JP2014527543A - 胸部の空気漏れ閉塞のための両親媒性ペプチド - Google Patents

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Abstract

胸腔における空気漏れを封止するために有用な化合物および方法を提供する。本発明の化合物および組成物は、8〜200のアミノ酸残基長の特定の両親媒性ペプチドであって、生理的pHおよび/または陽イオンの存在下で自然に自己凝集してゲルを形成するペプチドを含む。1つの実施形態においては、ペプチドは、アルギニン−アラニン−アスパラギン酸−アラニン(RADA)の繰り返し配列を含む。本発明の方法は、本発明の化合物を肺の空気漏れ部位に適用することを含む、対象における肺の空気漏れを閉塞する方法を含む。本発明の化合物および方法は、がん、炎症または感染症を治療するために有用な他の薬剤と組み合わせることができる。

Description

[関連出願の相互参照]
本出願は、2011年9月2日に出願された米国仮特許出願第61/530,695号に基づく優先権を主張する。
[技術分野]
本発明は、自己組織化ペプチドハイドロゲルを含む肺の空気漏れ閉塞剤に関する。
胸部外傷、胸部および肺の手術、肺がん、ならびに膿胸による肺の空気漏れは、困難な臨床課題である。肺の手術には、開腹手術、胸腔鏡手術および気管支鏡手術などがある。肺の手術にはまた、肺移植も含まれる。肺の手術のあいだおよびその後、空気がしばしば、縫合部位、肺の切除表面、気管支吻合部位、および気管支縫線(気管支の創傷の縫合)部位に漏れる。そのような空気漏れは、肺の崩壊(気胸)および膿胸の原因となる。
伝統的には、肺の空気漏れは、胸壁を通して胸腔チューブを挿入し、空気漏れが封止されるまで肺の容量を維持するために減圧とすることにより治療されている。近年では、肺の空気漏れの治療に使用される製品が開発され、使用されている。これらの製品は、酸化セルロース、ポリグリコール酸、およびフィブリン糊などである。そのような製品は、通常空気漏れ部位に直接適用される。
肺の空気漏れの治療のための既存の製品には、ある不利益がある。たとえば、生体物質からなるフィブリン糊は、感染の危険がある。さらに、フィブリン糊は、しばしばその適用中に固化するため、それによりその効率や使用し易さが制限される。酸化セルロースおよびポリグリコール酸は共に、限定された有効性を示すのみであることが分かっている。
特許文献1および2は、創傷治癒、皮膚再建、および体液の漏出を防止する(たとえば止血を達成するための)組織閉塞剤に有用ないくつかの自己組織化ペプチドを開示している。
米国特許出願公開第2011/0002880号明細書 米国特許出願公開第2011/0201541号明細書
本発明者らは、細胞培養の足場として利用されている自己組織化ペプチドハイドロゲルを肺の空気漏れ閉塞に適用することにより、既存の肺の空気漏れ閉塞剤と同等もしくはそれ以上の肺の空気漏れ閉塞効果を示すことを見出し、本発明を完成させた。
特に、本発明は、ペプチドを含有する肺の空気漏れ閉塞剤であって、そのペプチドが、親水性アミノ酸と疎水性アミノ酸とが交互に結合し、8〜200のアミノ酸残基を有する両親媒性ペプチドであり、かつ生理的pHおよび/または陽イオンの存在下、水溶液中でβ−シート構造を示す自己組織化ペプチドである肺の空気漏れ閉塞剤に関する。
1つの実施形態においては、そのペプチドは16アミノ酸残基長である。
1つの実施形態においては、そのペプチドはアルギニン−アラニン−アスパラギン酸(RAD)の繰り返し配列を含む。1つの実施形態においては、そのペプチドは本質的にアルギニン−アラニン−アスパラギン酸(RAD)の繰り返し配列からなる。1つの実施形態においては、そのペプチドはアルギニン−アラニン−アスパラギン酸(RAD)の繰り返し配列である。
1つの実施形態においては、そのペプチドはアルギニン−アラニン−アスパラギン酸−アラニン(RADA)の繰り返し配列を含む。1つの実施形態においては、そのペプチドは本質的にアルギニン−アラニン−アスパラギン酸−アラニン(RADA)の繰り返し配列からなる。1つの実施形態においては、そのペプチドはアルギニン−アラニン−アスパラギン酸−アラニン(RADA)の繰り返し配列である。
1つの実施形態においては、そのペプチドは、アミノ酸配列Ac−(RADA)4−CONH2(配列番号1)、Ac−(IEIK)3I−CONH2(配列番号2)またはAc−(KLDL)3−CONH2(配列番号3)を有する。
1つの実施形態においては、そのペプチドは、アミノ酸配列(RAD)5R(配列番号4)、(ADR)5A(配列番号5)または(DRA)5D(配列番号6)を有する。
1つの実施形態においては、そのペプチドは、約0.5%〜約3%(体積に対するペプチドの重量)の水溶液として提供される。
本発明の1つの実施態様は、肺の空気漏れを閉塞する方法である。その方法は、肺の空気漏れ部位に、親水性アミノ酸と疎水性アミノ酸とが交互に結合し、8〜200のアミノ酸残基を有し、かつ生理的pHおよび/または陽イオンの存在下、水溶液中でβ−シート構造を示す自己組織化ペプチドである両親媒性ペプチドを有効量適用する工程を含む。
1つの実施形態においては、そのペプチドは16アミノ酸残基長である。
1つの実施形態においては、そのペプチドはアルギニン−アラニン−アスパラギン酸(RAD)の繰り返し配列を含む。1つの実施形態においては、そのペプチドは本質的にアルギニン−アラニン−アスパラギン酸(RAD)の繰り返し配列からなる。1つの実施形態においては、そのペプチドはアルギニン−アラニン−アスパラギン酸(RAD)の繰り返し配列である。
1つの実施形態においては、そのペプチドはアルギニン−アラニン−アスパラギン酸−アラニン(RADA)の繰り返し配列を含む。1つの実施形態においては、そのペプチドは本質的にアルギニン−アラニン−アスパラギン酸−アラニン(RADA)の繰り返し配列からなる。1つの実施形態においては、そのペプチドはアルギニン−アラニン−アスパラギン酸−アラニン(RADA)の繰り返し配列である。
1つの実施形態においては、そのペプチドはアミノ酸配列Ac−(RADA)4−CONH2(配列番号1)、Ac−(IEIK)3I−CONH2(配列番号2)またはAc−(KLDL)3−CONH2(配列番号3)を有する。
1つの実施形態においては、そのペプチドは、アミノ酸配列(RAD)5R(配列番号4)、(ADR)5A(配列番号5)または(DRA)5D(配列番号6)を有する。
1つの実施形態においては、そのペプチドは、約0.5%〜約3%の水溶液(体積に対するペプチドの重量)として提供される。
1つの実施形態においては、そのペプチドは肺に適用される。
1つの実施形態においては、そのペプチドは気管支に適用される。
1つの実施形態においては、そのペプチドは胸腔鏡的に適用される。
1つの実施形態においては、そのペプチドは気管支鏡的に適用される。
いくつかの実施形態においては、肺の空気漏れ閉塞剤は、がん、炎症および感染から選択される症状の治療に有用な少なくとも1つの低分子薬も含む。
外科的に作出された肺の空気漏れの、本発明の自己組織化ペプチドハイドロゲルによる治療前(左)、直後(中央)および10日後に得られた3枚のミニブタの胸部X線写真である。 外科的に作出された穿孔および自己組織化ペプチドハイドロゲルによる閉塞を有する肺組織の病理組織学的外観を示す一対の顕微鏡写真である。右の画像は、左の画像の円部分の詳細である。自己組織化ペプチドハイドロゲルは、右の画像中の円によって示されている。
自己組織化ペプチドは、ペプチド分子がそのアミノ酸配列により規則的に整列した自己集合体を形成する性質を有する。近年、これらは、その生理学的、化学的、そして生物学的性質により、新規な材料として注目されている。
本発明の自己組織化ペプチドは、電気的に荷電された親水性アミノ酸と電気的に中性な疎水性アミノ酸との交互構造、および正電荷と負電荷との交互分布を有し、それにより生理学的pHおよび塩濃度でβ−シート構造をとるものである。
使用できる親水性アミノ酸としては、アスパラギン酸およびグルタミン酸などの酸性アミノ酸、ならびにアルギニン、リジン、ヒスチジンおよびオルニチンなどの塩基性アミノ酸が挙げられる。
疎水性アミノ酸としては、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、セリン、トレオニンまたはグリシンを使用することができる。
これらのペプチドの自己組織化は、以下の条件下で起こる。
(1)ペプチド分子が、水溶液中でβ−シート構造をとり、電荷を有する親水性アミノ酸と電気的に中性な疎水性アミノ酸とがペプチド分子の2面に偏在する。
(2)β−シート構造により隣接する分子間に相補的な電気的分布が生じる。
(3)β−シート構造が隣接する分子間に十分な疎水結合をもたらす。
(4)アミノ酸側鎖の電荷が、一価の無機塩により覆われる。
(5)分子は、ペプチドの等電点付近では静電的に中性となる。
自己組織化は、これらの条件が全て満たされると以下の機序により起こると考えられる。
(1)ペプチド分子における正電荷と負電荷との交互分布により分子間引力が生じる。
(2)隣接する分子の中性のアミノ酸側鎖間に疎水結合が形成される。
(3)正/負の電気的分布が、隣接する分子間の相補的な整列をもたらし、分子間の会合力が強化される。
(4)分子の集合体が徐々に伸長され、ナノファイバーが形成される。
ナノファイバーとは、約10nm〜20nmの太さを有する極細ファイバーであり、それらが集合して網目構造を形成し、巨視的にはゲル状の形態を示す。
ゲルの網目構造は、ファイバーサイズおよびポアサイズなどが天然の細胞外マトリックス(ECM)と非常に類似しており、細胞培養の足場としての利用が研究されている。
このペプチドハイドロゲルは生分解性であり、その分解産物は組織に悪影響を及ぼすものではなく、また生体吸収性が高いため、細胞の生着および増殖に適している。
自己組織化ペプチドは、生物学的なソースから単離された産物ではなく、化学合成品であるため、動物ウイルスやその他狂牛病(牛海綿状脳症、BSE)の病原体などの病原体など、動物由来物からの感染症の危険がない。
この肺の空気漏れ閉塞剤において、ペプチドは、好ましくはアルギニン−アラニン−アスパラギン酸−アラニン(RADA)の繰り返し配列;イソロイシン−グルタミン酸−イソロイシン−リジン(IEIK)の繰り返し配列;またはリジン−ロイシン−アスパラギン酸−ロイシン(KLDL)の繰り返し配列を有する自己組織化ペプチドである。1つの実施形態においては、そのペプチドは、アミノ酸配列Ac−(RADA)4−CONH2(配列番号1)を含む自己組織化ペプチドである。1つの実施形態においては、そのペプチドは、アミノ酸配列Ac−(IEIK)3I−CONH2(配列番号2)を含む自己組織化ペプチドである。1つの実施態様においては、そのペプチドはアミノ酸配列Ac−(KLDL)3−CONH2(配列番号3)を含む自己組織化ペプチドである。
ここで、本発明の肺の空気漏れ閉塞剤を詳細に説明する。
本発明の肺の空気漏れ閉塞剤の主成分は、親水性アミノ酸と疎水性アミノ酸とが交互に結合し、8〜200のアミノ酸残基を有する両親媒性ペプチドであり、かつ生理的pHおよび/または陽イオンの存在下、水溶液中でβ−シート構造を示す自己組織化ペプチドである。
本発明によれば、生理的pHとは、pH6〜8、好ましくはpH6.5〜7.5、そしてより好ましくはpH7.3〜7.5である。
本明細書において使用される場合、「陽イオン」は、正に荷電したイオン、たとえばナトリウムイオン(Na+)またはカリウムイオン(K+)である。1つの実施形態において、その陽イオンは、約5mM〜5Mの濃度で存在する。陽イオンは、単一の陽イオンであってもよく、陽イオンの任意の組み合わせであってもよい。
本発明に用いられる自己組織化ペプチドは、以下の4つの一般式により表すことができる。
((XY)l−(ZY)mn (I)
((YX)l−(YZ)mn (II)
((ZY)l−(XY)mn (III)
((YZ)l−(YX)mn (IV)
式(I)〜(IV)において、Xは酸性アミノ酸を表し、Yは疎水性アミノ酸を表し、Zは塩基性アミノ酸を表し、そしてl、mおよびnはすべて整数であり、n×(l+m)<200である。
もちろん、本発明のペプチドは、完全な繰り返し単位で始まりかつ終わる必要はない。すなわち、任意の所定の繰り返し単位の部分のみが本発明のペプチドの片端または両端のいずれかに存在してもよい。たとえば、主にRADA繰り返し単位から構成されるペプチドは、N末端A、DAまたはADAで始まることができ、同様に主にRADAの繰り返し単位から構成されるペプチドは、C末端R、RAまたはRADで終わることができる。
N末端はアセチル化されていてもよく、C末端はアミド化されていてもよい。
使用することのできる親水性アミノ酸としては、アスパラギン酸およびグルタミン酸などの酸性アミノ酸、ならびにアルギニン、リジン、ヒスチジンおよびオルニチンなどの塩基性アミノ酸が挙げられる。疎水性アミノ酸としては、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、セリン、トレオニンまたはグリシンを使用することができる。
これらの自己組織化ペプチドのうちの好ましいものは、繰り返し配列アルギニン−アラニン−アスパラギン酸−アラニン(RADA)を有する自己組織化ペプチドであり、そのようなペプチド配列は、Ac−(RADA)p−CONH2(p=2〜50)(配列番号7)で表される。また、繰り返し配列イソロイシン−グルタミン酸−イソロイシン−リジン(IEIK)を有する自己組織化ペプチドも好ましく、そのようなペプチド配列は、Ac−(IEIK)pI−CONH2(p=2〜50)(配列番号8)で表される。さらに、繰り返し配列リジン−ロイシン−アスパラギン酸−ロイシン(KLDL)を有する自己組織化ペプチドも好ましく、そのようなペプチド配列は、Ac−(KLDL)p−CONH2(p=2〜50)(配列番号9)で表される。これらの自己組織化ペプチドは、アミノ酸8〜200残基から構成され、8〜32残基の自己組織化ペプチドであることが好ましく、12〜16残基を有する自己組織化ペプチドであることがより好ましい。1つの実施形態において、ペプチドは16アミノ酸残基長である。
本発明による自己組織化ペプチドの具体的な例としては、配列Ac−(RADA)4−CONH2(配列番号1)を有するペプチドRAD16−I、配列Ac−(IEIK)3I−CONH2(配列番号2)を有するペプチドIEIK13、および配列Ac−(KLDL)3−CONH2(配列番号3)を有するペプチドKLDが挙げられる。RAD16−Iの1%水溶液が、商品PuraMatrix(登録商標)として(株)スリー・ディー・マトリックスから入手可能である。PuraMatrix(登録商標)は、配列Ac−(RADA)4−CONH2(配列番号1)を有するペプチド1%と、水素イオンおよび塩化物イオンを含む。
1つの実施形態において、そのペプチドは、アミノ酸配列(RAD)5R(配列番号4)、(ADR)5A(配列番号5)または(DRA)5D(配列番号6)を有する。配列番号1〜3と同様に、N末端はアセチル化されていてもよく、C末端はアミド化されていてもよい。
本発明にしたがって、ペプチドは、標準的なペプチド合成法および装置、たとえばプログラム可能な自動ペプチド合成機を用いて製造することができる。ペプチド合成機やそれを使用するための試薬は、任意の多くの商業サプライヤー、たとえばアプライドバイオシステムズから容易に入手できる。
PuraMatrix(登録商標)、IEIK13およびKLDは、12〜16のアミノ酸残基で長さが約5nmのオリゴヌクレオチドである。その溶液は、酸性pHでは液体であるが、少なくとも約0.1%(w/v)のペプチド濃度では中性pHに変化すると自己組織化が生じ、直径約10nmのナノファイバーを形成し、結果としてペプチド溶液はゲル化する。
PuraMatrix(登録商標)は、親水性アミノ酸として正電荷を帯びたアルギニンおよび負電荷を帯びたアスパラギン酸と、疎水性アミノ酸としてアラニンとが交互に繰り返すアミノ酸配列を有する両親媒性ペプチドである。IEIK13は、親水性アミノ酸として正電荷を帯びたリジンおよび負電荷を帯びたグルタミン酸と、疎水性アミノ酸としてイソロイシンとが交互に繰り返すアミノ酸配列を有する両親媒性ペプチドである。KLDは、親水性アミノ酸として正電荷を帯びたリジンおよび負電荷を帯びたアスパラギン酸と、疎水性アミノ酸としてロイシンとが交互に繰り返すアミノ酸配列を有する両親媒性ペプチドである。これらのペプチドの自己組織化は、ペプチドを構成するアミノ酸によるペプチド分子間の水素結合および疎水性結合によるものである。
本発明に用いられる自己組織化ペプチドにおいて、平均して、ナノファイバーの直径は、10〜20nmであり、ポアサイズは、5〜200nmである。これらの数値範囲は、天然の細胞外マトリックスであるコラーゲンとおおよそ同じである。
生理的pHおよび塩濃度は、本発明の自己組織化ペプチドの自己組織化のための条件である。一価のアルカリ金属イオンの存在がゲル化を促進する。ゲル化が一旦生じると、ゲルは、高温または酸、アルカリ、タンパク質分解酵素、尿素もしくは塩酸グアニジンなどの変性剤への暴露といった通常のペプチド−変性条件下でさえ分解しない。
PuraMatrix(登録商標)などのこれらの自己組織化ペプチドは、明らかな生理活性モチーフをもたないペプチド配列であるため、本来の細胞機能が損なわれることはない。生理活性モチーフは、転写などの数多くの細胞内現象を制御し、生理活性モチーフの存在が、そのモチーフを認識する酵素による細胞質内または細胞表面タンパク質のリン酸化を導くことができる。ペプチド試薬に生理活性モチーフが存在する場合、種々の機能を有するタンパク質の転写が活性化されるかまたは抑制され得る。PuraMatrix(登録商標)などの自己組織化ペプチドは、そのような生理活性モチーフをもたず、したがって、このような危険がない。
さらに、天然のアミノ酸から構成される自己組織化ペプチドは、十分な生体適合性および生分解性を有し、たとえば、PuraMatrix(登録商標)のマウス心筋への注入により、PuraMatrix(登録商標)内への細胞の浸潤や正常組織の形成が生じたことが報告されている。分解時間は、注入場所などの条件により異なるが、ファイバーは、注入後約2〜8週間で分解し、排出される。
本発明の肺の空気漏れ閉塞剤は、さらに、1つ以上の低分子薬を含んでもよい。本明細書において使用される場合、低分子薬は、薬学的活性を有する分子量1kDaまでの有機分子である。
低分子薬は、特に限定されるものではなく、ブドウ糖、白糖、精製白糖、乳糖、麦芽糖、トレハロース、デキストラン、ヨウ素、塩化リゾチーム、ジメチルイソプロピルアズレン、トレチノイントコフェリル、ポビドンヨード、アルプロスタジルアルファデクス、アニスアルコール、サリチル酸イソアミル、α,α−ジメチルフェニルエチルアルコール、バクダノール、ヘリオナール、スルファジン銀、ブクラデシンナトリウム、アルプロスタジルアルファデクス、硫酸ゲンタマイシン、塩酸テトラサイクリン、フシジン酸ナトリウム、ムピロシンカルシウム水和物および安息香酸イソアミルが挙げられる。
低分子薬は、抗がん剤であり得る。本明細書において使用される場合、抗がん剤とは、化学療法薬またはその他がん細胞を殺傷するために有用な低分子もしくは放射性核種を意味する。化学療法薬の例としては、13−シス−レチノイン酸、2−クロロデオキシアデノシン、5−アザシチジン、5−フルオロウラシル(5−FU)、6−メルカプトプリン(6−MP)、6−チオグアニン(6−TG)、アブラキサン、Accutane(登録商標)、アクチノマイシン−D、Adriamycin(登録商標)、Adrucil(登録商標)、Afinitor(登録商標)、Agrylin(登録商標)、Ala−Cort(登録商標)、アルデスロイキン、ALIMTA(登録商標)、アリトレチノイン、Alkaban−AQ(登録商標)、Alkeran(登録商標)、オールトランスレチノイン酸、アルトレタミン、アメトプテリン、アミフォスチン、アミノグルテチミド、アナグレリド、Anandron(登録商標)、アナストロゾール、アラビノシルシトシン、Ara C、Aranesp(登録商標)、Aredia(登録商標)、Arimidex(登録商標)、Aromasin(登録商標)、Arranon(登録商標)、三酸化ヒ素、Arzerra(登録商標)、アスパラギナーゼ、ATRA、Avastin(登録商標)、アザシチジン、BCG、BCNU、ベンダムスチン、ベキサロテン、BEXXAR(登録商標)、ビカルタミド、BiCNU、Blenoxane(登録商標)、ブレオマイシン、ブスルファン、Busulfex(登録商標)、C225、ロイコボリンカルシウム、Camptosar(登録商標)、カンプトテシン−11、カペシタビン、Carac(商標)、カルボプラチン、カルムスチン、カルムスチンウエハー、Casodex(登録商標)、CC−5013、CCI−779、CCNU、CDDP、CeeNU、Cerubidine(登録商標)、クロラムブシル、シスプラチン、シトロボルム因子、クラドリビン、クロチゾン、Cosmegen(登録商標)、CPT−11、シクロホスファミド、Cytadren(登録商標)、シタラビン、リポソーマルシタラビン、Cytosar−U(登録商標)、Cytoxan(登録商標)、ダカルバジン、ダコゲン、ダクチノマイシン、ダルベポエチンアルファ、ダサチニブ、ダウノマイシン、ダウノルビシン、ダウノルビシン塩酸塩、リポソーマルダウノルビシン、DaunoXome(登録商標)、デカドロン、デシタビン、Delta−Cortef(登録商標)、Deltasone(登録商標)、デニロイキン、ジフチトックス、DepoCyt(商標)、デキサメタゾン、デキサメタゾン酢酸塩、デキサメタゾンリン酸ナトリウム、デキサゾン、デクスラゾキサン、DHAD、DIC、ジオデックス、ドセタキセル、Doxil(登録商標)、ドキソルビシン、リポソーマルドキソルビシン、Droxia(商標)、DTIC、DTIC−Dome(登録商標)、Duralone(登録商標)、Efudex(登録商標)、Eligard(商標)、Ellence(商標)、Eloxatin(商標)、Elspar(登録商標)、Emcyt(登録商標)、エピルビシン、エルビタックス、エルロチニブ、エルウィニアL−アスパラギナーゼ、エストラムスチン、エチオール、Etopophos(登録商標)、エトポシド、エトポシドホスフェート、Eulexin(登録商標)、エベロリムス、Evista(登録商標)、エキセメスタン、Fareston(登録商標)、Faslodex(登録商標)、Femara(登録商標)、フィルグラスチム、フロックスウリジン、Fludara(登録商標)、フルダラビン、Fluoroplex(登録商標)、フルオロウラシル、フルオキシメステロン、フルタミド、フォリン酸、FUDR(登録商標)、フルベストラント、ゲフィチニブ、ゲムシタビン、ジェムザール、Gleevec(商標)、Gliadel(登録商標)ウエハー、ゴセレリン、Halotestin(登録商標)、Herceptin(登録商標)、ヘキサドロール、Hexalen(登録商標)、ヘキサメチルメラミン(HMM)、Hycamtin(登録商標)、Hydrea(登録商標)、Hydrocort Acetate(登録商標)、ヒドロコルチゾン、ヒドロコルチゾンリン酸ナトリウム、ヒドロコルチゾンコハク酸ナトリウム、ヒドロコルチゾンホスフェート、ヒドロキシウレア、チウキセタン、Idamycin(登録商標)、イダルビシン、Ifex(登録商標)、イホスファミド、メシル酸イマチニブ、イミダゾールカルボキシアミド、Intron(登録商標)A、Iressa(登録商標)、イリノテカン、イソトレチノイン、イキサベピロン、Ixempra(商標)、キドロラーゼ(t)、Lanacort(登録商標)、L−アスパラギナーゼ、LCR、レナリドミド、レトロゾール、ロイコボリン、ロイケラン、Leukine(商標)、ロイプロリド、ロイロクリスチン、Leustatin(商標)、リポソーマルAra−C、Liquid Pred(登録商標)、ロムスチン、L−PAM、L−サルコリシン、Lupron(登録商標)、Lupron Depot(登録商標)、Matulane(登録商標)、マキシデックス、メクロレタミン、メクロレタミン塩酸塩、Medralone(登録商標)、Medrol(登録商標)、Megace(登録商標)、メゲストロール、メゲストロール酢酸塩、メルファラン、メルカプトプリン、メスナ、Mesnex(商標)、メトトレキサート、メトトレキサートナトリウム、メチルプレドニゾロン、Meticorten(登録商標)、マイトマイシン、マイトマイシン−C、ミトキサントロン、M−Prednisol(登録商標)、MTC、MTX、Mustargen(登録商標)、ムスチン、Mutamycin(登録商標)、Myleran(登録商標)、Mylocel(商標)、Mylotarg(登録商標)、Navelbine(登録商標)、ネララビン、Neosar(登録商標)、Neulasta(商標)、Neumega(登録商標)、Neupogen(登録商標)、Nexavar(登録商標)、Nilandron(登録商標)、ニロチニブ、ニルタミド、Nipent(登録商標)、ナイトロジェンマスタード、Novaldex(登録商標)、Novantrone(登録商標)、エヌプレート、オクトレオチド、オクトレオチド酢酸塩、Oncospar(登録商標)、Oncovin(登録商標)、Ontak(登録商標)、Onxal(商標)、オプレルベキン、Orapred(登録商標)、Orasone(登録商標)、オキサリプラチン、パクリタキセル、パミドロネート、Panretin(登録商標)、Paraplatin(登録商標)、パゾパニブ、Pediapred(登録商標)、ペグアスパラガーゼ、ペグフィルグラスチム、PEG−L−アスパラギナーゼ、PEMETREXED、ペントスタチン、フェニルアラニンマスタード、Platinol(登録商標)、Platinol−AQ(登録商標)、プレドニゾロン、プレドニゾン、Prelone(登録商標)、プロカルバジン、カルムスチンインプラントによるプロリフェプロスパン20、Purinethol(登録商標)、ラロキシフェン、Revlimid(登録商標)、Rheumatrex(登録商標)、ロミプロスチム、Rubex(登録商標)、ルビドマイシン塩酸塩、Sandostatin(登録商標)、Sandostatin LAR(登録商標)、サルグラモスチム、Solu−Cortef(登録商標)、Solu−Medrol(登録商標)、ソラフェニブ、SPRYCEL(商標)、STI−571、ストレプトゾシン、SU11248、スニチニブ、Sutent(登録商標)、タモキシフェン、Tarceva(登録商標)、Targretin(登録商標)、Tasigna(登録商標)、Taxol(登録商標)、Taxotere(登録商標)、Temodar(登録商標)、テモゾロミド、テムシロリムス、テニポシド、TESPA、サリドマイド、Thalomid(登録商標)、TheraCys(登録商標)、チオグアニン、チオグアニンTabloid(登録商標)、チオホスホアミド、Thioplex(登録商標)、チオテパ、TICE(登録商標)、Toposar(登録商標)、トポテカン、トレミフェン、Torisel(登録商標)、Treanda(登録商標)、トレチノイン、Trexall(商標)、Trisenox(登録商標)、TSPA、TYKERB(登録商標)、VCR、Vectibix(商標)、Velban(登録商標)、Velcade(登録商標)、VePesid(登録商標)、Vesanoid(登録商標)、Viadur(商標)、Vidaza(登録商標)、ビンブラスチン、ビンブラスチン硫酸塩、Vincasar Pfs(登録商標)、ビンクリスチン、ビンオレルビン、ビンオレルビン酒石酸塩、VLB、VM−26、ボリノスタット、ヴォトリエント、VP−16、Vumon(登録商標)、Xeloda(登録商標)、Zanosar(登録商標)、Zevalin(商標)、Zinecard(登録商標)、Zoladex(登録商標)、ゾレドロン酸、ゾリンザおよびZometa(登録商標)が挙げられる。
低分子薬は、抗炎症薬であり得る。抗炎症薬には、コルチコステロイド(たとえば、プレドニゾン、コルチゾン、メチルプレドニゾロン)および非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)(たとえば、アスピリン、セレコキシブ、ジクロフェナクナトリウム、フルルビプロフェン、フェノプロフェンカルシウム、イブプロフェン、インドメタシン、ケトプロフェン、ナプロキセン、オキサプロジン、ピロキシカム、ロフェコキシブ、スリンダク、トルメチンナトリウムおよびバルデコキシブ)が含まれる。
低分子薬は、抗感染剤であり得る。抗感染剤としては、抗菌抗生物質、抗ウイルス剤および抗真菌剤、および寄生虫駆除剤などが挙げられる。
本発明の肺の空気漏れ閉塞剤には、肺の空気漏れ閉塞効果を減少させることなく溶液の浸透圧を低張から等張に改善するために糖を添加してもよく、それにより生体安全性を高めることができる。
本発明の肺の空気漏れ閉塞剤は、粉末、溶液、ゲルなどの形態とすることができる。自己組織化ペプチドは、溶液のpHおよび塩濃度の変化に応答してゲル化するため、適用中に身体と接触した際にまたは接触後すぐにゲル化する液剤として流通させることができる。
臨床用の処方は、自己組織化ペプチドなどの成分を含む化学的溶液でプレ充填されているシリンダーを備えた注射器またはピペット(プレ充填シリンジ)、またはシリンジまたはピペットチップに、シリンジまたはピペットチップの開封により成分を供給する手段(吸入器またはバルブ)により化学溶液を供給し、それを排出部を通して患部に適用する方法を含むことができる。2つ以上のシリンジまたはピペットによる構成も時には使用される。
この成分は、ステントまたはカテーテルなどの器具上のコーティングとして、肺の空気漏れを抑制するために使用され得る。
また、この成分は、ガーゼまたは包帯、または裏打ちなど本技術分野に通常使用される支持体に固定されていてもよい。この成分はまた、スポンジに浸漬させて使用してもよい。
さらに、この成分の粉末または溶液が充填された噴霧器も製造することができる。このようなスプレーを患部上に噴霧するために使用すると、pHおよび塩濃度が身体との接触により増加し、それによりゲル化する。このため、この形態は非常に多様な部位や症状に適用することができる。
本発明の1つの実施態様は、肺の空気漏れの治療方法に関する。この方法は、肺の空気漏れの部位に、有効量の本発明のペプチド、すなわち親水性アミノ酸と疎水性アミノ酸とが交互に結合し、8〜200のアミノ酸残基を有する両親媒性ペプチドであり、かつ生理的pHおよび/または陽イオンの存在下、水溶液中でβ−シート構造を示す自己組織化ペプチドを適用する工程を含む。
本明細書において使用する場合、「肺の空気漏れ」は、空気が異常に肺の気道から、たとえば肺胞空間外に逸脱するあらゆる状況を意味する。肺の空気漏れは、肺気腫などの症状においてはブレブが破裂し自然に生じ得る。肺の空気漏れはまた、胸部への外傷(穿通性または非穿通性)、ならびに肺に関連する外科的手技(およびその合併症)の結果としても生じ得る。1つの実施形態においては、肺の空気漏れは、肺の間質性気腫、縦隔気腫、気胸、心嚢内気腫、気腹、皮下気腫またはそれらの任意の組み合わせとして表現されてもよい。1つの実施形態においては、肺の空気漏れは、外科的生検または肺組織の切除、たとえば小細胞肺がん、カルチノイド腫瘍、非小細胞肺がん、腺がんまたは扁平上皮細胞がんの切除と関連して生じ得る。
本明細書において使用する場合、「適用」は、たとえば浸漬、滴下、塗布、噴霧またはその他処置すべき組織部位と接触させる方法による、局所的投与である。1つの実施形態においては、その部位は、たとえば切除部位での肺の実質組織である。1つの実施形態においては、その部位は、気管、気管支、細気管支または他の気道である。1つの実施形態においては、その部位は気管支である。
1つの実施形態においては、そのペプチドは、胸腔鏡的に、即ち胸腔鏡器具を介して適用される。そのような器具は、本技術分野において周知であり、本明細書においてさらに説明する必要はない。1つの実施形態においては、そのペプチドは、胸腔鏡手術の間に適用される。
1つの実施形態においては、そのペプチドは、気管支鏡的に、即ち気管支鏡器具を介して適用される。そのような器具は、本技術分野において周知であり、本明細書においてさらに説明する必要はない。1つの実施形態においては、そのペプチドは、気管支鏡手術のあいだ、または気管支鏡検査、気管支鏡生検、気管支鏡ブラシがけもしくは気管支鏡肺胞洗浄などの気管支鏡手技のあいだに適用される。
ペプチドは、肺の空気漏れを治療するための有効量で適用される。本明細書において使用される場合、用語「治療」は、対象の症状を減ずる、改善するまたは治すことを意味する。本明細書において使用される場合、「対象」は、哺乳類を意味し、具体的にはヒトを含むが限定されるものではない。
本明細書において使用される場合、「有効量」は、所望の生物学的結果をもたらすのに十分な量である。当業者は、従来の動物実験(後述するような)および/または臨床経験にもとづいて、有効量がどのくらいかを確定することは困難なことではないであろう。有効量は、処置すべき特定の病変により変化し得る。たとえば、病変の部位、病変の大きさ、対象の状態などの因子およびその他通常の熟練の専門家(practitioner)によって容易に認識される因子に依存して変化し得る。
1つの実施形態においては、そのペプチドは、水溶液として提供され得る。1つの実施形態においては、そのペプチドの水溶液は、約0.5%〜約3%(w/v)である。水溶液の溶媒は、水のみ、生理的等張デキストロース(たとえば、水中5%デキストロース)、生理食塩水、リンゲル液などであり得る。他の生理学的に許容され得る水性溶媒も本発明により含まれる。
本発明の1つの実施態様は、本発明のペプチドおよび薬学的に許容され得る担体を含む医薬組成物である。その医薬組成物は、本発明のペプチドを薬学的に許容され得る担体と組み合わせることにより作ることができる。1つの実施形態においては、その医薬組成物は、任意の適切な方法、たとえば細菌ろ過などにより滅菌される。1つの実施形態においては、その薬学的に許容され得る担体は、水のみ、および生理的等張デキストロース(たとえば、水中5%デキストロース)から選択される。1つの実施形態においては、その医薬組成物は、さらに少なくとも1つの追加の薬剤、たとえば防腐剤、安定化剤または着色剤を含む。
本発明の1つの実施態様はキットである。そのキットは、本発明のペプチド、塗布器ならびに肺の空気漏れを閉塞するためにペプチドおよび塗布器を使用するための使用説明書を含む。1つの実施形態においては、その本発明のペプチドは、粉末として提供される。1つの実施形態においては、その本発明のペプチドは粉末として適用され、そしてキットは、さらにペプチド用の水性溶媒を含む。1つの実施形態においては、そのペプチドは水性溶液として提供される。1つの実施形態においては、その塗布器はスポンジである。1つの実施形態においては、その塗布器はスポイト、たとえば変形しやすい球状部とペプチド溶液が通って吸入され分注されるチップ有するスポイトである。1つの実施形態においては、その塗布器は、スプレーとしてペプチドの溶液を分注するために構成および配置される。
ここに、本発明の肺の空気漏れ閉塞剤を以下の実施例により非常に詳細に説明するが、本発明は、その要旨および適用範囲が維持される限り、以下の実施例に限定されるものではない。
2.5%ペプチド水溶液の小型ブタモデルにおける効果
肺の空気漏れの小型ブタモデルを実験に使用し、2.5%(w/v)ペプチド水溶液が空気漏れを閉塞できたかどうか測定した。肺の空気漏れは、少なくとも1匹の小型ブタ(「ミニ−ブタ」)に、外科的に作り出した。本発明による自己組織化ペプチドの2.5%水溶液を局所的に空気漏れの部位に適用した。空気漏れの評価は、ペプチド溶液の適用に続いて閉塞されたことを示した。
小型ブタ(ゲッティンゲン(Goettingen))の受領時の体重は、21.4〜22.6kgであった。動物は7日間隔離し、2日間順応させた。動物の部屋は、温度23℃、55%湿度、12時間照明(6:00〜18:00)、および換気10回完全交換/時(フィルターを通した新鮮な空気)を維持した。
試験デザイン
Figure 2014527543
給餌
動物は、500g±5g/日でペレット食(5ヵ月以内に製造されたもの、日生研(株))を、朝、金属フィーダーを用いて供給された。
飲み水
動物は、自動給水システムを用い、水道水に自由にアクセスする。
麻酔および術前処置
動物は、アトロピン硫酸塩0.05mg/kgおよびケタミン塩酸塩15mg/kgの首の後ろへの筋肉内注射により麻酔された。吸入装置(Vigor21II、アコマ医科工業(株))を用いてN2O:O2=1:1混合ガス+0.5%イソフルランとして提供される通常の麻酔下で、気管カニューレ(PORTEX)が挿入された。人工呼吸は、人工呼吸器(PRO−VmkII、アコマ医科工業(株))を用いて、10〜15mL/kg、18〜22呼気/分で行った。さらに、アンピシリン+グルコース乳酸リンゲル液(1滴/秒)を、手術前から胸部を閉じるまで静脈内投与した。
開胸および肺外傷の外科的作出
上述のように処置した動物を左側臥位に置き、右側から開胸して肺を露出させた。空気漏れは、18G注射針(テルモ(株))を用いて胚葉に垂直穿刺により作出した。胸腔に生理食塩水溶液を充填することにより肺の空気漏れを確認した。その後、10〜15mLの2.5%(w/v)自己組織化ペプチドハイドロゲルRADA16を空気漏れが止まるまで数回適用した。膨張および収縮によるペプチドの拡散のため、自己組織化ペプチドを、ピンセットのグリップを用いて病変に適用し、肺の表面上の穿刺病変部位にゲルを局在化する助けとした。この手法により、肺の空気漏れが有効に閉塞された。
肺の空気漏れの閉塞は、当初は人工呼吸システムの内圧の上昇により確認した。その後、閉塞は、最終的には空気圧の20cmH2Oの内圧への段階的な増加により確認した。
肺の試料は、外科手術中に剖検された動物から取得し、10vol%中性緩衝ホルマリン液で固定し、手術のあいだの自己組織化ペプチドハイドロゲルによる肺の空気漏れ閉塞を確認した。他の3匹の動物においては、胸膜外の空気が十分に抜けるまで、胸腔チューブを一時的に留置して胸部を縫合した。
術後監視のために、カテーテル(12Gカニューレ、LCV−UKキット、日本シャーウッド(株))を大静脈の硬膜静脈洞(cranial sinus)に挿入した。カニューレを設置したのち、動物を麻酔から覚醒させた。
組織学的検査
手術中に剖検された動物の肺試料をホルマリンで固定し、切片化し、ヘマトキシリンおよびエオシンで染色し、そして光学顕微鏡で検査して、穿刺後にペプチドで封止された部位を評価した。
術後ケア
500mLのビクシリン+ラクテックDを、術後1日目から3日間、1日2回(午前と午後)投与した。術後4日目にアンピシリンを首の後ろに筋肉内注射により投与した。痛み止めとしてブプレノルフィン(0.01mg/kg)を、術後4日間、首の後ろに筋肉内注射した。
評価
胸部X線検査は、術前、術後および剖検前に、外科用X線テレビ装置(DHF−105CX−PC、(株)日立メディコ)を用いて行った。
実験日から剖検日まで1日1回一般的な外観および死についてすべての動物を観察した。
手術日、術後5日目および剖検日に、すべての動物の体重を、デジタルプラットホーム型スケール(DUE600ST/ID3s−A、メトラー・トレド(株))で測定した。
摂餌量は毎日チェックした。残っている場合には、餌の残量をデジタルプラットホーム型スケール(DUE600ST/ID3s−A、メトラー・トレド(株))で秤量した。食べ残しがない場合、摂餌量は500gと記録した。
血液学的検査のための血液は、手術日、術後3日目および7日目、ならびに剖検日にカテーテルにより採取した。血液をEDTA−2K被覆採血チューブ(VP−DK052K05、テルモ(株))に採血した。赤血球数(RBC)、白血球数(WBC)、ヘモグロビン濃度(HGB)、ヘマトクリット(HCT)および血小板数(PLT)を、多チャネル血液細胞計数機(Sysmex K−4500、シスメックス(株))を用いて測定した。
生化学検査用血液は、3,000rpm、4℃で15分間遠心分離し、AST、ALT、ALP、総タンパク質(TP)、アルブミン(Alb)、タンパク質画分(alb)、アルファ1グロブリン(α1−glb)、アルファ2グロブリン(α2−glb)、ベータグロブリン(β−glb)、ガンマグロブリン(γ−glb)、アルブミン/グロブリン比(A/G)、総ビリルビン(T−Bil)、尿素窒素(UN)、クレアチニン(CRE)、グルコース(Glu)、総コレステロール(T−Cho)、トリグリセリド(TG)、ナトリウム、カリウム、塩化物、カルシウム、無機リン酸塩(IP)およびC反応性タンパク質(CRP)を測定するために使用する血清試料を得た。
剖検
耳介静脈中への6.4%のペントバルビタールナトリウムの注射により動物を麻酔した。その後、頸動脈を切開することにより放血により安楽死させた。
結果
肺の空気漏れは、ペプチドで治療しているあいだおよびその後、いずれの動物でも見られなかった。X−線検査の代表的な結果を図1に示す。図1に示すように、手術日から剖検日まで肺に異常は見られなかった。組織学的検査の代表的な結果を図2に示す。図2に示すように、自己組織化ペプチドハイドロゲルによる肺の空気漏れの閉塞は、組織学的検査において同定された。
すべての動物は、実験期間を通して良好な全身状態を保っていた。動物は、一般に体重および食事摂取量を維持した。
血液学的検査の結果を表1に示す。すべての動物は、術後3日目にWBCのレベルの上昇を示し、M0001は、剖検日に高いWBCを示した。しかしながら、これらの変化は、観血手術によるものであり、自己組織化ペプチドハイドロゲルによるものではないと判断された。
生化学検査の結果を表2に示す。CRPのレベルの上昇は、術後3日目に明らかとなった。CRPにおける変化も他のパラメータにおける変化も観血手術によるものであり、自己組織化ペプチドハイドロゲルによるものではないと判断された。
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参照による組み込み
この出願に引用されているすべての特許および公開された特許出願の全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。

Claims (12)

  1. 肺の空気漏れ部位に、親水性アミノ酸と疎水性アミノ酸とが交互に結合し、8〜200のアミノ酸残基を有する両親媒性ペプチドの有効量を適用することを含み、該ペプチドが、生理的pHおよび/または陽イオンの存在下、水溶液中でβ−シート構造を示す自己組織化ペプチドである、肺の空気漏れを閉塞する方法。
  2. ペプチドが16アミノ酸残基長である請求項1記載の方法。
  3. ペプチドが、アルギニン−アラニン−アスパラギン酸(RAD)の繰り返し配列を含む請求項1または2記載の方法。
  4. ペプチドが、アルギニン−アラニン−アスパラギン酸−アラニン(RADA)の繰り返し配列を含む請求項3記載の方法。
  5. ペプチドが、アミノ酸配列Ac−(RADA)4−CONH2(配列番号1)、Ac−(IEIK)3I−CONH2(配列番号2)またはAc−(KLDL)3−CONH2(配列番号3)を有する請求項1記載の方法。
  6. ペプチドが、アミノ酸配列(RAD)5R(配列番号4)、(ADR)5A(配列番号5)または(DRA)5D(配列番号6)を有する請求項1記載の方法。
  7. ペプチドが、約0.5%〜約3%(体積に対するペプチドの重量)の水溶液として提供される請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. ペプチドが肺に適用される請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. ペプチドが気管支に適用される請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. ペプチドが胸腔鏡的に適用される請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
  11. ペプチドが気管支鏡的に適用される請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
  12. ペプチドが、がん、炎症および感染から選択される症状の治療に有用な少なくとも1つの低分子薬と共に投与される請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
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