JP2014527175A - 精神発達、神経または神経精神障害の処置における臨床的有用性を予測するための方法 - Google Patents
精神発達、神経または神経精神障害の処置における臨床的有用性を予測するための方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2014527175A JP2014527175A JP2014527583A JP2014527583A JP2014527175A JP 2014527175 A JP2014527175 A JP 2014527175A JP 2014527583 A JP2014527583 A JP 2014527583A JP 2014527583 A JP2014527583 A JP 2014527583A JP 2014527175 A JP2014527175 A JP 2014527175A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- complement factor
- cfhr1
- family
- patients
- protein
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Classifications
-
- G—PHYSICS
- G01—MEASURING; TESTING
- G01N—INVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
- G01N33/00—Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
- G01N33/48—Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
- G01N33/50—Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
- G01N33/68—Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing involving proteins, peptides or amino acids
- G01N33/6893—Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing involving proteins, peptides or amino acids related to diseases not provided for elsewhere
- G01N33/6896—Neurological disorders, e.g. Alzheimer's disease
-
- G—PHYSICS
- G01—MEASURING; TESTING
- G01N—INVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
- G01N33/00—Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
- G01N33/48—Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
- G01N33/50—Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
- G01N33/53—Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor
- G01N33/543—Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor with an insoluble carrier for immobilising immunochemicals
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
- C12Q—MEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
- C12Q1/00—Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
- C12Q1/68—Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving nucleic acids
- C12Q1/6876—Nucleic acid products used in the analysis of nucleic acids, e.g. primers or probes
- C12Q1/6883—Nucleic acid products used in the analysis of nucleic acids, e.g. primers or probes for diseases caused by alterations of genetic material
-
- G—PHYSICS
- G01—MEASURING; TESTING
- G01N—INVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
- G01N21/00—Investigating or analysing materials by the use of optical means, i.e. using sub-millimetre waves, infrared, visible or ultraviolet light
- G01N21/75—Systems in which material is subjected to a chemical reaction, the progress or the result of the reaction being investigated
- G01N21/76—Chemiluminescence; Bioluminescence
-
- G—PHYSICS
- G01—MEASURING; TESTING
- G01N—INVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
- G01N33/00—Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
- G01N33/48—Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
- G01N33/50—Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
- G01N33/53—Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor
- G01N33/543—Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor with an insoluble carrier for immobilising immunochemicals
- G01N33/54366—Apparatus specially adapted for solid-phase testing
Landscapes
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Immunology (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Biomedical Technology (AREA)
- Molecular Biology (AREA)
- Hematology (AREA)
- Urology & Nephrology (AREA)
- Physics & Mathematics (AREA)
- Analytical Chemistry (AREA)
- Pathology (AREA)
- General Health & Medical Sciences (AREA)
- Biochemistry (AREA)
- General Physics & Mathematics (AREA)
- Microbiology (AREA)
- Biotechnology (AREA)
- Food Science & Technology (AREA)
- Cell Biology (AREA)
- Medicinal Chemistry (AREA)
- Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Plasma & Fusion (AREA)
- Genetics & Genomics (AREA)
- Wood Science & Technology (AREA)
- Zoology (AREA)
- Neurosurgery (AREA)
- Neurology (AREA)
- Biophysics (AREA)
- Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)
- Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
- Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
- Peptides Or Proteins (AREA)
Abstract
本発明は、精神発達、神経または神経精神障害をもつ患者の応答を予測するインビトロの方法であって、グルタミン酸作動性経路を標的とする化合物で処置されている場合に、工程i)患者の試料中の補体因子Hファミリーの1個,2個,3個,4個,5個または6個のメンバーまたはそれらの混合物もしくは組合せのタンパク質濃度を決定すること、ii)工程i)で決定されたタンパク質濃度を精神発達、神経または神経精神障害をもつ患者における補体因子Hファミリーの1個,2個,3個,4個,5個または6個のメンバーのタンパク質濃度を代表する値に比較すること、iii)ここで、精神発達、神経または神経精神障害をもつ患者の試料中における補体因子Hファミリーからの1個,2個,3個,4個,5個または6個のメンバーのより高いタンパク質濃度は、前記処置から臨床的有用性が得られるであろう患者のための指標であり、およびiv)精神発達、神経または神経精神障害をもつ患者のために前記処置を選択することを含む方法に関する。
Description
本発明は、神経発達、神経または神経精神障害をもつ患者を、グルタミン酸作動性経路を標的とする化合物で処置するための臨床的有用性を予測する方法に関する。
神経発達障害は、脳または中枢神経系の成長と発達の障害である。その用語の狭義の使用は感情、学習能力および感情、ならびに社会的能力、スキルおよび行動に影響を与え、そして個体が成長するにつれて展開する脳機能の障害を指す。起源において神経発達であり、またはそれらが幼年および子供時代に発生した時に神経発達影響をもたらすと考えらえる障害は、アスペルガー症候群のような自閉症および自閉症スペクトラム障害、外傷性脳損傷(脳性麻痺、通信、音声および言語障害を引き起こすような先天性障害を含む)、脆弱−X症候群およびダウン症候群のような遺伝性疾患を含む。精神発達障害は、個人、家族、および社会全般に広く様々な程度の精神的、感情的、物理的、および経済的負担と関連する。
神経障害は身体の神経系の障害である。脳、脊髄、またはそれらからまたはそれらへと導く神経における構造的、生化学的または電気的異常が麻痺、筋肉低下、調節不足、感覚の喪失、けいれん、混乱、痛み、無関心、および意識の変性状態のような症状を引き起こしうる。多くの認識された神経障害、いくらか比較的一般的しかし多くは稀である。2006年に、世界保健機構は、神経障害およびその後遺症は世界中10億人程の多くに影響を与えると推定し、関連した障害および苦しみを与える主な因子として健康の不平等と社会的不名誉/差別を認めた。
神経精神医学は神経系の疾患に起因する精神障害を処置する医学の部門であり、それはまた、心理学および行動神経学の分野に密接に関連しており、それは脳障害または脳疾患に起因する認知および/または行動の臨床的問題に対処する神経学の細分化専門部門である。
神経発達、神経または神経精神障害は、統合失調症、双極性障害、物質依存症(アルコール、コカイン)、自閉症および強迫性障害(ОCD)を含み、それらは本発明に関して最も好ましい適応症である。
本発明は、グルタミン酸作動性経路を標的とする化合物で(例えば、グリシン再取り込み阻害剤で)処置される患者の臨床的有用性のための予測マーカーとしての補体因子Hファミリーのタンパク質の使用を開示する。さらに、それはインビトロにおける前記試料における補体因子Hファミリーのタンパク質を測定することにより、個体から得られた試料から薬物の応答を予測するための方法に特に関連する。
補体因子Hファミリーは、それがCFH、CFHR1、CFHR2、CFHR3、CFHR4A、CFHR4BおよびCFHR5を含む個々のCFHタンパク質またはそれらの混合物で有り得ることを意味する。
GlyT1を標的とするグリシン再取り込み阻害剤(GRI)は、グリシンの細胞外濃度を上昇してNMDA受容体(NMDA−R)媒介伝達を高めると考えられている新規クラスの化合物である。健康な個体、精神病患者および動物における研究および遺伝子分析からの証拠は、精神発達、神経または神経精神障害の病態生理学において、NMDA受容体(NMDA−R)機能低下の関与について過去15年にわって蓄積されてきた。
CNSにおいて、グリシンは感覚と高次脳機能を支配する二つの主要な役割を持つ:それはグリシン作動性ニューロンにおける抑制性神経伝達物質であり、そしてNMDA受容体のグルタミン酸作動性伝達のグルタミン酸と共同アゴニストとしての興奮性神経伝達物質である。
グルタミン酸は、脳における主な興奮性神経伝達物質であり、NMDAおよび非−NMDA受容体(リガンド開口型イオンチャンネル、すなわちAMPA、カイニン酸および代謝型受容体、すなわちmGluR1−8)を活性化する。NMDA受容体は異ったニューロン(例えば、グルタミン酸作動性、ドーパミン作動性、GABA作動性)に位置する。従って、NMDA受容体はグルタミン酸、GABAおよびドーパミンに直接作用できる。
NMDA受容体は、それらが活性化のためにグルタミン酸およびグリシンの両方の結合を必要とすることを意味するリガンド開口型イオンチャンネルである。グリシンはグルタミン酸の調節因子として作用する:それはグルタミン酸の効力を増加し、従って受容体を活性化する効果を高める。発達途上の脳においておよび、成熟脳においてはより少ない程度で、NMDA受容体は、シナプト形成に、ならびにシナプスメンテナンスおよび安定化(増加したシナプス可塑性によって)を促進することにおいて重要な役割を果たす。従って、NMDA受容体は、成熟および発達途上脳の両方においていくつかの脳機能に関与している。
グルタミン酸作動性神経伝達物質における機能障害は、気分障害および統合失調症の病態生理に関与している。従って、NMDA受容体グリシン−調節部位は、統合失調症における認識を改善しそして陰性症状を減少させるための治療標的であると考えられる。
グリシンはNMDA−R複合体における必須の共アゴニストであるので、NMDA−R媒介神経伝達を高めるための戦略は、NMDA受容体の局所のミクロ環境におけるグリシンの細胞外濃度を高めることである。グリシン上昇はGRIの阻害によって達成でき、それはシナプス間隙からのグリシン除去による。既存の神経および神経精神病の治療上の可能な有用性は、良好な効率をもつグリシン再取り込み阻害剤の効果、ならびに統合失調症、双極性障害、物質依存症(アルコール、コカイン)、自閉症および強迫性障害(ОCD)における陰性および正の症状の処置のための改善された認容性プロファイルを含む。
GlyT1は、神経伝達物質輸送体のスーパーファミリー(SERT、NETまたはDATのような)に属する。GlyT1は、前脳においてグルタミン酸作動性シナプスを囲んでいる。それはNMDA受容体のNR1部位上の結合部位で、シナプスにおける細胞外グリシン濃度を飽和レベル以下で維持する。尾側脳領域および脊髄において、GlyT1はグルタミン酸作動性(NMDA受容体を介して)およびグリシン作動性伝達の両方を支配する。
グリシン再取り込み阻害剤は、精神発達、神経または神経精神障害(例えば、統合失調症)の処置のために使用されうることが知られている。
本発明の内容に使用されている適切なグリシン再取り込み阻害剤(GRI)は、[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンである。
統合失調症は、莫大な社会的および経済的影響をもつ成人人口の約1%の世界的有病率を伴う思春期後期または成人期早期に典型的に現れる重篤な精神障害である。統合失調症診断のためのヨーロッパ精神科医協会(ICD)および米国精神科医協会(DSM)の基準は、二つ以上の特徴的な症状が存在する:妄想、幻覚、まとまりのない会話、ひどくまとまりのないまたは緊張病性行動または陰性症状(失語、情緒平坦化、意欲の欠如、無快感症)、および情緒障害を除くような他の要件、および機能障害の存在が存在することを要求する。集団として、統合失調症を持つ人々は子ども時代に始まり成人期を通して継続する機能的障害をもち、そしてほとんどの患者に正常の職業に就くことまたはそうでなければ正常の社会機能をもつことを不可能にする[2、3]。また、彼らは一般集団に比べて短い寿命を持ち、統合失調症処置に先だって重い、物質依存症、強迫症状および異常な不随意運動を含む、多種多様な他の神経精神病症候群の有病数の増加に苦しんでいる。統合失調症はまた、精神病症状が十分に制御されている場合でも、広い範囲の認知障害、機能を制限する重篤性と関連している。
グルタミン酸作動性伝達と関連した他の適応症は、双極性障害、物質依存症(アルコール、コカイン)、自閉症および強迫性障害(ОCD)である。
CNS疾患(例えば、統合失調症、双極性障害、物質依存症(アルコール、コカイン)、自閉症および強迫性障害(ОCD))の処置を個体別化する方法を開発する必要があることは長い間認識されてきた。
標的とされた疾患処置の進展とともに、標的の分子プロファイルを提供できる方法(すなわち、臨床有用性を予測すること)に特別な関心が存在する。
従って、グルタミン酸作動性経路を標的とする化合物に対して臨床的有用性を予測するためのインビトロの方法を提供すること、例えば、統合失調症、双極性障害、物質依存症(アルコール、コカイン)、自閉症および強迫性障害(ОCD))である、グルタミン酸作動性経路に関連した疾患を標的とする化合物で処置するための臨床的有用性が得られる個体を同定することが、本発明の目的である。
この目的のために、体液(例えば、血液、血清または血漿)中に検出できる循環中に存在する予測マーカーが見つけられなければならない。
臨床的に有用であるためには、予測マーカーは、グルタミン酸作動性経路を標的とする化合物による処置から臨床的効果が得られない個体から、臨床的効果が得られる個体を識別できるべきである。予測感度または試験の特異性は受信者操作特性(ROC)によって最もよく評価される。
全血、血清または血漿は、臨床ルーチンにおいてもっとも広く使用されるサンプル源である。統合失調症および他の疾患におけるグルタミン酸作動性経路を標的とする化合物による処置に応答する個体の同定に役立つ予測マーカーの同定は、これらの疾患の処置および管理に大きな助けになる方法につながる。従って、グルタミン酸作動性経路を標的とする疾患(例えば、GRI関連疾患)の処置を改善するために緊急の臨床的必要性が存在する。
さらに本発明の目的は、グルタミン酸作動性経路を標的とする化合物(例えば、GRI)に対する応答を予測することに使用されうる生化学的マーカーが体液試料中インビトロで同定できるかどうかを研究することである。
驚くべきことには、試料中のタンパク質CFHファミリーの濃度のインビトロ決定は精神発達、神経または神経精神障害を持つ患者のためのGRIでの処置から臨床的有用性の予測を可能にすることが見いだされた。
本文脈において、血液、血清または血漿試料中の補体因子Hファミリーメンバーのタンパク質濃度を決定することは、特定の処置から臨床的有用性が得られる患者のための指標である。この目的のために、補体因子Hファミリーメンバーのタンパク質濃度が、治療から臨床的有用性が得られない患者集団の補体因子Hファミリーメンバーのタンパク質濃度を代表する値と比較され、ここで患者の血液、血清または血漿試料中の補体因子Hファミリーメンバーのより高いタンパク質濃度が、当該処置から臨床的有用性が得られる患者のための指標である。
精神発達、神経または神経精神障害を持つ患者の応答性を予測する新しいインビトロの方法が提供され、ここではそのような患者はグルタミン酸作動性経路を標的とする化合物で(例えば、GRI)で処置され、その方法は以下:
− 患者の血液、血清または血漿試料中の補体因子Hファミリーメンバーのタンパク質濃度を測定すること
− 補体因子Hファミリーメンバーのタンパク質濃度を、治療から臨床的有用性を得られない患者集団の補体因子Hファミリーメンバーのタンパク質濃度を代表する値に比較すること、ここで、患者の血液、血清または血漿試料中の補体因子Hファミリーメンバーのより高いタンパク質濃度が当該処置から臨床的有用性が得られる患者のための指標である
を含む。
− 患者の血液、血清または血漿試料中の補体因子Hファミリーメンバーのタンパク質濃度を測定すること
− 補体因子Hファミリーメンバーのタンパク質濃度を、治療から臨床的有用性を得られない患者集団の補体因子Hファミリーメンバーのタンパク質濃度を代表する値に比較すること、ここで、患者の血液、血清または血漿試料中の補体因子Hファミリーメンバーのより高いタンパク質濃度が当該処置から臨床的有用性が得られる患者のための指標である
を含む。
さらなる実施態様において、本発明は、ある種のCNS疾患(例えば、統合失調症)のインビトロ評価における試料中のタンパク質補体因子Hファミリーメンバーの使用に関するものであり、ここでは、上記のリファレンス濃度であるタンパク質補体因子Hファミリーメンバーの濃度が前記疾患の薬物処置による臨床的有用性のための指標である。
補体因子Hは、189個のタンパク質のパネルから選択された(Rules Based Medicine, Human Discovery Map v 1.0)。GRIで処置された統合失調症患者からのベースラインおよび処置血清試料は、Luminex based multiplex ELISA Human DiscoveryMap(登録商標) v 1.0で分析された。
DiscoveryMAP(登録商標)は、189個のタンパク質分析を含む総合的な定量的イムノアッセイ試験である。それは、サイトカイン、ケモカイン、代謝マーカー、ホルモン、成長因子、組織リモデリングタンパク質、血管形成マーカー、急性期応答物質、腫瘍マーカー、腎毒性マーカー、CNSバイオマーカーおよび他の重要な血清タンパク質のためのアッセイ開発の10年間の集大成を表す。
補体因子Hは、以下のような有用性:
− 補体因子Hは処置グループにおいて応答者および非応答者の間で強力な区別を表す
− 補体因子Hはプラセボグループにおいて予後効果を表さない
− 補体因子H血清濃度は、8週間内でGRIによる処置によって影響を受けない
− 補体因子H血清濃度は経時的に安定である
を考慮して他の189個のタンパク質分析物に勝っていることが分かった。
− 補体因子Hは処置グループにおいて応答者および非応答者の間で強力な区別を表す
− 補体因子Hはプラセボグループにおいて予後効果を表さない
− 補体因子H血清濃度は、8週間内でGRIによる処置によって影響を受けない
− 補体因子H血清濃度は経時的に安定である
を考慮して他の189個のタンパク質分析物に勝っていることが分かった。
補体因子H(因子Hとしてまた知られている)は、微生物の防御、免疫複合体プロセシング、プログラム細胞死および加齢黄斑変性に関与している補体媒介性免疫系の調節に必須の役割を果たすシアル酸含有糖タンパク質である。補体因子Hは、補体因子Hタンパク質ファミリーの最もよく特徴づけられたメンバーである。補体因子Hファミリーは、以下のメンバーから成る:補体因子H(CFH)、補体因子H関連タンパク質1(CFHR1)、補体因子H関連タンパク質2(CFHR2)、補体因子H関連タンパク質3(CFHR3)、アイソフォーム4Aおよび4Bをもつ補体因子H関連タンパク質4(CFHR4AおよびCFHR4B)、補体因子H関連タンパク質5(CFHR5)。補体因子H関連タンパク質は、補体因子H遺伝子の下流にコードされ、補体因子Hのサブドメインと高い濃度のホモロジーを共有している。補体因子H関連タンパク質は、また機能的類似性を共有している[4]。
補体系は、体液中または細胞および組織表面に存在し、3つの主要経路によりカスケード状に活性化される約40個のタンパク質から成る[1]。代替経路は中央構成成分C3の自発的加水分解によって低速度で連続的に活性化され、レクチン経路は微生物糖鎖を認識するマンノース結合レクチンまたはフィコリンをによって開始され、そして古典的経路はC1qが抗原結合イムノグロブリンに結合することにより活性化される。酵素的工程では、補体構成成分の活性型フラグメントを生成し、さらなる増幅を引きだす。三つの経路はC3の濃度で合流し、活性化されてC3aおよびC3bに解裂する。
補体因子Hは制御されていない補体活性化から生じる障害から宿主細胞を保護する。補体因子HはファクターI媒介C3b解裂のための両方の補因子活性を有することによって自身の細胞上の補体活性化を調節し、および代替経路C3転換酵素、C3bBbに対する加速活性を低下させる。
補体因子Hは、補体活性化から自身の細胞を保護するが、細菌/ウイルスを保護しない。補体因子Hが補体の調節に果たす中心的役割によって、異常なCFH活性から起る多くの臨床的影響がある。補体因子H遺伝子における変異は、稀な腎障害、溶血性尿毒症症候群(HUS)および膜性増殖性糸球体腎炎(MPGN)(デンスデポジット糸球体腎炎(DDD)とも呼ばれる)、膜性増殖性糸球体腎炎II型またはデンスデポジット疾患、ならびに頻度の高い網膜疾患加齢黄斑変性(AMD)を含む重篤および多様な疾患と関連している。補体調節活性に加えて、補体因子Hは複数の生理活性を持ち、および1)細胞外マトリクッス成分として働く、2)インテグリン型の細胞受容体に結合する、および3)広い選択のリガンド(例えば、C−反応性タンパク質、スロンボスポンジン、骨シアロタンパク質、オステオポンチン、およびヘパリン)と相互作用する。
補体因子H関連タンパク質1(CFHR1)は43kDaであり、糖タンパク質の因子Hファミリーの分泌型メンバーである。それは、肝臓によって作られ、二つの異ったグリコシル化アイソフォーム(37kDaおよび43kDa)として循環している。成熟ヒトCFHR1は長さにおいて312aaである。それは、基本的に全分子を構成している5つの約60aaSCRs(短いコンセンサスリピート/CCPs/SUSHI繰り返し)を含んでいる。CFHR1は、LPSを好中球に結合するリポタンパク質複合体中で役割を果たす。CFHR1に対する齧歯類の対応物は報告されていない。CFHR1前駆体のaa19143にわたり、ヒトCFHR2およびCFHR5は、それぞれ98%および86%aa同一性を表す。
本明細書において
用語「バイオマーカーまたはマーカー」は、治療相互作用に対する、生物学的状態、すなわち生物学的プロセスまたは薬理学的反応の指標として使用される物質を意味する。バイオマーカーまたはマーカーは、疾患の危険性または進展と、または与えられた処置に対する疾患の感受性と関係するタンパク質の発現または状態における変化を示す。
用語「バイオマーカーまたはマーカー」は、治療相互作用に対する、生物学的状態、すなわち生物学的プロセスまたは薬理学的反応の指標として使用される物質を意味する。バイオマーカーまたはマーカーは、疾患の危険性または進展と、または与えられた処置に対する疾患の感受性と関係するタンパク質の発現または状態における変化を示す。
用語「遺伝子」は宿主有機体におけるDNAの断片を意味する。
遺伝子発現は、遺伝子からの情報は機能性の遺伝子産物(例えば、タンパク質)の合成に用いられる過程である。用語「発現濃度」は特定の遺伝子が細胞、組織または有機体内で発現される濃度を意味する。タンパク質との文脈において用語「発現濃度」はある時点で細胞内に存在する特定のタンパク質の量を反映する。
用語「タンパク質」は遺伝子から合成される機能性の遺伝子産物を意味する。
用語「処置から臨床的有用性が得られない患者集団の補体因子Hファミリーメンバーのタンパク質濃度を代表する値」は、当該処置から臨床的有用性が得られない患者集団の平均発現濃度の推定値を指す。臨床的有用性とは、8週以上後にプラセボに比較して測定可能な応答性を持つこととして定義された。
本明細書で使用された用語「試料」または「試験試料」はインビトロ評価の目的のための個体から得られた生物試料を指す。本発明の方法において、試料または患者試料は本発明の実施態様において任意の体液を含む。好ましい試料は体液(例えば、血液、血清または血漿)であり、最も好ましいのは血清または血漿である。
用語「混合物」は、一つのタンパク質アッセイ(例えば、サンドイッチアッセイ)によって同時に検出される二つ以上のタンパク質によって構成されるタンパク質混合物を指す。同時の検出はサンドイッチアッセイに使用された抗体によって検出されるタンパク質上に存在する類似のエピトープによりなされうる。
用語「組合せ」は、順序は問題でない、タンパク質のより大きなグループから測定された二つ以上のタンパク質分析物の独立した測定に関する。独立した測定結果は数学的に(例えば、二つの測定結果の比を計算することによって)組合される。
補体因子Hファミリーメンバーのタンパク質濃度、特に可溶型の補体因子Hファミリーメンバー(CFH、CFHR1、CFHR2、CFHR3、CFHR4A、CFHR4B、CFHR5またはそれらの混合物)のタンパク質濃度は、適切な試料中でインビトロ測定される。好ましくは、試料はヒト被験者(例えば、統合失調症患者または統合失調症の危険性のあるヒトまたは統合失調症をもつと疑われる人)から得られる。補体因子Hファミリーメンバーのタンパク質濃度は血液、血清または血漿試料で測定される。
本発明は、グルタミン酸作動性経路を標的とする化合物で処置された場合に、精神発達、神経または神経精神障害を持つ患者の応答を予測する方法を含み、次の工程:
i)患者の試料中の補体因子Hファミリーの1個、2個、3個、4個、5個または6個のメンバーまたはそれらの混合物または組合せのタンパク質濃度を決定すること
ii)工程i)で測定されたタンパク質濃度を、精神発達、神経または神経精神障害を持つ患者における補体因子Hファミリーからの1個、2個、3個、4個、5個または6個のメンバーのタンパク質濃度を代表する値に比較すること
iii)精神発達、神経または神経精神障害を持つ患者の試料における補体因子Hファミリーからの1個、2個、3個、4個、5個または6個のメンバーのより高いタンパク質濃度は本処置からの臨床的有用性が得られる患者の指標である、および
iv)精神発達、神経または神経精神障害を持つ患者のために本処置を選択すること
を含む。
i)患者の試料中の補体因子Hファミリーの1個、2個、3個、4個、5個または6個のメンバーまたはそれらの混合物または組合せのタンパク質濃度を決定すること
ii)工程i)で測定されたタンパク質濃度を、精神発達、神経または神経精神障害を持つ患者における補体因子Hファミリーからの1個、2個、3個、4個、5個または6個のメンバーのタンパク質濃度を代表する値に比較すること
iii)精神発達、神経または神経精神障害を持つ患者の試料における補体因子Hファミリーからの1個、2個、3個、4個、5個または6個のメンバーのより高いタンパク質濃度は本処置からの臨床的有用性が得られる患者の指標である、および
iv)精神発達、神経または神経精神障害を持つ患者のために本処置を選択すること
を含む。
さらに具体的には、グリシン再取り込み阻害剤(GRI)で処置された場合に、本発明は患者の応答を予測するためのインビトロの方法を包含し、次の工程:
i)患者試料中の補体因子Hファミリーの1個、2個、3個、4個、5個または6個のメンバーまたはそれらの混合物または組合せのタンパク質濃度を決定すること
ii)工程i)で決定されたタンパク質濃度を、精神発達、神経または神経精神障害を持つ患者における補体因子Hファミリーの1個、2個、3個、4個、5個または6個のメンバーのタンパク質濃度を代表する値に比較すること
iii)ここで、精神発達、神経または神経精神障害を持つ患者における補体因子Hファミリーからの1個、2個、3個、4個、5個または6個のメンバーのより高いタンパク質濃度はGRIでの処置からの臨床的有用性が得られる患者の指標である、および
iv)精神発達、神経または神経精神障害を持つ患者のためにGRI処置を選択すること
を包含する。
i)患者試料中の補体因子Hファミリーの1個、2個、3個、4個、5個または6個のメンバーまたはそれらの混合物または組合せのタンパク質濃度を決定すること
ii)工程i)で決定されたタンパク質濃度を、精神発達、神経または神経精神障害を持つ患者における補体因子Hファミリーの1個、2個、3個、4個、5個または6個のメンバーのタンパク質濃度を代表する値に比較すること
iii)ここで、精神発達、神経または神経精神障害を持つ患者における補体因子Hファミリーからの1個、2個、3個、4個、5個または6個のメンバーのより高いタンパク質濃度はGRIでの処置からの臨床的有用性が得られる患者の指標である、および
iv)精神発達、神経または神経精神障害を持つ患者のためにGRI処置を選択すること
を包含する。
補体因子Hファミリーメンバーは、補体因子H(CFH)、補体因子H関連タンパク質1(CFHR1)、補体因子H関連タンパク質2(CFHR2)、補体因子H関連タンパク質3(CFHR3)、補体因子H関連タンパク質4A(CFHR4A)、補体因子H関連タンパク質4B(CFHR4B)、および補体因子H関連タンパク質5(CFHR5)を含む。
本発明の一実施態様は、上記の補体因子Hファミリーメンバーまたはそれらの混合物または組合せである。
本発明の一実施態様は、補体因子Hファミリーメンバーは補体因子H関連タンパク質1であり、または補体因子H関連タンパク質1と補体因子Hの混合物であることである。
本発明のさらなる一実施態様は、インビトロの方法であり、ここでは補体因子Hファミリーメンバーは補体因子H関連タンパク質1である。
本発明のさらなる一実施態様は、インビトロの方法であり、ここでは補体因子Hファミリーメンバーは補体因子H関連タンパク質1および補体因子Hの組合せである。
本発明の特に好ましい一実施態様は、インビトロの方法であり、ここでは補体因子Hファミリーメンバーは補体因子H関連タンパク質1と補体因子Hの比率である。
本発明の一実施態様は、さらにインビトロの方法であり、ここでは補体因子Hファミリーメンバーは補体因子H関連タンパク質3および補体因子Hの組合せである。
本発明の一実施態様は、さらにインビトロの方法であり、ここでは補体因子Hファミリーメンバーは補体因子H関連タンパク質3および補体因子Hの比率である。
本発明の一実施態様は、さらにインビトロの方法であり、ここでは補体因子Hファミリーメンバーは、補体因子H関連タンパク質3または補体因子H関連タンパク質1のいずれかと次の補体因子:補体因子H関連タンパク質2、補体因子H関連タンパク質4A、補体因子H関連タンパク質4B、補体因子H関連タンパク質5および補体因子Hの一つとの組合せである。
本発明の一実施態様は、さらにインビトロの方法であり、ここでは補体因子Hファミリーメンバーは、補体因子H関連タンパク質3または補体因子H関連タンパク質1のいずれかと次の補体因子:補体因子H関連タンパク質2、補体因子H関連タンパク質4A、補体因子H関連タンパク質4B、補体因子H関連タンパク質5および補体因子Hの一つとの比率である。
精神発達、神経または神経精神障害を持つ患者の応答を予測するための方法は、統合失調症、双極性障害、物質依存症、自閉症および強迫性障害(ОCD))の陰性または陽性の症状を含む。
本発明の一実施態様は、患者が統合失調感情性障害を患っている場合の方法である。
本発明のさらなる一実施態様は、補体因子Hファミリーの個々のメンバーまたはそれらの混合物または組合せのタンパク質濃度がELISAに基づく技術によって決定されることである。
本発明はさらに、グリシン再取り込み阻害剤(GRI)であるグルタミン酸作動性経路を標的とする化合物で処置される場合に、精神発達、神経または神経精神障害を持つ患者の応答を予測するインビトロの方法を含み、ここでは補体因子Hファミリーの個々のメンバーまたはそれらの混合物または組合せのタンパク質濃度は、補体因子Hファミリーメンバーの遺伝子変異体を測定することによって決定される。
本発明はさらに、グリシン再取り込み阻害剤(GRI)で処置される場合に、精神発達、神経または神経精神障害を持つ患者の応答を予測するインビトロの方法を含み、ここではCFHR1のタンパク質濃度は、CFHR1のコピー数変動の測定または欠失の代わりとしてのSNPの測定によるかのいずれかによって、CFHR1の遺伝子変異体を測定することによって決定される。
本発明のさらなる実施態様は、補体因子Hファミリーのタンパク質に特異的に結合する抗体の使用である。
インビトロの方法はGRI、すなわち[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−[[(2S)−1,1,1−トリフルオロプロパン−2−イル]オキシ]フェニル]メタノンの使用を含む。
本発明のさらなる実施態様は、グルタミン酸作動性経路を標的とする化合物(例えば、グリシン再取り込み阻害剤(GRI))で処置される患者のための予測マーカーとしての使用のための補体因子Hファミリーメンバーである。
本発明のさらなる実施態様は、グルタミン酸作動性経路を標的とする化合物(例えば、グリシン再取り込み阻害剤(GRI))で処置される場合に、精神発達、神経または神経精神障害を持つ患者の臨床的有用性の予測マーカーとしての補体因子Hファミリーメンバーの使用である。
本発明のさらなる実施態様は、グルタミン酸作動性経路を標的とする化合物(例えば、グリシン再取り込み阻害剤(GRI))で処置される場合に、精神発達、神経または神経精神障害を持つ患者の臨床的有用性の予測マーカーとしての補体因子Hファミリーメンバーである。
本明細書で使用される用語「リファレンス試料」は、インビトロで評価の目的のために、処置から臨床的有用性が得られない、リファレンスグループの患者から提供される生物試料を指す。本明細書で使用される用語「リファレンス濃度」は、処置から臨床的有用性が得られない、リファレンスグループの患者で確立された値を指す。
本発明の方法に従った工程(i)の測定結果がリファレンス濃度に比較されることは当業者において周知のことである。そのようなリファレンス濃度は、陰性リファレンス試料、陽性リファレンス試料、またはこれらのタイプのコントロールの一つ以上を含む混合リファレンス試料を用いて決定できる。
表現「リファレンス濃度に決定された濃度を比較する」は、当業者に自明であることをさらに説明するために単に使用される。リファレンス濃度はコントロール試料で確立される。コントロール試料は内部または外部コントロール試料であリ得る。一実施態様では、内部コントロール試料が使用される、すなわち前記のマーカーの濃度に変化がある場合に、マーカー濃度は試験試料および決定するために同じ被験体から採取された一つまたはそれ以上の試料において評価される。別の実施態様では、外部コントロール試料が使用される。外部コントロール試料のためには、個体から得られた試料中のマーカーの存在または量は、与えられた状況から苦しむことが知られている、あるいは危険性のあることが知られている個体;または与えられた状況がないと知られている個体、すなわち、“健常人”におけるその存在または量に比較される。例えば、患者試料におけるマーカー濃度は精神発達、神経または神経精神障害の特異過程と関連していると知られた濃度に比較できる。
通常、試料のマーカー濃度は直接的または間接的に診断に関連しており、マーカー濃度は例えば、個体が精神発達、神経または神経精神障害の危険性があるどうかを決定するために使用される。
代わりに、試料のマーカー濃度は例えば、統合失調症患者における治療に対する応答性、統合失調症の診断、統合失調症に対する適切な薬物の選択のためのガイダンス、疾患の進行の危険性の判断、または統合失調症患者のフォローアップに関連していると知られるマーカー濃度に比較されることができる。意図された診断使用によって、適切なコントロール試料が選ばれ、そしてマーカーのためのコントロールまたはリファレンス値がそこで確立される。一実施態様によるそのようなコントロール試料は、同年齢のおよび交絡する疾患を持たないリファレンス集団から得られることは当業者に理解されるであろう。当業者に明らかなように、コントロール試料中に確立された絶対マーカー値は使用されるアッセイに依存するであろう。好ましくは、適切なリファレンス集団からの100の良く特徴づけられた個体からの試料はリファレンス値を確立するために使われる。同様に好ましくは、リファレンス集団は20.30,50,200,500,または1000の個体から成るように選ばれることができる。GRI処置から臨床的有用性が得られない統合失調症患者はリファレンス値を確立するための好ましいリファレンス集団を表す。
GRI処置から臨床的有用性が得られない統合失調症患者は、処置後彼らの症状において改善を示さないまたは軽度の改善のみを示す患者として定義できる。一実施態様において、症状において無改善または軽度の改善は、陽性および陰性症状スケール(Positive and Negative Symptom Scale)(PANSS)において20%以下の変化として定義される。別の実施態様において、症状において無または軽度改善は、臨床全般印象スケール(CGI)により、悪化症状、不変または軽度改善症状として定義される。
CFHファミリー遺伝子の特異遺伝子型を持つ統合失調症患者は、コントロール値を確立するための別の好ましいリファレンス集団を示す。一実施態様において、CFHR1およびCFHR3のホモ接合欠失をもつ統合失調症患者は、リファレンス値を確立するための好ましいリファレンス集団を示す。別の実施態様において、CFHR1およびCFHR3のホモ接合またはヘテロ接合欠失をもつ統合失調症患者は、リファレンス値を確立するための好ましいリファレンス集団を示す。
用語「測定」、「測定すること」または「決定すること」は、好ましくは、定性的、半定量的または定量的測定を含む。本発明において、補体因子Hファミリーメンバーのタンパク質またはそれらの混合物は体液試料中で測定される。好ましい実施態様では、測定は半定量的測定であり、すなわち補体因子Hファミリーメンバーのタンパク質またはそれらの混合物の濃度がカットオフ値以上または以下であるかどうかが決定される。
コントロールグループまたはコントロール集団において決定されたように補体因子Hファミリーメンバーのタンパク質またはそれらの混合物のための値は、例えば、カットオフ値またはリファレンス範囲を確立するために使用される。そのようなカットオフ値以上の値は、精神発達、神経または神経精神障害の処置における臨床的有用性の予測のための指標として考えられる。
一実施態様では、固定されたカットオフ値が確立される。そのようなカットオフ値は目的の診断上の疑問に適合するように選択される。
一実施態様では、カットオフ値は90%の特異性を得るように設定され、また、好ましいカットオフ値は95%の特異性を得るように設定され、または同様に好ましいカットオフ値は98%の特異性を得るように設定される。
一実施態様では、カットオフ値は90%の感度を得るように設定され、また、好ましいカットオフ値は95%の感度を得るように設定され、または同様に好ましいカットオフ値は98%の感度を得るように設定される。
一実施態様では、コントロールグループまたはコントロール集団において決定された補体因子Hファミリーのタンパク質の値は、リファレンス範囲を確立するために使用される。好ましい実施態様では、補体因子Hファミリーのタンパク質の濃度は、もし決定された値がリファレンス範囲の90%百分位数以上であれば、上昇していると考えられる。さらに好ましい実施態様では、補体因子Hファミリーメンバーのタンパク質の濃度は、もし決定された値がリファレンス範囲の95%百分位数、96%百分位数、97%百分位数または97.5%百分位数以上であれば、増加していると考えられる。
カットオフ値以上の値は、例えば、精神発達、神経または神経精神障害の処置における増加した臨床的有用性のための指標であることができる。
さらに好ましい実施態様では、補体因子Hファミリーメンバーのタンパク質の測定は定量的測定である。さらなる実施態様では、補体因子Hファミリーメンバーのタンパク質の濃度は、精神発達、神経または神経精神障害の処置における上昇した臨床的有用性に相関する。
当業者が理解するように、任意のそのような評価はインビトロで行われる。試料(試験試料)はその後廃棄される。試料は本発明のインビトロ診断法のためにのみ使用され、試料の物質は患者の身体に戻されない。典型的には、試料は体液試料であり、例えば、血清、血漿、または全血である。本発明による方法は、個体から得られる液体または体液試料に、およびそのような試料中の補体因子Hファミリーメンバーまたはその混合物のタンパク質濃度のインビトロ決定に基づいている。本明細書で使用される“個体”は単一のヒトを指す。
好ましくは、補体因子Hファミリーメンバーのタンパク質濃度は、特異結合剤の使用によって液体試料からインビトロで特異的に決定される。
特に定義されない限り、本明細書で使用される技術および科学用語は、当該発明が属する分野の通常の当業者によって共通に理解されるものと同じ意味を有する。
上記は、本出願で使用された用語の多くに対する一般的指針を当業者に提供する。
本発明によって記載されるそれぞれの遺伝子のタンパク質発現の検出のための技術は、酵素結合イムノアッセイ(ELISA)を含むが、限定されるものではない。
本発明の実行は、特に示されない限り、分子生物学(リコンビナント技術を含む)、微生物学、細胞生物学、生化学、および免疫学の従来技術(それらは当業者に周知である)を使用する。そのような技術は下記の文献に十分に説明されている。
本発明による方法は、個体から得られる液体または体液試料に、および補体因子Hファミリーメンバーのタンパク質濃度のインビトロ決定に基づいている。本明細書で使用される“個体”は単一のヒトを指す。
本発明による好ましい実施態様において、補体因子Hファミリーメンバーのタンパク質濃度が決定される。一実施態様において、補体因子Hファミリーメンバーのタンパク質濃度は、特異結合剤の使用によって試料からインビトロで特異的に決定される。
特異結合剤は、例えば、補体因子Hファミリーメンバーの受容体、補体因子Hファミリーメンバーに結合するレクチン、補体因子Hファミリーメンバーに対する抗体、補体因子Hファミリーメンバーに対するペプチドボディ、二種特異性二重結合体または二種特異性抗体フォーマットである。特異結合剤は、対応する標的分子のために少なくとも107l/モルの親和性をもつ。その特異結合剤は、その標的分子のために好ましくは108l/モルの親和性または同様に109l/モルの親和性が好まれる。
当業者が理解するように、用語「特異な」は、試料中に存在する他の生物分子は配列番号1の補体因子Hタンパク質配列または配列番号2〜7の補体因子H関連タンパク質1〜5のために特異的な結合剤に有意に結合しないことを示すために使用される。好ましくは、標的分子より他の生物分子に結合する濃度は、それぞれ、標的分子に親和性の最大10%のみもしくはそれ以下、5%のみもしくはそれ以下、2%のみもしくはそれ以下または1%のみもしくはそれ以下である結合親和性を生じる。好ましい特異結合剤は、親和性および特異性の両方について上記の最少基準を満たす。
特異結合剤の例は、ペプチド、ペプチド類似体、アプタマー、シュピーゲルマー、ダルピン(darpins)、アンキリンリピートタンパク質(ankyrin repeat proteins)、Kunitzタイプドメイン(Kunitz type domains)、抗体、単一ドメイン抗体[6]および抗体の一価のフラグメントである。
ある好ましい実施態様では、特異結合剤はポリペプチドである。
ある好ましい実施態様では、特異結合剤は抗体または一価の抗体フラグメント、好ましくはモノクロナール抗体由来の一価のフラグメントである。
本明細書記載の用語「抗体」は最も広い意味で使用され、そして具体的にはモノクロナール抗体、ポリクロナール抗体、少なくとも二つの完全な抗体から形成された多重特異性抗体(例えば、二種特異性抗体)、およびそれらが望ましい生物活性を表す限りにおいて抗体フラグメントを包含する。ある好ましい実施態様において、特異結合剤は抗体または一価の抗体フラグメント、好ましくはモノクロナール抗体由来の一価のフラグメントである。
好ましくは、特異結合剤は、補体因子Hファミリーのメンバーまたはそれらの組合せ、(例えば、補体因子H(配列番号1)、補体因子H関連タンパク質1(配列番号2)、補体因子H関連タンパク質2(配列番号3)、補体因子H関連タンパク質3(配列番号4)、補体因子H関連タンパク質4A(配列番号5)、補体因子H関連タンパク質4B(配列番号6)、補体因子H関連タンパク質5(配列番号7)、直鎖状エピトープまたは立体エピトープのいずれか)と反応する抗体または抗体のセットである。
今や、当業者が理解できるように、補体因子Hファミリーメンバーのタンパク質濃度は、精神発達、神経または神経精神障害の処置の臨床的有用性の評価に有用であるマーカーとして同定された。
補体因子Hファミリーメンバーのタンパク質濃度の測定のために、個体から得られた試料は、結合剤と補体因子Hファミリーメンバーの間の複合体の形成のために適切な条件下で、補体因子Hファミリーメンバーのための特異結合剤とインビトロでインキュベートされる。当業者はそのような適切なインキュベーション条件をいかなる発明的努力もなしに容易に同定することができるので、そのような条件は具体化される必要はない。結合剤と補体因子Hファミリーメンバーの間の複合体の量は、例えば、上記のような酵素結合イムノアッセイ(ELISA)で決定される[7]。
このアッセイフォーマットを用いて、患者からの試料は、処置によって患者のための臨床的有用性を評価するために使用できる。結果は、この出願の実施例の部分に表される。
実施例
本発明は下記の実施例にさらに記載され、それは説明としてのみ示され、発明の範囲を制限するものでない。
本発明は下記の実施例にさらに記載され、それは説明としてのみ示され、発明の範囲を制限するものでない。
第2相のGRI統合失調症試験の患者および試験計画
第II相試験は、顕著な陰性症状を伴う統合失調症の成人で実施された。個体は臨床的に安定でおよび第二世代の抗精神病薬で安定した処置を受けていた。試験は、優良臨床実施基準(Good Clinical Practice)(ClinicalTrials.gov Identifier: NCT00616798)のためのICHガイドラインに従ってブラジル、フランス、ドイツ、ハンガリー、日本、メキシコ、ポーランド、ロシアおよび米国における複数の場所で実施された。試験のプロトコールは、それぞれの国の医療当局および各地のそれぞれの倫理委員会によって認可された。323人の患者すべてがその試験に参加するための書面による同意書を提出し、そして224人の患者は診査のバイオマーカー分析のための血清試料の採集と使用に同意した。スクリーニングおよび4週導入期間の後、患者は8週の継続期間、一日一回投与されるプラセボ、GRIの10mg、30mg、または60mgで無作為に二重盲検で付加処置され、4週の追求期間が続いた。
第II相試験は、顕著な陰性症状を伴う統合失調症の成人で実施された。個体は臨床的に安定でおよび第二世代の抗精神病薬で安定した処置を受けていた。試験は、優良臨床実施基準(Good Clinical Practice)(ClinicalTrials.gov Identifier: NCT00616798)のためのICHガイドラインに従ってブラジル、フランス、ドイツ、ハンガリー、日本、メキシコ、ポーランド、ロシアおよび米国における複数の場所で実施された。試験のプロトコールは、それぞれの国の医療当局および各地のそれぞれの倫理委員会によって認可された。323人の患者すべてがその試験に参加するための書面による同意書を提出し、そして224人の患者は診査のバイオマーカー分析のための血清試料の採集と使用に同意した。スクリーニングおよび4週導入期間の後、患者は8週の継続期間、一日一回投与されるプラセボ、GRIの10mg、30mg、または60mgで無作為に二重盲検で付加処置され、4週の追求期間が続いた。
第2相GRI統合失調症試験の評価基準
患者は、週−2、ベースライン、週1,2,4,6,8,10および12のスクリーニングで評価された。評価は、PANSS、臨床全般印象(Clinical Global Impression)−病気の重症度(CGI−S)および全般精神病理学56のための臨床全般印象−グローバル改善(Global Improvement)(CGI−I)、陰性症状57のみの評価のための 陰性症状のCGI−SおよびCGI−I(CGI−S−N、CGI−I−N)、ならびに錐体外路症状の標準試験(BAS58, SAS59, AIMS60)を含んだ。陰性症状における効果を評価する主要有効変数は、PANSS陰性症状因子スコア64におけるベースラインからの変化であった。副次的有効変数はi)PANSS陰性症状因子スコアにおけるベースラインからの≧ 20%変化として定義された陰性症状における、臨床応答を示す患者の割合およびii)CGI−I−Nであった。追加の分析は、PANSS全スコア、残るPANSS因子スコア64CGI−SおよびCGI−Iにおける変化を含んた。
患者は、週−2、ベースライン、週1,2,4,6,8,10および12のスクリーニングで評価された。評価は、PANSS、臨床全般印象(Clinical Global Impression)−病気の重症度(CGI−S)および全般精神病理学56のための臨床全般印象−グローバル改善(Global Improvement)(CGI−I)、陰性症状57のみの評価のための 陰性症状のCGI−SおよびCGI−I(CGI−S−N、CGI−I−N)、ならびに錐体外路症状の標準試験(BAS58, SAS59, AIMS60)を含んだ。陰性症状における効果を評価する主要有効変数は、PANSS陰性症状因子スコア64におけるベースラインからの変化であった。副次的有効変数はi)PANSS陰性症状因子スコアにおけるベースラインからの≧ 20%変化として定義された陰性症状における、臨床応答を示す患者の割合およびii)CGI−I−Nであった。追加の分析は、PANSS全スコア、残るPANSS因子スコア64CGI−SおよびCGI−Iにおける変化を含んた。
血清試料の調製
血清試料は、診査のバイオマーカー分析のための血清試料の採集と使用に書面同意を提出した患者からベースラインでおよび処置後8週で採取された。試料は、EDTAなしのプレインチューブに採取され、約30分間あるいは室温で凝固するまで静置した。血液採取の60分以内に試料は遠心器に移し、4℃で(または冷蔵遠心分離器が使用できない場合は室温で)10分間1500gで遠心分離した。遠心分離後直ちに、上清(すなわち血清)を新しく予めラベルされたチューブに移し、−70度で保存した。
血清試料は、診査のバイオマーカー分析のための血清試料の採集と使用に書面同意を提出した患者からベースラインでおよび処置後8週で採取された。試料は、EDTAなしのプレインチューブに採取され、約30分間あるいは室温で凝固するまで静置した。血液採取の60分以内に試料は遠心器に移し、4℃で(または冷蔵遠心分離器が使用できない場合は室温で)10分間1500gで遠心分離した。遠心分離後直ちに、上清(すなわち血清)を新しく予めラベルされたチューブに移し、−70度で保存した。
第2相GRI統合失調症試験からの患者のCFH濃度の決定と結果
ベースラインの血清試料は、Rules Based Medicine (Austin Texas)によって提供されたLuminex based multiplex ELISA Human Discovery Map(登録商標) v 1.0 で分析された。第II相試験からの凍結血清試料は無作為に、盲検下で、そして189個のタンパク質分析物の分析のためにRules Based Medicineにドライアイス上で輸送された。タンパク質バイオマーカー測定は一つのバッチで実施され、結果は測定単位(例えば、ng/mL)で報告された。
ベースラインの血清試料は、Rules Based Medicine (Austin Texas)によって提供されたLuminex based multiplex ELISA Human Discovery Map(登録商標) v 1.0 で分析された。第II相試験からの凍結血清試料は無作為に、盲検下で、そして189個のタンパク質分析物の分析のためにRules Based Medicineにドライアイス上で輸送された。タンパク質バイオマーカー測定は一つのバッチで実施され、結果は測定単位(例えば、ng/mL)で報告された。
測定値は、それらが標準検量線内にあれば、報告された。検量曲線外の値は、検量限界を用いて表された。189個の測定されたタンパク質分析物の内、26個が患者試料の70%以上で最も低い目盛りより低い測定値を報告した。これらの分析物は分析から取り除いた。2個の関連分析物(プローインスリンおよびインスリン)の測定は、それらは高度に関連した測定値を示したので平均してまとめた。前もってのプロセシングの後、162個のタンパク質分析物が分析データセットに残った。
バイオマーカーサブグループの人口統計、ベースラインの精神病理および機能 対 第2相GRI統合失調症試験の総合試験コホート
第2相のGRI統合失調症試験の323人の患者の内224人は、バイオマーカーの探索分析のための血清試料の採集と使用に同意した。バイオマーカーのサブグループは全試験コホートを代表する。
第2相のGRI統合失調症試験の323人の患者の内224人は、バイオマーカーの探索分析のための血清試料の採集と使用に同意した。バイオマーカーのサブグループは全試験コホートを代表する。
応答予測のためのバイオマーカー候補の同定
全体として臨床試験において、主要評価項目はPANSS陰性症状因子スコアにおけるベースラインからの変化であった[8]。この分析の応答変数は、ベースラインと週8との間のPANSS陰性症状因子スコアにおける変化であった。応答予測のためのバイオマーカーの同定のために、RBMにより測定されるようなタンパク質分析物は次のように分析された:この分析のための唯一の説明変数は個々のタンパク質のベースラインの測定であり、その分析はPP(プロトコール当り)集団を使ってプールされた10mgおよび30mgのバイオマーカー集団で実施された。各タンパク質マーカー候補のために、PANSSにおける変化がタンパク質測定に無関連であるという帰無仮説が、試験統計としてロバスト線形型のR^2を用いて試験された。帰無仮説は、複数試験のための修正と平行して、すべての分析されたタンパク質マーカーのために試験された。表1は、もっとも良い実施マーカーとしてランク付けされる“補体因子H”と呼ばれる分析物を表すが、しかし、複数試験による調整の後には、それは統計学的有意性を与えなかった。
全体として臨床試験において、主要評価項目はPANSS陰性症状因子スコアにおけるベースラインからの変化であった[8]。この分析の応答変数は、ベースラインと週8との間のPANSS陰性症状因子スコアにおける変化であった。応答予測のためのバイオマーカーの同定のために、RBMにより測定されるようなタンパク質分析物は次のように分析された:この分析のための唯一の説明変数は個々のタンパク質のベースラインの測定であり、その分析はPP(プロトコール当り)集団を使ってプールされた10mgおよび30mgのバイオマーカー集団で実施された。各タンパク質マーカー候補のために、PANSSにおける変化がタンパク質測定に無関連であるという帰無仮説が、試験統計としてロバスト線形型のR^2を用いて試験された。帰無仮説は、複数試験のための修正と平行して、すべての分析されたタンパク質マーカーのために試験された。表1は、もっとも良い実施マーカーとしてランク付けされる“補体因子H”と呼ばれる分析物を表すが、しかし、複数試験による調整の後には、それは統計学的有意性を与えなかった。
臨床試験における副次評価項目として、ベースラインと週8の評価の間の陰性症状の臨床全体印象(CGI)改善が用いられた。この評価項目は2値変数として取り扱われた。正のグループは、“著明改善”および“中程度改善”スコアからなり、負のグループは、“軽度改善”、“不変”“軽度悪化”、“中程度悪化”および“著明悪化”からなった。分析は、パープロトコル(PP)集団を用いて、組合されたプラセボ、10mgおよび30mgのバイオマーカー集団で実施された。この分析の説明変数は、すべての測定されたタンパク質のベースライン測定、処置(プラセボ、またはプールされた10mg/30mg処置)および処置−タンパク質相互作用である。ロジスティック回帰モデルが予測因子として使用された。
この分析に基づいて、マーカーは、10mg/30mg処置群でCGIにおける改善なしの患者から改善ありの患者を区別するためにそれらの能力によって階級化された。
RBMパネル内の“補体因子H”と呼ばれる分析物は、0.006の調整p値で複数試験のための補正後、統計的有意性に到達する唯一のマーカーとして同定された(表1を参照)。
臨床的効果を予測する血清“補体因子H”ベースラインレベルの能力は、人口統計学的および臨床的共変数(ベースラインPANSSを含む)とは独立しており、異った処置群の間で“補体因子H”ベースライン血清濃度における有意差はなかった。“補体因子H”はプラセボグループにおける応答(PANSSまたはCGI−I)と相関を示さなかった。
RBMアッセイにおいて使用される抗体のさらなる特徴付けは、キャプチャー抗体と検出抗体の両方がCFHの少なくとも3つのショートコンセンサスリピート(SCRs)内で結合することを明らかにした。この領域は補体因子H関連タンパク質1に高度に相同性をもつ(CFHR1:SCR18、SCR19およびSCR20は、CFHR1のSCR3、SCR4、およびSCR5と、それぞれ100%、100%および97%の同一性を共有する)[4]。
ヒトのCFHおよびCFHR1タンパク質は血清から単離されて精製された。RBMアッセイにおける両方のタンパク質の特徴付けは、CFHR1はCFHよりCFHR1にとって10倍の優先度で認識されることを表した。
CFHR1−特異アッセイのために使用された抗体
CFHR1−特異アッセイの開発のために次のモノクロナール抗体が使用された:MAB<CFH/CFHR1>M−L20/3(供給者:Thermo Scientific, カタログ番号: GAU 020-03-02)およびMAB<CFHR1>M−442127(供給者: R&D-systems, カタログ番号: MAB4247)。
CFHR1−特異アッセイの開発のために次のモノクロナール抗体が使用された:MAB<CFH/CFHR1>M−L20/3(供給者:Thermo Scientific, カタログ番号: GAU 020-03-02)およびMAB<CFHR1>M−442127(供給者: R&D-systems, カタログ番号: MAB4247)。
モノクロナールL20/3 Fab−フラグメントのビオチン化、化学量論1:1.3
モノクロナールマウスIgG(クローン:L20/3;供給者:Thermo Scientific, , カタログ番号: GAU 020-03-02)は、Fab−フラグメントを作るためにパパイン(3mU/mgIgG)を使って消化された。消化されたFc−フラグメントはDAE−セファロースによるクロマトグラフィーによって取り除かれた。残りのFcのFcγ−吸着によるFabの精製はセファデックス200分子篩によって続いた。
モノクロナールマウスIgG(クローン:L20/3;供給者:Thermo Scientific, , カタログ番号: GAU 020-03-02)は、Fab−フラグメントを作るためにパパイン(3mU/mgIgG)を使って消化された。消化されたFc−フラグメントはDAE−セファロースによるクロマトグラフィーによって取り除かれた。残りのFcのFcγ−吸着によるFabの精製はセファデックス200分子篩によって続いた。
100mM KPО4、pH8.5中に10mg/mLのL20/3−Fabフラグメントの溶液に、ビオチン−N−ヒドロキシサクシンイミド(DMSО中3.6mg/mL)の50μLをmL当り加えた。室温で45分の後、試料は100mM KPО4、150mM NaCl、pH7.2に対して透析し、凍結した。
モノクロナール442127IgGのルテニル化、化学量論1:3
100mM KPО4、pH8.5中に5mg/mLのモノクロナールマウスIgG(クローン442127、供給者: R&D-systems, カタログ番号:MAB4247)の溶液に125μgのルテニュウム−(bpy)2−bpyCО−Оsuを加えた。室温で75分後、ルテニル化は10mM リシンを添加して停止した。凝集物の分離のために、試料の適切な分画はセファデックス200分子篩クロマトグラフィーから回収された。
100mM KPО4、pH8.5中に5mg/mLのモノクロナールマウスIgG(クローン442127、供給者: R&D-systems, カタログ番号:MAB4247)の溶液に125μgのルテニュウム−(bpy)2−bpyCО−Оsuを加えた。室温で75分後、ルテニル化は10mM リシンを添加して停止した。凝集物の分離のために、試料の適切な分画はセファデックス200分子篩クロマトグラフィーから回収された。
ヒト血清からCFHR1の精製
検量物質としての使用のために、天然のCFHR1はCFHおよびCFHR1に特異的なモノクロナール抗体L20/3を用いる免疫吸着によって、ヒト血清から次の操作法によって精製された:MAB L20/3<CFH、CFHR1>M−IgG−スフェロシル樹脂がヒト血清からのCFHR1の精製のために用いられる。前もって希釈された(50mM トリスHCl、150mM NaCl、pH7.5中に1:4)血清はSartoclean CA (0.8μm)およびSartobran P (0.2μm)フィルターキャップを通過させた。カラムに充填された前処置された血清は、洗浄され(10mMトリスHCl、500mMNaCl、0.05%Tween20,pH7.5で)、Q−セファロースに展開緩衝液によって続けられ、分析物と吸着剤の分解を避けるために穏和な溶出緩衝液(Thermo Scientific)で溶出された。共結合したCFHR1およびCFHの分離のために、免疫吸着剤からの溶出液はサイズ依存の溶出のためにモノQカラムを通した。CFHR1を含む溶出液ならびにSDS−PAGE分析で異った高さに泳動する共精製されたタンパク質は、さらにモノSカラムにおける等電性のために分離されて、純粋なCFHR1の分画が得られる。純粋なCFHR1は、血清CFHR1値のためのElecsys-ECLIA試験におけるCFHR1の決定のための検量物質として適用される。
検量物質としての使用のために、天然のCFHR1はCFHおよびCFHR1に特異的なモノクロナール抗体L20/3を用いる免疫吸着によって、ヒト血清から次の操作法によって精製された:MAB L20/3<CFH、CFHR1>M−IgG−スフェロシル樹脂がヒト血清からのCFHR1の精製のために用いられる。前もって希釈された(50mM トリスHCl、150mM NaCl、pH7.5中に1:4)血清はSartoclean CA (0.8μm)およびSartobran P (0.2μm)フィルターキャップを通過させた。カラムに充填された前処置された血清は、洗浄され(10mMトリスHCl、500mMNaCl、0.05%Tween20,pH7.5で)、Q−セファロースに展開緩衝液によって続けられ、分析物と吸着剤の分解を避けるために穏和な溶出緩衝液(Thermo Scientific)で溶出された。共結合したCFHR1およびCFHの分離のために、免疫吸着剤からの溶出液はサイズ依存の溶出のためにモノQカラムを通した。CFHR1を含む溶出液ならびにSDS−PAGE分析で異った高さに泳動する共精製されたタンパク質は、さらにモノSカラムにおける等電性のために分離されて、純粋なCFHR1の分画が得られる。純粋なCFHR1は、血清CFHR1値のためのElecsys-ECLIA試験におけるCFHR1の決定のための検量物質として適用される。
ECLIA イムノアッセイを用いてヒト血清または血漿試料におけるCFHR1の測定
CFHR1のためのECLIA イムノアッセイは、Elecsys(登録商標)アナライザーを用いて、ヒト血清または血漿試料におけるCFHR1の特異測定のために開発された。
CFHR1のためのECLIA イムノアッセイは、Elecsys(登録商標)アナライザーを用いて、ヒト血清または血漿試料におけるCFHR1の特異測定のために開発された。
Elecsys(登録商標)アナライザーを用いるCFHR1の測定のためアッセイ手順を次に記述する。
ElecsysCFHR1イムノアッセイは、サンドイッチ原理を経て機能する電気化学発光イムノアッセイ(ECLIA)である。そのアッセイに含まれる二つの抗体がある−モノクロナール抗体L20/3−Bi(キャプチャー抗体)のビオチン化Fab−フラグメントおよびルテニル化モノクロナール抗−CFHR1抗体442127−Ru(検出抗体)、それらは試料中のCFHR1とサンドイッチイムノアッセイ複合体を形成する。次にその複合体は固体相のストレプトアビジンコートのミクロ粒子に結合する。ミクロ粒子は電極の表面に磁気によって捕えられ、そして電極への電圧印加が化学発光放射を誘発し、それが読み取りのための光電子増倍管によって測定される。結果は計器特異検量曲線によって決定される。
試料は、希釈剤(Roche Diluent MultiAssay for Elecsys Ref. No. 03609987-190)に1:400で自動的に希釈される。アッセイプロトコール3が適用され、希釈試料の10μLを反応緩衝液(Hepes50mM、NaCl150mM;Thesit/Polidocanol0.1%;EDTA1mM;牛血清アルブミン0.5%)中に0.5μg/mLのルテニル化<CFHR1>−442127の80μLと9分間予めインキュベーションの後、30μLのミクロ粒子と反応緩衝液中に1.5μg/mLのビオチン化<CFH、CFHR1>−L20/3の80μLが加えられ、そしてさらに9分間インキュベーションされた。インキュベーションの間、ミクロ粒子に結合された抗体−分析物−抗体のサンドイッチが形成される。最終的に、ミクロ粒子はシグナル発生と読み取りのためにElecsysシステムの検出チャンバーに移される。検量のために、精製CFHR1の1:2希釈系列(125ng/mL、62.5ng/mL、31.25ng/mL、15.63ng/mL、7.81ng/mL、3.9ng/mL、1.95ng/mL、0ng/mL)がMultiAssay Diluent中に調製される。検量曲線の式は、非線形最少二乗法カーブフィッティング(RCM-Rodbard)によって算出され、そしてシグナル読み取りを対応する濃度値に変換するために使用された。結果は各試料そのものの濃度を得るために前希釈ファクターで掛け算される。
適用された抗体サンドイッチの交差反応性は、潜在的に交差反応する血清成分CFH、CFHL1、CFHR2、CFHR3、CFHR4およびCFHR5の別個の濃度を測定することによって決定された。適用された抗体サンドイッチでは、CFHL1、CFHR2、CFHR3、CFHR4およびCFHR5のための交差反応性は決定されず、4.4%のCFHのわずかな認識のみが決定された。
第2相GRI統合失調症試験からの血清試料の測定はCHFR1内の自然のカットオフを同定する
CFHR1 ECLIAイムノアッセイで測定されたCFHR1濃度は、CFHR1遺伝子の検出状況と相関するマルチモードの分布を表した。
CFHR1 ECLIAイムノアッセイで測定されたCFHR1濃度は、CFHR1遺伝子の検出状況と相関するマルチモードの分布を表した。
図1は、第II相の血清試料中のCFHR1濃度の分布を表す。
三つのグループが同定された:
・8μg/mL以下のCFHR1濃度を持ち、CFHR1のホモ接合欠失を伴うグループと相関し、したがってCFHR1を発現していないグループ。測定されたシグナルは、CFHとCFHR1 ECLIAイムノアッセイの残存する交差反応による。
・8μg/mL以下のCFHR1濃度を持ち、CFHR1のホモ接合欠失を伴うグループと相関し、したがってCFHR1を発現していないグループ。測定されたシグナルは、CFHとCFHR1 ECLIAイムノアッセイの残存する交差反応による。
・8μg/mL以上および28μg/mL以下のCFHR1濃度を持つグループ。このグループはCFHR1のためのヘテロ接合欠失を伴う。
・28μg/mL以上のCFHR1値を持つグループ。このグループはCFHR1のための欠失を伴わない。
CFHR1は集団の約5〜17%で欠損し、民族起源依存性である[5、9]。白色人種では、集団の約5%がホモ接合欠失を持ち、そして約40%がヘテロ接合欠失を持つ。
CFHR1自然カットオフを用いる患者階級化
図1に表された三つのグループのそれぞれのCFHR1タンパク質濃度は、治療応答との相関について分析された。ホモ接合欠失を持つ患者においてCFHR1は検出できない;残存するシグナルはCFHとのアッセイの交差応答による。CFHR1のヘテロ接合欠失をもつ患者では、治療応答とCFHR1タンパク質濃度の関連はなかった。CFHR1の欠損をもたない患者グループでは、より高いCFHR1濃度がより高い治療応答と相関するという傾向があった。これは、GRIに対してより低い応答性と翻訳されるCFHR1のヘテロ接合またはホモ接合欠失を伴って、応答率はCFHR1の遺伝的状況によって実際に主に予測されることを示す。
図1に表された三つのグループのそれぞれのCFHR1タンパク質濃度は、治療応答との相関について分析された。ホモ接合欠失を持つ患者においてCFHR1は検出できない;残存するシグナルはCFHとのアッセイの交差応答による。CFHR1のヘテロ接合欠失をもつ患者では、治療応答とCFHR1タンパク質濃度の関連はなかった。CFHR1の欠損をもたない患者グループでは、より高いCFHR1濃度がより高い治療応答と相関するという傾向があった。これは、GRIに対してより低い応答性と翻訳されるCFHR1のヘテロ接合またはホモ接合欠失を伴って、応答率はCFHR1の遺伝的状況によって実際に主に予測されることを示す。
結果として、患者階級化のために、CFHR1に特異的なECLIAイムノアッセイを用いて28μg/mLで同定されるCFHR1ベースライン血清濃度の自然カットオフ(図1)が選択された。28μg/mLに等しいまたはそれ以下のCFHR1血清値をもつ患者は、“CFHR1−低”として階級化され、一方28μg/mL以上のCFHR1血清値をもつ患者は、“CFHR1−高”として階級化された。表2は、異った投与量グループ内での“CFHR1−高”および“CFHR1−低”患者の分布を表す。
CFHR1−高(N=75)およびCFHR1−低(N=75)のサブグループは主要評価項目で、および第II相検査の選択された副次的評価項目で分析され、非階級化CFHR1血清試料PPサブグループ(N=150)に比較された。
図2は、ベースラインを越えた時間からPANSS陰性症状因子スコア(PANSS NFS)における変化の分析を表す。すべての患者コホートのための結果は上段パネルに、中段パネルにCFHR1−低患者のための結果、下段パネルにCFHR1−高の患者のための結果が表されている。10mg群では、CFHR1−高のグループにおける効果サイズは非階級化グループにおける−0.42に比べて、−1.01であり、30mg群では、CFHR1−高のグループにおける効果サイズは非階級化グループにおける−0.47に比べて、−0.76であった。
図3は、PANSS陰性症状因子スコア応答者率における分析を表し、それは副次的臨床評価項目であった:処置の8週間後PANSS陰性症状因子スコアにおけるベースラインからの少なくとも20%の減少をもつ患者は応答者と定義された:全血清サブグループにおけるすべての四つの処置群のための応答率は白色縞の背景バーで示され、CFHR1−高およびCFHR1−低サブグループのためには灰色バーで示された。10mg群では、CFHR1−高のグループにおける応答率は88%で非階級グループにおける69%に比較され、そして30mg群では、CFHR1−高のグループにおける応答率は78%で非階級グループにおける66%に比較された。
図4は、他の副次的臨床評価項目における分析、陰性症状応答者率の臨床全般印象(CGI)を表す:CGI応答者率の分析のために、“改善”または“著明改善”であった患者は応答者と定義された:全血清サブクラスにおけるすべての四つの処置群のための応答率は、白色縞の背景バーで示され、CFHR1−高およびCFHR1−低サブグループのためには灰色バーで示されている。10mg群では、CFHR1−高グループにおける応答率は69%で、非階級化グループにおける39%と比較され、そして30mg群では、CFHR1−高のグループにおける応答率は67%で非階級化グループにおける45%に比較された。
CFH特異アッセイに使用された抗体
CFHR1−特異アッセイの開発のために次のモノクロナール抗体が用いられた:MAB<CFH/CFHR1>M−L20/3(供給者;Thermo Scientific, カタログ番号: GAU 020-03-02)およびMAB<CFH>ОX−24 (供給者: Thermo Scientific, カタログ番号: MA1-70057)。
CFHR1−特異アッセイの開発のために次のモノクロナール抗体が用いられた:MAB<CFH/CFHR1>M−L20/3(供給者;Thermo Scientific, カタログ番号: GAU 020-03-02)およびMAB<CFH>ОX−24 (供給者: Thermo Scientific, カタログ番号: MA1-70057)。
ОX24 IgGのルテニル化、化学量論1:3
100mM KPО4、pH8.5中に5mg/mLのモノクロナールマウスIgG(クローンОX−24、Thermo Scientific, カタログ番号: MA1-70057)の溶液に、125μgのルテニュウム−(bpy)2−bpyCО−Оsuが、そのIgG溶液に加えられた。室温で75分後、ルテニル化は10mM リシンを添加して停止した。凝集物の分離のために、試料の適切な分画は、セファデックス200分子篩クロマトグラフィーから回収された。
100mM KPО4、pH8.5中に5mg/mLのモノクロナールマウスIgG(クローンОX−24、Thermo Scientific, カタログ番号: MA1-70057)の溶液に、125μgのルテニュウム−(bpy)2−bpyCО−Оsuが、そのIgG溶液に加えられた。室温で75分後、ルテニル化は10mM リシンを添加して停止した。凝集物の分離のために、試料の適切な分画は、セファデックス200分子篩クロマトグラフィーから回収された。
ヒト血清からのCFHの精製
リファレンス検量物質としての使用のために、天然のCFHはCFHおよびCFHR1に特異的なモノクロナール抗体L20/3を用いる免疫吸着によって、ヒト血清から次の操作法によって精製された:MAB L20/3<CFH、CFHR1>M−IgG−スフェロシル樹脂が精製のために用いられる。前もって希釈された(50mMトリスHCl、150mM NaCl、pH7.5に1:4)血清はSartoclean CA (0.8μm) およびSartobran P (0.2μm)フィルターキャップを通過させる。カラムに充填された前処置された血清は洗浄され(10mMトリスHCl、500mMNaCl、0.05%Tween20,pH7.5で)、Q−セファロース展開緩衝液に続き、そして分析物と吸着剤の分解を避けるために穏和な溶出緩衝液(Thermo Scientific)で溶出された。共結合したCFHR1の分離のために、免疫吸着剤からの溶出液はサイズ依存の溶出のためにモノQカラムを通した。純粋なCFHは、血清CFH値のためのElecsys-ECLIAテストにおけるCFHの決定のためのリファレンス検量物質として適用される。
リファレンス検量物質としての使用のために、天然のCFHはCFHおよびCFHR1に特異的なモノクロナール抗体L20/3を用いる免疫吸着によって、ヒト血清から次の操作法によって精製された:MAB L20/3<CFH、CFHR1>M−IgG−スフェロシル樹脂が精製のために用いられる。前もって希釈された(50mMトリスHCl、150mM NaCl、pH7.5に1:4)血清はSartoclean CA (0.8μm) およびSartobran P (0.2μm)フィルターキャップを通過させる。カラムに充填された前処置された血清は洗浄され(10mMトリスHCl、500mMNaCl、0.05%Tween20,pH7.5で)、Q−セファロース展開緩衝液に続き、そして分析物と吸着剤の分解を避けるために穏和な溶出緩衝液(Thermo Scientific)で溶出された。共結合したCFHR1の分離のために、免疫吸着剤からの溶出液はサイズ依存の溶出のためにモノQカラムを通した。純粋なCFHは、血清CFH値のためのElecsys-ECLIAテストにおけるCFHの決定のためのリファレンス検量物質として適用される。
ECLIAイムノアッセイを用いてヒト血清または血漿試料におけるCFHの測定
CFHのためのECLIAイムノアッセイは、ヒト血清または血漿試料におけるCFHの特異測定のためにElecsys(登録商標)アナライザーを用いて開発されている。
CFHのためのECLIAイムノアッセイは、ヒト血清または血漿試料におけるCFHの特異測定のためにElecsys(登録商標)アナライザーを用いて開発されている。
Elecsys(登録商標)アナライザーを用いるCFHの測定のためアッセイ手順を次に記述する。
ElecsysCFHイムノアッセイは、サンドイッチ原理によって機能する電気化学発光イムノアッセイ(ECLIA)である。そのアッセイに含まれる二つの抗体がある−モノクロナール抗−CFH抗体L20/3−Bi(キャプチャー抗体)のビオチン化Fab−フラグメントおよびルテニル化モノクロナール抗−CFH抗体ОX−24−Bi Ru(検出抗体)、それらは試料中のCFHとサンドイッチイムノアッセイ複合体を形成する。次にその複合体は固体相のストレプトアビジンコートのミクロ粒子に結合する。ミクロ粒子は電極の表面に磁気によって捕えられ、そして電極への電圧印加が化学発光放射を誘発し、それが読み取りのための光電子増倍管によって測定される。結果は2点補正および試薬のバーコードカーブ(barcodecurve)により与えられたマスター曲線によって作り出される計器特異検量曲線によって決定される。アッセイを実施するのに必要とされる合計時間は18分である。
試料は、Elecsysのためのマルチアッセイ希釈剤 (Roche 03609987-190)で1:400に自動的に希釈される。適用されたアッセイプロトコール2に従って、反応緩衝液(Hepes50mM、NaCl 150mM;Thesit/Polidocanol.0.1%;EDTA 1mM;牛血清アルブミン0.5%)中に、両方共に1.5μg/mLで、ビオチン化<CFH、CFHR1>−L20/3の80μLおよびルテニル化<CFH>−ОX24の80μLが、試料の10μLとインキュベーションされた。インキュベーションの間、ミクロ粒子に結合された抗体−分析物−抗体のサンドイッチが形成される。最終的に、そのミクロ粒子はシグナル発生と読み取りのためにElecsysシステムの検出チャンバーに移される。検量のために、精製されたCFHの1:4希釈系列(1.25μg/mL、312.5ng/mL、78.1ng/mL、19.5ng/mL、0ng/mL)(500μg/mL、125μg/mL、31.25μg/mL、7.81μg/mL、0μg/mL)がマルチアッセイ希釈剤中に調製される。検量線の方程式は、非線形最少二乗法カーブフィッティング(RCM-Rodbard)によって算出され、そしてシグナル読み取りを対応する濃度値に変換するために使用された。結果は各試料そのものの濃度を得るために前希釈ファクターで掛け算される。
適用された抗体サンドイッチの交差応答性は、潜在的に交差応答する血清成分の別個の濃度を測定することによって決定された。適用された抗体サンドイッチでは2.9%の交差応答性がCFHR1のために決定された。
第II相GRI統合失調症試験からの血清試料中で測定されたCFHR1/CFH比の測定は自然のカットオフを確認する
CFHR1濃度およびCFH濃度は、CFHR1およびCFH ECLIAイムノアッセイで独立して測定され、CFHR1/CFH比が計算された。図1で表されるように、CFHR1濃度単独と同様に、CFHR1/CFH比は、CFHR1遺伝子の欠失状況と相関するマルチモードの分布を表した。
CFHR1濃度およびCFH濃度は、CFHR1およびCFH ECLIAイムノアッセイで独立して測定され、CFHR1/CFH比が計算された。図1で表されるように、CFHR1濃度単独と同様に、CFHR1/CFH比は、CFHR1遺伝子の欠失状況と相関するマルチモードの分布を表した。
図5は、第II相の血清試料中のCFHR1/CFH比の分布を表す。三つのグループが同定された:
・0.01以下のCFHR1/CFH比をもち、CFHR1のホモ接合欠失を伴うグループと相関し、したがってCFHR1を発現していないグループ。測定された残りのシグナルは、CFHR1 ECLIAイムノアッセイのCFHとの低交差応答による。
・0.01以上および0.08以上のCFHR1/CFH比を持つグループ。このグループはCFHR1のためのヘテロ接合欠失を伴う。
・0.08以上のCFHR1/CFH比を持つグループ。このグループはCFHR1のための欠失を伴わない。
・0.01以下のCFHR1/CFH比をもち、CFHR1のホモ接合欠失を伴うグループと相関し、したがってCFHR1を発現していないグループ。測定された残りのシグナルは、CFHR1 ECLIAイムノアッセイのCFHとの低交差応答による。
・0.01以上および0.08以上のCFHR1/CFH比を持つグループ。このグループはCFHR1のためのヘテロ接合欠失を伴う。
・0.08以上のCFHR1/CFH比を持つグループ。このグループはCFHR1のための欠失を伴わない。
CFHR1/CFH比を用いる患者階級化
図5で表されるように、三つのグループのそれぞれ内のCFHR1/CFH比は処置応答性と関連して分析された。この目的のために、0.01以下のCFHR1/CFH比は低(“L”)と呼ばれ、CFHR1/CFH比が0.01以上で0.08以下は中間(“M”)と呼ばれ、CFHR1/CFH比が0.08以上を高(“H”)と呼ばれた。
図5で表されるように、三つのグループのそれぞれ内のCFHR1/CFH比は処置応答性と関連して分析された。この目的のために、0.01以下のCFHR1/CFH比は低(“L”)と呼ばれ、CFHR1/CFH比が0.01以上で0.08以下は中間(“M”)と呼ばれ、CFHR1/CFH比が0.08以上を高(“H”)と呼ばれた。
図6は、陰性症状応答者率の臨床全般印象(CGI)における分析を表す:CGI応答者率の分析のために“改善”または“著明改善”は応答者と定義された。全血清サブグループにおけるすべての四つの処置群のための応答率は白色縞の背景バーで示され、そしてCFHR1/CFH比のためにサブグループL、MおよびHを灰色バーで示した。Lグループのためには、応答率はプラセボ群並びに10mgおよび30mg群では0%であり、一方60mg群では応答は100%であった。Lグループは、小試料サイズからなり、従って結果は注意して解釈される必要がある。Mサブループについては、プラセボ群においては24%であり、60mg群では25%である応答率は、非階級化グループ(網かけバー)(プラセボ群においては20%であり、60mg群では34%)に匹敵した。しかしながら、10mg群および30mg群においてMサブグループは19%(10mgについては)および28%(30mgについては)であり、非階級化グループの39%(10mgについては)および45%(30mgについては)の応答率に比べてより低い応答率を示した。Hサブグループはプラセボ群については20%および60mg群では33%を表し、それらは、非階級化グループにおける比率(プラセボ群については20%および60mg群では34%である)に匹敵する。両処置群において、10mg群および30mg群において、Hサブグループは増加した処置応答率:10mg群での非階級化グループにおける39%に比べて、Hサブグループでは69%の応答率、および30mg群での非階級化グループにおける45%に比べて、Hサブグループでは67%の応答率を表した。
DNA試料の調製
DNA試料は、バイオマーカー探索分析のためのDNA試料の採取および使用に書面同意を与えた患者から集められた(320人の患者のうちの170人)。DNA試料は全血として採取され、9mLEDTAチューブに採取され、そして−20℃で保存された。DNA試料は二重符合化および匿名化された。50〜200μL全血の試料から、ゲノムDNAがRoche MagNA Pure 96 LC DNA Isolation System を用いて抽出された。DNA単離の原理は磁気ビーズ技術に基づく。簡単に説明すると、最初に、試料をカオトロピック塩およびプロテイナーゼKを含む緩衝液とインキュベーションして溶解する。次に、磁気ガラス粒子(MGP)を加え、DNAはそれらの表面に結合する。非結合物質は数回の洗浄工程で取り除かれ、精製されたDNAが溶出される。得られたDNAは比色定量により5ng/μLの濃度に標準化された。
DNA試料は、バイオマーカー探索分析のためのDNA試料の採取および使用に書面同意を与えた患者から集められた(320人の患者のうちの170人)。DNA試料は全血として採取され、9mLEDTAチューブに採取され、そして−20℃で保存された。DNA試料は二重符合化および匿名化された。50〜200μL全血の試料から、ゲノムDNAがRoche MagNA Pure 96 LC DNA Isolation System を用いて抽出された。DNA単離の原理は磁気ビーズ技術に基づく。簡単に説明すると、最初に、試料をカオトロピック塩およびプロテイナーゼKを含む緩衝液とインキュベーションして溶解する。次に、磁気ガラス粒子(MGP)を加え、DNAはそれらの表面に結合する。非結合物質は数回の洗浄工程で取り除かれ、精製されたDNAが溶出される。得られたDNAは比色定量により5ng/μLの濃度に標準化された。
CFHR1コピー数の決定のためのアッセイ
定量リアルタイムPCRアッセイが染色体1:196796257−196796381(Genome Build 37, Assembly GRCh37による座標)における遺伝子位置におけるコピー数を決定するためにセットアップされた。オリゴヌクレオチド配列は、配列番号8、配列番号9、配列番号10で与えられている。蛍光プローブは5’末端に5’フルオレセインで修飾され、および3’末端に3’末端BlackHoleTM Dark Quencher-1で修飾された。
定量リアルタイムPCRアッセイが染色体1:196796257−196796381(Genome Build 37, Assembly GRCh37による座標)における遺伝子位置におけるコピー数を決定するためにセットアップされた。オリゴヌクレオチド配列は、配列番号8、配列番号9、配列番号10で与えられている。蛍光プローブは5’末端に5’フルオレセインで修飾され、および3’末端に3’末端BlackHoleTM Dark Quencher-1で修飾された。
CFHR1コピー数アッセイは、二倍体ゲノムで2コピーで存在することが知られている配列を検出する分離蛍光リポーターで標識されたアッセイを参考にして設定された。リファレンスアッセイとして、RNase P H1 RNAおよび hTERT 遺伝子のためにはTaqMan Copy Number Reference Assays (Life Technologies, Carlsbad, California)がそれぞれ用いられた。結果は、もしRNasePおよびhTERTリファレンスアッセイのどちらかを用いて独立した二重セットアップから生じたCFHR1コピー数が一致すれば、有効であると考えられた。
PCR反応は、0.9μMの最終濃度でPCRオリゴヌクレオチドおよび0.25μMの最終濃度でプローブオリゴヌクレオチドを含んだ。リアルタイムPCRは、LightCyclerR 480 II real-time PCR システムおよび次のサイクルパラメーターを用いて行われた:10分95℃、40x[15秒95℃、1分60℃]、1分40℃。“絶対定量/第二デリバティブマックス(Absolute Quantitation/2nd Derivative Max)”計器設定を採用し、閾値サイクル(CT)値が計算された。比較相対定量分析△△CT[10]を用いてCFHR1標的配列のコピー数が算出された。
CFHR1のコピー数のための外部リファレンスとして、細胞株NA07000(Coriell Institute for Medical Research, Camden, New Jersey)からのDNAが用いられ、それはCFHR3−1欠損内の位置で2コピーを保有することが記載されている[11]。アッセイは、CFHR3−CFHR1遺伝子座で1または0コピーを保有するように記載されている複数の細胞株で試験され[11]、そしてアッセイの特異性が確認された。
rs7542235の測定のためのアッセイ
DNA試料は、製造手順に従って、ヒト1M−デュオビーズチップ(v.3)(Illuminaから)を用いて遺伝子型を同定した。次に試料はSNPrs7542235のために分析された。
DNA試料は、製造手順に従って、ヒト1M−デュオビーズチップ(v.3)(Illuminaから)を用いて遺伝子型を同定した。次に試料はSNPrs7542235のために分析された。
一塩基多型rs7542235に対するCFHR1コピー数の相関
遺伝子座Chr1:196823613(Genome Build 37, Assembly GRCh37)に位置した一塩基多型(SNP)rs7542235、は共通のCFHR1−CFHR3欠失の代わりとして記載されている[12]。この関連はヨーロッパ系民族の個体にとって非常に高く(r2=1.00)、しかし他の民族群にとってはそれほど密接ではないことが示されている[59]。
遺伝子座Chr1:196823613(Genome Build 37, Assembly GRCh37)に位置した一塩基多型(SNP)rs7542235、は共通のCFHR1−CFHR3欠失の代わりとして記載されている[12]。この関連はヨーロッパ系民族の個体にとって非常に高く(r2=1.00)、しかし他の民族群にとってはそれほど密接ではないことが示されている[59]。
表3は、SNPrs7542235対立遺伝子とカスタマイズドコピー数多型アッセイの相関を表す:文献と一致して、主なA/A対立遺伝子は二つのCFHR1コピーをタグし(CFHR1+/+を示す)、対立遺伝子A/Gは一つCFHR1コピーをタグし(CFHR1+/−を示す)、そしてマイナーな対立遺伝子G/Gは0のCFHR1コピーをタグする(CFHR1−/−を示す)。
注目すべきは、CFHR1−/−およびrs7542235A/A対立遺伝子をもつ両試料はブラック、非ヒスパニック民族の出であり、およびCFHR1+/−およびrs7542235A/A対立遺伝子をもつ患者の5人のうち4人は非ヨーロッパ系民族の出である。
CFHR1タンパク質濃度とCFHR1コピー数の相関
図7は、遺伝的CFHR1状況に対するRBMアッセイを用いて測定されたタンパク質濃度のボックスプロット(主にCFHR1を検出)を表す:CFHR1+/+遺伝的状況は高いCFHR1血清濃度と相関し、CFHR1+/−遺伝的状況はより低いCFHR1血清濃度と相関し、CFHR1−/−遺伝的状況は最も低いタンパク質シグナル(アッセイのCFHとの交差反応により生じた)と相関する。
図7は、遺伝的CFHR1状況に対するRBMアッセイを用いて測定されたタンパク質濃度のボックスプロット(主にCFHR1を検出)を表す:CFHR1+/+遺伝的状況は高いCFHR1血清濃度と相関し、CFHR1+/−遺伝的状況はより低いCFHR1血清濃度と相関し、CFHR1−/−遺伝的状況は最も低いタンパク質シグナル(アッセイのCFHとの交差反応により生じた)と相関する。
CFHR1タンパク質濃度に対するSNPrs7542235の相関
図8は、NPrs7542235の対立遺伝子状況に対するRBMアッセイを用いて測定されたタンパク質濃度(主にCFHR1を検出)のボックスプロットを表す:rs7542235対立遺伝子A/Aは高いCFHR1血清濃度と相関し、rs7542235対立遺伝子A/Gはより低いCFHR1血清濃度と相関し、rs7542235対立遺伝子A/Aは最も低いタンパク質シグナル(アッセイのCFHとの交差反応により生じた)と相関する。
図8は、NPrs7542235の対立遺伝子状況に対するRBMアッセイを用いて測定されたタンパク質濃度(主にCFHR1を検出)のボックスプロットを表す:rs7542235対立遺伝子A/Aは高いCFHR1血清濃度と相関し、rs7542235対立遺伝子A/Gはより低いCFHR1血清濃度と相関し、rs7542235対立遺伝子A/Aは最も低いタンパク質シグナル(アッセイのCFHとの交差反応により生じた)と相関する。
CFHR1遺伝子分析を用いた患者階級化
図9は、陰性応答者率の臨床全体インプレッション(CGI)における分析を表す:CGI応答者率の分析のために“改善”または“著明改善”であった患者は応答者として定義された:DNA試料のために同意した患者のための応答率は白色縞の背景バーとして表され、CFHR1遺伝的状況は灰色バーで表されている。10mg群のためには、CFHR1+/+グループは57%であり非階級化グループにおける39%と比較され、30mg群のためには、CFHR1+/+グループは67%であり非階級化グループにおける46%と比較された。
図9は、陰性応答者率の臨床全体インプレッション(CGI)における分析を表す:CGI応答者率の分析のために“改善”または“著明改善”であった患者は応答者として定義された:DNA試料のために同意した患者のための応答率は白色縞の背景バーとして表され、CFHR1遺伝的状況は灰色バーで表されている。10mg群のためには、CFHR1+/+グループは57%であり非階級化グループにおける39%と比較され、30mg群のためには、CFHR1+/+グループは67%であり非階級化グループにおける46%と比較された。
配列の説明(配列番号):
配列番号1: ヒト補体因子Hのタンパク質配列を表す。
配列番号2: ヒト補体因子H関連タンパク質CFHR1のタンパク質配列を表す。
配列番号3: ヒト補体因子H関連タンパク質CFHR2のタンパク質配列を表す。
配列番号4: ヒト補体因子H関連タンパク質CFHR3のタンパク質配列を表す。
配列番号5: ヒト補体因子H関連タンパク質CFHR4Aのタンパク質配列を表す。
配列番号6: ヒト補体因子H関連タンパク質CFHR4Bのタンパク質配列を表す。
配列番号7: ヒト補体因子H関連タンパク質CFHR5のタンパク質配列を表す。
配列番号8: カスタマイズドCFHR1コピー数アッセイにおいて用いられた順方向プライマーのオリゴヌクレオチド配列を表す。
配列番号9: カスタマイズドCFHR1コピー数アッセイにおいて用いられた逆方向プライマーのオリゴヌクレオチド配列を表す。
配列番号10: カスタマイズドCFHR1コピー数アッセイにおいて用いられたプローブのオリゴヌクレオチド配列を表す。
配列番号1: ヒト補体因子Hのタンパク質配列を表す。
配列番号2: ヒト補体因子H関連タンパク質CFHR1のタンパク質配列を表す。
配列番号3: ヒト補体因子H関連タンパク質CFHR2のタンパク質配列を表す。
配列番号4: ヒト補体因子H関連タンパク質CFHR3のタンパク質配列を表す。
配列番号5: ヒト補体因子H関連タンパク質CFHR4Aのタンパク質配列を表す。
配列番号6: ヒト補体因子H関連タンパク質CFHR4Bのタンパク質配列を表す。
配列番号7: ヒト補体因子H関連タンパク質CFHR5のタンパク質配列を表す。
配列番号8: カスタマイズドCFHR1コピー数アッセイにおいて用いられた順方向プライマーのオリゴヌクレオチド配列を表す。
配列番号9: カスタマイズドCFHR1コピー数アッセイにおいて用いられた逆方向プライマーのオリゴヌクレオチド配列を表す。
配列番号10: カスタマイズドCFHR1コピー数アッセイにおいて用いられたプローブのオリゴヌクレオチド配列を表す。
CFHR1−低はベースラインのCFHR1血清濃度≦28μg/mgをもつ患者であり、
CFHR1−高グループはベースラインのCFHR1血清濃度>28μg/mgをもつ患者である。
CFHR1はECLIA CFHR1アッセイを用いて決定された。
Claims (20)
- グルタミン酸作動性経路を標的とする化合物で処置される場合に、精神発達、神経または神経精神障害をもつ患者の応答を予測するインビトロの方法であって、次の工程:
i)患者の試料中の補体因子Hファミリーの1個,2個,3個,4個,5個または6個のメンバー、またはそれらの混合物もしくは組合せのタンパク質濃度を決定すること、
ii)精神発達、神経または神経精神障害をもつ患者における補体因子Hファミリーの1個,2個,3個,4個,5個または6個のメンバーのタンパク質濃度を代表する値に、工程i)で決定されたタンパク質濃度を比較すること
iii)ここで、精神発達、神経または神経精神障害をもつ患者の試料中の補体因子Hファミリーからの1個,2個,3個,4個,5個または6個のメンバーのより高いタンパク質濃度が、当該処置からの臨床的有用性が得られる患者の指標であり、そして
iv)精神発達、神経、または神経精神障害をもつ患者のために当該処置を選択すること、を含む方法。 - グリシン再取り込み阻害剤(GRI)で処置される場合に、精神発達、神経または神経精神障害をもつ患者の応答を予測するインビトロの方法であって、次の工程:
i)患者の試料中の補体因子Hファミリーの1個,2個,3個,4個,5個または6個のメンバーまたはそれらの混合物もしくは組合せのタンパク質濃度を決定すること
ii)精神発達、神経または神経精神障害をもつ患者における補体因子Hファミリーの1個,2個,3個,4個,5個または6個のメンバーのタンパク質濃度を代表する値に、工程i)で決定されたタンパク質濃度を比較すること
iii)ここで、精神発達、神経または神経精神障害をもつ患者の試料中の補体因子Hファミリーからの1個,2個,3個,4個,5個または6個のメンバーのより高いタンパク質濃度が、GRI処置からの臨床的有用性が得られる患者の指標であり、そして
iv)精神発達、神経、または神経精神障害をもつ患者のためにGRI処置を選択すること、を含む方法。 - 請求項1または2のいずれか一項に記載のインビトロの方法であって、ここで、補体因子Hファミリーメンバーは、補体因子H(CFH)、補体因子H関連タンパク質1(CFHR1)、補体因子H関連タンパク質2(CFHR2)、補体因子H関連タンパク質3(CFHR3)、補体因子H関連タンパク質4A(CFHR4A)、補体因子H関連タンパク質4B(CFHR4B)、および補体因子H関連タンパク質5(CFHR5)を含む補体因子Hファミリーの個々のメンバーまたはそれらの混合物もしくは組合せである、方法。
- 請求項1、2または3のいずれか一項に記載のインビトロの方法であって、ここで、補体因子Hファミリーメンバーは、補体因子Hおよび補体因子H関連タンパク質1の混合物である、方法。
- 請求項1、2または3のいずれか一項に記載のインビトロの方法であって、ここで、補体因子Hファミリーメンバーは、補体因子Hおよび補体因子H関連タンパク質1の組合せである、方法。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載のインビトロの方法であって、ここで、補体因子Hファミリーメンバーは、補体因子H関連タンパク質1である、方法。
- 請求項1〜6のいずれか一項に記載のインビトロの方法であって、ここで、精神発達、神経または神経精神障害は、統合失調症、双極性障害、物質依存症、自閉症および強迫性障害の陰性または陽性症状を含む、方法。
- 請求項1〜6のいずれか一項に記載のインビトロの方法であって、ここで、補体因子Hファミリーの個々のメンバーまたはそれらの混合物もしくは組合せのタンパク質濃度は、ELISAに基づく技術によって測定される、方法。
- グルタミン酸作動性経路を標的とする化合物で処置される場合に、精神発達、神経または神経精神障害をもつ患者の応答を予測するインビトロの方法であって、ここで、補体因子Hファミリーの個々のメンバーまたはそれらの混合物もしくは組合せのタンパク質濃度は補体因子Hファミリーメンバーの遺伝子変異体を測定することによって決定される、方法。
- グリシン再取り込み阻害剤(GRI)で処置される場合に、請求項9に記載の、精神発達、神経または神経精神障害をもつ患者の応答を予測するインビトロの方法であって、ここで、補体因子Hファミリーの個々のメンバーまたはそれらの混合物もしくは組合せのタンパク質濃度は補体因子Hファミリーメンバーの遺伝子変異体を測定することによって決定される、方法。
- 請求項9および10のいずれか一項に記載の、グリシン再取り込み阻害剤(GRI)で処置される場合に、精神発達、神経または神経精神障害をもつ患者の応答を予測するインビトロの方法であって、ここで、CFHR1のタンパク質濃度は、CFHR1のコピー数多型の測定によるか、または欠失の代わりとしてのSNPの測定によるかのいずれかによってCFHR1の遺伝子変異体を測定することにより決定される、方法。
- 請求項1〜9に記載の方法において補体因子Hファミリーのタンパク質に特異的に結合する抗体の使用。
- 請求項1〜11のいずれか一項に記載のインビトロの方法であって、ここで、患者は統合失調感情障害に冒されている、方法。
- 請求項1〜13のいずれか一項に記載のインビトロの方法であって、ここで、グルタミン酸作動性経路を標的とする化合物は、GRI[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−[[(2S)−1,1,1−トリフルオロプロパン−2−イル]オキシ]フェニル]メタノンである、方法。
- グルタミン酸作動性経路を標的とする化合物で処置される患者のための予測マーカーとしての使用のための補体因子Hファミリーメンバー。
- グリシン再取り込み阻害剤(GRI)で処置される患者の予測マーカーとしての使用のための、請求項15に記載の補体因子Hファミリーメンバー。
- グルタミン酸作動性経路を標的とする化合物で処置される患者のための臨床的有用性の予測マーカーとしての補体因子Hファミリーメンバーのタンパク質の使用。
- グリシン再取り込み阻害剤で処置される請求項17に記載の患者の臨床的有用性の予測マーカーとしての補体因子Hファミリーメンバーのタンパク質の使用。
- グルタミン酸作動性経路を標的とする化合物で処置される場合に、精神発達、神経または神経精神障害をもつ患者の臨床的有用性の予測マーカーとしての、補体因子Hファミリーメンバー。
- グリシン再取り込み阻害剤(GRI)で処置される場合に、精神発達、神経または神経精神障害をもつ患者の臨床的有用性の予測マーカーとしての、請求項19に記載の補体因子Hファミリーメンバー。
Applications Claiming Priority (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
EP11179058.0 | 2011-08-26 | ||
EP11179058 | 2011-08-26 | ||
EP12164017 | 2012-04-13 | ||
EP12164017.1 | 2012-04-13 | ||
PCT/EP2012/066216 WO2013030032A1 (en) | 2011-08-26 | 2012-08-21 | A method for predicting clinical benefit in the treatment of neurodevelopmental, neurological or neuropsychiatric disorders |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2014527175A true JP2014527175A (ja) | 2014-10-09 |
Family
ID=46717842
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2014527583A Pending JP2014527175A (ja) | 2011-08-26 | 2012-08-21 | 精神発達、神経または神経精神障害の処置における臨床的有用性を予測するための方法 |
Country Status (15)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US20140065610A1 (ja) |
EP (1) | EP2748610A1 (ja) |
JP (1) | JP2014527175A (ja) |
KR (1) | KR20140041888A (ja) |
CN (1) | CN103748470A (ja) |
AR (1) | AR087641A1 (ja) |
AU (1) | AU2012301127A1 (ja) |
BR (1) | BR112014003811A2 (ja) |
CA (1) | CA2842529A1 (ja) |
IL (1) | IL230753A0 (ja) |
MX (1) | MX2014002144A (ja) |
RU (1) | RU2014108532A (ja) |
TW (1) | TWI465720B (ja) |
WO (1) | WO2013030032A1 (ja) |
ZA (1) | ZA201400967B (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016510870A (ja) * | 2013-02-26 | 2016-04-11 | エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲーF. Hoffmann−La Roche Aktiengesellschaft | 補体因子h関連タンパク質1検出のための剤、キットおよび方法 |
US11227692B2 (en) * | 2017-12-28 | 2022-01-18 | International Business Machines Corporation | Neuron model simulation |
CN111524596A (zh) * | 2020-04-07 | 2020-08-11 | 上海市精神卫生中心(上海市心理咨询培训中心) | 一种判断青少年双相障碍发病风险的方法 |
Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS62134562A (ja) * | 1985-12-06 | 1987-06-17 | Sankyo Co Ltd | 全身性エリスマト−デス性疾病の診断試験キツト |
WO2006000222A2 (en) * | 2004-06-24 | 2006-01-05 | H. Lundbeck A/S | The combination of an antipsychotic and a glycine transporter type i inhibitor for the treatment of schizophrenia |
US20070003922A1 (en) * | 2005-05-05 | 2007-01-04 | The Regents Of The University Of California, Office Of Technology Transfer | Diagnostic biomarkers for neurodevelopmental disorders |
JP2009506301A (ja) * | 2005-08-04 | 2009-02-12 | オクフォルド ゲノメ スシエンセス (ユーケー) エルティーディー | Pifファミリーの新たなタンパク質アイソフォーム及びその使用 |
WO2010054110A2 (en) * | 2008-11-05 | 2010-05-14 | Genentech, Inc. | Genetic polymorphisms in age-related macular degeneration |
US20100167937A1 (en) * | 2008-07-08 | 2010-07-01 | Power3 Medical Products, Inc. | Multiple forms of Alzheimer's disease based on differences in concentrations of protein biomarkers in blood serum |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007106685A2 (en) * | 2006-03-10 | 2007-09-20 | Novartis Ag | Targets for depression and bipolar disorders |
-
2012
- 2012-08-21 CN CN201280041349.9A patent/CN103748470A/zh active Pending
- 2012-08-21 BR BR112014003811A patent/BR112014003811A2/pt not_active IP Right Cessation
- 2012-08-21 RU RU2014108532/15A patent/RU2014108532A/ru unknown
- 2012-08-21 WO PCT/EP2012/066216 patent/WO2013030032A1/en active Application Filing
- 2012-08-21 EP EP12748693.4A patent/EP2748610A1/en not_active Withdrawn
- 2012-08-21 AU AU2012301127A patent/AU2012301127A1/en not_active Abandoned
- 2012-08-21 MX MX2014002144A patent/MX2014002144A/es unknown
- 2012-08-21 US US13/590,211 patent/US20140065610A1/en not_active Abandoned
- 2012-08-21 JP JP2014527583A patent/JP2014527175A/ja active Pending
- 2012-08-21 CA CA2842529A patent/CA2842529A1/en not_active Abandoned
- 2012-08-21 KR KR1020147004799A patent/KR20140041888A/ko not_active Application Discontinuation
- 2012-08-23 AR ARP120103099A patent/AR087641A1/es unknown
- 2012-08-24 TW TW101130901A patent/TWI465720B/zh not_active IP Right Cessation
-
2014
- 2014-01-30 IL IL230753A patent/IL230753A0/en unknown
- 2014-02-07 ZA ZA2014/00967A patent/ZA201400967B/en unknown
Patent Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS62134562A (ja) * | 1985-12-06 | 1987-06-17 | Sankyo Co Ltd | 全身性エリスマト−デス性疾病の診断試験キツト |
WO2006000222A2 (en) * | 2004-06-24 | 2006-01-05 | H. Lundbeck A/S | The combination of an antipsychotic and a glycine transporter type i inhibitor for the treatment of schizophrenia |
US20070003922A1 (en) * | 2005-05-05 | 2007-01-04 | The Regents Of The University Of California, Office Of Technology Transfer | Diagnostic biomarkers for neurodevelopmental disorders |
JP2009506301A (ja) * | 2005-08-04 | 2009-02-12 | オクフォルド ゲノメ スシエンセス (ユーケー) エルティーディー | Pifファミリーの新たなタンパク質アイソフォーム及びその使用 |
US20100167937A1 (en) * | 2008-07-08 | 2010-07-01 | Power3 Medical Products, Inc. | Multiple forms of Alzheimer's disease based on differences in concentrations of protein biomarkers in blood serum |
WO2010054110A2 (en) * | 2008-11-05 | 2010-05-14 | Genentech, Inc. | Genetic polymorphisms in age-related macular degeneration |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
AU2012301127A1 (en) | 2014-01-30 |
KR20140041888A (ko) | 2014-04-04 |
EP2748610A1 (en) | 2014-07-02 |
WO2013030032A1 (en) | 2013-03-07 |
CN103748470A (zh) | 2014-04-23 |
TWI465720B (zh) | 2014-12-21 |
US20140065610A1 (en) | 2014-03-06 |
RU2014108532A (ru) | 2015-10-10 |
ZA201400967B (en) | 2015-01-28 |
BR112014003811A2 (pt) | 2017-03-14 |
MX2014002144A (es) | 2014-03-31 |
IL230753A0 (en) | 2014-03-31 |
CA2842529A1 (en) | 2013-03-07 |
NZ620075A (en) | 2015-03-27 |
TW201314209A (zh) | 2013-04-01 |
AR087641A1 (es) | 2014-04-09 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US9797905B2 (en) | Use of markers in the diagnosis and treatment of prostate cancer | |
US11312768B2 (en) | Signature of TL1A (TNFSF15) signaling pathway | |
KR20150122731A (ko) | 암 전이의 예후 및 치료 방법 | |
JP2017530372A (ja) | 転移性結腸直腸癌の抗血管新生療法に関連する予測的及び予後的バイオマーカー | |
KR20130091746A (ko) | 췌장암의 치료를 위한 베바시주맙 병용 치료법을 위한 혈장 생체마커 | |
EP3024485B1 (en) | Use of a cd6 binding partner and method based thereon | |
EP1828413A1 (en) | Compositions and methods for treating mental disorders | |
US20180216194A1 (en) | Compositions and methods for detecting pancreatic cancer | |
JP2014527175A (ja) | 精神発達、神経または神経精神障害の処置における臨床的有用性を予測するための方法 | |
Zhang et al. | Identification of the BTN3A3 gene as a molecule implicated in generalized pustular psoriasis in a Chinese population | |
JP2012526543A (ja) | 前立腺がんのマーカーとしてのホスホジエステラーゼ9a | |
JP2015502137A5 (ja) | ||
AU2018318435A1 (en) | Compositions and methods for treatment of atopic dermatitis and treatment selection | |
AU2017248061A1 (en) | Methods and kits for predicting the sensitivity of a subject suffering of renal cancer to cancer treatment | |
CN108414765B (zh) | 用G72蛋白质与SLC7A11mRNA作为生物标记来诊断与治疗阿兹海默氏症的方法 | |
WO2020071457A1 (en) | Biomarkers for a combination therapy comprising lenvatinib and everolimus | |
US20200018750A1 (en) | Methods and compositions for the prediction and treatment of focal segmental glomerulosclerosis | |
EP4112746A1 (en) | Method for predicting a clinical response towards an immune checkpoint inhibitor based on pretreatment therewith | |
NZ620075B2 (en) | A method for predicting clinical benefit in the treatment of neurodevelopmental, neurological or neuropsychiatric disorders | |
US20140287943A1 (en) | Assay for ship1 expression, activity and sequence alterations as a predictor of inflammatory bowel disease risk | |
JP2023505713A (ja) | 全身性炎症を検出および監視するための非侵襲的アッセイ | |
WO2015083685A1 (ja) | Dlg1/SAP97遺伝子のスプライシングバリアント、及びスプライシングバリアントを利用した統合失調症の検出 | |
NZ771630B2 (en) | Methods of detecting prostate cancer |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20150121 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20150127 |
|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20150310 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20150623 |