JP2014526255A - 獣医学的全血試料から核酸を単離するための方法 - Google Patents

獣医学的全血試料から核酸を単離するための方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、少なくとも以下のステップ:a)溶解した試料、少なくとも1つのカオトロピック剤、少なくとも1つのアルコール、少なくとも1つのポリオキシエチレン脂肪アルコールエーテルを含む結合混合物を調製するステップ;b)核酸結合性固相を含むカラムに該結合混合物を通過させ、それにより、核酸を該核酸結合性固相に結合させるステップ;c)必要に応じて、該核酸を、該固相に結合した状態で、洗浄するステップ;d)必要に応じて、該核酸を該固相から溶出するステップを含む、獣医学的全血試料から核酸を単離するための方法を提供する。この困難な試料からの効率的な核酸単離を妨げるものである、カラムが詰まるという、先行技術方法の問題が、特定の非イオン性界面活性剤の添加によって克服されることが見出された。

Description

発明の分野
本発明は、獣医学的全血試料から核酸を単離するための方法に関する。特に、それは、獣医学的全血試料から病原体核酸を単離するための方法を提供する。
発明の背景
種々の試料から核酸を単離するための多数の方法が、先行技術において知られている。しかしながら、それぞれの方法は、全ての試料について同等にうまくは働かない。例えば、核酸は、1つの方法を用いて、組織、血漿、血清、または尿などの特定の試料から効率的に単離することができる。しかしながら、前記方法は、全血試料などの他の試料から核酸を効率的に単離することができない場合がある。特に、ウマまたはウシなどの大きな家畜から得られた獣医学的全血試料などの、多い細胞数、タンパク質および/または脂質含有量を含む生物学的試料は、特に難題をもたらす。先行技術において知られた方法は、それぞれの困難な試料から核酸を効率的に単離することにおいて満足できない場合が多い。例えば、現行のスピンカラムに基づいた核酸単離方法は、獣医学的全血試料、特に、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、およびブタなどの大きな家畜から得られる血液試料を処理することに対する適合性が極めて限定されている。それぞれの動物全血試料から核酸を単離するための確立された核酸単離方法を用いる場合の主要な問題は、スピンカラムが、これらの試料の特別な組成により容易に詰まることである。特に、多い細胞数、大量のタンパク質および/または脂質は、この目詰まり効果の原因であり得る。このカラムは、血液由来物質で妨げられ、低い精製効率を生じる。結果として、より少数の核酸が単離され、またはさらには全く核酸が単離されない。さらに、単離された核酸は、不純物/阻害性物質で汚染されている場合が多く、それらの物質は、単離された核酸の下流でのパフォーマンスを、特に、RT−PCRなどの増幅反応において、損なう。これは、単離された核酸における特定の標的核酸の検出を困難にする。さらに、観察される目詰まり効果は、1つの試料調製において少量の試料しか処理することができないという結果をもたらす。通常、試料のインプット体積は、目詰まりを低減するために(例えば、200μlの代わりに、例えば、25μl〜50μlへ)制限されなければならない。
例えば、96マルチ形式を用いて大量の試料から核酸を単離することを意図する場合、または自動システムを用いる場合、記載された目詰まりは特に、問題をもたらす。ここにおいて、特定の試料に関して起こる場合、目詰まり問題を個々に解決すること(例えば、結合混合物を希釈すること、結合混合物の膜への再適用、および/または結合混合物の異なる膜への適用による)はむしろ不可能である。したがって、特に、多数の試料を処理する場合、および/または自動システムを用いる場合、それぞれの核酸試料は、分析するには失われている。試料の損失は試料の再収集を必要とするため、医学および/または診断分野においては受け入れられない。したがって、特に、獣医学的診断および医学分野において、自動化にも適しており、かつ獣医学的全血試料から核酸を単離することを可能にする、信頼できる効率的な方法が必要とされている。記載された目詰まり問題は、カラムと共にカオトロピック剤、界面活性剤、およびアルコールの使用に基づいている核酸単離化学法を用いる場合、特に起こる。しかしながら、スピンカラムに基づいた単離方法は、得られる核酸収量および取り扱いの容易さに関して、利点があり、それゆえに、好ましい場合が多い。
低い精製効率、および可能なインプット体積に関する制限は、全血試料に含まれる可能性がある特定の標的核酸を単離することを意図する場合、重大な欠点である。例として、例えばウイルスおよび/または細菌の核酸などの病原体核酸は、全血試料において低量でしか含まれない場合がある。観察される低い精製効率およびインプット体積に関する制限は、例えば、ポリメラーゼ連鎖反応などのその後の標準検出アッセイの実施を可能にするために十分な量で標的病原体核酸を単離することが、通例の核酸単離方法ではできないことが多いという結果をもたらす。しかしながら、動物全血試料におけるそれぞれの病原体核酸の検出は、そもそも、それぞれの試料から核酸を単離するための主要な理由の一つである。したがって、動物全血試料から核酸を高収率および高純度で単離することを可能にする核酸単離方法を提供する特別な必要性が、先行技術において存在する。さらに、全血試料を含む、幅広い種類の動物試料から核酸を単離することを可能にする核酸単離方法を提供する必要性がある。
したがって、獣医学的全血試料から核酸を単離することを可能にする、改善された、カラムに基づく核酸単離プロトコールを提供することが、本発明の目的である。
発明の要旨
本発明は、特定の非イオン性界面活性剤が、結合混合物に加えられた場合には、カラムの目詰まりを防止することができるという発見に基づいている。本発明者らは、ポリオキシエチレン脂肪アルコールエーテルの添加が、それぞれの界面活性剤を組み入れない先行技術の単離方法に関して観察される目詰まりを防止することを見出した。したがって、本発明は、先行技術において知られていた問題の解決を提供する。特定の非イオン性界面活性剤を結合混合物に加えた場合、カラムの目詰まりを防止することができることは非常に予想外であり、結合混合物が、例えば、一般的に用いられるTriton X−100またはTween 20などの他の非イオン性界面活性剤を含む場合、観察される目詰まり効果が起こるからである。したがって、界面活性剤、特に非イオン性界面活性剤のグループ内の界面活性剤の選択が、膜の目詰まりおよび核酸単離の効率へそのような強い影響を生じるだろうことは、大いに驚きであった。実施例によって示されているように、本発明による方法は、高効率、高純度、および高い信頼性を以て、獣医学的全血試料に含まれる核酸を単離することを可能にする。特に、前記方法は、獣医学的全血試料からの病原体核酸の効率的単離を可能にする。これは、血漿、尿、または組織などの他の獣医学的試料から核酸を効率的に単離することを可能にするにしても、獣医学的全血試料から核酸、特に病原体核酸を効率的に単離することができない先行技術方法を凌ぐ、かなりの改善である。
第1の態様によれば、本発明は、少なくとも以下のステップを含む、獣医学的全血試料から核酸を単離するための方法を提供する:
a)以下を含む結合混合物を調製するステップ:
−溶解した該試料
−少なくとも1つのカオトロピック剤
−少なくとも1つのアルコール
−少なくとも1つのポリオキシエチレン脂肪アルコールエーテル;
b)核酸結合性固相を含むカラムに該結合混合物を通過させ、それにより、核酸を該核酸結合性固相に結合させるステップ;
c)必要に応じて、核酸を、該固相に結合した状態で、洗浄するステップ;
d)必要に応じて、核酸を該固相から溶出するステップ。
上記で論じられているように、結合混合物における少なくとも1つのポリオキシエチレン脂肪アルコールエーテルの組み入れが、カラムに含まれる核酸結合性固相への結合混合物の通過を可能にすることが見出された。先行技術方法に関して観察されるカラムの目詰まりは、それによって防止され、それにより、獣医学的全血試料からの核酸の効率的な妨害されない単離を可能にする。したがって、この方法は非常に信頼性がある。
さらなる態様によれば、本発明の第1態様による方法が実施される、獣医学的全血試料から病原体核酸を単離するための方法が提供される。実施例によって示されているように、本発明による方法は特に、獣医学的全血試料から、高効率および高い信頼性を以て、病原体核酸を単離することを可能にする。この利点は、獣医学的血液試料が、特定の病原体の存在または非存在について分析される、医学および/または診断分野にとって特に重要である。
図1は、Tween 20と組み合わせて塩酸グアニジンを含有する結合混合物を用いる標準方法でのウシ全血の目詰まりを示す(チューブ1+2)。ポリオキシエチレン(20)セチルエーテルを含有する結合混合物を用いる場合、目詰まりは起きない(チューブ3+4)。 図2は、界面活性剤としてポリオキシエチレン(20)セチルエーテルを組み入れずに、Triton X−100を組み入れる方法と比較した、本発明による方法の種々の溶解/結合条件を用いて単離された核酸を用いるBVDV検出アッセイの結果を示す。本発明による方法で得られるより低いCt値は、前記方法が、種々の獣医学的全血試料から核酸を単離するのにより適していることを実証している。 図3は、界面活性剤としてTween 20を用いる方法と比較した、本発明による方法の種々の溶解/結合条件を用いて単離された核酸を用いるBVDV検出アッセイの結果を示す。本発明による方法で得られるより低いCt値は、前記方法が、種々の獣医学的全血試料から核酸を単離するのにより適していることを実証している。 図4は、本発明による方法の種々の溶解/結合条件を用いて単離された核酸を用いるBHV1検出アッセイの結果を示す。図は、試料の種類およびポリオキシエチレン(20)セチルエーテルの濃度を示す。 図5および6は、プロトコール2で処理された6つの異なる動物血液試料の光度測定およびエチジウムブロマイド染色アガロースゲルを示す。マーカーとしてラムダDNA/Hind IIIマーカーを用いた。 図5および6は、プロトコール2で処理された6つの異なる動物血液試料の光度測定およびエチジウムブロマイド染色アガロースゲルを示す。マーカーとしてラムダDNA/Hind IIIマーカーを用いた。 図7は、いろいろなユーザーが本発明による方法で核酸を単離した場合、同等の結果が得られることを示している。
発明の詳細な説明
第1の態様によれば、本発明は、少なくとも以下のステップを含む、獣医学的全血試料から核酸を単離するための方法を提供する:
a)以下を含む結合混合物を調製するステップ:
−溶解した該試料
−少なくとも1つのカオトロピック剤
−少なくとも1つのアルコール
−少なくとも1つのポリオキシエチレン脂肪アルコールエーテル;
b)核酸結合性固相を含むカラムに該結合混合物を通過させ、それにより、核酸を該核酸結合性固相に結合させるステップ;
c)必要に応じて、核酸を、該固相に結合した状態で、洗浄するステップ;
d)必要に応じて、核酸を該固相から溶出するステップ。
本発明の本質は、結合混合物における特定の界面活性剤の組み入れにある。前記特定の界面活性剤は、驚くべきことに、核酸結合性カラムの目詰まりを防止する。TritonX−100またはTween 20などの他の非イオン性界面活性剤が、カオトロピック剤およびアルコールの使用を含む類似/同一の核酸結合化学法に関して用いられる場合、カラムの目詰まりを防止することができないため、これは予想外であった。実施例によって示されているように、カラムの目詰まりを防止するのは、ポリオキシエチレン脂肪アルコールエーテルの結合混合物への組み入れである。同様にカオトロピック剤、アルコール、および非イオン性界面活性剤を用いる非常に類似した核酸単離プロトコールが、例えば、血漿、血清、または尿などの他の獣医学的試料から核酸を単離するのに、本発明による方法と同等に効果的であるが、それらは、獣医学的全血試料から核酸を単離することができない。前記問題の原因は、明らかに、獣医学的全血試料の特定の組成、特に、多い細胞数、タンパク質および/または脂質含有量である。実施例は、他の方法ではできないが、本発明による方法が、異なる種からの獣医学的全血試料を含む試験される全ての獣医学的試料から核酸を効率的に単離することを可能にすることを示している。
本発明による方法のステップa)において、結合混合物が調製される。結合混合物の調製に関して、ステップb)における、結合混合物に含まれる核酸の、核酸結合性固相への結合を可能にする条件が確立される。結合混合物は、溶解した試料、したがって、試料から遊離した核酸、少なくとも1つのカオトロピック剤、少なくとも1つのアルコール、および少なくとも1つのポリオキシエチレン脂肪アルコールエーテル(これが重要である)を含む。
用語「脂肪アルコール」は、特に、本発明の目的として、6個から22個までの炭素原子、好ましくは8個〜20個の炭素原子、優先的には10個〜18個の炭素原子、特に好ましくは12個〜18個の炭素原子の鎖長を有するアルコールを意味する。特に、12個、14個、16個、または18個の炭素原子を有するアルコールが優先される。脂肪アルコールは一不飽和または多価不飽和であってもよいが、それらは好ましくは、飽和脂肪アルコールである。
用語「ポリオキシエチレン」は、特に、本発明の目的として、HO−(CH2CH2O)n単位(ただし、nは好ましくは2から150までの整数、さらに好ましくは4から120までの整数、なおさらに好ましくは8から80までの整数、最も好ましくは2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148、149、および150から選択される整数である)を意味する。
適切なポリオキシエチレン脂肪アルコールエーテルの好ましい例は、ポリエトキシル化ラウリル、セチル、オレイル、またはステアリルアルコールであり、それらは単独で、または混合物として用いられてもよい。本発明の好ましい実施形態によれば、少なくとも1つのポリオキシエチレン脂肪アルコールエーテルは、6個から22個までの炭素原子を有する脂肪アルコール構成要素、および2個から150個までの(CH2CH2O)単位を有するポリオキシエチレン構成要素を含む。好ましくは、ポリオキシエチレン脂肪アルコールエーテルは、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、および/またはポリオキシエチレンオレイルエーテルからなる群から選択される。それぞれの結合混合物は、様々な手段によって調製することができ、好ましい実施形態は以下に記載されている。
全血試料の溶解は、結合混合物において、(少なくとも部分的に)達成することができる。しかしながら、好ましくは、試料は、最初に核酸を効率的に遊離させるために、結合混合物を調製する前に、少なくとも部分的に溶解している。したがって、一実施形態によれば、ステップa)における結合混合物の調製は、以下のステップを含む:
i)獣医学的全血試料を溶解するステップ;および
ii)1つまたは複数の添加剤を、好ましくは結合溶液の形で、溶解した該試料に加え、それにより以下を含む結合混合物を調製するステップ:
−溶解した該試料
−少なくとも1つのカオトロピック剤
−少なくとも1つのアルコール
−少なくとも1つのポリオキシエチレン脂肪アルコールエーテル。
試料の溶解を達成するために種々の方法を用いることができ、適切な溶解方法は、先行技術において知られている。それらはまた、動物全血試料から単離されると想像される標的核酸の種類に依存して異なり得る。一般的に、溶解ステップは、試料への機械的、化学的、物理的、および/または酵素的作用を含み得るが、それらに限定されない。それぞれの溶解ステップの例には、ビーズミルにおいて、またはガラスビーズの存在下で試料を粉砕すること、超音波の適用、加熱、界面活性剤の添加、および/または、例えば、タンパク質分解酵素もしくはカオトロピック剤などのタンパク質分解性化合物の添加が挙げられるが、それらに限定されない。
一実施形態によれば、溶解は、獣医学的全血試料への少なくとも1つのタンパク質分解酵素の添加を含む。タンパク質分解酵素は、例えば、タンパク質、ポリペプチド、オリゴペプチド、およびペプチドにおいて、ペプチド結合の切断を触媒する酵素を指す。例示的なタンパク質分解酵素には、プロテイナーゼおよびプロテアーゼ、具体的には、サブチリシン、サブチラーゼ、アルカリセリンプロテアーゼなどが挙げられるが、それらに限定されない。サブチラーゼはセリンプロテアーゼ、すなわち、活性側にセリン残基を有する酵素のファミリーである。サブチリシンは、広い基質特異性を有する細菌セリンプロテアーゼである。サブチリシンは、尿素および塩酸グアニジンなどのカオトロピック剤、ならびにドデシル硫酸ナトリウム(SDS)などの陰イオン性界面活性剤による変性に対して相対的に、抵抗性である。例示的なサブチリシンには、プロテイナーゼK、プロテイナーゼR、プロテイナーゼT、サブチリシン、サブチリシンA、QIAGENプロテアーゼなどが挙げられるが、それらに限定されない。サブチラーゼ、サブチリシン、プロテイナーゼK、および他のプロテアーゼの議論は、とりわけ、Genovら、Int.J.Peptide Protein Res.45:391−400、1995で見出され得る。好ましくは、タンパク質分解酵素はプロテイナーゼKである。非限定的態様において、タンパク質分解酵素は、溶解のために、約0.1mg/mlから約10mg/mlまで、約0.5mg/mlから約5mg/mlまで、約1mg/mlから約4.0mg/mlまで、約1.5mg/mlから約2.5mg/mlまで、および約2mg/mlから選択される濃度で、獣医学的全血試料へ加えられる。示された濃度範囲は、タンパク質分解酵素と獣医学的全血試料の混合物にあてはまる。
全血試料は、必要に応じて、しかし好ましくは、溶解を支援するさらなる作用物質(カオトロピック剤および/または界面活性剤など、下記参照)の添加後、タンパク質分解酵素による試料の、少なくとも3分間、好ましくは少なくとも5分間、より好ましくは少なくとも10分間の消化を可能にする条件下でインキュベートされる。インキュベーションは、室温で行ってもよく(例えば、10〜20分間)、そのことは、まだ試料の消化を可能にするが、試料の加熱を可能にする特別な機器の必要性をなくす。しかしながら、試料はまた、加熱および/または振盪などの試料の消化を支援する条件下でインキュベートされてもよい。好ましくは、試料は、少なくとも35℃、少なくとも40℃、または少なくとも50℃の温度まで加熱され、好ましくは、インキュベーション中、少なくとも55℃の温度まで加熱される。インキュベーション中にそれぞれのより高い温度を用いることは、プロテイナーゼKなどのタンパク質分解酵素が、より高い温度でそれの最適なそれぞれの最高活性を示すタンパク質分解性化合物として用いられる場合には、特に好都合である。そのような条件下で、試料の消化は促進される。当然のことながら、タンパク質分解酵素が活性である温度が、用いられるべきである。さらに、前記インキュベーションステップが、試料を撹拌しながら実施されることは、好ましい。撹拌の非限定的例には、振盪、かき回すこと、混ぜること、または揺り動かすことが挙げられる。特定の態様において、撹拌は振盪を含む。振盪は、1次元、2次元、または3次元の振盪であり得る。様々な振盪デバイスまたは撹拌デバイスを用いることができる。非限定的例には、Thermomixer(Eppendorf)、TurboMix(Scientific Industries)、Mo Bio Vortex Adapter(Mo Bio Laboratories)、Microtube holder vortex adapter(Troemner)、およびMicrotube foam rack vortex attachment(Scientific Industries)が挙げられる。撹拌は、例えば、ミキサーにおいて、少なくとも50rpm、少なくとも100rpm、少なくとも200rpm、または少なくとも500rpmで実施することができる。好ましくは、加熱および撹拌は、例えば、同時の加熱と撹拌を可能にするサーモミキサーまたは相当する機器を用いることにより、同時に実施される。少なくとも1つのタンパク質分解酵素を用いる場合、前記酵素が効率的に働き、かつ触媒的に活性であることを保証するインキュベーション条件が、用いられる。条件は、用いられるタンパク質分解酵素に依存し、当業者によって知られており、それぞれ、決定可能である。好ましくは、インキュベーションは、タンパク質分解酵素の活性を促進し、および/または維持する塩および/またはイオンの存在下で実施される。適切な塩には、NaCl、KCl、MgCl、もしくはCaCl、またはカオトロピック塩などのカオトロピック剤が挙げられるが、それらに限定されない。一実施形態によれば、試料をタンパク質分解酵素で溶解するためのインキュベーション条件は、以下の加熱、撹拌、塩の存在、6〜9の間のpH値、および/または少なくとも3分間、好ましくは少なくとも5分間、最も好ましくは少なくとも10分間のインキュベーション時間のうちの1つまたは複数を含む。
好ましくは、獣医学的全血試料の溶解は、少なくとも1つのカオトロピック剤の添加を含む。限定されるわけではないが、例えば、タンパク質または核酸の二次構造、三次構造、または四次構造を変化させることにより、タンパク質または核酸に障害を引き起こす任意のカオトロピック剤を、その目的のために用いることができる。好ましくは、カオトロピック塩が用いられる。カオトロピック塩は、好ましくは、カオトロピックイオンとしてグアニジウム、チオシアネート、イソチオシアネート、ペルクロレート、トリクロロアセテート、および/またはトリフルオロアセテートを含む。好ましくは、カオトロピック剤は、塩酸グアニジウム、チオシアン酸グアニジウム、イソチオシアン酸グアニジウム、チオシアン酸ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、過塩素酸ナトリウム、トリクロロ酢酸ナトリウム、トリフルオロ酢酸ナトリウム、および尿素からなる群から選択される。カオトロピック剤の混合物もまた用いることができる。好ましくは、塩酸グアニジウムおよび/またはチオシアン酸グアニジウムが、溶解のためのカオトロピック剤として用いられる。好ましくは、カオトロピック剤は、獣医学的全血試料に加えられる溶解緩衝液などの溶解溶液中に含有される。溶解溶液は、カオトロピック剤(好ましくは、上記で述べられているようにカオトロピック塩である)を、約0.1Mから飽和限界まで、約0.2M〜6M、約0.5M〜4M、または約0.5M〜3Mから選択される範囲にある濃度で含んでもよい。したがって、溶解のために加えられているカオトロピック剤はまた、溶解した試料に含まれる。溶解した試料は結合混合物の一部を形成するため、溶解のために試料に加えられているカオトロピック剤はまた、結合混合物における、カオトロピック剤、それぞれのカオトロピック剤の総合的濃度に寄与する。
好ましい実施形態によれば、試料の溶解は、少なくとも1つの界面活性剤の添加を含む。界面活性剤は、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、および/または非イオン性界面活性剤であってもよい。好ましくは、少なくとも1つの非イオン性界面活性剤が溶解中に加えられる。カラムの目詰まりを防止するために結合混合物に含まれる、本発明の教示による特定の非イオン性界面活性剤は、試料の溶解中にすでに加えられてもよい。したがって、一実施形態によれば、好ましくはポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、およびポリオキシエチレンオレイルエーテルからなる群から選択される少なくとも1つのポリオキシエチレン脂肪アルコールエーテルは、溶解を支援するために獣医学的全血試料に加えられる。それにより、それぞれの界面活性剤は、溶解した試料中にすでに存在し、それゆえに、結合混合物に含まれることになる。結合条件を確立するために、および結合混合物が、それぞれのポリオキシエチレン脂肪アルコールエーテルを、目詰まりを防止するのに十分高い濃度で含むことを保証するために、試料の溶解後に、それぞれの界面活性剤をさらに加えることが好ましい。一実施形態によれば、ポリオキシエチレン脂肪アルコールエーテルとは異なる少なくとも1つの非イオン性界面活性剤、またはポリオキシエチレン脂肪アルコールエーテルとは異なるそれぞれの非イオン性界面活性剤の混合物が溶解のために加えられる。この場合、ポリオキシエチレン脂肪アルコールエーテルは、結合条件を確立するために、溶解中は加えられないが、その後で加えられる。一実施形態によれば、溶解は、アルキルグルコシドおよび/またはポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルの群から選択される少なくとも1つの非イオン性界面活性剤の添加を含む。好ましくは、それぞれの非イオン性界面活性剤、または非イオン性界面活性剤の混合物は、溶解混合物中に、少なくとも0.5%、少なくとも1%、少なくとも3%、少なくとも4%、および少なくとも5%から選択される濃度で含まれる。好ましい濃度範囲には、0.5%〜15%、より好ましくは1.5%〜10%、および2%〜7%が挙げられるが、それらに限定されない。アルキルグルコシドとして、好ましくは、ポリソルベートのグループ由来の非イオン性界面活性剤、好ましくは、ポリソルベート20、ポリソルベート40、またはポリソルベート80、より好ましいポリソルベート20が用いられる。ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルの好ましい例には、Triton X−100およびNonidet P−40が挙げられる。好ましくは、Triton X−100および/またはTween 20が、溶解を達成するために獣医学的全血試料に加えられる。それぞれの界面活性剤はまた、カオトロピック剤を含む溶解溶液(上記参照)中に含まれてもよい。溶解中に、ポリオキシエチレン脂肪アルコールエーテルとは異なる少なくとも1つの非イオン性界面活性剤に加えて、ポリオキシエチレン脂肪アルコールエーテルを加えることもまた、本発明の範囲内である。
さらに、試料の溶解は、少なくとも1つのキレート化剤の添加を含んでもよい。適切なキレート化剤には、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、エチレンジニトリロ四酢酸(EDTA)、エチレングリコール四酢酸(EGTA)、およびN,N−ビス(カルボキシメチル)グリシン(NTA)が挙げられるが、それらに限定されない。好ましい実施形態によれば、EDTAが用いられる。本明細書で用いられる場合、用語「EDTA」は、とりわけ、例えば、KEDTA、KEDTA、またはNaEDTAなどのEDTA化合物のEDTA部分を示す。EDTAなどのキレート化剤を用いることはまた、デオキシリボヌクレアーゼなどのヌクレアーゼが阻害されるという有利な効果を有する。それぞれのキレート化剤はまた、溶解溶液中に含まれてもよい。
試料の効率的な溶解を達成するために、および/または遊離された核酸を分解から保護するために、さらなる化合物が用いられてもよい。DNAおよび特にRNAなどの遊離された核酸を分解から保護するそれぞれの化合物は、先行技術においてよく知られており、したがって、ここで詳細な記載をする必要はない。それぞれの化合物は、全血試料に別々に加えられてもよいし、または溶解溶液中に含まれてもよい。
特定の標的病原体核酸の単離が意図される場合、病原体核酸の効率的な遊離を確実にするために、特定の溶解する努力が必要とされる可能性がある。例えば、獣医学的全血試料からグラム陽性細菌由来の核酸を単離することを意図する場合、それぞれの病原体核酸を効率的に遊離させるために、特定の溶解ステップが推奨され得る。適切な溶解ステップは、後で、いくつかの主要な病原体について記載されている。しかしながら、代替方法もまた用いることができ、種々の病原体についての適切な溶解方法もまた、先行技術においてよく知られている。したがって、それらを、ここでは、詳細に記載しない。
上記のように、獣医学的全血試料の溶解のために加えられる化合物のうちの1つまたは複数が、便利には、溶解溶液中に含まれてもよい。それぞれの溶解溶液は、好ましくは、上記のような、少なくとも1つのカオトロピック剤および少なくとも1つの界面活性剤を含む。さらに、それは、キレート化剤および緩衝化合物を含んでもよい。獣医学的全血試料を消化するために好ましくは加えられるタンパク質分解酵素は、好ましくは、溶解溶液中に含まれるカオトロピック剤による分解を防ぐために、全血試料へ別々に加えられる。
結合混合物を調製することについて、核酸の核酸結合性カラムへの効率的な結合を可能にする結合条件を調製するために、溶解した試料を、その後、1つまたは複数のさらなる化合物と接触させてもよい。本明細書で用いられる場合の結合とは、特に、核酸の核酸結合性固相への吸着を指す。本発明による結合混合物を確立するために、化合物が加えられるかどうか、および、どの化合物が加えられるかはまた、溶解した試料の組成、およびしたがって、試料の溶解を達成するために加えられている場合がある化合物に依存する。
本発明による結合混合物は、少なくとも1つのカオトロピック剤を含む。別々の溶解ステップ(上記参照)中にカオトロピック剤が加えられなかった場合には、それは、例えば、カオトロピック剤を含む結合溶液を加えることにより、結合混合物の調製中に加えられなければならない。例えば、限定されるわけではないが、一次構造を未変化のままで、タンパク質または核酸の二次構造、三次構造、または四次構造を変化させることにより、タンパク質または核酸に障害を引き起こす任意のカオトロピック剤を、その目的のために用いることができる。好ましくは、カオトロピック塩が用いられる。カオトロピック塩は、好ましくは、カオトロピックイオンとして、グアニジウム、チオシアネート、イソチオシアネート、ペルクロレート、トリクロロアセテート、および/またはトリフルオロアセテートを含む。好ましくは、カオトロピック剤は、塩酸グアニジウム、チオシアン酸グアニジウム、イソチオシアン酸グアニジウム、チオシアン酸ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、過塩素酸ナトリウム、トリクロロ酢酸ナトリウム、トリフルオロ酢酸ナトリウム、および尿素からなる群から選択される。カオトロピック剤の混合物もまた用いることができる。特に、塩酸グアニジウムおよび/またはチオシアン酸グアニジウムが、カオトロピック剤として用いることができる。好ましくは、たとえ、カオトロピック剤が、試料の溶解中にすでに加えられていたとしても、さらなる量の少なくとも1つのカオトロピック剤またはカオトロピック剤の混合物が、結合混合物を調製するために加えられる。それぞれの結合溶液は、カオトロピック剤(好ましくは、上記で述べられているようにカオトロピック塩である)を、約0.1Mから飽和限界まで、約0.2M〜6M、約0.5M〜4M、約1M〜3.5M、または約1.5M〜3.5Mから選択される範囲にある濃度で含んでもよい。結合混合物におけるカオトロピック剤の濃度は、好ましくは、約0.2M〜6M、約0.5M〜4M、約1M〜3.5M、または約1M〜3Mから選択される。
本発明による結合混合物は、少なくとも1つのアルコールを含む。アルコールは、カラム内に含まれる固相への核酸の結合を促進する。アルコールは、好ましくは、1〜5個の炭素原子を有する短鎖の分岐型または非分岐型アルコールである。好ましくは、それは、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、およびブタノールから選択される。特に適しているのは、エタノールおよびイソプロパノールである。アルコールは、好ましくは、少なくとも10% v/v、少なくとも15% v/v、および少なくとも25% v/vから選択される濃度で結合混合物中に含まれる。一実施形態によれば、結合混合物中のアルコール濃度は、60% v/v未満、好ましくは50% v/v未満、40% v/v未満、または30% v/v未満である。アルコールの混合物もまた、用いることができる。
さらに、結合混合物は、少なくとも1つのポリオキシエチレン脂肪アルコールエーテルを含む。ポリオキシエチレン脂肪アルコールエーテルの混合物もまた用いることができる。適切な実施形態は上に記載されている。好ましくは、それは、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、およびポリオキシエチレンオレイルエーテルからなる群から選択される。より好ましくは、ポリオキシエチレン脂肪アルコールエーテルは、ポリオキシエチレン(4)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(23)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(2)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(10)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(20)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(2)ステアリルエーテル、ポリオキシエチレン(10)ステアリルエーテル、ポリオキシエチレン(20)ステアリルエーテル、ポリオキシエチレン(2)オレイルエーテル、ポリオキシエチレン(10)オレイルエーテル、ポリオキシエチレン(20)オレイルエーテル、および/またはポリオキシエチレン(100)ステアリルエーテルからなる群から選択される。ここでの数字は、エチレンオキシド単位の平均数を示す。最も好ましくは、ポリオキシエチレン脂肪アルコールエーテルは、ポリオキシエチレンセチルエーテル、最も好ましいのはポリオキシエチレン(20)セチルエーテルである。実施例によって示されているように、ポリオキシエチレン(20)セチルエーテルは、カラムの目詰まりを防止するのに特に適している。
ポリオキシエチレン脂肪アルコールエーテルは、好ましくは、結合混合物中に、少なくとも0.5%、少なくとも1%、少なくとも2%、少なくとも3%、および少なくとも5%から選択される濃度で含まれる。好ましくは、濃度は、約0.5%〜約20%、約2%〜約12%、約3%〜約9%、好ましくは4%〜約8%から選択される範囲にある。これらの濃度範囲は、ポリオキシエチレン(20)セチルエーテルを用いる場合、特に適している。
上記で論じられているように、ポリオキシエチレン脂肪アルコールエーテルは、溶解溶液によって結合混合物へ導入することができる。試料の溶解を達成するためにそれぞれのポリオキシエチレン脂肪アルコールエーテルが加えられていない場合には、それは、結合混合物の調製中に加えられなければならない。しかしながら、それぞれのポリオキシエチレン脂肪アルコールエーテルが試料の溶解中に加えられていたとしても、さらなる量のそれが、結合条件の調製中に加えられることは好ましい。これは、それぞれのポリオキシエチレン脂肪アルコールエーテルを含む結合溶液の添加によって達成することができる。
したがって、好ましい実施形態によれば、結合溶液は、結合混合物の調製中に、溶解した試料に加えられ、前記結合溶液は、少なくとも1つのカオトロピック剤(またはカオトロピック剤の混合物)、好ましくは上記のようなカオトロピック塩、上記のような少なくとも1つのポリオキシエチレン脂肪アルコールエーテル、および必要に応じて、緩衝物質を含む。適切な緩衝剤には、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(TRIS)、N−(トリ(ヒドロキシメチル)メチル)グリシン(Tricine)、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)グリシン(BICINE)、N−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−N’−(2−エタンスルホン酸)(HEPES)、ピペラジン−1,4−ビス(2−エタンスルホン酸)(PIPES)、N−シクロヘキシル−2−アミノエタンスルホン酸(CHES)、2−(N−モルホリノ)エタンスルホン酸(MES)、3−(N−モルホリノ)プロパンスルホン酸(MOPS)、および/またはリン酸バッファが挙げられるが、それらに限定されない。さらに、結合溶液はまた、上記のような少なくとも1つのアルコールを含んでもよい。しかしながら、アルコールはまた、結合混合物を調製するために、溶解した試料へ別々に、加えられてもよい。
それぞれ調製された結合混合物を、ステップb)において、核酸結合性固相を含むカラムを通過させ、それにより、核酸を核酸結合性固相に結合させる。結合混合物はまた、カラムに通過させる前に、結合混合物をアプライした後のカラム上/中で、最初、静止していてもよい。上記で論じられているように、特定のポリオキシエチレン脂肪アルコールエーテル(好ましくは、ポリオキシエチレンセチルエーテル、最も好ましいのはポリオキシエチレン(20)セチルエーテルである)の存在は、カラム内に含まれる核酸結合性固相の目詰まりを効率的に防止する。これは、Tween 20またはTriton X−100などの他の非イオン性界面活性剤が目詰まりを防止することができないため、非常に驚くべきことであった。
本発明は、カラムに含まれる核酸結合性固相の使用を含む。本明細書で用いられる場合、用語「カラム」は特に、少なくとも2つの開口部を有する容器を記載する。そのことにより、結合混合物は前記カラムを通過することができる。用語「カラム」は特に、例えば、円形または角張った形であり得る容器の形に関していかなる制限も含意せず、好ましくは、円筒形である。しかしながら、特にマルチカラムを用いる場合、他の形も用いることができる。カラムは、核酸結合性固相を含む。前記カラム内に含まれる前記固相は、本発明による結合混合物が、カラムにアプライされた場合、通過することを可能にすべきである。これは、例えば、遠心力がカラムに加えられた場合には、結合混合物が遠心力の方向にカラムを通過することが可能になることを意味する。あるいは、陰圧または陽圧を加えることができる。それぞれのカラムに基づいた核酸単離手順を用いる場合、結合混合物は、通常、例えば、遠心分離または減圧によって補助されて、カラムを通過し、前記通過中、核酸が、含まれる核酸結合性固相に結合する。カラムは単一形式またはマルチ形式で用いることができる。マルチウェルプレートと類似した形式を有し、かつ膜などの核酸結合性固相を含むそのようなマルチカラムは、先行技術においてよく知られている。好ましくは、カラムはスピンカラムである。
核酸結合性固相として、カラムに基づいた核酸単離手順に通常、利用される任意の固相を用いることができる。好ましくは、核酸は、吸着によって固相に結合する。カラム内に含まれる核酸結合性固相の材料は、限定されるわけではないが、シリカ、シリカ粒子、二酸化ケイ素、珪藻土、ガラス、アルキルシリカ、ケイ酸アルミニウム、およびホウケイ酸塩が挙げられる、二酸化ケイ素を含む化合物;ニトロセルロース;ジアゾ化ペーパー;ヒドロキシアパタイト(ヒドロキシルアパタイトとも呼ばれる);ナイロン;金属酸化物;ジルコニア;アルミナ;ポリマー材料、核酸結合性官能基を含む材料(好ましくは、陰イオン交換基)などで作製され得、またはそれらを含み得る。固相という用語は、それがカラム内に含まれ得る限り、それの形またはデザインに関していかなる限定も含意するものではない。一実施形態によれば、例えば、シリカ固相などの固相の表面は、修飾されておらず、例えば、官能基で修飾されていない。好ましくは、核酸結合性膜、およびしたがって、核酸を結合する能力がある膜が用いられる。適切な膜には、親水性膜、疎水性膜、およびイオン交換を介して核酸を結合する膜が挙げられるが、それらに限定されない。例として、二酸化ケイ素を含む、または二酸化ケイ素からなる膜、シリカ膜、グラスファイバー膜、ナイロン膜、ニトロセルロース膜などのセルロース膜、修飾セルロース膜(例えば、アセチル−またはヒドロキシ−)、ペーパー膜、特に修飾ペーパーが挙げられるが、それらに限定されない。好ましくは、膜は多孔性である。さらに、シリカを含む、またはシリカからなる膜を用いることが好ましい。カラム内に含まれるさらなる一般的な核酸結合性固相は、金属酸化物粒子、特にシリカ粒子などの十分量の核酸結合性粒子、または核酸結合性材料(例えば、シリカゲル)の層である。例えば、シリカ粒子などの核酸結合性粒子は、不活性なフィルター上または膜上の層として配置され、それにより核酸結合性固相を形成することができる。上記の問題はまた、それぞれの核酸結合性固相に関して起こり得る。これは、(核酸結合性膜に類似した)カラム内に含まれる核酸結合性固相の詰め込まれた薄い層が、結合混合物が通過できないというリスクを増加させ、したがって、カラムが詰まるというリスクを増加させるからである。一実施形態によれば、カラムに含まれる核酸結合性固相は、その幅と等しいかまたはそれより少ない全高を有する。例えば、核酸結合性固相は、核酸結合性材料の層、および/または、膜もしくはフィルター上に小さい層として加えられる核酸結合性粒子、好ましくはシリカ粒子からなる十分量のそれぞれの層で構成され得る。
カラム内に含まれる核酸結合性固相への結合混合物の通過を楽にするために、例えば、遠心分離、または、例えば、試料に、カラム(それぞれの核酸結合性固相)を介して圧をかけるか、または減圧を適用することにより試料を核酸結合性固相を介して吸引する、圧力差発生機器の使用などの適切な手段を用いることができる。それぞれの手段は、先行技術においてよく知られており、したがって、ここではさらに記載する必要はない。
一実施形態によれば、核酸をさらに精製するために、ステップc)において、1回もしくは複数回の洗浄ステップが実施される。一実施形態によれば、1回もしくは複数回の洗浄ステップは、核酸が固相に結合している状態で、実施される。この目的のために、一般的な洗浄溶液が用いられてもよい。一実施形態によれば、洗浄に用いられる溶液は、少なくとも1つのカオトロピック剤および少なくとも1つのアルコールを含む。洗浄溶液に用いることができるカオトロピック剤には、塩酸グアニジウム、チオシアン酸グアニジウム、イソチオシアン酸グアニジウム、およびヨウ化ナトリウム、または他のカオトロピック塩が挙げられるが、それらに限定されない。アルコールとして、好ましくは1〜5個の炭素原子を有する、短鎖の分岐型または非分岐型アルコールが、それぞれ、洗浄溶液において、洗浄に用いることができる。例は、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、およびブタノールである。好ましくは、イソプロパノールおよび/またはエタノールが用いられる。好ましくは、洗浄溶液は、少なくとも50%のアルコール、および少なくとも1Mのカオトロピック塩、好ましくは少なくとも2Mのカオトロピック塩、より好ましくは少なくとも3Mのカオトロピック塩を含む。
上記の洗浄溶液の代わりとして、またはそれに加えて、用いることができるさらなる適切な洗浄溶液は、アルコール、および必要に応じて生物学的緩衝液を含む。好ましくは、イソプロパノールまたはエタノール、最も好ましくはエタノールがこの2回目の洗浄ステップに用いられる。好ましくは、エタノールは、少なくとも50% v/v、少なくとも60% v/v、好ましくは少なくとも70% v/vの濃度で用いられる。生物学的緩衝液は好ましくはTrisである。
上記の洗浄溶液の代わりとして、または必要に応じてそれに加えて、用いることができるさらなる適切な洗浄溶液は、アルコールを含むが、塩を含まない。好ましくは、アルコールは、少なくとも50% v/v、少なくとも60% v/v、好ましくは少なくとも70% v/vの濃度で含まれる。好ましくは、濃度は、50% v/v〜100% v/v、より好ましくは90% v/v〜100% v/vの範囲にある。
一実施形態によれば、カラムに含まれる核酸結合性固相(またはその一部)は、結合した核酸と共に、例えば、増幅反応などの分析に直接、供される。例えば、結合した核酸と共に膜または別の核酸結合性固相をPCR反応へ直接、供することが可能であることは、よく知られている。核酸は、ここで、PCR条件により少なくとも部分的に溶出している。しかしながら、好ましくは、別個の溶出ステップがステップd)として実施される。ここにおいて、溶出は、例えば、水、溶出緩衝液、特に、Trisまたは他の適切な生物学的緩衝液などの生物学的緩衝液などの古典的な溶出溶液で実施され得、好ましくは、意図される下流の適用に干渉しない溶出溶液が用いられる。したがって、例えば、低塩溶液を溶出に用いることができる。溶出溶液は、アジ化物を含んでもよい。溶出はまた、加熱によって補助されてもよい。溶出後、溶出物はまた、熱変性させることもできる。
獣医学的全血試料は、有蹄動物、または鉤爪を有する哺乳動物から得られてもよい。好ましくは、それは、大きい家畜、好ましくは、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、こぶうし(zebu)、シマウマ、バッファロー、スイギュウ、ロバ、アルパカ、ヒトコブラクダ、ラクダ、ラマ、シカ、およびブタなどの有蹄動物から得られる。動物全血試料は、収集後、抗凝固剤としてEDTA、シトレート、またはヘパリンで処理されてもよく、または処理済みであってもよい。それぞれ処理/安定化された全血試料は、本発明による方法に用いるのに適しており、全血試料を処理する場合の標準である場合が多い。試料は、新鮮かまたは凍結かのいずれでもあり得る。好ましくは、50μl〜500μl、好ましくは50μl〜250μlの獣医学的全血が、出発材料として用いられる。典型的には、本発明による方法を用いる場合、200μlの全血を用いることができる。当然のことながら、適切なインプット体積はまた、カラムのサイズに依存する。最高250μlまで、好ましくは最高200μlまでの全血が、約600〜700μlの全体の収容力を有する標準実験用スピンカラムについてのインプット体積として推奨される。しかしながら、例えば、炎症性疾患または腫瘍性疾患による、非常に上昇した細胞数は、試料における宿主核酸含有量を強く増加させ得る。この場合、試料インプットの低減は、下流アッセイにおける結果を向上させ得る。
さらに、本発明による方法はまた、組織、血漿、血清、乳、尿、スワブ、洗浄液などの他の種類の獣医学的試料に用いられてもよい。実施例は、本発明による方法が、獣医学的全血試料からだけでなく、他の獣医学的試料からも核酸を効率的に単離することを可能にすることを実証している。それは、乳試料または特定の組織試料などの試料の組成により目詰まりリスクが存在する試料から核酸を単離するのに特に適している。したがって、一実施形態によれば、本発明による方法は、動物全血から核酸を単離するために用いられず、乳試料または他の試料、特に、ポリオキシエチレン脂肪アルコールエーテルが結合混合物に組み入れられていない場合には、カラムを詰まらせるというリスクをもたらす試料から核酸を単離するために用いられる。
本明細書で用いられる場合、用語「核酸」は特に、典型的にはサブユニット間のホスホジエステル結合によるが、場合によっては、ホスホロチオエート、メチルホスホネートなどにより、共有結合しているリボヌクレオシドおよび/またはデオキシリボヌクレオシドを含むポリマーを指す。核酸には、gDNA;環状DNA;低分子量DNA、プラスミドDNA;循環DNA;hnRNA;mRNA;非限定的にrRNA、tRNA、miRNA(ミクロRNA)、siRNA(低分子干渉RNA)、snoRNA(核小体低分子RNA)、snRNA(核内低分子RNA)、およびstRNA(一過性低分子)RNA)を含む、非コードRNA(ncRNA);ウイルス核酸または細菌核酸などの病原体核酸、断片化または分解化核酸;ミトコンドリアまたは葉緑体などの細胞内小器官から得られる核酸;ならびに生物学的試料中に存在する可能性がある微生物、寄生生物、またはDNAウイルスもしくはRNAウイルスから得られる核酸が挙げられるが、それらに限定されない。生物学的試料へ加えられ、または「スパイクされる」、ヌクレオチド類似体を含んでも含まなくてもよい、合成核酸配列もまた、本発明の範囲内である。
本発明による方法は、RNAおよびDNAを一緒に単離するのに特に適している。しかしながら、RNAとは別個にDNAを単離するために、またはその逆のために、特定の手段を適用することも本発明の範囲内である。適切な方法には、適切な固相が最初、主に非標的核酸が固相に結合する条件下で加えられる方法が挙げられるが、それらに限定されない。標的核酸から非標的核酸を選択的に除去し、それにより、例えば、DNAのRNAからの分離を可能にするための適切な方法は、欧州特許第0880537号明細書および国際公開第95/21849号パンフレットに記載されている。追加として、または代替として、分解酵素(デオキシリボヌクレアーゼおよびリボヌクレアーゼ)を用いることができた。
一実施形態によれば、単離された核酸は、病原体核酸、すなわち、病原体から生じた核酸を含む。実施例によって示されているように、本発明による方法は、獣医学的全血試料から病原体核酸を単離するのに特に適している。動物全血からの病原体核酸の単離は、それぞれの病原体核酸がその中に少量しか含まれない場合が多いため、特に難しい。病原体核酸には、ウイルス、グラム陰性細菌およびグラム陽性細菌を含む細菌、原生動物および寄生性の真核生物などの寄生生物に由来する核酸が挙げられるが、それらに限定されない。獣医学分野にとって重要である主要な病原体の例には、ウシウイルス性下痢症ウイルス(BVDV)、ブルータングウイルス(BTV)、ブタサーコウイルス(PCV)、サルモネラ種(salmomella spp.)、およびバベシア種(babesia spp.)が挙げられるが、それらに限定されない。特に、本発明は、病原体の存在または量の分析または検出のために核酸を調製することについて利点を提供し、最適な診断方法は、例えば、ブルータングウイルスについての場合のように、全血からの核酸抽出に基づき、または基づかなければならない。
上記のような化学物質およびプロテイナーゼKでの処理は、通常、試料がグラム陰性細菌を含み、または含むのではないかと疑われる場合においても、試料の完全な溶解にとって十分である。しかしながら、標的病原体の種類に依存して、試料の効果的な溶解、および含まれる可能性がある病原体核酸の遊離を確実にするために特定の溶解手段が推奨される。したがって、効率的な溶解を確実にするために特定の前処理プロトコールを実施することが賢明であり得る。例えば、グラム陽性細菌の細胞壁は、追加の方法を用いることによって通常、破壊されるはずである。全血試料からそのような細菌由来の核酸を単離することを意図する場合の最大限の溶解効率のために、例えば、ガラスビーズを用いる、機械的破壊により溶解を補助することが推奨される。さらに、試料は、消泡剤、および、好ましくはSDSなどの、陰イオン性界面活性剤で処理されてもよい。したがって、一実施形態によれば、全血試料は、必要に応じて、機械的破壊(上記参照)中、消泡剤、および少なくとも1%の濃度で、好ましくは2%〜15%、2%〜10%、最も好ましくは2〜5%の間の濃度で陰イオン性界面活性剤、好ましくはSDSを含む溶解溶液で処理される。前記の(事前)溶解混合物における陰イオン性界面活性剤、好ましくはSDSの濃度は、好ましくは、0.3%から5%までの範囲にある。前記溶解溶液は、追加として、キレート化剤および塩を含んでもよい。pHは、好ましくは、8より上である。その後、例えば機械的破壊を支援するためのガラスビーズを追加として含むそれぞれの混合物は、約5〜15分間、ボルテックスされる。上清が得られ、その後、上記のような溶解手順に定型的に供され、好ましくは、カオトロピック剤、非イオン性界面活性剤、およびタンパク質分解酵素が加えられる。適切な溶解プロトコールの詳細は上で記載されている。
本発明による方法で抽出された核酸は、タンパク質、ヌクレアーゼ、および他の不純物を含まず、それゆえに、特定の標的核酸の存在もしくは非存在を検出するための、またはその定量化のための方法、あるいは標的の遺伝子型を決定するための方法においてなどの下流での適用にすぐ使える状態である。基本的に、獣医学的全血試料から単離された核酸は、脊椎動物ゲノムDNAを含むそれぞれの核酸の使用を含む任意の標準方法に用いることができ、その方法には、病原体検出、および例えば育種を目的とした、遺伝子型同定が挙げられるが、それらに限定されない。
単離された核酸の分析/さらなる処理は、任意の核酸分析/処理方法を用いて実施することができ、その方法には、増幅テクノロジー、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、等温増幅、逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)、定量的リアルタイムポリメラーゼ連鎖反応(Q−PCR)、デジタルPCR、ゲル電気泳動、キャピラリー電気泳動、質量分析、蛍光検出、紫外分光法、ハイブリダイゼーションアッセイ、DNAまたはRNAシーケンシング、制限分析、逆転写、NASBA、アレル特異的ポリメラーゼ連鎖反応、ポリメラーゼサイクリングアッセンブリ(PCA)、非対称ポリメラーゼ連鎖反応、指数関数後線形ポリメラーゼ連鎖反応(linear after the exponential polymerase chain reaction)(LATE−PCR)、ヘリカーゼ依存性増幅(HDA)、ホットスタートポリメラーゼ連鎖反応、配列間特異的ポリメラーゼ連鎖反応(intersequence−specific polymerase chain reaction)(ISSR)、逆ポリメラーゼ連鎖反応、ライゲーション媒介型ポリメラーゼ連鎖反応、メチル化特異的ポリメラーゼ連鎖反応(MSP)、多重ポリメラーゼ連鎖反応、ネステッドポリメラーゼ連鎖反応、固相ポリメラーゼ連鎖反応、またはそれらの任意の組み合わせが挙げられるが、それらに限定されない。それぞれのテクノロジーは当業者によく知られており、したがって、ここでさらに記載する必要はない。
さらに、本発明は、上記のような核酸を単離するための方法が実施される、獣医学的全血試料から病原体酸(pathogen acid)を単離するための方法を提供する。実施例によって示されているように、それぞれの方法は、獣医学的全血試料から病原体核酸を単離するのに特に適している。
さらに、本発明は、本発明の第1態様による方法を実施するステップ、および単離された核酸において少なくとも1つの病原体標的核酸の存在または非存在を検出するステップを含む、獣医学的全血試料において少なくとも1つの標的病原体核酸の存在または非存在を検出するための方法に関する。好ましくは、標的病原体核酸は、増幅方法を用いて、好ましくはポリメラーゼ連鎖反応により、検出される。病原体RNAが検出されると想像される場合、好ましくはRT−PCRが実施される。検出はまた、病原体核酸の定量化を包含する。典型的な病原体は上で記載されており、それぞれの開示を参照されたい。
本発明は、今、様々な実施例によって例証されており、その実施例は、本発明の範囲に対して非限定的である。
本発明者らは、全て、結合混合物においてカオトロピック塩およびアルコール(および主にまた、非イオン性界面活性剤)を用いる多数の核酸単離方法を、獣医学的全血試料から核酸を単離する能力について、試験し、かつ比較している。標準の膜に基づいた核酸精製手順について、種々のカオトロピック塩(例えば、塩酸グアニジンまたはチオシアン酸グアニジン)、種々のカオトロピック塩濃度(例えば、1.9M〜2.6M)、および/または種々のアルコール濃度(例えば、10〜45%)が結合混合物に用いられたにも関わらず、カラムの目詰まりは常に起きることが見出された。これらの先行技術プロトコールにおいて用いられる非イオン性界面活性剤(例えば、Tween 20またはTriton X100)もまた、カラムの目詰まりを防止することができなかった。したがって、たとえ、これらの方法が、様々な種類の獣医学的試料(血漿、尿、および組織など)から核酸を単離するのに非常にうまく働くとしても、それらは、獣医学的全血試料から核酸を単離することには、カラムが詰まるため、不適切であった。したがって、基本的に標準核酸単離プロトコール、ただし、特定の界面活性剤が結合混合物に含まれるプロトコールを用いることにより、観察されるカラムの目詰まりが防止され得ることは非常に驚くべきことであった。少なくとも1つのポリオキシエチレン脂肪アルコールエーテルを結合混合物に組み入れる場合、カラムの目詰まりは効率的に防止され得ることが見出された。それにより、動物全血から核酸を単離する場合、膜目詰まりは、効率的に防止することができる。それぞれの結合混合物を用いる場合、カラムの目詰まりは防止することができる。さらに、溶解した試料を提供するために、種々の溶解方法を用いることができることを、本実施例は示している。さらに、種々の濃度のアルコール(複数可)、カオトロピック塩(複数可)、およびポリオキシエチレン脂肪アルコールエーテルを用いる場合もまた、カラムの目詰まりが防止されることを本実施例は実証している。
したがって、結合ステップにおけるそれぞれの特定の界面活性剤(好ましくは、ポリオキシエチレンセチルエーテル、より好ましくはポリオキシエチレン(20)セチルエーテルである)の組み入れは、動物全血から核酸を単離する場合、膜が詰まるというリスクを大いに低下させる。
先行技術方法と比較した本発明による方法の有利な効果は、図1に示されている。塩酸グアニジンおよびTween 20を約6.5%の濃度で含有する結合緩衝液を用いる標準方法を用いての、ウシ全血から核酸を単離しようと試みる場合に起こる目詰まりを図1は示している(チューブ1+2参照)。目詰まりが起きるため、結合混合物はカラムを通過することができない。ポリオキシエチレン(20)セチルエーテルが結合混合物中に約10%の濃度で組み入れられる場合には、目詰まりは起きない(チューブ3+4参照)。
(実施例1)
種々の獣医学的試料(および陽性対照として、PBS緩衝液)に、BVDVウイルス粒子をスパイクし、種々の結合条件を用いる種々のプロトコールで、核酸を単離した。全てのプロトコールにおいて、プロテイナーゼK(20μl)を溶解のために加えた。
プロトコール1において、ポリオキシエチレン(20)セチルエーテルおよびGTCを含む溶解緩衝液を加えることにより、溶解を行った。その後、GTC、イソプロパノール、およびポリオキシエチレン(20)セチルエーテルを含む結合緩衝液を、溶解した試料に加えた。生じた結合混合物は、2.31M GTC、13%イソプロパノール、および6.5%ポリオキシエチレン(20)セチルエーテルを含んだ。
プロトコール2において、塩酸グアニジンおよび非イオン性界面活性剤(Tween 20およびTriton X−100)の混合物を含む溶解緩衝液を加えることにより、溶解を行った。その後、GTC、イソプロパノール、およびポリオキシエチレン(20)セチルエーテルを含む結合緩衝液を、溶解した試料に加えた。生じた結合混合物は、2.3Mの総合的濃度でのカオトロピック塩GTCおよびGuHCL、22%イソプロパノール、ならびに6.7%ポリオキシエチレン(20)セチルエーテルを含んだ。
プロトコール3において、塩酸グアニジンおよびTriton X−100を含む溶解緩衝液を加えることにより、溶解を行った。その後、GTCおよびエタノールを含む結合緩衝液を、溶解した試料に加えた。生じた結合混合物は、2Mの総合的濃度でのカオトロピック塩GTCおよびGuHCL、33%エタノール、ならびにTriton X−100を含んだ。
各プロトコールを用いて単離された核酸の5μlを、単離された核酸においてBVDV RNAを検出するために次のRT−PCRに用いた。そのようなアッセイにおいて得られたより低いCt値は、より多くのBVDV RNAがその反応において存在したこと、およびそれゆえに、BVDV RNAがより高い収率で単離されたことを示している。結果は、図2において示されている。プロトコール1〜3は、PBS陽性対照試料、血清、尿、および糞便についてかなり同一のCt値を達成した。これは、全てのプロトコール1〜3が、前記獣医学的試料から核酸を単離する場合、同等にうまく働くことを示している。しかしながら、プロトコール3を用いて種々の獣医学的全血試料(ウシおよびヒツジの血液)から単離された核酸において、BVDV RNAを検出することができなかった。プロトコール3に関して、カラムは詰まった。したがって、結合混合物において非イオン性界面活性剤としてTriton X−100を含むプロトコール3を用いる場合、動物全血から核酸を単離することは不可能であった。しかしながら、プロトコール1および2、ならびにしたがって、本発明による方法を用いて、前記獣医学的全血試料から核酸を効率的に単離することができた。
(実施例2)
様々な種由来の200μlの全血試料(および陽性対照として、0.9%塩化ナトリウム溶液)に、BVDV粒子をスパイクした。前記試料を、塩酸グアニジン(GuHCL)およびTween 20を含有する結合混合物を用いる標準方法か、または結合混合物中に種々の濃度のチオシアン酸グアニジン(GTC)およびポリオキシエチレン(20)セチルエーテルを用いる本発明の教示の種々の変形のいずれかで処理した。溶解を、プロテイナーゼKの添加によって支援した:
方法A:結合混合物中、1.81M GuHCl、32.2%EtOH、6.5%Tween 20
方法B:結合混合物中、1.9M GTC、24%イソプロパノール、8.5%ポリオキシエチレン(20)セチルエーテル
方法C:結合混合物中、1.5M GTC、17%イソプロパノール、7.6%ポリオキシエチレン(20)セチルエーテル、0.3%SDS
方法D:結合混合物中、1.5M GTC、19%イソプロパノール、6.8%ポリオキシエチレン(20)セチルエーテル、0.3%SDS。
QIAamp 96プレート上で減圧デバイスを用いて、処理を行った。方法Aを用いた場合、カラムの目詰まりは起こった。方法B、C、およびDを用いた場合、目詰まりは観察されなかった。単離された核酸に含まれるBVDV RNAを検出するための次のRT−PCRにおいて、方法Aについてより、方法B、C、およびDについてより低いCt値が達成され、方法Aにおいては、ヒツジおよびブタの血液についてのデータ点のドロップアウトさえも生じた。より低いCt値は、より多くのBVDV RNAがその反応において存在したこと、およびそれゆえに、BVDV RNAがより高い収率で単離されたことを示している。結果は、図5に示されている。
(実施例3)
ウシおよびヒツジの血液に、BHV1ウイルス粒子をスパイクし、本発明による方法の種々の変形を用いて処理した。プロテイナーゼK、ならびに非イオン性界面活性剤(Tween 20およびTriton X−100)の混合物およびカオトロピック塩(GuHCL)を含む溶解溶液を用いて、試料を溶解した。結合について、カオトロピック塩(GTC)、イソプロパノール、およびポリオキシエチレン(20)セチルエーテルを含む、種々の体積の結合溶液を加えた。それにより、種々の濃度のカオトロピック塩(2.14M〜2.36M)、アルコール(12.8%〜23.4%)、およびポリオキシエチレン(20)セチルエーテル(3.8%〜7%)を有する種々の結合混合物が得られた。種々の濃度のポリオキシエチレン(20)セチルエーテルを用いて、目詰まりは、効率的に防止することができた。本発明による方法の全ての種々の変形は、図6として提示された結果により示されているように、試験された全血試料から核酸を単離することができた。PCR反応の阻害がないことは、2.5μlと10μlのテンプレート体積の間での約2のct差によって示されている。したがって、本発明による方法は、種々の濃度のカオトロピック塩、アルコール、およびポリオキシエチレン(20)セチルエーテルで働く。
(実施例4)
図5および6はさらに、本発明による方法が、種々の動物全血試料から細胞核酸、ここではゲノムDNAを単離するのに適していることを実証している。図5および6は、実施例1のプロトコール2を用いて処理された6つの異なる動物血液試料の光度測定値およびエチジウムブロマイド(ethitiumbromide)染色アガロースを示す。ゲルは、自動の常磁性シリカ粒子に基づいたDNA単離手順(QIAsymphony DNA血液)との比較を示す。各試料について3つの反復物が示されている。
(実施例5)
核酸単離プロトコールが確実に働き、かつそれゆえに、異なるユーザーによって等しく効果的に用いられ得ることも重要である。前記ユーザー間一致性を試験するために、種々の試料にS.entericaをスパイクした。細菌DNAを、実施例1のプロトコール2を用いて、抽出した。同じ試料が、異なるユーザーにより並行して処理された。結果は図7に示されている。高いユーザー間一致性が、本発明による方法に関して達成され、そのことは、医学/診断分野にとって非常に重要である。
(実施例6)
本発明によるこのプロトコールに従って、20μlのプロテイナーゼKを2ml微量遠心管へピペッティングで加える。200μlの全血試料を該プロテイナーゼKに加える。その後、5Mより上の濃度での塩酸グアニジンおよび約15%の濃度での非イオン性界面活性剤(Tween 20およびTriton X−100)の混合物を含む溶解緩衝液を加える。効率的な溶解を確実にするために、試料を溶解緩衝液と混合して、均一な溶液を生じさせる。それにより、約2M GuHCL、約5%非イオン性界面活性剤(Tween 20およびTriton X−100)を含む溶解混合物が得られる。グラム陽性細菌由来の標的核酸の単離が意図される場合には、プロテイナーゼK処理の前に、陰イオン性界面活性剤、好ましくはSDS(例えば、緩衝液ATL(QIAGEN)を用いることができる)を含む溶解緩衝液で試料を前処理することが推奨される。
それぞれの混合物を、20〜25℃で15分間、インキュベートして試料を溶解する。その後、遠心管を、短時間だけ遠心分離して、蓋の内側から液滴を除去した。その後、350μlの結合緩衝液を該試料に加えた。それぞれの緩衝液は、ポリオキシエチレン(20)セチルエーテル、カオトロピック塩(GTC)、およびイソプロパノールを含む。キャップを閉め、パルスボルテックスにより徹底的に混合する。それにより、2.3Mのカオトロピック塩(GuHClおよびGTC)、21%のイソプロパノール、および6.3%のポリオキシエチレン(20)セチルエーテルを含む結合混合物が得られる。
それぞれに調製された結合混合物を、縁を濡らすことなく、2mlの収集管内の(シリカ膜を含む)QIAamp Miniカラムへ入れる。キャップを閉め、8000rpmで1分間、遠心分離する。QIAamp Miniカラムを、きれいな2ml収集管へ入れ、濾液を含有する収集管を捨てる。
その後、600μl洗浄緩衝液AW1(QIAGEN)を、縁を濡らすことなく加える。8000rpmで1分間の遠心分離後、QIAamp Miniカラムを、きれいな2ml収集管へ入れ、濾液を含有する管を捨てる。その後、600μl洗浄緩衝液AW2(QIAGEN)を、縁を濡らすことなく加える。8000rpmで1分間の遠心分離後、QIAamp Miniカラムを、きれいな2ml収集管へ入れ、濾液含有管を捨てる。その後、膜を、最高速度(14,000rpm)で2分間の遠心分離により乾燥させる。
QIAamp Miniカラムを、きれいな1.5ml微量遠心管へ入れ、濾液を含有する収集管を捨てる。溶出について、50〜150μlの緩衝液AVE(QIAGEN)を、膜の中央に加える。キャップを閉め、室温で1分間、インキュベートする。最高速度(14,000rpm)で1分間の遠心分離後、溶出物を収集することができる。

Claims (15)

  1. 少なくとも以下のステップを含む、獣医学的全血試料から核酸を単離するための方法:
    a)以下を含む結合混合物を調製するステップ:
    −溶解した該試料
    −少なくとも1つのカオトロピック剤
    −少なくとも1つのアルコール
    −少なくとも1つのポリオキシエチレン脂肪アルコールエーテル;
    b)核酸結合性固相を含むカラムに該結合混合物を通過させ、それにより、核酸を該核酸結合性固相に結合させるステップ;
    c)必要に応じて、該核酸を、該固相に結合した状態で、洗浄するステップ;
    d)必要に応じて、該核酸を該固相から溶出するステップ。
  2. i)前記ポリオキシエチレン脂肪アルコールエーテルが、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、およびポリオキシエチレンオレイルエーテルからなる群から選択され;
    ii)該ポリオキシエチレン脂肪アルコールエーテルが、ポリオキシエチレン(4)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(23)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(2)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(10)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(20)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(2)ステアリルエーテル、ポリオキシエチレン(10)ステアリルエーテル、ポリオキシエチレン(20)ステアリルエーテル、ポリオキシエチレン(2)オレイルエーテル、ポリオキシエチレン(10)オレイルエーテル、ポリオキシエチレン(20)オレイルエーテル、および/もしくはポリオキシエチレン(100)ステアリルエーテルを含む群から選択され;
    ii)該ポリオキシエチレン脂肪アルコールエーテルが、ポリオキシエチレンセチルエーテルであり;ならびに/または
    iii)該ポリオキシエチレン脂肪アルコールエーテルが、ポリオキシエチレン(20)セチルエーテルである、
    請求項1に記載の方法。
  3. 前記ポリオキシエチレン脂肪アルコールエーテルが、前記結合混合物中に、約0.5%〜約20%、約2%〜約15%、約3%〜約12%、好ましくは4%〜約10%から選択される範囲にある濃度で含まれる、請求項1〜2の一項または複数の項に記載の方法。
  4. 前記カオトロピック剤が以下の特性の1つまたは複数を有する、請求項1〜3の一項またはそれより多くの項に記載の方法:
    i)それはカオトロピック塩である;
    ii)それは、塩酸グアニジウム、チオシアン酸グアニジウム、イソチオシアン酸グアニジウム、チオシアン酸ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、過塩素酸ナトリウム、トリクロロ酢酸ナトリウム、およびトリフルオロ酢酸ナトリウムからなる群から選択されるカオトロピック塩である;ならびに/または
    iii)それは、前記結合混合物中、約0.1M〜最高7M、約0.2M〜6M、約0.5M〜4M、および約0.5M〜3Mから選択される範囲にある濃度で含まれる。
  5. 前記結合混合物中に含まれる少なくとも1つの前記アルコールが、以下の特性の1つまたは複数を有する、請求項1〜4の一項またはそれより多くの項に記載の方法:
    i)それは、1〜5個の炭素原子を有する短鎖の分岐型または非分岐型アルコールである;
    ii)それは、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、およびブタノールから選択される;ならびに
    iii)該アルコールは、該結合混合物中に、少なくとも10%、少なくとも15%、および少なくとも20%から選択される濃度で含まれる。
  6. 単離された前記核酸が病原体核酸を含む、請求項1〜5の一項またはそれより多くの項に記載の方法。
  7. ステップa)における前記結合混合物の調製が以下のステップを含む、請求項1〜6の一項またはそれより多くの項に記載の方法:
    i)前記獣医学的全血試料を溶解するステップ;ならびに
    ii)1つ以上の添加剤を、好ましくは結合溶液の形で、溶解した該試料に加え、それにより以下を含む結合混合物を調製するステップ:
    −溶解した該試料
    −少なくとも1つのカオトロピック剤
    −少なくとも1つのアルコール、および
    −少なくとも1つのポリオキシエチレン脂肪アルコールエーテル。
  8. 前記全血試料が、好ましくは抗凝固剤の使用によって、安定化される、請求項1〜7の一項またはそれより多くの項に記載の方法。
  9. 前記試料の溶解が以下の1つ以上を含む、請求項1〜8の一項またはそれより多くの項に記載の方法:
    i)少なくとも1つのタンパク質分解酵素の添加;
    ii)少なくとも1つのカオトロピック剤の添加;
    iii)少なくとも1つの界面活性剤の添加;
    iv)少なくとも1つのキレート化剤の添加;
    v)加熱、および/または
    vi)振盪。
  10. 前記試料の溶解が、少なくとも1つのカオトロピック剤および少なくとも1つの界面活性剤を含む溶解溶液の添加、ならびに少なくとも1つのタンパク質分解酵素の添加を含む、請求項9に記載の方法。
  11. 前記獣医学的全血試料が、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ロバ、ウマ、およびブタから選択される大きな家畜から得られる、請求項1〜10の一項またはそれより多くの項に記載の方法。
  12. 前記キレート化剤が、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、エチレンジニトリロ四酢酸(EDTA)、エチレングリコール四酢酸(EGTA)、およびN,N−ビス(カルボキシメチル)グリシン(NTA)から選択される、請求項9〜11の一項またはそれより多くの項に記載の方法。
  13. 前記結合混合物における条件が、結合溶液を、溶解した前記試料に加えることにより確立され、該結合溶液が、以下の特性の1つまたは複数、好ましくは少なくとも2つを有する、請求項1〜12の一項またはそれより多くの項に記載の方法:
    i)それは、約0.1M〜最高7M、約0.2M〜6M、約0.5M〜4M、および約0.5M〜3Mから選択される濃度で少なくとも1つのカオトロピック塩を含む;
    ii)それは、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、および/もしくはポリオキシエチレンオレイルエーテルからなる群から選択される少なくとも1つのポリオキシエチレン脂肪アルコールエーテルを、約0.5%〜約20%、約2%〜約15%、約3%〜約12%、好ましくは4%〜約8%から選択される範囲にある濃度で含む;
    iii)それは少なくとも1つの緩衝剤を含む;ならびに/または
    iv)それは、1〜5個の炭素原子を有する短鎖の分岐型または非分岐型アルコールを含む。
  14. 請求項1〜13の一項またはそれより多くの項に記載の方法を実施する工程を含む、獣医学的全血試料から病原体核酸を単離するための方法。
  15. 単離された前記核酸が病原体核酸を含み、該病原体核酸が、ウイルス、細菌、および寄生生物からなる群から選択される病原体から得られる、請求項1〜14の一項またはそれより多くの項に記載の方法。
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