第1の広い態様によれば、本発明は、以下のステップを含む方法を提供する:(a)所定のプロセスにおける1個または複数の第1のプロセスパラメータが重要プロセスパラメータであることを示す、1個または複数の第1のビジュアルインジケータを視覚表示装置に表示するステップを備え、前記各重要プロセスパラメータは、階層データ構造の一部として前記視覚表示装置に表示される。
第2の広い態様によれば、本発明は、複数のコンピュータ実行可能命令がエンコードされたコンピュータ読み取り可能記憶媒体であって、前記複数のコンピュータ実行可能命令が実行された際に、当該複数のコンピュータ実行可能命令が実行する方法は、(a)所定のプロセスにおける1個または複数の第1のプロセスパラメータが重要プロセスパラメータであることを示す、1個または複数の第1のビジュアルインジケータを視覚表示装置上に表示するステップを備え、前記各重要プロセスパラメータは、階層データ構造の一部として視覚表示装置に表示される。
ここに組み込まれ本明細書の一部を構成する添付の図面は、本発明の実施形態を例示し、上記の概要および以下の詳細な説明と共に、本発明の特徴を説明する役割を果たす。
図1は、本発明の一実施形態において使用されるリスク評価方法のステップを示すフローチャートである。
図2は、本発明の一実施形態に係る医薬製品の製造プロセスの概略図である。
図3は、図2の製造プロセスの階層データ構造を示す図であり、本発明の一実施形態に係るデータ分析プログラムにおいて描画される。
図4は、図2の製造プロセスの一部のための因果関係マトリックスである。
図5は、本発明の一実施形態に係る図2の製造プロセスを分析するために使用されるプロセス・インテリジェンス・ソフトウェアプラットフォームのユニバースプロパティウィンドウのスクリーンショットである。
図6は、本発明の一実施形態に係る図2の製造プロセスを分析するために使用されるプロセス・インテリジェンス・ソフトウェアプラットフォームのパラメータプロパティウィンドウのスクリーンショットである。
図7は、図6のパラメータプロパティウィンドウのスクリーンショットであり、更新された図2の製造プロセスにおけるローラー圧縮/ミルステップでのロール力パラメータのプロセスインパクト(PI)ランク値を示す。
図8は、本発明の一実施形態に係るプロセス・インテリジェンス・ソフトウェアプラットフォームを使用してユーザーがアクセス中の、図2の製造プロセスの指定パラメータのスクリーンショットである。
図9は、本発明の一実施形態に係るプロセス・インテリジェンス・ソフトウェアプラットフォームのウィンドウにおいて、ユーザーが保存中の図2の製造プロセスにおける医薬品のための化学、製造および品質管理(CMC)研究のための医薬品の仕様書に関連した研究結果のスクリーンショットである。
図10は、図9でアクセスされた医薬品の仕様書の一部である基本回帰分析のサマリーを示すタブ付きウィンドウのスクリーンショットである。
図11は、図9でアクセスされた医薬品の仕様書の一部である医薬品の適合モデルのための均一性対スクリーンサイズのグラフを示すタブ付きウィンドウのスクリーンショットである。
図12は、図9でアクセスされた医薬品の仕様書の一部である医薬品の均一性対ロール力およびスクリーンサイズの交互作用プロットを示すタブ付きウィンドウのスクリーンショットである。
図13は、図9でアクセスされた医薬品の仕様書のいくつかの研究結果を含む一連のウィンドウのスクリーンショットである。
図14は、本発明の一実施形態に係るプロセス・インテリジェンス・ソフトウェアプラットフォームを用いて作成することができる図2の製造プロセスによって製造された医薬品のCMC提案書の目次を示している。
図15は、本発明の一実施形態に係る医薬品の製造プロセスおよびキープロセスパラメータと基本品質特性とを示す模式図である。
図16は、本発明の一実施形態に係るデータ分析プログラム(プロセス・インテリジェンス・ソフトウェアプラットフォーム)において描画される図15の製造プロセスの階層データ構造を示す。
図17は、図15の製造プロセスの一部のための因果関係マトリックスである。
図18は、本発明の一実施形態に係る図15の製造プロセスを分析するために使用されるプロセス・インテリジェンス・ソフトウェアプラットフォームのユニバースプロパティウィンドウのスクリーンショットである。
図19は、本発明の一実施形態に係る図15の製造プロセスを分析するために使用されるプロセス・インテリジェンス・ソフトウェアプラットフォームのパラメータプロパティウィンドウのスクリーンショットである。
図20は、図19のパラメータプロパティウィンドウのスクリーンショットであり、更新された図15の製造プロセスにおけるカラムろ過ステップでの負荷伝導性パラメータのプロセスインパクト(PI)ランク値を示す。
図21は、本発明の一実施形態に係るプロセス・インテリジェンス・ソフトウェアプラットフォームを使用してユーザーがアクセス中の、図15の製造プロセスの指定パラメータのスクリーンショットである。
図22は、本発明の一実施形態に係るプロセス・インテリジェンス・ソフトウェアプラットフォームのウィンドウにおいて、ユーザーが保存中の図15の製造プロセスにおける製剤のための化学、製造および品質管理(CMC)研究のための製剤の仕様書に関連した研究結果のスクリーンショットである。
図23は、図22でアクセスされた医薬品の仕様書の一部である基本回帰分析のサマリーを示すタブ付きウィンドウのスクリーンショットである。
図24は、図22でアクセスされた医薬品の仕様書の一部である医薬品の汚染物質Aの総量対供給流量の適合モデルを示すタブ付きウィンドウのスクリーンショットである。
図25は、図22でアクセスされた医薬品の仕様書の一部である医薬品の汚染物質Aの総量対初期pHおよび供給流量の交互作用プロットを示すタブ付きウィンドウのスクリーンショットである。
図26は、図22でアクセスされた医薬品の仕様書を含む一連のウィンドウのスクリーンショットである。
図27は、本発明の一実施形態に係るプロセス・インテリジェンス・ソフトウェアプラットフォームを用いて作成することができる図15の製造プロセスによって製造された医薬品のCMC提案書の目次を示している。
図28は、本発明の一実施形態に係る製造プロセスでパラメータ機能カテゴリを視覚化することによってリスク評価結果を表示する際のプロセス•インテリジェンス•ソフトウェア•プラットフォームによって実行されるフローチャートを示す。(好ましい実施形態の詳細な説明)(定義)
用語の定義が一般的に使用されている意味から外れている場合、出願人は、特に断りのない限り、以下に記述された定義を利用する意図である。
本発明において、単数形("a"、"an"および"the")には、ここに記述された文脈で明確に示されない限り、複数形への参照が含まれている点に留意すべきである。
本発明において、例えば、“上端”、“下端”、“上部”、“下部”、“上側”、“下側”、“左”、“右”、“水平”、“垂直”、“上”、“下”などの方向を示す用語は、本発明の様々な実施形態の説明において単に便宜上使用されている。本発明の実施形態は、様々な方向に向けられていてもよい。例えば、図面に示されたダイアグラム、機器などは、裏返したり、任意の方向に90°回転させたたりあるいは逆さにしてもよい。
本発明において、値またはプロパティは、その値が、該値、プロパティまたはその他要因を用いた数値計算や論理的決定を行うことで得られる場合、特定の値、プロパティ、条件の充足またはその他要因に“基づく”。
本発明において、“分析グループ”という用語は、ユーザーによって選択され得るデータセットの集合を意味する。すべてのデータセットは、1つ以上のデータ値のそれぞれに対して“データ制限”を満たしている。例えば、分析グループは、3つの異なる時点での35〜38℃の中間温度の値、7以上の最小pHの値、同一の原料供給業者の値、1月の原材料が供給された日付の値、その他の値、を有するすべてのデータセットを含むことができる。分析グループは、構造化データコンテナである。構造化データコンテナは、標準化されたインターフェースを介して、迅速かつ効率的なデータの活用をサポートする。分析グループの構造は、例えば、離散、連続、複製、その他、のすべてのタイプのデータを分析グループが同時に保持することを可能にする。分析グループは、データセットが1つの軸を構成し、データネームが別の軸を構成し、時間オフセットが別の軸を構成し、そして複製情報が別の軸を構成する、過疎多次元データキューブであると考えられる。なお、データセットは、製造された製品の個々のバッチに関連する。また、時間オフセットは、連続データのものである。また、分析グループは、分析グループ内に追加データを動的に作成したり、後に続く工程(ステップ)に備えて分析グループ内にサブセットされたデータを準備しておいたり、要求に応じてデータソースからの新しいデータで分析グループを更新したりすることを可能にする。
本発明において、“バッチ”という用語は、所定量の製品と、その所定量の製品を作るのに使用される材料および条件を意味する。いくつかのタイプの離散データ、連続データおよび複製データは、全て、製品の特定のバッチに関係付けられる。
本発明において、“混合均一性”という用語は、混合物の薬学的活性成分が、ブレンドを通じてどの程度均一に分散するかを意味する。混合均一性は、ブレンド中にランダムに分散された位置から採取した複数のサンプルにおいて、全容量に対する活性成分の比率(通常は重量パーセント)を測定することによって決定できる。
本発明において、“化学成分”という用語は、すべてのタイプの化学成分を意味する。化学成分は、まじりけのない化学成分または2種以上の化学成分の混合物であってもよい。化学成分は、プラスチック、医薬品、食品、その他であってもよい。
本発明において、“コード化ペア値”という用語は、データセットまたはデータベースを意味する。データセットまたはデータベースは、値列およびデータタイプ識別子列に、複数のタイプのデータを含む。コード化ペア値データベースの例として、TYPEという名の列とVALUEという名の列を有し、TYPE列の内容がVALUE列に格納されたデータ事例をどのように解釈するかを示しているデータベースがある。TYPE列の項目には、温度、pH、粘度等を含むことができる。VALUE列の項目は、温度、pH、粘度等のデータ値の実際の事例である。コード化ペアは、2つのデータ列または3つまたはそれ以上のデータ列を含むことができる。
本発明において、“コンピュータ”という用語は、ソフトウェアを実装しているあらゆる種類のコンピュータまたはその他のデバイスを意味する。コンピュータは、パーソナルコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、メインフレームコンピュータ、ミニコンピュータ等の個々のコンピュータを含む。また、コンピュータは、スマートフォン、電子ブックリーダー、セルラーフォン、テレビ、携帯型電子ゲーム機、ビデオゲーム機、MP3プレーヤーのような圧縮オーディオまたはビデオプレーヤ、ブルーレイプレーヤー、DVDプレーヤー、電子レンジなどの電子デバイスも意味する。さらに、“コンピュータ”という用語は、企業内のコンピュータネットワーク、コンピュータバンク、クラウド、インターネット等のあらゆるタイプのコンピュータネットワークを意味する。また、コンピュータは、記憶装置、メモリ、または他のハードウェア及び/又はコンピュータにコンピュータプログラム又は他の命令をロードするためのソフトウェアを含むことができる。コンピュータは通信ユニットを含むことができる。通信ユニットは、コンピュータがI/Oインターフェースを介して他のデータベースやインターネットに接続することを可能にする。通信ユニットは、他のデータベースへの転送、ならびに他のデータベースからのデータの受信を可能にする。通信ユニットには、モデム、イーサネット(登録商標)カードや、LAN、MAN、WAN、インターネットなどのネットワークやデータベースへのコンピュータシステムの接続を可能にする類似の装置が含まれる。コンピュータは、入力デバイスを介してユーザーからの入力を促進し、I/Oインターフェースを介してシステムにアクセス可能である。コンピュータは、入力データを処理するために、一つ以上の記憶装置に格納される一連のインストラクション(命令)を実行することができる。ストレージデバイスもまた、必要に応じてデータや他の情報を保持することができる。
記憶要素は、情報源の形態または処理装置内に存在する物理メモリ素子の形態であってもよい。一連の命令は、本技術の方法を構成するステップのような、特定のタスクの実行を処理装置に命令する様々なコマンドを含んでもよい。一連の命令は、ソフトウェアプログラムの形態であってもよい。さらに、ソフトウェアは、本技術のように、別々のプログラムの集合体、より大きなプログラムを伴うプログラムモジュールあるいはプログラムモジュールの一部の形態であってもよい。ソフトウェアはまた、オブジェクト指向プログラミングの形態のモジュラープログラミングを含んでもよい。処理装置による入力データの処理は、ユーザーコマンド、以前の処理の結果あるいは他の処理装置によって行われた要求に応答するものであってもよい。
本発明において、“連続データ”という用語は、一バッチ分の製品を生産する工程(ステップ)において、複数の回数獲得されたデータ値を意味する。また、各収集データそれぞれは時間と関連付けられている。連続データの例としては、所定の処理の特定のステップにおいて、そのステップの間に5秒おきに測定される温度や、特定のステップにおいて、そのステップの間に10秒おきに測定される流出空気の湿気含有量、15分おきに測定される汚染量であって、特定のステップにおいて存在する汚染量などが含まれる。
本発明において、“重要(品質)特性”という用語は、所定のプロセスのための入力材料であって、過去の実験や科学的判断に基づいて決定される特定の閾値を超えるリスク評価スコアを有する入力材料の材料特性を意味する。重要(品質)特性は、プロセスパラメータの一つのタイプである。
本発明において、“重要プロセスパラメータ”という用語は、所定のプロセスにおける一つ以上の処理ステップのためのプロセスパラメータ、または、所定のプロセスに追加された所定の材料のためのプロセスパラメータであって、過去の実験や科学的判断に基づいて決定される特定の閾値を超えるリスク評価スコアを有するプロセスパラメータを意味する。
本発明において、“データリーフ”という用語は、階層データ構造で表されているデータベースまたはデータセット内において割り振られた場所を意味する。データリーフは、データを描写または表しているが、データ自体ではない。例えば、“グルコースpH”と呼ばれるデータリーフは、データ“7.6”、すなわち、本発明が分析のために使用される所定のプロセスにおけるグルコースのpHを表すことができるだろう。
本発明において、“データノード”という用語は、階層データ構造上のノードを意味し、データノードは、階層データ構造におけるデータノードの下のデータリーフに対する制限を表す。階層データ構造において、上位データノードの直下に位置している下位データノードは、上位データノードおよび下位データノードの両方の累積的な制限を表す。
本発明において、“データセットヘディング”という用語は、データセットにおけるデータの列の見出しを意味する。データセットヘディングの例としては、バッチ番号、温度、任意の時点の温度、テスト名、湿度などがある。
本発明において、“データセット”という用語は、データまたはデータベースの集合を意味する。データセットは、そのデータセットの第1のデータセットタイプ、第2のデータセットタイプおよび第3のデータセットタイプに基づいて、特定の“包括的データセットタイプ”に分類することができる。
本発明において、“データソース”という用語は、データベースやデータ保存ファイル、測定装置によって直接生成されたデータ、離れた場所から電子的に送られたデータ、データベースに入力されたデータ、紙の記録などのあらゆるデータソースを意味する。二つのデータソースは、それらのデータソースが異なるファイルフォーマットや異なるデータ構造を利用していたり、物理的に異なる位置にある場合、“異なっている”とみなされる。
本発明において、“離散データ”という用語は、一バッチ分の製品を生産するプロセスにおいて、たった一度だけ得られるデータを意味する。離散データの例としては、所定のプロセスにおけるあるステップにおいて加えられる成分の量や、所定のプロセスにおける特定のステップで加えられる成分のソースや、所定のプロセスにおいて使用される成分の生産日などが含まれる。
本発明において、“フォーカスエリア”という用語は、製造プロセスによって製造される製品の品質や生産量に影響を与えると予想される一つ以上の処理ステップの集合を意味する。本発明のいくつかの実施形態では、フォーカスエリアは、製造プロセスにおける過去の経験に基づいてユーザーによって選択される。本発明のいくつかの実施形態では、フォーカスエリアは、製造プロセスからの履歴データを分析するために設計されたプロセス・インテリジェンス・ソフトウェア•プラットフォームを用いて決定される。
本発明において、“ハードウェアおよび/またはソフトウェア”という用語は、デジタルソフトウェア、デジタルハードウェア、または、デジタルハードウェアおよびデジタルソフトウェアの両方の組み合わせにより実装されるデバイスを意味する。
本発明において、“階層データ構造”という用語は、ツリー状の構造を意味し、本発明の一実施形態に従って、ユーザーが使用できるデータがツリー状の構造に組織化されている。データが組織化されている階層データ構造は、通常、コンピュータ用モニターのような視覚表示装置上に表示される。また、階層データ構造の一部は、従来のマウス技術を用いて広げたり縮めたりすることができる。階層データ構造の構成は、多くの異なるタイプの事柄に基づいてもよい。例えば、製造プロセスに関するデータを組織化した階層データ構造の構成は、製造プロセスにおける各ステップの組織化、製造プロセスで使用される原材料、製造プロセスで使用される装置、製造プロセスで使用される設備または工場、製造プロセスで使用されるユーティリティ、製造プロセスで使用される作業者の組などに基づくことができる。
本発明において、“履歴データ”という用語は、製造プロセスにおいて実行されるリスク評価に先立って、記憶媒体に格納された製造プロセスに使用されるデータを意味する。
本発明において、“識別コード”という用語は、特定のデータセットにおける全てのデータと関連付けられた値であって、当該データセットを識別するための主な識別の手段として使用される値を意味する。一般に、識別コードは、複数行で組織されたデータセットまたはデータベースにおけるデータの一つまたはそれ以上の行を識別する。識別コードの例には、データセットと関連した製造ID番号、データセットと関連したバッチ番号、データセットと関連したロット番号などを含まれる。通常、識別コードは、測定されたプロパティではない特徴であり、識別コードは、どちらかと言えばデータに割り当てられた特徴であって、識別の目的のためだけに使用される特徴である。本発明の方法において使用するために、データセットの識別コードは、当該データセット内のデータであって、そのデータから当該データセットについてのデータが獲得される当該データセット内のデータにタグ付けされるか、または、データセットに手入力で割り当てられる。データセット用の識別コードの手入力による割り当ての例としては、例えばバッチ番号やロット番号、または製造ID番号のような情報をデータセットの識別コードに与える紙の書類がある場合である。本発明の方法を所定のデータセットに使用する前に、当該データセットからのデータは、当該データセット内のデータに適用されたこの“手入力で割り当てられた識別コード”を持っていなければならない。
本発明において、“下位ノード”という用語は、階層データ構造において他のノードの下に位置するノードを意味する。“下位ノード”という用語は相対的な用語であり、あるノードは、同時に、一つまたはそれ以上のノードの下位であったり、一つまたはそれ以上のノードの上位であったりする。
本発明において、“入力材料特性”という用語は、所定のプロセスにおける入力材料の任意のプロパティまたは特徴を意味する。入力材料は、原材料、中間材料などである。入力材料特性の例としては、“識別コード”や“材料特性値”がある。分析グループの識別コードとして使用されていないあらゆる材料特性は、材料特性値である。材料特性値には、原材料の粒子サイズ、原材料の不純物プロファイル、原材料のソース、中間材料の含有量などの特徴が含まれる。
本発明において、“入力”および“入力材料”という用語は、所定のプロセス中に、または、所定のプロセスの前に、または、所定のプロセスにおける任意のステップの間に入力されるあらゆる材料を意味する。入力材料は、原材料、中間材料などである。所定のプロセスにおける一のステップの出力が、当該プロセスにおける他のステップの入力であってもよい。
本発明において、“中間材料”という用語は、所定のプロセスの製品を生産する前に、当該プロセスにおいて生産される材料を意味する。原材料またはその他の中間材料から中間材料を製造したり、原材料またはその他の中間材料を精製したり、原材料またはその他の中間材料から合成したりするなどすることで、中間材料を生産できる。
本発明において、“キープロセスパラメータ(KPPs)”という用語は、所定のプロセスにおけるリスク評価など、所定のプロセスについてのさらなる評価またはプロセス監視目的に重要なプロセスパラメータを意味する。
本発明において、“基本品質特性(KQAs)”という用語は、所定のプロセスにおけるリスク評価など、所定のプロセスについてのさらなる評価またはプロセス監視目的に重要な品質特性を意味する。
本発明において、“ラベルノード”という用語は、階層データ構造におけるノードであって、ユーザー用のデータ保存およびデータ表示を組織化するのに使用されるノードを意味する。しかしながら、ラベルノードは、データやデータリーフ、またはデータノードへの制限を表すものではない。従って、階層データ構造において一つまたはそれ以上のデータノードの上に位置するラベルノードは、データノードと関連付けられる制限に影響を与えることなく、並べ替えられたり、変更されたり、消去されたり、加えられたりすることがある。
本発明において、“ロード”という用語は、一バッチ分の製品を生産するのに使用される原材料または中間材料の一つまたはそれ以上の総量のうちの一つを意味する。
本発明において、“機械可読媒体”という用語は、コンピュータ、ネットワークデバイス、パーソナルデジタルアシスタント、製造ツール、一つまたはそれ以上のプロセッサを備えたデバイスなどのマシンによりアクセス可能な形式で情報を格納するあらゆるメカニズムを意味する。例えば、機械可読媒体には、追記型/非追記型媒体(例えば、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気ディスク記憶媒体、光記憶媒体、フラッシュメモリデバイスなど)、バーコード、RFIDタグなどがある。
本発明において、特定のプロセスパラメータまたは品質特性のために、一ランまたは一バッチごとに複数回得られる反復データ値とは対照的に、“非反復データ”という用語は、所定のデータセットにおいて、特定のプロセスパラメータまたは品質特性のために、一ランまたは一バッチごとに一度だけ得られるデータ値を意味する。
本発明において、“出力特性”という用語は、出力の特性を意味する。
本発明において、“出力”という用語は、所定のプロセスまたは所定の処理ステップにおけるあらゆる材料出力を意味する。出力材料は、完成製品、中間材料などである。所定のプロセスにおける一のステップの出力が、当該プロセスにおける他のステップの入力であってもよい。
本発明において、“パラメータセット”という用語は、同一の識別コードを有するパラメータのグループを意味する。パラメータセットは、単一のデータセットまたは複数のデータセットから得ることができる。パラメータセットは、当該パラメータセットにおいて各パラメータと関連付けられる一つまたはそれ以上の“パラメータ値”を持つことができる。
本発明において、“パラメータ値”という用語は、所定のパラメータと関連付けられている固有の1個のデータまたは測定結果を意味する。固有のパラメータ値の例としては、所定のパラメータのための特定のバッチ番号や、所定のパラメータに関連付けられた特定の時点における温度や、所定のパラメータのためのテスト結果などが含まれる。
本発明において、“薬剤”という用語は、疾患状態を治療し、受け手の身体的または感情的状態を改善するために使用される製品を意味する。薬は薬剤の一種である。
本発明において、“第1のデータセットタイプ”という用語は、データセットが、離散データであるか、水平連続データであるか、または垂直連続データであるか、ということを意味する。
本発明において、“プロセスパラメータ”という用語は、入力材料特性または処理ステップパラメータを意味する。
本発明において、“プロセスパラメータグループ”という用語は、本発明の方法でユーザーにより選択されたプロセスパラメータのグループを意味する。本発明の一実施形態で、ユーザーは、分析グループを作成するために、所定のプロセスパラメータグループの一またはそれ以上の処理パラメータに対して、一またはそれ以上のパラメータ制限を設定してもよい。本発明のいくつかの実施形態では、分析グループに、一またはそれ以上のパラメータ制限に基づいて選択されたプロセスパラメータおよび材料特性の両方を含んでもよい。
本発明において、“処理結果”および“結果”という用語は、プロセスまたは処理ステップの出力に対する材料特性を意味する。
本発明において、“処理ステップパラメータ”という用語は、処理ステップのための個々または複数のデータを分類するために使用されるプロパティまたは特徴を意味する。処理ステップパラメータには、そのステップの特定の時点における温度、そのステップの平均温度、そのステップの間の溶液のpH、ミルのロール力、ミルのギャップ幅、ミルスクリーンサイズ、造粒速度などの特徴特性を含んでもよい。
本発明において、“プロセス”という用語は、あらゆるプロセスを意味する。本発明の方法は、製造プロセス、精製プロセス、化学合成プロセス、などを含む一つ以上の製品を製造するためのプロセスにアクセスし、分析するものであってもよいし、あるいは、商品の出荷を追跡したり、店舗の在庫を追跡するような他のタイプのプロセスに使用されてもよい。本発明のプロセスは、一つ以上のステップを含む。本発明に係るプロセスの一例は、医薬製品の製造プロセスである。
本発明において、“品質特性”という用語は、所定のプロセスまたは所定のプロセスのステップによって製造または出力された材料の品質を示す材料の特性を意味する。製造または出力された材料は、中間材料、最終製品、その他であってもよい。品質特性の例としては、中間材料のコンテンツ、最終製品のコンテンツ、最終製品の不純物プロファイル等の特徴が含まれる。
本発明において、“設計による品質(QbD)”という用語は、製品の製造可能性を向上させながら、プロセスへの特別な介入や製品の有効性および安全性プロファイルへの悪影響がなく、プロセス入力および運転パラメータにおいて予測される変動の幅にプロセスが対応できるような方法でプロセスが実行されるように、プロセスにおける品質成果の制御が設計されているコンセプトを意味する。
本発明において、“原材料”という用語は、製品を生産するための所定のプロセスにおいて用いられる最初の材料を意味する。
本発明において、“反復連続データ”という用語は、所定のプロセスにおける特定のバッチにおいて使用される材料の複数のロードの材料特性を測定することにより得られる連続データ値を意味する。連続反復データの例は、乾燥機が小さすぎて、単一のステップでは単一の生産バッチにおける全量を乾燥することができない場合ときに生じるだろう。この場合、そのバッチは、連続的に、または並行して行われる、2回以上の別々の乾燥作業に分けられ、3つ全ての乾燥作業の間中、“同一の”連続品質特性の測定が行われる。この場合、乾燥ステップと関連付けられる全連続パラメータが、各サブバッチのそれぞれにおいて測定され、“単一”のステップの反復連続データを構成するであろう。反復連続データは、どのようにデータベースに格納されるかに基づいて、垂直または水平として特徴付けられる。垂直反復連続値は、別々の行に格納され、反復データ値を区別するための反復値列がある。これらの列は、サブバッチID番号に相当するだろう。水平反復連続データは単一の行に格納されるパラメータまたは特性の連続反復データである。
本発明において、“反復データ”という用語は、測定の時刻とは無関係に行われた同一のパラメータまたは特性の数回の測定から得られるパラメータまたは特性のデータ値を意味する。つまり、反復データには、同時に行われる同一パラメータまたは特性の複数回の測定から得られるデータと、測定が行われる時刻に関係なく行われる同一パラメータまたは特性の複数回の測定から得られるデータを含む。反復データはまた、離散データまたは連続データであってもよい。
本発明において、“反復離散データ”という用語は、所定のプロセスの特定のバッチにおいて使用される材料の単一のロードのためのパラメータおよび/または特性を測定することにより得られる離散データを意味する。反復離散データの例としては、三つの異なる仕入先から仕入れられ、単一の製造バッチに加えられた原材料である粉の粉末度測定の結果があげられるであろう。この例では、“同一の”原材料において三回の測定が行われる。反復離散データは、どのようにデータベースに格納されるかに基づいて、垂直または水平として特徴付けられる。垂直反復離散値は、別々の行に格納され、反復パラメータおよび/または特性を区別するための反復値列がある。垂直反復離散データとして、これらの列は、原材料ロットID番号または測定インスタンスに相当するだろう。水平反復離散データは、単一の行に格納されるパラメータまたは特性の反復離散データである。これは、例えば、三つの個々の微粒子表面積測定が、ランダム誤差の影響を最小限にするために、最終製品の同一ソースからの同一サンプルの一部において行われた場合に生じるだろう。
本発明において、“リスク評価”という用語は、不利な結果の可能性、重大性および可検出性を、そのような災難が実際に発生する前に、経験や専門的な判断に基づいて決定するコンセプトを意味する。
本発明において、“第2のデータセットタイプ”という用語は、データセットが、コード化ペアデータであるか、または単純データであるか、ということを意味する。
本発明において、“単純値”という用語は、データセットまたはデータベースの列が、列の名前に一致したデータ値を含むデータセットまたはデータベースを意味する。例えば、TEMPという列に格納されている温度値などがそうである。
本発明において、“ソフトウェアプラットフォーム”という用語は、一つのソフトウェアが、他のソフトウェアのオペレーションを同様の方法でサポートできるように、一つ以上の他のソフトウェアと一緒に動作する一つのソフトウェアを意味する。ソフトウェアプラットフォームの例としては、イージスアナリティカルコーポレーション社のDiscoverant(登録商標)・プロセス・インテリジェンス・プラットフォームがある。
本発明において、“ストレージ”および“記憶媒体”という用語は、情報のビットを記憶するために使用することができるストレージのあらゆる形式を意味する。ストレージの例としては、ERAM、フラッシュメモリ、フロッピー(登録商標)ディスク、Zip(商標)ディスク、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD、DVD−R、DVD+R、ハードディスク、光ディスクなどの揮発性および不揮発性の両方のメモリなどが含まれる。
本発明において、“層状製品含有量均一性”という用語は、混合物の薬学的活性成分がブレンドを通じてどのように成層されるかを意味する。タブレットにおいては、層状製品含有量均一性が層状錠剤含有量均一性と呼ばれることもある。タブレットの層状製品含有量均一性は、ブレンド中にランダムに分散された位置から採取した複数のサンプルの全容量に対する、ブレンド中に特定の位置から採取した活性成分の比率(通常は重量パーセント)を測定することによって決定できる。
本発明において、“上位ノード”という用語は、階層データ構造において他のノードの上に位置するノードを意味する。“上位ノード”という用語は、相対的な用語であり、あるノードは、同時に、一つまたはそれ以上のノードの下位であったり、一つまたはそれ以上のノードの上位であったりする。
本発明において、“分類上関連したデータ”という用語は、例えば、離散/コード化ペア/非反復、または、離散/単純/垂直反復のような同一の分類を持つデータを意味する。
本発明において、“第3のデータセットタイプ”という用語は、データセットが、非反復であるか、水平反復であるか、または垂直反復であるか、ということを意味する。
本発明において、“ユーザー”という用語は、本発明の方法を使用しているソフトウェアのエンドユーザーのみならず、ソフトウェア開発者またはデータベース設計者などの本発明の方法の一つまたはそれ以上のステップを実行する個人をも意味する。
本発明において、“視覚表示機器”および“視覚表示装置”という用語は、CRTモニター、LCDスクリーン、LEDスクリーン、投影ディスプレイ、画像および/またはテキストなどのイメージをプリントアウトするプリンタ等のあらゆるタイプの視覚表示機器および装置を含む。視覚表示装置は、コンピュータモニター、テレビ、プロジェクター、携帯電話、スマートフォン、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、携帯ミュージックおよび/
またはビデオプレーヤ、電子手帳(個人用デジタル補助装置)(PDA)、携帯ゲーム、頭部装着型ディスプレイ、ヘッドアップディスプレイ(HUD)、衛星利用測位システム(GPS)受信機、カーナビゲーションシステム、ダッシュボード、腕時計、電子レンジ、電子オルガン、現金自動預け払い機(ATM)などの他の装置の一部であってもよい。
(説明)
一実施形態において、本発明は、プロセスおよび品質パラメータのための、“設計による品質”およびその他の記号表示および関連のビジュアルシンボルを提供するシステムを提供する。プロセスおよび品質パラメータは、医薬品開発ガイドラインICHQ8、および、品質リスクマネジメントガイドラインICHQ9、および、類似文書、FEクラス指定のakaパラメータ機能クラス指定(ICHはヒト用医薬品の登録のための技術要件の調和に関する国際会議)で概説される。記号表示は、プロセスおよび品質パラメータの任意のディスプレイで容易に見ることができ、プロセスにおいてパラメータの特定クラスがどこに位置しているかを表示する。この機能はまた、ユーザーが、特定のタイプの記号表示付きパラメータを簡単に選択し、さまざまな種類の統計的、視覚およびその他分析を実行し、レポートを作成することを可能にする。
一実施形態において、本発明はまた、個々のプロセスおよび品質パラメータの表示記号と表示シンボルを変更する機能を提供する。個々のプロセスおよび品質パラメータの表示記号と表示シンボルは、各パラメータが、低から高リスク(またはインパクト)の範囲内のどこに一致するかに基づくリスク(またはインパクト)分析の結果に応じて、変更される。この機能の一例として、所定の閾値レベル以下のパラメータは、“キー”パラメータとして指定、表示され、所定の閾値を超えるパラメータは、“重要”パラメータとして指定、表示される。一実施形態において、本発明のシステムはまた、これらのパラメータのうちどれが制御可能でありどれが制御可能でないかを表示する機能を有する。今回の発明より前に、この分野の専門家は、プロセスフローの階層ビューにおいてこれらのパラメータの位置も表示するソフトウェアを使用してリスク評価結果を表示する手段や、同時に、それらの可制御性を表示するための手段を有することは決してできなかった。
図1は、医薬品の製造プロセスを分析するために使用され得る、本発明の一実施形態において使用されるリスク評価方法102を示す。リスク評価方法102のステップ112において、リスク評価のために、製造プロセスのプロセスフローの概略が形成され、範囲が定義される。“範囲”とは、リスク評価においてフォーカスされるエリアを意味する。ステップ114では、基本品質特性(KQAs)が特定される。基本品質特性は、製造プロセスの成果物である製品の安全性、有効性および/またはパフォーマンスに影響を与える基本品質特性の潜在力に基づいて特定される。ステップ116では、キープロセスパラメータ(KPPs)が特定される。キープロセスパラメータは、製造されている医薬品の品質特性に影響を与えるキープロセスパラメータの潜在力に基づいて特定される。ステップ118は、ふたつのサブステップ、採点基準が開発されるサブステップ120および因果関係マトリックスが準備されるサプステップ122を含む。ステップ124では、重要パラメータを特定するために数値採点が実行される。すなわち、最も高いスコアを持つパラメータは、最も高いリスクを提示するパラメータである。
リスク評価方法102のバージョンは、製薬エンジニアリング第30巻、第4号(2010年7/8月)、V.マッカーディ、M.T.アム
エンデ、F.R.ブッシュ、J マスタキス、P.ローズ、M.R.ベリー著、“合成医薬品有効成分を用いた設計による品質−製剤の開発への取組み”に記述された研究で提供されている。
図2は、例示する(架空の)医薬品(メモトリアル100mgタブレット)の製造プロセスを示している。製造プロセス202は、順番に、プレブレンドステップ212、ミルステップ214、ブレンドステップ216、ローラー圧縮/ミルステップ218、最終ブレンドステップ220、圧縮ステップ222およびフィルムコートステップ224を含む。原材料ストリーム232(RMs)は、プレブレンドステップ212の間にブレンダー234に供給される。ミルステップ214はミル236で起こる。原材料ストリーム238は、ブレンドステップ216の間にブレンダー240に供給される。ローラー圧縮/ミルステップ218はローラー圧縮/ミル装置242で起こる。原材料ストリーム248は、最終ブレンドステップ220の間にブレンダー250に供給される。圧縮ステップ222は圧縮装置252で起こる。原材料ストリーム254は、フィルムコートステップ224の間にコーティング機256に供給される。製造プロセス202の分析される部分262は、プレブレンドステップ212、ミルステップ214、ブレンドステップ216およびローラー圧縮/ミルステップ218を含む。
製造プロセス202のための以下の品質特性、すなわち、医薬品有効成分(API)粒子サイズおよびAPI不純物プロファイルは、入力用材料特性として識別される。製造プロセス202のための以下の処理ステップパラメータ、すなわち、ロール力、ギャップ幅、ミルスクリーンサイズおよび造粒速度は、入力用キープロセスパラメータとして識別される。入力用材料特性および処理ステップパラメータは、製造プロセス202のためのプロセスパラメータである。製造プロセス202のための以下の品質特性、すなわち、層状錠剤含有量均一性および医薬品(DP)不純物プロファイルは、出力用基本品質特性として識別される。
図3は、Discoverant(登録商標)のようなプロセス・インテリジェンス・ソフトウェアプラットフォームにより階層データ構造302において整理される製造プロセス202のフローを示している。プレブレンドステップ212において製造プロセス202に供給される原材料のためのデータへのアクセスを提供するデータリーフは、“調剤”とラベリングされたデータノード308の下に整理される。データノード308の下には、“API”とラベリングされたデータノード310と“添加剤”とラベリングされたデータノード312がある。APIの品質特性のためのデータへのアクセスポイントは、データノード310の下にデータリーフとして整理される。データノード310の下には、APIのロット番号データへのアクセスを提供するデータリーフ316、APIの販売会社データへのアクセスを提供するデータリーフ318、APIの製造日データへのアクセスを提供するデータリーフ320、APIの平均粒子サイズデータへのアクセスを提供するデータリーフ322、APIの凝集程度データへのアクセスを提供するデータリーフ324、API不純物プロファイルデータへのアクセスを提供するデータリーフ326およびミルプロセス操作からのデータへのアクセスを提供するデータリーフ328がある。データノード312は、プレブレンドステップ212において、APIとブレンドされる添加材データへのアクセスを提供するデータリーフ(図示せず)を含む。
製造プロセス202のプロセスパラメータのためのデータへのアクセスポイントは、“乾燥製品”とラベリングされたデータノード334の下のデータリーフに整理される。データノード334の下のデータノードに整理されるデータリーフはまた、製造プロセス202に供給される原材料の品質特性のためのデータへのアクセスポイントも提供する。データノード334の下には、データノード336、338、340、342、344、346、348および350がある。データノード336の下には、プレブレンドステップ212のためのデータへのアクセスを提供するデータリーフ(図示せず)がある。
プレブレンドステップ212のためのデータは、データノード336の下のデータリーフ(図3に図示せず)内に整理される。データノード336は、データノード334の下に順に配置される。図3では、展開されていない状態でデータノード336が表示されている。ミルステップ214のためのデータは、データノード338の下のデータリーフ内に整理される。データノード338は、データノード334下に順に配置される。データノード338の下には、ミルステップ214でのミル速度データへのアクセスを提供するデータリーフ352、ミルステップ214での総ミル時間データへのアクセスを提供するデータリーフ354、ミルステップ214でのミル機電力消費データへのアクセスを提供するデータリーフ356、ミルステップ214において“パラメータ1”と分類されたミルパラメータデータへのアクセスを提供するデータリーフ358、ミルステップ214において“パラメータ2”と分類されたミルパラメータデータへのアクセスを提供するデータリーフ360、ミルステップ214でのミルスクリーンサイズデータへのアクセスを提供するデータリーフ362がある。ブレンドステップ216のためのデータは、データノード340の下のデータリーフ(図3に図示せず)内に整理される。データノード340は、データノード334下に順に配置される。図3では、展開されていない状態でデータノード340が表示されている。ローラー圧縮/ミルステップ218のためのデータは、データノード342の下のデータリーフ内に整理される。データノード342は、データノード334下に順に配置される。データノード342の下には、ローラー圧縮/ミルステップ218での総時間データへのアクセスを提供するデータリーフ366、“パラメータ1”と分類されたローラー圧縮パラメータデータへのアクセスを提供するデータリーフ368、“パラメータ2”と分類されたローラー圧縮パラメータデータへのアクセスを提供するデータリーフ370、ローラー圧縮/ミルステップ218でのロール力データへのアクセスを提供するデータリーフ372、ローラー圧縮/ミルステップ218でのギャップ幅データへのアクセスを提供するデータリーフ374、ローラー圧縮/ミルステップ218でのロール速度データへのアクセスを提供するデータリーフ376、ローラー圧縮/ミルステップ218での造粒速度データへのアクセスを提供するデータリーフ378がある。データリーフ368、370、376および378は、これらのデータリーフ用の波状シンボルで示される連続データへのアクセスを提供する。データリーフ366、372および374は、これらのデータリーフ用の一つの正方形シンボルで示される離散データへのアクセスを提供する。
最終ブレンドステップ220のためのデータは、データノード344の下のデータリーフ(図3に図示せず)内に整理される。データノード344は、データノード334の下に順に配置される。図3では、展開されていない状態でデータノード344が表示されている。圧縮ステップ222のためのデータは、データノード346の下のデータリーフ(図3に図示せず)内に整理される。データノード346は、データノード334の下に順に配置される。図3では、展開されていない状態でデータノード346が表示されている。コーティング(フィルムコート)ステップ224のためのデータは、データノード348の下のデータリーフ(図3に図示せず)内に整理される。データノード348は、データノード334の下に順に配置される。図3では、展開されていない状態でデータノード348が表示されている。
製造プロセス202での最終製品の分析のためのデータは、データノード350の下のデータリーフ内に整理される。データノード350は、データノード334の下に順に配置される。製造プロセス202での最終製品の分析のためのデータへのアクセスは、データノード350下のデータリーフ382、384および386によって提供される。データリーフ382は、製品の混合均一性に関するデータへのアクセスを提供する。データリーフ384は層状錠剤含有量均一性データへのアクセスを提供する。データリーフ386は医薬品の不純物プロファイルデータへのアクセスを提供する。
図3において、データリーフ316、318、320、322、324、326、382、384および386は、これらのデータリーフ用の複数(3個)の正方形シンボル390で示される複製データへのアクセスを提供する。データリーフ352、356、368、370、376および378は、これらのデータリーフ用の波状シンボル394で示される連続データへのアクセスを提供する。データリーフ328、354、358、360、362、366、372および374は、これらのデータリーフ用の正方形シンボル392で示される離散データへのアクセスを提供する。データノード312、340、342は二重シンボル396を含む。二重シンボル396は、これらのデータノードが、データを検索するSQLクエリを構築するクエリエンジンによって使用されるメタデータに関連付けられていることを示す。
本発明の一実施形態では、製造プロセス202における品質特性には、製品やプロセスの効率性に与える影響の程度を示す数値ランク10、7、5および1が割り当てられている。数値ランクを割り当てるための基準を以下に示す:
10−製品の安全性および/または有効性に直接的影響が既知または予想される;
7−製品の安全性または有効性に、あるいはプロセスの効率性に影響が不確定または予想される;
5−製品の品質あるいはプロセスの効率性に影響がありそうにない;
1−製品の品質あるいはプロセスの効率性に影響が全くない。
ランク10、7、5および1は、製造プロセス202を使用した以前の製品の製造結果に基づいている。
本発明の一実施形態では、製造プロセス202におけるプロセスパラメータには、プロセスやプロセスの処理結果(例えば医薬品や化学組成物等の成果物)の品質特性に与える影響の程度を示す数値ランク10、7、5および1が割り当てられている。数値ランクを割り当てるための基準を以下に示す:
10−手元のデータや経験に基づいて強い影響が既知または予想される;
7−不確定だが強い関係性が予想される;
5−中程度の関係性あるいは不明;
1−関係性がないことは既知。
ランク10、7、5および1は、製造プロセス202を使用した以前の製品の製造結果に基づいている。
図4は、製造プロセス202のパラメータおよび特性の分析用の因果関係マトリックス402の一例を示している。因果関係マトリックス402は、製品やプロセスの効率性に与える影響の程度として、それぞれ数値ランク7が割り当てられている以下の3つの品質特性:混合均一性、層状錠剤含有量均一性および不純物プロファイル、について、2つのフォーカスエリアを有する。フォーカスエリア#1は、調剤およびプレブレンドステップ212に関連し、製造プロセス202のための以下のプロセスパラメータ:API粒子サイズ、API凝集、容器充填(%フィル)、API添加順序、添加剤中の不純物レベル、API不純物プロファイル、APIミル手順、ブレンド時間およびサンプリング手順、の分析を含む。フォーカスエリア#1のプロセスパラメータは、処理ステップパラメータと入力材料特性との混合である。フォーカスエリア#5は、ローラー圧縮/ミルステップ218および最終ブレンドステップ220に関連し、製造プロセス202のための以下の特性(プロセスパラメータ):ロール力、スクリーンサイズ、ギャップ幅、ロール速度および造粒速度、の分析を含む。フォーカスエリア#5のプロセスパラメータは、すべて処理ステップパラメータである。
因果関係マトリックス402において、品質特性それぞれのためのランク値は、品質特性それぞれに関するプロセスパラメータそれぞれのための因果関係品質スコアをもたらすために、プロセスパラメータそれぞれのためのランク値によって乗算される。プロセスパラメータごとに、各品質特性値それぞれのための因果関係品質スコアを加算することで、プロセスパラメータごとの得点(スコア)が得られる。例えば、入力材料特性であり、各品質特性に与える影響の程度として、プロセスパラメータランクが、混合均一性に対しては10、層状錠剤含有量均一性に対しては5、不純物プロファイルに対しては1であるAPI粒子サイズのプロセスパラメータについて、品質特性混合均一性の因果関係品質スコアは7×10=70、品質特性層状錠剤含有量均一性の因果関係品質スコアは7×5=35、品質特性不純物プロファイルの因果関係品質スコアは7×1=7である。よって、プロセスパラメータ粒子サイズのトータルランクスコア(得点)は、70+35+7=112となる。
図5は、本発明の一実施形態に係るリスク評価方法の結果を表示するためのソフトウェアプラットフォームを可能にするための方法の一部であるDiscoverant(登録商標)のようなデータ分析(プロセス・インテリジェンス)ソフトウェアプラットフォームのユニバースプロパティウィンドウ502を示している。ユニバースプロパティウィンドウ502には、プロセスパラメータプロセスインパクト(PI)ランク設定のためのテキストボックス512、514および516が含まれる。ユニバースプロパティウィンドウ502におけるプロセスパラメータPIランク設定は、製造プロセス202のすべてのプロセスパラメータに適用される。テキストボックス512に設定された値は、プロセスパラメータが持ち得る最小トータルランクスコアである。テキストボックス514に設定された値は、プロセスパラメータが持ち得る最大トータルランクスコアである。テキストボックス516に設定された値は、プロセスパラメータのためのトータルランクスコア閾値である。プロセスパラメータのトータルランクスコア(得点)が閾値を超えた場合は、データ解析ソフトウェアプラットフォームにより、当該プロセスパラメータは重要プロセスパラメータとして表示される。図5では、トータルランクスコアの閾値は110に設定されており、110またはそれ以上のトータルランクスコアを持つプロセスパラメータはすべて、データ解析プラットフォームにより、重要プロセスパラメータとして表示される。プロセスパラメータPIランク設定は、分析される予定の製造プロセス202のすべてのプロセスパラメータに適用される。因果関係マトリックス402に示すように、製造プロセス202において、プロセスパラメータAPI粒子サイズ、API凝集、容器充填(%フィル)、API添加順序、ロール力、スクリーンサイズおよびギャップ幅はすべて、この閾値を上回るスコアを有するので、プロセスパラメータはすべて、データ解析ソフトウェアプラットフォームによって重要プロセスパラメータであると決定される。
ユニバースプロパティウィンドウ502にはまた、品質特性PIランク設定のためのテキストボックス522、524および526が含まれる。テキストボックス522に設定された値は、品質特性が持ち得る最小値である。テキストボックス524に設定された値は、品質特性が持ち得る最大値である。テキストボックス526に設定された値は、品質特性の閾値であり、品質特性の閾値は、データ解析ソフトウェアプラットフォームにより、品質特性を基本品質特性として表示させる。図5では、閾値は6に設定されており、6またはそれ以上の値を持つ品質特性はすべて、データ解析プラットフォームにより、基本品質特性として表示される。品質特性PIランク設定は、製造プロセス202のすべての品質特性に適用される。因果関係マトリックス402に示すように、品質特性混合均一性、層状錠剤含有量均一性および不純物プロファイルそれぞれは、ランク値の閾値である6を上回る7がランク値であるので、データ解析ソフトウェアプラットフォームによって基本品質特性であると決定される。
図6の列614の矢印612は、本発明の一実施形態に係る、ラベリングのためにユーザーによって選択されている階層データ構造302のデータリーフ372を示している。ウィンドウ622で、“パラメータプロパティ”とラベリングされているのは、プロセスパラメータ“ロール力”のプロセスパラメータプロパティを示し、ユーザーが、プロセスパラメータ“ロール力”のデータを含むデータリーフ372を選択したときに表示される。ウィンドウ622は、“数値”とラベリングされているタブウィンドウ624を含み、タブウィンドウ624は、プロセスパラメータ“ロール力”の数値プロパティを表示する。タブウィンドウ624の入力ボックスは、図6では表示されていない。ウィンドウ624はまた、特性タブウィンドウ626も含み、タブウィンドウ626は、プロセスパラメータ“ロール力”の機能分類を表示する。プロセスパラメータ“ロール力”の機能分類は、テキストボックス632、634および636に示されている。テキストボックス632は、プロセスパラメータ“ロール力”のためのパラメータ品質指定(PaQD)がプロセスパラメータ(略して“PP”)として選択されていることを示している。テキストボックス634は、プロセスパラメータ“ロール力”が、プロセスを操作する人、またはプロセスに関連付けられた自動制御システムによって制御可能と見なされるかどうかを示している。このボックス内の“Yes”という語は、プロセスパラメータ“ロール力”が制御可能であることを示している。テキストボックス636は、プロセスパラメータ“ロール力”のトータルランクスコアを示している。図6で、テキストボックスは、プロセスパラメータのトータルランクスコアを100と表示しており、これはパラメータがキープロセスパラメータとして分類されることを可能にする任意の開始値として使用されている。図6の列642の矢印640は、データリーフ372のビジュアルインジケータ644および646を指す。ビジュアルインジケータ644はボックスであり、ユーザーが、プロセスパラメータ“ロール力”を制御可能パラメータとして表示することを選択したことを示している。ビジュアルインジケータ646(第2のビジュアルインジケータ)は図案化されたシンボルKPPであり、シンボルKPPは、プロセスパラメータ“ロール力”は、プロセスのリスク評価やプロセスの監視目的に重要なキープロセスパラメータであるが、上記した因果関係マトリックス402を用いたリスク評価(分析)において算出されたトータルランクスコアが所定の閾値を超える重要プロセスパラメータであるか否かはまだ決定されていないことを示している。図6の列648は、それぞれビジュアルインジケータ646を含んで表示されているデータリーフ322、324、326、328、362、372、374,376および378によって表されるプロセスパラメータ(第2のプロセスパラメータ)がキープロセスパラメータであることを示している。データリーフ322、324、326、328、362、372、374,376および378によって表されるプロセスパラメータは、因果関係マトリックス402のフォーカスエリア#1およびフォーカスエリア#5のプロセスパラメータに対応している。
図7の列714の矢印712は、ユーザーが、本発明の一実施形態に係るデータ分析ソフトウェアプラットフォームを用いてアップデートするために選択されている階層データ構造302のデータリーフ372を示している。図7では、テキストボックス636の値は、因果関係マトリックス402に示すリスク評価(分析)結果に基づいて、プロセスパラメータ“ロール力”のためのトータルランクスコア147にアップデートされている。プロセスパラメータ“ロール力”のトータルランクスコア147は閾値110を上回るので、プロセスパラメータ“ロール力”は、データ解析プラットフォームにより、重要プロセスパラメータに決定される。その結果、図7の列724の矢印722で示すように、データ解析プラットフォームは、データリーフ372のビジュアルインジケータ646をビジュアルインジケータ726に置き換える。シンボルCPPとして図案化されたビジュアルインジケータ726は、“ロール力”が重要プロセスパラメータであることを示している。データリーフ372において“ロール力”という語はまた、少なくとも一時的に、色が変更されイタリック体になり、これはトータルランクスコアが正しく入力されたか否かまだ検証されていないことを示している。図7の列732は、データリーフ322、324、362、372および374のビジュアルインジケータ646がビジュアルインジケータ726(第1のビジュアルインジケータ)に置き換えられたデータ解析ソフトウェアプラットフォームを示している。これは、各キープロセスパラメータのうち、ビジュアルインジケータ726を含むこれらのデータリーフ322、324、362、372および374の(キー)プロセスパラメータ(第1のプロセスパラメータ)が重要プロセスパラメータであることを示している。すなわち、これらの重要プロセスパラメータそれぞれが、閾値110を上回るトータルランクスコアを持つため、製造プロセス202において重要プロセスパラメータであることを示している。したがって、各プロセスパラメータが、キープロセスパラメータであるのか、重要プロセスパラメータであるのか、これらのプロセスパラメータが制御可能であるのか、のようなプロセスパラメータに関する情報を、階層データ構造に表示されたシンボル等により形成されたビジュアルインジケータにより、ユーザーは、視覚的に、プロセスのリスク評価(分析)の結果を認識することができ、プロセスの監視において重要なプロセスパラメータを認識することができ、これらのプロセスパラメータが制御可能であるか否かも認識することができる。このように、各重要プロセスパラメータそれぞれは、各キープロセスパラメータで構成されるグループのメンバーである。
図8は、データ解析ソフトウェアプラットフォームを示している。データ解析ソフトウェアプラットフォームは、“作成パラメータ”とラベリングされたウィンドウ812中に、ブラケット822により示された、選択されたプロセスパラメータの名前を表示する。選択されたプロセスパラメータは、データ解析ソフトウェアプラットフォームにより重要プロセスパラメータとして表示されている。また、データ解析ソフトウェアプラットフォームは、ウィンドウ812中に、ブラケット824により示された、品質特性の名前を表示する。品質特性は、重要品質特性として表示されている。ウィンドウ812中に表示された、重要プロセスパラメータおよび重要品質特性は、それぞれ、“CPP”または“CQA”がシンボルとして図案化されたビジュアルインジケータ826を持つ。ウィンドウ812内のパラメータの名前は、その下にデータリーフがあるデータノードの名前を含んでいる。よって、データリーフ372によって表されるパラメータは、階層データ構造302において“ローラー圧縮”という名前のデータノード342の下にあるので、“ローラー圧縮.ロール力”と名付けられている。プレブレンドステップ212の容器充填を表すパラメータ842およびプレブレンドステップ214のAPIの添加順序を表すデータリーフ844は、事前の製造プロセス202リスク評価で重要プロセスパラメータであると決定されているので、対応するシンボルで表示されている。これらのパラメータは、例えば、それらの間に相互作用があるかどうかを決定するためにデータ解析を行うなど、任意の、意味のある方法で容易に連動することができる。
図9は、ユーザーによって開かれた、本発明の一実施形態に係るデータ解析ソフトウェアプラットフォームのウィンドウ912を示す。ウィンドウ912は、製造プロセス202の医薬品メモトリルの化学、製造および品質管理(CMC)研究からの医薬品の仕様書914にアクセスするために開かれる。
図10は、矢印1016により示される医薬品の仕様書914の一つである基本回帰分析のサマリータブウィンドウ1014を含むウィンドウ1012を示す。図11は、ウィンドウ1012の適合モデルタブウィンドウ1112を示す。適合モデルタブウィンドウ1112は、矢印1114により示される医薬品の仕様書914の一つである均一性対スクリーンサイズの適合モデルを表示する。図12は、ウィンドウ1214の交互作用プロットタブウィンドウ1212を示す。プロットタブウィンドウ1212は、矢印1216により示される医薬品の仕様書914の一つである均一性対ロール力の交互作用プロットを表示する。図13は、矢印1314により示される医薬品の仕様書914を含む一連のウィンドウ1312を示す。図14は、本発明の一実施形態に係るデータ解析ソフトウェアプラットフォームを用いて生成することができる、製造プロセス202によって製造された医薬品のためのCMC提案1412を示す。
図15は、例示する(架空の)医薬品(ラザリン)の製造プロセス1502を示している。製造プロセス1502は、順番に、種子フラスコステップ1512、種子発酵ステップ1514、製品発酵ステップ1516、浄化ステップ1518、カラムろ過ステップ1520(カラムAで行われる)およびバルクろ過ステップ1522を含む。製造プロセス1502の分析される部分1562は、浄化ステップ1518およびカラムろ過ステップ1520を含んでいる。
製造プロセス1502の以下のプロセスパラメータは、キープロセスパラメータとして識別される:待機時間、供給流量、ポンプ速度、初期pH、濃縮流量、濃縮OD、調整pH、塩基添加量、濃縮BP、負荷伝導性、工程収率、再梱包日付、負荷容積および負荷温度。製造プロセス1502の以下の品質特性は基本品質特性として識別される:エンドトキシン、有効性および汚染物質Aは、基本品質特性として識別される。
図16は、Discoverant(登録商標)のようなプロセス・インテリジェンス・ソフトウェアプラットフォームにより階層データ構造1602において整理される製造プロセス1502のデータを示している。種子フラスコステップ1512のためのデータは、“種子フラスコ”とラベリングされたデータノード1608の下に整理される。種子発酵ステップ1514のためのデータは、“種子発酵装置”とラベリングされたデータノード1610の下に整理される。製品発酵ステップ1516のためのデータは、“製品発酵装置”とラベリングされたデータノード1612の下に整理される。浄化ステップ1518のデータは、“浄化”とラベリングされたデータノード1614の下に整理される。データノード1614の下には、浄化ステップ1518での待機時間データへのアクセスを提供するデータリーフ1620、浄化ステップ1518での初期pHデータへのアクセスを提供するデータリーフ1622、浄化ステップ1518での酸添加量データへのアクセスを提供するデータリーフ1624、浄化ステップ1518での塩基添加量データへのアクセスを提供するデータリーフ1626、浄化ステップ1518での調整pHへのアクセスを提供するデータリーフ1628、浄化ステップ1518でのポンプ速度データへのアクセスを提供するデータリーフ1630、浄化ステップ1518での濃縮流量データへのアクセスを提供するデータリーフ1632、浄化ステップ1518での供給流量データへのアクセスを提供するデータリーフ1634、浄化ステップ1518での濃縮ODデータへのアクセスを提供するデータリーフ1636、浄化ステップ1518での濃縮BPおよび浄化ステップ1518でのタンク重量データへのアクセスを提供するデータリーフ1640がある。
カラムろ過ステップ1520のためのデータは、“カラムA”とラベリングされたデータノード1642の下のデータリーフに整理される。データノード1642の下には、“ローディング”とラベリングされたデータノード1644があり、その下にカラムろ過ステップ1520におけるカラムAのローディングに関するデータへのアクセスを提供すデータリーフ1646、1648、1650、1652、1654および1656がある。データリーフ1646は負荷温度データへのアクセスを提供し、データリーフ1648は負荷pHデータへのアクセスを提供し、データリーフ1650は負荷伝導性データへのアクセスを提供し、データリーフ1652は負荷容積データへのアクセスを提供し、データリーフ1654は負荷濃縮データへのアクセスを提供し、データリーフ1656は負荷量データへのアクセスを提供する。データノード1642の下には、また、カラムAの再梱包日付データへのアクセスを提供するデータリーフ1662、カラムAの貯蔵量データへのアクセスを提供するデータリール1664、カラムろ過ステップ1520での工程収率データへのアクセスを提供するデータリーフ1666およびカラムろ過ステップ1520でのA280データへのアクセスを提供するデータリーフ1668がある。
バルクろ過ステップ1522のためのデータは、“ろ過バルク”とラベリングされたデータノード1684の下のデータリーフ1672、1674、1676、1678、1680および1682に整理される。データリーフ1672はバルクろ過ステップ1522でのフィルターロット番号データへのアクセスを提供し、データリーフ1674はバルクろ過ステップ1522での製品温度データへのアクセスを提供し、データリーフ1676はバルクろ過ステップ1522での開始時間データへのアクセスを提供し、データリーフ1678はバルクろ過ステップ1522での終了時間データへのアクセスを提供し、データリーフ1680はバルクろ過ステップ1522でのエンドトキシンデータへのアクセスを提供し、データリーフ1682はバルクろ過ステップ1522後の製品の有効性データへのアクセスを提供し、データリーフ1684はバルクろ過ステップ1522後の製品に存在する汚染物質A量データへのアクセスを提供する。
図16において、データリーフ1682は、このデータリーフ用の複数(4個)の正方形シンボル1690で示される複製データへのアクセスを提供する。データリーフ1630、1632、1634、1636、1638、1640および1668は、これらのデータリーフ用の波状シンボル1692で示される連続データへのアクセスを提供する。データリーフ1620、1622、1624、1626、1628、1646、1648、1650、1652、1654、1656、1658、1660、1662、1664、1666、1672、1674、1676、1678、1680および1684は、これらのデータリーフ用の正方形シンボル1694で示される離散データへのアクセスを提供する。データノード1610、1612は二重シンボル1696を含む。二重シンボル1696は、これらのデータノードが、データを検索するSQLクエリを構築するクエリエンジンによって使用されるメタデータに関連付けられていることを示す。
本発明の一実施形態では、製造プロセス1502における品質特性には、製品やプロセスの効率性に与える影響の程度を示す数値ランク10、7、5および1が割り当てられている。数値ランクを割り当てるための基準を以下に示す:
10−製品の安全性および/または有効性に直接的影響が既知または予想される;
7−製品の安全性または有効性に、あるいはプロセスの効率性に影響が不確定または予想される;
5−製品の品質あるいはプロセスの効率性に影響がありそうにない;
1−製品の品質あるいはプロセスの効率性に影響が全くない。
ランク10、7、5および1は、製造プロセス1502を使用した以前の製品の製造結果に基づいている。
本発明の一実施形態では、製造プロセス1502におけるプロセスパラメータには、プロセスやプロセスの処理結果(例えば医薬品や化学組成物等の成果物)の品質特性に与える影響の程度を示す数値ランク10、7、5および1が割り当てられている。数値ランクを割り当てるための基準を以下に示す:
10−手元のデータや経験に基づいて強い影響が既知または予想される;
7−不確定だが強い関係性が予想される;
5−中程度の関係性あるいは不明;
1−関係性がないことは既知。
ランク10、7、5および1は、製造プロセス1502を使用した以前の製品の製造結果に基づいている。
図17は、製造プロセス1502のパラメータおよび特性の分析用の因果関係マトリックス1702の一例を示している。因果関係マトリックス1702は、製品やプロセスの効率性に与える影響の程度として、それぞれ数値ランク7が割り当てられている以下の3つの品質特性:エンドトキシン、有効性および汚染物質A、について、2つのフォーカスエリアを有する。フォーカスエリア#1は、浄化ステップ1518に関連し、製造プロセス1502における以下の要因、待機時間、供給流量、ポンプ速度、初期pH、濃縮流量、濃縮OD、調整pH、塩基添加量および濃縮背圧の分析を含む。フォーカスエリア#1のプロセスパラメータは、処理ステップパラメータと入力材料特性との混合である。フォーカスエリア#5は、カラムろ過ステップ1520に関連し、製造プロセス1502における以下のプロセスパラメータ:負荷伝導性、工程収率、再梱包日付、負荷容積および負荷温度の分析を含む。フォーカスエリア#5のプロセスパラメータは、処理ステップパラメータと入力材料特性との混合である。
因果関係マトリックス1702において、品質特性それぞれのためのランク値は、品質特性それぞれに関するプロセスパラメータそれぞれのための因果関係品質スコアをもたらすため、プロセスパラメータそれぞれのためのランク値によって乗算されている。品質特性値それぞれのための因果関係品質スコアを加算することでスコア(得点)が得られる。例えば、各品質特性に与える影響の程度として、プロセスパラメータランクが、エンドトキシンに対しては10、有効性に対しては5、汚染物質Aに対しては1である初期pHのプロセスパラメータについて、品質特性エンドトキシンの因果関係品質スコアは7×10=70、品質特性有効性の因果関係品質スコアは7×5=35、品質特性汚染物質Aの因果関係品質スコアは7×1=7である。よって、プロセスパラメータ初期pHのトータルランクスコア(得点)は、70+35+7=112となる。
図18は、本発明の一実施形態に係るリスク評価方法の結果を表示するためのソフトウェアプラットフォームを可能にするための方法の一部であるDiscoverant(登録商標)のようなプロセス・インテリジェンス・ソフトウェア・プラットフォームのユニバースプロパティウィンドウ1802を示している。ユニバースプロパティウィンドウ1802には、プロセスパラメータプロセスインパクト(PI)ランク設定のためのテキストボックス1812、1814および1816が含まれる。ユニバースプロパティウィンドウ1802におけるプロセスパラメータPIランク設定は、製造プロセス1502のすべてのプロセスパラメータに適用される。テキストボックス1812に設定された値は、プロセスパラメータが持ち得る最小トータルランクスコアである。テキストボックス1814に設定された値は、プロセスパラメータが持ち得る最大トータルランクスコアである。テキストボックス1816に設定された値は、プロセスパラメータのためのトータルランクスコア閾値である。プロセスパラメータのトータルランクスコア(得点)が閾値を超えた場合は、プロセス・インテリジェンス・ソフトウェアプラットフォームにより、当該プロセスパラメータは重要プロセスパラメータとして表示される。図18では、トータルランクスコアの閾値は110に設定されており、110またはそれ以上のトータルランクスコアを持つプロセスパラメータはすべて、データ解析(プロセス・インテリジェンス・ソフトウェア)プラットフォームにより、重要プロセスパラメータとして表示される。プロセスパラメータPIランク設定は、分析される予定の製造プロセス1502のすべてのプロセスパラメータに適用される。因果関係マトリックス1702に示すように、製造プロセス1502において、プロセスパラメータ待機時間、供給流量、ポンプ速度、初期pH、負荷伝導性、工程収率および再梱包日付はすべて、この閾値を上回るスコアを有するので、プロセスパラメータはすべて、プロセス・インテリジェンス・ソフトウェアプラットフォームによって重要プロセスパラメータであると決定される。
ユニバースプロパティウィンドウ1802にはまた、品質特性PIランク設定のためのテキストボックス1822、1824および1826が含まれる。テキストボックス1822に設定された値は、品質特性が持ち得る最小値である。テキストボックス1824に設定された値は、品質特性が持ち得る最大値である。テキストボックス1826に設定された値は、品質特性の閾値であり、品質特性の閾値は、プロセス・インテリジェンス・ソフトウェアプラットフォームにより、品質特性を基本品質特性として表示させる。図18では、閾値は6に設定されており、6またはそれ以上の値を持つ品質特性はすべて、プロセス・インテリジェンス・ソフトウェアプラットフォームにより、基本品質特性して表示される。品質特性PIランク設定は、製造プロセス1502のすべての品質特性に適用される。因果関係マトリックス1702に示すように、エンドトキシン、有効性および汚染物質Aそれぞれは、ランク値の閾値である6を上回る7がランクであるので、プロセス・インテリジェンス・ソフトウェアプラットフォームによって基本品質パラメータであると決定される。
図19の列1914の矢印1912は、本発明の一実施形態に係る、ラベリングのためにユーザーによって選択されている階層データ構造1602のデータリーフ1650を示している。ウィンドウ1922で、“パラメータプロパティ”とラベリングされているのは、プロセスパラメータ“負荷伝導性”のプロセスパラメータプロパティを示し、ユーザーが、プロセスパラメータ“負荷伝導性”のためのデータへのアクセスを提供するデータリーフ1650を選択したときに表示される。ウィンドウ1922は、“数値”とラベリングされているタブウィンドウ1924を含み、タブウィンドウ1924は、プロセスパラメータ“負荷伝導性”の数値プロパティを表示する。タブウィンドウ1924の入力ボックスは、図19では表示されていない。ウィンドウ1924はまた、特性タブウィンドウ1926も含み、タブウィンドウ1926は、プロセスパラメータ“負荷伝導性”の機能分類を表示する。プロセスパラメータ“負荷伝導性”の機能分類は、テキストボックス1932、1934および1936に示されている。テキストボックス1932は、プロセスパラメータ“負荷伝導性”のためのパラメータ品質指定(PaQD)がプロセスパラメータ(略して“PP”)として選択されていることを示している。テキストボックス1934は、プロセスパラメータ“負荷伝導性”が、プロセスを操作する人、またはプロセスに関連付けられた自動制御システムによって制御可能と見なされるかどうかを示している。このボックス内の“Yes”という語は、プロセスパラメータ“負荷伝導性”が制御可能であることを示している。テキストボックス1936は、プロセスパラメータ“負荷伝導性”のトータルランクスコアを示している。図19で、テキストボックスは、プロセスパラメータのトータルランクスコアを100と表示しており、これはパラメータがキープロセスパラメータとして分類されることを可能にする任意の開始値として使用されている。図19の列1942の矢印1940は、データリーフ1650のビジュアルインジケータ1944および1946を指す。ビジュアルインジケータ1944はボックスであり、ユーザーが、プロセスパラメータ“負荷伝導性”を制御可能パラメータとして表示することを選択したことを示している。ビジュアルインジケータ1946は図案化されたシンボルKPPであり、シンボルKPPは、プロセスパラメータ“負荷伝導性”は、キープロセスパラメータであるが、重要プロセスパラメータであるか否かはまだ決定されていないことを示している。図19の列1948は、表示されているデータリーフ1620、1622、1624、1626、1628、1630、1632、1634、1636,1638、1646、1650、1652、1662および1666によって表されるプロセスパラメータを示している。データリーフ1620、1622、1624、1626、1628、1630、1632、1634、1636,1638、1646、1650、1652、1662および1666によって表されるプロセスパラメータは、因果関係マトリックス1702のフォーカスエリア1およびフォーカスエリア5のプロセスパラメータに対応している。
図20列の2014の矢印2012は、ユーザーが本発明の一実施形態に係るプロセス・インテリジェンス・ソフトウェアプラットフォームを用いてアップデートするために選択されている階層データ構造1602のデータリーフ1650を示している。図20では、テキストボックス1936の値は、因果関係マトリックス1702に示すリスク分析結果に基づいて、プロセスパラメータ“負荷伝導性”はトータルランクスコア147にアップデートされている。プロセスパラメータ“負荷伝導性”のトータルランクスコア147は閾値110を上回るので、プロセスパラメータ“負荷伝導性”は、プロセス・インテリジェンス・ソフトウェアプラットフォームにより、重要プロセスパラメータに決定される。その結果、図20の列2024の矢印2022で示すように、プロセス・インテリジェンス・ソフトウェアプラットフォームは、データリーフ1650のビジュアルインジケータ1946をビジュアルインジケータ2026に置き換える。シンボルCPPとして図案化されたビジュアルインジケータ2026は、“負荷伝導性”が重要プロセスパラメータであることを示している。データリーフ1650において“負荷伝導性”という語はまた、少なくとも一時的に、色が変更されイタリック体になり、これはトータルランクスコアが正しく入力されたか否かまだ検証されていないことを示している。図20の列2032は、データリーフ1620、1622、1630、1634、1650、1662および1666のビジュアルインジケータ1946がビジュアルインジケータ2026に置き換えられたプロセス・インテリジェンス・ソフトウェアプラットフォームを示している。これは、これらの重要プロセスパラメータ(キープロセスパラメータ)それぞれが、閾値110を上回るトータルランクスコアを持つため、製造プロセス1502において重要プロセスパラメータであることを意味する。
図21は、データ解析ソフトウェア(プロセス・インテリジェンス・ソフトウェア)プラットフォームを示している。データ解析ソフトウェアプラットフォームは、“作成パラメータ”とラベリングされたウィンドウ2112中に、ブラケット2122により示された、選択されたプロセスパラメータの名前を表示する。選択されたプロセスパラメータは、データ解析ソフトウェアプラットフォームにより重要プロセスパラメータとして表示されている。また、データ解析ソフトウェアプラットフォームは、ウィンドウ2112中に、ブラケット2124により示された、品質特性の名前を表示する。品質特性は、重要品質特性として表示されている。ウィンドウ2112中に表示された、重要プロセスパラメータおよび重要品質特性は、それぞれ、“CPP”または“CQA”がシンボルとして図案化されたビジュアルインジケータ2126を持つ。ウィンドウ2112内のパラメータの名前は、その下にデータリーフがあるデータノードの名前を含んでいる。よって、データリーフ1650によって表されるパラメータは、階層データ構造1602において“ローディング”という名前のデータノード1644の下にあるので、“ローディング.負荷伝導性”と名付けられている。これらのパラメータは、例えば、それらの間に相互作用があるかどうかを決定するためにデータ解析を行うなど、任意の、意味のある方法で容易に連動することができる。
図22は、ユーザーによって開かれた、本発明の一実施形態に係るプロセス・インテリジェンス・ソフトウェアプラットフォームのウィンドウ2212を示す。ウィンドウ2212は、製造プロセス1502の医薬品ラザリンの化学、製造および品質管理(CMC)研究からの医薬品の仕様書2214にアクセスするために開かれる。
図23は、矢印2316により示される医薬品の仕様書2214の一つである基本回帰分析のサマリータブウィンドウ2314を含むウィンドウ2312を示す。図24は、ウィンドウ2312の適合モデルタブウィンドウ2412を示す。適合モデルタブウィンドウ2412は、矢印2416により示される医薬品の仕様書2214の一つである汚染物質A対供給流量の適合モデルを表示する。図25は、ウィンドウ2512の交互作用プロットタブウィンドウ2514を示す。プロットタブウィンドウ2514は、矢印2516により示される医薬品の仕様書2214の一つである汚染物質A量対初期pHの交互作用プロットを表示する。図26は、矢印2616により示される医薬品の仕様書2214を含む一連のウィンドウ2612を示す。図27は、本発明の一実施形態に係るプロセス・インテリジェンス・ソフトウェアプラットフォームを用いて生成することができる、製造プロセス1502によって製造された医薬品のためのCMC提案2712を示す。
図28は、所定のプロセスの複数のプロセスパラメータはキープロセスパラメータであり、キープロセスパラメータのいくつかは重要プロセスパラメータであることを視覚的に表示するためにプロセス・インテリジェンス・ソフトウェアプラットフォームによって実行される方法2802を示す。ステップ2812において、所定のプロセスの複数のプロセスパラメータが、当該プロセスのリスク評価用のフォーカスグループ(エリア)の一部であるキープロセスパラメータとして選択される。いくつかの実施形態では、ユーザーが、キープロセスパラメータである複数のプロセスパラメータを選択する。本発明の他の実施形態では、プロセスパラメータの少なくともいくつかが、当該プロセスの履歴データに基づいてプロセス・インテリジェンス・ソフトウェアプラットフォームによってキープロセスパラメータであると決定されてもよい。例えば、製造プロセスのためのキープロセスパラメータのリストが、記憶媒体に格納されてもよい。ステップ2814において、プロセス・インテリジェンス・ソフトウェアプラットフォームは、それらがキープロセスパラメータであることを示すために、キープロセスパラメータの各々のデータリーフに1つまたはそれ以上のビジュアルインジケータを追加する。図6および19は、ステップ2814が実行されている例を示す。ステップ2816で、データ解析プログラムは、ステップ2812のキープロセスパラメータのトータルランクスコアに基づいて、重要プロセスパラメータを決定する。プロセス・インテリジェンス・ソフトウェアプラットフォームまたはユーザーによって設定された閾値を超えるトータルランクスコアを有するキープロセスパラメータは、プロセス・インテリジェンス・ソフトウェアプラットフォームによって重要プロセスパラメータであると決定される。値は記憶媒体に記憶され、ステップ2816において、プロセス・インテリジェンス・ソフトウェアプラットフォームによって検索されてもよい。ステップ2818で、プロセス・インテリジェンス・ソフトウェアプラットフォームは、各キープロセスパラメータのうちでそれらが重要キープロセスパラメータであることを示すため、重要プロセスパラメータそれぞれのデータリーフに一つまたはそれ以上のビジュアルインジケータを追加する。ステップ2818は、プロセスパラメータがキー(主要)プロセスパラメータであることを示す一つまたはそれ以上のビジュアルインジケータの、プロセスパラメータが重要プロセスパラメータであることを示す一つまたはそれ以上のビジュアルインジケータへの交換を含んでもよい。
図28では、ステップ2812、2814、2816および2818の一つの順序を示しているが、本発明のいくつかの実施形態において、少なくともこれらのステップのいくつかは、異なる順序で実行されてもよい。本発明のいくつかの実施形態において、これらのステップの一つまたはそれ以上は、省略してもよい。本発明のいくつかの実施形態において、これらのステップのいくつかを組み合わせておよび/または同時に行ってもよい。
本発明は、医薬品製造プロセスに関連して説明されているが、本発明の方法は、他のタイプの製造プロセスに用いてもよいことに留意すべきである。本発明の方法を使用することができる他の製造プロセスの例として、化学物質、化学組成物、生物学的物質、生物学的組成、医療機器の製造プロセス、あるいは原材料および/または中間材料が、合成および/または結合され、製品に転換される任意のプロセスが含まれる。
図面には、特定のタイプのビジュアルインジケータが示されているが、他のタイプのビジュアルインジケータを使用することもできる。プロセスパラメータまたは品質特性のステータスが変化したことを示すため、ビジュアルインジケータは異なる色、異なる形状、異なるフォントなどを有していてもよい。
本発明の方法を実施するために使用することができるソフトウェアの一つのタイプは、イージスアナリティカルコーポレーション社のDiscoverant(登録商標)・エンタープライズ・マニファクチュアリング・インテリジェンス(EMI)プラットフォームである。Discoverant(登録商標)には、次のような機能:データ分析、ダッシュボードおよびレポート、データ集約、紙記録データの取り込みなどが含まれる。また、これらのソフトウェア等が格納されることにより、本発明の方法を実施するための複数のコンピュータ実行可能命令がエンコードされたコンピュータ読み取り可能記憶媒体も本発明に含まれる。本発明で使用することができるDiscoverant(登録商標)の機能および技術の多くは、2004年4月20日に発行されたルース他による米国特許番号6,725,230、「階層表示を用いたマルチデータベース起源のプロセスデータを組み立てるためのシステム、方法及びコンピュータプログラム」に記載されており、その特許の全内容および開示はこの参照によりここに組み込まれる。
本発明の多くの実施形態を詳細に説明したが、添付の特許請求の範囲に定義される本発明の範囲から逸脱しない範囲で修正および変形が可能であることは明らかであろう。さらに、本開示の全ての例示は、本発明の多くの実施形態を示す一方で、非限定的な例として提供されており、従って、その様々な態様を図示限定するものと解釈されるべきではないことが理解されるべきである。
本発明は特定の実施形態を参照して開示されているが、添付の特許請求の範囲に定義される本発明の領域および範囲から逸脱しない範囲で、数値変更、修正、および記載された実施形態への変更が可能である。従って、本発明は説明した実施形態に限定されるものではなく、下記の特許請求の範囲およびそれに均等の文言によって定義される完全な範囲を有することを意味する。