JP2014517049A - (s)−ピロリジン−1,2−ジカルボン酸2−アミド1−({4−メチル−5−[2−(2,2,2−トリフルオロ−1,1−ジメチル−エチル)−ピリジン−4−イル]−チアゾール−2−イル}−アミドの多形 - Google Patents

(s)−ピロリジン−1,2−ジカルボン酸2−アミド1−({4−メチル−5−[2−(2,2,2−トリフルオロ−1,1−ジメチル−エチル)−ピリジン−4−イル]−チアゾール−2−イル}−アミドの多形 Download PDF

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Abstract

本発明は、(S)−ピロリジン−1,2−ジカルボン酸2−アミド1−(4−メチル−5−[2−(2,2,2−トリフルオロ−1,1−ジメチル−エチル)−ピリジン−4−イル]−チアゾール−2−イル)−アミドの特定の固体形態、およびその溶媒和物に関する。本発明はさらに、上記固体形態を調製するための方法、上記固体形態を含む医薬組成物、ならびに上記固体形態および疾患治療用医薬組成物を使用する方法に関する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、(S)−ピロリジン−1,2−ジカルボン酸2−アミド1−(4−メチル−5−[2−(2,2,2−トリフルオロ−1,1−ジメチル−エチル)−ピリジン−4−イル]−チアゾール−2−イル)−アミドの特定の固体形態、およびその溶媒和物に関する。本発明はさらに、上記固体形態を調製するための方法、上記固体形態を含む医薬組成物、ならびに疾患を治療するための上記固体形態および医薬組成物の使用方法に関する。
以後化合物Iと呼称する、(S)−ピロリジン−1,2−ジカルボン酸2−アミド1−(4−メチル−5−[2−(2,2,2−トリフルオロ−1,1−ジメチル−エチル)−ピリジン−4−イル]−チアゾール−2−イル)−アミド

は、α−選択性ホスファチジルイノシトール3−キナーゼ(PI3K)阻害剤である。化合物Iは、最初に国際公開第2010/029082号に記載され、そこでは、その遊離塩基形態の合成が記載された。医薬品成分における使用および医薬品の開発のために、化合物Iのさらなる固体形態に対する必要性が存在する。化合物Iの新規な固体形態は、溶媒和物形態を含む1種以上の多形形態として調製可能であることが判明した。こうした多形形態は、新規な物理特性を示し、その特性は、新規な薬理特性を得るために有効活用することができ、医薬品成分および医薬品の開発に利用することができる。
一態様では、式Iの化合物の結晶形態、または式Iの化合物の結晶形態の溶媒和物、もしくは式Iの化合物の結晶形態の塩、もしくは式Iの化合物の結晶形態の塩の溶媒和物が、本明細書で提供される。一実施形態では、式Iの化合物の結晶形態は、多形形態S、S、S、またはSを有する。
別の態様では、式Iの結晶性化合物を含む医薬組成物が本明細書で提供される。医薬組成物の一実施形態では、式Iの結晶性化合物は、多形形態S、S、S、またはSを有する。
別の態様では、PI3Kによって媒介される障害の治療方法であって、そのような治療を必要とする患者に有効量の式Iの結晶性化合物、特にS、S、S、またはSを投与することを含む方法が本明細書で提供される。
さらなる別の態様では、PI3Kによって媒介される障害の治療用の医薬を調製するための、式Iの結晶性化合物、特にS、S、S、またはSの使用が本明細書で提供される。
さらなる別の態様では、良性または悪性腫瘍;肉腫、肺癌、気管支癌、前立腺癌、乳癌(散発性乳癌および、カウデン病患者を含む)、膵臓癌、胃腸癌、結腸癌、直腸癌、大腸癌、結腸直腸腺腫、甲状腺癌、肝臓癌、肝内胆管癌、肝細胞癌、副腎癌、胃癌(stomach cancer, gastric cancer)、神経膠腫、グリア芽腫、子宮内膜癌、メラノーマ、腎臓癌、腎盂癌、膀胱癌、子宮体癌、子宮頚癌、膣癌、卵巣癌、多発性骨髄腫、食道癌、白血病、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、リンパ球性白血病、骨髄性白血病、脳腫瘍(brain cancer, carcinoma of the brain)、口腔および咽頭癌、喉頭癌、小腸癌、非ホジキンリンパ腫、メラノーマ、絨毛結腸腺腫、新生組織形成、上皮性新生組織形成、リンパ腫、乳腺癌、基底細胞癌、扁平上皮癌、光線角化症、固形腫瘍を含む腫瘍疾患、頚部または頭部の腫瘍、真性赤血球増加症、本態性血小板血症、骨髄化生を伴う骨髄線維症およびワルデンストロームマクログロブリン血症から選択される癌;ならびに真性赤血球増加症、本態性血小板血症、骨髄化生を伴う骨髄線維症、ぜんそく、COPD、ARDS、Loffler症候群、好酸球性肺炎、寄生(詳細には、後生動物性)侵入(熱帯性好酸球増多症を含む)、気管支肺アスペルギルス症、結節性多発動脈炎(アレルギー性肉芽腫性血管炎を含む)、好酸球性肉芽腫、薬物反応で引き起こされる気道に影響する好酸球関連障害、乾癬、接触皮膚炎、アトピー性皮膚炎、円形脱毛症、多形性紅斑、疱疹状皮膚炎、強皮症、白斑、過敏性血管炎、蕁麻疹、水泡性類疱瘡、エリテマトーデス、天疱瘡、後天性表皮水泡症、自己免疫血液学的障害(例えば、溶血性貧血、無形成性貧血、赤芽球ろうおよび特発性血小板減少症)、全身性エリテマトーデス、多発性軟骨炎、強皮症、ウエゲナー肉芽腫症、皮膚筋炎、慢性活動性肝炎、重症筋無力症、スティーブンスジョンソン症候群、特発性スプルー、自己免疫炎症性大腸炎(例えば、潰瘍性大腸炎およびクローン病)、内分泌性眼病、グレーブス病、サルコイドーシス、肺胞炎、慢性過敏性肺炎、多発性硬化症、原発性胆汁性肝硬変、ブドウ膜炎(前部および後部)、間質性肺線維症、乾癬性関節炎、糸球体腎炎、心臓血管症、アテローム性動脈硬化症、高血圧、深部静脈血栓症、脳卒中、心筋梗塞、不安定狭心症、血栓塞栓症、肺栓症、血栓溶解症、急性動脈虚血、末梢血栓性閉塞、および冠動脈疾患、再かん流傷害;糖尿病性網膜症や高圧酸素誘発性網膜症などの網膜症、ならびに緑内障などの高眼圧または眼球水性液の分泌を特徴とする症状から選択される障害を治療するための方法であって、当該治療を必要とする患者に有効量の式Iの結晶性化合物、特に、多形形態S、S、S、またはSを投与することを含む方法が本明細書で提供される。
別の態様では、上に列挙した障害の治療用の医薬を調製するための式Iの結晶性化合物、特に、多形形態S、S、S、またはSの使用が本明細書で提供される。
多形形態Aの粉末X線回折パターンである。 多形形態AのFT−IRスペクトルである。 多形形態Aの示差走査熱量測定サーモグラムである。 多形形態Sの粉末X線回折パターンである。 多形形態Sの粉末X線回折パターンである。 多形形態Sの粉末X線回折パターンである。 多形形態Sの粉末X線回折パターンである。
多形形態および特性
本発明は、(S)−ピロリジン−1,2−ジカルボン酸2−アミド1−({4−メチル−5−[2−(2,2,2−トリフルオロ−1,1−ジメチル−エチル)−ピリジン−4−イル]−チアゾール−2−イル}−アミド)の結晶形態に関する。式Iの化合物または化合物Iと呼称される、(S)−ピロリジン−1,2−ジカルボン酸2−アミド1−({4−メチル−5−[2−(2,2,2−トリフルオロ−1,1−ジメチル−エチル)−ピリジン−4−イル]−チアゾール−2−イル}−アミド)は、最初に国際公開第2010/029082号に記載され、その内容は、参照により本明細書に組み込まれる。化合物Iは、PI3K(ホスファチジルイノシトール3−キナーゼ)の阻害剤であり、生化学分析および細胞分析でPI3Kαに対する選択性が、β、δ、およびγサブタイプに対する選択性よりも改善されている。したがって、化合物Iおよび化合物Iを含む医薬組成物は、PI3K(詳細には、PI3Kα)による疾患を予防、改善または治療するために使用することができる。本明細書に記載されているように、化合物Iの遊離塩基は、溶媒和物形態を含む1種以上の多形形態として存在する結晶形態であってもよい。こうした多形形態(あるいは、当技術分野で多形性形態または結晶形態とも呼ばれている)は、その粉末X線回折パターン、分光学、物理化学および薬物動態特性、ならびにその熱力学的安定性に関して異なっている。
結晶性化合物I、その溶媒和物、その塩およびその塩の溶媒和物の様々な多形形態を入手できることはいくつかの理由から好ましい。例えば、異なる多形形態は、結晶時に異なる不純物を組み込み得る、すなわち、多形形態Aに組み込まれる不純物が、多形形態S、S、SまたはSにも組み込まれるとは限らない。したがって、化合物Iの異なる多形形態の反復調製は、最終的に得られる形態の純度を上昇させ得る。加えて、異なる多形形態は、融点、吸湿性、溶解度、流動特性または熱力学的安定性などの異なる物理特性を示すことができる。したがって、異なる多形形態によって、所与の使用または態様、例えば、薬物製造工程中の中間体としての使用、錠剤、カプセル、軟膏、懸濁液または溶液などの異なる投与形態での使用、あるいは最適な薬物動態特性を有する薬物形態の製造における使用に際して最適な形態を選定することが可能になる。
したがって、一態様では、式Iの化合物の結晶形態、または式Iの化合物の結晶形態の溶媒和物、もしくは式Iの化合物の結晶形態の塩、もしくは式Iの化合物の結晶形態の塩の溶媒和物が本明細書で提供される。
式Iの化合物は、多形形態Aを有することができる。多形形態Aは、必ずしも限定されないが、図1の粉末X線回折パターン、図2のFT−IRスペクトル、または図3の示差走査熱量測定サーモグラムを含む分析測定に由来する1種以上の特性シグナルを参照することによって定義することができる。多形形態Aはまた、1種以上の以下の特性シグナルを参照することによって定義することもできる:
多形形態Aは、角度17.1°+/−0.3°および20.4°+/−0.3°の2θ°に表れる特性ピークを有する粉末X線回折パターンを示す。さらなる別の実施形態では、多形形態Aは、角度4.2°+/−0.3°および21.7°+/−0.3°の特性ピークを示す。さらなる別の実施形態では、多形形態Aは、角度18.2°+/−0.3°および20.1°+/−0.3°の特性ピークを示す。別の実施形態では、多形形態Aは、角度17.1°+/−0.3°、20.4°+/−0.3°、4.2°+/−0.3°、21.7°+/−0.3°、18.2°+/−0.3°および20.1°+/−0.3°の特性ピークを示す。さらなる実施形態では、多形形態Aは、実質的に図1および表1に従う粉末X線回折パターンを示す。
多形形態Aは、単位cm−1で表される値が約1693および約1668の特性ピークを有するFT−IRスペクトルを示す。別の実施形態では、多形形態Aは、値が約1599および約1540の追加のピークを示す。さらなる別の実施形態では、多形形態Aは、値が約2925および約2854の追加のピークを除いて実質的に図2に従うFT−IRスペクトルを示す。本出願の図2は、約2925および2854の追加のピークを含むが、これはFT−IR測定で使用されるNujol(登録商標)鉱油(Schering−Plough Corporation)に対応する。
多形形態Aは、単位℃で表される温度約203の特性ピーク有する示差走査型熱量測定サーモグラムを示す。別の実施形態では、多形形態Aは、実質的に図3に従う示差走査熱量測定サーモグラムを示す。
本発明の一実施形態では、式Iの化合物は、多形形態Sを有する。多形形態Sは、式Iの化合物の特定の溶媒和物であり、必ずしも限定されないが、図4の粉末X線回折パターンを含む分析測定に由来する1種以上の特性シグナルを参照することによって定義することができる。多形形態Sはまた、1種以上の以下の特性シグナルを参照することによって定義することができる。
一実施形態では、多形形態Sは、角度16.9°+/−0.3°および17.7°+/−0.3°の2θ°に表れる特性ピークを有する粉末X線回折パターンを示す。別の実施形態では、多形形態Sは、角度13.3°+/−0.3°および18.2°+/−0.3°の2θ°に表れる特性ピークを有する粉末X線回折パターンを示す。さらなる別の実施形態では、多形形態Sは、角度20.3°+/−0.3°および16.5°+/−0.3°の2θ°に表れる特性ピークを有する粉末X線回折パターンを示す。さらなる別の実施形態では、多形形態Sは、角度16.9°+/−0.3°、17.7°+/−0.3°、13.3°+/−0.3°、18.2°+/−0.3°、20.3°+/−0.3°および16.5°+/−0.3°の2θ°に表れる特性ピークを有する粉末X線回折パターンを示す。さらなる実施形態では、多形形態Sは、実質的に図4および表2に従う粉末X線回折パターンを示す。
一実施形態では、式Iの化合物は、多形形態Sを有する。多形形態Sは、式Iの化合物の別の特定の溶媒和物であり、必ずしも限定されないが、図5の粉末X線回折パターンを含む分析測定に由来する1種以上の特性シグナルを参照することによって定義することができる。多形形態Sはまた、1種以上の以下の特性シグナルを参照することによって定義することができる。
一実施形態では、多形形態Sは、角度13.2°+/−0.3°および18.3°+/−0.3°の2θ°に表れる特性ピークを有する粉末X線回折パターンを示す。別の実施形態では、多形形態Sは、角度17.0°+/−0.3°および15.7°+/−0.3°の2θ°に表れる特性ピークを有する粉末X線回折パターンを示す。さらなる別の実施形態では、多形形態Sは、角度20.4°+/−0.3°および16.4°+/−0.3°の2θ°に表れる特性ピークを有する粉末X線回折パターンを示す。さらなる別の実施形態では、多形形態Sは、角度13.2°+/−0.3°、18.3°+/−0.3°、17.0°+/−0.3°、15.7°+/−0.3°、20.4°+/−0.3°および16.4°+/−0.3°の2θ°に表れる特性ピークを有する粉末X線回折パターンを示す。さらなる実施形態では、多形形態Sは、実質的に図5および表3に従う粉末X線回折パターンを示す。
一実施形態では、式Iの化合物は、多形形態Sを有する。多形形態Sは、式Iの化合物の別の特定の溶媒和物であり、必ずしも限定されないが、図6の粉末X線回折パターンを含む分析測定に由来する1種以上の特性シグナルを参照することによって定義することができる。多形形態Sはまた、1種以上の以下の特性シグナルを参照することによって定義することができる。
一実施形態では、多形形態Sは、角度17.0°+/−0.3°および18.2°+/−0.3°の2θ°に表れる特性ピークを有する粉末X線回折パターンを示す。別の実施形態では、多形形態Sは、角度16.5°+/−0.3°および13.2°+/−0.3°の2θ°に表れる特性ピークを有する粉末X線回折パターンを示す。さらなる別の実施形態では、多形形態Sは、角度14.5°+/−0.3°および15.6°+/−0.3°の2θ°に表れる特性ピークを有する粉末X線回折パターンを示す。さらなる別の実施形態では、多形形態Sは、角度17.0°+/−0.3°、18.2°+/−0.3°、16.5°+/−0.3°、13.2°+/−0.3°、14.5°+/−0.3°および15.6°+/−0.3°の2θ°に表れる特性ピークを有する粉末X線回折パターンを示す。さらなる別の実施形態では、多形形態Sは、図6および表4に実質的に従う粉末X線回折パターンを示す。
一実施形態では、式Iの化合物は、多形形態Sを有する。多形形態Sは、式Iの化合物の別の特定の溶媒和物であり、必ずしも限定されないが、図7の粉末X線回折パターンを含む分析測定に由来する1種以上の特性シグナルを参照することによって定義することができる。多形形態Sはまた、1種以上の以下の特性シグナルを参照することによって定義することができる。
一実施形態では、多形形態Sは、角度9.3°+/−0.3°および3.5°+/−0.3°の2θ°に表れる特性ピークを有する粉末X線回折パターンを示す。別の実施形態では、多形形態Sは、角度7.0°+/−0.3°および4.9°+/−0.3°の2θ°に表れる特性ピークを有する粉末X線回折パターンを示す。さらなる別の実施形態では、多形形態Sは、角度18.1°+/−0.3°および20.8°+/−0.3°の2θ°に表れる特性ピークを有する粉末X線回折パターンを示す。さらなる別の実施形態では、多形形態Sは、角度9.3°+/−0.3°、3.5°+/−0.3°、7.0°+/−0.3°、4.9°+/−0.3°、18.1°+/−0.3°および20.8°+/−0.3°の2θ°に表れる特性ピークを有する粉末X線回折パターンを示す。さらなる別の実施形態では、多形形態Sは、図7および表5に実質的に従う粉末X線回折パターンを示す。
一実施形態では、多形形態S、SB、、またはSは、合計10重量%未満の不純物を含む。別の実施形態では、多形形態S、SB、、またはSは、合計5重量%未満の不純物を含む。さらなる別の実施形態では、多形形態S、SB、、またはSは、合計2重量%未満の不純物を含む。
本明細書では、「溶媒和物」という用語は、本発明の化合物(薬学的に許容されるその塩を含む)と1種以上の溶媒分子の分子複合体を指す。かかる溶媒分子は、レシピエントにとって無害であることが公知である医薬分野で通常使用されるもの、例えば、水、エタノールなどである。
調製
上で議論したように、本発明は、式Iの化合物の固体形態、好ましくは、結晶形態、その溶媒和物、その塩およびその塩の溶媒和物を調製するための方法にも関する。特定の多形が形成される厳密な条件は、実験的に決定することができ、本明細書で記載したような結晶条件を含む多数の方法が、実用上適切である。
式Iの化合物の多形形態Aは、以下のステップを含む方法によって調製することができる:(a)式Iの化合物をアセトン50〜90%の水溶液に溶解させるステップ、(b)水を加えて溶解度をより低くするステップ、および(c)温度を30℃超に保持して多形形態Aを形成するステップ。好ましくは、上記のステップ(a)で式Iの化合物をアセトン70%の水溶液に溶解させる。
本方法の一実施形態では、温度は30〜70℃の範囲である。
本方法の別の実施形態では、温度は30〜60℃の範囲である。
本方法のさらなる別の実施形態では、温度は50〜55℃の範囲である。
本方法のさらなる別の実施形態では、多形形態Aの1種以上の結晶が種として混合物に添加される。
本明細書では、「種(seed)」という用語は、式Iの結晶性化合物の1種以上の結晶を記述する名詞として使用することができる。「種を加える(seed)」という用語はまた、式Iの結晶性化合物の1種以上の上記結晶をある環境(限定されないが、例えば、溶液、混合物、懸濁液、または分散液を含む)中に導入し、それによって、式Iの結晶性化合物のより多くの結晶を形成する行為を記述する動詞としても使用することができる。
多形形態S、SB、、およびSは、本明細書の実施例4から7に記載された方法によって調製することができる。
治療方法
本発明はまた、治療を必要とする患者において、上で示したようなPI3K、特に例えばPI3Kαの活性化によって媒介される状態、障害または疾患を予防、改善または治療するための方法も提供し、該方法は、上記患者に有効量の式Iの結晶性化合物、特に、多形形態S、SB、、またはSを投与することを含む。
例えば、Engelmanら(J.Clin.Oncol.28、2010、1〜10)によって記載されているように、PI3K経路は、癌の場合、数種の異なる機構によって活性化される。理論によって拘束されるものではないが、PI3Kシグナル伝達系の阻害剤は、細胞増殖性疾患の治療に有用である。
本明細書では、「患者」という用語は、哺乳類、好ましくはヒトを指す。
一態様では、PI3Kによって媒介される障害を治療するための方法であって、そのような治療を必要とする患者に、有効量の式Iの結晶性化合物、特に、多形形態S、SB、、またはSを投与することを含む方法が本明細書において提供される。
本方法の一実施形態では、PI3KはPI3Kαである。
本方法の別の実施形態では、障害は、細胞増殖性疾患である。
本方法のさらなる別の実施形態では、障害は、良性または悪性腫瘍から選択される、または肉腫、肺癌、気管支癌、前立腺癌、乳癌(散発性乳癌および、カウデン病患者を含む)、膵臓癌、胃腸癌、結腸癌、直腸癌、大腸癌、結腸直腸腺腫、甲状腺癌、肝臓癌、肝内胆管癌、肝細胞癌、副腎癌、胃癌(stomach cancer, gastric cancer)、神経膠腫、グリア芽腫、子宮内膜癌、メラノーマ、腎臓癌、腎盂癌、膀胱癌、子宮体癌、子宮頚癌、膣癌、卵巣癌、多発性骨髄腫、食道癌、白血病、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、リンパ球性白血病、骨髄性白血病、脳腫瘍(brain cancer, carcinoma of the brain)、口腔および咽頭癌、喉頭癌、小腸癌、非ホジキンリンパ腫、メラノーマ、絨毛結腸腺腫、新生組織形成、上皮性新生組織形成、リンパ腫、乳腺癌、基底細胞癌、扁平上皮癌、光線角化症、固形腫瘍を含む腫瘍疾患、頚部または頭部の腫瘍、真性赤血球増加症、本態性血小板血症、骨髄化生を伴う骨髄線維症およびワルデンストロームマクログロブリン血症から選択される癌である。
本方法のさらなる別の実施形態では、障害は、真性赤血球増加症、本態性血小板血症、骨髄化生を伴う骨髄線維症、ぜんそく、COPD、ARDS、Loffler症候群、好酸球性肺炎、寄生(詳細には、後生動物性)侵入(熱帯性好酸球増多症を含む)、気管支肺アスペルギルス症、結節性多発動脈炎(アレルギー性肉芽腫性血管炎を含む)、好酸球性肉芽腫、薬物反応で引き起こされる気道に影響する好酸球関連障害、乾癬、接触皮膚炎、アトピー性皮膚炎、円形脱毛症、多形性紅斑、疱疹状皮膚炎、強皮症、白斑、過敏性血管炎、蕁麻疹、水泡性類疱瘡、エリテマトーデス、天疱瘡、後天性表皮水泡症、自己免疫血液学的障害(例えば、溶血性貧血、無形成性貧血、赤芽球ろうおよび特発性血小板減少症)、全身性エリテマトーデス、多発性軟骨炎、強皮症、ウエゲナー肉芽腫症、皮膚筋炎、慢性活動性肝炎、重症筋無力症、スティーブンスジョンソン症候群、特発性スプルー、自己免疫炎症性大腸炎(例えば、潰瘍性大腸炎およびクローン病)、内分泌性眼病、グレーブス病、サルコイドーシス、肺胞炎、慢性過敏性肺炎、多発性硬化症、原発性胆汁性肝硬変、ブドウ膜炎(前部および後部)、間質性肺線維症、乾癬性関節炎、糸球体腎炎、心臓血管症、アテローム性動脈硬化症、高血圧、深部静脈血栓症、脳卒中、心筋梗塞、不安定狭心症、血栓塞栓症、肺栓症、血栓溶解症、急性動脈虚血、末梢血栓性閉塞、および冠動脈疾患、再かん流傷害;糖尿病性網膜症や高圧酸素誘発性網膜症などの網膜症、ならびに緑内障などの高眼圧または眼球水性液の分泌を特徴とする症状から選択される。
一態様では、上に列挙した障害を治療するための方法であって、そのような治療を必要とする患者に、有効量の式Iの結晶性化合物、特に、多形形態S、SB、、またはSを投与することを含む方法が本明細書において提供される。別の態様では、細胞増殖性疾患を治療するための方法であって、そのような治療を必要とする患者に、有効量の多形形態S、S、S、またはSを有する式Iの結晶性化合物を投与することを含む方法が本明細書において提供される。細胞増殖性疾患は、良性または悪性腫瘍から選択される、または肉腫、肺癌、気管支癌、前立腺癌、乳癌(散発性乳癌および、カウデン病患者を含む)、膵臓癌、胃腸癌、結腸癌、直腸癌、大腸癌、結腸直腸腺腫、甲状腺癌、肝臓癌、肝内胆管癌、肝細胞癌、副腎癌、胃癌(stomach cancer, gastric cancer)、神経膠腫、グリア芽腫、子宮内膜癌、メラノーマ、腎臓癌、腎盂癌、膀胱癌、子宮体癌、子宮頚癌、膣癌、卵巣癌、多発性骨髄腫、食道癌、白血病、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、リンパ球性白血病、骨髄性白血病、脳腫瘍(brain cancer, carcinoma of the brain)、口腔および咽頭癌、喉頭癌、小腸癌、非ホジキンリンパ腫、メラノーマ、絨毛結腸腺腫、新生組織形成、上皮性新生組織形成、リンパ腫、乳腺癌、基底細胞癌、扁平上皮癌、光線角化症、固形腫瘍を含む腫瘍疾患、頚部または頭部の腫瘍、真性赤血球増加症、本態性血小板血症、骨髄化生を伴う骨髄線維症およびワルデンストロームマクログロブリン血症から選択される癌である。
さらなる別の態様では、真性赤血球増加症、本態性血小板血症、骨髄化生を伴う骨髄線維症、ぜんそく、COPD、ARDS、Loffler症候群、好酸球性肺炎、寄生(詳細には、後生動物性)侵入(熱帯性好酸球増多症を含む)、気管支肺アスペルギルス症、結節性多発動脈炎(アレルギー性肉芽腫性血管炎を含む)、好酸球性肉芽腫、薬物反応で引き起こされる気道に影響する好酸球関連障害、乾癬、接触皮膚炎、アトピー性皮膚炎、円形脱毛症、多形性紅斑、疱疹状皮膚炎、強皮症、白斑、過敏性血管炎、蕁麻疹、水泡性類疱瘡、エリテマトーデス、天疱瘡、後天性表皮水泡症、自己免疫血液学的障害(例えば、溶血性貧血、無形成性貧血、赤芽球ろうおよび特発性血小板減少症)、全身性エリテマトーデス、多発性軟骨炎、強皮症、ウエゲナー肉芽腫症、皮膚筋炎、慢性活動性肝炎、重症筋無力症、スティーブンスジョンソン症候群、特発性スプルー、自己免疫炎症性大腸炎(例えば、潰瘍性大腸炎およびクローン病)、内分泌性眼病、グレーブス病、サルコイドーシス、肺胞炎、慢性過敏性肺炎、多発性硬化症、原発性胆汁性肝硬変、ブドウ膜炎(前部および後部)、間質性肺線維症、乾癬性関節炎、糸球体腎炎、心臓血管症、アテローム性動脈硬化症、高血圧、深部静脈血栓症、脳卒中、心筋梗塞、不安定狭心症、血栓塞栓症、肺栓症、血栓溶解症、急性動脈虚血、末梢血栓性閉塞、および冠動脈疾患、再かん流傷害;糖尿病性網膜症や高圧酸素誘発性網膜症などの網膜症、ならびに緑内障などの高眼圧または眼球水性液の分泌を特徴とする症状を治療するための方法であって、当該治療を必要とする患者に有効量の多形形態S、S、S、またはSを有する式Iの化合物を投与することを含む方法が本明細書において提供される。
本発明はまた、PI3K,特にPI3Kαの活性化によって媒介される状態、障害または疾患を予防、改善または治療するための医薬を調製するための、式Iの結晶性化合物、特に、多形形態S、S、S、またはSの使用を提供する。
一態様では、PI3Kによって媒介される障害を治療するための医薬を調製するための、式Iの結晶性化合物、特に、多形形態S、S、S、またはSの使用が本明細書において提供される。その使用の一実施形態では、障害は、上に列挙された障害などの細胞増殖性疾患である。別の態様では、上に列挙された障害の治療のための医薬を調製するための式Iの結晶性化合物、特に、多形形態S、S、S、またはSの使用が本明細書において提供される。
医薬組成物
本発明の化合物は、特にタンパク質キナーゼ関連障害、とりわけ、癌などのPI3K関連障害を治療するために有効である医薬組成物中の有効薬剤として適切である。多様な実施形態における医薬組成物は、他の薬学的に許容される賦形剤、担体、充填剤、希釈剤などと一緒に、薬学的に有効な量の式Iの結晶性化合物、特に、多形形態S、S、S、またはSを含む。
化合物の「薬学的に有効な量」または「薬学的に許容される量」という言葉は、PI3K関連障害を治療または予防する、例えば、タンパク質キナーゼ関連障害、特に、PI3K関連障害、および/または本明細書に記載された疾患または状態の種々の形態学上および身体的徴候を治療または予防するのに必要なまたは十分な量である。一例では、本発明の化合物の有効量は、患者のPI3K関連障害を治療するのに十分な量である。有効量は、患者のサイズおよび体重、病気の型、または本発明の特定の化合物などの因子に応じて変化する場合がある。例えば、本発明の化合物の選定によって「有効量」を構成するものが影響される場合がある。当業者であれば、本明細書に含まれた因子を調査し、過度の実験をすることなく本発明の化合物の有効量に関して決定を下すことが可能である。
投与計画は、何が薬学的に有効な量に相当するかに影響を及ぼし得る。本発明の化合物は、PI3K関連障害の発症の前または後いずれかに患者に投与することができる。さらに、数個に分割された用量および時差用量(staggered dosage)を、毎日または逐次投与することができ、また投与量を連続注入するかまたは静脈内ボーラス注射することもできる。さらに、本発明の化合物(複数可)の投与量は、治療または予防状況の緊急度に応じて比例的に増加または減少させることもできる。
非限定的な実施形態では、「薬学的に有効な量」という語句は、患者に投与された場合、(1)(i)PI3Kに媒介された、もしくは(ii)PI3Kに関連した、もしくは(iii)PI3Kの異常な活性を特徴とする、状態もしくは障害もしくは疾患を、少なくとも部分的に軽減する、改善する、抑制する、予防するおよび/または治療するのに、あるいは(2)PI3Kの活性を低減するまたは抑制するのに、あるいは(3)PI3Kの発現を低減するまたは抑制するのに有効である、本発明の化合物の量を指す。さらなる別の非限定的な実施形態では、「薬学的に有効な量」という用語は、細胞、または組織、または非細胞の生体材料、または媒体に投与した場合、PI3Kの活性を少なくとも部分的に低減するもしくは抑制するのに、またはPI3Kの発現を少なくとも部分的に低減するもしくは抑制するのに有効である、本発明の化合物の量を指す。
有効量は、患者のサイズおよび体重、病気の型、または特定の有機化合物などの因子に応じて変化する場合がある。例えば、有機化合物の選定は、何が「有効量」を構成するのかに影響を及ぼし得る。当業者であれば、前述の因子を調査し、過度の実験をすることなく有機化合物の許容量に関して決定を下すことが可能である。
本発明の化合物は、本明細書に記載されたような状態、障害もしくは疾患の治療において、またはこうした疾患の治療で使用するための医薬組成物を製造するために、使用することができる。本発明の化合物の使用方法として、こうした疾患の治療、およびこうした疾患を治療するための本発明の化合物を含む医薬製剤の製造が挙げられる。
「医薬組成物」という言葉には、哺乳類、例えばヒトに投与するのに適した製剤が含まれる。本発明の化合物が医薬として哺乳類、例えばヒトに投与される場合、それ自体で、または薬学的に許容される担体と組み合わせて、例えば、0.1%〜99.9%(より好ましくは0.5〜90%)の有効成分を含む医薬組成物として与えることができる。
「薬学的に許容される担体」という語句は、当技術分野で理解されているものであり、その語句には、本発明の化合物を哺乳類に投与するのに適した、薬学的に許容される材料、組成物またはビヒクルが含まれる。担体として、主題の薬剤を一つの器官または身体の部分から別の器官または身体の部分に運ぶまたは輸送するのに必要である、液体もしくは固体充填剤、希釈剤、賦形剤、溶媒またはカプセル化材料が挙げられる。それぞれの担体は、製剤の他の成分と相容性であり、患者に無害であるという意味で「許容される」べきである。薬学的に許容される担体として役立つことができる材料の一部の例として、ラクトース、グルコースおよびスクロースなどの糖類;コーンスターチや馬鈴薯デンプンなどのデンプン;ナトリウムカルボキシメチルセルロース、エチルセルロースおよびセルロースアセテートなどのセルロースおよびその誘導体;粉末トラガカント;モルト;ゼラチン;タルク;ココアバターや坐薬用ワックスなどの賦形剤;ピーナツ油、綿実油、サフラワー油、ゴマ油、オリーブ油、コーン油および大豆油などの油;プロピレングリコールなどのグリコール;グリセリン、ソルビトール、マンニトールおよびポリエチレングリコールなどのポリオール;オレイン酸エチルやラウリン酸エチルなどのエステル;寒天;水酸化マグネシウムや水酸化アルミニウムなどの緩衝剤;アルギン酸;無ピロゲン水;等張生理食塩水;リンゲル液;エチルアルコール;リン酸緩衝液;および医薬製剤に用いられる他の無毒相容性物質が挙げられる。
ラウリル硫酸ナトリウムやステアリン酸マグネシウムなどの湿潤剤、乳化剤および潤滑剤、ならびに着色剤、離型剤、コーティング剤、甘味剤、香味剤および芳香剤、防腐剤および酸化防止剤も組成物中に存在することができる。
薬学的に許容される酸化防止剤の例として、アスコルビン酸、塩酸システイン、重硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウムなどの水溶性酸化防止剤;パルミチン酸アスコルビル、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、レシチン、プロピルガレート、α−トコフェロールなどの油溶性酸化防止剤;クエン酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ソルビトール、酒石酸、リン酸などの金属キレート剤が挙げられる。
本発明の製剤として、経口、経鼻、局所、口腔、舌下、直腸、膣内および/または非経口投与に適したものが挙げられる。製剤は、好都合には、単位用量量形態で提供することができ、薬学分野で周知の任意の方法によって調製することができる。担体材料と組み合わせて単一用量形態を作ることができる有効成分の量は、一般に、治療効果を生む化合物量である。一般に、100%のうち、この量は、約1%から約99%、好ましくは約5%から約70%、最も好ましくは約10%から約30%の範囲の有効成分である。
こうした製剤または組成物を調製する方法は、本発明の化合物を担体および任意に1種以上の副成分と一緒にするステップを含む。一般に、製剤は、本発明の化合物を液体担体もしくは微粉砕固体担体または双方と均一に十分に一緒にし、その後、必要に応じて生成物を成型することによって調製される。
経口投与に適した本発明の製剤は、カプセル、カシェー、ピル、錠剤、トローチ剤(香味ベース、通常、スクロースおよびアカシアもしくはトラガカントを使用する)、粉末、顆粒の形態で、または水性もしくは非水性液体中の溶液もしくは懸濁液として、または水中油型もしくは油中水型液体乳化液として、またはエリキシル剤もしくはシロップとして、またはトローチ(ゼラチンやグリセリン、もしくはスクロースやアカシアなどの不活性ベースを使用して)として、および/または口すすぎ液などとして存在してよく、それぞれが、有効成分として所定量の本発明の化合物を含んでいる。本発明の化合物はまた、ボーラス、舐剤またはペーストとして投与することもできる。
経口投与用の本発明の固体投与形態(カプセル、錠剤、ピル、ドラジェ、粉末、顆粒など)では、有効成分は、クエン酸ナトリウムやリン酸二カルシウムなどの1種以上の薬学的に許容される担体、および/または以下の任意のもの;デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、および/またはケイ酸などの充填剤または増量剤;例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギネート、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロースおよび/またはアカシアなどの結合剤;グリセリンなどの保湿剤;寒天、炭酸カルシウム、馬鈴薯もしくはタピオカデンプン、アルギン酸、ある種のシリケートおよび炭酸ナトリウムなどの崩壊剤;パラフィンなどの溶液遅延剤;第四級アンモニウム化合物などの吸収促進剤;例えば、セチルアルコールおよびモノステアリン酸グリセリンなどの湿潤剤;カオリンやベントナイト粘土などの吸収剤;タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウムおよびその混合物などの潤滑剤;および着色剤と混合することができる。カプセル、錠剤およびピルの場合、医薬組成物はまた、緩衝剤を含むこともできる。類似の型の固体組成物はまた、ラクトースや乳糖、および高分子量ポリエチレングリコールなどの賦形剤を使用するソフト充填およびハード充填ゼラチンカプセル中の充填剤として用いることもできる。
錠剤は、任意に、1種以上の副成分を用いて圧縮または成型によって作製することができる。圧縮錠剤は、結合剤(例えば、ゼラチンもしくはヒドロキシプロピルメチルセルロース)、潤滑剤、不活性希釈剤、防腐剤、崩壊剤(例えば、ナトリウムデンプングリコレートもしくは架橋ナトリウムカルボキシメチルセルロース)、界面活性剤または分散剤を用いて調製することができる。成型錠剤は、不活性液体希釈剤で湿らせた粉末化合物の混合物を適切な器械で成型することによって作製することができる。
錠剤、ならびにドラジェ、カプセル、ピルおよび顆粒など本発明の医薬組成物の他の固体投与形態は、任意に、医薬製剤分野で周知の腸溶解コーティングや他のコーティングなどのコーティングおよび殻を用いて取得または調製することができる。この固体投与形態はまた、例えば、所望の放出プロフィルを提供するための様々な割合で、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、他のポリマーマトリックス、リポソームおよび/またはマイクロ球を用いて、中にある有効成分がゆっくりとまたは制御して放出されるように製剤することもできる。これらは、例えば、バクテリア保持フィルターによるろ過によって、または使用直前に滅菌水もしくは何らかの他の滅菌した注入性媒体中に溶解できる滅菌固体組成物形態の滅菌剤を組み込むことによって滅菌することができる。こうした組成物はまた、任意に乳白剤を含んでいてもよく、また、消化管のある種の部分で優先的に有効成分(複数可)のみを、任意に遅延方式で、放出する組成物であってもよい。使用できる埋め込み組成物の例として、ポリマー物質およびワックスが挙げられる。有効成分はまた、適切であれば、1種以上の上記の賦形剤を含むマイクロカプセル形態であってもよい。
本発明の化合物の経口投与用の液体投与形態として、薬学的に許容される乳化液、マイクロ乳化液、溶液、懸濁液、シロップおよびエリキシル剤が挙げられる。有効成分に加えて、液体投与形態は、例えば、水、またはエチルアルコール、イソプロピルアルコール、エチルカルボネート、酢酸エチル、ベンジルアルコール、ベンジルベンゾエート、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、油(詳細には、綿実、破砕ナッツ、コーン、胚芽、オリーブ、ヒマシおよびゴマ油)、グリセリン、テトラヒドロフリルアルコール、ポリエチレングリコ−ルおよびソルビタンの脂肪酸エステルおよびその混合物などの他の溶媒、可溶化剤および乳化剤などの当技術分野で通常使用される不活性希釈剤を含むこともできる。
不活性希釈剤の他に、経口組成物はまた、湿潤剤、乳化および懸濁剤、甘味剤、香味剤、着色剤、芳香剤および防腐剤などのアジュバントを含むこともできる。
懸濁液は、有効化合物に加えて、例えば、エトキシル化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールおよびソルビタンエステル、微晶質セルロース、メタ水酸化アルミニウム、ベントナイト、寒天およびトラガカント、ならびにこれらの混合物のような懸濁剤を含むことができる。
直腸または膣内投与用の本発明の医薬組成物の製剤は、坐薬として提供することができ、この坐薬は、例えば、ココアバター、ポリエチレングリコール、坐薬ワックスまたはサリチレートを含む1種以上の適切な非刺激性賦形剤または担体を1種以上の本発明の化合物と混合することによって調製することができ、室温で固体であるが体温で液体であり、そのために直腸または膣腔内で融解し、有効化合物を放出する。
膣内投与に適した本発明の製剤として、適切であることが当技術分野で公知であるような担体を含む、ペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、泡またはスプレー製剤も挙げられる。
本発明の化合物の局所または経皮投与用の投与形態として、粉末、スプレー、軟膏、ペースト、クリーム、ローション、ゲル、溶液、パッチおよび吸入剤が挙げられる。有効化合物は、薬学的に許容される担体、および要求される場合のある任意の防腐剤、緩衝剤または噴射剤と、滅菌条件下で混合することができる。
軟膏、ペースト、クリームおよびゲルは、本発明の有効化合物に加えて、動物および植物脂肪、油、ワックス、パラフィン、デンプン、トラガカント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコーン、ベントナイト、ケイ酸、タルクおよび酸化亜鉛、ならびにこれらの混合物などの賦形剤を含むことができる。
粉末およびスプレーは、本発明の化合物に加えて、ラクトース、タルク、ケイ酸、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウムおよびポリアミド粉末、またはこうした物質の混合物などの賦形剤を含むことができる。スプレーは、クロロフルオロ炭化水素などの普通の噴射剤、およびブタンやプロパンなどの揮発性非置換炭化水素をさらに含むことができる。
経皮パッチは、身体に本発明の化合物を制御して送達するという追加の利点を有する。かかる投与形態は、適切な媒体中に化合物を溶解または分散することによって作製することができる。吸収促進剤を使用して、皮膚を通過する化合物流を増進させることもできる。かかる流れの速度は、速度制御メンブランの提供またはポリマーマトリックスまたはゲル中への有効化合物の分散のいずれかによって制御することができる。
眼科用製剤、眼軟膏、眼粉末、眼溶液などもまた、本発明の範囲内であることが企図されている。
非経口投与に適した本発明の医薬組成物は、抗酸化剤、緩衝剤、静菌薬、製剤を対象患者の血液と等張性にする溶質または懸濁もしくは濃縮剤を含んでいてもよい、1種以上の薬学的に許容される水性もしくは非水性の滅菌された等張の溶液、分散液、懸濁液もしくはエマルション、または使用の直前にもどして注射可能な滅菌溶液もしくは分散液にできる滅菌粉末と組み合わせた、1種以上の本発明の化合物を含む。
本発明の医薬組成物中に用いてもよい適切な水性および非水性担体の例として、水、エタノール、ポリオール(グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなどの)、およびその適切な混合物、オリーブ油などの植物性油、オレイン酸エチルなどの注射可能な有機エステルが挙げられる。適切な流動性は、例えば、レシチンなどのコーティング材料の使用によって、分散液の場合、必要な粒径を維持することによって、および界面活性剤の使用によって維持することができる。
こうした組成物はまた、防腐剤、湿潤剤、乳化剤および分散剤などのアジュバントを含むこともできる。微生物の活動の防止は、多様な抗菌および抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノールソルビン酸などを含ませることによって保障することができる。糖類、塩化ナトリウムなどの等張剤を組成物中に含ませることも望ましい場合がある。加えて、注射可能な医薬形態の吸収を延長させることは、モノステアリン酸アルミニウムやゼラチンなどの吸収を遅らせる薬剤を含ませることによって実現することができる。
一部の場合、薬物の効果を延長するために、皮下または筋肉内注射からの薬物の吸収を遅くすることが望ましい。これは、水への溶解度の小さい結晶性または非晶質材料の液体懸濁液の使用によって実現することができる。そして、薬物の吸収の速度は、その溶解速度によって決まり、同様に溶解速度は、結晶径および結晶形態によって決まる場合がある。あるいは、非経口投与薬物形態の遅延吸収は、薬物を油性ビヒクル中に溶解または懸濁することによって実現される。
蓄積注射形態は、ポリアクチド−ポリグリコリドなどの生分解性ポリマー中で主題の化合物のマイクロカプセル化マトリックスを形成することによって作製される。薬物とポリマーの比および用いる特定のポリマーの性質に応じて、薬物放出の速度を制御することができる。他の生分解性ポリマーの例として、ポリ(オルトエステル)およびポリ(無水物)が挙げられる。蓄積注射製剤はまた、身体組織と相容性であるリポソームまたはマイクロ乳化液中に薬物を封入することによっても調製される。
本発明の調製物は、経口的に、非経口的に、局所的に、または直腸的に投与することができる。当然、これは、それぞれの投与経路に適した形態で投与される。例えば、これは、錠剤またはカプセル形態で、注射、吸入、アイローション、軟膏、坐薬などによって、注射、点滴または吸入による投与によって;ローションまたは軟膏により局所的に;坐薬により直腸的に投与される。経口および/またはIV投与が好ましい。
本明細書で使用される「非経口投与」および「非経口的に投与される」という語句は、腸内および局所投与以外の、通常、注射による投与モードを意味し、この語句には、限定されないが、静脈、筋肉、動脈、髄腔、関節包、眼窩、心臓、皮内、腹腔、経気管、皮下、表皮、関節、被膜、くも膜下、髄腔および胸骨内注射および注入が含まれる。
本明細書で使用される「全身投与」、「全身的に投与される」、「末梢投与」および「末梢的に投与される」という語句は、直接的な中枢神経系内への投与以外の、化合物、薬物または他の材料の投与、例えば、皮下投与を意味し、化合物、薬物または他の材料が、患者の系に入り、したがって、代謝および他の類似のプロセスを受ける。
こうした化合物は、経口的に、例えばスプレーにより鼻に、直腸に、膣内に、非経口的に、嚢内に、および粉末、軟膏またはドロップを用いて局所的に(口腔および舌下を含む)を含む、任意の適切な投与経路によって、治療のためにヒトおよび他の動物に投与することができる。
選択された投与経路に拘わらず、本発明の化合物は、当業者に公知の従来方法によって薬学的に許容される投与形態に製剤化される。
本発明の医薬組成物中にある有効成分の実際の投与水準は、患者に毒になることなく、特定の患者に対して所望の治療応答を達成するのに有効である量の有効成分、組成、および投与モードが得られるように変更することができる。
選択される投与水準は、用いる本発明の特定の化合物、そのエステル、塩またはアミドの活性、投与経路、投与時間、用いる特定化合物の排出速度、治療継続期間、用いる特定化合物と組み合わせて使用する他の薬物、化合物および/または材料、治療される患者の年令、性別、体重、状態、総合的な健康および過去の医療歴、および医学分野で周知の類似因子を含む多様な因子で決まる。
当技術分野で通常の技術を有する医師または獣医師は、必要な医薬組成物の有効量を容易に決定および処方することができる。例えば、医師または獣医師は、所望の治療効果を実現するために必要とされるより少ない水準で、医薬組成物中に用いる本発明の化合物の投与を開始し、所望の効果が実現するまで投与量を徐々に増加させることが可能であると思われる。
一般に、本発明の化合物の適切な1日用量は、治療効果を生じるのに有効な最低用量である化合物量である。かかる有効投与量は、上記の因子によって一般に決まる。一般に、示された鎮痛効果に対して使用する場合、患者に対する本発明の化合物の静脈および皮下投与量は、1日当たり体重1kgにつき約0.0001〜約100mg、より好ましくは1日当たり体重1kgにつき約0.01〜約50mg、さらにより好ましくは1日当たり体重1kgにつき約1.0〜約100mgの範囲である。有効量は、PI3K関連障害を治療する量である。
所望であれば、有効化合物の有効な1日用量は、1日を通して適切な間隔で別個に投与される2、3、4、5、6またはそれ以上のサブ用量として、任意に、単位用量形態で投与することができる。
本発明の化合物を単独で投与することも可能であるが、化合物を医薬組成物として投与することが好ましい。
本発明の医薬組成物は、1種以上の医薬として有効な物質を含む。したがって、一態様では、式Iの結晶性化合物を含む医薬組成物が本明細書で提供される。
別の態様では、多形形態Sと、薬学的に許容される担体または希釈剤とを含む医薬組成物が本明細書で提供される。別の実施形態では、多形形態Sと、薬学的に許容される担体または希釈剤とを含む医薬組成物。さらなる別の実施形態では、多形形態Sと、薬学的に許容される担体または希釈剤とを含む医薬組成物。さらなる別の実施形態では、多形形態Sと、薬学的に許容される担体または希釈剤とを含む医薬組成物。
一実施形態では、医薬組成物は、組成物中の式Iの化合物の合計重量に対して0.1重量%未満の多形形態S、S、SC、またはSを含む。別の実施形態では、医薬組成物は、組成物中の式Iの化合物の合計重量に対して1重量%未満の多形形態S、S、SC、またはSを含む。さらなる別の実施形態では、医薬組成物は、組成物中の式Iの化合物の合計重量に対して10.0重量%未満の多形形態S、S、SC、またはSを含む。さらなる別の実施形態では、医薬組成物は、組成物中の式Iの化合物の合計重量に対して50.0重量%未満の多形形態S、S、SC、またはSを含む。別の実施形態では、医薬組成物は、組成物中の式Iの化合物の合計重量に対して少なくとも50.0重量%の多形形態S、S、SC、またはSを含む。さらなる別の実施形態では、医薬組成物は、組成物中の式Iの化合物の合計重量に対して少なくとも75.0重量%の多形形態S、S、SC、またはSを含む。さらなる別の実施形態では、医薬組成物は、組成物中の式Iの化合物の合計重量に対して少なくとも99.0重量%の多形形態S、S、SC、またはSを含む。さらなる別の実施形態では、医薬組成物は、組成物中の式Iの化合物の合計重量に対して少なくとも99.9重量%の多形形態S、S、SC、またはSを含む。
一実施形態では、医薬組成物は、経口投与用に製剤化される。別の実施形態では、医薬組成物は、非経口投与用に製剤化される。さらなる別の実施形態では、医薬組成物は、局所投与用に製剤化される。
キット
本発明はまた、疾患を治療するために消費者によって使用されるためのキットを提供する。キットは、a)式Iの結晶性化合物と、薬学的に許容される担体、ビヒクルまたは希釈剤とを含む医薬組成物と、任意にb)具体的な疾患を治療するための医薬組成物を使用する方法を説明する手引書とを含む。代表的なキットは、PI3K阻害剤化合物(例えば、式Iの結晶性化合物)と、PI3K阻害量の前記化合物(複数可)を投与することによって細胞増殖性疾患を治療するための指針書を含むパッケージ折り込みまたは他のラベルとを含む。
インスタント用途で使用される「キット」は、分割ビンや分割ホイル包などの別々の単位用量形態を入れるための容器を備える。容器は、当技術分野で公知の任意の従来からの形状または形態であってよく、薬学的に許容される材料、例えば、紙もしくはボール紙箱、ガラスもしくはプラスチックびんもしくはジャー、再封止可能な袋(例えば、別の容器内に置くための錠剤の「レフィル」を保持するために)、または治療計画に従ってパックから押し出すための個別用量を入れたブリスターパックから作製されている。用いる容器は、必要とされる正確な投与形態で決めることができ、例えば、従来のボール紙箱は、一般に、懸濁液を保持するには使用されないと思われる。1種超の容器を単一パッケージで一緒に使用して単一用量形態を販売することは実現可能である。例えば、錠剤は、ビンの中に入れることができ、次にそのビンは箱の中に入れられる。
かかるキットの例は、いわゆるブリスターパックである。ブリスターパックは、パッケージ産業で周知であり、医薬単位用量形態(錠剤、カプセルなど)をパッケージするために広く使用されている。ブリスターパックは、一般に、好ましくは透明プラスチック材料のホイルで覆われた比較的堅い材料のシートからなる。パッケージ工程中に、凹部がプラスチックホイル中に形成される。凹部は、パックされる個々の錠剤もしくはカプセルの大きさおよび形状を有するか、あるいはパックされる複数の錠剤および/またはカプセルを収容する大きさおよび形状を有していてもよい。次に、錠剤またはカプセルは、それに応じて凹部に置かれ、比較的堅い材料のシートが、凹部を形成した方向と反対にあるホイル面でプラスチックホイルに対して密封される。その結果、錠剤またはカプセルは、プラスチックホイルとシートの間の凹部で所望のように個別に密封されるか集合的に密封される。好ましくは、シートの強度は、手で凹部に圧力を印加し、開口部が凹部の場所でシートに形成されることによって錠剤またはカプセルをブリスターパックから取り出せるような大きさである。次いで、錠剤またはカプセルは、上記開口部を介して取り出すことができる。
スキーム1.(S)−ピロリジン−1,2−ジカルボン酸−2−アミド−1−{[5−(2−tert−ブチル−ピリジン−4−イル)−4−メチル−チアゾール−2−イル]−アミド}の合成
実施例1:(S)−ピロリジン−1,2−ジカルボン酸2−アミド1−{[5−(2−tert−ブチル−ピリジン−4−イル)−4−メチル−チアゾール−2−イル」−アミド}の合成
トリエチルアミン(1.54mL、11.1mmol、3当量)を、イミダゾール−1−カルボン酸[5−(2−tert−ブチル−ピリジン−4−イル)−4−メチル−チアゾール−2−イル]−アミド(ステップ1.1)(1.26g、3.7mmol)およびL−プロリンアミド(0.548g、4.8mmol、1.3当量)をDMF(25mL)に溶かした溶液にアルゴン雰囲気下で添加する。反応混合物を室温で14時間撹拌し、NaHCO3飽和溶液を添加することによってクエンチし、EtOAcで抽出する。有機層をNaHCO3飽和溶液で洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、ろ過し、濃縮する。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH、1:0→94:6)によって精製した後に、Et2O中で粉砕してオフホワイト色の固体として標題化合物1.22gを得る:ESI−MS:388.1[M+H]+;tR=2.35分(システム1);TLC:Rf=0.36(DCM/MeOH、9:1)。
ステップ1.1:イミダゾール−1−カルボン酸[5−(2−tert−ブチル−ピリジン−4−イル)−4−メチル−チアゾール−2−イル]−アミド
DCM(50mL)中の5−(2−tert−ブチル−ピリジン−4−イル)−4−メチル−チアゾール−2−イルアミン(ステップ1.2)(1g、4.05mmol)と1,1’−カルボニルジイミダゾール(0.984g、6.07mmol、1.5当量)の混合物を還流下で4時間撹拌し、放置冷却する。生成沈殿物をろ過によって集めて白色固体として標題化合物1.26gを得る:ESI−MS:340.2[M−H]−;tR=2.85分(システム1)。
ステップ1.2:5−(2−tert−ブチル−ピリジン−4−イル)−4−メチル−チアゾール−2−イルアミン
N−[5−(2−tert−ブチル−ピリジン−4−イル)−4−メチル−チアゾール−2−イル]−アセトアミド(ステップ1.3)(2g、7mmol)、6N HCl水溶液(10mL)およびEtOH(50mL)の混合物を85℃で2時間撹拌し、放置冷却し、NaHCO3飽和溶液を添加することによってクエンチし、DCM/MeOH(9:1、v/v)で抽出する。有機層をNaHCO3飽和溶液で洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、ろ過し、濃縮する。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH、1:0→96:4)によって精製して黄色固体として標題化合物1.21gを得る:ESI−MS:248.1[M+H]+;TLC:Rf=0.36(DCM/MeOH、9:1)。
ステップ1.3:N−[5−(2−tert−ブチル−ピリジン−4−イル)−4−メチル−チアゾール−2−イル]−アセトアミド
DMF(50mL)中の2−アセトアミド−4−メチルチアゾール(1.2g、7.7mmol、1.1当量)、炭酸セシウム(4.55g、14mmol、2当量)、トリ−tert−ブチルホスフィニウムテトラフルオロボレート(0.406g、1.4mmol、0.2当量)、酢酸パラジウム(II)(0.15g、0.7mmol、0.1当量)および4−ブロモ−2−tert−ブチル−ピリジン(ステップ1.4)(1.5g、7mmol)の混合物をアルゴン雰囲気下90℃で1.5時間撹拌し、放置冷却し、NaHCO3飽和溶液を添加することによってクエンチし、セライトパッドでろ過する。ろ液をEtOAcで抽出する。有機相をNaHCO3飽和溶液で洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、ろ過し、濃縮する。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH、1:0→97:3)によって精製して黄色固体として標題化合物2.02gを得る:ESI−MS:290.1[M+H]+;TLC:Rf=0.35(DCM/MeOH、9:1)。
ステップ1.4:4−ブロモ−2−tert−ブチル−ピリジン
2−tert−ブチル−1H−ピリジン−4−オン(ステップ1.5)(4.25g、28mmol)とPOBr3(8.88g、31mmol、1.1当量)の混合物を120℃まで加熱し、15分間撹拌し、放置冷却し、NaHCO3飽和溶液を添加することによってクエンチし、DCM/MeOH(9:1、v/v)で抽出する。有機相をNaHCO3飽和溶液で洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、ろ過し、濃縮する。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(Hex/EtOAc、95:5)によって精製して黄色油として標題化合物5.18gを得る:ESI−MS:214.0/216.0[M+H]+;tR=2.49分(システム1);TLC:Rf=0.35(Hex/EtOAc、1:1)。
ステップ1.5:2−tert−ブチル−1H−ピリジン−4−オン
2−tert−ブチル−ピラン−4−オン(ステップ1.6)(5.74g、37.7mmol)と水酸化アンモニウム30%水溶液(100mL)の混合物を還流下で1時間撹拌し、放置冷却し、濃縮する。残渣をMeOH(200mL)で粉砕し、ろ過する。ろ液を濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH/NH3水溶液、94:5:1→92:7:1)によって精製して黄色固体として標題化合物4.46gを得る:ESI−MS:152.0[M+H]+;tR=1.45分(システム1);TLC:Rf=0.11(DCM/MeOH、9:1)。
ステップ1.6:2−tert−ブチル−ピラン−4−オン
ベンゼン(250mL)中の5−ヒドロキシ−1−メトキシ−6,6−ジメチル−ヘプタ−1,4−ジエン−3−オン(ステップ1.7)(6.8g、36.9mmol)とTFA(5.65mL、74mmol、2当量)の混合物を室温で14時間撹拌し、濃縮する。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(Hex/EtOAc、1:0→75:25)によって精製して黄色油として標題化合物5.74gを得る:ESI−MS:153.1[M+H]+;tR=3.21分(システム1);TLC:Rf=0.22(Hex/EtOAc、1:1)。
ステップ1.7:5−ヒドロキシ−1−メトキシ−6,6−ジメチル−ヘプタ−1,4−ジエン−3−オン
LiHMDS(THF中1M、100mL、2当量)を、4−メトキシ−3−ブテン−2−オン(10mL、100mmol、2当量)をTHF(400mL)に溶かした冷溶液(−78℃)に滴下する。−78℃で30分間撹拌した後、塩化ピバロイル(6.12mL、50mmol)をTHF(100mL)に溶かした溶液を添加する。生成混合物を2時間にわたり、室温まで放置して温め、NH4Cl飽和溶液を添加することによってクエンチする。THFを真空下で除去する。濃縮混合物をEt2Oで抽出する。有機相をブラインで洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、ろ過し、濃縮する。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(Hex/EtOAc、1:0→85:15)によって精製して黄色油として標題化合物6.83gを得る:ESI−MS:185.1[M+H]+;TLC:Rf=0.87(Hex/EtOAc、1:1)。
スキーム2.(S)−ピロリジン−1,2−ジカルボン酸−2−アミド−1−({4−メチル−5−[2−(2,2,2−トリフルオロ−1,1−ジメチル−エチル−ピリジン−4−イル〕−チアゾール−2−イル}−アミド)の合成
実施例2:(S)−ピロリジン−1,2−ジカルボン酸−2−アミド−1−({4−メチル−5−[2−(2,2,2−トリフルオロ−1,1−ジメチル−エチル)−ピリジン−4−イル〕−チアゾール−2−イル}−アミド)
標題化合物を実施例1に記載の手順と同様に調製するが、以下のように修正する。ステップ2.1(実施例1のステップ1.1に対応する)では、反応混合物を還流下で14時間撹拌する。ステップ2.2(実施例1のステップ1.2に対応する)では、反応混合物を85℃で1時間撹拌し、クエンチ後、酢酸エチルで抽出する。ステップ2.3(実施例1のステップ1.3に対応する)では、反応混合物を120℃で2.5時間撹拌する。ステップ2.4(実施例1のステップ1.4に対応する)では、反応混合物を83℃で1時間撹拌し、クエンチ後、酢酸エチルで抽出する。ステップ2.5(実施例1のステップ1.5に対応する)では、反応混合物を65℃で1時間撹拌し、メタノール中の粉砕を実施しない。ステップ2.6(実施例1のステップ1.6に対応する)では、粗生成物を精製しない。ステップ2.7(実施例1のステップ1.7に対応する)では、3,3,3−トリフルオロ−2,2−ジメチル−プロピオニルクロリドを使用する。
標題化合物:ESI−MS:442.0[M+H];t=3.02分(システム1);TLC:R=0.35(DCM/MeOH、9:1)。
実施例3:多形形態Aの調製
(S)−ピロリジン−1,2−ジカルボン酸−2−アミド−1−({4−メチル−5−[2−(2,2,2−トリフルオロ−1,1−ジメチル−エチル)−ピリジン−4−イル〕−チアゾール−2−イル}−アミド)(10.0g)をエタノール/水(85:15v/v;75mL)に懸濁し、混合物を75℃まで加熱した。溶液を清澄ろ過して第二のフラスコに入れ、次いで、第一のフラスコをエタノール/水(4:6v/v;20mL)、続いて水(10mL)で洗浄した。清澄溶液をさらに30分間、75℃で撹拌した。次いで、清澄溶液を2時間かけて2℃まで冷却し、得られた濃厚懸濁液をさらに1時間、2℃で撹拌した。次いで、混合物をろ過し、フラスコおよびフィルターケーキをエタノール/水(1:1v/v;20mL)、続いて酢酸エチル(10mL)で洗浄した。湿潤フィルターケーキをフラスコにもどし、酢酸エチル(75mL)に懸濁させた。混合物を78℃まで加熱し、還流下で1時間撹拌した。この時間中に、酢酸エチル15mLを蒸留分離した。次いで、混合物を2時間かけて2℃まで冷却し、懸濁液をさらに1時間2℃で撹拌した。混合物をろ過し、フラスコおよびフィルターケーキを冷酢酸エチル(12mL)で洗浄した。次いで、フィルターケーキを50℃、1〜50ミリバール真空下で乾燥して多形形態A(7.3g)を得た。
実施例4:多形形態S の調製
化合物Iの多形形態A(800mg)を水1.5gとアセトン3.5gの混合物に添加し、20℃90時間バイアルで一定撹拌した。固体の多形形態Sをろ過によって集めた。生成物を粉末X線回折法によって分析し、図4に示すパターンを得た。
実施例5:多形形態S の調製
化合物Iの多形形態Aをエタノールまたはエタノール/水(1:1)溶媒混合物中で25℃24時間平衡にした。固体の多形形態Sをろ過によって集めた。生成物を粉末X線回折法によって分析し、図5に示すパターンを得た。
実施例6:多形形態S の調製
化合物Iの多形形態A(300mg)をイソプロパノール5gに添加し、60℃で1週間、バイアルで一定撹拌した。固体の多形形態Sをろ過によって集めた。生成物を粉末X線回折法によって分析し、図6に示すパターンを得た。
実施例7:多形形態S の調製
化合物Iの多形形態Aをテトラヒドロフラン中、25℃で24時間平衡にした。固体の多形形態Sをろ過によって集めた。生成物を粉末X線回折法によって分析し、図7に示すパターンを得た。
パターン中の最強線は、2θ回折角度17.1°で見られ、相対強度100%を有する。粉末X線回折測定を、CuKα放射線源を備えたBrukerX線回折計;ステップ:0.017°;範囲:2.00°〜40.00°;一定の走査速度:0.3s/ステップ;すべての2θ値+/−0.3°を使用して実施した。
パターン中の最強線は、2θ回折角度16.9°で見られ、相対強度100%を有する。粉末X線回折測定を、CuKα放射線源を備えたBrukerX線回折計;ステップ:0.017°;範囲:2.00°〜40.00°;一定の走査速度:0.3s/ステップ;すべての2θ値+/−0.3°を使用して実施した。
パターン中の最強線は、2θ回折角度13.2°で見られ、相対強度100%を有する。粉末X線回折測定を、CuKα放射線源を備えたBrukerX線回折計;ステップ:0.017°;範囲:2.00°〜40.00°;一定の走査速度:0.3s/ステップ;すべての2θ値+/−0.3°を使用して実施した。
パターン中の最強線は、2θ回折角度17.0°で見られ、相対強度100%を有する。粉末X線回折測定を、CuKα放射線源を備えたBrukerX線回折計;ステップ:0.017°;範囲:2.00°〜40.00°;一定の走査速度:0.3s/ステップ;すべての2θ値+/−0.3°を使用して実施した。
パターン中の最強線は、2θ回折角度9.3°で見られ、相対強度100%を有する。粉末X線回折測定を、CuKα放射線源を備えたBrukerX線回折計;ステップ:0.017°;範囲:2.00°〜40.00°;一定の走査速度:0.3s/ステップ;すべての2θ値+/−0.3°を使用して得た。
生物活性
式Iの化合物の生物活性は、国際公開第2010/029082号に記載されている。本化合物は、ホスファチジルイノシトール3−キナーゼ(PI3K)に対する活性を実際に示した。
生物活性
式Iの化合物の生物活性は、国際公開第2010/029082号に記載されている。本化合物は、ホスファチジルイノシトール3−キナーゼ(PI3K)に対する活性を実際に示した。

以下に、本願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] 式I

の化合物の結晶形態、または式Iの化合物の結晶形態の溶媒和物、もしくは式Iの化合物の結晶形態の塩、もしくは式Iの化合物の結晶形態の塩の溶媒和物。
[2] 多形形態S を有し、前記多形が、角度16.9°+/−0.3°および17.7°+/−0.3°の2θ°に表れる特性ピークを有する粉末X線回折パターンを示す、[1]に記載の化合物。
[3] 前記多形形態S が、角度16.9°+/−0.3°、17.7°+/−0.3°、13.3°+/−0.3°、18.2°+/−0.3°、20.3°+/−0.3°および16.5°+/−0.3°の2θ°に表れる特性ピークを有する粉末X線回折パターンを示す、[2]に記載の化合物。
[4] 前記多形が、実質的に図4および表2に従う粉末X線回折パターンを示す、[2]に記載の化合物。
[5] 多形形態S を有し、前記多形が、角度13.2°+/−0.3°および18.3°+/−0.3°の2θ°に表れる特性ピークを有する粉末X線回折パターンを示す、[1]に記載の化合物。
[6] 前記多形形態S が、角度13.2°+/−0.3°、18.3°+/−0.3°、17.0°+/−0.3°、15.7°+/−0.3°、20.4°+/−0.3°および16.4°+/−0.3°の2θ°に表れる特性ピークを有する粉末X線回折パターンを示す、[5]に記載の化合物。
[7] 前記多形が、実質的に図5および表3に従う粉末X線回折パターンを示す、[5]に記載の化合物。
[8] 多形形態S を有し、前記多形が、角度17.0°+/−0.3°および18.2°+/−0.3°の2θ°に表れる特性ピークを有する粉末X線回折パターンを示す、[1]に記載の化合物。
[9] 前記多形形態S が、角度17.0°+/−0.3°、18.2°+/−0.3°、16.5°+/−0.3°、13.2°+/−0.3°、14.5°+/−0.3°および15.6°+/−0.3°の2θ°に表れる特性ピークを有する粉末X線回折パターンを示す、[8]に記載の化合物。
[10] 前記多形が、実質的に図6および表4に従う粉末X線回折パターンを示す、[8]に記載の化合物。
[11] 多形形態S を有し、前記多形が、角度9.3°+/−0.3°および3.5°+/−0.3°の2θ°に表れる特性ピークを有する粉末X線回折パターンを示す、[1]に記載の化合物。
[12] 前記多形形態S が、角度9.3°+/−0.3°、3.5°+/−0.3°、7.0°+/−0.3°、4.9°+/−0.3°、18.1°+/−0.3°および20.8°+/−0.3°の2θ°に表れる特性ピークを有する粉末X線回折パターンを示す、[11]に記載の化合物。
[13] 前記多形が、実質的に図7および表5に従う粉末X線回折パターンを示す、[11]に記載の化合物。
[14] [1]〜[13]のいずれかに記載の多形形態S 、S 、S 、またはS と、薬学的に許容される担体または希釈剤とを含む医薬組成物。
[15] PI3Kによって媒介される障害の治療方法であって、そのような治療を必要とする患者に有効量の[1]〜[13]のいずれかに記載の化合物を投与することを含む方法。
[16] 前記障害が、細胞増殖性疾患である、[15]に記載の方法。
[17] 前記障害が、良性または悪性腫瘍;肉腫、肺癌、気管支癌、前立腺癌、乳癌(散発性乳癌およびカウデン病患者を含む)、膵臓癌、胃腸癌、結腸癌、直腸癌、大腸癌、結腸直腸腺腫、甲状腺癌、肝臓癌、肝内胆管癌、肝細胞癌、副腎癌、胃癌(stomach cancer, gastric cancer)、神経膠腫、グリア芽腫、子宮内膜癌、メラノーマ、腎臓癌、腎盂癌、膀胱癌、子宮体癌、子宮頚癌、膣癌、卵巣癌、多発性骨髄腫、食道癌、白血病、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、リンパ球性白血病、骨髄性白血病、脳腫瘍(brain cancer, carcinoma of the brain)、口腔および咽頭癌、喉頭癌、小腸癌、非ホジキンリンパ腫、メラノーマ、絨毛結腸腺腫、新生組織形成、上皮性新生組織形成、リンパ腫、乳腺癌、基底細胞癌、扁平上皮癌、光線角化症、固形腫瘍を含む腫瘍疾患、頚部または頭部の腫瘍、真性赤血球増加症、本態性血小板血症、骨髄化生を伴う骨髄線維症、ならびにワルデンストロームマクログロブリン血症疾患から選択される癌から選択される、[15]に記載の方法。
[18] PI3Kによって媒介される障害の治療用の医薬を調製するための、[1]〜[13]のいずれかに記載の化合物の使用。
[19] 前記障害が、[17]に記載の細胞増殖性疾患である、[18]に記載の使用。

Claims (19)

  1. 式I

    の化合物の結晶形態、または式Iの化合物の結晶形態の溶媒和物、もしくは式Iの化合物の結晶形態の塩、もしくは式Iの化合物の結晶形態の塩の溶媒和物。
  2. 多形形態Sを有し、前記多形が、角度16.9°+/−0.3°および17.7°+/−0.3°の2θ°に表れる特性ピークを有する粉末X線回折パターンを示す、請求項1に記載の化合物。
  3. 前記多形形態Sが、角度16.9°+/−0.3°、17.7°+/−0.3°、13.3°+/−0.3°、18.2°+/−0.3°、20.3°+/−0.3°および16.5°+/−0.3°の2θ°に表れる特性ピークを有する粉末X線回折パターンを示す、請求項2に記載の化合物。
  4. 前記多形が、実質的に図4および表2に従う粉末X線回折パターンを示す、請求項2に記載の化合物。
  5. 多形形態Sを有し、前記多形が、角度13.2°+/−0.3°および18.3°+/−0.3°の2θ°に表れる特性ピークを有する粉末X線回折パターンを示す、請求項1に記載の化合物。
  6. 前記多形形態Sが、角度13.2°+/−0.3°、18.3°+/−0.3°、17.0°+/−0.3°、15.7°+/−0.3°、20.4°+/−0.3°および16.4°+/−0.3°の2θ°に表れる特性ピークを有する粉末X線回折パターンを示す、請求項5に記載の化合物。
  7. 前記多形が、実質的に図5および表3に従う粉末X線回折パターンを示す、請求項5に記載の化合物。
  8. 多形形態Sを有し、前記多形が、角度17.0°+/−0.3°および18.2°+/−0.3°の2θ°に表れる特性ピークを有する粉末X線回折パターンを示す、請求項1に記載の化合物。
  9. 前記多形形態Sが、角度17.0°+/−0.3°、18.2°+/−0.3°、16.5°+/−0.3°、13.2°+/−0.3°、14.5°+/−0.3°および15.6°+/−0.3°の2θ°に表れる特性ピークを有する粉末X線回折パターンを示す、請求項8に記載の化合物。
  10. 前記多形が、実質的に図6および表4に従う粉末X線回折パターンを示す、請求項8に記載の化合物。
  11. 多形形態Sを有し、前記多形が、角度9.3°+/−0.3°および3.5°+/−0.3°の2θ°に表れる特性ピークを有する粉末X線回折パターンを示す、請求項1に記載の化合物。
  12. 前記多形形態Sが、角度9.3°+/−0.3°、3.5°+/−0.3°、7.0°+/−0.3°、4.9°+/−0.3°、18.1°+/−0.3°および20.8°+/−0.3°の2θ°に表れる特性ピークを有する粉末X線回折パターンを示す、請求項11に記載の化合物。
  13. 前記多形が、実質的に図7および表5に従う粉末X線回折パターンを示す、請求項11に記載の化合物。
  14. 請求項1〜13のいずれか一項に記載の多形形態S、S、S、またはSと、薬学的に許容される担体または希釈剤とを含む医薬組成物。
  15. PI3Kによって媒介される障害の治療方法であって、そのような治療を必要とする患者に有効量の請求項1〜13のいずれか一項に記載の化合物を投与することを含む方法。
  16. 前記障害が、細胞増殖性疾患である、請求項15に記載の方法。
  17. 前記障害が、良性または悪性腫瘍;肉腫、肺癌、気管支癌、前立腺癌、乳癌(散発性乳癌およびカウデン病患者を含む)、膵臓癌、胃腸癌、結腸癌、直腸癌、大腸癌、結腸直腸腺腫、甲状腺癌、肝臓癌、肝内胆管癌、肝細胞癌、副腎癌、胃癌(stomach cancer, gastric cancer)、神経膠腫、グリア芽腫、子宮内膜癌、メラノーマ、腎臓癌、腎盂癌、膀胱癌、子宮体癌、子宮頚癌、膣癌、卵巣癌、多発性骨髄腫、食道癌、白血病、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、リンパ球性白血病、骨髄性白血病、脳腫瘍(brain cancer, carcinoma of the brain)、口腔および咽頭癌、喉頭癌、小腸癌、非ホジキンリンパ腫、メラノーマ、絨毛結腸腺腫、新生組織形成、上皮性新生組織形成、リンパ腫、乳腺癌、基底細胞癌、扁平上皮癌、光線角化症、固形腫瘍を含む腫瘍疾患、頚部または頭部の腫瘍、真性赤血球増加症、本態性血小板血症、骨髄化生を伴う骨髄線維症、ならびにワルデンストロームマクログロブリン血症疾患から選択される癌から選択される、請求項15に記載の方法。
  18. PI3Kによって媒介される障害の治療用の医薬を調製するための、請求項1〜13のいずれか一項に記載の化合物の使用。
  19. 前記障害が、請求項17に記載の細胞増殖性疾患である、請求項18に記載の使用。
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