JP2014529694A - 建築部材の補強方法 - Google Patents

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Abstract

建築部材の補強方法は、接着剤によってテキスタイルを建築部材の表面に接着接合する工程を含む。本発明はさらに、そのような補強された建築部材、および建築部材を補強するための、接着剤と組み合わせたテキスタイルの使用であって、ここでテキスタイルは接着剤によって建築部材の表面に接着接合される使用に関する。

Description

本発明は、接着剤によってテキスタイルを建築部材の表面に接着接合する工程を含む、建築部材の補強方法に関する。本発明はさらに、そのような補強された建築部材、および建築部材を補強するための、接着剤と組み合わせたテキスタイルの使用に関し、ここでテキスタイルは接着剤によって建築部材の表面に接着接合される。
石造建築物は、数千年間世界中にわたって用いられている。石造建築物は、実質的にはれんがおよび接合部の配置からなる。これらの部材の配置のために、石造建築物は高異方性の建築材料であり、垂直荷重移動に非常に適当である。
垂直および水平に異なって配置された接合部およびれんがに加えて、個々の部材の異方性材料特性は、石造建築物の方向依存性挙動の主な要因である。軸方向の荷重に対する耐性は比較的低い。間違いがなく吸収できる水平方向の荷重は限られている。
地震によって誘発される水平方向の加速度は、特に石造建築物の構造物おいて高い水平方向の荷重を発生する。構造物の支持システムの損傷が生じる。従って、地震活動が活発な地域における石造建築物の使用には、水平方向の荷重移動の改善が必要である。特に既存の構造物において、遡って補強する方法は、設計荷重に適合する必要があり、これは一般に低い水準にある。
石造建築物の支圧強度を高め、それにより実証できるようにするために、多くの様々な補強方法が開発されている。これらの方法の1つは、繊維複合材料による、表面に近接する石造建築物の補強である。補強は表面に施されるため、その使用は、特に既存の石造建築物のパネルの補強に適当である。これに関する従来の研究は、エポキシ樹脂マトリックス中の織物の使用に主に集中していた。
エポキシ樹脂の構造物性は不利であるため(水蒸気不透過性、熱作用下における煙の発生、熱曝露時における強度損失)、エポキシ樹脂を用いて強化されたセメントマトリックスを用いた研究も続けられた。
WO 1995/034724 A1には、例えば地震中の荷重等の特殊な荷重下において起こるような損傷を防ぐために壁を補強する方法が記載されている。この方法は、補強する露出壁の一部に樹脂含浸織物層を適用する工程を含む。この方法はさらに、固定部材、接着剤またはそれらの組み合わせによって樹脂含浸織物層を壁の構造部材に固定する工程を含む。
US-B 6,806,212は、表面と構造物に作用する爆発力に対して壁を補強するために壁の表面に施された複合コーティングとを有する、構造物と壁の組み合わせに関する。エラストマーを含む第1の層は、壁と密接に接触し、そこに恒久的に接着する。エラストマーを含む第2の層は、第1の層と密接に接触し、そこに恒久的に接着する。テキスタイルが、第1の層と第2の層との間にさらに組み込まれ、ここでエラストマーは、周囲条件下において硬化しエラストマーを形成する液体前駆体の生成物である。複合コーティングの目的は、突然の水平または爆発的な力が構造物に作用する場合に、壁の延性および伸長性を高めることである。この前駆体は、混合後に反応してエラストマーを形成する2成分組成物である。
DE 10 2008 026615 A1には、石造建築物用のハイブリッドテキスタイル補強構造、テキスタイル補強された構造部材または鉱物的に結合した建築部材、特にコンクリートの構造部材用の補強層が開示され、ここで、コンクリート適合性の高性能繊維の格子状テキスタイル構造が補強材料として用いられる。同時に格子状テキスタイル構造は、縦方向および/または横方向に高強度の補強部材を有し、高い延性を有する部材が縦方向および/または横方向に更に設けられている。高強度の補強部材は、高い弾性係数を有する繊維系、好ましくはARガラスまたはカーボンからなることができ、これは0°および/または90°方向に並行に配置される。さらに、延性部材は、低い弾性係数を有する繊維系、好ましくはポリプロピレンまたはポリエチレンからなることができ、これは0°および/または90°方向に並行に配置される。
硬質過ぎる材料または材料の組み合わせをプラスター表面に接着接合する場合、テキスタイルにおいて生じる引張強度は、プラスター表面にわたって分散させることができず、構造部材の初期破壊が生じる。さらに、材料を石造建築物に直接適用する場合、プラスターを最初に除去しなければならない。
地震で誘発された負荷は、構造の支持システムにおける高い要求をもたらし、従来技術に記載された補強の実現性は十分ではなく、さらに改善されなければならない。支圧強度に加えて、構造の延性(変形能力)全体を考慮すべきである。補強の目的は、一方では、負荷の移動において構造を支持すること(耐性を増加させること)であり、他方では、大きな変形の場合においてさえも支圧強度が保たれるように、石造建築物部材の結合を改善すること(延性全体を増加させること)である。
国際公開第1995/034724号 米国特許第6806212号明細書 独国特許出願公開第2008/026615号明細書
従って、本発明に存在する目的は、そのような補強およびそれを実行するための方法を提供することである。
この目的は、本発明により、接着剤によってテキスタイルを建築部材の表面に接着接合する工程を含む、建築部材の補強方法であって、ここで、接着接合前のテキスタイルはそれぞれの繊維方向において≧1.0の延性(DIN EN ISO 13934-1 1999年4月版に従って測定;横方向圧力に対するその感度を理由とするガラス繊維への損傷による測定誤差を避けるため、試験紙の末端を金属ジョーにおいて接合する)を有し、硬化状態における接着剤は≧1.5の延性(DIN EN 12188、1999年7月版に従って測定;ここで金属ダイは、少なくとも50N/mm2のシリンダー強度のコンクリートから作られた同等のダイと置き換えられた)を有し、接着接合後の建築部材(必然的に接着剤の硬化も含む)は≧2の面外測定の延性を有し、ここで、延性とは、それぞれの場合において、弾性変形の値に対する、変形全体の値、すなわち弾性および塑性部材の総量の比率として決定する、方法によって達成される。支圧部材の延性に関して、重要であるのは材料だけでなく、支圧部材の形状およびそこへの負荷の性質も重要であるため、延性全体という用語が用いられる(例えばHugo Bachmann、「Erdbebensicherung von Bauwerken」、第2改訂版、第3.5章、Birkenhaeuser Verlag、2002年、ISBN 3-7643-6941-8参照)。他方で、接着剤またはテキスタイルの延性は、材料延性という。本発明の範囲内における建築部材は、特に支圧壁または非支圧壁である。しかし、支柱および他の建物部材も、本発明によって含まれる。
建築部材を補強するためのテキスタイルの垂直配置を示す。 組み込まれた固定部材を用いてさらに補強された建築部材を示す。 組み込まれた固定部材によって両側において補強された建築部材を示す。 本発明によって用いることができるテキスタイルを示す。 本発明によって用いることができる更なるテキスタイルを示す。 軸方向変形試験の結果(灰砂石造建築物)を示す。 平面曲げ試験の結果(灰砂石造建築物)を示す。 平面曲げ試験の結果(れんが建築)を示す。 接着剤のせん断応力を示す。
好ましくは、接着接合後の建築部材は、≧2ないし≦30の範囲、特に好ましくは≧3ないし≦20の範囲の延性を有する。
本発明は、繊維複合材料を用いて補強される石造建築物において、支圧強度を上げるため変形負荷の場合には補強材の急速な反応が必要であり、延性を改善するために高い塑性伸長性(plastic extensibility)が必要であることの発見から始まる。
支圧壁および/または非支圧石造建築物の引張補強材がこれにより達成される。
本発明によるテキスタイルおよび接着剤の選択の結果、石造建築物から作られる支圧部材の元来低い延性は、より大きい地震の力を伝えることができる程度に増加される。このテキスタイルにより、作用する力を壁の表面全体にわたって分散させることができる。石造建築物における亀裂は、同一または異なる材料の繊維によってブリッジされる。引張力の面積分散をもたらたすそれに応じた延性の接着剤のために、このテキスタイルは非常に変形することができ、それによりこのように補強された支圧部材にとって高い延性全体が可能となる。
抵抗力を維持しながら塑性変形を行う能力を延性という。負荷条件の地震における十分な支圧作用は、高い支圧強度およびより低い延性によってと同様に、高い延性および低い支圧強度によっても同じく達成することができる。
支圧強度を上げるための支出が高いために、線形弾性挙動範囲における配分揺れに耐える、すなわち負荷の場合に塑性変形できない地震のための建築物の設計は、大抵の場合、エネルギー消逸のためのより大きい塑性変形を可能とする延性設計と比べて経済的でない。
接着接合前のテキスタイルの延性は本発明に従って選択される。これは、接着剤と接触させる前のテキスタイルを意味するものと理解される。従って、一般にテキスタイルは、更なる処理がされていない市販製品の材料特性に基づいて選択することができる。この延性は、好ましくは≧1.0ないし≦20、より好ましくは≧1.5ないし≦10である。
さらに、硬化状態における接着剤の延性は本発明に従って選択する。その状態は、例えば接着剤における乾燥、フィルム形成、架橋または他の化学反応後に、確立され得る。従って、硬化状態は、塗布後およびもはや実質的に変化しない場合の接着剤のとる最終状態である。硬化状態を考慮するため、例えば固体含有量、希釈度、溶媒含有量等の接着剤の様々な処方は役割を果たさない。そのように選択される延性は、好ましくは≧1.5ないし≦20、より好ましくは≧2ないし10である。「硬化状態」という表現は、重合反応が完了まで進行し、そのため一般に反応性モノマーが存在しない材料または接着剤をいう。
接着剤の塗布は、スプレー、ブラシ塗布、ローラー塗布、ヘラ塗布等によって行うことができる。用いる接着剤に応じて、エアレーション期間は、テキスタイルの接着剤への適用する前の塗布後に待たれ得る。
適当な接着剤は、特にポリウレタン接着剤であるが、これは硬化状態において必要な延性を得ることができるためである。
適当なテキスタイルは、特に織物および編物である。織物の場合、所望の延性は、テキスタイルの基布を比較的粗いメッシュ状/ルーズにし、さらに長繊維または短繊維であってよい延性繊維を適用することによって達成される。そのような繊維として、例えば、ガラス、ポリアラミド、グラファイト、石英、炭素繊維、セラミック、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイミド、ポリアミドまたは天然繊維のものが挙げられる。特に好ましくは、このような繊維は、ガラス、ポリアミド、グラファイト、石英、炭素繊維、セラミック、ポリエチレン、ポリプロピレンおよびポリイミドからなる群から選択される。混合テキスタイルの場合、高い延性を有する上述の繊維は、建築部材上に水平および/または30〜60°の角度で配置されるべきである。
本発明によれば、織物の場合、横糸方向(横方向)における材料1メートル当たりの最大引張強度は≧45kNないし≦70kNであり、縦糸方向(長手方向)においては≧50kNないし≦90kNであることが適当であると見出されており、それぞれの場合、DIN EN ISO 13934-2(1999年4月版;横方向圧力に対するその感度を理由とするガラス繊維への損傷によって引き起こされる測定誤差を避けるため、試験紙の末端を金属ジョーにおいて接合する)に従って測定される。
以下、本発明を実施態様によってさらに説明する。文脈から明瞭に逆であることが明らかでない限り、実施態様を所望により組み合わせてよい。
本発明による方法のある実施態様において、建築部材の表面はプラスター表面である。「プラスター」とう用語は、ここでは一般に、プラスターを含む被覆物を意味するものと理解される。このようなプラスターとして、例えば石灰プラスター、石灰-セメントプラスター、石膏プラスター、石膏-石灰プラスターおよび石膏-石灰-セメントプラスターが挙げられる。除去しなければならない既存のプラスターを除いて、既存の建築物または建築部材/壁でさえ、そのように遡及的に補強することができる。プラスターの厚みは、例えば≧0.5cmないし≦5.0cmの範囲にあり得る。プラスターとその下部の石または石造建築物との間における、DIN 16964によって測定された接着剪断力、または別にDIN EN 1542、1999年7月版による接着性は、≦1.2cmのプラスター塗布厚みにおいて、≧0.15N/mm2の値を有することがさらに好ましい。プラスターの質および石造建築物の表面状態に基づいて、例えば8kN〜35kNのテキスタイル1メートル当たりの引張強度の増加を達成することができる。
本発明による方法の更なる実施態様において、接着剤をまず建築部材の表面に塗布し、次にテキスタイルを、塗布した接着剤に貼り付ける。接着剤を含浸させたテキスタイルシートを用いる必要がないため、これはこの方法をさらに単純にする。原理上必要ではないが、必要に応じて、貼り付けたテキスタイルに更なる接着剤を塗布してよい。
本発明による更なる実施態様において、硬化状態における接着剤の延性に対する接着接合前のテキスタイルの延性の比率は、可能な限り1:1〜1:10の範囲である。このように延性を調節することにより、接着接合したテキスタイルへの特に効果的な力吸収および力移行が達成できる。好ましくは1:2〜1:5の範囲であり、より好ましくは1:3〜1:4である。
本発明による方法の更なる実施態様において、テキスタイルはガラス繊維織物を含み、ガラス繊維織物は互いに直交するガラス繊維を含む。特に適当であるのは、1k〜3k、またはさらに6k以下のフィラメント数を有するEガラスまたはARガラスのガラス繊維ロービングが編成された平織りのガラス繊維織物である。
本発明による方法の更なる実施態様において、テキスタイルは、更なる被覆物を有する繊維を含む。例えばスプレー、ディッピング、含浸等の様々な方法を用いることができる。この被覆物は、テキスタイルの適用中および適用後の両方においてノッチ形成および化学的ストレスから繊維を保護するであろう。その主要な機能は、テキスタイルおよび構造部材の表面の間の結合を改善することである。
本発明による方法の更なる実施態様において、テキスタイルは少なくとも2軸の織物を含み、更なる繊維が、少なくとも2軸の織物上に不織布の形状で配置される。その繊維は、好ましくは後側、すなわち建築部材およびそれに応じて接着剤に面する側に配置される。繊維は、既に織物に接着接合されていてもよい。その方法において、繊維の機械的破損は同時に起こらないが、連続して起こる。適当な繊維は特に、ポリエチレンおよびポリプロピレン繊維等のポリオレフィン繊維である。その繊維が織物の糸より非常に短い場合が有利である。例えば、繊維長は0.5cm〜10cmであり得る。
非常に特に好ましくは、互いに直交するガラス繊維を用いた2軸ガラス繊維織物であり、ここでガラス繊維は更なる被覆物を有し、更なる繊維、好ましくは高延性ポリプロピレン繊維がガラス繊維上に不織布の形状で配置される。
本発明による方法の更なる実施態様において、接着剤は水性ポリウレタン分散体を含む。好ましくは、それは、次の成分:
A1)ポリイソシアネート、
A2)≧400g/モルないし≦8000g/モルの平均分子量(DIN 55672-1に従って測定)を有する高分子ポリオール、
A3)必要に応じて、≦400g/モルの分子量を有するモノ-および/もしくはポリ-アルコールまたはモノ-および/もしくはポリ-アミンまたはアミノアルコール、
ならびに
A4)少なくとも1つのイオン性または潜在的イオン性基を有する化合物
および
A5)非イオン的親水化化合物
から選択される少なくとも1つ
の反応生成物であるポリウレタン(A)を含む水性ポリウレタン分散体である。
潜在的イオン性基は、イオン性基を形成可能である基である。
ポリウレタン(A)は、好ましくは、≧7重量%ないし≦45重量%のA1)、≧50ないし≦91重量%のA2)、≧0ないし≦15重量%のA5)、≧0ないし≦12重量%のイオン性または潜在的イオン性化合物A4)および必要に応じて≧0ないし≦30重量%の化合物A3)から調製され、ここでA4)およびA5)の総量は≧0.1ないし≦27重量%であり、成分の総量は100重量%である。
ポリウレタン(A)は、特に好ましくは、≧10ないし≦35重量%のA1)、≧55ないし≦90重量%のA2)、≧0ないし≦10重量%のA5)、≧1ないし≦9重量%のイオン性または潜在的イオン性化合物A4)および必要に応じて≧0ないし≦10重量%の成分A3)から構成され、ここでA4)およびA5)の総量は≧0.1ないし≦19重量%であり、成分の総量は100重量%である。
ポリウレタン(A)は、非常に特に好ましくは、≧15ないし≦35重量%のA1)、≧55ないし≦75重量%のA2)、≧0ないし≦8重量%のA5)、≧1ないし≦5重量%のイオン性または潜在的イオン性化合物A4)および必要に応じて≧0ないし≦8重量%の化合物A3)から調製され、ここでA4)およびA5)の総量は≧0.1ないし≦10重量%であり、成分の総量は100重量%である。
適当なポリイソシアネート(A1)は、芳香族、芳香脂肪族、脂肪族または脂環族ポリイソシアネートである。このようなポリイソシアネートの混合物を用いてもよい。適当なポリイソシアネートとして、例えばブチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、2,2,4-および/もしくは2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、異性体ビス(4,4'-イソシアナトシクロヘキシル)-メタンまたは任意の所望の異性体含有量のその混合物、イソシアナトメチル-1,8-オクタンジイソシアネート、1,4-シクロヘキシレンジイソシアネート、1,4-フェニレンジイソシアネート、2,4-および/もしくは2,6-トルエンジイソシアネート、1,5-ナフチレンジイソシアネート、2,4'-もしくは4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート、トリフェニル-メタン-4,4',4''-トリイソシアネートまたはウレタン、イソシアヌレート、アロファネート、ビウレット、ウレトジオン、イミノオキサジアジンジオン構造を有するその由来物およびその混合物が挙げられる。好ましくは、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートおよび異性体ビス(4,4'-イソシアナトシクロヘキシル)メタンおよびその混合物である。
ポリイソシアネートは、好ましくは脂肪族的および/または脂環式的に結合したイソシアネート基のみを有する上述した種類のポリイソシアネートまたはポリイソシアネート混合物である。好ましくは、さらに2,4-および/または2,6-トルエンジイソシアネートが挙げられる。非常に特に好ましい開始成分(A1)は、HDI、IPDIおよび/または4,4'-ジイソシアナトジシクロヘキシルメタンに基づくポリイソシアネートまたはポリイソシアネート混合物である。
ポリイソシアネート(A1)としてさらに適当であるのは、例えばJ. Prakt. Chem. 336(1994年)第185〜200頁に記載されているような、単純な脂肪族、脂環族、芳香脂肪族および/または芳香族ジイソシアネートの修飾によって調製され、少なくとも2つのジイソシアネートから構成される、ウレトジオン、イソシアヌレート、ウレタン、アロファネート、ビウレット、イミノオキサジアジンジオンおよび/またはオキサジアジントリオン構造を有する任意の所望のポリイソシアネートである。
適当なポリマー(A2)は、≧1.5ないし≦4のOH官能価を有し、例えばポリアクリレート、ポリエステル、ポリラクトン、ポリエーテル、ポリカーボネート、ポリエステルカーボネート、ポリアセタール、ポリオレフィンおよびポリシロキサン等である。好ましくは、≧1.9ないし≦3のOH官能価を有する≧400g/モルないし≦2500g/モルの分子量範囲のポリオールが挙げられる。
適当なヒドロキシル基含有ポリカーボネートは、カルボン酸由来物、例えばジフェニルカーボネート、ジメチルカーボネートまたはホスゲンの、ジオールとの反応によって得ることができる。適当であるのは例えばジオールであり、例えばエチレングリコール、1,2-および1,3-プロパンジオール、1,3-および1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,8-オクタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4-ビスヒドロキシメチルシクロヘキサン、2-メチル-1,3-プロパンジオール、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ジブチレングリコール、ポリブチレングリコール、ビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールA、ならびにラクトン修飾ジオールである。好ましくは、ジオール成分は、≧40重量%ないし≦100重量%のヘキサンジオール、好ましくは1,6-ヘキサンジオール、および/またはヘキサンジオール由来物を含み、好ましくは、末端OH基を含むのに加えて、エーテルまたはエステル基を含むものであり、例えばDE-A 1770245による、少なくとも1モル、好ましくは1〜2モルのカプロラクトンと1モルのヘキサンジオールとの反応によって、またはジ-もしくはトリ-ヘキシレングリコールを生成するヘキサンジオールとそれ自体とのエーテル化によって得られる生成物である。このような由来物の調製は、例えばDE-A 1570540から既知である。DE-A 3717060に記載されているポリエーテルポリカーボネートジオールを用いることもできる。
ヒドロキシルポリカーボネートは、好ましくは長鎖状であるべきである。しかし、これは場合により、多官能性成分、特に低分子量ポリオールの組み込みによってわずかに分岐してよい。この目的のために適当であるのは、例えばグリセロール、トリメチロールプロパン、1,2,6-ヘキサントリオール、1,2,4-ブタントリオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、キニトール、マンニトールおよびソルビトール、メチルグリコシド、1,3,4,6-ジアンヒドロヘキシトールである。
ポリエーテルポリオールとして適当であるのは、ポリウレタン化学においてそれ自体既知のポリテトラメチレングリコールポリエーテルであり、これは例えばカチオン開環によるテトラヒドロフランの重合によって調製することができる。
適当なポリエーテルポリオール(A2)はさらに、スターター分子を用いて調製した、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、スチレンオキシドまたはエピクロロヒドリンの重付加生成物、ならびにその共重付加およびグラフト重付加生成物、ならびに多価アルコールの縮合によって得られるポリエーテルまたはその混合物および水、多価アルコール、アミンまたはアミノアルコールのアルコキシル化によって得られるポリエーテルである。好ましくは、400〜4000Da、特に好ましくは400〜2500Da、非常に特に好ましくは800〜2000Daの数平均分子量を有する、エチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドの単独の重付加および/または共重付加化合物である。ポリエーテルポリオールの平均官能価は、1.85より高く、好ましくは1.88〜3である。特に好ましくは、1.92〜2.05の官能価を有する2官能性ポリエーテルである。
エチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドの単独の重付加および/または共重付加化合物におけるエチレンオキシドの量は、0〜100%、好ましくは0〜30%、特に好ましくは0〜10%である。
本発明の特に好ましい実施態様において、ポリエーテルポリオール(A)は、800〜2000Daの分子量および1.92〜2.05の官能価を有するプロピレンオキシドの単独の重付加生成物である。
ポリエステルポリオールとして適当であるのは、例えば、多価、好ましくは2価および場合によりさらに3価アルコールと、多価、好ましくは2価のカルボン酸との反応生成物である。遊離のポリカルボン酸に代えて、対応するポリカルボン酸無水物または低級アルコールの対応するポリカルボン酸エステルまたはその混合物を、ポリエステルを調製するために用いることができる。ポリカルボン酸は、脂肪族、脂環族、芳香族および/または複素環性であってよく、場合により、例えばハロゲン原子によって置換されてよく、および/または無置換であってよい。
特に好ましい高分子ポリオール(A2)は、ポリカーボネートおよびポリエーテルであり、非常に特に好ましくはポリエーテルである。
成分(A3)は、ポリウレタンプレポリマーの鎖延長および/または停止に適当である。一官能性アルコールおよびモノアミンが考えられる。好ましいモノアルコールは、1〜18個の炭素原子を有する脂肪族モノアルコールであり、例えばエタノール、n-ブタノール、エチレングリコールモノブチルエーテル、2-エチルヘキサノール、1-オクタノール、1-ドデカノールまたは1-ヘキサデカノール等である。好ましいモノアミンは、脂肪族モノアミンであり、例えばジエチルアミン、ジブチルアミン、エタノールアミン、N-メチルエタノールアミンまたはN,N-ジエタノールアミン、およびJeffamin(登録商標)Mシリーズ(Huntsman Corp. 欧州、ベルギー)のアミンまたはアミノ官能性ポリエチレンオキシドおよびポリプロピレンオキシドである。
同じく成分(A3)として適当であるのは、400g/モル未満の分子量を有する、ポリオール、アミノポリオールまたはポリアミンであり、これは対応文献に数多く記載されている。
好ましい成分(A3)は、例えば次のものである:
a)アルカン-ジオールおよび-トリオール、例えばエタンジオール、1,2-および1,3-プロパンジオール、1,4-および2,3-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,3-ジメチルプロパンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、2-エチル-2-ブチルプロパンジオール、トリメチルペンタンジオール、位置異性体ジエチルオクタンジオール、1,2-および1,4-シクロヘキサンジオール、水素化ビスフェノールA[2,2-ビス(4-ヒドロキシシクロヘキシル)-プロパン]、2,2-ジメチル-3-ヒドロキシプロピオン酸(2,2-ジメチル-3-ヒドロキシプロピルエステル)、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパンまたはグリセロール、
b)エーテルジオール、例えばジエチレンジグリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,3-ブチレングリコールまたはヒドロキノンジヒドロキシエチルエーテル、
c)一般式(I)および(II):
HO-(CH-CO-O-(CH-OH (I)
HO-(CH-O-CO-R-CO-O(CHOH (II)
〔式中、
Rは、1〜10個の炭素原子、好ましくは2〜6個の炭素原子を有するアルキレンまたはアリーレン基であり、
xは2〜6であり、
yは3〜5である〕
のエステルジオール
例えば、δ-ヒドロキシブチル-ε-ヒドロキシ-カプロン酸エステル、ω-ヒドロキシヘキシル-γ-ヒドロキシ酪酸エステル、アジピン酸(β-ヒドロキシエチル)エステルおよびテレフタル酸ビス(β-ヒドロキシ-エチル)エステル等、および
d)ジ-およびポリ-アミン、例えば1,2-ジアミノエタン、1,3-ジアミノプロパン、1,6-ジ-アミノヘキサン、1,3-および1,4-フェニレンジアミン、4,4'-ジフェニルメタンジアミン、イソホロンジアミン、2,2,4-および2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジアミンの異性体混合物、2-メチル-ペンタメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、1,3-および1,4-キシリレンジアミン、α,α,α,α'-テトラメチル-1,3-および-1,4-キシリレンジアミン、4,4-ジアミノジシクロヘキシルメタン、アミノ官能性ポリエチレンオキシドまたはポリプロピレンオキシド(Jeffamin(登録商標)Dシリーズ(Huntsman Corp. 欧州、ベルギー)の名前で得ることができる)、ジエチレントリアミンおよびトリエチレンテトラミン等。本発明の範囲内においてジアミンとしてまた適当であるのは、ヒドラジン、ヒドラジン水和物および置換ヒドラジン、例えばN-メチルヒドラジン、N,N'-ジメチルヒドラジンおよびその同族体、ならびに酸ジヒドラジド、アジピン酸、β-メチルアジピン酸、セバシン酸、ヒドロアクリル酸およびテレフタル酸、セミカルバジド-アルキレンヒドラジド、例えばβ-セミカルバジドプロピオン酸ヒドラジド(例えばDE-A 1770591に記載されている)、セミカルバジドアルキレンカルバジンエステル、例えば2-セミカルバジドエチルカルバジンエステル(例えばDE-A 1918504に記載されている)またはアミノセミカルバジド化合物、例えばβ-アミノエチルセミカルバジドカーボネート(例えばDE-A 1902931に記載されている)等である。
成分(A4)は、カチオン性またはアニオン性の性質どちらかであり得るイオン性基を含む。カチオン的またはアニオン的分散作用を有する化合物は、例えばスルホニウム、アンモニウム、ホスホニウム、カルボキシレート、スルホネート、ホスホネート基または塩形成によって上記の基に変換され得る基(潜在的イオン性基)を含んでおり、存在するイソシアネート反応性基によって高分子に組み込まれ得る化合物である。適当なイソシアネート反応性基は、好ましくはヒドロキシルおよびアミン基である。
適当なイオン性または潜在的イオン性化合物(A4)は、例えばモノ-およびジ-ヒドロキシカルボン酸、モノ-およびジ-アミノカルボン酸、モノ-およびジ-ヒドロキシスルホン酸、モノ-およびジ-アミノスルホン酸、ならびにモノ-およびジ-ヒドロキシホスホン酸またはモノ-およいジ-アミノホスホン酸およびその塩であり、例えばジメチロールプロピオン酸、ジメチロール酪酸、ヒドロキシピバリン酸、N-(2-アミノエチル)-β-アラニン、2-(2-アミノ-エチルアミノ)-エタンスルホン酸、1,2-または1,3-プロピレンジアミン-β-エチルスルホン酸、エチレンジアミン-プロピル-または-ブチル-スルホン酸、リンゴ酸、クエン酸、グリコール酸、乳酸、グリシン、アラニン、タウリン、リシン、3,5-ジアミノ安息香酸、IPDIおよびアクリル酸の付加生成物(EP-A 0916647、実施例1)およびそのアルカリおよび/またはアンモニウム塩;2-ブテン-1,4-ジオールへの亜硫酸水素ナトリウムの付加物、ポリエーテルスルホネート、例えばDE-A 2446440(第5〜9頁、式I〜III)に記載されている2-ブテンジオールおよびNaHSO3のプロポキシル化付加物、ならびにカチオン性基に変換され得る構造単位、例えば親水性鎖延長成分としてのN-メチル-ジエタノールアミンである。好ましいイオン性または潜在的イオン性化合物は、カルボキシまたはカルボキシレートおよび/またはスルホネート基および/またはアンモニウム基を有する化合物である。特に好ましいイオン性化合物は、イオン性または潜在的イオン性基としてカルボキシルおよび/またはスルホネート基を含む化合物であり、例えばN-(2-アミノエチル)-β-アラニンの塩、2-(2-アミノ-エチルアミノ)エタンスルホン酸の塩またはIPDIおよびアクリル酸の付加生成物の塩(EP-A 0916647、実施例1)およびジメチロールプロピオン酸の塩である。非常に特に好ましくは、N-(2-アミノエチル)-β-アラニンおよび2-(2-アミノ-エチルアミノ-)-エタンスルホン酸のナトリウム塩が挙げられる。同じく非常に特に好ましくは、ジメチルプロピオン酸である。
非イオン的親水化作用を有する適当な化合物(A5)は、例えば少なくとも1つのヒドロキシまたはアミノ基を含むポリオキシアルキレンエーテルである。このようなポリエーテルは、エチレンオキシド由来の構造単位30重量%〜100重量%の量を含む。直鎖状構造および1〜3の官能価を有するポリエーテルが適当であるが、一般式(III):
Figure 2014529694

〔式中、
R1およびR2はそれぞれ他方に独立して、酸素および/または窒素原子によって割り込まれてよい、1〜18個の炭素原子を有する2価の脂肪族、脂環族または芳香族基を表し、R3は、アルコキシ末端ポリエチレンオキシド基を表す〕
の化合物も適当である。
非イオン的親水化作用を有する化合物はまた、例えば、それ自体既知の方法で適当なスターター分子のアルコキシル化によって得られるような(例えば、Ullmanns Encyclopaedie der technischen Chemie、第4版、第19巻、Verlag Chemie、Weinheim 第31〜38頁における)、統計平均で1分子当たり≧5ないし≦70個、好ましくは≧7ないし≦55個のエチレンオキシド単位を有する1価のポリアルキレンオキシドポリエーテルアルコールである。
適当なスターター分子は、例えば飽和モノアルコール、例えばメタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、イソブタノール、sec-ブタノール、異性体ペンタノール、ヘキサノール、オクタノールおよびノナノール、n-デカノール、n-ドデカノール、n-テトラデカノール、n-ヘキサデカノール、n-オクタデカノール、シクロヘキサノール、異性体メチルシクロヘキサノールまたはヒドロキシメチルシクロヘキサン、3-エチル-3-ヒドロキシメチルオキセタンまたはテトラヒドロフルフリルアルコール、ジエチレングリコールモノアルキルエーテル、例えばジエチレングリコールモノブチルエーテル等、不飽和アルコール、例えばアリルアルコール、1,1-ジメチルアリルアルコールまたはオレイルアルコール等、芳香族アルコール、例えばフェノール、異性体クレゾールまたはメトキシフェノール等、芳香脂肪族アルコール、例えばベンジルアルコール、アニスアルコールまたはシンナミルアルコール等、第2級モノアミン、例えばジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジブチルアミン、ビス-(2-エチルヘキシル)-アミン、N-メチル-およびN-エチル-シクロヘキシルアミンまたはジシクロヘキシルアミン等、ならびに複素環式第2級アミン、例えばモルホリン、ピロリジン、ピペリジンまたは1H-ピラゾール等である。好ましいスターター分子は飽和モノアルコールである。スターター分子としてジエチレングリコールモノブチルエーテルが特に好ましく用いられる。
アルコキシル化反応に適当なアルキレンオキシドは、特にエチレンオキシドおよびプロピレンオキシドであり、これらはアルコキシル化反応において、任意の所望の順序または混合物においても用いてよい。
ポリアルキレンオキシドポリエーテルアルコールは、純粋なポリエチレンオキシドポリエーテルまたは混合ポリアルキレンオキシドポリエーテルのいずれかであり、ここで、このアルキレンオキシド単位は、少なくとも30モル%、好ましくは少なくとも40モル%のエチレンオキシド単位からなる。好ましい非イオン性化合物は、少なくとも40モル%のエチレンオキシド単位および60モル以下のプロピレンオキシド単位を含む1官能性混合ポリアルキレンオキシドポリエーテルである。
ポリウレタン(A)の調製のために、イオン性(A4)および非イオン性(A5)親水化剤の組み合わせを用いてよい。アニオン性親水化剤が好ましく用いられる。
本発明による方法の特に好ましい実施態様において、接着剤は、HDIおよびIPDIの混合物(A1)、800〜1500Daの分子量および1.92〜2.05の官能価を有するプロピレンオキシドの単独の重付加生成物(A2)、1,4-ブタンジオール(A3)および2-(2-アミノ-エチルアミノ)エタンスルホン酸のナトリウム塩の反応生成物である水性ポリウレタン分散体(A)を含む。
水性ポリウレタン(A)の調製は、1以上の段階において均一相で行ってよく、または多段階反応の場合には部分的に分散相で行ってよい。重付加を完全にまたは部分的に行った場合、分散、乳化または溶解工程を行う。この後、分散相において更なる重付加または修飾を必要に応じて行う。
ポリウレタン(A)の調製のために、従来技術から既知の全ての方法を用いてよく、例えば乳化機/剪断力、アセトン、プレポリマー混合、溶融乳化、ケチミンおよび固体自然分散法またはその派生法を用いてよい。これらの方法の要約は、Methoden der organischen Chemie(Houben-Weyl、第4版への追加および継続巻、第E20巻、H. Bartl およびJ. Falbe, Stuttgart、New York、Thieme 1987年、第1671〜1682頁)に見付けることができる。好ましくは、溶融乳化、プレポリマー混合およびアセトン法が挙げられる。特に好ましくはアセトン法が挙げられる。
従来、第1級または第2級アミノ基を含まない成分(A2)〜(A5)の全てまたは一部、およびポリイソシアネート(A1)を、ポリウレタンプレポリマーの調製のために反応器中に配置し、水と混和性であるがイソシアネート基に対して不活性である溶媒を用いて必要に応じて希釈するが、好ましくは無溶媒で、比較的高温に、好ましくは50〜120℃の範囲に加熱する。
適当な溶媒は、例えばアセトン、ブタノン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトニトリル、ジプロピレングリコールジメチルエーテルおよび1-メチル-2-ピロリドンであり、調製の開始においてだけでなく必要に応じて分割して後期にも添加してよい。アセトンおよびブタノンが好ましい。標準圧または高圧下で反応を行うことができ、例えば、アセトン等の溶媒の標準圧での沸点以上で行うことができる。
さらに、イソシアネート付加反応を促進するとして既知の触媒、例えばトリエチルアミン、1,4-ジアザビシクロ-[2,2,2]-オクタン、ジブチル錫オキシド、錫ジオクトエート、ジブチル錫ジラウレート、錫ビス-(2-エチルヘキサノエート)、亜鉛ジオクトエート、亜鉛ビス-(2-エチルヘキサノエート)また他の有機金属化合物等を、同時に導入してよく、または後で計量添加してよい。
ジブチル錫ジラウレート、亜鉛ジオクトエートおよび亜鉛ビス-(2-エチルヘキサノエート)が好ましく、亜鉛ビス-(2-エチルヘキサノエート)が特に好ましい。
反応の開始に添加されなかった第1級も第2級アミノ基も含まない任意の成分(A1)、(A2)、場合により(A3)および(A4)および/または(A5)を、次に計量添加し、同じく比較的高温、好ましくは50〜120℃の範囲に加熱する。ポリウレタンプレポリマーの調製において、イソシアネート反応性基に対するイソシアネート基の比率は、≧0.90ないし≦3、好ましくは≧0.95ないし≦2.5、特に好ましくは≧1.05ないし≦2.0である。成分(A1)〜(A5)の反応は、第1級も第2級アミノ基も含まない(A2)〜(A5)の一部のイソシアネート反応性基の全量に基づいて、部分的にまたは完全に、好ましくは完全に、生じる。転化度は、通常、反応混合物のNCO含有量を追うことによってモニターする。この目的のため、赤外または近赤外スペクトル、屈折率の測定等の分光測定および取り出した試料の滴定等の化学分析を行ってよい。遊離イソシアネート基を含むポリウレタンプレポリマーは、無溶媒でまたは溶液で得られる。
(A1)および(A2)〜(A5)からのポリウレタンプレポリマーの調製後または調製中に、アニオン的および/またはカチオン的分散作用を有する基の部分的または完全塩形成を、開始分子においてまだ行っていない場合、行う。アニオン性基の場合、アンモニア、炭酸アンモニウムまたは炭酸水素アンモニウム、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、水酸化カリウムまたは炭酸ナトリウム等の塩基を用い、好ましくはトリエチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルエタノールアミンまたはジイソプロピルエチルアミンを用いる。塩基の量は、アニオン性基の量を基準として、50〜120%、好ましくは50〜100%、特に好ましくは60〜90%である。カチオン性基の場合、有機または無機酸を用いる。エーテル基を有する非イオン的親水化化合物(A5)のみを用いる場合、中和工程は省略される。分散水が既に中和剤を含む場合には、中和は、分散と同時に行ってもよい。
あり得るアミン系化合物は、(A2)、(A3)および(A4)であり、任意の残余イソシアネート基をこれと反応させることができる。この鎖延長は、分散前、分散中に溶媒中において、または分散後に水中において、いずれかで行うことができる。(A4)としてアミン系成分を用いる場合、好ましくは分散前に鎖延長を行う。
アミン系成分(A3)または(A4)を、有機溶媒および/または水を用いて希釈した反応混合物に添加してよい。好ましくは≧70重量%ないし≦95重量%の溶媒および/または水を用いる。多量のアミン系成分が存在する場合、任意の所望の順序で連続的にまたは混合物を添加することによって同時に反応を行ってよい。
ポリウレタン分散体(A)の調製のために、必要に応じて強いせん断をかけながら、例えば強く攪拌しながら、またはジェット分散器を用いながら、ポリウレタンプレポリマーを分散水に導入するか、または逆に、分散水をプレポリマーに攪拌添加する。このとき、これが均一相において起こっていない場合、存在する任意のイソシアネート基と成分(A2)、(A3)との反応によって、分子量の増加が起こり得る。用いるポリアミン(A2)、(A3)の量は、まだ存在する未反応のイソシアネート基によって決まる。好ましくは≧45ないし≦100%、特に好ましくは≧50ないし≦75%の量のイソシアネート基をポリアミン(A2)、(A3)と反応させる。
必要に応じて有機溶媒を留去してよい。分散体は、≧10ないし≦70重量%、好ましくは≧25ないし≦65重量%、特に好ましくは≧30ないし≦60重量%の固体含有量を有する。
ポリウレタン分散体は、単独で用いてよく、または既知のバインダー、補助物質および添加剤、特に光安定剤、例えばUV吸収剤および立体障害アミン(HALS)、また酸化防止剤、フィラーならびに塗料添加剤、例えば沈降防止剤、消泡および/または湿潤剤、流動剤、反応性希釈剤、可塑剤、触媒、補助溶媒および/または増粘剤および添加剤、例えば分散体、顔料、着色またはマット化剤(mattifying agent)等と共に用いてよい。特に、場合によりヒドロキシ官能性であってもよいポリウレタン分散体またはポリアクリレート分散体との組み合わせが、容易に可能である。添加剤を、処理直前にPUR分散体に添加してよい。しかし、バインダーまたはバインダー/架橋剤混合物の分散前または分散中に添加剤の少なくとも一部を添加してもよい。個々の成分および/または全体として混合物に添加することができるこれらの物質の選択および計量添加は、当業者に知られている。
本発明による方法の更なる実施態様において、建築部材に組み込まれる固定部材が提供され、ここで、固定部材は、建築部材の表面において近接でき、テキスタイルは接着接合される。好ましくは、固定部材の近接可能部は建築部材の表面とともにフラッシュされる。このような固定部材は、例えばアンカー式固定部材であってよい。さらに固定部材が建築部材を貫通することもでき、および固定部材を両面においてテキスタイルと接着接合させることもできる。
本発明はさらに、その表面に接着接合するテキスタイルを含む補強された建築部材を提供し、ここで、接着接合前のテキスタイルは≧1の延性を有し、硬化状態における接着剤は≧1.5の延性を有し、延性は、それぞれの場合、弾性変形の値に対する弾性および塑性変形全体の値の比率として決定される。次に、補強された建築部材は、≧2、好ましくは≧3の延性を有する。
補強された建築部材は、もちろん本発明によって得ることができる。本発明による方法に関して上述した全ての実施態様を、補強された建築部材の製造のために、個別にまたは組み合わせて用いることがさらに可能である。詳しくは、不必要な繰り返しを避けるため上記の実施態様を参照する。
テキスタイルが少なくとも2軸の織物を含み、更なる繊維が少なくとも2軸の織物上に不織布の形状で配置されている、本発明による補強された建築部材について、特に言及する。
接着剤が水性ポリウレタン分散体を含む本発明による補強された建築部材についてさらに特に言及する。
本発明は同じく、建築部材を補強するための接着剤と組み合わせたテキスタイルの使用に関し、ここでテキスタイルは接着剤によって建築部材の表面に接着接合され、接着接合前のテキスタイルは≧1の延性を有し、硬化状態における接着剤は≧1.5の延性を有し、延性は、それぞれの場合、弾性変形の値に対する弾性および塑性変形全体の値の比率として決定される。
本発明による方法に関して上述した全ての実施態様を、補強された建築部材の製造のために、個別にまたは組み合わせて用いることがさらに可能である。詳しくは、不必要な繰り返しを避けるため上記の実施態様を参照する。
テキスタイルが少なくとも2軸の織物を含み、不織布の形状における更なる繊維が少なくとも2軸の織物上に配置される、本発明による使用について特に言及する。
接着剤が水性ポリウレタン分散体を含む、本発明による使用についてさらに特に言及する。
本発明は、以下の図面および実施例によってさらに説明されるが、これらに限定されない。
図1は、本発明による方法においてテキスタイルの垂直配置を示す。本発明によって選択されたテキスタイルシート11、12、13は、本発明によって選択された接着剤を用いて石造建築物に接着接合される。例えばテキスタイルシート11、12、13の左側端部1、3、7は、シートの右側端部5、9の下(または上)となるように、このシートは重ね合わせられる。
図2は、アンカー25の形状で組み込まれた固定部材を用いてさらに補強された石造建築物15を示す。アンカー25は、プラスター層17にわたって伸び、モルタルまたは接着剤23によって石造建築物15において固定される。本発明によって選択されたテキスタイル21は、本発明によって選択された接着剤19によって、プラスター17および外側に伸びるアンカー25の一部に接着接合される。層間の接合部分は、テキスタイル/接着剤27および33、接着剤/プラスター29および35、ならびにプラスター/石造建築物31および37である。
図3は、アンカー(図示番号はない;図2に類似する)の形状で組み込まれた固定部材を用いて両側において補強された石造建築物45を示す。プラスター層43、47は、石造建築物45の両側に配置され、アンカーがこれを貫通する。本発明によって選択されたテキスタイル39、51は、本発明によって選択された接着剤41、49によって、プラスター層43、47に接着接合される。層間の接合部分は、テキスタイル/空気53および67、テキスタイル/接着剤55および65、接着剤/プラスター57および63ならびにプラスター/石造建築物59および61である。
図4は、本発明による選択において用いることができる、織物形状でのテキスタイルの例を示す。ここでは織物は平織りの形状であり、例として横糸69ならびに縦糸71、73および75が示される。
図5は、本発明による選択において用いることができるテキスタイルの更なる例を示す。このテキスタイルは、平織りの2軸織物であり、例として横糸79および縦糸77が示される。更なる繊維81、83は、不織布またはフリースの形状で織物上に配置される。
図6は、2つの石のせん断試験の負荷-変位カーブを示す。カーブ601は補強された試料を示し、カーブ602は補強されていない試料を示す。
図7は、(6つのケイ灰れんがからなる)2つの平面体の負荷-変位カーブを示し、これは3点曲げ試験において測定した。カーブ701は補強された試料を示し、カーブ702は補強されていない試料を示す。
図8は、(6つのれんがからなる)2つの平面体の負荷-変位カーブを示し、これは3点曲げ試験において測定した。カーブ801は補強された試料を示し、カーブ802は補強されていない試料を示す。
図9は、用いた接着剤のせん断応力-変位カーブを示す。
実施例1:本発明によって用いることができる接着剤1の合成:
1252.5gのポリプロピレンオキシドジオール(OH価112、平均分子量1000g/モル)を、100℃および50mbarにおいて60分間脱水した。次に112.4gの1,4-ブタンジオールおよび0.170gの亜鉛ビス-(2-エチルヘキサノエート)(OMG Borchers GmbH、独国製のBorchi(登録商標)Kat 22)を添加し、その混合物を90℃において15分間均質化させた。70℃に冷却後、333.0gのイソホロンジイソシアネート(IPDI)および252.0gのヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)を添加し、これを攪拌し、次に温度を70℃において一定に維持した。35分後、1.74%のイソシアネート含有量に達した。この混合物を55℃に冷却し、2925gのアセトンを添加し、プレポリマーが完全に溶解するまで攪拌を行った。水435g中のN-(2-アミノエチル)-2-アミノエタンスルホン酸のナトリウム塩50.37gの溶液を、強く攪拌しながら、48℃において均質溶液に添加し、48℃においてさらに15分間攪拌を行った。次に3320gの水を、強く攪拌しながら、アセトンプレポリマー混合物に添加し、48℃において20分間分散を行った。蒸留によってアセトンを除去した後、34.9%の固体含有率を有する水性分散体が得られた。
5000gの水性分散体を室温において10リットル容器に配置し、Borchi(登録商標)Gel L 75 N(ポリウレタン系非イオン性液体増粘剤、50%デリバリーフォームOMG Borchers GmbH、独国製)60gおよび水90gの混合物150gを、強く攪拌しながら添加した(攪拌機モーター:Heidolph RZR 2100 electronic、攪拌機:Visco Jet(登録商標)、速度約1000rpm)。次にさらに30分間攪拌を行った。生じた分散体は、34.7%の固体含有量および197,000m Pasのブルックフィールド粘度(Brookfield DV-III Ultra viscometerを用いて測定、スピンドル4 / 1 rpm 23℃)を有した。
実施例2:軸方向変形試験(面内負荷)
延性1のテキスタイルを、実施例1による接着剤を用いて、プラスター処理した灰砂石造建築物の表面に接着接合させた。図6中のカーブ601に示された結果は、DIN 1052-3による軸方向変形試験において得られた。比較のために、本発明によって補強されていないがプラスター処理のみ行った石造建築物を用いて試験を行った。その試験の結果はカーブ602に示される。比較試験と比べて軸方向変形挙動における顕著な改善が明らかである。接着剤の接着接合および硬化後、そのように得られた石造建築物は、約20mm/1mm=20、20mm塑性変形対1mm塑性変形(図6、カーブ601参照)の延性を有した。他方、補強されていない試験例はたった1の延性を有したが、これは最大負荷に達した直後に支圧強度が劇的に降下したためである(図6、カーブ602)。
実施例3a:平面曲げ試験(面外負荷)
延性1のテキスタイルを、実施例1による接着剤を用いて、プラスター処理した灰砂石造建築物の表面に接着接合させた。平面試験の結果は図7、カーブ701に示される。比較のために、本発明によって補強されていないがプラスター処理のみ行った石造建築物を用いて試験を行った。その試験の結果は図7、カーブ702に示される。比較試験と比べて平面における顕著な改善が明らかである。
接着剤の接着接合および硬化後、そのように得られた石造建築物は、補強されていない平面と比較して約10/3.5=2.9の延性を有し(図7)、補強された壁の平面の中心において10mmで降下するのに対し(図7,カーブ701参照)、補強されていない壁の平面の中心において3.5mmで降下した(図7、カーブ702参照)。
実施例3b:平面曲げ試験(面外負荷)
延性1のテキスタイルを、実施例1による接着剤を用いて、プラスター処理したれんが建築物に接着接合させた。平面試験の結果を図8においてカーブ801に示す。比較のために、本発明によって補強されていないがプラスター処理のみ行った石造建築物を用いて試験を行った。その試験の結果はカーブ802に示される。比較試験と比べて平面における顕著な改善が明らかである。
接着剤の接着接合および硬化後、そのように得られた石造建築物は、補強されていない壁と比較して約5/3.5=1.4の延性を有し(図8)、補強された平面の中心において最大負荷において5mmで降下するのに対し(図8、カーブ801参照)、補強されていない壁の平面の中心において3.5mmで降下した(図8、カーブ802参照)。補強された平面(図8、カーブ801参照)は、補強されていない試料と異なり、脆性破壊を示さず(図8、カーブ802参照)、残る支圧強度をもって顕著な破壊挙動を有する。
実施例4:DIN 12188による接着剤のせん断強度
実施例1による接着剤を、DIN 12188によって製造した、160mmx40mmx40mmの寸法を有するコンクリート本体の接着接合のために用いる。横方向に長手側へ45°の角度で切断を行った。この2つの切り口を、接着剤を用いて湿潤させ、互いに接合させた。長手側方向における圧力負荷により、試料の2つの破片がせん断された。得られたせん断応力-変位カーブ901は、図9に示される。試料から圧力を取り除く特に、3mmの永久変位が測定され、これは、弾性挙動の測定およびそれに従って延性の測定でもある。

Claims (16)

  1. 接着剤によってテキスタイルを建築部材の表面に接着接合する工程を含む、建築部材の補強方法であって、
    接着接合前のテキスタイルは≧1.0の延性を有し、硬化状態における接着剤は≧1.5の延性を有し、接着接合後の建築部材は≧2の延性を有し、
    ここで、延性とは、それぞれの場合、弾性変形の値に対する弾性および塑性変形全体の値の比率として規定される
    ことを特徴とする方法。
  2. 接着接合前のテキスタイルは、≧1.5ないし≦20の範囲の延性を有する、請求項1に記載の方法。
  3. 硬化状態における接着剤は、≧1.5ないし≦20の範囲の延性を有する、請求項1に記載の方法。
  4. 接着接合後の建築部材は、≧2ないし≦30の延性を有する、請求項1に記載の方法。
  5. 建築部材の表面はプラスター表面である、請求項1に記載の方法。
  6. 硬化状態における接着剤の延性に対する接着接合前のテキスタイルの延性の比率は、≧1:1ないし≦1:10の範囲である、請求項1に記載の方法。
  7. テキスタイルはガラス繊維織物を含み、ガラス繊維織物は互いに直交するガラス繊維を含む、請求項1に記載の方法。
  8. テキスタイルは少なくとも2軸の織物を含み、更なる繊維が少なくとも2軸の織物上に不織布の形状において配置される、請求項1に記載の方法。
  9. 接着剤は水性ポリウレタン分散体を含む、請求項1に記載の方法。
  10. 水性ポリウレタン分散体は、次の成分:
    A1)ポリイソシアネート、
    A2)≧400g/モルないし≦8000g/モルの重量平均分子量(DIN 55672−1によって決定)を有する高分子ポリオールおよび/またはポリアミン、ならびに
    A4)少なくとも1つのイオン性または潜在的イオン性基を有する化合物から選択される少なくとも1つの化合物、ならびに
    A5)非イオン的親水化化合物
    の反応生成物である、請求項9に記載の方法。
  11. その表面に接着接合されたテキスタイルを含む、補強された建築部材であって、
    接着接合前のテキスタイルは≧1.0の延性を有し、硬化状態における接着剤は≧1.5の延性を有し、補強された建築部材は≧2の延性を有し、
    ここで、延性とは、それぞれの場合、弾性変形の値に対する弾性および塑性変形全体の値の比率として規定される
    ことを特徴とする補強された建築部材。
  12. テキスタイルは少なくとも2軸の織物を含み、更なる繊維が少なくとも2軸の織物上に不織布の形状において配置される、請求項11に記載の補強された建築部材。
  13. 接着剤は水性ポリウレタン分散体を含む、請求項11に記載の補強された建築部材。
  14. 建築部材を補強するための、接着剤と組み合わせたテキスタイルの使用であって、テキスタイルは接着剤によって建築部材の表面に接着接合され、
    接着接合前のテキスタイルは≧1.0の延性を有し、硬化状態における接着剤は≧1.5の延性を有し、
    ここで、延性とは、それぞれの場合、弾性変形の値に対する弾性および塑性変形全体の値の比率として規定される
    ことを特徴とする使用。
  15. テキスタイルは少なくとも2軸の織物を含み、更なる繊維が少なくとも2軸の織物上に不織布の形状において配置される、請求項14に記載の使用。
  16. 接着剤は水性ポリウレタン分散体を含む、請求項14に記載の使用。
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