JP2013064713A - X線導波路及びx線導波システム - Google Patents

X線導波路及びx線導波システム Download PDF

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Abstract

【課題】 入射X線を高効率で導波路へ結合することのできるX線導波路を提供する。
【解決手段】 X線を導波させるクラッドとコアからなるX線導波路であって、コアがX線の導波方向に垂直な方向において屈折率実部の異なる複数の物質が周期的に配列された周期構造を有し、導波方向におけるコアの最大の長さをl、コアの最大の厚さをt、コアをなす周期構造のX線に対するブラッグ角をθ(°)としたときに、導波方向に平行でかつコアとクラッドの界面に垂直な方向を含む面内において、X線の導波方向におけるコア領域の少なくとも一つの端面が、コアとクラッドの界面に対してtan−1(t/l)<φ<90−θを満たす傾斜角度φ(°)をなして傾斜しているX線導波路。
【選択図】 図1

Description

本発明は、X線分析技術、X線撮像技術、X線露光技術などのX線光学系などに用いられるX線導波路に関する。
数10nm以下の短い波長の電磁波を扱う場合、異物質間における電磁波に対する屈折率差が非常に小さいため、物質界面での全反射角や屈折角が非常に小さくなることなどにより、大型の空間光学系が用いられてきており、主流となっている。空間光学系をなしている主な部品として、異なる屈折率の材料を交互に積層した多層膜反射鏡があり、ビーム整形、スポットサイズ変換、波長選択などの様々な役割を担っている。
主流であるこのような空間光学系に対し、従来のポリキャピラリのようなX線導波管は空気などの一様な物質からなる導波部にX線を閉じ込めて伝搬させるものである。近年では光学系の小型化、高性能化を目指し、薄膜や多層膜中に電磁波を閉じ込めて伝搬させるX線導波路の研究が行われている。具体的には、二層のクラッドにより一次元方向において一様な物質からなる導波路コア部を挟み込んだ形の薄膜導波路(非特許文献1参照)が提案されている。また、導波路コアの入射側端面がX線の導波方向に垂直に形成されているX線導波路が提案されている(非特許文献2参照)。これは、導波路のコアへ直接、導波方向に平行にX線を入射して、低次の導波モードを形成してX線を導波させるものである。
Journal Of Synchrotron Radiation,Vol.17、p.61(2010) Journal Of Applied Physics,Volume 101,p.054306(2007)
非特許文献1では、空気などの一様な媒質からなるコア中にX線を閉じ込めて低次の導波モードを形成してX線を導波させるX線導波路が開示されている。非特許文献1に記載されたX線導波路は、低次のX線導波モードのみを形成させるためにコアの厚さが非常に薄くなくてはならず、コアの入射側端面の幅を非常に小さくする必要がある。したがって、非特許文献1に記載されたX線導波路は、X線のクラッドへのしみ出しによる伝搬損失が大きく、伝搬できるX線が少ないという問題があった。
非特許文献2は、コアが一様な媒質からなり、コアの端面が垂直なX線導波路を記載している。非特許文献2に記載されたX線導波路は、低次の導波モードを形成するためにコアの領域は小さくなっており、導波路コアのX線を入射する側の端面における入射X線の断面積が小さい。したがって、引用文献2に記載されたX線導波路は、X線の入射端部で屈折率変化が大きく生じてしまいX線の結合効率が低く、導波路の断面積が小さいので伝搬できるX線が少ないという問題があった。
上記課題を解決するため、本発明は、X線を導波させるクラッドとコアからなるX線導波路であって、
前記コアがX線の導波方向に垂直な方向において屈折率実部の異なる複数の物質が周期的に配列された周期構造を有し、
導波方向における前記コアの最大の長さをl、前記コアの最大の厚さをt、前記コアをなす周期構造のX線に対するブラッグ角をθ(°)としたときに、導波方向に平行でかつ前記コアと前記クラッドの界面に垂直な方向を含む面内において、X線の導波方向におけるコア領域の少なくとも一つの端面が、前記コアと前記クラッドの界面に対して下記式(1)を満たす傾斜角度φ(°)をなして傾斜していることを特徴とするX線導波路に関する。
tan−1(t/l)<φ<90°−θ 式(1)
本発明によれば、入射X線を高効率で導波路へ結合することのできるX線導波路を提供することができる。
本発明のX線導波路の一形態を表す概略図である。 本発明のX線導波路の一形態を表す説明図である。 本発明のX線導波路の導波領域の一形態を表す図である。 波数ベクトルと有効伝搬角度の説明図である。 本発明のX線導波路の導波領域中の導波モードの損失と有効伝搬角度の関係を表すグラフである。 (a)本発明のX線導波路の一形態における導波領域の一部を表す図である。(b)本発明のX線導波路の一形態における導波領域中に形成される周期共鳴導波モードの、コア中での電場分布を表す図である。 本発明において周期共鳴導波モードを形成しうる構成のX線導波路の例を示す図である。 実施例1のX線導波路を表す図である。 実施例1のX線導波路中で形成されうる導波モードのコア中での電場強度分布を有効伝搬角度とコア内の位置において表示したグラフである。 本発明の実施例2から5のX線導波路を表す図である。 実施例2のX線導波路中に形成されうる導波モードの損失と有効伝搬角度の関係を表すグラフである。 実施例2のX線導波路中で形成されうる周期共鳴導波モードのコア中での電場の実部の分布を表す図である。 実施例4のX線導波路中に形成されうる導波モードの損失と有効伝搬角度の関係を表すグラフである。 実施例5のX線導波路の導波方向における断面を表す図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のX線導波路は、波長が1pm以上100nm以下のX線を導波させるクラッドとコアからなるX線導波路であって、コアがX線の導波方向に垂直な方向において屈折率実部の異なる複数の物質が周期的に配列された周期構造を有し、導波方向におけるコアの最大の長さをl、コアの最大の厚さをt、コアをなす周期構造のX線に対するブラッグ角をθ(°)とする場合に、導波方向に平行でかつコアとクラッドの界面に垂直な方向を含む面内において、X線の導波方向におけるコア領域の少なくとも一つの端面が、コアとクラッドの界面に対して下記の式(1)を満たす傾斜角度φ(°)をなして傾斜していることを特徴とする。
tan−1(t/l)<φ<90°−θ 式(1)
本発明においてX線とは、物質の屈折率実部が1以下となる周波数帯域または波長帯域の電磁波のことを言う。具体的には、本発明においてX線とは、波長が1pm以上で、極端紫外光(Extreme Ultra Violet(EUV)光)を含む100nm以下の波長の一般的なX線帯域の電磁波のことを言う。本発明は上記X線に相当する電磁波を導波するためのものである。またこのような短い波長の電磁波の周波数は非常に高く、物質の最外殻電子が応答できないため、紫外光の波長以上の波長をもつ電磁波(可視光や赤外線)の周波数帯域と異なり、X線に対しては物質の屈折率の実部が1より小さくなることが知られている。このようなX線に対する物質の屈折率nは一般的に、下記の式(2)
Figure 2013064713
で表されるように、実数部の1からのずれ量δ、吸収に関係する虚数部の
Figure 2013064713
を用いて表される。
δは物質の電子密度ρに比例するため電子密度の大きい物質ほど屈折率の実部が小さくなることになる。また、屈折率実部は、
Figure 2013064713
となる。さらに、ρは原子密度ρと原子番号Zに比例する。このようにX線に対する物質の屈折率は複素数で表されるが、その実部を本明細書中では『屈折率実部』または『屈折率の実部』と称し、虚部を『屈折率虚部』または『屈折率の虚部』と称する。
X線に対して屈折率実部が最大となる場合は、X線が真空中を伝搬する場合であるが、一般的環境下では気体でないほぼすべての物質に対して空気の屈折率実部が最大となる。本明細書中においては、『物質』と言った場合には、空気や真空も包含するものとする。したがって、メソ構造体やメソポーラス材料であるメソ構造体は、単一な材料で構成されている場合でも空気や真空からなる屈折率の異なる部分を有するので、複数の物質から構成されているものとする。
本発明のX線導波路は、コアとクラッドの界面におけるX線の全反射により、X線をコアの中に閉じ込めて導波モードを形成し、X線を伝搬させるものである。このとき形成される導波モードのX線が導波する方向を、本明細書中において導波方向と称し、この導波方向は導波路の理論に基づいて得られる導波モードの伝搬定数と同じ方向となる。本発明において屈折率実部が異なる複数の物質とは、多くの場合電子密度が異なる二種以上の物質である。周期構造をなしている最小の単位構造のことを本明細書中では単位構造と称する。コアをなす周期構造は、導波方向つまりクラッドとコアの界面に垂直な面内において1次元、2次元または3次元の周期性を有するものである。
本発明のX線導波路は、コアとクラッドの界面における全反射によりX線をコアに閉じ込めてX線を導波させるものであり、X線の導波方向は直交座標系を用いてz方向と定義する。本発明のX線導波路においては、コアとクラッドの界面付近におけるコアの屈折率実部がクラッドの屈折率実部より大きく、全反射臨界角よりも小さい角度でコアとクラッドの界面に入射するX線は、この界面で全反射されてコア中に閉じ込められる。このときの全反射臨界角を、導波方向に平行かつコアとクラッドとの界面に垂直な面内における界面での角度としてθ(°)と表す。
クラッドとコアの界面におけるクラッド側の物質の屈折率実部をnclad、コア側の物質の屈折率実部をncoreとした場合の、コアとクラッドの界面に平行な方向からの全反射臨界角θ(°)は、nclad<ncoreとして、下記の式(3)
Figure 2013064713
と表される。ただし、本発明におけるX線導波路のコアは、周期構造を有しており、その周期、単位構造が非常に小さいので、式(3)におけるncoreは、クラッドとコアの界面におけるコア側の物質の厳密な屈折率実部に等しいわけではなく、厳密な屈折率実部と周期構造全体での平均的な屈折率実部に近い値と考えられる。
次に、図を用いて本発明を説明する。図1は、本発明のX線導波路の一形態を表す概略図である。図1において、X線導波路は、X線が導波するコア101とコアを取り囲むクラッド102、103からなる。コア101は、界面105でクラッド103に接するとともに、界面106でクラッド103に接している。図1で、導波方向をz軸とする。本発明のX線導波路のコア101は、導波方向(z方向とする)における少なくとも一方の端面104が、導波方向に平行かつコア101とクラッド102(または103)の界面105(または106)に垂直な面内(図1中でのy−z面内)において、コアとクラッドの界面105(または106)に対して式(1)を満たす角度φ(°)をなして傾斜している。lはコアの導波方向における最大の長さ、tはコアの最大の厚さ、である。また、θは、導波方向に平行かつコア101とクラッド102(または103)の界面105(または106)に垂直な面内(図1のy−z面内)において、コアをなす周期構造のX線に対するブラッグ角である。
このようにコアの端面が傾斜していることにより、より多くのX線をコア領域に入射することができる。図1に示すように、本発明のX線導波路において、z方向におけるコアの端面が傾斜している部分を含む範囲を結合領域107、コアの端面が傾斜していない領域の範囲を導波領域108と称する。図2(a)は、クラッド101とコア102の界面に対して角度θをなすように、X線導波路にX線を入射する場合の例であり、矢印201で示されるようにX線を入射しているとするものである。図中の点線はコア101の端面が傾斜していない場合、つまりφが90°の場合のクラッドと端面の構成を表すものであり、この場合入射されるX線のうちコアに直接照射されるX線の領域の大きさはsとなる。sは、導波路端面付近における、入射光の伝搬方向に垂直な断面における入射光の分布とyz面の交線のうち、導波路コア断面に照射される部分の長さである。これに対して、式(4)で表わされるように、式(1)を満たすφをなして傾斜している端面に照射されるX線の領域の大きさはs’と、sより大きくなり、導波路への結合の効率も大きくなる。さらに、コアの端面が傾斜していることにより、X線に対する導波路の入射部分での散乱も低減することができるので、さらに結合効率を向上することができることになる。
Figure 2013064713
式(1)を満たすように傾斜したコア端面の形成方法、つまり結合領域の形成方法としては、例えばアルゴンイオンビームを照射して加工を施すクロスセクションポリッシャーによる方法が挙げられる。この方法で作製する場合には、導波領域のみからなるようなクラッドとクラッドにより挟まれたコアにより構成されるX線導波路を、アルゴンイオンビームの照射方向に対して、導波路におけるX線の導波方向が角度φ(°)となるように傾けて設置した状態で、加工を施す。これにより、図1に示す角度φ(°)で傾斜したコア端面を形成することができる。また、傾斜した端面部分つまり結合領域を含まない、クラッドとクラッドにより挟まれたコアにより構成されるX線導波路の表面に、導波領域となる付近に遮蔽マスクを設置する。その後、エッチングガスの飛来する方向に対して、X線導波路の表面が角度φをなすようにX線導波路を傾けてエッチングを行うことによっても形成することができる。
本発明のX線導波路は、図2(b)に示すように、X線の入射する端部の一部が傾斜を有するものであっても良い。
本発明のX線導波路において、コアとクラッドの界面における全反射によりコア内に形成されるX線の導波モードとして支配的なものは、周期性の影響が大きい周期共鳴導波モードである。本明細書中において周期共鳴導波モードとは、X線の周期構造による多重回折の結果、X線が周期構造と強く共鳴する導波モードのことをいう。周期共鳴導波モードは、周期構造と共鳴するモードであり、周期構造が1次元のものであれば1次元の、2次元のものであれば最大で2次元の、3次元のものであれば最大で3次元のブラッグ回折に関係するものとなる。本発明のX線導波路は、ブラッグ回折に起因する周期構造と共鳴する導波モードをコアとクラッドの界面における全反射によりコアに閉じ込め、周期共鳴導波モードを形成することができる。図3に、コアが1次元の周期構造を有する本発明のX線導波路を示す。X線の導波方向は図3のz方向である。コア301は、屈折率実部が小さい物質からなる低屈折率実部層304と屈折率実部が大きい物質からなる高屈折率実部層305からなる単位構造303が周期dで周期的にy方向に複数積層された構造で、1次元周期構造となっている。y方向において、クラッド302がコア301を挟みこむように配置されている。y方向において周期性の影響が最も強くなる。306はコア301とクラッド302の界面307においてこの界面307から測られた全反射臨界角θを示しており、この全反射臨界角θよりも小さな角度で界面307に入射するコア中のX線は全反射され、y方向において閉じ込められる。このようにして閉じ込められたX線は、y−z面に平行な方向において導波モードを形成し、それぞれの導波モードの基本波はそれぞれ異なる有効伝搬角度
Figure 2013064713
をもつ。基本波は、導波モードが一つの平面波がコアとクラッドの界面で全反射を繰り返して伝搬するときの干渉により形成されていると近似した場合の、一つの平面波のことである。図4に示すように、コア中での各導波モードの波数ベクトルのz成分、つまり伝搬定数をk、真空中での波数ベクトルをkとした場合、有効伝搬角度
Figure 2013064713
を、
Figure 2013064713
と定義する。つまり、有効伝搬角度
Figure 2013064713
は、おおよそ導波モードの基本波と導波方向のなす角度であると考えることができる。そして、形成される各導波モードの基本波はコアとクラッドとの界面308においてほぼ有効伝搬角度
Figure 2013064713
で反射されるものと考えることができる。X線導波路内で導波モードを形成するためには、その有効伝搬角度
Figure 2013064713
がθよりも小さくなくてはならない。本明細書において、基本波とは、導波モードを形成している電磁波を一般化して一つの平面波として考えた場合に、導波方向(z方向)に対して、有効伝搬角度
Figure 2013064713
で伝搬すると仮定される電磁波のことである。また、図4において、導波方向(z方向)と垂直な方向における基本波の波数ベクトルを波数ベクトルの垂直成分k⊥と称する。周期共鳴導波モードの有効伝搬角度は周期構造のX線に対するブラッグ角θに近い角度となるので、下記の式(5)を満たすようにX線導波路を構成することにより、周期共鳴導波モードを形成することができる。
θ<θ 式(5)
図5は、図3のようにコアが一次元の周期構造を有し、周期構造の周期数が25の場合のX線導波路中に形成される導波モードの損失を、各導波モードのもつ有効伝搬角度に対してプロットしたグラフである。導波モードの損失は伝搬定数の虚部Im[kz]に比例するので、縦軸をIm[kz]としてある。502はブラッグ反射の角度帯域に相当し、503は導波モードのもつ有効伝搬角度帯域、504はクラッドとコアとの界面での全反射臨界角を超える放射モードの角度帯域に相当する。一般的なブラッグ角とは、ブラッグ反射の角度帯域の中心角度を表すが、本明細書においては、ブラッグ反射の角度帯域の最小角度を指すものとする。これはすなわち、周期共鳴導波モードの有効伝搬角度に相当する。周期共鳴導波モードの損失501は、周期共鳴導波モードの有効伝搬角度周辺の有効伝搬角度を有する他の導波モードの損失に比較して非常に小さくなる。そのため、式(5)を満たす構成のX線導波路中において、周期共鳴導波モードが導波モードとして支配的なものとなり、非常に損失の小さいX線の導波が可能である。従来、単一モードとなる導波モードは一様媒質をコアとした場合、コアの領域を非常に小さくしなくてはならなかった。しかし、本発明では周期構造を利用することによりコアの領域を大きくすることができるとともに、より損失の低い周期共鳴導波モードを特定の方向における単一の導波モードとして形成することができる。本明細書中で、導波モードにかかる「単一の」という表現の意味するところは、他の導波モードに比較して最も選択されやすいため、いくつかの導波モードの中で一つが導波モードとして支配的になるということである。図6(a)のX線導波路は、コア601が屈折率実部の大きい物質(屈折率虚部が小さい物質)604と屈折率実部が小さい物質(屈折率虚部が大きい物質)603からなる単位構造605が1次元周期的に積層されたコア601を有する。そして、コア601を挟み込むクラッド602が設けられており、式(5)を満たすように構成されている。説明のために、周期数の少ない場合を描いてある。図6(b)のグラフは、図6(a)のX線導波路中に形成される周期共鳴導波モードの電場の実部の分布を実線606で表す図であり、y軸は図6(a)と対応させてある。図6からわかるように、周期共鳴導波モードの電場は、コア601中の屈折率実部が大きい物質604つまり吸収損失の小さい物質中に集中する。また、図6(b)中の点線607で表わされる周期共鳴導波モードの電場分布の包絡関数は、コア中央付近でより電場が強くなることを示す形状となっている。周期共鳴導波モードの場合には、クラッドへのしみ出しが小さくなり、より伝搬損失が下がるものとなる。また、周期数を増やすことによりクラッドへの染みだしをより低減することができる。これらにより、周期共鳴導波モードの伝搬損失は非常に小さいものとなる。導波方向に垂直な方向において導波路の構成がより対称性の高いものであれば、図6(b)のように、周期共鳴導波モードの包絡曲線はコア中央付近で電場が大きくなることを示す形状となる。また、導波路の構成を対称構造からずらすことにより、電場の大きくなる位置をコア中で変化させることも可能である。
図7に、式(5)を満たすX線導波路のX線入射部分付近を表す図を示す。図7で、紙面手前から奥方向をx軸方向として、紙面の下から上方向をy軸方向として、導波方向の紙面左から右方向をz軸とする。図7で、713の位置をx=y=z=0とする。X線導波路は、下部クラッド702および上部クラッド703によりコア701が挟まれた構成となっており、コア701のX線が入射される側の端面711が下部クラッド702とコア701との界面(zx平面)に対して角度φ(°)をなして傾斜している。ほぼ平面波として考えることができるX線707が紙面左側から、導波路に入射されるとする。入射X線707は図中z方向に対して角度θ(°)をなして入射されるものとする。コア701は複数の単位構造が積層されたものとするが、図中のy=0に一番近い単位構造を704、二番目に近い単位構造を705、3以上の任意の自然数をkとしてk番目に近い単位構造を706とする。範囲708に相当するzの範囲では、単位構造704のみにX線が入射されていることになる。範囲709に相当するzの範囲では、単位構造704、705にのみX線が直接入射されていることになるが、範囲709に相当するzの範囲では、直接入射されるX線と単位構造704に直接入射されて透過してくるX線が回折、干渉を引き起こす。さらにzが大きい範囲になると、いくつもの単位構造に直接入射されたX線が多重回折、多重干渉を引き起こすことになる。本発明のX線導波路のように端面が傾斜している場合、入射X線はy=0に近いコア領域からzおよびyの正の方向に徐々に、多重干渉を起こしながら、導波モードの電磁場分布に近い電磁場分布をもつ伝搬X線へと変換されてゆくため、入射時の散乱などが抑制され、結合損失が小さいものとなる。徐々に変換されていったX線はz方向において上部クラッドが存在しはじめる位置712付近において導波モードにスムーズに結合することになる。このようにして、本発明のX線導波路は結合効率の高いX線導波路である。特に、入射角度θ(°)がコアをなす周期構造のブラッグ角に等しい場合、高い結合効率でX線を周期共鳴導波モードへ結合することができる。
また、本発明のX線導波路のX線の導波方向におけるコア領域の少なくとも一つの端面は、前記傾斜角度φ(°)が以下の式(6)を満たすように傾斜していることが好ましい。
tan−1(3t/2l)<φ<30 式(6)
X線の導波方向とコアクラッド界面に平行な面内における、本発明のX線導波路における傾斜した端面の長さは、傾斜角度φ(°)が小さくなるほど、傾斜していない場合に比べて長くなる。すなわち、端面を傾斜させるほど、導波路コア部に照射される領域が大きくなることになる。入射X線の断面積に加えて、この長さは、X線を導波路に効率よく結合させる上での、重要なものでなる。この長さは、傾斜角度φ(°)と導波路コアの厚さtを用いてt/sinφと表される。この式から、X線の導波路への結合部において、この長さがコアの厚さtの2倍以上となるような、十分な効果が得られるための傾斜角度の条件は、φ<30(°)となる。また、X線の結合領域の導波方向における長さは、導波路全体の長さをlとした場合に、2l/3以下でることが好ましい。すなわち、傾斜角度φ(°)の条件として、tan−1(3t/2l)<φを満たしていることが好ましい。この条件を満たさず導波路全体の長さに対する結合領域の長さの割合が大きい場合、結合領域を経て導波路に結合されたX線が、導波モードの高いモード選択性を発揮するための十分な長さの導波領域を通過することができない。またこのように、結合領域の長さが2l/3より長くなってしまう場合、結合領域におけるX線の吸収により大きなX線の損失が生じてしまう。
また、X線の導波方向における入射側のコアの端面の傾斜角度φが、導波路のコアをなす周期構造のX線に対するブラッグ角θ(ほぼ周期共鳴導波モードの有効伝搬角度)に等しい角度となるように、本発明のX線導波路を構成することが好ましい。前述したように、本明細書中ではブラッグ角は、周期共鳴導波モードの有効伝搬角度と等価であるが、ここで、φがθに等しいということは、厳密に等しいとは限らず、導波路の内部での屈折などを考慮した結果得られる、コア中での周期共鳴導波モードの有効伝搬角度に等しいということである。図6(b)の電場分布からわかるように、コアをなす周期構造中の周期共鳴導波モードの電場は、y方向において周期構造の周期と同じ周期で振動した分布となっており、その位相も+πと−πの間で同じ周期で振動したものとなる。
このような特性をもつ周期共鳴導波モードへX線を効率よく結合するためには、導波路のコアの入射部分つまり結合領域で周期構造と共鳴するX線を形成することが重要となる。これは、式(5)を満たすように構成された本発明のX線導波路の傾斜したコア端面において、隣り合う単位構造の間でのX線の位相差がπとなるような電場を形成することに相当する。導波方向における入射側のコアの端面の傾斜角度φが、導波路のコアをなす周期構造のX線に対するコア中でのブラッグ角θ(コア中での周期共鳴導波モードの有効伝搬角度)に等しくなるように構成されたX線導波路のコア端面に、導波方向に対してコア中でのブラッグ角に等しい角度(コア中での周期共鳴導波モードの有効伝搬角度)をなすように入射することにより、周期共鳴導波モードへの効率の高いX線の結合が可能となる。ここでの入射角度は、コア中でのブラッグ角に対して、入射端面における屈折を考慮したものである。
また、本発明のX線導波路を、コア領域のX線を入射する側の端面の傾斜した結合領域の表面にクラッドが形成されているように構成することができる。このようにすることにより、コアの傾斜した端面を有する領域に入射されたX線がこの端面から導波路外部へ放射されてしまうことを抑制することができる。傾斜した端面を有するコアの領域に入ったX線は、傾斜した端面に設けられたクラッド材料とコアの界面において全反射されて導波路コア中に再度伝搬してゆくこととなり、伝搬損失を低減することができる。また、このクラッドと、このクラッドと接する導波路外部の物質との界面における全反射臨界角をθC−ext(°)とした場合に、前記傾斜角度φ(°)とブラッグ角θ(°)を用いて、下記の式(7)が満たされるようにX線導波路を構成することが好ましい。
φ>θC−ext−θ 式(7)
この条件を満たすことにより、入射するX線の伝搬方向と、傾斜した端面とのなす角度は、傾斜した端面に設けられたクラッド材料表面における全反射臨界角よりも大きくなるので、入射時の傾斜した端面に設けられたクラッド材料表面での全反射による損失はない。さらに、傾斜した端面に設けられたクラッド材料の厚さは、10ナノメートル以下とすることで、X線を入射する際の吸収や部分反射を抑えることができる。
また、コアをなす周期構造としては、1次元、2次元または3次元方向において周期性を有するいずれの周期構造でもよい。しかし、コアをなす周期構造は、少なくとも導波方向に垂直な面内において周期性をもち、コアを挟む二つのクラッドを最短で結ぶ線分に平行な方向に周期性を持つことが好ましい。
コアをなす1次元の周期構造としては、屈折率実部の大きい材料と屈折率実部の小さい材料を交互に積層した1次元周期多層膜や、少なくとも1次元の周期性を有する周期構造が挙げられる。また、コアを挟む二つのクラッドを最短で結ぶ線分に平行な方向には1次元周期構造をとり、一次元周期構造が特定方向で変化する2次元、3次元の周期構造なども用いることができる。
1次元の周期構造の多層膜としては、屈折率実部の大きい材料として、カーボン(C)、ボロンカーバイト(BC)、ボロンナイトライド(BN)、ベリリウム(Be)などを用いることができる。また、屈折率実部の小さい材料として、酸化アルミニウム(Al)、酸化マグネシウム(MgO)、シリコンカーバイト(SiC)、シリコンナイトライド(Si)、酸化チタン(TiO)などを用いることができる。また、コアをなす1次元の周期構造は、屈折率実部の大きい材料と屈折率実部の小さい材料を交互に積層したものや、自己組織化プロセスにより作製される周期性メソ構造体材料が挙げられる。1次元周期性の周期性メソ構造体材料としては、SiOと有機物が薄膜の面に垂直な方向に周期的に配列したラメラ構造のものや、面に垂直方向に周期性をもち面内での配向性をもたない2次元のメソポーラス材料などが挙げられる。
また、2次元の周期構造としては、上記屈折率実部の小さい材料からなる薄膜を電子線リソグラフィー、エッチングなどの半導体プロセスにより面内で周期的なパターニングをしたものを周期的に積層したものや、1軸配向性の2次元周期性メソ構造体材料などが挙げられる。
さらに、3次元の周期構造としては数ナノメートルから数10ナノメートルの直径をもつ空洞または3次元周期性メソ構造体材料や、その他の材料としては、例えば、直径約50ナノメートルほどのポリスチレン球が自己組織的に六方細密充填構造で配列したいわゆる3次元周期構造の人工オパール構造などが挙げられる。
本発明のX線導波路のコアをなす周期構造の周期は、9nm以上50nm以下が好ましい。周期構造の周期が9nm未満だと伝搬損失が大きくなり、周期構造の周期が50nmを超えると周期共鳴導波モードが生じ難くなる。
以下、自己組織化過程により作製される1次元の周期構造を有するメソ構造体材料について説明する。本明細書では、1次元の周期構造を有するメソ構造体材料を、ラメラ構造をもつメソ構造体膜と称することとする。
本発明のメソ構造体膜は、2nm以上50nm以下の構造周期をもつ周期構造体である。ラメラ構造は、異なる二種類の物質の層が、層の表面に垂直な1次元方向に周期的に配列された構成の層状構造であり、この二種類の物質は無機成分を主とする物質と、有機成分を主とする物質により構成される。この無機成分を主とする物質と有機成分を主とする物質は、必要に応じて化学結合されていてよい。無機成分を主とする物質と有機成分を主とする物質が化学結合されたものの具体例としては、アルキル基の結合したシロキサン化合物からなるメソ構造体を挙げることができる。
(無機成分を主とする物質)
無機成分を主とする物質の材料は特に限定されるものではないが、周期構造体を屈折率実部が異なる物質より構成するという観点から、無機酸化物を用いることができる。無機酸化物としては、例えば、酸化ケイ素、酸化スズ、酸化ジルコニア、酸化チタン、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化アルミニウム、酸化タングステン、酸化ハフニウム、酸化亜鉛を用いることができる。無機酸化物の表面は、必要に応じて修飾されていてもよい。たとえば、水の吸着を抑制するために、疎水性の分子で修飾されていてもよい。
(有機成分を主とする物質)
この有機化合物を主とする物質は特に制限されるものではないが、界面活性剤や、分子集合体の形成機能を有する部位が、壁部を形成する材料または壁部を形成する材料の前駆体と結合している材料が挙げられる。界面活性剤は、イオン性、非イオン性の界面活性剤を用いることができる。イオン性界面活性剤としては、例えば、トリメチルアルキルアンモニウムイオンのハロゲン化物塩を用いるこことができる。アルキル鎖の鎖長は、炭素数で10から22であることが好ましい。非イオン性の界面活性剤としては、例えば、ポリエチレングリコールを親水基として含むものを用いることができる。ポリエチレングリコールを親水基として含む界面活性剤としては、例えば、ポリエチレングリコールアルキルエーテル、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール−ポリエチレングリコールのブロックコポリマーを用いることができる。ポリエチレングリコールアルキルエーテルのこのアルキル鎖の鎖長は、炭素数で10以上22以下であることが好ましく、ポリエチレングリコールの繰返し数は2以上50以下が好ましい。この疎水基、親水基を変化させることにより構造周期を変化させることが可能である。一般的に疎水基、親水基を大きなものとすることにより構造周期を拡大することが可能である。この有機成分を主とする物質としては、必要に応じて、水、有機溶媒、塩等が含まれていてよい。この有機溶媒の例としては、アルコール、エーテル、炭化水素が挙げられる。
メソ構造体膜の製造法は、特に制限されるものではないが、たとえば、集合体として機能する両親媒性物質(特に界面活性剤)の溶液に、無機酸化物の前駆体を加え、成膜を行い、無機酸化物の生成反応を進行させることによって製造される。製膜法の例としては、ディップコート法、スピンコート法、水熱合成法が挙げられる。また、界面活性剤に加えて、構造周期を調整するための添加物を加えてもよい。この構造周期を調整するための添加物としては、疎水性物質が挙げられる。この疎水性物質の例としては、アルカン類、親水性基を含まない芳香族化合物が挙げられ、その具体的な例としては、オクタンが挙げられる。
無機酸化物の前駆体の例としては、ケイ素や金属元素のアルコキサイド、塩化物が挙げられる。無機酸化物としては、具体的に、Si,Sn,Zr,Ti,Nb,Ta,Al,W,Hf,Znのアルコキサイド、塩化物を用いることができる。アルコキサイドの例としては、メトキサイド、エトキサイド、プロポキサイド、または、その一部がアルキル基に置換されたものが挙げられる。
次に、2次元または3次元的な構造周期をもつ周期性メソ構造体材料について説明する。多孔質材料は、IUPAC(International Union of Pure and Applied Chemistry)によって、その孔径により分類されており、孔径が2−50nmの多孔質材料は、メソポーラスに分類される。近年、このメソポーラス材料についての研究が盛んに行われ、界面活性剤の集合体を鋳型とすることで、径の揃ったメソ孔が規則的に配列した構造を得ることが可能になっている。
ここで、本発明の2次元または3次元の構造周期をもつ周期性メソ構造体材料は、2次元、3次元の構造周期を持つ、(A)メソポーラス膜、(B)メソポーラス膜の孔が主に有機化合物で充填されたもの、である。以下に詳細な説明を行う。
(A)メソポーラス膜について
メソポーラス膜は、孔径が2−50nmの多孔質材料で、壁部の材料は特に限定されるものではないが、例えば、無機酸化物を用いることができる。無機酸化物としては、例えば、酸化ケイ素、酸化スズ、酸化ジルコニア、酸化チタン、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化アルミニウム、酸化タングステン、酸化ハフニウム、酸化亜鉛を用いることができる。メソポーラス膜の壁部の表面は、必要に応じて化学修飾されていてよい。たとえば、水の吸着を抑制するために、疎水性の分子で修飾してもよい。
メソポーラス膜の製造法は、特に制限されるものではないが、たとえば、以下の方法で製造することができる。集合体が鋳型として機能する両親媒性物質の溶液に、無機酸化物の前駆体を加え、成膜を行い、無機酸化物の生成反応を進行させる。その後に、鋳型分子を除去することにより、多孔質材料とする。
この両親媒性物質は、特に限定されるものではないが、界面活性剤を用いることが好ましい。界面活性剤分子としては、イオン性、非イオン性の界面活性剤を用いることができる。このイオン性界面活性剤としては、例えば、トリメチルアルキルアンモニウムイオンのハロゲン化物塩を用いることができる。このアルキル鎖の鎖長は、炭素数が10から22であることが好ましい。非イオン性の界面活性剤は、例えば、ポリエチレングリコールを親水基として含むものを用いることができる。ポリエチレングリコールを親水基として含む界面活性剤としては、具体的に、ポリエチレングリコールアルキルエーテル、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール−ポリエチレングリコールのブロックコポリマーを用いることができる。ポリエチレングリコールアルキルエーテルのこのアルキル鎖の鎖長は、炭素数で10以上22以下であることが好ましく、ポリエチレングリコールの繰返し数としては、2以上50以下であることが好ましい。この疎水基、親水基を変化させることにより構造周期を変化させることが可能である。一般的に疎水基、親水基を大きなものとすることにより孔径を拡大することが可能である。また、界面活性剤に加えて、構造周期を調整するための添加物を加えてもよい。この構造周期を調整するための添加物としては、疎水性物質が挙げられる。疎水性物質としては、アルカン類、親水性基を含まない芳香族化合物を用いることができ、具体的には、オクタンを用いることができる。無機酸化物の前駆体としては、ケイ素や金属元素のアルコキサイド、塩化物を用いることができる。無機酸化物の前駆体としては、具体的には、Si,Sn,Zr,Ti,Nb,Ta,Al,W,Hf,Znのアルコキサイド、塩化物を用いることができる。アルコキサイドとしては、メトキサイド、エトキサイド、プロポキサイド、または、その一部がアルキル基に置換されたものを用いることができる。
メソポーラス膜の製膜法としては、ディップコート法、スピンコート法、水熱合成法を用いることができる。
鋳型分子の除去方法としては、焼成、抽出、紫外線照射、オゾン処理を用いることができる。
一軸方向に複数の孔がのび、この方向に垂直な面内で2次元的に周期配列された構造となる場合、このメソ構造体膜は2次元の構造周期をもつ2次元の周期性メソ構造体材料となる。また、孔がメソスケールの直径をもつ空洞で、それらが3次元的に周期配列された構造となる場合、このメソ構造体膜は3次元の構造周期をもつ3次元の周期性メソ構造体材料となる。
(B)メソポーラス膜の孔が主に有機化合物で充填されたもの
メソポーラス膜の壁部の材料については、(A)の項に記載したものと同様のものを使用することができる。孔を充填する物質については、有機化合物を主とするものであれば特に制限されるものではない。この「主」の意味としては、体積比で50%以上を意味する。有機化合物としては、界面活性剤や、分子集合体の形成機能を有する部位が、壁部を形成する材料または壁部を形成する材料の前駆体と結合している材料を用いることができる。この界面活性剤としては、例えば、(A)の項で記載した界面活性剤を用いることができる。また分子集合体の形成機能を有する部位が壁部を形成する材料、または、壁部を形成する材料の前駆体と結合している材料としては、アルキル基を有するアルコキシシラン、アルキル基を有するオリゴシロキサン化合物を用いることができる。このアルキル鎖の鎖長は、炭素数で10以上22以下が好ましい。
孔の内部には、必要に応じて、または、使用する材料、工程の結果として水、有機溶媒、塩等が含まれていてもよい。この有機溶媒としては、アルコール、エーテル、炭化水素を用いることができる。
メソポーラス膜の孔が主に有機化合物で充填されたものの製造法は、たとえば、(A)の項に記載したメソポーラス膜の製造方法の鋳型の除去以前の工程によって製造することができる。
(A)と同様に、一軸方向に有機化合物で充填された複数の孔がのび、この方向に垂直な面内で孔が2次元的に周期配列された構造となる場合、このメソ構造体膜は2次元の構造周期をもつ2次元の周期性メソ構造体材料となる。また、有機化合物で充填された複数の孔がメソスケールの直径をもつ空洞で、それらが3次元的に周期配列された構造となる場合、このメソ構造体膜は3次元の構造周期をもつ3次元の周期性メソ構造体材料となる。
次に、本発明のX線導波システムについて説明する。本発明のX線導波システムは、少なくとも、X線源およびX線導波路を有する。X線源は、1pm以上100nm以下の波長の、一般的なX線帯域の電磁波をX線として照射する。X線源から照射されるX線は、単一の波長であっても、幅を持っていてもよい。X線源から照射されたX線は、X線導波路の端部に入射される。本発明のX線導波システムの導波路は、コアとクラッドからなり、コアがX線の導波方向に垂直な方向において屈折率実部の異なる複数の物質が周期的に配列された周期構造を有する。また、X線の導波方向におけるコアの最大の長さをl、コアの最大の厚さをt、コアをなす周期構造の前記X線源から照射されるX線に対するブラッグ角をθ(°)としたときに、導波方向に平行でかつコアとクラッドの界面に垂直な方向を含む面内において、X線の導波方向におけるコア領域の少なくとも一つの端面が、コアとクラッドの界面に対して上記の式(1)を満たす傾斜角度φ(°)をなして傾斜している。また、本発明のX線導波システムに用いるX線導波路は、上述のX線導波路に記載したことが妥当する。
図8は、本発明の第1の実施例となるX線導波路を表す図である。図中、紙面手前から奥方向をx軸方向として、紙面の下から上方向をy軸方向として、導波方向の紙面左から右方向をz軸とする。図8で、z軸方向は、コアと下部クラッドの界面に平行な方向となる。本実施例のX線導波路はSi基板809上にy方向にスパッタ法により積層して作製されたものである。厚さ20nmの下部クラッド802と厚さ10nm.の上部クラッド803にコア801が挟まれた構成となっている。コアは厚さ46nmのカーボン層805と厚さ2.5nmのニッケル層806が交互にy方向に積層された周期構造となっており、コア全体としてカーボン層が7層形成されている。この周期構造の光子エネルギー8キロエレクトロンボルトのX線に対するブラッグ角は約0.18°である。X線を入射する方のコア801の端面は、下部クラッド802とコア801の界面と傾斜角度φ=10(°)となるように傾斜している。このような形状のX線導波路に対して、導波方向における導波路の領域を結合領域807と導波領域808と称する。図9は、実施例1の導波路内で、光子エネルギー8キロエレクトロンボルトのX線が形成することができる導波モードのコア801中の電場強度分布を、y方向の位置と導波モードの有効伝搬角度に対してグラフ化した図である。図9において、白い部分ほど電場強度が大きいことを意味する。一つ一つのカーボン層をコアとする単層の導波路間でエバネッセント波により結合した結果得られる901で指す電場強度分布をもつ連成モードに着目すると、その有効伝搬角度はおよそ0.24(°)である。したがって、z方向と入射角度θ〜0.24(°)となるようにX線を入射する。入射するX線の方向を810で示す。入射されるX線は結合領域807において、下部クラッドに近いほうから徐々にコアへ結合してゆき、導波領域808の導波モードへスムーズに結合することになる。本実施例のX線導波路のX線入射部分において、傾斜した端面をもたない場合の導波路端面のコアに直接照射されるX線の領域の大きさはsに対して、傾斜した端面をもつ場合の導波路端面のコアに直接照射されるX線の領域の大きさs´は、約1.02sとなる。また、X線の導波方向とコアクラッド界面に平行な面内における、傾斜した端面の長さは、傾斜していない場合の長さ(つまりコアの厚さ)に対して、約5.8倍となる。
図10は本発明の第2の実施例となるX線導波路を表す図である。図10で、実施例1の図8と同様に、x軸方向、y軸方向およびz軸方向を定める。X線導波路中のX線の導波方向をz軸方向、つまりコアと下部クラッドの界面に平行な方向である。実施例2のX線導波路はSi基板1009上に厚さ20nmのタングステン(W)からなる下部クラッド1002と厚さ20nmのタングステンからなる上部クラッド1003により挟まれたコア1001が形成されている。コア1001をなす周期構造は、厚さ3nmの酸化アルミニウム(Al)層1006と厚さ12nmのボロンカーバイト(BC)層1005からなる単位構造1004が、y方向において周期的に積層されたものであり、周期数は100、周期は15ナノメートルである。ただし、下部クラッド1002および上部クラッド1003に隣接する層はいずれも酸化アルミニウム(Al)層としたので、単位構造が100積層されたものにさらに上記酸化アルミニウム(Al)層を積層した。図11は光子エネルギー8キロエレクトロンボルトのX線に対して、本実施例のX線導波路中に形成可能な導波モードの伝搬定数の虚部を損失として、導波モードの有効伝搬角度に対してプロットした、計算結果を示すグラフである。図11中、1101で示す点が低損失な周期共鳴導波モードの損失を示し、その有効伝搬角度は約0.34(°)であり、ブラッグ反射帯域1102に相当するブラッグ角θ付近の角度となっている。このような関係にあるので、図10中、矢印1010で示される入射X線の方向は導波方向であるz方向と、ブラッグ角θ付近の有効伝搬角度とほぼ同じ入射角度θ〜約0.34(°)をなすようにしてある。このとき、X線の結合領域1007において徐々に周期共鳴導波モードに近い伝搬モードのX線を形成するために、コア端面1011はコア1001と下部クラッド1002との界面に対して、傾斜角度φ〜0.34(°)となるように、傾斜させてある。実施例2のX線導波路では、結合領域1007と導波領域1008との境界において、結合領域1007の伝搬X線の電場分布が図12に示す周期共鳴導波モードのコア内での電場分布と近いものとなる。したがって、結合領域1007の伝搬X線がスムーズに導波領域1008中の周期共鳴導波モードに結合されることになり、高効率な結合が可能となる。ここで、図12において、y方向の範囲1201が図10の導波路導波領域1008のコア領域1001に相当する。また、本実施例のX線導波路のX線入射部分において、s’は約2sとなり、コアへ照射されるX線の断面積は傾斜していない導波路の場合に比べて約2倍になる。また、X線の導波方向とコアクラッド界面に平行な面内における、傾斜した端面の長さは、傾斜していない場合の長さ(つまりコアの厚さ)に対して、約170倍となる。
実施例3のX線導波路は、実施例2のX線導波路上部にさらに、スパッタ法によりタングステン(W)を約2nm形成したものである。図10で示されるX線導波路の上部クラッドの厚さが約22nmになり、コア端面1011上部に約2ナノメートルのタングステンが形成されたものとなる。実施例3のX線導波路は、実施例2のX線導波路と比較して、結合領域1007における散乱などの理由でコア外部へ放射されてしまうX線がコア端面1011における全反射により抑制されるので、より効率の高い結合が可能となる。
実施例4のX線導波路は、実施例2のX線導波路のコア1001が1次元の周期性メソ構造体よりなるものである。この場合の周期性メソ構造体は、厚さ約3ナノメートルのシリカ(SiO)層と厚さ約12ナノメートルの有機物層からなる単位構造が交互に25周期分積層されたラメラ構造をもつメソ構造体膜で、周期構造の周期は約15ナノメートルである。メソ構造体膜は、前駆溶液をディップコート法によりSi基板上に塗布するゾルゲル法により調製される。この前駆溶液は、集合体が鋳型として機能する界面活性剤の溶液に、無機酸化物の前駆体を加えることで調製される。ここでは、界面活性剤としてブロックポリマーを、無機酸化物の前駆体として、テトラエトキシシランを用い、エタノールを溶媒とし、無機酸化物の前駆体の加水分解を行うための水、塩酸、ホモポリマーを加え、攪拌することで調製される。混合比(モル比)は、テトラエトキシシラン:1、ブロックポリマー:0.016、水:8、塩酸:0.01、エタノール:40:ホモポリマー:0.008である。ブロックポリマーとしては、ポリエチレングリコール(106)‐ポリプロピレングリコール(70)‐ポリエチレングリコール(106)のトリブロックコポリマーを用いる。(カッコ内は各ブロックの繰り返し数)また、ホモポリマーとしては、ポリプロピレングリコール4000(数字は分子量)を用いる。溶液を膜厚調整のために適当な濃度に希釈し、ディップコート装置を用いて0.5mm/sの速度で製膜を行う。導入された溶液の溶媒が揮発する過程において自己組織化プロセスにより、クラッド1201の内側の壁に沿って、メソ構造体が形成される。このメソ構造体部分がコアの一部をなす周期構造体1202となる。周期構造体1202であるメソ構造体は、有機物とシリカ(SiO2)の層が交互に積層された構成をもつ。図13は、本実施例のX線導波路中に形成されうる導波モードの損失を、計算で得られた伝搬定数の虚部(Im[kz])として、有効伝搬角度(°)に対してプロットしたグラフである。周期共鳴導波モードの損失(伝搬定数の虚部)と有効伝搬角度を表す点が1301である。この場合の周期共鳴導波モードの有効伝搬角度は、例えば光子エネルギー19.5キロエレクトロンボルトのX線に対して、ブラッグ反射角度域1302で示されるブラッグ角に近い約0.14(°)である。したがって、入射するX線の入射角θ(°)を約0.14(°)、コア端面の傾斜角度φ(°)を約5(°)に設定する。このように設定することにより、導波路へのX線の結合損失は小さいものとなり、さらに周期性メソ構造体は有機物とシリカというX線の吸収損失が小さい物質からなるため、周期共鳴導波モードの伝搬損失も小さくなる。また、X線の導波方向とコアクラッド界面に平行な面内における、傾斜した端面の長さは、傾斜していない場合の長さ(つまりコアの厚さ)に対して、約11倍となる。
実施例5のX線導波路は、実施例2のX線導波路のコア1001が2次元の周期性メソ構造体よりなるものである。実施例5の周期性メソ構造体は、メソポーラスシリカであり、導波方向にのびる空孔が、導波方向としてのz方向に垂直な面内で2次元の三角格子状の周期構造をなしているものである。このメソポーラスシリカの前駆溶液としては、実施例4と同様の調製方法において、前駆溶液の混合比(モル比)を、テトラエトキシシラン:1、ブロックポリマー:0.006、水:8、塩酸:0.01、エタノール:40、ホモポリマー0.003としたものが用いられる。この溶液を基板に塗布、乾燥、熟成させた後に溶媒に浸漬することにより、鋳型であるポリマーを抽出除去しメソポーラスシリカ膜を調製する。図14に、導波領域における導波方向に垂直な面内でのコアとクラッドの領域の断面を示し、コアとクラッドの界面に平行で紙面の右から左への方向をx軸方向とする。コアとクラッドの界面に垂直で紙面の下から上への方向をy軸方向、X線の導波方向である紙面手前から紙面奥方向をz軸方向とする。シリカ1401中に導波方向にのびる空孔1402がx−y面内において三角格子状の2次元周期構造を形成している。下部クラッド1002と上部クラッド1003を最短で結ぶ方向、つまりy方向における周期構造の周期1403は約15ナノメートルであり、このときの光子エネルギー8キロエレクトロンボルトのX線が形成する周期共鳴導波モードの有効伝搬角度は導波方向に対して、ブラッグ角付近の約0.3(°)となる。入射するX線の入射角θ(°)を約0.3(°)、コア端面の傾斜角度φを約2.0(°)と設定することにより、高効率な結合が実現できる。また、実施例5のX線導波路のX線入射部分では、s’は約1.15sとなり、コアへ照射されるX線の断面積は傾斜していない導波路の場合に比べて約1.15倍になる。また、X線の導波方向とコアクラッド界面に平行な面内における、傾斜した端面の長さは、傾斜していない場合の長さ(つまりコアの厚さ)に対して、約28倍となる。
本発明のX線導波路は、X線分析技術、X線撮像技術、X線露光技術などにおけるX線光学系などに用いられるX線光学部品などに利用することができる。
101 コア
102,103 クラッド
104 端面
105,106 界面
301 コア
302 クラッド
306 全反射臨界角
601 コア
602 クラッド
701 コア
702,703 クラッド
707 入射X線
801 コア
802,803 クラッド
1001 コア
1002,1003 クラッド

Claims (8)

  1. X線を導波させるクラッドとコアからなるX線導波路であって、
    前記コアがX線の導波方向に垂直な方向において屈折率実部の異なる複数の物質が周期的に配列された周期構造を有し、
    導波方向における前記コアの最大の長さをl、前記コアの最大の厚さをt、前記コアをなす周期構造のX線に対するブラッグ角をθ(°)としたときに、導波方向に平行でかつ前記コアと前記クラッドの界面に垂直な方向を含む面内において、X線の導波方向におけるコア領域の少なくとも一つの端面が、前記コアと前記クラッドの界面に対して下記式(1)を満たす傾斜角度φ(°)をなして傾斜していることを特徴とするX線導波路。
    tan−1(t/l)<φ<90°−θ 式(1)
  2. 前記コアをなす周期構造のX線に対するブラッグ角が、前記コアと前記クラッドの界面における全反射臨界角よりも小さく、前記周期構造をなす複数の物質の間における全反射臨界角よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載のX線導波路。
  3. 前記端面は、前記傾斜角度φ(°)が下記の式(6)を満たすように傾斜していることを特徴とする請求項1または2に記載のX線導波路。
    tan−1(3t/2l)<φ<30 (6)
  4. 前記X線の導波方向におけるコア領域の少なくとも一つの傾斜している端面の表面にクラッドが形成されており、
    前記端面の表面のクラッドと、前記端面の表面のクラッドと接する導波路外部の物質との界面における全反射臨界角をθC−ext(°)とした場合に、前記傾斜角度φ(°)と前記ブラッグ角θ(°)は、下記の式(7)を満たすことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のX線導波路。
    φ > θC−ext−θ 式(7)
  5. 前記コアが周期多層膜であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のX線導波路。
  6. 前記コアが周期性メソ構造体であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のX線導波路。
  7. 前記コアが周期性を有するメソポーラスであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のX線導波路。
  8. X線源とX線導波路からなるX線導波システムであって、
    前記X線源は、X線を前記X線導波路の端部に照射し、
    前記X線導波路は、コアとクラッドからなり、前記コアがX線の導波方向に垂直な方向において屈折率実部の異なる複数の物質が周期的に配列された周期構造を有し、
    X線の導波方向における前記コアの最大の長さをl、前記コアの最大の厚さをt、前記コアをなす周期構造の前記X線源から照射されるX線に対するブラッグ角をθ(°)としたときに、導波方向に平行でかつ前記コアと前記クラッドの界面に垂直な方向を含む面内において、X線の導波方向における前記コアの少なくとも一つの端面が、前記コアと前記クラッドの界面に対して下記式(1)を満たす傾斜角度φ(°)をなして傾斜していることを特徴とするX線導波システム。
    tan−1(t/l)<φ<90°−θ 式(1)
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