JP2014527629A - X線光子及び中性子を導くナノチューブ素材の装置 - Google Patents

X線光子及び中性子を導くナノチューブ素材の装置 Download PDF

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Abstract

X線、光子又は中性子のビームを導くナノチューブ素材の装置であって、ビーム源及び少なくとも一つのナノチューブを含む。各ナノチューブは光入口を有し、当該光入口における中心軸方向の突出がビーム源と交差する。各ナノチューブは、当該ナノチューブの束の入口が点形状ビーム源を向くように、当該ナノチューブの長さに沿って変わる内径を有する。当該束は、多層ナノチューブのアレイとして球面状成長プレートから成長することができる。各ナノチューブの壁層数を、成長プレートから離れてよりも成長プレート近くにおいて少なくすることによって、当該束のクリアアパチャが向上する。

Description

本発明は、ポリキャピラリ光学機器を使用したX線回折、X線分光等のX線分析アプリケーションを含む分析器具用として、X線放射を生成しかつX線放射のビーム方向を制御するシステムに関する。
(関連出願の相互参照)
本願は、2011年8月6日に出願されたPOLYCAPILLARY OPTICという名称の米国仮特許出願第61/515,853号の利益を主張する。
X線及び中性子は、材料の多くの特徴を評価するのに有効なプローブ媒体である。材料の構造及び組成を測定するべく、X線の回折、分光及び顕微鏡検査が広く使用されている。多くのアプリケーションには、標的との相互作用上、制御されたビーム特性を有するX線ビームが必要とされ、材料サンプルとの相互作用後に当該ビームを分析するべくX線光学機器を必要とするアプリケーションもある。分析器具では、様々なX線光学機器が使用される。
極めて広く使用されているX線光学機器の一つに、ガラスポリキャピラリ光学機器がある。ガラスポリキャピラリ光学機器は、ある特定の方法で配列された中空ガラスファイバの束を含む。これらの中空ファイバが当該中空ファイバに入るようにX線を導くので、X線ビームが当該ファイバに沿って全外部反射により伝わる。X線ビーム合焦、コリメーション等を目的とする様々なポリキャピラリ光学機器の設計が存在する。
ポリキャピラリ光学機器は、X線光子エネルギーの広い範囲内で使用することができるが、実験室の光子エネルギー範囲内(5から25keV)において様々な利点を有する。数十ステラジアンまでの特有の大きな幾何立体集光角を得ることができる。これにより、光源から発せられるX線エネルギーを効率的に利用することができる。さらに、ポリキャピラリ光学機器は、ビームを3次元に形成することができる。
これら2つの特徴により、ポリキャピラリ光学機器は、X線光学機器の好ましいコンポーネントとされる。代替的な配列として、2つの平面に湾曲する結晶を設けることができるが、その捕捉能力は、ヨハン型結晶の回折平面の角度許容性の制限ゆえに低い。
ポリキャピラリ合焦光学機器は、高いビーム単色性を必要とせず、かつ、収束性が高いビームを利用可能なアプリケーションにおいて使用されるのが好ましい。同様に、ポリキャピラリ型コリメート光学機器は、ビームの発散がそれほど高くない場合、大きなサイズ及び流束のビームを与えることができる。
多くの分析アプリケーションが、ポリキャピラリ光学機器に適しており、ポリキャピラリ光学機器は、マイクロX線蛍光分析器、応力及び組織分析用X線回折計等の多くのアプリケーションにおいて広く使用されている。
ガラスポリキャピラリ光学機器を製造する技術は、その最初の使用以来、著しく進展した。様々な光学機器配列及び形状を作ることができる。単数キャピラリの開口ルーメン及びその壁厚は、マイクロメートルスケールのキャピラリ直径まで広い範囲で変わり得る。他方、ガラスポリキャピラリ光学機器は、いくつかの原理及び技術的限界から自由というわけではない。
キャピラリ技術は、目下のところ、高温プロセスにおいて形成されるガラス材料に限られている。目下のところ、このプロセス中において、内部壁表面の中間及び高空間周波数粗さの良好な制御が利用できる技術は存在しない。粗さを直接測定する度量衡が欠如しているので、粗さの代表的な結果は、目下のところ、異なる粗さパラメータを有する光学機器をモデリングして当該結果を実験データと対比することによって得られている。かかる結果によれば、内部キャピラリ構造が完全ではないことが示されている。かかるパラメータは、さらなる技術向上により改善することができるが、内表面粗さは、将来的には光学的効率に十分な影響を与え得る。
ガラスポリキャピラリの光学機器ほど普遍的ではないが、単数キャピラリの光学機器も同様に使用することができる。単数キャピラリの光学機器のうち、いくつかの典型的な形状が特に一般的である。
直線状単数ガラスキャピラリが、所定のビーム断面積及び発散性を有するX線ビームを形成するべく一般的に使用される。2つのピンホールを有するシステムに対して単数の直線状キャピラリが有する一つの利点は、第1のピンホールを通過するが第2のピンホールを外れるビームの一部が、キャピラリ壁からの全外部反射によって単数キャピラリの光経路内に保持されることにある。直線状キャピラリを通る放射浸透のメカニズムは、多数の全外部反射を利用するポリキャピラリシステムに対して同じである。
同様に、円錐状の単数ガラスキャピラリも、X線放射を集中させるべく使用することができる。より複雑な内部形状、例えば楕円体構成を有するキャピラリにおいては、単数の全外部反射を利用することができる。かかる種類の光学機器は典型的に、ガラス製に限定されるわけではなく他の材料からも作られる。
一次元にナノメートルスケールの幅を有するX線ビームを与えるもう一つの特定装置は、X線導波路である。この装置を通る放射線の結合及び伝播は、波動説によって記述される。しかしながら、設計条件は、3層対称構造に対する物理幾何学的表現θ >θ で公式化することができる。ここで、θ 及びθ は、外側クラッドの臨界全外部反射角(θ )及び導波層の臨界全外部反射角(θ )である。
ポリキャピラリガラス光学機器と同様に、単数キャピラリの光学機器も、良好な表面精度及び滑らかさから利益を受ける。
DABAGOV S B ET AL: "On coherent scattering of X-rays in carbon nanotubes," SPECTROCHIMICA ACTA. PART B: ATOMIC SPECTROSCOPY, NEW YORK, NY, US, US, vol. 59, no. 10-11, 8 October 2004 (2004-10-08), pages 1575-1580, XP004598247, ISSN: 0584-8547, DOI: 10.1016/J.SAB.2004.03.018
したがって、X線光子及び中性子導波路の光学的効率をさらに改善するべく、ガラスキャピラリの新規な代替物を見出すことが望ましい。本発明の第1側面によれば、ビーム源から生じたビームを導く装置が、少なくとも一つのナノチューブを含み、その形状は、当該ナノチューブを通って伝播するビームの少なくともビーム形状又は方向を変える。
本発明のさらなる側面によれば、少なくとも一つのナノチューブは一部又は全体がカーボン製である。その寸法は、X線又は中性子ビームを導くように選択される。
本発明のさらなる側面によれば、少なくとも一つのナノチューブは、光入口がビーム源を向くように配向されるのが好ましい。ビームを形成するべく、少なくとも一つのナノチューブは、例えば、光出口に近接して内径が減少する断面又は円錐状内表面を有する。内径は、ビーム密度を向上させるべく、光入口から光出口に向かって減少する。
本発明のさらなる側面によれば、複数の同軸円筒状壁を有する多層ナノチューブが、単壁ナノチューブよりも光子の損失を低減する。多層ナノチューブの材料は、同じ材料又は異なる材料の複数の層を与えるべく選択される。壁の一以上はカーボンからなる。壁が異なる材料からなる場合、当該材料は、連続する壁の臨界全外部反射角が、中心軸線から径方向外側方向に増加する順序に配列される。
本発明のさらなる側面によれば、多壁ナノチューブの内径は、内側壁を追加又は除去することによって変えることができる。
本発明のさらなる側面によれば、硬X線よりも大きな臨界全外部反射角を有する光子の波長に対し、コロッサルナノチューブが適切である。
本発明のさらなる側面によれば、本発明に係る装置は、自己集合化ナノチューブの束を含む。
束のナノチューブの少なくとも一部は、同軸壁の数の変化に応じて当該ナノチューブの長さに沿って壁厚が変わる多層ナノチューブである。
本発明のさらなる側面によれば、光入口における当該光入口から離れたものよりも小さな外径及び少数の同軸壁が、光入口におけるナノチューブ束のクリアアパチャを増加させる。
本発明のさらなる側面によれば、ナノチューブ束は、成長プレートからの、特に点形状のビーム源からビームを受ける球面成長プレートからの、同時伝播によって成長することができる。
添付図面に例示されるいくつかの好ましい実施形態の以下の説明により、本発明のさらなる詳細及び利益が明らかとなる。
アームチェア構造のカーボンナノチューブを示す。 ジグザグ構造のカーボンナノチューブを示す。 中間カイラリティのカーボンナノチューブを示す。 ナノチューブ束におけるカーボンナノチューブの空間的配列を示す。 多層ナノチューブの一例を示す。 コロッサルナノチューブの構造を示す。 図7A、7B及び7Cは、ポリキャピラリ光学機器の合焦及びコリメートの原理を概略的に示す。 図8A及び8Bは、キャピラリ内の全反射の異なるモードを概略的に示す。 ナノチューブ束の簡略化された断面を、当該束のクリアアパチャを例示するべく示す。 点形状ビーム源用に構成されたポリキャピラリ光学機器を集合化するための成長プレートにおけるナノチューブ配列を概略的に示す。 成長プレートの周辺において壁厚が増加するナノチューブ集合体を示す。 異なる構成のいくつかの領域を有するナノチューブ素材のナノガイドを示す。 パターン不規則性の挿入によるナノチューブ直径の変化を概略的に示す。 異なる構成のいくつかの領域を有する代替的なナノチューブ素材のナノガイドを示す。 内部グラフェン層の追加又は除去による多層ナノチューブ内径の変化を概略的に示す。
この20年間で開発された全く新しいチューブ状構造体をナノチューブと称する。ナノチューブとの名称は、かかるチューブの厚さが典型的に1マイクロメートル未満の範囲にあることによる。かかるチューブのナノ構造に特有のいくつかの特性は、光及び電子放出素子のような、工業及び建設材料のための補強材のような、熱伝達のための熱伝導媒体のような等、多くの様々な新しい製品アプリケーションに寄与している。
C(カーボン)はかかる構造の最も一般的な元素であるが、窒化ホウ素、酸化ケイ素及び希土類フッ化物のような他の材料によるナノチューブも同様に製造されている。この多様性は、様々な有効原子番号の材料の比較的広い選択が利用可能であることを示している。
図1から3に例示されるように、カーボンナノチューブは、シームレスに接続された周縁を有するグラフェンシートが巻かれたものとして記述することができる。グラフェンは、ハニカムパターン16に配列された単層のカーボン原子なので、ナノチューブは、いわゆるカイラリティを有する。カイラリティとは、グラフェンシートが巻き上げられる方向によって決定され、かつ、ハニカムパターン16を形成する六角形12、12’及び12”の配向を特徴付ける。
図1は、カーボンナノチューブ10の、いわゆる「アームチェア」構造を例示する。この構造では、複数の六角形12それぞれが、当該ナノチューブの周方向に延びる一対の対向側部14を有する。図2は、いわゆる「ジグザグ」構造を有するナノチューブ10’の一例である。この構造では、複数の六角形12’はそれぞれが、当該ナノチューブ10’の軸方向に延びる一対の対向側部14’を有する。図3は、中間カイラリティを有するナノチューブ10”を示す。中間カイラリティでは、複数の六角形12”はいずれも、純粋に軸方向でもなく純粋に周方向でもない側部を有する。
ナノチューブは、自己集合化によって成長することができる。ナノチューブを成長プレートから成長させる方法は、様々な触媒膜を使用した被覆シリコン基板上への化学気相蒸着を含む。
自己集合によるナノチューブの成長は、壁が、完全結晶の原子面と同様の原子レベルで滑らかな内部壁表面を含むナノチューブをもたらす。以下に詳細に説明されることだが、X線光学機器のためのポリキャピラリシステムにおける自己集合化カーボンナノチューブの使用は、巨視的な考察によって十分に記述することができる。したがって、X線光学機器のためのポリキャピラリ構造は、任意のカイラリティのナノチューブを利用することができる。以下では、単壁ナノチューブが、個々のカイラリティにかかわらず、参照番号10で指定される。さらに、後続の図面では、純粋な例示目的で特定のカイラリティが描かれる。示されるカイラリティはいずれも、本発明の範囲を逸脱することなく他の任意のカイラリティによって置換することができる。
ポリキャピラリ光学機器の製造を目的として、個々のカーボンナノチューブ10を、図4に例示されるような束に配列することができる。円筒状ナノチューブ10の最もコンパクトな配列は、例示のとおりの六角状構造において得られる。この配列はまた、入射X線ビームの光子損失につながるナノチューブ10同士の間隙18をも最小にする。
ナノチューブは、単層若しくは単壁のナノチューブ又は多層若しくは多壁のナノチューブとして製造することができる。単壁ナノチューブ10は、図1〜4に示されるような一層のカーボン原子を有する。
多壁ナノチューブ20は、互いに内側に配列された複数の同心状ナノチューブ22、24及び26を有する。図5は、かかる多壁ナノチューブ20を例示する。これは、3つの単壁ナノチューブ22、24及び26からなる。理想的な多壁ナノチューブ20においては、カーボン原子の個々の層22、24及び26は、互いに共有結合を共有することが全くない。その結果、カーボン原子は、一層内における接続が、異なる層を占めるカーボン原子との接続よりも相当に大きな力によってなされる。
多層カーボンナノチューブは、例えば、スパッタされたニッケル触媒膜を有するタングステン被覆シリコン基板上に、気相蒸着を介して成長させることに成功している。窒素及びアセチレンガスの雰囲気において、温度が630から790℃の範囲であった。多壁ナノチューブの直径は、基板温度を変えることによって調整することができる。
図6に例示されるように、約40μmから約100μmの範囲にある大きな直径Dを有するコロッサルナノチューブ30は、多壁ナノチューブ20に類似する。コロッサルナノチューブの個々の同心層32及び34は、コロッサルナノチューブ30の長さに沿って延びるグラフェンの複数の径方向ウェブ36によって相互接続されている。これらのウェブ36は、ナノチューブ構造を安定させ、かつ、通常は、グラファイトにおけるグラフェン層同士の典型的な距離に近似的に対応する距離だけ互いから離れて配列される。その結果、コロッサルナノチューブ30の同心のグラフェン層32と34との間に長手方向のチャネル38が形成される。チャネル38は、近似的に矩形又は台形の断面を有する。
図6に示されるコロッサルナノチューブ30は、比較的低エネルギーの光子に対する基礎的光学素子として使用することができる。低エネルギーの光子は、高エネルギーの光子よりも大きな全外部反射臨界角を有する。コロッサルナノチューブ30は比較的安定なので、単数キャピラリの光学機器における使用に適している。代替的に、コロッサルナノチューブ30は、軟X線用ポリキャピラリ光学機器の一部となり得る。その直径が典型的に、小さな入射角においてのみ全外部反射を受ける短い波長のX線にとって最適と考えられているものよりも大きいからである。
以下の考慮は、従来型のポリキャピラリ光学機器及びポリキャピラリナノチューブ構造にも同様に当てはまる。ポリキャピラリ光学機器は主に、X線ビームの合焦又はコリメートに使用される。図7A及び7Bは、ポリキャピラリ配列を利用した光学機器40及び50の合焦を示す。図7Aの配列が点形状ビーム源42に対して構成される一方、図7Bの配列は平行光ビーム52を合焦するべく構成される。図7Cは、点形状ビーム源42から生じた光を平行光ビーム52に変換するコリメート光学機器60を例示する。注目すべきことだが、図7Cのコリメートポリキャピラリ光学機器60は原則的に、図7Bに例示される平行光の束に対して反転された合焦光学機器50である。
以下の記載では光源又は光波が言及されるが、用語「光」は、光子又は中性子と同様に振る舞う粒子ビームを含む広い意味で使用されることを理解すべきであって、電磁波に限られるものとみなすべきではない。同様に、光子又はX線を言及するいずれの記載も、同様の振る舞いを示す他の粒子に対して当てはまる。
キャピラリの内側で全外部反射が生じるのは、入射光波が、キャピラリの内側ルーメンから内部キャピラリ壁に浸透し、かつ、方向を変えて当該内表面に戻るからである。全外部反射は、X線のような放射線に観測される現象である。多くの材料は、X線のような波長に対し1未満となる屈折率の実成分を有するからである。光波は、全外部反射の後、当該光波の入射角と同一の角度で媒体を出る。媒体の内側における波強度分布は、当該媒体の表面からの距離の指数関数で記述される。浸透深さZは、波強度が1/eまで低減する幾何学的な媒体表面下の深さを記述する。「e」は無次元オイラー数であって、近似的に2.7182に等しい。
キャピラリの内側における複数の反射を言及するいわゆる複数回反射ポリキャピラリ光学機器は、入ってくる光子の入射角の全範囲が、媒体材料のいわゆる臨界角θ未満のままであるという条件において最も効率的に機能する。この文脈では、臨界角θとは、反射表面の接線方向にある平面から測定される全反射に対するしきい角度である。かかる定義は、キャピラリシステムに対しては、平面上の全内部反射を扱う古典的な光学機器において使用される場合の用語「入射角」の典型的な定義と異なる。この入射角範囲にある上記浸透深さZは、なんらX線光子エネルギーに依存せず、かつ、もっぱら媒体材料、大抵はその質量密度によって定義される。浸透深さZは、カーボンに対する4.1nmから、ガラスに対する3.2nmを経て、重金属に対する1.2nmまで減少する。
図8A及び8Bは、複数回反射キャピラリ70の内側における異なる伝播モードを例示する。ポリキャピラリ光学機器の各単数キャピラリ70は、X線光子72又は74をその初期入射方向から、キャピラリ70の光出口において望ましい方向に偏向するべく湾曲させることができる。
明確性及び簡潔性のため、以下の考慮は、図7Cに描かれるコリメートされた光学機器60の原理に適合される。ビーム源42に近接するキャピラリ端は、点形状ビーム源42を向くように整合されるのが好ましく、当該キャピラリの対向端は、コリメーションを目的として平行とされる。これが意味するのは、各キャピラリ70が、以下では光軸Xと称される光学機器60の中心軸Xからの径方向距離に依存する特定の曲率まで湾曲されるということである。以下の条件:
R≧2*d/θ (1)
は、すべての反射が臨界角未満の角度で生じることが確保されるように、キャピラリ曲率の半径Rを制限する。ここで、dはキャピラリ直径、θは、反射表面の接線方向にある平面から測定される全外部反射の臨界角である。この表現は、光子伝播中の著しい光子損失を避けるためのキャピラリ光学機器設計の基礎となる。
もう一つの考慮は、図8A及び8Bに示されるキャピラリ曲率の半径に依存して、光子伝播の2つの異なるモードが複数回反射光学機器において生じるということである。図8Aは、直線状の又は「わずかな」湾曲のキャピラリ70を例示する。キャピラリ壁の対向する側部上で、交互するように複数回の反射が生じる。いわゆる二重壁反射モードである。図8Bに示されるように、小さな半径Rで湾曲されたキャピラリ70において、反射は、キャピラリ壁の同じ側部上で繰り返し生じる。いわゆる花輪状反射である。優勢な条件に応じて、透過中の総反射回数ひいては光子損失が変わる。したがって、ポリキャピラリレンズの性能に係るいずれの定量的記述も伝播モードに依存する。簡単な幾何学的分析では、一方のモードから他方のモードへ遷移する条件は:
θtr=(2d/R)1/2 (2)
であることが示される。
ここで、θtrは、図8Aの二重壁モードから図8Bの花輪状モードへの遷移が生じる場合の、開口直径d及び湾曲半径Rの曲率を有するキャピラリに入る光子の入射角である。この観測は、反射キャピラリ壁の接線方向にある平面から測定される入射角θに当てはまる。半径Rのキャピラリの外側壁に当たる光子の入射角θがθtrを超過する場合に図8Aの二重壁反射モードが当てはまる一方、θがθtr未満の場合には図8Bの花輪状反射が生じる。これが意味するのは、光軸Xから径方向に大きな距離で位置するキャピラリが、光軸Xに近いキャピラリよりも局所的に小さな湾曲半径Rを有することにより、ポリキャピラリ光学機器では双方のモードが典型的に存在するということである。
湾曲半径Rはキャピラリ70の長さにわたって変化するが、近似的な計算を目的とする有用な単純化では、キャピラリ70の長さLにわたって一定の湾曲半径Rが仮定される。光子入射角θは、円形に湾曲されたキャピラリ70では変化しないので、伝播モードは伝播中同じままである。キャピラリ透過率の計算をするには、反射回数及び反射率が入射角θの関数としてわかっている必要がある。
簡単な幾何学的分析では、図8Bの花輪状反射モードでの反射回数Nは、表現:
N=L/(R*2*θ) (3)
で定義される。ここで、Lはキャピラリの長さである。
二重壁反射モードでの反射回数の量Nは、表現:
N=L/(R*(θ−θ)) (4)
で定義される。ここで、θ及びθは、キャピラリの外側(凹面)及び内側(凸面)壁での入射角である。
外側及び内側入射角θ及びθは、式:
θ =θ +2*d/R (5)
に従って互いに関連し合う。
2つの注目すべき観測は表現(3)〜(5)から得られる。
第1に、表現(4)は、内側角θがゼロに近づき、かつ、外側角が角θによって表される場合、N=L/(R*θ)となる。この表現は、直線状キャピラリでの反射回数の量と一致する。
第2に、表現(3)及び(4)は、反射回数の量がθtrにおいて段階状に変化することを示す。すなわち、小さなθ(花輪状反射)から大きなθ(二重壁反射)への遷移を考慮すると、反射回数Nは、L/(R*2*θ)からL/(R*θ)へ倍増する。しかしながら、注目すべきことだが、入射角θの関数としての反射率は滑らかに変化する。これは、反射壁の材料にかかわらず、凸面内部壁上の入射角θが遷移点でゼロに等しく、かつ、ゼロに等しい入射角θでは反射率が100%となるからである。ゼロ以外の入射角θの関数としての単数回反射の反射率は、材料の物理的不変性を介したフレネルの公式を使用して計算することができる。
上述の考慮は、以下の簡単な仮定によってコリメートキャピラリレンズの透過率を計算するには十分である。すなわち、光軸を含む2次元軸平面内を伝播する光線のみが考慮され、かつ、焦点にある点形状ビーム源のサイズが無視できる場合である。
単壁ナノチューブ10は、全反射角において、限られた反射率を与える。単壁ナノチューブ10は、ハニカムパターン16に配列されたカーボン原子の一つの原子層のみを含むからである。単層は、カーボンに対して上述した4.1nmの浸透深さZを与えることがない。また、浸透深さZに対する4.1nmという値は、かかる厚さのナノチューブ壁がすべての入射光を反射することを意味するわけではない。上述の浸透深さZの定義によれば、厚さZの層は、無限厚さの層と比べると、光子の1−1/e(すなわち63%)という一部のみを反射する。このレベルの反射率では、複数回反射を伴う光学機器に対して不満足である。有限壁厚さによる効率の著しい損失を避けるべく、反射率の損失は非常に小さいことが好ましい。所与の入射角θに対してかつ所与のエネルギーに対する無限厚さの媒体の反射率がρである場合、無限厚さの壁上の単数回反射に起因する光子流束損失は(1−ρ)となる。有限厚さによる反射率の付加的損失が値(1−ρ)未満となる有限厚さの壁を得るには、以下の近似的な定量評価を行うことができる。
壁の最小厚さTは、
T=Z*ln(1/(1−ρ)) (6)
として計算することができる。ここで、Zは浸透深さである。
ゼロから臨界角までの広い範囲の入射角は、ビームが多キャピラリ光学機器を通って伝播する場合に存在するのが典型的である。キャピラリ内側の反射回数は、初期入射角、キャピラリ湾曲、及び伝播メカニズムに依存する。
壁厚を選択するための所定の基準を以下に挙げる。例えば、有限壁厚に起因する反射率損失を、無限壁厚を有する壁からの入射角θ/2の単数回反射における光子損失に等しい量にまで制限するには、壁厚Tは、酸化ケイ素ナノチューブに対して30nm、かつ、カーボンナノチューブに対して37nmとしなければならない。これは、高い反射率及び透過率を得るべく、恐らくは数百の多壁を有するようにナノチューブを構成できることを意味する。同心壁の数は変わり得る。
以下では、ポリキャピラリ光学機器についての考察が、図7Cに例示されるコリメート光学機器に配列された複数のナノチューブに対して適用される。以下の計算に対し、3つの近似が行われている。すなわち、光源から光入口までの距離が4mmであること、ナノチューブ湾曲半径Rが一定であること、及び内径dがナノチューブ長さLに沿って一定であることである。
得られたレンズ設計のパラメータ及び透過率を以下の表1に挙げる。
Figure 2014527629
全く好ましくない条件下での大まかな評価を目的として、各平面において1ラジアンという極めて大きな捕捉角(日常的なガラスレンズに対して典型的に考慮されるものよりも著しく大きな捕捉角)を有するレンズに対して計算が行われた。結果は、こうした極端な条件下であってもレンズ透過率が有用な値に達することを示している。
ナノチューブ素材のポリキャピラリ光学機器の高収率透過及びコンパクトな設計は、好ましくは200nm未満の非常に小さなキャピラリ直径dを使用することによって可能となる。計算によりさらに明らかなのは、カーボンナノチューブが、小さな有効原子番号を有する材料の高い反射率の結果、考えられた光子エネルギーの範囲において高い透過率を約束するということである。表に透過率の面密度として示されたパラメータは、レンズ透過率と、レンズ出口におけるビーム面積との比である。このパラメータの高い値は、レンズ出口における高い流束密度を表す。これは、いくつかのアプリケーションにとって望ましい。酸化ケイ素ナノチューブは、モリブデン(Mo)放射の場合にこのパラメータの高い値を約束する。これは、レンズの設計パラメータ及び材料を、所与のアプリケーションのための最適な性能に対してマッチさせ得ることを意味する。
かかる結果を、伝統的なガラスポリキャピラリレンズに対する予測と対比することができる。上述のモデルを、理想的なガラスキャピラリレンズに適用する。理想的なガラスキャピラリレンズは、キャピラリの波立ち又は不整合がない理想的な壁表面を有し、Cu放射用ナノチューブレンズよりも約10倍大きい1.5μmという大きなキャピラリ直径及び0.1μmという壁厚を有し、計算された透過率の面流束密度が当該ナノチューブレンズよりも約50倍小さい。これらのパラメータにより、ナノチューブ光学機器の改善は、内部壁に不完全性を有する実際のガラスポリキャピラリ光学機器のいずれよりも、2桁を超える可能性が高い。
すべての例において、光子波長は、キャピラリ直径よりも少なくとも1000倍小さい。かかる比率は、簡単な幾何学的評価でも合理的な予測が得られることを示す。
X線ビームを形成するレンズを作るべく、多壁ナノチューブの束が使用される。図9は、かかるナノチューブ束を横切る部分的な概略的断面を示す。上述の透過率計算は、ひとたび光子がナノチューブ30に入ると、束のナノチューブ30の一つの内部壁82に当たる光子を計数する。しかしながら、ナノチューブ束の入口には、2つの因子によって引き起こされる光子損失エリアが存在する。
第1に、ナノチューブは有限壁厚Tを有し、開口ナノチューブ断面積A(ルーメン)と、図面にハッチングで示される壁断面積Wとの比が、ナノチューブのクリアアパチャを画定する。この例に対し、計算は、ナノチューブ内径dと壁厚Tとの比Kは5であると仮定される。ナノチューブのクリアアパチャは、この場合約51%である。Kの値が例えばK=10のように大きくなると、ナノチューブのクリアアパチャは約69%まで増加し得るが、これは、レンズの寸法を近似的に倍増させ、かつ、コリメートビームの流束密度を低減させる。
第2に、複数のチューブ間には隙間18が存在する。六角状円チューブ配列に対する充填効率は約91%である。
そうすると、レンズ効率を見出すべく、上の表に挙げられた透過率の値には、51%と91%との積に対応するクリアアパチャ係数約0.46を乗じる必要がある。さらに、約0.1〜0.3の範囲にある(約10〜30%に等しい)効率であっても、上述の計算の基礎となった約1ステラジアンという大きな立体捕捉角は魅力的である。
ナノチューブの発見以来、ナノチューブ技術は多大な進展を遂げた。ナノチューブ、特にカーボンナノチューブの無数の有望なアプリケーションゆえに、複数の成長メカニズム及び特定の技術的工程が開発かつ実装されている。これらのいくつかは、ナノチューブX線光学機器に関連し、以下に説明される。
カーボン、ポリスチレン、窒化ホウ素、酸化ケイ素、希土類元素のフッ化物のような様々な材料に由来するナノチューブを、大量に製造することができる。ナノチューブは、一貫した構造でかつコンパクトな束で成長させることができる。
いくつかの技術的アプローチを組み合わせることにより、伝統的なガラスキャピラリ技術では達成し得ない特徴及び性能を有するナノチューブ素材の装置を、X線光子及び中性子を導くように設計かつ構築することができる。
X線光子及び中性子を導く好ましい装置は、光子又は中性子の全外部反射を目的として自己集合化ナノチューブを利用する。光子を導く素子としての自己集合化ナノチューブの一つの大きな利点は、その原子レベルで滑らかな表面にある。さらに、その成長を予測可能な態様で制御できる可能性により、伝統的なガラスキャピラリ技術を超える精度が得られる。
図10に示される多壁ナノチューブ90は、制御可能な内径d及び壁厚Tを有して成長させることができる。特に興味があるのは、図11に示される後続する外側層wの特定の調整された位置を有する多壁ナノチューブ90の構成である。
多壁ナノチューブは、互いから指定された間隔で、かつ、成長プレートに対して直交して、すなわち垂直な方向に、成長させることができる。光子を導くナノチューブを集合化するべく、複数のナノチューブの軸は、入射ビームの伝播方向に沿って精密に整合される。
図7Aから7Cにすでに例示したように、最も頻繁に生じるのは2つの場合である。すなわち、平行入射ビーム及び点光源である。
平行入射ビームに対しては、平行ナノチューブを平面成長プレートから成長させることができる。自己集合化ナノチューブの複数の軸はすべて、成長プレート表面に対して垂直であり、かつ、当該成長プレート全体に均一に分散され得る。成長プレートに対して垂直なナノチューブ成長により、それらの軸は、少なくとも成長プレートの周辺において平行となる。
ナノチューブ90の発散束を得るべく、ナノチューブ90は、図10及び11に示される球面状成長プレート92から成長させることができる。この設定により、点形状X線源42からの放射を捕捉することが意図されるナノチューブ集合体の入口側を適切に位置決めすることができる。
点形状ビーム源との結合が意図されるナノチューブの自己集合化を開始するべく、基礎成長プレートの形状を、図10及び11に示されるように球面状とすることができる。成長プレートに近接するエリアが、図10及び11に領域1として示される。チューブの軸x、x及びxすべてが、成長プレート92の球面中心に収束する。ナノチューブ90は、成長プレートから離れると、中心軸xが湾曲中心軸線を形成するように湾曲形状となり得る。
成長プレート92が除去された後、点形状ビーム源42が、ナノチューブ90に対して球面中心の場所に配置されるのが好ましい。したがって、点形状ビーム源42は、ナノチューブから突出する複数の中心軸線が交差する点に位置する。入射ビームの他のいずれの角度分布に対しても、成長プレートは、各表面箇所における各光線方向に対して直交する成長表面をなす形状とされる。
限定されることなく、以下の例は、点形状ビーム源42から生じた発散ビームを導くことが意図されるナノチューブ集合体設計を言及する。以下の説明は、他の任意の発散ビームに対しても類推的に当てはまる。
この態様で成長することができる最小のナノチューブ内径は、約1〜2nmの桁の範囲にある。X線光子を導くためのナノチューブ内径dは、最小ナノチューブ直径よりも約100倍大きいのが好ましい。かかる寸法とする理由は、十分な全反射を与えるのに適切な壁厚Tが、数十nm程度だからである。したがって、好ましいナノチューブのクリアアパチャを得るには、ナノチューブ内径dを、壁厚Tよりも5倍から10倍大きくなるように選択することが好ましい。大きなチューブ直径dを実装することにより、大きな湾曲半径R、大きな装置寸法及び低減された流束密度がもたらされる。
流束密度を改善するべく、レンズのクリアアパチャを、全体的なレンズの寸法を増加させることなく改善できる手順を使用することができる。得られた構造が図11に示され、領域2で指定される。各多壁ナノチューブ90の複数の外部層wの端が、互いに対して変位される。領域1においては、ナノチューブ成長が初期厚さTで開始し、かつ、層wがナノチューブ90の最外側層を形成する。成長プレート92からの距離が増加するにつれて、外側層w、w、w、w等が各ナノチューブ90に追加される。各ナノチューブ90の個々の壁厚Tが光子損失を許容可能レベルにまで低減するのに十分となるまで、壁厚Tが、TからT、T、T、T等へ増加する。この手順により、ナノチューブ内径dが小さいままに維持されながら、ナノチューブ壁厚Tの漸次的な増加が可能となる。
最初に小さな壁厚Tが、多壁ナノチューブ90の入口においては有利である。占められた成長プレート表面に対する開いたアパチャのパーセンテージが、一定の壁厚Tを有するナノチューブ束と比べて増加するからである。領域1及び領域2のまさに入口の箇所における薄いナノチューブ壁厚Tの、全体的な透過の強度に対する影響は無視できる。このエリアでは反射はほとんど生じないからである。成長プレート92から大きな距離においては、何千回もの反射に対する高い反射率を支援するべく最適なナノチューブ壁厚Tを選択することができる。
したがって、ナノチューブ壁厚Tは、例えば、領域1にある成長プレートでは上述の浸透深さZの約4から5倍(約4Zから5Z)から始まり、ナノチューブのクリアアパチャを低減することなく漸次的に増加して領域2では約10Z又は20Zとなる。図11の領域2において数が増加する層wは、各ナノチューブ90の実際の数の層wを表すわけではないが、壁厚Tが複数の浸透深さZに対応する場合にかなり大きくなる。
好ましい実施形態では、径方向に延びる中心軸線x、x及びxに沿ってナノチューブが成長プレート92から進行するにつれて、壁厚Tは、ナノチューブ90同士間の増加する距離を補償する速度で増加する。この態様では、隣接するナノチューブ90は、壁厚Tの各追加層wの外側層が互いに触れ合う。ナノチューブ90同士間の接触により、成長プレート近くの集合体の領域2は、剛性となりかつ輪郭がくっきりとする。ナノチューブ集合体の剛性により、成長プレート92からの集合体の除去が容易となる。ひとたび望ましい壁厚Tに到達すると、個々のナノチューブ90は、図10に示されるように、互いから分離し、かつ、分離した経路沿いに進行することができる。
この特徴を自己集合化成長メカニズムと組み合わせることにより、集合体においてすべてのナノチューブ90を精密に位置決めすることができる。同様の精度は、ガラス製のポリキャピラリ光学機器を製造する技術では達成できない可能性が高い。
ナノチューブ集合体のもう一つの好ましい構成は、出射ビームの流束密度に対する改善、及び準平行出射ビームが望ましい集合体出口におけるビーム発散の低減に関する。ビーム発散を低減するべく、キャピラリシステムは一般的に、各キャピラリの出口部分を形成する場合が多い円錐状に拡大する部分を含む。かかる円錐状表面上での複数回反射が生じた後に光子が、当該円錐の中心軸に対して低減された角度で伝播することが知られている。
ガラスポリキャピラリの設計では、この円錐状のキャピラリの拡大がキャピラリの湾曲と組み合わされる場合が多い。これは必ずしも、ナノチューブ集合体においてビーム発散を低減する最適なアプローチというわけではない。
上述のように、ナノチューブ集合体のようなポリキャピラリ光学機器においては、光子伝播の2つのメカニズムが存在する。捕捉角が大きな光学機器において最も頻繁に生じるメカニズムは、花輪状反射である。ナノチューブ直径を拡大することは、花輪状モードで伝播する光子の入射角を低減することにならない。かかる光子は、ナノチューブの対向壁同士間のいずれの角度によっても影響を受けないからである。したがって、X線ビームをコリメートすることが意図されるナノチューブ集合体にとって好ましいのは、2つの区分けされたエリアを有することである。図12に示されるように、一つは、領域3で指定される湾曲ナノチューブのエリアであって、光子が花輪状モードで伝播するエリアであり、もう一つは、領域4で指定されるナノチューブ直径が拡大する実質的に直線状のエリアである。
ナノチューブ直径を拡大するべく実現可能な一つの技術が図13に示される。ハニカムパターン16において、円筒状ナノチューブ壁となるはずの複数の六角形12の一つの代わりに七角形96を挿入することで、ナノチューブ94の円錐状拡大部分がもたらされる。後続して五角形98を挿入することにより、ナノチューブ98は、大きな直径の円筒状の形に戻る。図12の領域4に示される一連の円錐状拡大部の有効開口角αを、七角形96及び五角形98の配列によって制御することができる。ナノチューブ94の周囲に挿入される七角形96の数が、個々の円錐状拡大部それぞれの増分開口角を決定する。複数の七角形96から同一数の五角形98までの軸方向距離が、円錐状拡大部の長さを決定する。五角形98から次群の七角形96までの軸方向距離が、2つの円錐状拡大部間の中間円筒状セクションの長さを決定する。ナノチューブ長にわたる増分円錐状拡大部の所定段を有するナノチューブ直径の遷移を連続的に使用することにより、増分開口角及び中間円筒状部分からなり、かつ、全体的な開口角αを有する準円錐状の全体的な表面が作られる。直径変化の各段は、典型的な原子間距離よりも小さい。原子間距離よりもかなり大きな波長を有するX線ビームに対しては、準円錐状表面は滑らかであって全外部反射メカニズムが得られる。
図13が、明確性のため唯一の拡大段を有する単層ナノチューブ110を示す一方、多層ナノチューブの所定軸方向距離にある同軸壁の各一つにおいて、不規則部の挿入を行うこともできる。
いくつかの特徴が、ナノチューブの位置決め及び配列を改善してナノチューブ集合体の性能の改善に寄与するように意図される。
好ましくは、図12の領域5に示されるように、一定のナノチューブ直径を有するエリアが、コリメート光学機器集合体の出口に配置される。この特徴は、個々のナノチューブ94の外側層が互いに接触し合うように集合体を圧縮することによってナノチューブ94が高精度で平行に整合することを可能とする。これにより、領域4にあるチューブの円錐状部分を出口とする低発散のビームが適切に整合することができる。
本発明の代替的な好ましい側面は、図14に領域6として指定される湾曲エリアにおけるナノチューブ壁厚Tの漸次的な増加である。領域6の構成は、図12に示される領域3と互換可能である。図14に例示されるように、集合体における個々のナノチューブ100の壁厚Tは、近接するナノチューブの各外側層が領域6を出る前に互いに触れ合う程度まで外側層を追加することによって増加させることができる。この接触により、ナノチューブ100精密な配列に安定性を与えること、及び集合体の剛性を増加させることができる。領域6における壁厚Tの増加は、領域2に対して述べた技術の延長上にあるが、層wを追加する工程がナノチューブ100の湾曲状態に適合される修正を伴う。
増加した壁厚が領域6の湾曲セクションに与えられる場合、異なる技術を適用して、図14に領域7として指定される後続準円錐状拡大部を作ることができる。領域7は、図12の領域4の代替例を表す。図14は領域7を例示する。ここで、個々のナノチューブ100それぞれの内径dの拡大に対し、ナノチューブの各内部層を、内側層が終端するたびに先の中間層が内側層になるように次々に不連続にしていくことができる。
図15は、そのようにして内側層wを次々に除去することを例示する。各層wは、その一定の直径を保持する。領域6から出現する多壁ナノチューブ100の最内層wは、内径dを有し、かつ、領域5から所定距離にある第1段で終端する。その後、内径dを有する次の層wが第1段から所定距離にある次段で終端し、領域7として指定される準円錐状に拡大する内表面が得られる。これらの段は、領域5の壁厚T及び内径dが達成されるまで、直径dを有するw、直径dを有するw等によって繰り返される。単数段から得られる壁厚Tの低減は、層w同士間の距離に対応する。これらの段はそれぞれ、上述した七角形96及び五角形94のハニカムパターン16への挿入によりもたらされる段よりも大きいが、得られる準円錐状表面は依然として、ほとんどのX線波長に対する全外部反射にとって滑らかとみなすことができる。
上述のナノチューブ素材のコリメート装置は、平行ビームを合焦させる光学機器とするべく、ビーム経路を反転させることができる。
上述の領域は、ポリキャピラリナノチューブ集合体において選択的に組み合わせることができる。例えば、点形状ビーム源の一方の焦点からの放射を他方の焦点まで向かわせるには、領域1及び2並びに領域6を含むことができる。この場合、ナノチューブの外径は、当該ナノチューブが互いに平行な整合に到達した後に領域2が反転され、領域6に後続して減少する。ポリキャピラリ光学機器の出口におけるナノチューブの適切な位置及び方向は、製造中のナノチューブ外径の精密な制御及び緊密な集合化によって確保することができる。ナノチューブ内径は、領域4又は領域7に対して説明された反転技術によって、小さな焦点を目的として低減させることができる。
点形状ビーム源のための合焦光学機器を与える代替的方法は、2つのコリメートナノチューブ装置を、第2装置が、第1装置によりコリメートされたビームを合焦するべく反転されるように結合することを伴う。異なるタイプの結合を実装することができる。2つの集合体が精密に整合された緊密な結合により、双方の集合体のナノチューブの軸が一致する。結合の代替的方法は、第1装置の出口ナノチューブ内径とビーム発散との比と同等の又はその比を超過する距離において生じ得る。かかる距離では、ビーム分布が均一となる結果、第2装置のクリアアパチャゆえに生じる効率損失がかなり低くなる。これは、ナノチューブが、第2集合体の当該断面において大きな内径を有するからである。
断面が非円形のナノチューブは、特定の形状、例えば「扇形」ビームを形成するには好ましいものとなり得る。知られていることだが、ナノチューブは、軸方向に比べて径方向の強度がかなり低い。この特徴は、例えば、ナノチューブ集合体に径方向圧縮力を適用することによって、ナノチューブの形状を円形から楕円形に変化させるべく使用することができる。非円形断面を達成するもう一つの方法は、成長プレート上のナノチューブ成長を目的とする非円形の「シード」を使用することである。ナノチューブは、その長さに沿った緊密なナノチューブ束に整合されることにより、成長プレートにおいて得られた形状を保持する。
光軸又は所定の湾曲位置に位置決めされた単数ナノチューブのみを含むナノチューブでさえ、上述の進歩的な特徴のいくつかを組み入れることができる。すでに上述したように、単数ガラスキャピラリ設計の複数のバージョンが、複数のアプリケーションに対して使用される。ナノチューブは、その滑らかな内部壁及び高い反射率ゆえに、多くの状況において良好な性能を与えることができる。したがって、ビームの断面及び発散が限定されることを要するアプリケーション、及び目下のところ直線状ガラスキャピラリを使用するアプリケーションは、直線状ナノチューブによって利益を得ることができる。このアプリケーションに対し、多壁及びコロッサル双方のナノチューブを使用することができる。
単数回反射の合焦を目的として楕円体内表面を有するナノチューブを、選択された位置にありかつ望ましい方向にある内径段を適切に制御して円錐状ナノチューブを製造するべく上述した技術によって、製造することができる。当該ナノチューブ装置は、反射表面の滑らかさが向上しているので、楕円体ガラスキャピラリの合焦性能よりも優れている。
本発明の好ましい一実施形態は、ナノチューブ技術を実装することにより構築された導波路である。直線状ナノチューブは、中心対称性及び十分な収束性を有するビームにより、導波路として機能し、かつ、共鳴ビーム結合を介して又は前方結合モードを介して有効に結合され得る。
また、小さなθを有するナノチューブが、大きなθを有するナノチューブの内側に挿入されるようにして、2以上のナノチューブを集合化することもできる。この配列により、大きな角度収束性を有する入射ビームを利用することができる。
装置の出口端は、単層及び多層ナノチューブの双方とも、さらなるビーム断面の低減を目的として減少する直径を有した狭まる円錐形状を有する。
ナノチューブを素材として放射を導く様々な装置及び複数の技術的な手順が上述された。上述された有用かつ実装可能な、適切な自己集合化ナノ構造を基礎とする光学システムの詳細は、設計に、最適化に、並びにX線及び中性子を導く装置の構築に資する。新規な自己集合化手順及び構造は、上述の例の、当業者にとって明らかな修正例につながる。
注目すべきことだが、用語「X線光子及び中性子」は、狭い態様に解釈するべきではない。本発明は、X線及び中性子の反射と同様の全外部反射メカニズムを示すすべてのタイプの荷電又は非荷電粒子に適用可能である。
本発明の様々な実施形態の上記説明は、例示及び記載の目的で提示されている。本発明を開示された精密な実施形態に包括し又は限定することは意図されない。上述の教示に照らし、無数の修正例又は変形例が可能である。上述の実施形態は、本発明の原理及びその実際的な応用の最善の例示を与えるべく選択かつ説明され、これにより、当業者は、本発明を様々な実施形態において利用すること、及び意図される特定の用途に合う様々な修正例とともに利用することができる。かかる修正例及び変形例すべては、公正、合法的かつ公平な権利を与えられる範囲に従って解釈される場合に、添付の特許請求の範囲によって決定される本発明の範囲内にある。

Claims (17)

  1. X線、光子又は中性子のビームを導くナノチューブ素材の装置であって、
    2端間の長さに沿った中心軸線と、前記2端の一方の光入口と、前記2端の他方の光出口とを有し、かつ、前記光入口が入射ビームに向けて配向される自己集合化した少なくとも一つのナノチューブであって、前記少なくとも一つのナノチューブの内表面上の外部全反射を介して前記ビームの方向を変えるべく構成され、かつ、前記長さの少なくとも複数の部分において所定の放射浸透深さを超える壁厚を有する少なくとも一つのナノチューブと、
    前記ナノチューブの長さに沿った少なくとも一つの領域と
    を含み、
    前記領域は、
    前記少なくとも一つのナノチューブの中心軸線が前記入射ビームの伝播方向に沿って位置決めされる領域と、
    増加するチューブ壁厚を前記2端の少なくとも一方に近接して有する複数のナノチューブの領域であって、隣り合うナノチューブの外側壁がこの領域において互いに接触する領域と、
    前記少なくとも一つのナノチューブの中心軸線が湾曲する領域であって、この領域内の異なる位置における局所的な湾曲半径、局所的な内径、及び局所的な外径によってビームが望ましい向きに変えられ、かつ、すべての集合体断面に緊密なナノチューブ充填がされる領域と、
    前記中心軸線が直線状であり、かつ、前記少なくとも一つのナノチューブが拡大する内径を有する領域と、
    前記複数のナノチューブの中心軸線が直線状であり、かつ、前記ナノチューブは均一な壁厚を有して緊密に充填される領域と
    の一つである装置。
  2. 前記少なくとも一つのナノチューブは多壁ナノチューブである、請求項1に記載の装置。
  3. 前記少なくとも一つのナノチューブはコロッサルナノチューブである、請求項1に記載の装置。
  4. 前記少なくとも一つのナノチューブはカーボンナノチューブである、請求項1に記載の装置。
  5. 前記少なくとも一つのナノチューブは複数のナノチューブであり、
    前記光入口は第1の点に向けて配向され、かつ、前記光出口は第2の点に向けて配向される、請求項1に記載の装置。
  6. 前記少なくとも一つのナノチューブは複数のナノチューブであり、
    前記光入口は第1の点に向けて配向され、かつ、前記光出口は互いに平行に配向される、請求項1に記載の装置。
  7. 前記装置は単数のナノチューブを含む、請求項1に記載の装置。
  8. 前記ナノチューブは、円筒状の内部形状を有する、請求項7に記載の装置。
  9. 前記装置は、互いに同軸に挿入される異なる材料に由来するナノチューブであって、異なる材料のナノチューブが同軸層を形成するナノチューブを含む、請求項8に記載の装置。
  10. 小さい直径の前記同軸層は、大きい直径の前記同軸層よりも小さな臨界外部全反射角を有する材料から作られる、請求項9に記載の装置。
  11. 前記少なくとも一つのナノチューブは、内部層が前記光出口において減少する直径となる円錐形状を有する多層ナノチューブである、請求項7に記載の装置。
  12. 前記ナノチューブはコロッサルナノチューブである、請求項7に記載の装置。
  13. 前記ナノチューブは円錐状内部形状を有する、請求項7に記載の装置。
  14. 前記円錐状内部形状は前記光出口に近接した位置にある、請求項13に記載の装置。
  15. 前記ナノチューブは、楕円体、放物体又は双曲線体の内部形状を有する、請求項7に記載の装置。
  16. 前記単数のナノチューブは、外部多壁ナノチューブと同軸に整合した内部多壁ナノチューブを含み、
    前記内部多壁ナノチューブと前記外部多壁ナノチューブとは異なる屈折係数を有する、請求項7に記載の装置。
  17. 前記内部多壁ナノチューブは小さな屈折係数を有する、請求項12に記載の装置。
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