JP2014523862A - カルボニル化プロセスからの芳香族化合物の除去 - Google Patents

カルボニル化プロセスからの芳香族化合物の除去 Download PDF

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Abstract

本発明は、カルボニル化反応器に供給される反応物質から芳香族化合物を除去する方法に関する。芳香族化合物は、吸着剤を含む保護床を用いて除去する。
【選択図】なし

Description

[0001]本発明は、2011年5月5日出願の米国出願13/101,781(その全ての内容及び開示事項を参照として本明細書中に包含する)に対する優先権を主張する。
[0002]本発明は、吸着剤を含む保護床を用いて、カルボニル化プロセスに供給される反応物質組成物から芳香族化合物を除去する方法に関する。
[0003]酢酸を合成するための広範囲に用いられて成功している商業的プロセスは、一酸化炭素によるメタノールの接触カルボニル化を含む。触媒は、ロジウム及び/又はイリジウム、並びにハロゲン促進剤、通常はヨウ化メチルを含む。反応は、その中に触媒を溶解させた液体反応媒体を通して一酸化炭素を連続的にバブリングすることによって行う。反応媒体は、酢酸メチル、水、ヨウ化メチル、及び触媒も含む。メタノールをカルボニル化するための従来の商業的プロセスとしては、米国特許3,769,329、5,001,259、5,026,908、及び5,144,068(これらの全ての内容及び開示事項を参照として本明細書中に包含する)に記載されているものが挙げられる。他の従来のメタノールカルボニル化プロセスとしては、Jones, J.H. (2002), "The Cativa Process for the Manufacture of Acetic Acid", Platinum Metals Review, 44 (3): 94-105(この全ての内容及び開示事項を参照として本明細書中に包含する)において議論されているCativa(登録商標)プロセスが挙げられる。反応溶液は反応器から排出し、精製して酢酸を得る。
[0004]酢酸の商業的製造においては、酢酸を精製する際に、触媒、促進剤、及びカルボニル化反応中に形成される不純物を除去するための幾つかの方法がある。カルボニル化プロセス中に形成される不純物に加えて、幾つかの反応物質は、それらの源及び純度に応じて、カルボニル化プロセスを通過する可能性がある微量の不純物を含む可能性がある。これらの「通過した」不純物は、通常の精製技術を用いて除去することは困難である可能性がある。而して、得られる酢酸は不純物を含んでいて、これにより所望の最終用途のために好適でない規格外製品を形成する可能性がある。
米国特許3,769,329 米国特許5,001,259 米国特許5,026,908 米国特許5,144,068
Jones, J.H. (2002), "The Cativa Process for the Manufacture of Acetic Acid", Platinum Metals Review, 44 (3): 94-105
[0005]その結果、酢酸の製造において不純物、特に通過した不純物を除去するための更なるプロセスに対する必要性が存在する。
[0006]第1の態様においては、本発明は、(i)メタノール、酢酸メチル、ギ酸メチル、ジメチルエーテル、及びこれらの混合物からなる群から選択される反応物質、及び(ii)芳香族化合物、好ましくは反応物質組成物の全重量を基準として少なくとも1wppmの芳香族化合物を含む反応物質組成物を、吸着剤を含む保護床と接触させて脱芳香族反応物質組成物を形成し;水、酢酸、酢酸メチル、ヨウ化メチル、及び触媒を含む反応媒体を含む反応器内において、一酸化炭素を脱芳香族反応物質組成物と反応させて酢酸を含む反応溶液を生成させ;そして、反応器から、芳香族化合物を実質的に含まない反応溶液を排出する;ことを含む、低い芳香族含量を有するカルボニル化生成物を製造するためのカルボニル化方法に関する。一態様においては、吸着剤は、活性炭、ゼオライト、活性化アモルファスクレイ、金属酸化物、又はシリカ質吸着剤を含む。反応物質組成物1gに対して少なくとも6mgの吸着剤を用いることができる。一態様においては、芳香族化合物は、ベンゼン、トルエン、キシレン類、エチルベンゼン、ナフタレン、ベンゼン誘導体、及びこれらの混合物からなる群から選択される。一態様においては、脱芳香族反応物質組成物は、脱芳香族反応物質組成物の全重量を基準として40wppm未満の芳香族化合物を含み、反応物質組成物よりも低い芳香族化合物の濃度を有する。一態様においては、芳香族化合物の少なくとも40%を保護床によって除去する。
[0007]第2の態様においては、本発明は、メタノール、酢酸メチル、ギ酸メチル、ジメチルエーテル、及びこれらの混合物からなる群から選択される反応物質の組成物中の芳香族化合物の濃度を測定し、芳香族化合物の測定濃度が1wppmよりも高い場合には、反応物質組成物を、吸着剤を含む保護床と接触させて40wppm未満を有する脱芳香族反応物質組成物を形成し(但し、脱芳香族反応物質組成物の芳香族化合物の濃度は反応物質組成物の芳香族化合物の濃度よりも低く)、水、酢酸、酢酸メチル、ヨウ化メチル、及び触媒を含む反応媒体を含む反応器内において、一酸化炭素を脱芳香族反応物質組成物と反応させて酢酸を含む反応溶液を生成させ、そして反応器から芳香族化合物を実質的に含まない反応溶液を排出することを含む、低い芳香族含量を有するカルボニル化生成物を製造するためのカルボニル化方法に関する。一態様においては、芳香族化合物は、ガスクロマトグラフィー及びUV分光光度測定からなる群から選択されるオンライン分析器を用いて測定する。一態様においては、この方法は、保護床の前に、反応物質組成物よりも少ない芳香族化合物を含む新しい反応物質を反応物質組成物に加えることを更に含む。
[0008]第3の態様においては、本発明は、(i)メタノール、酢酸メチル、ギ酸メチル、ジメチルエーテル、及びこれらの混合物からなる群から選択される反応物質、(ii)芳香族化合物、及び(iii)アミンを含む反応物質組成物を、吸着剤を含む保護床と接触させて脱芳香族反応物質組成物を形成し;脱芳香族反応物質組成物を、交換樹脂、好ましくはスルホン化スチレン−ジビニルベンゼンコポリマーと接触させて、減少したアミン含量を有する精製した脱芳香族反応物質組成物を生成させ;水、酢酸、酢酸メチル、ヨウ化メチル、及び触媒を含む反応媒体を含む反応器内において、一酸化炭素を精製した脱芳香族反応物質組成物と反応させて酢酸を含む反応溶液を生成させ;そして、反応器から、芳香族化合物及びアミン化合物を実質的に含まない反応溶液を排出する;カルボニル化方法に関する。一態様においては、精製した脱芳香族反応物質組成物は、精製した脱芳香族反応物質組成物の全重量を基準として1wppm未満のアミンを含む。反応物質組成物は、反応物質組成物の全重量を基準として100wppm未満のアミンを含んでいてよい。
[0009]下記において、添付の図面を参照して本発明を詳細に説明する。図面において同様の番号は同様の構成要素を示す。
[0010]図1は、本発明の一態様による保護床を有するカルボニル化プロセスを示す。 [0011]図2は、本発明の一態様による反応物質供給流のための保護床及び交換樹脂を有するカルボニル化セクションを示す。
[0012]本発明は、概して低水条件下におけるメタノールのカルボニル化による酢酸製造に関する。カルボニル化プロセスに供給するメタノール反応物質組成物は、グレードに応じて1種類以上の芳香族及び/又はアミン化合物などの低いレベルの不純物を含む可能性がある。芳香族化合物は、ベンゼン、トルエン、キシレン類、エチルベンゼン、ナフタレン、他のベンゼン誘導体、及びこれらの混合物からなる群から選択することができる。通常は、芳香族化合物は、例えばメタノール反応物質を、以前に石油化学化合物又はメタノール反応物質以外の化合物を収容していたトレーラー、容器、パイプ、又は船舶内で輸送することによって生じるメタノール反応物質組成物中の汚染物質である可能性がある。芳香族化合物は、少なくとも1wppm、例えば少なくとも50wppm、又は少なくとも75wppmの量で存在する可能性がある。範囲に関しては、芳香族化合物は、1〜800wppm、例えば50〜500wppm、又は50〜100wppmの量で存在する可能性がある。
[0013]かかる芳香族化合物は酢酸から分離することが困難であり、したがってカルボニル化プロセスの後の更なる精製は芳香族化合物を除去するのには有効ではない可能性がある。その結果、芳香族化合物は酢酸と一緒に酢酸分離系列を通過する可能性があり、これにより規格外の酢酸製品が得られる。一態様においては、吸着剤を含む保護床を用いて、カルボニル化反応器に供給される反応物質組成物から芳香族化合物の大部分を除去する。得られる脱芳香族反応物質組成物は、保護床に供給される反応物質組成物よりも低い芳香族化合物濃度を有する。例えば、保護床によって、芳香族化合物の少なくとも40%、たとえば少なくとも60%、少なくとも75%、又は少なくとも90%を反応物質から除去することができる。
[0014]保護床のための吸着剤は、好ましくは液相中の芳香族化合物を除去するのに適したものである。好適な吸着剤としては、たとえば活性炭、ゼオライト、活性化アモルファスクレイ、金属酸化物(酸化鉄、ジルコニウム酸化物、アルミナ、チタニア)、又はシリカ質吸着剤(酸化ケイ素又はシリカゲル)を挙げることができる。吸着剤は、窒素ガス吸収によって測定して少なくとも100m/g、例えば少なくとも250m/g、又は少なくとも500m/gの表面積を有していてよい。より好ましくは、吸着剤として活性炭を用いる。活性炭は、ヤシ殻、堅果殻、石炭、及び褐炭のような種々の炭素質の原材料から製造することができる。20×40、12×40、8×20、8×30のサイズを有する粒状活性炭を、保護床において用いることができる。一態様においては、保護床を通過する反応物質組成物1gに対して少なくとも6mg、より好ましくは少なくとも10mg、又は少なくとも100mgの吸着剤を用いることができる。保護床から排出される脱芳香族反応物質組成物は、40wppm未満、例えば30wppm未満、又は20wppm未満の芳香族化合物の濃度を有していてよい。範囲に関しては、脱芳香族反応物質組成物中の芳香族化合物の濃度は、0.1wppm〜40wppm、例えば0.1〜30wppm、又は0.1〜20wppmの範囲であってよい。幾つかの態様においては、保護床は、反応物質組成物から芳香族化合物の実質的に全部を除去することができるものであってよい。反応物質組成物から芳香族化合物を除去することによって、カルボニル化反応器からの反応溶液の芳香族化合物の濃度が減少するので、反応溶液も40wppm未満の芳香族化合物を含む。
[0015]反応物質組成物中の芳香族化合物に関する1つの問題は、酢酸を例えば酢酸ビニルのような他の化学物質の合成のための出発材料として用いるまで、これらを検出することができないことである。一態様においては、反応物質組成物をカルボニル化反応器に導入する前に、反応物質組成物の一部をオンラインガスクロマトグラフ又はUV分光光度計に通して芳香族化合物の濃度をモニタリングする。
[0016]図1において、ライン101内の反応物質組成物、好ましくはメタノールをカルボニル化プロセス100に供給する。ガスクロマトグラフ102によって、ライン101内の反応物質組成物の芳香族化合物の濃度を検出する。芳香族化合物の濃度が低く、例えば0.1wppm未満である場合には、反応物質組成物又はその一部を、ライン104を通してカルボニル化反応器110に直接送ることができる。芳香族化合物の濃度が0.1wppmより高く、より好ましくは50wppmより高い場合には、反応物質組成物はライン105に送る。一態様においては、ライン105内の反応物質組成物又はその一部は保護床103に通し、吸着剤を用いて芳香族化合物を除去することができる。保護床103は図1においては固定床である。他の態様においては、保護床に流動床又は移動床を含ませることができる。単一、或いは直列及び/又は並列の複数の床を用いることができる。保護床103は任意の実用的な寸法であってよく、好ましくは床を横切る圧力降下が100kPa未満、例えば75kPa未満、又は50kPa未満となるような寸法にする。保護床103は、場合によっては0℃〜40℃、例えば15℃〜30℃の温度で運転することができる。一態様においては、保護床103は反応器110への入口に隣接させる。芳香族化合物の吸着は発熱性であり、吸着剤は発熱による温度上昇に耐えるように十分に耐久性でなければならない。
[0017]他の態様においては、ライン105内の反応物質組成物又はその一部は、芳香族化合物を実質的に含まない流れ106による他の反応物質組成物で希釈することができる。理論には縛られないが、反応物質組成物中の芳香族化合物の濃度が50wppmより多い場合には、保護床103は芳香族化合物を除去するのに非効率的である可能性があり、したがって芳香族化合物を実質的に含まない反応物質組成物の源が利用可能である限りにおいては、反応物質組成物を希釈することがより有効である可能性がある。幾つかの代表的な態様においては、流れ106は、50wppmより多い芳香族化合物、75wppmより多い芳香族化合物、又は100wppmより多い芳香族化合物を含んでいてよい。示してはいないが、幾つかの態様においては、反応物質組成物は希釈した後に保護床103に通すことができる。
[0018]保護床103から排出され及び/又は流れ106で希釈されたライン107内の得られる脱芳香族反応物質組成物は、図1に示すようにカルボニル化反応器110に直接供給することができる。
[0019]芳香族化合物及び腐食性金属の除去中に保護床103を通る反応物質組成物101の流速は、一般に1時間あたり0.8〜80ベッド体積(BV/時)、例えば1〜35BV/時、又はより好ましくは1〜25BV/時の範囲であってよい。代表的な態様においては、2.5〜3BV/時によって芳香族化合物の吸着のために十分な接触時間を与えることができる。
[0020]一態様においては、保護床103は、床への供給流を切り替えて、芳香族化合物を脱着させる溶液を通すことによって再生することができる。芳香族化合物は、反応物質組成物供給流に切り替える前に床から完全に除去する。再生としては、熱再生、溶剤再生、及び/又は化学的再生、例えば湿式空気酸化(WAO)を挙げることができる。床の500℃〜900℃の温度における熱再生及びWAO再生は、多孔質構造体からの吸着化合物を同時に分解することによって行うことができる。化学的又は溶剤再生では、メタノール、エタノール、アセトン、又はギ酸のような再生剤を、水によるすすぎと共に用いることができる。
[0021]芳香族化合物に加えて、メタノール反応物質組成物はまた、1種類以上のアミン化合物も含む可能性がある。芳香族化合物とは異なり、メタノール反応物質組成物中のアミンは、メタノール合成プロセスから誘導される可能性がある。アミン化合物は、カルボニル化プロセスにおいて、特にカルボニル化反応器及び付属のフラッシャー内に蓄積する可能性がある。アミン化合物は無機アミン塩を形成する傾向があり、これが反応器及び/又はフラッシャー内に蓄積する傾向がある。その結果、反応器及び付属のフラッシャー内での腐食が増加する傾向があり、これにより腐食金属の更なる形成がもたらされる。更なる腐食金属の存在により、反応器及び/又はフラッシャー内における腐食金属の低い濃度を維持するために更なる処理が必要である。而して、アミン化合物の存在は制御するのが困難な可能性があり、非効率的な製造をもたらす可能性がある実施可能性の問題を与える。
[0022]カルボニル化プロセス流からアミン化合物を除去する際の1つの困難性は、他の不純物、特に腐食金属汚染物質が不純物除去動力学に影響を与える傾向があることである。通常は、腐食金属汚染物質は交換樹脂を用いてプロセス流から除去される。幾つかの代表的な場合においては、酢酸のような酸溶媒を交換樹脂に加えて、腐食金属汚染物質の除去効率を向上させることができる。酢酸雰囲気は腐食金属汚染物質の除去に有利に働く可能性がある。しかしながら、腐食金属汚染物質の除去に有利に働くことは、交換樹脂がアミン化合物のような他の不純物を除去する能力を低下させる傾向がある。従来の努力は交換樹脂を用いて腐食金属汚染物質を除去することに焦点があてられていたが、上述の芳香族化合物及び/又はアミン化合物のような他の不純物を除去する必要性は認識していなかった。
[0023]一態様においては、本発明方法は、芳香族化合物及び/又はアミン化合物の存在、並びにカルボニル化プロセス流からのアミン化合物の除去に関連する問題点を克服する。
[0024]特にアミンに関しては、本発明は、腐食金属汚染物質も含む1種類以上のカルボニル化プロセス流からアミン化合物を除去することに関連する問題点に対処する。一般に、腐食金属汚染物質及びアミン化合物を含むプロセス流は酸性である。交換樹脂内における通常の酸性条件は、アミン化合物よりも腐食金属汚染物質の結合に有利に働く。而して、交換樹脂は、酸性雰囲気においてはアミン化合物を除去するのには効果がないであろう。幾つかの態様においては、腐食金属汚染物質及びアミン化合物を含むプロセス流をスリップ流と混合して、50重量%より高く、例えば60重量%より高く、75重量%より高く、又は85重量%より高い水濃度を有する水性流を形成することによって、交換樹脂内の酸性度を低下させる。範囲に関しては、水性流は、50重量%〜90重量%、例えば50重量%〜85重量%、又は60重量%〜85重量%の水濃度を有していてよい。水性流によって、交換樹脂内に、場合によっては約4.5より高いpHを有する弱酸性雰囲気又は非酸性雰囲気を生成させることができる。水性流の水濃度は、スリップ流をプロセス流と混合することによるか、又はスリップ流を交換樹脂に直接供給して、腐食金属汚染物質及びアミン化合物を含むプロセス流を希釈することによって制御することができる。水性流が高い水濃度を有しているならば、複数のスリップ流をプロセス流と混合することができる。水性流を用いると、腐食金属汚染物質の存在下においてもアミン化合物の除去を向上させることができる。
[0025]スリップ流は、メタノール、水、酢酸メチル、ヨウ化メチル、又はこれらの混合物を含んでいてよい。一態様においては、スリップ流は、メタノール、水、又はこれらの混合物を含んでいてよい。好ましくは、スリップ流は水及び少量の有機物質を含む。また、スリップ流は、例えば20重量%未満、場合によっては10重量%未満、又は5重量%未満の量の酢酸を含んでいてよい。一態様においては、スリップ流は希釈酢酸流であってよい。スリップ流は、システム内の1以上のプロセス流から得ることができる。更に、スリップ流は、幾つかの態様においては反応物質供給流の一部から得ることができる。スリップ流は、交換樹脂と接触させる前にプロセス流に加えることができ、或いは交換樹脂に直接加えることができる。
[0026]本発明の幾つかの態様においては、「プロセス流」という用語は、カルボニル化プロセス内に保持される精製中に分離された任意の流れを指す。一態様においては、芳香族化合物は、カルボニル化プロセス流ではなく、カルボニル化反応器に供給される反応物質組成物から除去する。一般に、パージされる廃棄流又は得られる酢酸生成物流はプロセス流とは呼ばない。1つ又は複数のプロセス流を、カルボニル化反応器に直接的又は間接的に再循環することができる。一態様においては、1以上のプロセス流を交換樹脂で処理して腐食金属汚染物質及びアミン化合物を除去することができる。また、幾つかのプロセス流を1つ又は複数のスリップ流として用いて、交換樹脂と接触させる水性流を形成することができる。これらの場合においては、水性流を形成するために用いるプロセス流は、交換樹脂によって処理されたプロセス流とは異なる。
[0027]腐食金属汚染物質、特に鉄、ニッケル、クロム、及びモリブデンは、カルボニル化プロセスのいずれのプロセス流中にも存在する可能性がある。一般に、これらの腐食金属汚染物質は、酢酸製造速度及びプロセスの全体的な安定性に対して悪影響を与える。したがって、カルボニル化プロセス内にイオン交換樹脂を配置して、これらの腐食金属汚染物質及びアミン化合物をプロセス流から除去する。
[0028]図1を参照すると、ライン107内の脱芳香族反応物質組成物及びライン108内の一酸化炭素をカルボニル化反応器110に供給する。ライン111内の反応溶液は、排出してフラッシャー112に供給する。フラッシャー112の底部から触媒溶液プロセス流113が排出され、その一部を、ライン125を通して交換樹脂を含む交換樹脂床114に通す。排出流は、ライン115を通して反応器110に再循環する。任意のプロセス流をイオン交換樹脂によって処理して、それからアミン化合物及び/又は金属汚染物質を除去することができることを理解すべきである。プロセス流113は、120℃未満のような樹脂を不活性化させない温度にしなければならない。必要な場合には、プロセス流113を冷却することができる。
[0029]本発明は、任意の好適なメタノールカルボニル化プロセスにおいて適用することができる。本発明の幾つかの態様にしたがって用いることができる代表的なカルボニル化プロセスとしては、米国特許7,223,886、7,005,541、6,657,078、6,339,171、5,731,252、5,144,068、5,026,908、5,001,259、及び4,994,608、並びに米国公開2008/0287706、2008/0293966、2009/0107833、2009/0270651(これらの開示事項を参照として本明細書中に包含する)に記載されているものが挙げられる。本明細書において示す代表的なカルボニル化システムには、これらの特許において記載されているものなどの本発明の幾つかの態様にしたがって用いることができる更なるシステム及び構成要素を含ませることもできる。図面に示すカルボニル化システムは代表的なものであり、他の構成要素を本発明の範囲にしたがって用いることができることを理解すべきである。メタノールカルボニル化プロセスには、カルボニル化セクション及び精製セクションを含ませることができる。本発明の幾つかの態様は、カルボニル化又は精製セクションの構成に限定されない。而して、任意の好適な精製セクションを本発明の任意の態様と組み合わせて用いることができる。
[0030]図1に示す代表的なカルボニル化プロセスにおいては、一酸化炭素を、流れ108を通して反応器110の下部部分に供給する。他の反応物質を同様に流れ107を通して供給する。好ましくは、これらの反応物質は芳香族化合物及び/又はアミン化合物を実質的に含まず、これらは保護床103及び/又は交換樹脂114の少なくとも1つによって除去している。流れ107中の反応物質組成物によって、メタノール、酢酸メチル、ギ酸メチル、ジメチルエーテル、及び/又はこれらの混合物を含む少なくとも1種類の反応物質を反応器110に供給する。好ましい態様においては、流れ107中の反応物質組成物によってメタノール及び酢酸メチルを供給する。場合によっては、ライン101内の反応物質組成物は、カルボニル化プロセスのための新しい反応物質を貯蔵する1以上の容器(図示せず)に接続することができる。これらの容器内の汚染物質のために、プロセス100に送る際に反応物質組成物101中に芳香族化合物が存在する可能性がある。更に、反応条件を保持するために必要に応じて新しいヨウ化メチル及び触媒を供給するための、反応器110に接続されているヨウ化メチル貯蔵容器(図示せず)及び/又は触媒容器(図示せず)を存在させることができる。他の態様においては、反応器110に供給するメタノール及び/又はメタノール誘導体の全部又は一部は、システム内の他の位置からスクラビングされたメタノールの形態であってよく、又は他のシステムの生成物又は副生成物として存在してよい。
[0031]カルボニル化プロセス100からの1以上のプロセス流は、反応器110に再循環することができる。幾つかの態様においては、反応媒体成分、例えば残留/同伴触媒、又は酢酸を含む再循環供給流を反応器に送る。好ましくは、再循環して、混合してか又は別々に反応器110に供給する複数のプロセス流を存在させる。例えば、精製セクション120からの1以上のプロセス流を反応器110に供給することができる。好ましくは、再循環するプロセス流は反応器110の下部部分に導入する。
[0032]本発明の幾つかの態様においては、ライン107内の反応物質組成物はメタノール及び/又はメタノール誘導体を含む。好適なメタノール誘導体としては、酢酸メチル、ジメチルエーテル、ギ酸メチル、及びこれらの混合物が挙げられる。一態様においては、メタノール及びメタノール誘導体の混合物を、本発明方法における反応物質として用いる。好ましくは、メタノール及び/又は酢酸メチルを反応物質として用いる。メタノール及び/又はメタノール誘導体の少なくとも一部は、酢酸生成物又は溶媒との反応によって酢酸メチルに転化し、したがって反応媒体中に酢酸メチルとして存在するようになる。反応媒体中の酢酸メチルの濃度は、好ましくは反応媒体の全重量の0.5重量%〜70重量%、例えば0.5重量%〜50重量%、又は1重量%〜35重量%の範囲である。
[0033]本発明の幾つかの態様においては、カルボニル化反応に供給されるメタノールはまた、芳香族化合物を減少及び/又は除去した後に、1種類以上のアミン化合物を含む可能性がある。従来の酢酸製造プロセスはより高いグレードのメタノールを用いており、これにより反応物質供給源が制限され、製造コストが増加する。より低いグレードのメタノールは、より多い量のアミン化合物を含む可能性がある。より高いグレードのメタノールであってもアミン化合物を含んでいる可能性がある。例えば、1wppmのトリメチルアミンであっても、メタノールに異なる臭気を与えるのに十分である可能性がある。また、反応媒体中に多少のアミン化合物が存在する可能性がある。アミン化合物としては、アルキルアミン、アリールアミン、複素環式アミン、及びこれらの混合物が挙げられる。アルキル及びアリールアミンとしては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジメチルエチルアミン、ジエチルメチルアミン、ジエチルプロピルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリイソプロピルアミン、エチルジイソプロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリイソブチルアミン、トリシクロヘキシルアミン、エチルジシクロヘキシルアミン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、及びベンジルジメチルアミンを挙げることができる。複素環式アミンとしては、ピペリジン類、ピペラジン類、ピリジン類、ピリダジン類、ピラジン類、ピリミジン類、トリアジン類、ピロリジン類、ピロール類、ピラゾール類、ピラゾリン類、ピラゾリジン類、イミダゾリン類、イミダゾリジン類、イミダゾール類、及びトリアゾール類、並びにこれらの置換複素環式化合物が挙げられる。アミン化合物はまた、ジアミン、トリアミン、及びテトラミン、例えばテトラメチルヘキサメチレンジアミン、テトラメチルエチレンジアミン、テトラメチルプロピレンジアミン、テトラメチルブチレンジアミン、ペンタメチルジエチルトリアミン、ペンタエチルジエチレントリアミン、ペンタメチルジプロピレントリアミン、テトラメチルジアミノメタン、テトラプロピルジアミノメタン、ヘキサメチルトリエチレンテトラミン、ヘキサメチルトリプロピレンテトラミン、及びジイソブチレントリアミンを含んでいてよい。メタノール供給流中に存在するアミンは、メタノールのグレード及び不純物のタイプに応じて変化する可能性がある。一態様においては、メタノール供給流は、窒素含量を基準として100wppm未満、例えば20wppm未満、又は1wppm未満のアミンを含む。範囲に関しては、メタノール供給流は、窒素含量を基準として0.1〜100wppm、例えば0.5〜50wppm、又は1〜20wppmのアミン化合物を含む。
[0034]一酸化炭素供給流108は実質的に純粋であってよく、或いは二酸化炭素、メタン、窒素、水素、希ガス、水、及びC〜Cパラフィン系炭化水素のような少量の不活性物質及び不純物を含んでいてよい。水性ガスシフト反応によってその場で生成する一酸化炭素中の水素の存在は、水素化生成物の形成をもたらす可能性があるので、好ましくは低く(例えば1bar未満の分圧、或いは0.5bar未満の分圧)に維持する。反応中の一酸化炭素の分圧は、好ましくは、1bar〜70bar、例えば1bar〜35bar、又は1bar〜15barの範囲である。
[0035]本発明の幾つかの態様においては、反応器110内において、反応溶媒、メタノール及び/又はメタノール誘導体、第VIII族触媒、少なくとも限定濃度の水、及び場合によってはヨウ化物塩を含む均一接触反応系中でメタノールを一酸化炭素と反応させる。
[0036]好適な第VIII族触媒としては、ロジウム及び/又はイリジウム触媒が挙げられる。ロジウム触媒を用いる場合には、ロジウム触媒は、ロジウムが、当該技術において周知なように[Rh(CO)アニオンを含む平衡混合物として触媒溶液中に存在するような任意の好適な形態で加えることができる。本明細書中に記載するプロセスの反応混合物中に場合によって保持されるヨウ化物塩は、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の可溶性塩、或いは第4級アンモニウム又はホスホニウム塩の形態であってよい。幾つかの態様においては、触媒共促進剤は、ヨウ化リチウム、酢酸リチウム、又はこれらの混合物である。塩共促進剤は、ヨウ化物塩を生成する非ヨウ化物塩として加えることができる。ヨウ化物触媒安定剤は、反応システム中に直接導入することができる。或いは、反応システムの運転条件下においては、広範囲の非ヨウ化物塩前駆体がヨウ化メチルと反応して対応する共促進剤のヨウ化物塩安定剤を生成するので、ヨウ化物塩をその場で生成させることができる。ロジウム触媒反応及びヨウ化物塩の生成に関する更なる詳細については、米国特許5,001,259、5,026,908、及び5,144,068(これらの全部を参照として本明細書中に包含する)を参照。
[0037]イリジウム触媒を用いる場合には、イリジウム触媒に、反応媒体中に可溶の任意のイリジウム含有化合物を含ませることができる。イリジウム触媒は、反応媒体中に溶解するか、或いは可溶性の形態に転化させることができる任意の好適な形態で、カルボニル化反応のための反応媒体に加えることができる。反応媒体に加えることができる好適なイリジウム含有化合物の例としては、IrCl、IrI、IrBr、[Ir(CO)I]、[Ir(CO)Cl]、[Ir(CO)Br]、[Ir(CO)、[Ir(CO)Br、[Ir(CO)、[Ir(CH)I(CO)、Ir(CO)12、IrCl・3HO、IrBr・3HO、Ir(CO)12、イリジウム金属、Ir、Ir(acac)(CO)、Ir(acac)、酢酸イリジウム、[IrO(OAc)(HO)][OAc]、及びヘキサクロロイリジウム酸[HIrCl]が挙げられる。酢酸塩、シュウ酸塩、及びアセト酢酸塩のようなイリジウムの塩素を含まないコンプレックスが、出発材料として通常用いられる。反応媒体中のイリジウム触媒の濃度は、一般に100〜6000wppmの範囲である。イリジウム触媒を用いるメタノールのカルボニル化は周知であり、米国特許5,942,460、5,932,764、5,883,295、5,877,348、5,877,347、及び5,696,284(これらの全部を参照として本明細書中に包含する)に概して記載されている。
[0038]EP−0849248(その全部を参照として本明細書中に包含する)に記載されているような他の促進剤及び共促進剤を、本発明の触媒系の一部として用いることができる。好適な促進剤は、ルテニウム、オスミウム、タングステン、レニウム、亜鉛、カドミウム、インジウム、ガリウム、水銀、ニッケル、白金、バナジウム、チタン、銅、アルミニウム、スズ、アンチモンから選択され、より好ましくはルテニウム及びオスミウムから選択される。具体的な共促進剤は、米国特許6,627,770(その全部を参照として本明細書中に包含する)に記載されている。
[0039]促進剤は、反応媒体、及び/又は精製及び酢酸回収段階から反応器に再循環される任意の液体プロセス流中におけるその溶解度限界以下の有効な量で存在させることができる。用いる場合には、促進剤は、好適には、0.5:1〜15:1、好ましくは2:1〜10:1、より好ましくは2:1〜7.5:1の促進剤と金属触媒とのモル比で反応媒体中に存在させる。好適な促進剤濃度は400〜5000wppmである。
[0040]第VIII族金属触媒成分と組み合わせて、ハロゲン共触媒/促進剤が一般的に用いられる。ハロゲン促進剤としてはヨウ化メチルが好ましい。好ましくは、反応媒体中のハロゲン促進剤の濃度は、1重量%〜50重量%、好ましくは2重量%〜30重量%の範囲である。
[0041]ハロゲン促進剤は、塩安定剤/共促進剤化合物(第IA族又は第IIA族の金属の塩、或いは第4級アンモニウム又はホスホニウム塩を挙げることができる)と組み合わせることができる。ヨウ化物又は酢酸塩、例えばヨウ化リチウム又は酢酸リチウムが特に好ましい。
[0042]例えばメタノール反応物質と酢酸生成物との間のエステル化反応によって、水が反応媒体中においてその場で形成される可能性がある。幾つかの態様においては、水は、反応媒体の他の成分と一緒か又はこれらとは別々に反応器110に導入する。水は、反応器110から排出される反応組成物の他の成分から分離することができ、制御された量で再循環して反応媒体中の水の必要濃度を維持することができる。好ましくは、反応媒体中において維持される水の濃度は、反応組成物の全重量の0.1重量%〜16重量%、例えば1重量%〜14重量%、又は1重量%〜3重量%の範囲である。
[0043]本発明の好ましいカルボニル化プロセスによれば、反応媒体中に、所望のカルボン酸とアルコール、望ましくはカルボニル化において用いるアルコールとのエステル、並びにヨウ化水素として存在するヨウ化物イオンの他に更なるヨウ化物イオンを保持することによって、低い水濃度においても所望の反応速度が得られる。好ましいエステルの例は酢酸メチルである。更なるヨウ化物イオンは望ましくはヨウ化物塩であり、ヨウ化リチウムが好ましい。米国特許5,001,259に記載されているように、低い水濃度下においては、酢酸メチル及びヨウ化リチウムは、比較的高い濃度のこれらの成分のそれぞれが存在している場合にのみ速度促進剤として機能し、これらの成分の両方が同時に存在している場合に促進がより高いことが分かっている。ヨウ化物イオン内容物の絶対濃度は、本発明の有用性に対して限定を与えるものではない。
[0044]反応器110内において、反応媒体を好ましくは自動的に所定のレベルに維持する。この所定のレベルは、通常運転中は実質的に一定に維持することができる。必要に応じて、メタノール、一酸化炭素、及び反応媒体中における水の少なくとも限定濃度を維持するのに十分な水を、反応器110中に連続的に導入することができる。幾つかの態様においては、一酸化炭素を反応器110中に連続的に導入する。一酸化炭素供給流108は、所望の全反応器圧力を維持するのに十分な速度で導入する。反応器110の温度は、ポンプアラウンドループにおいて熱交換器を用いて制御することができる。
[0045]酢酸は、通常は、160℃〜220℃の温度及び20bar〜50barの全圧において液相反応で製造される。本発明の幾つかの態様においては、反応器110は、150℃〜250℃、例えば155℃〜235℃、又は160℃〜220℃の温度で運転する。カルボニル化反応の圧力は、好ましくは10〜200bar、より好ましくは10〜100bar、最も好ましくは15〜50barである。
[0046]気体パージ流116を反応器110から排気して、気体状副生成物の蓄積を阻止し、所定の全反応器圧力における設定一酸化炭素分圧を維持することができる。反応器の温度を制御することができ、一酸化炭素供給流は所望の全反応器圧力を維持するのに十分な速度で導入する。気体パージ流116は、回収ユニット117内で酢酸及び/又はメタノールでスクラビングして低沸点成分を回収することができる。気体パージ流116を部分的に凝縮して、回収ユニット117からの非凝縮性部分によって、流れ118を通して低沸点成分を反応器110の頂部に戻すことができる。非凝縮性成分は、酢酸メチル、水、及び/又はヨウ化メチルを含む可能性がある。気体パージ流中の一酸化炭素は、ライン109内で排気するか、或いはライン119を通してフラッシャー112の底部に供給してロジウム安定性を向上させることができる。
[0047]カルボニル化生成物を、カルボニル化反応器110から、その中の一定のレベルを維持するのに十分な速度で引き抜き、流れ111を通してフラッシャー112に供給する。フラッシャー112内において、熱を加えるか又は加えないで、カルボニル化生成物をフラッシュ分離工程で分離して、酢酸を含む粗生成物流121、並びに触媒含有溶液を含む液体プロセス流113を得る。芳香族化合物は、除去されていない場合には粗生成物流121中に濃縮される。一般に、アミン化合物はフラッシャー112の底部における液体プロセス流113中に濃縮され、アミン化合物は実質的に粗生成物流121中には繰り越されない。
[0048]触媒含有溶液は、主として、酢酸、カルボニル化触媒の金属化合物、例えばロジウム及び/又はイリジウムの金属コンプレックス、並びにヨウ化物塩を、より少量の酢酸メチル、ヨウ化メチル、及び水と共に含む。更に、触媒含有溶液は、鉄、ニッケル、クロム、モリブデンなどを含む化合物のような少量の腐食金属汚染物質を含む可能性がある。一態様においては、液体プロセス流113は、金属含量を基準として0.025重量%〜1.0重量%、例えば0.025重量%〜0.5重量%、又は0.025〜0.1重量%の量の腐食金属汚染物質を含む。触媒含有溶液はまた、少量のアミン化合物も含む可能性がある。一態様においては、液体プロセス流113は、窒素含量を基準として0.001重量%〜1.0重量%、例えば0.01〜0.5重量%、又は0.05重量%〜0.3重量%の量のアミン化合物を含む。液体プロセス流113において、アミン中の窒素と腐食金属汚染物質中の金属とのモル比は、3:1より大きく、例えば5:1より大きく、又は10:1より大きくてよい。
[0049]液体プロセス流113は、ライン125を通して交換樹脂床114に供給する前に、まず精製セクション120内の軽質留分カラム123の底部から得られる随意的な流れ122と混合することができる。流れ120中の軽質留分カラム123の塔底物は、酢酸、カルボニル化触媒の金属化合物、及び腐食金属汚染物質のような不純物を含む可能性がある。液体プロセス流113の一部はライン113’を通して反応器110に戻して、それによって交換樹脂床114を迂回させることができる。反応条件に応じて、交換樹脂床114に送る液体プロセス流113の量は、液体プロセス流113の全質量流量の0.1〜10%、より好ましくは約1%であってよい。樹脂床114の寸法に応じて、液体プロセス流113からの増加した流れを樹脂床114に通すことができる。交換樹脂床114に送る液体プロセス流113の部分は、スリップ流124と混合して水性流125を形成することができる。水性流125は、50重量%より高く、例えば60重量%より高く、75重量%より高く、又は85重量%より高い水濃度を有し、交換樹脂床114内で弱酸性又は非酸性雰囲気を生成させる。範囲に関しては、水性流125は、50重量%〜90重量%、例えば50重量%より高く85重量%まで、又は60重量%〜85重量%の水濃度を有していてよい。スリップ流124は、液体プロセス流113と連続的に混合するか、或いは必要に応じて液体プロセス流113を希釈することができる。他の態様においては、スリップ流124は交換樹脂床114に直接加えることができる。
[0050]本発明によるプロセス流からアミン化合物及び腐食金属汚染物質を除去するのに有用な樹脂としては、強酸性又は弱酸性タイプのいずれかのカチオン交換樹脂を挙げることができる。強酸性及び弱酸性タイプの樹脂のいずれも、商品として容易に入手できる。弱酸性カチオン交換樹脂は、殆どはアクリル酸又はメタクリル酸或いはエステル或いは対応するニトリルのコポリマーであるが、これらの市販されているものの少数はフェノール系樹脂である。好ましくは、強酸性カチオン交換樹脂を用いる。強酸性カチオン交換樹脂は主としてスルホン化スチレン−ジビニルベンゼンコポリマーを含むが、このタイプの入手できる樹脂の幾つかはフェノール−ホルムアルデヒド縮合ポリマーである。Amberlyst(登録商標)15(Dow)及びPurolite(登録商標)CT275(The Purolite Company)が代表的な商業的樹脂である。好適な樹脂は、ハロゲン促進剤において用いられるカチオンに相当するカチオンを有していてよい。本発明を例示する目的のために、米国特許5,731,252(その開示事項を参照として本明細書中に包含する)に記載されているもののような、そのリチウム形態のカチオン交換樹脂を用いることができる。
[0051]ゲルタイプの樹脂又は巨大網状樹脂が好適であるが、処理する触媒溶液中に有機成分が存在しているので後者が好ましい。巨大網状樹脂は触媒分野において通常的に用いられており、それらの膨潤特性を維持するために最小の水しか必要としない。
[0052]腐食金属汚染物質及びアミン化合物を有する触媒含有溶液と樹脂との接触は撹拌容器内で行うことができ、その中で樹脂をよく撹拌しながら触媒溶液でスラリー化し、次に、デカンテーション、濾過、遠心分離等によって触媒溶液を回収する。しかしながら、触媒溶液の処理は、通常は、触媒含有溶液を樹脂の固定床カラムに通すことによって行う。触媒の再生は、手動又は自動制御を用いる方法のいずれか、及びイオン交換の技術分野において周知の技術を用いて、バッチ式、半連続式、又は連続式運転として行うことができる。
[0053]イオン交換処理は、0℃〜120℃、例えば20℃〜90℃の範囲の温度で行うことができる。より低いか又はより高い温度は、用いる樹脂の安定性によってのみ制限される。クロムの除去は、より高い温度においてより効率的である可能性がある。より高い温度においては、窒素又はCOのパージが望ましい。触媒溶液の沸点よりも高い温度を用いる場合には、溶液を液相に維持するために加圧下の運転が必要である可能性がある。しかしながら、圧力は重要な変数ではない。一般に、大気圧又は大気圧よりも僅かに高い圧力を用いるが、所望の場合には大気圧以上又は大気圧以下の圧力を用いることができる。
[0054]アミン化合物及び腐食金属の除去中に交換樹脂床114を通る液体プロセス流113の流速は、一般に1〜50BV/時、例えば1〜35BV/時、又はより好ましくは1〜25BV/時の範囲であってよい。樹脂及び流速に応じて、より高いベッド体積が可能である場合がある。本発明の目的のためには、交換樹脂床114におけるより高い、例えば20BV/時より高いベッド体積、及びより短い滞留時間も、有利なことにアミン化合物の除去に有利に働く可能性がある。
[0055]スリップ流124は、メタノール、水、酢酸メチル、ヨウ化メチル、酢酸、又はこれらの混合物を含んでいてよい。スリップ流124は、カルボニル化システムの外側から得ることができる。好ましくは、スリップ流124は、精製セクション120からの1以上の他のプロセス流、又はライン107内の反応物質組成物によって供給される。スリップ流124を与える幾つかの入手可能なプロセス流が存在する。スリップ流の源の例としては、軽質相131、重質相130、PRS150からの残渣154、PRS150からのラフィネート158、排気スクラバー160からの低沸点プロセス流163、軽質相145、重質相146、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。好ましいスリップ流は、軽質相131及び軽質相145のような希釈酢酸(これらは他の流れと部分的又は完全に混合することができる)を含んでいてよい。
[0056]幾つかの態様においては、芳香族化合物を除去した後のライン107内の反応物質組成物の一部を、スリップ流124として用いることができる。反応物質供給ライン107がメタノールを含む場合には、上記において議論したようにアミン化合物が存在する可能性がある。反応物質供給ライン107の一部を液体プロセス流113と混合することによっても、反応器110に供給する前の反応物質供給ライン107中のアミン化合物を減少させることができる。場合によっては、反応物質供給ライン107の全体をスリップ流124として供給して水性流125を形成することができる。
[0057]樹脂床114は、減少したアミン含量を含む精製プロセス流を構成する流出流115を生成する。流出流115は、好ましくは反応器110に戻す。一態様においては、流出流115は、樹脂床114に供給される水性流125よりも少ない腐食金属汚染物質及びアミン化合物を含む。水性流125のより高い水濃度は、腐食金属汚染物質及びアミン化合物の増加した除去率に有利に働く傾向がある。好ましくは、流出流115は減少した腐食金属とアミンの合計含量を有する。減少した腐食金属含量は、流出流115の全重量を基準として1wppm未満であってよい。好ましくは、流出流115は腐食金属汚染物質を実質的に含まない。減少したアミン含量は、流出流115の全重量を基準として1wppm未満であってよい。好ましい態様においては、流出流115はアミン化合物を実質的に含まない。
[0058]床を液体プロセス流113と接触させた後、樹脂床からロジウムを除去するために、水、又はそれから処理する触媒が誘導されるプロセスからのカルボニル化生成物、例えば酢酸で樹脂床114を洗浄又はすすぐことが望ましい可能性がある。すすぎ又は洗浄は、除去工程と同様の流速で行う。
[0059]樹脂が消耗し始めたら、即ち金属汚染物質が流出流中に破過したら、有機塩、好ましくはリチウム塩の溶液をそれを通して通過させることによって、樹脂を再生することができる。場合によっては、リチウム塩は、再生サイクルにおいて約1重量%〜約20重量%の範囲の濃度で用いる。用いる量及び再生手順は当該技術においてよく確立されており、一般的に樹脂製造者によって推奨されている。酢酸塩アニオンが反応系において用いられ、容易に使用できるので、酢酸リチウム水溶液が再生剤として好ましい。更なる有利性は、その使用によって、他の再生剤を用いる場合には再生プロセスの後に通常必要なすすぎ工程が排除されることである。酢酸リチウムの比較的高い濃度において、腐食金属再生能力を最大にし且つ樹脂床カラムの性能を最大にするためには、酢酸リチウム再生溶液は、再生サイクル中において不溶の腐食金属化合物が形成されることを回避するために、多少の酢酸又は製造する生成物を含んでいなければならない。再生サイクル中におけるこれらの化合物の沈殿によって、カラムの再生性能が低下し、また樹脂床の閉塞も引き起こされる可能性がある。通常は、約0.1〜約95重量%の酢酸濃度を用いることができ、約0.1〜20重量%の酢酸濃度が好ましい。
[0060]イオン交換操作はサイクル様であってよく、1つより多い樹脂床を使用することができる。1つの樹脂床において樹脂が消耗し始めたら、消耗した床を再生にかける間に、触媒溶液のスリップ流を新しい床に切り替えることができる。
[0061]粗生成物流121は、酢酸、ヨウ化メチル、酢酸メチル、水、アルカン、及び過マンガン酸塩還元性化合物(PRC)を含む。粗生成物流121及び引き続く誘導流は、フラッシャー112の下流で形成する腐食金属汚染物質を含む可能性がある。粗生成物流121は、芳香族化合物及び/又はアミン化合物を実質的に含まない。
[0062]粗酢酸生成物に戻り、フラッシャー112からの粗生成物流121は精製セクション120に送る。1つの代表的な態様においては、精製セクション120は、好ましくは、軽質留分カラム123、乾燥カラム140、PRC除去システム(PRS)150、及び排気スクラバー160を含む。好適な精製セクションにはまた、更なる保護床及び/又は重質留分カラムを含ませることもできる。
[0063]一態様においては、軽質留分カラム123は、低沸点の塔頂蒸気流126、生成物側流127、及び場合によっては塔底流122を生成する。軽質留分カラム123の底部における温度、即ち場合によって排出される塔底流122の温度は、好ましくは120℃〜170℃である。更に、軽質留分カラムの頂部における温度、即ち低沸点塔頂蒸気流126の温度は、好ましくは100℃〜145℃である。
[0064]低沸点塔頂蒸気流126は、ヨウ化メチル、酢酸メチル、水、PRC、酢酸、アルカン、及び溶解ガスを含む可能性がある。示されるように、低沸点塔頂蒸気流126は、好ましくは凝縮して、塔頂デカンター128によって示される塔頂相分離ユニットに送る。条件は、望ましくは、凝縮した低沸点塔頂蒸気流126がデカンター128内に入ったら軽質相及び重質相に分離されるように維持する。軽質相及び重質相はそれぞれライン129及び130を通して排出し、これらの流れもまたプロセス流と呼ぶ。
[0065]液相流129は、好ましくは水、酢酸、及びPRC、並びにヨウ化メチル及び酢酸メチルを含む。図1に示すように、軽質相流129は軽質留分カラム122に還流することができる。また、軽質相流129の一部を分離し、PRS150内で処理してPRCを除去することもできる。PRCとしては、例えばアセトアルデヒド、アセトン、メチルエチルケトン、ブチルアルデヒド、クロトンアルデヒド、2−エチルクロトンアルデヒド、2−エチルブチルアルデヒドなど、並びにこれらのアルドール縮合生成物のような化合物を挙げることができる。
[0066]場合によっては、軽質相流129の一部は、流れ131を通してカルボニル化反応器110に戻すこともできる。反応器110に戻す場合には、軽質相流131はスリップ流124として交換樹脂床114に供給することができる。デカンター128からの重質相流130は、好都合には反応器110に直接的又は間接的のいずれかで再循環することができる。重質相流130の一部は、好ましくは軽質相流131と組み合わせて、スリップ流124として交換樹脂床114に供給することができる。場合によっては、重質相130の一部をスリップ流(図示せず)によって反応器110に再循環することができ、一般に、少量、例えば重質相130の5〜40体積%、又は5〜20体積%をPRS150に送る。
[0067]PRS150は、カラム151及び抽出器152を含む。カラム151は、蒸気塔頂流153及び塔底プロセス流154を生成する。塔底プロセス流154は、水、酢酸メチル、メタノール、及びこれらの混合物を含む。塔底プロセス流154の一部は、スリップ流124として交換樹脂床114に供給することができる。塔頂流153は少なくとも1種類のPRCに富む可能性があり、ヨウ化メチルも含む可能性がある。塔頂流153は、凝縮してアキュムレーター内に回収する。凝縮された塔頂流153の一部は、流れ155を通してカラム151に還流して戻すことができる。凝縮された塔頂流の残りの部分は、流れ156を通して抽出器152に供給する。一態様においては、流れ156は、約10重量%未満、例えば約5重量%未満、約2重量%未満、又は約1.5重量%未満の合計濃度のメタノール及び酢酸メチルを含む可能性がある。また、流れ156は、約3重量%未満、例えば約1重量%未満、又は約0.5重量%未満の酢酸を含む可能性がある。
[0068]水のような水性流157による抽出は単一段階又は多段階抽出器のいずれかであってよく、かかる抽出を行うために用いる任意の装置を本発明の実施において用いることができる。多段階抽出器が好ましい。例えば、抽出は、流れ156を水性流157と混合し、混合物をミキサー、次に分離器に連続して供給することによって行うことができる。ミキサーと分離器の複数のかかる組み合わせを連続して運転して、多段階抽出を得ることができる。多段階抽出は、直列の複数のトレイを有する単一の容器内で行うことができる。容器には、抽出効率を向上させるために、1つ又は複数のパドル又は撹拌するための他のメカニズムを装備することができる。
[0069]抽出における2つの相の間の相互溶解度は温度に伴って増加する可能性がある。したがって、抽出は、抽出器の内容物を液体状態に保持することができるような温度及び圧力の組み合わせで行うことが望ましい。更に、流れ156を曝露する温度を最低にして、アセトアルデヒドが関与する重合及び縮合反応の可能性を最小にすることが望ましい。抽出において用いる水は、望ましくは反応系内の水バランスを維持するために内部流からのものである。ジメチルエーテル(DME)を抽出に導入して、抽出におけるヨウ化メチルの分離を向上させ、即ち廃棄流159中へのヨウ化メチルの損失を減少させることができる。DMEは、プロセスに導入するか、又はその場で形成することができる。
[0070]抽出器152においては、流れ156を望ましくは容器の一方の端部に近接して供給して、水性流157を容器の他の端部に近接して供給するか又は対向流が得られる他の位置に供給する。少なくとも1種類のPRC、即ちアセトアルデヒドを含む廃棄流159を水によって抽出する。廃棄流159は、幾つかの態様においてはアセトアルデヒドをストリッピングして、水をプロセスに再循環することができる。特にヨウ化メチルを含むラフィネートは、プロセス流158として抽出器152から排出する。ラフィネート158の一部は、スリップ流124として交換樹脂床114に供給することができる。
[0071]PRC除去カラムは、更に米国特許6,143,930、6,339,171、及び7,223,886、並びに米国公開2005/0197513、2006/0247466、及び2006/0293537(これらの開示事項を参照として本明細書中に包含する)に記載されている。1以上の抽出器を含む代表的な2段階蒸留PRSは、米国特許7,223,886に記載されている。図1に示すものと同様の代表的な単一段階PRSは、米国公開2006/0247466に記載されている。
[0072]軽質留分カラムからの生成物側流127は、酢酸及び水を含む可能性がある。生成物側流127は好ましくは液相であり、115℃〜160℃、例えば125℃〜155℃の温度において軽質留分カラム123から排出される。流れ127の一部は、副凝縮器を通して軽質留分カラム123に戻すことができる。
[0073]乾燥カラム140は生成物側流127を分離して、主として水を含む塔頂流141、及び乾燥した生成物流142を生成する。乾燥した精製生成物流142は、好ましくは90重量%より多く、例えば95重量%より多く、又は98重量%より多い量の酢酸を含む。乾燥カラム140の底部における温度、即ち排出される乾燥した精製生成物流142の温度は、好ましくは115℃〜185℃、130℃〜180℃、例えば140℃〜175℃である。乾燥カラム140の頂部における温度、即ち塔頂流141の温度は、好ましくは90℃〜150℃、100℃〜150℃、例えば110℃〜145℃である。幾つかの態様においては、乾燥カラム140内の圧力は、2bar〜7bar、例えば3bar〜6bar、又は4bar〜5barである。場合によっては、乾燥した精製生成物流142は、1以上の保護床(図示せず)及び/又は重質留分カラム(図示せず)内で更に処理して、ハロゲン化物のような不純物、或いはより重質の酸及び/又はエステルを更に除去することができる。
[0074]乾燥カラムからの塔頂流141は、塔頂流受容器143内で冷却及び凝縮させて、軽質相及び重質相を形成することができる。受容器143からの軽質相の一部は、ライン144を通して乾燥カラム140に還流させることができる。軽質相の残りの部分145はプロセス流にして、交換樹脂床114にスリップ流124として供給することができる。重質相146もプロセス流にして、反応器110に戻すことができる。重質相146の一部は、スリップ流124として交換樹脂床114に供給することができる。軽質相145又は重質相146のいずれかとして凝縮された塔頂流141は、いずれの流れも比較的多い量の水を含んでいるので、スリップ流124として好ましく用いられる。
[0075]デカンター128からの非凝縮性気体は、排気流133によって取り出して、排気スクラバー160内で処理することができる。好ましくは25℃未満に冷却したスクラビング溶媒161を排気スクラバー160に供給して、ヨウ化メチルのような低沸点成分をスクラビングして排気流133から取り出すことができ、これはライン163を通してプロセス流として取り出す。ライン163内の低沸点成分の一部は、スリップ流124として交換樹脂床114に供給することができる。スクラビング溶媒としては、メタノール、酢酸メチル、ジメチルエーテル、酢酸、及びこれらの混合物が挙げられる。回収ユニット160の塔頂流は、一酸化炭素及び他の不活性ガスを含むパージガス164として排出することができる。
[0076]図1はアミンを除去するために処理するフラッシャー112からのライン113内の触媒含有溶液の処理を示しているが、上記に記載の他のプロセス流を1以上の交換樹脂内で処理して腐食性金属及び/又はアミン化合物を除去することもできる。
[0077]図1は、カルボニル化反応器の前に芳香族化合物を除去し、腐食金属汚染物質の存在下においてアミン化合物を除去する態様を示す。図2は、反応物質供給流101中の芳香族化合物及びアミン化合物をカルボニル化反応器110の前に除去する他の態様を示す。明確にするために、回収ユニット117及び精製セクション120は図2においては示さない。
[0078]上記に示したように、反応物質供給流101は、アミン化合物を含む低いグレードのメタノールを含む可能性がある。反応物質供給流101はまた、芳香族化合物も含む可能性がある。図1において上記で議論したように、ガスクロマトグラフィー102によって芳香族化合物の濃度を測定し、カルボニル化プロセス100は、反応物質供給流101をライン104又はライン105のいずれを通して送るかを決定する。芳香族化合物が検出される場合には、ライン105内の反応物質供給流を、保護床103内で処理するか又は流れ106で希釈して、反応物質組成物107を形成することができる。反応物質組成物は交換樹脂床170に供給する。交換樹脂床170は、本出願において記載した交換樹脂と同様であってよい。通常は、反応物質組成物107中に腐食金属汚染物質は存在せず、反応物質組成物107は概して非酸性である。水性スリップ流のような溶媒を交換樹脂床170に加えることができる。交換樹脂床170は流出流171を生成し、これを反応器に供給する。低下したアミン含量は流出流171の全重量を基準として1wppm未満であってよく、より好ましくは、流出流171は芳香族化合物及びアミン化合物を実質的に含まない。有利には、反応器110から排出される反応溶液111は、芳香族化合物及びアミン化合物を実質的に含まないようにすることができる。而して、ヨウ化物塩の形態のアミン化合物はフラッシャー112内に蓄積されない。また、図2において交換樹脂床114を用いて、腐食金属汚染物質を除去することができる。
[0079]図2におけるスリップ流124は随意的であり、酢酸を含ませて、反応溶液111がアミン化合物を実質的に含まない場合に腐食金属汚染物質を除去するのに有利に働く酸性雰囲気を生成させることができる。好ましい態様においては、交換樹脂床170は、反応物質供給流からの全部の流れを処理するような寸法にすることができる。しかしながら、反応条件を維持するためにライン172を通して交換樹脂床170を迂回させることが必要な場合がある。反応物質供給ライン172が交換樹脂床170を迂回する場合には、随意的なスリップ流124を加えて、50重量%より高い水濃度を有する水性流125を生成させることができる。
[0080]本開示の利益を享受する当業者であれば、本明細書に記載する蒸留カラムを設計及び運転して本発明の所望の結果を達成することができる。かかる努力は、時間がかかり複雑である可能性があるが、それでもなお、本開示の利益を享受する当業者には日常的な業務であろう。したがって、本発明の実施は、特定の蒸留カラムの具体的な特徴、或いは全段数、供給位置、還流比、供給温度、還流温度、カラム温度プロファイルなどのようなその運転特性に必ずしも限定されない。
[0081]本明細書に開示する発明をより効率的に理解することができるように、実施例を以下に与える。これらの実施例は例示のみの目的のためであり、いかなるようにも発明を限定するものとして解釈すべきではない。
実施例1:
[0082]本発明の一態様にしたがって、78wppmのキシレン類を含む15.9gのメタノール供給流を、吸着剤を含む保護床にメタノールを通すことによって予備処理した。吸着剤のそれぞれは粒状活性炭であり、Fisherbrand(登録商標)Activated Carbon Charcoal6〜14メッシュ、Calgon SGL(登録商標)8×30、及びCalgon CAL(登録商標)12×40を含んでいた。ブランクも試験した。吸着剤のタイプ及び吸着剤の装填量を下表1に示す。保護床の後に試料を採取して、残留するキシレン類の量を測定した。保護床は、20℃〜35℃の温度に維持した。表1における結果は、活性炭吸着剤を用いてキシレン類の濃度を低下させる有効性を示す。
Figure 2014523862
実施例2:
[0083]非揮発性残渣(NVR)試験を用いて、メタノールに曝露した際に吸着剤から脱着する非揮発性物質の量を求めた。吸着剤をメタノール中に浸漬し、濾過した。メタノールを蒸発させることによってNVRを測定した。実施例1において用いた吸着剤に関する結果を表2に示す。
Figure 2014523862
[0084]メタノール浸漬を繰り返すことによって、CAL 12×40を更に試験した。CAL 12×40を180gのメタノール中に浸漬し、濾過した。CAL 12×40に関する結果を表3に示す。
Figure 2014523862
[0085]本発明を詳細に記載したが、本発明の精神及び範囲内の修正は当業者には容易に明らかであろう。上記で議論した全ての公報及び参照文献は参照として本明細書中に包含する。更に、示されている本発明の複数の形態並びに種々の態様及び種々の特徴の複数の部分を、完全か又は部分的に結合又は交換することができることを理解すべきである。当業者に認められるように、種々の態様の上記の記載においては他の態様を示すこれらの態様を他の態様と適当に組み合わせることができる。更に、当業者であれば、上記の記載は例示のみの目的であり、本発明を限定することは意図しないことを認識するであろう。

Claims (15)

  1. (i)メタノール、酢酸メチル、ギ酸メチル、ジメチルエーテル、及びこれらの混合物からなる群から選択される反応物質、及び(ii)芳香族化合物を含む反応物質組成物を、活性炭、ゼオライト、活性化アモルファスクレイ、金属酸化物、及びシリカ質吸着剤からなる群から選択される吸着剤を含む保護床と接触させて脱芳香族反応物質組成物を形成し;
    水、酢酸、酢酸メチル、ヨウ化メチル、及び触媒を含む反応媒体を含む反応器内において、一酸化炭素を脱芳香族反応物質組成物と反応させて、酢酸を含む反応溶液を生成させ;そして
    反応器から、芳香族化合物を実質的に含まない反応溶液を排出する;
    ことを含む、低い芳香族含量を有するカルボニル化生成物を製造するためのカルボニル化方法。
  2. 反応物質組成物1gに対して少なくとも6mgの吸着剤を用いる、請求項1に記載の方法。
  3. 反応物質組成物が、反応物質組成物の全重量を基準として少なくとも1wppmの芳香族化合物を含む、請求項1〜2のいずれかに記載の方法。
  4. 芳香族化合物が、ベンゼン、トルエン、キシレン類、エチルベンゼン、ナフタレン、ベンゼン誘導体、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 脱芳香族反応物質組成物が、脱芳香族反応物質組成物の全重量を基準として40wppm未満の芳香族化合物を含む、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 反応溶液が、反応溶液の全重量を基準として40wppm未満の芳香族化合物を含む、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
  7. 脱芳香族反応物質組成物が反応物質組成物よりも低い芳香族化合物の濃度を有する、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
  8. 芳香族化合物の少なくとも40%を保護床によって除去する、請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
  9. 保護床が反応器への入口に隣接している、請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
  10. ガスクロマトグラフィー及びUV分光光度測定からなる群から選択されるオンライン分析器を用いて反応物質組成物中の芳香族化合物の濃度を測定することを更に含む、請求項1〜9のいずれかに記載の方法。
  11. 保護床の前に、反応物質組成物よりも少ない芳香族化合物を含む新しい反応物質を反応物質組成物に加えることを更に含む、請求項10に記載の方法。
  12. 反応物質組成物がアミンを更に含み、脱芳香族反応物質組成物を交換樹脂と接触させて、減少したアミン含量を有する精製した脱芳香族反応物質組成物を生成させることを更に含む、請求項1〜11のいずれかに記載の方法。
  13. 精製した脱芳香族反応物質組成物が、精製した脱芳香族反応物質組成物の全重量を基準として1wppm未満のアミンを含む、請求項12に記載の方法。
  14. 反応物質組成物が、反応物質組成物の全重量を基準として100wppm未満のアミンを含む、請求項12及び13のいずれかに記載の方法。
  15. 交換樹脂がスルホン化スチレン−ジビニルベンゼンコポリマーを含む、請求項12、13、及び14のいずれかに記載の方法。
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