JP2014507429A - 心血管疾患の治療のための組成物および方法 - Google Patents

心血管疾患の治療のための組成物および方法 Download PDF

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Abstract

本明細書は、薬学組成物、その薬学組成物の調製方法、並びにその薬学組成物を使用して個体における心血管疾患を治療する方法及び使用を開示する。

Description

脂質は、脂肪酸、グリセロ脂質、グリセロリン脂質、スフィンゴ脂質、サッカロ脂質、ならびにポリケチド、ステロール脂質、およびプレノール脂質を含む、自然界に発生する疎水性または両親媒性の分子の広範な一群を構成する。脂質の主要な生物学的機能としては、エネルギー貯蔵、細胞膜の構造的成分としての機能、および重要なシグナル伝達分子としての機能が含まれる。これらの基本的な役割のために、全ての細胞は脂質を使用し、脂質に依存する。細胞に脂質を輸送するために使用される1つのプロセスにはアポリポタンパク質が関与する。アポリポタンパク質は、脂質に結合してリポタンパク質を形成するタンパク質であり、リポタンパク質は、リンパ系および循環器系を通して脂質(トリグリセリドおよびコレステロールを含む)を輸送するために使用される媒体である。リポタンパク質の脂質成分は、それ自体では水に不溶である。しかしながら、アポリポタンパク質およびその他の両親媒性分子(例えばリン脂質)は、その両親媒性特性のために、脂質を包囲し、それ自体が水溶性であるリポタンパク質粒子を産生することができ、従って、水性の循環液すなわち血液およびリンパ液等を通して運ばれることが可能となる。
リポタンパク質粒子には5つの主要なグループがあり、リポタンパク質の比重および含まれるアポリポタンパク質の種類が、その粒子の運命を定め、代謝に対する影響を決定する。カイロミクロンは最大のリポタンパク質粒子であり、この粒子は腸から肝臓、骨格筋、および脂肪組織へとトリグリセリドを輸送する。超低比重リポタンパク質(VLDL)粒子はトリグリセリドに富んだ大きなリポタンパク質であり、肝臓から分泌されて、トリグリセリドを脂肪組織および筋肉へと輸送する。リポタンパク質粒子の第3のグループは中間比重リポタンパク質(IDL)粒子であり、VLDLと低比重リポタンパク質(LDL)との間の中間体である。IDL粒子は、毛細血管中でリポタンパク質リパーゼがVLDL粒子からトリグリセリドを除去し、より小さなこれらの粒子を循環中に戻すときに形成される。IDL粒子はそのトリグリセリドのほとんどを失っているが、コレステリルエステルは保持している。IDL粒子の一部は肝臓によって迅速に取り込まれ、残りは循環中に残り、そこでさらなるトリグリセリド加水分解を経てLDLに変換される。LDL粒子はコレステロールを肝臓から身体の細胞に輸送し、そこでこの粒子はLDL受容体に結合して、その受容体はその後クラスリン被覆ピットを介してベシクル形態においてエンドサイトーシスされる。クラスリン被覆が取り除かれた後、上記ベシクルは最終的にはLDLをリソソームに送達し、そこでコレステロールエステルが加水分解される。リポタンパク質粒子の最後のグループは、高比重リポタンパク質(HDL)粒子であり、これは身体組織からコレステロールを回収して肝臓へ戻す。
高レベルの脂質、例えばコレステロールおよび/またはリポタンパク質粒子(例えばVLDL、IDL、および/またはLDL)は、心血管系に有害な作用を有し得る。例えば、LDLは、コレステロールの主要な細胞外輸送因子として、細胞機能および代謝経路の制御において重要な生理的役割を果たす。細胞は、コレステロールの十分な供給を確保し、血液中にコレステロールが過剰に蓄積することを防止する、複雑なフィードバック機序を有している。しかしながら、例えば高脂血症、酸化ストレス、および/または遺伝性障害のような病理的条件下では、LDLの特定の構成成分が酸化その他の修飾を受け、そのように修飾されたLDLによるコレステロール輸送が生理的な標的から外れて血液中に蓄積するという結果がもたらされる。
この蓄積の1つの効果は、多量のコレステロールおよび/またはLDLが血管壁に埋め込まれ、そうなることによって炎症応答を誘発することである。この炎症に応答して、血中単球が血管内皮に接着し、内皮下空間に移入し、マクロファージへと分化する。次いでマクロファージが、スカベンジャー受容体(LDL受容体とは異なる)を介した食作用によりコレステロール堆積物および修飾LDLを呑み込む。しかしながら、マクロファージにより媒介されるこの適応機序は、病理的条件下で見られる無制御のコレステロールおよび/またはLDLの堆積を処理するためには不十分である。結果として、脂質が詰め込まれたこれらのマクロファージが、M1表現型を有する「泡沫細胞」または
「泡沫性細胞」に変換される。コレステロール/LDLの堆積、および血管壁における付随する泡沫細胞媒介性の炎症促進性反応の両方が、動脈硬化病変の発生へとつながる。未処置のままにしておくと、この脂質蓄積および炎症促進性応答は病変の進行をもたらし、やがて心血管疾患を引き起こす。
血液中における高レベルのコレステロール/LDLの蓄積のもう1つの効果は、LDL凝集塊またはLDL凝集体の形成である。LDL凝集体は、分子量が大きく、ウイルスまたは細菌のような病原体により誘発されるのと同じような炎症性応答を引き起こす。この炎症性応答がマクロファージによる凝集体の取込みを誘発し、それによってこれらの細胞がM1表現型を有する泡沫細胞に変換され、炎症誘発性分子の放出が誘発される。この脂質蓄積および炎症促進性応答もやはり、未処置のままにしておくと、心血管疾患を引き起こし得る。
血液中の脂質および/またはリポタンパク質のレベルを制御することにより心血管疾患を治療する試みは、限られた成功しか得られていない。例えば、スタチンの投与は一定の個体において心血管リスクを低下させるが、これらの治療化合物はトリグリセリドのレベルは減少させない。従って、害があるほど高いレベルのトリグリセリドを示し心血管リスクに晒された個体においては、フィブラートと呼ばれるもう1つの分類の治療化合物が投与され得る。しかしながら、フィブラートは、トリグリセリドとLDLのレベルは低下させるものの、心血管疾患に対する保護的作用が知られるリポタンパク質粒子であるHDLのレベルには影響しない。最後に、スタチンとフィブラートとを含む併用治療は、有効ではあるが、ミオパチーおよび横紋筋融解症のリスクの著しい増加を引き起こし、従って非常に注意深い医学的監督の下でなければ行うことができない。従って、これらの問題を考慮すると、高い脂質/リポタンパク質レベルに関連するものを含め、心血管疾患のための使用および治療用の改善された化合物および組成物の必要性が明らかに存在する。
本明細書は、心血管疾患に罹患した個体を治療するための薬学組成物および方法を開示する。本明細書で開示する薬学組成物は本質的に脂質送達システムであり、脂質および/またはリポタンパク質のレベルを調節する活性を有する治療化合物を、より効率的に心血管疾患を治療する態様で送達することを可能とするものである。
本明細書のいくつかの側面は、治療化合物と薬学的に許容されるアジュバントとを含む薬学組成物を開示する。治療化合物は、脂質のレベルを正常化する活性を有し得る。本明細書の別の側面は、本明細書で開示される治療化合物と、薬学的に許容される溶媒と、薬学的に許容されるアジュバントとを含む薬学組成物を開示する。別の側面では、本明細書で開示される薬学組成物は、薬学的に許容される安定化剤をさらに含む。
本明細書の別の側面は、薬学組成物を調製する方法を開示し、その方法は、薬学組成物の形成を可能とする条件下で、治療化合物を薬学的に許容されるアジュバントに接触させる工程を含む。本明細書の別の側面は、薬学組成物を調製する方法を開示し、その方法は、a)治療化合物が薬学的に許容される溶媒に溶解することを可能とする条件下で、前記薬学的に許容される溶媒を前記治療化合物に接触させることによって溶液を形成する工程であって、前記治療化合物は脂質のレベルを正常化する活性を有する工程、および、b)工程(a)で形成された溶液を、薬学組成物の形成を可能とする条件下で、薬学的に許容されるアジュバントに接触させる工程を含む。別の側面では、本明細書で開示される調製方法は、c)前記薬学組成物から前記薬学的に許容される溶媒を除去する工程をさらに含む。
本明細書の別の側面は、薬学組成物を開示し、その薬学組成物は、薬学組成物の形成を可能とする条件下で治療化合物を薬学的に許容されるアジュバントに接触させる工程を含む方法に従って製造されるものである。本明細書の別の側面は、薬学組成物を開示し、その薬学組成物は、a)治療化合物が薬学的に許容される溶媒に溶解することを可能とする条件下で、前記薬学的に許容される溶媒を前記治療化合物に接触させることによって溶液を形成する工程であって、前記治療化合物は脂質のレベルを正常化する活性を有する工程、および、b)工程(a)で形成された溶液を、薬学組成物の形成を可能とする条件下で、薬学的に許容されるアジュバントに接触させる工程を含む方法に従って製造されるものである。別の側面では、本明細書で開示される薬学組成物の製造方法は、c)前記薬学組成物から前記薬学的に許容される溶媒を除去する工程をさらに含む。
本明細書の別の側面は、心血管疾患を有する個体を治療する方法を開示し、その方法は、本明細書で開示される薬学組成物を、必要とする個体に投与する工程を含み、投与は心血管疾患に関連した症状の低減をもたらし、それによってその個体を治療する。
本明細書の別の側面は、心血管疾患の治療用の医薬の製造における本明細書で開示される薬学組成物の使用を開示する。
本明細書の別の側面は、心血管疾患の治療のための、本明細書で開示される薬学組成物の使用を開示する。
図1は、インフルエンザA/PR/8/34の致死的負荷に対する生存率における、本明細書で開示される薬学組成物の効果を示す。イブプロフェン335μg=A群;対照 経口=B群;およびイブプロフェン335μg o/e 経口(BC1054)=C群。
図2は、生存したマウスの肺におけるTh2サイトカインのインビボのレベルに対する、本明細書で開示される薬学組成物の効果を示す。図2Aは、IL-10のインビボのレベルに対する本明細書で開示される薬学組成物の効果についてのグラフを示し、図2Bは、IL-4のインビボのレベルに対する本明細書で開示される薬学組成物の効果についてのグラフを示す。BC1054経口=A群;媒体 経口=B群;およびBC1054 脂質 経口=C群。
図3は、生存したマウスの肺におけるTh2サイトカインのインビボのレベルに対する、本明細書で開示される薬学組成物の効果を示す。図3Aは、IL-10のインビボのレベルに対する本明細書で開示される薬学組成物の効果についてのグラフを示し、図3Bは、TNF-αのインビボのレベルに対する本明細書で開示される薬学組成物の効果についてのグラフを示し、図3Cは、IFN-γのインビボのレベルに対する本明細書で開示される薬学組成物の効果についてのグラフを示す。BC1054経口=A群;媒体 経口=B群;およびBC1054 脂質 経口=C群。
本発明のいくつかの側面は、部分的に、薬学組成物を開示する。本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される」という用語は、個体に投与されたときに、有害反応、アレルギー反応、またはその他の不都合なもしくは望ましくない反応を生じない分子実体または組成物を意味する。本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される組成物」という用語は「薬学組成物」と同義であり、活性成分(例えば、本明細書で開示される治療化合物のいずれか)の治療的有効濃度を意味する。本明細書で開示される薬学組成物は、医学的および獣医学的適用において有用である。薬学組成物は、単独で個体に投与してもよいし、あるいは、他の補足的な活性成分、薬品、薬剤、またはホルモンとの組合せで投与してもよい。
本明細書で開示される薬学組成物は、活性成分を薬学的に許容される組成物に加工することを促進する、薬学的に許容される担体を任意で含み得る。本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される担体」という用語は「薬学的担体」と同義であり、投与された場合に長期的または永続的な有害作用を実質的に有さない担体を意味し、「薬学的に許容される媒体、安定化剤、希釈剤、添加剤、補助剤、または賦形剤」というような用語を包含する。一般的にそのような担体は、活性化合物と混合されるか、または活性化合物を希釈もしくは封入し、固形、半固形、または液状であり得る。活性成分は可溶性であるか、または所望の担体もしくは希釈剤中の懸濁物として送達され得ることが理解される。多様な薬学的に許容される担体のいずれを使用してもよく、そのような担体としては、例えば水、食塩水、グリシン、ヒアルロン酸等の水性媒体;例えばマンニトール、ラクトース、澱粉、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、タルカム、セルロース、グルコース、スクロース、炭酸マグネシウム等の固形担体;溶媒;分散媒;コーティング;抗細菌剤および抗真菌剤;等張性剤および吸収遅延剤;またはその他の不活性成分が挙げられるが、これらに限定されない。薬学的に許容される担体の選択は投与の様式に依存し得る。薬学的に許容されるあらゆる担体は、活性成分と不適合でない限り、薬学的に許容される組成物においてその使用が考慮される。そのような薬学的担体の具体的使用の非限定的な例は、Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems (Howard C. Ansel et al., eds., Lippincott Williams & Wilkins Publishers, 7th ed. 1999);REMINGTON: THE SCIENCE AND PRACTICE OF PHARMACY (Alfonso R. Gennaro ed., Lippincott, Williams & Wilkins, 20th ed. 2000);Goodman & Gilman’s The Pharmacological Basis of Therapeutics (Joel G. Hardman et al., eds., McGraw-Hill Professional, 10th ed. 2001);およびHandbook of Pharmaceutical Excipients (Raymond C. Rowe et al., APhA Publications, 4th edition 2003)に見出すことができる。これらのプロトコールはルーチンの手順であって、そのいかなる修正も当業者の技量および本明細書の教示の範囲内に十分含まれる。
本明細書で開示される薬学組成物は、任意で、非限定的に他の薬学的に許容される成分(あるいは薬学成分)を含むことができ、これらの成分としては、緩衝剤、保存剤、張度調節剤、塩、抗酸化剤、浸透圧調節剤、生理的物質、薬学的物質、充填剤、乳化剤、湿潤剤、甘味料もしくは香料等が挙げられるが、これらに限定されない。得られる調製物が薬学的に許容されるものとなることを条件として、様々な緩衝剤およびpH調節手段が、本明細書で開示される薬学組成物を調製するために使用され得る。そのような緩衝剤としては、酢酸緩衝剤、クエン酸緩衝剤、リン酸緩衝剤、中性緩衝食塩水、リン酸緩衝食塩水、およびホウ酸緩衝剤が挙げられるが、これらに限定されない。組成物のpHを調節するために、必要に応じて、酸または塩基を使用し得ることが理解される。薬学的に許容される抗酸化剤としては、二亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、アセチルシステイン、ブチルヒドロキシアニソール、およびブチルヒドロキシトルエンが挙げられるが、これらに限定されない。有用な保存剤としては、塩化ベンザルコニウム、クロロブタノール、チメロサール、酢酸フェニル水銀、硝酸フェニル水銀、安定化オキシクロロ組成物、およびキレート剤(例えばDTPAまたはDTPAビスアミド、カルシウムDTPA、およびCaNaDTPAビスアミド等)が挙げられるが、これらに限定されない。薬学組成物において有用な張度調節剤としては、例えば塩化ナトリウム、塩化カリウム等のような塩、マンニトールもしくはグリセリン、およびその他の薬学的に許容される張度調節剤が挙げられるが、これらに限定されない。薬学組成物は塩として提供することができ、塩酸、硫酸、酢酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸等が含まれるがこれらに限定されない多様な酸とともに形成することができる。塩は、対応する遊離塩基形態と比較して、水性溶媒またはその他のプロトン性溶媒への可溶性がより高い傾向がある。これらの物質および薬理学の分野で知られる他の物質が薬学組成物に含まれ得ることが理解される。
一実施態様において、本明細書で開示される薬学組成物は、脂質のレベルを正常化する活性を有する治療化合物と、薬学的に許容されるアジュバントとを含む。別の実施態様では、本明細書で開示される薬学組成物は、脂質のレベルを正常化する活性を有する治療化合物と、薬学的に許容される溶媒と、薬学的に許容されるアジュバントとを含む。この実施態様のいくつかの側面では、本明細書で開示される薬学組成物は、薬学的に許容される安定化剤をさらに含み得る。この実施態様の別の側面では、本明細書で開示される薬学組成物は、薬学的に許容される担体もしくは薬学的に許容される成分、または、薬学的に許容される担体と薬学的に許容される成分の両方をさらに含み得る。
本明細書のいくつかの側面は、部分的に、治療化合物を開示する。治療化合物は、疾患の診断、治癒、緩和、治療、もしくは防止において、薬理活性もしくはその他の直接的な作用を提供する、または、ヒトもしくは動物の身体の構造もしくは何らかの機能に影響を及ぼす化合物である。本明細書で開示される治療化合物は、薬学的に許容される塩、溶媒和物、または塩の溶媒和物、例えば塩酸塩の形態で使用され得る。加えて、本明細書で開示される治療化合物は、ラセミ体として、または個々のエナンチオマー(R-またはS-エナンチオマーを含む)として、提供され得る。従って、本明細書で開示される治療化合物は、治療化合物のR-エナンチオマーのみ、S-エナンチオマーのみ、またはR-エナンチオマーとS-エナンチオマーの両方の組合せを含み得る。本明細書で開示される治療化合物は脂質のレベルを正常化する活性を有し得る。本明細書で使用される場合、「脂質のレベルを正常化する」という用語は、有害なほど高くなっている脂質もしくはリポタンパク質のレベルを正常もしくは無害なレベルにまで低下させる活性、脂質もしくはリポタンパク質のレベルを個体にとって有益なレベルまで増加させる活性、またはその両方を表す。例えば、脂質のレベルを正常化する活性を有する治療化合物は、有害なほどに高くなっているコレステロールおよび/もしくはLDLを正常もしくは無害なレベルに低下させ、HDLを個体にとって有益なレベルに増加させ、またはその両方を行ない得る。
脂質およびリポタンパク質の異常は通常の集団において一般的であり、アテローム性動脈硬化に影響することから、心血管疾患の調節可能なリスク因子と考えられている。より高いレベルのLDL粒子は健康上の問題および心血管疾患を促進することが研究により示されていることから、正式な言い方ではないがこれらはしばしば「悪玉コレステロール」粒子と呼ばれる。対照的にHDL粒子は、しばしば「善玉コレステロール」または「健康的なコレステロール」粒子と呼ばれるが、これはより高いHDLレベルが心血管の健康と相関するからである。高いレベルのHDLは、LDLにおける過剰なトリグリセリドレベルの吸い込み口として作用することによりLDLのレベルを低下させると考えられている。
一実施態様において、本明細書で開示される治療化合物は、抗高脂血症活性を有する。この実施態様のいくつかの側面において、本明細書で開示される治療化合物は、VLDL、IDL、LDL、またはこれらの組合せのレベルを低下させることができる抗高脂血症活性を有する。この実施態様の別の側面において、本明細書で開示される治療化合物は、VLDL、IDL、LDL、またはこれらの組合せのレベルを、例えば少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、または少なくとも95%低下させることができる抗高脂血症活性を有する。 この実施態様のさらに別の側面において、本明細書で開示される治療化合物は、VLDL、IDL、LDL、またはこれらの組合せのレベルを、例えば約10%〜約100%、約20%〜約100%、約30%〜約100%、約40%〜約100%、約50%〜約100%、約60%〜約100%、約70%〜約100%、約80%〜約100%、約10%〜約90%、約20%〜約90%、約30%〜約90%、約40%〜約90%、約50%〜約90%、約60%〜約90%、約70%〜約90%、約10%〜約80%、約20%〜約80%、約30%〜約80%、約40%〜約80%、約50%〜約80%、または約60%〜約80%、約10%〜約70%、約20%〜約70%、約30%〜約70%、約40%〜約70%、または約50%〜約70%の範囲内で低下させることができる抗高脂血症活性を有する。
別の実施態様において、本明細書で開示される治療化合物は、HDLのレベルを増加させる。この実施態様の一側面において、本明細書で開示される治療化合物は、HDLのレベルを、例えば少なくとも2%、少なくとも3%、少なくとも10%、少なくとも12%、少なくとも15%、少なくとも17%、少なくとも20%、少なくとも22%、少なくとも25%、少なくとも27%、少なくとも30%、少なくとも32%、少なくとも35%、少なくとも37%、少なくとも40%、少なくとも42%、少なくとも45%、または少なくとも47%増加させる。この実施態様のさらに別の側面において、本明細書で開示される治療化合物は、HDLのレベルを、例えば約2%〜約100%、約10%〜約50%、約15%〜約50%、約20%〜約50%、約25%〜約50%、約30%〜約50%、約35%〜約50%、約40%〜約50%、約2%〜約45%、約10%〜約45%、約15%〜約45%、約20%〜約45%、約25%〜約45%、約30%〜約45%、約35%〜約45%、約2%〜約40%、約10%〜約40%、約15%〜約40%、約20%〜約40%、約25%〜約40%、または約30%〜約40%、約2%〜約35%、約10%〜約35%、約15%〜約35%、約20%〜約35%、または約25%〜約35%の範囲内で増加させる。
コレステロール、および/またはLDLのようなリポタンパク質が血管壁に埋め込まれると、免疫応答が誘発され、その後慢性炎症応答をもたらし得る。そのような慢性炎症はやがて血管を弱めて損傷させ、その破裂を引き起こし得る。従って、脂質および/またはリポタンパク質のレベルを調節することの1つの結果は、慢性炎症の低減または排除である。プロスタグランジンは、局所的な炎症反応を媒介し、プロスタグランジン受容体に対する作用を通じて全ての炎症性機能に関与し、化学走性(マクロファージ、好中球、および好酸球)、血管拡張、および痛覚過敏を含む炎症性シグナル伝達を媒介する。しかしながら、PG媒介性炎症反応は自己限定的(消散的)である。主たる消散因子は15dPGJ2と呼ばれるプロスタグランジンであり、これは、ペルオキシダーゼ増殖因子活性化受容体ガンマ(PPAR-γ)シグナル伝達の内因性アゴニストである。PPARγシグナル伝達経路は、(1) マクロファージM1細胞のアポトーシスを誘導し、そのことによってTh1炎症促進性サイトカインのレベルを低下させ、(2) 単球のマクロファージM2細胞への分化を促進させる。マクロファージM2細胞はTh2抗炎症性サイトカインを産生し放出する。
一実施態様において、本明細書で開示される治療化合物は、炎症誘発性プロスタグランジンのレベルを低下させることができる抗炎症活性を有する。この実施態様の別の側面において、本明細書で開示される治療化合物は、感覚神経から放出される炎症誘発性プロスタグランジンのレベルを、例えば少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、または少なくとも95%低下させることができる抗炎症活性を有する。この実施態様のさらに別の側面において、本明細書で開示される治療化合物は、感覚神経から放出される炎症誘発性プロスタグランジンのレベルを、例えば約10%〜約100%、約20%〜約100%、約30%〜約100%、約40%〜約100%、約50%〜約100%、約60%〜約100%、約70%〜約100%、約80%〜約100%、約10%〜約90%、約20%〜約90%、約30%〜約90%、約40%〜約90%、約50%〜約90%、約60%〜約90%、約70%〜約90%、約10%〜約80%、約20%〜約80%、約30%〜約80%、約40%〜約80%、約50%〜約80%、または約60%〜約80%、約10%〜約70%、約20%〜約70%、約30%〜約70%、約40%〜約70%、または約50%〜約70%の範囲内で低下させることができる抗炎症活性を有する。
別の実施態様において、本明細書で開示される治療化合物は、15dPGJ2と実質的に同様の抗炎症活性を有する。この実施態様のいくつかの側面において、本明細書で開示される治療化合物は、15dPGJ2について観察される活性の例えば少なくとも5%、少なくとも15%、少なくとも25%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、または少なくとも95%の抗炎症活性を有する。この実施態様の別の側面において、本明細書で開示される治療化合物は、15dPGJ2について観察される活性の例えば約5%〜約100%、約50%〜約100%、約60%〜約100%、約70%〜約100%、約80%〜約100%、約25%〜約90%、約50%〜約90%、約60%〜約90%、約70%〜約90%、約80%〜約90%、約25%〜約80%、約50%〜約80%、約60%〜約80%、約70%〜約80%、約25%〜約70%、約50%〜約70%、約25%〜約60%、約50%〜約60%、または約25%〜約50%の範囲内の抗炎症活性を有する。
ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体(PPAR)は、遺伝子の発現を調節する転写因子として機能する核受容体タンパク質の一群である。全てのPPARはレチノイドX受容体(RXR)とヘテロダイマーを形成し、ペルオキシソーム増殖因子ホルモン応答エレメント(PPRE)と呼ばれる、標的遺伝子DNA上の特異的領域に結合することが知られている。PPARは、高等生物の細胞分化、発生、および代謝(炭水化物、脂質、タンパク質)ならびに腫瘍形成の制御において重要な役割を果たす。このファミリーには、PPAR-α、PPAR-γ、およびPPAR-δ(PPAR-βとしても知られる)という3つのメンバーが含まれる。PPAR-αは、肝臓、腎臓、心臓、筋肉、脂肪組織その他の組織において発現される。PPAR-δは多くの組織において発現されるが、特に脳、脂肪組織、および皮膚において発現が顕著である。PPAR-γは3つの選択的スプライシング形態を含み、その各々が異なる発現パターンを有する。PPAR-γ1は、心臓、筋肉、結腸、腎臓、膵臓、および脾臓を含む実質的に全ての組織において発現される。PPAR-γ2は主に脂肪組織において発現される。PPAR-γ3はマクロファージ、大腸、および白色脂肪組織において発現される。PPARの内因性リガンドには遊離の脂肪酸およびエイコサノイドが含まれる。PPAR-γはPGJ2(プロスタグランジン)によって活性化され、PPAR-αはロイコトリエンB4によって活性化される。
肝臓によるHDL粒子の新規産生は、PPARシグナル伝達経路の活性化により引き起こされると考えられている。従って、通常の脂質吸収機序を介して脂質プロセシングに関与する細胞型(マクロファージ、脂肪細胞、および肝細胞)に標的指向化されるPPARアゴニストは、有益なHDLレベルを選択的に増加させ、それによって血液の脂質プロファイルを正常化させ、心血管疾患を治療する。
一実施態様において、本明細書で開示される治療化合物は、全てのPPARシグナル伝達経路を刺激することができる抗炎症活性を有する。そのような治療化合物としてはPPARパンアゴニストが含まれる。別の実施態様において、本明細書で開示される治療化合物は、PPARシグナル伝達経路の1つまたは2つを刺激することができる抗炎症活性を有する。そのような治療化合物としては選択的PPARアゴニストが含まれる。
別の実施態様において、本明細書で開示される治療化合物は、PPAR-αシグナル伝達経路を刺激することができる抗炎症活性を有する。この実施態様のいくつかの側面において、本明細書で開示される治療化合物は、PPAR-αシグナル伝達経路を、例えば少なくとも5%、少なくとも15%、少なくとも25%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、または少なくとも90%刺激する。この実施態様の別の側面において、本明細書で開示される治療化合物は、PPAR-αシグナル伝達経路を、例えば約5%〜約100%、約50%〜約100%、約60%〜約100%、約70%〜約100%、約80%〜約100%、約25%〜約90%、約50%〜約90%、約60%〜約90%、約70%〜約90%、約80%〜約90%、約25%〜約80%、約50%〜約80%、約60%〜約80%、約70%〜約80%、約25%〜約70%、約50%〜約70%、約25%〜約60%、約50%〜約60%、または約25%〜約50%の範囲内で刺激する。
別の実施態様において、本明細書で開示される治療化合物は、PPAR-δシグナル伝達経路を刺激することができる抗炎症活性を有する。この実施態様のいくつかの側面において、本明細書で開示される治療化合物は、PPAR-δシグナル伝達経路を、例えば少なくとも5%、少なくとも15%、少なくとも25%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、または少なくとも90%刺激する。この実施態様の別の側面において、本明細書で開示される治療化合物は、PPAR-δシグナル伝達経路を、例えば約5%〜約100%、約50%〜約100%、約60%〜約100%、約70%〜約100%、約80%〜約100%、約25%〜約90%、約50%〜約90%、約60%〜約90%、約70%〜約90%、約80%〜約90%、約25%〜約80%、約50%〜約80%、約60%〜約80%、約70%〜約80%、約25%〜約70%、約50%〜約70%、約25%〜約60%、約50%〜約60%、または約25%〜約50%の範囲内で刺激する。
別の実施態様において、本明細書で開示される治療化合物は、PPARγシグナル伝達経路を刺激することができる抗炎症活性を有する。本明細書で開示される治療化合物は、PPAR-γの全てのアイソフォームに結合する能力を有していてもよいし、あるいは、PPAR-γ1、PPAR-γ2、PPAR-γ3、またはこれらのいずれか2つの組合せに選択的に結合する能力を有していてもよい。この実施態様のいくつかの側面において、本明細書で開示される治療化合物は、PPARγシグナル伝達経路を、例えば少なくとも5%、少なくとも15%、少なくとも25%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、または少なくとも90%刺激する。この実施態様の別の側面において、本明細書で開示される治療化合物は、PPARγシグナル伝達経路を、例えば約5%〜約100%、約50%〜約100%、約60%〜約100%、約70%〜約100%、約80%〜約100%、約25%〜約90%、約50%〜約90%、約60%〜約90%、約70%〜約90%、約80%〜約90%、約25%〜約80%、約50%〜約80%、約60%〜約80%、約70%〜約80%、約25%〜約70%、約50%〜約70%、約25%〜約60%、約50%〜約60%、または約25%〜約50%の範囲内で刺激する。
マクロファージは、活性化されて異なる表現型に分極し、これらの異なる表現型は、固有の細胞表面分子を発現し、別個のサイトカインおよびケモカインのセットを分泌する。古典的なM1表現型は、例えばインターロイキン6(IL-6)、IL-12、およびIL-23のようなサイトカインにより誘導される炎症促進性Th1応答を支援し、代替的なM2表現型は、一般的に、IL-10により誘導される抗炎症性プロセスを支援する。M2細胞は、刺激の種類およびその後の表面分子とサイトカインの発現に基づいて、M2a、M2b、およびM2cというサブセットにさらに分類され得る。
さらに別の実施態様において、本明細書で開示される治療化合物は、M1からM2への消散性の表現型変化を促進させることができる抗炎症活性を有する。この実施態様の一側面において、本明細書で開示される治療化合物は、マクロファージM1細胞のアポトーシスを誘発させることができる抗炎症活性を有する。この実施態様の別の側面において、本明細書で開示される治療化合物は、マクロファージM2細胞の分化を促進させることができる抗炎症活性を有する。この実施態様のさらに別の側面において、本明細書で開示される治療化合物は、マクロファージM1細胞のアポトーシスを誘発させマクロファージM2細胞の分化を促進させることができる抗炎症活性を有する。
さらに別の実施態様において、本明細書で開示される治療化合物は、Th1およびTh2サイトカインを調節することができる抗炎症活性を有する。この実施態様の一側面において、本明細書で開示される治療化合物は、Th1細胞から放出されるインターフェロン・ガンマ(IFNγ)、腫瘍壊死因子アルファ(TNF-α)、IL-12、またはこれらの組合せのレベルを低減させることができる抗炎症活性を有する。この実施態様の別の側面において、本明細書で開示される治療化合物は、Th1細胞から放出されるIFNγ、TNF-α、IL-12、またはこれらの組合せのレベルを、例えば少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、または少なくとも90%低減させることができる抗炎症活性を有する。この実施態様のさらに別の側面において、本明細書で開示される治療化合物は、Th1細胞から放出されるIFNγ、TNF-α、IL-12、またはこれらの組合せのレベルを、例えば約5%〜約100%、約10%〜約100%、約20%〜約100%、約30%〜約100%、約40%〜約100%、約50%〜約100%、約60%〜約100%、約70%〜約100%、約80%〜約100%、約10%〜約90%、約20%〜約90%、約30%〜約90%、約40%〜約90%、約50%〜約90%、約60%〜約90%、約70%〜約90%、約10%〜約80%、約20%〜約80%、約30%〜約80%、約40%〜約80%、約50%〜約80%、または約60%〜約80%、約10%〜約70%、約20%〜約70%、約30%〜約70%、約40%〜約70%、または約50%〜約70%の範囲内で低減させることができる抗炎症活性を有する。
この実施態様の別の側面において、本明細書で開示される治療化合物は、Th2細胞から放出されるIL-10のレベルを増加させることができる抗炎症活性を有する。この実施態様の別の側面において、本明細書で開示される治療化合物は、Th2細胞から放出されるIL-10のレベルを、例えば少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、または少なくとも95%増加させることができる抗炎症活性を有する。この実施態様のさらに別の側面において、本明細書で開示される治療化合物は、Th2細胞から放出されるIL-10のレベルを、例えば約5%〜約100%、約10%〜約100%、約20%〜約100%、約30%〜約100%、約40%〜約100%、約50%〜約100%、約60%〜約100%、約70%〜約100%、約80%〜約100%、約10%〜約90%、約20%〜約90%、約30%〜約90%、約40%〜約90%、約50%〜約90%、約60%〜約90%、約70%〜約90%、約10%〜約80%、約20%〜約80%、約30%〜約80%、約40%〜約80%、約50%〜約80%、または約60%〜約80%、約10%〜約70%、約20%〜約70%、約30%〜約70%、約40%〜約70%、または約50%〜約70%の範囲内で増加させることができる抗炎症活性を有する。
この実施態様の別の側面において、本明細書で開示される治療化合物は、Th1細胞から放出されるIFNγ、TNF-α、IL-12、またはこれらの組合せのレベルを低減させ、Th2細胞から放出されるIL-10のレベルを増加させることができる抗炎症活性を有する。この実施態様の別の側面において、本明細書で開示される治療化合物は、Th1細胞から放出されるIFNγ、TNF-α、IL-12、またはこれらの組合せのレベルを、例えば少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、または少なくとも95%低減させることができ、Th2細胞から放出されるIL-10のレベルを、例えば少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、または少なくとも95%増加させることができる抗炎症活性を有する。この実施態様のさらに別の側面において、本明細書で開示される治療化合物は、Th1細胞から放出されるIFNγ、TNF-α、IL-12、またはこれらの組合せのレベルを、例えば約5%〜約100%、約10%〜約100%、約20%〜約100%、約30%〜約100%、約40%〜約100%、約50%〜約100%、約60%〜約100%、約70%〜約100%、約80%〜約100%、約10%〜約90%、約20%〜約90%、約30%〜約90%、約40%〜約90%、約50%〜約90%、約60%〜約90%、約70%〜約90%、約10%〜約80%、約20%〜約80%、約30%〜約80%、約40%〜約80%、約50%〜約80%、または約60%〜約80%、約10%〜約70%、約20%〜約70%、約30%〜約70%、約40%〜約70%、または約50%〜約70%の範囲内で低減させることができ、Th2細胞から放出されるIL-10のレベルを、例えば約10%〜約100%、約20%〜約100%、約30%〜約100%、約40%〜約100%、約50%〜約100%、約60%〜約100%、約70%〜約100%、約80%〜約100%、約10%〜約90%、約20%〜約90%、約30%〜約90%、約40%〜約90%、約50%〜約90%、約60%〜約90%、約70%〜約90%、約10%〜約80%、約20%〜約80%、約30%〜約80%、約40%〜約80%、約50%〜約80%、または約60%〜約80%、約10%〜約70%、約20%〜約70%、約30%〜約70%、約40%〜約70%、または約50%〜約70%の範囲内で増加させることができる抗炎症活性を有する。
別の実施態様において、本明細書で開示される治療化合物は、炎症誘発性分子のレベルを低下させることができる抗炎症活性を有する。この実施態様の一側面において、本明細書で開示される治療化合物は、P物質(SP)、カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)、グルタミン酸、またはこれらの組合せのレベルを低下させることができる抗炎症活性を有する。この実施態様の別の側面において、本明細書で開示される治療化合物は、感覚神経から放出されるSP、CGRP、グルタミン酸、またはこれらの組合せのレベルを、例えば少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、または少なくとも95%低下させることができる抗炎症活性を有する。この実施態様のさらに別の側面において、本明細書で開示される治療化合物は、感覚神経から放出されるSP、CGRP、グルタミン酸、またはこれらの組合せのレベルを、例えば約10%〜約100%、約20%〜約100%、約30%〜約100%、約40%〜約100%、約50%〜約100%、約60%〜約100%、約70%〜約100%、約80%〜約100%、約10%〜約90%、約20%〜約90%、約30%〜約90%、約40%〜約90%、約50%〜約90%、約60%〜約90%、約70%〜約90%、約10%〜約80%、約20%〜約80%、約30%〜約80%、約40%〜約80%、約50%〜約80%、または約60%〜約80%、約10%〜約70%、約20%〜約70%、約30%〜約70%、約40%〜約70%、または約50%〜約70%の範囲内で低下させることができる抗炎症活性を有する。
本明細書で開示される治療化合物は、有機溶媒に可溶性であることを示すlog P値を有し得る。本明細書で使用される場合、「log P値」という用語は、化合物についての分配係数(P)の対数(底10)を表し、親油性の尺度である。通常は、Pは、平衡状態にある2つの非混和性溶媒の混合物の2相における非イオン化化合物の濃度の比として定義される。すなわち、log P = Log 10 (P) であって、P = [非混和性溶媒1における溶質] / [非混和性溶媒2における溶質]である。有機相および水性相に関しては、所与の水性および有機溶媒の対について化合物のlog P値は一定であり、その値は、例えば振盪フラスコアッセイ、HPLCアッセイ、および2つの非混和性電解質溶液の界面(ITIES)アッセイを含む、当業者に知られるいくつかの相分配法のうちの1つによって経験的に決定することができる。
この実施態様のいくつかの側面において、本明細書で開示される治療化合物は、その化合物が有機溶媒に実質的に可溶性であることを示すlog P値を有し得る。この実施態様のいくつかの側面において、本明細書で開示される治療化合物は、その化合物が、例えば有機溶媒に少なくとも50%可溶性である、有機溶媒に少なくとも60%可溶性である、有機溶媒に少なくとも70%可溶性である、有機溶媒に少なくとも80%可溶性である、または有機溶媒に少なくとも90%可溶性であることを示すlog P値を有し得る。この実施態様のいくつかの側面において、本明細書で開示される治療化合物は、その化合物が、例えば有機溶媒に約50%〜約100%可溶性である、有機溶媒に約60%〜約100%可溶性である、有機溶媒に約70%〜約100%可溶性である、有機溶媒に約80%〜約100%可溶性である、または有機溶媒に約90%〜約100%可溶性であることを示すlog P値を有し得る。
この実施態様のいくつかの側面において、本明細書で開示される治療化合物は、例えば1.1を超える、1.2を超える、1.4を超える、1.6を超える、1.8を超える、2.0を超える、2.2を超える、2.4を超える、2.6を超える、2.8を超える、3.0を超える、3.2を超える、3.4を超える、または3.6を超えるlog P値を有し得る。この実施態様の別の側面において、本明細書で開示される治療化合物は、例えば1.8〜4.0、2.0〜4.0、2.1〜4.0、2.2〜4.0、または2.3〜4.0、2.4〜4.0、2.5〜4.0、2.6〜4.0、または2.8〜4.0の範囲内のlog P値を有し得る。この実施態様の別の側面において、本明細書で開示される治療化合物は、例えば3.0〜4.0、3.1〜4.0、3.2〜4.0、3.3〜4.0、3.4〜4.0、3.5〜4.0、または3.6〜4.0の範囲内のlog P値を有し得る。この実施態様のさらに別の側面において、本明細書で開示される治療化合物は、例えば2.0〜2.5、2.0〜2.7、2.0〜3.0、または2.2〜2.5の範囲内のlog P値を有し得る。
本明細書で開示される治療化合物は、疎水性である極性表面積を有し得る。本明細書で使用される場合、「極性表面積」という用語は、化合物の構造における全ての極性原子の表面合計を表し、疎水性の尺度である。通常は、これらの極性原子には、例えば酸素、窒素、およびそれらに結合した水素が含まれる。この実施態様のいくつかの側面において、本明細書で開示される治療化合物は、例えば8.0 nm2未満、7.0 nm2未満、6.0 nm2未満、5.0 nm2未満、4.0 nm2未満、または3.0 nm2未満の極性表面積を有し得る。この実施態様の別の側面において、本明細書で開示される治療化合物は、例えば3.0 nm2〜6.5 nm2、3.0 nm2〜6.0 nm2、3.0 nm2〜5.5 nm2、3.0 nm2〜5.0 nm2、3.0 nm2〜4.5 nm2、3.5 nm2〜6.5 nm2、3.5 nm2〜6.0 nm2、3.5 nm2〜5.5 nm2、3.5 nm2〜5.0 nm2、3.5 nm2〜4.5 nm2、4.0 nm2〜6.5 nm2、4.0 nm2〜6.0 nm2、4.0 nm2〜5.5 nm2、または4.0 nm2〜5.0 nm2、4.0 nm2〜4.5 nm2、または4.5 nm2〜5.5 nm2の範囲内の極性表面積を有し得る。この実施態様のさらに別の側面において、本明細書で開示される治療化合物は、例えば2.0 nm2〜6.5 nm2、2.0 nm2〜6.0 nm2、2.0 nm2〜5.5 nm2、2.0 nm2〜5.0 nm2、2.0 nm2〜4.5 nm2、2.5 nm2〜6.5 nm2、2.5 nm2〜6.0 nm2、2.5 nm2〜5.5 nm2、2.5 nm2〜5.0 nm2、または2.5 nm2〜4.5 nm2の範囲内の極性表面積を有し得る。
本明細書で開示される治療化合物は、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)であり得る。NSAIDは、鎮痛性、抗炎症性、および解熱性特性を有する治療化合物の大きなグループである。NSAIDは、シクロオキシゲナーゼを遮断することにより炎症を低減させる。NSAIDとしては、アセクロフェナク、アセメタシン、アクタリット、アルコフェナク、アルミノプロフェン、アンフェナク、アロキシピリン、アミノフェナゾン、アントラフェニン、アスピリン、アザプロパゾン、ベノリラート、ベノキサプロフェン、ベンジダミン、ブチブフェン、セレコキシブ、クロルテノキサシン、サリチル酸コリン、クロメタシン、デクスケトプロフェン、ジクロフェナク、ジフルニサル、エモルファゾン、エピリゾール、エトドラク、エトリコキシブ、フェクロブゾン、フェルビナク、フェンブフェン、フェンクロフェナク、フルルビプロフェン、グラフェニン、サリチル酸ヒドロキシルエチル、イブプロフェン、インドメタシン、インドプロフェン、ケトプロフェン、ケトロラク、ラクチルフェネチジン、ロキソプロフェン、ルミラコキシブ、メフェナム酸、メロキシカム、メタミゾール、メチアジン酸、モフェブタゾン、モフェゾラク、ナブメトン、ナプロキセン、ニフェナゾン、ニフルミン酸、オキサメタシン、フェナセチン、ピペブゾン、プラノプロフェン、プロピフェナゾン、プロカゾン、プロチジン酸、ロフェコキシブ、サリチルアミド、サルサラート、スリンダク、スプロフェン、チアラミド、チノリジン、トルフェナム酸、バルデコキシブ、およびゾメピラックが挙げられるが、これらに限定されない。
NSAIDは、その化学的構造または作用機序に基づいて分類することができる。NSAIDの比限定的な例は、サリチル酸誘導体NSAID、p-アミノフェノール誘導体NSAID、プロピオン酸誘導体NSAID、酢酸誘導体NSAID、エノール酸誘導体NSAID、フェナム酸誘導体NSAID、非選択的シクロオキシゲナーゼ(COX)阻害剤、選択的シクロオキシゲナーゼ1(COX 1)阻害剤、および選択的シクロオキシゲナーゼ2(COX 2)阻害剤を含む。NSAIDはプロフェンであってもよい。適切なサリチル酸誘導体NSAIDの例としては、アセチルサリチル酸(アスピリン)、ジフルニサル、およびサルサラートが含まれるが、これらに限定されない。適切なp-アミノフェノール誘導体NSAIDの例としては、パラセタモールおよびフェナセチンが含まれるが、これらに限定されない。適切なプロピオン酸誘導体NSAIDの例としては、アルミノプロフェン、ベノキサプロフェン、デクスケトプロフェン、フェノプロフェン、フルルビプロフェン、イブプロフェン、インドプロフェン、ケトプロフェン、ロキソプロフェン、ナプロキセン、オキサプロジン、プラノプロフェン、およびスプロフェンが含まれるが、これらに限定されない。適切な酢酸誘導体NSAIDの例としては、アセクロフェナク、アセメタシン、アクタリット、アルコフェナク、アンフェナク、クロメタシン、ジクロフェナク、エトドラク、フェルビナク、フェンクロフェナク、インドメタシン、ケトロラク、メチアジン酸、モフェゾラク、ナブメトン、ナプロキセン、オキサメタシン、スリンダク、およびゾメピラックが含まれるが、これらに限定されない。適切なエノール酸(オキシカム)誘導体NSAIDの例としては、ドロキシカム、イソキシカム、ロルノキシカム、メロキシカム、ピロキシカム、およびテノキシカムが含まれるが、これらに限定されない。適切なフェナム酸誘導体NSAIDの例としては、フルフェナム酸、メフェナム酸、メクロフェナム酸、およびトルフェナム酸が含まれるが、これらに限定されない。適切な選択的COX-2阻害剤の例としては、セレコキシブ、エトリコキシブ、フィロコキシブ、ルミラコキシブ、メロキシカム、パレコキシブ、ロフェコキシブ、およびバルデコキシブが含まれるが、これらに限定されない。
本明細書で開示される治療化合物は、PPARγアゴニストであってもよい。適切なPPARγアゴニストの例としては、ベンズブロマロン、カンナビジオール、シロスタゾール、クルクミン、デルタ(9)-テトラヒドロカンナビノール、グリチルレチン酸、インドメタシン、イルベサルタン、モナシン、ミコフェノール酸、レスベラトロール、6-ショウガオール、テルミサルタン、チアゾリジンジオン(例えばロシグリタゾン、ピオグリタゾン、およびトログリタゾン)、NSAID、およびフィブラートが含まれるが、これらに限定されない。他の適切なPPARγアゴニストは、MassonとCaumont-Bertrandの「PPAR Agonist Compounds, Preparation and Uses」米国特許公開公報第2011/0195993号に記述されており、この文献はその全体が参照により本明細書に組み入れられる。
本明細書で開示される治療化合物は、核受容体結合剤であってもよい。適切な核受容体結合剤の例としては、レチノイン酸受容体(RAR)結合剤、レチノイドX受容体(RXR)結合剤、肝臓X受容体(LXR)結合剤、およびビタミンD結合剤が含まれるが、これらに限定されない。
本明細書で開示される治療化合物は、抗高脂血症剤であってもよい。抗高脂血症剤(脂質低下剤としても知られる)にはいくつかの種類がある。それらはコレステロールプロファイルに対する影響および副作用の両方において異なり得る。例えば、あるものはLDLを低下させる一方で、他のものはHDLを優先的に増加させ得る。臨床的には、薬剤の選択は、個体のコレステロールプロファイル、個体の心血管リスク、および/または個体の肝臓と腎臓の機能に依存する。適切な抗高脂血症剤の例としては、フィブラート、スタチン、トコトリエノール、ナイアシン、胆汁酸捕捉剤(レジン)、コレステロール吸収阻害剤、膵リパーゼ阻害剤、および交感神経刺激アミンが含まれるが、これらに限定されない。
本明細書で開示される治療化合物は、フィブラートであってもよい。フィブラートは、脂質レベル改変特性を有する両親媒性カルボン酸の一分類である。これらの治療化合物は広範な代謝障害のために使用される。1つの非限定的な例は、抗高脂血症剤としての使用であり、その場合それは例えばトリグリセリドとLDLのレベルを低下させるとともにHDLのレベルを増加させ得る。適切なフィブラートの例としては、ベザフィブラート、シプロフィブラート、クロフィブラート、ゲムフィブロジル、およびフェノフィブラートが含まれるが、これらに限定されない。
本明細書で開示される治療化合物は、スタチンであってもよい。スタチン(あるいはHMG-CoA還元酵素阻害剤)は、肝臓のコレステロール生成において中心的役割を果たすHMG-CoAレダクターゼ酵素を阻害することによりLDLおよび/またはコレステロールのレベルを低下させるために使用される、治療化合物の一分類である。コレステロールの利用可能量の減少を補うために、肝臓LDL受容体の合成が上昇し、血液からのLDL粒子の除去が増加する結果をもたらす。適切なスタチンの例としては、アトルバスタチン、フルバスタチン、ロバスタチン、ピタバスタチン、プラバスタチン、ロスバスタチン、およびシンバスタチンが含まれるが、これらに限定されない。
本明細書で開示される治療化合物は、トコトリエノールであってもよい。トコトリエノールは、HMG-CoA還元酵素阻害剤のもう1つの分類であり、肝臓LDL受容体の上方制御を誘導することにより、および/または血漿LDLレベルを減少させることにより、LDLおよび/またはコレステロールのレベルを低下させることに使用できる。適切なトコトリエノールの例としては、γ-トコトリエノールおよびδ-トコトリエノールが含まれるが、これらに限定されない。
本明細書で開示される治療化合物は、ナイアシンであってもよい。ナイアシンは、脂質レベルを改変する特性を有する治療化合物の1つの分類である。例えばナイアシンは、肝臓ジアシルグリセロール・アシルトランスフェラーゼ2を選択的に阻害することによりLDLを減少させ、トリグリセリド合成を減少させ、受容体HM74およびHM74AまたはGPR109Aを介してVLDL分泌を減少させ得る。これらの治療化合物は広範な代謝障害のために使用される。1つの非限定的な例は、抗高脂血症剤としての使用であり、その場合それは脂肪組織において脂肪の分解を阻害し得る。ナイアシンは脂肪の分解を阻害するので、血液中の遊離脂肪酸の減少を引き起こし、結果として、肝臓によるVLDLとコレステロールの分泌を減少させる。VLDLのレベルを低下させることにより、ナイアシンはまた血液中のHDLのレベルを上昇させ得る。適切なナイアシンの例としては、アシピモックス、ナイアシン、ニコチンアミド、およびビタミンB3が含まれるが、これらに限定されない。
本明細書で開示される治療化合物は、胆汁酸捕捉剤であってもよい。胆汁酸捕捉剤(レジンとしても知られる)は、胃腸管中の胆汁の一定の成分を結合させるために使用される治療化合物の一分類である。これらは、胆汁酸を捕捉することによって胆汁酸の腸肝循環を途絶させ、それが消化管から再吸収されることを防止する。胆汁酸捕捉剤は、腸に放出されるコレステロール含有胆汁酸を捕捉して、それが腸から再吸収されることを防止することにより、LDLおよびコレステロールを減少させる上で特に効果的である。それに加えて、胆汁酸捕捉剤はまたHDLレベルを上昇させ得る。適切な胆汁酸捕捉剤の例としては、コレスチラミン、コレセベラム、およびコレスチポールが含まれるが、これらに限定されない。
本明細書で開示される治療化合物は、コレステロール吸収阻害剤であってもよい。コレステロール吸収阻害剤は、コレステロールの腸からの吸収を阻害する治療化合物の一分類である。コレステロール吸収の減少は、細胞表面上のLDL受容体の上方制御、およびこれらの細胞へのLDL-コレステロールの取り込みの増加をもたらし、これによって血漿中のLDLのレベルを減少させる。適切なコレステロール吸収阻害剤の例としては、エゼチミブ、フィトステロール、ステロール、およびスタノールが含まれるが、これらに限定されない。
本明細書で開示される治療化合物は、脂肪吸収阻害剤であってもよい。脂肪吸収阻害剤は、脂肪の腸からの吸収を阻害する治療化合物の一分類である。脂肪吸収の減少はカロリー摂取を低下させる。1つの側面において、脂肪吸収阻害剤は、腸においてトリグリセリドを分解する酵素である膵リパーゼを阻害する。適切な脂肪吸収阻害剤の例としてはオルリスタットが挙げられるがこれに限定されない。
本明細書で開示される治療化合物は、交感神経刺激アミンであってもよい。交感神経刺激アミンは、カテコールアミン、エピネフリン(アドレナリン)、ノルエピネフリン(ノルアドレナリン)、および/またはドパミンのような交感神経系の伝達物質の作用を模倣する治療化合物の一分類である。交感神経刺激アミンは、α-アドレナリン作動薬、β-アドレナリン作動薬、ドパミン作動薬、モノアミンオキシダーゼ(MAO)阻害薬、およびCOMT阻害薬として作用し得る。このような治療化合物は、様々なことに使用されるが、心停止や低血圧を治療すること、さらには早期分娩を遅らせることにさえも使用される。適切な交感神経刺激アミンの例としては、クレンブテロール、サルブタモール、エフェドリン、プソイドエフェドリン、メタンフェタミン、アンフェタミン、フェニレフリン、イソプロテレノール、ドブタミン、メチルフェニデート、リスデキサンフェタミン、カシン、カチノン、メトカチノン、コカイン、ベンジルピペラジン(BZP)、メチレンジオキシピロバレロン(MDPV)、4-メチルアミノレックス、ペモリン、フェンメトラジン、およびプロピルヘキセドリンが含まれるが、これらに限定されない。
本明細書で開示される治療化合物は、治療化合物のエステルであってもよい。治療化合物のエステルは、エステル修飾を伴わない同じ治療化合物と比較してlogP値を上昇させる。例えば治療化合物に存在するカルボン酸またはヒドロキシル官能基によって、エステル基を治療化合物に結合させることができる。治療化合物のエステルは疎水性が増加する場合があり、従って、本明細書で開示される溶媒のより少ない量に溶解し得る。いくつかの例では、治療化合物のエステルを、本明細書で開示されるアジュバントと直接組み合わせることができ、それによって溶媒の必要性が排除される。同じ治療化合物の非エステル化形態が本明細書で開示される溶媒中に混和しない場合であっても、治療化合物のエステルは、本明細書で開示される薬学組成物の製造を可能とし得る。治療化合物のエステルは、その化合物を本明細書で開示されるアジュバントと組み合わせさえすれば、脂質レベルをより効果的に正常化し、および/または炎症促進性応答をより効果的に阻害する態様で送達することができる。一実施態様において、治療化合物は、その治療化合物のエチルエステルを形成するためにエチルエステルと反応し得る。
別の実施態様において、本明細書で開示される薬学組成物は、本明細書で開示される薬学的に許容される溶媒を含まない。この実施態様の一側面において、薬学組成物は、治療化合物および薬学的に許容されるアジュバントを含むが、本明細書で開示される薬学的に許容される溶媒は含まない。
本明細書で開示される薬学組成物は、個体への習慣的な投与を可能とする十分な量の治療化合物を含み得る。この実施態様のいくつかの側面において、本明細書で開示される薬学組成物は、例えば少なくとも5 mg、少なくとも10 mg、少なくとも15 mg、少なくとも20 mg、少なくとも25 mg、少なくとも30 mg、少なくとも35 mg、少なくとも40 mg、少なくとも45 mg、少なくとも50 mg、少なくとも55 mg、少なくとも60 mg、少なくとも65 mg、少なくとも70 mg、少なくとも75 mg、少なくとも80 mg、少なくとも85 mg、少なくとも90 mg、少なくとも 95 mg、または少なくとも100 mgの治療化合物であり得る。この実施態様の別の側面において、本明細書で開示される薬学組成物は、例えば少なくとも5 mg、少なくとも10 mg、少なくとも20 mg、少なくとも25 mg、少なくとも50 mg、少なくとも75 mg、少なくとも100 mg、少なくとも200 mg、少なくとも300 mg、少なくとも400 mg、少なくとも500 mg、少なくとも600 mg、少なくとも700 mg、少なくとも800 mg、少なくとも900 mg、少なくとも1,000 mg、少なくとも1,100 mg、少なくとも1,200 mg、少なくとも1,300 mg、少なくとも1,400 mg、または少なくとも1,500 mgの治療化合物であり得る。この実施態様のさらに別の側面において、本明細書で開示される薬学組成物は、例えば約5 mg〜約100 mg、約10 mg〜約100 mg、約50 mg〜約150 mg、約100 mg〜約250 mg、約150 mg〜約350 mg、約250 mg〜約500 mg、約350 mg〜約600 mg、約500 mg〜約750 mg、約600 mg〜約900 mg、約750 mg〜約1,000 mg、約850 mg〜約1,200 mg、または約1,000 mg〜約1,500 mgの範囲内であり得る。この実施態様のさらに別の側面において、本明細書で開示される薬学組成物は、例えば約10 mg〜約250 mg、約10 mg〜約500 mg、約10 mg〜約750 mg、約10 mg〜約1,000 mg、約10 mg〜約1,500 mg、約50 mg〜約250 mg、約50 mg〜約500 mg、約50 mg〜約750 mg、約50 mg〜約1,000 mg、約50 mg〜約1,500 mg、約100 mg〜約250 mg、約100 mg〜約500 mg、約100 mg〜約750 mg、約100 mg〜約1,000 mg、約100 mg〜約1,500 mg、約200 mg〜約500 mg、約200 mg〜約750 mg、約200 mg〜約1,000 mg、約200 mg〜約1,500 mg、約5 mg〜約1,500 mg、約5 mg〜約1,000 mg、または約5 mg〜約250 mgの範囲内であり得る。
本明細書のいくつかの側面は、部分的に、薬学的に許容される溶媒を開示する。溶媒は、別の固体、液体、または気体(溶質)を溶解して溶液をもたらす液体、固体、または気体である。本明細書で開示される薬学組成物において有用な溶媒としては、薬学的に許容される極性非プロトン性溶媒、薬学的に許容される極性プロトン性溶媒、および薬学的に許容される非極性溶媒が挙げられるが、これらに限定されない。薬学的に許容される極性非プロトン性溶媒としては、ジクロロメタン(DCM)、テトラヒドロフラン(THF)、酢酸エチル、アセトン、ジメチルホルムアミド(DMF)、アセトニトリル(MeCN)、ジメチルスルホキシド(DMSO)が挙げられるが、これらに限定されない。薬学的に許容される極性プロトン性溶媒としては、酢酸、ギ酸、エタノール、n-ブタノール、1-ブタノール、2-ブタノール、イソブタノール、sec-ブタノール、tert-ブタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、1,2プロパンジオール、メタノール、グリセロール、および水が挙げられるが、これらに限定されない。薬学的に許容される非極性溶媒としては、ペンタン、シクロペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、1,4-ジオキサン、クロロホルム、n-メチルピリリドン(NMP)、およびジエチルエーテルが挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で開示される薬学組成物は、本明細書で開示される治療化合物を溶解する上で十分な量の溶媒を含み得る。この実施態様の別の側面において、本明細書で開示される薬学組成物は、溶媒を、例えば約90% (v/v)未満、約80% (v/v)未満、約70% (v/v)未満、約65% (v/v)未満、約60% (v/v)未満、約55% (v/v)未満、約50% (v/v)未満、約45% (v/v)未満、約40% (v/v)未満、約35% (v/v)未満、約30% (v/v)未満、約25% (v/v)未満、約20% (v/v)未満、約15% (v/v)未満、約10% (v/v)未満、約5% (v/v)、または約1% (v/v)未満含み得る。この実施態様の別の側面において、本明細書で開示される薬学組成物は、溶媒を、例えば約1% (v/v)〜90% (v/v)、約1% (v/v)〜70% (v/v)、約1% (v/v)〜60% (v/v)、約1% (v/v)〜50% (v/v)、約1% (v/v)〜40% (v/v)、約1% (v/v)〜30% (v/v)、約1% (v/v)〜20% (v/v)、約1% (v/v)〜10% (v/v)、約2% (v/v)〜50% (v/v)、約2% (v/v)〜40% (v/v)、約2% (v/v)〜30% (v/v)、約2% (v/v)〜20% (v/v)、約2% (v/v)〜10% (v/v)、約4% (v/v)〜50% (v/v)、約4% (v/v)〜40% (v/v)、約4% (v/v)〜30% (v/v)、約4% (v/v)〜20% (v/v)、約4% (v/v)〜10% (v/v)、約6% (v/v)〜50% (v/v)、約6% (v/v)〜40% (v/v)、約6% (v/v)〜30% (v/v)、約6% (v/v)〜20% (v/v)、約6% (v/v)〜10% (v/v)、約8% (v/v)〜50% (v/v)、約8% (v/v)〜40% (v/v)、約8% (v/v)〜30% (v/v)、約8% (v/v)〜20% (v/v)、約8% (v/v)〜15% (v/v)、または約8% (v/v)〜12% (v/v)の範囲内の量にて含み得る。
一実施態様において、溶媒は、薬学的に許容されるアルコールを含み得る。本明細書において使用される場合、「アルコール」という用語は、炭素原子に結合されたヒドロキシル官能基(-OH)を含む有機分子を表し、ここで、その炭素原子は飽和したものである。この実施態様のいくつかの側面では、アルコールは、例えばC2-4アルコール、C1-4アルコール、C1-5アルコール、C1-7アルコール、C1-10アルコール、C1-15アルコール、またはC1-20アルコールであり得る。この実施態様の別の側面において、アルコールは、例えば第一級アルコール、第二級アルコール、または第三級アルコールであり得る。この実施態様の別の側面において、アルコールは、例えば非環式アルコール、一価アルコール、多価アルコール(ポリオールあるいは糖アルコールとしても知られる)、不飽和脂肪族アルコール、脂環式アルコール、またはこれらの組合せであり得る。一価アルコールの例としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、および1-ヘキサデカノールが挙げられるが、これらに限定されない。多価アルコールの例としては、グリコール、グリセロール、アラビトール、エリスリトール、キシリトール、マルチトール、ソルビトール(グルシトール)、マンニトール、イノシトール、ラクチトール、ガラクチトール(イジトール)、およびイソマルトが挙げられるが、これらに限定されない。不飽和脂肪族アルコールの例としては、プロプ-2-エン-1-オール、3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-オール、およびプロプ-2-イン-1-オールが挙げられるが、これらに限定されない。脂環式アルコールの例としては、シクロヘキサン-1,2,3,4,5,6-ヘキソールおよび2-(2-プロピル)-5-メチル-シクロヘキサン-1-オールが挙げられるが、これらに限定されない。
別の実施態様において、溶媒は、薬学的に許容されるアルコールと酸のエステルを含み得る。適切な薬学的に許容されるアルコールとしては本明細書で開示されているものが挙げられる。適切な酸としては、酢酸、酪酸、およびギ酸が挙げられるが、これらに限定されない。アルコールと酸のエステルとしては、酢酸メチル、酪酸メチル、ギ酸メチル、酢酸エチル、酪酸エチル、ギ酸エチル、酢酸プロピル、酪酸プロピル、ギ酸プロピル、酢酸ブチル、酪酸ブチル、ギ酸ブチル、酢酸イソブチル、酪酸イソブチル、ギ酸イソブチル、酢酸ペンチル、酪酸ペンチル、ギ酸ペンチル、および1-ヘキサデシルアセテート、1-ヘキサデシルブチレート、および1-ヘキサデシルホルマートが挙げられるが、これらに限定されない。
別の実施態様において、溶媒は、薬学的に許容されるポリエチレングリコール(PEG)ポリマーを含み得る。PEGポリマーは、ポリエチレンオキシド(PEO)ポリマーあるいはポリオキシエチレン(POE)ポリマーとしても知られるが、エチレンオキシドの重合によって調製され、100 g/molから10,000,000 g/molまでの広範な分子量に渡るものが市販されている。低分子量のPEGポリマーは液体または低融点固体である一方、高分子量のPEGポリマーは固体である。PEGポリマーとしては、PEG 100、PEG 200、PEG 300、PEG 400、PEG 500、PEG 600、PEG 700、PEG 800、PEG 900、PEG 1000、PEG 1100、PEG 1200、PEG 1300、PEG 1400、PEG 1500、PEG 1600、PEG 1700、PEG 1800、PEG 1900、PEG 2000、PEG 2100、PEG 2200、PEG 2300、PEG 2400、PEG 2500、PEG 2600、PEG 2700、PEG 2800、PEG 2900、PEG 3000、PEG 3250、PEG 3350、PEG 3500、PEG 3750、PEG 4000、PEG 4250、PEG 4500、PEG 4750、PEG 5000、PEG 5500、PEG 6000、PEG 6500、PEG 7000、PEG 7500、PEG 8000、PEG 8500、PEG 9000、PEG 9500、PEG 10,000、PEG 11,000、PEG 12,000、PEG 13,000、PEG 14,000、PEG 15,000、PEG 16,000、PEG 17,000、PEG 18,000、PEG 19,000、またはPEG 20,000が挙げられるが、これらに限定されない。
別の実施態様において、溶媒は、薬学的に許容されるグリセリドを含み得る。グリセリドは置換グリセロールを含み、そこでは、グリセロールのヒドロキシル基のうちの1つ、2つ、または3つ全部が各々脂肪酸を用いてエステル化されて、それぞれモノグリセリド、ジグリセリド、およびトリグリセリドを生じている。これらの化合物においては、グリセロールの各々のヒドロキシル基が異なる脂肪酸によってエステル化されていてもよい。それに加えて、グリセリドはアセチル化されてアセチル化モノグリセリド、アセチル化ジグリセリド、およびアセチル化トリグリセリドを生じてもよい。
一実施態様において、溶媒は、薬学的に許容される固体溶媒を含み得る。固体溶媒は、本明細書で開示される薬学組成物の固形投与製剤を製造する上で有用となり得る。典型的には、固体溶媒は治療化合物を溶解するために融解される。薬学的に許容される固体溶媒としては、メントール、および約20,000 g/mol超のPEGポリマーが挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書のいくつかの側面は、部分的に、薬学的に許容されるアジュバントを開示する。アジュバントは、他の薬剤(例えば本明細書で開示される治療化合物)の作用を改変する薬剤である。それに加えて、本明細書で開示されるアジュバントは、本明細書で開示される治療化合物を溶解する溶媒として使用してアジュバント溶液を形成することもできる。本明細書で開示されるアジュバントは、脂質レベルをより効果的に正常化し、および/または炎症促進性反応をより効果的に阻害する態様で治療化合物を送達することを促進させる。一実施態様において、本明細書で開示されるアジュバントは、本明細書で開示される治療化合物のマクロファージへの送達を促進させる。
本明細書で開示される薬学組成物は、本明細書で開示される溶液または本明細書で開示される乳濁液と混合する上で十分な量の、薬学的に許容されるアジュバントを含み得る。この実施態様の別の側面において、本明細書で開示される薬学組成物は、例えば少なくとも10% (v/v)、少なくとも20% (v/v)、少なくとも30% (v/v)、少なくとも35% (v/v)、少なくとも40% (v/v)、少なくとも45% (v/v)、少なくとも50% (v/v)、少なくとも55% (v/v)、少なくとも60% (v/v)、少なくとも65% (v/v)、少なくとも70% (v/v)、少なくとも75% (v/v)、少なくとも80% (v/v)、少なくとも85% (v/v)、少なくとも90% (v/v)、少なくとも95% (v/v)、または少なくとも99% (v/v)の量のアジュバントを含み得る。この実施態様の別の側面において、本明細書で開示される薬学組成物は、例えば約30% (v/v)〜約99% (v/v)、約35% (v/v)〜約99% (v/v)、約40% (v/v)〜約99% (v/v)、約45% (v/v)〜約99% (v/v)、約50% (v/v)〜約99% (v/v)、約30% (v/v)〜約98% (v/v)、約35% (v/v)〜約98% (v/v)、約40% (v/v)〜約98% (v/v)、約45% (v/v)〜約98% (v/v)、約50% (v/v)〜約98% (v/v)、約30% (v/v)〜約95% (v/v)、約35% (v/v)〜約95% (v/v)、約40% (v/v)〜約95% (v/v)、約45% (v/v)〜約95% (v/v)、または約50% (v/v)〜約95% (v/v)の範囲内の量のアジュバントを含み得る。この実施態様のさらに別の側面において、本明細書で開示される薬学組成物は、例えば約70% (v/v)〜約97% (v/v)、約75% (v/v)〜約97% (v/v)、約80% (v/v)〜約97% (v/v)、約85% (v/v)〜約97% (v/v)、約88% (v/v)〜約97% (v/v)、約89% (v/v)〜約97% (v/v)、約90% (v/v)〜約97% (v/v)、約75% (v/v)〜約96% (v/v)、約80% (v/v)〜約96% (v/v)、約85% (v/v)〜約96% (v/v)、約88% (v/v)〜約96% (v/v)、約89% (v/v)〜約96% (v/v)、約90% (v/v)〜約96% (v/v)、約75% (v/v)〜約93% (v/v)、約80% (v/v)〜約93% (v/v)、約85% (v/v)〜約93% (v/v)、約88% (v/v)〜約93% (v/v)、約89% (v/v)〜約93% (v/v)、または約90% (v/v)〜約93% (v/v) の範囲内の量のアジュバントを含み得る。
一実施態様において、アジュバントは、薬学的に許容される脂質であってもよい。脂質は、疎水性または両親媒性の小分子として広く定義され得る。ある種の脂質の両親媒性の性質により、水性環境においてベシクル、リポソーム、または膜のような構造を形成することが可能となる。脂質の非限定的な例としては、脂肪酸、グリセロ脂質(例えばモノグリセリド、ジグリセリド、およびトリグリセリド)、リン脂質、スフィンゴ脂質、ステロール脂質、プレノール脂質、サッカロ脂質、およびポリケチドが挙げられる。本明細書で開示される薬学組成物は、例えば油、油ベースの液体、脂肪、脂肪酸、ワックス、脂肪酸エステル、脂肪酸塩、脂肪アルコール、グリセリド(モノ-、ジ-、またはトリ-グリセリド、リン脂質、グリコールエステル、スクロースエステル、オレイン酸グリセロール誘導体、中鎖トリグリセリド、またはこれらの混合物のような脂質を含み得る。
本明細書で開示される薬学組成物において有用な脂質は、薬学的に許容される脂肪酸であり得る。脂肪酸は、飽和または不飽和のいずれかであり得る長い非分枝状の炭化水素鎖を有するカルボン酸を含む。そのような配置は、極性である親水性末端、および水に不溶であって非極性である疎水性末端を有する脂肪酸を構成する。天然に起こる脂肪酸のほとんどは、炭素原子数が偶数(典型的には4〜24個の炭素)である炭化水素鎖を有し、酸素、ハロゲン、窒素、および硫黄を含む官能基に結合されていることもある。合成の、あるいは非天然の脂肪酸は、炭素原子数が3個から40個の間のあらゆる個数である炭化水素鎖を有し得る。二重結合が存在する場合は、シスまたはトランスの幾何異性体のいずれかである可能性があり、これはその分子の分子立体構造に著しい影響を与える。シス二重結合は脂肪酸の鎖を曲げさせ、この効果は鎖内にある二重結合が多ければ多いほどより顕著となる。天然に起こる脂肪酸のほとんどはシス立体構造であるが、天然の、および部分的に水素化された脂肪と油の中にはトランス形態のものも存在する。脂肪酸の例としては、カプリル酸 (8:0)、ペラルゴン酸 (9:0)、カプリン酸 (10:0)、ウンデシル酸 (11:0)、ラウリン酸 (12:0)、トリデシル酸 (13:0)、ミリスチン酸 (14:0)、ミリストレイン酸 (14:1)、ペンタデシル酸 (15:0)、パルミチン酸 (16:0)、パルミトレイン酸 (16:1)、サピエン酸 (16:1)、マルガリン酸 (17:0)、ステアリン酸 (18:0)、オレイン酸 (18:1)、エライジン酸 (18:1)、バクセン酸 (18:1)、リノール酸 (18:2)、リノエライジン酸 (18:2)、α-リノレン酸 (18:3)、γ-リノレン酸 (18:3)、ステアリドン酸 (18:4)、ノナデシル酸 (19:0)、アラキジン酸 (20:0)、エイコセン酸 (20:1)、ジホモ-γ-リノレン酸 (20:3)、ミード酸 (20:3)、アラキドン酸 (20:4)、エイコサペンタエン酸 (20:5)、ヘンイコシル酸 (21:0)、ベヘン酸 (22:0)、エルカ酸 (22:1)、ドコサヘキサエン酸 (22:6)、トリコシル酸 (23:0)、リグノセリン酸 (24:0)、ネルボン酸 (24:1)、ペンタコシル酸 (25:0)、セロチン酸 (26:0)、へプタコシル酸 (27:0)、モンタン酸 (28:0)、ノナコシル酸 (29:0)、メリシン酸 (30:0)、ヘントリアコンチル酸 (31:0)、ラクセロン酸 (32:0)、プシリン酸 (33:0)、ゲダ酸 (34:0)、セロプラスチン酸 (35:0)、およびヘキサトリアコンチル酸 (36:0)が挙げられるが、これらに限定されない。
一実施態様において、アジュバントは、薬学的に許容される飽和または不飽和脂肪酸であり得る。この実施態様のいくつかの側面において、飽和または不飽和脂肪酸は、例えば少なくとも8個、少なくとも10個、少なくとも12個、少なくとも14個、少なくとも16個、少なくとも18個、少なくとも20個、少なくとも22個、少なくとも24個、少なくとも26個、少なくとも28個、または少なくとも30個の炭素原子を含む。この実施態様の別の側面において、飽和または不飽和脂肪酸は、例えば4〜24個の炭素原子、6〜24個の炭素原子、8〜24個の炭素原子、10〜24個の炭素原子、12〜24個の炭素原子、14〜24個の炭素原子、または16〜24個の炭素原子、4〜22個の炭素原子、6〜22個の炭素原子、8〜22個の炭素原子、10〜22個の炭素原子、12〜22個の炭素原子、14〜22個の炭素原子、または16〜22個の炭素原子、4〜20個の炭素原子、6〜20個の炭素原子、8〜20個の炭素原子、10〜20個の炭素原子、12〜20個の炭素原子、14〜20個の炭素原子、または16〜20個の炭素原子を含む。不飽和の場合は、脂肪酸は例えば1つ以上、2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上、または6つ以上の二重結合を有し得る。
この実施態様のいくつかの側面において、薬学的に許容される飽和または不飽和脂肪酸は、室温において液状である。脂肪酸の融点は、炭化水素鎖の飽和/不飽和の程度により大部分決定される。この実施態様のいくつかの側面において、飽和または不飽和脂肪酸は、例えば20℃以下、15℃以下、10℃以下、5℃以下、0℃以下、-5℃以下、-10℃以下、-15℃以下、または-20℃以下の融点を有する。この実施態様の別の側面において、飽和または不飽和脂肪酸は、例えば約-20℃〜約20℃、約-20℃〜約18℃、約-20℃〜約16℃、約-20℃〜約12℃、約-20℃〜約8℃、約-20℃〜約4℃、約-20℃〜約0℃、約-15℃〜約20℃、約-15℃〜約18℃、約-15℃〜約16℃、約-15℃〜約12℃、約-15℃〜約8℃、約-15℃〜約4℃、約-15℃〜約0℃の範囲内の融点を有する。
別の実施態様において、アジュバントは、1種類の薬学的に許容される脂肪酸を含み得る。この実施態様のいくつかの側面において、アジュバントは、パルミチン酸のみ、ステアリン酸のみ、オレイン酸のみ、リノール酸のみ、またはリノレン酸のみを含み得る。
別の実施態様において、アジュバントは、複数の異なる薬学的に許容される脂肪酸を含み得る。この実施態様のいくつかの側面において、アジュバントは、例えば2つ以上の異なる脂肪酸、3つ以上の異なる脂肪酸、4つ以上の異なる脂肪酸、5つ以上の異なる脂肪酸、または6つ以上の異なる脂肪酸を含み得る。
この実施態様の別の側面において、アジュバントは、少なくともパルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、および/またはリノレン酸、ならびにこれらのいずれかの組合せを含む、2つ以上の異なる薬学的に許容される脂肪酸を含み得る。この実施態様の別の側面において、アジュバントは、例えば少なくとも2:1、少なくとも3:1、少なくとも4:1、少なくとも5:1、少なくとも6:1、少なくとも7:1、少なくとも8:1、少なくとも9:1、少なくとも10:1、少なくとも15:1、または少なくとも20:1の比率のパルミチン酸および/またはステアリン酸および/またはオレイン酸:リノレン酸および/またはリノール酸を含み得る。この実施態様のさらに別の側面において、アジュバントは、例えば約1:1〜約20:1、約2:1〜約15:1、約4:1〜約12:1、または約6:1〜約10:1の範囲内の比率のパルミチン酸および/またはステアリン酸および/またはオレイン酸:リノレン酸および/またはリノール酸を含み得る。
この実施態様の別の側面において、アジュバントは、少なくともパルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、および/またはリノレン酸、ならびにこれらのいずれかの組合せを含む、4つ以上の異なる薬学的に許容される脂肪酸を含み得る。この実施態様の別の側面において、アジュバントは、例えば10:10:1:1、9:9:1:1、8:8:1:1、7:7:1:1、6:6:1:1、5:5:1:1、4:4:1:1、3:3:1:1、2:2:1:1、または1:1:1:1の比率のパルミチン酸:ステアリン酸:リノレン酸:リノール酸を含み得る。この実施態様の別の側面において、アジュバントは、例えば約10:10:1:1〜約6:6:1:1、約8:8:1:1〜約4:4:1:1、または約5:5:1:1〜約1:1:1:1の範囲内の比率のパルミチン酸:ステアリン酸:リノレン酸:リノール酸を含み得る。
本明細書で開示される薬学組成物において有用な脂質は、薬学的に許容されるオメガ脂肪酸であり得る。オメガ脂肪酸の非限定的な例としては、オメガ-3、オメガ-6、およびオメガ-9が挙げられる。オメガ-3脂肪酸(n-3脂肪酸あるいはω-3脂肪酸としても知られる)は、必須不飽和脂肪酸のファミリーであって、共通してn-3位に、すなわち脂肪酸のメチル末端から数えて3番目の結合において、最後の炭素・炭素二重結合を有するものである。オメガ-3脂肪酸は「必須」脂肪酸であるが、これは、それらが正常な代謝にとって不可欠であり、かつ人体によって生成されることができないからである。オメガ-3脂肪酸としては、ヘキサデカトリエン酸 (16:3)、α-リノレン酸 (18:3)、ステアリドン酸 (18:4)、エイコサトリエン酸 (20:3)、エイコサテトラエン酸 (20:4)、エイコサペンタエン酸 (20:5)、ヘンエイコサペンタエン酸 (21:5)、ドコサペンタエン酸 (22:5)、クルパノドン酸 (22:5)、ドコサヘキサエン酸 (22:6)、テトラコサペンタエン酸 (24:5)、テトラコサヘキサエン酸(ニシン酸)(24:6)が挙げられるが、これらに限定されない。
オメガ-6脂肪酸(n-6脂肪酸あるいはω-6脂肪酸としても知られる)は、不飽和脂肪酸のファミリーであって、共通してn-6位に、すなわち脂肪酸のメチル末端から数えて6番目の結合において、最後の炭素・炭素二重結合を有するものである。オメガ-6脂肪酸としては、リノール酸 (18:2)、ガンマ-リノレン酸 (18:3)、カレンジン酸 (18:3)、エイコサジエン酸 (20:2)、ジホモ-ガンマ-リノレン酸 (20:3)、アラキドン酸 (20:4)、ドコサジエン酸 (22:2)、アドレン酸 (22:4)、ドコサペンタエン酸 (22:5)、テトラコサテトラエン酸 (24:4)、およびテトラコサペンタエン酸 (24:5)が挙げられるが、これらに限定されない。オメガ-9脂肪酸(n-9脂肪酸あるいはω-9脂肪酸としても知られる)は、不飽和脂肪酸のファミリーであって、共通してn-9位に、すなわち脂肪酸のメチル末端から数えて9番目の結合において、最後の炭素・炭素二重結合を有するものである。オメガ-9脂肪酸としては、オレイン酸 (18:1)、エライジン酸 (18:1)、エイコセン酸 (20:1)、ミード酸 (20:3)、エルカ酸 (22:1)、およびネルボン酸 (24:1)が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で開示される薬学組成物において有用な脂質は、薬学的に許容される油であり得る。油は、通常の室温、例えば約20℃において液状であるあらゆる脂肪酸を含む。これに対して、脂肪は、通常の室温、例えば約20℃において固形状であるあらゆる脂肪酸を含む。本明細書で開示される薬学組成物において有用な脂質として適切な油は、天然油または植物油であり得る。適切な天然油の例としては、鉱油、トリアセチン、オレイン酸エチル、水素化天然油、またはこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。適切な植物油の例としては、アーモンド油、アラキス油、アボカド油、カノーラ油、ヒマシ油、ヤシ油、トウモロコシ油、綿実油、ブドウ種子油、へーゼルナッツ油、麻油、亜麻仁油(亜麻種子油)、オリーブ油、パーム油、ピーナッツ油、ナタネ油、米糠油、ベニバナ油、ゴマ油、大豆油(soybean oil)、大豆油(soya oil)、ヒマワリ油、クルミ油、コムギ胚芽油、またはこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。これらの油はそれぞれ、当業者によく知られた多くの販売者により市販されている。
油は典型的には様々な脂肪酸の混合物である。例えば、セイヨウアブラナの種から得られるナタネ油は、オメガ-6脂肪酸とオメガ-3脂肪酸の両方を、約2:1の比率で含有する。別の例として、亜麻の種子から得られる亜麻仁油は、約7%のパルミチン酸、約3.4〜4.6%のステアリン酸、約18.5〜22.6%のオレイン酸、約14.2〜17%のリノール酸、および約51.9〜55.2%のα-リノレン酸を含有する。この実施態様のいくつかの側面において、薬学組成物は、少なくとも2つの異なる脂肪酸、少なくとも3つの異なる脂肪酸、少なくとも4つの異なる脂肪酸、少なくとも5つの異なる脂肪酸、または少なくとも6つの異なる脂肪酸を含有する油を含む。
本明細書で開示される薬学組成物において有用な脂質は、薬学的に許容されるグリセロ脂質であり得る。グリセロ脂質は、モノ-、ジ-、およびトリ-置換されたグリセロールから主に構成される。グリセロ脂質の1つのグループはグリセリドであり、これはグリセロールのヒドロキシル基のうちの1つ、2つ、または3つ全部が各々脂肪酸を用いてエステル化されて、それぞれモノグリセリド、ジグリセリド、およびトリグリセリドを生じたものである。これらの化合物においては、グリセロールの各ヒドロキシル基は異なる脂肪酸によりエステル化されていてもよい。それに加えて、グリセリドはアセチル化されてアセチル化モノグリセリド、アセチル化ジグリセリド、およびアセチル化トリグリセリドとなっていてもよい。グリセロ脂質の1つのグループは、グリセロールのヒドロキシル基のうちの1つ、2つ、または3つ全部がグリコシド結合を介して結合された糖残基を有するグリセリドである。
本明細書のいくつかの側面は、部分的に、薬学的に許容される安定化剤を開示する。安定化剤は、使用される特定の溶媒との望ましくない反応の結果として起こり得る、治療化合物のエステルの形成を減少させるかまたは排除する。安定化剤としては、水、脂肪酸成分と酢酸とを含む犠牲酸(sacrificial acid)、酢酸エチル、酢酸ナトリウム/酢酸(E262)、モノグリセリド、アセチル化モノグリセリド、ジグリセリド、アセチル化モノグリセリド、アセチル化ジグリセリド、脂肪酸、および脂肪酸塩が挙げられるが、これらに限定されない。
一実施態様において、薬学的に許容される安定化剤は、薬学的に許容される乳化剤を含み得る。乳化剤(エマルジェントとしても知られる)は、液体分散相と液体連続相とを含むエマルションを、その動力学的安定性を上昇させることにより安定化させる物質である。従って、本明細書で開示される薬学組成物を作るために使用される溶媒とアジュバントとが通常だと混ざらないという状況において、本明細書で開示される乳化剤を使用して均質かつ安定なエマルションが作られる。乳化剤としては、界面活性剤、多糖類、レクチン、およびリン脂質が挙げられるが、これらに限定されない。
この実施態様の一側面において、乳化剤は界面活性剤を含み得る。本明細書で使用される場合、「界面活性剤」という用語は、天然または合成の両親媒性化合物を表す。界面活性剤は、非イオン性、双性イオン性、またはイオン性であり得る。界面活性剤の非限定的な例としては、ポリソルベート20(TWEEN(登録商標) 20)、ポリソルベート40 (TWEEN(登録商標) 40)、ポリソルベート60 (TWEEN(登録商標) 60)、ポリソルベート61 (TWEEN(登録商標) 61)、ポリソルベート65 (TWEEN(登録商標) 65)、ポリソルベート80 (TWEEN(登録商標) 80)、およびポリソルベート81 (TWEEN(登録商標) 81)のようなポリソルベート;ポロクサマー124 (PLURONIC(登録商標) L44)、ポロクサマー181 (PLURONIC(登録商標) L61)、ポロクサマー182 (PLURONIC(登録商標) L62)、ポロクサマー184 (PLURONIC(登録商標) L64)、ポロクサマー188 (PLURONIC(登録商標) F68)、ポロクサマー237 (PLURONIC(登録商標) F87)、ポロクサマー338 (PLURONIC(登録商標) L108)、およびポロクサマー407 (PLURONIC(登録商標) F127)のようなポロクサマー(ポリエチレン・ポリプロピレン共重合体);BRIJ(登録商標) 30およびBRIJ(登録商標) 35のようなポリオキシエチレングリコールドデシルエーテル;2-ドデコキシエタノール (LUBROL(登録商標)-PX);ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル (TRITON(登録商標) X-100);ドデシル硫酸ナトリウム (SDS);3-[(3-コールアミドプロピル)ジメチルアンモニウム)-1-プロパンスルホン酸 (CHAPS);3-[(3-コールアミドプロピル)ジメチルアンモニウム)-2-ヒドロキシ-1-プロパンスルホン酸 (CHAPSO);スクロースモノラウリン酸;およびコール酸ナトリウムが含まれる。界面活性物質賦形剤のほかの非限定的な例は、例えばAnsel (1999)(上述);Gennaro (2000) (上述);Hardman (2001) (上述);およびRowe (2003)(上述)において見出すことができ、これらの文献の各々はその全体が参照により本明細書に組み入れられる。
この実施態様の一側面において、乳化剤は多糖類を含み得る。多糖類の非限定的な例としては、グアーガム、寒天、アルギン酸、カルゲン、デキストラン(例えばデキストラン1K、デキストラン4K、デキストラン40K、デキストラン60K、およびデキストラン70K)、デキストリン、グリコーゲン、イヌリン、デンプン、デンプン誘導体(例えばヒドロキシメチルデンプン、ヒドロキシエチルデンプン、ヒドロキシプロピルデンプン、ヒドロキシブチルデンプン、およびヒドロキシペンチルデンプン)、ヘタスターチ、セルロース、フィコール、メチルセルロース (MC)、カルボキシメチルセルロース (CMC)、ヒドロキシエチルセルロース (HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース (HPC)、ヒドロキシエチルメチルセルロース (HEMC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース (HPMC);ポリビニル酢酸 (PVA);18以下のK値、18超もしくは95以下のK値、または95超のK値を有するポリビニルピロリドン(PVP)(ポビドンとしても知られる)、例えばPVP 12 (KOLLIDON(登録商標) 12)、PVP 17 (KOLLIDON(登録商標) 17)、PVP 25 (KOLLIDON(登録商標) 25)、PVP 30 (KOLLIDON(登録商標) 30)、PVP 90 (KOLLIDON(登録商標) 90);およびポリエチレンイミン (PEI)が含まれる。
この実施態様の一側面において、乳化剤はレクチンを含み得る。レクチンは糖に結合するタンパク質であって、糖成分に対して高い特異性を有するものである。レクチンは、結合する糖成分によって分類することができ、マンノース結合レクチン、ガラクトース/N-アセチルガラクトサミン結合レクチン、N-アセチルグルコサミン結合レクチン、N-アセチルノイラミン結合レクチン、N-アセチルノイラミン酸結合レクチン、およびフコース結合レクチンが含まれるが、これらに限定されない。界面活性剤の非限定的な例には、コンカナバインA、レンチルレクチン、スノードロップレクチン、ロイン、ピーナッツ凝集素、ジャカイン、ヘアリーヴェッチレクチン、コムギ胚芽凝集素、ニワトコレクチン、Maackia anurensis白血球凝集素、Maackia anurensisヘモアグルチニン、Ulex europaeusアグルチニン、およびAleuria aurantiaレクチンが含まれる。
この実施態様の一側面において、乳化剤はリン脂質を含み得る。リン脂質の構造は一般的に疎水性の尾部と親水性の頭部を含み、その性質は両親媒性である。大部分のリン脂質は、ジグリセリドと、リン酸基と、コリンのような単純な有機分子とを含有する。その例外はスフィンゴミエリンであり、これはグリセロールではなくスフィンゴシンから誘導されるものである。リン脂質としてはジアシルグリセリドおよびリンスフィンゴ脂質が挙げられるが、これらに限定されない。ジアシルグリセリドの非限定的な例としては、ホスファチジン酸(ホスファチデート)(PA)、ホスファチジルエタノールアミン(セファリン)(PE)、ホスファチジルコリン(レシチン)(PC)、ホスファチジルセリン(PS)、ならびに、ホスファチジルイノシトール(PI)、ホスファチジルイノシトールリン酸(PIP)、ホスファチジルイノシトール二リン酸(PIP2)、およびホスファチジルイノシトール三リン酸(PIP3)を含むホスホイノシチドが含まれる。リンスフィンゴ脂質の非限定的な例としては、セラミドホスホリルコリン(スフィンゴミエリン)(SPH)、セラミドホスホリルエタノールアミン(スフィンゴミエリン)(Cer-PE)、およびセラミドホスホリルグリセロールが含まれる。
一実施態様においては、薬学的に許容される安定化剤は薬学的に許容される乳化剤を含有しない。
別の実施態様においては、薬学組成物は薬学的に許容される乳化剤を含有しない。
本明細書で開示される薬学組成物は、本明細書で開示される治療化合物が、脂質レベルをより効果的に正常化し、および/または炎症促進性応答をより効果的に阻害する態様で、細胞型、組織、器官、または身体領域により効果的に送達または標的指向化されることを可能とする送達システムとして作用する。この調節および/または阻害は心血管疾患の治療の改善をもたらす。例えば、本明細書で開示される薬学組成物は、本明細書で開示される治療化合物のマクロファージへの送達を促進させ得る。この選択的体内分布を達成する一つの可能な機序として、本明細書で開示される薬学組成物は、カイロミクロンの活性を利用できるように設計することができる。カイロミクロンは比較的大きなリポタンパク質粒子であり75 nm〜1,200 nmの直径を有する。カイロミクロンはトリグリセリド(85〜92%)、リン脂質(6〜12%)、コレステロール(1〜3%)、およびアポリポタンパク質(1〜2%)を含んでおり、食事由来の脂質を腸から身体の他の部位へと輸送する。
消化の間、脂肪酸とコレステロールは、胃腸管内で、リパーゼを含む膵液の作用および胆汁酸塩による乳化によってプロセシングを受けてミセルを産生する。これらのミセルは、脂質が、遊離脂肪酸として、小腸の吸収細胞(エンテロサイトとして知られる)により吸収されることを可能とする。いったんエンテロサイトに入ると、トリグリセリドとコレステロールは新生のカイロミクロンに組み込まれる。新生カイロミクロンは主にトリグリセリド(85%)から構成されており、コレステロールおよびコレステリルエステルをいくらか含む。主たるアポリポタンパク質成分はアポリポタンパク質B-48(APOB48)である。これらの新生カイロミクロンは、エンテロサイトから乳糜管(小腸の絨毛から始まるリンパ管)中にエキソサイトーシスによって放出され、その後、胸管の左鎖骨下静脈との連結部において血流中に分泌される。
リンパ液および血液中で循環する間、カイロミクロンは構成成分をHDLと交換する。HDLは新生カイロミクロンにアポリポタンパク質C-II(APOC2)およびアポリポタンパク質E(APOE)を付与することによって、それを成熟カイロミクロン(多くの場合単に「カイロミクロン」という)に変換する。APOC2はリポタンパク質リパーゼ(LPL)活性の補因子である。トリグリセリドの蓄えが分配されたら、カイロミクロンはHDLにAPOC2を返し(ただしAPOEは維持し)、それによりカイロミクロンレムナントとなる(この時点でわずか30〜50 nmとなっている)。APOB48とAPOEは、肝臓でカイロミクロンレムナントを認識してエンドサイトーシスしリポタンパク質(VLDL、LDL、およびHDL)に分解するために重要である。これらのリポタンパク質は能力を有する細胞(例えば肝細胞、脂肪細胞、およびマクロファージ)により処理され貯蔵される。従って、何らかの理論により限定されることは望まないが、本明細書で開示される薬学組成物は、経口投与された後、胃腸管にある間にミセルに処理されて、エンテロサイトにより吸収され、新生カイロミクロンに組み入れられ、肝臓によって取り込まれるカイロミクロンレムナントに結合されたままであり続け、最終的にはマクロファージに供給される。
本明細書のいくつかの側面は、部分的に、本明細書で開示される薬学組成物を調製する方法を開示する。本明細書で開示される方法は、本明細書で開示される薬学的に許容されるアジュバントと、本明細書で開示される治療化合物とを、その治療化合物がその薬学的に許容されるアジュバント中に溶解される条件下で接触させ、それによって本明細書で開示される薬学組成物を形成する工程を含む。
本明細書のいくつかの側面は、本明細書で開示される薬学組成物を調製する方法を開示する。本明細書で開示される方法は、a) 本明細書で開示される薬学的に許容される溶媒と、本明細書で開示される治療化合物とを、その治療化合物がその薬学的に許容される溶媒中に溶解される条件下で接触させ、それによって溶液を形成する工程;および、b) 工程(a)で形成された溶液と、本明細書で開示される薬学的に許容されるアジュバントとを、薬学組成物の形成を可能とする条件下で接触させる工程を含む。本明細書で開示される調製方法は、前記薬学組成物から前記薬学的に許容される溶媒を除去する工程(c)をさらに含み得る。
上記方法の工程(a)において薬学的に許容される溶媒と接触させられる治療化合物の量は任意の所望の量であり得る。使用される治療化合物の量を決定するために用いられる要素としては、薬学組成物において望まれる治療化合物の最終的な量、溶液中の治療化合物の望ましい濃度、治療化合物の疎水性、治療化合物の疎油性、接触工程(a)が実施される温度、接触工程(a)が実施される時間が挙げられるが、これらに限定されない。
上記方法の工程(a)において使用される薬学的に許容される溶媒の体積は、任意の所望の体積であり得る。使用される薬学的に許容される溶媒の体積を決定するために用いられる要素としては、望まれる薬学組成物の最終的な量、溶液中の治療化合物の望ましい濃度、治療化合物の疎水性、および治療化合物の疎油性が挙げられるが、これらに限定されない。
この実施態様のいくつかの側面では、工程(a)において溶媒と接触させられる治療化合物の量は、例えば少なくとも10 mg、少なくとも20 mg、少なくとも30 mg、少なくとも40 mg、少なくとも50 mg、少なくとも60 mg、少なくとも70 mg、少なくとも80 mg、少なくとも90 mg、少なくとも100 mg、少なくとも200 mg、少なくとも300 mg、少なくとも400 mg、少なくとも500 mg、少なくとも600 mg、少なくとも700 mg、少なくとも800 mg、少なくとも900 mg、少なくとも1,000 mg、少なくとも1,100 mg、少なくとも1,200 mg、少なくとも1,300 mg、少なくとも1,400 mg、または少なくとも1,500 mgであり得る。この実施態様の別の側面では、工程(a)において溶媒と接触させられる治療化合物の量は、例えば約10 mg〜約100 mg、約50 mg〜約150 mg、約100 mg〜約250 mg、約150 mg〜約350 mg、約250 mg〜約500 mg、約350 mg〜約600 mg、約500 mg〜約750 mg、約600 mg〜約900 mg、約750 mg〜約1,000 mg、約850 mg〜約1,200 mg、または約1,000 mg〜約1,500 mgの範囲内であり得る。この実施態様の別の側面では、工程(a)において溶媒に溶解される治療化合物の量は、例えば約10 mg〜約250 mg、約10 mg〜約500 mg、約10 mg〜約750 mg、約10 mg〜約1,000 mg、約10 mg〜約1,500 mg、約50 mg〜約250 mg、約50 mg〜約500 mg、約50 mg〜約750 mg、約50 mg〜約1,000 mg、約50 mg〜約1,500 mg、約100 mg〜約250 mg、約100 mg〜約500 mg、約100 mg〜約750 mg、約100 mg〜約1,000 mg、約100 mg〜約1,500 mg、約200 mg〜約500 mg、約200 mg〜約750 mg、約200 mg〜約1,000 mg、または約200 mg〜約1,500 mgの範囲内であり得る。
工程(a)は、治療化合物を薬学的に許容される溶媒に完全に溶解させるために、室温で実施することができる。しかしながら、この方法の別の実施態様では、工程(a)は、室温よりも高い温度、例えば21℃より高い、25℃より高い、30℃より高い、35℃より高い、または37℃より高い温度で実施され得る。一定の場合においては、工程(a)は、治療化合物を溶媒に完全に溶解させるために、室温よりも低い温度にて実施され得る。しかしながら、この方法の別の実施態様では、工程(a)は、室温よりも低い温度、例えば10℃未満、5℃超、0℃超、-10℃超、または-20℃超にて実施され得る。接触工程(a)は、例えば撹拌、反転、超音波処理、またはボルテックス処理により、治療化合物と薬学的に許容される溶媒とを混合することを含み得る。この混合は、治療化合物が溶媒中に完全に溶解するまで、例えば少なくとも1秒、少なくとも5秒、少なくとも10秒、少なくとも20秒、少なくとも30秒、少なくとも45秒、少なくとも60秒、またはそれより長く行われ得る。
接触後、溶液中における本明細書で開示される治療化合物の濃度は、任意の所望の濃度であり得る。この実施態様のいくつかの側面では、溶液中における本明細書で開示される治療化合物の濃度は、例えば少なくとも0.00001 mg/mL、少なくとも0.0001 mg/mL、少なくとも0.001 mg/mL、少なくとも0.01 mg/mL、少なくとも0.1 mg/mL、少なくとも1 mg/mL、少なくとも10 mg/mL、少なくとも25 mg/mL、少なくとも50 mg/mL、少なくとも100 mg/mL、少なくとも200 mg/mL、少なくとも500 mg/mL、少なくとも700 mg/mL、少なくとも1,000 mg/mL、または少なくとも1,200 mg/mLであり得る。この実施態様の別の側面では、溶液中における本明細書で開示される治療化合物の濃度は、例えば最大1,000 mg/mL、最大1,100 mg/mL、最大1,200 mg/mL、最大1,300 mg/mL、最大1,400 mg/mL、最大1,500 mg/mL、最大2,000 mg/mL、最大2,000 mg/mL、または最大3,000 mg/mLであり得る。この実施態様の別の側面では、溶液中における本明細書で開示される治療化合物の濃度は、例えば約0.00001 mg/mL〜約3,000 mg/mL、約0.0001 mg/mL〜約3,000 mg/mL、約0.01 mg/mL〜約3,000 mg/mL、約0.1 mg/mL〜約3,000 mg/mL、約1 mg/mL〜約3,000 mg/mL、約250 mg/mL〜約3,000 mg/mL、約500 mg/mL〜約3,000 mg/mL、約750 mg/mL〜約3,000 mg/mL、約1,000 mg/mL〜約3,000 mg/mL、約100 mg/mL〜約2,000 mg/mL、約250 mg/mL〜約2,000 mg/mL、約500 mg/mL〜約2,000 mg/mL、約750 mg/mL〜約2,000 mg/mL、約1,000 mg/mL〜約2,000 mg/mL、約100 mg/mL〜約1,500 mg/mL、約250 mg/mL〜約1,500 mg/mL、約500 mg/mL〜約1,500 mg/mL、約750 mg/mL〜約1,500 mg/mL、約1,000 mg/mL〜約1,500 mg/mL、約100 mg/mL〜約1,200 mg/mL、約250 mg/mL〜約1,200 mg/mL、約500 mg/mL〜約1,200 mg/mL、約750 mg/mL〜約1,200 mg/mL、約1,000 mg/mL〜約1,200 mg/mL、約100 mg/mL〜約1,000 mg/mL、約250 mg/mL〜約1,000 mg/mL、約500 mg/mL〜約1,000 mg/mL、約750 mg/mL〜約1,000 mg/mL、約100 mg/mL〜約750 mg/mL、約250 mg/mL〜約750 mg/mL、約500 mg/mL〜約750 mg/mL、約100 mg/mL〜約500 mg/mL、約250 mg/mL〜約500 mg/mL、約0.00001 mg/mL〜約0.0001 mg/mL、約0.00001 mg/mL〜約0.001 mg/mL、約0.00001 mg/mL〜約0.01 mg/mL、約0.00001 mg/mL〜約0.1 mg/mL、約0.00001 mg/mL〜約1 mg/mL、約0.001 mg/mL〜約0.01 mg/mL、 約0.001 mg/mL〜約0.1 mg/mL、約0.001 mg/mL〜約1 mg/mL、約0.001 mg/mL〜約10 mg/mL、または約0.001 mg/mL〜約100 mg/mLの範囲内であり得る。
上記方法の工程(b)において使用される薬学的に許容されるアジュバントの体積は、任意の所望の体積であり得る。使用される薬学的に許容されるアジュバントの体積を決定するために用いられる要素としては、薬学組成物の望まれる最終的な量、薬学組成物における治療化合物の望ましい濃度、使用される溶媒:アジュバントの比、ならびに溶媒およびアジュバントの混和性が挙げられるが、これらに限定されない。
この実施態様のいくつかの側面では、溶媒:アジュバントの比は、例えば少なくとも5:1、少なくとも4:1、少なくとも3:1、少なくとも2:1、少なくとも0:1、少なくとも1:1、少なくとも1:2、少なくとも1:3、少なくとも1:4、少なくとも1:5、少なくとも1:6、少なくとも1:7、少なくとも1:8、少なくとも1:9、少なくとも1:10、少なくとも1:15、少なくとも1:20、または少なくとも1:25であり得る。この実施態様の別の側面では、溶媒:アジュバントの比は、例えば約5:1〜約1:25、約4:1〜約1:25、約3:1〜約1:25、約2:1〜約1:25、約0:1〜約1:25、約1:1〜約1:25、約1:2〜約1:25、約1:3〜約1:25、約1:4〜約1:25、約1:5〜約1:25、約5:1〜約1:20、約4:1〜約1:20、約3:1〜約1:20、約2:1〜約1:20、約0:1〜約1:20、約1:1〜約1:20、約1:2〜約1:20、約1:3〜約1:20、約1:4〜約1:20、約1:5〜約1:20、約5:1〜約1:15、約4:1〜約1:15、約3:1〜約1:15、約0:1〜約1:15、約2:1〜約1:15、約1:1〜約1:15、約1:2〜約1:15、約1:3〜約1:15、約1:4〜約1:15、約1:5〜約1:15、約5:1〜約1:12、約4:1〜約1:12、約3:1〜約1:12、約2:1〜約1:12、約0:1〜約1:12、約1:1〜約1:12、約1:2〜約1:12、約1:3〜約1:12、約1:4〜約1:12、約1:5〜約1:12、約1:6〜約1:12、約1:7〜約1:12、約1:8〜約1:12、約5:1〜約1:10、約4:1〜約1:10、約3:1〜約1:10、約2:1〜約1:10、約0:1〜約1:10、約1:1〜約1:10、約1:2〜約1:10、約1:3〜約1:10、約1:4〜約1:10、約1:5〜約1:10、約1:6〜約1:10、約1:7〜約1:10、または約1:8〜約1:10の範囲内であり得る。
工程(b)は、治療化合物を含む溶液が薬学組成物を形成することを可能とするために、室温で実施することができる。しかしながら、この方法の別の実施態様では、工程(b)は、室温よりも高い温度、例えば21℃より高い、25℃より高い、30℃より高い、35℃より高い、または37℃より高い温度で実施され得る。一定の場合においては、工程(b)は、治療化合物を薬学的に許容される溶媒に完全に溶解させるために、室温よりも低い温度にて実施され得る。しかしながら、この方法の別の実施態様では、工程(b)は、室温よりも低い温度、例えば10℃未満、5℃超、0℃超、-10℃超、または-20℃超にて実施され得る。工程(b)における接触は、例えば撹拌、反転、超音波処理、またはボルテックス処理により、溶液と薬学的に許容されるアジュバントとを混合することを含み得る。この混合は、薬学組成物が形成されるまで、例えば少なくとも1秒、少なくとも5秒、少なくとも10秒、少なくとも20秒、少なくとも30秒、少なくとも45秒、少なくとも60秒、またはそれより長く行われ得る。
工程(c)において、薬学組成物からの溶媒の除去は、当該技術分野において知られる様々な手順のうちの1つを使用して達成することができ、これらの手順としては蒸発、透析、蒸留、凍結乾燥、および濾過が挙げられるがこれらに限定されない。これらの除去手順は、周囲気圧条件下、低圧下、または真空下で行われ得る。
一実施態様において、工程(c)は、本明細書で開示される薬学組成物からの薬学的に許容される溶媒の完全なる除去をもたらし得る。この実施態様のいくつかの側面では、工程(c)は、本明細書で開示される薬学組成物からの薬学的に許容される溶媒の、例えば少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも93%、少なくとも95%、少なくとも97%、または少なくとも99%の除去をもたらし得る。
工程(c)は、本明細書で開示される薬学的に許容される溶媒の蒸発を可能とする温度において行われ、従って、蒸発温度は溶媒に依存する。本明細書で開示される溶媒の蒸発温度に影響する要素としては、使用される特定の溶媒、存在する溶媒の量、存在する特定の治療化合物、存在する特定のアジュバント、存在する治療化合物の安定性、存在する治療化合物の反応性、使用される特定の気圧、完全な蒸発のために望まれる時間が挙げられるが、これらに限定されない。一般的に、蒸発工程が例えば1 atmのような周囲気圧において実施される場合には、薬学組成物は加熱を要する。しかしながら、高真空条件下では、蒸発工程は周囲温度よりも低い温度、例えば22℃より低い温度において行われ得る。
一実施態様では、本明細書で開示される薬学組成物からの溶媒の除去は、周囲気圧において、かつ、周囲温度より高い温度において実施され得る。この実施態様のいくつかの側面では、本明細書で開示される薬学組成物からの溶媒の除去は、周囲気圧において、かつ、例えば25℃より高い、30℃より高い、35℃より高い、40℃より高い、45℃より高い、50℃より高い、55℃より高い、60℃より高い、65℃より高い、70℃より高い、80℃より高い、または25℃より高い温度において実施され得る。この実施態様の別の側面では、本明細書で開示される薬学組成物からの溶媒の除去は、周囲気圧において、かつ、例えば約25℃〜約100℃、約25℃〜約95℃、約25℃〜約90℃、約25℃〜約85℃、約25℃〜約80℃、約25℃〜約75℃、約25℃〜約70℃、約25℃〜約65℃、または約25℃〜約60℃の範囲内の温度において実施され得る。
別の実施態様では、本明細書で開示される薬学組成物からの溶媒の除去は、真空下において、かつ、周囲温度より低い温度において実施され得る。この実施態様のいくつかの側面では、本明細書で開示される薬学組成物からの溶媒の除去は、真空下において、かつ、例えば20℃より低い、18℃より低い、16℃より低い、14℃より低い、12℃より低い、10℃より低い、8℃より低い、6℃より低い、4℃より低い、2℃より低い、または0℃より低い温度において実施され得る。この実施態様の別の側面では、本明細書で開示される薬学組成物からの溶媒の除去は、真空下において、かつ、例えば約-20℃〜約20℃、約-20℃〜約18℃、約-20℃〜約16℃、約-20℃〜約14℃、約-20℃〜約12℃、約-20℃〜約10℃、約-20℃〜約8℃、約-20℃〜約6℃、約-20℃〜約4℃、約-20℃〜約2℃、約-20℃〜約0℃、約-15℃〜約20℃、約-10℃〜約20℃、約-5℃〜約20℃、約0℃〜約20℃、約-10℃〜約20℃、約-10℃〜約18℃、約-10℃〜約16℃、約-10℃〜約14℃、約-10℃〜約12℃、約-10℃〜約10℃、約-10℃〜約8℃、約-10℃〜約6℃、約-10℃〜約4℃、約-10℃〜約2℃、または約-10℃〜約0℃の範囲内の温度において実施され得る。
本明細書で開示される薬学組成物における本明細書で開示される治療化合物の最終濃度は、任意の所望の濃度であり得る。この実施態様の一側面において、薬学組成物中の治療化合物の最終濃度は、治療的有効量であり得る。この実施態様の別の側面において、薬学組成物中の治療化合物の最終濃度は、例えば少なくとも0.00001 mg/mL、少なくとも0.0001 mg/mL、少なくとも0.001 mg/mL、少なくとも0.01 mg/mL、少なくとも0.1 mg/mL、少なくとも1 mg/mL、少なくとも10 mg/mL、少なくとも25 mg/mL、少なくとも50 mg/mL、少なくとも100 mg/mL、少なくとも200 mg/mL、少なくとも500 mg/mL、少なくとも700 mg/mL、少なくとも1,000 mg/mL、または少なくとも1,200 mg/mLであり得る。この実施態様の別の側面において、溶液中の本明細書で開示される治療化合物の濃度は、例えば最大1,000 mg/mL、最大1,100 mg/mL、最大1,200 mg/mL、最大1,300 mg/mL、最大1,400 mg/mL、最大1,500 mg/mL、最大2,000 mg/mL、最大2,000 mg/mL、または最大3,000 mg/mLであり得る。この実施態様の別の側面において、薬学組成物中の治療化合物の最終濃度は、例えば約0.00001 mg/mL〜約3,000 mg/mL、約0.0001 mg/mL〜約3,000 mg/mL、約0.01 mg/mL〜約3,000 mg/mL、約0.1 mg/mL〜約3,000 mg/mL、約1 mg/mL〜約3,000 mg/mL、約250 mg/mL〜約3,000 mg/mL、約500 mg/mL〜約3,000 mg/mL、約750 mg/mL〜約3,000 mg/mL、約1,000 mg/mL〜約3,000 mg/mL、約100 mg/mL〜約2,000 mg/mL、約250 mg/mL〜約2,000 mg/mL、約500 mg/mL〜約2,000 mg/mL、約750 mg/mL〜約2,000 mg/mL、約1,000 mg/mL〜約2,000 mg/mL、約100 mg/mL〜約1,500 mg/mL、約250 mg/mL〜約1,500 mg/mL、約500 mg/mL〜約1,500 mg/mL、約750 mg/mL〜約1,500 mg/mL、約1,000 mg/mL〜約1,500 mg/mL、約100 mg/mL〜約1,200 mg/mL、約250 mg/mL〜約1,200 mg/mL、約500 mg/mL〜約1,200 mg/mL、約750 mg/mL〜約1,200 mg/mL、約1,000 mg/mL〜約1,200 mg/mL、約100 mg/mL〜約1,000 mg/mL、約250 mg/mL〜約1,000 mg/mL、約500 mg/mL〜約1,000 mg/mL、約750 mg/mL〜約1,000 mg/mL、約100 mg/mL〜約750 mg/mL、約250 mg/mL〜約750 mg/mL、約500 mg/mL〜約750 mg/mL、約100 mg/mL〜約500 mg/mL、約250 mg/mL〜約500 mg/mL、約0.00001 mg/mL〜約0.0001 mg/mL、約0.00001 mg/mL〜約0.001 mg/mL、約0.00001 mg/mL〜約0.01 mg/mL、約0.00001 mg/mL〜約0.1 mg/mL、約0.00001 mg/mL〜約1 mg/mL、約0.001 mg/mL〜約0.01 mg/mL、 約0.001 mg/mL〜約0.1 mg/mL、約0.001 mg/mL〜約1 mg/mL、約0.001 mg/mL〜約10 mg/mL、または約0.001 mg/mL〜約100 mg/mLの範囲内であり得る。
本明細書で開示される方法を使用して製造される薬学組成物は、液状製剤または固形状もしくは半固形状製剤であり得る。液状製剤は、所望の温度範囲内で液状であり続ける油やその他の脂肪酸のような様々な脂質を使用して形成することができる。一実施態様では、本明細書で開示される薬学組成物は室温において液状である。この実施態様のいくつかの側面では、本明細書で開示される薬学組成物は、例えば約25℃以上、約23℃以上、約21℃以上、約19℃以上、約17℃以上、約15℃以上、約12℃以上、約10℃以上、約8℃以上、約6℃以上、約4℃以上、または約0℃以上の温度において液状であるように製剤され得る。この実施態様の別の側面では、本明細書で開示される薬学組成物は、例えばある温度において液状であるように製剤され得る。
本明細書で開示される固形状または半固形状製剤は、脂肪酸のような様々なアジュバントが異なる融点を有することを利用するものである。固形状または半固形状投与形態の形成は、本明細書で開示される薬学組成物を含む脂肪酸のそれぞれの濃度を調節することによるものであり得る。例えば、リノレン酸は約-11℃の融点(Tm)を有し、リノール酸は約-5℃のTmを有し、オレイン酸は約16℃のTmを有し、パルミチン酸は約61〜62℃のTmを有し、ステアリン酸は約67〜72℃のTmを有する。パルミチン酸、ステアリン酸、またはオレイン酸の割合を増加させると組成物全体としての融点が上昇し、一方で、逆にリノール酸およびリノレン酸の割合を増加させると、組成物の融点が低下する。このように、添加されるアジュバント成分の種類および量をコントロールすることにより、本明細書で開示される薬学組成物は、室温では実質的に固形状または半固形状であるが摂取され体温に達すると融けるように作ることができる。結果として生じる融解組成物は容易にミセルを形成し、それが腸により吸収され、カイロミクロンに組み入れられ、最終的にはマクロファージにより吸収される。固形状投与形態は、粉末、顆粒、錠剤、カプセル、または座薬であり得る。
一実施態様では、本明細書で開示される薬学組成物は、室温において固形状である。この実施態様のいくつかの側面では、本明細書で開示される薬学組成物は、例えば約35℃以下、約33℃以下、約31℃以下、約29℃以下、約27℃以下、約25℃以下、約23℃以下、約21℃以下、約19℃以下、約17℃以下、約15℃以下、約12℃以下、約10℃以下、約8℃以下、約6℃以下、約4℃以下、または約0℃以下の温度において固形状であるように製剤され得る。
この実施態様の別の側面では、開示される薬学組成物は、例えば5℃以上、10℃以上、15℃以上、22℃以上、23℃以上、24℃以上、25℃以上、26℃以上、27℃以上、28℃以上、29℃以上、30℃以上、31℃以上、32℃以上、33℃以上、34℃以上、または35℃以上の融点を有する。この実施態様の別の側面では、開示される薬学組成物は、例えば約5℃〜約24℃、約10℃〜約24℃、約22℃〜約24℃、約23℃〜約25℃、約24℃〜約26℃、約25℃〜約27℃、約26℃〜約28℃、約27℃〜約29℃、約28℃〜約30℃、約29℃〜約31℃、約30℃〜約32℃、約31℃〜約33℃、約32℃〜約34℃、または約33℃〜約35℃の範囲内の融点を有する。この実施態様の別の側面では、開示される薬学組成物は、例えば約22℃〜約26℃、約24℃〜約28℃、約26℃〜約30℃、約28℃〜約32℃、または約30℃〜約34℃の範囲内の融点を有する。
本明細書のいくつかの側面は、部分的に、心血管疾患を有する個体を治療する方法を開示する。一実施態様では、この方法は、必要とする個体に本明細書で開示される薬学組成物を投与する工程を含み、ここで、投与は心血管疾患に関連する症状を低減させ、それによってその個体を治療する。
本明細書のいくつかの側面は、部分的に、心血管疾患に罹患した個体を治療する方法を開示する。本明細書で使用される場合、「治療する」という用語は、個体において心血管疾患の臨床的症状を低減もしくは排除すること、または個体において心血管疾患の臨床的症状の開始を遅延もしくは防止することを表す。例えば「治療する」という用語は、心血管疾患により特徴付けられる状態の症状を例えば少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90% 少なくとも95%、または少なくとも100%低減させることを意味し得る。心血管疾患に関連する実際の症状はよく知られており、様々な要素を考慮に入れて当業者が決定することができ、それらの要素としては、その心血管疾患の部位、心血管疾患の原因、心血管疾患の重症度、および/または心血管疾患により影響を受けている組織もしくは器官が挙げられるが、これらに限定されない。当業者であれば、特定の種類の心血管疾患に関連する適切な症状または指標を理解し、個体が本明細書で開示される治療の対象となり得るか否かを決定する方法を理解するであろう。
心血管疾患は、心臓そのものおよび/または血管系(特に心臓とつながる静脈および動脈)に影響する多くの特定の疾患のいずれかである。心血管疾患の既知の原因および/または関連付けられている原因としては、最も小さいリポタンパク質であるLDLとHDLの非健康的な比率、高脂血症、血液グルコースレベルの上昇、高めの正常血圧および高血圧、Lp-PLA2、リポタンパク質(a)、ならびに高ホモシステイン血症が挙げられるが、これらに限定されない。心臓に影響する心血管障害の症状としては、胸部痛、胸部不快感、片腕もしくは両腕、片方もしくは両方の肩、首、顎、または背中の痛み、息切れ、眩暈、心拍の加速、悪心、異常心拍、疲労、および/または心筋梗塞が挙げられるが、これらに限定されない。脳に影響する心血管障害の症状としては、顔面、片方もしくは両方の腕、または片方もしくは両方の脚の突然の痺れまたは脱力、話すこともしくは話を理解することについての突然の混乱もしくは困難、片方もしくは両方の目で見ることについての突然の困難、突然のめまい、歩くことの困難、またはバランスもしくは協調の喪失、および/または突然の原因不明の重度頭痛が挙げられるが、これらに限定されない。片方もしくは両方の脚、骨盤、片方もしくは両方の腕、および/または肩に影響する心血管障害の症状としては、筋痛、筋痙攣、片方もしくは両方の足および/もしくはつま先、片方もしくは両方の手、および/もしくは指の冷え感、ならびに/または、片方もしくは両方の足および/もしくはつま先、片方もしくは両方の手、および/もしくは指の痺れもしくは脱力感が挙げられるが、これらに限定されない。
60種類を超える心血管疾患が存在し、これらには、高脂血症、冠動脈心疾患、アテローム性動脈硬化症、末梢血管疾患、心筋症、血管炎、炎症性心疾患、虚血性心疾患、うっ血性心不全、高血圧性心疾患、心臓弁膜症、高血圧症、心筋梗塞、糖尿病性心異常、動脈瘤、塞栓症、切開、偽動脈瘤、血管奇形、血管性母斑、血栓症、静脈瘤、および脳卒中が含まれるが、これらに限定されない。
一実施態様において、心血管疾患は高脂血症を含む。高脂血症(あるいは高リポタンパク血症)とは、血液中の脂質および/またはリポタンパク質の異常に上昇したレベルにより特徴付けられる状態を表す。高脂血症は、特定の遺伝的異常により引き起こされる場合は家族性(あるいは一次的)と、基礎となる別の障害によりもたらされる場合には獲得性(あるいは二次的)と、または、原因不明の場合は特発性と分類され得る。高脂血症はまた、どの種類の脂質および/またはリポタンパク質が増加しているかに基づいて分類することもできる。高脂血症の非限定的な例は、脂質異常症、高コレステロール血症、高グリセリド血症、高トリグリセリド血症、高リポタンパク血症、および高カイロミクロン血症、ならびに混合性高脂血症を含む。高リポタンパク血症としては、例えば、Ia型高リポタンパク血症、Ib型高リポタンパク血症、Ic型高リポタンパク血症、IIa型高リポタンパク血症、IIb型高リポタンパク血症、III型高リポタンパク血症、IV型高リポタンパク血症、およびV型高リポタンパク血症が挙げられる。
別の実施態様において、心血管疾患は冠動脈心疾患を含む。冠動脈心疾患とは、冠循環が心筋および周囲組織へ十分な血流を供給することができなくなることにより特徴付けられる状態を表す。典型的には、例えばアテローム硬化性冠動脈疾患、冠動脈攣縮、および/または冠動脈狭窄のように、冠動脈の狭小化または封鎖により引き起こされる。胸部痛および心筋梗塞は冠動脈心疾患の一般的に見られる症状および状態である。
別の実施態様において、心血管疾患は血管閉塞性疾患(VOD)を含む。VODとは、血管の閉塞により特徴付けられる状態を表す。VODとしては、アテローム性動脈硬化症、末梢血管疾患、および狭窄症が挙げられるが、これらに限定されない。
この実施態様の一側面において、VODはアテローム性動脈硬化症を含む。アテローム性動脈硬化症とは、動脈の内壁におけるコレステロールおよび脂肪の堆積物(プラークと呼ばれる)の蓄積により特徴付けられる状態を表す。これらのプラークは、動脈を物理的に詰まらせることにより、または異常な動脈のトーンもしくは機能を引き起こすことにより、心筋への血流を制限し得る。動脈硬化性プラークの破裂は虚血の最も一般的な原因である。
この実施態様の一側面において、VODは末梢血管疾患(PVD)を含む。末梢血管疾患(PVD)は、末梢動脈疾患(PAD)または末梢血管閉塞性疾患(PAOD)としても知られ、冠血管、大動脈弓脈管構造、または脳の内部以外の大動脈の閉塞により特徴付けられる状態を表す。PVDは、アテローム性動脈硬化、狭窄に至る炎症プロセス、塞栓症、または血栓形成によりもたらされ得る。それは急性または慢性の虚血を引き起こす。PVDはまた、例えばレイノー現象のような動脈の突発性の狭小化、または例えば血管攣縮のような動脈の拡大化によりもたらされる、細小血管障害として分類される一部の疾患も含む。PVDの症状としては、治癒が遅いもしくは治癒しない血流減少、傷、外傷、もしくは潰瘍による筋肉の痛み、脱力、痺れ、もしくは痙攣、肢の青みもしくは白み、肢の冷たさ、影響を受けている肢および指における毛および爪の成長の減少が挙げられるが、これらに限定されない。軽度PADの患者の約20%は無症状であり得る。
別の実施態様において、心血管疾患は心筋症を含む。心筋症とは、心筋機能の劣化により特徴付けられる状態を表す。その症状および徴候は、ほとんどあらゆる形態の心臓疾患のものと類似であり得、胸部痛およびEKG異常を含む。軽度の心筋症は多くの場合無症状である。より重度な場合は、心不全、不整脈、全身性塞栓症、および/または心臓性突然死を伴う。心筋症は、拡張、肥大、または制限が関わるものとして、機能上の分類をすることができる。
心筋症は、外因性または内因性のいずれかとして分類することもできる。外因性心筋症とは、一次的な病態が心筋自体の外部にある心筋症を表す。例えば、外因性心筋症は、代謝/貯蔵障害、内分泌障害、神経筋障害、栄養障害、炎症、毒性(薬物およびアルコールを含む)、虚血、および/または感染症(C型肝炎を含む)により引き起こされ得る。外因性心筋症の非限定的な例は、先端肥大症、アルコール性心筋症、アミロイド症、シャーガス病、化学療法、糖尿病性心筋症、血色素症、高血圧性心筋症、甲状腺機能亢進症、炎症性心筋症、虚血性心筋症、筋ジストロフィー、心臓弁心筋症、全身性代謝疾患に伴って二次的に生じる心筋症、全身性栄養疾患に伴って二次的に生じる心筋症、冠動脈疾患、および先天性心疾患を含む。
内因性心筋症とは、同定できる外因によるものではない、すなわち起源が未知である心臓の筋肉の弱化が見られる心筋症を表す。内因性心筋症は、その原因不明性のために、多様な疾患状態を包含しており、遺伝性、混合性、または獲得性として分類され得る。内因性心筋症の非限定的な例は、拡張型心筋症(DCM)、肥大型心筋症(HCMまたはHOCM)、不整脈原性右室心筋症(ARVC)、拘束型心筋症(RCM)、非圧縮心筋症、孤立性心室心筋非圧縮、ミトコンドリア筋症、たこつぼ型心筋症、およびレフラー心内膜炎を含む。
別の実施態様において、心血管疾患は血管炎を含む。血管炎は、白血球遊走およびその結果もたらされる損傷による、リンパ管および血管(静脈(静脈炎)、動脈(動脈炎)、および毛細血管など)を含む管壁の炎症を特徴とする多様な障害の群である。この炎症は、身体のどこにある、どのような大きさの血管であっても冒し得る。それは動脈および/または静脈を冒し得る。この炎症は限局的(血管の単一部位だけが影響を受けることを意味する)でもあり得るし、あるいは、特定の器官または組織に渡って炎症の領域が分散したり、さらには身体の複数の臓器系が影響を受けるなど、広範なものでもあり得る。血管炎としては、バージャー病(閉塞性血栓血管炎)、脳血管炎(中枢神経系血管炎)、チャーグ・ストラウス動脈炎、クリオグロブリン血症、本態性クリオグロブリン血管炎、巨細胞(側頭)動脈炎、ゴルファーの血管炎、ヘノッホ・シェーンライン紫斑病、過敏性血管炎(アレルギー性血管炎)、川崎病、顕微鏡的多発動脈炎/多発性血管炎、結節性多発動脈炎、リウマチ性多発筋痛症(PMR)、リウマチ性血管炎、高安動脈炎、血栓性静脈炎、ウェゲナー肉芽腫症、および、例えば全身性エリテマトーデス(SLE)、関節リウマチ(RA)、再発性多発性軟骨炎、ベーチェット病のような結合組織障害またはその他の結合組織障害に伴って二次的に生じる血管炎、ウイルス感染に伴って二次的に生じる血管炎が挙げられるが、これらに限定されない。
別の実施態様において、心血管疾患は炎症性心疾患を含む。炎症性心疾患とは、心筋および/またはそれを囲む組織の炎症により特徴付けられる状態を表す。炎症性心疾患の非限定的な例は、心内膜炎、炎症性心拡大、および心筋炎を含む。
別の実施態様において、心血管疾患は虚血性心疾患を含む。虚血性心疾患、あるいは心筋虚血は、通常は冠動脈の狭小化または封鎖による、心筋への血液供給の減少により特徴付けられる状態を表す。虚血性心疾患の症状としては、労作時、寒冷気候、または情動的状況における胸部痛、急性胸部痛、急性冠症候群、不安定狭心症、心筋梗塞、心不全、呼吸困難、または四肢の膨張が挙げられる。
別の実施態様において、心血管疾患はうっ血性心不全を含む。うっ血性心不全(congestive heart failure)、あるいはうっ血性心不全(congestive cardiac failure)とは、何らかの構造的または機能的心臓障害からもたらされるものではないが、心臓が身体全体に十分な量の血液を満たし送り出す能力が損なわれる心臓異常により特徴付けられる状態を表す。
別の実施態様において、心血管疾患は高血圧性心疾患を含む。高血圧性心疾患とは、高血圧、特に局所的高血圧により特徴付けられる状態を表す。高血圧性心疾患により引き起こされ得る状態としては、左室肥大、冠動脈心疾患、うっ血性心不全、高血圧性心筋症、および心不整脈が挙げられるが、これらに限定されない。
別の実施態様において、心血管疾患は心臓弁膜症を含む。心臓弁膜症とは、心臓の1つ以上の弁の機能障害により特徴付けられる状態を表す。心臓弁膜症により影響され得る主要な心臓弁としては、三尖弁、右大動脈弁、僧帽弁、および左大動脈弁が挙げられるが、これらに限定されない。
組成物または化合物は個体に投与される。個体は典型的にはヒトである。典型的には、従来型の心血管疾患治療の対象候補となるあらゆる個体が、本明細書で開示される心血管疾患治療の対象候補となる。術前評価は、典型的には、ルーチン的な病歴調査および身体検査に加え、当該処置に関連する全てのリスクおよび有益性を開示する徹底したインフォームドコンセントを含む。
本明細書で開示される薬学組成物は、治療的有効量の治療化合物を含み得る。本明細書で使用される場合、「有効量」という用語は、「治療的有効量」、「有効投与量」、または「治療的有効投与量」と同義であり、心血管疾患の治療との関係で使用される場合は、所望の治療効果を達成するのに必要な本明細書で開示される治療化合物の最小投与量を表し、心血管疾患に関連する症状を低減させる上で十分な投与量を含む。心血管疾患の治療における本明細書で開示される治療化合物の有効性は、1つ以上の臨床的症状、および/またはその状態と関連する生理的指標に基づいて、個体における改善を観察することにより決定される。心血管疾患における改善は、併用する療法の必要性が減少することによっても示され得る。
特定の心血管疾患について個体に投与されるべき本明細書で開示される治療化合物の適切な有効量は、当業者が様々な要素を考慮に入れて決定することができ、そのような要素としては、その心血管疾患の種類、心血管疾患の場所、心血管疾患の原因、心血管疾患の重症度、望まれる緩和の程度、望まれる緩和の持続時間、使用される特定の治療化合物、使用される治療化合物の排出速度、使用される治療化合物の薬動力学、組成物に含まれる他の化合物の性質、投与の特定のルート、例えば年齢、体重、全般的健康状態等その患者の特定の性質、経歴、およびリスク因子、またはこれらのあらゆる組合せが挙げられるが、これらに限定されない。これらに加えて、治療化合物の反復投与が使用される場合には、治療化合物の有効量はさらに様々な要素に依存することになり、そのような要素としては、投与の頻度、治療化合物の半減期、またはこれらのいずれかの組合せが挙げられるが、これに限定されない。本明細書で開示される治療化合物の有効量は、ヒトへの投与を行う前に、インビトロアッセイおよび動物モデルを用いたインビボ投与研究から推定することができることは当業者に知られている。
この実施態様のいくつかの側面において、本明細書で開示される治療化合物の治療的有効量は、心血管疾患に関連する症状を、例えば少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも100%低減させる。この実施態様の別の側面において、本明細書で開示される治療化合物の治療的有効量は、心血管疾患に関連する症状を、例えば最大10%、最大15%、最大20%、最大25%、最大30%、最大35%、最大40%、最大45%、最大50%、最大55%、最大60%、最大65%、最大70%、最大75%、最大80%、最大85%、最大90%、最大95%、または最大100%低減させる。この実施態様のさらに別の側面において、本明細書で開示される治療化合物の治療的有効量は、心血管疾患に関連する症状を、例えば約10%〜約100%、約10%〜約90%、約10%〜約80%、約10%〜約70%、約10%〜約60%、約10%〜約50%、約10%〜約40%、約20%〜約100%、約20%〜約90%、約20%〜約80%、約20%〜約20%、約20%〜約60%、約20%〜約50%、約20%〜約40%、約30%〜約100%、約30%〜約90%、約30%〜約80%、約30%〜約70%、約30%〜約60%、または約30%〜約50%低減させる。
この実施態様のさらに別の側面において、本明細書で開示される治療化合物の治療的有効量は、通常は約0.001 mg/kg/日〜約100 mg/kg/日の範囲内である。この実施態様のいくつかの側面において、本明細書で開示される治療化合物の有効量は、例えば少なくとも0.001 mg/kg/日、少なくとも0.01 mg/kg/日、少なくとも0.1 mg/kg/日、少なくとも1.0 mg/kg/日、少なくとも5.0 mg/kg/日、少なくとも10 mg/kg/日、少なくとも15 mg/kg/日、少なくとも20 mg/kg/日、少なくとも25 mg/kg/日、少なくとも30 mg/kg/日、少なくとも35 mg/kg/日、少なくとも40 mg/kg/日、少なくとも45 mg/kg/日、または少なくとも50 mg/kg/日であり得る。この実施態様の別の側面において、本明細書で開示される治療化合物の有効量は、例えば約0.001 mg/kg/日〜約10 mg/kg/日、約0.001 mg/kg/日〜約15 mg/kg/日、約0.001 mg/kg/日〜約20 mg/kg/日、約0.001 mg/kg/日〜約25 mg/kg/日、約0.001 mg/kg/日〜約30 mg/kg/日、約0.001 mg/kg/日〜約35 mg/kg/日、約0.001 mg/kg/日〜約40 mg/kg/日、約0.001 mg/kg/日〜約45 mg/kg/日、約0.001 mg/kg/日〜約50 mg/kg/日、約0.001 mg/kg/日〜約75 mg/kg/日、または約0.001 mg/kg/日〜約100 mg/kg/日の範囲内であり得る。この実施態様のさらに別の側面において、本明細書で開示される治療化合物の有効量は、例えば約0.01 mg/kg/日〜約10 mg/kg/日、約0.01 mg/kg/日〜約15 mg/kg/日、約0.01 mg/kg/日〜約20 mg/kg/日、約0.01 mg/kg/日〜約25 mg/kg/日、約0.01 mg/kg/日〜約30 mg/kg/日、約0.01 mg/kg/日〜約35 mg/kg/日、約0.01 mg/kg/日〜約40 mg/kg/日、約0.01 mg/kg/日〜約45 mg/kg/日、約0.01 mg/kg/日〜約50 mg/kg/日、約0.01 mg/kg/日〜約75 mg/kg/日、または約0.01 mg/kg/日〜約100 mg/kg/日の範囲内であり得る。この実施態様のさらに別の側面において、本明細書で開示される治療化合物の有効量は、例えば約0.1 mg/kg/日〜約10 mg/kg/日、約0.1 mg/kg/日〜約15 mg/kg/日、約0.1 mg/kg/日〜約20 mg/kg/日、約0.1 mg/kg/日〜約25 mg/kg/日、約0.1 mg/kg/日〜約30 mg/kg/日、約0.1 mg/kg/日〜約35 mg/kg/日、約0.1 mg/kg/日〜約40 mg/kg/日、約0.1 mg/kg/日〜約45 mg/kg/日、約0.1 mg/kg/日〜約50 mg/kg/日、約0.1 mg/kg/日〜約75 mg/kg/日、または約0.1 mg/kg/日〜約100 mg/kg/日の範囲内であり得る。
この実施態様の別の側面において、本明細書で開示される治療化合物の有効量は、例えば約1 mg/kg/日〜約10 mg/kg/日、約1 mg/kg/日〜約15 mg/kg/日、約1 mg/kg/日〜約20 mg/kg/日、約1 mg/kg/日〜約25 mg/kg/日、約1 mg/kg/日〜約30 mg/kg/日、約1 mg/kg/日〜約35 mg/kg/日、約1 mg/kg/日〜約40 mg/kg/日、約1 mg/kg/日〜約45 mg/kg/日、約1 mg/kg/日〜約50 mg/kg/日、約1 mg/kg/日〜約75 mg/kg/日、または約1 mg/kg/日〜約100 mg/kg/日の範囲内であり得る。この実施態様のさらに別の側面において、本明細書で開示される治療化合物の有効量は、例えば約5 mg/kg/日〜約10 mg/kg/日、約5 mg/kg/日〜約15 mg/kg/日、約5 mg/kg/日〜約20 mg/kg/日、約5 mg/kg/日〜約25 mg/kg/日、約5 mg/kg/日〜約30 mg/kg/日、約5 mg/kg/日〜約35 mg/kg/日、約5 mg/kg/日〜約40 mg/kg/日、約5 mg/kg/日〜約45 mg/kg/日、約5 mg/kg/日〜約50 mg/kg/日、約5 mg/kg/日〜約75 mg/kg/日、または約5 mg/kg/日〜約100 mg/kg/日の範囲内であり得る。
投与量は単一投与量または累積的(連続的投与)であり得、当業者が容易に決定することができる。例えば、心血管疾患の治療は、本明細書で開示される薬学組成物の有効投与量の1回の投与を含み得る。あるいは、心血管疾患の治療は、一定の時間範囲内にわたって行われる薬学組成物の有効投与量の複数回投与(例えば1日1回、1日2回、1日3回、2、3日に1回、または1週間に1回など)を含み得る。投与のタイミングは個体によって異なり得、個体の症状の重症度のような要素に依存する。例えば、本明細書で開示される薬学組成物の有効投与量の個体への1日1回の投与を無期限に続けることができ、あるいはその個体が治療を必要としなくなるまで続けることができる。当業者は、治療期間にわたってその個体の状態を監視することができること、および、投与される本明細書開示の薬学組成物の有効量をそれに応じて調節することができることを認識するであろう。
一実施態様では、本明細書で開示される治療化合物を含む薬学組成物は、個体に投与されると、本明細書で開示されるアジュバントを有しないこと以外はそれと同一である薬学組成物に含まれる治療化合物の体内分布とは異なる治療化合物体内分布をもたらす。
別の実施態様では、本明細書で開示される薬学組成物の治療化合物は、個体に投与されると、マクロファージに送達される。マクロファージは、炎症反応の制御に関与すると考えられている鍵となる細胞型の1つである。脂質レベルを正常化する活性および/または抗炎症性活性を有する治療化合物が高レベルでマクロファージ中に存在する状態がもたらされると、心血管疾患の臨床的に有効な治療がもたらされる。この実施態様の一側面では、本明細書で開示される薬学組成物の治療化合物の治療的有効量が、個体に投与される際に、マクロファージに優先的に送達される。この実施態様の別の側面では、本明細書で開示される薬学組成物の治療化合物は、個体に投与されると、マクロファージに実質的に送達される。この実施態様のさらに別の側面では、個体に投与される際にマクロファージに送達される、本明細書で開示される薬学組成物の治療化合物の量は、例えば少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも100%である。この実施態様のさらに別の側面では、個体に投与される際にマクロファージに送達される、本明細書で開示される薬学組成物の治療化合物の量は、投与される薬学組成物中に含まれる治療化合物の総量の例えば約5%〜約100%、約10%〜約100%、約15%〜約100%、約20%〜約100%、約25%〜約100%、約30%〜約100%、約35%〜約100%、約40%〜約100%、約45%〜約100%、約50%〜約100%、約5%〜約90%、約10%〜約90%、約15%〜約90%、約20%〜約90%、約25%〜約90%、約30%〜約90%、約35%〜約90%、約40%〜約90%、約45%〜約90%、約50%〜約90%、約5%〜約80%、約10%〜約80%、約15%〜約80%、約20%〜約80%、約25%〜約80%、約30%〜約80%、約35%〜約80%、約40%〜約80%、約45%〜約80%、約50%〜約80%、約5%〜約70%、約10%〜約70%、約15%〜約70%、約20%〜約70%、約25%〜約70%、約30%〜約70%、約35%〜約70%、約40%〜約70%、約45%〜約70%、または約50%〜約70%の範囲内である。
別の実施態様では、本明細書で開示される薬学組成物は、個体に投与されると、胃刺激を低減させる。この実施態様の一側面では、本明細書で開示される薬学組成物は胃刺激を実質的に低減させる。さらに別の実施態様では、本明細書で開示される薬学組成物は、個体に投与されると、上記薬学的に許容されるアジュバントを有しないこと以外はそれと同一である薬学組成物の場合と比較して、胃刺激を低減させる。この実施態様のいくつかの側面において、本明細書で開示される薬学組成物は、上記薬学的に許容されるアジュバントを有しないこと以外はそれと同一である薬学組成物の場合と比較して、胃刺激を実質的に低減させる。この実施態様の別の側面では、本明細書で開示される薬学組成物は、胃刺激を例えば少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも100%低減させる。この実施態様のさらに別の側面では、本明細書で開示される薬学組成物は、胃刺激を例えば約5%〜約100%、約10%〜約100%、約15%〜約100%、約20%〜約100%、約25%〜約100%、約30%〜約100%、約35%〜約100%、約40%〜約100%、約45%〜約100%、約50%〜約100%、約5%〜約90%、約10%〜約90%、約15%〜約90%、約20%〜約90%、約25%〜約90%、約30%〜約90%、約35%〜約90%、約40%〜約90%、約45%〜約90%、約50%〜約90%、約5%〜約80%、約10%〜約80%、約15%〜約80%、約20%〜約80%、約25%〜約80%、約30%〜約80%、約35%〜約80%、約40%〜約80%、約45%〜約80%、約50%〜約80%、約5%〜約70%、約10%〜約70%、約15%〜約70%、約20%〜約70%、約25%〜約70%、約30%〜約70%、約35%〜約70%、約40%〜約70%、約45%〜約70%、または約50%〜約70%の範囲内で低減させる。
別の実施態様において、本明細書で開示される薬学組成物は、個体に投与されると、腸刺激を低減させる。この実施態様の一側面では、本明細書で開示される薬学組成物は腸刺激を実質的に低減させる。さらに別の実施態様では、本明細書で開示される薬学組成物は、個体に投与されると、上記薬学的に許容されるアジュバントを有しないこと以外はそれと同一である薬学組成物の場合と比較して、腸刺激を低減させる。この実施態様の一側面では、本明細書で開示される薬学組成物は、上記薬学的に許容されるアジュバントを有しないこと以外はそれと同一である薬学組成物の場合と比較して、腸刺激を実質的に低減させる。この実施態様の別の側面では、本明細書で開示される薬学組成物は、上記薬学的に許容されるアジュバントを有しないこと以外はそれと同一である薬学組成物の場合と比較して、腸刺激を例えば少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、または少なくとも100%低減させる。この実施態様のさらに別の側面では、本明細書で開示される薬学組成物は、上記薬学的に許容されるアジュバントを有しないこと以外はそれと同一である薬学組成物の場合と比較して、腸刺激を例えば約5%〜約100%、約10%〜約100%、約15%〜約100%、約20%〜約100%、約25%〜約100%、約30%〜約100%、約35%〜約100%、約40%〜約100%、約45%〜約100%、約50%〜約100%、約5%〜約90%、約10%〜約90%、約15%〜約90%、約20%〜約90%、約25%〜約90%、約30%〜約90%、約35%〜約90%、約40%〜約90%、約45%〜約90%、約50%〜約90%、約5%〜約80%、約10%〜約80%、約15%〜約80%、約20%〜約80%、約25%〜約80%、約30%〜約80%、約35%〜約80%、約40%〜約80%、約45%〜約80%、約50%〜約80%、約5%〜約70%、約10%〜約70%、約15%〜約70%、約20%〜約70%、約25%〜約70%、約30%〜約70%、約35%〜約70%、約40%〜約70%、約45%〜約70%、or 約50%〜約70%低減させる。
本明細書で開示される薬学組成物は、他の治療化合物との組合せで個体に投与して、治療の全般的な治療効果を増加させることもできる。適応症を治療するために複数の化合物を使用することは、有益な効果を増加させるとともに副作用の存在を減少させ得る。
本発明のいくつかの側面は以下のようにも記述され得る。
1.a) 脂質レベルを正常化する活性を有する治療化合物;およびb) 薬学的に許容されるアジュバントを含む、薬学組成物。
2.薬学的に許容される溶媒をさらに含む、実施態様1に記載の薬学組成物。
3.a) 脂質レベルを正常化する活性を有する治療化合物;b) 薬学的に許容される溶媒;およびc) 薬学的に許容されるアジュバントを含む、薬学組成物。
4.a) 脂質レベルを正常化する活性を有する治療化合物;b) 薬学的に許容される溶媒;およびc) 薬学的に許容されるアジュバントを含み、前記薬学的に許容される溶媒と薬学的に許容されるアジュバントとの比が約0:1〜約1:25の範囲内である、薬学組成物。
5.前記薬学的に許容される溶媒と薬学的に許容されるアジュバントとの比が約0:1〜約1:25の範囲内である、実施態様2または3に記載の薬学組成物。
6.前記脂質レベルを正常化する活性が抗高脂血症活性を有する、実施態様1〜5のいずれかに記載の薬学組成物。
7.前記抗高脂血症活性が、VLDL、IDL、LDL、またはこれらの組合せのレベルを少なくとも10%減少させる、実施態様6に記載の薬学組成物。
8.前記抗高脂血症活性が、HDLのレベルを例えば少なくとも2%増加させる、実施態様7に記載の薬学組成物。
9.前記脂質レベルを正常化する活性が、炎症誘発性プロスタグランジンのレベルを減少させる、実施態様1〜8のいずれかに記載の薬学組成物。
10.前記炎症誘発性プロスタグランジンのレベルが少なくとも10%減少される、実施態様9に記載の薬学組成物。
11.前記脂質レベルを正常化する活性が、PPARシグナル伝達経路を刺激する、実施態様1〜10のいずれかに記載の薬学組成物。
12.前記PPARシグナル伝達経路が少なくとも10%刺激される、実施態様11に記載の薬学組成物。
13.前記脂質レベルを正常化する活性が、マクロファージM1細胞のアポトーシスを誘導し、マクロファージM2細胞の分化を促進させ、またはこれらの両方を行う、実施態様1〜12のいずれかに記載の薬学組成物。
14.前記脂質レベルを正常化する活性が、Th1細胞から放出されるインターフェロン・ガンマ(IFNγ)、腫瘍壊死因子アルファ(TNF-α)、インターロイキン12(IL-12)、もしくはこれらの組合せのレベルを減少させ、Th2細胞から放出されるIL-10のレベルを増加させ、またはこれらの両方を行う、実施態様1〜13のいずれかに記載の薬学組成物。
15.Th1細胞から放出されるIFNγ、TNF-α、IL-12、またはこれらの組合せのレベルが、少なくとも10%減少される、実施態様14に記載の薬学組成物。
16.Th2細胞から放出されるIL-10のレベルが、少なくとも10%増加される、実施態様14に記載の薬学組成物。
17.前記脂質レベルを正常化する活性が、炎症誘発性分子のレベルを減少させる、実施態様1〜16のいずれかに記載の薬学組成物。
18.前記炎症誘発性分子が、P物質(SP)、カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)、グルタミン酸、またはこれらの組合せを含む、実施態様17に記載の薬学組成物。
19.前記治療化合物が、有機溶媒中で可溶性であることを示すlogP値を有する、実施態様1〜18のいずれかに記載の薬学組成物。
20.前記治療化合物が、1.0より高いlogP値を有する、実施態様1〜19のいずれかに記載の薬学組成物。
21.前記治療化合物が、2.0より高いlogP値を有する、実施態様1〜19のいずれかに記載の薬学組成物。
22.前記治療化合物が、疎水性である極性表面積を有する、実施態様1〜21のいずれかに記載の薬学組成物。
23.前記治療化合物が、8.0 nm2未満の極性表面積を有する、実施態様1〜22のいずれかに記載の薬学組成物。
24.前記治療化合物が、6.0 nm2未満の極性表面積を有する、実施態様1〜22のいずれかに記載の薬学組成物。
25.前記治療化合物が、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)を含む、実施態様1〜24のいずれかに記載の薬学組成物。
26.前記NSAIDが、サリチル酸誘導体NSAID、p-アミノフェノール誘導体NSAID、プロピオン酸誘導体NSAID、酢酸誘導体NSAID、エノール酸誘導体NSAID、フェナム酸誘導体NSAID、非選択的シクロオキシゲナーゼ(COX)阻害剤、選択的シクロオキシゲナーゼ1(COX 1)阻害剤、選択的シクロオキシゲナーゼ2(COX 2)阻害剤、またはこれらの組合せを含む、実施態様25に記載の薬学組成物。
27.前記治療化合物が、PPARγアゴニストを含む、実施態様1〜26のいずれかに記載の薬学組成物。
28.前記PPARγアゴニストが、モナシン、イルベサルタン、テルミサルタン、ミコフェノール酸、レスベラトロール、デルタ(9)- テトラヒドロカンナビノール、カンナビジオール、クルクミン、シロスタゾール、ベンズブロマロン、6-ショウガオール、グリチルレチン酸、チアゾリジンジオン、NSAID、フィブラート、またはこれらの組合せを含む、実施態様27に記載の薬学組成物。
29.前記治療化合物が、核受容体結合剤を含む、実施態様1〜28のいずれかに記載の薬学組成物。
30.前記核受容体結合剤が、レチノイン酸受容体(RAR)結合剤、レチノイドX受容体(RXR)結合剤、肝臓X受容体(LXR)結合剤、ビタミンD結合剤、またはこれらの組合せを含む、実施態様29に記載の薬学組成物。
31.前記治療化合物が、抗高脂血症剤を含む、実施態様1〜30のいずれかに記載の薬学組成物。
32.前記抗高脂血症剤が、フィブラート、スタチン、トコトリエノール、ナイアシン、胆汁酸捕捉剤(レジン)、コレステロール吸収阻害剤、膵リパーゼ阻害剤、交感神経刺激アミン、またはこれらの組合せを含む、実施態様31に記載の薬学組成物。
33.前記フィブラートが、ベザフィブラート、シプロフィブラート、クロフィブラート、ゲムフィブロジル、フェノフィブラート、またはこれらの組合せを含む、実施態様31に記載の薬学組成物。
34.前記スタチンが、アトルバスタチン、フルバスタチン、ロバスタチン、ピタバスタチン、プラバスタチン、ロスバスタチン、シンバスタチン、またはこれらの組合せを含む、実施態様31に記載の薬学組成物。
35.前記ナイアシンが、アシピモックス、ナイアシン、ニコチンアミド、ビタミンB3、またはこれらの組合せを含む、実施態様31に記載の薬学組成物。
36.前記胆汁酸捕捉剤が、コレスチラミン、コレセベラム、コレスチポール、またはこれらの組合せを含む、実施態様31に記載の薬学組成物。
37.前記コレステロール吸収阻害剤が、エゼチミブ、フィトステロール、ステロール、スタノール、またはこれらの組合せを含む、実施態様31に記載の薬学組成物。
38.前記脂肪吸収阻害剤がオルリスタットを含む、実施態様31に記載の薬学組成物。
39.前記交感神経刺激アミンが、クレンブテロール、サルブタモール、エフェドリン、プソイドエフェドリン、メタンフェタミン、アンフェタミン、フェニレフリン、イソプロテレノール、ドブタミン、メチルフェニデート、リスデキサンフェタミン、カシン、カチノン、メトカチノン、コカイン、ベンジルピペラジン(BZP)、メチレンジオキシピロバレロン(MDPV)、4-メチルアミノレックス、ペモリン、フェンメトラジン、プロピルヘキセドリン、またはこれらの組合せを含む、実施態様31に記載の薬学組成物。
40.前記治療化合物が治療化合物のエステルを含む、実施態様1〜39のいずれかに記載の薬学組成物。
41.前記治療化合物が、実施態様25〜39のいずれかに記載の治療化合物のエステルを含む、実施態様1〜40のいずれかに記載の薬学組成物。
42.前記薬学的に許容される溶媒は、約20% (v/v)未満である、実施態様1〜41のいずれかに記載の薬学組成物。
43.前記薬学的に許容される溶媒が、薬学的に許容される極性非プロトン性溶媒、薬学的に許容される極性プロトン性溶媒、薬学的に許容される非極性溶媒、またはこれらの組合せを含む、実施態様1〜42のいずれかに記載の薬学組成物。
44.前記薬学的に許容される溶媒が、薬学的に許容されるアルコールを含む、実施態様1〜43のいずれかに記載の薬学組成物。
45.前記薬学的に許容されるアルコールが、非環式アルコール、一価アルコール、多価アルコール、不飽和脂肪族アルコール、脂環式アルコール、またはこれらの組合せを含む、実施態様44に記載の薬学組成物。
46.前記薬学的に許容されるアルコールが、C1-20アルコールを含む、実施態様44に記載の薬学組成物。
47.前記薬学的に許容されるアルコールが、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、1-ヘキサデカノール、またはこれらの組合せを含む、実施態様44に記載の薬学組成物。
48.前記薬学的に許容される溶媒が、薬学的に許容されるアルコールと酸との薬学的に許容されるエステルを含む、実施態様1〜47のいずれかに記載の薬学組成物。
49.前記薬学的に許容されるエステルが、酢酸メチル、酪酸メチル、ギ酸メチル、酢酸エチル、酪酸エチル、ギ酸エチル、酢酸プロピル、酪酸プロピル、ギ酸プロピル、酢酸ブチル、酪酸ブチル、ギ酸ブチル、酢酸イソブチル、酪酸イソブチル、ギ酸イソブチル、酢酸ペンチル、酪酸ペンチル、ギ酸ペンチル、1-ヘキサデシルアセテート、1-ヘキサデシルブチレート、1-ヘキサデシルホルマート、またはこれらの組合せを含む、実施態様48に記載の薬学組成物。
50.前記薬学的に許容される溶媒が、薬学的に許容されるポリエチレングリコール(PEG)ポリマーを含む、実施態様1〜49のいずれかに記載の薬学組成物。
51.前記薬学的に許容されるポリエチレングリコール(PEG)ポリマーが、約2,000 g/mol未満である、実施態様50に記載の薬学組成物。
52.前記薬学的に許容されるポリエチレングリコール(PEG)ポリマーが、約2,000 g/mol超である、実施態様50に記載の薬学組成物。
53.前記薬学的に許容される溶媒が、薬学的に許容されるグリセリドを含む、実施態様1〜52のいずれかに記載の薬学組成物。
54.前記薬学的に許容されるグリセリドが、モノグリセリド、ジグリセリド、トリグリセリド、アセチル化モノグリセリド、アセチル化ジグリセリド、アセチル化トリグリセリド、またはこれらの組合せを含む、実施態様53に記載の薬学組成物。
55.前記薬学的に許容される溶媒は、20℃において液体状である、実施態様1〜54のいずれかに記載の薬学組成物。
56.前記薬学的に許容される溶媒は、20℃において固形状である、実施態様1〜54のいずれかに記載の薬学組成物。
57.前記薬学的に許容される固形状の溶媒はメントールを含む、実施態様56に記載の薬学組成物。
58.前記アジュバントは少なくとも80% (v/v)である、実施態様1〜57のいずれかに記載の薬学組成物。
59.前記薬学的に許容されるアジュバントは20℃において液体状である、実施態様1〜58のいずれかに記載の薬学組成物。
60.前記薬学的に許容されるアジュバントは20℃において固形状である、実施態様1〜58のいずれかに記載の薬学組成物。
61.前記薬学的に許容されるアジュバントは、薬学的に許容される脂質を含む、実施態様1〜60のいずれかに記載の薬学組成物。
62.前記薬学的に許容される脂質は、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、またはこれらの組合せを含む、実施態様61に記載の薬学組成物。
63.前記薬学的に許容される脂質は、2つ以上の飽和または不飽和脂肪酸を含む、実施態様61または62に記載の薬学組成物。
64.前記2つ以上の飽和または不飽和脂肪酸が、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、またはこれらの組合せを含む、実施態様63に記載の薬学組成物。
65.前記不飽和脂肪酸が、20℃以下の融点を有する、実施態様62〜64のいずれかに記載の薬学組成物。
66.前記不飽和脂肪酸は20℃において固形状である、実施態様62〜64のいずれかに記載の薬学組成物。
67.前記不飽和脂肪酸はオメガ脂肪酸を含む、実施態様62〜64のいずれかに記載の薬学組成物。
68.前記薬学的に許容される脂質は、薬学的に許容される油を含む、実施態様61に記載の薬学組成物。
69.前記薬学的に許容される油は、アーモンド油、アラキス油、アボカド油、カノーラ油、ヒマシ油、ヤシ油、トウモロコシ油、綿実油、ブドウ種子油、へーゼルナッツ油、麻油、亜麻仁油、オリーブ油、パーム油、ピーナッツ油、ナタネ油、米糠油、ベニバナ油、ゴマ油、大豆油(soybean oil)、大豆油(soya oil)、ヒマワリ油、クルミ油、コムギ胚芽油、またはこれらの組合せを含む、実施態様68に記載の薬学組成物。
70.薬学的に許容される安定化剤をさらに含む、実施態様1〜69のいずれかに記載の薬学組成物。
71.前記薬学的に許容される安定化剤は、水、脂肪酸成分と酢酸とを含む犠牲酸、酢酸エチル、酢酸ナトリウム/酢酸、モノグリセリド、アセチル化モノグリセリド、ジグリセリド、アセチル化モノグリセリド、アセチル化ジグリセリド、脂肪酸、脂肪酸塩、またはこれらの組合せを含む、実施態様70に記載の薬学組成物。
72.前記薬学的に許容される安定化剤は、薬学的に許容される乳化剤を含む、実施態様70に記載の薬学組成物。
73.前記薬学的に許容される乳化剤は、界面活性剤、多糖類、レクチン、リン脂質、またはこれらの組合せを含む、実施態様72に記載の薬学組成物。
74.薬学的に許容される乳化剤を含まない、実施態様1〜71のいずれかに記載の薬学組成物。
75.薬学組成物の形成を可能とする条件下で、治療化合物を薬学的に許容されるアジュバントに接触させる工程を含む、薬学組成物を調製する方法。
76.a) 治療化合物が薬学的に許容される溶媒に溶解することを可能とする条件下で、前記薬学的に許容される溶媒を前記治療化合物に接触させることによって溶液を形成する工程であって、前記治療化合物は抗炎症活性を有する工程、および、b) 工程(a)で形成された溶液を、薬学組成物の形成を可能とする条件下で、薬学的に許容されるアジュバントに接触させる工程を含む、薬学組成物を調製する方法。
77.a) 治療化合物が薬学的に許容される溶媒に溶解することを可能とする条件下で、前記薬学的に許容される溶媒を前記治療化合物に接触させることによって溶液を形成する工程であって、前記治療化合物は抗炎症活性を有する工程、および、b) 工程(a)で形成された溶液を、薬学組成物の形成を可能とする条件下で、薬学的に許容されるアジュバントに接触させる工程を含み、前記薬学的に許容される溶媒と薬学的に許容されるアジュバントとの比が約0:1〜約1:25の範囲内である、薬学組成物を調製する方法。
78. 前記治療化合物が、有機溶媒中で可溶性であることを示すlogP値を有する、実施態様75〜77のいずれかに記載の方法。
79.前記治療化合物が、1.0より高いlogP値を有する、実施態様75〜78のいずれかに記載の方法。
80.前記治療化合物が、2.0より高いlogP値を有する、実施態様75〜78のいずれかに記載の方法。
81.前記治療化合物が、疎水性である極性表面積を有する、実施態様75〜80のいずれかに記載の方法。
82.前記治療化合物が、8.0 nm2未満の極性表面積を有する、実施態様75〜81のいずれかに記載の方法。
83.前記治療化合物が、6.0 nm2未満の極性表面積を有する、実施態様75〜81のいずれかに記載の方法。
84.前記治療化合物が、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)を含む、実施態様75〜83のいずれかに記載の方法。
85.前記NSAIDが、サリチル酸誘導体NSAID、p-アミノフェノール誘導体NSAID、プロピオン酸誘導体NSAID、酢酸誘導体NSAID、エノール酸誘導体NSAID、フェナム酸誘導体NSAID、非選択的シクロオキシゲナーゼ(COX)阻害剤、選択的シクロオキシゲナーゼ1(COX 1)阻害剤、選択的シクロオキシゲナーゼ2(COX 2)阻害剤、またはこれらの組合せを含む、実施態様84に記載の方法。
86.前記治療化合物が、PPARγアゴニストを含む、実施態様75〜85のいずれかに記載の方法。
87.前記PPARγアゴニストが、モナシン、イルベサルタン、テルミサルタン、ミコフェノール酸、レスベラトロール、デルタ(9)- テトラヒドロカンナビノール、カンナビジオール、クルクミン、シロスタゾール、ベンズブロマロン、6-ショウガオール、グリチルレチン酸、チアゾリジンジオン、NSAID、フィブラート、またはこれらの組合せを含む、実施態様86に記載の方法。
88.前記治療化合物が、核受容体結合剤を含む、実施態様75〜87のいずれかに記載の方法。
89.前記核受容体結合剤が、レチノイン酸受容体(RAR)結合剤、レチノイドX受容体(RXR)結合剤、肝臓X受容体(LXR)結合剤、ビタミンD結合剤、またはこれらの組合せを含む、実施態様88に記載の方法。
90.前記治療化合物が、抗高脂血症剤を含む、実施態様75〜89のいずれかに記載の方法。
91.前記抗高脂血症剤が、フィブラート、スタチン、トコトリエノール、ナイアシン、胆汁酸捕捉剤(レジン)、コレステロール吸収阻害剤、膵リパーゼ阻害剤、交感神経刺激アミン、またはこれらの組合せを含む、実施態様90に記載の方法。
92.前記フィブラートが、ベザフィブラート、シプロフィブラート、クロフィブラート、ゲムフィブロジル、フェノフィブラート、またはこれらの組合せを含む、実施態様91に記載の方法。
93.前記スタチンが、アトルバスタチン、フルバスタチン、ロバスタチン、ピタバスタチン、プラバスタチン、ロスバスタチン、シンバスタチン、またはこれらの組合せを含む、実施態様91に記載の方法。
94.前記ナイアシンが、アシピモックス、ナイアシン、ニコチンアミド、ビタミンB3、またはこれらの組合せを含む、実施態様91に記載の方法。
95.前記胆汁酸捕捉剤が、コレスチラミン、コレセベラム、コレスチポール、またはこれらの組合せを含む、実施態様91に記載の方法。
96.前記コレステロール吸収阻害剤が、エゼチミブ、フィトステロール、ステロール、スタノール、またはこれらの組合せを含む、実施態様91に記載の方法。
97.前記脂肪吸収阻害剤がオルリスタットを含む、実施態様91に記載の方法。
98.前記交感神経刺激アミンが、クレンブテロール、サルブタモール、エフェドリン、プソイドエフェドリン、メタンフェタミン、アンフェタミン、フェニレフリン、イソプロテレノール、ドブタミン、メチルフェニデート、リスデキサンフェタミン、カシン、カチノン、メトカチノン、コカイン、ベンジルピペラジン(BZP)、メチレンジオキシピロバレロン(MDPV)、4-メチルアミノレックス、ペモリン、フェンメトラジン、プロピルヘキセドリン、またはこれらの組合せを含む、実施態様91に記載の方法。
99.前記治療化合物が治療化合物のエステルを含む、実施態様75〜98のいずれかに記載の方法。
100.前記治療化合物が、実施態様78〜99のいずれかに記載の治療化合物のエステルを含む、実施態様75〜99のいずれかに記載の方法。
101.前記薬学的に許容される溶媒は、約20% (v/v)未満である、実施態様76〜100のいずれかに記載の方法。
102.前記薬学的に許容される溶媒が、薬学的に許容される極性非プロトン性溶媒、薬学的に許容される極性プロトン性溶媒、薬学的に許容される非極性溶媒、またはこれらの組合せを含む、実施態様76〜101のいずれかに記載の方法。
103.前記薬学的に許容される溶媒が、薬学的に許容されるアルコールを含む、実施態様76〜102のいずれかに記載の方法。
104.前記薬学的に許容されるアルコールが、非環式アルコール、一価アルコール、多価アルコール、不飽和脂肪族アルコール、脂環式アルコール、またはこれらの組合せを含む、実施態様103に記載の方法。
105.前記薬学的に許容されるアルコールが、C1-20アルコールを含む、実施態様103に記載の方法。
106.前記薬学的に許容されるアルコールが、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、1-ヘキサデカノール、またはこれらの組合せを含む、実施態様103に記載の方法。
107.前記薬学的に許容される溶媒が、薬学的に許容されるアルコールと酸との薬学的に許容されるエステルを含む、実施態様103に記載の方法。
108.前記薬学的に許容されるエステルが、酢酸メチル、酪酸メチル、ギ酸メチル、酢酸エチル、酪酸エチル、ギ酸エチル、酢酸プロピル、酪酸プロピル、ギ酸プロピル、酢酸ブチル、酪酸ブチル、ギ酸ブチル、酢酸イソブチル、酪酸イソブチル、ギ酸イソブチル、酢酸ペンチル、酪酸ペンチル、ギ酸ペンチル、1-ヘキサデシルアセテート、1-ヘキサデシルブチレート、1-ヘキサデシルホルマート、またはこれらの組合せを含む、実施態様107に記載の方法。
109.前記薬学的に許容される溶媒が、薬学的に許容されるポリエチレングリコール(PEG)ポリマーである、実施態様76〜108のいずれかに記載の方法。
110.前記薬学的に許容されるポリエチレングリコール(PEG)ポリマーが、約2,000 g/mol未満である、実施態様109に記載の方法。
111.前記薬学的に許容されるポリエチレングリコール(PEG)ポリマーが、約2,000 g/mol超である、実施態様109に記載の方法。
112.前記薬学的に許容される溶媒が、薬学的に許容されるグリセリドを含む、実施態様76〜111のいずれかに記載の方法。
113.前記薬学的に許容されるグリセリドが、モノグリセリド、ジグリセリド、トリグリセリド、アセチル化モノグリセリド、アセチル化ジグリセリド、アセチル化トリグリセリド、またはこれらの組合せである、実施態様112に記載の方法。
114.前記薬学的に許容される溶媒は、20℃において液体状である、実施態様76〜113のいずれかに記載の方法。
115.前記薬学的に許容される溶媒は、20℃において固形状である、実施態様76〜113のいずれかに記載の方法。
116.前記薬学的に許容される固形状の溶媒はメントールである、実施態様113に記載の方法。
117.前記薬学的に許容されるアジュバントは少なくとも80% (v/v)である、実施態様75〜116のいずれかに記載の方法。
118.前記薬学的に許容されるアジュバントは20℃において液体状である、実施態様75〜117のいずれかに記載の方法。
119.前記薬学的に許容されるアジュバントは20℃において固形状である、実施態様75〜117のいずれかに記載の方法。
120.前記薬学的に許容されるアジュバントは、実施態様75〜119のいずれかに記載の方法。
121.前記薬学的に許容される脂質は、薬学的に許容される飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、またはこれらの組合せを含む、実施態様120に記載の方法。
122.前記薬学的に許容される脂質は、2つ以上の薬学的に許容される飽和または不飽和脂肪酸を含む、実施態様120または121に記載の方法。
123.前記2つ以上の薬学的に許容される飽和または不飽和脂肪酸が、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、またはこれらの組合せを含む、実施態様122に記載の方法。
124.前記薬学的に許容される不飽和脂肪酸が、20℃以下の融点を有する、実施態様121〜123のいずれかに記載の方法。
125.前記薬学的に許容される不飽和脂肪酸は20℃において固形状である、実施態様121〜123のいずれかに記載の方法。
126.前記薬学的に許容される不飽和脂肪酸はオメガ脂肪酸を含む、実施態様121〜125のいずれかに記載の方法。
127.前記薬学的に許容される脂質は、薬学的に許容される油を含む、実施態様120〜126のいずれかに記載の方法。
128.前記薬学的に許容される油は、アーモンド油、アラキス油、アボカド油、カノーラ油、ヒマシ油、ヤシ油、トウモロコシ油、綿実油、ブドウ種子油、へーゼルナッツ油、麻油、亜麻仁油、オリーブ油、パーム油、ピーナッツ油、ナタネ油、米糠油、ベニバナ油、ゴマ油、大豆油(soybean oil)、大豆油(soya oil)、ヒマワリ油、クルミ油、コムギ胚芽油、またはこれらの組合せを含む、実施態様127に記載の方法。
129.前記工程(b)において、前記薬学的に許容される溶媒と薬学的に許容されるアジュバントとの比が約0:1〜約1:25の範囲内である、実施態様76または78〜128のいずれかに記載の方法。
130.前記工程(a)は、薬学的に許容される安定化剤を前記薬学的に許容される溶媒と前記治療化合物とに接触させることをさらに含む、実施態様75〜129のいずれかに記載の方法。
131.前記薬学的に許容される安定化剤は、水、脂肪酸成分と酢酸とを含む犠牲酸、酢酸エチル、酢酸ナトリウム/酢酸、モノグリセリド、アセチル化モノグリセリド、ジグリセリド、アセチル化モノグリセリド、アセチル化ジグリセリド、脂肪酸、脂肪酸塩、またはこれらの組合せを含む、実施態様130に記載の方法。
132.前記薬学的に許容される安定化剤は、薬学的に許容される乳化剤を含む、実施態様130または131に記載の方法。
133.前記薬学的に許容される乳化剤は、界面活性剤、多糖類、レクチン、リン脂質、またはこれらの組合せを含む、実施態様132に記載の方法。
134.薬学的に許容される乳化剤を含まない、実施態様75〜131のいずれかに記載の方法。
135.前記薬学的に許容される溶媒を前記薬学組成物から除去することをさらに含む、実施態様76〜134のいずれかに記載の方法。
136.前記薬学的に許容される溶媒の少なくとも5%が前記薬学組成物から除去される、実施態様135に記載の方法。
137.本明細書に開示される薬学組成物からの溶媒の除去は、20℃より低い温度において行われる、実施態様135または136に記載の方法。
138.調製される前記薬学組成物が、実施態様1〜74のいずれかに記載のものである、実施態様75〜137のいずれかに記載の方法。
139.実施態様1〜74のいずれかに記載の薬学組成物を、それを必要とする個体に投与する工程であって、投与が心血管疾患に関連する症状の低減をもたらし、それによって前記個体を治療する工程を含む、心血管疾患を有する個体を治療する方法。
140.心血管疾患の治療用の医薬の製造における、実施態様1〜74のいずれかに記載の薬学組成物の使用。
141.心血管疾患の治療のための、実施態様1〜74のいずれかに記載の薬学組成物の使用。
142.前記心血管疾患は、高脂血症、冠動脈心疾患、アテローム性動脈硬化症、末梢血管疾患、心筋症、血管炎、炎症性心疾患、虚血性心疾患、うっ血性心不全、高血圧性心疾患、心臓弁膜症、高血圧症、心筋梗塞、糖尿病性心臓異常、動脈瘤、塞栓症、切開、偽動脈瘤、血管奇形、血管性母斑、血栓症、静脈瘤、または脳卒中と関連するものである、実施態様139に記載の方法または実施態様140もしくは141に記載の使用。
143.前記高脂血症が、脂質異常症、高コレステロール血症、高グリセリド血症、高トリグリセリド血症、高リポタンパク血症または高カイロミクロン血症、および混合性高脂血症である、実施態様142に記載の方法または使用。
144.前記高リポタンパク血症が、Ia型高リポタンパク血症、Ib型高リポタンパク血症、Ic型高リポタンパク血症、IIa型高リポタンパク血症、IIb型高リポタンパク血症、III型高リポタンパク血症、IV型高リポタンパク血症、およびV型高リポタンパク血症である、実施態様143に記載の方法または使用。
145.前記血管閉塞性疾患(VOD)はアテローム性動脈硬化症、末梢血管疾患、または狭窄症である、実施態様142に記載の方法または使用。
146.前記心筋症は、外因性心筋症または内因性心筋症である、実施態様142に記載の方法または使用。
147.前記外因性心筋症は、先端巨大症、アルコール性心筋症、アミロイド症、シャーガス病、化学療法、糖尿病性心筋症、血色素症、高血圧性心筋症、甲状腺機能亢進症、炎症性心筋症、虚血性心筋症、筋ジストロフィー、心臓弁心筋症、全身性代謝疾患に伴って二次的に生じる心筋症、全身性栄養疾患に伴って二次的に生じる心筋症、冠動脈疾患、または先天性心疾患である、実施態様146に記載の方法または使用。
148.前記内因性心筋症は、拡張型心筋症(DCM)、肥大型心筋症(HCMまたはHOCM)、不整脈原性右室心筋症(ARVC)、拘束型心筋症(RCM)、非圧縮心筋症、孤立性心室心筋非圧縮、ミトコンドリア筋症、たこつぼ型心筋症、またはレフラー心内膜炎である、実施態様146に記載の方法または使用。
149.前記血管炎が、バージャー病、動脈炎、脳血管炎、チャーグ・ストラウス動脈炎、クリオグロブリン血症、本態性クリオグロブリン血管炎、巨細胞動脈炎、ゴルファーの血管炎、ヘノッホ・シェーンライン紫斑病、過敏性血管炎、川崎病、静脈炎、顕微鏡的多発動脈炎/多発性血管炎、結節性多発動脈炎、リウマチ性多発筋痛症(PMR)、リウマチ性血管炎、高安動脈炎、血栓性静脈炎、ウェゲナー肉芽腫症、または結合組織障害に伴って二次的に生じる血管炎、もしくはウイルス感染に伴って二次的に生じる血管炎である、実施態様142に記載の方法または使用。
150.前記結合組織障害に伴って二次的に生じる血管炎は、全身性エリテマトーデス(SLE)、関節リウマチ(RA)、再発性多発性軟骨炎、ベーチェット病である、実施態様149に記載の方法または使用。
151.前記炎症性心疾患が、心内膜炎、炎症性心拡大、または心筋炎である、実施態様142に記載の方法または使用。
152.前記実施態様1〜74に記載の治療化合物を含む薬学組成物は、個体に投与されると、前記薬学的に許容されるアジュバントを有しないこと以外はそれと同一である薬学組成物に含まれる治療化合物の体内分布とは異なる治療化合物体内分布をもたらす、実施態様139もしくは142〜151に記載の方法または実施態様140〜151に記載の使用。
153.前記実施態様1〜74に記載の薬学組成物の治療化合物のうち、個体に投与されるとマクロファージに送達されるものの量は、投与される薬学組成物中に含まれる治療化合物の総量の少なくとも5%である、実施態様139もしくは142〜152に記載の方法または実施態様140〜152に記載の使用。
154.前記実施態様1〜74に記載の薬学組成物は、個体に投与されると、前記薬学的に許容されるアジュバントを有しないこと以外はそれと同一である薬学組成物の場合と比較して、腸刺激を少なくとも5%低減させる、実施態様139もしくは142〜153に記載の方法または実施態様140〜153に記載の使用。
155.前記実施態様1〜74に記載の薬学組成物は、個体に投与されると、前記薬学的に許容されるアジュバントを有しないこと以外はそれと同一である薬学組成物の場合と比較して、胃刺激を少なくとも5%低減させる、実施態様139もしくは142〜154に記載の方法または実施態様140〜154に記載の使用。
以下の非限定的な例は、ここで考慮される代表的な実施態様のより完全な理解を促進するために、説明の目的のためだけに提供される。これらの例は、化合物、アルコール、脂質、薬学組成物、薬学組成物の調製方法、または慢性炎症もしくはそれに関連する疾患を治療する方法もしくは使用に関するものを含め、本明細書に記載される実施態様のいずれかを限定するものと解釈すべきではない。
[実施例1]薬学組成物の液体状製剤
この実施例は、本明細書で開示される薬学組成物を液体状製剤として作る作り方を示す。
まず、2,400 mgのイブプロフェンを直接2.0 mLのナタネ油に接触させて、治療化合物を1,200 mg/mLの濃度にて直接アジュバントに溶解させることを試みた。しかしながら、イブプロフェンは油中に不溶のままであり、実質的に測定できる程度には溶解しなかった。イブプロフェンは、混合物を20秒間のボルテックス処理によって混合させた場合、上記接触を20℃もしくは37℃で実施した場合、および/または混合物を20℃もしくは37℃で24時間インキュベーションさせた場合であっても不溶のままであった。イブプロフェンは3.6というlogP値を有することを考えると、ナタネ油中におけるイブプロフェンの不溶性は予期せぬものであった。そのような高いlogP値は、化合物が油のようなアジュバントに容易に溶解するであろうことを示すからである。
イブプロフェンは、その高いlogP値に関わらず直接油に溶解することが不可能であったので、次に、溶媒に治療薬剤を溶解させてまずその化合物を含む溶液を作ることを試みた。第1の段階として、治療化合物を加えない状態で、油のようなアジュバントにおける溶媒の混和性について実験を行った。これらの実験では、0.5 mLのエタノールを10種類の異なる体積のナタネ油と接触させた(表1)。各混合物は22℃において、そして37℃において試験され、そこでは、エタノールと油とを一緒に混合する前にまず温水槽で加熱した。20秒間のボルテックス混合によって混合を試み、容器を静置して、直後に、または24時間後に、目視評価した。各混合物を評価して、エタノールとナタネ油とが非混和層を形成するか、あるいは均一な混合物を形成するかを決定した。結果を表1に要約する。1:1、1:2、1:3、1:4、1:5、および1:6という溶媒:アジュバント比を含む混合物は、22℃または37℃のいずれにおいても、直後または24時間のインキュベーション後のいずれにおいても、非混和の層を形成し、これらの比率ではエタノールと油はよく混ざらなかったことが示された。しかしながら、1:7より高い溶媒:アジュバント比では、試験されたすべての条件下で均一な混合物が形成された。
Figure 2014507429
均一な混合物を形成するために必要なアルコールと脂質の適切な比が決定されたので、次に、治療化合物をアジュバントに接触させる前にまず溶媒に接触させることが、その化合物が溶媒に溶解することをもたらすか否かを決定した。これらの実験を行うために、1,000 mgまたは1,200 mgのイブプロフェンを0.5 mLのエタノールに溶解した。得られたアルコール溶液を、続いて2つの異なる溶媒:アジュバント比(1:2および1:9)でナタネ油と接触させた。各混合物は22℃において、そして37℃において試験され、そこでは、エタノール溶液と油とを一緒に混合する前にまず温水槽で加熱した。20秒間のボルテックス混合によって混合を試み、容器を静置して、直後に、または24時間後に、目視評価した。各混合物を評価して、エタノール溶液とナタネ油とが非混和層を形成するか、あるいは均一な混合物を形成するかを決定した。結果を表2に要約する。治療化合物が不在の状況と比較して、イブプロフェンがエタノール中に存在する場合には、溶媒:アジュバント比が1:2以上において試験された全ての条件下で、エタノールと油が均一な混合物を形成した。この観察は非常に驚くべきものであった。なぜなら、何らかの理論に束縛されることは望まないが、アジュバントと溶媒とが相互作用する様式に対して、治療化合物が何らかの効果を有し、それによって、治療化合物が不在の場合には起こらないかたちで均一な混合物が形成するように見られるからである。さらに、これらの結果は、臨床的に有用な濃度で治療化合物を製剤できることを示している。
Figure 2014507429
[実施例2]薬学組成物の液体状製剤
この実施例は、本明細書で開示される薬学組成物を液体状製剤として作る作り方を示す。
ゲムフィブロジルを使用して本明細書で開示される薬学組成物を調製するために、以下の製剤について調べた。これらの実験では、600 mgのゲムフィブロジルを、37℃に温められた異なる体積のエタノール(溶媒として)と接触させ、得られた溶液を、37℃に温められた異なる体積の亜麻仁油(アジュバントとして)と接触させた(表3)。各製剤を評価して、エタノールと亜麻仁油とが非混和層あるいは透明な均一混合物を形成するか、さらにゲムフィブロジルが溶液から結晶化するか否かを決定した。
上記実施例1におけるイブプロフェンと同様、ゲムフィブロジルは油単独中では不溶のままであり、実質的に測定できる程度には溶解しなかたった。0.2 mLのエタノールを含む製剤はゲムフィブロジルを完全に溶解することができなかった。0.3 mLのエタノールを含む製剤はゲムフィブロジルを溶解することができたが、3時間以内に治療化合物が溶液から結晶化を始め、48時間以内に完全な結晶化が起こった。試験された他の全ての製剤はゲムフィブロジルを溶解して本明細書で開示される薬学組成物を形成することができた。しかしながら、0.5 mLのエタノールを含む製剤だけが、3週間後にゲムフィブロジルが完全に溶解したままである安定な薬学組成物を形成したと見られた。
Figure 2014507429
[実施例3]薬学組成物の液体状製剤
この実施例は、本明細書で開示される薬学組成物を液体状製剤として作る作り方を示す。
イブプロフェンを使用して本明細書で開示される薬学組成物を調製するために、以下の製剤を実施した。これらの実験では、4 gのイブプロフェンを3.6 mLの酢酸エチル(溶媒として)と接触させ、得られた溶液を次に76.4 mLのナタネ油(アジュバントとして)と接触させた。得られた薬学組成物は約1:21の溶媒:アジュバント比を有していた。次にこの薬学組成物を丸底フラスコに入れ、回転式蒸発装置上で低圧に付した。温度は低く保ち、一定重量となるまで蒸発を継続した。失われた総体積は総重量の3.65%であった。得られた液体は特徴的な酢酸エチルの臭い/味をもはや維持しておらず、薬学組成物から酢酸エチルが実質的に除去されたことが示された。
[実施例4]薬学組成物の固形状製剤
この実施例は、本明細書で開示される薬学組成物を固形状製剤として作る作り方を示す。
ある種の脂肪酸は室温で液体状である一方で、その他のものは固形状であるので、固形状製剤の製造における各脂肪酸の可能性を評価する試みとして、異なる脂肪酸の調査を行った。この理解により、各脂肪酸の相対的な比率を調節することによる幅広い固形状製剤の開発が可能となるであろう。最初の実験として、リノレン酸、リノール酸、パルミチン酸、およびステアリン酸を評価し、これらの脂肪酸のうち1つだけを使用した製剤によって、22℃(室温条件を想定)では固形状または半固形状であるが37℃(摂取後の体内温度条件を想定)では融けて液体状になるような本明細書で開示される薬学組成物を調製できるか否かを調べた。
4種類の異なる試験製剤を調製し、22℃では固形状投与量製剤を形成して37℃では融けて懸濁物を形成することなく均一な溶液になる能力について評価した(表4)。製剤1は、200 mgのイブプロフェンを400 mgのメントールに溶解し、得られた溶液を続いて200 mgのステアリン酸(Tmは約67〜72℃)と混合して60℃で30分間加熱して均一な溶液を形成させることにより調製した。製剤1は22℃に冷ますと直ぐに固形化した。製剤1は37℃で一晩インキュベートした後でさえも固形状のままであった。製剤2は、200 mgのイブプロフェンを400 mgのメントールに溶解し、得られた溶液を続いて200 mgのパルミチン酸(Tmは約61〜62℃)と混合して60℃で30分間加熱して均一な溶液を形成させることにより調製した。製剤2は22℃に冷ました約1時間後に固形化した。37℃で一晩インキュベートすると、製剤2は完全に融けて透明な均一液体となった。しかしながら、22℃に冷ました約1時間後には製剤2は再び固形化した。製剤3は、200 mgのイブプロフェンを400 mgのメントールに溶解し、得られた溶液を続いて200 mgのリノール酸(Tmは約-5℃)と混合して37℃で2時間加熱して均一な溶液を形成させることにより調製した。製剤3は、22℃に冷まして72時間経った後においても液体状であり続けた。製剤4は、200 mgのイブプロフェンを400 mgのメントールに溶解し、得られた溶液を続いて200 mgのリノレン酸(Tmは約-11℃)と混合して37℃で2時間加熱して均一な溶液を形成させることにより調製した。製剤4は、22℃に冷まして72時間経った後においても液体状であり続けた。
Figure 2014507429
これらのデータに基づいて、本明細書で開示される薬学組成物の固形状投与形態を作ることができる。例えば、22℃では固形状または半固形状であるが、37℃では融けて適切な透明溶液(懸濁液ではなく)になるように薬学組成物が製剤される(表5)。
Figure 2014507429
[実施例5]腸びらんの動物モデル
本明細書で開示される薬学組成物が胃刺激症状を低減させるか否かを調べるために、腸びらんのマウスモデルを使用した実験を行った。
Sprague-Dawleyラットを、それぞれ5匹を含む7つの実験群に分けた。一晩絶食させた後、7つの異なる処置のうちの1つに晒した。A群は、各マウスに1%メチルセルロース/0.5%ポリソルベート80のビヒクルのみを経口投与した対照群であった。B群は、各マウスに溶媒/アジュバントのビヒクルのみを経口投与(10%エタノールおよび90%亜麻仁油の経管栄養)した対照群であった。C群は、各マウスに150 mg/kgのアスピリンを経口投与した対照群であった。D群は、各マウスに、1%メチルセルロース/0.5%ポリソルベート80に懸濁された100 mg/kgのイブプロフェンを経口投与した対照群であった。E群は、各マウスに、100 mg/kgのイブプロフェン、10%エタノール、および90%亜麻仁油を含む本明細書で開示される薬学組成物(BC1054-100)を投与した実験群であった。F群は、各マウスに、1%メチルセルロース/0.5%ポリソルベート80に懸濁された100 mg/kgのイブプロフェンを経口投与した対照群であった。G群は、各マウスに、200 mg/kgのイブプロフェン、10%エタノール、および90%亜麻仁油を含む本明細書で開示される薬学組成物(BC1054-200)を投与した実験群であった。処置の4時間後に動物を犠牲にし、出血の程度および粘膜のびらん性病変の重症度について胃を調べた。胃刺激症状は次のようにスコア化した:0、病変なし;1、充血;2、一つまたは二つの軽度病原;3、三つ以上の軽度病原または重度病変;4、非常に重度な病変。C群(アスピリン処置対照群)を100%とし、これを基準として50%以上のスコアを胃刺激症状についての陽性スコアとみなした。
結果を表6に示す。D群(100 mg/kgのイブプロフェンで処置した対照群)およびF群(200 mg/kgのイブプロフェンで処置した対照群)は、C群(アスピリン処置対照群)によるものと比較してそれぞれ75%および95%の重症度の胃病変を生じていた。しかしながら、E群(BC1054-100処置実験群)およびG群(BC1054-200処置実験群)は、C群(アスピリン処置対照群)によるものと比較して、生じた胃病変の重症度はそれぞれ20%および40%であった。これらの結果は、本明細書で開示される薬学組成物が、治療化合物により引き起こされ得る粘膜病変および胃刺激の程度を低減したことを実証するものである。
Figure 2014507429
[実施例6]呼吸器炎症の動物モデル
呼吸器炎症の治療における本明細書で開示される薬学組成物の有効性を調べるために、ウイルス誘発性インフルエンザのマウスモデルを使用して実験をおこなった。
C57BLK/6メスマウス(6〜7週齢)を、それぞれ10匹を含む3つの実験群に分けた。第1日目に、ハロタン麻酔下で致死量(総量50μL、25μL/鼻孔)のインフルエンザA/PR/8/34を動物に経鼻投与した。ウイルスによる負荷を与えた後の第3日目に、上記動物に、3種類の処置のうちの1つを行った。A群は、各マウスに10μLのDMSOに溶解された335.6μgのイブプロフェン(アジュバントなし)を経口投与した対照群であった。B群は、各マウスに溶媒/アジュバントのビヒクルのみを経口投与(10%エタノールおよび90%亜麻仁油の経管栄養)した対照群であった。C群は、335.6μgのイブプロフェン、10%エタノールおよび90%亜麻仁油を含む本明細書で開示される薬学組成物(BC1054)を各マウスに経口投与した実験群であった。マウスにおける335.6μgのイブプロフェンの投与量は、20mg/kg/日に相当し、ヒトでいうならば1200 mg/日(イブプロフェンの最大標準投与量)に相当する。動物の体重を測定し、第6日まで毎日、感染症の兆候について監視し、第6日に全ての動物を回収した。図1は、溶媒/アジュバントのビヒクルのみの経口投与(B群)は80%の死亡率を有し、イブプロフェンのみの経口投与(A群)は60%の死亡率を示したことを明確に示している。しかしながら、BC1054の1回の経口投与によって死亡率はわずか20%にまで低減された。
IL-10およびIL-4のレベルを決定するために、IL-10またはIL-4に対する捕捉抗体でコーティングされた96ウェルプレートを使用してELISAを行った。回収されたマウスから採取された肺を4℃でホモジェナイズし、上清を回収して、必要な時まで-70℃で保存した。解凍した試料は、ELISAプレートに加える直前に30秒間ボルテックスした。各ウェルに60μLのアッセイ希釈液をピペットで注入することにより、プレート内で、試料および標準の両方について段階希釈を行った。プレートを封印し、室温で2時間インキュベートした。IL-4については、各ウェルに60μLの調製済み検出試薬を加えた(検出抗体+SAv-HRP試薬)。プレートを封印し、室温で1時間インキュベートした。IL-10については、60μLの検出抗体を各ウェルのためにアッセイ希釈液中で希釈した。プレートを洗浄し、60μLのSAv-HRP酵素をアッセイ希釈液中で希釈してプレートに加えた。プレートを封印し、室温で20分間インキュベートした。それからプレートを10回洗浄した。60μLの基質溶液を各ウェルに加え、暗所において室温で30分間プレートをインキュベートした。60μLの停止溶液を各ウェルに加え、450 nmにて吸光度を読んだ。IL-10およびIL-4の濃度は肺組織1 mgあたりのpgとして表した。これらの結果は、本明細書で開示される薬学組成物が呼吸器炎症の治療において有効であったことを示すものである。
A対照群(イブプロフェン処置対照群)およびB対照群(溶媒/アジュバントビヒクル処置対照群)の動物がそれぞれ2600 pg/mgおよび2000 pg/mgのIL-10を示した結果となった(図2A)。しかしながら、C群(BC1054処置実験群)は6000 pg/mgというIL-10濃度を示し、これは対照動物において見られたものより3倍高かった。また、A対照群(イブプロフェン処置対照群)およびB対照群(溶媒/アジュバントビヒクル処置対照群)の動物がそれぞれ6900 pg/mgおよび5400 pg/mgのIL-4を示す一方、C群(BC1054処置実験群)のIL-4濃度は8300 pg/mgであるという結果も示された(図2B)。これらをまとめると、BC1054について観察された有効性の少なくとも一部は、相助的なIL-10レベルの増加および/またはIL-4レベルの増加により、Th1応答からTh2応答への切り替えを誘導することによるものであることが示唆される。
BC1054を投与する際にどの細胞型が刺激されてサイトカインを放出するかをさらに決定するために、さらなる実験を行った。C57BLK/6メスマウス(6〜7週齢)を、それぞれ10匹を含む3つの実験群に分けた。第1日目に、ハロタン麻酔下で致死量(総量50μL、25μL/鼻孔)のインフルエンザH1N1を動物に経鼻投与した。ウイルスによる負荷を与えた後の第3日目に、上記動物に、3種類の処置のうちの1つを行った。A群は、各マウスに10μLのDMSOに溶解された335.6μgのイブプロフェン(アジュバントなし)を経口投与した対照群であった。B群は、各マウスに溶媒/アジュバントのビヒクルのみを経口投与(10%エタノールおよび90%亜麻仁油の経管栄養)した対照群(イブプロフェンなし)であった。C群は、335.6μgのイブプロフェン、10%エタノールおよび90%亜麻仁油を含む本明細書で開示される薬学組成物(BC1054)を各マウスに経口投与した実験群であった。致死量の感染を受けたマウスから採取した肺を4℃にてホモジェナイズし、上清を回収し、保存し、ELISAを用いてIL-10、TNFα、およびIFNγのレベルを測定した。
A群(イブプロフェン処置対照群)およびC群(BC1054処置実験群)の動物はIL-10レベルの増加を示す結果となった(図3A)。しかしながら、これらのIL-10増加は非常に異なる薬力学的効果に関連するものであり、炎症促進性サイトカインの減少のパターンがIL-10の供給源および生存率への効果に対するその関連性を明らかにする。例えば、TNFα(マクロファージ関連サイトカインである)はA群(イブプロフェン処置対照群)の動物においてはそれほど際だって抑制されなかった(図3B)一方で、IFNγ(リンパ球由来のサイトカインである)のレベルはC群(BC1054処置実験群)の動物と比べてA群において際だって抑制された(図3C)。このサイトカイン放出パターンは転帰の悪さと関連している。しかしながら、C群(BC1054処置実験群)の動物においては、TNFαのレベルは際だって低下し(図3B)、IFNγのレベルはあまり影響を受けなかった(図3C)。これは、本明細書で開示される薬学組成物が、部分的に、リンパ球由来のIL-10ではなくてマクロファージ由来のIL-10レベルを通して、H1N1誘発致死性に対する保護効果を示すことを実証している。
[実施例7]心血管疾患の治療の事例研究
高コレステロール血症(4.35 mmol/L のLDL)と診断された49歳の男性は、20 mg/kgのイブプロフェン、10%エタノールおよび90%亜麻仁油を含む本明細書で開示される薬学組成物(BC1054)の7日間にわたる投与を受けた(600 mgを1日2回)。5日間の治療後、患者のLDLレベルは3.89 mmol/Lに正常化した。最後の検診によれば、LDLレベルの正常化はBC1054投与をやめた後2ヶ月間にわたって持続していた。
高コレステロール血症(4.31 mmol/LのLDL)と新たに診断された60歳の男性は、LDLレベルを正常範囲まで下げるために、20 mg/kgのイブプロフェン、10%エタノールおよび90%亜麻仁油を含む本明細書で開示される薬学組成物(BC1054)の投与を受けた(1200 mgを1日1回)。5日間の治療後、患者のLDLレベルは3.36 mmol/Lに低下した。患者は1ヶ月間経過観察されたが、さらなるBC1054投与はしていないにも関わらず、LDLは正常範囲に維持されたままであった。
[実施例8]心血管疾患の治療
62歳の女性がコレステロールレベル上昇と診断される。医師はそのコレステロールレベル上昇は高コレステロール血症によるものであると判断する。女性は、イブプロフェンを含む本明細書で開示される薬学組成物の1日2回の経口投与により治療される。あるいは、PPAR-γアゴニストを含む本明細書で開示される薬学組成物の1日3回の経口投与により治療される。あるいは、ゲムフィブロジルを含む本明細書で開示される薬学組成物の1日2回の経口投与により治療される。女性の状態を監視し、約1週間の治療後、この女性の血液中のコレステロールのレベルが減少していることが検査により示される。1ヶ月および3ヶ月後の検診において、この女性は血中コレステロールレベルが正常範囲内に維持されている。この高コレステロール血症症状の低減は、本明細書で開示される薬学組成物による治療が成功したことを示す。本明細書で開示される薬学組成物の同様な経口投与は、例えば脂質異常症、高コレステロール血症、高グリセリド血症、高トリグリセリド血症、高カイロミクロン血症、混合性高脂血症、または、Ia型高リポタンパク血症、Ib型高リポタンパク血症、Ic型高リポタンパク血症、IIa型高リポタンパク血症、IIb型高リポタンパク血症、III型高リポタンパク血症、IV型高リポタンパク血症、およびV型高リポタンパク血症を含む高リポタンパク血症等のような他の形態に罹患した患者を治療することに使用される。同様に、例えばサリチル酸誘導体NSAID、p-アミノフェノール誘導体NSAID、プロピオン酸誘導体NSAID、酢酸誘導体NSAID、エノール酸誘導体NSAID、フェナム酸誘導体NSAIDのようなNSAID、非選択的シクロオキシゲナーゼ(COX)阻害剤、選択的シクロオキシゲナーゼ1(COX 1)阻害剤、および選択的シクロオキシゲナーゼ2(COX 2)阻害剤、PPARγアゴニスト、核受容体結合剤、または、フィブラート、スタチン、トコトリエノール、ナイアシン、胆汁酸捕捉剤、コレステロール吸収阻害剤、膵リパーゼ阻害剤、もしくは交感神経刺激アミンのような抗高脂血症剤のような、あらゆる治療化合物が薬学組成物に製剤され、上記のように患者に投与される。
58歳の男性が胸部痛、息切れ、およびめまいをを訴える。医師はその呼吸困難はアテローム性動脈硬化症によるものであると判断する。男性は、イブプロフェンを含む本明細書で開示される薬学組成物の1日2回の経口投与により治療される。あるいは、PPAR-γアゴニストを含む本明細書で開示される薬学組成物の1日3回の経口投与により治療される。あるいは、ゲムフィブロジルを含む本明細書で開示される薬学組成物の1日2回の経口投与により治療される。男性の状態を監視し、約3週間の治療後、この男性は呼吸能力が改善し、めまいをそれほど感じなくなっていることを示す。2ヶ月および3ヶ月後の検診において、この男性は呼吸の改善が持続しており、息切れもなく、しばらく胸部痛も経験していないことを示す。このアテローム性動脈硬化症症状の低減は、本明細書で開示される薬学組成物による治療が成功したことを示す。本明細書で開示される薬学組成物の同様な経口投与は、例えば末梢血管疾患または狭窄症のような他の形態の血管閉塞性疾患に罹患した患者を治療することに使用される。同様に、例えばサリチル酸誘導体NSAID、p-アミノフェノール誘導体NSAID、プロピオン酸誘導体NSAID、酢酸誘導体NSAID、エノール酸誘導体NSAID、フェナム酸誘導体NSAIDのようなNSAID、非選択的シクロオキシゲナーゼ(COX)阻害剤、選択的シクロオキシゲナーゼ1(COX 1)阻害剤、および選択的シクロオキシゲナーゼ2(COX 2)阻害剤、PPARγアゴニスト、核受容体結合剤、または、フィブラート、スタチン、トコトリエノール、ナイアシン、胆汁酸捕捉剤、コレステロール吸収阻害剤、膵リパーゼ阻害剤、もしくは交感神経刺激アミンのような抗高脂血症剤のような、あらゆる治療化合物が薬学組成物に製剤され、上記のように患者に投与される。
アルコール依存症の67歳の男性が胸部の圧迫感および左肩の痺れを訴える。医師はその圧迫感および痺れはアルコール性心筋症によるものであると判断する。男性は、イブプロフェンを含む本明細書で開示される薬学組成物の1日2回の経口投与により治療される。あるいは、PPAR-γアゴニストを含む本明細書で開示される薬学組成物の1日3回の経口投与により治療される。あるいは、ゲムフィブロジルを含む本明細書で開示される薬学組成物の1日2回の経口投与により治療される。男性の状態を監視し、約3週間の治療後、この男性は痺れの低減を示す。2ヶ月および3ヶ月後の検診において、この男性は肩の感覚の改善が持続しており、しばらく胸部の圧迫感を経験していないことを示す。このアルコール性心筋症症状の低減は、本明細書で開示される薬学組成物による治療が成功したことを示す。本明細書で開示される薬学組成物の同様な経口投与は、心筋症、例えば先端肥大症、アミロイド症、シャーガス病、化学療法、糖尿病性心筋症、血色素症、高血圧性心筋症、甲状腺機能亢進症、炎症性心筋症、虚血性心筋症、筋ジストロフィー、心臓弁心筋症、全身性代謝疾患に伴って二次的に生じる心筋症、全身性栄養疾患に伴って二次的に生じる心筋症、冠動脈疾患、もしくは先天性心疾患のような外因性心筋症、または、拡張型心筋症(DCM)、肥大型心筋症(HCMまたはHOCM)、不整脈原性右室心筋症(ARVC)、拘束型心筋症(RCM)、非圧縮心筋症、孤立性心室心筋非圧縮、ミトコンドリア筋症、たこつぼ型心筋症、もしくはレフラー心内膜炎のような内因性心筋症に罹患した患者を治療することに使用される。同様に、例えばサリチル酸誘導体NSAID、p-アミノフェノール誘導体NSAID、プロピオン酸誘導体NSAID、酢酸誘導体NSAID、エノール酸誘導体NSAID、フェナム酸誘導体NSAIDのようなNSAID、非選択的シクロオキシゲナーゼ(COX)阻害剤、選択的シクロオキシゲナーゼ1(COX 1)阻害剤、および選択的シクロオキシゲナーゼ2(COX 2)阻害剤、PPARγアゴニスト、核受容体結合剤、または、フィブラート、スタチン、トコトリエノール、ナイアシン、胆汁酸捕捉剤、コレステロール吸収阻害剤、膵リパーゼ阻害剤、もしくは交感神経刺激アミンのような抗高脂血症剤のような、あらゆる治療化合物が薬学組成
物に製剤され、上記のように患者に投与される。
73歳の女性が筋痙攣および右脚の冷えを訴える。医師はその症状は大腿動脈の動脈炎によるものであると判断する。女性は、イブプロフェンを含む本明細書で開示される薬学組成物の1日2回の経口投与により治療される。あるいは、PPAR-γアゴニストを含む本明細書で開示される薬学組成物の1日3回の経口投与により治療される。あるいは、ゲムフィブロジルを含む本明細書で開示される薬学組成物の1日2回の経口投与により治療される。女性の状態を監視し、約3週間の治療後、この女性は筋痙攣が低減し、脚の冷えも止まったことを示す。2ヶ月および3ヶ月後の検診において、この女性はやはり筋痙攣と脚の冷えがないことを示す。この動脈炎症状の低減は、本明細書で開示される薬学組成物による治療が成功したことを示す。本明細書で開示される薬学組成物の同様な経口投与は、例えばバージャー病、動脈炎、脳血管炎、チャーグ・ストラウス動脈炎、クリオグロブリン血症、本態性クリオグロブリン血管炎、巨細胞動脈炎、ゴルファーの血管炎、ヘノッホ・シェーンライン紫斑病、過敏性血管炎、川崎病、静脈炎、顕微鏡的多発動脈炎/多発性血管炎、結節性多発動脈炎、リウマチ性多発筋痛症(PMR)、リウマチ性血管炎、高安動脈炎、血栓性静脈炎、ウェゲナー肉芽腫症、ウイルス感染に伴って二次的に生じる血管炎、または結合組織障害(全身性エリテマトーデス(SLE)、関節リウマチ(RA)、再発性多発性軟骨炎、またはベーチェット病を含む)に伴って二次的に生じる血管炎のような、他の種類の血管炎に罹患した患者を治療することに使用される。同様に、例えばサリチル酸誘導体NSAID、p-アミノフェノール誘導体NSAID、プロピオン酸誘導体NSAID、酢酸誘導体NSAID、エノール酸誘導体NSAID、フェナム酸誘導体NSAIDのようなNSAID、非選択的シクロオキシゲナーゼ(COX)阻害剤、選択的シクロオキシゲナーゼ1(COX 1)阻害剤、および選択的シクロオキシゲナーゼ2(COX 2)阻害剤、PPARγアゴニスト、核受容体結合剤、または、フィブラート、スタチン、トコトリエノール、ナイアシン、胆汁酸捕捉剤、コレステロール吸収阻害剤、膵リパーゼ阻害剤、もしくは交感神経刺激アミンのような抗高脂血症剤のような、あらゆる治療化合物が薬学組成物に製剤され、上記のように患者に投与される。
37歳の男性が胸部痛を訴える。医師はその痛みは心内膜炎によるものであると判断する。男性は、イブプロフェンを含む本明細書で開示される薬学組成物の1日2回の経口投与により治療される。あるいは、PPAR-γアゴニストを含む本明細書で開示される薬学組成物の1日3回の経口投与により治療される。あるいは、ゲムフィブロジルを含む本明細書で開示される薬学組成物の1日2回の経口投与により治療される。男性の状態を監視し、約1週間の治療後、この男性は胸部痛の低減を示す。1ヶ月および3ヶ月後の検診において、この男性は胸部痛がないことが維持されていることを示す。この心内膜炎症状の低減は、本明細書で開示される薬学組成物による治療が成功したことを示す。本明細書で開示される薬学組成物の同様な経口投与は、例えば炎症性心拡大または心筋炎のような他の種類の炎症性心疾患に罹患した患者を治療することに使用される。同様に、例えばサリチル酸誘導体NSAID、p-アミノフェノール誘導体NSAID、プロピオン酸誘導体NSAID、酢酸誘導体NSAID、エノール酸誘導体NSAID、フェナム酸誘導体NSAIDのようなNSAID、非選択的シクロオキシゲナーゼ(COX)阻害剤、選択的シクロオキシゲナーゼ1(COX 1)阻害剤、および選択的シクロオキシゲナーゼ2(COX 2)阻害剤、PPARγアゴニスト、核受容体結合剤、または、フィブラート、スタチン、トコトリエノール、ナイアシン、胆汁酸捕捉剤、コレステロール吸収阻害剤、膵リパーゼ阻害剤、もしくは交感神経刺激アミンのような抗高脂血症剤のような、あらゆる治療化合物が薬学組成物に製剤され、上記のように患者に投与される。
59歳の女性が息切れを訴え、高血圧と診断される。医師は、関節の硬直および腫れは高血圧疾患によるものであると判断する。女性は、イブプロフェンを含む本明細書で開示される薬学組成物の1日2回の経口投与により治療される。あるいは、PPAR-γアゴニストを含む本明細書で開示される薬学組成物の1日3回の経口投与により治療される。あるいは、ゲムフィブロジルを含む本明細書で開示される薬学組成物の1日2回の経口投与により治療される。女性の状態を監視し、約3週間の治療後、この女性は呼吸が改善しており血圧が正常範囲内にあることを示す。2ヶ月および3ヶ月後の検診において、この女性は正常に呼吸し続けており、血圧が正常範囲内にあることを示す。この高血圧性症状の低減は、本明細書で開示される薬学組成物による治療が成功したことを示す。本明細書で開示される薬学組成物の同様な経口投与は、例えば冠動脈心疾患、虚血性心疾患、うっ血性心不全、高血圧性心疾患、心臓弁膜症、高血圧症、心筋梗塞、糖尿病性心異常、動脈瘤、塞栓症、切開、偽動脈瘤、血管奇形、血管性母斑、血栓症、静脈瘤、または脳卒中のような心血管疾患に罹患した患者を治療することに使用される。同様に、例えばサリチル酸誘導体NSAID、p-アミノフェノール誘導体NSAID、プロピオン酸誘導体NSAID、酢酸誘導体NSAID、エノール酸誘導体NSAID、フェナム酸誘導体NSAIDのようなNSAID、非選択的シクロオキシゲナーゼ(COX)阻害剤、選択的シクロオキシゲナーゼ1(COX 1)阻害剤、および選択的シクロオキシゲナーゼ2(COX 2)阻害剤、PPARγアゴニスト、核受容体結合剤、または、フィブラート、スタチン、トコトリエノール、ナイアシン、胆汁酸捕捉剤、コレステロール吸収阻害剤、膵リパーゼ阻害剤、もしくは交感神経刺激アミンのような抗高脂血症剤のような、あらゆる治療化合物が薬学組成物に製剤され、上記のように患者に投与される。
最後に、特定の実施態様に言及して本明細書のいくつかの側面を強調したが、当業者ならば、これら開示された実施態様は本明細書で開示される本発明の原理の例示にすぎないということを容易に認識する、ということが理解されるべきである。従って、開示される本発明は、本明細書に記載された特定の方法、プロトコール、および/または試薬等にけっして限定されるものではないことが理解されるべきである。従って、本明細書の趣旨から逸脱することなく、本明細書の教示に従いながら開示された事項に様々な修正もしくは改変を施し、または代替的な構成とすることができる。最後に、本明細書で使用される用語は、特定の実施態様を説明する目的のためだけに使用されるものであって、本発明の範囲を限定する意図はなく、本発明の範囲は特許請求の範囲によってのみ規定される。従って、本発明は、正確に示され、記述されている通りのものに限定されるわけではない。
本発明のいくつかの実施態様が本明細書において記載されるが、それは本発明を実施する上で本発明者らが知るかぎり最良の形態であるものを含む。もちろん、詳細な説明を読んだ当業者には、これらの記載された実施態様のバリエーションも明らかになるであろう。本発明者らは、当業者がこれらのバリエーションを適切なものとして採用することを予測するし、本発明が本明細書で具体的に記載されているのとは異なるやり方で実施されることも意図している。従って、本発明は、適用される法律で許容されるように、添付の特許請求の範囲に記載された事項の全ての改変物および均等物を包含する。さらに、上記の実施態様の可能な全てのバリエーションのあらゆる組合せも、本明細書で特に断り書きが無い限り、あるいは文脈が明らかに矛盾しない限り、本発明に包含される。
本発明の代替可能な実施態様、成分、または工程のグルーピングは、限定として解釈すべきではない。各グループの構成要素は、個別に、または本明細書で開示される他の構成要素とのあらゆる組合せにおいて、言及され、クレームされ得る。便宜上の理由および/または特許性の理由のために、グループの1つ以上の構成要素がグループに含まれたり削除されたりし得ることが予測される。そのような含有または削除が起こる場合には、本明細書はそのように改変された群を含んでおり、従って特許請求の範囲において用いられる全てのマーカッシュ群の記載要件が満たされていると考える。
特に示されない限り、本明細書および特許請求の範囲で使用される特徴、物、量、パラメータ、特性、期間等を表現する数字は、いずれの場合も「約」という用語で修飾されているものと理解されるべきである。本明細書で使用される場合、「約」という用語は、そのように修飾された特徴、物、量、パラメータ、特性、または期間が、明記されている特徴、物、量、パラメータ、特性、または期間の値の上下プラスマイナス10パーセントの範囲を包含することを意味する。従って、特に示されない限り、本明細書および添付の特許請求の範囲に記載される数値パラメータは、変動し得る概算値である。最低限、均等論の適用を特許請求の範囲に限定する試みではないが、各数値表示は、少なくとも表示された有効数字の数字を考慮して、通常の四捨五入法を適用することによって、解釈すべきである。本発明の広い範囲を規定する数値範囲および数値は概算値であるが、具体的な実施例における数値範囲および数値は可能な限り正確に記載してある。しかしながら、いかなる数値範囲または数値であっても、それぞれの検査測定において見られる標準偏差から不可避的に生じる一定の誤差を本来含むものである。本明細書における数値範囲の記載は、単にその範囲内にある異なる数値のそれぞれを個々に表すための略記法として用いられることが意図される。本明細書において特に示されない限り、数値範囲内の個々の数値の各々は、個別に記載されているものとして、本明細書に組み入れられる。
「a」、「an」、「the」という用語および本発明を記述する文脈(特に以下の特許請求の範囲の文脈)で使用される類似の対象物は、本明細書中で特に示されない限り、あるいは文脈で明らかに矛盾しない限り、単一形と複数形の両方を含むものと解釈するべきである。本明細書に記載される全ての方法は、本明細書中で特に示されない限り、あるいは文脈で明らかに矛盾しない限り、あらゆる適切な順番で実施され得る。本明細書に提供される例または例示的な語句(例えば「のような」等)はいずれも、本発明をよりよく説明することを意図して使用しているのみであり、特許請求の範囲に記載される発明の範囲を限定するものではない。本明細書中のいかなる語句も、本発明の実施に必須となる特許請求の範囲外の何らかの要素を示すものとして解釈すべきではない。
本明細書で開示される特定の実施態様は、特許請求の範囲において、〜からなる、または〜から実質的になるという語句を使用してさらに限定され得る。出願当初からのものであるかまたは補正によって加えられたものであるかに関わらず、特許請求の範囲において使用される場合、「〜からなる」という語句は、請求の範囲に特定されていない要素、工程、または材料を排除する。「〜から実質的になる」という語句は、請求の範囲を、その特定された物または工程およびその基本的かつ新規な特徴に実質的に影響しないものに限定する。そのように請求の範囲に記載された本発明の実施態様は、本明細書において本質的にまたは明示的に説明され、実施可能とされている。
本明細書において引用され特定されている全ての特許、特許公報、およびその他の刊行物は、例えばそれらの刊行物中に記述され本発明との関係で使用され得る組成物および方法論を記載し開示する目的のために、引用によりその全体が、本明細書中に個別にかつ明示的に組み入れられる。これらの刊行物は、本願の出願日前のそれらの開示についてのみ提供されている。だからと言って、本発明者らがそれに先立った発明により、またはその他の何らかの理由により、それら刊行物の開示に先行していたことを否定するものと解釈されるべきではない。これらの文献の日付についての記載またはその内容についての記述は、全て、本出願人に利用可能な情報に基づくものであって、これらの文献の日付または内容が正しいものであるという自認をなすものではない。

Claims (161)

  1. a) 脂質レベルを正常化する活性を有する治療化合物;およびb) 薬学的に許容されるアジュバントを含む、薬学組成物。
  2. 薬学的に許容される溶媒をさらに含む、請求項1に記載の薬学組成物。
  3. a) 脂質レベルを正常化する活性を有する治療化合物;b) 薬学的に許容される溶媒;およびc) 薬学的に許容されるアジュバントを含む、薬学組成物。
  4. a) 脂質レベルを正常化する活性を有する治療化合物;b) 薬学的に許容される溶媒;およびc) 薬学的に許容されるアジュバントを含み、前記薬学的に許容される溶媒と薬学的に許容されるアジュバントとの比が約0:1〜約1:25の範囲内である、薬学組成物。
  5. 前記薬学的に許容される溶媒と薬学的に許容されるアジュバントとの比が約0:1〜約1:25の範囲内である、請求項2または3に記載の薬学組成物。
  6. 前記脂質レベルを正常化する活性が抗高脂血症活性を有する、請求項1〜5のいずれかに記載の薬学組成物。
  7. 前記抗高脂血症活性が、VLDL、IDL、LDL、またはこれらの組合せのレベルを少なくとも10%減少させる、請求項6に記載の薬学組成物。
  8. 前記抗高脂血症活性が、HDLのレベルを例えば少なくとも2%増加させる、請求項7に記載の薬学組成物。
  9. 前記脂質レベルを正常化する活性が、炎症誘発性プロスタグランジンのレベルを減少させる、請求項1〜8のいずれかに記載の薬学組成物。
  10. 前記炎症誘発性プロスタグランジンのレベルが少なくとも10%減少される、請求項9に記載の薬学組成物。
  11. 前記脂質レベルを正常化する活性が、PPARシグナル伝達経路を刺激する、請求項1〜10のいずれかに記載の薬学組成物。
  12. 前記PPARシグナル伝達経路が少なくとも10%刺激される、請求項11に記載の薬学組成物。
  13. 前記脂質レベルを正常化する活性が、マクロファージM1細胞のアポトーシスを誘導し、マクロファージM2細胞の分化を促進させ、またはこれらの両方を行う、請求項1〜12のいずれかに記載の薬学組成物。
  14. 前記脂質レベルを正常化する活性が、Th1細胞から放出されるインターフェロン・ガンマ(IFNγ)、腫瘍壊死因子アルファ(TNF-α)、インターロイキン12(IL-12)、もしくはこれらの組合せのレベルを減少させ、Th2細胞から放出されるIL-10のレベルを増加させ、またはこれらの両方を行う、請求項1〜13のいずれかに記載の薬学組成物。
  15. Th1細胞から放出されるIFNγ、TNF-α、IL-12、またはこれらの組合せのレベルが、少なくとも10%減少される、請求項14に記載の薬学組成物。
  16. Th2細胞から放出されるIL-10のレベルが、少なくとも10%増加される、請求項14に記載の薬学組成物。
  17. 前記脂質レベルを正常化する活性が、炎症誘発性分子のレベルを減少させる、請求項1〜16のいずれかに記載の薬学組成物。
  18. 前記炎症誘発性分子が、P物質(SP)、カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)、グルタミン酸、またはこれらの組合せを含む、請求項17に記載の薬学組成物。
  19. 前記治療化合物が、有機溶媒中で可溶性であることを示すlogP値を有する、請求項1〜18のいずれかに記載の薬学組成物。
  20. 前記治療化合物が、1.0より高いlogP値を有する、請求項1〜19のいずれかに記載の薬学組成物。
  21. 前記治療化合物が、2.0より高いlogP値を有する、請求項1〜19のいずれかに記載の薬学組成物。
  22. 前記治療化合物が、疎水性である極性表面積を有する、請求項1〜21のいずれかに記載の薬学組成物。
  23. 前記治療化合物が、8.0 nm2未満の極性表面積を有する、請求項1〜22のいずれかに記載の薬学組成物。
  24. 前記治療化合物が、6.0 nm2未満の極性表面積を有する、請求項1〜22のいずれかに記載の薬学組成物。
  25. 前記治療化合物が、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)を含む、請求項1〜24のいずれかに記載の薬学組成物。
  26. 前記NSAIDが、サリチル酸誘導体NSAID、p-アミノフェノール誘導体NSAID、プロピオン酸誘導体NSAID、酢酸誘導体NSAID、エノール酸誘導体NSAID、フェナム酸誘導体NSAID、非選択的シクロオキシゲナーゼ(COX)阻害剤、選択的シクロオキシゲナーゼ1(COX 1)阻害剤、選択的シクロオキシゲナーゼ2(COX 2)阻害剤、またはこれらの組合せを含む、請求項25に記載の薬学組成物。
  27. 前記治療化合物が、PPARγアゴニストを含む、請求項1〜26のいずれかに記載の薬学組成物。
  28. 前記PPARγアゴニストが、モナシン、イルベサルタン、テルミサルタン、ミコフェノール酸、レスベラトロール、デルタ(9)- テトラヒドロカンナビノール、カンナビジオール、クルクミン、シロスタゾール、ベンズブロマロン、6-ショウガオール、グリチルレチン酸、チアゾリジンジオン、NSAID、フィブラート、またはこれらの組合せを含む、請求項27に記載の薬学組成物。
  29. 前記治療化合物が、核受容体結合剤を含む、請求項1〜28のいずれかに記載の薬学組成物。
  30. 前記核受容体結合剤が、レチノイン酸受容体(RAR)結合剤、レチノイドX受容体(RXR)結合剤、肝臓X受容体(LXR)結合剤、ビタミンD結合剤、またはこれらの組合せを含む、請求項29に記載の薬学組成物。
  31. 前記治療化合物が、抗高脂血症剤を含む、請求項1〜30のいずれかに記載の薬学組成物。
  32. 前記抗高脂血症剤が、フィブラート、スタチン、トコトリエノール、ナイアシン、胆汁酸捕捉剤(レジン)、コレステロール吸収阻害剤、膵リパーゼ阻害剤、交感神経刺激アミン、またはこれらの組合せを含む、請求項31に記載の薬学組成物。
  33. 前記フィブラートが、ベザフィブラート、シプロフィブラート、クロフィブラート、ゲムフィブロジル、フェノフィブラート、またはこれらの組合せを含む、請求項31に記載の薬学組成物。
  34. 前記スタチンが、アトルバスタチン、フルバスタチン、ロバスタチン、ピタバスタチン、プラバスタチン、ロスバスタチン、シンバスタチン、またはこれらの組合せを含む、請求項31に記載の薬学組成物。
  35. 前記ナイアシンが、アシピモックス、ナイアシン、ニコチンアミド、ビタミンB3、またはこれらの組合せを含む、請求項31に記載の薬学組成物。
  36. 前記胆汁酸捕捉剤が、コレスチラミン、コレセベラム、コレスチポール、またはこれらの組合せを含む、請求項31に記載の薬学組成物。
  37. 前記コレステロール吸収阻害剤が、エゼチミブ、フィトステロール、ステロール、スタノール、またはこれらの組合せを含む、請求項31に記載の薬学組成物。
  38. 前記脂肪吸収阻害剤がオルリスタットを含む、請求項31に記載の薬学組成物。
  39. 前記交感神経刺激アミンが、クレンブテロール、サルブタモール、エフェドリン、プソイドエフェドリン、メタンフェタミン、アンフェタミン、フェニレフリン、イソプロテレノール、ドブタミン、メチルフェニデート、リスデキサンフェタミン、カシン、カチノン、メトカチノン、コカイン、ベンジルピペラジン(BZP)、メチレンジオキシピロバレロン(MDPV)、4-メチルアミノレックス、ペモリン、フェンメトラジン、プロピルヘキセドリン、またはこれらの組合せを含む、請求項31に記載の薬学組成物。
  40. 前記治療化合物が治療化合物のエステルを含む、請求項1〜39のいずれかに記載の薬学組成物。
  41. 前記治療化合物が、請求項25〜39のいずれかに記載の治療化合物のエステルを含む、請求項1〜40のいずれかに記載の薬学組成物。
  42. 前記薬学的に許容される溶媒は、約20% (v/v)未満である、請求項1〜41のいずれかに記載の薬学組成物。
  43. 前記薬学的に許容される溶媒が、薬学的に許容される極性非プロトン性溶媒、薬学的に許容される極性プロトン性溶媒、薬学的に許容される非極性溶媒、またはこれらの組合せを含む、請求項1〜42のいずれかに記載の薬学組成物。
  44. 前記薬学的に許容される溶媒が、薬学的に許容されるアルコールを含む、請求項1〜43のいずれかに記載の薬学組成物。
  45. 前記薬学的に許容されるアルコールが、非環式アルコール、一価アルコール、多価アルコール、不飽和脂肪族アルコール、脂環式アルコール、またはこれらの組合せを含む、請求項44に記載の薬学組成物。
  46. 前記薬学的に許容されるアルコールが、C1-20アルコールを含む、請求項44に記載の薬学組成物。
  47. 前記薬学的に許容されるアルコールが、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、1-ヘキサデカノール、またはこれらの組合せを含む、請求項44に記載の薬学組成物。
  48. 前記薬学的に許容される溶媒が、薬学的に許容されるアルコールと酸との薬学的に許容されるエステルを含む、請求項1〜47のいずれかに記載の薬学組成物。
  49. 前記薬学的に許容されるエステルが、酢酸メチル、酪酸メチル、ギ酸メチル、酢酸エチル、酪酸エチル、ギ酸エチル、酢酸プロピル、酪酸プロピル、ギ酸プロピル、酢酸ブチル、酪酸ブチル、ギ酸ブチル、酢酸イソブチル、酪酸イソブチル、ギ酸イソブチル、酢酸ペンチル、酪酸ペンチル、ギ酸ペンチル、1-ヘキサデシルアセテート、1-ヘキサデシルブチレート、1-ヘキサデシルホルマート、またはこれらの組合せを含む、請求項48に記載の薬学組成物。
  50. 前記薬学的に許容される溶媒が、薬学的に許容されるポリエチレングリコール(PEG)ポリマーを含む、請求項1〜49のいずれかに記載の薬学組成物。
  51. 前記薬学的に許容されるポリエチレングリコール(PEG)ポリマーが、約2,000 g/mol未満である、請求項50に記載の薬学組成物。
  52. 前記薬学的に許容されるポリエチレングリコール(PEG)ポリマーが、約2,000 g/mol超である、請求項50に記載の薬学組成物。
  53. 前記薬学的に許容される溶媒が、薬学的に許容されるグリセリドを含む、請求項1〜52のいずれかに記載の薬学組成物。
  54. 前記薬学的に許容されるグリセリドが、モノグリセリド、ジグリセリド、トリグリセリド、アセチル化モノグリセリド、アセチル化ジグリセリド、アセチル化トリグリセリド、またはこれらの組合せを含む、請求項53に記載の薬学組成物。
  55. 前記薬学的に許容される溶媒は、20℃において液体状である、請求項1〜54のいずれかに記載の薬学組成物。
  56. 前記薬学的に許容される溶媒は、20℃において固形状である、請求項1〜54のいずれかに記載の薬学組成物。
  57. 前記薬学的に許容される固形状の溶媒はメントールを含む、請求項56に記載の薬学組成物。
  58. 前記アジュバントは少なくとも80% (v/v)である、請求項1〜57のいずれかに記載の薬学組成物。
  59. 前記薬学的に許容されるアジュバントは20℃において液体状である、請求項1〜58のいずれかに記載の薬学組成物。
  60. 前記薬学的に許容されるアジュバントは20℃において固形状である、請求項1〜58のいずれかに記載の薬学組成物。
  61. 前記薬学的に許容されるアジュバントは、薬学的に許容される脂質を含む、請求項1〜60のいずれかに記載の薬学組成物。
  62. 前記薬学的に許容される脂質は、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、またはこれらの組合せを含む、請求項61に記載の薬学組成物。
  63. 前記薬学的に許容される脂質は、2つ以上の飽和または不飽和脂肪酸を含む、請求項61または62に記載の薬学組成物。
  64. 前記2つ以上の飽和または不飽和脂肪酸が、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、またはこれらの組合せを含む、請求項63に記載の薬学組成物。
  65. 前記不飽和脂肪酸が、20℃以下の融点を有する、請求項62〜64のいずれかに記載の薬学組成物。
  66. 前記不飽和脂肪酸は20℃において固形状である、請求項62〜64のいずれかに記載の薬学組成物。
  67. 前記不飽和脂肪酸はオメガ脂肪酸を含む、請求項62〜64のいずれかに記載の薬学組成物。
  68. 前記薬学的に許容される脂質は、薬学的に許容される油を含む、請求項61に記載の薬学組成物。
  69. 前記薬学的に許容される油は、アーモンド油、アラキス油、アボカド油、カノーラ油、ヒマシ油、ヤシ油、トウモロコシ油、綿実油、ブドウ種子油、へーゼルナッツ油、麻油、亜麻仁油、オリーブ油、パーム油、ピーナッツ油、ナタネ油、米糠油、ベニバナ油、ゴマ油、大豆油(soybean oil)、大豆油(soya oil)、ヒマワリ油、クルミ油、コムギ胚芽油、またはこれらの組合せを含む、請求項68に記載の薬学組成物。
  70. 薬学的に許容される安定化剤をさらに含む、請求項1〜69のいずれかに記載の薬学組成物。
  71. 前記薬学的に許容される安定化剤は、水、脂肪酸成分と酢酸とを含む犠牲酸、酢酸エチル、酢酸ナトリウム/酢酸、モノグリセリド、アセチル化モノグリセリド、ジグリセリド、アセチル化モノグリセリド、アセチル化ジグリセリド、脂肪酸、脂肪酸塩、またはこれらの組合せを含む、請求項70に記載の薬学組成物。
  72. 前記薬学的に許容される安定化剤は、薬学的に許容される乳化剤を含む、請求項70に記載の薬学組成物。
  73. 前記薬学的に許容される乳化剤は、界面活性剤、多糖類、レクチン、リン脂質、またはこれらの組合せを含む、請求項72に記載の薬学組成物。
  74. 薬学的に許容される乳化剤を含まない、請求項1〜71のいずれかに記載の薬学組成物。
  75. 薬学組成物の形成を可能とする条件下で、治療化合物を薬学的に許容されるアジュバントに接触させる工程を含む、薬学組成物を調製する方法。
  76. a) 治療化合物が薬学的に許容される溶媒に溶解することを可能とする条件下で、前記薬学的に許容される溶媒を前記治療化合物に接触させることによって溶液を形成する工程であって、前記治療化合物は抗炎症活性を有する工程、および、b) 工程(a)で形成された溶液を、薬学組成物の形成を可能とする条件下で、薬学的に許容されるアジュバントに接触させる工程を含む、薬学組成物を調製する方法。
  77. a) 治療化合物が薬学的に許容される溶媒に溶解することを可能とする条件下で、前記薬学的に許容される溶媒を前記治療化合物に接触させることによって溶液を形成する工程であって、前記治療化合物は抗炎症活性を有する工程、および、b) 工程(a)で形成された溶液を、薬学組成物の形成を可能とする条件下で、薬学的に許容されるアジュバントに接触させる工程を含み、前記薬学的に許容される溶媒と薬学的に許容されるアジュバントとの比が約0:1〜約1:25の範囲内である、薬学組成物を調製する方法。
  78. 前記治療化合物が、有機溶媒中で可溶性であることを示すlogP値を有する、請求項75〜77のいずれかに記載の方法。
  79. 前記治療化合物が、1.0より高いlogP値を有する、請求項75〜78のいずれかに記載の方法。
  80. 前記治療化合物が、2.0より高いlogP値を有する、請求項75〜78のいずれかに記載の方法。
  81. 前記治療化合物が、疎水性である極性表面積を有する、請求項75〜80のいずれかに記載の方法。
  82. 前記治療化合物が、8.0 nm2未満の極性表面積を有する、請求項75〜81のいずれかに記載の方法。
  83. 前記治療化合物が、6.0 nm2未満の極性表面積を有する、請求項75〜81のいずれかに記載の方法。
  84. 前記治療化合物が、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)を含む、請求項75〜83のいずれかに記載の方法。
  85. 前記NSAIDが、サリチル酸誘導体NSAID、p-アミノフェノール誘導体NSAID、プロピオン酸誘導体NSAID、酢酸誘導体NSAID、エノール酸誘導体NSAID、フェナム酸誘導体NSAID、非選択的シクロオキシゲナーゼ(COX)阻害剤、選択的シクロオキシゲナーゼ1(COX 1)阻害剤、選択的シクロオキシゲナーゼ2(COX 2)阻害剤、またはこれらの組合せを含む、請求項84に記載の方法。
  86. 前記治療化合物が、PPARγアゴニストを含む、請求項75〜85のいずれかに記載の方法。
  87. 前記PPARγアゴニストが、モナシン、イルベサルタン、テルミサルタン、ミコフェノール酸、レスベラトロール、デルタ(9)- テトラヒドロカンナビノール、カンナビジオール、クルクミン、シロスタゾール、ベンズブロマロン、6-ショウガオール、グリチルレチン酸、チアゾリジンジオン、NSAID、フィブラート、またはこれらの組合せを含む、請求項86に記載の方法。
  88. 前記治療化合物が、核受容体結合剤を含む、請求項75〜87のいずれかに記載の方法。
  89. 前記核受容体結合剤が、レチノイン酸受容体(RAR)結合剤、レチノイドX受容体(RXR)結合剤、肝臓X受容体(LXR)結合剤、ビタミンD結合剤、またはこれらの組合せを含む、請求項88に記載の方法。
  90. 前記治療化合物が、抗高脂血症剤を含む、請求項75〜89のいずれかに記載の方法。
  91. 前記抗高脂血症剤が、フィブラート、スタチン、トコトリエノール、ナイアシン、胆汁酸捕捉剤(レジン)、コレステロール吸収阻害剤、膵リパーゼ阻害剤、交感神経刺激アミン、またはこれらの組合せを含む、請求項90に記載の方法。
  92. 前記フィブラートが、ベザフィブラート、シプロフィブラート、クロフィブラート、ゲムフィブロジル、フェノフィブラート、またはこれらの組合せを含む、請求項91に記載の方法。
  93. 前記スタチンが、アトルバスタチン、フルバスタチン、ロバスタチン、ピタバスタチン、プラバスタチン、ロスバスタチン、シンバスタチン、またはこれらの組合せを含む、請求項91に記載の方法。
  94. 前記ナイアシンが、アシピモックス、ナイアシン、ニコチンアミド、ビタミンB3、またはこれらの組合せを含む、請求項91に記載の方法。
  95. 前記胆汁酸捕捉剤が、コレスチラミン、コレセベラム、コレスチポール、またはこれらの組合せを含む、請求項91に記載の方法。
  96. 前記コレステロール吸収阻害剤が、エゼチミブ、フィトステロール、ステロール、スタノール、またはこれらの組合せを含む、請求項91に記載の方法。
  97. 前記脂肪吸収阻害剤がオルリスタットを含む、請求項91に記載の方法。
  98. 前記交感神経刺激アミンが、クレンブテロール、サルブタモール、エフェドリン、プソイドエフェドリン、メタンフェタミン、アンフェタミン、フェニレフリン、イソプロテレノール、ドブタミン、メチルフェニデート、リスデキサンフェタミン、カシン、カチノン、メトカチノン、コカイン、ベンジルピペラジン(BZP)、メチレンジオキシピロバレロン(MDPV)、4-メチルアミノレックス、ペモリン、フェンメトラジン、プロピルヘキセドリン、またはこれらの組合せを含む、請求項91に記載の方法。
  99. 前記治療化合物が治療化合物のエステルを含む、請求項75〜98のいずれかに記載の方法。
  100. 前記治療化合物が、請求項78〜99のいずれかに記載の治療化合物のエステルを含む、請求項75〜99のいずれかに記載の方法。
  101. 前記薬学的に許容される溶媒は、約20% (v/v)未満である、請求項76〜100のいずれかに記載の方法。
  102. 前記薬学的に許容される溶媒が、薬学的に許容される極性非プロトン性溶媒、薬学的に許容される極性プロトン性溶媒、薬学的に許容される非極性溶媒、またはこれらの組合せを含む、請求項76〜101のいずれかに記載の方法。
  103. 前記薬学的に許容される溶媒が、薬学的に許容されるアルコールを含む、請求項76〜102のいずれかに記載の方法。
  104. 前記薬学的に許容されるアルコールが、非環式アルコール、一価アルコール、多価アルコール、不飽和脂肪族アルコール、脂環式アルコール、またはこれらの組合せを含む、請求項103に記載の方法。
  105. 前記薬学的に許容されるアルコールが、C1-20アルコールを含む、請求項103に記載の方法。
  106. 前記薬学的に許容されるアルコールが、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、1-ヘキサデカノール、またはこれらの組合せを含む、請求項103に記載の方法。
  107. 前記薬学的に許容される溶媒が、薬学的に許容されるアルコールと酸との薬学的に許容されるエステルを含む、請求項103に記載の方法。
  108. 前記薬学的に許容されるエステルが、酢酸メチル、酪酸メチル、ギ酸メチル、酢酸エチル、酪酸エチル、ギ酸エチル、酢酸プロピル、酪酸プロピル、ギ酸プロピル、酢酸ブチル、酪酸ブチル、ギ酸ブチル、酢酸イソブチル、酪酸イソブチル、ギ酸イソブチル、酢酸ペンチル、酪酸ペンチル、ギ酸ペンチル、1-ヘキサデシルアセテート、1-ヘキサデシルブチレート、1-ヘキサデシルホルマート、またはこれらの組合せを含む、請求項107に記載の方法。
  109. 前記薬学的に許容される溶媒が、薬学的に許容されるポリエチレングリコール(PEG)ポリマーである、請求項76〜108のいずれかに記載の方法。
  110. 前記薬学的に許容されるポリエチレングリコール(PEG)ポリマーが、約2,000 g/mol未満である、請求項109に記載の方法。
  111. 前記薬学的に許容されるポリエチレングリコール(PEG)ポリマーが、約2,000 g/mol超である、請求項109に記載の方法。
  112. 前記薬学的に許容される溶媒が、薬学的に許容されるグリセリドを含む、請求項76〜111のいずれかに記載の方法。
  113. 前記薬学的に許容されるグリセリドが、モノグリセリド、ジグリセリド、トリグリセリド、アセチル化モノグリセリド、アセチル化ジグリセリド、アセチル化トリグリセリド、またはこれらの組合せである、請求項112に記載の方法。
  114. 前記薬学的に許容される溶媒は、20℃において液体状である、請求項76〜113のいずれかに記載の方法。
  115. 前記薬学的に許容される溶媒は、20℃において固形状である、請求項76〜113のいずれかに記載の方法。
  116. 前記薬学的に許容される固形状の溶媒はメントールである、請求項113に記載の方法。
  117. 前記薬学的に許容されるアジュバントは少なくとも80% (v/v)である、請求項75〜116のいずれかに記載の方法。
  118. 前記薬学的に許容されるアジュバントは20℃において液体状である、請求項75〜117のいずれかに記載の方法。
  119. 前記薬学的に許容されるアジュバントは20℃において固形状である、請求項75〜117のいずれかに記載の方法。
  120. 前記薬学的に許容されるアジュバントは、請求項75〜119のいずれかに記載の方法。
  121. 前記薬学的に許容される脂質は、薬学的に許容される飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、またはこれらの組合せを含む、請求項120に記載の方法。
  122. 前記薬学的に許容される脂質は、2つ以上の薬学的に許容される飽和または不飽和脂肪酸を含む、請求項120または121に記載の方法。
  123. 前記2つ以上の薬学的に許容される飽和または不飽和脂肪酸が、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、またはこれらの組合せを含む、請求項122に記載の方法。
  124. 前記薬学的に許容される不飽和脂肪酸が、20℃以下の融点を有する、請求項121〜123のいずれかに記載の方法。
  125. 前記薬学的に許容される不飽和脂肪酸は20℃において固形状である、請求項121〜123のいずれかに記載の方法。
  126. 前記薬学的に許容される不飽和脂肪酸はオメガ脂肪酸を含む、請求項121〜125のいずれかに記載の方法。
  127. 前記薬学的に許容される脂質は、薬学的に許容される油を含む、請求項120〜126のいずれかに記載の方法。
  128. 前記薬学的に許容される油は、アーモンド油、アラキス油、アボカド油、カノーラ油、ヒマシ油、ヤシ油、トウモロコシ油、綿実油、ブドウ種子油、へーゼルナッツ油、麻油、亜麻仁油、オリーブ油、パーム油、ピーナッツ油、ナタネ油、米糠油、ベニバナ油、ゴマ油、大豆油(soybean oil)、大豆油(soya oil)、ヒマワリ油、クルミ油、コムギ胚芽油、またはこれらの組合せを含む、請求項127に記載の方法。
  129. 前記工程(b)において、前記薬学的に許容される溶媒と薬学的に許容されるアジュバントとの比が約0:1〜約1:25の範囲内である、請求項76または78〜128のいずれかに記載の方法。
  130. 前記工程(a)は、薬学的に許容される安定化剤を前記薬学的に許容される溶媒と前記治療化合物とに接触させることをさらに含む、請求項75〜129のいずれかに記載の方法。
  131. 前記薬学的に許容される安定化剤は、水、脂肪酸成分と酢酸とを含む犠牲酸、酢酸エチル、酢酸ナトリウム/酢酸、モノグリセリド、アセチル化モノグリセリド、ジグリセリド、アセチル化モノグリセリド、アセチル化ジグリセリド、脂肪酸、脂肪酸塩、またはこれらの組合せを含む、請求項130に記載の方法。
  132. 前記薬学的に許容される安定化剤は、薬学的に許容される乳化剤を含む、請求項130または131に記載の方法。
  133. 前記薬学的に許容される乳化剤は、界面活性剤、多糖類、レクチン、リン脂質、またはこれらの組合せを含む、請求項132に記載の方法。
  134. 薬学的に許容される乳化剤を含まない、請求項75〜131のいずれかに記載の方法。
  135. 前記薬学的に許容される溶媒を前記薬学組成物から除去することをさらに含む、請求項76〜134のいずれかに記載の方法。
  136. 前記薬学的に許容される溶媒の少なくとも5%が前記薬学組成物から除去される、請求項135に記載の方法。
  137. 本明細書に開示される薬学組成物からの溶媒の除去は、20℃より低い温度において行われる、請求項135または136に記載の方法。
  138. 調製される前記薬学組成物が、請求項1〜74のいずれかに記載のものである、請求項75〜137のいずれかに記載の方法。
  139. 請求項1〜74のいずれかに記載の薬学組成物を、それを必要とする個体に投与する工程であって、投与が心血管疾患に関連する症状の低減をもたらし、それによって前記個体を治療する工程を含む、心血管疾患を有する個体を治療する方法。
  140. 心血管疾患の治療用の医薬の製造における、請求項1〜74のいずれかに記載の薬学組成物の使用。
  141. 心血管疾患の治療のための、請求項1〜74のいずれかに記載の薬学組成物の使用。
  142. 前記心血管疾患は、高脂血症、冠動脈心疾患、アテローム性動脈硬化症、末梢血管疾患、心筋症、血管炎、炎症性心疾患、虚血性心疾患、うっ血性心不全、高血圧性心疾患、心臓弁膜症、高血圧症、心筋梗塞、糖尿病性心臓異常、動脈瘤、塞栓症、切開、偽動脈瘤、血管奇形、血管性母斑、血栓症、静脈瘤、または脳卒中と関連するものである、請求項139に記載の方法または請求項140もしくは141に記載の使用。
  143. 前記高脂血症が、脂質異常症、高コレステロール血症、高グリセリド血症、高トリグリセリド血症、高リポタンパク血症または高カイロミクロン血症、および混合性高脂血症である、請求項142に記載の方法または使用。
  144. 前記高リポタンパク血症が、Ia型高リポタンパク血症、Ib型高リポタンパク血症、Ic型高リポタンパク血症、IIa型高リポタンパク血症、IIb型高リポタンパク血症、III型高リポタンパク血症、IV型高リポタンパク血症、およびV型高リポタンパク血症である、請求項143に記載の方法または使用。
  145. 前記血管閉塞性疾患(VOD)はアテローム性動脈硬化症、末梢血管疾患、または狭窄症である、請求項142に記載の方法または使用。
  146. 前記心筋症は、外因性心筋症または内因性心筋症である、請求項142に記載の方法または使用。
  147. 前記外因性心筋症は、先端巨大症、アルコール性心筋症、アミロイド症、シャーガス病、化学療法、糖尿病性心筋症、血色素症、高血圧性心筋症、甲状腺機能亢進症、炎症性心筋症、虚血性心筋症、筋ジストロフィー、心臓弁心筋症、全身性代謝疾患に伴って二次的に生じる心筋症、全身性栄養疾患に伴って二次的に生じる心筋症、冠動脈疾患、または先天性心疾患である、請求項146に記載の方法または使用。
  148. 前記内因性心筋症は、拡張型心筋症(DCM)、肥大型心筋症(HCMまたはHOCM)、不整脈原性右室心筋症(ARVC)、拘束型心筋症(RCM)、非圧縮心筋症、孤立性心室心筋非圧縮、ミトコンドリア筋症、たこつぼ型心筋症、およびレフラー心内膜炎である、請求項146に記載の方法または使用。
  149. 前記血管炎が、バージャー病、動脈炎、脳血管炎、チャーグ・ストラウス動脈炎、クリオグロブリン血症、本態性クリオグロブリン血管炎、巨細胞動脈炎、ゴルファーの血管炎、ヘノッホ・シェーンライン紫斑病、過敏性血管炎、川崎病、静脈炎、顕微鏡的多発動脈炎/多発性血管炎、結節性多発動脈炎、リウマチ性多発筋痛症(PMR)、リウマチ性血管炎、高安動脈炎、血栓性静脈炎、ウェゲナー肉芽腫症、または結合組織障害に伴って二次的に生じる血管炎、もしくはウイルス感染に伴って二次的に生じる血管炎である、請求項142に記載の方法または使用。
  150. 前記結合組織障害に伴って二次的に生じる血管炎は、全身性エリテマトーデス(SLE)、関節リウマチ(RA)、再発性多発性軟骨炎、またはベーチェット病である、請求項149に記載の方法または使用。
  151. 前記炎症性心疾患が、心内膜炎、炎症性心拡大、または心筋炎である、請求項142に記載の方法または使用。
  152. 前記請求項1〜74に記載の治療化合物を含む薬学組成物は、個体に投与されると、前記薬学的に許容されるアジュバントを有しないこと以外はそれと同一である薬学組成物に含まれる治療化合物の体内分布とは異なる治療化合物体内分布をもたらす、請求項139もしくは142〜151に記載の方法または請求項140〜151に記載の使用。
  153. 前記請求項1〜74に記載の薬学組成物の治療化合物のうち、個体に投与されるとマクロファージに送達されるものの量は、投与される薬学組成物中に含まれる治療化合物の総量の少なくとも5%である、請求項139もしくは142〜152に記載の方法または請求項140〜152に記載の使用。
  154. 前記請求項1〜74に記載の薬学組成物は、個体に投与されると、前記薬学的に許容されるアジュバントを有しないこと以外はそれと同一である薬学組成物の場合と比較して、腸刺激を少なくとも5%低減させる、請求項139もしくは142〜153に記載の方法または請求項140〜153に記載の使用。
  155. 前記請求項1〜74に記載の薬学組成物は、個体に投与されると、前記薬学的に許容されるアジュバントを有しないこと以外はそれと同一である薬学組成物の場合と比較して、胃刺激を少なくとも5%低減させる、請求項139もしくは142〜154に記載の方法または請求項140〜154に記載の使用。
  156. 本明細書に記載される薬学組成物。
  157. 本明細書に記載される薬学組成物の調製方法。
  158. 本明細書に記載される薬学組成物の調製方法により調製された本明細書に記載される薬学組成物。
  159. 本明細書に記載される薬学組成物の調製方法による、本明細書に記載される心血管疾患を有する個体の治療方法。
  160. 心血管疾患の治療用の医薬の製造における本明細書に記載される薬学組成物の使用。
  161. 心血管疾患の治療のための本明細書に記載される薬学組成物の使用。
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