JP2014523532A - 自己免疫疾患についての診断試験の特異性を増大させるための方法 - Google Patents

自己免疫疾患についての診断試験の特異性を増大させるための方法 Download PDF

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Abstract

被験体のサンプルを、試験の前に、サンプル中に存在する任意の干渉抗体に結合し得る阻止抗原に接触させることによって、自己免疫疾患の診断を補助するための抗体に基づく試験の特異性を増大させるための方法が提供される。より具体的には、被験体由来のサンプルを提供する工程、そのサンプルをDFS70由来抗原と接触させる工程、そのサンプルを自己免疫疾患標的と反応させる工程、およびその自己免疫疾患標的に対する抗体を検出する工程を含む、抗体に基づく自己免疫疾患アッセイの特異性を増大させるための方法が開示される。

Description

本発明は一般的に、自己免疫疾患の診断を補助するために、抗体に基づく試験の特異性を増大させる方法に関連する。より具体的には、本発明は、試験の前に、被験体サンプルを、そのサンプル中に存在する任意の干渉抗体と結合し得る阻止抗原と接触させることによって、そのような診断試験の特異性を増大させる方法に関連する。
発明の背景
疾患、感染、または免疫反応の診断を補助するための、生物学的サンプルにおける抗体の検出が、当該分野で公知である。自己免疫疾患のような、いくつかの適応症に関して、これらの抗体は、自己免疫を刺激し得る、その人自身の体内の「自己抗原」分子を認識して複合体を形成する自己抗体である。体が、その自己の組織および臓器に対する免疫応答を開始した場合に自己免疫疾患が起こる。これが起こった場合、免疫系は、体の細胞または組織を標的とし、そして攻撃する、自己抗体としても公知である抗体を産生する。この反応は自己免疫応答と呼ばれ、そして最も通常には炎症および組織損傷によって特徴付けられる。従って、自己免疫疾患は、世界中で大きな健康リスクである。記録された統計が無いために、自己免疫疾患に罹患している個人の実際の数は不明である。しかし、環境汚染の増加をはじめとする多くの因子のために、この数は次の10年で劇的に増加することが予測される。特に、紫外線照射、オゾン、有機溶媒、および超微粒子のような環境汚染は、自己免疫疾患の誘発および/または悪化と関連付けられている。今日、自己免疫によって起こる80を超える病気が存在し、そしていくつかの他のものがこの状態の結果であると考えられている。全てのアメリカ人のうちの約5〜7%がこれらの疾患にかかり、そしてそれらの75%より多くが女性である。実際、それは65歳までの全ての年齢群において、女性の10個の主な死因の1つである。比較すると、米国において、癌を有するのが900万人であるのと比較して、約2,350万人が自己免疫疾患に罹患している。
いくつかの自己免疫疾患は、組織または臓器に特異的であり、一方、他のものはヒトの体のいくつかの臓器に影響を与える。この後者のカテゴリーの疾患は、しばしば、多くの場合「全身性自己免疫リウマチ性疾患」(「SARD」)と呼ばれ、そしてその症状は、患者ごとに異なり得、その抗原の構成と関係なく、組織損傷および炎症が、複数の部位および臓器で起こる。より一般的なSARDのいくつかとしては、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス(狼瘡)、混合性結合組織病、全身性硬化症、多発性筋炎、皮膚筋炎、シェーグレン症候群等が挙げられる。自己免疫疾患は一般的に、複数の因子によって影響を受けると考えられ、寄与因子のいくつかは遺伝的素質、宿主因子(T細胞欠損、および制御に抵抗性であるB細胞のポリクローナル刺激のような)、環境因子(ウイルス、化学因子および特定の微生物感染のような)および抗原によるメカニズム(隔絶抗原または交差反応性外因性抗原のような)である。
多くのSARDの共通の特徴は、罹患した患者の体液における、1つまたはそれより多くの型の抗核抗体(「ANA」)の存在である。一般的に、ANAは、ある人自身の細胞の核中の抗原に対する自己抗体である。従って、ANAの検出のために、何年にもわたって間接免疫蛍光(「IIF」)アッセイおよび酵素結合免疫吸着アッセイ(「ELISA」)のような様々な診断的ANAアッセイおよびスクリーニングが策定されてきた。
IIFアッセイは、ANAの検出のための最も一般的に使用される慣用的な試験の1つであり、そしてAmerican College of Rheumatology(「ACR」)によって推奨されている。典型的には、患者の血清を緩衝溶液で希釈し、そしてガラススライドに固定した細胞と反応させる。その細胞に関連する抗原成分と免疫反応性である抗体が患者の血清中に存在するなら、それらは細胞に結合し、そして抗原−抗体複合体を形成する。洗浄してあらゆる未結合の物質を除去した後、抗原−抗体複合体の存在を、蛍光部分で標識した抗ヒト抗体を用いて検出する。次いで蛍光シグナルの存在を、顕微鏡下で、またはより最近ではデジタル画像化システムによって細胞を見ることによって検出する。
IIF法は、異なる臨床的関連を有する様々な自己抗体特異性が検出されるので、ある特定の自己免疫疾患に特異的ではない。有意な数の例において、複数の重複する蛍光パターンが、そのパターンの解釈を実質的に複雑にし得る。従って、患者標本に存在する自己抗体特異性を同定するためには、特異的な確認試験が必須である。より具体的には、特定の自己免疫疾患を示唆するパターンが見られたとしても、その疾患の診断を補助するためにその試験結果を利用し得る前に、酵素イムノアッセイ(「EIA」)、免疫拡散法または赤血球凝集のようなアッセイを用いた、Sm、Scl−70、Ro、La、RNPおよび2本鎖DNA(「dsDNA」)のような精製抗原による、詳細な確認試験が必要である。それに加えて、特にもしサンプルが適切に滴定されなかったなら、蛍光パターンの不明瞭化が起こり得る。最近の研究は、ヒト上皮系統(「HEp−2」)細胞に対するIIFは、約20%の偽陽性率を有することを示した。特に、ANA診断試験が偽陽性の結果を生じると、臨床医は典型的に一連の確認試験を指示し、それは費用がかかり、そしてまた誤診も引き起こし得る。従って、ANA検出に関して、IIF法を用いる欠点の1つは、多数の偽陽性を生じることであり、それは自己免疫疾患または自己免疫疾患に似た病気に罹患した患者の誤診、および続く不必要な処置または不十分な処置を引き起こし得る。
さらに、結果を解釈することは困難であり得、そしてよって、特定の抗体の結果を利用することは、典型的には最適ではない。さらに、ポジティブスクリーニングの作製と特異的抗体の結果の作成との間の遅延は、最初の結果の低い陽性的中率を考慮すれば、患者および臨床医の両方にとって困難であり得る。特に、特異的抗体の結果を受け取った場合、それらはいくつかの症例において高度に示唆的であり得る(例えば、全身性硬化症の高い可能性を示す陽性抗Scl−70抗体)か、またはそれらはあまり有用ではないかもしれない(例えば、陽性Ro52単独では、臨床的関連が依然として不明である)。よって、陽性ANA試験は、自己免疫疾患の確定証拠を有さない、かなりの割合のANA陽性個人を生じ得る。自己抗体は、自己免疫疾患の臨床的発症に何年も先立ち得るという認識の観点からすると、これはさらにより重要になる。
従って、IIFは、永続的な記録を作成せず、複数のアッセイを含み、時間がかかり、労働集約的でかつ高価であり(人件費およびフォローアップ試験のコストを考えた場合)、結果の解釈にかなりの専門知識を必要とし、かつ自己免疫疾患の誤診を引き起こし得る、明らかな限界を有する診断法である。
最近、約20%の健康な個人が、ANAを有すると報告されており、そのうち抗dense fine speckles 70(「抗DFS70」)抗体が、偽陽性結果の主な原因である。抗DFS70抗体は最初に、間質性膀胱炎を有する患者からANAとして同定され、そしてそれらの自己抗体は後に、アトピー性皮膚炎のような様々な他の疾患状態と関連付けられた(非特許文献1(Ochsら、1994、J Urol;151:587−592))。Ochsらは、DFSが分裂間期細胞の核質に分布し、有糸分裂細胞においては凝縮染色体の強調された全般染色からなるHEp−2細胞の特徴的な免疫組織化学的染色パターンとして、抗DFS70抗体によるIIF染色パターンを記載した。70kDaのタンパク質はイムノブロッティングによって認識され、そして抗原は最初DFS70と呼ばれたが、主な標的自己抗原はその後、DNA結合転写活性化補助因子p75とも呼ばれる、レンズ上皮由来増殖因子(LEDGF)と同定された。このタンパク質は、ウイルスインテグラーゼとの相互作用によってヒト免疫不全ウイルス複製の補助因子として作用することを含む、多くの生理学的機能を有すると考えられ、そしてそれはまた前立腺腫瘍組織において高度に発現している。
その最初の特徴付け以来、抗DFS70抗体は、様々な慢性炎症性疾患を有する患者において、癌患者において、および健康な個人の血清においてさえも頻繁に、見出された。2005年に、Dellavanceら(非特許文献2(Dellavanceら、2005、J Rheumatol 32(11):2144−9))は、10,000を超えるANA陽性サンプルをIIF、そして次いでイムノブロットによって評価し、抗DFS70抗体が、SARDの証拠を有さないANA陽性個人においてよくあり、そしてこの自己抗体を有する自己免疫患者の中で、50%より多くの患者が自己免疫甲状腺炎の証拠を有していたことを報告した。抗DFS70抗体の最も高い保有率は、フォークト・原田症候群を有する患者(66.7%)およびアトピー性皮膚炎を有する患者(30%)において、続いて健康な個人(約10%)で報告され、一方SARDにおけるその保有率は、有意により低い(約2〜3%)。さらに、抗DFS70抗体を有する個人の予後および長期の転帰を考慮した場合、40人の抗DFS70陽性健康個人は、平均4年の期間内に、誰も自己免疫疾患を発症しなかったことが最近報告された。従って、抗DFS抗体を、SARDを除外するためのバイオマーカーとして利用し得ることが示唆された。
しかし、DFS70/LEDGFに対する自己抗体の潜在的な臨床的重要性はまた、矛盾する研究に起因して問題視された。2004年、Watanabeら(非特許文献3(Watanabeら、2004、Arthritis Rheum 50:892−900))は、アトピー性皮膚炎に関連する症状が、抗DFS70陽性被験者に存在することを示した。さらに対照的に、Yamadaら(非特許文献4(Yamadaら、2001、Immunol Lett 78:161−8))は、ELISAを用いて、全身性自己免疫であって炎症性疾患であるフォークト・原田症候群を有する患者における、DFS70に対する自己抗体の高い保有率を示した。他の研究はまた、DFS70/LEDGFに対する自己抗体は、様々な慢性炎症性状態において生じることを示した。従って、抗DFS70抗体に関する試験の臨床的重要性は、自己免疫疾患を診断することに対する関連および妥当性に関して、依然として論点のままである。しかし、抗DFS70抗体は、健康な個人と比較して、SARDを有する患者において有意に関連性が低いという意見の一致に達した。従って、抗DFS70抗体は、ANA試験の、特異性、そして従って陽性的中率を低下させる。
よって、ANA検出における偽陽性の頻度、高いコスト、不必要な確認試験、および自己免疫疾患の誤診を抑制する、自己免疫疾患についての、抗体に基づく試験の特異性を増大させる方法に対するニーズが、その分野に存在する。
Ochsら、1994、J Urol;151:587−592 Dellavanceら、2005、J Rheumatol 32(11):2144−9 Watanabeら、2004、Arthritis Rheum 50:892−900 Yamadaら、2001、Immunol Lett 78:161−8
請求項に記載した主題のいくつかの局面の基本的な理解を提供するために、以下の単純化した概要を提供する。この概要は、詳細な概要ではなく、そして重要な/決定的な要素を同定する、または請求項に記載した主題の範囲を描写することを意図しない。その目的は、後に示すより詳細な説明の前置きとして、単純化された形式でいくつかの概念を提示することである。
1つの実施態様において、本発明は、以下の工程を含む、抗体に基づく自己免疫疾患アッセイの特異性を増大させるための方法に関連する:患者由来の血清または血漿のサンプルを提供する工程;その血清または血漿のサンプルを、DFS70由来抗原と接触させて、そのDFS70由来抗原とそのサンプル中に存在し得る抗DFS70抗体との間で複合体を形成させる工程;そのサンプルを自己免疫疾患標的と反応させる工程;およびその自己免疫疾患標的に対する抗体を検出する工程。
いくつかの代表的な実施態様において、その血清または血漿サンプルを、DFS70由来抗原と接触させて、そのDFS70由来抗原とそのサンプル中に存在し得る抗DFS70抗体との間で複合体を形成する工程は、抗DFS70自己抗体が、抗体に基づく自己免疫疾患アッセイ結果に現れることを阻害する。
本発明のさらなる実施態様において、その血清または血漿サンプルを、DFS70由来抗原と接触させて、そのDFS70由来抗原とそのサンプル中に存在し得る抗DFS70抗体との間で複合体を形成する工程は、被験体サンプル中の他の抗体の同定の改善を提供する。
別の実施態様において、本発明は、抗体に基づく自己免疫疾患アッセイの特異性を増大させるための方法に関連し、ここでその抗体に基づく自己免疫疾患アッセイは、抗核抗体(ANA)試験である。他の代表的な実施態様において、その抗体に基づく自己免疫疾患アッセイを、蛍光免疫吸着アッセイ(FIA)、化学発光免疫吸着アッセイ(CIA)、ラジオイムノアッセイ(RIA)、酵素増幅イムノアッセイ、固相ラジオイムノアッセイ(SPRIA)、および酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)からなる群から選択する。
本発明の様々な局面において、本明細書中で記載されたとおりの方法において使用されるDFS70由来抗原は、配列番号1である。代替の実施態様において、そのDFS70由来抗原は、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、および配列番号9からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。他の代表的な実施態様において、そのDFS70由来抗原は、DFS70のアミノ酸配列(配列番号1)の断片である。さらに、本発明の少なくとも1つの実施態様において、その血清または血漿サンプルをDFS70由来抗原と接触させる前に、DFS70由来抗原を溶液中で希釈することによってそのDFS70由来抗原を調製し得る。
本発明のさらなる実施態様において、その自己免疫疾患標的は、全身性自己免疫疾患と関連する、分子または分子の組み合わせである。他の実施態様において、その自己免疫疾患標的は、結合組織疾患と関連する、分子または分子の組み合わせである。本発明の様々な局面において、その結合組織疾患は、全身性エリテマトーデス(SLE)、多発性筋炎(PM)、全身性硬化症および混合性結合組織病(MCTD)からなるがこれらに限らない群から選択される。
自己免疫疾患標的に対する抗体を検出するための、様々な代表的な検出方法は、蛍光体(fluorescer)、酵素、化学発光体、光増感剤、および懸濁可能な粒子からなる群から選択される標識を使用することを含む。
本発明の他の局面が、明細書全体に見出される。
図1は、全長DFS70抗原の推測アミノ酸配列(配列番号1)を示す。 図2は、抗DFS70自己抗体の吸収の前および後の両方の、自己免疫患者および健康コントロールにおける抗DFS70反応性を示すグラフを示す。抗DFS70抗体の吸収前(黒いバー)、健康ドナー由来の11個のサンプルのうち10個が陽性であった。吸収後(白いバー)、2/10のみが陽性のままであった。
(配列の簡単な説明)
配列番号1は、530アミノ酸からなる全長DFS70抗原のアミノ酸配列である。
配列番号2は、全長DFS70抗原のアミノ酸残基1〜326に対応するDFS70由来抗原性断片のアミノ酸配列である。
配列番号3は、全長DFS70抗原のアミノ酸残基323〜530に対応するDFS70由来抗原性断片のアミノ酸配列である。
配列番号4は、全長DFS70抗原のアミノ酸残基375〜530に対応するDFS70由来抗原性断片のアミノ酸配列である。
配列番号5は、全長DFS70抗原のアミノ酸残基323〜375に対応するDFS70由来抗原性断片のアミノ酸配列である。
配列番号6は、全長DFS70抗原のアミノ酸残基323〜407に対応するDFS70由来抗原性断片のアミノ酸配列である。
配列番号7は、全長DFS70抗原のアミノ酸残基349〜435に対応するDFS70由来抗原性断片のアミノ酸配列である。
配列番号8は、全長DFS70抗原のアミノ酸残基349〜450に対応するDFS70由来抗原性断片のアミノ酸配列である。
配列番号9は、全長DFS70抗原のアミノ酸残基349〜464に対応するDFS70由来抗原性断片のアミノ酸配列である。
発明の詳細な説明
本発明は一般的に、自己免疫疾患の診断を補助するための診断試験の特異性を増大させるための方法に関連する。より具体的には、本発明は、被験体サンプルを、試験の前に、そのサンプル中に存在する干渉自己抗体に結合し得る特異的な阻止抗原と接触させることによって、そのような診断試験(例えばANA試験)の特異性を増大させるための方法に関連する。
一定の健康な個人およびSARDではない疾患を有する個人が、抗DFS70抗体を有するので、被験体サンプル中の抗DFS70抗体の検出は、ANA試験を行った場合に有意な数の偽陽性を生ずることが示された。さらに、抗DFS70抗体は、免疫蛍光試験結果を不明瞭にするDFS70蛍光パターンを生じ、他の検出された抗体に属する蛍光パターンを同定することをより困難にする。これらの理由のために、陽性のANA試験結果に対する抗DFS70抗体の寄与は、詳細な確認試験を行わなければ、潜在的な誤診を引き起こし得る。
よって、本発明は、ANA試験のような、自己免疫疾患の診断を補助するための診断試験の特異性を増大させるための方法を提供し、ここでDFS由来抗原とのプレインキュベーションは、DFS70由来抗原が、被験体サンプル中に存在する任意の抗DFS70抗体と結合し、それによって抗DFS70抗体の検出を防止することを可能にする。従って、DFS70由来抗原とのプレインキュベーションは、抗DFS70抗体が検出されることを防止し、それは偽陽性の数を抑制することによって、免疫診断試験の特異性を増大させる。
より具体的には、本発明は、1つの局面において、ANA試験の特異性を増大させるための方法を提供する。その方法は、患者から被験体サンプルを調製すること;その被験体由来の被験体サンプルをDFS70由来抗原、または阻止抗原と接触させて、被験体サンプル中に存在し得る任意の干渉抗DFS70抗体を結合すること;その被験体サンプルを、自己免疫疾患標的と反応させること;および被験体サンプル中の1つまたはそれより多くの抗体の、被験体サンプル中の自己免疫疾患標的への結合を検出することを含む。その阻止抗原は、全長DFS70抗原(配列番号1)、または配列番号2〜9において例示された代表的なDFS70由来抗原のいずれかのような、エピトープを含むその断片であり得る。
議論したように、本発明において記載した方法を使用するいくつかの利点が存在する。偽陽性の発生は有意に抑制され、いくつかの場合には疾患に無関係の抗体の50%まで抑制される。さらに、別の利点は、DFS70蛍光パターンによって不明瞭になっていた、全身性自己免疫疾患に関連する臨床的に関連するパターンの顕在化である。具体的には、任意のDFS70由来抗原によって例示される、阻止抗原を、被験体サンプルと接触させた場合、その阻止抗原は被験体サンプル中に存在する任意の抗DFS70自己抗体と結合する。抗DFS70自己抗体はDFS由来抗原と結合するので、その抗DFS70自己抗体はその後、望ましい自己免疫疾患標的と結合できない。従って、阻止抗原を用いることによって、免疫診断試験の特異性および正確性を、本明細書中で記載した方法により有意に増大させ得る。
定義
続く説明において、分子生物学、免疫学および医学の分野において使用される多くの用語が広範囲に使用される。そのような用語に与えられる範囲を含め、明細書および請求の範囲の明確でかつ一貫した理解を提供するために、以下の非制限的な定義を提供する。本明細書中で引用された全ての参考文献は、参考として援用される。
本開示において「1つの」、「a」、または「an」という用語が使用された場合、他に示されなければ、それらは「少なくとも1」または「1つまたはそれより多く」を意味する。
「自己免疫疾患」という用語は、個体自身の組織、臓器に対する免疫反応から起こる疾患もしくは障害、またはその徴候、またはそれらから起こる状態を指す。本明細書中で使用される場合、「自己免疫疾患」という用語は、癌および他の疾患状態を含み、ここで自己組織に対する抗体は必ずしも疾患状態に関与していないが、依然として診断において重要である。さらに、1つの実施態様において、それは正常な体の組織および抗原と反応性である抗体のB細胞による自己抗体の産生から起こる、またはそれによって悪化する状態を指す。他の実施態様において、その自己免疫疾患は、自己抗原(例えば核抗原)由来のエピトープに特異的な自己抗体の分泌が関与するものである。
「全身性自己免疫疾患」という用語は、1つより多くの臓器に影響を与える自己免疫反応によって引き起こされる疾患、障害、または症状の組み合わせを指す。よって、「全身性自己免疫疾患」という用語は、抗GBM腎炎(グッドパスチャー病)、多発性血管炎を伴う肉芽腫症(GPA)、顕微鏡的多発性血管炎(MPA)、全身性エリテマトーデス(SLE)、多発性筋炎(PM)、またはセリアック病を含むがこれらに限定されない。
「結合組織病」という用語は、体の結合組織に影響を与える自己免疫反応によって引き起こされる、疾患、障害、または症状の組み合わせを指す。よって、「結合組織病」という用語は、全身性エリテマトーデス(SLE)、多発性筋炎(PM)、全身性硬化症、または混合性結合組織病(MCTD)を含むがこれらに限定されない。
「抗体」という用語は、エピトープまたは抗原決定基に結合し得る免疫グロブリン分子を指す。「抗体」という用語は、抗体全体、および1本鎖抗体を含むその抗原結合断片を含む。よって、「抗体」という用語は、Fab、Fab’およびF(ab’)、Fd、1本鎖Fv(scFv)、1本鎖抗体、ジスルフィド結合Fv(sdFv)、およびVまたはVのいずれかのドメインを含む断片を包含するがこれらに限定されない、ヒト抗原結合抗体および抗体断片を含む。それらの抗体は、例えばヒト、マウス、ウサギ、ヤギ、モルモット、ラクダ、ウマ等を包含する哺乳類のような、任意の動物起源由来であり得る。
「抗原」という用語は、免疫応答を誘発し得る分子を指す。「抗原」という用語は、抗体が結合し得る任意の分子を包含する。さらに、「抗原」という用語は、タンパク質性または非タンパク質性の抗原を指し得る。その抗原は、タンパク質全体またはその一部であり得る。
本明細書中で使用される「アミノ酸置換」という語句は、ある配列中のアミノ酸残基の、別の分子による置換または変換を指す。その分子は、天然または非天然のアミノ酸、有機分子または他の化学的部分であり得る。置換において、合成される配列中の1つのアミノ酸残基を、別のアミノ酸残基または分子で置換し得る。例えば、ロイシンをイソロイシンで置換することは、1つの疎水性アミノ酸残基を別の疎水性アミノ酸残基で置換する保存的置換である。変換において、ある配列中の1つのアミノ酸残基を、別のアミノ酸に変換する。例えば、グルタミンを脱アミノ化によってグルタミン酸に、またはアルギニンをデイミナーゼによってシトルリンに変換し得る。
本明細書中で使用される「ペプチド」という用語は、ペプチド結合によって結合した2つまたはそれより多くのアミノ酸残基の配列を指す。ペプチドは、その配列が一般的に天然タンパク質配列より小さいので、天然タンパク質から区別される。そのペプチドを、タンパク質消化物から単離してもよく、または合成により調製してもよい。そのペプチドのアミノ酸配列は、天然タンパク質配列と同一であってもよく、または改変されてもよい。改変は、1つまたはそれより多くの特定のアミノ酸残基の、別のアミノ酸残基への酵素的変換により行なわれ得る。それに加えて、ペプチドの合成中に1つまたはそれより多くのアミノ酸残基を置換、欠失、または挿入することによって、改変を行い得る。
「自己抗体」という用語は、ヒト体内に存在する自己タンパク質、炭水化物、核酸、または他の分子に対する免疫グロブリンを指す。より具体的には、「自己抗体」という用語は、自己抗原またはその断片に結合し得る抗体を指す。
「自己免疫疾患標的」または「標的」という用語は、自己免疫応答が誘発され得る分子(例えば、抗原)を指し、ここで誘発された反応が、診断アッセイを用いて検出され得る。より具体的には、本明細書中で使用される場合、「自己免疫疾患標的」という用語は、被験体由来のサンプルにおいて抗体の存在、欠如、または量を決定するために使用されるタンパク質(例えば、タンパク質性抗原)を指す。さらに、「自己免疫疾患標的」は、自己免疫疾患に関与する抗原由来のタンパク質と、少なくとも1つのエピトープを共有する免疫原性分子である。
「抗体に基づく診断試験」または「免疫診断試験」という用語は、自己抗原のような、規定された標的に対する自己抗体の存在または欠如を検出するための、診断試験またはアッセイを指す。より具体的には、「抗体に基づく診断試験」という用語は、抗体が抗原に特異的に結合して、その抗体または抗原の検出および/または定量を提供するアッセイである。「抗体に基づく診断試験」は、その抗原を単離、標的化、および/または定量するために、特定の抗体の特異的に結合する性質を使用することによって特徴付けられる。
「阻止抗原」(blocking antigen)という用語は、阻止抗原として使用される任意のDFS70由来抗原を指す。
「干渉抗体」(interfering antibody)という用語は、阻止抗原に結合する任意の抗体を指す。
「被験体サンプル」(subject sample)という用語は、血清、血漿、細胞ライセート、乳、唾液、硝子体液(vitrous fluid)、涙液、組織ホモジネート、滑液、脳脊髄液、胸膜液、および組織ホモジネートを包含するがこれらに限定されない、様々なサンプルを指す。循環している自己抗体を検出するためのサンプルとしては、例えば血液、血清、および血漿が挙げられる。1つの実施態様において、簡便さのために、そのサンプルは血漿または血清であるが、唾液が、本明細書中で記載されたとおりの抗微生物自己抗体の存在を測定するために適切な生物学的サンプルであることが報告された。本明細書中で使用される「被験体」または「患者」という用語は、自己免疫疾患の存在を検出するためにサンプルを得ることができる様々な動物種を指す。これらとしては、哺乳類、鳥類、爬虫類、および魚類が挙げられるがこれらに限定されない。より具体的には、その被験体は哺乳類であり、そして最も具体的には、その哺乳類はヒトである。その被験体はまた、感染性疾患、癌、ワクチン反応、または抗体応答を測定することが有用である何らかの他の状態に罹患していてもよい。
自己免疫疾患
免疫系が機能不全を起こし、体自身の高分子または組織を外来性であると解釈して、そしてその体の特定の高分子、細胞、または組織を標的とし、そして攻撃する自己抗体または免疫細胞を産生する場合、自己免疫疾患が起こる。外来性分子に対する正常な免疫応答と同様に、自己免疫応答も、自己免疫疾患の種々の段階で種々のクラスを産生する。神経、胃腸、内分泌、循環器系、および結合組織および眼を含む、ありとあらゆるヒト臓器系が罹患され得る。自己免疫疾患は、人口の5〜7%に罹患する、80より多くの広く様々な慢性疾患を含み、その約3分の2は女性である。1つの群として、それらは最も理解されていない疾患である。これらの疾患は、遺伝的素因を有するが、感染または他のきっかけによって引き起こされると考えられる。
自己免疫疾患または自己免疫障害の例としては、急性散在性脳脊髄炎(ADEM)、急性壊死性出血性白質脳炎、アジソン病(ddison’s disease)、無ガンマグロブリン血症、円形脱毛症、アミロイドーシス、強直性脊椎炎、抗GBM腎炎(グッドパスチャー病)、抗リン脂質症候群(APS)、自己免疫血管浮腫、自己免疫再生不良性貧血、自己免疫自律神経障害、自己免疫肝炎、自己免疫高脂血症、自己免疫免疫不全症、自己免疫内耳疾患(AIED)、自己免疫心筋炎、自己免疫膵炎、自己免疫網膜症、自己免疫血小板減少性紫斑病(ATP)、自己免疫甲状腺疾患、自己免疫蕁麻疹、軸索およびニューロン神経障害、バロー(Balo)病、ベーチェット病、水疱性類天疱瘡、心筋症、キャッスルマン病、セリアック病、シャーガス病、慢性疲労症候群、慢性炎症性脱髄性多発ニューロパシー(CIDP)、慢性再発性多巣性骨髄炎(ostomyelitis)(CRMO)、チャーグ・ストラウス症候群、瘢痕性類天疱瘡/良性粘膜類天疱瘡、クローン病、コーガン症候群、寒冷凝集素病、先天性心ブロック、コクサッキー心筋炎、およびCREST病が挙げられるがこれらに限定されない。
他の例は、本態性混合型クリオグロブリン血症、脱髄性神経障害、疱疹状皮膚炎、皮膚筋炎、デビック病(視神経脊髄炎)、円板状狼瘡(Discoid lupus)、ドレスラー症候群、子宮内膜症、好酸球性筋膜炎、結節性紅斑、エヴァンズ症候群、線維筋痛症、線維性胞隔炎、巨細胞性動脈炎(側頭動脈炎)、糸球体腎炎、多発性血管炎を伴う肉芽腫症(GPA)(ウェゲナー肉芽腫症を参照のこと)、グレーブス病、ギラン・バレー症候群、橋本脳炎、橋本甲状腺炎、溶血性貧血、ヘノッホ・シェーンライン紫斑病、妊娠疱疹、低ガンマグロブリン血症、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、IgA腎症、IgG4関連硬化性疾患、免疫調節性リポタンパク質、封入体筋炎、インスリン依存性糖尿病(1型)、間質性膀胱炎、若年性関節炎、若年性糖尿病、川崎症候群、ランバート・イートン症候群、白血球破砕性血管炎、扁平苔癬、硬化性苔癬、木質性結膜炎、線状IgA病(LAD)、狼瘡(SLE)、ライム病、慢性、メニエール病、顕微鏡的多発性血管炎、混合性結合組織病(MCTD)、モーレン潰瘍、ムッハ・ハーベルマン病、多発性硬化症、重症筋無力症、筋炎、ナルコレプシー、視神経脊髄炎(デビック病)、好中球減少症、眼瘢痕性類天疱瘡、および視神経炎を含む。
さらに他の例は、回帰性リウマチ、PANDAS(連鎖球菌関連小児自己免疫神経精神疾患)、傍腫瘍性小脳変性症、発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)、ロンベルク症候群、パーソネージ(Parsonnage)・ターナー症候群、扁平部炎(末梢ブドウ膜炎)、天疱瘡、末梢神経障害、静脈周囲脳脊髄炎、悪性貧血、POEMS症候群、結節性多発動脈炎、多腺性自己免疫症候群I、IIおよびIII型、リウマチ性多発筋痛症、多発性筋炎、心筋梗塞後症候群、心膜切開後症候群、プロゲステロン皮膚炎、原発性胆汁性肝硬変、原発性硬化性胆管炎、乾癬、乾癬性関節炎、特発性肺線維症、壊疽性膿皮症、赤芽球ろう、レイノー現象、反射性交感神経性ジストロフィー、ライター症候群、再発性多発性軟骨炎、むずむず脚症候群、後腹膜線維症、リウマチ熱、関節リウマチ、サルコイドーシス、シュミット症候群、強膜炎、強皮症、シェーグレン症候群、精子および精巣自己免疫、スティッフパーソン症候群、亜急性細菌性心内膜炎(SBE)、スザック症候群、交感性眼炎、高安動脈炎、側頭動脈炎/巨細胞性動脈炎、血小板減少性紫斑病(TTP)、トロサ・ハント症候群、横断性脊髄炎、潰瘍性大腸炎、未分化結合組織病(UCTD)、ブドウ膜炎、血管炎、水疱性皮膚病(vesiculobullous dermatosis)、白斑、ウェゲナー肉芽腫症(現在は多発性血管炎を伴う肉芽腫症(GPA)と呼ばれる)を含む。
自己抗体
ヒト免疫系は、外来性物質に対する抗体を作製することによって、または侵入または感染細胞由来のあるペプチドを認識する受容体を有する細胞傷害性T細胞を産生することによって、体を感染から保護している。免疫グロブリンとしても公知であり、「Ig」と省略される抗体は、B細胞の表面および脊椎動物の血液または他の体液中にある。それらは典型的には、基本的な構造ユニット(それぞれ2本の大きな重鎖および2本の小さい軽鎖を有する)からなり、例えば1つの基本ユニットでモノマー、2つのユニットでダイマー、または5つのユニットでペンタマーを形成する。いくつかの異なる型の抗体重鎖、およびいくつかの異なる種類の抗体が存在し、それらがどの重鎖を有するかに基づいて異なるアイソタイプに分類される。哺乳類において、5つの異なる抗体アイソタイプ(IgM、IgA、IgG、IgD、およびIgE)が公知であり、それらは異なる役割を果たし、そしてそれらが直面する異なるタイプの外来性分子それぞれに対して適切な免疫応答を指示することを補助する。
全ての抗体の一般的な構造は非常に似ているが、そのタンパク質の先端の小さい領域は極めて可変性であり、わずかに異なる先端構造を有する数百万の抗体が存在することを可能にする。この領域は、相補性決定領域(contact determining region)(CDR)を含む超可変領域として公知である。これらのバリアントはそれぞれ、抗原として公知である異なる標的に結合し得る。抗体のこの膨大な多様性が、免疫系が同様に広く多様な抗原を認識することを可能にする。抗体によって認識される抗原の独特の部分は、エピトープと呼ばれる。これらのエピトープは、誘導適合と呼ばれる、高度に特異的な相互作用でそれらの対応する抗体と結合し、それは、抗体が、生物を構成する数百万の異なる分子の中でもその独特の抗原のみを同定し、そしてそれに結合することを可能にする。抗体による抗原の認識は、それに免疫系の他の部分による攻撃のためにタグを付ける。抗体はまた、例えば感染を引き起こすために必要な病原体部分に結合することによって、標的を直接中和し得る。
異なる抗原結合部位(またはパラトープ)をコードする遺伝子セグメントのセットの無作為な組み合わせ、その後のさらなる多様性を生じる、この抗体遺伝子のこの領域における無作為な変異によって、多数および多様な抗体の集団が産生される。免疫応答を進める、病原体に対して高い親和性を有する抗体の選択は、反応性抗体の産生の増加を引き起こす。抗体遺伝子はまた、重鎖の基部を別のものに変更して、抗原特異的可変領域を保持する異なるアイソタイプの抗体を作る、クラススイッチと呼ばれるプロセスにおいて再組織化される。クラススイッチは、免疫系のいくつかの異なる部分が、単一の抗体反応性を使用することを可能にする。抗体の産生は、体液性免疫系の主な機能である。
抗体のクラスはそれぞれ、体の異なる部位において最良の特定の生物学的活性および機能のために、構造的に適合される。これがH鎖の定常領域にいくつかの遺伝子が存在する理由である。従って、各抗体クラス/サブクラスは、そのFc領域によって特定の機能を果たす。いくつかの場合において、異なるクラスの抗体は、同じ生物学的活性を有するが、感染または疾患の異なる段階において発現され得る(例えば、補体結合においてIgMおよびIgGが発現され得る)。
これらの疾患において自己抗体を検出および同定することは、自己免疫疾患を有する患者の診断、予後、および処置についての有用な情報をもたらした。現在、ハイボリュームおよびハイスループットアッセイ技術に不適切であること、高コストおよび高レベルの偽陽性のような限界にも関わらず、IIFによるANAは、全身性自己免疫疾患を有することが疑われる患者由来の血清および血漿において自己抗体をスクリーニングするための、依然として最も一般的な診断ストラテジーである。しかし、自己免疫疾患の診断に対する自己抗体血清学の信頼できる寄与は、まだ複数のアッセイを行うことを必要とする。
しかし最近、核dense fine speckledと呼ばれる染色パターンを生じる自己抗体が、自己免疫疾患の診断を除外するためのバイオマーカーとして自己免疫疾患に関連付けられた。
DFS70
DFS70は最初、間質性膀胱炎を有する患者由来の血清を用いたイムノブロッティング実験によって、約70kDaのタンパク質として同定された。近年、約20%の健康な個人がANAを含むことが報告され、ここで抗dense fine speckles 70(「抗DFS70」)抗体が偽陽性結果の主な原因を占める。抗DFS70抗体は最初、間質性膀胱炎を有する患者由来のANAとして同定されたが、それらの自己抗体は後に、様々な疾患状態、そして特にアトピー性皮膚炎と関連付けられた。典型的なIIF染色パターンは、核および中期クロマチン全体に分布するDFSと記載された。さらに、70kDaのタンパク質がイムノブロッティングによって認識され、そしてその抗原は最初、dense fine speckles 70(DFS70)と命名されたが、その後、その主な標的自己抗原はレンズ上皮由来増殖因子(LEDGF)またはDNA結合転写活性化補助因子p75であると同定された。このタンパク質は、ウイルスインテグラーゼとの相互作用によってヒト免疫不全ウイルスの複製の補助因子として作用することを含め、多くの生理学的機能を有すると考えられ、そしてそれはまた前立腺腫瘍組織において高度に発現している。
その最初の特徴付け以来、抗DFS70抗体は、様々な慢性炎症性状態を有する患者、癌患者の血清において、および一定の健康な個人の血清においても見出された。2005年にDellavanceらは、IIFおよび次いでイムノブロットによって、10,000より多くのANA陽性サンプルを評価し、抗DFS70抗体が、自己免疫リウマチ性疾患(「ARD」)の証拠を有さないANA陽性個人においてよくあること、およびこの自己抗体を有する自己免疫患者においては、50%より多くが自己免疫甲状腺炎の証拠を有していたことを報告した。抗DFS70抗体の最も高い保有率は、フォークト・原田症候群を有する患者(66.7%)およびアトピー性皮膚炎を有する患者(30%)においてであり、その次に保有率が高いのは健康な個人(約10%)であるが、一方ARDにおけるその保有率は有意により低い(約2〜3%)ことが最近報告された。さらに、抗DFS70抗体を有する個人の予後および長期の転帰を考えた場合、40人の抗DFS70陽性の健康な個人のうち、平均4年の期間内で誰も自己免疫疾患を発症しなかったことが報告された。長年の間、ある自己抗体はSARDの発症を予測すると報告されていたので、この観察は非常に重要である。従って、本発明は、阻止抗原としてDFS70タンパク質を利用することは、潜在的な偽陽性結果を除外することに診断的価値を提供し、従ってANA試験結果の信頼性をより高くし、それによって診断への正しい寄与の可能性を増大させることにおいてするという認識を含む。
以下の教示は、本発明の様々な実施態様を開示する。当業者は、他の実施態様を使用し得ることを容易に認識する。従って、下記で述べる特定の教示は、いかなる方法においても明細書および請求の範囲を制限しない。
本発明の阻止抗原を、天然の供給源から精製してもよく、組換えにより産生してもよく、または合成により調製してもよい。本発明の阻止抗原は、全長タンパク質、全長タンパク質の一部分、または1つまたはそれより多くのタンパク質由来の1つまたはそれより多くの抗原決定基を含むペプチドであり得る。その配列は、天然タンパク質配列と同一であってもよく、または改変されてもよい。
それに加えて、抗原ペプチドを調製するために発現ベクターを利用し得る。ペプチドをコードするDNAセグメントを、化学的技術(例えば、Matteucci,M.D.ら(J.Am.Chem.Soc.、103:3185(1981))のホスホトリエステル法)によって合成し得る。そのDNAセグメントを次いで、発現ベクターにライゲーションし得、そしてそのベクターで形質転換した宿主細胞を、そのペプチドを産生するために使用し得る。例えば、Current Protocols In Molecular Biology、Ausubel,F.M.ら編、John Wiley & Sons、New York、N.Y.および米国特許第4,237,224号、米国特許第4,356,270号、米国特許第4,468,464号、米国特許第4,683,195号および米国特許第4,889,818号を参照のこと。
その抗原をまた、最初にR.B.Merrifield(J.Am.Chem.Soc.、1963、85:2149−2154)によって記載された固相合成技術を用いて調製し得る。他の合成技術を、例えばBodanszky,M.ら、Peptide Synthesis、John Wiley & Sons、第2版(1976)、および当業者に公知の他の参考研究において見出し得る。合成技術の概説を、J.StuartおよびJ.D.Young、Solid Phase Peptide Synthesis、Pierce Chemical Company、Rockford、III、第3版、Neurath,H.ら編、104−237頁、Academic Press、New York、N.Y.(1976)において見出し得る。そのような合成において使用するために適切な保護基は、上記の文献およびJ.F.W.McOmie、Protective Groups in Organic Chemistry、Plenum Press、New York、N.Y.(1973)において見出される。
一般的に、それらの合成方法は、成長中のポリペプチド鎖への、1つまたはそれより多くのアミノ酸残基または保護されたアミノ酸残基の逐次的な付加を含む。固相合成において、その保護されたまたは誘導体化されたアミノ酸が、保護されていないカルボキシル基またはアミノ基によって、不活性な固体支持体に結合される。次いでそのアミノ基またはカルボキシル基の保護基を選択的に除去し、そして配列における次の同様に保護されたアミノ酸残基を混合し、そして固体支持体に結合した残基とアミド結合を形成するために適切な条件下で反応させる。次いでアミノ基またはカルボキシル基の保護基を、この新しく付加した残基から除去し、そして次いで配列における次の残基を加え、以下同様である。全ての望ましいアミノ酸が適切な配列で連結された後、あらゆる残った末端保護基および側鎖保護基を、逐次的にまたは同時に除去する。次いでそのアミノ酸配列を固体支持体から切断する。複数のシステイン残基を有するペプチドのジスルフィド結合の形成を制御するために、独立して除去することができて望ましいシステインのみがジスルフィド結合形成のために反応することを可能にする、種々の保護基を使用し得る(Hargittai,B.およびBarany,G.、1999、J.Peptide Res.54:468−479)。
天然の供給源から精製されたか、組換え的に産生されたか、または合成で調製されたかに関わらず、その抗原のアミノ酸配列を改変し得る。その改変された抗原を、天然に存在する生物学的バリエーションの機能的または免疫学的に等価なバリアント(例えば対立遺伝子バリアント、オルソログ、スプライスバリアント、または翻訳後バリアント)であるように選択する。
タンパク質の一生の間に起こる翻訳後修飾(改変)は、アミノ酸残基の「許容される置換」であると考えられ、そして抗原配列の自己抗体への結合を増強し得る。タンパク質の全ての翻訳後修飾が公知であるわけではないが、一旦その特定のタンパク質についてのそのような翻訳後修飾が同定されたら、結合の増強を達成し得るかどうかを決定するために、当業者はアミノ酸配列中で許容される置換を行うことが予想される。ELISAは、抗体に対する増大した反応性および/または選択性を有する改変された配列を容易に決定し得る。
本発明の範囲内の他の改変は、抗原の使用において、特にそのタンパク質の抗原部位を模倣する能力および関心のある自己抗体に対する親和性において、一定の利点を提供する。「バリアント」と呼ばれるこれらの改変は、1つまたはそれより多くの残基が追加または挿入、欠失、または他の残基で置換された任意のアミノ酸配列を包含する。「置換された」という用語は、部位特異的変異誘発、ランダム変異誘発、または酵素的修飾のような化学処理による、既存のアミノ酸残基の改変を含む。
追加バリアントは、N末端またはC末端の融合および単一または複数のアミノ酸の配列内挿入を含む。1つのタイプの追加バリアントにおいて、システイン残基をアミノ酸配列の末端に追加してもよく、またはアミノ酸配列の間に挿入してもよい。これらのシステイン残基を利用して、ペプチド内または2つもしくはそれより多くのペプチド間でジスルフィド結合を形成し得る。環状ペプチド、および複数コピーの抗原ペプチドを含む複合体は、その直鎖状の対応物と比較して、その標的に対する増強された結合を提供することが、当該分野で周知である。そのペプチドによって形成され得るコンフォメーションの数は、アミノ酸配列内のシステイン残基の数に依存する。分子内ジスルフィド結合形成の制御を、選択的に除去し得る保護基を用いて達成し得る(Hargittai,B.およびBarany,G.、1999、J.Peptide Res.54:468−479)。システイン残基に隣接して荷電アミノ酸残基を挿入することによって、優先的なジスルフィド結合を形成し得ることも見出された。具体的には、2つの特定のシステイン残基間でのジスルフィド結合が好ましい場合、反対に荷電したアミノ酸残基を、これらのシステインに隣接して配置して、荷電相互作用による結合を促進し得る。同様に、あるシステイン残基が同じに荷電したアミノ酸に隣接する場合、ジスルフィド結合には有利でないことが予想される。さらに、分子内および分子間のスルフヒドリル架橋の形成も、pHおよび抗原濃度によって調節し得る。
欠失バリアントを、N末端もしくはC末端からの短縮化によって、または配列内のアミノ酸残基の除去によって調製し得る。短縮物を、タンパク質から得た精製抗原配列を消化することによって調製し得る。あるいは、配列内欠失または末端の短縮化を有する抗原配列を、合成的にまたは組換え的に調製し得る。
抗原配列内のアミノ酸置換を、その抗原の機能または化学的特徴を変化させるために使用し得る。具体的には、その抗原配列の構造、電荷、疎水性、または親水性に影響を与えるアミノ酸残基を置換し得る。例えば、アミノ酸プロリンは抗原配列のコンフォメーションを制限するよう作用し、それはその抗体への結合活性の増強を引き起こし得る。ELISAは、これらの改変された抗原配列の増強された活性を容易に決定し得る。
それらのバリアントは、1から3、5、10、15、20、25、または50アミノ酸の置換、挿入、付加および/または欠失を有し得る。その置換は保存的、非保存的、または両方の組み合わせであり得る。本発明の抗原配列はまた、天然タンパク質の少なくとも2、5、10、15、20、25、30、35、40、または50の連続アミノ酸残基を含み得る。それに加えて、それらは天然タンパク質と少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、または95%同一であり得る。さらに、それらは天然タンパク質の1%、10%、25%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、または100%より高い免疫学的活性を有し得る。
本発明の阻止抗原は、存在し得る任意の抗DFS70自己抗体が結合して、そして従ってその後の自己免疫疾患標的との反応に参加できなくするように、患者サンプル中の抗DFS70自己抗体に結合して主に機能する。これを、自己免疫疾患標的による被験体サンプルの免疫診断試験を行う前に、プレインキュベーション工程を含むことによって達成し得る。
本発明の目的のために、阻止抗原として使用するDFS70由来抗原は、当業者に周知のタンパク質抽出技術を用いて抽出された、天然に存在するDFS70タンパク質であり得る。あるいは、様々な実施態様において、そのDFS70タンパク質または抗原は、合成ペプチドであり得る。他の実施態様において、そのDFS70タンパク質は、分子工学技術によって産生された組換えペプチドであり得る。
より特定の実施態様において、本発明のDFS70阻止抗原は、DFS70由来抗原であり得、ここでその阻止抗原は、DFS70タンパク質の少なくとも1つの断片を含む。DFS70由来抗原における様々なエピトープ反応性の証拠が、Ogawaら(Ogawaら、2004、J.Autoimmun.23:221−231)によって報告されており、ここでは、DFS70タンパク質の異なる組換え部分を含むDFS70構築物が、自己抗原性に関して試験された。様々な実施態様において、そのDFS70阻止抗原は、全長タンパク質、またはDFS70由来の免疫原性ペプチドであり得る。患者サンプル中の抗DFS70自己抗体に結合するために適切なペプチド抗原を、周知の技術に従って設計、構築、および採用し得る。例えば、HarlowおよびLane編、Cold Spring Harbor Laboratory(1988);Czernik、Methods in Enzymology、201:264−283(1991);Merrifield、J.Am.Chem.Soc.85:21−49(1962)を参照のこと。よって、DFS70タンパク質、およびその断片が、本明細書中で記載される方法において阻止抗原として反応するために適切であり得ることが、本発明において企図される。
DFS70阻止抗原の調製において改変および変更を行い得、そして望ましい特徴を有するタンパク質をコードする機能的分子を依然として得ることができることが企図される。例えば、例えば抗体の抗原結合領域または基質分子の結合部位のような構造との相互作用結合能力の明らかな喪失無しに、タンパク質構造においてあるアミノ酸により他のアミノ酸を置換し得る。タンパク質の生物学的機能活性を規定するのは、タンパク質の相互作用能力および性質であるので、タンパク質配列において、あるアミノ酸置換を行い、そしてそれにも関わらず同様の性質を有するタンパク質を得ることができる。従って、その生物学的有用性または活性のいずれでも明らかな喪失無しに、様々なDFS70由来抗原のアミノ酸配列において様々な変更を行い得ることが企図される。
プレインキュベーション
被験体サンプルの調製:本発明のある実施態様において、前に記載したとおりの、血清、血漿、または別の体液を含む被験体サンプルを、阻止抗原とのプレインキュベーションのために被験体から得る。さらに、その被験体サンプルは、液体、凍結、冷蔵、凍結乾燥、および当該分野で公知のとおりの他の形態を含むがこれらに限定されない、様々な形態であり得る。そのサンプルをまた、本明細書中のプレインキュベーション工程の前および/または後に、さらなる精製または処理工程にかけ得る。
下記で記載する様々な実施態様において、「DFS溶液」という用語の使用は、上記で記載したようなDFS70抗原およびDFS70由来抗原を含むことが理解される。代表的な実施態様において、そのDFS70溶液は、DFS70抗原またはDFS70由来抗原を緩衝液中で希釈してDFS70溶液を形成することによって調製され得る。本発明の他の実施態様において、DFS70由来抗原を、液体、凍結、冷蔵、凍結乾燥、吸収または共有結合による固相への固定化、および当該分野で公知のとおりの他の形態を含むがこれらに限定されない、様々な形態で調製し得る。
被験体サンプルをDFS70由来抗原と接触させる:プレインキュベーション工程の代表的な実施態様は、希釈剤として使用するDFS70溶液を調製することを含み、ここで被験体サンプルをDFS70溶液と接触させて抗DFS70抗体を吸収する。好ましい実施態様において、その被験体サンプルを、DFS70抗原と、被験体サンプルに存在するかもしれずまたは存在しないかもしれない抗DFS70抗体の間の免疫複合体形成を可能にするために有効な条件下でかつそれに十分な時間にわたってDFS70溶液と接触させる。
明瞭化効果(unmasking effect)
本発明の様々な実施態様において、被験体サンプルを阻止抗原とともにプレインキュベートすることによって提供される利点の1つは、免疫診断試験の正確性を増大させる明瞭化効果である。代表的な実施態様において、患者サンプル中の抗DFS70抗体が、プレインキュベーション工程の間に、DFS70阻止抗原の添加によって吸収された場合、他の抗体の明瞭化が達成される。より具体的には、患者サンプル中の抗DFS70抗体の吸収は、自己免疫疾患標的による免疫診断試験においてDFS70のパターンが出現することを防止し、それによって他の抗体に属する蛍光パターンを不明瞭にすることを防止する。従って、DFS70パターンが免疫診断結果に出現することを阻止することは、全身性自己免疫に関連する他の自己抗体の同定の改善を可能にする。特に、DFS70パターンの阻止は、そうでなければ達成され得なかった自己抗体の同定を可能にし、試験結果のより容易な解釈を導き、そして従って自己免疫疾患患者のより正確な診断を導く。
アッセイの形式
当該分野で公知である、有用な固相および液相のアッセイ法を、本発明で利用し得る。本明細書中で記載される1つの特定のアッセイは、免疫蛍光アッセイであるが、本発明は、このタイプのアッセイに具体的に制限されない。
サンプル中の、抗原と反応する自己抗体のレベルを検出するために適合され得る他の周知のイムノアッセイとしては、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、蛍光免疫吸着アッセイ(FIA)、化学発光免疫吸着アッセイ(CIA)、ラジオイムノアッセイ(RIA)、酵素増幅イムノアッセイ(EMIT)、固相ラジオイムノアッセイ(SPRIA)、イムノブロッティング、ゲル拡散沈降反応、免疫拡散アッセイ、インサイチュイムノアッセイ(例えば金コロイド、酵素または放射性同位体標識を使用する)、ウェスタンブロット、沈降反応、凝集アッセイ(例えばゲル凝集アッセイ、赤血球凝集アッセイ等)、補体結合アッセイ、免疫蛍光アッセイ、プロテインAアッセイ、および免疫電気泳動アッセイ等が挙げられる。自己抗体と本発明の不均質な抗原との反応によって与えられるシグナルを生じる任意のアッセイ技術が、本発明の様々な実施態様において考慮される。それらのアッセイ方法のそれぞれは、単一または2つの抗体技術を採用し得、ここで、表示手段を利用して免疫反応のシグナルを示し、そしてそれによって検出される自己抗体と本発明の不均質なDFS70由来抗原との結合が示される。使用し得る異なるイムノアッセイの概説に関して、The Immunoassay Handbook、David Wild編、Stockton Press、New York、1994を参照のこと。固相分離による競合的イムノアッセイまたは抗体試験のための免疫測定アッセイは、本発明において使用するために適切な別の代表的なアッセイである。The Immunoassay Handbook、第2章およびMaggio、Enzyme Immunoassay、CRC Press、Cleveland、Ohio(1981);およびGoldman、Fluorescent Antibody Methods、Academic Press、New York、N.Y.(1980)を参照のこと。
例えば、1つの一般的なアッセイ技術は、3つの工程において、生物学的流体サンプル中の自己抗体の存在、および好ましくはその量を決定する。まず、その生物学的流体サンプルを、抗原と混合して、免疫反応混合物を形成する。その抗原は、好ましくは、その免疫反応混合物が、液相および固相をどちらも有するように、固体支持体に動作的に結合している。次に、その免疫反応混合物を、固相上に不均質な抗原−自己抗体複合体を形成するために十分な(典型的には前もって決定された)時間にわたって生物学的アッセイ条件下で維持する。不均質なアッセイ形式において、その反応物を、通常維持期間の後に(典型的には洗浄および固相の保持によって)分離する。最後の工程において、2番目の工程において形成された複合体の存在、および好ましくはその量、およびそれによって生物学的流体サンプル中の自己抗体の存在または量を次いで決定する。
蛍光抗核抗体試験(FANA)は、1957年にGeorge Friou,M.D.によって設計されたものであり、そして自己抗体を検出するために使用される感度の高いスクリーニング試験である(Friou,GJ 1962 Arthritis Rheum 5:407−410)。ANAは、全身性エリテマトーデス、シェーグレン症候群、関節リウマチ、多発性筋炎、皮膚筋炎、全身性硬化症、橋本甲状腺炎、若年性糖尿病、およびアジソン病、および肺線維症のような、しかしこれらに限定されない様々な自己免疫疾患を有する患者において見出される。ANAはまた、慢性の感染または癌を有する患者においても見出し得る。プロカインアミド、ヒドララジン、およびディランチンを含む多くの薬物が、ANAの産生を刺激し得る。ある人がSLEまたは別の自己免疫障害に関連する徴候および症状を示した場合に、ANA試験が指示される。自己免疫障害を有する人は、時間につれて変わり得る、微熱、関節痛、疲労、および/または不明な発疹のような、広く様々な症状を有し得る。上記で述べた全ての場合において、およびさらに本明細書中で記載される方法および他の免疫診断アッセイに従って、抗DFS70抗体の吸収は、FANAの正確性を有意に改善する。
ANAは、ANA試験のために頻繁に使用される細胞系統であるHEp−2細胞において、広く様々な異なる染色パターンを生じる。あるパターンは、その染色パターンを引き起こす自己抗体を強く示し(すなわち抗セントロメア抗体)、一方他のものは確かな抗体特異性を示さない。従って、サンプル中に存在する抗体を同定するために詳細な確認試験が必要である。
本発明は、広く様々なスクリーニング方法に適用可能であり、その方法では下記で記載するプレインキュベーション工程を、適宜適切に改変し得ることが理解されるはずである。
実施例1
患者サンプルの調製
健康な個人(n=124、女性86人および男性38人)由来の血清を、市販の供給源(Promedix、Union、NJ)から得た。平均年齢は37歳であった(標準偏差13.1歳;17〜60歳)。SLE患者由来のサンプルを、ダルハウジー大学医学部(Faculty of Medicine、Dalhousie University)(Halifax、NS、Canada)において採取した。SLE患者の診断を、ACRの疾患基準によって確立した。患者データを、ヒト研究倫理のヘルシンキ宣言の最新版を考慮して、匿名で使用した。患者サンプルの採取を、施設の倫理委員会の規制に従って行い、そして必要な場合には、それぞれの治験審査委員会から書面での認可を得た。
実施例2
阻止抗原とのプレインキュベーション
組換えDFS70抗原断片をコードするDNA配列を、pIExBac−3発現ベクターにクローニングし、そしてその組換えタンパク質を、昆虫細胞(SF9細胞、Invitrogen)で発現させた。組換えDFS70抗原断片の調製は、Ogawaら(Ogawaら、2004 J Autoimmun 23:221−231)(これは本明細書中で参考として援用される)に記載された方法に基づいていた。hisタグ化DFS70抗原の精製を、ニッケルカラムを用いて行った。抗原の純度を、ゲル電気泳動によって確認し、そして>95%であると決定した。
組換えDFS70を、PBS中で、約0.6mg/mLの最終濃度まで希釈した。次いで得られたDFS70溶液を、抗DFS70抗体を吸収するためのサンプル希釈剤として使用した。全身性自己免疫疾患を有する患者、および以前に抗DFS70抗体陽性であると(QUANTA Flash DFS70によって)同定された健康な個人由来の血清を、a)PBSおよびb)DFS70溶液中に1/40に希釈した。次いで希釈したサンプルを、HEp−2細胞(NOVA Lite(R)、INOVA Diagnostics、San Diego、CA)において、製造会社の指示に従って、ANAに関して試験した。希釈したサンプルを、スライドにアプライし、そして30分間インキュベートした。未結合の抗体を、洗浄によって除去した。フルオレセインイソチオシアネート(FITC)結合2次抗体を加えた。次いで蛍光の強度を、デジタル画像化システム(NOVA View(R)、INOVA Diagnostics、San Diego、CA)を用いて測定した。
実施例3
免疫診断試験
NOVA Lite(R) HEp−2細胞(INOVA Diagnostics、San Diego、CA)を用いて、間接免疫蛍光を行った。製造会社の指示に従って、その血清を1:40の希釈で試験した。IIFデジタル画像システム(NOVA View(R)、Inova Diagnostics、San Diego、CA)を用いて、スライドの読み取りを行った。
QUANTA FlashTM DFS70アッセイは、BIO−FLASH(登録商標)装置(biokit s.a.、Barcelona、Spain)において行う、新規化学発光アッセイ(CIA)である。そのアッセイは、以前に記載されたような組換えDFS70を使用し、それはまた現在研究目的にのみ使用されており、そしてルミノメーターならびにそのアッセイを行うために必要な機器および液体操作アクセサリーを含むBIO−FLASH(登録商標)装置を利用する。
常磁性ラテックスビーズ上にコーティングされた組換えDFS70を用いる、QUANTA FlashTM型アッセイが開発された。使用の前に、全ての必要なアッセイ試薬を含む試薬パックを、30回静かに反転させる。次いで密封された試薬チューブに、試薬パックの蓋で孔をあける。患者血清サンプルを、小さい使い捨てプラスチックキュベット中で、BIO−FLASH(登録商標)サンプル緩衝液で前もって希釈する。少量の希釈した患者血清、上記ビーズ、およびアッセイ緩衝液を全て、2番目のキュベットに合わせて入れ、混合し、そして次いで37℃で9.5分間インキュベートする。磁気ビーズを沈殿させ、そして数回洗浄し、その後イソルミノール結合抗ヒトIgGを加え、そして再び37℃で9.5分間インキュベートする。磁気を帯びさせたビーズを沈殿させ、そして繰り返し洗浄する。水酸化ナトリウム溶液および過酸化物溶液(「トリガー」)をそのキュベットに加えた時にイソルミノール結合体が酸化され、そしてこの反応から生じた閃光を、BIO−FLASH(登録商標)光学システムによって、相対光単位(Relative Light Unit;RLU)として測定する。RLUは、ヒトIgGに結合したイソルミノール結合体の量に比例し、それは、今度はそのビーズ上の抗原に結合した抗DFS70抗体の量と比例する。
dsDNAに対する抗体、クロマチンに対する抗体、SS−A(Ro52およびRo60の両方)に対する抗体、SS−Bに対する抗体、リボソームPに対する抗体、C1Qに対する抗体、RNPに対する抗体、およびSmに対する抗体を、全て製造会社の指示に従って行うQUANTA Lite ELISA(INOVA、San Diego、US)によって決定した。
実施例4
結果の分析
Analyse−itソフトウェア(バージョン2.03;Analyse−it Software,Ltd.、Leeds、UK)を用いて、データを統計学的に評価した。QUANTA Flash DFS70およびNOVA ViewによるIIFの間の相関を分析するために、スピアマン検定を行った。<0.05のp値を、有意と判断した。
251人のSLE患者のコホートにおいて、抗DFS70抗体が7人(2.8%)の患者において同定された。7人の患者のうち1人のみが、他の検出可能な抗体を有していなかった。それに加えて、抗DFS70抗体が、124人の見かけ上健康な個人のうち11人(8.9%)において見出された。
10個のQUANTA Flash DFS70陽性サンプルを、1つのボーダーラインのサンプルと共に、IIFによって試験した。10個の陽性サンプル全てが陽性であり、そしてボーダーラインのサンプルは陰性であったことが見出された。SLE患者由来の7つの抗DFS70陽性サンプルのうち7つも、IIFによって陽性であった。
7つの抗DFS70陽性SLE患者のうち1人(14.3%)(または1/251のSLE、0.4%)のみが、サンプル希釈をDFS70抗原とともにプレインキュベートした場合に陰性になった。対照的に、10人の見かけ上健康な個人のうち8人(80.0%)が、サンプル希釈をDFS70抗原とともにプレインキュベートした場合に陰性になった。陽性のままであった2つのサンプルは、少なくとも1つのさらなる抗体を有していた。
反応性の減少は、SLE患者と比較して、健康な個人において有意により明白であった。免疫吸収後、平均反応性は、吸収前の結果と比較して、健康な個人において24.5%、そしてSLE患者において64.3%であった。
上記で述べた実施例は、当業者に組成物の好ましい実施態様をどのように作製および使用するかの完全な開示および説明をするために提供され、そして発明者らが彼らの発明であると考えるものの範囲を制限することを意図しない。(当業者に明らかである本発明を実施するための)上記で記載した方法の改変は、以下の請求の範囲の範囲内であることが意図される。より具体的には、同じまたは同様の結果を達成しながら、化学的および生理学的に関連したある薬剤で、本明細書中で記載した薬剤を置換し得ることが明らかである。当業者に明らかな、全てのそのような同様の置換および改変は、本発明の意図、範囲、および概念の範囲内であると考えられる。本明細書中で引用された全ての出版物、特許、および特許出願は、あたかもそのような出版物、特許、または特許出願それぞれが、具体的にかつ個々に本明細書中で参考文献に組込まれると示されたかのように、本明細書中で参考文献に組込まれる。

Claims (13)

  1. 抗体に基づく自己免疫疾患アッセイの特異性を増大させるための方法であって、
    a.被験体由来の血清または血漿のサンプルを提供する工程;
    b.該血清または血漿のサンプルを、DFS70由来抗原と接触させて、該DFS70由来抗原と該サンプル中に存在し得る抗DFS70抗体との間で複合体を形成させる工程;
    c.該サンプルを自己免疫疾患標的と反応させる工程;および
    d.該自己免疫疾患標的に対する抗体を検出する工程
    を包含する、方法。
  2. 前記抗体に基づく自己免疫疾患アッセイが抗核抗体(ANA)試験である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記抗体に基づく自己免疫疾患アッセイが、蛍光免疫吸着アッセイ(FIA)、化学発光免疫吸着アッセイ(CLIA)、ラジオイムノアッセイ(RIA)、酵素増幅イムノアッセイ、固相ラジオイムノアッセイ(SPRIA)、および酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)からなる群からされる、請求項1に記載の方法。
  4. 前記DFS70由来抗原が配列番号1である、請求項1に記載の方法。
  5. 前記DFS70由来抗原が配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、および配列番号9からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の方法。
  6. 前記DFS70由来抗原が、DFS70のアミノ酸配列(配列番号1)の断片である、請求項1に記載の方法。
  7. 工程bの前に、DFS70由来抗原を溶液中で希釈することによって前記DFS70由来抗原が調製される、請求項1に記載の方法。
  8. 前記自己免疫疾患標的が、全身性自己免疫疾患と関連する分子である、請求項1に記載の方法。
  9. 前記自己免疫疾患標的が、結合組織疾患と関連する分子である、請求項1に記載の方法。
  10. 前記結合組織疾患は、全身性エリテマトーデス(SLE)、多発性筋炎(PM)、全身性硬化症および混合性結合組織病(MCTD)からなる群から選択される、請求項5に記載の方法。
  11. 前記自己免疫疾患標的に対する抗体を検出する工程が、蛍光体、酵素、化学発光体、光増感剤、および懸濁可能な粒子からなる群から選択される標識を使用することによる、請求項1に記載の方法。
  12. 前記血清または血漿のサンプルを、DFS70由来抗原と接触させて、該DFS70由来抗原と該サンプル中に存在し得る抗DFS70抗体との間で複合体を形成させる工程が、抗DFS70自己抗体が、抗体に基づく自己免疫疾患アッセイの結果に出現するのを阻止する、請求項1に記載の方法。
  13. 前記血清または血漿のサンプルを、DFS70由来抗原と接触させて、該DFS70由来抗原と該サンプル中に存在し得る抗DFS70抗体との間で複合体を形成させる工程が、前記被験体サンプル中の他の抗体の同定の改善を提供する、請求項1に記載の方法。
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