JP2014512452A - Cu−Ni−Zn−Mn合金 - Google Patents

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Abstract

優れた機械加工性と組合わせて、ステンレス鋼のものに類似した高い強度と延性の値を示す、銅、亜鉛、ニッケルおよびマンガンをベースとする析出硬化合金。本発明の合金族は、中間温度での焼鈍処理中に出現し、無鉛の変形形態の場合に機械加工性を著しく改善する微細繊維状または球状の析出物をその特徴とする。本発明の合金は、快削加工の利用分野、例えば、従来のCu−Ni−Zn−Mn合金では強度不足に起因して機能不良を起こし、かつゲル性インク中の耐食性が不充分である、ペン先の寸法が縮小されている筆記用具向けのペン先およびタンクの製造などに特に好適であるが、他の利用分野に対する制約は無い。
【選択図】図1a、図1b

Description

本発明は一般に、主として機械加工作業が実質的なものである分野における使用のための鍛造Cu−Ni−Zn(ニッケル銀)合金、より詳細にはCu−Ni−Zn−Mn合金に関する。
現在の市場では、比較的粘度の高い油性インクが典型的に充填されているボールペンから、より粘度の低いインクを伴うローラーボールペンに向かう傾向が見られる。これらの新しい比較的粘度の低いインクは、主として水性ゲルインクである。油性インクと比べてゲルインクは、紙に浸透する顔料を通常含んでいることから、より多様な鮮かな色を可能にするという利点を有し、グリッター効果を有し得る。スタイル上の観点から、かつインク消費量が削減されることから、筆記用具における傾向は、低粘度インク、詳細にはローラーボールペンを用いてより容易に実現可能である、より細いペンへと向かっている。直径1.6mm未満の寸法までペン先を縮小すると、ペン先材料の強度に関して厳しい帰結がもたらされる。ペン先が、より細いペン先の寸法で同じ負荷に耐えることができるためには、合金のより高い強度値が確保されなければならない。したがって、これまでのところ、最も細いペン先にはペン先材料としてステンレス鋼のみが使用されてきており、一方Cu系合金は、強度が劣っているために好適でないものとみなされている。ステンレス鋼に比べたCu−Ni−Zn合金に対する別の一般的な不信は、水性ゲルインク内での腐食に対する耐性にある。本明細書で提示される発明対象の合金は、ゲル性インクが使用されるペン先の利用分野に好適である腐食特性と、ステンレス鋼のものと同じ位優れた機械的特性(強度および延性)とを示す、ペン先において使用されるステンレス鋼合金の代替品となることを目的としている。
序論
元来17世紀に中国から輸入されたCu−Zn−Ni合金族は、18世紀後半になってフランス(1819年)、ドイツ(1823年)および英国(1832年)においてもほぼ同時に、銅−ニッケル−亜鉛合金として認知され、「Maillechort」(後年そのリヨンの発明者MailleとChorierにちなんで)、「Neusilber」および「Nickelsilver」という名前が与えられた。近世では、ニッケル銀はその優れた特性の組合せで知られており、この合金の銀色という色調がさまざまな利用分野におけるその使用の成功を促してきた。今日では、市販の大部分のCu−Zn−Ni合金が10〜25%のNiを含有しており、このことは、NiがCu中に完全に溶解するため、合金の強度を(固溶体の強化によって(以下参照))増大させるのみならず、弾性係数および耐食性をも増大させる。一方、灰色のCu−Ni−Zn合金には、鉛を含む純粋単相アルファ合金中の高い内部応力に関係する「焼成割れ」効果に関する、重大なデメリットがある[H.W.Schlapfer、W.Form Metal Science 13(1979);H.W.Schlapfer、W.Form Metall、32、135(1978)]。焼成割れという用語は、冷間変形および焼鈍された場合に一部の有鉛アルファ相合金中で発生し、こうして焼鈍プロセスの間またはその後に爆発性粒間破壊を生じさせる、一種の液体金属の脆化を説明している。
この問題点を回避するため、一連の合金開発の進歩によって、MnによるNiの部分的置換が導かれ、これにより、純粋アルファ合金から、相境界において内部応力が放出されるために焼成割れの傾向をもたない2相様のアルファ/ベータ構造へと、合金を変化させる一方で、灰色を維持することが可能となった。Mnは、Niに比べCu中での溶解度がより限定されているが、Cu−Zn合金中で最高およそ15重量%まで合金化可能であり、結果として、Niと同様に合金に灰色の外観をもたらす(米国特許第5997663号明細書参照)。
現世代のCu−Ni−Zn−Mn合金は多くの場合、約10〜25重量%のNiおよび3〜7重量%のMnを含む。利用分野は、筆記用具からメガネフレーム、鍵、時計業界での利用分野、金具、微細加工の利用分野、そして、快削作業が頻繁または不可避的であり結果としてチップの形での廃材が大量に生じる(最高50%)他の複数の分野にまで及ぶ。快削作業が必要な場合、一般に1.0〜3.0重量%の量の鉛が合金化され、こうして合金の機械加工性は著しく改善される。
無鉛合金
環境にやさしい非毒性元素の添加を要求する新たな法律の圧力を受けて、特に快削の利用分野における無鉛製品に対する需要は常に増加しつつある。結果として、鉛に置き換わる元素を含むCu系合金の再利用経路を確保するための新しい解決法を見い出す必要がある。
快削Cu合金におけるチップブレーカとしてのPbの代替物として現在最も卓越しているのは、ビスマス、ケイ素、そしてテルルである。ビスマスは、鉛と類似の特性およびCu合金に対する挙動、すなわち、低い融点(Pb:327℃、Bi:271℃)、液体混和性および固体非混和性、高密度(Pb:11.3g/cm3、Bi:9.78g/cm3)、機械加工中の潤滑効果を有し、したがって、Pbと同様、優れたチップブレーカである。しかしながら、ビスマスと一部のCu系合金の非相溶性(応力腐食割れをひき起こす高い内部応力)のため、ダイカストおよび鍛造製品におけるBiによるPbの置換は、推奨されない。再利用が未混合状態で行なわれること、および今までのところ鉛含有銅合金向けにしか完全に開発済みの再利用が存在しないことを理由として、ビスマスを含む合金はまた、さらに再利用するのが困難である[Adaptation to Scientific and Technical Progress of Annex II Directive 2000/53/EC;J.Lohse、S.Zangl、R.Groβ、C.O.Gensch、O.Deubzer.Oko−Institut e.V.(2008)]。ビスマスは、工業的に鉛および他の隣接重金属に比べ毒性が低いものとして格付けされているが、大量の注入は腎障害をひき起こす可能性がある。さらに、環境に対するその影響は、一部にはその化合物の溶解度が低いことに起因して、小さいものである[http://en.wikipedia.org/wiki/Bismuth;Fowler、B.A..「Bismuth」in Friberg、L.Handbook on the Toxicology of Metals(2nd ed.).Elsevier Science Publishers.(1986)、117]。それでも、ビスマスは、主としてアジアにおいて、チップブレーカとして黄銅製品中で利用されてきた。複数の特許が、快削鍛造銅合金におけるチップブレーカとしてのBiの効果について記載している(米国特許第5167726号明細書、欧州特許第1790742号明細書)。
代替的には、黄銅中のチップブレーキングに有利に作用するための元素添加物として、ケイ素が提案されてきたが、チップ形状の好適性が比較的低いこと、自己潤滑効果が欠如しているため工具に対してより大きい損耗をひき起こすこと、およびそれに付随してこのようなチップの再利用が困難であることを理由として、ケイ素もまた、快削Cu系合金のための容易な選択肢ではない。その上、Fe濃度の低い黄銅の鋳造中のFe−Si析出物の危険性は、機械加工性をさらに低減させる。快削黄銅のSiを含まない有鉛態様よりも高い強度レベルを示すケイ素含有快削黄銅が現在利用可能であり、大部分が、特許ファミリー[欧州特許第1038981号明細書、欧州特許第1452613号明細書]により網羅されている。機械加工性に対するその効果の他に、ケイ素は、Cu−Zn図の中でアルファとアルファ+ベータの間の相境界を、ベータに富む側へとシフトさせるために最強の影響を有し(Guillet Zn当量10、[L.Guillet and A.Portevin、Revue de Metallurgie Memoirs XVII、Paris、(1920)、561]参照)、強度、耐摩耗性および耐食性に対しプラスの影響を有する。
銅合金中の他の公知の代替的Pb置換は、チップブレーカとして粒子または金属間化合物の形で作用するテルル、カルシウムおよび黒鉛の添加に基づくものである[国際公開第2008/093974号、国際公開第9113183号]。銅−テルル合金(C14500)は、PとAgの微量添加物と共に0.4〜0.7重量%のTeを含み、残りはCuである。これらは、充分なチップブレーキング効果を有するCuTe−金属間化合物を形成する。残念なことに、この合金は脆化をひき起こす酸化物形成に対する感度が高いため、製造の容易な合金ではない。さらに、黄銅中で、Teは脆弱なZnTe金属間化合物を形成すると同時に、不利な特性を結果としてもたらす。黒鉛含有Cu合金は、スプレー鋳造技術を介した高い生産コストに起因して高価である。Ca含有Cu合金[国際公開第2008/093974号]について、詳細にはCu−Ni−Zn合金またはCu−Ni−Zn−Mn合金に関しては、ほとんどまたは全く情報が入手できない。
本発明の目的の一部を成しているのは、チップブレーカとしての鉛が不在である場合でさえ、快削作業における優れた機械加工性能を有することを可能にする合金のための新しい微細構造設計の解決法を紹介することである。これは、一方では、アルファ/ベータ相の区分化に関連する微細構造を調整することによって、および/または主要な合金化元素の一つと析出物を形成する少量の合金化元素の添加によって解決可能である。この役割のために予測される少量の合金化元素としては、Fe、Al、Ca、Sn、PおよびSiがある。2相構造または析出物が単相構造に比べてチップブレーキングに有利に作用することは公知であるものの、我々の多経路アプローチは、Cu−Ni−Zn−Mn合金の合金族ならびに利用分野に関して、新規である。アルファ母結晶粒中のベータ相またはベータ’相の針状微細析出物に関して本発明において最初に言及されているアプローチは、概念的に新規のものであり、この合金族のみならず、微細構造の一部分が相変態に関して準安定状態にある、基本的に全てのCu−Zn合金に適用可能である。過飽和溶液の析出を使用する第二のアプローチは、強度を増大させるための周知のプロセスであるが、ここでは、それはこの特定の合金族および特定の利用分野のために、二つの役割、すなわち硬化およびチップブレーキングを果たし、したがって新規なものとみなすことができる。最後に、チップブレーカとしてのCaの添加について、本明細書中で言及されている考慮対象の合金族および利用分野と組合わせた形で記載している文献はこれまでのところ見出されていない。
従来、単相金属において公知の異なる硬化機序が四つ存在する。すなわち析出硬化、冷間変形硬化、固溶体強化、そして結晶粒度強化(ホールペッチ強化)である。工業的には、主として最初の二つの機序が重要である。析出硬化は、典型的に、適度の強度と組合せて高い電気伝導度が求められる低合金化Cu合金において使用される。スピノーダル分解は、過飽和固溶体からの析出硬化の特殊な変形形態とみなすことができ、Cu合金中で、主として実質的な量のSnまたはTiを含む合金において利用される。冷間変形硬化は典型的に、合金のタイプとは独立して、棒材、異形材およびワイヤ製品の強度を増大させるために使用される。固溶体硬化は、合金の異なる特性を改善するために追加の元素を添加する場合の副作用とみなすことができるが、そのため大きな関連性をもつものではない。最後に、結晶粒度硬化は、工業的かつ技術的に制御が困難であり、その硬化の貢献は、工業的生産においては達成が困難なサイズである約10マイクロメートル未満の結晶粒度においてのみ明白になる。
2相鋼と同様に、一定範囲のZn含有量を有する黄銅またはニッケル−銀合金は、2相アルファ(面心立方、fcc)およびベータ(体心立方、bcc)構造を示し、これは、強度を増大させる第五の様式に相当すること以外に、機械加工性、結晶粒度安定性および熱間加工性にも有益な影響を及ぼす。現在市販の有鉛Cu−Ni−Zn−Mn合金は、5〜25重量%の範囲のNi含有量、0〜7重量%のMn含有量、25〜40重量%のZn含有量を有し、残りはCuと典型的に1重量%未満の不純物である。Guilletの法則によると[L.Guillet and A.Portevin、Revue de Metallurgie Memoirs XVII、Paris、(1920)、561]、Mnは0.5という係数で、位相図内のベータに富む側に向かってわずかな影響しか示さず、一方Niは−1.2という係数を示し、位相図をアルファに富む側に保ち、したがってMn含有量6重量%とNi含有量12重量%でほぼ平衡状態に保つ。したがって、第一の近似として、複雑な4成分系Cu−Zn−Ni−Mnはこの場合Cu−Zn二元相図として処理できる。しかしながら、以下で多成分位相図上でのさらに厳密な推定値について示しているように、より高度な熱力学ソフトウェアツールが求められる。NiおよびMnの含有量が増大するにつれて、強度は増大する。冷間引抜き材料についての典型的な引張り強度値は、700〜800MPaであり、一方で、強く冷間引抜きされたワイヤでは最高900MPaまでの値を、僅かなケースにおいて見出すことができるが、それは典型的に延性を犠牲にしたものであり、したがって、引張り伸びは約1%に限定される。
この利用分野で我々は、これらの機序を新規なCu−Ni−Zn−Mn合金族において組合せ、こうして高い強度と充分な延性を達成できるようにすることを目的としている。ここに、Zn、Al、Ca、Mn、Si、Ni、Sn、Feの含有量は、高温で充分に高いベータ含有量を有するように調整されており、この含有量はその後、冷間変形能を増大させるために熱力学的熱処理により低減させることができ、その後に析出硬化プロセスが続き、このプロセスにおいて、一方ではベータまたはベータ’の微細析出物(正方変形bcc構造)がアルファ母結晶粒中で核形成し、他方では金属間析出物が形成する。こうして、Cu−Ni−Zn−Mn合金において通常達成されるものよりも高い引張り強度の大幅な増加が生み出される。これらの従来の組成物においては、強度を増大させる冷間変形能と残留する延性との間にトレードオフが求められる。しかしながらここでは、冷間変形(転位密度および点欠陥の増加)の結果もたらされる強化は一部分のみで、残りは析出強化の結果としてもたらされる。したがって、最終的加工ステップにおいては、適度の変形を適用する必要しかなく、さらに、優れた可塑性を伴ってはるかに高い強度値が達成される。本発明についての以下の詳細な説明は、以上に言及した要点をより詳しく取扱うものである。
腐食特性
脱亜鉛現象は、Cu−Zn合金中におけるZnの溶解として理解され、Cu合金中の最も重大な腐食現象とみなすことができる。より厳密には、Znは、二原子空孔拡散プロセスによって溶解し、表面層の結晶格子内に「孔」を残す[J.Y.Zou、D.H.Wang、W.C.Qiu、Electrochmica Acta、43、(1997)、1733−1737]。こうして、Znを含まないCu合金は黄銅よりも優れた耐食性を示す。類推では、アルファ黄銅は、Znに富むベータ黄銅よりもさらに高い腐食および脱亜鉛現象に対する耐性を有する。Cu−Ni−Zn合金は、黄銅と比較した場合、アルファ黄銅と類似の耐食性を示すが、より高いニッケル含有量に起因して、より優れた曇り耐性および応力腐食割れ耐性を有する。Cu−Ni−Zn合金内の少量の合金化元素の影響および腐食特性について入手可能な情報はほとんどないが、黄銅にとって公知の効果から推定することができる。参考文献[D.D.Davies、「A note on the dezincification of brass and the inhibiting effect of elemental additions」、Copper Development Association Inc.、260 Madison Avenue、New York、NY 10016、(1993)、7013−0009]に要約されているように、黄銅における耐食性を改善し脱亜鉛現象を遅延させるために、異なる合金化元素が報告されてきた。ヒ素、リンまたはアンチモンの少量添加が、全アルファ黄銅内で改善された耐食性を示すことは公知である。ベータ相がアルファ結晶粒によって完全にとり囲まれている2相黄銅は、確かに、脱亜鉛現象耐性に対して有益な効果をも示す。Al含有アルファ黄銅は、改善された耐食性を示すものとして周知であり(アドミラルティ黄銅または造船用黄銅)、最高2重量%のAlを添加した場合、2相黄銅中の脱亜鉛現象さえも遅延させられることが報告されている。黄銅の脱亜鉛現象および腐食に対するスズの影響は、それがベータ内ではプラスの効果を有するがアルファ結晶粒中ではマイナスの効果を有するため、よりあいまいである。しかしながら、Alの添加と組合せて、最高1重量%のSnの量が、腐食および脱亜鉛現象に対する耐性を改善することが報告されている。ケイ素は、0.5重量%前後にある黄銅のアルファ結晶粒中のSiに富む析出物の析出レベルより低いレベルで添加された場合、プラスの効果を示す。このケイ素レベルより上では、腐食および脱亜鉛現象は、鉄の添加の場合と同様に、増大する。最後に、鉛の影響は、アルファ黄銅内でプラスの効果を示すが、それはPb化合物が不動態化層を形成している場合だけであり[S.Kumar、T.S.N.Sankara Narayanan、A.Manimaran、M.Suresh Kumar、Mater.Chem.& Phys.106、(2007)、134−141]、一方でそれは2相黄銅内で還元性能を示す。
本発明は同様に、腐食特性が極めて重要であり得る利用分野、詳細には隙間条件が存在する溶液中での利用分野をも目的とする。これは例えば、ボールとそれをとり囲むペンソケットとの間の間隙がおよそ数マイクロメートルの距離であり(ペン先の保管中に)インクが恒常的に撹拌されていない、ボールペンのペン先の場合にあてはまる。水性ゲルインクにおいて、これは局所的にインクのpHを低下させ、局所的腐食攻撃をひき起こす。したがって、腐食を削減するための適切な微細構造および元素の正しい選択が、ペン先の寿命にとっては有害である。
より一般的には、本発明は同様に、軽度および中度の活性をもつ溶液中において脱亜鉛現象および腐食に対する耐性をステンレス鋼にとって一般的なレベルまで増大させることを目的とし、最終的には、高い強度、優れた耐食性および改善された機械加工性の組合せが材料の選択のための主要なパラメータである利用分野において、ステンレス鋼に取って代ることを最終目的としている。
本発明は、ペン先の寸法が縮小されている筆記用インプラントのためのペン先およびタンクの生産向けなどに集中的な快削作業が求められる利用分野に好適である、より優れた機械的特性および優れた機械加工性をもつ時効硬化性の高強度Cu−Zn−Ni−Mn系合金に関する。しかしながら、利用分野の範囲は、筆記用具の生産を超え、まさに一般的に激しい快削作業が求められる全ての利用分野にまで及ぶ。本発明の合金の組成を以下に記す:
Cu: 42〜48重量%
Zn: 34〜40重量%
Ni: 9〜14重量%
Mn: 4〜7重量%
Pb: 0〜2.0重量%
Al: 0〜1重量%
Sn: 0〜2重量%
Fe: 0〜0.5重量%
Si: 0〜1.0重量%
Ca: 0〜1.5重量%
As: 0〜0.15重量%
P: 0〜0.3重量%
合金の発明は、例えば筆記の利用分野において求められる、快削作業に好適である無鉛で機械加工可能なCu−Ni−Zn−Mn合金に対する現在のニーズを満たすことを目的としている。さらに、本発明の合金は、後続する作業または安全範囲に求められる充分な延性と高い強度との魅力ある組合せを示す。流動応力が、ペン先および他の快削の利用分野のために使用される典型的なステンレス鋼のものに匹敵する値に達する一方で、さらなる曲げ作業または他の冷間変形ステップ、例えば、ペン先ソケット上へのペンボールの挿入を実施するために、充分な冷間成形性がなおも必要とされる場合が多い。しかしながら、ステンレス鋼とは異なり、この合金族の機械加工性は、析出硬化された位相に起因して、より優れたものである。ヒ素の添加ならびにP、Si、AlおよびSnの少量の添加は、耐食性に対して有益な効果を示す。
本明細書中で開示されている銅合金は、ペン先およびまた他の利用分野で使用されるステンレス鋼のものより優れた機械加工性性能(より容易なチップの取扱い、より少ない工具消費)を示し、時間あたりでさらに高い部品生産速度を可能にする。特殊な低温熱処理に付された場合、合金は、鉛を含まない場合でさえペン先で使用される典型的なステンレス鋼のものよりも優れた良好な機械加工性性能を導く、独特の微細構造を有する。この合金は、生態系に配慮し、有害な元素を含まない無鉛快削Cu−Ni−Zn−Mn合金である。
本発明は、一例として提供され図中に例示された実施形態の説明により、さらに良く理解できるものである。
合金No.1の350℃で熱処理された試料の光学顕微鏡画像を示す。 合金No.1の450℃で熱処理された試料の光学顕微鏡画像を示す。 Citizenの長尺旋盤を用いて生産された合金No.1のより長いネジ状チップの光学画像を示す。 合金No.3の鋳放し構造の光学顕微鏡画像を示す。 合金No.3の冷間変形され焼鈍されたもの(450℃)の光学顕微鏡画像を示す。 合金No.3の擬似二元相図である。 合金No.3の特定の組成についての相分率図である。 合金No.3の2つの合金タイプについて示されたネジタイプおよび巻き毛タイプのチップを表わす。 450℃で焼鈍された組成Aを有する合金No.3(図6aおよび6b)および合金No.1(図6cおよび6d)に対して100Hzで行なわれた、Mikron Multistarを用いた機械加工試験を示しており、ここで有鉛合金No.1のチップ長は合金No.3のチップ長より短い。 合金No.5の押出し加工された状態の微細構造(図7a)および冷間変形と650℃での焼鈍のサイクル2回の後の微細構造(図7b)、合金No.5の最初に540℃、その後350℃(図7c)および400℃(図7d)の低温熱処理を受けた熱処理合金の微細構造を示す。 合金No.6の、最初に540℃で焼鈍され、続いて400℃での第2の焼鈍プロセスを受けた試料の光学顕微鏡画像を示す。 合金No.6の、ベータ相母材内でかつアルファ結晶粒に対する境界におけるNiSn析出物を伴う合金の二次的電子顕微鏡画像を示す。
本発明は一般に、主として機械加工作業が実質的なものである分野において使用するための、鍛造Cu−Ni−Zn(ニッケル−銀)合金、より詳細にはCu−Ni−Zn−Mn合金に関する。本発明は同様に、快削作業が大きく関与する分野、例えば筆記用具、メガネフレーム、医療用ツール、電気コネクタ、ロックシステム、微細加工、自動車業界向けの締結具および軸受などの分野における利用に特に好適である有鉛または無鉛(leadlessまたはlead−free)の快削Cu−Ni−Zn−Mn合金にも関するが、他の利用分野に対する制約は無い。さらに本発明は、有鉛でまたは無鉛で優れた快削性と組合わされた高い強度と充分な延性が求められるさまざまな利用分野において、鍛造鋼製品に置き代ることを目的としている。
本発明は、以上で言及したさまざまな利用分野の中でも、ペン先材料がインクおよびボール材料と直接接触している筆記用具に特に焦点をあてている。今日、数多くのボール材料、例えば異なるタイプの結合材(Co、Co+Ni+Cr)を伴うさまざまなタイプの炭化タングステン硬質金属ボール、異なるタイプの鋼、および異なるタイプのセラミックボールが、市販されており、一方でインクのタイプは主としてゲル性インクおよび油性インクそして、それほどではないにせよ他の液体をベースとするインクに分けることができる。ここで提示するCu−Ni−Zn−Mn合金属は、考えられる全てのボールとインクの材料との組合せと、組合せることができる。
本発明の目的は、特殊な熱機械的処理および最適化された合金組成に起因して鍛造ステンレス鋼合金のものに匹敵する機械的特性を達成する、新しい高強度Cu−Ni−Zn−Mn合金族を提供することにある。有鉛変形形態は、優れた機械加工性を示し、したがって、高い強度、良好な延性および優れた機械加工性が最大の重要性をもつ全ての利用分野、すなわち筆記用具、メガネフレーム、鍵、時計業界における利用分野、金具および他の微細加工、ならびに快削の利用分野のための前途有望な候補であるが、他の利用分野への制約は無い。無鉛の変形形態は、一方ではその2相アルファベータ構造によって、未処理のPbを含まないCu−Ni−Zn−Mn合金に関する機械加工性の有意な改善を促し、他方では析出物によって共にこの改善を結果としてもたらしている。さらに、無鉛の変形形態は、人間および/または環境にとって有害であり得る元素を、ユーザーにとって不利な量で含んでいない。
本発明は、銅、亜鉛、ニッケル、マンガン、および他の元素に基づいて七つの異なるCu−Ni−Zn−Mn合金を提供することによって実現される。本明細書においておよび特許された特許ファミリー欧州特許第1608789B1号明細書中で提示されている合金の組成は、生産コスト以外に合金の外観が機械的特性、機械加工性および腐食特性と同様に重要である、特別な利用分野について最適化されている。これらの合金から、ワイヤ、条片、棒材、管、ならびにさまざまな異形材および正方形形材などの、異なる寸法および幾何学的形態を生産することができる。詳細には、筆記用具用のペン先などの伸線製品が対象となっており、これらは、熱間変形プロセスの後、連続的な冷間引抜きおよび熱処理ステップにおいて最終直径まで典型的に引抜き加工される。この点に関して、合金のMn含有量は、4〜7重量%の範囲に限定される。これより高いMnレベルは、冷間成形中にマイナスの効果を示し、一方これより低いMn含有量は、焼成割れの危険性および温間押出し加工中にベータ含有量を過度に低くする危険性を増大させる。Niはその高いコスト以外に、Ni含有量がより高く(14重量%超)なると、相図は、高温でさえ純粋に単相の合金に向かうことになる。より低いNi含有量(9.0重量%未満)には、銀色の色調が次第に黄色味を帯びた色調に変化するという危険性があり、アルファ相およびベータ相の間の平衡を維持するためにCu含有量の増加が必要となる。鋼を置換することが目されている場合、Cu−Ni−Zn−Mn合金の銀色の外観がきわめて重要である。Zn含有量は、微細構造を変化させることを可能にする0%からおよそ50%±10%の範囲(ベータ含有量の分率)内で選択される。40重量%超のZn含有量は、冷間引抜きに好適なベータの過度に高い量を示し、一方34重量%未満の含有量は熱間押出し加工を困難にする。Pb含有量は、良好乃至は優秀な機械加工性を保証するための最低レベルに保たれる。銅合金は、時として淡黄色の色調の微妙な差異を有する、Cu−Ni−Zn−Mn合金にとって典型的な灰色または銀色の外観を有する。
本発明で提示された合金については、黄銅において使用されたGuilletの経験則[J.Agren、F.H.Hayes、L.Hoglund、U.R.Kattner、B.Legendre、R.Schmid−Fetzer:Applications of Computational Thermodynamics.Z.Metallkunde 93、(2002)、128−142]を用いて可能であるよりも優れた推定値を、位相場および位相場に対する合金化元素の影響について得るために、熱力学モデルアプローチが適用された。これは明らかに、一般的な合金設計アプローチよりも高度なアプローチであり、温度の関数として各相の安定性を評価するための素晴しいツールであることを実証した。
以下で記載する大部分の合金の機械加工性は、Citizenの長尺回転旋盤およびMikron Multistar旋盤上で測定された。以下の機械パラメータが使用された(表1を参照のこと)。
第一の合金:
第一の合金は、欧州特許第1608789号明細書の出願に基づくものであり、42〜48重量%のCu、34〜40重量%のZn、9〜14重量%のNi、4〜7重量%のMn、0.5重量%以下のFe、0.03重量%以下のP、および2.0重量%以下のPbで構成される。
以上で言及された特許は、特殊な熱処理によって、高温で安定しそのため熱間変形プロセスに好適なアルファ−ベータ構造を有する合金を、630〜720℃の温度で焼鈍した場合に純粋なアルファ合金へと改質でき、結果として、単相構造に起因する改良された冷間成形性およびより優れた耐食性がもたらされるという考え方に基づいている。これに付随する主要元素の化学的変化は、前記微細構造の2相合金から単相アルファ合金への変化を保証するように相殺される。黄銅中のZn当量についてのGuilletの経験則によると、Mnは変化に対しほとんど反応影響を受けないが、一方Niはアルファ安定化効果を示している。多成分系における我々の熱力学的計算は、Feなどの少量の元素については、0.5重量%の含有量が合金のベータ相分率を約5〜10%増大させ、曲線の勾配を変化させることはなく、一方約400℃という中間的温度ではFeがアルファ/ベータ母材中のガンマ相の共存(5%未満の体積分率)を誘発することを示している。耐食性を増大させるために、リンが添加される。
Figure 2014512452
ここで提示されている第一の発明は、単相アルファCu−Ni−Zn−Mn合金の形成を可能にする、以上で言及した欧州特許第1608789号明細書のために使用された加工パラメータに基づいて構築されたものである。その第一の目的は、耐食性が2相Cu−Ni−Zn−Mn合金に比べて高い、ペン先の利用分野に好適な合金を開発することにあった。これは、決定的な隙間条件の局在的微細構造を導く電解腐食を許容する微細構造条件を可能にしない純粋に単相の状態においてのみ保証され得る。
特許ファミリー欧州特許第1608789号明細書において開発された上述の合金に比べて、本明細書中で提示する合金は、さらに、ベータおよび/またはベータ’析出物の微細析出を可能にする300〜450℃というより低い温度での熱処理(以下「低温熱処理」とも呼ぶ)に付される。この析出物は針状の形態を示しており、fcc母結晶粒の一次結晶軸に沿って配向されている。図1aおよび1bは、それぞれベータ’およびベータの微細析出物を有する低温熱処理された合金の顕微鏡写真を示す。ベータとベータ’(その正方変形した変形形態)との間の相境界が400〜450℃の間にあるという点に留意されたい。より詳細には、図1aおよび1bは、合金No.1の350℃(a)および450℃(b)で熱処理された試料を示す。
低温熱処理の概念が一般に、時効硬化性の、すなわち過飽和固溶体が少量の元素添加で存在しているCu合金に適用されるという点に言及しておかなければならない。一方、ここでは析出のための化学的駆動力が使用されず、ベータ相とベータ’相の間のエネルギー差が使用される。これは多くの場合、鋼に適用され、この場合マルテンサイト変態が合金の強度の増大をひき起こす。本発明においてはこの概念が採用されており、このため変態は可塑的変形によって誘発され得ない。
熱処理の精確な温度範囲を決定するためには、特殊な熱力学的ソフトウェアツールが利用されており、これが、温度および化学組成の関数として多成分系内での相安定性領域の計算を可能にしている[J.Agren、F.H.Hayes、L.Hoglund、U.R.Kattner、B.Legendre、R.Schmid−Fetzer:Applications of Computational Thermodynamics.Z.Metallkunde 93、(2002)、128−142]。
前記合金は、低温度熱処理を受けていない同じ合金に比べて2〜10%という残留伸びレベルで850〜950MPaの改善された硬度および引張り強度を結果としてもたらす(表2を参照のこと)。無鉛合金について行なわれた通り、さらに熱機械的処理を最適化することによって、より高い強度および延性さえも到達可能であるかもしれないと考えられる(以下参照)。
前記合金の機械加工性は、より高い強度、鉛粒子の均一な分配および微細なベータ析出物のおかげで、優れた機械加工性(CuZn39Pb3=100%に対して約90%未満)を示し、そのためこの合金は、ペン先の利用分野においてステンレス鋼に置き代わるための有利な候補となっている。チップは、特にMikron Multistarでの機械加工の時に(表1で設定された全ての条件で)、非常に短いもの(1mm未満)であることが最も多かった。ただし、ネジ形状のチップも同様に有利である。
図2は、Citizen長尺旋盤で生産された合金No.1の、より長いネジ状チップの光学画像を示す。
第二の合金
本発明の第二の合金は、言及した第一の合金と非常に類似しているもののヒ素を含む化学組成、すなわち42〜48重量%のCu、34〜40重量%のZn、9〜14重量%のNi、4〜7重量%のMn、0.5重量%以下のFe、0.03重量%以下のP、2.0重量%以下のPbおよび0.01〜0.15重量%のAsという化学組成を有する。
ここで提示されている第二の発明は、単相アルファCu−Ni−Zn−Mn合金の形成を可能にする、以上で言及した欧州特許第1608789号明細書のために使用された加工パラメータに基づいて構築されたものである。
ヒ素以外に、本発明の合金には、以上で提示した第1の合金と同じ、化学的性質の変化に対する影響が存在する。
本発明の背景技術において言及した通り、Asは黄銅内で腐食阻害物質として使用され、これは、アルファ黄銅内で急速に拡散するため、二原子空孔まで移動し、表面層のさらなる腐食を阻害する[J.Y.Zou、D.H.Wang、W.C.Qiu、Electrochmica Acta、43、(1997)、1733−1737]。ここで提示されたCu−Ni−Zn−Mn合金においては、Asの存在が耐食性も同様に改善し、これは、1重量%未満のNaClを伴う水溶液中および水性インク中において、As添加の無い合金と比べて増大した腐食電位と比較的低い腐食速度を示す。同様に、このことは、インクにより取上げられるイオンが少なくなりこのためそれらの能力が低下する可能性があることを理由として、インクに対しプラスの効果を有する。
Figure 2014512452
低レベルのAs添加は、合金の微細構造上の外観に何ら差異を示さず、As無しの態様(第一の合金)と同じ機械的特性および機械加工性性能を示す。
第三の合金
本発明の第三の合金は、無鉛であり、以下の化学組成を含む:45〜48重量%のCu、37〜40重量%のZn、9〜14重量%のNi、4〜7重量%のMn、0.5重量%以下のFe、0.03重量%以下のP、0.15重量%以下のAsおよび0.1重量%以下のPb。
本合金発明の一つの目的は、旋盤作業に好適な良好な機械加工性を示すレベルまで微細構造のベータ含有量を増大させることにあった。これは、本発明の第一および第二の合金の合金組成と比べてZn含有量を増大させることによって実施される。図3aは、2相合金の押出し加工されたままの状態の微細構造を示す。
この合金の本発明の第二の目標は、ワイヤの冷間変形中に低温熱処理ステップにより合金の機械的特性を増大させることにあった。図3bは、450℃の熱処理が適用され、このような冷間変形と焼鈍が行われた微細構造の微細構造を示す。
37.5%未満のZn含有量は、熱間押出し加工(約800℃)中のベータの量を、ゼロパーセントに近い体積分率まで削減し、一方39%超のZn含有量では、ベータ相分率はこの温度で約30%に達する。しかしながら、より低い温度の焼鈍においては、その含有量はほぼ50%まで増大し、こうして材料を強く冷間変形する能力を低減させる。同じCu:Zn比でMn含有量を増大させNi含有量を減少させることで、熱間押出し加工に好適である高い温度でベータ相の安定性は増大し、これは中間焼鈍温度(約600℃)で逆転し得る。より詳細には、合金No.3について、鋳放し構造の光学顕微鏡画像が図3aに示されており、冷間変形され焼鈍された(450℃)ものが図3bに示されている。
第一の合金の上述の発明において記載した通り、同じ低温熱処理が適用された。図4aおよび4bに示された熱力学計算によると、面心立方(fcc)構造(アルファ)がまず最初に凝固し、その後体心立方相(ベータ)が続く。約420℃で、ベータ相は部分的にベータプライム相(b’)へと形を変え、これは低温熱処理の微細構造の所見(図1および図3b)と合致している。図4に表示されている位相MnNi相は、反応速度が過度に低いため、微細構造内では明示され得なかった。同じことが、低温で熱力学的に安定であるが反応速度が低いために出現していない低体積分率相についてもあてはまる。より詳細には、図4aおよび図4bは、合金No.3の擬似二元相図(a)とその特定の組成についての相分率図(b)を示す。
前記微細構造は、38および39重量%のZn含有率で達成された。より低いZn含有量はベータ相の量を著しく低下させ、一方40重量%超のZnは、過度に低密度のアルファ結晶粒を示している。
この合金の機械的強度は、850〜1050MPaの値に達し、引張り伸びは2〜20%の値に達する。良好な引張り伸びと組合わされたこのような高い強度値は、本発明者らの知るかぎりにおいてこれまで報告されたことがない。強度と延性との間の最適な組合せを達成する上での一つの主な要因は、十分な冷間変形の後に低温熱処理サイクルを二回実施することである。この周期的熱処理により、さらなる冷間変形を可能にする転位密度の減少を犠牲にして、微細なベータ針状結晶を析出させるための最大の駆動力が可能になる。その一方で、アルファ結晶粒の再結晶および結晶粒成長は、軟化効果を回避するように最低限に保たれる。
Figure 2014512452
図5は、合金No.3の2つの合金タイプについて示されたネジタイプおよび巻き毛タイプのチップを示す。
微細構造中に、より軟質の相とより硬質の相が均一に分散していることに起因して、良好な機械加工性(CuZn39Pb3=100%に対して70%超)が達成される。チップ長は、有鉛合金の場合よりも著しく長いものの、機械加工性能に有意な影響を及ぼすことはない。有鉛合金No.1の表面に比べて表面品質は著しく良好であるという点に留意されたい(図6参照)。
図6a〜図6dは、450℃で焼鈍された組成Aを有する合金No.3(図6aと6b)、そして合金No.1(図6cと6d)に対して、100Hzで行なわれたMikron Multistarを用いた機械加工試験を表わしている。有鉛合金No.1のチップ長は、合金No.3のチップ長よりも短い。
第四の合金
本発明の第四の合金は、同様に無鉛であり、以下の化学組成を含む:45〜48重量%のCu、36〜40重量%のZn、9〜14重量%のNi、4〜7重量%のMn、0.5重量%以下のFe、1.5重量%以下のCa、1.0重量%以下のSi、1.0重量%以下のAl、0.03重量%以下のP、0.15重量%以下のAsおよび0.1重量%以下のPb。
この合金の主な焦点は、Caを材料中に導入して、Cu、Si、AlおよびFeと共に析出物を形成する際にそれがチップブレーカとして作用するようにすることにあった。Fe、AlおよびSiの不在下で、Caの添加は、特許出願、国際公開第2008/093974号中で実証された通り、Cuと析出物を形成する。他の合金化元素Si、AlまたはFeのうちの少なくとも一つを添加すると、この合金の機械加工性はさらに改善される。
このタイプの合金についての主たる問題点は、Caが酸素と強く反応するためその酸化を回避することにある。これは、不活性雰囲気中でZnでCaを予備合金化することによって回避され得る。後続するプレアロイでのCu−Mnの合金化には、上述の量のFe、Si、Alが含まれる。
第五の合金
本発明の第五の合金は、無鉛であり得、以下の化学組成を有する:43.5〜48重量%のCu、36〜40重量%のZn、9〜12重量%のNi、5〜7重量%のMn、1.0重量%以下のAl、0.5重量%以下のSn、0.5重量%以下のFe、0.03重量%以下のP、0.15重量%以下のAs、および2.0重量%以下のPb。
この合金の主な焦点は、一方では時効硬化性、すなわち過飽和固溶体母材から二次的析出物を形成し、かつ他方では熱間および冷間変形に好適である、すなわち2相のベータに富む構造からベータ相分率が少ない2相構造へと形を変えることを許容する、上述の無鉛Cu−Ni−Zn−Mn合金(No.3)の一変形形態を生成することにあった。これは、Fe、AlおよびSnの添加を含み入れることで実施された。
技術的かつ経済的に言うと、押出し加工中の合金中の高いベータ相分率は、押出し力および押出し温度を低下させることができるため、有益である。しかしながら、後続する冷間引抜きステップには、高い体積分率のアルファ結晶粒が必要とされ、これは、化学的性質が最適化された場合には、専用の熱処理ステップを用いて達成可能である。この冶金学的に困難な課題は、AlおよびSnの添加により満足のいく形で満たされた。
押出し加工されたままの状態の微細構造は、非常に細かい再結晶化された2相構造を示し、結晶粒度は、20mmをはるかに下回っている(図7a)。Alは、この点において、有効な結晶粒成長阻害物質として作用する。後続する600℃超での熱処理は、幾分かの結晶粒成長を示す。低温熱処理は、250HV超のビッカース硬度値で350℃でのピーク硬化を示す(表4および図7を参照のこと)。
図7a〜7dは、合金No.5の押出し加工されたままの状態の微細構造(図7a)および冷間変形と650℃での焼鈍とのサイクル2回の後の微細構造(図7b);合金No.5の最初に540℃、その後350℃(図7c)および400℃(図7d)の低温熱処理を受けた熱処理合金の微細構造を示す。
焼鈍(約600〜700℃)および冷間変形処理のサイクルは、約50%までのベータ体積分率の含有量増大を伴って微細構造の改変をひき起こし、こうしてアルファ結晶粒はベータ結晶粒によりとり囲まれた母材を形成する。450℃未満のより低い温度で正しく焼鈍された場合、針の形をした微細析出物が核形成する(図7cおよび7d)。
熱力学的シミュレーションによると、Ni−アルミナイドが、固相曲線到達直後に形成され、約0.02%の一定レベルを維持し、こうして以上で言及したものと同等の強い結晶粒成長阻害物質として作用する。さらに、Alは、600℃前後で最小値に達するベータ分率の変動に対して強い効果を及ぼし、この値はより高い温度およびより低い温度に向かって増大している。
合金の引張り特性は、2〜12%の伸びで、850〜900MPaの範囲内の値を示す(表4を参照のこと)。
第六の合金
本発明の第六の合金は、同様に時効硬化性であり、以下の化学組成を有する:43.5〜48重量%のCu、36〜40重量%のZn、9〜12重量%のNi、5〜7重量%のMn、1.0重量%以下のAl、2.0重量%以下のSn、0.5重量%以下のFe、0.2重量%以下のSi、0.03重量%以下のP、0.15重量%以下のAs、および2重量%以下のPb。
この合金の主な焦点は、NiSn相の析出を誘発するために添加されたSnの、系内での影響を評価することにあった。
Sn含有量の増大に伴うベータ分率の強い増加が観察され、これは非常に低い押出し加工温度を可能にし、結果としてベータ相の高い体積分率をもたらす。実験室での熱処理および引張り試験は、この体積分率が著しく低下し、その後の良好な冷間成形性を可能にし得るということを示した。
Figure 2014512452
低温時効硬化試験は、約350℃で最大硬化を示した。図8に示されている走査電子顕微鏡法(SEM)画像は、400℃で熱処理された過時効条件下の材料を示し、ここでNiSn析出物は、ベータ相で白色の点として出現し、相境界に局在化している。
図8aおよびbは、共に合金No.6の、最初に540℃で焼鈍され、続いて400℃での第二の焼鈍プロセスを受けた試料の光学顕微鏡画像(図8a)、ベータ相母材内でのかつアルファ結晶粒に対する境界におけるNiSn析出物を伴う合金の二次的電子顕微鏡画像(図8b)を示す。
ビッカース硬度測定値は、350℃での時効硬化について230〜240HVの硬度を明らかにし、一方300〜400℃での熱処理については、合金No.5についての表4に示された値に匹敵するもののわずかに低い220〜230HVの値が測定された。
第七の合金
本発明の第七の合金は、同様に時効硬化性の合金であり、以下の化学組成を有する:43.5〜48重量%のCu、36〜40重量%のZn、9〜12重量%のNi、5〜7重量%のMn、0.1重量%以下のAl、0.1重量%以下のSn、0.5重量%以下のFe、1.0重量%以下のSi、0.3重量%以下のP、0.15重量%以下のAs、および2.0重量%以下のPb。
ここでも、合金発明No.4および5と同様に、本発明は、ベータ内でのアルファの、またはその逆での析出以外に時効硬化性に好適な典型的合金化元素をも含んでいる、時効硬化性Cu−Ni−Zn−Mn合金を目的としている。ここで、候補としてケイ素およびリンが選択される。
ケイ素は、黄銅中のアルファベータ相境界に対して全合金化元素のうちで最強の効果を有し、したがって合金には最大限の注意を払って添加されなければならない。熱力学シミュレーションから、約0.5重量%までの添加はアルファ/ベータ比(800℃で3:1)の平衡に関してなおも耐容可能であるが、一方、1.0重量%というSi含有量では、37重量%のZn含有量についてアルファ/ベータ分率が完全に逆転されるということが示された。
先に言及した合金(No.5)中のNi−アルミナイド析出物と同様、ここでは、温度が固相曲線より下まで低下した直後に、Ni5Si2析出物が形成される。しかしながら、それらの検出は、平凡な作業ではなく、手持ちの計器ではうまくいかなかった。低合金化銅中で、析出物は核形成し、丸みのあるプレートレットに成長している[D.Zhao、Q.M.Dong、B.X.Kang、J.L.Huang、Z.H.Jin、Mater.Sci.Eng.A361、(2003).93−99]。
脱酸のために使用されるレベルを超えるリンの添加は、FeまたはNiのいずれかを含む銅合金において一般的である。このような合金は、高強度と対になった高い伝導度の組合せに関するその優れた性能について公知である。典型的に、これらの合金は、Fe2Pの小さい20〜50nmサイズの円形粒子[M.Motohisa、J.Jpn.Copper Brass Res.Assoc.29.(1990)、224−233;D.P.Lu、J.Wang、W.J.Zeng、Y.Liu、L.Lu、B.D.Sun、Mater.Sci.Eng.A421、(2006)、254−259]または50〜150nmのサイズを有するNiP2の六角形のプレートレット[J.S.Byun、J.H.Choi、D.N.Lee、Scripta Mater.42、(2000)、637−643]を形成する。
これらの合金の時効硬化段階は、1〜5%の引張り伸びで、1000MPa超の引張り強度と250HVを超える硬度値に達する、高い機械的耐性を示す。
米国特許第5997663号明細書 米国特許第5167726号明細書
H.W.Schlapfer、W.Form Metal Science 13(1979);H.W.Schlapfer、W.Form Metall、32、135(1978)。 Adaptation to Scientific and Technical Progress of Annex II Directive 2000/53/EC;J.Lohse、S.Zangl、R.Groβ、C.O.Gensch、O.Deubzer.Oko−Institut e.V.(2008)

Claims (23)

  1. 重量百分率で、42〜48重量%のCu、34〜40重量%のZn、9〜14重量%のNi、4〜7重量%のMn、2.0重量%以下のPb、1.0重量%以下のAl、2.0重量%以下のSn、0.5重量%以下のFe、1.0重量%以下のSi、1.5重量%以下のCa、0.15重量%以下のAs、0.3重量%以下のP、および0.1重量%未満となるMg、Cr、Cd、Co、S、Te、Zr、SbおよびAgなどの不可避的な不純物元素を含む、析出硬化性銅合金。
  2. 0.15重量%以下のAsをさらに含む、請求項1に記載の銅合金。
  3. 約300℃〜約450℃の低温熱処理に付された場合に800MPa超の引張り強度値と5%超の伸びを有する、請求項1または2のいずれかに記載の銅合金。
  4. 低温熱処理に付された場合に細かい針状構造で析出するベータ相を有する、請求項3に記載の銅合金。
  5. 45〜48重量%のCu、37〜40重量%のZn、9〜14重量%のNi、4〜7重量%のMn、0.5重量%以下のFe、0.15重量%以下のAsおよび0.1重量%以下のPbを含む、請求項1に記載の銅合金。
  6. 微細ベータ析出物を伴うアルファ/ベータ構造を有し、かつ約300℃〜約450℃の低温熱処理に付された場合に、880MPa超の引張り強度と10%超の伸びを有するか、または980MPa超の引張り強度と2%超の伸びを有し、かつステンレス鋼のものよりも優れた機械加工性を有する、請求項5に記載の銅合金。
  7. 45〜48重量%のCu、36〜40重量%のZn、9〜14重量%のNi、4〜7重量%のMn、0.05〜0.5重量%のFe、1.5重量%以下のCa、1.0重量%以下のSi、1.0重量%以下のAl、0.15重量%以下のAsおよび0.1重量%以下のPbを含む、請求項1に記載の銅合金。
  8. Caが、純粋アルファまたは2相アルファ/ベータ構造でCuおよび/またはZnと共に析出物を形成する、請求項7に記載の銅合金。
  9. 43.5〜48重量%のCu、36〜40重量%のZn、9〜12重量%のNi、5〜7重量%のMn、1.0重量%以下のAl、0.5重量%以下のSn、0.5重量%以下のFeおよび2.0重量%以下のPbを含む、請求項1に記載の銅合金。
  10. Alが微細分散したNi−アルミナイド粒子/析出物を形成し、同様に、粒子の細かいアルファ/ベータ微細構造も生成する、請求項9に記載の銅合金。
  11. 43.5〜48重量%のCu、36〜40重量%のZn、9〜12重量%のNi、5〜7重量%のMn、1.0重量%以下のAl、2.0重量%以下のSn、0.05〜0.5重量%のFe、0.2重量%以下のSiおよび2重量%以下のPbを含む、請求項1に記載の銅合金。
  12. AlおよびSnが存在する結果として、熱間変形中に高いベータ体積分率がもたらされ、これは優れた冷間成形性を可能にするため中間温度の焼鈍中に削減することができ、約300℃〜約450℃の低温熱処理に付された場合にNiSnに富んだ析出物および/またはNi−Alに富んだ析出物がもたらされる、請求項11に記載の銅合金。
  13. 43.5〜48重量%のCu、36〜40重量%のZn、9〜12重量%のNi、5〜7重量%のMn、0.1重量%以下のAl、0.1重量%以下のSn、0.5重量%以下のFe、1.0重量%以下のSi、0.3重量%以下のPおよび2.0重量%以下のPbを含む、請求項1に記載の銅合金。
  14. SiおよびPが存在することにより、前記合金が中間(350〜550℃)温度の熱処理に付された場合にNiSiに富んだ析出物またはFeP/NiP析出物のいずれかの形成が可能となる、請求項13に記載の銅合金。
  15. 合金が500〜700℃の高温熱処理に付された場合に、190〜320HVの硬度値、550〜700MPaの引張り強度そして25%超の伸びを有する、請求項1〜14のいずれかに記載の銅合金。
  16. 合金が300〜450℃の低温熱処理に付された場合に、800MPa超の引張り強度および5%超の引張り伸びを有する、請求項1〜15のいずれかに記載の銅合金。
  17. 合金が300〜450℃の低温熱処理に付された場合に、5ミクロン未満の結晶粒度でかつ母材と類似の組成または異なる組成を有する、粒子の細かい針状または球状析出物を含む微細構造を有する、請求項1に記載の銅合金。
  18. 請求項1〜17のいずれか一つに記載の合金を含む、銅合金製品。
  19. ワイヤ、棒材、条片ならびに矩形形材および異形材を含む、請求項18に記載の銅合金製品。
  20. 鋳造、熱間押出しおよび連続的な冷間引抜きおよび熱処理ステップを介して得られる、請求項19に記載の銅合金製品。
  21. ワイヤが2.5mm未満の最終直径を有する、請求項19または20に記載の銅合金製品。
  22. 筆記用具を含む、請求項18に記載の銅製品。
  23. 前記筆記用具には、ペン先、ペン先ソケット、および/またはペン先に油性インク、ゲル性インクもしくは他の液体のいずれかを充填するためのタンクが含まれる、請求項22に記載の銅製品。
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