JP2014528197A - 通信装置および通信方法。 - Google Patents

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Abstract

【課題】無線通信システムにおける基地局と複数の端末デバイスとの間でデータを通信する方法が説明される。【解決手段】前記方法は、前記基地局から前記複数の端末デバイスにマルチキャスト送信信号においてデータを送信することと、前記各々の端末デバイスが成功裏に前記マルチキャスト送信信号を受信したか否かを示すために、前記端末デバイスから前記基地局にレスポンス信号を送信することと、を含む。マルチキャスト送信信号の前記使用は、例えば、マシンタイプ通信ネットワークにおいて求められ得るような複数の端末デバイスと同じデータを通信するための効率的なメカニズムを提供する。これと共に、ACK/NACKシグナリングのような、前記端末デバイスからの個々のレスポンス信号の前記使用は、前記基地局または、マシンタイプ通信サーバのような他のエンティティに、いずれの端末デバイスが前記マルチキャスト送信信号の成功裏の受信を示したかを追跡し、その結果、適切な再送プロトコルの動機付けを与えることを可能にする。【選択図】図18A

Description

本発明は、モバイル通信システムにおけるデータの送信、特にマルチキャスト送信信号におけるデータの送信についての方法、システム、および装置に関する。
3GPP定義のUMTSおよびLong Term Evolution(LTE)アーキテクチャに基づくシステムのような第3および第4世代モバイル通信システムは、前世代のモバイル通信システムによって提供される単なる音声サービスやメッセージングサービスよりも高度なサービスをサポートし得る。
例えば、LTEシステムによって提供される改善された無線インターフェースおよび改良されたデータレートによって、ユーザは、以前は固定回線のデータ接続を介してのみ利用可能であったモバイルビデオストリーミングおよびモバイルビデオ会議といった高いデータレートのアプリケーションを享受可能である。そのため、第3および第4世代ネットワーク展開への要望は強く、これらのネットワークのカバレッジエリア、つまり、ネットワークへのアクセスが可能な地理的な場所は急速に増加することが予想される。
第3および第4世代ネットワークの予想される広域展開は、利用可能な高いデータレートを活かすというよりも、ロバストな無線インターフェースおよび偏在性が向上したカバレッジエリアを利用するクラスのデバイスおよびアプリケーションの並行開発をもたらす。例として、比較的低頻度で少量のデータを通信する準自律的または自律的な無線通信デバイス(つまり、MTCデバイス)に代表されるような、いわゆるマシンタイプコミュニケーション(MTC)アプリケーションがある。例として、例えば、消費者の家に設置され、MTC中央サーバに返る消費者のガス、水道、電気などの公共施設の使用量に関係するデータ情報を定期的に送信する、いわゆるスマートメータが含まれる。MTCタイプのデバイスの特徴に関するさらなる情報は、例えば、ETSI TS 122 368 V10.530(2011−7)/3GPP TS 22.368 version 10.5.0 Release 10)[1]のような対応する規格においてみることができる。
マルチキャストデータ送信は、効率的な手法で、複数の受信者に、例えばストリーミングメディアのようなコンテンツを効率的に通信することについて確立された技術である。マルチキャストデータ送信は、例えばソフトウェアアップデートのような動作データを、無線ネットワークを通してサーバに接続される複数のMTCに送信するために、将来、ますます用いられるかもしれないことが予測され得る。
さらに、MTCタイプの端末などの端末が、第3または第4世代モバイル通信ネットワークが提供する広域なカバレッジエリアを利用することは便利であり得るが、現在ではデメリットがある。スマートフォンなどの従来の第3または第4世代端末デバイスとは異なり、MTCタイプの端末は、比較的簡素で廉価であることが好ましい。MTCタイプの端末が実行する機能のタイプ(例えば、データの収集および報告)は、特段複雑な処理の実行を必要としない。しかし、第3および第4世代モバイル通信ネットワークは、概して、無線インターフェースに先進のデータ変換技術を使用し、それによって、より複雑で高価な無線送受信機の実装が必要となり得る。スマートフォンは、一般的に、典型的なスマートフォンタイプの機能を実行するための高速なプロセッサを必要とするため、スマートフォンにそのような複雑な送受信機を備えることはもっともである。しかし、上記のように、現在は、比較的廉価でより簡素なデバイスでLTEタイプのネットワークを用いて通信したいという要望がある。これと並行して、例えば、低減された帯域幅動作のような、異なる動作機能性を有するデバイスにネットワークアクセシビリティを提供する動きが、そのようなデバイスと、例えばマルチキャスト技術を用いて通信することについて、利用可能な帯域幅の使用を最適化するために切望されている。
本発明の第1の態様によれば、無線通信システムにおけるデータを通信するために基地局を動作させる方法が提供され、前記方法は、複数の端末デバイスにマルチキャスト送信信号においてデータを送信することと、前記各々の端末デバイスが成功裏に前記マルチキャスト送信信号を受信したかどうかを示すために、前記マルチキャスト送信信号への応答として、前記端末デバイスのうちの各1つから送信されるレスポンス信号を受信することと、を含む。
一部の実施形態によれば、前記方法は、前記端末デバイスのうちの各1つに、レスポンス信号について用いられる、例えば時間、符号および/または周波数のリソースの標識のような、アップリンク送信リソースの標識を伝達することをさらに含む。
一部の実施形態によれば、前記アップリンク送信リソースの標識は、前記各々の端末デバイスが前記基地局への接続、例えば無線リソース接続要求を開始する場合、実行されるセットアップ手続中に伝達される。
一部の実施形態では、前記アップリンク送信リソースの標識は、前記マルチキャスト送信信号に関連して伝達される。
一部の実施形態では、前記アップリンク送信リソースの標識は、明確なシグナリングにより伝達され、一部の実施形態では、前記標識は、例えば無線ネットワーク識別子内のように黙示的なシグナリングにより伝達される。
一部の実施形態によれば、前記アップリンク送信リソースの標識は、アップリンクサブフレーム内の送信リソースの標識、アップリンクサブフレームの標識、およびアップリンクキャリアの標識のうちの少なくとも1つを含む。
一部の実施形態によれば、前記レスポンス信号は、物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)上で受信される。
一部の実施形態によれば、前記レスポンス信号は、前記マルチキャスト送信信号を含んでいるダウンリンクサブフレームの時間から導出される時間に発生する、前記無線通信システムのアップリンクサブフレームにおいて受信される。
一部の実施形態によれば、前記端末デバイスのうちの異なる1つについてのレスポンス信号は、前記無線通信システムの、異なるアップリンクサブフレームおよび/またはキャリアにおいて受信される。
一部の実施形態によれば、前記方法は、どの端末デバイスも前記マルチキャスト送信信号を受信しなかったかを、前記基地局で受信される前記レスポンス信号から確定することと、もしその場合は、前記データを再送することと、をさらに含む。
一部の実施形態によれば、前記端末デバイスのうちの異なる1つからのレスポンス信号は、異なるアップリンク送信リソースを用いて受信される。
一部の実施形態によれば、前記無線通信システムは、前記システムが、第1の周波数帯域幅にわたるダウンリンクおよび第2の周波数帯域幅にわたるアップリンクにおいて動作し、前記マルチキャスト送信信号が、前記第1の周波数帯域幅よりも小さく、前記第1の周波数帯域幅内の第3の周波数帯域幅内から選択された周波数上のダウンリンク送信リソースを用いて生成され、前記端末デバイスからの前記レスポンス信号が、前記第2の周波数帯域幅よりも小さく、前記第2の周波数帯域幅内の第4の周波数帯域幅内から選択された周波数上のアップリンク送信リソースを用いて受信されるような仮想キャリアを実装してもよい。さらに、前記第1および第2の周波数帯域幅は、同程度の幅であってもよく、および/または、前記第3および第4の周波数帯域幅は、同程度の幅であってもよい。
本発明の他の態様によれば、無線通信システムにおける複数の端末デバイスとデータを通信するための基地局が提供され、前記基地局は、前記複数の端末デバイスにマルチキャスト送信信号においてデータを送信するように構成され、前記基地局は、前記端末デバイスのうちの各1つによって送信されるレスポンス信号を、それらが成功裏に前記マルチキャスト送信信号を受信したかを示すために、前記マルチキャスト送信信号への応答として、送信するようにさらに構成される基地局が提供される。
本発明の他の態様によれば、無線通信システムにおけるデータを通信する方法が提供され、前記方法は、基地局から複数の端末デバイスにマルチキャスト送信信号においてデータを送信することと、前記各々の端末デバイスが前記マルチキャスト送信信号を成功裏に受信したかを示すために、前記マルチキャスト送信信号への応答として、前記端末デバイスのうちの各1つから前記基地局にレスポンス信号を送信することと、を含む。
本発明の他の態様によれば、基地局と複数の端末デバイスとを備え、前記基地局は、複数の端末デバイスにマルチキャスト送信信号においてデータを送信するように構成され、前記端末デバイスは、それらが成功裏に前記マルチキャスト送信信号を受信したかを示すために、前記マルチキャスト送信信号への応答として、前記基地局にレスポンス信号を送信するように構成される、無線通信システムが提供される。
本発明の他の態様によれば、無線通信システムにおけるデータを通信するために端末デバイスを動作させる方法が提供され、前記方法は、基地局によって複数の端末デバイスにマルチキャスト送信信号において送信されるデータを受信することと、前記端末デバイスが成功裏に前記マルチキャスト送信信号を受信したかを示すために、前記マルチキャスト送信信号への応答として、前記基地局にレスポンス信号を送信することと、を含む。
本発明の他の態様によれば、無線通信システムにおけるデータを受信するための端末デバイスが提供され、前記端末デバイスは、基地局によって複数の端末デバイスにマルチキャスト送信信号において送信されるデータを受信するように構成され、前記端末デバイスは、前記端末デバイスが成功裏に前記マルチキャスト送信信号を受信したかを示すために、前記マルチキャスト送信信号への応答として、前記基地局にレスポンス信号を送信するようにさらに構成される。
発明の第1の態様および他の態様に関して上述した発明の特徴および態様は、等しく適用可能であり、発明の様々な態様に従って、上述した特定の組合せだけでなく、発明の実施形態と適宜組み合わせられ得ることが認識されるであろう。
ここで、本発明の実施形態が、ほんの一例として、添付の図面を参照して説明されるが、同様部分には対応する参照番号が付される。
図1は、従来のモバイル通信ネットワークの例を示す概略的な図を提供する。 図2は、従来のLTE無線フレームを示す概略的な図を提供する。 図3は、従来のLTEダウンリンク無線サブフレームの例を示す概略的な図を提供する。 図4は、従来のLTE「キャンプオン」手続きを示す概略的な図を提供する。 図5は、発明の実施形態に従って仮想キャリアが挿入されたLTEダウンリンク無線サブフレームを示す概略的な図を提供する。 図6は、仮想キャリアにキャンプオンするための、適応されたLTEの「キャンプオン」手続きを示す概略的な図を提供する。 図7は、本発明の実施形態に従う、LTEダウンリンク無線サブフレームを示す概略的な図を提供する。 図8は、物理ブロードキャストチャネル(PBCH)を示す概略的な図を提供する。 図9は、本発明の実施形態に従う、LTEダウンリンク無線サブフレームを示す概略的な図を提供する。 図10は、発明の実施形態に従って仮想キャリアが挿入されたLTEダウンリンク無線サブフレームを示す概略的な図を提供する。 図11Aは、本発明の実施形態に従う、LTEダウンリンクサブフレーム中の位置信号の位置付けを示す概略的な図を提供する。 図11Bは、本発明の実施形態に従う、LTEダウンリンクサブフレーム中の位置信号の位置付けを示す概略的な図を提供する。 図11Cは、本発明の実施形態に従う、LTEダウンリンクサブフレーム中の位置信号の位置付けを示す概略的な図を提供する。 図11Dは、本発明の実施形態に従う、LTEダウンリンクサブフレーム中の位置信号の位置付けを示す概略的な図を提供する。 図12は、サブフレームのグループを示す概略的な図を提供し、そのサブフレームにおいて、2つの仮想キャリアが本発明の実施形態に係るホストキャリアの帯域内の場所を変更する。 図13Aは、本発明の実施形態に従ってアップリンク仮想キャリアが挿入されているLTEアップリンクサブフレームを示す概略的な図を提供する。 図13Bは、本発明の実施形態に従ってアップリンク仮想キャリアが挿入されているLTEアップリンクサブフレームを示す概略的な図を提供する。 図13Cは、本発明の実施形態に従ってアップリンク仮想キャリアが挿入されているLTEアップリンクサブフレームを示す概略的な図を提供する。 図14は、本発明の例に従って構成される、適応されたLTEモバイル通信ネットワークの一部を示す概略的な図を提供する。 図15は、本発明の実施形態に従って構成されるLTEモバイル通信ネットワークにおけるアップリンクおよびダウンリンクの両方についてのホストキャリアと仮想キャリアとの間の送信リソースの割当ての例を概略的に示す。 図16は、本発明の実施形態に従って動作するように構成されたモバイル通信ネットワークアーキテクチャを概略的に示す。 図17Aは、ダウンリンク送信について割当てられたリソースおよび仮想キャリアについて関連付けられたアップリンクの確認応答/否定応答信号を概略的に示す。 図17Bは、仮想キャリアについて物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)のために利用可能なリソースを概略的に示す。 図18Aは、本発明の様々な実施形態に従って、ダウンリンクマルチキャスト送信信号について割当てられたリソースおよび関連付けられたアップリンクの確認応答/否定応答信号を概略的に示す。 図18Bは、異なる端末デバイスに、異なる送信リソースを用いてダウンリンクマルチキャスト送信信号に関連付けられるアップリンクの確認応答/否定応答シグナリングを送信させるシグナリングメカニズムを概略的に示しているラダー図である。 図19は、本発明の異なる実施形態に従って、ダウンリンクマルチキャスト送信信号について割り当てられるリソースおよび関連付けられたアップリンクの確認応答/否定応答シグナリングを概略的示す。 図20は、本発明の異なる実施形態に従って、ダウンリンクマルチキャスト送信信号について割り当てられるリソースおよび関連付けられたアップリンクの確認応答/否定応答シグナリングを概略的示す。 図21は、異なる端末デバイスに、異なる送信リソースを用いてダウンリンクマルチキャスト送信信号に関連付けられるアップリンクの確認応答/否定応答シグナリングを送信させるメカニズムを概略的に示しているラダー図である。 図22は、異なる端末デバイスに、異なる送信リソースを用いてダウンリンクマルチキャスト送信信号に関連付けられるアップリンクの確認応答/否定応答シグナリングを送信させるメカニズムを概略的に示しているラダー図である。
発明の実施形態は、特に、「ホストキャリア」の帯域幅内で動作する「仮想キャリア」と称され得るものの関連で採用され得る。仮想キャリアの概念は、本出願人による同時係属中の英国特許出願第1101970.0号[2]、第1101981.7号[3]、第1101966.8号[4]、第1101983.3号[5]、第1101853.8号[6]、第1101982.5号[7]、第1101980.9号[8]、および第1101972.6号[9]に記載され、その内容は参照によって本明細書に包含される。さらなる詳細に関しては、本出願人による同時係属中のこれらの出願を参照されたいが、容易に参照するために、仮想キャリアの概略的な概念がここでも提供される。
<従来のネットワーク>
図1は、従来のモバイル通信ネットワークの一部の基本的な機能性を示す概略的な図を提供する。
ネットワークは、コアネットワーク102に接続された複数の基地局101を含む。各基地局は、カバレッジエリア103(つまり、セル)を提供し、カバレッジエリア103内では、データが端末デバイス104へ、かつ端末デバイス104から通信され得る。データは、無線ダウンリンクを介して、基地局101から、それぞれのカバレッジエリア103内の端末デバイス104へ送信される。データは、無線アップリンクを介して、端末デバイス104から基地局101に送信される。コアネットワーク102は、それぞれの基地局101を介して、データを端末デバイス104へ、かつ端末デバイス104からルーティングし、認証、移動性管理、課金などの機能を提供する。
3GPP定義のLong Term Evolution(LTE)アーキテクチャに従って構成されるシステムのようなモバイル通信システムは、直交周波数分割多重(OFDM)ベースの、無線ダウンリンク(いわゆるOFDMA)および無線アップリンク(いわゆるSC−FDMA)用のインターフェースを使用する。図2は、OFDMベースのLTEダウンリンク無線フレーム201を示す概略的な図を示す。LTEダウンリンク無線フレームは、LTE基地局(改良されたノードBとして知られる)から送信され、10ms持続する。ダウンリンク無線フレームは、10のサブフレームからなり、各サブフレームは1ms持続する。プライマリ同期信号(PSS)およびセカンダリ同期信号(SSS)は、LTEフレームの第1および第6のサブフレームで送信される。プライマリブロードキャストチャネル(PBCH)は、LTEフレームの第1のサブフレームで送信される。PSS、SSS、およびPBCHは、以下でより詳細に説明される。
図3は、例示的な従来のダウンリンクLTEサブフレームの構造を示すグリッドの概略的な図である。サブフレームは、1ms期間中に送信される所定数のシンボルを含む。各シンボルは、ダウンリンク無線キャリアの帯域幅にわたって分布される所定数の直交サブキャリアを含む。
図3に示される例示的なサブフレームは、14のシンボル、および20MHzの帯域幅にわたって拡散される1200のサブキャリアを含む。LTEでの送信にとって最も小さいユーザデータの割当てとは、1つのスロット(0.5サブフレーム)をまたいで送信される12のサブキャリアを含むリソースブロックである。明確にするために、図3では、それぞれ個別のリソースエレメントが示されない代わりに、サブフレームのグリッドにおけるそれぞれの個別のボックスは、1つのシンボルで送信される12のサブキャリアに対応する。
図3は、4つのLTE端末に対するリソース割当て340、341、342、343をハッチングで示す。例えば、第1のLTE端末(UE1)に対するリソース割当て342は、12のサブキャリアの5つのブロック(つまり、60のサブキャリア)にまたがって広がっており、第2のLTE端末(UE2)に対するリソース割当て343は、12のサブキャリアの6つのブロックにまたがって広がっている、などである。
制御チャネルデータは、サブフレームの最初のnシンボルを含むサブフレームの制御領域300(図3では、点付きの陰影により示される)で送信され、nは3MHz以上のチャネル帯域幅に対して1〜3シンボルの間で変動し得、nは1.4MHzのチャネル帯域幅に対して2〜4シンボルの間で変動し得る。具体例を提供するために、以下の説明は、3MHz以上のチャネル帯域幅を有するホストキャリアに関し、そのため、nの最大値は3になる。制御領域300で送信されるデータは、物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)、物理制御フォーマット指示チャネル(PCFICH)、および物理HARQ指示チャネル(PHICH)で送信されるデータを含む。
PDCCHは、サブフレームのどのシンボルのどのサブキャリアが特定のLTE端末に割り当てられているのかを示す制御データを含む。したがって、図3に示されるサブフレームの制御領域300で送信されるPDCCHデータは、参照番号342によって識別されたリソースのブロックが、UE1に割り当てられており、参照番号343によって識別されたリソースのブロックが、UE2に割り当てられていることなどを示す。
PCFICHは、制御領域のサイズ(つまり、1〜3シンボル)を示す制御データを含む。
PHICHは、以前に送信されたアップリンクデータが、ネットワークによって成功裏に受信されたか否かを示すHARQ(ハイブリッド自動再送要求)データを含む。
時間周波数リソースグリッドの中央帯310のシンボルは、プライマリ同期信号(PSS)、セカンダリ同期信号(SSS)、および物理ブロードキャストチャネル(PBCH)を含む情報の送信に使用される。この中央帯310は、一般的には、72のサブキャリア幅(1.08MHzの送信帯域幅に相当)である。PSSおよびSSSは、同期信号であって、それら同期信号は検出されると、LTE端末デバイスがフレーム同期達成可能となり、ダウンリンク信号を送信する改良されたNodeBのセル識別を確定可能となる。PBCHは、セルに関する情報を搬送する。このセルに関する情報は、LTE端末がセルに適切にアクセスするために使用するパラメータを含むマスタ情報ブロック(MIB)を含む。物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)で個々のLTE端末に送信されたデータは、サブフレームの他のリソースエレメントで送信され得る。これらのチャネルのさらなる説明を以下に提供する。
図3は、PDSCHの領域も示し、PDSCHの領域は、システム情報を含み、R344の帯域幅をまたいで広がる。従来のLTEフレームも、以下でさらに説明されるリファレンス信号を含むことになるが、明確にするために図3には示されない。
LTEチャネルにおけるサブキャリアの数は、送信ネットワークの設定に応じて、変動し得る。概して、この変動は、(概略的に図3に示されるように、)1.4MHzのチャネル帯域幅内に含まれる72のサブキャリアから20MHzのチャネル帯域幅内に含まれる1200のサブキャリアまでである。当技術分野で公知のように、PDCCH、PCFICH、およびPHICHで送信されるデータは、周波数ダイバーシティを実現するために、一般的にサブフレームの帯域幅全体にわたってサブキャリアに分布される。そのため、従来のLTE端末は、制御領域を受信および復調するために、チャネル帯域幅全体を受信することができなければならない。
図4は、ダウンリンクチャネルを介して、基地局によって伝送されたダウンリンク送信信号を端末が復調し得るように端末が従う処理であるLTE「キャンプオン」処理を示す。この処理を用いて、端末は、セルに対するシステム情報を含む送信信号の一部を識別可能であり、したがって、このセルに対する設定情報を復調可能である。
図4から分かるように、従来のLTEキャンプオン手続きでは、端末は、まず、中央帯のPSSおよびSSSを用いて基地局と同期し(ステップ400)、次いでPBCHを復調する(ステップ401)。端末は、ステップ400および401を実行すると、基地局と同期される。
次いで、端末は、キャリア320の帯域幅全体にわたって分布されるPCFICHをサブフレームごとに復調する(ステップ402)。上記のように、LTEダウンリンクキャリアは、最大20MHzの幅(1200のサブキャリア)であり得、そのため、LTE端末は、PCFICHを復調するために、20MHzの帯域幅で送信信号を受信および復調できなければならない。20MHzキャリア帯域でのPCFICH復調段階において、端末は、同期およびPBCH復調に関係するステップ400および401の期間中(R310の帯域幅)よりも非常に大きな帯域幅(R320の帯域幅)で動作する。
そして、端末は、特に、システム情報の送信信号を識別し、かつ端末の個別の割当て許可を識別するために、PHICHの場所を確認し(ステップ403)、PDCCHを復調する(ステップ404)。割当て許可は、システム情報を位置特定し、その端末のデータをPDSCHにおいて位置特定するために、端末によって使用される。システム情報および個別の割当ては、両方ともPDSCHで送信され、キャリア帯域320内でスケジューリングされる。ステップ403および404は、キャリア帯域の帯域幅R320全体で動作することを端末に要求もする。
ステップ402から404において、端末は、サブフレームの制御領域300に含まれる情報を復調する。上記説明のように、LTEでは、上記3つの制御チャネル(PCFICH、PHICH、およびPDCCH)は、キャリアの制御領域300にわたって発見され得、制御領域は、上記のように、範囲R320にまたがって広がり、各サブフレームの最初の1、2または3つのOFDMシンボルを占有する。サブフレームにおいては、制御チャネルは、一般的には、制御領域300内の全てのリソースエレメントを使用するわけではないが、全てのリソースエレメントは、領域全体にわたって散在するため、LTE端末は、3つの制御チャネルそれぞれを復調するために、制御領域300全体を同時に受信することができなければならない。
そして、端末は、システム情報またはこの端末に送信されたデータを含むPDSCHを復調し得る(ステップ405)。
上記説明のように、LTEサブフレームにおいて、PDSCHは、一般的に、PSS、SSSまたはPBCHによって占有された制御領域でもリソースエレメントでもないリソースエレメントのグループを占有する。図3に示される異なるモバイル通信端末(UE)に割り当てられたリソースエレメントのブロック340、341、342、343中のデータは、キャリア全体の帯域幅よりも帯域幅が小さいが、それらのブロックを復調するためには、端末は、まず、周波数範囲R320にわたって拡散するPDCCHを受信し、PDCCHは、PDSCHリソースがUEに割り当てられることを示すか否か、かつPDSCHリソースが復調されるべきことを示すか否か、を確定する。UEがサブフレーム全体を受信すると、UEは、次いで、PDCCHによって示された(存在するとすれば)当該周波数範囲のPDSCHを復調し得る。そのため、例えば、上記のUE1は制御領域300の全体を復調し、次いで、リソースブロック342のデータを復調する。
<仮想ダウンリンクキャリア>
MTCデバイス(例えば、上記スマートメータのような準自律的または自律的な無線通信デバイス)などのあるクラスのデバイスは、比較的低頻度な間隔で少量のデータ送信することを特徴とする通信アプリケーションをサポートし、したがって、従来のLTE端末よりも大幅に簡素であり得る。多くのシナリオでは、そのような低能力な端末に全キャリア帯域幅にわたり、LTEダウンリンクフレームからデータを受信および処理し得る従来の高性能なLTE受信機ユニットを提供すると、少量のデータのみを通信すればよいデバイスにとって複雑さが過剰になる場合がある。そのため、このことは、LTEネットワークにおいて、低能力なMTCタイプのデバイスを広域に展開するという実用性を制限し得る。代わりに、端末へ送信され得るデータ量により釣り合う、さらに簡素な受信機ユニットを備えるMTCデバイスのような低能力な端末を提供することが好ましい。以下に記載されるように、本発明の例に従って、「仮想キャリア」が従来のOFDMタイプのダウンリンクキャリア(つまり、「ホストキャリア」)の送信リソース内に提供される。従来のOFDMタイプのダウンリンクキャリアで送信されるデータとは異なり、仮想キャリアで送信されるデータは、ダウンリンクのホストOFDMキャリアの全帯域幅を処理する必要なく、受信および復調され得る。その結果、仮想キャリアで送信されるデータは、複雑さを低減した受信機ユニットを用いて受信および復調され得る。
図5は、LTEダウンリンクサブフレームを示す概略的な図を提供し、LTEダウンリンクサブフレームは、本発明の例に従ってホストキャリアに挿入された仮想キャリアを含む。
従来のLTEダウンリンクサブフレームを踏まえて、最初のnシンボル(nは図5において、3である)は、PDCCHで送信されるデータなどのダウンリンク制御データの送信用に確保される制御領域300を形成する。しかし、図5から分かるように、LTEダウンリンクサブフレームは、この例では、制御領域300の外側の中央帯310の下に位置付けされた、仮想キャリア501を形成するリソースエレメントのグループを含む。以下にさらに説明されるように、仮想キャリア501で送信されるデータをホストキャリアの残り部分で送信されるデータとは論理的に別物として扱うことが可能であり、かつ制御領域300からの制御データ全ては復調せずに、仮想キャリア501で送信されるデータを復調可能なように、仮想キャリア501は適応される。図5は、中央帯の下の周波数リソースを占有する仮想キャリアを示すが、一般に、仮想キャリアは、例えば、中央帯の上の他の周波数リソースまたは他の中央帯を含む周波数リソースを占有し得る。仮想キャリアが、ホストキャリアのPSS、SSSまたはPBCHによって使用されるいずれかのリソースに重複するように設定され、またはホストキャリアで動作する端末デバイスが正しい動作のために必要とし、既知の所定場所で発見することを想定する、ホストキャリアによって送信されるその他の信号によって使用されるリソースに重複するように設定される場合、仮想キャリアの信号は、ホストキャリアの信号のこれらの態様が維持されるように構成され得る。
図5から分かるように、仮想キャリア501で送信されるデータは、制限された帯域幅にわたって送信される。これは、ホストキャリアの帯域幅より小さいいずれかの適切な帯域幅でもあり得る。図5に示される例では、仮想キャリアは、2.16MHzの送信帯域幅に相当する12のサブキャリアの12のブロック(つまり、144のサブキャリア)を含む帯域幅にわたって送信される。従って、仮想キャリアを使用する端末は、2.16MHzの帯域幅をまたいで送信されるデータを受信および処理可能な受信機を備えさえすればよい。これによって、低能力な端末(例えば、MTCタイプの端末)が、簡素化した受信機ユニットを備えることができ、上記説明のように、従来は信号の帯域幅全体にわたってOFDM信号を受信および処理可能な受信機を備えるように端末に要求したOFDMタイプの通信ネットワーク内で、依然として動作可能となる。
上記説明のように、LTEのようなOFDMベースのモバイル通信システムにおいて、ダウンリンクデータは、サブフレーム単位でサブフレーム上の異なるサブキャリアで送信されるように動的に割り振られる。従って、全てのサブフレームにおいて、ネットワークは、どのシンボルのどのサブキャリアがどの端末に関するデータを含むかをシグナリングする(つまり、ダウンリンク許可シグナリング)。
図3から分かるように、従来のダウンリンクLTEサブフレームでは、この情報は、サブフレームの最初のシンボル中にPDCCHで送信される。しかし、先に説明したように、PDCCHで送信される情報は、サブフレームの帯域幅全体にわたって拡散されるので、低減された帯域幅の仮想キャリアの受信のみ可能な簡素化した受信機ユニットを有するモバイル通信端末によって受信され得ない。
従って、図5から分かるように、仮想キャリアの最後のシンボルは、仮想キャリア501のどのリソースエレメントが仮想キャリアを使用するユーザ機器(UE)に割り当てられたかを示す制御データの送信のために、仮想キャリアに対する制御領域502として確保され得る。一部の例では、仮想キャリアの制御領域502を含むシンボルの数は、例えば3つのシンボルに固定され得る。他の例では、仮想キャリアの制御領域502は、制御領域300と同様に、例えば、1〜3シンボルの間でサイズが変動し得る。
仮想キャリアの制御領域は、例えば、仮想キャリアの最初の数シンボルなどの、いずれかの適切な位置に配置され得る。図5の例では、これは、第4、第5、および第6のシンボルに仮想キャリアの制御領域を位置付けることを意味し得る。しかし、仮想キャリアの制御領域の位置は、ホストキャリアの制御領域300のシンボルの数に応じて変動することはないので、仮想キャリアの制御領域の位置をサブフレームの最後のシンボルに固定することが有用であり得る。これは、データを仮想キャリアで受信するモバイル通信端末が請け負う処理を単純化することを助け得る。なぜならば、仮想キャリアの制御領域が常にサブフレームの最後のnシンボルに位置付けられることが分かっている場合、端末は、仮想キャリアの制御領域の位置をサブフレームごとに確定する必要がないからである。
さらなる実施形態では、仮想キャリアの制御シンボルは、別個のサブフレームにおける仮想キャリアのPDSCHの送信信号を参照し得る。
一部の例では、仮想キャリアは、ダウンリンクサブフレームの中央帯310内に配置され得る。これは、仮想キャリアをホストキャリアの帯域幅内に導入することにより引き起こされるホストキャリアのPDSCHリソースへの影響を低減することを助け得る。なぜならば、PSS/SSSおよびPBCHに占有されるリソースは、仮想キャリア領域内に含まれることになり、残りのホストキャリアのPDSCH領域には含まれないからである。そのため、PSS、SSS、およびPBCHのオーバヘッドを担うために、ホストキャリアか、それとも仮想キャリアが選ばれるかに従って、仮想キャリアの場所は、例えば、想定される仮想キャリアのスループットに応じて、中央帯の内側または外側に適切に選ばれ得る。
<仮想キャリアの「キャンプオン」処理>
上記説明のように、従来のLTE端末は、セルにおいてデータの送受信を開始し得る前に、まず、そのセルにキャンプオンする。適応されたキャンプオン処理が、仮想キャリアを使用する端末に提供され得る。
図6は、本発明の例に従うキャンプオン処理を概略的に示すフロー図を示す。2つの分岐が図6に示される。仮想キャリアの使用を意図するUEに関連付けられる処理の異なるステップが、「仮想キャリア」という概略的な見出しの下に示されている。「レガシーLTE」という概略的な見出しの下に示されるステップは、ホストキャリアの使用を意図するUEに関連付けられる。これらのステップは、図4のステップに相当する。この例では、キャンプオン手続きの最初の2ステップ400、401は、仮想キャリアとホスト(レガシーLTE)キャリアの両方に共通である。
仮想キャリアのキャンプオン処理は、図5に示される例示的なサブフレームを参照して説明する。図5では、144のサブキャリアの帯域幅を有する仮想キャリアは、1200のサブキャリアに相当する帯域幅を有するホストキャリアの動作帯域幅内に挿入される。上記のように、ホストキャリアの帯域幅よりも動作帯域幅が小さい受信機ユニットを有する端末は、ホストキャリアのサブフレームの制御領域におけるデータを完全に復調することはできない。しかし、12のサブキャリアの12のブロックのみ(つまり、2.16MHz)の動作帯域幅を有する端末の受信機ユニットは、この例示的な仮想キャリア502で送信される制御データおよびユーザデータを受信可能である。
上記のように、図6の例では、仮想キャリア端末に対する最初のステップ400および401は、図4に示される従来のキャンプオン処理と同じである。しかし、仮想キャリア端末は、以下に説明するように、さらなる情報をMIBから抽出し得る。両タイプの端末(つまり、仮想キャリア端末およびホスト/レガシーキャリア端末)は、ホストキャリア内の72のサブキャリア中央帯で搬送される情報を用いて、基地局と同期するために、PSS/SSS、およびPBCHを使用し得る。しかし、そのとき、従来のLTE端末は、PCFICH復調ステップ402を実行する(ホストキャリアの制御領域300を受信および復調可能な受信機ユニットが必要となる)ことによって、処理を継続するが、仮想キャリアでデータを受信するためにセルにキャンプオンする端末(「仮想キャリア端末」と呼ばれ得る)は、代わりにステップ606および607を実行する。
本発明のさらなる実施形態では、ホストキャリアデバイスのステップ400および401と同じ従来の初期のキャンプオン処理を再び使用することと対照的に、分割同期およびPBCHの機能性が仮想キャリアデバイスに提供され得る。
ステップ606では、仮想キャリア端末は、いずれかの仮想キャリアがホストキャリア内に提供される場合、仮想キャリア特有のステップを用いて仮想キャリアを位置特定する。このステップがどのように実行され得るかについての様々な例が以下にさらに説明される。仮想キャリア端末は、仮想キャリアを位置特定すると、仮想キャリア内の情報にアクセスし得る。例えば、仮想キャリアが従来のLTEのリソース割当て方法を反映する場合、仮想キャリア端末は、仮想キャリア内の制御部分を復調するように進行し得る。この制御部分は、例えば、仮想キャリア内のどのリソースエレメントが、特定の仮想キャリア端末またはシステム情報に対して割り当てられたかを示し得る。例えば、図7は、サブフレームSF2に対して割り当てられた仮想キャリア330内のリソースエレメントのブロック350〜352を示す。しかし、仮想キャリア端末が従来のLTE処理(例えば、ステップ402〜404)に従う必要または反映する必要はなく、これらのステップは、例えば、仮想キャリアのキャンプオン処理について、全く異なる手法で実装されてもよい。
仮想キャリア端末は、ステップ607を実行する場合に、LTEのようなステップに従っていようと、異なるタイプのステップに従っていようと関係なく、割り当てられたリソースエレメントをステップ608で復調し得、それによって、基地局が仮想キャリアをブロードキャストすることによって送信されたデータを受信し得る。ステップ608で復調されたデータは、例えば、ネットワーク設定の詳細を含むシステム情報の残りを含み得る。
ダウンリンクデータが、従来のLTEを使用するホストキャリアで送信された場合に、仮想キャリア端末は、ダウンリンクデータを復調および受信する帯域幅能力を有していなかったとしても、さらに初期のLTEのステップを再び使用して、制限された帯域幅を有するホストキャリア内の仮想キャリアに依然としてアクセスし得る。ステップ608は、LTEのような手法または異なる手法で実装され得る。例えば、複数の仮想キャリア端末は、仮想キャリアを共有し、図7のSF2に示される仮想キャリアの共有を管理するために割り当てられた許可を有し得、あるいは、別の例では、仮想キャリア端末は、仮想キャリア端末自体のダウンリンク送信信号に仮想キャリア全体を割り当て得、あるいは、仮想キャリアは、ある数のサブフレームについてのみ、仮想キャリア端末に全体的に割り当てられ得る。
したがって、仮想キャリアのキャンプオン処理に提供される柔軟性の程度は大きい。例えば、従来のLTEのステップまたは処理を再び使用すること、または反映し、端末の複雑さおよび新たなエレメントを実装する必要性を低減することと、LTEは、より大きい帯域のホストキャリアを念頭に設計されているため、新たな仮想キャリア特有の態様または実装を加えて、狭帯域の仮想キャリアの使用を潜在的に最適化することとのバランスを調節することが可能である。
<ダウンリンク仮想キャリアの検出>
上記のように、仮想キャリア端末は、仮想キャリアでの送信信号を受信および復調し得る前に、(ホストキャリアの時間周波数リソースグリッド内で)仮想キャリアを位置特定するべきである。仮想キャリアの存在および場所の確定について、いくつかの代替案が利用可能であるが、それらは別々または組み合わせて実装され得る。それらオプションのうちの一部を以下に説明する。
仮想キャリアの検出を容易するために、仮想キャリア位置情報は仮想キャリア端末に提供され得るので、その結果、いずれかの仮想キャリアが存在するとすれば、より容易に仮想キャリアを位置特定できる。例えば、そのような位置情報は、1以上の仮想キャリアがホストキャリア内に提供されるという標識、またはホストキャリアが現在、いずれの仮想キャリアも提供しないという標識を含み得る。位置情報は、例えば、仮想キャリアの帯域幅のMHzまたはリソースエレメントのブロックでの標識も含み得る。それとは別に、または組み合わせて、仮想キャリア位置情報は、仮想キャリアの中央周波数および帯域幅を含み得ることによって、仮想キャリア端末にいずれかのアクティブな仮想キャリアの場所および帯域幅を付与する。仮想キャリアが、例えば、疑似乱数ホッピングアルゴリズムに従って、各サブフレーム中の異なる周波数位置で発見される場合、位置情報は、例えば、疑似乱数パラメータを示し得る。そのようなパラメータは、開始フレーム、および疑似乱数アルゴリズムに対して用いられるパラメータを含み得る。これらの疑似乱数パラメータを用いることで、仮想キャリア端末は、いずれのサブフレームに対する仮想キャリアが、どこで発見され得るのかを知ることができる。
(従来のLTE端末と比較して)仮想キャリア端末についてのわずかな変更に関連付けられる実装上の特徴は、仮想キャリアについての位置情報を、マスタ情報ブロックを既に搬送しているPBCH内に含めるか、またはMIBをホストキャリア中央帯に含めることであろう。図8に示すように、MIBは、24ビット(DL帯域幅を示す3ビット、システムフレーム番号、つまりSFNを示す8ビット、およびPHICHの設定に関する3ビット)で構成される。そのため、MIBは、1以上の仮想キャリアについての位置情報を搬送するために使用され得る10の予備のビットを含む。例えば、図9は、PBCHが、いずれかの仮想キャリア端末に仮想キャリアを指し示すために、MIBおよび位置情報(「LI」)を含む例を示す。
あるいは、仮想キャリア位置情報は、中央帯の中で、かつPBCHの外側に提供され得る。例えば、仮想キャリア位置情報は、常にPBCHの後かつPBCHに隣接して提供され得る。位置情報を中央帯ではあるが、PBCHの外側に提供することによって、従来のPBCHは、仮想キャリアを使用するために変更されるわけではないが、仮想キャリア端末は、いずれかの仮想キャリアが存在する場合、仮想キャリアを検出するために容易に位置情報を発見できる。
仮想キャリア位置情報は、提供される場合、ホストキャリアの各場所に提供され得る。しかし、仮想キャリア位置情報は、中央帯に提供されることが有利であり得る。なぜなら、例えば、仮想キャリア端末は、中央帯で動作するように受信機を設定し得るので、仮想キャリア端末は、位置情報を発見するために自身の受信機の設定を調節する必要がないからである。
提供される仮想キャリア位置情報の量に応じて、仮想キャリア端末は、仮想キャリアの送信信号を受信するように受信機を調節し得るか、または受信し得る前に、さらなる位置情報を要求し得る。
例えば、仮想キャリアの存在および/または仮想キャリア帯域幅を示すが、正確な仮想キャリアの周波数範囲に関する詳細は示さない位置情報が仮想キャリア端末に提供された場合、またはいずれの位置情報も仮想キャリア端末に提供されなかった場合、仮想キャリア端末は、仮想キャリアを求めてホストキャリアをスキャンし得る(例えば、いわゆるブラインドサーチ処理を実行する)。仮想キャリアを求めるホストキャリアのスキャンは、異なる手法にも基づき得るが、そのうちの一部を以下に提示する。
第1の手法によれば、仮想キャリアは、例えば、図10の4つの場所の例に示されるように、ある所定の場所にのみ挿入され得る。そして、仮想キャリア端末は、どの仮想キャリアについても、4つの場所L1〜L4をスキャンする。もし仮想キャリア端末が仮想キャリアを検出するときは、仮想キャリア端末は、上記のように、ダウンリンクデータを受信するために、仮想キャリアに「キャンプオン」し得る。この手法では、可能性のある仮想キャリアの場所が予め仮想キャリア端末に提供され得る。例えば、それらの場所は、ネットワーク特有の設定として内部メモリに格納され得る。仮想キャリアの検出は、仮想キャリアの特定の物理チャネルの復調を試行することによって達成され得る。そのようなチャネルを成功裏に復調することは、例えば、復調されたデータにおける成功した巡回冗長検査(CRC)によって示されるが、仮想キャリアの成功した場所を示すことになる。
第2の手法によれば、仮想キャリアは、ホストキャリアをスキャンする仮想キャリア端末が仮想キャリアの存在を識別するために位置信号を検出し得るようにその位置信号を含み得る。可能性のある位置信号の例が図11Aから11Dに示される。図11Aから11Cの例では、仮想キャリアは、位置信号が存在する周波数範囲をスキャンする端末が、この位置信号を検出するように、無作為な位置信号を定期的に伝送する。「無作為な」信号とは、それ自体としてはどの情報も搬送しない、いずれかの信号を含むことをここでは意図されているか、または解釈されることを意味しておらず、仮想キャリア端末が検出可能な特定の信号またはパターンのみ含む。それは、例えば、位置信号全体にわたる一連の有効ビット、位置信号にわたって0および1が交互に出現するもの、またはその他の適切な無作為信号であり得る。位置信号が、リソースエレメントの隣接するブロックから構成され得るか、または、隣接していないブロックから形成され得ることは特筆すべきである。例えば、位置信号は、仮想キャリアの「上部」(つまり、周波数の上限)にリソースエレメントの1ブロック置きに配置され得る。
図11Aの例では、位置信号353は、仮想キャリア330の範囲R330にわたって、広がっており、常にサブフレーム内の仮想キャリアにおいて同じ位置で発見される。仮想キャリア端末が仮想キャリアのサブフレームにおいて、位置信号を探索すべき場所を知っている場合、仮想キャリア端末は、位置信号についてサブフレーム内のこの位置をスキャンするだけで、仮想キャリア端末のスキャン処理を単純化し得る。図11Bは、全てのサブフレームが、位置信号354を含む類似例を示すが、位置信号354は、仮想キャリアのサブフレームの端部における、このサブフレームの上部の角および下部の角という2つの部分を含む。例えば、仮想キャリア端末が仮想キャリアの帯域幅を予め知らない場合、そのような位置信号が有用であり得る。なぜならば、そのような位置信号によって、仮想キャリア帯域の上部の周波数端および下部の周波数端を明確に検出することが容易になり得るからである。
図11Cの例では、位置信号355は、第1のサブフレームSF1には提供されるが、第2のサブフレームSF2には提供されない。例えば、位置信号は、2サブフレームごとに提供され得る。位置信号の頻度は、スキャン時間の低減とオーバヘッドの低減とのバランスを調整するように選択され得る。言い換えると、位置信号が頻繁に提供されると、端末が仮想キャリアを検出する時間が短くなるが、オーバヘッドは大きくなる。
図11Dの例では、位置信号は提供されるが、その位置信号は、図11A〜図11Cのような無作為な信号ではなく、仮想キャリア端末に対する情報を含む信号である。仮想キャリア端末は、仮想キャリアをスキャンし、その信号が、例えば、仮想キャリア帯域幅またはその他仮想キャリアに関連する情報(位置情報または非位置情報)についての情報を含み得る場合に、信号を検出し得る。仮想キャリア端末は、この信号を検出した場合、それによって仮想キャリアの存在および場所を検出し得る。図11Dに示されるように、位置信号は、無作為の位置信号と同様に、サブフレーム内の様々な場所で発見され得、その場所はサブフレーム単位で変動し得る。
<ホストキャリアの制御領域サイズの動的変動>
上記説明のように、LTEでは、ダウンリンクサブフレームの制御領域を構成するシンボルの数は、送信される必要がある制御データの量に応じて、動的に変動する。一般的に、この変動は、1〜3シンボルの間である。図5を参照して理解されるように、ホストキャリアの制御領域の幅の変動は、仮想キャリアが利用可能なシンボルの数に応じて相違を引き起こすことになる。例えば、図5から分かるように、制御領域の長さが3シンボルであり、サブフレームに14のシンボルがある場合、仮想キャリアの長さは、11シンボルである。しかし、次のサブフレームにおいて、ホストキャリアの制御領域が1シンボルまで減らされた場合、そのサブフレームには、仮想キャリアが利用可能な13のシンボルがあることになる。
仮想キャリアが、LTEホストキャリアに挿入される際、仮想キャリアでデータを受信するモバイル通信端末は、各ホストキャリアのサブフレームの制御領域におけるシンボルの数を確定できる必要があり、モバイル通信端末は、ホストキャリアの制御領域が使用していない利用可能なシンボル全てを使用できる場合、そのサブフレーム中の仮想キャリアのシンボルの数を確定する。
従来、制御領域を形成するシンボルの数は、PCFICHの全サブフレームの最初のシンボルでシグナリングされる。しかし、PCFICHは、一般的には、ダウンリンクLTEサブフレームの帯域幅全体にわたって分布され、そのため、仮想キャリアの受信のみ可能な仮想キャリア端末が受信できないサブキャリアで送信される。その結果、一実施形態では、制御領域が広がる可能性のあるいずれのシンボルも、仮想キャリアのnullシンボルとして予め定義される。つまり、仮想サブキャリアの長さは、(m〜n)シンボルに設定され、ただし、mは、サブフレームにおけるシンボルの総数であり、nは、制御領域のシンボルの最大数である。したがって、リソースエレメントは、いずれの所与のサブフレームの最初のnシンボル中に、仮想キャリアでダウンリンクデータ送信するために割当てられることはない。
この実施形態は、実装が簡素であるが、スペクトル的には非効率である。なぜなら、サブフレーム中に、ホストキャリアの制御領域がシンボルの最大数よりも少ないシンボルを有する場合、仮想キャリアにおいて使用されないシンボルがでるからである。
別の実施形態では、ホストキャリアの制御領域のシンボルの数は、仮想キャリア自体で明示的にシグナリングされる。ホストキャリアの制御領域のシンボルの数が知られると、仮想キャリアのシンボルの数は、サブフレームのシンボルの総数をホストキャリアの制御領域のシンボルの数から引くことによって算出され得る。
一例では、ホストキャリアの制御領域のサイズの明示的な標識は、仮想キャリアの制御領域におけるある情報ビットによって付与される。言い換えると、明示的なシグナリングメッセージは、仮想キャリアの制御領域502における予め定義された位置に挿入される。この予め定義された位置は、仮想キャリアでデータを受信するよう適応された各端末に知られる。
別の例では、仮想キャリアは、予め定義された信号を含み、その場所は、ホストキャリアの制御領域におけるシンボルの数を示す。例えば、予め定義された信号は、リソースエレメントの3つの所定のブロックのうちの1つで送信され得る。端末は、サブフレームを受信するとき、予め定義された信号をスキャンする。予め定義された信号がリソースエレメントの第1のブロックで発見される場合、これは、ホストキャリアの制御領域が1つのシンボルを含むことを示す。予め定義された信号がリソースエレメントの第2のブロックで発見される場合、これは、ホストキャリアの制御領域が2つのシンボルを含むことを示し、予め定義された信号がリソースエレメントの第3のブロックで発見される場合、これは、ホストキャリアの制御領域は3つのシンボル含むことを示す。
別の例では、仮想キャリア端末は、ホストキャリアの制御領域のサイズが1シンボルであると想定して、まず、仮想キャリアの復調を試行するように構成される。これが成功しない場合、仮想キャリア端末は、ホストキャリアの制御領域のサイズが2シンボルである、などと想定して、仮想キャリア端末が仮想キャリアを成功裏に復調するまで、仮想キャリアの復調を試行する。
<ダウンリンク仮想キャリアのリファレンス信号>
当該技術分野において公知であるように、LTEのようなOFDMベースの送信システムでは、サブフレーム全体のシンボルにおけるいくつかのサブキャリアが、一般的に、リファレンス信号の送信のために確保される。リファレンス信号は、チャネル帯域幅およびOFDMシンボルにわたって、サブフレーム全体に分布されるサブキャリアで送信される。リファレンス信号は、反復パターンで構成されており、外挿法および内挿法を用いて、各サブキャリアで送信されるデータに適用されるチャネル関数を推定するために、受信機によって使用され得る。これらのリファレンス信号は、典型的には、受信信号の電力標識についてのメトリクス、自動周波数制御のメトリクス、および自動利得制御のメトリクス確定することなどの追加的な目的のためにも使用される。LTEでは、各サブフレーム内にサブキャリアを担うリファレンス信号の位置が予め定義されるので、各端末の受信機において知られる。
LTEダウンリンクサブフレームでは、各送信アンテナポートからのリファレンス信号は、一般的に、6サブキャリアごとに挿入される。その結果、仮想キャリアがLTEダウンリンクサブフレームに挿入される場合、仮想キャリアが1リソースブロック(つまり、12のサブキャリア)という最小の帯域幅を有していても、仮想キャリアは、サブキャリアを担う、少なくともあるリファレンス信号を含むことになる。
各サブフレームに提供されるサブキャリアを担う十分なリファレンス信号が存在するので、受信機は、サブフレームで送信されるデータを復調するために、全ての単一のリファレンス信号を正確に受信する必要がない。しかし、理解されるように、受信されるリファレンス信号が多い程、受信機は、一般的により正確にチャネル応答を推定できるようになり、したがって、典型的にサブフレームから復調されるデータに取り込まれるエラーが少なくなる。従って、ホストキャリアでデータを受信するLTE通信端末との互換性を保つために、本発明の一部の例に従って、従来のLTEサブフレームにおいてリファレンス信号を含むであろうサブキャリアの位置が仮想キャリアにおいて維持される。
理解されるように、本発明の例に従って、仮想キャリアのみ受信するように構成される端末は、サブフレームの帯域幅全体にわたって各サブフレームを受信する従来のLTE端末と比較して、受信するサブキャリアの数が低減される。その結果、能力が低減された端末は、より狭い範囲の周波数をまたぐより少数のリファレンス信号を受信するが、周波数の範囲がより狭いため、生成されるチャネル推定の精度が落ち得る。
一部の例では、簡素化された仮想キャリア端末は、移動性が低い場合があり、チャネル推定をサポートするために、必要とするリファレンスシンボルがより少ない。しかし、本発明の一部の例では、ダウンリンク仮想キャリアは、サブキャリアを担うさらなるリファレンス信号を含むことによって、能力が低減された端末が生成し得るチャネル推定の精度を向上させる。
一部の例では、サブキャリアを担うさらなるリファレンスの位置とは、サブキャリアを担う従来のリファレンス信号の位置に対して、体系的に散在されたような位置であり、それによって、サブキャリアを担う既存のリファレンス信号からのリファレンス信号と組み合わせた場合、チャネル推定のサンプリング頻度が向上する。これによって、仮想キャリアの帯域幅にわたって、能力が低減された端末が生成するチャネルのチャネル推定が改善可能となる。他の例では、サブキャリアを担うさらなるリファレンスの位置とは、仮想キャリアの帯域幅の端に体系的に配置された位置であり、それによって、仮想キャリアのチャネル推定の内挿の精度が向上する。
<代替の仮想キャリア構成>
これまでの発明の例は、例えば、図5に示されるように、概して、単一の仮想キャリアが挿入されたホストキャリアについて説明してきた。しかし、一部の例では、ホストキャリアは、例えば、図12に示されるように、2以上の仮想キャリアを含み得る。図12は、ホストキャリア320内に2つの仮想キャリアVC1(330)およびVC2(331)が提供される例を示す。この例では、2つの仮想キャリアは、疑似乱数アルゴリズムに従って、ホストキャリアの帯域内の場所を変更する。しかし、他の例では、2つの仮想キャリアのうちの一方または両方は、常にホストキャリアの周波数範囲内の同じ周波数範囲で発見され得、かつ/または異なるメカニズムに従って、位置を変更し得る。LTEでは、ホストキャリア内の仮想キャリアの数は、ホストキャリアのサイズによってのみ制限される。しかし、ホストキャリア内の仮想キャリアが多過ぎると、データを従来のLTE端末へ送信するために利用可能な帯域幅を過度に制限し得、そのため、オペレータは、例えば、従来のLTEユーザ/仮想キャリアユーザの割合により、ホストキャリア内の仮想キャリアの数を決定し得る。
一部の例では、アクティブな仮想キャリアの数は、従来のLTE端末と仮想キャリア端末の現在の要求に適合するように動的に調整され得る。例えば、仮想キャリア端末が接続されていない場合、またはそれらのアクセスが意図的に制限されている場合、ネットワークは、仮想キャリアのために事前に確保されたサブキャリア内で、LTE端末へのデータ送信のスケジューリングを開始するよう構成し得る。この処理は、アクティブな仮想キャリア端末の数が増加し始めると、逆転され得る。一部の例では、提供される仮想キャリアの数は、存在する仮想キャリア端末の増加に応じて増加され得る。例えば、ネットワークまたはネットワークのエリアに存在する仮想端末の数が閾値を超過する場合、追加的な仮想キャリアがホストキャリアに挿入される。そのため、ネットワークエレメントおよび/またはネットワークオペレータは、適時、仮想キャリアをアクティブまたは非アクティブにし得る。
例えば、図5に示される仮想キャリアは、帯域幅が144サブキャリアである。しかし、他の例では、仮想キャリアは、12〜(1200のサブキャリア送信帯域幅のキャリアのための)1188サブキャリアの間のいずれかのサイズであり得る。LTEでは、中央帯は72のサブキャリアの帯域幅を有するので、LTE環境における仮想キャリア端末は、中央帯310を復調し得るように、優先して、少なくとも72のサブキャリア(1.08MHz)の受信機帯域幅を有し、そのため、72のサブキャリアの仮想キャリアは、使い勝手の良い実装の選択肢となり得る。仮想キャリアは、72のサブキャリアを含み、仮想キャリア端末は、仮想キャリアにキャンプオンするために、受信機の帯域幅を調節する必要がなく、そのため、仮想キャリアは、キャンプオン処理実行の複雑さを低減し得るが、上記説明のように、仮想キャリアに対する帯域幅は、中央帯に対する帯域幅と同じである必要はなく、LTEに基づく仮想キャリアは、12〜1188のサブキャリアの間のいずれのサイズでもあり得る。例えば、一部のシステムでは、72サブキャリアより小さい帯域幅の仮想キャリアは、仮想キャリア端末の受信機のリソースの無駄と考えられ得るが、別の観点では、従来のLTE端末に対して利用可能な帯域幅を増加させることによって、ホストキャリアに対する仮想キャリアの影響を低減すると考えられ得る。そのため、仮想キャリアの帯域幅は、複雑性、リソース活用、ホストキャリアの性能、および仮想キャリア端末についての要求の間の所望のバランスを達成するために調節され得る。
<アップリンク送信フレーム>
これまでのところ、主にダウンリンクに関する仮想キャリアを説明してきたが、一部の例では、仮想キャリアは、アップリンクにも挿入され得る。
周波数分割複信(FDD)ネットワークでは、アップリンクおよびダウンリンクは、両方とも全てのサブフレームにおいてアクティブであるのに対し、時分割複信(TDD)ネットワークでは、サブフレームは、アップリンク、ダウンリンクのどちらか一方に割り振られ得るか、またはさらにアップリンク部分およびダウンリンク部分に細分され得る。
ネットワークへの接続を開始するために、従来のLTE端末は、物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)でランダムアクセス要求する。PRACHは、アップリンクフレーム中の所定のリソースエレメントのブロックに配置され、その位置は、ダウンリンクでシグナリングされるシステム情報でLTE端末にシグナリングされる。
また、LTE端末から送信される保留中のアップリンクデータがあり、端末がいずれのアップリンクリソースにもまだアップリンクデータに割り当てていない場合、端末は、ランダムアクセス要求PRACHを基地局に送信し得る。そして、いずれかのアップリンクリソースが存在する場合、どのアップリンクリソースが、要求を行った端末デバイスに割り当てられるかに関して、基地局で決定される。次いで、アップリンクリソースの割当てが、ダウンリンクサブフレームの制御領域で送信される物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)でLTE端末にシグナリングされる。
LTEでは、各端末デバイスからの送信信号は余儀なくフレーム中の一組の連続するリソースブロックを占有する。物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)についての、基地局から受信されるアップリンクリソース割当て許可は、リソースブロックがチャネル帯域幅内のいずれにも配置され得る場合に、どの組のリソースブロックがその送信のために使用されるかを示す。
LTE物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)が使用する第1のリソースは、チャネルの上端と下端の両方に配置され、1リソースブロックが各PUCCH送信によって占有される。サブフレームの第1の半分では、このリソースブロックは一方のチャネル端に配置され、サブフレームの第2の半分では、このリソースブロックは反対のチャネル端に配置される。さらにPUCCHリソースが必要な場合、さらなるリソースブロックが、チャネル端から内部へ移動するように順次、割り振られる。PUCCH信号は符号分割多重化されるため、LTEアップリンクは、同じリソースブロックに複数のPUCCH送信信号を収容することができる。
<仮想アップリンクキャリア>
本発明の実施形態に従って、上記仮想キャリア端末は、アップリンクデータを送信する、能力が低減された送信機も提供され得る。仮想キャリア端末は、低減された帯域幅にわたってデータを送信するよう構成される。能力が低減された送信機ユニットの供給は、例えば、MTCタイプのアプリケーションと共に使用するために、例えば、能力が低減されて製造されるクラスのデバイスを、能力が低減された受信機に提供することで達成される利点に相当する利点をもたらす。
ダウンリンク仮想キャリアと同様に、仮想キャリア端末は、帯域幅が低減した仮想キャリアよりも帯域幅が広いホストキャリア内のサブキャリアの低減した範囲にわたってアップリンクデータを送信する。これは図13Aに示される。図13Aから分かるように、アップリンクサブフレーム中のサブキャリアのグループは、ホストキャリア1302内に仮想キャリア1301を形成する。従って、仮想キャリア端末がアップリンクデータを送信する低減した帯域幅は、仮想アップリンクキャリアであるとみなされ得る。
仮想アップリンクキャリアを実装するために、仮想キャリアにサービスを提供する基地局のスケジューラは、仮想キャリア端末に許可された全てのアップリンクリソースエレメントが、仮想キャリア端末の、能力が低減された送信機ユニットの低減した帯域幅の範囲に収まるサブキャリアであることを保証する。同様に、ホストキャリアにサービスを提供する基地局のスケジューラは、ホストキャリア端末に許可された全てのアップリンクリソースエレメントが、仮想キャリア端末によって占有される一組のサブキャリアの外側に収まるサブキャリアであることを典型的に保証する。しかし、仮想キャリアおよびホストキャリアについてのスケジューラは、一緒に実装されるか、または情報を共有する手段を有する場合、仮想キャリアリソースの一部または全てが仮想キャリアで端末デバイスによって使用されないであろうことを仮想キャリアのスケジューラが示す場合に、ホストキャリアのスケジューラは、仮想キャリアの領域内からサブフレーム中のホストキャリアの端末デバイスにリソースエレメントを割り振り得る。
仮想キャリアアップリンクが、物理チャネルについてのリソースがチャネル端に存在すると想定されるLTE PUCCHに類似する構造および動作方法に従う物理チャネルを包含する場合、仮想キャリア端末についてのそれらのリソースは、仮想キャリアの帯域幅の端に提供され得るのであって、ホストキャリアの端に提供されるわけではない。これは、仮想キャリアアップリンクの送信信号が、低減された仮想キャリアの帯域幅内に留まることが保証されることになるので、有利である。
<仮想アップリンクキャリアランダムアクセス>
従来のLTE技術に従うと、PRACHが、仮想キャリアに割り当てられるサブキャリア内に存在するであろうことを保証することはできない。そのため、一部の実施形態では、基地局は、二次的なPRACHを仮想アップリンクキャリア内に提供し、その場所は、仮想キャリアのシステム情報を介して、仮想キャリア端末にシグナリングされ得る。これは、例えば、PRACH1303が仮想キャリア1301内に配置される図13Bに示される。したがって、仮想キャリア端末は、仮想アップリンクキャリア内の仮想キャリアのPRACHでPRACH要求を伝送する。PRACHの位置は、仮想キャリアダウンリンクシグナリングチャネル、例えば、仮想キャリアのシステム情報で仮想キャリア端末にシグナリングされ得る。
しかし、他の例では、仮想キャリアのPRACH1303は、例えば、図13Cに示されるように、仮想キャリアの外側に置かれる。これによって、仮想キャリア端末によるデータの送信のために、仮想アップリンクキャリア内に余地が残される。仮想キャリアのPRACHの位置は、上記のように、仮想キャリア端末にシグナリングされるが、ランダムアクセス要求を送信するために、仮想キャリア端末は、仮想キャリアの送信機ユニットを仮想キャリアのPRACH周波数に再チューニングする。なぜならば、仮想キャリアのPRACHの位置は仮想キャリアの外側にあるためである。そして、送信機ユニットは、アップリンクリソースエレメントが割り当てられるときに、仮想キャリア周波数に再チューニングされる。
仮想キャリア端末が、仮想キャリアの外側のPRACHで送信を行うことが可能である一部の例では、ホストキャリアのPRACHの位置は、仮想キャリア端末にシグナリングされ得る。そして、仮想キャリア端末は、ランダムアクセス要求を伝送するために、従来のホストキャリアのPRACHリソースのみを使用し得る。この手法は、割り当てなければならないPRACHリソースがより少ない場合に有利である。
しかし、基地局が、従来のLTE端末と仮想キャリア端末の両方からランダムアクセス要求を同じPRACHリソースで受信している場合、従来のLTE端末からのランダムアクセス要求と仮想キャリア端末からのランダムアクセス要求とを区別するためのメカニズムを基地局に提供する必要がある。
そのため、一部の例では、時分割割当てが基地局で実装され、例えば、第1の組のサブフレームをまたいだPRACH割当てが仮想キャリア端末に利用可能であり、第2の組のサブフレームをまたいだPRACH割当てが従来のLTE端末に利用可能である。従って、基地局は、第1の組のサブフレーム中に受信されるランダムアクセス要求が仮想キャリア端末から生じ、第2の組のサブフレーム中に受信されるランダムアクセス要求が従来のLTE端末から生じると確定し得る。
他の例では、仮想キャリア端末および従来のLTE端末の両方がランダムアクセス要求を同時に送信するのを防止するメカニズムは提供されない。しかし、従来、ランダムアクセス要求を送信するために使用されるランダムアクセスプリアンブルは、2つのグループに分けられる。第1のグループは、仮想キャリア端末によって排他的に使用され、第2のグループは、従来のLTE端末によって排他的に使用される。従って、基地局は、どのグループにランダムアクセスプリアンブルが属するかを確認するだけで、ランダム要求が従来のLTE端末または仮想キャリア端末から生じたのかを確定し得る。
<例示的なアーキテクチャ>
図14は、本発明の例に従って構成される、適応されたLTEモバイル通信システムの一部を示す概略的な図を提供する。システムは、適応され改良されたNodeB(eNB)1401を含む。NodeB1401は、コアネットワーク1408に接続され、カバレッジエリア(セル)1404内の複数の従来のLTE端末1402および能力が低減された端末1403へデータを通信する。従来のLTE端末1402に含まれる送受信機ユニット1406の能力と比較した場合、能力が低減された端末1403は、それぞれ、低減した帯域幅にわたってデータを受信可能な受信機ユニットおよび低減した帯域幅にわたってデータを送信可能な送信機ユニットを含む送受信機ユニット1405を有する。
適応されたeNB1401は、図5を参照して説明したように、仮想キャリアを含むサブフレーム構造を用いてダウンリンクデータを送信するように構成されており、かつ図13Bまたは図13Cを参照して説明したように、サブフレーム構造を用いてアップリンクデータを受信するように構成される。したがって、能力が低減された端末1403は、上記説明のように、アップリンク仮想キャリアおよびダウンリンク仮想キャリアを用いてデータを受信および送信可能である。
上記説明のように、複雑さを低減した端末1403は、低減した帯域幅にわたって、アップリンク仮想キャリアおよびダウンリンク仮想キャリアでデータを受信および送信するので、ダウンリンクデータを受信および復調し、アップリンクデータを符号化および送信するために必要な送受信機ユニット1405の複雑さ、消費電力、およびコストは、従来のLTE端末に提供される送受信機ユニット1406と比較して、低減される。
適応されたeNB1401は、セル1404内の端末のうちの1つに送信されるコアネットワーク1408からのダウンリンクデータを受信すると、そのデータが従来のLTE端末1402に向けられたものであるのか、それとも能力が低減された端末1403に向けられたものであるのかを確定するように構成される。これは、いずれかの適切な技術を用いて達成され得る。例えば、能力が低減された端末1403向けのデータは、そのデータがダウンリンク仮想キャリアで送信されなければならないことを示す仮想キャリアフラグを含み得る。ダウンリンクデータが、能力が低減された端末1403へ送信されることを適応されたeNB1401が検出する場合、適応されたeNB1401に含まれる適応されたスケジューリングユニット1409は、ダウンリンクデータが当該能力が低減された端末にダウンリンク仮想で送信されることを保証する。別の例では、ネットワークは、仮想キャリアが論理的にeNBから独立するように構成される。より具体的には、仮想キャリアは、コアネットワークに別個のセルとして映るように構成され得るので、仮想キャリアがホストキャリアといずれかの関係があることは、コアネットワークには知られない。パケットは、従来のセルについてされる通りに、仮想キャリアへ/から単にルーティングされる。
別の例では、適切なキャリア(つまり、ホストキャリアまたは仮想キャリア)へのトラフィック、または適切なキャリアからのトラフィックをルーティングするために、パケット検査がネットワーク内の適所で実行される。
さらに別の例では、コアネットワークからeNBへのデータは、特定の端末デバイスに対する特定の論理接続で通信される。eNBには、どの論理接続がどの端末デバイスに関連付けられるかを示す情報が提供される。どの端末デバイスが仮想キャリア端末であり、どの端末デバイスが従来のLTE端末であるかを示す情報もeNBに提供される。この情報は、仮想キャリア端末が、仮想キャリアリソースを用いて最初に接続されるという事実から導出され得る。他の例では、仮想キャリア端末は、接続手続き中に、仮想キャリア端末の能力をeNBに示すように構成される。その結果、eNBは、端末デバイスが仮想キャリア端末であるのか、それともLTE端末であるのかに基づいて、データをコアネットワークから特定の端末デバイスにマッピングし得る。
アップリンクデータを送信するためのリソースをスケジューリングする場合には、適応されたeNB1401は、リソースがスケジューリングされた端末が、能力が低減された端末1403であるのか、それとも従来のLTE端末1402であるのかを確定するように構成される。一部の例では、これは、上記のように、仮想キャリアのランダムアクセス要求と従来のランダムアクセス要求とを区別する技術を用いて、PRACHで送信されたランダムアクセス要求を解析することによって達成される。いずれの場合でも、能力が低減された端末1402がランダムアクセス要求を行ったことが、適応されたeNB1401で確定された場合に、適応されたスケジューラ1409は、いずれかのアップリンクリソースエレメントの許可も仮想アップリンクキャリア内に存在することを保証するように構成される。
一部の例では、ホストキャリア内に挿入される仮想キャリアは、論理的に別個の「ネットワーク内のネットワーク」を提供するために使用され得る。言い換えると、仮想キャリアを介して送信されるデータは、ホストキャリアネットワークによって送信されるデータと論理的かつ物理的に別物として扱われ得る。そのため、仮想キャリアは、従来のネットワークに「かぶせられ」、メッセージングデータをDMNデバイス(つまり、仮想キャリア端末)に通信するために使用されるいわゆる専用メッセージングネットワーク(DMN)を実装するために使用され得る。
<仮想キャリアのさらなる例示的な応用例>
同時係属中の英国特許出願第110970.0号[2]、第1101981.7号[3]、第1101966.8号[4]、第1101983.3号[5]、第1101853.8号[6]、第1101982.5号[7]、第1101980.9号[8]、および第1101972.6号[9]に説明される種類の仮想キャリアの概念は記載したので、ここでは、発明の実施形態に従って仮想キャリアの概念を一部拡張したものを説明する。特に、マルチキャスト送信信号との関係で仮想キャリアの概念の一部の実装が説明される。
これまで、マルチキャスト送信信号との関係で仮想キャリアの概念の一部の適用例を説明する前に、本発明の実施形態に従って、仮想キャリアを実装している例示的な通信システムにおけるアップリンクおよびダウンリンク送信についてのフレーム構造の一部の一般的な特性が要約される。
図15は、LTEタイプの通信ネットワークの時間周波数のアップリンクリソースグリッド1550およびダウンリンクリソースグリッド1500における様々な領域が、上述したような仮想キャリアのサポートをするために、どのように割当てられ得るかを示している概略図である。
図15に示される例示的なダウンリンクリソースグリッド1500の範囲は、水平な時間方向に沿って配置される10個のサブフレーム1512(1つの全体フレームと同等な)を含み、例えば20MHzの周波数における帯域幅R320に広がる。上述したように、図15のダウンリンク送信リソースグリッド1500は、ホストキャリアPDCCH領域1502、ホストキャリアPDSCH領域1506および仮想キャリア領域1510を含む。この例における仮想キャリア領域1510は、別個の仮想キャリアPDCCH領域1514および仮想キャリアPDSCH領域1516を含む。しかし、上記したように、他の例示的な実装においては、仮想キャリアの動作原理は、LTEタイプのネットワークのこれらの態様を反映しなくてもよい。ダウンリンクフレーム構造1500は、リファレンスシンボル領域のような他の領域を含んでもよいが、これらは簡単にするために図15に示されない。図15に示されるダウンリンクリソースグリッド1500の各々のサブフレーム1512は、概して、図5に示されるサブフレームと同じ一般的な形式に従う。ただし、この特徴的な例において、仮想キャリア制御領域(VC−PDCCH)1512は、図5に概略的に示されるように末尾ではなく、各々のサブフレーム1512の先頭に位置される。
図15に示されるアップリンクリソースグリッド1550の範囲もまた、水平な時間方向に沿って配置される10個のサブフレーム1562(1つの全体フレームと同等な)、および周波数において同じ帯域幅R320に広がっていることを含む。図15のアップリンク送信リソースグリッド1550は、ホストキャリアPUCCH領域1552(HC制御領域)、ホストキャリアPUSCH領域1556、および仮想キャリア領域1560(HC制御領域)を含む。各々の仮想キャリア領域1560は、仮想キャリアPUCCH領域1564(VC制御領域)および仮想キャリアPUSCH領域1566を含む。アップリンクフレーム構造1550は、他の領域を含み得るが、これらもやはり簡単にするために図15において示されない。アップリンクリソースグリッド1550の各々のサブフレーム1552は、概して、例えば図13Aから図13Cにおいて示されるサブフレームと同じ一般的な形式に従ってもよい。
本発明の一部の実施形態に従う、仮想キャリアを実装している無線通信システムにおけるアップリンクおよびダウンリンク送信リソースグリッドの一部の態様を要約したので、そのようなシステムにおけるマルチキャスト技術の一部の提供が以下に説明される。
マルチキャスティングは、3GPP LTE規格の一般的な原理に従って動作する通信システムのような、様々な通信システムにおいて使用される確立された技術である。マルチキャスティングは、マルチキャストデータを受信するために定義されたグループのメンバである複数の端末デバイスへのデータの同時送信として、一般的に特徴付けられ得る。 マルチキャストサービスは、ブロードキャストサービスおよびユニキャストサービスと対比されるかもしれない。例えば、ブロードキャストサービスは、いずれかの特定の定義づけられる、端末デバイスのサブグループの一部であることを必要とするデバイスのない複数の端末デバイスによって受信されるデータの送信により、一般的に特徴付けられ得る。一方で、ユニキャストサービスは、個々の端末デバイスに明確にあてられるデータを伴って、個々の端末デバイス向けのデータの送信により、一般的に特徴付けられ得る。
マルチキャスティングは、上述した種類のマシンタイプ通信の端末デバイスにデータを通信するための、特に有用なモードであり得、頻繁に、排他的でなく、仮想キャリアと関連し得ると、発明者は認識している。なぜなら、多くの場面において、同じデータが送信される多くのマシンタイプ通信端末が存在するであろうことが予期されるからである。例えば、公共プロバイダは、所定の通信セル内の全スマートメータに、新しい価格情報またはソフトウェアアップデートを通信することを切望するかもしれず、または自動販売機のオペレータは、新しい価格情報をMTCデバイス(すなわち、無線通信システムを用いてMTCサーバと無線でデータを通信する能力を有する)として構成される自動販売機に通信することを切望するかもしれない。複数の端末デバイスへの同じデータの送信を要求する類似の場面は、例えば、いわゆるスマートグリッドおよびリモートヘルスケアに伴うマシンタイプ通信ネットワーク/デバイスの実装のような他の状況において発生するかもしれない。そのため、上述した種類の仮想キャリアがマルチキャスト送信信号をサポートするために採用され得る、多くの状況が存在するであろうことが予期される。
1つの例示的な場面は、本発明の一実施形態に従って、マルチキャストサービスを一般に実装するLTEベースの通信システム1600についてのアーキテクチャを示す図16に概略的に示される。システム1600は、上述した種類の仮想キャリアにわたって、複数の端末デバイス1612と通信するように構成されるeNodeB(基地局)1610を含む。簡単にするために、1つの基地局1610のみが図16に示されるが、一般的には、様々な地理的場所(すなわち、様々なネットワークのセルにおいて)の範囲にわたる端末デバイスについてカバレッジを提供するために、複数の基地局が存在するであろうことが理解されるであろう。
端末デバイス1612は、図16に示される例においては自動販売機1614である、関連付けられる「マシン」1614と通信可能に接続される。そのため、端末デバイス1612は、自動販売機に、基地局1610を介してリモートMTCサーバ(図示せず。)と通信ネットワーク1600を通って通信する手段を提供する。従来通り、基地局1610は、無線信号の送信および受信のための送受信機ユニット1610a、および本明細書で説明された原理に従って、要望通りに動作させるために、基地局1610を制御するように構成されるコントローラユニット1610bを備えてもよい。また、従来通り、端末デバイス1612は、各々、無線信号の送信および受信のための送受信機ユニット1612a、および本明細書で説明された原理に従って、要望通りに動作させるために、各々の端末デバイス1612を制御するように構成されるコントローラユニット1612bを備えてもよい。例えば、各々のコントローラユニット1610b、1612bは、無線通信システムにおける機器についての従来のプログラミング/構成技術を用いて、求められる機能性を提供するために、適切に構成され、プログラムされる各々のプロセッサユニットを備えてもよい。
端末デバイス1612は、関連付けられる自動販売機に適用されるはずである値上げを示す基地局1610からのマルチキャスト通信を受信するように、図16に概略的に示される。端末デバイス1612(おそらく、他の基地局によってサービスされる他のセルにおける他の端末デバイスと共に)は、マルチキャストグループを形成し、図16に概略的に表される「値上げ」通信は、例えばグループIDをあてるマルチキャストに基づくような、確立されたマルチキャスティングの一般的な原理に従って、このマルチキャストグループにあてられ得る。「値上げ」通信は、自動販売機1614のネットワークの動作を管理する役割を果たすリモートMTCサーバによって引き起こされ得、一般的な従来技術に従って、端末デバイス1612へのマルチキャスト送信信号について基地局1610にルーティングされ得る。さらに、「値上げ」マルチキャスト通信を受信する端末デバイス1612は、マルチキャスト通信から関連する情報を抽出するように構成され得、やはり一般的な従来技術を用いて、それらと関連付けられる、結果として反応し得る自動販売機1614に情報を渡し得る。
図16に示される端末デバイス1612に値上げメッセージを通信するために、マルチキャストアプローチを用いることの潜在的な利点は、個々の端末デバイスへのユニキャストアプローチと比較して、低減されたシグナリングオーバヘッドである。これは、制御プレーンシグナリング(例えば、図15に示される仮想キャリア上のPDCCH1514)の点、およびユーザプレーンシグナリング(例えば、図15に示される仮想キャリア上のPDSCH)の点の両方の場合であり得る。セル内の多くの端末デバイスに伴って、ユニキャスト手法におけるMTCメッセージを個々の端末デバイスに転送するための制御およびユーザプレーンのシグナリングの量は、容易に利用可能なリソースの合計の大半を占めるようになりかねず、システムを非効率にし、おそらく実現さえ困難にしかねない。制御プレーンシグナリングは、特に、オーバーロードされ得る。なぜなら、通信される実際のユーザプレーンデータ、例えば値上げという単純な標識は、それ自身において比較的小さくあり得るためである。
そのため、複数の端末デバイスにデータを通信するためにマルチキャスト技術を用いることは、制御シグナリングのオーバヘッドの量を低減することを助け得る。しかし、マルチキャスト送信信号についての、例えば関連する既存のLTE規格において定義されるような現在の技術の難点は、送信についての受信を確認応答するための端末デバイスについてのメカニズムの不足である。これはマルチキャストサービスが単方向サービスであるからである。本発明者は、既存のマルチキャストスキームのこの側面が多くの場面、特に、図16の自動販売機の例のような一部のMTCアプリケーションにおいて弊害のある影響があり得ることを認識している。例えば、全ての自動販売機1614が成功裏に新たな価格情報を受信しない場合に、それは問題となり得る。なぜなら、機械の一部は、誤った価格を請求していることになるからである。現行のマルチキャスト技術を用いるため、自動販売機1614のネットワークを管理する役割を果たすMTCサーバは、各々の自動販売機が成功裏に所定のマルチキャスト送信信号を受信したからどうかを確定することができないであろう。この理由として、MTCサーバは、修正動作(例えば、データの再送)が要求されたかを知ることができないためである。
通信システムは、一般的に、例えば定められるARQ(自動再送要求)/HARQ(ハイブリッド自動再送要求)手続に従って、ACK/NACKシグナリングに基づく、ユニキャスト通信/パケットの正確な受信についての確認応答を行う端末デバイスについてのメカニズムを提供する。例えば、LTEは、ETSI TS 136 213 V10.2.0(2011−06)/3GPP TS 36.213 version 10.2.0 Release 10)[10]およびETSI TS 136 321 V10.2.0(2011−06)/3GPP TS 36.321 version 10.2.0 Release 10)[11]において説明されるようにHARQ手続を採用している。
図17Aは、図15に表されるアップリンクおよびダウンリンク送信リソースが、ユニキャストコンテキストにおける仮想キャリアについてのHARQ手続を提供するために、どのように用いられ得るかを概略的に表す。図17Aの様々な要素は、上記説明の図15における対応する要素から理解されるであろう。一般に、HARQ手続は、従来(すなわち、仮想的でない)キャリアについてと同様の一般的な方法において動作し得る。すなわち、仮想キャリアが実装されない通信システムにおける従来のHARQ技術の原理に従うことにより、それは動作し得る。この例において、通信システムは、一般的にLTEに準拠したシステムであると仮定される。そのため、仮想キャリアのサブフレームiにおけるPDSCH1516上で端末デバイスにより受信されるダウンリンクデータは、仮想キャリアのサブフレームi+4におけるPUCCH1564上で送信されるアップリンクACK/NACK信号によって確認応答され/否定応答される。これは、4つ前のサブフレームから各々のダウンリンクデータ送信1712、1722、1732に関連付けられる3つのアップリンクACK/NACK信号レスポンス1710、1720、1730によって、図17Aに概略的に示される。従来のLTE ACK/NACK手続と同様に、ACK/NACKシグナリングもまた、例えば、端末デバイスが、ACK/NACKレスポンスと同じサブフレームにおけるPUSCH上のユーザプレーンデータについてアップリンクリソースを割当てられた場合に、PUSCH上で送信され得る。
図17Bは、アップリンクPUCCHリソース1564が、本発明の実施形態に従って動作する仮想キャリアについて、どのように割当てられ得るかを概略的に表す。図17Bに示されるアップリンク送信リソースグリッドは、仮想キャリアの範囲に相当する帯域幅について、図15に示されるアップリンク送信リソースグリッド1550の単一のサブフレームに対応する。この例について、仮想キャリアPUCCHリソース割当ては、概して、従来のLTEキャリアと同じ原理に従うと仮定される。そのため、リソースは、仮想キャリアについての上部または下部の周波数の境界/端に向かって二つ一組で割当てられる。図17Bに示される例において、個々の一組に割当てられるリソースは、同じ文字A、B、C、D、E、またはFによって示される。図17Bに示される例においては、サブフレーム毎に36個の送信信号のための十分なPUCCHリソースがある。発明者は、これらの異なるリソースが、異なる端末デバイスによって、マルチキャスト送信信号への応答として、ACK/NACKを送信するために用いられ得ることを認識している。
そのため、本発明の一部の実施形態は、基地局から複数の端末デバイスにマルチキャスト送信信号を送信することと、各々の端末デバイスが成功裏にマルチキャスト送信信号を受信したか否かを示すために、端末デバイスのうちの各1つからレスポンス信号を受信することと、を含む無線通信システムにおけるデータを通信する方法を提供する。さらに、これは、ホストキャリアの動作帯域幅内の、上述した種類の仮想キャリアを用いて、なされ得る。
これは、例えば複数の関連付けられるMTCデバイスにマルチキャストデータの送信を引き起こし、どの程度送信信号が意図された受信対象によって受信されたかに関して、基地局を介したフィードバックを受信するMTCサーバについてのメカニズムを提供する。例えば、基地局は、個々のレスポンス信号に関してMTCサーバに情報を転送してもよく、または全ての意図された受信対象端末がマルチキャスト送信信号を受信したか否かを示すために、MTCサーバにメッセージを単に送信するだけでもよい。そして、MTCサーバは、適切な一連のアクションを決定し得る。例えば、MTCサーバが基地局により、マルチキャスト送信信号を成功裏に受信しなかった、少なくとも1つのMTCデバイスが存在することを通知される場合、MTCサーバは、早急に、または後工程で、再送の動機付けを与えることを決定してもよく、当該送信が重大でないことを決定し、アクションを取らなくてもよい。
他の例では、MTCサーバは、レスポンス信号によって提供されるフィードバックメカニズムにおいて役割を果たさなくてもよく、これは、専ら、通信ネットワークによって、例えば個々の基地局内で管理されてもよい。すなわち、基地局は、レスポンス信号を受信し、基地局の地域内の意図された受信対象デバイスのどれ(もしあれば)がマルチキャスト送信信号の成功裏の受信を確認応答していないか(例えば、それらが応答しなかったか、または否定的な確認応答を応答したために)を確定し、適切にデータを再送するアクションを取るように構成され得る。基地局は、成功裏の受信を示していない、サービスを受けている端末デバイスの数に依存する、異なる再送ストラテジを確定してもよい。例えば、基地局のセル内に多くの失敗した受信対象が存在する場合は、他のマルチキャストを手段とする再送が適切であると考えられるかもしれない。しかし、1つのみまたは少数の失敗した受信対象しか存在しない場合は、個々の端末デバイスが成功裏の受信をレポートしないユニキャスト送信スキームは、より適切であると考えられるかもしれない。
図18Aは、図15に表されたアップリンクおよびダウンリンク送信リソースが、本発明の一実施形態に従って、マルチキャストコンテキストにおける仮想キャリアについてHARQ手続を提供するために、どのように用いられるかを概略的に表す。図18Aの様々な要素は、図15の対応する要素の上記説明から理解されるであろう。そのため、図18Aは、図に表されたダウンリンク無線フレームの異なるサブフレームにおけるPDSCH上に発生する3つのマルチキャスト送信信号1812、1822、1832を概略的に示す。これらのマルチキャスト送信信号は、従来の技術に基づいていてもよく、通常の方法におけるマルチキャストグループIDに基づいて、意図された受信対象を識別してもよい。図18Aに示される3つの異なる送信信号は、互いに関係がなくてもよく(例えば、異なるマルチキャストグループ向けの独立した送信信号)、例えば、同じマルチキャストグループについての一連の送信信号として関係していてもよい。送信される情報の特性は、基本的な動作原理にとって重要でない。
本発明の実施形態によれば、送信信号が生成されるマルチキャストグループのメンバである端末デバイスは、マルチキャスト送信信号への応答として、確認応答/否定的な確認応答(ACK/NACK)を送信するように構成される。これらのマルチキャストACK/NACKレスポンス信号の構成は、例えばシグナリングの形式および内容の点で、従来のユニキャスト送信スキームと関連付けられる従来のACK/NACKシグナリングと同じ一般的な原理に従ってもよい。さらに、図17Aと同様に、マルチキャスト送信信号への応答として、仮想キャリアコンテキストで送信されるマルチキャストACK/NACKレスポンスは、仮想キャリアに関連付けられるPUCCH1564上で送信されてもよい。ユニキャストコンテキストにおけるACK/NACKシグナリングについての既存のLTE規格に従って、ACK/NACKレスポンス信号は、端末デバイス(ユーザ機器−UE)によって、対応するダウンリンク送信信号がPDSCH上にスケジュールされたサブフレームよりも4つ後のサブフレームであるサブフレームにおいて送信される。ダウンリンク送信についてのスケジュール情報(レスポンス割当て)は、PDCCH上で搬送され、従来のユニキャストACK/NACKシグナリングについて、特定のACK/NACKシグナリングについて用いられるPUCCH上のアップリンク送信リソースは、ダウンリンク送信に割当てるために用いられるPDCCHリソースに基づいている。
しかし、マルチキャストコンテキストにおいては、異なるアップリンク送信リソース(例えば、時間および/または周波数および/または符号の点で)は、レスポンス信号が基地局で判別されることを可能にするために、異なる端末デバイスからのACK/NACKシグナリングについて用いられるかもしれない。例えば、図17Bに示されるアップリンクサブフレーム構造、およびACK/NACKシグナリングについての仮想キャリアPUCCHの使用に基づいて、36個の異なる端末デバイスは、マルチキャストデータが送信されるサブフレームよりも4つ後のサブフレームであるサブフレームにおける36個の利用可能なPUCCHリソースのうちの異なる各々1つを使用するように構成されてもよい。これは、各々の対応するマルチキャスト送信信号1812、1822、1832よりも4つ後のサブフレームにおいて36個のACK/NACK信号を各々含む3つのPUCCH領域1810、1820、1830によって、図18Aに概略的に表される方法である。異なる端末デイバスは、初期セットアップ手続中に、それらの各々のACK/NACKシグナリングについて使用するために特定のリソースを割当てられ得る。例えば、異なる端末デバイスは、C−RNTIが割当てられる場合、各々のサブフレーム内で用いるための特定のPUCCHリソースに関する情報を提供されてもよい。他の例では、マルチキャスト送信信号に関連付けられる追加的なシグナリングが、ACK/NACKレスポンス信号について各々の端末デバイスに特定のPUCCHリソースを割り当てるために、基地局によって用いられてもよい。そのため、受信されたACK/NACKレスポンスが対応する端末デバイスにマッピングされることを可能にするために、各々の基地局が、異なるマルチキャストグループ内の異なる端末デバイスによってACK/NACKシグナリングについて使用される異なるアップリンクリソースを管理し得る、数多くの方法が存在する。
ユニキャストコンテキストにおける従来のACK/NACK手続について、関係のあるサブフレーム(ダウンリンク送信よりも4つ後のサブフレーム)内のACK/NACKレスポンスについて用いられる特定のPUCCHリソースは、様々な方法における端末デバイスによって導出され得る。例えば、動的ダウンリンクスケジューリングを伴う、ACK/NACKレスポンスを送信する場合に用いる特定のPUCHHリソースは、ACKされ/NACKされるPDSCHデータ送信についてのPDCCH上の割当てメッセージによって黙示的にシグナリングされる。代わりに、半永続的なスケジューリングを伴う、ダウンリンク送信についての、対応するPDCCH割当てデータは必ずしも存在せず、この場合、関係のあるサブフレーム(例えば、ダウンリンクより4つ後のサブフレーム)内で用いる特定のPUCCHリソースは、ダウンリンク送信をセットアップすることについての手続の一部として事前に定義され得る。
マルチキャストコンテキストにおいては、各々の端末デバイスによって用いる特定のPUCCHリソースが確立され得る、多くの異なる方法もまた存在する。
例えば、eNodeBは、各々の端末デバイスがそれら自身のPUCHHリソースを導出することができる、マルチキャストダウンリンク送信に関連するPDCCHまたはPDSCH上の追加的なシグナリングを通して標識を提供してもよい。例えば、eNodeBは、対応する端末デバイスによって、ACK/NACKシグナリングについて用いられる特定のPUCCHアップリンクリソース(または、全く別のいずれかのアップリンクリソース)に伴って、当該sNodeBの電波到達範囲内のマルチキャストグループのメンバである異なる端末デバイスについての特定の識別子(例えば、無線ネットワークの一時的な識別子−RNTI)と結びついている情報を送信してもよい。そのため、様々な端末デバイスは、この情報を受信し、それらの特定の識別子をマルチキャストグループの他のメンバの中から識別し、および結果として適切なアップリンクリソースを確定し得る。アップリンクリソース標識は、例えば、サブフレーム内の特定のリソースおよび使用する特定のサブフレームを特定してもよく、または単に、例えば、対応するマルチキャスト送信信号が生成されるサブフレームよりも4つ後のサブフレームのような、既定のサブフレームにおいて使用されるサブフレーム内の特定のリソースを特定してもよい。
他の例では、ACK/NACKシグナリングについて所定の端末デバイスによって用いられる特定のリソースは、セットアップ手続中に確立されてもよい。例えば、ACK/NACKシグナリングが本発明の一実施形態に従って用いられるマルチキャストグループのメンバである端末デバイスが、最初にeNodeBに接続する場合、またはマルチキャスト送信信号が、最初に開始する場合。
図18Bは、基地局(eNodeB)1850が、ACK/NACKシグナリングのリソース情報(すなわち、ACK/NACKシグナリングについて使用するためのアップリンクリソース上の情報)を、両方とも同じマルチキャストサービスAへの加入者である、UE X(参照番号1860によって識別される)およびUE Y(参照番号1870によって識別される)のような異なる端末デバイス(UE)に、どのように通信し得るかを示すシグナリングのラダー図である。
図18Bの例においては、ACK/NACKシグナリングのリソース情報は、端末デバイスがネットワークに接続する場合、初期セットアップステージ中に定義される。そのため、例えば、UE Xは、起動後、eNodeBにより認識されるために、ランダムアクセスプリアンブルをeNodeBに送信する。ランダムアクセスハンドシェイク手続後、RRCシグナリングが交換され、端末デバイス1860(UE X)は、eNodeBによって、C−RNTI(Cell Radio Network Temporary Identity)を割当てられる。C−RNTIは、enodeBとの通信においてUEを識別するために用いられるアドレスである。図18Bの例では、UE Xが「X」というC−RNTIを割当てられると仮定される。このシーケンスにおいては、UE特有のC−RNTI割振りと共に、マルチキャストグループに関連付けられるグループC−RNTIもまた、UEに通信される。図18Bの例では、関係のあるマルチキャストサービスが「A」というグループC−RNTIに関連付けられると仮定される。このC−RNTIの割当ての処理は、知られている技術に従って、一般的に実行され得る。しかし、2つのタイプのC−RNTIを割当てることに加えて、eNodeBはまた、「A」というマルチキャストのグループC−RNTIにあてられるマルチキャスト送信信号への応答として、ACK/NACKシグナリングについて特定のアップリンクリソースを確定する場合、UEによって用いられるACK/NACKシグナリングのリソースをUE Xに割り当てる。図18Bの例では、UE Xは、ACK/NACKシグナリングのリソース情報「M」を割当てられると仮定され、「M」(すなわち識別子)は、当該スキームで実装される仮想キャリアのサブフレーム内の特定のPUCCHリソースに対応する。
UE Xに、C−RNTI「X」、グループC−RNTI「A」、およびACK/NACKシグナリングのリソース情報「M」を割当てることに関連付けられるセットアップシグナリングは、参照数字1880によって図18Bに概略的に表される。
類似のセットアップシグナリング(参照数字1882により図18Bで概略的に表される)は、端末デバイス1870(UE Y)について提供される。そのため、例えば、UE Yは、起動後、eNodeBにより認識されるために、ランダムアクセスプリアンブルをeNodeBに送信する。ランダムアクセスハンドシェイク手続後、RRCシグナリングが交換され、端末デバイス1870(UE Y)は、eNodeBによってC−RNTIを割当てられる。C−RNTIは、eNodeBと通信してUE Yを識別するために用いられるアドレスである。図18Bの例では、UE Yは、「Y」というC−RNTIを割当てられると仮定される。このシーケンスにおいては、UE特有のC−RNTI割振りと共に、マルチキャストグループに関連付けられるグループC−RNTIもまた、UEに通信される。図18Bの例では、関係のあるマルチキャストサービスが、「A」というグループC−RNTIに関連付けられる。UE Xと同様に、UE Yについて、2つのタイプのC−RNTIを割当てることに加えて、eNodeBはまた、「A」というマルチキャストグループC−RNTIにあてられるマルチキャスト送信信号への応答として、ACK/NACKシグナリングについて特定のアップリンクリソースを確定する場合、UE Yによって用いられるACK/NACKシグナリングのリソースをUE Yに割り当てる。図18Bの例では、UE Yは、ACK/NACKシグナリングのリソース情報「N」が割当てられると仮定され、「N」は、UE XについてのACK/NACKシグナリングのリソース情報「M」によって示されるそれと異なる、仮想キャリアのサブフレーム内の特定のPUCCHリソースを識別する。
続いて、グループC−RNTI=「A」に対応するマルチキャストグループIDにあてられるダウンリンクマルチキャスト送信信号1884が生成される。これは、端末デバイスUE XおよびUE Yと関連付けられるリモートMTCサーバによって動機付けが与えられ、通常の方法における送信のために、ネットワークを通してeNodeB1850に知らされ得る。
端末デバイスUE XおよびUE Yは、マルチキャスト送信信号が、グループC−RNTI=「A」に基づくそれら向けであることを認知する。そのため、各々の端末デバイスは、送信信号を受信し、および処理しようとし、上述した本発明の実施形態の原理に従って、マルチキャスト送信信号によってあてられる端末デバイスは、それに応じてアップリンクACK/NACK信号を送信するように構成される。図18Aに概略的に表されるように、この例では、端末デバイスは、マルチキャスト送信信号1884を含むサブフレームよりも4つ後のサブフレームにおいて、適切なACK/NACKシグナリングを応答する(すなわち、ユニキャストACK/NACKシグナリングと同じ一般的なタイミングに従う)ように構成されると仮定される。さらに、異なるUE1860、1870は、それらがセットアップ中に受信される、各々のACK/NACKシグナリングのリソース標識に従って、それらの各々のACK/NACKシグナリングについて異なるPUCCHリソースを用いるように構成される。そのため、この例では、UE X1860は、ACK/NACKシグナリングリソース標識「M」(シグナリング1886によって図18Bに概略的に告発される)によって識別される、PUCCHリソース上の関係のあるサブフレームにおいてACK/NACKレスポンスを送信し、UE Y1870は、ACK/NACKシグナリングのリソース標識「N」(シグナリング1888によって図18Bに概略的に告発される)によって識別されるPUCCHリソース上の関係のあるサブフレームにおいてACK/NACKレスポンスを送信する。ACK/NACKレスポンス信号1886、1888についての特定の形式は、重要でなく、いずれの求められるスキームに従って、構成されてもよく、例えば、それは、ユニキャスト送信に関連付けられる、確立されたACK/NACKレスポンスシグナリングと同じ一般的な原理に、単に従うのみでもよい。
そのため、図18Bは、eNodeB1600、1850が、ACK/NACKレスポンスシグナリングについて異なる端末デバイスによって用いられる異なるアップリンクリソースを管理するために、異なるPUCCHリソースを、所定のマルチキャストサービスに加入している異なる端末デバイスに割り当てる一つの例示的なスキームを示す。代わりのスキームが、他の例で用いられてもよい。例えば、一部の場合において、ACK/NACKシグナリングリソースの標識は、セットアップ手続中に、異なる端末デバイスに明示的に通信されず、代わりに、例えば、eNodeBによって割り当てられる特定のC−RNTI内に、黙示的に通信されてもよい。例えば、eNodeBは、所定のマルチキャストグループ内の端末デバイスに割当てられ、C−RNTIの特徴が、どのアップリンクリソースが各々の端末デバイスによって用いられるはずであるかを示すために用いられ得る、一連のC−RNTIの値を実質的に予約してもよい。例えば、eNodeBは、例えば下位数ビットのような数字の一部が各々の端末デバイスについて異なる数に対応し、各々の端末デバイスのどれがACK/NACKシグナリングについての適切なアップリンクPUCCHリソースを導出するかに基づく、シリーズからC−RNTIの値を割り当てる。原理上、所定のマルチキャストグループ内の異なる端末デバイスは、各々、ネットワークシグナリングにない特定のアップリンクリソースを用いるように構成され得、例えば、その情報は、端末デバイスにおいて、例えば製造または配備中に、実質的に組み込まれ得る。このアプローチは、おそらく柔軟性がより低いが、それでもなお、一部の場合、例えば、わずかしかない、または広範囲の時間でマルチキャストグループメンバの変化であろうことが既知である場合において適切であるかもしれない。
一部の場合では、所定のサブフレームにおいて、36個よりも少ないPUCCHリソースが利用可能であるかもしれず(例えば、悪条件のチャネル状況のために)、たとえACK/NACKシグナリングについて36個の利用可能なPUCCHリソースがある場合でも、36台以上のマルチキャスト送信信号を受信する端末デバイスが存在するかもしれない。サブフレーム当たりに利用可能なPUCCHリソースよりも多いACK/NACKレスポンス信号が存在し得る、このような場合において、システムは、追加的なリソース、例えば、追加的なサブフレームにおけるPUCCHリソース、追加的な仮想キャリア上のPUCCHリソース、またはアップリンク周波数リソースグリッドにおける他の場所の他のリソース(例えば、仮想キャリアのPUSCH上の)を用いるように構成されてもよい。
これに関して、マルチキャストグループの端末デバイスは、ACK/NACKシグナリングが、単一のサブフレームにおけるPUCCH上に適応されるいくつかの端末デバイスを含む各々のサブグループを伴うサブグループに、概念上分けられ得る。例えば、各々のサブフレームにおいて36個の利用可能なPUCCHリソースが存在し、所定のマルチキャストグループにおいておよそ60台の端末デバイスが存在すると仮定すると、デバイスのうちの36台は、第1のサブグループ(サブグループI)に割当てられ得るが、残りの24台の端末デバイスは、第2のサブグループ(サブグループII)に割当てられ得る。もちろん、マルチキャストグループにおいてさらにより多くの端末デバイスが存在する場合、より多くの定義される概念的なサブグループが存在してもよい。そして、ACK/NACKレスポンスシグナリングについての異なる端末デバイスによって用いられるリソースは、異なるサブグループについて異なるように構成され得る。例えば、異なるサブグループは、異なるサブグループまたは異なる仮想キャリアで応答するように構成されてもよい。
図19は、仮想キャリアの各々のサブフレームにおけるACK/NACKレスポンスについて利用可能なPUCCHリソースが存在するよりも多くの受信対象の端末デバイスが存在する場合に、本発明の一実施形態に従って、マルチキャストコンテキストにおける仮想キャリアについてのHARQ手続を提供するために、どのようにアップリンクおよびダウンリンク送信リソースが用いられるかを概略的に表す。図19の様々な要素は、図15および18の対応する要素の説明から理解されるであろう。ここに示される例では、PUCCHは、各々のサブフレームにおける、別個の端末デバイスからの36個のACK/NACKレスポンス信号をサポートすることが可能であると仮定されるが、37〜72の端末デバイスがマルチキャスト送信信号を受信する、どこかの場所が存在する。そのため、端末デバイスは、上述したように、2つのサブグループに、概念上分けられる。当該サブグループは、本明細書ではサブグループIおよびサブグループIIとして呼ばれ得、この例では、端末デバイスは、それらが属するサブグループを認知すると仮定される。さらに以下に説明されるように、異なる端末デバイスに、関係のあるサブグループ情報(関係のある概念上のサブグループを示す情報)を通信する様々な方法が存在する。
図19に示されるスキームによれば、異なるサブグループにおける端末デバイスは、異なるサブフレームにおいてACK/NACKレスポンス信号を送信するように動作する。これは、基地局に、単一のサブフレーム内に適応され得るよりも多くのレスポンスを受信することを可能にする。そのため、この特徴的な例では、マルチキャスト送信信号1912への応答として、サブグループIの端末デバイスは、PUCCHリソース1910を用いて、4つ後のサブフレームのそれらのACK/NACK信号を送信するように構成され、サブグループIIの端末デバイスは、PUCCHリソース1920を用いて、5つ後のサブフレームのそれらのACK/NACK信号を送信するように構成される。そのため、基地局は、所定のマルチキャストグループのメンバである端末デバイスを、ACK/NACKシグナリングについて端末デバイスによって用いられるアップリンクリソースの割振り目的で、実質的にグループ分けすることが可能である。
図20は、仮想キャリアの各々のサブフレームにおけるACK/NACKレスポンスについて利用可能なPUCCHリソースが存在するよりも多くの受信対象の端末デバイスが存在する場合に、本発明の他の実施形態に従って、マルチキャストコンテキストにおける仮想キャリアについてのHARQ手続を提供するために、アップリンクおよびダウンリンク送信リソースが、どのように用いられ得るかを概略的に表す。図20の様々な要素は、図15および18の対応する要素の説明から理解されるであろう。しかし、図15および18では、単一の仮想キャリアが、ホストキャリア帯域幅内に提供されるが、図20の例では、リソース割当て目的で定義される、2つの別個の仮想キャリア(VC1およびVC2)が存在する。2つの仮想キャリアは、互いに同じ方法で構成され得、各々の1つは、順に、相違点が各々の仮想キャリアに割当てられる、異なる動作する周波数であることを伴って、上述した単一の仮想キャリアの例と同じであったことにおいて定義され得る。
ここで示される例では、各々のPUCCH(1564、1564’)は、各々のサブフレームにおける、別個の端末デバイスからの36個のACK/NACKレスポンス信号をサポートすることが可能であると仮定されるが、第1の仮想キャリアVC1上で、37〜72の端末デバイスがマルチキャスト送信信号を受信する、どこかの場所がやはり存在する。前述同様に、端末デバイスは、サブグループIおよびサブグループIIとしてやはり呼ばれ得る、2つのサブグループに概念上分けられる。
図20に示されるスキームによれば、異なるサブグループにおける端末デバイスは、同じサブフレームにおいてACK/NACKレスポンス信号を送信するように動作するが、異なる仮想キャリアを用いてである。これは、基地局に、単一の仮想キャリアの単一のサブフレーム内に適応され得るよりも多くのレスポンスを受信することを可能にする。そのため、この特徴的な例では、マルチキャスト送信信号2012への応答として、サブグループIの端末デバイスは、仮想キャリアVC1上で、PUCCHリソース2010を用いて、4つ後のサブフレームのそれらのACK/NACK信号を送信するように構成されるが、サブグループIIの端末デバイスは、仮想キャリアVC2上で、PUCCHリソース2020を用いて、対応ソウルサブフレームにおけるそれらのACK/NACK信号を送信するように構成される。これは、基地局が、ACK/NACKシグナリングについて端末デバイスによって用いられる異なるアップリンクリソースの割振り目的で、マルチキャストグループのメンバである端末デバイスを、サブグループにグループ分けすることを可能にする、他のメカニズムを提供する。
図21は、基地局(eNodeB)2100が、両方とも同じマルチキャストサービス「A」の加入者である、UE X(参照番号2110によって識別される)およびUE Y(参照番号2120によって識別される)のような異なる端末デバイス(UE)に、サブグループ分け情報をどのように通信し得るかを示すシグナリングのラダー図である。
図21の例では、サブグループは、端末デバイスが根とワークに接続する場合、初期セットアップステージ中に定義される。そのため、例えば、UE Xは、起動後、enodeBによって認識されるために、enodeBにランダムアクセスプリアンブルを送信する。ランダムアクセスハンドシェイク手続後、RRCシグナリングが交換され、端末デバイス2110(UE X)は、enodeBによって、C−RNTI(Cell Radio Network Temporary Identity)を割当てられる。C−RNTIは、enodeBとの通信においてUEを識別するために用いられるアドレスである。図21の例では、UE Xが「X」というC−RNTIを割当てられると仮定される。このシーケンスでは、UE特有のC−RNTI割振りと共に、マルチキャストグループに関連付けられるグループC−RNTIもまた、UEに通信される。図21の例では、関係のあるマルチキャストサービスが「A」というグループC−RNTIに関連付けられると仮定される。このC−RNTI割当ての処理は、知られている技術に従って、一般的に実行され得る。しかし、2つのタイプのC−RNTIを割当てることに加えて、enodeBはまた、「A」というマルチキャストグループC−RNTIにあてられるマルチキャスト送信信号への応答として、ACK/NACKシグナリングについてのリソースを確定する場合に、UEによって用いられるマルチキャストサブグループIDを、UE Xに割当てる。図21の例では、UE Xは、マルチキャストサブグループID「I」に割当てられると仮定される。
一部の例では、UE Xはまた、図18Bに示されるように、ACK/NACKシグナリングについてUEが用いる所定のサブフレームにおけるPUCCHリソースへとしての、このステージにおける標識を提供されることが理解されるであろう。しかし、これは、簡単にするために、図21(または後述の図22)に表されない。
UE Xに、C−RNTI「X」、グループC−RNTI「A」、およびサブグループID「I」を割当てることに関連付けられるセットアップシグナリングは、参照数字2130によって図21に概略的に表される。
類似のセットアップシグナリング(参照数字2140によって図21に概略的に表される)は、端末デバイス2120(UE Y)について提供される。そのため、例えば、UE Yは、起動後、enodeBによって認識されるために、enodeBにランダムアクセスプリアンブルを送信する。ランダムアクセスハンドシェイク手続後、RRCシグナリングが交換され、端末デバイス2120(UE Y)は、enodeBによってC−RNTIを割当てられる。C−RNTIは、enodeBとの通信においてUE Yを識別するために用いられるアドレスである。図21の例では、UE Yは、「Y」というC−RNTIを割当てられると仮定される。このシーケンスでは、UE特有のC−RNTIの割振りと共に、マルチキャストグループに関連付けられるグループC−RNTIもまた、UEに通信される。図21の例では、関係のあるマルチキャストサービスは、「A」というグループC−RNTIに関連付けられる。2つのタイプのC−RNTIを割当てることに加えて、enodeBはまた、「A」というマルチキャストグループC−RNTIにあてられるマルチキャスト送信信号への応答として、ACK/NACKシグナリングについてのリソースを確定する場合に、UEによって用いられるマルチキャストサブグループIDを、UE Yに割当てる。図21の例では、UE Yは、マルチキャストサブグループID「II」に割当てられると仮定される。
続いて、グループC−RNTI=「A」に対応するマルチキャストグループIDにあてられるダウンリンクマルチキャスト送信信号2150が生成される。これは、端末デバイスUE XおよびUE Yに関連付けられるリモートMTCサーバによって動機付けが与えられ、通常の方法における送信のために、ネットワークを通してenodeB2100に知らされ得る。
端末デバイスUE XおよびUE Yは、通常の方法において、マルチキャスト送信信号が、グループC−RNTI=「A」に基づくそれら向けであることを認知する。そのため、各々の端末デバイスは、送信信号を受信し、および処理しようとし、本発明の実施形態の上述した原理に従って、マルチキャスト送信信号によってあてられる端末デバイスは、それに応じてアップリンクACK/NACK信号を送信するように構成される。この例では、端末デバイスは、それらがマルチキャストサブグループID「I」に関連付けられる場合、第1の時間の経過後(シグナリング2160によって図21に概略的に告発される)に、それらがそれらのACK/NACKレスポンスを送信し、それらがマルチキャストサブグループID「II」に関連付けられる場合、第1の時間と異なる第2の時間の経過後(シグナリング2170によって図21に概略的に告発される)に、それらがそれらのACK/NACKレスポンスを送信するように構成される。例えば、enodeBによってマルチキャストサブグループID「I」に割り当てられた端末デバイスについてのHARQタイミングは、端末デバイスUE Xが、ダウンリンクマルチキャスト送信信号よりも4つ後のサブフレームであるサブフレーム(例えば、図19の参照数字1910によって識別されるような)において、ACK/NACKシグナリングを伴って応答するようであってもよい。そして、enodeBによってマルチキャストサブグループID「II」に割当てられた端末デバイスについてのHARQタイミングは、端末デバイスUE Yが、ダウンリンクマルチキャスト送信信号よりも5つ後のサブフレームであるサブフレーム(例えば、図19の参照数字1920によって識別されるような)において、ACK/NACKシグナリングを伴って応答するようであってもよい。
図20を参照して上記したように、一部の実装では、異なるサブグループは、図19のような、異なるサブフレームにおけるACK/NACKシグナリングの代わりに(または加えて)、異なるキャリア上のACK/NACKレスポンスシグナリングと関連付けられてもよい。例えば、enodeBによってマルチキャストサブグループIDが割り当てられた端末デバイスについてのHARQレスポンスは、端末デバイスが、ダウンリンクマルチキャスト送信信号よりも4つ後のサブフレームであるサブフレームにおける第1の仮想キャリア(図20の参照数字2010によって識別されるような)上でACK/NACKシグナリングを伴って応答するようであってもよい。そして、enodeBによってマルチキャストサブグループ「II」を割当てられた端末デバイスは、端末デバイスが、ダウンリンクマルチキャスト送信信号よりも4つ前のサブフレームであるサブフレームにおける第2の仮想キャリア(図20の参照数字2020によって識別されるような)上でACK/NACKシグナリングを伴って応答するように構成されてもよい。
そのため、図21は、enodeB1600が、ACK/NACKレスポンスシグナリングについて異なる端末デバイスによって用いられるアップリンクリソースを管理するために、所定のマルチキャストサービスに加入している端末デバイスを、異なるサブグループに割当て得る、1つの例示的なスキームを示す。
図22は、基地局(enodeB)2200は、本発明の他の実施形態に従って、両方とも同じマルチキャストサービス「A」の加入者である、UE X(参照番号2210によって識別される)およびUE Y(参照番号2220によって識別される)のような異なる端末デバイスに、サブグループ分け情報を、どのように通信し得るかを示すシグナリングのラダー図である。
そのため、例えば、UE X2210は、起動後、図21における、確立された技術に従った手法と同じ一般的な手法において、enodeB2200からC−RNTIおよびマルチキャストグループC−RNTIを取得する。図21と同様に、図22の例では、UE Xは、「X」というC−RNTIを割当てられ、「A」というマルチキャストグループC−RNTIを提供される。UE Xに、C−RNTI「X」およびグループC−RNTI「A」を割当てることに関連付けられるセットアップシグナリングは、参照数字2230によって図22に概略的に表される。
類似するセットアップシグナリング(参照数字2240によって図22に概略的に表される)は、端末デバイス2220(UE Y)について提供される。そのため、UE Yは、起動後、enodeB2200から、C−RNTI「Y」およびマルチキャストグループC−RNTI「A」を取得する。
続いて、グループC−RNTI=「A」に対応するマルチキャストグループIDにあてられるダウンリンクマルチキャスト送信信号2250が生成される。これは、端末デバイスUE XおよびUE Yに関連付けられるリモートMTCサーバによって動機付けが与えられ、通常の方法における送信のために、ネットワークを通してenodeB2100に知らされ得る。この例示的な実施形態、本発明によれば、enodeB2200は、適応され得る、enodeBのセル範囲内のマルチキャストサービスに加入される端末デバイスから要求される、ACK/NACKレスポンスの合計数を保証するために、いくつのサブグループが必要とされるかを確定するように構成される。例えば、36個以下のACK/NACKレスポンスが単一のサブフレームにおいて適応され、enodeBのセル範囲内のマルチキャストサービス「A」に加入されるN台の端末デバイスが存在する場合、n=CEILING(N/36)の場合、N台の端末デバイスをn個のサブグループに分けることが適切であるかもしれない。
そして、enodeBは、ダウンリンクマルチキャスト送信信号2250(例えば、追加的なPDCCHフィールド)に関連して、値nを通信するように構成され得る。そして、端末デバイスは、nおよびそれらのC−RNTIに基づく、それらのACK/NACKレスポンスについて適切なリソースを確定し得る。例えば、個々の端末デバイスは、(C−RNTI mod n)の値を確定することによって、それら自身のサブグループIDを確定してもよい。enodeBによって様々なUEに割当てられるC−RNTIの値が適切に分布されると仮定するので、この処理は、端末デバイスが、実質的に、適切な数のサブグループに自己管理するであろうことを保証するであろう。C−RNTIの値が均一に分布されない場合(例えば、マルチキャストの加入者に割当てられる、偶数のC−RNTIの値が、奇数のC−RNTIの値よりも多い場合)、enodeBは、これに気付き、それに応じてnを増加させる。すなわち、enodeBは、どのサブグループも36以上のメンバを有さないことを保証するために、グループを「オーバセグメント」し得る。enodeBは、どれほどのC−RNTIが割当てられたかを正確に知得するため、それは、求められるよりも多いメンバを伴うサブグループがないことを保証するために、nがどの程度の大きさであるべきかを確定し得る。
図22の例では、ACK/NACKシグナリングについて利用可能なリソースを管理するために要求される2つのサブグループのみが存在すると仮定される。そのため、各々の端末デバイスは、(C−RNTI mod 2)という値に基づいてHARQタイミングを確定する。
端末デバイスUE XおよびUE Yは、通常の方法における、グループC−RNTI=「A」に基づくそれら向けのマルチキャスト送信信号2250を認知する。UE2210、2220はまた、enodeB2200によってシグナリングされたnの値からそれらのサブグループIDを確定する(この例ではn=2)。ここでは、マルチキャストサブグループID「I」に対応するものとして、C−RNTI「X」 mod 2 = 0、およびマルチキャストサブグループID「II」に対応するものとして、C−RNTI「Y」 mod 2 = 1、を仮定した。
各々の端末デバイスは、送信信号を受信し、および処理しようとし、本発明の実施形態の上述した原理に従って、マルチキャスト送信信号によってあてられた端末デバイスは、それに応じてアップリンクACK/NACK信号を送信するように構成される。この例では、端末デバイスは、それらがマルチキャストサブグループID「I」に関連付けられる場合、第1の時間の経過後(シグナリング2260によって図22に概略的に告発される)に、それらはそれらのACK/NACKレスポンスを送信し、それらがマルチキャストサブグループID「II」に関連付けられる場合、第1の時間と異なる第2の時間の経過後(シグナリング2270によって図22に概略的に告発される)に、それらがそれらのACK/NACKレスポンスを送信するように構成される。例えば、マルチキャストサブグループID「I」における端末デバイスについてのHARQタイミングは、端末デバイスUE Xが、ダウンリンクマルチキャスト送信信号よりも4つ後のサブフレームであるサブフレーム(例えば、図19の参照数字1910によって識別されるような)において、ACK/NACKシグナリングを伴って応答するようであってもよい。そして、マルチキャストサブグループID「II」における端末デバイスについてのHARQタイミングは、端末デバイスUE Yが、ダウンリンクマルチキャスト送信信号よりも5つ後のサブフレームであるサブフレーム(例えば、図19の参照数字1920によって示されるような)において、ACK/NACKシグナリングを伴って応答するようであってもよい。
図20を参照して上記したように、やはり、一部の実装では、異なるサブグループは、図19のような、異なるサブフレームにおけるACK/NACKシグナリングの代わりに(または加えて)、異なるキャリア上のACK/NACKレスポンスシグナリングと関連付けられてもよい。
単一のサブフレーム内に適応され得るよりも多いACK/NACKレスポンスをハンドリングするための他の例では、マルチキャストグループ自身が、異なるマルチキャストグループIDを有し、各々、同じサブフレームにおいてACK/NACKレスポンスを送信し得る、いくつかの端末デバイスを含む複数のより小さなマルチキャストグループに、実質的に分かれてもよい。そして、マルチキャストグループにおける全ての端末デバイス向けのマルチキャスト送信信号は、対応するマルチキャストIDを用いて、サブグループの各々についての別個のマルチキャスト送信信号として、別々に送信され得る。そして、各々のサブグループ内の端末デバイスは、図18Aを参照して上述した手法で、それらのマルチキャスト(サブ)グループIDにあてられるマルチキャスト送信信号に応答し得る。これは、全てのACK/NACKレスポンスが、マルチキャスト送信信号に従う所定のサブフレームにおいて受信されることを可能にするという利点を有するが、マルチキャストデータの複数の送信信号に依存する(なぜなら、それは各々のマルチキャストサブグループについて繰り返されるからである)。
さらに、1つの仮想キャリアの2以上のサブフレームにおけるACK/NACKレスポンスシグナリングを管理するためのメカニズムに関して、図19〜22に関連して上述した原理は、例えば、図18Bを参照して説明されたように、いずれかの所定のサブフレームを伴うACK/NACKレスポンスシグナリングを管理するための、上述した原理のいずれかと組合せられてもよいことが理解されるであろう。そのため、基地局(enodeB)は、どのアップリンクリソースが、2つのパラメータ、すなわち、サブフレーム構造に伴って用いるリソースの標識、および用いるサブフレームの標識に基づく所定のマルチキャストグループのメンバである異なる端末デバイス(UE)によって用いられるかを管理することが可能である。この2つのパラメータのアドレッシングメカニズムは、潜在的に多数ある異なる端末デバイスについて、異なるアップリンクリソースの標識を提供するための効率的な方法であり得る。しかし、どのアップリンクリソースを用いるかを示すことについての他のスキームが提供され得ることは理解されるであろう。例えば、基地局のセル電波到達範囲内に、所定のマルチキャストサービスに加入する100台の端末デバイス(例えば、自動販売機)が存在する場合、enodeBは、100個の連続したC−RNTIをそれらに単に割当てるのみでもよい。そして、各々の端末デバイスは、それのC−RNTIに基づくACK/NACKシグナリングについて用いる適切なアップリンクリソースを導出してもよい。例えば、サブフレーム毎にn個のACK/NACKレスポンスを適用し得るキャリアに伴って、C−RNTI「Z」を伴う端末デバイスは、Z/nの比に基づくサブフレーム内のリソースを用いて、サブフレームiにおいて、サブフレームi+4+FLOOR(Z/n)において、マルチキャスト送信信号に応答するように構成されてもよい。
添付の特許請求の範囲に定義される本発明の範囲を逸脱することなく、上記実施形態に様々な変更がなされてもよいことは理解されるであろう。
例えば、上記説明は、仮想キャリアコンテキストにおける本発明の実装に焦点をあてたが、本発明の他の例示的な実施形態は、例えば、上述した種類の仮想キャリアをサポートしないかもしれない他の従来の通信システムにおいて、実装されてもよいことは理解されるであろう。
さらに、本発明の実施形態は、LTEモバイル無線ネットワークを参照して説明されたが、本発明は、GSM、3G/UMTS、CDMA2000などの他の形態のネットワークに適用可能であることが理解されるであろう。本明細書で使用されるMTC端末という用語は、ユーザ機器(UE)、モバイル通信デバイス、端末デバイスなどと置き換え可能である。さらに、基地局という用語は、e−nodeBと同じ意味で使用されたが、それらのネットワークエンティティに機能性の違いはないことを理解されたい。
そのため、説明される無線通信システムにおける、基地局と複数の端末デバイスとの間でデータを通信する方法が説明された。当該方法は、基地局から複数の端末デバイスにマルチキャスト送信信号においてデータを送信することと、各々の端末デバイスが成功裏にマルチキャスト送信信号を受信したか否かを示すために、端末デバイスから基地局にレスポンス信号を送信することと、を含む。マルチキャスト送信信号の使用は、例えば、マシンタイプ通信ネットワークにおいて求められ得るデータと同じデータを、複数の端末デバイスに通信することについての効率的なメカニズムを提供する。この組合せにおいて、ACK/NACKシグナリングのような、端末デバイスからの個々のレスポンス信号の使用は、基地局またはマシンタイプ通信サーバのような他のエンティティに、マルチキャスト送信信号の成功裏の受信を示した端末デバイスを追跡し、その結果、適切な再送プロトコルの動機付けを与えることを可能にする。
本発明のさらなる特定の好ましい態様が添付の独立請求項および従属請求項に記載される。従属請求項の特徴は、特許請求の範囲に明示的に記載されるものを除いた組合せで、独立請求項の特徴と組み合わせられ得ることが理解されるであろう。
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Claims (32)

  1. 無線通信システムにおいてデータを通信するために基地局を動作させる方法であって、前記方法は、
    複数の端末デバイスにマルチキャスト送信信号においてデータを送信することと、
    各々の端末デバイスが前記マルチキャスト送信信号を成功裏に受信したかどうかを示すために、前記マルチキャスト送信信号への応答として、前記端末デバイスのうちの各1つから送信されるレスポンス信号を受信することと、を含む方法。
  2. 前記端末デバイスのうちの各1つに、それらの各々のレスポンス信号について用いられるアップリンク送信リソースの標識を伝達すること、をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  3. アップリンク送信リソースの標識は、前記各々の端末デバイスが前記基地局への接続を開始する場合、実行されるセットアップ手続中に伝達される、請求項2に記載の方法。
  4. 前記セットアップ手続は、無線リソース接続要求を含む、請求項2に記載の方法。
  5. 前記アップリンク送信リソースの標識は、前記マルチキャスト送信信号と関連して伝達される、請求項2に記載の方法。
  6. 前記アップリンク送信リソースの標識は、明確なシグナリングによって伝達される、請求項2〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記アップリンク送信リソースの標識は、黙示的なシグナリングによって伝達される、請求項2〜5のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記アップリンク送信リソースの標識は、前記基地局によって割当てられる無線ネットワーク識別子内で伝達される、請求項7に記載の方法。
  9. 前記アップリンク送信リソースは、アップリンクサブフレーム内の送信リソースの標識、アップリンクサブフレームの標識、およびアップリンクキャリアの標識のうちの少なくとも1つを含む、請求項2〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 前記レスポンス信号は、物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)上で受信される、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 前記レスポンス信号は、前記マルチキャスト送信信号を含んでいるダウンリンクサブフレームの時間から導出される時間に発生する、無線通信システムのアップリンクサブフレームにおいて受信される、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 前記端末デバイスのうちの異なる1つについてのレスポンス信号は、前記無線通信システムの、異なるアップリンクサブフレームおよび/またはキャリアにおいて、受信される、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
  13. どの端末デバイスも前記マルチキャスト送信信号を受信しなかったかを、前記基地局で受信される前記レスポンス信号から確定することと、
    もしその場合は、前記データを再送することと、をさらに含む、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 前記端末デバイスのうちの異なる1つからのレスポンス信号は、異なるアップリンク送信リソースを用いて受信される、請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。
  15. 前記無線通信システムは、第1の周波数帯域幅にわたるダウンリンクおよび第2の周波数帯域幅にわたるアップリンクにおいて動作し、前記マルチキャスト送信信号は、前記第1の周波数帯域幅より小さく、前記第1の周波数帯域幅内の第3の周波数帯域幅内から選択される周波数上のダウンリンク送信リソースを用いて生成され、前記端末デバイスからの前記レスポンス信号は、前記第2の周波数帯域幅より小さく、前記第2の周波数帯域幅内の第4の周波数帯域幅内から選択される周波数上のアップリンク送信リソースを用いて受信される、請求項1〜14のいずれか1項に記載の方法。
  16. 前記第1および第2の周波数帯域幅は、同程度の幅であり、および/または、前記第3および第4の周波数帯域幅は、同程度の幅である、請求項15に記載の方法。
  17. 無線通信システムにおける複数の端末デバイスとデータを通信するための基地局であって、前記基地局は、マルチキャスト送信信号において前記複数の端末デバイスにデータを送信するように構成され、前記基地局は、さらに前記端末デバイスの各1つが成功裏に前記マルチキャスト送信信号を受信したかどうかを示すために、前記マルチキャスト送信信号への応答として、前記端末デバイスの各1つによって送信されるレスポンス信号を受信するように構成される、無線通信システム。
  18. 前記基地局は、前記端末デバイスのうちの各1つに、それらのレスポンス信号について使用されるアップリンク送信リソースの標識を伝達するようにさらに構成される、請求項17に記載の基地局。
  19. 前記基地局は、前記各々の端末デバイスが前記局に接続する場合、実行されるセットアップ手続中に、前記アップリンク送信リソースの標識を伝達するように構成される、請求項18に記載の基地局。
  20. 前記セットアップ手続は、無線リソース接続要求を含む、請求項18に記載の基地局。
  21. 前記基地局は、前記マルチキャスト送信信号と関連して前記アップリンク送信リソースの標識を伝達するように構成される、請求項18に記載の基地局。
  22. 前記基地局は、明確なシグナリングによって前記アップリンク送信リソースの標識を伝達するように構成される、請求項18〜21のいずれか1項に記載の基地局。
  23. 前記基地局は、黙示的なシグナリングによって前記アップリンク送信リソースの標識を伝達するように構成される、請求項18〜21のいずれか1項に記載の基地局。
  24. 前記基地局は、前記各々の端末デバイスに割当てられる無線ネットワーク識別子内で前記アップリンク送信リソースの標識を伝達するように構成される、請求項23に記載の基地局。
  25. 前記アップリンク送信リソースの標識は、アップリンクサブフレーム内の送信リソースの標識、アップリンクサブフレームの標識、およびアップリンクキャリアの標識のうちの少なくとも1つを含む、請求項18〜24のいずれか1項に記載の基地局。
  26. 前記基地局は、物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)上でレスポンス信号を受信するように構成される、請求項17〜25のいずれか1項に記載の基地局。
  27. 前記基地局は、前記マルチキャスト送信信号を含んでいるダウンリンクサブフレームの時間から導出される時間に発生する、無線通信システムのアップリンクサブフレームにおいて前記レスポンス信号を受信するように構成される、請求項17〜26のいずれか1項に記載の基地局。
  28. 前記基地局は、前記無線通信システムの、異なるアップリンクサブフレームおよび/またはキャリアにおいて、前記端末デバイスのうちの異なる1つからのレスポンス信号を受信するように構成される、請求項17〜27のいずれか1項に記載の基地局。
  29. 前記基地局は、どの端末デバイスもマルチキャスト送信信号を受信しなかったかを、前記レスポンス信号から確定し、もしその場合は、前記データを再送するように構成される、請求項17〜28のいずれか1項に記載の基地局。
  30. 前記基地局は、異なるアップリンク送信リソースを用いて、前記端末デバイスのうちの異なる1つからのレスポンス信号を受信するように構成される、請求項17〜29のいずれか1項に記載の基地局。
  31. 前記無線通信システムは、第1の周波数帯域幅にわたるダウンリンクおよび第2の周波数帯域幅にわたるアップリンクにおいて動作し、前記基地局は、前記第1の周波数帯域幅より小さく、前記第1の周波数帯域幅内の第3の周波数帯域幅内から選択される周波数上のダウンリンク送信リソースを用いて、前記マルチキャスト送信信号を送信し、前記第2の周波数帯域幅より小さく、前記第2の周波数帯域幅内の第4の周波数帯域幅内から選択される周波数上のアップリンク送信リソースを用いて、前記レスポンス信号を受信するように構成される、請求項17〜30のいずれか1項に記載の基地局。
  32. 前記第1および第2の周波数帯域幅は、同程度の幅であり、および/または、前記第3および第4の周波数帯域幅は、同程度の幅である、請求項31に記載の基地局。

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