JP2004511805A - 全身性自己免疫疾患の診断のためのパターン認識法 - Google Patents

全身性自己免疫疾患の診断のためのパターン認識法 Download PDF

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バインダー,スティーブン アール.
グロッセンジャー,ジョン
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バイオ−ラッド ラボラトリーズ,インコーポレイティド
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Abstract

自己抗体のアレーを患者試料中で定量し、全身性自己免疫疾患の診断のために分析する。この分析は、定量データのアレーを既知の全身性自己免疫疾患を有する対象から過去に取得したデータの集合と比較し、それにより患者が罹患している特定の疾患およびその決定の信頼度または精度の見込みを決定するための、様々な既知のパターン認識技術のいずれかを利用する。この方法は、1つの疾患の同定に、そして同時に存在する2またはそれ以上の疾患の同定において有効である。この方法は、かつてこれらの疾患の診断に伴っていた人間の判断および過誤の多くを排除する、自動化データ処理が容易に可能である。

Description

【0001】
発明の背景
1. 発明の分野
本発明は、自己免疫疾患およびこれらの疾患の診断方法の分野でなされたものである。さらに本発明はデータ分析の統計学的方法およびそれらの免疫診断への応用に関するものである。
【0002】
2. 先行技術の説明
自己免疫疾患とは、免疫系が、外部から身体に侵入した細菌、ウイルス、およびその他の微生物ではなく、自分自身の身体の細胞、組織、および臓器を攻撃する状態である。例えば腸から脳まで、または血管系から皮膚までの範囲に及ぶ身体の異なる部分を攻撃する数多くの異なった自己免疫疾患があり、また、その攻撃は異なった方法で起こる。組織または臓器特異的な自己免疫疾患もあれば幾つかの組織を冒す自己免疫疾患もある。後者の範疇の疾患は「全身性自己免疫疾患」と呼ばれ、その症状は患者間で異なっていることがあり、組織の損傷および炎症がそれらの抗原の構造に関係なく臓器の複数部位に起こる。全身性自己免疫疾患の例は、慢性関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、強皮症、多発性筋炎、皮膚筋炎、シェーグレン症候群、および脊椎関節症、例えば強直性脊椎炎である。自己免疫疾患は一般に起源が多因子性であり、原因因子の幾つかには、遺伝子配列、宿主因子(例えばT細胞欠陥および制御に抵抗するB細胞のポリクローナル刺激)、環境因子(例えば或る種の微生物感染)、および抗原により駆動する機構(例えば隔離抗原または交差反応性外因性抗原)がある。
【0003】
部分重複している症状および複雑な病因のため、自己免疫疾患は診断が困難である。診断の試みは一般に、症状、ならびに理学的検査からの所見および臨床検査から得られる結果に基づいている。多くの自己免疫疾患の症状は非特異的であり、一方臨床検査結果は、役に立つかも知れないものの、とりわけ疾患の初期においてはしばしば診断を確定するには不充分である。この問題は、よくあることであるが症状が一過性であり検査結果が決定的でない場合にはより悪化する。幾つかの自己免疫疾患については、その疾患が初期段階で同定されたならば患者は治療に完璧に応答するものである。しかしながらその疾患が進行した状態になるまで特異的診断ができないことがしばしばである。この問題は全身性自己免疫疾患ではとりわけ深刻である。
【0004】
自己免疫抗体の存在が自己免疫疾患の指標であると一般には考えられている。しかしこの考えは、あらゆる個体に殆ど全ての抗体が或る程度の量で存在するという事実によって論駁され、そして、健康な個体からのレファランスレベルとの比較は、性別、年齢、地理的居住地域、国籍および人種といった人口統計に起因する正常な抗体レベルの広範な変動のため、うまくいかない。加えて、診断で調査すべき識別可能な抗体の数は多く、特異的且つ適度に正確な診断を得ようとする試みにおいて、しばしば臨床検査室の手に余る負担となる。
【0005】
全身性自己免疫疾患の同定に最も広く用いられる方法は、熟練した技術者を必要とする手動法である間接的免疫蛍光法である。その結果は、スライド上に固定し、血清で処理し、洗浄し次いで標識した細胞(典型的にはHeLa細胞)上に観察される、示差的特性を持つパターンとして現れる。このパターンの示差的特性は、相対的に小班点がある、相対的に均質な外観、などであり、このパターンを既知の疾患を持つ個体のパターンと比較することにより診断を達成する。しかしながら最も一般的なパターンは幾つかの疾患に伴うものであり、この事が診断を曖昧なものにしている。結果として特異抗体についてのさらなる試験が必要となる。しかも、経験を積んだ免疫学者またはリウマチ学者に結果の解釈と最終診断を依頼せねばならない。
【0006】
近年、自己免疫疾患を示唆する症状を持つ患者の予備的スクリーニングに酵素結合イムノソルベント検定(ELISA)が利用できるようになった。このスクリーニング検定で陽性と解釈された標本をその後特異的診断検定に付して、どの特定自己抗体が存在し、故にどの具体的疾患が示唆されるかを決定する。しかしながら多くの自己免疫疾患患者は2またはそれ以上の異なる自己免疫疾患に罹患しており、この事が、この診断法を利用する際に正確な診断を達成しようとする努力を混乱させている。
【0007】
発明の要約
上に列挙したおよびその他の問題が本発明によって取り組まれており、本発明は、全身性自己免疫疾患への罹患が疑われる患者から多被検体の試験データを取得し、このデータに統計学的パターン認識法を適用してこれを多数のレファランスデータ集合と比較し、そしてこの比較を利用して、その患者が罹患している具体的疾患を同定することにより、特定の全身性自己免疫疾患(または疾患群)を同定することに帰するものである。コンピューターソフトウェアを援用して、このパターン認識法は、医学的決定支援システムにおいて結果の全体的パターンを処理する。パターン認識法をこのように適用することにより、臨床家は、患者から取得した単一の生体試料由来の試験結果を使用でき、そして該疾患の診断と該診断の信頼レベルの評価の両方が達成できる。選択される自己抗体は、様々な全身性自己免疫疾患においてしばしば上昇することが分かっているものであってよく、特定の疾患または可能性ある疾患群との理解されている関連性に従って、特定の抗体をその集合に含めたり除外したりできる。試料または被検体を分離する必要なく、2またはそれ以上の疾患を同時に診断し信頼レベルを各々について割り当てることができる。
【0008】
本発明に係る方法は、現在知られている診断方法を上回る幾つかの利点を提供する。1つの利点は手動検定を行う必要がないことであり、何故ならこの多被検体検定自体が自動化装置で実施できるためである。もう1つは、後に確認試験が続くスクリーニングの必要のない診断を獲得できることである。加えて本発明は、可能性ある多数の疾患の中から一段階試料分析により診断を行うことができる。さらに本発明は、結果の解釈を得るための熟練した専門家の介入の必要性を排除する。故に、指示した医師が一般医であり測定している自己抗体について詳しくない場合でも、その医師に結果を直接連絡することができる。
【0009】
本発明のこれらのおよびその他の目的、利点、特徴および態様は、以下の説明から明らかとなるであろう。
【0010】
本発明の詳細な説明および具体的態様
本発明の実施において使用するためのパターン認識系は、典型的には、信頼できる(「血統の明らかな」)供給源由来の試料集団からのデータを意味する、統計学的データ分析の分野で理解されている用語である、「訓練集合」の開発で始まる。この集合は、過去の且つ独立した診断から既知となっている病態を有する試料および疾患の無い試料を包含する。したがって本発明に係る方法は、特定の全身性自己免疫疾患をそれぞれ有しているまたは有していたことが分かっている一連の対象、および、それぞれ疾患の無いことが分かっている一連の対象から得たレファランス試料で始まる。この訓練集合は、特定患者または患者一般について調査が求められる全身性自己免疫疾患の全範囲を包含する。訓練集合中の各試料で多被検体分析を実施し、結果を、各試料を多次元空間の点とみなすことのできる多次元アレーに似たやり方でデータベースに投入する。空間内での位置を定義する点の座標が、各試験につき1個の座標で試験結果の値を表す。単純な事例として、訓練集合内の試料あたりの実施試験の数が2つだけであったならば、訓練集合の点は、横(x)軸が一方の試験に、そして縦(y)軸が他方の試験に対応する、二次元(x,y)プロットに配置されるであろう。試験結果により決定される二次元プロット中の位置(即ちxおよびy値)に加えて、各々の点を、その供給源が持っている特定の疾患について標識する。三試験系に対応するアレーは直交するx、yおよびz軸を持つ三次元プロットである。4またはそれ以上の試験を含む系に対応するアレーは視覚化できないが、類似のやり方で確立する。
【0011】
いったん訓練集合を確立しその試験データをデータベースに投入したならば、この系は、データベースを再製作したり、訓練集合を再分析したり、または異なる訓練集合を選択および分析する必要無しに、直ちに単一患者試料からの、または連続した患者試料からのデータを受け入れることができる。患者試料は訓練集合中の試料と同じ試験に付し、これらの試験結果をデータベースに挿入する。前段落の例示的代表的説明を用いて、患者試料の試験結果を、試験値と等しい座標で定義される位置の点として該空間に加える。
【0012】
次に、患者試料の試験結果の値と訓練集合のそれとを統計学的に比較することにより、特定の疾患の決定を達成する。この比較のために様々な統計学的分析法を利用できる。例には、k−nearest neighbor分析、多重線形回帰分析、ベイズの確率論的推論、ニューラルネットワーク分析、および主成分分析がある。これらの方法の各々は当分野で既知であるが、以下の説明は、読者がそれぞれのアルゴリズムをいかにして本発明の実施に応用するかを理解する助けとなるであろう。
【0013】
k−nearest neighborアルゴリズムは、患者試料由来のデータを訓練集合のデータベースをも含むメモリー中に読み込む。次いでこのアルゴリズムは、患者の試験点から、その患者の試験点の近傍にある訓練集合由来のメモリー中のデータ点までの距離の絶対値を算出し、それらの点から、距離が最も短いkを選択する。したがって、kが15であるならば、このアルゴリズムは患者の試験点から最短距離である15を選択する。次いでk最短データ点を伴う疾患をその患者試料中に存在するものと同定し、そしてもしk点が1以上の疾患に付随しているならば、診断は示された疾患のそれぞれについて行われる。このアルゴリズムの洗練(refinement)は、様々な点の距離数値を比較するものであり、二つの異なる疾患を表す点についての数値の相違が最小相違よりも小さい場合、両方の疾患は等しく可能性があると考えられる。さらなる洗練では、このアルゴリズムは距離の絶対値を処理して信頼レベルを決定する。これは、患者試験結果と各kデータ点の間の「類似性」値を使用し、その疾患についての類似性を類似性の総和で除することにより、各疾患に相対値を割り当てることによって実行できる。最終診断は一般に、最も高い相対値を有する疾患(または疾患群)として選択する。一般に、k−nearest neighborアルゴリズムは「症例指向」系、言い換えれば患者の試験データを、該疾患に加えて人口統計およびその他の個人情報(例えば年齢、性別、その個体が該疾患に罹患していた期間、および類似の因子)を取得できる他の個体由来のデータと比較するものである。この情報は、診断を行う医師が、このアルゴリズムにより提起された患者を診断用のレファランス点として使用するかどうかの個別的判断を行うことを可能にする。
【0014】
ベイズのアルゴリズムは、被験患者の近傍であることを基準に選択する限定された群ではなく、訓練集合中の全データに基づく確率の見地から結果を算出するという点で、k−nearest neighborアルゴリズムとは異なっている。ベイズのアルゴリズムは、訓練集合データベース内のデータ点から、一方は有病率を表し他方は平均および標準偏差といった統計値を表す2種類の型のデータを抽出する。確率密度を患者試料および各疾患について決定し、各疾患の尤度を算出する。次に各疾患の相対値を、全疾患の尤度の総和で除した該疾患の尤度比から決定し、最も高い相対値を持つ疾患を選択することにより診断を行う。k−nearest neighborアルゴリズムと同様に、ベイズのアルゴリズムを使用して一人の患者における二つの疾患の存在を検出することができる。
【0015】
ニューラルネットワーク系は、層状に配置され連絡チャネルにより接続した単純な数値処理ユニットまたは節点のネットワークである。このチャネルは、訓練集合からインポートした情報に従い異なった加重が施されている。データはチャネルに割り当てられた異なる加重に従い、第一層から次の層へと進む。与えられた層にあるそれぞれの節点が、前層からの全ての節点の値に二つの層の節点を結び付ける連結チャネルの加重を掛け合わせ、これらの値の合計を決定する。次いでこの合計は、疾患を同定するためのS字(「S曲線」)関数を通過する。
【0016】
主成分分析は、直行商空間を使用することによりデータの行列を最小次元数に減少させる多変量技術である。この技術に従って訓練集合を処理して主成分の数を同定する。次にこの情報を用いて特許試験データーをモデル化する。このような技術は標的変換又は曲線フィルティングである。主成分分析およびニューラルネットワーク分析は、二つの疾患の検出にはいずれも適当でない。
【0017】
統計学的データ分析の当業者にとって既知のその他のパターン認識技術も同様に使用でき、本発明が目的とする全身性自己免疫疾患にそれらを適合させ得ることは当業者には直ちに明らかであろう。使用するパターン認識技術の如何に拘わらず、その技術およびこの状況でのそれらの応用は、容易にコンピューターでの実行が可能である。特定の分析のために特異的に設計したソフトウェアは容易に開発でき、熟練したソフトウェア技術者にとってそれは定型的事柄である。
【0018】
本発明で使用する試験データは、全身性自己免疫疾患と様々な程度に関連している様々な抗体のレベルに比例する、さもなければそれを表わす数値である。現在、自己免疫疾患において100以上の抗体が発現されることが分かっている。例はPeter,J.B., et al., Autoantibodies, Elsevier Science B.V., Amsterdam(1996)に列挙されており、引用によりその内容を本明細書の一部とする。これらの抗体の多くに対する抗原は市販されており、また、その他のものに対する抗原は文献に見出すことができるそれらの説明に基づき容易に合成できる。これらの抗原の供給源の幾つかは、Emeryville, California, USAのBiosPacific;Springdale, Arkansas, USAのImmunovision;およびMinneapolis, Minnesota, USAのKMI Diagnostics,Inc.である。イムノアッセイにおいてそれらが結合する抗原により同定した、自己免疫疾患において発現される抗体の例を下に列挙する:
SSA60
SSA60
SSA52
SSB48
Sm BB’
Sm D1
RNP68
RNP A
RNP C
フィブリラリン
リボ蛋白P0、P1、およびP2
dsDNA
ヌクレオソーム
Ku
セントロメアA
セントロメアB
Scl−70
Pm−Scl
RNA−ポリメラーゼ1、2、および3
Th
Jo−1
Mi−2
PL7
PL12
SRP
本発明は上記リストの抗原により同定される抗体に限定されることを意図してはいない。そうではなく、訓練集合から検出および定量される抗体の数、および患者試料中で検出および定量される抗体の数はいずれも変化することがあり、本発明にとって重要ではない。しかしながら選択される特定の抗体および選択された群中の係る抗体の数は、検定の精度および存在する全身性自己免疫疾患を同定する能力に影響を及ぼすであろう。殆どの場合、10から100種類までの抗体、好ましくは15から25までの抗体が意図される。本発明の好ましい態様では、上記リストの抗原により同定される少なくとも15種類の抗体を使用し、さらに好ましい態様では、上記リストの抗体全てを使用する。
【0019】
同様に、訓練集合の開発に使用する異なる供給源のレファランス試料の数もやはり変動するかも知れず、本発明にとって重要でないが、しかし、選択された数は、検出できる自己免疫疾患の範囲に影響を及ぼすかも知れない。殆どの場合、100ないし10000のレファランス試料、好ましくは200から2000までが意図されている。
【0020】
各抗体の量的レベルは常套的抗体検定により決定する。イムノアッセイが一般に好ましい。抗原捕捉(間接的イムノアッセイ)とクラス捕捉検定の両者が使用でき、抗原捕捉が好ましく、検出は酵素標識、放射性標識、または蛍光標識により達成できる。この検定は比色、発光測定、蛍光測定、酵素測定、放射分析、またはその他の方法、例えば比濁分析、濁度分析、粒子計数、または視覚的評価であってよい。酵素標識の例は、アルカリホスファターゼ、β−D−ガラクトシダーゼ、グルコース−6−燐酸デヒドロゲナーゼ、西洋ワサビペルオキシダーゼ、β−ラクタマーゼ、メリチン、およびウレアーゼである。ラジオアイソトープ標識の例は、コバルト−57および沃素−125である。蛍光標識の例は、キサンテンのスクシンイミジルエステルおよびビニルスルホン、シアニン、クマリン、ベンズイミド、フェナントリジン、エチジウム色素、アクリジン色素、カルバゾール色素、フェノキサジン色素、ポルフィリン色素、キノリン色素、および天然に存在する蛋白色素である。フルオレセインおよびローダミンはキサンテン色素の特殊な型である。具体例は、6−カルボキシフルオレセイン、6−カルボキシ−4’,5’−ジクロロ−2’,7’−ジメトキシフルオレセイン、N,N,N’,N’−テトラメチル−6−カルボキシローダミン、6−カルボキシ−X−ローダミン、5−カルボキシローダミン−6G、5−カルボキシローダミン−6G、テトラメチルローダミン、ローダミングリーン、およびローダミンレッドである。ウンベリフェロンはクマリンの例である。ヘキスト33258はベンズイミド色素の例である。テキサスレッドはフェナントリジン色素の例である。シアニンスクシンイミジルエステル色素の例は、スルホインドシアニンスクシンイミジルエステル、(カルボキシアルキル)シアニンスクシンイミジルエステル、およびBODIPYスクシンイミジルエステル(Molecular Probes, Inc., Eugene, Oregon, USA)である。天然に存在する蛋白色素の例はフィコエリスリンである。その他数多くの例が当業者には容易に明らかである。
【0021】
本発明の実施において複数抗体の定量検定を実施する順序と方法は極めて多様である。好ましい態様では、検定を相互に識別し、したがって各抗体について個別的数値を与える多重化系によって、この検定を単一試料で同時に実施する。これは様々な方法で達成できる。結合成員の一方を固相に固定化する不均質結合検定は、結合対を非結合種から分離する簡便な手段を提供するため、最も有効である。固体粒子、好ましくは磁性マイクロビーズを固相として使用する多重化不均質結合検定が実例である。これらの検定では、ビーズを群に分け、各々の群がそのビーズ表面に共有結合した1つの検定のための試薬を含んでおり、この様々な群は、或る群での検定結果を別の群の結果とは別に検出することのできる識別特性の力により、相互に識別可能である。識別パラメータは、粒子サイズ、蛍光(蛍光検定標識を実際に使用する場合、検定に使用する蛍光標識とは独立している)、光散乱、光放出、または吸光度であってよい。ビーズ表面に共有結合している結合成員は、利用するイムノアッセイの型に応じて変わり得る。本発明に係る被検体は全て抗体であるため、その抗体が定義される抗原は、ビーズ表面に結合した特に都合の良い結合成員として働く。ビーズ群の実際の識別はフローサイトメトリーにより容易に達成できる。
【0022】
磁性ビーズを使用する場合、この磁性によって固相と液相の迅速な分離および固相の簡便な洗浄が可能となる。常磁性材料、強磁性材料、フェリ磁性材料、またはメタ磁性材料でできたビーズを使用することにより、ビーズに磁性を付与できる。磁性応答材料は好ましくはビーズの1つの成分でしかなく、残部はこの磁性応答材料を付着させさもなければ結合させるポリマー材料で構成されている。ポリマー材料は、抗原または結合反応に参加するその他の検定試薬の付着を可能にするよう化学的に誘導体化することができる。
【0023】
この説明の多重系および本発明の実施に有用なその他の系は、「固相として好ましくは磁性粒子を用いる多重フロー検定」なる標題の、係属中の米国特許出願第09/302920号(1999年4月30日出願、発明者Michael I. Watkins et al.)に開示されている。出願番号09/302920の全内容は引用により本明細書の一部とする。
【0024】
この試験を実施する生体試料は、調査しようとする疾患に特徴的な検出可能抗体集団を有すると思われる患者から採取した任意の生物学的液体であってよい。血清、血漿、尿、または脳脊髄液が使用できる。血清試料が好ましい。
【0025】
本発明は全身性自己免疫疾患全体の検出および診断に有用である。例には、全身性エリテマトーデス(SLE)、シェーグレン症候群、強皮症、多発性筋炎および皮膚筋炎、CREST(石灰症、レイノー現象、食道の関与、強指症、および毛細管拡張症)、混合結合組織病、ウェゲナー病、慢性関節リウマチ、および脊椎関節症がある。
【0026】
前記の内容は主として例示の目的で提供した。本発明に係る組成物および方法の様々なパラメータへのさらなる修飾および改変は、当業者には直ちに明らかとなるであろう。例えば、このパターン認識アルゴリズムは、特定疾患について「健康」と「不健康」を識別する境界を他の疾患についての対応境界よりも高いレベルに設定し、それにより該疾患の存在を示すであろう試料の数を減らすことにより、偽陰性結果の比率を制御するように調節することができる。これらのおよびその他の改変は本発明の範囲内に包含される。

Claims (16)

  1. 全身性エリテマトーデス、強皮症、シェーグレン症候群、多発性筋炎、皮膚筋炎、CREST、および混合結合組織病より成る群から選ばれる、他の方法では同定できない全身性自己免疫疾患への罹患が疑われる被験対象において全身性自己免疫疾患を同定するための方法であって、該方法が、
    (a) 該被験対象由来の単一の生体試料を複数の自己抗体の存在および量について分析して被験データ集合を作製し;
    (b) 該被験データ集合をレファランスデータ集合のライブラリーと比較し、ここでレファランスデータ集合の各々は、実体が分かっている全身性自己免疫疾患を有することが分かっているレファランス対象の生体試料から取得したものとし;そして、
    (c) パターン認識手段を適用して、該被験対象がどの全身性自己免疫疾患に罹患しているかを示す統計学的に誘導された決定を得る、
    ことを含む方法。
  2. 該被験対象が二つの全身性自己免疫疾患に罹患しており、工程(c)が、パターン認識手段を適用して、該被験対象がどの二つの全身性自己免疫疾患に罹患しているかを示す統計学的に誘導された決定を得る、ことを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 該パターン認識手段が、k−nearest neighbor分析、多重線形回帰分析、ベイズの確率論的推論、ニューラルネットワーク分析、および主成分分析より成る群から選ばれる成員である、請求項1に記載の方法。
  4. 該パターン認識手段がk−nearest neighbor分析である、請求項1に記載の方法。
  5. 複数の自己抗体が10ないし100の自己抗体である、請求項1に記載の方法。
  6. 複数の自己抗体が15ないし25の自己抗体である、請求項1に記載の方法。
  7. 複数の自己抗体が以下の抗原:
    SSA60
    SSA60
    SSA52
    SSB48
    Sm BB’
    Sm D1
    RNP68
    RNP A
    RNP C
    フィブリラリン
    リボ蛋白P0、P1、およびP2
    dsDNA
    ヌクレオソーム
    Ku
    セントロメアA
    セントロメアB
    Scl−70
    Pm−Scl
    RNA−ポリメラーゼ1、2、および3
    Th
    Jo−1
    Mi−2
    PL7
    PL12
    SRP
    のうち少なくとも15種類に対する抗体を含む、請求項1に記載の方法。
  8. 複数の自己抗体が以下の抗原:
    SSA60
    SSA60
    SSA52
    SSB48
    Sm BB’
    Sm D1
    RNP68
    RNP A
    RNP C
    フィブリラリン
    リボ蛋白P0、P1、およびP2
    dsDNA
    ヌクレオソーム
    Ku
    セントロメアA
    セントロメアB
    Scl−70
    Pm−Scl
    RNA−ポリメラーゼ1、2、および3
    Th
    Jo−1
    Mi−2
    PL7
    PL12
    SRP
    のそれぞれに対する抗体を含む、請求項1に記載の方法。
  9. レファランスデータ集合のライブラリーが、実体の分かっている全身性自己免疫疾患を有することが分かっているレファランス対象由来の100ないし10000の生体試料を表す、請求項1に記載の方法。
  10. レファランスデータ集合のライブラリーが、実体の分かっている全身性自己免疫疾患を有することが分かっているレファランス対象由来の200ないし2000の生体試料を表す、請求項1に記載の方法。
  11. 工程(c)が該決定に対する信頼レベルを割り当てることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  12. 被験対象由来の生体試料が血清、血漿、尿、および脳脊髄液より成る群から選ばれる成員である、請求項1に記載の方法。
  13. 被験対象由来の生体試料が血清である、請求項1に記載の方法。
  14. 工程(a)をイムノアッセイにより実施する、請求項1に記載の方法。
  15. 工程(a)を蛍光検出によるイムノアッセイにより実施する、請求項1に記載の方法。
  16. 全身性自己免疫疾患が全身性エリテマトーデスである、請求項1に記載の方法。
JP2002536551A 2000-10-17 2001-09-19 全身性自己免疫疾患の診断のためのパターン認識法 Pending JP2004511805A (ja)

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