JP2013527427A - 抗体の検出 - Google Patents

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Abstract

本発明は、サンプルにおいて標的抗体、特に標的自己抗体を、標的抗体と特異的に結合する小分子蛍光団で標識された標的抗原、またはその機能的フラグメント、機能的変異体もしくは機能的誘導体を検出する方法に関する。検出は一般に免疫拡散法または免疫電気泳動法を用いて行われる。本発明はまた、小分子蛍光団で標識された標的抗原および自己抗原を用いて疾患、特に自己免疫疾患を診断する方法に関する。このようにして用いられるような小分子蛍光団で標識された、自己抗原を含む標的抗原も開示する。
【選択図】なし

Description

本発明は、小分子蛍光標識抗原を用いて抗体を検出する方法、小分子蛍光標識抗原を含む組成物および抗体の検出において使用するための、蛍光標識された抗原を含むキットに関する。
自己免疫障害
正常な健康個体では、身体の体液性免疫系の一部を含むBリンパ球は、抗体を生産することによって感染からの保護を提供する助けをする。抗体は、侵入微生物または他の「異物」を攻撃してこれらの異物を身体から除去し、従って感染に対抗するタンパク質である。異物のうちあるものは、免疫応答、すなわち、抗体の生産を誘発するタンパク質であり、抗原タンパク質であり、本明細書ではタンパク質抗原とも呼ばれる。免疫系によって生産される抗体は、それらの生産を誘発する特定の抗原と極めて特異的に結合し、それらを除去し得る。正常に機能する免疫系を持つ個体では、抗体の多様性が経時的に構築される。これらの抗体は、身体の免疫系を攻撃する種々の抗原を標的とし、それらを認識し、特定の抗原がその生物を脅かすものであるか、脅かすものでないかを識別する。
通常、免疫系は、認識する抗原タンパク質を「自己」か「非自己」のいずれかの2つの一般カテゴリーに容易に識別する。「自己」抗原は一般に身体の免疫系によって脅威でないと認識されるが、いつもそうであるわけではない。身体の免疫系は一般に、「非自己」として認識される抗原だけを攻撃する。
自己免疫障害は、身体がその固有の「自己」抗原に対する不適切な免疫応答を生じすることから起こる疾患である。このような応答は多くの場合、組織指向性または組織特異的である。例えば、免疫系は、1以上の身体の通常のタンパク質を「自己」と認識するのを止めて、自己抗体と呼ばれる、その身体の固有の細胞、組織および/または臓器を標的とする抗体を作り出すことがある。このような攻撃によって生じた炎症および損傷が種々の自己免疫障害をもたらす場合がある。
自己免疫疾患の具体的な原因は分かっていない。ある特定の個体が自己免疫疾患を発症する遺伝的素因を有することを示唆する証拠がいくつかある。あるいは、自己免疫疾患(例えば、リウマチ熱)は、細菌感染またはウイルス感染によって引き起こされると思われる。結果として生じる免疫応答は抗体、または感染性微生物の特定のタンパク質の構造と構造的に似ている(少なくとも部分的に)ある特定のタンパク質を提示する正常な細胞を攻撃するT細胞を生産する。
自己免疫障害は2つの一般的なタイプに分類される。全身性自己免疫疾患は多くの臓器に損傷を生じる疾患である。限局性、または組織特異的自己免疫疾患は、単一の臓器または組織だけを直接損傷する疾患である。しかしながら、疾患のこれら2つのカテゴリー間の識別は絶対的なものではない。多くの場合、限局性自己免疫障害の有害な影響は、単一の臓器または組織に見られる直接的な影響に限定されず、他の身体臓器および全身に間接的に及び得る。
自己免疫疾患の一般的なタイプには、関節リウマチ(RA)および若年性RA(JRA)(関節;多くはないが肺、皮膚)、1型真性糖尿病(膵島)、狼瘡[全身性紅斑性狼瘡](皮膚、関節、腎臓、心臓、脳、赤血球、その他)、橋本甲状腺炎、グレーブス病(甲状腺)、硬皮症(皮膚、腸、多くはないが肺)、セリアック病、クローン病、潰瘍性大腸炎(胃腸管)、シェーグレン症候群(唾液腺、涙腺、関節)、多発性硬化症、グッドパスチャー症候群(肺、腎臓)、アジソン病(副腎)、ウェゲナー肉芽腫(血管、腹鼻洞、肺、腎臓)、原発性胆汁性肝硬変、硬化性胆管炎、自己免疫性肝炎(肝臓)、リウマチ性多発性筋痛(大筋肉群)、側頭動脈炎/巨細胞性動脈炎(頭頸部動脈)、およびギラン−バレー症候群(神経系)が含まれる。
自己免疫障害の診断
自己免疫障害の診断は一般に、症状の臨床分析(呈示)、自己抗体、炎症および臓器機能を測定するための血液検査、ならびに健康診断および/またはX線を含む他の手法の組合せによって行われる。
自己抗体を測定する血液検査は一般に、自己免疫障害を有する、または有する疑いのある被験体から採取した血清サンプルに存在する自己抗体を検出することによって行われる。一般に用いられる血液アッセイには、オクタロニー二重免疫拡散法(DID)およびカウンター免疫電気泳動法(CIE)が含まれる。これらの種のアッセイは、特定の自己抗体とそれらのコグネイト抗原の結合によって形成された自己抗体/抗原複合体の沈降素(凝集)を可視化する(Bunn & Kveder, 1993 Man. Biol. Mark. Dis. A3: 1-12; Kluwer Academic)。DIDアッセイ、例えば、寒天プレートにて、周辺ウェルによって対称的に取り囲まれた中央のウェルに自己抗原を入れて行うことができる。次に、それらの周辺ウェルに、特定の自己免疫障害に特徴的な抗体を含む試験サンプルを加える。このサンプルと試験抗原をアガロースに拡散させ、コグネイト自己抗原による、サンプル中の自己抗体の凝集が抗体/抗原複合体の形成をもたらす。アガロースゲルの、試験サンプル中の自己抗体と周辺ウェルからの自己抗原が拡散によって等濃度に達した場所では、自己抗体と自己抗原の著しい架橋が起こる。このような架橋複合体は沈降素と呼ばれる。次に、沈降素の形成を自己抗体/試験抗原複合体の直接光散乱によって光学的に可視化する。
所与の自己抗体の、コグネイト抗原に対する結合の特異性のために、DIDアッセイは、供試サンプル中に存在する自己抗体の陽性検出を可能とする。しかしながら、既知のDIDアッセイは非定量的であり、相対的に感度が低いという欠点を持ち得る。さらに、一般に沈降素の可視化のために、サンプル中に比較的多数の自己抗体を必要とする。これらの理由から、既知のDIDアッセイは状況によっては偽陰性を生じることがある。DIDアッセイから返ってきた陰性結果を自己免疫障害関連の症状の臨床像に関して確認するには、さらなる試験を行う必要がある。これによって費用がさらに嵩み、治療レジメンの開始までに時間を要することとなり、全体として被験体に不利である。
あるいは、サンプル中に存在する自己抗体は、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、または酵素イムノアッセイ(EIA)(Charles P.J. et al. 1993 Man. Biol. Mark. Dis. A5:1-23; Kluwer Academic)と呼ばれる一般的な生化学的技術を用いて検出することができる。一般用語において、サンプル中の抗体は下記のようにELISAによって検出することができる:特定の抗体と特異的に結合する既知の抗原のある量を、表面、例えば、マイクロタイタープレートのウェルの底に付着させる。次に、既知量の被検出抗体を含有するサンプルをこのウェルに入れ、抗原を抗体と結合させる。その後、結合した抗体を、抗hIgG酵素コンジュゲート(抗ヒト免疫グロブリンG)を用いて検出する。
あるいは、抗体と結合した酵素の基質をマイクロタイタープレートのウェルに加え、この酵素活性がこの基質を何らかのタイプの検出可能なシグナルに変換する。抗体は酵素と共有結合させてもよく、あるいは酵素を結合させた二次抗体に使用によってそれ自体検出可能である。検出可能なシグナルの可視化は、用いる酵素基質によって異なる。ELISAには発色基質を用いるものがあるが、より高感度のアッセイでは蛍光基質を用いるものもある。蛍光ELISAの場合、抗原/抗体複合体の蛍光検出は、蛍光強度を測定することによるサンプル中の抗原の量の推測を可能とする。
ELISAはまた、被験体から得られた血液サンプル中の自己抗体を検出するために使用することもできる。ELISAを用いる方法は、サンプル中の、極めて低濃度の自己抗体を検出することができる。しかしながら、ELISA検出法はアッセイの極端な感度のために偽陽性傾向がある。
結論として、臨床家に単一の試験として利用可能なよりロバストな診断ツールを提供することができる、自己抗体を含有する疑いのあるサンプルにおいて自己抗体を検出する代替法の必要がある。単一の試験は、さらなる確認試験の追加経費を追わずに臨床家に診断のより大きな信頼性を提供することができ、迅速かつ容易に行うことができ、さらなる試験を必要とするという被験体への不利も軽減し、おそらく適切な治療レジメンの早期の開始を可能とする。
従って、本発明の目的は、上記で概略を述べた自己抗体を検出するために使用することができる改良された方法および/または組成物および/またはキットを提供することによって従来技術の試験の欠点に取り組むのに少なくとも何らかの助けとなること、かつ/または少なくとも公共に有用な選択肢を提供することである。
(発明の概要)
第1の態様において、本発明は、小分子蛍光団で標識された標的抗原(SMFLTA)、またはその機能的フラグメント、機能的変異体もしくは機能的誘導体を提供する。
一実施形態では、小分子蛍光団で標識された標的抗原は、小分子蛍光団で標識された標的自己抗原(SMFLTAA)、またはSMFLTAAの機能的フラグメント、機能的変異体もしくは機能的誘導体である。
好ましくは、SMFLTAA、その機能的フラグメント、機能的変異体または機能的誘導体は核自己抗原であるか、または核自己抗原に由来する。
好ましくは、核自己抗原は、Jo−1抗原、(Ro60)SSA抗原、(La)SSB抗原、Sm抗原、Sm/RNP複合抗原、Scl−70抗原、またはその機能的フラグメント、機能的変異体もしくは機能的誘導体からなる群から選択される。
好ましくは、SMFLTAA、またはその機能的フラグメント、機能的変異体もしくは機能的誘導体は、特定の自己免疫障害または疾患に特異的に関連する自己抗原であるか、またはその自己抗原に由来する。
一実施形態では、自己免疫障害は、混合性結合組織病、全身性紅斑性狼瘡(SLE)、シェーグレン症候群、硬皮症、多発性筋炎、全身性硬化症、皮膚筋炎、関節リウマチおよび新生児狼瘡症候群からなる群から選択される。
一実施形態では、SMFLTAまたはSMFLTAAは、哺乳類から単離された蛍光標識された標的抗原または標的自己抗原である。好ましくは、哺乳類はヒト、サル、ウシ、ヒツジ、ブタ、ラットまたはマウスである。好ましくは、哺乳類はヒト、ヒツジまたはウシである。より好ましくは、哺乳類はウシである。
一実施形態では、SMFLTAまたはSMFLTAAは、第一の哺乳類種から単離された標的抗原、標的自己抗原、またはその機能的フラグメント、機能的変異体もしくは機能的誘導体から調製され、一方、本発明のSMFLTAまたはSMFLTAAによって特異的に結合される標的抗体または標的自己抗体は、異なる哺乳類種から得られたサンプル中に存在する。
好ましくは、SMFLTAまたはSMFLTAAは、ウシまたはヒツジから単離された標的抗原、標的自己抗原、またはその機能的フラグメント、機能的変異体もしくは機能的誘導体から調製される。より好ましくは、標的抗原、標的自己抗原、またはその機能的フラグメント、機能的変異体もしくは機能的誘導体はウシから調製されたものである。好ましくは、調製されたSMFLTAまたはSMFLTAAは、ヒトから得られたサンプル中に存在する標的抗体または標的自己抗体を検出ために用いられる。
一実施形態では、SMFLTAまたはSMFLTAAは、標的抗原、標的自己抗原、またはその機能的フラグメント、機能的変異体もしくは機能的誘導体をコードするポリヌクレオチド配列から組換え的に発現された標的抗原、標的自己抗原、またはその機能的フラグメント、機能的変異体もしくは機能的誘導体から調製される。好ましくは、ポリヌクレオチド配列は発現ベクターに含まれる。
別の態様では、本発明は、本発明によるSMFLTAまたはSMFLTAA、その機能的フラグメント、機能的変異体または機能的誘導体と担体または希釈剤を含む組成物を提供する。
別の態様では、本発明は、
a)本発明によるSMFLTA、その機能的フラグメント、機能的変異体または機能的誘導体と、
b)本発明のSMFLTA、その機能的フラグメント、機能的変異体または機能的誘導体をサンプルと、そのSMFLTAを標的抗体に結合させる条件下で接触させるように構成されたイムノアッセイデバイスと、
c)標的抗体と結合したSMFLTA、その機能的フラグメント、機能的変異体または機能的誘導体を検出することに関する説明書
を含むキットを提供する。
好ましくは、説明書は、SMFLTA、その機能的フラグメント、機能的変異体もしくは機能的誘導体の蛍光検出を指示する。
好ましくは、イムノアッセイデバイスは免疫沈降デバイスである。
好ましくは、標的抗体とSMFLTA、その機能的フラグメント、機能的変異体または機能的誘導体の接触が、その標的抗体によるSMFLTA、その機能的フラグメント、機能的変異体または機能的誘導体の免疫沈降を可能とする条件下で行われる。
一実施形態では、SMFLTAは、SMFLTAA、またはその機能的フラグメント、機能的変異体もしくは機能的誘導体である。
好ましくは、SMFLTAA、その機能的フラグメント、機能的変異体または機能的誘導体は、Jo−1抗原、(Ro)SSA抗原、(La)SSB抗原、Sm抗原、Sm/RNP複合抗原、Scl−70抗原、またはその機能的フラグメント、機能的変異体もしくは機能的誘導体からなる群から選択される核自己抗原であるか、その核自己抗原に由来する。
好ましくは、SMFLTAA、その機能的フラグメント、機能的変異体または機能的誘導体は、特定の自己免疫障害または疾患に特異的に関連する自己抗原であるか、またはその自己抗原に由来する。
一実施形態では、自己免疫障害は、混合性結合組織病、全身性紅斑性狼瘡(SLE)、シェーグレン症候群、硬皮症、多発性筋炎、全身性硬化症、皮膚筋炎、関節リウマチおよび新生児狼瘡症候群からなる群から選択される。
好ましくは、キットは、SMFLTAもしくはSMFLTAA、またはその機能的フラグメント、機能的変異体もしくは機能的誘導体のための担体または希釈剤を含む。SMFLTAもしくはSMFLTAA、またはその機能的フラグメント、機能的変異体もしくは機能的誘導体はその担体または希釈剤に溶解されていてもよく、あるいはその担体または希釈剤は、その後のSMFLTAまたはSMFLTAA組成物の調製のために別個に存在していてもよい。好ましくは、別個のSMFLTAもしくはSMFLTAA、またはその機能的フラグメント、機能的変異体もしくは機能的誘導体が凍結乾燥される。
一実施形態では、キットは、自己免疫疾患または障害を有するか、または有する疑いのある被験体から得られた血液由来サンプルを本発明によるSMFLTAまたはSMFLTAAと接触させること、および標的抗体または標的自己抗体と結合したSMFLTAまたはSMFLTAAの存在を蛍光検出によって検出することを含む、標的抗体または標的自己抗原を検出する方法において使用するためのものである。
好ましくは、血液由来サンプルは血清または血漿サンプルである。
一実施形態では、被験体は、本明細書に記載されている特定の自己免疫障害を指示または示唆する臨床像を呈する。
一実施形態では、キットは、本明細書に記載されている被験体から得られた臨床サンプルをスクリーニングすることによる本発明の方法において使用するためのものであり、この方法は、標的自己抗体を欠くか、または既知濃度の対照自己抗体を含有する好適な対照と同時に行われる。
一実施形態では、サンプルとSMFLTA、SMFLTAA、またはその機能的フラグメント、機能的変異体もしくは機能的誘導体の接触は、二重免疫拡散(DID)アッセイまたはカウンター免疫電気泳動(CIE)アッセイによって行われる。
一実施形態では、接触は、免疫沈降デバイスを用いて行われる。好ましくは、免疫沈降デバイスはマイクロ免疫拡散デバイスである。
別の実施形態では、免疫沈降デバイスはカウンター免疫電気泳動デバイスである。好ましくは、カウンター免疫電気泳動デバイスはマイクロカウンター免疫電気泳動デバイスである。
好ましくは、DIDアッセイは非対称DID(ADID)アッセイである。好ましくは、CIEアッセイはマイクロCIEアッセイである。
別の態様では、本発明は、サンプルにおいて標的抗体を検出する方法であって、
a)サンプルを、標的抗体と特異的に結合するSMFLTA、またはSMFLTAの機能的フラグメント、機能的変異体もしくは機能的誘導体と接触させること、および
b)SMFLTA、またはその機能的フラグメント、機能的変異体もしくは機能的誘導体と結合した標的抗体の存在を蛍光検出によって検出すること
を含む方法を提供する。
好ましくは、a)の接触は、標的抗体によるSMFLTA、その機能的フラグメント、機能的変異体または機能的誘導体の免疫沈降を可能とする条件下で行われる。
好ましくは、b)の検出は、免疫沈降物におけるSMFLTA、その機能的フラグメント、機能的変異体または機能的誘導体の蛍光検出である。
一実施形態では、SMFLTAは、SMFLTAA、またはSMFLTAAの機能的フラグメント、機能的変異体もしくは機能的誘導体である。この方法は自己抗体を検出するのに特に有用である。
好ましくは、SMFLTAA、その機能的フラグメント、機能的変異体または機能的誘導体は、Jo−1抗原、(Ro60)SSA抗原、(La)SSB抗原、Sm抗原、Sm/RNP複合抗原、Scl−70抗原、またはその機能的フラグメント、機能的変異体もしくは機能的誘導体からなる群から選択される核自己抗原であるか、その核自己抗原に由来する。
好ましくは、SMFLTAA、その機能的フラグメント、機能的変異体または機能的誘導体は、特定の自己免疫障害または疾患に特異的に関連する自己抗原であるか、またはその自己抗原に由来する。
一実施形態では、自己免疫障害は、混合性結合組織病、全身性紅斑性狼瘡(SLE)、シェーグレン症候群、硬皮症、多発性筋炎、全身性硬化症、皮膚筋炎(dermatomyositosis)、関節リウマチおよび新生児狼瘡症候群からなる群から選択される。
一実施形態では、サンプルは、自己免疫障害または疾患を有するか、または有する疑いのある被験体から得られた血液由来サンプルである。
好ましくは、血液由来サンプルは血清サンプルである。
好ましくは、サンプルは、特定の自己免疫障害を有するか、または有する疑いのある被験体から得られた臨床サンプルであり、この方法は、標的抗体を欠くか、または既知濃度の対照自己抗体を含有する好適な対照と同時に行われる。
一実施形態では、自己免疫障害または疾患を有するか、または有する疑いのある被験体は、本明細書に記載されている特定の自己免疫障害を指示または示唆する臨床像を呈する被験体である。
一実施形態では、サンプルとSMFLTA、SMFLTAA、またはその機能的フラグメント、機能的変異体もしくは機能的誘導体の接触は、二重免疫拡散(DID)アッセイまたはカウンター免疫電気泳動(CIE)アッセイによって行われる。好ましくは、この接触は免疫沈降デバイスを用いて行われる。
一実施形態では、免疫沈降デバイスは免疫拡散デバイスである。より好ましくは、免疫沈降デバイスはマイクロ免疫拡散デバイスである。
別の実施形態では、免疫沈降デバイスはカウンター免疫電気泳動デバイスである。好ましくは、カウンター免疫電気泳動デバイスはマイクロカウンター免疫電気泳動デバイスである。
好ましくは、DIDアッセイは非対称DID(ADID)アッセイである。好ましくは、CIEアッセイはマイクロCIEアッセイである。
別の態様では、本発明は、被験体から得られたサンプルにおいて標的自己抗体を検出することによって、被験体において自己免疫疾患または障害を診断する方法であって、
a)サンプルを、標的自己抗体と特異的に結合するSMFLTAA、またはその機能的フラグメント、機能的変異体もしくは機能的誘導体と接触させること、および
b)SMFLTAA、またはその機能的フラグメント、機能的変異体もしくは機能的誘導体と結合した標的自己抗体の存在を蛍光検出によって検出すること
を含む方法を提供する。
好ましくは、a)の接触は、標的自己抗体によるSMFLTAA、その機能的フラグメント、機能的変異体または機能的誘導体の免疫沈降を可能とする条件下で行われる。
好ましくは、b)の検出は、免疫沈降物におけるSMFLTAA、その機能的フラグメント、機能的変異体または機能的誘導体の蛍光検出である。
別の態様では、本発明は、被験体において自己免疫疾患または障害を診断するための、本発明による組成物またはキットの使用を提供し、その方法は、
a)被験体から得られたサンプルを、標的自己抗体と特異的に結合するSMFLTAA、またはSMFLTAAの機能的フラグメント、機能的変異体もしくは機能的誘導体と接触させること、および
b)SMFLTAA、またはその機能的フラグメント、機能的変異体もしくは機能的誘導体と結合した標的自己抗体の存在を蛍光検出によって検出すること
を含む。
好ましくは、a)の接触は、標的抗体によるSMFLTAA、その機能的フラグメント、機能的変異体または機能的誘導体の免疫沈降を可能とする条件下で行われる。
好ましくは、b)の検出は、免疫沈降物におけるSMFLTAA、その機能的フラグメント、機能的変異体または機能的誘導体の蛍光検出である。
一実施形態では、本発明は、被験体において自己免疫疾患または障害を診断するための、本発明による組成物またはキットの使用を提供し、その方法は、
a)サンプルを、標的自己抗体と特異的に結合するSMFLTAA、その機能的フラグメント、機能的変異体または機能的誘導と、標的自己抗体によるSMFLTAA、その機能的フラグメント、機能的変異体または機能的誘導体の免疫沈降を可能とする条件下で接触させること、および
b)免疫沈降物において沈降した標的自己抗体の存在を、免疫沈降物におけるSMFLTAA、その機能的フラグメント、機能的変異体または機能的誘導体の蛍光検出によって検出すること
を含む。
一実施形態では、SMFLTAA、その機能的フラグメント、機能的変異体または機能的誘導体は、Jo−1抗原、(Ro60)SSA抗原、(La)SSB抗原、Sm抗原、Sm/RNP複合抗原、Scl−70抗原、またはその機能的フラグメント、機能的変異体もしくは機能的誘導体からなる群から選択される核自己抗原であるか、その核自己抗原に由来する。
好ましくは、SMFLTAA、その機能的フラグメント、機能的変異体または機能的誘導体は、特定の自己免疫障害または疾患に特異的に関連する自己抗原であるか、またはその自己抗原に由来する。
一実施形態では、自己免疫障害は、混合性結合組織病、全身性紅斑性狼瘡(SLE)、シェーグレン症候群、硬皮症、多発性筋炎、全身性硬化症、皮膚筋炎(dermatomyositosis)、関節リウマチおよび新生児狼瘡症候群からなる群から選択される。
一実施形態では、標的自己抗によるSMFLTAA、その機能的フラグメント、機能的変異体または機能的誘導体の免疫沈降を可能とする条件は、標的自己抗体およびSMFLTAA、その機能的フラグメント、機能的変異体または機能的誘導体をゲル、好ましくは、アガロースゲルに拡散させて、免疫沈降物が形成される特定の場所で等濃度に到達させるのに十分なものである。
好ましくは、アガロースゲルは約0.3%〜約1.5%アガロースであり、より好ましくは、アガロースゲルは約0.5%〜1.2%アガロースである。最も好ましくは、アガロースゲルは0.8%〜1.0%アガロースである。
一実施形態では、標的抗体または標的自己抗体は、被験体から得られた約1:1〜約1:256(血清:希釈剤)の希釈率の血液由来サンプルにおいて本発明に従って検出される。
好ましくは、血液由来サンプルは血清サンプルである。より好ましくは、希釈率は約1:8〜約1:128であるか、または約1:16〜約1:128であるか、または約1:32〜約1:128であるか、または約1:64〜約1:128である。最も好ましくは、希釈率は約1:128である。
以下、本発明の好ましい実施形態を、単に例として添付の図面の図を参照して説明する。本発明はこれらの限定されないと理解すべきである。本明細書の後段では、本明細書で用いるSSAは精製(Ro60)SSA抗原を指す。
(Ro60)SSA抗原の蛍光標識 次のようにして可視化した標識および非標識SSA抗原の比較;A)SDS電気泳動後、クーマシーブルー染色による;B)SDS電気泳動後、アンバーフィルターを用いた青色光トランスイルミネーションによる;C)SDS電気泳動および電気転写後、SSAに特異的なヒト自己抗体を用いた免疫ブロット法による。 ELISAによって評価した標的SSA抗原および非標識SSA抗原の結合 ELISAによって測定した小分子蛍光標識(AlexaFluor 488)SSA抗原および非標識SSA抗原の、対象自己抗体と結合する結合能を示すグラフである。抗原コーティング濃度:◆=1.0μg/ml;●=0.5μg/ml;×=0.25μg/ml。 二重免疫拡散法(DID)による抗SSA抗体の検出 被験体から得られた血清中の抗SSA抗体の二重免疫拡散アッセイによる蛍光性の可視化(ウェル1〜6)。血清濃度はウェル1から6へと低くなる。抗SSA抗体を検出ために用いた小分子蛍光標識SSAの濃度(中央のウェル)は、左から右へと高くなる。 二重免疫拡散を用いた抗SSA検出法の比較 被験体から得られた血清中の抗SSAを、小分子蛍光標識SSAを用いて検出し、蛍光検出または黒い背景に対する白色光落射照明によって可視化する。A)アンバーフィルターを用いた青色光トランスイルミネーション;B)黒い背景に対する白色光落射照明。 蛍光二重免疫拡散の半定量的評価 抗SSA/小分子蛍光標識SSAの結合によって形成された沈降素バンドのデンシトメトリー画像をスキャンしたものである。 抗SSA抗体の検出:二重免疫拡散およびELISAの比較 直接的ELISAおよび二重免疫拡散によって測定された抗SSA/小分子蛍光標識SSAの結合のグラフである。二重免疫拡散スコアおよびELISA吸光度のプロットは、この2つのSSA自己抗体測定法間の良好な相関(r=0.7107)を示す。 種々の抗抽出可能核自己抗原(ENA)の検出特異性 本発明に従って小分子蛍光標識自己抗原を用いて被験体から得られた血清サンプル中の6つの異なる自己抗体の蛍光検出を示す本発明の二重免疫拡散アッセイ。自己抗体:ウェル1、抗SSAおよび抗SSB;ウェル2、健康なドナー(自己抗体無し);ウェル3、抗Jo−1;ウェル4、抗RNP/Sm;ウェル5、抗Sm;ウェル6、抗Scl−70。小分子蛍光標識自己抗原:A)SSA;B)SSB;C)Jo−1;D)RNP/Sm;E)Sm、およびF)Scl−70。 小分子蛍光標識自己抗原を用いた抗ENA自己抗体のカウンター免疫電気泳動検出 抗ENA抗体/小分子蛍光標識自己抗原の沈降素の、カウンター免疫電気泳動による蛍光検出。1つの健康ドナー(−ve)と左の欄に示された各自己抗原に特異的な自己抗体を3つの被験体サンプルに関して示された、アンバーフィルターを用いた青色光トランスイルミネーションのより検出された沈降素の形成。 蛍光標識自己抗原を用いた沈降自己抗体の検出のための実験的マイクロ二重拡散形式:a)マイクロ二重免疫拡散形式;b)マイクロカウンター免疫電気泳動形式。 CIEにおいて使用するためのアガロースゲルの調製方法。加熱した液体アガロースを(A)に示される型の凹部に載せる。このアガロースの上にサポートフィルム(ゲルボンド(GelBond) - Lonza, Maryland, USA)を掛ける。固化したアガロースはゲルボンドに付着し、これを型から剥がすと、ゲルが使用可能となる。 CIEによる自己抗体の検出の経時的推移。患者血清中の抗SSA自己抗体の検出を経時的に示すDIEゲル。電気泳動は3mAの一定電流で行った。ゲルは示された時間間隔で、アンバーフィルターを用いた青色光トランスイルミネーションによって観察する。 CIEを用いた、種々の血清希釈率での自己抗体の検出。抗SSA自己抗体はある範囲の患者血清希釈率から検出される。自己抗体は試験した全ての希釈率で検出される。電気泳動は3mAの一定電流で行った。ゲルは示された時間間隔で、アンバーフィルターを用いた青色光トランスイルミネーションによって観察した。 6つの異なる核抗原に特異的な自己抗体の検出。抗SSA、SSA/SB、Scl−70、Jo−1、SmおよびRNP自己抗体のCIE検出を示す。電気泳動は3mAの一定電流で行った。ゲルは60分後に、アンバーフィルターを用いた青色光トランスイルミネーションによって観察した。
(発明の詳細な説明)
本明細書の記載において、本願の特許請求の範囲内にはない対象に言及される場合があるが、当業者であれば、その対象は容易に同一とみなし得るはずであり、本願の特許請求の範囲に定義される発明を実施に移す助けとなるであろう。
定義
「抗原」とは、身体における免疫応答、特に抗体の生産を刺激する、限定されるものではないが、毒素、酵素またはタンパク質を含む任意の物質を指す。本明細書において「標的抗原」とは、特定の標的抗体によって特異的に結合される少なくとも1つのエピトープを含む抗原を指す。
本明細書において「自己抗原」とは、自己抗体の生産および自己免疫反応を刺激する任意の内因性の身体成分である。自己抗原(autoantigen)は、当技術分野で知られ、用いられているように「自己抗原(self-antigen)」とも呼ばれる。「標的自己抗原」とは、特定の自己抗体の生産を刺激したものであって、標的自己抗体が特異的に結合する少なくとも1つのエピトープを含む任意の内因性の身体成分を指す。
本明細書において、標的抗体および標的抗原(標的自己抗体および標的自己抗原を含む)は、同じ生物種に由来する必要はない。必要なのは、標的抗原と標的自己抗原が互いに選択的かつ特異的に結合するということであり、この場合、標的抗原は、標的抗体が特異的に結合する少なくとも1つのエピトープを含む。例えば、本発明による標的抗原または標的自己抗原はウシまたはマウスから得てもよく、ヒトから得られたサンプルから抗体標的を検出することができる。
本明細書において「コグネイト抗体」および「コグネイト抗原」(コグネイト自己抗原を含む)とは、互いに特異的かつ選択的に結合する標的抗体および標的抗原を指す。本明細書において、コグネイト抗体およびコグネイト抗原は、同じ生物種に由来する必要はない。必要なのは、コグネイト抗原またはコグネイト自己抗原がそれらの個々のコグネイト抗体およびコグネイト自己抗体と特異的かつ選択的に結合するということであり、この場合、コグネイト抗体およびコグネイト自己抗体は、コグネイト抗原およびコグネイト自己抗原が特異的に結合する少なくとも1つのエピトープを含む。例えば、本発明によるコグネイト抗原またはコグネイト自己抗原はウシ、ヒツジまたはマウスから得て、ヒトから得られたサンプル中に存在するコグネイト抗体またはコグネイト自己抗体を本発明に従って検出することができる。
本明細書において「核自己抗原」とは、真核細胞の核に少なくとも部分的に局在する自己抗原を指す。
「抽出可能な核自己抗原」(ENA)とは、真核細胞の核から液相中に、一般に高塩濃度を用いて抽出することができる自己抗原を指す。
「抗体」(標的抗体および標的自己抗体を含む)とは、抗体の合成に用いられる抗原を含む分子と、またはそれと密接に関連する抗原と特異的に相互作用(結合)する特異的な構造を有する免疫グロブリン分子を指す。本明細書において「抗体」とは、広く全長抗体を含み、そのある特定の抗体フラグメントも含み得る。また、モノクローナルおよびポリクローナル抗体、多価および一価抗体、多重特異性抗体(例えば、二重特異性抗体)、キメラ抗体、ヒト抗体、ヒト化抗体および親和性成熟を受けた抗体も含まれる。
本発明による「標的抗体」と「選択的または特異的に」結合する「標的抗原」は、標的抗体と優先的に結合する、例えば、非標的抗体との交差反応性が25%未満、または10%未満、または1%未満、または0.1%未満である抗原である。通常、標的抗体は、抗原またはエピトープに対して、10ー6、または10−7M以下、好ましくは約10−8M未満、より好ましくは約10−9M未満、または10−10、または10−11または、10ー2Mの結合親和性(解離定数(Kd)値)を有する。結合親和性は表面プラズモン共鳴を用いて評価すればよい[例えば、米国特許第7531639号または同第6818392号参照(それぞれ参照により本明細書に組み入れられる)]。
よって、本発明の、または本発明において有用な小分子蛍光標識標的抗原または標的自己抗原(SMFLTAまたはSMFLTAA)は、「標的抗体」または「標的自己抗体」と選択的または特異的に結合するものである。「抗原結合フラグメント」または「抗体フラグメント」(標的抗体結合フラグメントまたは標的抗原結合フラグメントを含む)とは、その抗体フラグメントの通常機能の、好ましくは、大部分または全て、または最小でも少なくとも1つを保持する完全な抗体の一部を指す。抗体フラグメント、例えば、その完全な抗体の、対応するFc領域の機能の全てまたは大部分または一部を保持するFc領域を含んでもよい。抗体フラグメントの例としては、Fab、Fab’、F(ab’)およびFvフラグメント、直鎖抗体、ダイアボディー、一本鎖抗体(ScFV)および多重特異性抗体が挙げられる。
「モノクローナル抗体」(標的抗体または標的自己抗体を含む)とは、標的抗原上の単一のエピトープに対する高特異性抗体である抗体を意味する。モノクローナル抗体は均質または実質的に均質な抗体の集団から得られたものと言え、微量に存在し得る自然突然変異以外は、各モノクローナル抗体は同一であり、かつ/または同じエピトープと結合する。
「単離された抗体」(単離された標的抗体または単離された標的自己抗体を含む)は、その天然環境の成分から分離または回収、またはその双方が行われた同定済みの抗体である。例えば、抗体は、酵素およびホルモン、または細胞や組織成分を含む他の任意の身体成分をはじめとするタンパク質から分離される。一実施形態では、抗体は、抗体が少なくとも95重量%、または96重量%または97重量%または98重量%または99重量%となるまで精製される。単離された抗体または自己抗体の純度を決定するのに好適な方法は当技術分野で周知であり、当業者であれば容易に利用可能であると考えられる。通常、抗体は少なくとも1つの精製工程によって調製される。
本発明によるSMFLTAまたはSMFLTAAの「機能的フラグメント、機能的変異体または機能的誘導体」は、本明細書に記載されるように標的抗体または標的自己抗体と特異的かつ選択的に結合することができる連続するアミノ酸残基の任意の部分配列から構成される、標識された抗原または自己抗原である。好ましくは、この標的抗体または標的自己抗体の結合は免疫沈降物(沈降素)の形成をもたらす。一般に、このようなフラグメントは少なくとも10個、好ましくは少なくとも15個、より好ましくは少なくとも20個のアミノ酸を有する。
「血液由来サンプル」とは、スクリーニングされる被験体の血液に由来する任意のサンプルを意味する。このサンプルは、標的抗体または標的自己抗体が検出可能な当技術分野で公知のいずれのサンプルであってもよい。本明細書に記載される自己免疫障害の臨床歴のない正常な健康被験体など、いずれの被験体からのサンプルも含まれる。血液由来サンプルとしては、例えば、血清および血漿サンプル、ならびに他のサンプル種があるが、これに限定されるものではない。
一実施形態における、対照よりも「高い」もしくは「低い」というレベル、または対照からの変化もしくは偏りは統計的に有意である。対照レベルまたは平均対照レベルからの、より高いレベル、より低いレベル、偏りまたは変化は、そのレベルが対照レベルと比較して対照レベルと5%以上、10%以上、20%以上、または50%以上異なる場合に存在するとみなすことができる。あるいは、統計的有意性をP<0.05として算出してもよい。さらに別法として、より高いレベル、より低いレベル、偏りおよび変化は、参照限界または参照区間の決定によって決定することもできる。これらは直感的評価またはノンパラメトリック法から計算することができる。全体として、これらの方法は、0.025および0.975フラクタイルを0.025(n+1)および0.975(n+1)として計算する。このような方法は当技術分野で周知である(Hunt et al., 1997 Clin. Endocrinol. 47:287-296; The Immunoassay Handbook. 3rd edition, ed. David Wild. Elsevier Ltd, 2005)。
対照には存在しない標的抗体または標的自己抗体が存在することも、より高いレベル、偏りまたは変化と考えられる。対照に存在する標的抗体または標的自己抗体が存在しないことも、より低いレベル、偏りまたは変化と考えられる。
本明細書において「統計的に有意な量」は、群間差の数学的評価値を表す。その差が偶然だけによって起こると予想され得る差よりも大きい場合に、その差は統計的に有意であると言われる。
「エピトープ」とは、免疫グロブリン、および/またはB細胞および/またはT細胞が応答する抗原上の部位であるT細胞受容体と特異的に結合することができるいずれのタンパク質決定基も含む。エピトープ決定基は通常、アミノ酸または糖側鎖などの分子の化学的に活性な表面群からなり、通常、特異的な三次元構造特性と特異的な荷電特性を有する。エピトープは一般に、3個、5個、または通常には8〜10個のアミノ酸を含む。アミノ酸は連続するアミノ酸であっても、三次元の折りたたみによって近接する不連続のアミノ酸であってもよい。
本明細書において、小分子蛍光団で標識された標的抗原(SMFLTA)は、小分子蛍光団で標識された、本明細書で定義される標的抗原であり、ここで、この小分子蛍光団は、適当な波長の光で小分子を励起させた際に小分子の蛍光放射によって検出可能である。
本明細書において、小分子蛍光団で標識された標的自己抗原(SMFLTAA)は、小分子蛍光団で標識された、本明細書で定義される標的自己抗原であり、ここで、この小分子蛍光団は、適当な波長の光で小分子を励起させた際に小分子の蛍光放射によって検出可能である。
本発明によるSMFLTAまたはSMFLTAAの範囲内で、「小分子」とは、5000ダルトン(5kD)以下、好ましくは3kD未満、より好ましくは2kD未満、最も好ましくは1kD未満の分子量を有する化合物を指す。場合によっては、小分子が700Da以下の分子量を有するのが極めて好ましい。本発明において特に有用な小分子蛍光団によって標識された標的抗原種としては、当技術分野でよく知られ、用いられているFITC標識標的抗原コンジュゲートである。類似のスペクトル特性を有する、有用なさらなる蛍光団としては、励起波長が494nmであり、発光波長が518nmであるものが挙げられるが、これに限定されるものではない。
本発明において有用であり得るさらなる蛍光団としては、限定されるものではないが、表1に挙げられているものを含む、当技術分野でよく知られ、用いられている他の蛍光団が含まれる。

「特定の自己免疫障害に特異的に関連する」とは、本明細書に記載の自己抗原に関して用いられる場合、身体の免疫系による、自己抗原の少なくとも1つのエピトープと特異的または選択的に結合する自己抗体の生産を引き起こすことが当技術分野で知られている自己抗原を指す。
「特定の自己免疫障害に特異的に関連する」とは、本明細書に記載の自己抗体に関して用いられる場合、当技術分野で知られるように、または本明細書に記載されるように、自己抗体によって少なくとも1つのエピトープと特異的または選択的にされる自己抗原に応答して、身体の免疫系によって生産されることが当技術分野で知られている自己抗体を指す。
自己免疫障害または疾患は、身体がその固有の「自己抗原(self-antigens)」に対する不適切な免疫応答を作り出すことによって起こる障害または疾患である。このような応答は細胞もしくは組織指向性であるか、または細胞もしくは組織特異的であり得る。特に、免疫系は、1以上の身体の通常のタンパク質を「自己」と認識するのを止めて、その身体の固有の細胞、組織および/または臓器を標的とする、本明細書に記載されるような、または当技術分野で知られているような自己抗体を作り出すことがある。このような攻撃から生じる炎症および/または損傷が種々の自己免疫障害の原因と考えることができる。
例えば、自己免疫障害は、正常な健康個体によって体内で通常産生されるタンパク質を提示する正常な細胞または組織を攻撃する抗体またはT細胞を産生する正常な健康個体における免疫応答から生じ得る。この不適切な免疫応答の前には、このような個体は自己免疫疾患または障害に関連する、またはそれに特徴的な臨床像を呈しない。
自己免疫障害は、全身性自己免疫疾患と限局性自己免疫疾患に分類することができる。全身性疾患は多くの臓器に損傷を引き起こすが、限局性疾患は単一の臓器または組織だけを直接傷害するものである。しかしながら、これらの2つのタイプの自己免疫疾患の間に明確な絶対的区別は無い。限局性自己免疫疾患の直接的影響は、間接的に他の身体臓器および身体系にも及ぶ場合が多い。
本明細書において「自己免疫疾患または障害」は、免疫系が健康な身体組織を誤って攻撃し、破壊する場合に起こる症状である。80を超える異なるタイプの自己免疫障害が存在する。
本明細書において「自己免疫障害」としては、限定されるものではないが、急性播種性脳脊髄炎(ADEM)、急性壊死性出血性白質脳炎、アジソン病、無ガンマグロブリン血症、アレルギー性喘息、アレルギー性鼻炎、円形脱毛症、類デンプン症、強直性脊椎炎、抗GBM/抗TBM腎炎、抗リン脂質抗体症候群(APS)、自己免疫性再生不良性貧血、自己免疫性自律神経障害、自己免疫性肝炎、自己免疫性高脂血症、自己免疫性免疫不全、自己免疫性内耳疾患(AIED)、自己免疫性心筋炎、自己免疫性膵炎、自己免疫性網膜症、自己免疫性血小板減少性紫斑病(ATP)、自己免疫性甲状腺疾患、軸策型および神経細胞型神経障害、バロー病、ベーチェット病、水疱性類天疱瘡、心筋症、キャッスルマン病、セリアックスプルー(非熱帯性)、シャーガス病、慢性疲労症候群、慢性炎症性脱髄性多発神経障害(CIDP)、慢性再発性多発性骨髄炎(CRMO)、チャーグ−ストラウス症候群、瘢痕性類天疱瘡/良性粘膜性類天疱瘡、クローン病、コーガン症候群、寒冷凝集素症、先天性心ブロック、コクサッキー心筋炎、CREST病、本態性混合型寒冷グロブリン血症、脱髄性神経障害、皮膚筋炎、デビック病(視神経脊髄炎)、円板状狼瘡、ドレスラー症候群、子宮内膜症、好酸球性筋膜炎、結節性紅斑、実験的アレルギー性脳脊髄炎、エバンス症候群、繊維筋痛症、繊維性肺胞炎、巨細胞性動脈炎(側頭動脈炎)、糸球体腎炎、グッドパスチャー症候群、グレーブス病、ギラン−バレー症候群、橋本病、溶血性貧血、ヘノッホ−シェンライン紫斑病、妊娠性疱疹、低ガンマグロブリン血症、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、IgA腎症、免疫調節リポタンパク質、封入体筋炎、インスリン依存性糖尿病(1型)、間質性膀胱炎、若年性関節炎、若年性糖尿病、川崎症候群、ランバート−イートン症候群、白血球破砕性血管炎、扁平苔癬、硬化性苔癬、木質結膜炎、線状IgA病(LAD)、狼瘡(SLE)、ライム病、メニエール病、顕微鏡的多発性血管炎、混合性結合組織病(MCTD)、モーレン潰瘍、ムッハ−ハーベルマン病、多発性硬化症、重症筋無力症、筋炎、睡眠発作、視神経脊髄炎(デビック病参照)、好中球減少症、眼部瘢痕性類天疱瘡、視神経炎、回帰性リウマチ(小児自己免疫性溶連菌関連神経精神疾患)、傍腫瘍性小脳変性症、発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)、パリーロンベルグ症候群、パーソネージ−ターナー症候群、扁平部炎(末梢ブドウ膜炎)、天疱瘡、末梢神経障害、静脈周囲脳脊髄炎、悪性貧血、POEMS症候群、結節性多発性動脈炎、I型、II型およびIII型自己免疫性多腺性症候群、リウマチ性多発性筋痛、多発性筋炎、心筋梗塞後症候群、心膜切開後症候群、プロゲステロン皮膚炎、原発性胆汁性肝硬変;原発性硬化性胆管炎、乾癬、乾癬性関節炎、特発性肺繊維症、壊疽性膿皮症、赤芽球癆、レイノー現象、反射性交感神経性ジストロフィー、ライター症候群、再発性多発性軟骨炎、むずむず脚症候群、後腹膜線維症、リウマチ熱、関節リウマチ、類肉腫症、シュミット症候群、強膜炎、硬皮症、シェーグレン症候群、精子精巣自己免疫、スティッフパーソン症候群、亜急性細菌性心内膜炎(SBE)、交感神経性眼炎、高安動脈炎、側頭動脈炎/巨細胞性動脈炎、血小板減少性紫斑病(TTP)、トローザ−ハント症候群、横断性脊髄炎、潰瘍性大腸炎、未分化結合組織疾患(UCTD)、ブドウ膜炎、血管炎、水疱性皮膚病、白斑、およびウェゲナー肉芽腫を含む疾患または障害が挙げられる。好ましくは、自己免疫障害は、限定されるものではないが、関節リウマチ(RA)および若年性RA(JRA)(関節;多くはないが肺、皮膚)、1型真性糖尿病(膵島)、狼瘡[全身性紅斑性狼瘡](皮膚、関節、腎臓、心臓、脳、赤血球、その他)、橋本甲状腺炎、グレーブス病(甲状腺)、硬皮症(皮膚、腸、多くはないが肺)、セリアック病、クローン病、潰瘍性大腸炎(胃腸管)、シェーグレン症候群(唾液腺、涙腺、関節)、多発性硬化症、グッドパスチャー症候群(肺、腎臓)、アジソン病(副腎)、ウェゲナー肉芽腫(血管、腹鼻洞、肺、腎臓)、原発性胆汁性肝硬変、硬化性胆管炎、自己免疫性肝炎(肝臓)、リウマチ性多発性筋痛(大筋肉群)、側頭動脈炎/巨細胞性動脈炎(頭頸部動脈)およびギラン−バレー症候群(神経系)を含む一般的なタイプの自己免疫障害のうちの少なくとも1つである。
本明細書において、本発明の、または本発明において有用な担体または希釈剤は、本発明のSMFLTAまたはSMFLTAAを使用のために再懸濁させることができる当技術分野で知られ、用いられている任意の好適な担体または希釈剤である。
特定の実施形態では、担体または希釈剤は、Bunn et al. 1993 Man. Biol. Mark. Dis. A3:1-12 (Kluwer Academic)に記載されているような本発明の方法に従ってDIDアッセイにおいて用いるのに好適なバッファーであり得る。バッファーは、妥当なイオン強度、例えば、0.1〜1.0M NaCl、好ましくは0.2〜0.8M NaCl、好ましくは0.3〜0.6M NaCl、好ましくは0.4M NaClを有する、当技術分野で知られ、用いられている好適ないずれのバッファーであってもよい。
限定されない一実施形態では、担体または希釈剤は、以下の成分:洗剤(例えば、Tween 20)、アルブミン、保存剤(例えば、アジ化ナトリウム)、抗酸化剤(例えば、ジチオトレイトール)、任意選択の他の塩(カリウム、マグネシウム、アンモニウムの塩化物などを含む)、および任意選択のグリセロールの1つまたは全部を好適な量で含むバッファーであり得る。
グリセロールはまた、例えば、キットにおける抗原成分の安定化に有用である。適当なバッファー、担体または希釈剤の配合は当業者の技術の範囲内であると考えられる。
本明細書において「凍結乾燥する(lyophilize)」(凍結乾燥される(lyophilized)、凍結乾燥する(lyophilizes)(フリーズドライまたはクリオデシケーションとしても知られる)とは、腐敗しやすい材料を保存するために、または材料を輸送しやすくするために汎用される脱水プロセスを指す。従って、本発明によるSMFLTAもしくはSMFLTAA、またはその機能的フラグメント、機能的変異体もしくは機能的誘導体は、安定性および貯蔵寿命を高めるために、限定されるものではないが、例えば、材料から水を除去し、その材料をバイアル内に封入することによって凍結乾燥させることができる。その後、この材料は、容易に貯蔵、輸送することがき、後に本発明に記載の方法において使用するために元の形態に再構成することができる。
本明細書において「免疫沈降」とは、特定の抗体と特異的にまたは選択的に結合する抗原を用いて溶液から抗体を沈降させる技術を指す。
余談として、免疫沈降はまた、特異的抗体と反応させた後に、抗原−抗体複合体の沈降をもたらす固相試薬(一般に、アガロースビーズに結合されたプロテインA)を加えることによって抗原を沈降させることも指す。
特に、本発明に従った免疫沈降は、架橋複合体における標的抗原(標的自己抗原を含む)と標的抗体との特異的または選択的結合による、標的抗体(標的自己抗体を含む)の沈降である。架橋複合体の形成は、標的抗体と標的抗原がゲルマトリックス、好ましくは、アガロースゲルマトリックスに拡散することによって形成される界面において、標的抗体と標的抗原が等濃度で存在することによって起こる。
「免疫沈降物」および「沈降素」という用語は互換的に用いられ、免疫沈降の結果として形成される架橋標的抗体と標的抗原(標的自己抗体と標的自己抗原を含む)の複合体を意味する。
本明細書において、免疫沈降デバイスとは、本明細書に記載されるコグネイト抗原およびコグネイト自己抗原とそれらの個々のコグネイト抗体および自己抗体を、免疫沈降物または沈降素を形成するのに好適な条件下で反応させるように構成された任意のデバイスを指す。
本明細書においてマイクロ免疫拡散デバイスとは、本明細書に記載されるコグネイト抗原およびコグネイト自己抗原とそれらの個々のコグネイト抗体および自己抗体を、免疫沈降物または沈降素を形成するのに好適な条件下で反応させるように構成された免疫沈降デバイスを指す。一例では、マイクロ免疫拡散デバイスは、限定されるものではないが、標的抗体と標的抗原(標的自己抗体と標的自己抗原を含む)が拡散して免疫沈降物を形成し得るゲル拡散媒体を含む1つの主要ウェルを備えた改良型顕微鏡スライドであり得る本体を含む。好ましくは、ゲル拡散媒体はアガロースゲル拡散媒体であるが、これに限定されない。主要ウェルは、試験サンプルと本発明のSMFLTAまたはSMFLTAAを受容するように構成された一連の二次ウェルを含む。このウェルの構成をゲル拡散媒体のゲル強度およびバッファー濃度と組み合わせて、試験サンプルとSMFLTAまたはSMFLTAAをゲル拡散媒体に拡散させ、沈降素を形成させる。沈降素の形成は、検出される抗体(自己抗体を含む)と本発明によるSMFLTAまたはSMFLTAAの濃度が等濃度で存在する界面において起こる。
「カウンター免疫電気泳動」(CIE)とは、緩衝されたゲル拡散媒体での抗体および抗原の移動を加速化するために電流を用いる実験技術を指す。pHが制御された、緩衝されたゲル拡散媒体中で抗原(自己抗原を含む)は強い負電荷を帯びるが、抗体(自己抗体を含む)は同媒体で負電荷をほとんど持たない。好ましくは、ゲル拡散媒体はアガロースゲル拡散媒体であるが、これに限定されない。好適な電流をかけると、抗原は陽極に向かって電場を迅速に移動するが、抗体は、陰極に向かって反対または「逆(counter)」の方向に移動する。沈降素の形成は、抗体とそれらのコグネイト抗原が結合して架橋複合体を形成するところに起こる。
本発明による一実施形態では、自己免疫障害を有する、または有する疑いのある被験体から得られた試験血清サンプルを、CIEアッセイデバイスに含まれる、またはそのデバイスの一部であるゲルの陽極ウェルに置く。このCIEアッセイデバイスは、本明細書に記載される免疫沈降デバイスの一種である。試験サンプルを、試験サンプル中に存在する抗体(自己抗体を含む)をゲルの所定の場所に到達するまで移動させる特定の時間、好適な電圧で電気泳動にかける。本発明のSMFLTAまたはSMFLTAAはゲルの陰極ウェルに入れ、再びこのゲルを、SMFLTAまたはSMFLTAAを試験サンプル中に存在する抗体または自己抗体と接触させて本明細書に記載されているように沈降素を形成させる特定の時間、好適な電圧で電気泳動にかける。
例えば、好適な電圧は50Vであり得、特定の時間は約5〜約120分、約10〜120分の範囲であり得、限定されるものではないが、約6、7、8、9、10、15、20、30、40、50、60、70、80、90、100または約110分を含む。場合によっては、特定の時間は120分を超えてもよい。本発明による、または本発明の方法において用いられるSMFLTAまたはSMFLTAAを試験サンプル中に存在する抗体または自己抗体と接触させて沈降素を形成させる好適な電圧と特定の時間の選択は、当業者の技術の範囲内であると考えられる。
電気泳動、CIEアッセイデバイスに沈降素バンドが形成され、アンバーフィルターを通して見たゲルの青色光トランスイルミネーションによって可視化される。トランスイルミネーションは、当技術分野で公知のように、例えば、顕微鏡、または適当な蛍光フィルターセットを備えたゲル撮影装置(gel documentation system)もしくは他のタイプのゲルリーダーを用いて行えばよい。
限定されない一実施形態では、本発明によるCIEアッセイは、マイクロカウンター電気泳動(microCIE)形式を用いて行ってもよい(図9bおよび10)。ゲル、例えば適当なゲル強度およびバッファー濃度(斜線の領域)のアガロースゲルが、好適なゲル深度を得るのに好適な支持材内の方形凹部に注型する。好ましくは、この方形凹部は37.5×50mmの方形凹部であり、ゲル深度は2mmであるが、この凹部およびゲル深度に限定されない。好適な支持材はCIEアッセイプレートまたは他のアッセイCIEデバイスとして構成されたものである。限定されるものではないが、例えば、プレートまたはデバイスの構築の際に、またはその後の機械加工によって凹部が形成された支持材は、限定されるものではないが、種々のアクリル系ポリマー、ポリスチレン、またはメタクリレートなどをはじめとする好適な任意の支持材から作製することができる。一実施形態では、支持材は透明アクリルシートとして、または透明アクリルシートから構成される。
ゲルは、例えば、ゲルが注型された際に形成され得るサンプルウェルを含むように構成される。これらのウェルはまた、例えば、注型ゲルから切り取り、求引装置に取り付けた金属管を用いて抜き取ってもよい。被験体から得られた血清サンプル(すなわち、標的抗体を含む)を左のウェル列に加え、標的抗原(例えば、本発明のSMFLTAまたはSMFLTAAを含む)を右のウェル列に加える。ゲルの左側(被験体サンプルウェルより向こう)と接触した陰極とゲルの右側(抗原ウェルより向こう)と接触した陽に好適な電流を流す。
例えば、陽極ウェルに入れた被験体サンプルを、試験サンプル中に存在する抗体(自己抗体を含む)をゲルの所定の場所に到達するまで移動させる特定の時間、好適な電圧で電気泳動にかける。次に、ゲルの陰極ウェルに入れた本発明のSMFLTAまたはSMFLTAAを試験サンプル中に存在する抗体または自己抗体と接触させて本明細書に記載されているように沈降素を形成させる特定の時間、好適な電圧で電気泳動にかける。
本発明によるCIEアッセイのいくつかの限定されない実施形態を実施例7および8として示す。実施例8に示されている方法によれば、沈降抗体(自己抗体を含む)の検出は約10分という短時間で行うことができる。
「二重免疫拡散」(DID;「オクタロニー二重免疫拡散」または「寒天ゲル免疫拡散」としても知られる)は、抽出可能な核抗原(ENA)の検出に使用することができる比較的簡単な方法である。DIDは、一連のウェルを含むゲル拡散媒体を用いて行われる。本発明によるDIDアッセイの一例では、ウェルは、一連の周辺ウェルに取り囲まれた単一の中央のウェルで構成される。周辺ウェルは中央のウェルの周りに対称に配置することができる。あるいは、異なるサイズの周辺ウェルを中央のウェルの周りに配置する。
限定されない一実施形態では、DIDアッセイはマイクロDID形式を用いて設定してもよい(図9a)。適当なゲル媒体、例えば、適当なゲル強度およびバッファー濃度(斜線の領域)(限定されない)のアガロースゲルを、好適なゲル深度を得るのに好適な支持材内の凹部に注型することができる。一例では、この凹部は円形であるが、これに限定されない。好適な支持材は、DIDアッセイプレートまたは他のDIDアッセイデバイスとして構成されたものである。限定されるものではないが、例えば、プレートまたはデバイスの構築の際に、またはその後の機械加工によって凹部が形成された支持材は、限定されるものではないが、種々のアクリル系ポリマー、ポリスチレン、またはメタクリレートなどをはじめとする好適な任意の支持材から作製することができる。一実施形態では、支持材は透明アクリルシートから、または透明アクリルシートとして構成される。
円形の凹部を用いる例では、支持材に含まれる、または形成される円形凹部は、任意の好適な直径、例えば、直径25〜50mmの円形、好ましくは25mmのものである。この円形凹部内でゲル注型によって形成されるゲル深度も同様に好適な任意の深度である。本実施形態で重要なのは、円形凹部の直径およびゲルの深度が、選択された条件下で標的抗原および標的抗体(標的自己抗原および標的自己抗体を含む)が接触して検出可能な沈降素を形成するように拡散させるのに適当であるということである。好適なゲル深度は、例えば、0.5〜5mm、好ましくは1〜4mm、より好ましくは1.5〜3mm、より好ましくは2mmである。
ウェルは、例えば図9aに示されるように、円形凹部を形成するようにゲルから切り取る。切り取ったゲルは、求引装置に取り付けた金属管を用いてウェルから取り除く。被験体から得られた血清サンプルは外側のウェルに加え、標的抗原(限定されるものではないが、本発明のSMFLTAまたはSMFLTAAを含む)は中央のウェルに加える。血清サンプルは、当技術分野で公知のように、または本明細書に記載のように、希釈しても既訳しなくてもよい。
次に、試験サンプルから検出する抗体と標的抗原を、沈降素を形成するのに好適な時間、ゲル拡散媒体に拡散させる。沈降素の形成は、検出する抗体と標的抗原の濃度が等濃度で存在する界面で起こる。
本発明による一実施形態では、自己免疫障害を有する、または有する疑いのある被験体から得られた試験血清サンプルを周辺ウェルに入れる。本発明のSMFLTAまたはSMFLTAAは中央のウェルに入れる。試験サンプルおよびSMFLTAまたはSMFLTAAを、本明細書に記載されているような沈降素が形成されるよう好適な時間、緩衝されたゲル拡散媒体に核酸させる。例えば、好適な時間は24〜48時間であり得るが、これに限定されない。
場合によっては、2つ以上の周辺ウェルを使用してもよく、その場合には選択される抗原と抗体(自己抗原と自己抗体を含む)の反応性および特異性に基づいて、複数の潜在的結果がもたらされる。沈降素形成の区域は、選択された抗原/抗体の組合せの完全一致(すなわち、連続線)、部分的一致(すなわち、一端が三角形にとがった連続線)または不一致(すなわち、2本の線が完全に交わる)を示し得る。
理論に縛られるものではないが、本出願者は、ほとんどの抗原(自己抗原を含む)の多価特性のために、沈降素の形成が起こると考えている。一般に、抗原は、複数の抗体の結合を可能とするいくつかの抗原決定基を有する。一般に、抗体(自己抗体を含む)は少なくとも2つの抗原結合部位を有する。場合によっては、例えば、IgMの場合、最大10箇所の抗原結合部位が存在し得る。これらの複数部位のために、抗原と抗体の大きな凝集塊または架橋複合体が形成する可能性がある。
一定量の抗体に対する抗原の量が増えると、所与の試験サンプル中の標的抗体の実質的に全てが抗原と結合して沈降素となり得る。所与の試験サンプル中の全ての標的抗体が抗原と結合して沈降素となることが好ましい。これは抗体過剰区域と呼ばれる(すなわち、阻止帯現象)。例えば、ゲル拡散媒体への拡散のために所与の抗原の濃度が高まると、架橋複合体として沈降するタンパク質量が増える。ひと度、抗原/抗体の比率が最適となると、「等価区域」または「等価点」が生じる。ゲル拡散媒体へ拡散する抗原の量が抗体の量を超えたところでは、沈降素の形成が低下し、「抗原過剰区域」となる。
「実質的に同じ結合特性」とは、第一の抗体、抗原、自己抗体または自己抗原が比較される別の抗体、自己抗体、抗原または自己抗原と本質的に同じ結合選択性および感度を有する、本明細書に記載の標的抗体、自己抗体、抗原または自己抗原の機能的フラグメント、機能的変異体または機能的変異体である抗体または抗原に関していう。一般に、実質的に同じ結合特性を有するこのような分子は、それが比較される分子と本質的に同じ結合選択性および感度を保持するのに十分類似した三次元ポリペプチド構造を共通に持つ。好ましくは、本質的に同じ結合選択性または感度は同じ結合選択性または感度である。
「生体サンプル」とは、本明細書において「試験サンプル」と互換的に用いられ、スクリーニングされる被験体から得られた任意のサンプルを指す。好ましくは、スクリーニングされる被験体は自己免疫障害を有するか、または有する疑いがある。試験サンプルは、対象とする標的抗体または標的自己抗体を検出可能な当技術分野で公知のいずれのサンプルであってもよい。血漿、血液、唾液、間質液、血清、尿、滑液、脳脊髄液、リンパ液、精液、羊水、心膜液および腹水などの任意の体液が含まれる。限定されるものではないが、自己免疫疾患または障害を示唆する、またはその指標となる臨床像を呈する被験体などの任意の被験体からのサンプルが含まれる。また、自己免疫疾患もしくは障害の臨床歴のない正常な健康被験体に由来し得る対照サンプル、または本発明のSMFLTAsまたはSMFLTAAを得るために標識される標的抗原または標的自己抗原と反応性がない(例えば結合しない)ことが知られる既知量の標的抗体または標的自己抗体を含む人工サンプルであり得る対照サンプルも含まれる。
本発明による方法で使用可能な試験サンプルは、いずれの供給源から得てもよい。例えば、一実施形態では、試験サンプルは動物、好ましくは鳥類または哺乳類、より好ましくは哺乳類から得られる。好ましくは、哺乳類はヒトおよび非ヒト哺乳類、例えば、ネコ、イヌ、ウマ、ブ、ウ、ヒツジ、シカ、マウス、ラット、霊長類(ゴリラ、アカゲザルおよびチンパンジーを含む)、ポッサムおよび他の飼育農場動物または動物園動物を含むが、これに限定されない。好ましくは、哺乳類はウシまたはヒツジである。好ましくは、哺乳類はヒトである。
本明細書および特許請求の範囲において「含む(comprising)」とは、「少なくとも部分的になる」を意味し、すなわち、本明細書および特許請求の範囲の「含む(comprising)」を含む記述を解釈する場合に、この用語が前に置かれた特徴は、各記述においていつも存在する必要があるが、他の特徴も存在し得る。「含む(comprise)」および「含まれる(comprised)」などの関連用語も同様に解釈されるべきである。
本明細書において「ポリペプチド」とは、明示されたポリペプチド配列またはその組合せの任意の長さのアミノ酸鎖を包含し、そのアミノ酸残基は従来のペプチド結合によって結合される。精製された天然物であるか、または組換え技術または合成技術を用いて部分的または完全に生成されたポリペプチドを指し得る。この用語は、二量体または他の多量体などのポリペプチドの凝集物、融合ポリペプチド、ポリペプチドフラグメント、ポリペプチド変異体、またはその誘導体を指し得る。
ポリペプチドの「フラグメント」は、生物活性または結合に必要とされる機能を遂行し、かつ/またはポリペプチドの三次元構造を提供するポリペプチドの部分配列である。この用語は、必要なペプチド機能を遂行することができるポリペプチド、二量体または他の多量体などのポリペプチドの凝集物、融合ポリペプチド、ポリペプチドフラグメント、ポリペプチド変異体、またはその誘導体を指す。
本明細書において、「変異体」とは、特定された配列とは異なる、1以上のアミノ酸残基が欠失、置換または付加されている標的抗体、標的抗体、標的抗原または標的自己抗原アミノ酸配列を指す。変異体は、天然に存在する対立遺伝子変異体、または天然に存在しない変異体であり得る。変異体は同種または多種に由来してよく、ホモログ、パラログおよびオーソログを包含し得る。特定の実施形態では、本発明において有用な標的抗体、標的自己抗体、標的抗原または標的自己抗原の変異体は、親標的抗体、標的自己抗体、標的抗原または標的自己抗原の生物活性と同じ、または実質的に類似の生物活性を有する。標的抗体、標的自己抗体、標的抗原または標的自己抗原に関して「変異体」とは、本明細書に定義される標的抗体、標的自己抗体、標的抗原または標的自己抗原のあらゆる形態を包含する。
標的抗体、標的自己抗体、標的抗原または標的自己抗原に関して「変異体」とはまた、天然に存在する、組換え的に生産された、および合成的に生産された標的抗体、標的抗原、標的自己抗原またはポリペプチドも包含する。変異体標的抗体、標的自己抗体、標的抗原または標的自己抗原配列は、本発明において有用な標的抗体、標的自己抗体、標的抗原または標的自己抗原配列と、好ましくは少なくとも50%、60%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、好ましくは少なくとも99%の同一性を示す。同一性は、本発明において用いられる標的抗体、標的自己抗体、標的抗原または標的自己抗原の、少なくとも5アミノ酸位、好ましくは少なくとも7アミノ酸位、好ましくは少なくとも10アミノ酸位、好ましくは少なくとも15アミノ酸位、好ましくは少なくとも20アミノ酸位の比較ウインドウにわたって、最も好ましくは全長にわたって見られる。
標的抗体、標的自己抗体、標的抗原または標的自己抗原変異体はまた、それらの配列の機能的等価性を保存する可能性のある特定された標的抗体、標的抗原、標的自己抗原またはポリペプチド配列の1以上と類似性を示し、ランダムな偶然によって起こったとは合理的に予測できないものを包含する。
ポリペプチド配列の同一性および類似性は、以下のようにして決定することができる。被験ポリペプチド配列を、NCBI(ftp://ftp.ncbi.nih.gov/blast/)から一般に利用可能なbl2seqにおけるBLASTP(the BLAST suite of programs, version 2.2.14 [May 2006]から)を用いて候補ポリペプチド配列と比較する。低複雑性領域のフィルタリングを解除すべきこと以外は、bl2seqのデフォルトパラメーターを用いる。
ポリペプチド配列の類似性は、以下のUNIXコマンドラインパラメーター:
bl2seq-i peptideseql-j peptideseq2-F F -p blastp
を用いて検討することができる。パラメーター−F Fは、低複雑性セクションのフィルタリングを解除する。パラメーター−pは、配列対に対して適当なアルゴリズムを選択する。このプログラムは配列間の類似性領域を見つけ出し、このような各領域について、ランダムな配列を含む固定された参照サイズのデータベースにおける偶然によってこのような一致が見られると予測できる予測回数である「E値」を報告する。E値が小さい場合、1より遙かに小さく、これはこのようなランダムな一致のおよその確率である。
変異体ポリペプチド配列は、特定された配列のいずれか1つと比較した場合に、好ましくは、1×10−5未満、より好ましくは1×10−6未満、より好ましくは1×10−9未満、より好ましくは1×10−12未満、より好ましくは1×10−15未満、より好ましくは1×1−18未満、最も好ましくは1×10−21未満のE値を示す。
ポリペプチド配列同一性は、グローバル配列アラインメントプログラムを用い、候補ポリペプチド配列と被験ポリペプチド配列の間の重複を全長にわたって算出してもよい。上述のようなEMBOSS−needle(http:/www.ebi. ac.uk/emboss/align/で利用可能)およびGAP(Huang, X. (1994) On Global Sequence Alignment. Computer Applications in the Biosciences 10, 227-235)も、ポリペプチド配列同一性の算出に好適なグローバル配列アラインメントプログラムである。
上記のようなBLASTPは、本発明に従ってポリペプチド変異体の同定において使用するために好ましい。
変異体標的抗体、標的自己抗体、標的抗原または標的自己抗原は、その標的抗体、標的自己抗体、標的抗原または標的自己抗原の生物活性に影響を及ぼさない1以上の保存的アミノ酸置換、欠失、付加または挿入によって、そのアミノ酸配列が非変異体標的抗体、標的自己抗体、標的抗原または標的自己抗原の配列とは異なる標的抗体、標的自己抗体、標的抗原または標的自己抗原を含む。保存的置換は一般に、あるアミノ酸の、類似の特徴を有する別のアミノ酸での置換、例えば、以下の群:バリン、グリシン;グリシン、アラニン;バリン、イソロイシン、ロイシン;アスパラギン酸、グルタミン酸;アスパラギン、グルタミン;セリン、トレオニン;リシン、アルギニン;およびフェニルアラニン、チロシンの中での置換を含む。保存的置換および半保存的置換の例は、以下の表2から得ることができる。

天然に存在する残基は共通の側鎖特性に基づいてグループに分けることができる。
(1)疎水性:ノルロイシン、met、ala、val、leu、ile;
(2)中性親水性:cys、ser、thr;
(3)酸性:asp、glu;
(4)塩基性:asn、gln、his、lys、arg:
(5)鎖の配向に影響を及ぼす残基:gly、pro;および
(6)芳香性:trp、tyr、phe
非保存的置換は、これらのクラスの1つのメンバーと別のクラスのメンバーを交換することになる。
置換、欠失、付加または挿入は、当技術分野で公知の突然変異誘発法によって作出され得る。当業者であれば、表現型的にサイレントなアミノ酸置換を作出する方法に気づくであろう。例えば、Bowie et al, 1990, Science 247, 1306を参照。
本明細書において「被験体」は好ましくは動物である。好ましくは、この動物は哺乳類である。好ましくは、この哺乳類はヒトおよび非ヒト哺乳類、例えば、ネコ、イヌ、ウマ、ブタ、ウシ、ヒツジ、シカ、マウス、ラット、霊長類(ゴリラ、アカゲザルおよびチンパンジー)、ポッサムおよび他の飼育農場動物または動物園動物を含むが、これに限定されない。好ましくは、哺乳類はヒトである。
本明細書において「臨床像」とは、特定の疾患または障害、例えば、自己免疫障害を有する、または有する疑いのある被験体の完全に観察可能な特徴を指す。これらの特徴は、遺伝子構成と環境因子の相互作用で決定される解剖学的形質、生理学的形質、生化学的形質および挙動的形質の全てを含む。概して、自己免疫疾患の症状は多様であって、特定の疾患によって異なる。自己免疫疾患に伴って起こり得る症状群には、めまい、疲労および全般的な倦怠感および/または軽度の発熱が挙げられる。
「酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)」は酵素結合イムノアッセイとしても知られ、本明細書においてEIAは当技術分野で知られ、用いられているその正規の意味をとる。一般用語において、ELISAは、酵素変換反応に頼り、限定されるものではないが、酵素、ウイルス、抗体および細菌を含む特定の物質の存在を検出するために用いられるアッセイである。
本明細書で開示される数値範囲)(例えば、1〜10)はまた、その範囲内にある全ての関連する数値(例えば、1、1.1、2、3、3.9、4、5、6、6.5、7、8、9および10)、また、その範囲内にある合理的数値の任意の範囲(例えば、2〜8、1.5〜5.5および3.1〜4.7)に対する言及も組み込むものとし、従って、本明細書に明示されているあらゆる範囲のあらゆる部分範囲が明示される。これらは具体的に意図されているものの例に過ぎず、挙げられている最小値と最大値の間の数値の全ての可能な組合せが同様に本明細書に明確に記載されているとみなすべきである。
小分子蛍光標識標的抗原および自己抗原
本明細書に詳説される研究は、本明細書に記載されている本発明の方法において使用可能な、例えば、小分子蛍光標識標的抗原および標的自己抗原(SMFLTAまたはSMFLTAA)を含む組成物を提供する標的抗体(標的自己抗体を含む)の検出に関する本発明の多くの態様を生じさせる。また、これらの方法において使用するためのSMFLTAまたはSMFLTAAを用いるキットも含まれる。
本発明に従いSMFLTAまたはSMFLTAAとして蛍光標識され、次に本明細書に詳説される本発明の方法において使用される標的抗原および標的自己抗原は、好ましくは単離される。それらは当技術分野で周知の様々な技術(例えば、Deutscher, 1990, Ed, Methods in Enzymology, Vol. 182, Guide to Protein Purification)を用いて天然源から単離または精製可能である。技術としては、HPLC、イオン交換クロマトグラフィーおよび免疫クロマトグラフィーが挙げられるが、これに限定されない。
一実施形態では、標的抗原または標的自己抗原(その機能的フラグメント、機能的変異体および機能的誘導体を含む)は、当技術分野で一般に知られ、用いられている標準的な技術のいずれによって調製してもよい。
例えば、標的抗原、標的自己抗原、またはその機能的フラグメント、機能的変異体および機能的誘導体は、限定されるものではないが、動物を含む天然源から単離可能である。好ましくは、この動物は鳥類または哺乳類である。好ましくは、この哺乳類はヒトおよび非ヒト哺乳類、例えば、ネコ、イヌ、ウマ、ブタ、ウシ、ヒツジ、シカ、マウス、ラット、霊長類(ゴリラ、アカゲザルおよびチンパンジーを含む)、ポッサムおよび他の飼育農場動物または動物園動物を含むが、これに限定されない。好ましくは、哺乳類はウシまたはヒツジである。好ましくは、哺乳類はヒトである。
あるいは、標的抗原および自己抗原は、好適な宿主細胞において組換え発現させてもよく、当技術分野で知られ、用いられている分子生物学の標準的な技術(Sambrook et al.,(前掲))を用いてそれらの細胞から分離することができる。
例えば、発現カセットと、本発明に従ってSMFLTAまたはSMFLTAAとして標識される標的抗原、標的自己抗原、またはその機能的フラグメント、機能的変異体もしくは機能的誘導体をコードするポリヌクレオチドを含むベクターとを含む宿主細胞は、ポリペプチドの組換え生産のための方法において有用である。
組換えタンパク質を生産する方法は当技術分野で周知であり、Sambrook et al.,(前掲)およびAusubel et al, Current Protocols in Molecular Biology, Greene Publishing, 1987に全般的に記載されている。選択された宿主細胞をベクターで形質転換する方法も公知であり、例えば、Cohen, SN; PNAS 69, 2110, 1972によって記載されている塩化カルシウム処理がある。
組換えポリペプチドの生産方法は一般に、適当な培地にて、目的ポリペプチドの発現および選択に好適な、またはその助けとなる条件で宿主細胞を培養することを含む。選択マーカーを有する細胞を、さらに、目的ポリペプチドを発現する宿主細胞を選択するのに適当な培地で増殖させることができる。目的ポリペプチドを発現する形質転換宿主細胞を選択し、そのポリペプチドの発現に好適な条件下で培養する。発現された組換えポリペプチドは、硫酸アンモニウム沈殿、イオン交換クロマトグラフィー、ゲル濾過、アフィニティークロマトグラフィー、電気泳動などを含む当技術分野で周知の方法(例えば、Deutscher, Ed, 1990, Methods in Enzymology, Vol 182, Guide to Protein Purification)を用いて培養培地から分離および精製することができる。
例えば、発現カセットまたはベクターから、本発明に従ってSMFLTAまたはSMFLTAAとして標識される標的抗原、標的自己抗原、またはその機能的フラグメント、機能的変異体もしくは機能的誘導体の組換え生産には種々の宿主細胞が使用可能である。このような宿主細胞は原核生物源または真核生物源、例えば、酵母、細菌、真菌、昆虫(例えば、バキュロウイルス)、動物、哺乳類または植物生物に由来し得る。一実施形態では、宿主細胞は単離された宿主細胞である。宿主細胞として一般に用いられる原核生物は大腸菌株である。他の原核生物宿主としては、シュードモナス、バチルス、セラチア、クレブシエラ、ストレプトミセス、リステリア、サッカロミセス、サルモネラおよびマイコバクテリアが挙げられるが、これに限定されない。
組換えタンパク質の発現のための真核細胞としては、限定されるものではないが、Vero細胞、HeLa、CHO(チャイニーズハムスター卵巣細胞)、293、BHK細胞、MDCK細胞、およびCOS細胞、ならびにPrEC、LNCaP、Du 145およびRWPE−2などの前立腺癌細胞系統が挙げられる。これらの細胞はATCC(米国バージニア州)から入手可能である。
一実施形態では、本発明に従ってSMFLTAまたはSMFLTAAとして標識される標的抗原、標的自己抗原、またはその機能的フラグメント、機能的変異体もしくは機能的誘導体を製造する方法は、宿主細胞を、標的抗原、標的自己抗原、またはその機能的フラグメント、機能的変異体もしくは機能的誘導体をコードするポリヌクレオチド配列を含む発現カセットまたはベクターで形質転換すること、その宿主細胞を標的抗原、標的自己抗原、またはその機能的フラグメント、機能的変異体もしくは機能的誘導体が発現される条件下で培養すること、およびその後、発現された標的抗原、標的自己抗原、またはその機能的フラグメント、機能的変異体もしくは機能的誘導体を単離することを含む。
概して、本発明に従ってSMFLTAまたはSMFLTAAを形成するために適宜標識され得る、または本発明の組成物または方法において使用可能な多数の標的抗原、標的自己抗原、またはその機能的フラグメント、機能的変異体または機能的誘導体は、AROTEC Diagnostics Limited (Lower Hutt, New Zealand; www.arodia.com); Immunovision, Inc. (Springdale, AR, USA www.immunovision.com); The Antigen Site (San Diego, CA, USA www.antigensite.com)をはじめとする商業的供給者から入手可能である。
標識標的抗原および標的自己抗原の調製
本発明による、または本発明において有用な標的抗原または標的自己抗原は、小分子蛍光団で化学的に標識された目的の標的抗原または標的自己抗原の少なくとも機能的フラグメント、機能的誘導体または機能的変異体を含む。化学的に標識された小分子蛍光標的抗原または自己抗原は、非標識標的抗原または自己抗原の、その標的またはコグネイト抗体もしくは自己抗体に対する結合の選択性および感度の実質的に全て、好ましくは全てを保持する。
一実施形態では、本発明によるSMFLTAまたはSMFLTAAは、好ましくはフルオレセインイソチオシアネート(FITC)と類似の、そのスペクトル特性に基づいて選択される任意の好適な小分子蛍光団で標識される。これは、この小分子蛍光団がFITCを検出するために用いられるものと同じ装置を用いて検出可能であることを意味する。
FITCは、免疫蛍光顕微鏡による自己抗体の検出において慣用される。この化合物は495nmの波長に励起極大を、517nmの波長に発光極大を有し、通常、適当な励起フィルター/遮蔽フィルターの組合せを用いて検出される。多くのこのような小分子蛍光団が入手可能であり、当業者に公知である(例えば、Miller L.W. (ed.) Probes and Tags to Study Biomolecular Function: for Proteins, RNA, and Membranes, 2008. pp 193; Haugland R.P.(ed.): The Handbook. A Guide to Fluorescent Probes and Labelling Technologies 10th ed., 2005 (Invitrogen Corp.))。
例えば、小分子蛍光団は、より大きな光安定性、より高い蛍光強度、および/または種々の付属基が必要とされる種々の化学的および生物学的適用に適合された、限定されるものではないが、AlexaFluor 488またはDyLight 488をはじめとするFITC誘導体であり得る。本発明の、または本発明において有用なSMFLTAまたはSMFLTAAの生産において使用するのに好適であり得る蛍光団のさらなる例は表1のリストに見出すことができる。
限定されない一実施形態では、蛍光団は、コンジュゲーションと呼ばれるプロセスによって標的抗原または標的自己抗原と共有結合させることができる。コンジュゲーションでは、蛍光団は、標的抗原の接近可能なアミノ酸側鎖基との反応によって共有結合される。一般に、蛍光団の反応性誘導体が標的抗原に与えられる。標的抗原(自己抗原を含む)上の種々の反応性基と反応する多くの異なる蛍光団誘導体が当技術分野で公知であり、本発明に従って使用可能である。例えば、標的抗原のアミン基と反応する蛍光団誘導体は、イソチオシアネート、スクシンイミジルエステル、スルホスクシンイミジルエステル、テトラフルオロフェニルエステル、アジ化カルボニルおよび塩化スルホニルを含むことができ;標的抗原のチオール基と反応する蛍光団誘導体は、ヨードアセトアミド、マレイミド、水素化アルキルおよびアリール化剤を含むことができ;過ヨウ素酸塩で酸化されてアルデヒドとなった、標的抗原のアルコール基と反応する蛍光団誘導体は、ヒドラジン、ヒドロキシルアミンまたはアミン誘導体を含むことができる。
さらに、好適な置換基小分子蛍光団とするためには、標的抗原または自己抗原の共有結合修飾は、標的抗原または標的自己抗原の、その標的抗体に対する選択性および特異性を有意に変更してはならない。
標的抗体の検出
本出願者らは、SMFLTAまたはSMFLTAAが、免疫拡散型のアッセイにおいて標的抗体の高感度かつ選択的な検出のために効果的に使用可能であると判断した。
本出願者は、本明細書に記載の小分子を用いた標的抗原および自己抗原の蛍光標識が、標識された抗原の、それらのコグネイト抗体に対する結合特性に有意な影響を及ぼさないことを見出した。この所見は、抗原/抗体結合特性の確立された見解と相容れない。一般に、免疫学、特に、免疫検出の分野では、抗原または抗体構造における変化は微細なものであっても結合特性に有意な影響を及ぼし得ると考える。
この分野での一般に受け入れられている見解は、抗体および抗原の三次元構造を決定するのに重要なアミノ酸の共有結合的修飾は、抗体/抗原の反応性(すなわち、選択性および特異性)の喪失または低下をもたらし得るということである。この喪失または低下は、特に、このような共有結合的修飾が抗原決定の領域(すなわち、エピトープおよびエピトープ結合領域)内にある場合に顕著である。
この直接的反論において、本出願者は、小分子蛍光団の、抗原、特に、自己抗原への結合が、抗体/抗原の反応性の喪失または低下をもたらさない共有結合的修飾を構成することを示した。理論に縛られるものではないが、本出願者は、これが自己抗原エピトープに重要なアミノ酸は修飾されていないか、またはもし修飾されていたとしても、この修飾に、コグネイト自己抗体との反応性の有意な低下が見られないほど十分な耐用性があるためであると考えている。
本出願者は、小分子蛍光標識自己抗原が、自己抗体を含む疑いのあるサンプルにおいて自己抗体を、標準的なDID、カウンター免疫電気泳動およびELISAを含む標準的な免疫沈降アッセイ形式を有する自己抗体検出と比べた場合に、偽陽性結果および/または偽陰性結果の双方を最小とする検出選択性および感度で、特異的に検出するために使用可能であることを初めて示した。
本出願者はさらに、本発明によるSMFLTAAは、自己抗体を含むか、または自己抗体を含む疑いのあるサンプルにおいて自己抗体を蛍光検出し、半定量するために拡散型イムノアッセイにおいて使用することができることを示した。好ましくは、拡散型イムノアッセイは、本明細書に記載される二重免疫拡散アッセイまたはカウンター免疫電気泳動アッセイである。好ましくは、この二重免疫拡散アッセイまたはカウンター免疫電気泳動は、免疫沈降デバイスで行われる。より好ましくは、免疫拡散デバイスは、本発明によるマイクロ免疫拡散デバイスである。
本出願者の方法による自己抗体の検出は、当技術分野で現在用いられている標準的なDID免疫沈降アッセイを用いて達成することができる。例えば、本出願者は、検出の感度は出願者の方法を用いると最大10倍高まり得ることを示した(図4)。
本発明による自己抗体の検出はまた、ELISAに比べて少ない偽陽性結果で行うことができる。理論に縛られるものではないが、本出願者は、これはELISAが特に高感度の技術であるためであると考えている。従って、ELISAは、「ボーダーライン」または「グレー領域」低陽性結果と呼ばれる弱い陽性結果を戻すことが知られている。多くの場合、このような結果は臨床像と一致せず、その後、「偽」陽性結果であると判定される。
よって、本発明による方法において用いられるSMFLTAまたはSMFLTAAは、さらなる検査の費用および全般的な不便を含む被験体のさらなる確認検査の必要性に関連する問題を避けるとともに、被験体における多くの自己免疫疾患のより正確な診断を提供することができる。
一実施形態では、抗体(自己抗体を含む)の濃度を、サンプルから、本発明によるSMFLTAまたはSMFLTAAおよび本出願者の方法を用いて半定量的に決定することができる。このような決定は、本発明の方法に従って沈降素中の結合したSMFLTAまたはSMFLTAAの蛍光強度を測定することによってなされる。
本明細書において「半定量的」とは、定性的結果と定量的結果の間で、物質のおよその質または量が得られる定量を指す。
本発明に従って形成される蛍光自己抗原複合体、例えば、沈降素は、ある範囲の装置構成を用いて検出することができる。本発明に従って沈降素中の結合したSMFLTAまたはSMFLTAAの蛍光強度を検出および測定するために使用することができる好適な装置としては、限定されるものではないが、アンバーエミッションスクリーンを備えたSafelmager(商標)青色光トランスイルミネーター(Invitrogen, CA)で改装したGel Doc XR System(BioRad, CA)、B−2e/Cフィルターセットを備えたNikon Eclipse 80i免疫蛍光顕微鏡、532エミッションフィルターセットを備えたFujifilm FLA−5100レザースキャナーが挙げられる。当然のことながら、当業者に周知であり、研究施設で一般に利用可能な他の多くのシステムを含め、いずれの好適な画像システムを本発明による方法とともに用いてもよく、あるいは用いるために適合させてよい。
これにより、本明細書に記載されるように本発明の実践者は、当技術分野で公知のような標準的な臨床施設または研究施設に一般に存在するものの他に、本発明を実施するために特殊な装置を得る必要性に関連する付加的コストおよび/または不便が避けられる。
蛍光強度の半定量を含む画像解析は、限定されるものではないが、QuantityOneソフトウエア(BioRad, CA)、ImageQuant(商標)ソフトウエア(GE Healthcare, NJ)、および/またはNIS Elementsソフトウエア(Nikon, NY)をはじめとする適当ないずれの画像ソフトウエアを用いて行ってもよい。
本発明による方法における本出願者のSMFLTAまたはSMFLTAAの使用はまた、ELISA法よりも実施がはるかに簡単であるか(DID)、または実施がはるかに速いか(CIE)、またはその双方であるという利点がある。さらに、本発明によるDIDおよびCIE法は、現行法よりもはるかに速く、染色を必要とせず、かつ、従来のDIDまたはCIEより高感度である。
本出願者の驚くべき発見に基づき、本出願者らは、自己免疫疾患または障害を有する、または有する疑いのある被験体から得られたサンプルにおいて抗体、特に、自己抗体を検出する改良法に関する本発明の多くの態様を提供する。
本発明はまた、広義には、個々にまたはまとめて本願の明細書に挙げられている、または示されている部分、要素および特徴、ならびにいずれか2以上の前記部分、要素または特徴のいずれか、または全ての組合せからなると言え、本発明が関する当技術分野で既知の均等物を持った特定の整数が本明細書に記載されている場合には、そのような既知の均等物は、あたかも個々に示されているかのうように本明細書に組み入れられると考えられる。
以下、本発明を以下の実施例を参照して非限定的に説明する。
以下の実施例に詳細に示される二重免疫拡散(DID)およびカウンター免疫電気泳動(CIE)は、Bunn & Kveder 1993に従って行った。DIDは、3.0mm離した2.5mmサンプルウェルを用い、0.8%アガロースゲル上で24時間行った。CIEは、5.0mm離したサンプルウェルを用い、1.0%アガロースゲル上で行った。
実施例1:標的抗原の小分子蛍光標識
以下の実施例では、AROTEC Diagnostics Limited (Lower Hutt, New Zealand; www.arodia.com)から入手可能な市販の精製Ro60 SSA抗原(本明細書では「SSA」とも呼ばれる)を用いる。
精製SSAを0.1M炭酸バッファー、pH 9.0;0.4M NaCl中で透析した後、製造者の説明書に従って、蛍光団AlexaFluor 488カルボン酸、スクシンイミジルエステルと反応させた(The Handbook. A Guide to Fluorescent Probes and Labelling Technologies. MTZ Spence (ed) 2005 by Invitrogen Corp.)。この蛍光団を、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)と類似のスペクトル特性に基づいて選択した。この蛍光団は495nmの波長に励起極大を、517nmに発光極大を有する。従って、AlexaFluor 488は、例えば、落射蛍光顕微鏡および/または蛍光プレートリーダーをはじめとする、FITC蛍光を検出するために設計および装備された容易に利用可能な研究室技術および装置を用いて検出することができる。
未反応蛍光団はゲル濾過によって標識抗原から分離した。ドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)は、Laemmli (Nature 220 (1970) 680)に従って行った。分離ゲルは13.5%アクリルアミドを含んだ。電気泳動後、タンパク質をクーマシーブルー染色によって検出したか、またはニトロセルロース膜に転写することによる免疫ブロットの後に、Towbin et al. (Proc. Natl. Acad. Sci. USA 76 (1979) 4350)に従い、被験体血清および抗IgGアルカリ性ホスファターゼコンジュゲートを用いてプローブした。
SDS−PAGEによるAlexaFluor 488標識SSA抗原と非標識SSA抗原(各1.0μg)の分離をクーマシーブルー染色によって可視化した(図1A)。ーマシーブルーで染色する前に、蛍光SSAの画像を、アンバースクリーンフィルターを用いた青色光トランスイルミネーションを用いて取得し、GelDocシステム(BioRad, CA)を用いて取り込んだ(図1B)。全ての場合で、蛍光複合体の画像は逆転型で解析した。
複写ゲルをニトロセルロースに転写し、抗SSA抗体を含有する1:300希釈の被験体血清で室温にて一晩でプローブした。このブロットを、1%ウシ血清アルブミンを含有するバッファーで1時間ブロックし、洗浄し、その後、アルカリ性ホスファターゼコンジュゲート抗ヒトIgGで1時間プローブした。このブロットを再び洗浄した後、NBT/BCIPアルカリホスフェート基質を用いて現像した(図1C)。
これまでに述べたように、自己抗原への蛍光団の付加は、考えられるところでは、自己抗原エピトープに重要なアミノ酸の修飾をもたらし、それにより被験体自己抗体との反応性を低減し得る共有結合的修飾をなす。よって、本実施例は、記載されている条件下での蛍光標識はSSA抗原の分子量に識別可能な変化をもたらさないことを示す(SDS−PAGEにより評価)。
理論に縛られるものではないが、本出願者は、この結果が、この標識プロセスによって極めて限定された数のアミノ酸だけが修飾されることを示唆していると考えている(図1A)。予測されたように、これらの結果は、蛍光標識されたSSA抗原は青色光トランスイルミネーションを用いて容易に検出されるが、非標識SSA抗原は検出されないことを明らかに示す(図1B)。抗SSA抗体を含有する被験体血清を用いた免疫ブロット法により、被験体自己抗体に対するSSAの反応性を実質的に変化させない、または低下させないことが確認される(図1C)。
実施例2:ELISAによるSMFLTAまたはSMFLTAAの結合特性の決定
酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)は、Nunc MaxiSorbプレートおよび抗IgGセイヨウワザビペルオキシダーゼコンジュゲートを用い、Charles & Maini 1993 Man. Biol. Mark. Dis. (Kluwer Academic)に従って行った。AlexaFluor 488標識SSAおよび非標識SSAをELISAプレート(Nunc Thermo, Fisher, NY)に、4℃にて一晩、0.25、0.5および1μg/ml(100μl/ウェル)でコーティングした。プレートを洗浄し、室温で4時間ブロックした後、1:100希釈した7つの血清サンプル(健康ドナーサンプル1つと抗SSA抗体を含有する被験体血清サンプル6つ)を1時間加えた。ELISAプレートを洗浄し、1:30,000希釈のセイヨウワザビコンジュゲート抗ヒトIgG(Jackson Immunoresearch, PA)とともに1時間インキュベートした。プレートを洗浄し、TMB(3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン)基質を用いて10分間現像し、HSOを用いて反応を停止させ、450nmで吸光度を読み取った。
ELISAを用い、非標識SSAと比較した蛍光標識SSA抗原の反応性さらに評価した(図2)。標識SSAおよび非標識SSAをELISAプレートに3つの異なる濃度でコーティングした際に、被験体自己抗体との反応性に識別可能な変化は見られなかった。この結果は、SSA抗原の蛍光団の付加が標的自己エピトープへの標的自己抗原の接近に改変または低下をもたらなさいことを示唆する。
実施例3:落射照明に比べた場合の、DIDおよび沈降素におけるSMFLTAAの蛍光検出を用いた自己抗体検出の比較
沈降自己抗体を検出するための蛍光標識SSAの有用性を、DIDを用いて調べた。抗SSA抗体を含有する患者血清を未希釈のまま、または4倍、16倍、32倍、64倍および128倍希釈した後、5μlをDIDプレートのtoウェル1〜6にそれぞれ加えた(図3)。6.25、12.5、25および50μg/ml濃度のAlexaFluor 488標識SSA 5μlを中央のウェルに加えた(図3)。これらのDIDプレートを密封し、暗所、室温で24時間インキュベートした後、AlexaFluor 488−SSA沈降素複合体を、アンバーフィルターを用いた青色光トランスイルミネーションを用いて検出した。
免疫沈降複合体(すなわち、白色沈降素バンド)をまた、Molecular Dynamics Personal Densitometer SIおよびImageQuant(商標)ソフトウエア(GE Healthcare)を用いる非蛍光検出(黒い背景に対して白色光を用いる落射照明)によっても評価した。
結果を、中央のウェルにて5μlの50μg/ml AlexaFluor 488標識SSAを用い、未希釈または4倍、16倍、32倍、64倍および128倍希釈被験体血清(それぞれウェル1〜6)に関して示す(図4A−アンバーフィルターを用いた青色光トランスイルミネーション;図4B−黒い背景に対する白色光落射照明)。
このDIDアッセイの結果は、種々の量の標識SSA抗原の、SSAに対する自己抗体を含有する被験体血清の種々の希釈液との反応性の違いを示す。1:128という高い血清希釈液で鮮明な沈降素反応が検出可能であった。
蛍光標識SSAとその後の青色光トランスイルミネーションを用いた場合のDID法の改良された感度は、図4に明確に示される。小分子蛍光標識SSAを用いると、1:128という高い血清希釈液で沈降素ベンドが明らかに見て取ることができる。これを、黒い背景に対する白色光落射照明を用いるDIDアッセイで生じた沈降素バンドを検出するための従来法と比較する。このような従来法では、沈降素バンドは1:16という低い被験体血清希釈率でのみ検出された。
実施例4:蛍光DIDの半定量的評価
被験体血清中のそのコグネイト抗体と結合した小分子蛍光標識SSAによって生じた沈降素バンドを、BioRad Quantity One(BioRad, CA)ソフトウエアを用いて蛍光DID画像をスキャンすることによって半定量的に評価した(図5)。デンシトメトリー画像スキャニングによる半定量的評価の後に沈降素バンドの画素計数を行った。被験体血清(0、SSA自己抗体陰性;1、低陽性;2、中程度の陽性;3、高陽性)のスキャンを図5に示す。
実施例5:抗SSA抗体の検出:DID法およびELISA法の比較
抗SSA抗体のレベルを48の血清サンプル(健康なドナー2を含む)において、図2に記載されているようにコーティングに非標識SSAを用いた直接的ELISA(1:100希釈、各サンプルを2回測定)により、また、AlexaFluor 488標識SSAを用いたDIDにより測定した。これらのDIDプレートを密封し、暗所、室温で24時間インキュベートし、蛍光沈降素バンドを、青色光トランスイルミネーションを用いて検出した。取得したデジタル画像を、Quantity Oneソフトウエア(BioRad, CA)を用いて定量し、実施例4に記載されているようにスコアを付けた。DIDスコアおよびELISA吸光度をプロットしたところ、これら2つのSSA自己抗体測定法の間に良好な相関(r=0.7107)を認めた(図6)。
多数の被験体血清を、この手順を用いて評価し、ELISA法を用いて得られた結果と比較した。これらの結果は、一般にこれら2つの方法の間に広い相関があることを示す。特に、血清中の抗SSAの検出において得られるELISA結果が高いほど、一般に、DIDアッセイ後に解析される沈降素バンドもより強い。しかしながら、蛍光DID法は、より低いELISA結果を示したいくつかの血清では沈降抗体を検出しなかったが、このことは、(1)これらの血清がELISAによって誤ってSSA抗体陽性であると評価されたか、または(2)DIDがSSA抗体の検出に関してELISAよりも感度が低いかのいずれかであることを示唆する。
実施例6:蛍光DIDを用いた6つの異なる抗EISA抗体の検出
未希釈血清サンプル(5μl)を6枚のDIDプレートの同じ側のウェル(1〜6)にピペットで入れた(図7)。これらの血清サンプルは以下の特異性の自己抗体を含んだ:ウェル1、抗SSAおよび抗SSB;ウェル2、健康なドナー(自己抗体無し);ウェル3、抗Jo−1;ウェル4、抗RNP/Sm;ウェル5、抗Sm;ウェル6、抗Scl−70(図7)。AlexaFluor 488標識自己抗原(5μl 25μg/ml)を次のようにDIDプレートの中央のウェルに加えた:A、SSA;B、SSB;C、Jo−1;D、RNP/Sm;E、Sm、およびF、Scl−70(図7)。これらのDIDプレートを密封し、暗所、室温で24時間インキュベートし、蛍光沈降素バンドを、アンバーフィルターを用いた青色光トランスイルミネーションを用いて検出した。
これらの結果は、本発明に従い、本発明によるSMFLTAAを用い、それらのコグネイト自己抗体に対するそれらの選択性および感度を保持しつつ、ある範囲の自己抗原を検出することができることを示す。特に、これらの結果は、本発明によるある範囲のMFLTAA(すなわち、SSA、SSB、RNP/Sm、Sm、Jo−1およびScl−70)をDIDアッセイで用いて、被験体サンプルにおいてそれらの個々のコグネイト自己抗体を選択的かつ特異的に検出することができることを示す。
実施例7:蛍光CIEを用いた6つの異なる抗ENA特異性の検出
カウンター免疫電気泳動(CIE)は、沈降自己抗体の検出のためのDIDよりも迅速かつ高感度であると考えられる。
カウンター免疫電気泳動は、1.0%アガロースゲルをTris−Tricieバッファー(pH8.6)とともに用いて行った。10μlの未希釈血清サンプル(健康なドナー1つと各供試抗原に関して自己抗体を含有するもの3つ)をゲルの陽性側のウェルに加え、50Vで30分間電気泳動にかけた(図8)。次に、AlexaFluor 488標識自己抗原(25μg/ml 5μl)を、血清サンプルから5mm離れた陰極ウェルに加えた(図8)。これらのゲルをさらに90分間(Jo−1の場合は120分間)50Vで電気泳動にかけ、蛍光沈降素バンドを、青色光トランスイルミネーションを用いて検出した。健康なドナー(−ve)1つと各自己抗原に対して特異的自己抗体を含む被験体サンプル3つの結果を示す。
本発明によるSMFLTAAのCIE検出からの結果は、この手順を用い、標識自己抗原を用いて、SSA、SSB、RNP/Sm、Sm、Jo−1またはScl−70に特異的な被験体自己抗体を効果的に検出することができることを示す。
実施例8:カウンター免疫電気泳動(CIE)による抗体の検出
CIEのためのアガロースゲルの調製
加熱した液体アガロースを型(A)の凹領域に塗布した後、GelBond(Lonza Rockland, Inc.)を上に重ねた(図10)。ひと度アガロースが固化すると、GelBondを剥がした後にそれはGelBondに接着した(B)。サンプルウェルは、型の凹部の中央に凸部を作ることによって形成した。血清サンプルを大きいほうの陽極ウェル(3×4mm、深さ1mm)に適用し、AlexaFluor 488標識自己抗原は小さいほうの陰極ウェル(3×2mm、深さ1mm)に適用した。ウェルは5mm離した。
CIEによる自己抗体検出の経時的推移
陰性対照(バッファー)、陰性血清および抗SSA自己抗体を含有する患者血清を、CIEゲルの陽極ウェルに加えた(図11)。次に、AlexaFluor 488標識SSA抗原を各サンプルとは反対側の陰極ウェルに加え、電気泳動を3mA一定電流で最大90分間行った。種々の時間間隔で、このゲルを、アンバーフィルターを用いた青色光トランスイルミネーションを用いて可視化した。9〜12分において、SSA自己抗体を含有する陽性サンプルでは鮮明な沈降素バンドが見られたが、陰性対照または陰性血清サンプルでは見られなかった。
この経時的推移アッセイの結果は、本発明によるCIEアッセイを用いた血清サンプルからの自己抗体の蛍光検出が9分という短い時間で達成されることを明らかに示す。従って、患者サンプルにおいて自己抗体を検出するの要する時間は、DIDアッセイまたはある特定の他のCIEプロトコールに比べて有意に短縮される。このCIE形式を用いた自己抗体の迅速検出は、リアルタイム検出および自己免疫疾患の診断における使用の可能性(すなわち、1回の受診で患者サンプルを採取し、分析することができる)を含め、臨床の場に多くの利点を有する。
CIEを用いた種々の血清希釈率での自己抗体の検出
陰性対照血清および抗SSA自己抗体を含有する患者血清を未希釈〜1:50の範囲の種々の希釈率でCIEゲルの陽極ウェルに加えた(図12)。AlexaFluor 488標識SSA抗原を各サンプルとは反対側の陰極ウェルに加え、電気泳動を3mA一定電流で行った。種々の時間間隔で、このゲルを、アンバーフィルターを用いた青色光トランスイルミネーションを用いて可視化した。SSA自己抗体を含有する陽性サンプルでは、50倍に希釈した場合であっても鮮明な沈降素バンドが見られたが、陰性対照では見られなかった。
カウンター免疫電気泳動(CIE)による6つの異なる核抗原に特異的な自己抗体の検出
次の特異性を有する自己抗体を含有する患者血清(上から下へSSA、SSA/SB、Scl−70、Jo−1、SmおよびRNP)を、6つの異なるCIEゲルの陽極ウェルに加えた(図13)。次に、AlexaFluor 488標識自己抗原(左から右へ)SSA、SSB、Scl−70、Jo−1、RNP/SmおよびSmを各ゲルの陰極ウェルに加えた。電気泳動を3mA一定電流で60分間行った。対応する標識自己抗原を反対側の陰極ウェルに適用した場合には、アンバーフィルターを用いた青色光トランスイルミネーションを用い、各自己抗体特異性に特異的な沈降素バンドが見られた。
6つの異なる蛍光標識自己抗原に特異的な6つの異なる自己抗体の検出を示す上記の結果に基づけば、当業者ならば、本発明による免疫検出法、特にDIDまたはCIEが、それらのコグネイト抗体を検出するために広範な種々の標識抗原(および自己抗原)とともに使用可能であることが分かるであろう。
上記の例は本発明の実施を例示するものである。当業者であれば、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく多くの変形および改変がなされ得ることが分かるであろう。
特許、公開出願および他の刊行物を含む、本明細書に挙げられている参照文献は引用することにより本明細書の一部とされる。
本発明の実施は、特に断りのない限り、当業者に範囲内である分子生物学の従来技術を用いる。このような技術は文献に十分説明される。例えば、Molecular Cloning: A Laboratory Manual, (J. Sambrook et al., Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor, N.Y., 1989); Current Protocols in Molecular Biology (F. Ausubel et al., eds., 1987 updated); Essential Molecular Biology (T. Brown ed., IRL Press 1991); Gene Expression Technology (Goeddel ed., Academic Press 1991); Methods for Cloning and Analysis of Eukaryotic Genes (A. Bothwell et al. eds., Bartlett Publ. 1990); Gene Transfer and Expression (M. Kriegler, Stockton Press 1990); Recombinant DNA Methodology II (R. Wu et al. eds., Academic Press 1995); PCR: A Practical Approach (M. McPherson et al, IRL Press at Oxford University Press 1991); Oligonucleotide Synthesis (M. Gait ed., 1984); Cell Culture for Biochemists (R. Adams ed., Elsevier Science Publishers 1990); Gene Transfer Vectors for Mammalian Cells (J. Miller & M. Calos eds., 1987); Mammalian Cell Biotechnology (M. Butler ed., 1991); Animal Cell Culture (J. Pollard et al. eds., Humana Press 1990); Culture of Animal Cells. 2nd Ed. (R. Freshney et al. eds., Alan R. Liss 1987); Flow Cytometry and Sorting (M. Melamed et al. eds., Wiley-Liss 1990); the series Methods in Enzymology (Academic Press, Inc.); Wirth M. and Hauser H. (1993); Immunochemistry in Practice, 3rd edition, A. Johnstone & R. Thorpe, Blackwell Science, Cambridge, MA, 1996; Techniques in Immunocytochemistry, (G. Bullock & P. Petrusz eds., Academic Press 1982, 1983, 1985, 1989); Handbook of Experimental Immunology, (D. Weir & C. Blackwell, eds.); Current Protocols in Immunology (J. Coligan et al: eds. 1991); Immunoassay (E. P. Diamandis & T.K. Christopoulos, eds., Academic. Press, Inc., 1996); Goding (1986) Monoclonal Antibodies: Principles and Practice (2d ed) Academic Press, New York; Ed Harlow and David Lane, Antibodies A laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor, New York, 1988; Antibody Engineering, 2nd edition (C. Borrebaeck, ed., Oxford University Press, 1995); and the series Annual Review of Immunology; the series Advances in Immunology参照。
当業者ならば、本明細書に示され、記載されている発明は、記載されている態様、実施形態および実施例に限定されないだけでなく、本明細書に示される開示および共通の一般知識を考慮して当業者に自明である本発明の趣旨および範囲内に本発明の変形および改変も包含する。
本明細書では、特許明細書、他の外部文書、または他の情報源が参照されているが、これは一般に本発明の特徴を述べるために内容を示すためのものである。特に断りのない限り、このような外部文書の参照は、このような文書またはこのような情報源が司法権において先行技術であること、または当技術分野の共通の一般知識の一部をなすことを認めるものではない。
その他の参照文献:
この一覧の、その他の参照文献および引例も全て、その全内容が組み入れられる。
Laemmli UK 1970 Nature 227: pp.680-685
Towbin et al. 1979 Proc. Natl. Acad. Sci. USA 76: pp. 4350-4354
Charles PJ & Maini RN 1993 Man. Biol. Mark. Dis. A5: 1-23 (Kluwer Academic)
Bowie et al., 1990, Science 247, 1306
Bunn C & Kveder T 1993 Man. Biol. Mark. Dis. A3:1-12 (Kluwer Academic)
Deutscher 1990, Ed, Methods in Enzymology, Vol. 182, Guide to Protein Purification.
Kavanaugh et al. 2000 Arch. Pathol. Lab. Med. 124: pp. 71-81

Claims (59)

  1. サンプルにおいて標的抗体を検出する方法であって、
    a.サンプルを、標的抗体と特異的に結合する、小分子蛍光団で標識された標的抗原(SMFLTA)、またはSMFLTAの機能的フラグメント、機能的変異体もしくは機能的誘導体と接触させること、および
    b.SMFLTA、またはその機能的フラグメント、機能的変異体もしくは機能的誘導体と結合した標的抗体の存在を蛍光検出によって検出すること
    を含む、方法。
  2. 接触工程a)が、標的抗体によるSMFLTA、その機能的フラグメント、機能的変異体または機能的誘導体の免疫沈降を可能とする条件下で行われる、請求項1に記載の方法。
  3. 検出工程b)が、免疫沈降物におけるSMFLTA、その機能的フラグメント、機能的変異体または機能的誘導体の蛍光検出である、請求項1または2に記載の方法。
  4. SMFLTAが小分子蛍光団で標識された標的自己抗原(SMFLTAA)、またはSMFLTAAの機能的フラグメント、機能的変異体もしくは機能的誘導体である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. SMFLTAA、その機能的フラグメント、機能的変異体または機能的誘導体が核自己抗原であるか、または核自己抗原に由来する、請求項4に記載の方法。
  6. 核自己抗原がJo−1抗原、(Ro60)SSA抗原、(La)SSB抗原、Sm抗原、Sm/RNP複合抗原、Scl−70抗原、またはその機能的フラグメント、機能的変異体もしくは機能的誘導体からなる群から選択される、請求項5に記載の方法。
  7. SMFLTAA、その機能的フラグメント、機能的変異体または機能的誘導体が、特定の自己免疫障害または疾患に特異的に関連する自己抗原であるか、またはその自己抗原に由来する、請求項4〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 自己免疫障害が混合性結合組織病、全身性紅斑性狼瘡(SLE)、シェーグレン症候群、硬皮症、多発性筋炎、全身性硬化症、皮膚筋炎(dermatomyositosis)、関節リウマチおよび新生児狼瘡症候群からなる群から選択される、請求項7に記載の方法。
  9. サンプルが自己免疫障害または疾患を有するか、または有する疑いのある被験体から得られた血液由来サンプルである、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 血液由来サンプルが血清サンプルである、請求項9に記載の方法。
  11. サンプルが、特定の自己免疫障害を有するか、または有する疑いのある被験体から得られた臨床サンプルであり、該方法が、標的抗体もしくは標的自己抗体を欠くか、または既知濃度の対照抗体もしくは対照自己抗体を含有する好適な対照と同時に行われる、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 接触工程a)が免疫沈降デバイスを用いて行われる、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 免疫沈降デバイスが免疫拡散デバイスであるか、またはマイクロ免疫拡散デバイスである、請求項12に記載の方法。
  14. 免疫沈降デバイスがカウンター免疫電気泳動(CIE)デバイスである、請求項12または13に記載の方法。
  15. カウンター免疫電気泳動デバイスがマイクロカウンター免疫電気泳動デバイスである、請求項14に記載の方法。
  16. 被験体から得られたサンプルにおいて標的自己抗体を検出することによって、被験体において自己免疫疾患または障害を診断する方法であって、
    a.サンプルを、標的自己抗体と特異的に結合するSMFLTAA、またはその機能的フラグメント、機能的変異体もしくは機能的誘導体と接触させること、および
    b.SMFLTAA、またはその機能的フラグメント、機能的変異体もしくは機能的誘導体と結合した標的自己抗体の存在を蛍光検出によって検出すること
    を含む、方法。
  17. 接触工程a)が標的自己抗体によるSMFLTAA、その機能的フラグメント、機能的変異体または機能的誘導体の免疫沈降を可能とする条件下で行われる、請求項16に記載の方法。
  18. 検出工程b)が免疫沈降物におけるSMFLTAA、その機能的フラグメント、機能的変異体または機能的誘導体の蛍光検出である、請求項16または17に記載の方法。
  19. 標的自己抗体によるSMFLTAA、その機能的フラグメント、機能的変異体または機能的誘導体の免疫沈降を可能とする条件が、標的自己抗体およびSMFLTAA、その機能的フラグメント、機能的変異体または機能的誘導体をゲルに拡散させて、免疫沈降物が形成される特定の場所で等濃度に到達させるのに十分なものである、請求項2〜15、17または18のいずれか一項に記載の方法。
  20. ゲルがアガロースゲルである、請求項19に記載の方法。
  21. アガロースゲルが約0.3%〜約1.5%アガロースである、請求項20に記載の方法。
  22. アガロースゲルが約0.5%〜1.2%アガロースである、請求項21に記載の方法。
  23. アガロースゲルが0.8%〜1.0%アガロースである、請求項22に記載の方法。
  24. 標的抗体または標的自己抗体が、被験体から得られた約1:1〜約1:256(血清:希釈剤)の希釈率の血液由来サンプルにおいて検出される、請求項1〜23のいずれか一項に記載の方法。
  25. 血液由来サンプルが血清サンプルである、請求項24に記載の方法。
  26. 希釈率が約1:8〜約1:128であるか、または約1:16〜約1:128であるか、または約1:32〜約1:128であるか、または約1:64〜約1:128である、請求項24または25に記載の方法。
  27. 希釈率が約1:128である、請求項26に記載の方法。
  28. 小分子蛍光団で標識された標的抗原(SMFLTA)、またはその機能的フラグメント、機能的変異体もしくは機能的誘導体。
  29. 小分子蛍光団で標識された標的自己抗原(SMFLTAA)、またはその機能的フラグメント、機能的変異体もしくは機能的誘導体である、請求項28に記載のSMFLTA。
  30. 標的自己抗原が核自己抗原であるか、または核自己抗原に由来する、請求項29に記載のSMFLTAA、その機能的フラグメント、機能的変異体または機能的誘導体。
  31. 核自己抗原がJo−1抗原、(Ro60)SSA抗原、(La)SSB抗原、Sm抗原、Sm/RNP複合抗原、Scl−70抗原、またはその機能的フラグメント、機能的変異体もしくは機能的誘導体からなる群から選択される、請求項30に記載の核自己抗原。
  32. 自己抗原が特定の自己免疫障害または疾患に特異的に関連する、請求項29〜31のいずれか一項に記載のSMFLTAA、またはその機能的フラグメント、機能的変異体もしくは機能的誘導体。
  33. 自己免疫障害が混合性結合組織病、全身性紅斑性狼瘡(SLE)、シェーグレン症候群、硬皮症、多発性筋炎、全身性硬化症、皮膚筋炎(dermatomyositosis)、関節リウマチおよび新生児狼瘡症候群からなる群から選択される、請求項32に記載のSMFLTAA、またはその機能的フラグメント、機能的変異体もしくは機能的誘導体。
  34. 標的抗原または標的自己抗原が哺乳類から単離され、その哺乳類がヒト、ヒト以外の霊長類、ウシ、ヒツジ、ブタ、ラット、マウスまたはイヌからなる群から選択される、請求項28〜33のいずれか一項に記載のSMFLTAまたはSMFLTAA。
  35. 第一の哺乳類種から単離された標的抗原または標的自己抗原が、異なる哺乳類種から得られたサンプル中に存在する標的抗体または標的自己抗体と特異的かつ選択的に結合する、請求項28〜34のいずれか一項に記載のSMFLTAまたはSMFLTAA。
  36. 標的抗原、標的自己抗原、またはその機能的フラグメント、機能的変異体もしくは機能的誘導体がウシまたはヒツジから単離されたものであり、ヒトから得られたサンプル中に存在する標的抗体または標的自己抗体を検出するために用いられる、請求項35に記載のSMFLTAまたはSMFLTAA。
  37. 標的抗原、標的自己抗原、またはその機能的フラグメント、機能的変異体もしくは機能的誘導体が、標的抗原、標的自己抗原、またはその機能的フラグメント、機能的変異体もしくは機能的誘導体をコードするポリヌクレオチド配列から組換え的に発現されたものである、請求項28〜33のいずれか一項に記載のSMFLTAまたはSMFLTAA。
  38. ポリヌクレオチド配列が発現ベクター中に含まれる、請求項37に記載のSMFLTAまたはSMFLTAA。
  39. 請求項28〜38のいずれか一項に記載のSMFLTAもしくはSMFLTAA、またはその機能的フラグメント、機能的変異体もしくは機能的誘導体と担体または希釈剤を含む、組成物。
  40. a.請求項28〜38のいずれか一項に記載のSMFLTA、その機能的フラグメント、機能的変異体または機能的誘導体と、
    b.SMFLTA、その機能的フラグメント、機能的変異体または機能的誘導体をサンプルと、そのSMFLTAを標的抗体に結合させる条件下で接触させるように構成されたイムノアッセイデバイスと、
    c.標的抗体と結合したSMFLTA、その機能的フラグメント、機能的変異体または機能的誘導体を検出することに関する説明書
    を含むキット。
  41. 説明書がSMFLTA、その機能的フラグメント、機能的変異体または機能的誘導体の蛍光検出を指示する、請求項40に記載のキット。
  42. イムノアッセイデバイスが免疫沈降デバイスである、請求項40または41に記載のキット。
  43. 標的抗体とSMFLTA、その機能的フラグメント、機能的変異体または機能的誘導体の接触が、その標的抗体によるSMFLTA、その機能的フラグメント、機能的変異体または機能的誘導体の免疫沈降を可能とする条件下で行われる、請求項40〜42のいずれか一項に記載のキット。
  44. 担体または希釈剤をさらに含む、請求項40〜43のいずれか一項に記載のキット。
  45. SMFLTA、またはその機能的フラグメント、機能的変異体もしくは機能的誘導体が凍結乾燥される、請求項40〜44のいずれか一項に記載のキット。
  46. 自己免疫疾患または障害を有するか、または有する疑いのある被験体から得られた血液由来サンプルをSMFLTAと接触させること、および標的抗体と結合したSMFLTAの存在を蛍光検出によって検出することを含む標的抗体検出法において使用するための、請求項40〜45のいずれか一項に記載のキット。
  47. サンプルとSMFLTA、またはその機能的フラグメント、機能的変異体もしくは機能的誘導体の接触が、二重免疫拡散法(DID)またはカウンター免疫電気泳動法(CIE)によって行われる、請求項46に記載のキット。
  48. サンプルの接触が免疫沈降デバイスを用いて行われる、請求項46または47に記載のキット。
  49. 免疫沈降デバイスがマイクロ免疫拡散デバイスである、請求項48に記載のキット。
  50. 免疫沈降デバイスがカウンター免疫電気泳動デバイスである、請求項49に記載のキット。
  51. カウンター免疫電気泳動デバイスがマイクロカウンター免疫電気泳動デバイスである、請求項50に記載のキット。
  52. a.被験体から得られたサンプルを、標的自己抗体と特異的に結合するSMFLTAA、またはSMFLTAAの機能的フラグメント、機能的変異体もしくは機能的誘導体と接触させること、および
    b.SMFLTAA、またはその機能的フラグメント、機能的変異体もしくは機能的誘導体と結合した標的自己抗体の存在を蛍光検出によって検出すること
    を含む被験体における自己免疫疾患または障害の診断方法における、請求項28〜38のいずれか一項に記載のSMFLTAまたはSMFLTAA、請求項39に記載の組成物、または40〜51のいずれか一項に記載のキットの使用。
  53. 接触工程a)が標的抗体によるSMFLTAA、その機能的フラグメント、機能的変異体または機能的誘導体の免疫沈降を可能とする条件下で行われる、請求項52に記載の使用。
  54. 検出工程b)が免疫沈降物におけるSMFLTAA、その機能的フラグメント、機能的変異体または機能的誘導体の蛍光検出である、請求項52または53に記載の使用。
  55. a.サンプルを、標的自己抗体と特異的に結合するSMFLTAA、その機能的フラグメント、機能的変異体または機能的誘導体と、標的自己抗体によるSMFLTAA、その機能的フラグメント、機能的変異体または機能的誘導体の免疫沈降を可能とする条件下で接触させること、および
    b.免疫沈降物において沈降した標的自己抗体の存在を、免疫沈降物におけるSMFLTAA、その機能的フラグメント、機能的変異体または機能的誘導体の蛍光検出によって検出すること
    を含む被験体における自己免疫疾患または障害の診断方法における、請求項28〜38のいずれか一項に記載のSMFLTAまたはSMFLTAA、請求項39に記載の組成物、または請求項40〜51のいずれか一項に記載のキットの使用。
  56. 接触工程a)が標的抗体によるSMFLTAA、その機能的フラグメント、機能的変異体または機能的誘導体の免疫沈降を可能とする条件下で行われる、請求項55に記載の使用。
  57. 検出工程b)が免疫沈降物におけるSMFLTAA、その機能的フラグメント、機能的変異体または機能的誘導体の蛍光検出である、請求項55または56に記載の使用。
  58. SMFLTAA、その機能的フラグメント、機能的変異体または機能的誘導体が核自己抗原であるか、または核自己抗原に由来する、請求項55〜57のいずれか一項に記載の使用。
  59. 核自己抗原がJo−1抗原、(Ro60)SSA抗原、(La)SSB抗原、Sm抗原、Sm/RNP複合抗原、Scl−70抗原、またはその機能的フラグメント、機能的変異体もしくは機能的誘導体からなる群から選択される、請求項58に記載の使用。
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