JP2014517683A - 治療抗体を改善する相関突然変異分析の方法 - Google Patents
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Abstract
計算的アプローチを通して抗体の製造可能性または開発可能性を改善する方法。
【選択図】図1
【選択図】図1
Description
関連出願の相互参照
本願は、2011年3月11日出願の米国仮出願第61/451,929号の利益を主張し、該出願は、参照することにより本明細書に組み込まれる。
本願は、2011年3月11日出願の米国仮出願第61/451,929号の利益を主張し、該出願は、参照することにより本明細書に組み込まれる。
抗体は、種々の疾患の治療のために、非常に効果的で成功した治療用分子であることが分かっているため、生物薬剤業界内で最適なモダリティとなっている。ますます多くの抗体ベースの治療用分子が臨床研究に参入するにつれて、発見の初期段階で候補抗体を評価して改善することが、より重要になっている。該プロセスは、分子、製造可能性、および開発可能性評価および設計別品質等の異なる用語で呼ばれている。この点に関して、抗体工学のための計算方法の適用が、投資される費用および時間を削減するために、効率的な実験設計のための貴重なツールとして現れている。
抗体は、IgG、IgA、IgE、IgM、およびIgDを含む、免疫グロブリン部類のタンパク質に属する。ヒト血清中の最も豊富な免疫グロブリン部類は、概略的構造が図1に示される、IgGである(Deisenhofer 1981、Huber 1984、Roux 1999)。IgG構造は、2本の軽鎖および2本の重鎖といった4本の鎖を有し、各軽鎖は2つのドメインを有し、各重鎖は4つのドメインを有する。抗原結合部位は、可変軽鎖(VL)および重鎖(VH)ドメイン、ならびに定常軽鎖(CL)および重鎖(CH1)ドメインを含有する、Fab領域(抗原結合断片)中に位置する。重鎖のCH2およびCH3ドメイン領域は、Fc(結晶化可能断片)と呼ばれる。ヒンジジスルフィド結合の数は、免疫グロブリンサブクラスの間で変化する(PapadeaおよびCheck 1989)。FcRn結合部位は、抗体のFc領域中に位置する(Martinら、2001)。可変ドメインであるVLおよびVHは、リンカーポリペプチドを通してともに融合することができ、これは、scFv、すなわち一本鎖可変断片をもたらす。scFv自体は、延長した血清の半減期を提供するFc領域が欠如しているが、癌において多くの用途を有する。より小さいサイズのscFvが腫瘍細胞への高い浸透を可能にすると主張される。
抗体または可変ドメイン断片の可溶性および安定性等の薬学的性質を改善するように試行が行われてきた。これらの試行は、同種抗体配列の整合に基づいて、残基を最も頻繁なものに突然変異させることと、ターン立体配座を形成する高い傾向を有するアミノ酸を用いてβターンを設計することと、溶剤暴露残基の親水性を増加させることと、追加の水素結合またはジスルフィド結合を追加することと、多数の変異形のライブラリベースのスクリーニングと、生体外または生体内方法による指向進化とを含む。これらのアプローチの多くの組み合わせる方法も、文献で報告されている(MonsellierおよびBedouelle 2006、Wangら2009)。別の工学的方法では、非常にわずかに発現された抗体またはscFvからの相補性決定領域が、有利な生物物理学的性質を有する好ましい枠組上に移植された(Jungら1999)。これらのアプローチのうちのいくつかは、公開された論文で論評されている(WornおよびPluckthun 2001、Honegger 2008)。これらの方法のうちのそれぞれは、単独で、または組み合わせて、安定性を増加することの限定的成功を得ているが、それらのうちのいずれも、異なる標的に対する抗体の全ての場合において機能することを保証されていない。
本明細書では、複数の標的に対して、抗体において一貫して性質を向上させた、簡略化された方法が提供される。より重要なことには、利益は、凝集のレベルを低減させること、酸化へのより高い耐性、pHが5から7に変化させられたときに沈殿を排除すること、粘度を減少させること、および発現レベルを改善すること等、安定性を改善することのみを超えたものである。
Deisenhofer,J.1981.Crystallographic refinement and atomic models of a human Fc fragment and its complex with fragment B of protein A from Staphylococcus aureus at 2.9- and 2.8-A resolution.Biochemistry 20:2361-2370.
Gunasekaran,K.,Hagler,A.T.,and Gierasch,L.M.2004.Sequence and structural analysis of cellular retinoic acid-binding proteins reveals a network of conserved hydrophobic interactions.Proteins 54:179-194.
Higgins,D.G.,and Sharp,P.M.1988.CLUSTAL:a package for performing multiple sequence alignment on a microcomputer.Gene 73:237-244.
Honegger,A.2008.Engineering antibodies for stability and efficient folding.Handb Exp Pharmacol:47-68.
Huber,R.1984.Three-dimensional structure of antibodies.Behring Institute Mitteilungen:1-14.
Jung,S.,Honegger,A.,and Pluckthun,A.1999.Selection for improved protein stability by phage display.Journal of molecular biology 294:163-180.
Martin,W.L.,West,A.P.,Jr.,Gan,L.,and Bjorkman,P.J.2001.Crystal structure at 2.8 A of an FcRn/heterodimeric Fc complex:mechanism of pH-dependent binding.Molecular cell 7:867-877.
Monsellier,E.,and Bedouelle,H.2006.Improving the stability of an antibody variable fragment by a combination of knowledge-based approaches:validation and mechanisms.Journal of molecular biology 362:580-593.
Papadea,C.,and Check,I.J.1989.Human immunoglobulin G and immunoglobulin G subclasses:biochemical,genetic,and clinical aspects.Critical reviews in clinical laboratory sciences 27:27-58.
Roux,K.H.1999.Immunoglobulin structure and function as revealed by electron microscopy.International archives of allergy and immunology 120:85-99.
Wang,N.,Smith,W.F.,Miller,B.R.,Aivazian,D.,Lugovskoy,A.A.,Reff,M.E.,Glaser,S.M.,Croner,L.J.,and Demarest,S.J.2009.Conserved amino acid networks involved in antibody variable domain interactions.Proteins 76:99-114.
Worn,A.,and Pluckthun,A.2001.Stability engineering of antibody single-chain Fv fragments.Journal of molecular biology 305:989-1010.
Wu,T.T.,and Kabat,E.A.1970.An analysis of the sequences of the variable regions of Bence Jones proteins and myeloma light chains and their implications for antibody complementarity.The Journal of experimental medicine 132:211-250.
計算的アプローチを通して抗体の製造可能性または開発可能性を改善する方法が本明細書で説明される。本明細書で説明される方法は、(i)対保存残基位置の、残基の生理化学的性質に基づく特定と、(ii)その対保存から、どのように対象とする抗体配列が逸脱するかを評価することと、(iii)逸脱位置を、生殖細胞系または関連生殖細胞系配列内の等価の位置で見出されるアミノ酸と置換することとにかかわる。この方法はしばしば、生殖細胞系列残基に関する問題を特定し、それらを関連生殖細胞系列残基に置き換えることを提案する。この計算方法は、種々の抗原に対する10個よりも多くの抗体に適用されている。提案された単一または組み合わせの点突然変異は、発現とともに1つ以上の物理的および化学的性質の一貫した向上をもたらした。
第1の態様では、目的とする抗体可変ドメインを含む、抗原結合タンパク質の1つ以上の特性を改善する方法が本明細書で提供される。本方法は、a)残基の生理化学的性質に基づく、可変ドメイン枠組内の対保存残基位置の特定と、b)a)で特定された対保存残基位置から、どのようにして目的とする枠組のアミノ酸配列の抗体可変ドメインが逸脱するかを判定することと、c)b)からの逸脱であると判定される1つ以上のアミノ酸残基を、生殖細胞系または関連生殖細胞系配列内の等価の位置で見出されるアミノ酸と置換することとを含む。
対保存残基は、i)生殖細胞系列サブタイプを目的とする抗体可変ドメインに割り当てることと、ii)(i)で特定された同一の生殖細胞系列サブタイプに属する複数の可変ドメインのフレームワーク領域を整合させることと、iii)整合可変ドメイン内の各位置におけるアミノ酸を、小疎水性、芳香族、中立極性、正電荷を持つ、負電荷を持つ、またはグリシン/欠失として、分類することと、iv)各対位置の保存スコアを計算することと、v)閾値計算に基づいて、共変または相関突然変異対あるいは対保存残基位置を判定することとによって、特定することができる。
保存スコアを判定する好ましい方法は、同一生理化学的特性に属する対の数を計算することと、異なる生理化学的特性に属する対の数でその合計を減算することとを含む。例えば、20個のアミノ酸が、疎水性(H)および極性(P)という2つのグループに分類されるとき、保存スコア=(HiHjの数+PiPjの数)−HiPjの数であり、式中、i=1、N−1、j=i+1からN、N=目的とする標的配列の長さである。
目的とする抗体可変ドメイン内の逸脱は、目的とする標的配列からのアミノ酸対を、多重配列整合から特定される相関または共変対と比較することによって判定することができる。
言い換えれば、標的配列の中の逸脱は、可変ドメイン配列のデータベースを使用して特定される、対保存位置の観察されたパターンとは異なるものである。逸脱であると判定されるアミノ酸のうちの1つ以上は、生殖細胞系配列または関連生殖細胞系配列内のその位置で見出されるアミノ酸と置換することができる。ある実施形態では、逸脱であると判定される全てのアミノ酸は、生殖細胞系配列または関連生殖細胞系配列内のその位置で見出されるアミノ酸と置換される。
言い換えれば、標的配列の中の逸脱は、可変ドメイン配列のデータベースを使用して特定される、対保存位置の観察されたパターンとは異なるものである。逸脱であると判定されるアミノ酸のうちの1つ以上は、生殖細胞系配列または関連生殖細胞系配列内のその位置で見出されるアミノ酸と置換することができる。ある実施形態では、逸脱であると判定される全てのアミノ酸は、生殖細胞系配列または関連生殖細胞系配列内のその位置で見出されるアミノ酸と置換される。
好ましい実施形態では、抗原結合タンパク質は、重鎖可変ドメインおよび軽鎖可変ドメイン、例えば、scFvまたは抗体を含む。重鎖可変ドメインおよび/または軽鎖可変ドメインは、ヒト可変ドメインであり得る。ある実施形態では、抗原結合タンパク質は、ヒト抗体である。
本方法は、抗原結合タンパク質の1つ以上の特性を改善するために有用である。好ましい実施形態では、抗原結合タンパク質は、治療用タンパク質である。本方法によって変化させられ得る特性は、過渡的または安定的に移入された宿主細胞内の向上した発現、増加した熱安定性、低減した凝集傾向、増加した生体内半減期、増加した保管期間、増加した折り畳み効率、光誘起酸化への増加した耐性、保管状態中の低減したクリッピング、低減した粘度、pH変化に対する低減した感受性、ならびに低減した化学的および物理的劣化を含む。
第2の態様では、第1の態様の方法によって改善された抗原結合タンパク質が本明細書で説明される。
第3の態様では、第1の態様の方法によって改善された抗原結合タンパク質の抗体可変ドメインをコード化する、単離核酸が本明細書で説明される。好ましい実施形態では、本方法は、抗体可変ドメイン内の1つ以上の残基を、生殖細胞系列または関連生殖細胞系列残基と置換することを含む。
第4の態様では、第3の態様の単離核酸を含む、宿主細胞が本明細書で説明される。
定義
「抗原結合タンパク質」は、1つ以上の抗体可変ドメインを含有し、抗原と特異的に結合するタンパク質またはポリペプチドである。好ましい実施形態では、抗原結合タンパク質は、相互作用して、ともに抗原と特異的に結合する、2つの可変ドメインを含む。抗原結合タンパク質の実施形態は、抗原と特異的に結合する、本明細書で様々に定義されるような抗体およびその断片を含む。抗原結合タンパク質は、随意に、1つ以上の翻訳後修飾を含んでもよい。
「抗原結合タンパク質」は、1つ以上の抗体可変ドメインを含有し、抗原と特異的に結合するタンパク質またはポリペプチドである。好ましい実施形態では、抗原結合タンパク質は、相互作用して、ともに抗原と特異的に結合する、2つの可変ドメインを含む。抗原結合タンパク質の実施形態は、抗原と特異的に結合する、本明細書で様々に定義されるような抗体およびその断片を含む。抗原結合タンパク質は、随意に、1つ以上の翻訳後修飾を含んでもよい。
本明細書で使用されるような「特異的に結合する」とは、抗原結合タンパク質が他のタンパク質よりも優先的に抗原に結合することを意味する。いくつかの実施形態では、「特異的に結合する」とは、抗原結合タンパク質が他のタンパク質よりも抗原に対してより高い親和性を有することを意味する。抗原と特異的に結合する抗原結合タンパク質は、1×10−7M以下、2×10−7M以下、3×10−7M以下、4×10−7M以下、5×10−7M以下、6×10−7M以下、7×10−7M以下、8×10−7M以下、9×10−7M以下、1×10−8M以下、2×10−8M以下、3×10−8M以下、4×10−8M以下、5×10−8M以下、6×10−8M以下、7×10−8M以下、8×10−8M以下、9×10−8M以下、1×10−9M以下、2×10−9M以下、3×10−9M以下、4×10−9M以下、5×10−9M以下、6×10−9M以下、7×10−9M以下、8×10−9M以下、9×10−9M以下、1×10−10M以下、2×10−10M以下、3×10−10M以下、4×10−10M以下、5×10−10M以下、6×10−10M以下、7×10−10M以下、8×10−10M以下、9×10−10M以下、1×10−11M以下、2×10−11M以下、3×10−11M以下、4×10−11M以下、5×10−11M以下、6×10−11M以下、7×10−11M以下、8×10−11M以下、9×10−11M以下、1×10−12M以下、2×10−12M以下、3×10−12M以下、4×10−12M以下、5×10−12M以下、6×10−12M以下、7×10−12M以下、8×10−12M以下、または9×10−12M以下の抗原に体する結合親和性を有し得る。
本明細書で意味されるような「抗体」は、少なくとも2つの可変領域、多くの場合は重鎖および軽鎖可変領域を含有する、タンパク質である。したがって、「抗体」という用語は、一本鎖Fv抗体(リンカーによって接合される重鎖および軽鎖可変領域を含有するscFv)、Fab、F(ab)2′、Fab′、scFv:Fc抗体(Carayannopoulos and Capra,Fundamental Immunology第3版内の第9章、Paul,ed.,Raven Press,New York,1993,pp.284−286で説明されているような)、またはほ乳類で見出される自然発生IgG抗体等の2本の全長重鎖および2本の全長軽鎖を含有する全長抗体(同書)を包含する。すなわち、そのようなIgG抗体は、IgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4アイソタイプであり得、かつヒト抗体であり得る。抗体の構造を説明したCarayannopoulosおよびCapraの部分は、参照することにより本明細書に組み込まれる。さらに、「抗体」という用語は、ラクダおよび他のヒトコブラクダ種ならびにサメで見出される自然発生抗体等の、2本の重鎖を含有し、軽鎖を含有しない二量体抗体を含む。例えば、Muldermans et al.,2001,J.Biotechnol.74:277−302、Desmyter et al.,2001,J.Biol.Chem.276:26285−90、Streltsov et al.(2005),Protein Science 14:2901−2909を参照されたい。抗体は、単一特異的(つまり、一種類だけの抗原に結合する)または多特異的(つまり、一種類よりも多くの抗原に結合する)であり得る。いくつかの実施形態では、抗体は、二重特異的(すなわち、2つの異なる種類の抗原に結合する)であり得る。さらに、抗体は、一価、二価、または多価であり得、それは一度に1個または2個またはそれ以上の抗原分子に結合することができることを意味する。そのような抗体の可能な形式のうちのいくつかは、多くの他の可能な抗体形式の中でも、単一特異的または二重特異的全長抗体、単一特異的一価抗体(その関連部分が参照することにより本明細書に組み込まれる、国際公開国際公開第2009/089004号および米国公開第2007/0105199号で説明されるような)、二価単一特異的または二重特異的二量体scFv−Fc、単一特異的一価scFv−Fc/Fc、ならびに米国公開第2009/0311253号(その関連部分が参照することにより本明細書に組み込まれる)で説明されている多特異的結合タンパク質および二重可変ドメイン免疫グロブリンを含む。
「抗体可変ドメイン」抗体の重鎖および軽鎖の可変領域は、典型的には、比較的保存されたフレームワーク領域(FR)の同一の一般構造を呈し、3つの超可変領域、すなわち、相補性決定領域またはCDRが加わる。CDRは、抗原認識および結合に主に関与する。各対の2本の鎖からのCDRは、フレームワーク領域によって整合させられ、特異的エピトープへの結合を可能にする。N末端からC末端まで、軽鎖および重鎖の両方は、FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、およびFR4のドメインを含む。各ドメインへのアミノ酸の割り当ては、Kabatの定義に従う(Martin,A.C.R.(2010) Protein Sequence and Structure Analysis of Antibody Variable Domains.Antibody Engineering Lab Manual第2巻(第2版)内、Duebel,S.およびKontermann,R.,Springer−Verlag,Heidelberg編)。
「可変ドメイン枠組」領域は、Kabatの定義によって定義される。しかしながら、ChothiaおよびAHo等の構造ベースの定義も、フレームワーク領域を定義するために使用することができる。既知の抗体配列番号付け方式の近年の論評については、Martin,A.C.R.(2010) Protein Sequence and Structure Analysis of Antibody Variable Domains.Antibody Engineering Lab Manual第2巻(第2版)内、Duebel,S.およびKontermann,R.,Springer−Verlag,Heidelberg編を参照されたい。
「重鎖可変ドメイン」は、重鎖遺伝子座に由来する可変ドメインである。このドメインは、抗原結合部位またはパラトープを含み、アミノ酸配列は、標的上の標的抗原または結合部位(エピトープ)に応じて変化し得る。
「軽鎖可変ドメイン」は、軽鎖遺伝子座に由来する可変ドメインである。このドメインは、抗原結合部位またはパラトープを含み、アミノ酸配列は、標的上の標的抗原または結合部位(エピトープ)に応じて変化し得る。
「ヒト軽鎖可変ドメイン」は、ヒト軽鎖遺伝子座に由来する可変ドメインである。このドメインは、抗原結合部位またはパラトープを含み、アミノ酸配列は、標的上の標的抗原または結合部位(エピトープ)に応じて変化し得る。
「ヒト重鎖可変ドメイン」は、ヒト重鎖遺伝子座に由来する可変ドメインである。このドメインは、抗原結合部位またはパラトープを含み、アミノ酸配列は、標的上の標的抗原または結合部位(エピトープ)に応じて変化し得る。
「ヒト抗体」は、軽鎖と、重鎖とを含む、抗体であり、可変および一定領域の両方は、ヒト遺伝子座に由来する。
「生理化学的性質に基づくアミノ酸のグループ分けまたは分類」アミノ酸は、それらの生理化学的性質に基づいて分類される。1つのグループ分けの方法では、配列の中の20個の自然発生アミノ酸およびアミノ酸欠失が、小疎水性:Ala、Ile、Leu、Met、Cys、Val、およびPro、芳香族:Phe、Trp、およびTyr、中立極性:Asn、Gln、Ser、Thr、負電荷を持つ:AspおよびGlu、正電荷を持つ:Lys、Arg、およびHis、側鎖なし:Glyおよび欠失等の6つのグループに分類される。別のグループ分けの方法では、アミノ酸および欠失は、疎水性:Ala、Ile、Leu、Met、Cys、Val、Pro、Phe、Trp、およびTyr、極性:Asn、Gln、Ser、およびThr、帯電:Asp、Glu、Lys、Arg、およびHis、側鎖なし:Glyおよび欠失等の4つのグループに分類される。さらに別のグループ分けの方法では、アミノ酸Cysが、疎水性ならびに中立極性残基と見なされ得、Hisが極性アミノ酸と見なされ得る。
「保存スコア」は、同一生理化学的特性に属する対の合計、と異なる生理化学的特性に属する対の合計でそれを減算するものとして定義される。例えば、6グループ分類については、保存スコア=Xi Xjの数−Xi Yjの数であり、式中、XおよびYは、小疎水性、芳香族、中立極性、正電荷を持つ、負電荷を持つ、またはグリシン/欠失アミノ酸であってもよいが、XはYに等しくなく、i=1、N−1、j=i+1、N、N=標的配列可変ドメインの長さである。
「閾値」またはカットオフは、保存スコアを、多重配列整合で使用される(Kabat/IMGTデータベースからの)既知の可変ドメイン配列の総数で除し、100倍したものとして定義される。ある実施形態では、閾値は、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、または少なくとも95%である。好ましい実施形態では、多重配列整合は、少なくとも5個の既知の可変ドメイン、少なくとも10個の既知の可変ドメイン、少なくとも20個の既知の可変ドメイン、少なくとも50個の既知の可変ドメイン、少なくとも75個の既知の可変ドメイン、少なくとも100個の既知の可変ドメイン、少なくとも150個の既知の可変ドメイン、少なくとも200個の既知の可変ドメイン、少なくとも250個の既知の可変ドメイン、少なくとも300個の既知の可変ドメイン、少なくとも400個の既知の可変ドメイン、少なくとも500個の既知の可変ドメイン、少なくとも600個の既知の可変ドメイン、少なくとも700個の既知の可変ドメイン、少なくとも800個の既知の可変ドメイン、少なくとも900個の既知の可変ドメイン、少なくとも1000個の既知の可変ドメイン、少なくとも1500個の既知の可変ドメイン、少なくとも2000個の既知の可変ドメイン、少なくとも3000個の既知の可変ドメイン、少なくとも4000個の既知の可変ドメイン、または少なくとも5000個の既知の可変ドメインを含む。
「生殖細胞系配列」は、所与の抗体配列との配列同一性の最高の割合(%)を有する、ヒト生殖細胞系配列として定義される。生殖細胞系配列は、ヒト生殖細胞系配列データベースとの所与の抗体配列の比較に基づいて特定される。
「関連生殖細胞系配列」は、所与の抗体配列と80%を上回る配列同一性を共有する、ヒト生殖細胞系配列である。しばしば、関連生殖細胞系列は、所与の抗原配列との配列同一性の最高の割合(%)を有する、上位5つのヒト生殖細胞系配列を指す。時として、関連生殖細胞系配列を特定するために使用されるカットオフ率は、所与の標的抗体配列と80%を上回る配列同一性を共有する、5つよりも少ない生殖細胞系配列があるときに、80%から70%に下げられる。
使用されるデータベース:基本的に、抗体可変ドメイン配列を含有する、いかなるデータベースも使用することができる。好ましいデータベースは、ヒト生殖細胞系配列データベース、Kabat(WuおよびKabat 1970)、抗体配列データベース、および/またはIMGT抗体配列データベースを含む。これらのデータベースは、軽鎖および重鎖対データベースを生成するようにさらに処理され得、それはVL/VH界面における相関対突然変異を分析するために使用される。
「相関突然変異、対保存残基位置、または共変」は、アミノ酸対の生理化学的性質の共同変化として定義される。所与の抗体配列の中の全ての可能な位置的な対が、相関突然変異挙動を分析するために考慮される。例えば、配列の中の位置1が、位置2と比較され、次いで、位置3、次いで、位置4と比較される等である。
「相関突然変異、対保存残基位置、または共変からの逸脱」は、既知の可変ドメイン配列の多重配列整合を使用して特定される、対保存残基位置の観察されたパターンとは異なる、標的配列の中のアミノ酸対として定義される。例えば、標的配列の中の位置iおよびjが、異なる生理化学的特性を有する(例えば、iが疎水性であり、jが極性アミノ酸である)一方で、データベースでは、等価の位置iおよびjは、同一生理化学的グループ分けに属する(例えば、iおよびjの両方がアミノ酸の疎水性グループに属する)。
「対応する位置」は、配列整合に基づいて特定される。2つの異なる抗体に属する2つの位置は、従来の配列整合で視認されたとき、2つの配列を整合させるときに一方が他方のアミノ酸の下に位置付けられる場合に、対応すると見なされる。
「配列を整合させる」有用なアルゴリズムの例は、PILEUPである。PILEUPは、累進対整合を使用して、関連配列のグループから多重配列整合を作成する。それはまた、整合を作成するために使用されるクラスタ化関係を示すツリーも描画する。PILEUPは、Feng&Doolittle,1987,J.Mol.Evol.35:351−360の累進整合方法の簡素化版を使用し、本方法は、Higgins and Sharp,1989,CABIOS 5:151−153によって説明されるものに類似する。有用なPILEUPパラメータは、3.00というデフォルトギャップ重量、0.10というデフォルトギャップ長重量、および加重末端ギャップを含む。
さらなる有用なアルゴリズムは、Altschul et al.,1993,Nucl.Acids Res.25:3389−3402によって報告されるようなギャップ付きBLASTである。ギャップ付きBLASTは、BLOSUM−62置換スコア、9に設定された閾値Tパラメータ、ギャップなし拡張、kという電荷ギャップ長、10+kという費用をトリガするツーヒット方法、16に設定されたXu、およびデータベース検索段階のために40、アルゴリズムの出力段階のために67に設定されたXgを使用する。ギャップ付き整合は、約22ビットに対応するスコアによってトリガされる。
多重配列整合に一般的に使用されている別のアルゴリズムは、ClustalまたはClustalWである(HigginsおよびSharp 1988)。Clustalパラメータは、ギャップペナルティを含む。他の一般的に使用されているアルゴリズムは、MUSCLEと呼ばれる。
「改善された発現」とは、改善前の抗原結合タンパクと比較して、本発明の方法によって改善された、宿主細胞における抗原結合タンパク質の増加した発現として本明細書で定義される。宿主細胞は、抗原結合タンパク質の構成要素をコード化する1つ以上の核酸が過渡的に移入されるか、または安定的に移入され得る。改善された発現は、少なくとも5%の改善、少なくとも10%の改善、少なくとも15%、少なくとも20%の改善、少なくとも25%の改善、少なくとも30%の改善、少なくとも35%の改善、少なくとも40%の改善、少なくとも45%の改善、少なくとも50%の改善、少なくとも55%の改善、少なくとも60%の改善、少なくとも65%の改善、少なくとも70%の改善、少なくとも75%の改善、少なくとも80%の改善、少なくとも85%の改善、少なくとも90%の改善、少なくとも95%の改善、少なくとも100%の改善、または2倍、少なくとも3倍、少なくとも4倍、少なくとも5倍、少なくとも6倍、少なくとも7倍、少なくとも8倍、少なくとも9倍、少なくとも10倍、少なくとも15倍、少なくとも20倍、少なくとも25倍、少なくとも30倍、少なくとも35倍、少なくとも40倍、少なくとも45倍、少なくとも50倍、少なくとも55倍、少なくとも60倍、少なくとも65倍、少なくとも70倍、少なくとも75倍、少なくとも80倍、少なくとも85倍、少なくとも90倍、少なくとも95倍、または少なくとも100倍であってもよい。
「改善された熱安定性」とは、改善前の抗原結合タンパクと比較して、本発明の方法によって改善された、抗原結合タンパク質の融解温度(Tm)の上昇として本明細書で定義される。熱安定性改善は、少なくとも1℃、少なくとも2℃、少なくとも3℃、少なくとも4℃、少なくとも5℃、少なくとも6℃、少なくとも7℃、少なくとも8℃、少なくとも9℃、または少なくとも10℃であり得、抗原結合タンパク質のTmを測定する方法は、示差走査熱量測定(DSC)、示差走査蛍光測定(DSF)、円偏光二色性(CD)、ならびに遠および近紫外線CD分光法を含むが、それらに限定されない。
[発明の詳細な説明]
本明細書では、計算的アプローチを通して抗体の製造可能性または開発可能性を改善する方法が説明される。理想的には、候補抗体分子は、よく発現するべきであり、いずれの凝集問題も有するべきではなく、より高い物理的および化学的安定性、ならびに光誘起酸化への耐性等の他の改善された生物物理学的性質を有するべきである。本明細書で説明される方法は、(i)生理化学的性質に基づく、対保存残基位置の特定と、(ii)観察された対保存から、どのように目的とする抗体配列が逸脱するか(「違反」)を評価することと、(iii)免疫原性を低減させるために、逸脱位置を、配列および構造的状況を保つ生殖細胞系または関連生殖細胞系配列で見出されるアミノ酸と置換することを扱う。
本明細書では、計算的アプローチを通して抗体の製造可能性または開発可能性を改善する方法が説明される。理想的には、候補抗体分子は、よく発現するべきであり、いずれの凝集問題も有するべきではなく、より高い物理的および化学的安定性、ならびに光誘起酸化への耐性等の他の改善された生物物理学的性質を有するべきである。本明細書で説明される方法は、(i)生理化学的性質に基づく、対保存残基位置の特定と、(ii)観察された対保存から、どのように目的とする抗体配列が逸脱するか(「違反」)を評価することと、(iii)免疫原性を低減させるために、逸脱位置を、配列および構造的状況を保つ生殖細胞系または関連生殖細胞系配列で見出されるアミノ酸と置換することを扱う。
観察された違反は、非生殖細胞系列残基に限定されず、さらに、本方法は、しばしば、生殖細胞系列残基に関する問題を特定し、それらが関連する生殖細胞系列残基に置き換えられることを提案する。本方法は、異なる抗原に結合する十数個の抗体に適用され、293およびCHO細胞における熱安定性および過渡的発現の一貫した改善を観察している。しばしば、全ての違反を修正させた抗体構築物が、熱安定性および発現の最大の改善を示す。これは、本明細書で説明される方法によって特定された違反が有意義なものであり、成功が偶然の成果ではないことを示唆する。一般に、熱安定性の観察される改善は、分子および修正された違反の数に依存して、1℃から12℃まで様々であり、発現の改善は、過渡的発現において2倍から100倍まで様々である。
共変または相関突然変異分析の第1のステップは、関連抗体配列の多重配列整合に基づいて、相関性があるか、または共変する対位置を特定することを伴う(図3)。この目的で、20個の自然発生アミノ酸が、それらの生理化学的性質に基づいて、種々のグループに分類される。例えば、6グループ分類では、20個のアミノ酸は、小疎水性、芳香族、中立極性、正電荷を持つ、および負電荷を持つ残基として分類される。配列の中のグリシンおよび欠失は、第6のグループと見なされる。保存スコアは、Gunasekaran et al.,Proteins 54:179−194,2004(Gunasekaran et al.2004)で説明されているものに類似する式を使用して、各対位置に対して計算される。保存スコアは、同一生理化学的グループに属する対の数で、異なる生理化学的グループに属する対の数でその合計を減算するものとして定義される。例えば、3つのグループに分類される20個のアミノ酸の場合、保存スコア=HiHjの数+PiPjの数−[HiPjの数+HjまたはPjを伴うiにおける欠失の数]である。式中、i=1、N−1、j=i+1、N、N=目的とする標的配列の配列長、H−疎水性、P−極性アミノ酸である。保存スコアは、正または負の整数であり得る。
閾値またはカットオフは、保存スコア×100/配列の総数として定義される。保存スコアに基づいて、異なる閾値レベル(60から90%)で相関性がある対位置が特定される。相関突然変異分析の第2のステップは、標的抗体配列における逸脱(または共変逸脱)、すなわち、関連抗体配列では相関性がある(既知の抗体配列が、目的とする標的配列と同じサブタイプに属する)が、標的配列では相関性がない対を特定することを伴う。相関突然変異分析の第3のステップは、共変違反を修正することを伴う。これは、どのアミノ酸が関連抗体配列のデータベース内の共変違反位置で頻繁に発生しているかを調べることによって、行われてもよい。さらに、好ましい実施形態では、置換アミノ酸が、生殖細胞系列または関連生殖細胞系配列で見出され、配列および構造的状況が生殖細胞系配列の場合のように維持されることを確実にするように、注意が払われる。このステップは、突然変異により生じ得る免疫原性の可能性を低減させるように行われる。
本発明の方法によって改善された抗原結合タンパク質
本発明の方法によって改善された抗原結合タンパク質
基本的に、抗体可変ドメインを含む、いかなる抗原結合タンパク質も、本明細書で説明される方法によって分析され得、違反が可変ドメインの配列で見出されたとき、違反残基の、非違反残基、例えば、生殖細胞系列または関連生殖細胞系列残基による置換を通して改善され得る。好ましい抗原結合タンパク質は、治療抗体である。改善された治療抗体は、軽鎖の可変ドメインおよび/または重鎖の可変ドメインにおいて1つ以上の違反が「修正」されたものであり得る。
ある実施形態では、本明細書で説明される方法によって分析および改善された抗原結合タンパク質は、臨床試験において、または臨床用途のための開発において使用するために承認された治療抗体である。そのような治療抗体は、非ホジキンリンパ腫を治療するために承認されたキメラ抗CD20抗体である、リツキシマブ(Rituxan(登録商標)、IDEC/Genentech/Roche)(例えば、米国特許第5,736,137号を参照)、Genmabによって現在開発されている抗CD20である、HuMax−CD20、米国特許第5,500,362号で説明されている抗CD20抗体、AME−133(Applied Molecular Evolution)、hA20(Immunomedics,Inc.)、HumaLYM(Intracel)、およびPRO70769(「Immunoglobulin Variants and Uses Thereof」と題されたPCT/US第2003/040426号)、乳癌を治療するために承認されたヒト化抗Her2/neu抗体である、トラスツズマブ(Herceptin(登録商標)、Genentech)(例えば、米国特許第5,677,171号を参照)、Genentechによって現在開発されているペルツズマブ(rhuMab−2C4、Omnitarg(登録商標))、米国特許第4,753,894号で説明されている抗Her2抗体、種々の癌の臨床試験におけるキメラ抗EGFR抗体である、セツキシマブ(Erbitux(登録商標)、Imclone)(米国特許第4,943,533号、PCT国際公開第96/40210号)、ABX−EGF(Vectibix(登録商標)、米国特許第6,235,883号)、Genmabによって現在開発されているHuMax−EGFr(米国第10/172,317号)、425、EMD55900、EMD62000、およびEMD72000(Merck KGaA)(米国特許第5,558,864号、Murthy et al.1987,Arch Biochem Biophys.252(2):549−60、Rodeck et al.,1987,J Cell Biochem.35(4):315−20、Kettleborough et al.,1991,Protein Eng.4(7):773−83)、ICR62(Institute of Cancer Research)(PCT国際公開第95/20045号、Modjtahedi et al.,1993,J.Cell Biophys.1993,22(1−3):12946、Modjtahedi et al.,1993,Br J.Cancer.1993,67(2):247−53、Modjtahedi et al,1996,Br J Cancer,73(2):228−35、Modjtahedi et al,2003,Int J Cancer,105(2):273−80)、TheraCIM hR3(YM Biosciences,CanadaおよびCentro de Immunologia Molecular,Cuba(米国特許第5,891,996号、米国特許第6,506,883号、Mateo et al,1997,Immunotechnology,3(1):71−81)、mAb−806(Ludwig Institue for Cancer Research,Memorial Sloan−Kettering)(Jungbluth et al.2003,Proc Natl Acad Sci USA.100(2):639−44)、KSB−102(KS Biomedix)、MR1−1(IVAX,National Cancer Institute)(PCT国際公開第0162931A2号)、およびSC100(Scancell)(PCT国際公開第01/88138号)、B細胞慢性リンパ球性白血病の治療のために現在承認されているヒト化モノクローナル抗体である、アレムツズマブ(Campath(登録商標)、Millenium)、Ortho Biotech/Johnson & Johnsonによって開発された抗CD3抗体である、ムロモナブCD3(Orthoclone OKT3(登録商標))、IDEC/Schering AGによって開発された抗CD20抗体である、イブリツモマブ・チウキセタン(Zevalin(登録商標))、Celltech/Wyethによって開発された抗CD33(p67タンパク質)抗体である、ゲムツズマブ・オゾガマイシン(Mylotarg(登録商標))、Biogenによって開発された抗LFA−3Fc融合である、アレファセプト(Amevive(登録商標))、Centocor/Lillyによって開発されたアブシキマブ(ReoPro(登録商標))、Novartisによって開発されたバシリキシマブ(Simulect(登録商標))、Medimmuneによって開発されたパリビズマブ(Synagis(登録商標))、Centocorによって開発された抗TNFアルファ抗体である、インフリキシマブ(Remicade(登録商標))、Abbottによって開発された抗TNFアルファ抗体である、アダリムマブ(Humira(登録商標))、Celltechによって開発された抗TNFアルファ抗体である、Humicade(登録商標)、Centocorによって開発された完全ヒトTNF抗体である、ゴリムマブ(CNTO−148)、Abgenixによって開発されている抗CD147抗体である、ABX−CBL、Abgenixによって開発されている抗IL8抗体である、ABX−IL8、Abgenixによって開発されている抗MUC18抗体である、ABX−MA1、Antisomaによって開発中の抗MUC1である、ペムツモマブ(R1549、90Y−muHMFG1)、Antisomaによって開発されている抗MUC1抗体である、Therex(R1550)、Antisomaによって開発されているAngioMab(AS1405)、Antisomaによって開発されているHuBC−1、Antisomaによって開発されているThioplatin(AS1407)、Biogenによって開発されている抗アルファ−4−ベータ−1(VLA−4)およびアルファ−4−ベータ−7抗体である、Antegren(登録商標)(ナタリズマブ)、Biogenによって開発されている抗VLA−1インテグリン抗体である、VLA−1 mAb、Biogenによって開発されている抗リンホトキシンベータ受容体(LTBR)抗体である、LTBR mAb、Cambridge Antibody Technologyによって開発されている抗TGF−ベータ2抗体である、CAT−152、Abbottによって開発されている抗IL−12p40抗体である、ABT 874(J695)、Cambridge Antibody TechnologyおよびGenzymeによって開発されている抗TGFベータ1抗体である、CAT−192、Cambridge Antibody Technologyによって開発されている抗エオタキシン1抗体である、CAT−213、Cambridge Antibody TechnologyおよびHuman Genome Sciences Inc.によって開発されている抗Blys抗体である、LymphoStat−B(登録商標)、Cambridge Antibody TechnologyおよびHuman Genome Sciences Inc.によって開発されている抗TRAIL−R1抗体である、TRAIL−R1mAb、Avastin(登録商標)ベバシズマブ、Genentechによって開発されている抗VEGF抗体である、rhuMAb−VEGF、Genentechによって開発されている抗HER受容体ファミリー抗体、Genentechによって開発されている抗組織因子抗体である、抗組織因子(ATF)、Genentechによって開発されている抗IgE抗体である、Xolair(登録商標)(オマリズマブ)、GenentechおよびXomaによって開発されている抗CD11a抗体である、Raptiva(登録商標)(エファリズマブ)、GenentechおよびMillenium Pharmaceuticalsによって開発されているMLN−02抗体(以前はLDP−02)、Genmabによって開発されている抗CD4抗体である、HuMax CD4、GenmabおよびAmgenによって開発されている抗IL15抗体である、HuMax−IL15、GenmabおよびMedarexによって開発されているHuMax−Inflam、GenmabおよびMedarexおよびOxford GcoSciencesによって開発されている抗ヘパラナーゼI抗体である、HuMax−Cancer、GenmabおよびAmgenによって開発されているHuMax−Lymphoma、Genmabによって開発されているHuMax−TAC、IDEC Pharmaceuticalsによって開発されている抗CD40L抗体である、IDEC−131、IDEC Pharmaceuticalsによって開発されている抗CD4抗体である、IDEC−151(クレノリキシマブ)、IDEC Pharmaceuticalsによって開発されている抗CD80抗体である、IDEC−114、IDEC Pharmaceuticalsによって開発されている抗CD23である、IDEC−152、IDEC Pharmaceuticalsによって開発されている抗マクロファージ遊走因子(MIF)抗体、Imcloneによって開発されている抗イディオタイプ抗体である、BEC2、Imcloneによって開発されている抗KDR抗体である、IMC−1C11、
Imcloneによって開発されている抗flk−1抗体である、DC101、Imcloneによって開発されている抗VEカドヘリン抗体、Immunomedicsによって開発されている抗癌胎児性抗原(CEA)抗体である、CEA−Cide(登録商標)(ラベツズマブ)、Immunomedicsによって開発されている抗CD22抗体である、LymphoCide(登録商標)(エプラツズマブ)、Immunomedicsによって開発されているAFP−Cide、Immunomedicsによって開発されているMyelomaCide、Immunomedicsによって開発されているLkoCide、Immunomedicsによって開発されているProstaCide、Medarexによって開発されている抗CTLA4抗体である、MDX−010、Medarexによって開発されている抗CD30抗体である、MDX−060、Medarexによって開発されているMDX−070、Medarexによって開発されているMDX−018、MedarexおよびImmuno−Designed Moleculesによって開発されている抗Her2抗体である、Osidem(登録商標)(IDM−1)、MedarexおよびGenmabによって開発されている抗CD4抗体である、HuMax(登録商標)−CD4、MedarexおよびGenmabによって開発されている抗IL15抗体である、HuMax−IL15、MedarexおよびCentocor/J&Jによって開発されている抗TNFアルファ抗体である、CNTO 148、Centocor/J&Jによって開発されている抗サイトカイン抗体である、CNTO 1275、MorphoSysによって開発されている抗細胞間接着分子−1(ICAM−1)(CD54)抗体である、MOR101およびMOR102、MorphoSysによって開発されている抗線維芽細胞成長因子受容体3(FGFR−3)抗体である、MOR201、Protein Design Labsによって開発されている抗CD3 抗体である、Nuvion(登録商標)(ビジリズマブ)、Protein Design Labsによって開発されている抗ガンマインターフェロン抗体である、HuZAF.RTM.、Protein Design Labsによって開発されている抗アルファ5ベータ1インテグリン、Protein Design Labsによって開発されている抗IL−12、Xomaによって開発されている抗Ep−CAM抗体である、ING−1、GenentechおよびNovartisによって開発されているヒト化抗IgE抗体である、Xolair(登録商標)(オマリズマブ)、およびXomaによって開発されている抗ベータ2インテグリン抗体である、MLN01を含むが、それらに限定されず、この段落内の上で引用される参考文献の全ては、参照することにより本明細書に明示的に組み込まれる。
Imcloneによって開発されている抗flk−1抗体である、DC101、Imcloneによって開発されている抗VEカドヘリン抗体、Immunomedicsによって開発されている抗癌胎児性抗原(CEA)抗体である、CEA−Cide(登録商標)(ラベツズマブ)、Immunomedicsによって開発されている抗CD22抗体である、LymphoCide(登録商標)(エプラツズマブ)、Immunomedicsによって開発されているAFP−Cide、Immunomedicsによって開発されているMyelomaCide、Immunomedicsによって開発されているLkoCide、Immunomedicsによって開発されているProstaCide、Medarexによって開発されている抗CTLA4抗体である、MDX−010、Medarexによって開発されている抗CD30抗体である、MDX−060、Medarexによって開発されているMDX−070、Medarexによって開発されているMDX−018、MedarexおよびImmuno−Designed Moleculesによって開発されている抗Her2抗体である、Osidem(登録商標)(IDM−1)、MedarexおよびGenmabによって開発されている抗CD4抗体である、HuMax(登録商標)−CD4、MedarexおよびGenmabによって開発されている抗IL15抗体である、HuMax−IL15、MedarexおよびCentocor/J&Jによって開発されている抗TNFアルファ抗体である、CNTO 148、Centocor/J&Jによって開発されている抗サイトカイン抗体である、CNTO 1275、MorphoSysによって開発されている抗細胞間接着分子−1(ICAM−1)(CD54)抗体である、MOR101およびMOR102、MorphoSysによって開発されている抗線維芽細胞成長因子受容体3(FGFR−3)抗体である、MOR201、Protein Design Labsによって開発されている抗CD3 抗体である、Nuvion(登録商標)(ビジリズマブ)、Protein Design Labsによって開発されている抗ガンマインターフェロン抗体である、HuZAF.RTM.、Protein Design Labsによって開発されている抗アルファ5ベータ1インテグリン、Protein Design Labsによって開発されている抗IL−12、Xomaによって開発されている抗Ep−CAM抗体である、ING−1、GenentechおよびNovartisによって開発されているヒト化抗IgE抗体である、Xolair(登録商標)(オマリズマブ)、およびXomaによって開発されている抗ベータ2インテグリン抗体である、MLN01を含むが、それらに限定されず、この段落内の上で引用される参考文献の全ては、参照することにより本明細書に明示的に組み込まれる。
本明細書で説明される方法によって分析され、改善され得る、追加の抗原結合タンパク質は、以下の米国特許および公開特許出願で説明されているものを含む(それらの全体で参照することにより本明細書に組み込まれる:第7364736号、第7872106号、第7871611号、第7868140号、第7867494号、第7842788号、第7833527号、第7824679号、第7807798号、第7807795号、第7807159号、第7736644号、第7728113号、第7728110号、第7718776号、第7709611号、第7700742号、第7658924号、第7628986号、第7618633号、第7601818号、第7592430号、第7585500号、第7579186号、第7572444号、第7569387号、第7566772号、第7541438号、第7537762号、第7524496号、第7521053号、第7521048号、第7498420号、第7449555号、第7438910号、第7435796号、第7423128号、第7411057号、第7378091号、第7371381号、第7335743号、第7288253号、第7285269号、第7265212号、第7135174号、第7084257号、第7081523号、第6169167号、第6143874号、第4599306号、第4504586号、第7705130号、第7592429号、第6849450号、第7820877号、第7794970号、第7563442号、第7422742号、第7326414号、第7288251号、第7202343号、第7141653号、第7090844号、第7078492号、第7037498号、第6924360号、第6682736号、第6500429号、第6235883号、第5885574号、第7872113号、第7807796号、第7786271号、第7767793号、第7763434号、第7744886号、第7741115号、第7704501号、第7638606号、第7411050号、第7304144号、第7285643号、第7273609号、第7199224号、第7138500号、第7067475号、第7057022号、第7045128号、第6793919号、第6740522号、第6716587号、第6596852号、第6562949号、第6521228号、第6511665号、第6232447号、第6184359号、第6177079号、第6150584号、第6110690号、第6072037号、第6015559号、第6004553号、第5969110号、第5961974号、第5925740号、第5892001号、第5785967号、第5728813号、第5717072号、第5677430号、第5620889号、第5591630号、第5543320号、第20110052604号、第20110045537号、第20110044986号、第20110040076号、第20110027287号、第20110014201号、第20110008841号、第7888482号、第7887799号、第20100292442号、第20100255538号、第20100254975号、第20100247545号、第20100209435号、第20100197005号、第20100183616号、第20100111979号、第20100098694号、第20100047253号、第20100040619号、第20100036091号、第20100034818号、第20100028906号、第20100028345号、第20100015723号、第7795413号、第20090306351号、第20090285824号、第20090274688号、第20090263383号、第20090240038号、第20090238823号、第20090234106号、第20090226447号、第20090226438号、第20090214559号、第20090191212号、第20090175887号、第20090155274号、第20090155164号、第20090074758号、第20090041784号、第20080292639号、第20080248043号、第20080221307号、第20080166352号、第20080152587号、第20080107655号、第20080064104号、第20080033157号、第20070237759号、第20070196376号、第20070065444号、第20070014793号、第20060275292号、第20060263354号、第20060246064号、第20060127393号、第20060078967号、第20060002931号、第20050152896号、第2050124537号、第20050004353号、第20050003400号、第20040260064号、第20040097712号、第20030026806号、第20010027179号、第5552286号、第5106760号、第4845198号、第4558006号、第20100305307号、第7790674号、第7695948号、第7666839号、第20090208489号、および第20080132688号。
一実施形態では、改善された抗原結合タンパク質は、1個から6個のCDRを含む抗体である。抗体は、IgM、IgG(IgG1、IgG2、IgG3、IgG4を含む)、IgD、IgA、またはIgE抗体を含む、任意の種類であってもよい。具体的な実施形態では、抗原結合タンパク質は、IgG型抗体、例えば、IgG1抗体である。
ある実施形態では、改善された抗原結合タンパク質は、多特異的抗体であり、とりわけ、「ダイアボディ」とも呼ばれる、二重特異的抗体である。これらは、2つ以上の異なる抗原または単一の抗原上の異なるエピトープに結合する抗体である。ある実施形態では、二重特異的抗体は、ヒトエフェクタ細胞(例えば、T細胞)上の抗原に結合する。そのような抗体は、腫瘍細胞等の標的発現細胞に対するエフェクタ細胞応答を標的とするのに有用である。好ましい実施形態では、ヒトエフェクタ細胞抗原は、CD3である。米国特許第7,235,641号。二重特異的抗体を作製する方法は、当技術分野で公知である。1つのそのような方法は、細胞において共発現されたときに重鎖のヘテロ二量体形成を促進する、「ノブ」および「穴」を作成するため等に、重鎖のFc部分を設計することを伴う。米国第7,695,963号。別の方法はまた、重鎖のFc部分を設計することを伴うが、細胞において共発現されたときに重鎖のホモ二量体形成を阻止しながら、ヘテロ二量体形成を促すために、静電操縦を使用する。その全体で参照することにより本明細書に組み込まれる、国際公開第09/089,004号。
一実施形態では、改善された抗原結合タンパク質は、ミニボディである。ミニボディは、CH3ドメインに接合されたscFvを含む、最小限化抗体様タンパク質である。Hu et al.,1996,Cancer Res.56:3055−3061を参照されたい。
一実施形態では、改善された抗原結合タンパク質は、ドメイン抗体である。例えば、米国特許第6,248,516号を参照されたい。ドメイン抗体(dAb)は、ヒト抗体の重(VH)または軽(VL)鎖のいずれかの可変領域に対応する、抗体の機能的結合ドメインである。dABは、約13kDa、または完全抗体のサイズの10分の1未満の分子量を有する。dABは、細菌、酵母、およびほ乳類細胞システムを含む、種々の宿主においてよく発現される。加えて、dAbは、高度に安定しており、凍結乾燥または熱変性等の厳しい条件に曝された後でさえも活性を保持する。例えば、米国特許第6,291,158号、第6,582,915号、第6,593,081号、第6,172,197号、米国第2004/0110941号、欧州特許第0368684号、米国特許第6,696,245号、PCT国際公開第04/058821号、PCT国際公開第04/003019号、およびPCT国際公開第03/002609号を参照されたい。
一実施形態では、改善された抗原結合タンパク質は、抗体断片である。種々の実施形態では、改良型抗体結合タンパク質は、F(ab)、F(ab′)、F(ab′)2、Fv、一本鎖Fv断片を含むが、それらに限定されない。
改良型結合抗体断片のさらなる実施例は、以下を含むものを含むが、それらに限定されない:(i)VL、VH、CL、およびCH1ドメインから成るFab断片、(ii)VHおよびCH1ドメインから成るFd断片、(iii)単一の抗体のVLおよびVHドメインから成るFv断片、(iv)単一の可変から成るdAb断片(Ward et al.,1989,Nature 341:544−546)、(v)単離フレームワークおよびCDR領域、(vi)2つの連結されたFab断片を含む二価断片である、F(ab′)2断片、(vii)VHドメインおよびVLドメインが、2つのドメインが関連して抗原結合部位を形成することを可能にする、ペプチドリンカーによって連結される、一本鎖Fv分子(scFv)(Bird et al.,1988,Science 242:423−426、Huston et al.,1988,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.85:5879−5883)、(viii)二重特異的一本鎖Fv二量体(PCT/US第92/09965号)、および(ix)遺伝子融合によって構築された多価または多特異的断片である、「ダイボディ」または「トリアボディ」(Tomlinson et.al.,2000,Methods Enzymol.326:461−479、WO94/13804、Holliger et al.,1993,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.90:6444−6448)。
抗体断片は、さらに修正されてもよい。例えば、分子は、VHおよびVLドメインを連結するジスルフィド架橋を組み込むことによって安定させられ得る(Reiter et al.,1996,Nature Biotech.14:1239−1245)。
ある実施形態では、改善された抗原結合タンパク質は、一本鎖抗体である。一本鎖抗体は、アミノ酸架橋(短ペプチドリンカー)を介して重鎖および軽鎖可変ドメイン(Fv領域)断片を連結し、単一のポリペプチド鎖をもたらすことによって形成され得る。そのような一本鎖Fv(scFv)は、2つの可変ドメインポリペプチド(VLおよびVH)をコード化するDNAの間のペプチドリンカーをコード化するDNAを融合することによって調製されている。結果として生じるポリペプチドは、2つの可変ドメインの間の柔軟リンカーの長さに応じて、抗原結合単量体を形成するように自ら折り重なり戻ることができ、または多量体(例えば、二量体、三量体、または四量体)を形成することができる(Kortt et al.,1997,Prot.Eng.10:423、Kortt et al.,2001,Biomol.Eng.18:95−108)。異なるVLおよびVHを含むポリペプチドを組み合わせることによって、異なるエピトープに結合する多量体scFvを形成することができる(Kriangkum et al.,2001,Biomol.Eng.18:31−40)。一本鎖抗体の産生のために開発された技法は、米国特許第4,946,778号、Bird,1988,Science 242:423、Huston et al.,1988,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:5879、Ward et al.,1989,Nature 334:544、de Graaf et al.,2002,Methods Mol Biol.178:379−87で説明されているものを含む。
一実施形態では、改善された抗原結合タンパク質は、抗体融合タンパク質(時として「抗体複合体」と呼ばれる)である。複合体パートナーは、タンパク性または非タンパク性であり得、後者は、概して、抗原結合タンパク質上および複合体パートナー上の官能基を使用して生成される。ある実施形態では、抗体は、抗体薬剤複合体を形成するように、非タンパク性化学物質(薬剤)に複合体化される。
いくつかの実施形態では、本発明の改善された抗原結合タンパク質は、単離タンパク質または実質的に純粋なタンパク質である。「単離」タンパク質は、自然状態でそれに伴う物質のうち少なくとも一部を伴わないものであり、例えば、所与のサンプル中で、総タンパク量の少なくとも約5重量%または少なくとも約50重量%を成す。単離タンパク質は、状況に応じて、総タンパク含量の5から99.9重量%を形成し得ることが理解される。例えば、タンパク質は、タンパク質が増加した濃度レベルで作製されるように、誘導性プロモータまたは高発現プロモータの使用を通して、有意により高い濃度で作製され得る。この定義には、当技術分野で公知である多種多様の生物および/または宿主細胞における抗原結合タンパク質の産生が含まれる。
改善された抗原結合タンパク質は、さらに修飾されてもよい。改善された抗原結合タンパク質の共有結合修飾が、本発明の範囲内に含まれ、必ずではないが概して、翻訳後に行われる。例えば、抗原結合タンパク質の特定のアミノ酸残基を、選択された側鎖またはNあるいはC末端残基と反応することができる有機誘導体化剤と反応させることによって、抗原結合タンパク質の数種類の共有結合修飾が、分子に導入される。
システイニル残基が、最も一般的に、カルボキシメチルまたはカルボキシアミドメチル誘導体を生じるように、クロロ酢酸またはクロロアセトアミド等のα−ハロアセテート(および対応するアミン)と反応させられる。システイニル残基はまた、ブロモトリフロオロアセトン、α−ブロモ−β−(5−イミダゾイル)プロピオン酸、クロロアセチルリン酸、N−アルキルマレイミド、3−ニトロ−2−ピリジルジスルフィド、メチル2−ピリジルジスルフィド、p−クロロ水銀安息香酸、2−クロロメルクリ−4−ニトロフェノール、またはクロロ−7−ニトロベンゾ−2−オキサ−1,3−ジアゾールとの反応によっても誘導体化される。
ヒスチジル残基は、pH5.5〜7.0でのジエチルピロカーボネートが、ヒスチジル側鎖に対して比較的特異的であるため、この作用物質との反応によって誘導体化される。パラ臭化ブロモフェナシルも有用であり、反応は、好ましくは、pH6.0で、0.1Mカコジル酸ナトリウムで行われる。
リシニルおよびアミノ末端残基が、コハク酸または他のカルボン酸無水物と反応させられる。これらの作用物質を用いた誘導体化には、リシニル残基の電荷を逆転させる効果がある。アルファアミノ含有残基を誘導体化するための他の好適な試薬は、メチルピコリンイミデート等のイミドエステル、ピリドキサルリン酸、ピリドキサル、クロロボロヒドリド、トリニトロベンゼンスルホン酸、O−メチルイソ尿素、2,4−ペンタンジオン、およびグリオキシル酸とのアミノ基転移酵素触媒反応を含む。
アルギニル残基は、1つまたはいくつかの従来の試薬、中でも、フェニルグリオキサール、2,3−ブタンジオン、1,2−シクロヘキサンジオン、およびニンヒドリンとの反応によって修飾される。アルギニン残基の誘導体化は、反応が、グアニジン官能基の高いpKaにより、アルカリ条件で行われることを要求する。さらに、これらの試薬は、リシン基ならびにアルギニンイプシロン−アミノ基と反応してもよい。
チロシル残基の特異的修飾が、芳香族ジアゾニウム化合物またはテトラニトロメタンとの反応によってスペクトル標識をチロシル残基に導入することに特に着目して、行われてもよい。最も一般的には、それぞれ、O−アセチルチロシル種および3−ニトロ誘導体を形成するために、N−アセチルイミジゾールおよびテトラニトロメタンが使用される。チロシル残基は、好適な前述のクロラミンT方法である、放射免疫測定で使用するための標識タンパク質を調製するように、125Iまたは131Iを使用してヨウ素化される。
カルボキシル側基(アスパルチルまたはグルタミル)は、カルボジイミド(R′−N=C=N−−R′)との反応によって選択的に修飾され、RおよびR′は、随意に、1−シクロヘキシル−3−(2−モルホリニル−(4−エチル)カルボジイミドまたは1−エチル−3−(4−アゾニア−4,4−ジメチルペンチル)カルボジイミド等の異なるアルキル基である。さらに、アスパルチルおよびグルタミル残基は、アンモニウムイオンとの反応によって、アスパラギニルおよびグルタミニル残基に変換される。
二官能性薬剤を用いた誘導化は、種々の方法で使用するために、抗原結合タンパク質を水不溶性支持マトリクスまたは表面に架橋させるために有用である。一般に使用されている架橋剤は、例えば、1,1−ビス(ジアゾアセチル)−2−フェニルエタン、グルタルアルデヒド、N−ヒドロキシスクシンイミドエステル、例えば、4−アジドサリチル酸とのエステル、3,3′−ジチオビス(スクシンイミジルプロピオナート)等のジスクシンイミジルエステルを含むホモ二官能性イミドエステル、およびビス−N−マレイミド−1,8−オクタン等の二官能性マレイミドを含む。メチル−3−[(p−アジドフェニル)ジチオ]プロピオイミダート等の誘導化剤は、光の存在下で架橋を形成することができる、光活性化可能な中間体をもたらす。代替として、例えば、米国特許第3,969,287号、第3,691,016号、第4,195,128号、第4,247,642号、第4,229,537号、および第4,330,440号で説明されている臭化シアン活性化炭水化物および反応基質等の反応性水不溶性マトリクスが、タンパク質の固定化のために採用される。
グルタミニルおよびアスパラギニル残基は、頻繁に、それぞれ、対応するグルタミルおよびアスパルチル残基に脱アミド化される。代替として、これらの残基は、弱酸性条件下で脱アミド化される。これらの残基のいずれの形態も本発明の範囲内に入る。
他の修飾には、プロリンおよびリジンの水酸化、セリルまたはスレオニル残基のヒドロキシル基のリン酸化、リシン、アルギニン、およびヒスチジン側鎖のα−アミノ基のメチル化(T.E.Creighton,Proteins:Structure and Molecular Properties,W.H.Freeman & Co.,San Francisco,1983,pp.79−86)、N末端アミンのアセチル化、および任意のC末端カルボキシル基のアミド化を含む。
本発明の範囲内に含まれる改善された抗原結合タンパク質の別の種類の共有結合修飾は、タンパク質の糖鎖付加パターンを改変することを含む。当技術分野で公知であるように、糖鎖付加パターンは、タンパク質の配列(例えば、以下で論議される、特定の糖鎖付加アミノ酸残基の存在または欠如)、およびタンパク質が産生される宿主細胞または生物の両方に依存し得る。特定の発現系が、以下で考察される。
ポリペプチドの糖鎖付加は、典型的には、N結合型またはO結合型のいずれかである。N結合は、アスパラギン残基の側鎖への炭水化物部分の付着を指す。Xがプロリンを除く任意のアミノ酸である、アスパラギン−X−セリンおよびアスパラギン−X−トレオニン等のトリペプチド配列は、アスパラギン側鎖への炭水化物部分の酵素付着の認識配列である。したがって、ポリペプチドにおけるこれらのトリペプチド配列のうちのいずれかの存在が、潜在的な糖鎖付加部位を作成する。O結合型糖鎖付加は、ヒドロキシアミノ酸、最も一般的にはセリンまたはトレオニンへのN−アセチルガラクトサミン、ガラクトース、またはキシロースといった糖のうちの1つの付着を指すが、5−ヒドロキシプロリンまたは5−ヒドロキシリシンも使用されてもよい。
改善された抗原結合タンパク質への糖鎖付加部位の追加は、(N結合型糖鎖付加部位に対して)上記のトリペプチド配列のうちの1つ以上を含有するようにアミノ酸配列を改変することによって、利便的に達成される。改変はまた、(O結合型糖鎖付加部位に対して)開始配列への1つ以上のセリンまたはトレオニン残基の追加または置換によって、行われてもよい。容易にするために、抗原結合タンパク質アミノ酸配列は、とりわけ、所望のアミノ酸に転換するコドンが生成されるように、事前選択された塩基における標的ポリペプチドをコード化するDNAを突然変異させることによる、好ましくは、DNAレベルでの変化を通して改変される。
改善された抗原結合タンパク質上の炭水化物部分の数を増加させる別の手段は、タンパク質へのグリコシドの化学または酵素結合によるものである。これらの手順は、NおよびO結合型糖鎖付加のための糖鎖付加能力を有する宿主細胞においてタンパク質の産生を必要としないという点で有利である。使用される結合モードに応じて、糖は、(a)アルギニンおよびヒスチジン、(b)遊離カルボキシル基、(c)システインのもの等の遊離スルフヒドリル基、(d)セリン、トレオニン、またはヒドロキシプロリンのもの等の遊離ヒドロキシル基、(e)フェニルアラニン、チロシン、またはトリプトファンのもの等の芳香族残基、または(f)グルタミンのアミド基に付着させられてもよい。これらの方法は、1987年9月11日公開の国際公開第87/05330号、およびAplin and Wriston,1981,CRC Crit.Rev.Biochem.,pp.259−306で説明されている。
改善された抗原結合タンパク質上に存在する炭水化物部分の除去は、化学的または酵素的に達成され得る。化学的脱グルコシル化は、トリフルオロメタンスルホン酸という化合物または同等の化合物へのタンパク質の暴露を必要とする。この処理は、ポリペプチドを無傷のまま残して、結合糖(N−アセチルグルコサミンまたはN−アセチルガラクトサミン)を除くほとんどまたは全ての糖の切断をもたらす。化学的脱グルコシル化は、Hakimuddin et al.,1987,Arch.Biochem.Biophys.259:52によって、およびEdge et al.,1981,Anal.Biochem.118:131によって説明されている。ポリペプチド上の炭水化物部分の酵素的切断は、Thotakura et al.,1987,Meth.Enzymol.138:350によって説明されているように、種々の内部および外部グリコシダーゼの使用によって達成することができる。潜在的な糖鎖付加部位における糖鎖付加は、Duskin et al.,1982,J.Biol.Chem.257:3105によって説明されているように、ツニカマイシンという化合物の使用によって防止されてもよい。ツニカマイシンは、タンパク質−N−グリコシド結合の形成を阻止する。
改善された抗原結合タンパク質の別の種類の共有結合修飾は、米国特許第4,640,835号、第4,496,689号、第4,301,144号、第4,670,417号、第4,791,192号、または第4,179,337号で記載される方式で、抗原結合タンパク質を、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、またはポリオキシアルキレン等の種々のポリオールであるが、それらに限定されない、種々の非タンパク性ポリマーに結合することを含む。加えて、当技術分野で公知であるように、PEG等のポリマーの追加を促進するように、アミノ酸置換が、抗原結合タンパク質内の種々の位置で作製されてもよい。
いくつかの実施形態では、本発明の改善された抗原結合タンパク質の共有結合修飾は、1つ以上の指標の追加を含む。
「指標基」という用語は、任意の検出可能な指標を意味する。好適な指標基の実施例は、放射性同位体または放射性核種(例えば、3H、14C、15N、35S、90Y、99Tc、111In、125I、131I)、蛍光基(例えば、FITC、ローダミン、ランタニド蛍光体)、酵素基(例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ、β−ガラクトシダーゼ、ルシフェラーゼ、アルカリホスファターゼ)、化学発光基、ビオチニル基、または二次的レポータによって認識される所定のポリペプチドエピトープ(例えば、ロイシンジッパー対配列、二次抗体の結合部位、金属結合ドメイン、エピトープタグ)等を含むが、それらに限定されない。いくつかの実施形態では、指標基は、可能性のある立体障害を低減させるように、種々の長さのスペーサアームを介して、改善された抗原結合タンパク質に連結される。タンパク質を指標化するための種々の方法が、当技術分野で公知であり、本発明を行う際に使用されてもよい。
特異的標識は、発色団、蛍光体、およびフルオロフォアを含むが、それらに限定されない、光学色素を含み、後者は多くの場合で特異的である。フルオロフォアは、「小分子」フルオロまたはタンパク性フルオロのいずれかであり得る。
「蛍光標識」は、その固有蛍光性質を介して検出され得る、任意の分子を意味する。好適な蛍光標識は、フルオレセイン、ローダミン、テトラメチルローダミン、エオシン、エリトロシン、クマリン、メチルクマリン、ピレン、マラカイトグリーン、スチルベン、ルシファーイエロー、カスケードブルーJ、テキサスレッド、IAEDANS、EDANS、BODIPY FL、LC Red 640、Cy 5、Cy 5.5、LC Red 705、オレゴングリーン、Alexa−Fluor染料(Alexa Fluor 350、 Alexa Fluor 430、Alexa Fluor 488、Alexa Fluor 546、Alexa Fluor 568、 Alexa Fluor 594、Alexa Fluor 633、Alexa Fluor 660、Alexa Fluor 680)、カスケードブルー、カスケードイエロー、およびR−フィコエリトリン(PE)(Molecular Probes,Eugene,OR)、FITC、ローダミン、およびテキサスレッド(Pierce,Rockford,IL)、Cy5、Cy5.5、Cy7(Amersham Life Science,Pittsburgh,PA)を含むが、それらに限定されない。フルオロフォアを含む好適な蛍光標識は、参照することにより本明細書に明示的に組み込まれる、Richard P.HauglandによるMolecular Probes Handbookで説明されている。
好適なタンパク性蛍光標識はまた、GFPのウミシイタケ、プチロサルカス(Ptilosarcus)、またはクラゲ(Aequorea)種(Chalfie et al.,1994,Science 263:802−805)、EGFP(Clontech Laboratories,Inc.,Genbank登録番号U55762)を含む、緑色蛍光タンパク質、青色蛍光タンパク質(BFP、Quantum Biotechnologies,Inc.1801 de Maisonneuve Blvd.West,8th Floor,Montreal,Quebec,Canada H3H 1J9、Stauber,1998,Biotechniques 24:462−471、Heim et al.,1996,Curr.Biol.6:178−182)、強化黄色蛍光タンパク質(EYFP,Clontech Laboratories,Inc.)、ルシフェラーゼ(Ichiki et al.,1993,J.Immunol.150:5408−5417)、βガラクトシダーゼ(Nolan et al.,1988,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.85:2603−2607)、およびウミシイタケ(国際公開第92/15673号、国際公開第95/07463号、国際公開第98/14605号、国際公開第98/26277号、国際公開第99/49019号、米国特許第5292658号、第5418155号、第5683888号、第5741668号、第5777079号、第5804387号、第5874304号、第5876995号、第5925558号)を含むが、それらに限定されない。上記で引用された参考文献の全ては、参照することにより本明細書に明示的に組み込まれる。
単離核酸
単離核酸
本明細書で説明される方法は、抗原結合タンパク質のアミノ酸配列が改変される、ステップを含む。アミノ酸配列の改変は、抗原結合タンパク質またはその一部分をコード化する核酸配列内の1つ以上のコドンを変化させることによって、最も良好に達成される。したがって、ある特定の態様では、本発明は、改善された抗原結合タンパク質またはその改良型部分、例えば、軽鎖可変ドメインまたは重鎖可変ドメインをコード化する、単離核酸に関する。
好ましい実施形態では、既存のコドンに取って代わるコドンは、抗原結合タンパク質を発現するように選択される細胞で優先的に使用されるコドンである。例えば、抗原結合タンパク質が大腸菌において発現される場合、大腸菌で優先的に使用される所与のアミノ酸に対するコドンを使用するように注意が払われるべきである。
本発明の核酸分子は、一本鎖および二本鎖形態の両方でのDNAおよびRNA、ならびに対応する相補配列を含む。DNAは、例えば、cDNA、ゲノムDNA、化学的に合成されたDNA、PCRによって増幅されるDNA、およびその組み合わせを含む。本発明の核酸分子は、全長遺伝子またはcDNA分子、ならびにその断片の組み合わせを含む。本発明の核酸は、優先的にヒト供給源に由来するが、本発明は、ヒト以外の種に由来するものも含む。
「単離核酸」は、自然発生源から単離される核酸の場合、核酸が単離された生物のゲノムに存在する、隣接遺伝子配列から分離されている核酸である。例えば、PCR生成物、cDNA分子、またはオリゴヌクレオチド等のテンプレートから酵素的に、または化学的に合成された核酸の場合、そのようなプロセスに起因する核酸は単離核酸であることが理解される。単離核酸分子は、別個の断片の形態である、またはより大きい核酸構築物の構成要素としての核酸分子を指す。1つの好ましい実施形態では、核酸は、汚染内因性物質を実質的に含まない。核酸分子は、標準的な生化学的方法(Sambrook et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,2nd ed.,Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor,NY(1989)で概説されている物等)によって、その構成要素ヌクレオチド配列の特定、操作、および回収を可能にする実質的に純粋な形態で、かつ量または濃度で、少なくとも一度単離されている、DNAまたはRNAに好ましくは由来している。そのような配列は、好ましくは、典型的には真核細胞遺伝子に存在する、内部非翻訳配列またはイントロンによって中断されていない、オープンリーディングフレームの形態で提供および/または構築される。非翻訳DNAの配列は、オープンリーディングフレームからの5′または3′に存在することができ、同配列は、コーディング領域の操作または発現に干渉しない。
本発明の改善されたアミノ酸配列は、通常、変異体をコード化し、その後、本明細書で概説されるように細胞培養中で組み換えDNAを発現する、DNAを産生するように、カセットまたはPCR突然変異生成または当技術分野で周知である他の技法を使用して、抗原結合タンパク質をコード化するDNAにおけるヌクレオチドの部位特異的突然変異生成によって調製される。
当業者によって理解されるように、遺伝子コードの縮退により、極めて多数の核酸が作製され得、その全てが、改善された抗原結合タンパク質をコード化する。したがって、特定のアミノ酸配列を特定すると、当業者であれば、コード化されたタンパク質のアミノ酸配列を変化させない方法で1つ以上のコドンの配列を単に修飾することによって、任意の数の異なる核酸を作製することができる。
本発明はまた、上記のような少なくとも1つのポリヌクレオチドを含む、プラスミド、発現ベクター、転写または発現カセットの形態で、発現系および構築物を提供する。加えて、本発明は、そのような発現系および構築物を含む、宿主細胞を提供する。
典型的には、宿主細胞のうちのいかなるもので使用される発現ベクターも、プラスミド維持のため、ならびに外因性ヌクレオチド配列のクローニングおよび発現のための配列を含有するであろう。集合的に「フランキング配列」と呼ばれる、そのような配列は、ある特定の実施形態では、典型的には、以下のうちの1つ以上を含む:プロモータ、1つ以上のエンハンサ配列、複製起点、転写終結配列、ドナーおよび受容体巣プライス部位を含有する完全イントロン配列、ポリペプチド分泌のためのリーダー配列をコード化する配列、リボソーム結合部位、ポリアデニル化配列、発現されるポリペプチドをコード化する核酸を挿入するためのポリリンカー領域、および選択可能なマーカー要素等のヌクレオチド配列。これらの配列のうちのそれぞれが、以下で考察される。
随意に、ベクターは、「タグ」コード化配列、すなわち、改善された抗原結合タンパク質コード配列の5′または3′末端に位置するオリゴヌクレオチド分子を含有してもよく、オリゴヌクレオチド配列は、polyHis(hexaHis等)、または市販の抗体が存在する、FLAG、HA(インフルエンザウイルス血球凝集素)、またはmyc等の別の「タグ」をコード化する。このタグは、典型的には、ポリペプチドの発現時にポリペプチドに融合され、宿主細胞からの改善された抗原結合タンパク質の親和性精製または検出のための手段としての機能を果たすことができる。親和性精製は、例えば、親和性マトリクスとしてタグに対する抗体を使用するカラムクロマトグラフィによって、達成することができる。随意に、タグは、後に、切断のためのあるペプチダーゼを使用すること等の種々の手段によって、精製された改善された抗原結合タンパク質から除去することができる。
フランキング配列は、同種(すなわち、宿主細胞と同じ種および/または株に由来する)、異種(すなわち、宿主細胞種または株以外の種に由来する)、ハイブリッド(すなわち、1つよりも多くの供給源からのフランキング配列の組み合わせ)、合成、または天然であってもよい。したがって、フランキング配列源は、フランキング配列が宿主細胞機構において機能的であり、かつ宿主細胞機構によって活性化することができるならば、任意の原核または真核生物、任意の脊椎または無脊椎動物、または任意の植物であってもよい。
本発明のベクターで有用なフランキング配列は、当技術分野で周知であるいくつかの方法のうちのいずれかによって得ることができる。典型的には、本明細書で有用なフランキング配列は、マッピングによって、および/または制限エンドヌクレアーゼ消化によって以前に特定されているものであり、したがって、適切な制限エンドヌクレアーゼを使用して、適正な組織源から単離することができる。場合によっては、フランキング配列の完全ヌクレオチド配列が知られている。ここで、フランキング配列は、核酸合成またはクローニングのための本明細書で説明される方法を使用して合成されてもよい。
フランキング配列の全てが知られているか、一部分のみが知られているかにかかわらず、それは、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を使用して、および/または同一あるいは別の種からのオリゴヌクレオチドおよび/またはフランキング配列断片等の好適なプローブを用いてゲノムライブラリを選別することによって、得ることができる。フランキング配列が知られていない場合、フランキング配列を含有するDNAの断片が、例えば、コード配列または1つあるいは複数の別の遺伝子さえも含有し得る、DNAのより大きい断片から単離されてもよい。単離は、適正なDNA断片を産生する制限エンドヌクレアーゼ消化、その後に続いて、アガロースゲル精製、Qiagen(登録商標)カラムクロマトグラフィ(Chatsworth,CA)、または当業者に公知である他の方法を使用した単離によって達成されてもよい。この目的を達成するための好適な酵素の選択は、当業者に容易に明白であろう。
複製起点は、典型的には、商業的に購入される原核生物発現ベクターの一部であり、起点は、宿主細胞におけるベクターの増幅を補助する。選択されたベクターが複製起点部位を含有しない場合、起点は、既知の配列に基づいて化学的に合成し、ベクターに結合することができる。例えば、プラスミドpBR322(New England Biolabs,Beverly,MA)からの複製起点が、ほとんどのグラム陰性菌に好適であり、種々のウイルス起源(例えば、SV40、ポリオーマ、アデノウイルス、水疱性口炎ウイルス(VSV)、またはHPVあるいはBPV等のパピローマウイルス)が、ほ乳類細胞におけるクローニングベクターに有用である。概して、複製起点構成要素は、ほ乳類発現ベクターに必要とされない(例えば、SV40起源は、ただウイルス早期プロモータを含有するという理由から、しばしば使用される)。
転写終結配列は、典型的には、ポリペプチドコード領域の末端への3′に位置し、転写を終結させる働きをする。通常、原核細胞における転写終結配列は、ポリT配列が後に続く、G−Cが豊富な断片である。配列は、ライブラリから容易にクローン化されるか、またはベクターの一部として商業的に購入さえされるが、本明細書で説明されるもの等の核酸合成のための方法を使用して、容易に合成することもできる。
選択可能なマーカー遺伝子は、選択的培地で成長させられる宿主細胞の生存および成長に必要なタンパク質をコード化する。典型的な選択マーカー遺伝子は、(a)抗生物質または他の毒素、例えば、原核宿主細胞用のアンピシリン、テトラサイクリン、またはカナマイシンへの耐性を与える、(b)細胞の栄養要求性欠乏を補完する、または(c)複合または規定培地から利用できない決定的に重要な栄養素を供給する、タンパク質をコード化する。具体的な選択可能マーカーは、カナマイシン耐性遺伝子、アンピシリン耐性遺伝子、およびテトラサイクリン耐性遺伝子である。有利に、ネオマイシン耐性遺伝子もまた、原核および真核宿主細胞の両方での選択に使用されてもよい。
他の選択可能な遺伝子が、発現されるであろう遺伝子を増幅するために使用されてもよい。増幅は、成長または細胞生存のために重要なタンパク質の産生に必要とされる遺伝子が、組み換え細胞の継続的世代の染色体内で一列になって繰り返される、プロセスである。ほ乳類細胞に対する好適な選択可能マーカーの例は、ジヒドロ葉酸還元酵素(DHFR)およびプロモータを持たないチミジンキナーゼ遺伝子を含む。ほ乳類細胞形質転換体が、選択圧下に置かれ、形質転換体のみが、ベクターに存在する選択可能な遺伝子により、生存するように一意的に適合される。選択圧は、培地中の選択剤の濃度が連続して増加させられる条件下で、形質転換細胞を培養することによって課せられ、それにより、改善された抗原結合タンパク質等の、選択可能な遺伝子および別の遺伝子をコード化するDNAの両方の増幅をもたらす。結果として、改善された抗原結合タンパク質等の増加した量のポリペプチドが、増幅されたDNAから合成される。
リボソーム結合部位が、通常、rnRNAの翻訳開始に必要であり、Shine−Dalgarno配列(原核生物)またはKozak配列(真核生物)によって特徴付けられる。本要素は、典型的には、プロモータへ3′のおよび発現されるポリペプチドのコード配列の5′に位置する。ある実施形態では、1つ以上のコーディング領域が、内部リボソーム結合部位(IRES)に動作可能に連結され得、単一のRNA転写産物からの2つのオープンリーディングフレームの翻訳を可能にする。
糖鎖付加が真核宿主細胞発現系で所望される場合等のいくつかの場合では、糖鎖付加または収量を改善するように、種々のプレまたはプロ配列を操作してもよい。例えば、特定の単一のペプチドのペプチダーゼ切断部位を改変するか、またはプロ配列を追加してもよく、それはまた、糖鎖付加に影響を及ぼし得る。最終タンパク質生成物は、(成熟タンパク質の第1のアミノ酸に対する)−1位置で、完全には除去されていない場合がある、発現から起こる1つ以上の追加のアミノ酸を有し得る。例えば、最終タンパク質生成物は、アミノ末端に付着した、ペプチダーゼ切断部位で見出される、1つまたは2つのアミノ酸残基を有し得る。代替として、いくつかの酵素切断部位の使用は、酵素が成熟ポリペプチド内のそのような領域で切断する場合、所望のポリペプチドのわずかに切断された形態をもたらし得る。
本発明の発現およびクローニングベクターは、典型的には、宿主生物によって認識され、改善された抗原結合タンパク質をコード化する分子に機能的に連結される、プロモータを含有するであろう。プロモータは、構造遺伝子の転写を制御する構造遺伝子の開始コドンの上流(すなわち、5′)(概して約100から1000bp以内)に位置する、非転写配列である。プロモータは、従来、誘導性プロモータおよび構成的プロモータの2つの部類のうちの1つにグループ分けされる。誘導性プロモータは、栄養素の存在または欠如あるいは温度の変化等の培養条件の何らかの変化に応答して、それらの制御下のDNAから増加したレベルの転写を開始する。一方、構成的プロモータは、それらが動作可能に連結される遺伝子を均一に転写し、すなわち、遺伝子発現に対する制御をほとんど、または全く伴わない。種々の可能性のある宿主細胞によって認識される、多数のプロモータが周知である。好適なプロモータは、制限酵素消化によってソースDNAからプロモータを除去し、所望のプロモータ配列をベクターに挿入することによって、本発明の改善された抗原結合タンパク質を含む重鎖または軽鎖をコード化する、DNAに動作可能に連結される。
酵母宿主とともに使用するための好適なプロモータもまた、当技術分野で周知である。酵母エンハンサが、酵母プロモータとともに有利に使用される。ほ乳類宿主細胞とともに使用するための好適なプロモータが周知であり、ポリオーマウイルス、鶏痘ウイルス、アデノウイルス(アデノウイルス2等)、ウシパピローマウイルス、トリ肉腫ウイルス、サイトメガロウイルス、レトロウイルス、B型肝炎ウイルス、および最も好ましくはシミアンウイルス40(SV40)等のウイルスのゲノムから得られるものを含むが、それらに限定されない。他の好適なほ乳類プロモータは、異種ほ乳類プロモータ、例えば、熱ショックプロモータおよびアクチンプロモータを含む。
対象とされ得る追加のプロモータは、SV40早期プロモータ(Benoist and Chambon,1981,Nature 290:304−310)、CMVプロモータ(Thornsen et al.,1984,Proc.Natl.Acad.U.S.A.81:659−663)、ラウス肉腫ウイルスの3′長末端反復に含有されるプロモータ(Yamamoto et al.,1980,Cell 22:787−797)、ヘルペスチミジンキナーゼプロモータ(Wagner et al.,1981,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.78:1444−1445)、メタロチオネインからのプロモータおよび調節配列Prinster et al.,1982,Nature 296:39−42)、およびベータラクタマーゼプロモータ等の原核生物プロモータ(Villa−Kamaroff et al.,1978,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.75:3727−3731)、またはtacプロモータ(DeBoer et al.,1983,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.80:21−25)を含むが、それらに限定されない。また、組織特異性を呈し、トランスジェニック動物で利用されている、以下の動物転写制御領域も対象とする:膵腺房細胞で活性であるエラスターゼI遺伝子制御領域(Swift et al.,1984,Cell 38:639−646、Ornitz et al.,1986,Cold Spring Harbor Symp.Quant.Biol.50:399−409、MacDonald,1987,Hepatology 7:425−515)、膵臓ベータ細胞で活性であるインスリン遺伝子制御領域(Hanahan,1985,Nature 315:115−122)、リンパ球様細胞で活性である免疫グロブリン遺伝子制御領域(Grosschedl et al.,1984,Cell 38:647−658、Adames et al.,1985,Nature 318:533−538、Alexander et al.,1987,Mol.Cell.Biol.7:1436−1444)、精巣、乳腺、リンパ球様、および肥満細胞で活性であるマウス乳癌ウイルス制御領域(Leder et al.,1986,Cell 45:485−495)、肝臓で活性であるアルブミン遺伝子制御領域(Pinkert et al.,1987,Genes and Devel.1 :268−276)、肝臓で活性であるアルファフェトプロテイン遺伝子制御領域(Krumlauf et al.,1985,Mol.Cell.Biol.5:1639−1648、Hammer et al.,1987,Science 253:53−58)、肝臓で活性であるアルファ1−抗トリプシン遺伝子制御領域(Kelsey et al.,1987,Genes and Devel.1:161−171)、骨髄性細胞で活性であるベータグロビン遺伝子制御領域(Mogram et al.,1985,Nature 315:338−340、Kollias et al.,1986,Cell 46:89−94)、脳の乏突起膠細胞で活性であるミエリン塩基性タンパク質遺伝子制御領域(Readhead et al.,1987,Cell 48:703−712)、骨格筋で活性であるミオシン軽鎖−2遺伝子制御領域(Sani,1985,Nature 314:283−286)、および視床下部で活性である性腺刺激ホルモン放出ホルモン遺伝子制御領域(Mason et al.,1986,Science 234:1372−1378)。
エンハンサ配列が、高等な真核生物による、本発明の改善された抗原結合タンパク質の軽鎖または重鎖をコード化するDNAの転写を増加させるように、ベクターに挿入されてもよい。エンハンサは、転写を増加させるようにプロモータに作用する、通常は、長さが約10〜300bpである、DNAのcis作用要素である。エンハンサは、配向および位置に比較的依存せず、転写単位への5′および3′の両方の位置で見出されている。ほ乳類遺伝子から入手可能ないくつかのエンハンサ配列が、公知である(例えば、グロビン、エラスターゼ、アルブミン、アルファフェトプロテイン、およびインスリン)。しかしながら、典型的には、ウイルスからのエンハンサが、使用される。SV40エンハンサ、サイトメガロウイルス早期プロモータエンハンサ、ポリオーマエンハンサ、および当技術分野で公知であるアデノウイルスエンハンサが、真核生物プロモータの活性のための例となる強化要素である。エンハンサは、コード配列への5′または3′のいずれかでベクターに位置付けられてもよいが、典型的には、プロモータからの部位5′に位置する。抗体の細胞外分泌を促進するように、適切な天然または異種シグナル配列(リーダー配列またはシグナルペプチド)をコード化する配列を、発現ベクターに組み込むことができる。シグナルペプチドまたはリーダーの選択は、抗体が産生される宿主細胞の種類に依存し、異種シグナル配列を、天然シグナル配列で置き換えることができる。ほ乳類宿主細胞で機能的であるシグナルペプチドの実施例は、米国特許第4,965,195号で説明されているインターロイキン−7(IL−7)のシグナル配列、Cosman et al.,1984,Nature 312:768で説明されているインターロイキン−2受容体のシグナル配列、EP特許第0367566号で説明されているインターロイキン−4受容体シグナルペプチド、米国特許第4,968,607号で説明されているI型インターロイキン−1受容体シグナルペプチド、EP特許第0460846号で説明されているII型インターロイキン−1受容体シグナルペプチド等を含む。
ベクターは、ベクターが宿主細胞ゲノムに組み込まれたときに発現を促進する、1つ以上の要素を含有してもよい。実施例は、EASE要素(Aldrich et al.2003 Biotechnol Prog.19:1433−38)、およびマトリクス付着領域(MAR)を含む。MARは、クロマチンの構造的組織化を仲介し、「位置」効果から統合ベクターを防護してもよい。したがって、MARは、ベクターが安定した形質転換体を作成するために使用されるときに特に有用である。いくつかの天然および合成MAR含有核酸が、当技術分野、例えば、米国特許第6,239,328号、第7,326,567号、第6,177,612号、第6,388,066号、第6,245,974号、第7,259,010号、第6,037,525号、第7,422,874号、第7,129,062号で公知である。
本発明の発現ベクターは、市販のベクター等の開始ベクターから構築されてもよい。そのようなベクターは、所望のフランキング配列の全てを含有してもよく、または含有しなくてもよい。本明細書で説明されるフランキング配列のうちの1つ以上がベクターにまだ存在していない場合、それらは、個別に得られ、ベクターに結合させることができる。フランキング配列のうちのそれぞれを得るために使用される方法が、当業者に周知である。
ベクターが構築され、改善された抗原結合タンパク質、またはその構成要素、例えば、軽鎖、重鎖、または改善された抗原結合配列を含む軽鎖および重鎖をコード化する、核酸分子がベクターの適正な部位に挿入された後、完成したベクターが、増幅および/またはポリペプチド発現のために好適な宿主細胞に挿入されてもよい。選択された宿主細胞への改善された抗原結合タンパク質の発現ベクターの形質転換は、トランスフェクション、感染、リン酸カルシウム共沈、エレクトロポレーション、マイクロインジェクション、リポフェクション、DEAE−デキストラン媒介トランスフェクション、または他の公知の技法を含む、周知の方法によって達成されてもよい。選択される方法は、部分的に、使用される宿主細胞の種類によるであろう。これらの方法および他の好適な方法が、当業者に周知であり、例えば、上記のSambrook et al.,2001に記載されている。
宿主細胞は、適切な条件下で培養されたときに、後に培地から(宿主細胞がそれを培地の中へ分泌する場合)、またはそれを産生する宿主細胞から直接(それが分泌されない場合)収集することができる、改善された抗原結合タンパク質を合成する。適切な宿主細胞の選択は、所望の発現レベル、活性(糖鎖付加またはリン酸化反応)のために望ましい、または必要であるポリペプチド修飾、および生物学的に活性な分子に折り畳む容易性等の種々の要因に依存するであろう。宿主細胞は、真核または原核であってもよい。
発現のための宿主として利用可能なほ乳類細胞系が当技術分野で周知であり、American Type Culture Collection(ATCC)から入手可能な不死化細胞系を含むが、それに限定されず、本発明の組み換えポリペプチドを作製するために、当技術分野で公知である発現系で使用される任意の細胞系を使用することができる。一般に、宿主細胞は、改善された抗原結合タンパク質をコードするDNAを含む、1つ以上の組み換え発現ベクターで形質転換される。採用され得る宿主細胞の中には、原核生物、酵母、または高等な真核細胞がある。原核生物は、グラム陰性またはグラム陽性菌、例えば、大腸菌または桿菌を含む。高等な真核細胞は、昆虫細胞およびほ乳類起源の確立された細胞系を含む。好適なほ乳類宿主細胞系の例は、サル腎臓細胞(ATCC CRL 1651)のCOS−7系(Gluzman et al.,1981,Cell 23:175)、L細胞、293細胞、C127細胞、3T3細胞(ATCC CCL 163)、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、またはVeggie CHOおよび無血清培地で成長する関連細胞系等のそれらの誘導体(Rasmussen et al.,1998,Cytotechnology 28:31)、HeLa細胞、BHK(ATCC CRL 10)細胞系、McMahan et al.,1991,EMBO J.10:2821で説明されているようにアフリカミドリザル腎臓細胞系CVI(ATCC CCL 70)に由来するCVI/EBNA細胞系、293、293 EBNA、またはMSR 293等のヒト胎児腎臓細胞、ヒト表皮A431細胞、ヒトColo205細胞、他の形質転換霊長類細胞系、正常2倍体細胞、一次組織の生体外培養に由来する組織、一次外植片、HL−60、U937、HaK、またはJurkat細胞を含む。随意に、種々のシグナル変換またはレポータ分析でポリペプチドを使用することが望ましいときに、例えば、HepG2/3B、KB、NIH 3T3、またはS49等のほ乳類細胞系を、ポリペプチドの発現に使用することができる。代替として、酵母等の下等な真核生物で、または細菌等の原核生物でポリペプチドを産生することが可能である。好適な酵母は、サッカロマイセス・セレヴィシエ、シゾサッカロミセス・ポンベ、クルイベロミセス株、カンジダ、または異種ポリペプチドを発現することが可能な任意の酵母株を含む。好適な細菌株は、大腸菌、枯草菌、ネズミチフス菌、または異種ポリペプチドを発現することが可能な任意の細菌株を含む。ポリペプチドが酵母または細菌において作製される場合、例えば、機能性ポリペプチドを得るために、適切な部位のリン酸化反応または糖鎖付加によって、その中で産生されるポリペプチドを修飾することが望ましくあり得る。そのような共有結合は、既知の化学的または酵素的方法を使用して達成することができる。ポリペプチドはまた、本発明の単離核酸を、1つ以上の昆虫発現ベクターの中の好適な制御配列に動作可能に連結し、昆虫発現系を採用することによって、産生することもできる。バキュロウイルス/昆虫細胞発現系のための材料および方法は、例えば、Invitrogen,San Diego,Calif.,U.S.A.からキット形態(MaxBac(登録商標)キット)で市販されており、そのような方法は、Summers and Smith,Texas Agricultural Experiment Station Bulletin No.1555(1987)、およびLuckow and Summers,Bio/Technology 6:47(1988)で説明されているように、当技術分野で周知である。無細胞翻訳系もまた、本明細書で開示される核酸構築物に由来するRNAを使用してポリペプチドを産生するために採用することができる。細菌、真菌、酵母、およびほ乳類細胞宿主とともに使用するための適切なクローニングおよび発現ベクターが、Pouwelsら(Cloning Vectors:A Laboratory Manual,Elsevier,New York,1985)によって説明されている。好ましくは、少なくとも1つの発現制御配列に動作可能に連結される、本発明の単離核酸を含む宿主細胞は、「組み換え宿主細胞」である。
医薬組成物
医薬組成物
いくつかの実施形態では、本発明は、本発明の1つまたは複数の改善された抗原結合タンパク質の治療的有効量を、薬学的に有効な希釈剤、担体、可溶化剤、乳化剤、防腐剤、および/またはアジュバントとともに含む、医薬組成物を提供する。ある実施形態では、改善された抗原結合タンパク質は、薬剤と複合体化される抗体または二重特異的抗体を含む、抗体である。本発明の医薬組成物は、液体、凍結、および凍結乾燥組成物を含むが、それらに限定されない。
好ましくは、製剤物質は、採用される投与量および濃度において受容者に非毒性である。具体的実施形態では、改善された抗原結合タンパク質の治療的有効量を含む、医薬組成物が提供される。
ある実施形態では、医薬組成物は、例えば、組成物のpH、オスモル濃度、粘度、透明度、色、等張性、におい、無菌性、安定性、溶解または放出速度、吸着、または浸透を改変、維持、または保存するための製剤物質を含有してもよい。そのような実施形態では、好適な製剤物質は、アミノ酸(グリシン、グルタミン、アスパラギン、アルギニン、プロリン、またはリシン等)、抗菌剤、酸化防止剤(アスコルビン酸、亜硫酸ナトリウム、または亜硫酸水素ナトリウム等)、緩衝剤(ホウ酸塩、重炭酸塩、Tris−HCl、クエン酸塩、リン酸塩、または他の有機酸等)、増量剤(マンニトールまたはグリシン等)、キレート剤(エチレンジアミン4酢酸(EDTA)等)、錯化剤(カフェイン、ポリビニルピロリドン、ベータ−シクロデキストリン、またはヒドロキシプロピル−ベータ−シクロデキストリン等)、充填剤、単糖類、二糖類、および他の炭水化物(グルコース、マンノース、またはデキストリン等)、タンパク質(血清アルブミン、ゼラチン、または免疫グロブリン等)、着色、着味、および賦形剤、乳化剤、親水性ポリマー(ポリビニルピロリドン等)、低分子量ポリペプチド、塩形成対イオン(ナトリウム等)、防腐剤(塩化ベンザルコニウム、安息香酸、サリチル酸、チメロサール、フェネチルアルコール、メチルパラベン、プロピルパラベン、クロルヘキジン、ソルビン酸、または過酸化水素等)、溶媒(グリセリン、プロピレングリコール、またはポリエチレングリコール等)、糖アルコール(マンニトールまたはソルビトール等)、懸濁化剤、界面活性剤または湿潤剤(プルロニック、PEG、ソルビタンエステル、ポリソルベート20等のポリソルベート、ポリソルベート、トリトン、トロメタミン、レシチン、コレステロール、チロキサポール等)、安定性強化剤(蔗糖またはソルビトール等)、等張性強化剤(アルカリ金属ハロゲン化物、好ましくは塩化ナトリウムまたはカリウム、マンニトール、ソルビトール等)、送達ビヒクル、希釈剤、賦形剤および/または医薬アジュバントを含むが、それらに限定されない。REMINGTON’S PHARMACEUTICAL SCIENCES,18” Edition,(A.R.Genrmo,ed.),1990,Mack Publishing Companyを参照されたい。
ある実施形態では、最適な医薬組成物が、例えば、意図された投与経路、送達形式、および所望の投与量に応じて、当業者によって判定されるであろう。例えば、上記のREMINGTON’S PHARMACEUTICAL SCIENCESを参照されたい。ある実施形態では、そのような組成物は、本発明の改善された抗原結合タンパク質の物理的状態、安定性、生体内放出速度、および生体内クリアランス率に影響を及ぼし得る。ある実施形態では、医薬組成物中の一次ビヒクルまたは担体は、水性または非水性の性質のいずれかであってもよい。例えば、好適なビヒクルまたは担体は、おそらく、非経口投与用の組成物で一般的な他の物質が補充された、注射用蒸留水、生理食塩水、または人工脳脊髄液であってもよい。中性緩衝食塩水または血清アルブミンと混合された食塩水が、さらなる例となるビヒクルである。具体的な実施形態では、医薬組成物は、約pH7.0〜8.5のトリス緩衝剤、または約pH4.0〜5.5の酢酸緩衝剤を含み、さらに、ソルビトールまたはそれの好適な代替物を含んでもよい。本発明のある実施形態では、改善された抗原結合タンパク質組成物は、所望の程度の純度を有する選択された組成物を、凍結乾燥固体または水溶液の形態の随意的な製剤化剤(上記のREMINGTON’S PHARMACEUTICAL SCIENCES)と混合することによって、調製されてもよい。さらに、ある実施形態では、改善された抗原結合タンパク質生成物は、蔗糖等の適切な賦形剤を使用して、凍結乾燥物として製剤化されてもよい。
本発明の医薬組成物は、非経口送達のために選択することができる。代替として、組成物は、吸入のため、または経口等の消化管を通した送達のために選択されてもよい。そのような薬学的に容認可能な組成物の調製は、当技術分野の技能内である。製剤組成物は、好ましくは、投与の部位に対して許容できる濃度で存在する。ある実施形態では、生理学的pHで、またはわずかに低いpHで、典型的には、約5から約8のpH範囲内で、組成物を維持するために、緩衝剤が使用される。
非経口投与が考慮されるとき、治療用組成物は、薬学的に容認可能なビヒクル中に所望の改善された抗原結合タンパク質を含む、発熱物質を含まない非経口的に容認可能な水溶液の形態で提供され得る。非経口注射用の特に好適なビヒクルは、改善された抗原結合タンパク質が、適正に保存された無菌等張液として製剤化される、無菌蒸留水である。ある実施形態では、調製は、所望の分子の、蓄積注射を介して送達することができる生成物の制御または持続放出を提供し得る、注射可能なミクロスフェア、生体内分解性粒子、高分子化合物(ポリ乳酸またはポリグリコール酸等)、ビーズ、またはリポソーム等の作用物質との製剤化を伴うことができる。ある実施形態では、循環において持続時間を促進する効果を有する、ヒアルロン酸も使用されてもよい。ある実施形態では、所望の抗原結合タンパク質を導入するために、埋込型薬剤送達デバイスが使用されてもよい。
医薬組成物は、吸入のために製剤化することができる。これらの実施形態では、改善された抗原結合タンパク質は、乾燥した吸入可能粉末として有利に製剤化される。具体的な実施形態では、改善された抗原結合タンパク質吸入溶液もまた、エアロゾル送達用の推進剤とともに製剤化されてもよい。ある実施形態では、溶液が霧状化されてもよい。肺投与またはそのための製剤化方法は、参照することにより組み込まれ、化学的修飾タンパク質の肺送達を説明する、国際特許出願第PCT/US94/001875号でさらに説明されている。
また、製剤を経口で投与できることも考慮される。この様式で投与される改善された抗原結合タンパク質は、錠剤またはカプセル等の固体投薬形態の配合で習慣的に使用される担体を用いて、または用いることなく製剤化することができる。ある実施形態では、カプセルは、バイオアベイラビリティが最大限化され、前全身性分解が最小限化されるときに、消化管内の点で製剤の活性部分を放出するように設計されてもよい。改善された抗原結合タンパク質の吸収を促進するように、追加の作用物質を含むことができる。希釈剤、香味料、低融点ワックス、植物油、滑沢剤、懸濁化剤、錠剤崩壊剤、および結合剤も採用されてもよい。
持続または制御送達製剤中に改善された抗原結合タンパク質を伴う製剤を含む、追加の医薬組成物が、当業者に明白となるであろう。リポソーム担体、生体内分解性ミクロスフェアまたは多孔質ビーズ、および蓄積注射等の種々の他の持続または制御送達手段を製剤化するための技法も、当業者に公知である。例えば、参照することにより組み込まれ、医薬組成物の送達のための多孔質高分子微粒子の制御放出を説明する、国際特許出願第PCT/US93/00829号を参照されたい。持続放出調合剤は、成形された物品、例えば、フィルムまたはマイクロカプセルの形態で、半透性ポリマーマトリクスを含んでもよい。制御放出マトリクスは、ポリエステル、ヒドロゲル、ポリラクチド(それぞれが参照することにより組み込まれる、米国特許第3,773,919号および欧州特許出願公開第EP 058481号で開示されているような)、L−グルタミン酸およびL−グルタミン酸ガンマエチルの共重合体(Sidman et al.,1983,Biopolymers 2:547−556)、ポリ(メタクリル酸2−ヒドロキシエチル)(Langer et al.,1981,J.Biomed.Mater.Res.15:167−277およびLanger,1982,Chem.Tech.12:98−105)、エチレン酢酸ビニル(Langer et al.,1981、上記)、またはポリ−D(−)−3−ヒドロキシ酪酸(欧州特許出願公開第EP 133,988号)を含んでもよい。持続放出組成物はまた、当技術分野で公知であるいくつかの方法のうちのいずれかによって調製することができる、リポソームを含んでもよい。例えば、参照することにより組み込まれる、Eppstein et al.,1985,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.82:3688−3692、欧州特許出願公開第EP 036,676号、第EP 088,046号、およびEP 143,949号を参照されたい。
生体内投与に使用される医薬組成物は、典型的には、無菌調合剤として提供される。滅菌は、無菌濾過膜を通した濾過によって達成することができる。組成物が凍結乾燥されるとき、この方法を使用した滅菌は、凍結乾燥および再構成の前または後にいずれかに行われてもよい。非経口投与用の組成物は、凍結乾燥形態で、または溶液で保管することができる。非経口組成物は、概して、無菌アクセスポートを有する容器、例えば、静脈注射用溶液バッグまたは皮下注射針によって穿刺可能なストッパを有するバイアルの中へ配置される。
本発明の態様は、その全体で参照することにより本明細書に組み込まれる、国際特許出願国際公開第06138181A2号(PCT/US第2006/022599号)で説明されているように、医薬組成物として使用することができる、自己緩衝の改善された抗原結合タンパク質製剤を含む。
上で論じたように、ある特定の実施形態は、改善された抗原結合タンパク質に加えて、この項および本明細書の他の場所実例として説明されるもの等の1つ以上の賦形剤を含む、改善された抗原結合タンパク質タンパク質組成物、特に、薬学的な改善された抗原結合タンパク質組成物を提供する。賦形剤は、粘度の調整等の製剤の物理的、化学的、または生物学的性質を調整すること、および/または有効性を改善する、および/またはそのような製剤を安定させる本発明のプロセス、ならびに例えば、製造、出荷、保管、使用前調製、投与中、およびその後に発生する応力による、劣化および腐敗に対する処理等の多種多様の目的で、この点に関して本発明で使用することができる。
それぞれがその全体で参照することにより本明細書に組み込まれる、Arakawa et al.,“Solvent interactions in pharmaceutical formulations,” Pharm Res.8(3):285−91(1991)、Kendrick et al.,“Physical stabilization of proteins in aqueous solution,” RATIONAL DESIGN OF STABLE PROTEIN FORMULATIONS:THEORY AND PRACTICE内、Carpenter and Manning,eds.Pharmaceutical Biotechnology.13:61−84(2002)、およびRandolph et al.,“Surfactant−protein interactions,” Pharm Biotechnol.13:159−75(2002)等の種々の解説が、具体的には、特に獣医学および/またはヒト医学的用途のためのタンパク質医薬品およびプロセスに関して、本発明による自己緩衝タンパク質製剤用の賦形剤および同賦形剤のプロセスに関する部分で、タンパク質安定化、ならびにこの点に関して有用な製剤化材料および方法について利用可能である。
例えば、製剤のイオン強度および/または等張性を調整するため、および/または本発明による組成物のタンパク質あるいは他の成分の可溶性および/または物理的安定性を改善するために、塩が、本発明のある実施形態に従って使用されてもよい。
周知であるように、イオンは、タンパク質の表面上の荷電残基に結合することによって、ならびにタンパク質中の荷電および極性基を遮蔽し、それらの静電相互作用、引力、および反発相互作用の強度を低減させることによって、タンパク質の天然状態を安定させることができる。イオンはまた、特に、タンパク質の変性ペプチド結合(−−CONH)に結合することによって、タンパク質の変性状態を安定させることもできる。さらに、タンパク質中の荷電および極性基とのイオン相互作用はまた、分子間静電相互作用を低減させ、それにより、タンパク質凝集および不溶性を防止するか、または低減させることもできる。
イオン種は、タンパク質へのそれらの効果が有意に異なる。本発明による医薬組成物を製剤化する際に使用することができる、イオンおよびタンパク質へのそれらの効果のいくつかのカテゴリランキングが開発されている。一例は、イオンおよび極性非イオン溶質を、溶液中のタンパク質の立体配座安定性へのそれらの効果別にランク付けする、ホフマイスターシリーズである。安定化溶質は、「コスモトロピック」と呼ばれる。不安定化溶質は、「カオトロピック」と呼ばれる。コスモトロープは、一般的に、溶液からタンパク質を沈殿させる(「塩析」)ために高濃度(例えば、1モル超の硫酸アンモニウム)で使用される。カオトロープは、一般的に、タンパク質を変性させる、および/または可溶化する(「塩溶」)ために使用される。「塩溶」および「塩析」するイオンの関連有効性が、ホフマイスターシリーズでそれらの位置を定義する。
遊離アミノ酸を、増量剤、安定剤、および酸化防止剤、ならびに他の標準用途として、本発明の種々の実施形態による改善された抗原結合タンパク質製剤で使用することができる。製剤中のタンパク質を安定させるために、リシン、プロリン、セリン、およびアラニンを使用することができる。グリシンは、正しいケーキ構造および性質を確保するように凍結乾燥で有用である。アルギニンが、液体および凍結乾燥製剤の両方で、タンパク質凝集を阻害するために有用であり得る。メチオニンが、酸化防止剤として有用である。
ポリオールは、糖、例えば、マンニトール、蔗糖、およびソルビトール、例えば、グリセロールおよびプロピレングリコール等の多価アルコール、および本明細書の考察の目的で、ポリエチレングリコール(PEG)および関連物質を含む。ポリオールは、コスモトロピックである。それらは、物理的および化学的分解プロセスからタンパク質を保護するように、液体および凍結乾燥製剤の両方で、有用な安定化剤である。ポリオールはまた、製剤の等張性を調整するために有用である。
本発明の選択実施形態で有用なポリオールの中には、凍結乾燥製剤中のケーキの構造的安定性を確保するために一般的に使用される、マンニトールがある。それは、ケーキへの構造的安定性を確保する。それは、概して、冷凍保護剤、例えば、蔗糖とともに使用される。等張性を調整するための好ましい薬剤の中でも、および輸送中の凍結融解応力または製造プロセス中のバルクの調製に対して保護する安定剤として、ソルビトールおよび蔗糖がある。グルコースおよびラクトース等の還元糖(遊離アルデヒドまたはケトン基を含有する)は、表面リシンおよびアルギニン残基を糖化し得る。したがって、それらは、概して、本発明による使用のための好ましいポリオールの中にはない。加えて、酸性条件下でフルクトースおよびグルコースに加水分解され、その結果として糖化を引き起こす、蔗糖等のそのような反応種を形成する糖も、この点に関して本発明の好ましいポリオールの中にはない。PEGが、タンパク質を安定させるために、および抗凍結剤として有用であり、この点に関して本発明で使用することができる。
改善された抗原結合タンパク質製剤の実施形態はさらに、界面活性剤を含む。タンパク質分子は、表面上の吸着の影響、ならびに変性および空気・液体、固体・液体、および液体・液体界面での結果的凝集の影響を受けやすくあり得る。これらの効果の増減は、概して、タンパク質濃度と逆比例する。これらの有害な相互作用の増減は、概して、タンパク質濃度と逆比例し、典型的には、製品の出荷および取扱中に生成されるもの等の物理的撹拌によって悪化させられる。
界面活性剤は、表面吸着を防止する、最小限化する、または低減させるために日常的に使用される。この点に関して本発明での有用な界面活性剤は、ポリソルベート20、ポリソルベート80、ソルビタンポリエトキシレートの他の脂肪酸エステル、およびポロキサマー188を含む。
界面活性剤はまた、タンパク質の立体配座安定性を制御するためにも一般的に使用される。任意の所与の界面活性剤が、典型的には、いくつかのタンパク質を安定させ、他のタンパク質を不安定化するであろうから、この点に関して界面活性剤の使用は、タンパク質に特異的である。
ポリソルベートは、酸化分解の影響を受けやすく、しばしば、供給されたときに、タンパク質残基側鎖、特に、メチオニンの酸化を引き起こす十分な量の過酸化物を含有する。その結果として、ポリソルベートは、慎重に使用されるべきであり、使用されるときに、それらの最低有効濃度で採用されるべきである。この点に関して、ポリソルベートは、賦形剤がそれらの最低有効濃度で使用されるべきであるという一般規則を例示する。
改善された抗原結合タンパク質製剤の実施形態はさらに、1つ以上の酸化防止剤を含む。ある程度、周囲酸素および温度の適正なレベルを維持することによって、ならびに光への暴露を回避することによって、タンパク質の有害な酸化を医薬製剤で防止することができる。タンパク質の酸化分解を防止するために、酸化防止賦形剤も使用することができる。この点に関して有用な酸化防止剤の中には、還元剤、酸素/フリーラジカル捕捉剤、およびキレート剤がある。本発明による治療用タンパク質製剤で使用するための酸化防止剤は、好ましくは、水溶性であり、製品の保管期間の全体を通してそれらの活性を維持する。EDTAが、この点に関して本発明による好ましい酸化防止剤である。
酸化防止剤は、タンパク質を損傷し得る。例えば、特にグルタチオン等の還元剤が、分子内ジスルフィド結合を撹乱し得る。したがって、本発明で使用するための酸化防止剤は、とりわけ、製剤中のタンパク質を自ら損傷する可能性を排除するか、または十分に低減させるように選択される。
本発明による製剤は、タンパク質補因子であり、かつあるインスリン懸濁液を形成するために必要な亜鉛等のタンパク質配位錯体を形成するために必要である、金属イオンを含んでもよい。金属イオンはまた、タンパク質を分解する、いくつかのプロセスを阻害することもできる。しかしながら、金属イオンはまた、タンパク質を分解する、物理的および化学的プロセスを触媒し得る。
アスパラギン酸のイソアスパラギン酸への異性化を阻害するために、マグネシウムイオン(10〜120mM)を使用することができる。Ca+2イオン(最大100mM)は、ヒトデオキシリボヌクレアーゼの安定性を増加させることができる。しかしながら、Mg+2、Mn+2、およびZn+2は、rhDNaseを不安定化させ得る。同様に、Ca+2およびSr+2は、因子VIIIを安定させることができ、それは、Mg+2、Mn+2およびZn+2、Cu+2およびFe+2によって不安定化し得、その凝集は、Al+3イオンによって増加し得る。
改善された抗原結合タンパク質製剤の実施形態はさらに、1つ以上の防腐剤を含む。防腐剤は、同じ容器からの1回よりも多くの抜き出しを伴う、複数投与非経口製剤を開発するときに必要である。それらの主要な機能は、微生物成長を阻害し、薬剤製品の保管期間または使用期間の全体を通して製品の無菌性を確保することである。一般的に使用されている防腐剤は、ベンジルアルコール、フェノール、およびm−クレゾールを含む。防腐剤は、小分子非経口剤との使用の長い歴史を有するが、防腐剤を含むタンパク質製剤の開発は困難であり得る。防腐剤は、ほぼ必ず、タンパク質への不安定化効果(凝集)を有し、これは、複数投与タンパク質製剤でのそれらの使用を制限する主要な要因となっている。現在まで、ほとんどのタンパク質薬剤は、単回使用のみのために製剤化されている。しかしながら、複数投与製剤が可能であるとき、それらは、患者の利便性および増加した市場性を可能にするという追加利点を有する。良好な例は、保存製剤の開発が、より利便的な多用途注射ペン表現の商品化につながった、ヒト成長ホルモン(hGH)の例である。hGHの保存製剤を含有する、少なくとも4本のそのようなペンデバイスが、現在市場で入手可能である。Norditropin(液体、Novo Nordisk)、Nutropin AQ(液体、Genentech)、およびGenotropin(凍結乾燥、二重チャンバカートリッジ、Pharmacia & Upjohn)が、フェノールを含有する一方で、Somatrope(Eli Lilly)は、m−クレゾールを用いて製剤化される。
いくつかの側面が、保存投薬形態の製剤化および開発中に考慮される必要がある。薬剤製品中の有効防腐剤濃度が、最適化されなければならない。これは、タンパク質の安定性を低下させることなく、抗菌有効性を与える濃度範囲を伴う投与量で、所与の防腐剤を試験することを必要とする。
予期され得るように、防腐剤を含有する液体製剤の開発は、凍結乾燥製剤よりも困難である。凍結乾燥した製品は、防腐剤を伴わずに凍結乾燥し、使用時に希釈剤を含有する防腐剤を用いて再構成することができる。これは、防腐剤がタンパク質と接触している時間を短縮し、関連安定性リスクを著しく最小限化する。液体製剤では、防腐剤の有効性および安定性が、製品保管期間(約18から24ヶ月)全体にわたって維持されるべきである。留意するべき重要な点としては、防腐剤の有効性が、活性薬剤および全ての賦形剤構成要素を含有する最終製剤で示されるべきである。
改善された抗原結合タンパク質製剤は、概して、とりわけ、特定の投与経路および方法のため、特定の投与量および投与頻度のため、特定の疾患の特定の治療のため、バイオアベイラビリティおよび持続性の範囲を伴って、設計されるであろう。したがって、製剤は、経口的、経耳的、経眼的、直腸内、および経膣的を含むが、それらに限定されない、任意の好適な経路による、ならびに静脈および動脈注射、筋肉注射、および皮下注射を含む、非経口経路による、送達のために、本発明に従って設計されてもよい。
いったん医薬組成物が製剤化されると、それは、溶液、懸濁液、ゲル、乳剤、固体、結晶として、または脱水あるいは凍結乾燥粉末として、無菌バイアルの中に保管することができる。そのような製剤は、使用の準備ができた形態、または投与前に再構成される形態(例えば、凍結乾燥)のいずれかで保管され得る。本発明はまた、単回投与単位を産生するためのキットも提供する。本発明のキットは、それぞれ、乾燥タンパク質を有する第1の容器、および水性製剤を有する第2の容器の両方を含有してもよい。本発明のある特定の実施形態では、単一および多重チャンバ付き事前充填シリンジ(例えば、液体シリンジおよび分散シリンジ)を含有する、キットが提供される。
採用される改善された抗原結合タンパク質を含有する医薬組成物の治療的有効量は、例えば、治療状況および目的に好適に依存するであろう。当業者であれば、治療の適切な投与量レベルが、部分的に、送達される分子、改善された抗原結合タンパク質が使用される適応症、投与経路、ならびに患者のサイズ(体重、体表または臓器サイズ)および/または状態(年齢および全般的健康)に依存するであろうということを理解するであろう。ある実施形態では、臨床医が、最適な治療効果を得るように、投与量を滴定し、投与経路を修正してもよい。
医薬組成物は、医療デバイスを使用して投与されてもよい。医薬組成物を投与するための医療デバイスの実施例は、全て参照することにより本明細書に組み込まれる、米国特許第4,475,196号、第4,439,196号、第4,447,224号、第4,447,233号、第4,486,194号、第4,487,603号、第4,596,556号、第4,790,824号、第4,941,880号、第5,064,413号、第5,312,335号、第5,312,335号、第5,383,851号、および第5,399,163号で説明されている。
実施例1
この実施例では、より低い熱安定性を有する、わずかに発現する抗体1が、改善された熱安定性とともに、過渡的に移入された細胞における発現レベルを増加させるように設計される。図4aは、ヒト生殖細胞系配列との抗体1配列の整合を示す。抗体1への配列同一性の割合(%)によって示される、上位5つの密接に関係するヒト生殖細胞系列のみが、この図に示されている。これに基づいて、抗体1の可能なサブタイプが判定される。この場合、抗体1配列の可変重鎖は、VH3サブタイプに属し、可変軽鎖は、VK2サブタイプに属する。次のステップで、抗体1の可変軽鎖および可変重鎖配列が、それぞれ、Kabatデータベース(WuおよびKabat 1970)で見出されるVK2およびVH3配列に対して整合させられた。多重配列整合で相関突然変異を受けるアミノ酸対を特定するために、20個のアミノ酸が、それらの生理化学的性質に基づいて、小疎水性、芳香族、中立極性、正電荷を持つ、負電荷を持つ、および欠失/グリシンの6つのグループに分類された。保存スコアが、以前に論じられたように計算された。特定された保存対が、60から90%カットオフレベルで調査された。典型的には、60%が、より低いカットオフレベルとして使用され、しばしば、より高い閾値が、さらなる有意性を暗示する。
この実施例では、より低い熱安定性を有する、わずかに発現する抗体1が、改善された熱安定性とともに、過渡的に移入された細胞における発現レベルを増加させるように設計される。図4aは、ヒト生殖細胞系配列との抗体1配列の整合を示す。抗体1への配列同一性の割合(%)によって示される、上位5つの密接に関係するヒト生殖細胞系列のみが、この図に示されている。これに基づいて、抗体1の可能なサブタイプが判定される。この場合、抗体1配列の可変重鎖は、VH3サブタイプに属し、可変軽鎖は、VK2サブタイプに属する。次のステップで、抗体1の可変軽鎖および可変重鎖配列が、それぞれ、Kabatデータベース(WuおよびKabat 1970)で見出されるVK2およびVH3配列に対して整合させられた。多重配列整合で相関突然変異を受けるアミノ酸対を特定するために、20個のアミノ酸が、それらの生理化学的性質に基づいて、小疎水性、芳香族、中立極性、正電荷を持つ、負電荷を持つ、および欠失/グリシンの6つのグループに分類された。保存スコアが、以前に論じられたように計算された。特定された保存対が、60から90%カットオフレベルで調査された。典型的には、60%が、より低いカットオフレベルとして使用され、しばしば、より高い閾値が、さらなる有意性を暗示する。
次いで、特定された相関突然変異対に相関性があるか否かを確認するように、標的抗体1配列が調査された。相関対保存の観察されたパターンから逸脱する抗体1配列内の位置が、突然変異に印付けられた。例えば、抗体配列1の軽鎖内の位置F51は、位置V13、A19、I21、C23、L42、P45、P49、L52、I53、V63、P64、L78、I80、V83、V90、およびC93に相関しない(違反)(図5)。抗体1配列内の位置F51は、芳香族であり、パートナー位置は、小疎水性の性質である。これは、違反を修正するために、位置F51が小疎水性アミノ酸と置換されるべきであることを暗示する。置換される小疎水性残基を特定するために、密接に関係する生殖細胞系配列内のF51の対応する位置で見出される残基が、図4bに示されるように調査された。さらに、kabat/IMGTデータベース内のF51の対応する位置で見出される残基の頻度も考慮された。図4bから、位置F51がLeuに変異させられるべきであることが明白である。そして、残基Leuは、データベース内のこの位置で最も頻繁である(69%)。さらに、F51L突然変異がいずれの明白な構造的問題(立体障害、水素結合の妨害、埋没コア領域における極性アミノ酸の導入等)も引き起こさなかったことを確認するように、可変ドメイン抗体1のモデル化された構造が調査された。
VL/VH界面における違反を特定するために、ドメイン・ドメイン相互作用に関与するアミノ酸対が、可変ドメインのモデル化された構造に基づいて特定された。第1の残基の任意の側鎖重原子が、第2の残基の任意の側鎖重原子から6.5オングストローム以内である場合に、2つの残基は相互作用していると見なされる。次いで、多重配列整合が、個々の鎖の場合と同じ方法で調査された。
軽鎖内のP105位置、ならびに重鎖内のQ1およびR16位置において、この抗体1配列内にさらに3つの違反があった。これらの違反は、F51の場合で論じられるように修正された。設計された構築物の過渡的発現レベルが、図6に示される。親抗体は、非常に弱い発現体(2〜3mg/L)である。設計された構築物の全てが、親と比較して高い発現レベルを示した。図7aは、示差走査熱量測定を通して決定される、熱安定性プロファイルを示す。設計された構築物の全てが、融解温度(転移点)およびエンタルピー(曲線の下の領域)の両方で、同等またはより高い熱安定性を示す。特に、全ての違反を修正させた構築物が、(融解温度およびエンタルピーの両方で)熱安定性の最大改善を示す。図7bは、全ての設計された構築物の結合プロファイルを示す。図から分かるように、Kinexa(登録商標)分析によって判定される、変異体の親和性は、親との2倍差以内である。
実施例2
実施例2
別の標的に対する抗体2は、より低い熱安定性を伴う、わずかに発現する分子である。加えて、このIgG抗体がscFv−Fc形式に変換されたときに、高レベルの凝集がみられる。相関突然変異分析が、実施例1の場合のように実行された。合計8つの違反が、抗体2配列のフレームワーク領域で特定された(図8)。点突然変異体の設計された構築物および点突然変異体の組み合わせが、図9に記載される。ここでは、Y231F突然変異が抗体モデリングおよび構造分析を通して特定されたことに留意しなければならない。全ての他の突然変異は、相関突然変異分析を通して特定された。
図10は、scFv−Fc形式での抗体2およびその変異体の過渡的発現レベルを示す。図10aは、タンパク質A結合によって判定される、力価レベルを示し、10bは、精製収率(mg/L)を示し、(c)は、10mlスケールでの繰り返しの発現試験を示す。モデリングおよび構造分析を通して判定されたY231F突然変異を伴う変異体を除いて、全ての他の変異体は、親分子と同様に、または親分子よりも良好に発現した。特に、全ての違反(合計8つの突然変異)を修正させた変異体が、発現レベルの最大改善を示した。図11は、親および変異体のサイズ排除クロマトグラフィによって判定される、凝集レベルを示す。全ての変異体が、親分子と比較して、はるかに低いレベルの凝集を示した。図12aは、scFv−Fc形式での親および変異体の熱安定性プロファイルを示す。図12bは、IgG形式での親および選択された変異体の熱安定性プロファイルを示す。全ての違反を修正させた構築物は、熱安定性の最大改善を示した(融解温度およびエンタルピーの両方が増加させられている)。図13は、FACSベースの結合分析を示す。図から分かるように、全ての変異体が類似結合プロファイルを呈した。
実施例3
実施例3
これは、適度に良好に発現する(293細胞における過渡的トランスフェクションで30〜50mg/L)抗体を扱う実施例である。相関突然変異分析が、上記の実施例のように実行された。合計6つの違反が、この場合に特定された。相関突然変異分析に基づいて設計された、親およびその変異体の過渡的発現レベルが、図14に示される。ここでは、再度、全ての違反を修正させた構築物が、発現の最大改善を示した。図14bは、変異体の阻害分析を示す。最大数の突然変異を有した構築物が、阻害の5倍減少を示した。これは、CDR表面の近くに位置する2つの電荷突然変異によるものである可能性が高かった。それにもかかわらず、この実施例でも、最大数の突然変異を有した構築物が、熱安定性の最大改善を示した(図15)。より重要なことには、変異体は、製剤緩衝剤のpH変動に対して感受性がより低かった。親分子は、pHが5.2から7.4に増加させられたときにゲルを形成した。親と違って、変異体(F15)は、pHが5.2から7.4に増加させられたときに沈殿しなかった。
実施例4
実施例4
この実施例では、わずかに発現する抗体が、相関突然変異分析を通して分析された。以前の場合と同様に、示唆された突然変異は、過渡的に移入された293細胞内で発現の改善をもたらした。最大数の突然変異を有した構築物が、親より10倍良好に発現した(図16)。
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Claims (20)
- 対象とする抗体可変ドメインを含む、抗原結合タンパク質の1つ以上の特性を改善する方法であって、
a)残基の生理化学的性質に基づく、可変ドメインフレームワーク内の対保存残基位置の特定と、
b)対象とするフレームワークのアミノ酸配列の前記抗体可変ドメインが、どのようにしてa)で特定された前記対保存残基位置から逸脱するかを判定することと、
c)b)からの逸脱であると判定された1つ以上のアミノ酸残基を、生殖細胞系または関連生殖細胞系配列内の対応する位置で見出されるアミノ酸で置換することと、
を含む、方法。 - 対保存残基は、
i)生殖細胞系列サブタイプを前記対象とする抗体可変ドメインに割り当てることと、
ii)(i)で特定された前記生殖細胞系列サブタイプに属する複数の可変ドメインのフレームワーク領域を整合させることと、
iii)整合可変ドメイン内の各位置における前記アミノ酸を、小疎水性、芳香族、中立極性、正電荷を持つ、負電荷を持つ、またはグリシン/欠失として分類することと、
iv)各対位置について保存スコアを計算することと、
v)閾値計算に基づいて相関突然変異対を決定することと、
によって特定される、請求項1に記載の方法。 - 前記保存スコアは、同一分類に属する対の数に等しく、異なる分類に属する対の数でその合計を減算する、請求項2に記載の方法。
- 前記対象とする抗体可変ドメイン内の逸脱は、前記対象とする配列内のアミノ酸対を、既知の可変ドメイン配列の多重配列整合および前記閾値計算を使用して特定された、対保存残基位置の観察されたパターンと比較することによって判定される、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
- 逸脱であると判定された1つ以上のアミノ酸残基が、前記生殖細胞系配列内のその位置で見出されるアミノ酸で置換される、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
- 全ての逸脱が、前記生殖細胞系配列内のその位置で見出されるアミノ酸で置換される、請求項5に記載の方法。
- 逸脱であると判定される1つ以上のアミノ酸残基が、関連生殖細胞系配列内のその位置で見出されるアミノ酸で置換される、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
- 全ての逸脱が、関連生殖細胞系配列内のその位置で見出されるアミノ酸で置換される、請求項7に記載の方法。
- 全ての逸脱が、前記生殖細胞系配列または関連生殖細胞系配列内のその位置で見出されるアミノ酸で置換される、請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
- 前記抗原結合タンパク質は、重鎖可変ドメインと、軽鎖可変ドメインとを含む、請求項1〜9のいずれかに記載の方法。
- 前記重鎖可変ドメインは、ヒト重鎖可変ドメインである、請求項10に記載の方法。
- 前記軽鎖可変ドメインは、ヒト軽鎖可変ドメインである、請求項10または11のいずれかに記載の方法。
- 前記抗原結合タンパク質は、抗体である、請求項10に記載の方法。
- 前記抗原結合タンパク質は、ヒト抗体である、請求項13に記載の方法。
- 前記抗原結合タンパク質は、scFvを含む、請求項10に記載の方法。
- 前記抗原結合タンパク質の発現が改善される、請求項1〜15のいずれかに記載の方法。
- 前記抗原結合タンパク質の熱安定性が改善される、請求項1〜16のいずれかに記載の方法。
- 請求項1〜17のいずれかに記載の方法によって改善された、抗原結合タンパク質。
- 請求項1〜17のいずれかに記載の方法によって改善された、抗原結合タンパク質の抗体可変ドメインをコード化する、単離核酸であって、前記方法は、前記抗体可変ドメイン内の1つ以上の残基を、生殖細胞系列または関連生殖細胞系列残基で置換することを含む、単離核酸。
- 請求項19に記載の単離核酸を含む、宿主細胞。
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