使用する双方の場合において、UHOCがHOCよりも好ましい出発油であることを立証する。
実施例15
温度の関数としての本発明の好ましい実施形態の誘電特性測定。
25/75の2−EHO/UHOC油の比率を提供するように行われた、実施例11のエステル組成物は、以下の温度に対する誘電性FDD値をもたらした。これらは、FR3(著作権)またはそのエステル組成物などの植物油から得られた商業的に知られている絶縁油と比較して、温度に対するユニークに低い値と低い変動である。
Figure 2014534567
上述の実施例、値、および方法手順は、例示のみを目的とし、制限的に解釈されるべきではない。

Claims (16)

  1. 少なくとも1つの天然トリグリセリドと、トリグリセリドと異なる少なくとも1つの脂肪酸エステルとの混合物を含んでなり、前記脂肪酸エステルの脂肪酸が、少なくとも1つの植物油または別の同等の天然資源から誘導され、
    (i)前記少なくとも1つの天然トリグリセリド中、および前記トリグリセリドと異なる少なくとも1つの脂肪酸エステル中に存在する前記脂肪酸が、前記エステル中の脂肪酸総重量に対する重量基準で、
    −少なくとも70%、好ましくは85%を超える、少なくとも1つの一不飽和脂肪酸、
    −0〜10%未満の少なくとも1つの多価不飽和脂肪酸、
    −18と異なる数の炭素原子を含有する炭化水素鎖を有する、20%未満、好ましくは10%未満の少なくとも1つの脂肪酸
    を含んでなり、
    (ii)前記混合物中に存在する前記少なくとも1つの天然トリグリセリドが、前記混合物総重量に対して10〜90重量%、好ましくは40〜75%重量に相当する、誘電組成物として使用されてもよい液体組成物。
  2. トリグリセリドと異なる少なくとも1つの脂肪酸エステルが、天然トリグリセリドをアルコールで少なくとも1つの脂肪酸エステルに変換することによって、少なくとも1つの天然トリグリセリドから誘導され、前記アルコールがグリセロールと異なる、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記トリグリセリドと異なる少なくとも1つの脂肪酸エステルが、本質的にモノ脂肪酸エステルである、請求項1に記載の組成物。
  4. 前記モノ脂肪酸エステルが、2−エチル−1−ヘキサノールの脂肪酸エステルである、請求項3に記載の組成物。
  5. 前記少なくとも1つの天然トリグリセリド中、および前記トリグリセリドと異なる少なくとも1つの脂肪酸エステル中に存在する脂肪酸が、前記エステル中の脂肪酸総重量に対して、0.01〜10重量%未満の少なくとも1つの多価不飽和脂肪酸を含んでなる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
  6. 前記組成物中に含有される前記脂肪酸エステルの混合物が、
    −10〜90体積%の植物油または別の同等の天然資源であって、前記油または別の同等の天然資源の脂肪酸エステルの総重量に対する重量基準で、
    −分子中に12〜14個の炭素原子を有する、少なくとも70%の少なくとも1つの一不飽和脂肪酸;
    −分子中に12〜24個の炭素原子を有する、10%未満の少なくとも1つの二不飽和脂肪酸;
    −分子中に12〜24個の炭素原子を有する、最大5%の少なくとも1つの三不飽和脂肪酸であって、前記少なくとも1つの二不飽和脂肪酸と前記少なくとも1つの三不飽和脂肪酸との総含量が重量基準で10%未満である、三不飽和脂肪酸;および
    −18個を超える炭素原子を有する5%未満の脂肪酸
    の脂肪酸組成を有する植物油または別の同等の天然資源と、
    −90〜10体積%の前記植物油または同等の天然資源と
    を含んでなり、前記植物油または同等の天然資源を形成する前記脂肪酸のトリグリセリドが、得られる組成物が、−10℃よりも低い流動点と180℃よりも高い燃焼点を有するように、トリグリセリドと異なる脂肪酸エステルに変換されている、請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物。
  7. 前記少なくとも1つの植物油または別の同等の天然資源(非改質油)と、前記トリグリセリドと異なる少なくとも1つの脂肪酸エステル(改質油)との体積比が、90:10、75:25〜40:60、特に35:65〜50:50である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の組成物。
  8. 前記植物油が、70重量%以上、好ましくは75重量%以上の分子中に、12〜24個の炭素原子を有する一価不飽和脂肪酸含有量を有する、UHOキャノーラ油、またはHOヒマワリ油、またはHO大豆油またはパーム油画分である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の組成物。
  9. 電気エネルギーを生成し、貯蔵し、変換および/または配分するための装置内における、電気絶縁および熱伝達液体としての、請求項1〜8のいずれか一項に記載の組成物の使用。
  10. 電気エネルギーを生成し、貯蔵し、変換および/または配分するための装置内における、電気絶縁および熱伝達液体としての、UHOキャノーラ油の使用。
  11. 電気絶縁液体冷却剤として、請求項1〜8のいずれか一項に記載の組成物を含んでなる、電気エネルギーを生成し、貯蔵し、変換および/または配分するための装置。
  12. 電気絶縁液体冷却剤として、UHOキャノーラ油を含んでなる、電気エネルギーを生成し、貯蔵し、変換および/または配分するための装置。
  13. (a)非脱ぷ種子全体を予熱するステップと;
    (b)均質層を形成するために、油料種をそれらの穀皮と共に圧偏するステップと;
    (c)0.05〜2.5%、好ましくは0.5%〜1.5%の水および揮発性物質含有量を得るように、前記圧偏種子を乾燥するステップと;
    (d)触媒存在下で、前記圧偏乾燥種子とアルコール媒質とを接触させることで、エステル交換および/または共エステル交換するステップと;
    (e)エステル交換から生じる液相および固相を分離するステップと;
    (f)ステップe)から生じる前記液相を中和するステップと;
    (g)前記アルコールを除去して、脂肪酸エステルからグリセリンを分離するステップと
    を含んでなり、少なくともステップ(a)および(c)が、マイクロ波によって実施される、油料種子全体またはその他の同等の構成要素から調製される、誘電組成物として使用するための脂肪酸エステルを調製する方法。
  14. 別のステップ(b)および(d)〜(g)が、マイクロ波補助の下で実施される、請求項13に記載の方法。
  15. ステップd)のエステル交換および/または共エステル交換における前記触媒が、酵素および/または塩基および/または酸、および/または固体、および/または液体である、請求項13または14に記載の方法。
  16. 前記触媒が非固定化酵素である、請求項13または14に記載の方法。
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