JP2014513448A - 制御サーバ、ネットワーク制御方法、および、プログラム - Google Patents

制御サーバ、ネットワーク制御方法、および、プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】トラヒックに対して十分なスループットを与えつつ、通信ネットワークの消費電力を低減すること。
【解決手段】制御サーバは、第1の通信ネットワークに含まれるノードから一部のノードを選択し、選択したノードから成る第2の通信ネットワークを生成し、第2の通信ネットワークにおいて、ノードとその次ホップノードとの間でのパケットの転送確率を求め、求めた転送確率を用いて所定のトラフィックに対する第2の通信ネットワークに含まれるノード対の間の通信量を算出し、求めた転送確率と算出した通信量に基づいて第2の通信ネットワークに含まれるノード対のリンクコストを算出し、算出されたリンクコストが所定の条件を満たすように、第1の通信ネットワークに含まれるノードを第2の通信ネットワークに追加し、第2の通信ネットワークに含まれないノードを消費電力の少ないモードとする。
【選択図】図6

Description

(関連出願についての記載)
本願は日本国特許出願:特願2011−082887号(2011年4月4日出願)の優先権主張に基づくものであり、同出願の全記載内容は引用をもって本書に組み込み記載されているものとする。
本発明は、制御サーバ、ネットワーク制御方法、および、プログラムに関し、特に、ネットワークの通信性能を維持しつつ、ネットワークに配置されたノードの電源を制御する制御サーバ、ネットワーク制御方法、および、プログラムに関する。
複数のノードを含む通信ネットワークを管理サーバによって集中的に管理する通信システムが知られている。管理サーバは、トラフィックに関する経路設定要求を受け取ると、通信ネットワークにおける当該トラフィックの通信経路を決定する。以下、トラフィックの通信経路を決定する管理サーバを「制御サーバ」という。
複数のノードを含む通信ネットワークにおいて、トラヒックの発生に備えて、ノードの電源はつねにオン状態とされている。このような電源管理手法は、トラヒックが発生する頻度が高い環境においては有効である。しかし、トラヒックが発生する頻度が低い環境においては、ノードの使用率が低く、ノードが有効に利用されず、通信ネットワークにおいて不要な電力が消費される。
トラヒックが発生する頻度が低い環境において通信ネットワークの消費電力を削減するには、使用率の低いノードの電源を切断するか、省電力モードにすることが好ましい。また、このとき、トラヒックに与えるスループットを低減させないことが必要となる。トラヒックが発生する頻度が低い環境において、トラヒックに十分なスループットを与えつつ、使用率の低いノードの電源を切断し、または省電力モードにする技術として、例えば、以下の技術が知られている。
特許文献1には、通信ネットワークのエッジ部においてトラヒック量を測定し、トラヒック量が少なければノードを省電力モードに移行させ、省電力モードへ移行したノードを迂回するようルーティングを行う方法が記載されている。
非特許文献1には、すべての電源が投入された状態を初期状態とし、経路計算をイコールコストマルチパスで行うものとし、初期状態におけるトラヒックの推定平均スループットおよび推定ノード使用率を算出し、最も推定ノード使用率が低いノードの電源を切断し、電源を切断したノードを除外したネットワークにおけるトラヒックの推定平均スループットが初期状態における推定平均スループットの一定倍以下になるまで、電源切断と推定平均スループットの比較を行う方法(Energy−aware Routing)が記載されている。この方法によると、スループットを維持しつつ、使用率の低いノードの電源を切断することが可能になる。
特開2010−148023号公報
Yunfei Shang,Dan Li,Mingwei Xu,"Energy−aware Routing in Data Center Network,"Proceedings of ACM SIGCOMM2010 Workshop on Green Networking. N. McKeown, et al.,"OpenFlow: Enabling Innovation in Campus Networks,"[online],[平成23年3月30日検索],インターネット<URL:http://www.openflowswitch.org/documents/openflow−wp−latest.pdf> Y.Honma,M.Aida,H.Shimonishi and A.Iwata,"A New Multi−path Routing Methodology Based on Logit Type Assignment,"Proceedings of the 2nd International Workshop on the Network of the Future(FutureNet II),2009.
上記の特許文献および非特許文献の各開示を、本書に引用をもって繰り込むものとする。以下の分析は、本発明者によってなされたものである。
複数のノードを含む通信ネットワークにおいて、トラヒックの発生に備えて、ノードの電源はつねにオン状態とされている。しかし、トラヒックが発生する頻度が低い環境においては、ノードの使用率が低く、ノードが有効に利用されず、ネットワークにおいて不要な電力が消費される。ネットワークを効率的に使用するには、トラヒックが発生する頻度が低い環境において、使用率が低いノードの電源を切断するか、省電力モードとすることが好ましい。
しかしながら、特許文献1に記載された電力制御技術はルーティングを考慮していないため、切断すべきノードを適切に選択することが困難である。
また、非特許文献1に記載された方法によると、相対的な指標に基づいて電源切断を中止するか否かを決定しているため、トラヒックに対して十分なスループットを与えることができない場合や、必要以上のノードの電源がオン状態とされる場合が生じ得る。例えば、すべてのノードの電源がオン状態である場合にすでにトラヒックに対して十分なスループットを与えることができないにも関わらず、ノードの電源が遮断されるおそれがある。
そこで、トラヒックに対して十分なスループットを与えつつ、通信ネットワークの消費電力を低減することが課題となる。本発明の目的は、かかる課題を解決する制御サーバ、通信システム、および、ネットワーク制御方法を提供することにある。
本発明の第1の視点に係る制御サーバは、
第1の通信ネットワークに含まれるノードから一部のノードを選択し、選択したノードから成る第2の通信ネットワークを生成するノード選択部と、
前記第2の通信ネットワークにおいて、ノードとその次ホップノードとの間でのパケットの転送確率を求め、求めた転送確率を用いて所定のトラフィックに対する前記第2の通信ネットワークに含まれるノード対の間の通信量を算出し、求めた転送確率と算出した通信量に基づいて前記第2の通信ネットワークに含まれるノード対のリンクコストを算出するリンクコスト算出部と、
算出されたリンクコストが所定の条件を満たすように、前記第1の通信ネットワークに含まれるノードであって前記第2の通信ネットワークに含まれないノードを前記第2の通信ネットワークに追加するノード追加部と、
前記第2の通信ネットワークに含まれるノードを第1のモードとし、それ以外のノードを第1のモードよりも消費電力の少ない第2のモードとするノード制御部と、を備える。
本発明の第2の視点に係るネットワーク制御方法は、
第1の通信ネットワークに含まれるノードから一部のノードを選択し、選択したノードから成る第2の通信ネットワークを生成する工程と、
前記第2の通信ネットワークにおいて、ノードとその次ホップノードとの間でのパケットの転送確率を求め、求めた転送確率を用いて所定のトラフィックに対する前記第2の通信ネットワークに含まれるノード対の間の通信量を算出し、求めた転送確率と算出した通信量に基づいて前記第2の通信ネットワークに含まれるノード対のリンクコストを算出する工程と、
前記第1の通信ネットワークに含まれるノードであって前記第2の通信ネットワークに含まれないノードを前記第2の通信ネットワークに追加する工程と、
算出されたリンクコストが所定の条件を満たすまで、前記リンクコスト算出工程および前記ノード追加工程を繰り返す工程と、
前記第2の通信ネットワークに含まれるノードを第1のモードとし、それ以外のノードを第1のモードよりも消費電力の少ない第2のモードとする工程と、を含む。
本発明の第3の視点に係るプログラムは、
第1の通信ネットワークに含まれるノードから一部のノードを選択し、選択したノードから成る第2の通信ネットワークを生成する処理と、
前記第2の通信ネットワークにおいて、ノードとその次ホップノードとの間でのパケットの転送確率を求め、求めた転送確率を用いて所定のトラフィックに対する前記第2の通信ネットワークに含まれるノード対の間の通信量を算出し、求めた転送確率と算出した通信量に基づいて前記第2の通信ネットワークに含まれるノード対のリンクコストを算出する処理と、
前記第1の通信ネットワークに含まれるノードであって前記第2の通信ネットワークに含まれないノードを前記第2の通信ネットワークに追加する処理と、
算出されたリンクコストが所定の条件を満たすまで、前記リンクコスト算出処理および前記ノード追加処理を繰り返す処理と、
前記第2の通信ネットワークに含まれるノードを第1のモードとし、それ以外のノードを第1のモードよりも消費電力の少ない第2のモードとする処理とを、コンピュータに実行させる。
プログラムは、コンピュータ読み取り可能で非トランジエント(non-transient)な記録媒体に記録されることができる。
本発明に係る制御サーバ、ネットワーク制御方法、および、プログラムによると、トラフィックに対して十分なスループットを与えつつ、通信ネットワークの消費電力を低減することができる。
実施形態に係る制御サーバを備えた通信システムを模式的に示す図である。 送信元ノードから送信先ノードへの通信経路を示す概念図である。 実施形態に係る制御サーバにおける転送確率テーブルを示す図である。 実施形態に係る制御サーバの構成を示すブロック図である。 実施形態に係る制御サーバの次ホップ決定部およびノード設定部の動作を示すフローチャートである。 実施形態に係る制御サーバの電力制御部の構成を示すブロック図である。 実施形態に係る制御サーバの電力制御部の動作を示すフローチャート(その1)である。 実施形態に係る制御サーバの電力制御部の動作を示すフローチャート(その2)である。
はじめに、本発明の概要について説明する。なお、この概要に付記する図面参照符号は、専ら理解を助けるための例示であり、本発明を図示の態様に限定することを意図するものではない。
図6を参照すると、制御サーバ(100)は、第1の通信ネットワークに含まれるノードから一部のノードを選択し、選択したノードから成る第2の通信ネットワークを生成するノード選択部(51)と、第2の通信ネットワークにおいて、ノードとその次ホップノードとの間でのパケットの転送確率を求め、求めた転送確率を用いて所定のトラフィックに対する第2の通信ネットワークに含まれるノード対の間の通信量を算出し、求めた転送確率と算出した通信量に基づいて第2の通信ネットワークに含まれるノード対のリンクコストを算出するリンクコスト算出部(52)と、算出されたリンクコストが所定の条件を満たすように、第1の通信ネットワークに含まれるノードであって第2の通信ネットワークに含まれないノードを第2の通信ネットワークに追加するノード追加部(53)と、第2の通信ネットワークに含まれるノードを第1のモードとし、それ以外のノードを第1のモードよりも消費電力の少ない第2のモードとするノード制御部(54)と、を備えることが好ましい。
ノード追加部(53)は、第2の通信ネットワークに含まれるノード対のリンクコストの最大値が所定の閾値よりも小さい場合に、上記の所定の条件が満たされたものと判定するようにしてもよい。
また、ノード追加部(53)は、第1の通信ネットワークにおいて、ノードとその次ホップノードとの間での転送確率を求め、求めた転送確率を用いて所定のトラフィックに対する第1の通信ネットワークに含まれるノード対の間の通信量を算出し、算出した通信量に基づいて第1の通信ネットワークに含まれる各ノードにおける通信量を求め、通信量が最大のノードを第2の通信ネットワークに追加するようにしてもよい。一方、ノード追加部(53)は、第1の通信ネットワークにおいて、ノードとその次ホップノードとの間でのパケットの転送確率を求め、求めた転送確率を用いて所定のトラフィックに対する第1の通信ネットワークに含まれるノード対の間の通信量を算出し、求めた転送確率と算出した通信量に基づいて第1の通信ネットワークに含まれるノード対のリンクコストを求め、自身を含むノード対のリンクコストの和が最大のノードを第2の通信ネットワークに追加するようにしてもよい。
リンクコスト算出部(52)は、所定のトラフィックに対するエッジノードにおける送信データ量または受信データ量を取得し、取得した送信データ量または受信データ量と求めた転送確率とを用いて所定のトラフィックに対する第2の通信ネットワークに含まれるノード対の間の通信量を算出するようにしてもよい。
また、ノード選択部(51)は、第1の通信ネットワークから、すべてのエッジノードを選択するとともに、すべてのエッジノードの対を結ぶ最短経路上のノードを選択するようにしてもよい。
さらに、ノード制御部(54)は、第2の通信ネットワークに含まれないノードの電源を遮断するようにしてもよい。
本発明に係る制御サーバは、第1のネットワークに含まれるノードの中から、トラフィックに対して十分なスループットを与えるために必要とされるノードを抽出して、第2のネットワークを構成するとともに、第2のネットワークに含まれないノードの消費電力を抑える。これにより、トラフィックに対して十分なスループットを与えつつ、通信ネットワークの消費電力を低減することが可能となる。
本発明において、下記の形態が可能である。
[形態1]
第1の視点に係る制御サーバのとおりである。
[形態2]
前記ノード追加部は、前記第2の通信ネットワークに含まれるノード対のリンクコストの最大値が所定の閾値よりも小さい場合に、前記所定の条件が満たされたものと判定するようにしてもよい。
[形態3]
前記ノード追加部は、前記第1の通信ネットワークにおいて、ノードとその次ホップノードとの間でのパケットの転送確率を求め、求めた転送確率を用いて前記所定のトラフィックに対する前記第1の通信ネットワークに含まれるノード対の間の通信量を算出し、算出した通信量に基づいて前記第1の通信ネットワークに含まれる各ノードにおける通信量を求め、通信量が最大のノードを前記第2の通信ネットワークに追加するようにしてもよい。
[形態4]
前記ノード追加部は、前記第1の通信ネットワークにおいて、ノードとその次ホップノードとの間でのパケットの転送確率を求め、求めた転送確率を用いて前記所定のトラフィックに対する前記第1の通信ネットワークに含まれるノード対の間の通信量を算出し、求めた転送確率と算出した通信量に基づいて前記第1の通信ネットワークに含まれるノード対のリンクコストを求め、自身を含むノード対のリンクコストの和が最大のノードを前記第2の通信ネットワークに追加するようにしてもよい。
[形態5]
前記リンクコスト算出部は、前記所定のトラフィックに対するエッジノードにおける送信データ量または受信データ量を取得し、取得した送信データ量または受信データ量と求めた転送確率とを用いて前記所定のトラフィックに対する前記第2の通信ネットワークに含まれるノード対の間の通信量を算出するようにしてもよい。
[形態6]
前記ノード選択部は、前記第1の通信ネットワークから、すべてのエッジノードを選択するとともに、すべてのエッジノードの対を結ぶ最短経路上のノードを選択するようにしてもよい。
[形態7]
前記ノード制御部は、前記第2の通信ネットワークに含まれないノードの電源を遮断するようにしてもよい。
[形態8]
前記第1の通信ネットワークと、上記の形態に記載された制御サーバと、を備える通信システムが提供される。
[形態9]
第2の視点に係るネットワーク制御方法のとおりである。
[形態10]
前記第2の通信ネットワークに含まれるノード対のリンクコストの最大値が所定の閾値よりも小さい場合に、前記所定の条件が満たされるようにしてもよい。
[形態11]
ネットワーク制御方法は、前記第1の通信ネットワークにおいて、ノードとその次ホップノードとの間でのパケットの転送確率を求め、求めた転送確率を用いて前記所定のトラフィックに対する前記第1の通信ネットワークに含まれるノード対の間の通信量を算出し、算出した通信量に基づいて前記第1の通信ネットワークに含まれる各ノードにおける通信量を求め、通信量が最大のノードを前記第2の通信ネットワークに追加する工程を含んでいてもよい。
[形態12]
ネットワーク制御方法は、前記第1の通信ネットワークにおいて、ノードとその次ホップノードとの間でのパケットの転送確率を求め、求めた転送確率を用いて前記所定のトラフィックに対する前記第1の通信ネットワークに含まれるノード対の間の通信量を算出し、求めた転送確率と算出した通信量に基づいて前記第1の通信ネットワークに含まれるノード対のリンクコストを求め、自身を含むノード対のリンクコストの和が最大のノードを前記第2の通信ネットワークに追加する工程を含んでいてもよい。
[形態13]
ネットワーク制御方法は、前記所定のトラフィックに対するエッジノードにおける送信データ量または受信データ量を取得し、取得した送信データ量または受信データ量と求めた転送確率とを用いて前記所定のトラフィックに対する前記第2の通信ネットワークに含まれるノード対の間の通信量を算出する工程を含んでいてもよい。
[形態14]
上記第3の視点に係るプログラムのとおりである。
[形態15]
プログラムは、前記第2の通信ネットワークに含まれるノード対のリンクコストの最大値が所定の閾値よりも小さい場合に、前記所定の条件が満たされるようにしてもよい。
[形態16]
プログラムは、前記第1の通信ネットワークにおいて、ノードとその次ホップノードとの間でのパケットの転送確率を求め、求めた転送確率を用いて前記所定のトラフィックに対する前記第1の通信ネットワークに含まれるノード対の間の通信量を算出し、算出した通信量に基づいて前記第1の通信ネットワークに含まれる各ノードにおける通信量を求め、通信量が最大のノードを前記第2の通信ネットワークに追加する処理を、コンピュータに実行させるようにしてもよい。
[形態17]
プログラムは、前記第1の通信ネットワークにおいて、ノードとその次ホップノードとの間でのパケットの転送確率を求め、求めた転送確率を用いて前記所定のトラフィックに対する前記第1の通信ネットワークに含まれるノード対の間の通信量を算出し、求めた転送確率と算出した通信量に基づいて前記第1の通信ネットワークに含まれるノード対のリンクコストを求め、自身を含むノード対のリンクコストの和が最大のノードを前記第2の通信ネットワークに追加する処理を、コンピュータに実行させるようにしてもよい。
[形態18]
プログラムは、前記所定のトラフィックに対するエッジノードにおける送信データ量または受信データ量を取得し、取得した送信データ量または受信データ量と求めた転送確率とを用いて前記所定のトラフィックに対する前記第2の通信ネットワークに含まれるノード対の間の通信量を算出する処理を、コンピュータに実行させるようにしてもよい。
[形態19]
上記の形態に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体が提供される。
[形態20]
送信元から宛先へ複数の経路が存在するネットワークと、ノード間トラフィック転送確率に基づいて該ネットワークを制御する経路選択方法において、すべての送信元から宛先のペアを結ぶ経路上のノードを起動した状態を、起動するノードで構成されるネットワークの初期状態とし、
該起動するノードで構成されるネットワークにおけるノード間トラフィック転送確率を算出し、
該転送確率と将来に発生すると仮定した通信量とを用いることによって、該ネットワークの将来のリンクコストを推定し、
該コストが閾値を下回るまで、起動した場合に最も使用されるノードを、起動するノードで構成されるネットワークに追加し、
該コストが閾値を下回ると、該ネットワークに含まれるノードを起動し、含まれないノードの電源を切断する、ノード電力制御方法が提供される。
[形態21]
ノード電力制御方法において、すべての送信元から宛先のペアを結ぶ経路上のノードを起動した状態を、すべての送信元から宛先のペアの最短経路上のノードを起動した状態としてもよい。
[形態22]
ノード電力制御方法において、全ノード対間の将来に発生すると仮定した通信量と、起動済みノードで構成されるネットワークにおけるノード間トラフィック転送確率に基づいて、起動済みノードで構成されるネットワークにおける全リンクの将来のリンクコストを推定するようにしてもよい。
[形態23]
ノード電力制御方法において、トラフィックの経路を管理し、トラフィックが経由しているエッジスイッチから全ノード対間の通信量を取得し、将来に発生すると仮定した通信量としてもよい。
[形態24]
ノード電力制御方法において、全ノード対間の将来に発生すると仮定した通信量と、全ノードで構成されるネットワークにおけるノード間トラフィック転送確率に基づいて、全リンクの将来のリンクコストを推定し、起動していないノードの中で最もリンクコストの合計値が高いノードを、起動した場合に最も使用されるノードとしてもよい。
(実施形態)
実施形態に係る通信システムについて、図面を参照して説明する。図1は、本実施形態に係る通信システム1を模式的に示す図である。図1を参照すると、通信システム1は、複数のノードを含む通信ネットワークN1と、制御サーバ100とを備えている。通信ネットワークN1は、n個(nは2以上の整数)のノード5−1〜5−nを含む。
トラフィックの通信経路が決定されると、制御サーバ100は、決定された通信経路上の各ノード5−iに対して、トラフィックのデータ(パケット、フレーム等)を、決定された通信経路に沿って転送するように指示する。各ノード5−iは、制御サーバ100からの指示に従って、自身の設定を行う。
各ノード5−iは、例えば、転送テーブルを備えている。ここで、転送テーブルとは、トラフィックの入力元と送信先との対応関係を示すテーブルをいう。各ノード5−iは、転送テーブルを参照することによって、入力元から受け取ったトラフィックを指定された送信先に転送する。この場合、制御サーバ100は、上記決定された通信経路に沿ってトラフィックが転送されるように、各ノード5−iに対して転送テーブルを設定するよう指示する。各ノード5−iは、制御サーバ100からの指示に従って、自身の転送テーブルの内容を設定する。
このような処理を実現するための制御サーバ100とノード5−iとの間のインターフェイス方式として、非特許文献2にオープンフロー(OpenFlow)という技術が提案されている。オープンフローは、通信をフローとして捉え、フロー単位で経路制御、障害回復、負荷分散および最適化を行う。ノードとして機能するオープンフロースイッチは、制御サーバとして機能するオープンフローコントローラとの通信用のセキュアチャネルを備え、オープンフローコントローラから適宜追加または書き換えを指示されるフローテーブルに従って動作する。フローテーブルには、フロー毎に、パケットヘッダと照合するルールと、処理内容を定義したアクションと、フロー統計情報との組が定義される。
例えば、オープンフロースイッチは、最初のパケット(first packet)を受信すると、受信パケットのヘッダ情報に適合するルール(FlowKey)を持つエントリをフローテーブルから検索する。受信パケットに適合するエントリが見つかった場合、オープンフロースイッチは、受信パケットに対して、当該エントリのアクションフィールドに記述された処理内容を実施する。一方、受信パケットに適合するエントリが見つからなかった場合、オープンフロースイッチは、セキュアチャネルを介して、オープンフローコントローラに対して受信パケットを転送し、受信パケットの送信元・送信先に基づいたパケットの経路の決定を依頼し、これを実現するフローエントリを受け取ってフローテーブルを更新する。
図2は、送信元ノード5−Sから送信先ノード5−Dへの複数の通信経路を示す概念図である。図2に示すように、多くの場合、送信元ノード5−Sから送信先ノード5−Dへの複数の通信経路が存在する。各通信経路はいくつかの中継ノード5−rを含んでおり、異なる通信経路は異なる中継ノード5−rの組み合わせから成る。
通信ネットワークからのリンクコストおよびトポロジ情報を含んだネットワーク情報に基づいて、転送確率テーブルを構成することができる。図面を参照して、転送確率テーブルについて説明する。図3は、対象ノード5−i(i=1〜n)に対する転送確率テーブル30−iを一例として示す図である。
ここで、対象ノード5−i(i=1〜n)は、図1におけるノード5−1〜5−nのいずれかである。また、送信先ノード5−j(j=1〜n、j≠i)は、ノード5−1〜5−nのいずれかのノードであって、対象ノード5−i以外のノードをいう。
対象ノード5−iから送信先ノード5−jへトラフィックを伝達することを考える。このとき、対象ノード5−iからのトラフィックの送信先となる次のノードが、「次ホップノード5−ij」である。すなわち、次ホップノード5−ijは、トラフィックが経由する対象ノード5−iの次のホップのノードである。対象ノード5−iに関して、複数の次ホップノード5−ijの候補が存在し得る。次ホップノードの候補をm個(mは自然数)とすると、これらを5−ij(1)〜5−ij(m)のように表すことができる。すなわち、対象ノード5−iに関して、次ホップノード候補5−ij(k)(k=1〜m)存在する。なお、次ホップノード候補5−ij(k)は、送信先ノード5−jから遠ざかるようなノードであってもよい。
以上のように、転送確率テーブル30は、次ホップノードの候補を示す「次ホップ情報」である。転送確率テーブル30−1〜30−nは、ノード5−1〜5−nのそれぞれに対して設けられる。すなわち、対象ノード5−iと転送確率テーブル30−iとは、互いに関連付けられており、転送確率テーブル30−iは、対象ノード5−iに関する次ホップノード候補5−ij(k)を示す。
図3を参照すると、転送確率テーブル30−iは、送信先ノード5−j(j=1〜n、j≠i)毎に、次ホップノード候補5−ij(k)を示す。さらに、転送確率テーブル30−iは、各次ホップノード候補5−ij(k)に対して規定される転送確率Pij(k)を示す。転送確率Pij(k)は、m個の次ホップノード候補5−ij(1)〜5−ij(m)の中から次ホップノード5−ij(k)が選択される確率を表す。
制御サーバ100は、転送確率テーブル30に基づいて確率的にトラフィックを転送させる。
なお、制御サーバ100は、経路設定プログラムを実行することにより、以上の経路設定処理を実現するようにしてもよい。また、経路設定プログラムは、制御サーバ100によって実行されるコンピュータプログラムであり、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されていてもよい。
図4は、制御サーバ100の構成を一例として示すブロック図である。図4を参照すると、制御サーバ100は、次ホップ決定部10、ノード設定部20、転送確率テーブル30、経路ノードリスト40、電力制御部50、および、トラフィック情報管理部60を備えている。
次ホップ決定部10は、対象ノードに関する次ホップノードの候補と各候補に対する転送確率を転送確率テーブル30から取得し、次ホップノードの候補から1つのノードを選択する。また、次ホップ決定部10は、対象ノードを選択された1つの次ホップノードに更新し、経路ノードリスト40に追記する。
電力制御部50は、電力削減のために電源を切断するか、または省電力モードにするノードを決定する。電力制御部50は、全ノード対間の通信量を把握するために、トラフィック情報管理部60からトラフィックが通過しているエッジノードを取得する。
次に、本実施形態に係る経路設定処理について、図面を参照して説明する。図5は、次ホップ決定部10による経路設定処理を一例として示すフローチャートである。
トラフィックが発生すると、次ホップ決定部10は、当該トラフィックに関する経路設定要求REQを通信ネットワークN1から受け取る(ステップS10)。経路設定要求REQは、当該トラフィックの送信元ノード5−Sおよび送信先ノード5−Dを示す。
次ホップ決定部10は、経路設定要求REQを受け取り、送信元ノード5−Sと送信先ノード5−Dを認識する。次に、次ホップ決定部10は、送信元ノード5−Sを対象ノード5−iの初期値として設定する(ステップS11)。
次ホップ決定部10は、対象ノード5−iに関連付けられた転送確率テーブル30−iにおいて、送信先ノード5−jが5−Dである行を参照して、次ホップノードの候補と各候補に対する転送確率を取得する(ステップS12)。
次ホップ決定部10は、転送確率テーブル30−iから次ホップ候補と転送確率を取得し、次ホップノード候補5−ij(1)〜5−ij(m)の中から1つの次ホップノード5−ijをランダムに選択する(ステップS13)。例えば、次ホップ決定部10は、乱数と転送確率Pij(k)を利用する。ここで、転送確率の合計値は必ずしも1でなくてもよい。
一例として、次ホップノードの個数が3個(m=3)であり、次ホップノード候補5−ij(1)〜5−ij(3)の転送確率Pij(1)〜Pij(3)がそれぞれ0.2、0.3、0.6である場合を考える。このとき、次ホップノード候補5−ij(1)〜5−ij(3)に関し、それぞれの転送確率Pij(1)〜Pij(3)に応じた数値範囲が規定される。例えば、次ホップ決定部10は、0以上0.2未満の範囲を次ホップノード候補5−ij(1)に対応づけ、0.2以上0.5未満の範囲を次ホップノード候補5−ij(2)に対応づけ、0.5以上1.1未満の範囲を次ホップノード候補5−ij(3)に対応づける。転送確率の合計値が1でない場合には、次ホップ決定部10は、0以上転送確率の合計値未満の範囲の一様乱数Xを生成する。そして、次ホップ決定部10は、生成した乱数Xを含む数値範囲に対応付けられた次ホップノード候補を選択する。例えば、生成した乱数Xが0.3である場合には、次ホップ決定部10は次ホップノード候補5−ij(2)を選択する。このように、次ホップ決定部10は、転送確率Pij(k)に応じてランダムに1つの次ホップノード5−ijを選択する。
次ホップノード5−ijを選択すると、次ホップ決定部10は、選択した次ホップノード5−ijを中継ノード5−rとして経路ノードリスト40に保持する。さらに、次ホップ決定部10は、対象ノード5−iを選択した次ホップノード5−ijに更新する(ステップS14)。
次ホップ決定処理が完了すると、次ホップ決定部10は、更新後の対象ノード5−i(すなわち、選択した次ホップノード)が送信先ノード5−Dと一致しているか否かを調べる(ステップS15)。すなわち、次ホップ決定部10は、対象ノード5−iが送信先ノード5−Dまで到達したか否かを調べる。
対象ノード5−iが送信先ノード5−Dに到達していない場合には(ステップS15のNO)、処理はステップS12に戻り、次ホップ決定部10は、新たな対象ノード5−iに関する次ホップ決定処理を実行する。
以上の処理を繰り返すことで(ステップS12〜S15)、次ホップ決定部10は、送信元ノード5−Sから送信先ノード5−Dに向かって1ホップずつランダムに中継ノード5−rを決定していく。
最終的に、対象ノード5−iは送信先ノード5−Dに到達する(ステップS15のYES)。このとき、送信元ノード5−Sから送信先ノード5−Dへの通信経路が決定される。以上のように、次ホップ決定部10は、次ホップ決定処理を繰り返すことによって、送信元ノード5−Sから送信先ノード5−Dへの通信経路を1ホップずつランダムに決定する。
次ホップ決定部により通信経路が決定されると(ステップS15のYES)、ノード設定部20は、決定された通信経路に沿ってトラフィックを転送するように、決定された通信経路上の各ノード5に指示する(ステップS16)。ノード設定部20は、経路ノードリスト40に登録されている各ノード5−iに対して、転送テーブル設定コマンドCMDを送出する。ここで、転送テーブル設定コマンドCMDは、決定された通信経路に沿ってトラフィックが転送されるように転送テーブルを設定するよう指示するコマンドである。
決定された通信経路上の各ノード5は、制御サーバ100から転送テーブル設定コマンドCMDを受け取り、転送テーブル設定コマンドCMDに従って、自身の転送テーブルの内容を設定する。以上により、トラフィックのデータは、送信元ノード5−Sから送信先ノード5−Dまで伝達される。
なお、ここでは集中制御による経路設定方法について説明したが、分散制御による経路設定方法を採用することもできる。
次に、電力制御部50による電力制御方法について、図面を参照して説明する。図6は、電力制御部50の構成を示すブロック図である。図6を参照すると、電力制御部50は、ノード選択部51、リンクコスト算出部52、ノード追加部53、および、ノード制御部54を備えている。
ノード選択部51は、第1の通信ネットワークN1(例えば、すべてのノードを含むネットワーク)に含まれるノードから一部のノードを選択し、選択したノードから成る第2の通信ネットワークN2を生成する。リンクコスト算出部52は、第2の通信ネットワークN2において、ノードとその次ホップノードとの間でのパケットの転送確率を求め、求めた転送確率を用いて所定のトラフィックに対する第2の通信ネットワークN2に含まれるノード対の間の通信量を算出し、求めた転送確率と算出した通信量に基づいて第2の通信ネットワークN2に含まれるノード対のリンクコストを算出する。ノード追加部53は、算出されたリンクコストが所定の条件を満たすように、第1の通信ネットワークN1に含まれるノードであって第2の通信ネットワークN2に含まれないノードを第2の通信ネットワークN2に追加する。ノード制御部54は、第2の通信ネットワークN2に含まれるノードを第1のモード(例えば、通常の電力消費モード)とし、それ以外のノードを第1のモードよりも消費電力の少ない第2のモード(例えば、低消費電力モードまたは休止モード)とする。
本実施形態では、起動すべきノードを、起動ノードで構成される通信ネットワークN2に追加する。また、通信ネットワークN2に含まれるノードを起動するとともに、通信ネットワークN2に含まれないノードの電源を切断するか、または、省電力モードとする。
全送信元と送信先のペア間の最短経路上のノードを起動した状態を通信ネットワークN2の初期状態とし、通信ネットワークN2の転送確率テーブル32(非図示)を構築し、転送確率テーブル32と全ノード対間の通信量とに基づいて、通信ネットワークN2の将来のリンクコストLC2’を推定する。推定した将来のリンクコストLC2’の最大値が閾値th以上である場合には、これを低減させるために、ネットワーク中のすべてのノードが起動した場合のネットワークである全ノードで構成される通信ネットワークN1に対する転送確率テーブル31(非図示)を構築し、起動していないノードの中で最も利用率が高くなるノードを通信ネットワークN2に追加する。再度、通信ネットワークN2の転送確率テーブル32を構築し、転送確率テーブル32と全ノード対間の通信量とに基づいて、将来のリンクコストLC2’を推定し、推定した将来のリンクコストが閾値thを下回るまで、通信ネットワークN2へのノードの追加と、将来のリンクコストLC2’の推定を繰り返す。推定した将来のリンクコストLC2’が閾値thを下回った場合には、通信ネットワークN2に含まれるノードを起動し、通信ネットワークN2に含まれないノードの電源を切断するか、または省電力モードとする。
次に、電力制御部50の動作について、詳細に説明する。図7および図8は、電力制御部50による電力制御方法を示すフローチャートである。図7は、ノード選択部51の動作(ステップS20〜S24)を示す。一方、図8は、リンクコスト算出部52の動作(ステップS25、S26)、ノード追加部53の動作(ステップS27〜S30)、および、ノード制御部54の動作(ステップS31)を示す。なお、図7と図8とは、結合子Aにおいて結合される。
図7を参照すると、ノード選択部51は、起動ノードで構成される通信ネットワークN2を空集合とし、すべての送信元ノードと送信先ノードのペアに対し、送信元から送信先への最短経路上のノードを探索するため、送信元ノードから送信先へ、転送確率テーブル30において最も転送確率の高いノードをたどり、経由したノードを起動ノードで構成される通信ネットワークN2に追加する(ステップS20)。
ノード選択部51は、トラフィック情報管理部60から、トラフィックfの送信元エッジノードEIDまたは送信先エッジノード番号IIDを取得する(ステップS21)。
ノード選択部51は、送信元エッジノード番号EIDまたは送信先エッジノード番号IIDから、トラフィックfの送信元エッジノードにおける送信データ量、または、送信先エッジノードにおける受信データ量を取得し、全ノード対間の通信量に加算する(ステップS22)。なお、ネットワークにおけるパケットロスを無視した場合には、送信データ量と受信データ量は一致する。
次に、ノード選択部51は、送信データ量または受信データ量を取得したトラフィック数が、調査すべきフロー数fmaxまで探したか否かをチェックする(ステップS23)。なお、調査すべきフロー数fmaxは十分に大きい値とし、管理しているトラフィック数よりも小さい値とすることが好ましい。
ノード選択部51は、送信データ量または受信データ量を取得したトラフィック数が調査すべきトラフィック数fmaxに達していない場合には(ステップS23のNO)、トラフィックfの個数を1つ加算し(ステップS24)、ステップS21〜S23の処理を繰り返す。
図7および図8を参照すると、送信データ量または受信データ量を取得したトラフィック数が調査すべきトラフィック数fmaxに達した場合には(ステップS23のYES)、リンクコスト算出部52は、通信ネットワークN2におけるリンクコストLC2から、通信ネットワークN2における転送確率テーブル32を構築する(ステップS25)。
ここで、起動ノードで構成される通信ネットワークN2におけるリンクコストLC2を決定する方法として、様々な方法を採用することができる。例えば、現在のリンクコストを用いる方法、リンクコストを一定の値に決定する方法等を用いることができる。
また、通信ネットワークN2とリンクコストLC2から通信ネットワークN2における転送確率テーブル32を構築する方法として、転送確率テーブル30を構築する方法と同様に、様々な方法を用いることができる。例えば、非特許文献3では、以下の式に基づいて、転送確率テーブル30を構築している。
Figure 2014513448
ここで、式(1)のp(j|i)は転送確率テーブル30の要素であり、送信先ノードがdである場合における、対象ノードiから次ホップノードjへの転送確率を表す。また、式(2)のIは単位行列を表す。さらに、式(3)のγは設定パラメータを表し、cijはノードi、j間のリンクコストを表す。また、式(1)のWjd、Wid、および、式(3)のaijは、それぞれ、式(2)における行列Wおよび行列Aの要素である。
次に、リンクコスト算出部52は、通信ネットワークN2における転送確率テーブル32と全ノード対間の通信量とに基づいて、通信ネットワークN2における将来のリンクコストLC2’を推定する(ステップS26)。
リンクコスト算出部52は、送信元ノードsから送信先ノードd間の通信において、ノードi、j間のリンクが使用される確率を、通信ネットワークN2における転送確率テーブル32を用いて算出する。次に、リンクコスト算出部26は、全ノード対間の通信量から得られる送信元ノードsから送信先ノードd間の通信量を、算出した転送確率に乗じることで、ノードi、j間のリンクに流れる通信量を求める。リンクコスト算出部52は、以上の処理をすべての送信元ノードs、送信先ノードdについて実施することにより、ノードi、j間のリンクの使用量を算出する。さらに、リンクコスト算出部52は、算出したリンクの使用量に基づいて、通信ネットワークN2における将来のリンクコストLC2’を推定する。
将来のリンクコストLC2’の推定方法として、様々な方法を用いることができる。例えば、リンクコストLCをリンク利用率として定義した場合には、以下の式(4)ないし式(6)に従ってリンクコストを算出することができる。
Figure 2014513448
式(5)のOsdは送信元ノードsから送信先ノードdへの送受信データ量を表す。式(6)によると、時間t後のリンクコストLC2’が算出される。式(6)のc’ijは、時間t後のノードi、j間のリンクコストLC2’を表す。また、式(6)のbwijはノードi、j間のリンク容量を示す。
次に、ノード追加部53は、推定した起動ノードによって構成される通信ネットワークN2における将来のリンクコストLC2’の最大値が閾値thより小さいか否か、および、通信ネットワークN1に含まれる全ノードが起動ノードで構成される通信ネットワークN2に追加されているか否かを調べる(ステップS27)。
将来の起動ノードで構成される通信ネットワークN2におけるリンクコストLC2’の最大値が閾値th以上であり、かつ、通信ネットワークN1に含まれる全ノードが起動ノードで構成される通信ネットワークN2に追加されていない場合には(ステップS27のNO)、ノード追加部53は、全ノードで構成される通信ネットワークN1のリンクコストを、起動ノードで構成される通信ネットワークN2に含まれるノード同士をつなぐリンクのリンクコストをCup、それ以外のリンクコストをCdownとし、通信ネットワークN1における転送確率テーブル31を構築する(ステップS28)。ここで、通信ネットワークN1における転送確率テーブル31は、転送確率テーブル30と同様の方法で構築することができる。
次に、ノード追加部53は、全ノードで構成される通信ネットワークN1の転送確率テーブル31と全ノード対間の通信量とに基づいて、通信ネットワークN1における将来のノード使用量NUを推定する(ステップS29)。
ノード追加部53は、送信元ノードsから送信先ノードd間の通信において、ノードi、j間のリンクが使用される確率を、全ノードで構成される通信ネットワークN1における転送確率テーブル31を用いて算出する。次に、ノード追加部53は、全ノード対間の通信量から得られる送信元ノードsから送信先ノードd間の通信量を、算出した転送確率に乗じることで、ノードi、j間のリンクに流れる通信量を求める。ノード追加部53は、以上の処理をすべての送信元ノードs、送信先ノードdについて実施することにより、ノードi、j間リンクの使用量を算出する。さらに、ノード追加部53は、ノードが保持するすべてのリンクのリンク使用量の合計値から、全ノードで構成される通信ネットワークN1における将来のノード使用量NUを推定する。
次に、ノード追加部53は、通信ネットワークN1に含まれるノードのうちの、将来の推定ノード使用量NUの合計値が最も高いノードを、通信ネットワークN2に追加する(ステップS30)。
ノード追加部53がノードを追加した後、再度、リンクコスト算出部52はステップS25およびS26を実施する。ノード追加部53は、起動ノードで構成される通信ネットワークN2の推定リンクコストLC2’の最大値が閾値thより小さいか否か、および、全ノードが通信ネットワークN2に追加されているか否かを調べる(ステップS27)。
通信ネットワークN2におけるリンクコストLC2’の最大値が閾値thより小さい、または、通信ネットワークN1に含まれる全ノードが通信ネットワークN2に追加されている場合には(ステップS27のYES)、ノード制御部54は、通信ネットワークN2に含まれるノードを起動するとともに、含まれないノードの電源を切断するか、または省電力モードとする(ステップS31)。
本実施形態の制御サーバ100によると、送信元から宛先へ複数の経路が存在する通信ネットワークとノード間トラフィック転送確率に基づいて、通信ネットワークを制御する経路選択方法において、すべての送信元から宛先のペアを結ぶ経路上のノードを起動した状態を初期状態とし、起動済みノードで構成される通信ネットワークN2におけるノード間トラフィック転送確率を算出し、転送確率と将来に発生すると仮定した通信量とを用いることによって通信ネットワークN2の将来のリンクコストを推定し、該コストが閾値を下回るまで、起動した場合に最も使用されるノードを起動する。これにより、トラフィックに対して十分なスループットを与えつつ、通信ネットワークの消費電力を低減することができる。
なお、上記の特許文献1および非特許文献1−3の各開示を、本書に引用をもって繰り込むものとする。本発明の全開示(請求の範囲を含む)の枠内において、さらにその基本的技術思想に基づいて、実施形態ないし実施例の変更・調整が可能である。また、本発明の請求の範囲の枠内において種々の開示要素の多様な組み合わせないし選択が可能である。すなわち、本発明は、請求の範囲を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。
1 通信システム
5−1〜5−n ノード
5−D 送信先ノード
5−S 送信元ノード
5−i 対象ノード
5−j 隣接ノード
5−r 中継ノード
10 次ホップ決定部
20 ノード設定部
30 転送確率テーブル
30−i ノード5−iに対する転送確率テーブル
31 通信ネットワークN1における転送確率テーブル
32 通信ネットワークN2における転送確率テーブル
40 経路ノードリスト
50 電力制御部
51 ノード選択部
52 リンクコスト算出部
53 ノード追加部
54 ノード制御部
60 トラフィック情報管理部
100 制御サーバ
CMD 転送テーブル設定コマンド
fmax 調査すべきトラフィック数
γ 設定パラメータ
LC1 通信ネットワークN1におけるリンクコスト
LC2 通信ネットワークN2におけるリンクコスト
LC2’ 通信ネットワークN2における将来のリンクコスト
N1 全ノードで構成される通信ネットワーク
N2 起動ノードで構成される通信ネットワーク
NU 通信ネットワークN1における将来のノード使用量
ij(k) 転送確率
REQ 経路設定要求
th 閾値

Claims (19)

  1. 第1の通信ネットワークに含まれるノードから一部のノードを選択し、選択したノードから成る第2の通信ネットワークを生成するノード選択部と、
    前記第2の通信ネットワークにおいて、ノードとその次ホップノードとの間でのパケットの転送確率を求め、求めた転送確率を用いて所定のトラフィックに対する前記第2の通信ネットワークに含まれるノード対の間の通信量を算出し、求めた転送確率と算出した通信量に基づいて前記第2の通信ネットワークに含まれるノード対のリンクコストを算出するリンクコスト算出部と、
    算出されたリンクコストが所定の条件を満たすように、前記第1の通信ネットワークに含まれるノードであって前記第2の通信ネットワークに含まれないノードを前記第2の通信ネットワークに追加するノード追加部と、
    前記第2の通信ネットワークに含まれるノードを第1のモードとし、それ以外のノードを第1のモードよりも消費電力の少ない第2のモードとするノード制御部と、を備える、制御サーバ。
  2. 前記ノード追加部は、前記第2の通信ネットワークに含まれるノード対のリンクコストの最大値が所定の閾値よりも小さい場合に、前記所定の条件が満たされたものと判定する、請求項1に記載の制御サーバ。
  3. 前記ノード追加部は、前記第1の通信ネットワークにおいて、ノードとその次ホップノードとの間でのパケットの転送確率を求め、求めた転送確率を用いて前記所定のトラフィックに対する前記第1の通信ネットワークに含まれるノード対の間の通信量を算出し、算出した通信量に基づいて前記第1の通信ネットワークに含まれる各ノードにおける通信量を求め、通信量が最大のノードを前記第2の通信ネットワークに追加する、請求項1または2に記載の制御サーバ。
  4. 前記ノード追加部は、前記第1の通信ネットワークにおいて、ノードとその次ホップノードとの間でのパケットの転送確率を求め、求めた転送確率を用いて前記所定のトラフィックに対する前記第1の通信ネットワークに含まれるノード対の間の通信量を算出し、求めた転送確率と算出した通信量に基づいて前記第1の通信ネットワークに含まれるノード対のリンクコストを求め、自身を含むノード対のリンクコストの和が最大のノードを前記第2の通信ネットワークに追加する、請求項1または2に記載の制御サーバ。
  5. 前記リンクコスト算出部は、前記所定のトラフィックに対するエッジノードにおける送信データ量または受信データ量を取得し、取得した送信データ量または受信データ量と求めた転送確率とを用いて前記所定のトラフィックに対する前記第2の通信ネットワークに含まれるノード対の間の通信量を算出する、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の制御サーバ。
  6. 前記ノード選択部は、前記第1の通信ネットワークから、すべてのエッジノードを選択するとともに、すべてのエッジノードの対を結ぶ最短経路上のノードを選択する、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の制御サーバ。
  7. 前記ノード制御部は、前記第2の通信ネットワークに含まれないノードの電源を遮断する、請求項1ないし6のいずれか1項に記載の制御サーバ。
  8. 前記第1の通信ネットワークと、
    請求項1ないし7のいずれか1項に記載の制御サーバと、を備える通信システム。
  9. 第1の通信ネットワークに含まれるノードから一部のノードを選択し、選択したノードから成る第2の通信ネットワークを生成する工程と、
    前記第2の通信ネットワークにおいて、ノードとその次ホップノードとの間でのパケットの転送確率を求め、求めた転送確率を用いて所定のトラフィックに対する前記第2の通信ネットワークに含まれるノード対の間の通信量を算出し、求めた転送確率と算出した通信量に基づいて前記第2の通信ネットワークに含まれるノード対のリンクコストを算出する工程と、
    前記第1の通信ネットワークに含まれるノードであって前記第2の通信ネットワークに含まれないノードを前記第2の通信ネットワークに追加する工程と、
    算出されたリンクコストが所定の条件を満たすまで、前記リンクコスト算出工程および前記ノード追加工程を繰り返す工程と、
    前記第2の通信ネットワークに含まれるノードを第1のモードとし、それ以外のノードを第1のモードよりも消費電力の少ない第2のモードとする工程と、を含む、ネットワーク制御方法。
  10. 前記第2の通信ネットワークに含まれるノード対のリンクコストの最大値が所定の閾値よりも小さい場合に、前記所定の条件が満たされる、請求項9に記載のネットワーク制御方法。
  11. 前記第1の通信ネットワークにおいて、ノードとその次ホップノードとの間でのパケットの転送確率を求め、求めた転送確率を用いて前記所定のトラフィックに対する前記第1の通信ネットワークに含まれるノード対の間の通信量を算出し、算出した通信量に基づいて前記第1の通信ネットワークに含まれる各ノードにおける通信量を求め、通信量が最大のノードを前記第2の通信ネットワークに追加する工程を含む、請求項9または10に記載のネットワーク制御方法。
  12. 前記第1の通信ネットワークにおいて、ノードとその次ホップノードとの間でのパケットの転送確率を求め、求めた転送確率を用いて前記所定のトラフィックに対する前記第1の通信ネットワークに含まれるノード対の間の通信量を算出し、求めた転送確率と算出した通信量に基づいて前記第1の通信ネットワークに含まれるノード対のリンクコストを求め、自身を含むノード対のリンクコストの和が最大のノードを前記第2の通信ネットワークに追加する工程を含む、請求項9または10に記載のネットワーク制御方法。
  13. 前記所定のトラフィックに対するエッジノードにおける送信データ量または受信データ量を取得し、取得した送信データ量または受信データ量と求めた転送確率とを用いて前記所定のトラフィックに対する前記第2の通信ネットワークに含まれるノード対の間の通信量を算出する工程を含む、請求項9ないし12のいずれか1項に記載のネットワーク制御方法。
  14. 第1の通信ネットワークに含まれるノードから一部のノードを選択し、選択したノードから成る第2の通信ネットワークを生成する処理と、
    前記第2の通信ネットワークにおいて、ノードとその次ホップノードとの間でのパケットの転送確率を求め、求めた転送確率を用いて所定のトラフィックに対する前記第2の通信ネットワークに含まれるノード対の間の通信量を算出し、求めた転送確率と算出した通信量に基づいて前記第2の通信ネットワークに含まれるノード対のリンクコストを算出する処理と、
    前記第1の通信ネットワークに含まれるノードであって前記第2の通信ネットワークに含まれないノードを前記第2の通信ネットワークに追加する処理と、
    算出されたリンクコストが所定の条件を満たすまで、前記リンクコスト算出処理および前記ノード追加処理を繰り返す処理と、
    前記第2の通信ネットワークに含まれるノードを第1のモードとし、それ以外のノードを第1のモードよりも消費電力の少ない第2のモードとする処理とを、コンピュータに実行させる、プログラム。
  15. 前記第2の通信ネットワークに含まれるノード対のリンクコストの最大値が所定の閾値よりも小さい場合に、前記所定の条件が満たされる、請求項14に記載のプログラム。
  16. 前記第1の通信ネットワークにおいて、ノードとその次ホップノードとの間でのパケットの転送確率を求め、求めた転送確率を用いて前記所定のトラフィックに対する前記第1の通信ネットワークに含まれるノード対の間の通信量を算出し、算出した通信量に基づいて前記第1の通信ネットワークに含まれる各ノードにおける通信量を求め、通信量が最大のノードを前記第2の通信ネットワークに追加する処理を、コンピュータに実行させる、請求項14または15に記載のプログラム。
  17. 前記第1の通信ネットワークにおいて、ノードとその次ホップノードとの間でのパケットの転送確率を求め、求めた転送確率を用いて前記所定のトラフィックに対する前記第1の通信ネットワークに含まれるノード対の間の通信量を算出し、求めた転送確率と算出した通信量に基づいて前記第1の通信ネットワークに含まれるノード対のリンクコストを求め、自身を含むノード対のリンクコストの和が最大のノードを前記第2の通信ネットワークに追加する処理を、コンピュータに実行させる、請求項14または15に記載のプログラム。
  18. 前記所定のトラフィックに対するエッジノードにおける送信データ量または受信データ量を取得し、取得した送信データ量または受信データ量と求めた転送確率とを用いて前記所定のトラフィックに対する前記第2の通信ネットワークに含まれるノード対の間の通信量を算出する処理を、コンピュータに実行させる、請求項14ないし17のいずれか1項に記載のプログラム。
  19. 請求項14ないし18のいずれか1項に記載のプログラムを記録するコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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