JP2014506873A - 分離方法のための組成物 - Google Patents

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Abstract

本発明は一般に分離及び変換の技術の分野に関するものであり、さらに詳しくは
接線流濾過技法で使用するための材料に関する。接線流材料は、逆浸透、精密濾過、限外濾過又はナノ濾過の半透過性濾過膜に頼るものを含む広範囲の分離及び変換の工程に有用であり、接線流濾過で使用するためのバイオポリマー粒子を含む種々の標的物質を精製する又は作出するための効率的な方法を提供する。
【選択図】図1A

Description

本発明は一般に分離及び変換技術の分野に関するものであり、さらに詳しくは、接線流濾過技法で使用するための材料に関する。接線流材料は、逆浸透、精密濾過、限外濾過又はナノ濾過半透過濾過膜に頼るものを含む広範囲の分離及び変換の方法に有用であり、種々の標的物質を精製する又は作出するための効率的な方法を提供する。
望ましくない物質、たとえば、複雑な組成物からの望ましい標的物質の分離は、食品、化学物質、医薬品、並びにたとえば、細胞、ウイルス、ポリペプチド、ポリヌクレオチド及び代謝産物のような生物製剤を含む多数の重要な物品の作出における基本的な工程である。同様に、たとえば、前駆体物質からの標的物質の濃縮又は分離と任意で併せた、たとえば、酵素変換による1以上の前駆体物質からの標的物質への変換は多数の作出方法の基本的な工程である。
結果として、望ましい標的物質の効率的な分離及び作出を可能にする方法及び技術を開発する大量の支出があった。たとえば、別の脂質又は1以上の溶解した若しくは懸濁した固形物のような第2の成分から1以上の望ましい物質、通常1以上の脂質を分離するための、たとえば、逆浸透(RO)、精密濾過(MF)、限外濾過(UF)及びナノ濾過(NF)の技法が長年にわたって開発されてきた。
最も一般的に使用されているのは、樹脂粒子が層に充填され、標的分子を含有する溶液がカラムを通過し、標的が樹脂に結合する充填層クロマトグラフィである。この方法の特定の難題は、不規則な流路の形成である。これらの不規則な流路は標的の効率的な精製を妨げると共に樹脂の効率的な清浄化を妨げ、それによって混入の可能性を創ってしまう。
モノクローナル抗体の作出では、たとえば、10倍過剰の樹脂で層を充填することが不規則な流路の課題に対処し得ることが提案されている。明らかに、そのような提案を採用するにはコストと効率性の結果が存在する。利用可能な媒体すべてにアクセスする系では、必要とされる樹脂の量を減らすことが可能なので、作出コストが下げられる。
不規則な流路のリスクを下げる解決の1つはカラムの操作圧を下げることである。これは流路形成のリスクを下げる所望の効果を有する一方で、加工時間が増すという否定的な結果を有する。
半透過性の膜面の表面を流れが横切り、濃縮した流れが通常供給流路の下流で取り出される接線流(直交流とも呼ばれる)濾過工程はこれらの課題の一部に対処する可能性を有する。これらの及び他の濾過工程で使用するために種々の半透過性の膜が開発されている。
既存の接線流技法は、特定の分離を達成するには満足が行く一方で、複雑な原材料からの、たとえば、ポリペプチドのような特定の標的物質の調製又は分離に適用するにはあまり適していない。高レベルの粒子状物質を有する原料液又は粒子を利用する濾過法は、通常、それらがゲル層を形成し又はさもなければフィルター膜を遮断する若しくはそれに付着し、それによって効率性を下げ得るので、接線流濾過における提供には一般に不向きである。この問題を解決する試みは大型の硬質粒子(100〜300ミクロンの桁)の使用に着目した。大きなサイズと硬質性は汚染のリスク又は程度を減らす一方で、体積に対する表面積の比の低下は標的に対する結合部位の低下を提示し、さらに多くの樹脂を必要とする。
本発明の目的は、上記短所の一部を克服し、又は少なくとも改善して、特に接線流濾過による標的物質の調製及び精製のための改善された組成物及び方法を提供し、又は少なくとも有用な選択肢を公衆に提供することである。
本発明の他の目的は例を目的としてのみ提供される以下の記載から明らかになり得る。
本発明は、原料物質から1以上の標的物質を調製する方法に関するものであり、該方法は、非晶性ポリマー粒子が1以上の標的物質又は1以上の標的物質の前駆体又は1以上の混入物質に結合するのを可能にするのに十分な時間、非晶性ポリマー粒子の集団を原料物質と接触させることと、粒子に結合した標的物質若しくはその前駆体から1以上の混入物質を、又は粒子に結合した混入物質から1以上の標的物質若しくはその前駆体を接線流濾過によって分離することと、標的物質を回収することを含む。
一実施形態では、非晶性ポリマー粒子の集団は均質な集団である。別の実施形態では、非晶性ポリマー粒子の集団は不均質な集団である。
一実施形態では、非晶性ポリマー粒子の1以上は、ポリエステル、ポリエステル、ポリチオエステル又はポリヒドロキシアルカノエートから選択される1以上のバイオポリマーを含む。
一実施形態では、非晶性ポリマー粒子の1以上は、粒子形成タンパク質によって合成される又は合成されることが可能である。一実施形態では、ポリマー粒子の集団の実質的にすべてが粒子形成タンパク質によって合成される又は合成されることが可能である。
一実施形態では、非晶性ポリマー粒子の1以上は、ポリマーシンターゼ又はポリマーシンターゼ融合体のようなポリマー粒子形成タンパク質を含む。
一実施形態では、標的物質の回収はポリマー粒子からの溶出による。一実施形態では、標的物質の回収は接線流濾過の透過液の回収による。一実施形態では、標的物質の回収は接線流濾過のリテンテートの回収による。
従って、態様の1つでは、本発明は、原料物質から1以上の標的物質を分離する又は精製する方法を提供し、該方法は、1以上のポリマー粒子が1以上の標的物質を結合するのを可能にするのに十分な時間、原料物質をポリマー粒子の集団と接触させることと、粒子に結合した標的物質を接線流濾過によって1以上の混入物質から分離することと、標的物質を回収することを含み、ポリマー粒子の1以上は、
・ポリエステル、ポリチオエステル又はポリヒドロキシアルカノエートから選択されるバイオポリマー又は、
・たとえば、ポリマーシンターゼ又はポリマーシンターゼ融合体のようなポリマー粒子形成タンパク質、又は
・上記の双方を含む。
従って、別の態様では、本発明は、原料物質から1以上の標的物質を分離する又は精製する方法を提供し、該方法は、1以上のポリマー粒子が1以上の混入物質を結合するのを可能にするのに十分な時間、原料物質をポリマー粒子の集団と接触させることと、粒子に結合した混入物質から接線流濾過によって1以上の標的物質を分離することと、標的物質を回収することを含み、ポリマー粒子の1以上は、
・ポリエステル、ポリエステル、ポリチオエステル又はポリヒドロキシアルカノエートから選択されるバイオポリマー又は、
・たとえば、ポリマーシンターゼ又はポリマーシンターゼ融合体のようなポリマー粒子形成タンパク質、又は
・上記の双方を含む。
別の態様では、本発明は、1以上の反応生成物を調製する方法を提供し、該方法は、1以上の反応基質の所望の分画に1以上のポリマー粒子が結合するのを可能にするのに十分な時間、1以上の反応基質を含む原料物質を接線流濾過によって1以上のポリマー粒子と接触させることと、任意で、接線流濾過によってポリマー粒子から1以上の混入物質を分離することと、反応生成物を回収することを含み、1以上のポリマー粒子は反応の触媒を含み、ポリマー粒子の1以上は、
・ポリエステル、ポリエステル、ポリチオエステル又はポリヒドロキシアルカノエートから選択されるバイオポリマー又は、
・たとえば、ポリマーシンターゼ又はポリマーシンターゼ融合体のようなポリマー粒子形成タンパク質、又は
・上記の双方を含む。
本発明はさらに、原料物質から標的物質を分離するための精製方法を提供し、該方法は、(a)原料物質を提供することと、(b)少なくとも1つの半透過性フィルターによって前記原料物質を接線流濾過することと、(c)標的物質を回収することを含み、原料物質の1以上、半透過性フィルター、又は前記接線流濾過で使用される1以上の溶液が1以上のポリマー粒子を含み、1以上のポリマー粒子が標的物質を結合するのが可能であるリガンドを含み、ポリマー粒子の1以上が、
(i)ポリエステル、ポリチオエステル又はポリヒドロキシアルカノエートから選択されるバイオポリマー;又は
(ii)たとえば、ポリマーシンターゼ又はポリマーシンターゼ融合体のようなポリマー粒子形成ポリペプチド;又は
(iii)ポリマー粒子結合ポリペプチド;
(iv)ポリペプチド融合パートナー;
(v)親和性リガンド;
(vi)酵素;
(vii)上記の2以上を含む融合ポリペプチド;又は
(viii)上記(i)〜(vii)の2以上の任意の組み合わせを含む。
従って、例となる一実施形態では、本発明は、1以上の抗体を精製するための精製方法を提供し、それは、1以上の抗体を含む原料物質を提供することと、1以上のポリマー粒子を含む少なくとも1つの半透過性のフィルターによって前記原料物質を接線流濾過することと、抗体を回収することを含み、1以上のポリマー粒子は抗体を結合することが可能であるリガンドを含む。
従って、例となる別の実施形態では、本発明は、1以上のポリマー粒子を精製するための精製方法を提供し、それは、1以上のポリマー粒子を含む原料物質を提供することと、少なくとも1つの半透過性のフィルターによって前記原料物質を接線流濾過することを含み、ポリマー粒子の1以上は、
・ポリエステル、ポリエステル、ポリチオエステル又はポリヒドロキシアルカノエートから選択されるバイオポリマー又は、
・たとえば、ポリマーシンターゼ又はポリマーシンターゼ融合体のようなポリマー粒子形成タンパク質、又は
・上記の双方を含む。
さらなる態様では、本発明は、
・ポリエステル、ポリエステル、ポリチオエステル又はポリヒドロキシアルカノエートから選択されるバイオポリマー又は、
・たとえば、ポリマーシンターゼ又はポリマーシンターゼ融合体のようなポリマー粒子形成タンパク質、又は
・上記の双方を含む
ポリマー粒子を提供し、
その際、融合ポリペプチドの1以上は、Streptococcus spp由来のプロテインGのGB1ドメインである又はそれを含む。
ポリマー粒子形成ポリペプチド及びStreptococcus spp由来のプロテインGの1以上のGB1ドメインを含む融合ポリペプチド。
一実施形態では、融合ポリペプチドは配列番号4の12以上の隣接するヌクレオチドを含むポリヌクレオチド配列によってコードされるGB1ドメインである又はそれを含む。別の実施形態では、融合ポリペプチドは配列番号4の12以上の隣接するヌクレオチドを含むポリヌクレオチド配列によってコードされるポリペプチドである又はそれを含む。
一実施形態では、前記ポリマー粒子は、ポリマー粒子湿重量のg当たり30mgを超える免疫グロブリンの免疫グロブリン結合能を有する。
一実施形態では、結合能は、少なくとも約35mgの免疫グロブリン/ポリマー粒子湿重量のg、約40mgの免疫グロブリン/ポリマー粒子湿重量のg、約45mgの免疫グロブリン/ポリマー粒子湿重量のg、約50mgの免疫グロブリン/ポリマー粒子湿重量のg、約55mgの免疫グロブリン/ポリマー粒子湿重量のg、又は約60mgの免疫グロブリン/ポリマー粒子湿重量のgである。
一実施形態では、免疫グロブリンはIgGである。
さらなる態様では、本発明は接線流濾過で使用するための半透過性フィルターを作製する方法を提供し、該方法は、透過性又は半透過性の支持体を提供することと、1以上のポリマー粒子を支持体に結合させて半透過性フィルターを提供することを含み、ポリマー粒子の1以上は、
・ポリエステル、ポリエステル、ポリチオエステル又はポリヒドロキシアルカノエートから選択されるバイオポリマー又は、
・たとえば、ポリマーシンターゼ又はポリマーシンターゼ融合体のようなポリマー粒子形成タンパク質、又は
・上記の双方を含む。
さらなる態様では、本発明は、ポリマー粒子を調製する方法を提供し、ポリマー粒子の1以上は、
・ポリエステル、ポリエステル、ポリチオエステル又はポリヒドロキシアルカノエートから選択されるバイオポリマー又は、
・たとえば、ポリマーシンターゼ又はポリマーシンターゼ融合体のようなポリマー粒子形成タンパク質、又は
・上記の双方を含み、
該方法は、ポリマー粒子から1以上の混入物質を接線流濾過によって分離することと、ポリマー粒子を回収することを含む。
別の態様では、本発明は、原料物質から1以上のポリマー粒子を分離する又は精製する方法を提供し、該方法は、ポリマー粒子から1以上の混入物質を接線流濾過によって分離することと、1以上のポリマー粒子を回収することを含み、ポリマー粒子の1以上は、
・ポリエステル、ポリエステル、ポリチオエステル又はポリヒドロキシアルカノエートから選択されるバイオポリマー又は、
・たとえば、ポリマーシンターゼ又はポリマーシンターゼ融合体のようなポリマー粒子形成タンパク質、又は
・上記の双方を含む。
本発明はさらに、本明細書で記載されるような1以上のポリマー粒子を含む組成物、膜、フィルター及びフィルター装置(たとえば、フィルターカートリッジ)を提供する。そのような組成物、膜、フィルター及びフィルター装置は接線流濾過での使用に特に好適である。
以下の実施形態は上記態様のいずれかに関係し得る。
種々の実施形態では、ポリマー粒子の1以上は以下:
・ポリマー粒子結合ポリペプチド;
・ポリペプチド融合体の相手;
・親和性リガンド;
・酵素;
・上記の2以上を含む融合ポリペプチド;又は
・上記の2以上の組み合わせ
の1以上を含む。
種々の実施形態では、ポリマー粒子の実質的すべてが、
・ポリ−β−ヒドロキシ酸、バイオポリアセテート、バイオポリチオエステル、及びバイオポリエステルのようなバイオポリマー;又は
・たとえば、ポリマーシンターゼ又はポリマーシンターゼ融合体のようなポリマー粒子形成ポリペプチド、又は
・上記の双方を含む。
一実施形態では、ポリマー粒子形成ポリペプチドは粒子の表面に共有結合する。
一実施形態では、1以上のポリマー粒子はその表面上に提示される1以上のリガンドを含む。
一実施形態では、ポリマー粒子は、たとえば、半透過性の膜、樹脂、接線流フィルター、接線流フィルターカートリッジ等のような半透過性の支持体に結合する、それと会合する、又はそれを含む。
一実施形態では、原料物質は細胞溶解物である又はそれに由来する。一実施形態では、原料物質は試験管内でのタンパク質発現系を含むタンパク質発現系であり、又はそれに由来する。
一実施形態では、原料物質は乳製品又は乳加工ストリーム、ワイン又はビールの発酵を含む発酵物を含む食品である、又はそれに由来する。
一実施形態では、原料物質は、反応溶液、化学合成溶液、化学合成中間体等を含む溶液である。
一実施形態では、標的物質は、たとえば、組換えポリペプチド、抗体、酵素、ホルモン等を含むポリペプチドである。
一実施形態では、標的物質は、たとえば、組換え、ポリヌクレオチド、ベクター、オリゴヌクレオチド、たとえば、rRNA、mRNA、miRNA、siRNA又はtRNAのようなRNA分子、又はcDNAのようなDNA分子を含むポリヌクレオチドである。
一実施形態では、標的物質は、分泌される代謝産物を含む細胞性の代謝産物である。
種々の実施形態では、ポリマー粒子は、ポリエステル、ポリチオエステル又はポリヒドロキシアルカノエート(PHA)から選択されるバイオポリマーを含む。さらに好ましくは、ポリマーはポリヒドロキシアルカノエート、好ましくはポリ(3−ヒドロキシブチレート)(PHB)を含む。
種々の実施形態では、粒子を構成するポリマーは、ポリエステル、ポリチオエステル又はポリヒドロキシアルカノエート(PHA)から選択されるバイオポリマーから本質的に成る、又は成る。さらに好ましくは、ポリマーはポリヒドロキシアルカノエート、好ましくはポリ(3−ヒドロキシブチレート)(PHB)を含む。
種々の実施形態では、ポリマー粒子はリン脂質単層によって被包されるポリマー粒子を含む。
種々の実施形態では、ポリマーシンターゼはポリマー粒子又はリン脂質単層に結合し、又は双方に結合する。
種々の実施形態では、ポリマー粒子は2以上の異なる融合ポリペプチドを含む。
種々の実施形態では、ポリマー粒子はポリマー粒子の表面上で2以上の異なる融合ポリペプチドを含む。
種々の実施形態では、ポリマー粒子は3以上の異なる融合ポリペプチドを含み、たとえば、ポリマー粒子の表面上で3以上の異なる融合ポリペプチドを含む。
種々の実施形態では、ポリマー粒子はさらに、ポリマー粒子に結合する又はそれに組み入れられる少なくとも1つの物質、又はその組み合わせを含む。
種々の実施形態では、物質は架橋によってポリマー粒子に結合する。
種々の実施形態では、ポリマーシンターゼはポリマー粒子又はリン脂質単層に結合し、又は双方に結合する。
種々の実施形態では、ポリマーシンターゼは、それが形成するポリマー粒子に共有結合する又は非共有結合する。
種々の実施形態では、ポリマーシンターゼは、クラス1の属、Acinetobacter、Vibrio、Aeromonas、Chromobacterium、Pseudomonas、Zoogloea、Alcaligenes、Delftia、Burkholderia、Ralstonia、Rhodococcus、Gordonia、Rhodobacter、Paracoccus、Rickettsia、Caulobacter、Methylobacterium、Azorhizobium、Agrobacterium、Rhizobium、Sinorhizobium、Rickettsia、Crenarchaeota、Synechocystis、Ectothiorhodospira、Thiocapsa、Thyocystis及びAllochromatium、クラス2の属、Burkholderia及びPseudomonas、又はクラス4の属、Bacillusに由来する、さらに好ましくは、クラス1、Acinetobacter sp.RA3849、Vibrio cholerae、Vibrio parahaemolyticus、Aeromonas punctata FA440、Aeromonas hydrophila、Chromobacterium violaceum、Pseudomonas sp.61−3、Zoogloea ramigera、Alcaligenes latus、Alcaligenes sp.SH−69、Delftia acidovorans、Burkholderia sp.DSMZ9242、Ralstonia eutrophia H16、Burkholderia cepacia、Rhodococcus rubber PP2、Gordonia rubripertinctus、Rickettsia prowazekii、Synechocystis sp.PCC6803、Ectothiorhodospira shaposhnikovii N1、Thiocapsa pfennigii 9111、Allochromatium vinosum D、Thyocystis violacea 2311、Rhodobacter sphaeroides、Paracoccus denitrificans、Rhodobacter capsulatus、Caulobacter crescentus、Methylobacterium extorquens、Azorhizobium caulinodans、Agrobacterium tumefaciens、Sinorhizobium meliloti 41、Rhodospirillum rubrum HA、及びRhodospirillum rubrum ATCC25903、クラス2、Burkholderia caryophylli、Pseudomonas chloraphis、Pseudomonas sp.61−3、Pseudomonas putida U、Pseudomonas oleovorans、Pseudomonas aeruginosa、Pseudomonas resinovorans、Pseudomonas stutzeri、Pseudomonas mendocina、Pseudomonas pseudolcaligenes、Pseudomonas putida BM01、Pseudomonas nitroreducins、Pseudomonas chloraphis、並びにクラス4、Bacillus megaterium及びBacillus sp.INT005を含む群に由来するPHAシンターゼである。
他の実施形態では、ポリマーシンターゼは、グラム陰性及びグラム陽性の真正細菌、又は古細菌に由来するPHAポリマーシンターゼである。
種々の例では、ポリマーシンターゼは、それぞれ受入番号AY836680、AE004091、AB205104、AF109909、YP137339、AB049413及びAF150670を有するC.necator、P.aeruginosa、A.vinosum、B.megaterium、H.marismortui、P.aureofaciens又はP.putidaに由来するPHAポリマーシンターゼを含み得る。
本発明での使用に適するその他のポリマーシンターゼには、それぞれ以下の生物に由来し、その受入番号で特定されるR.eutropha(A34341)、T.pfennigii(X93599)、A.punctata(O32472)、Pseudomonas sp.61−3(AB014757及びAB014758)、R.sphaeroides(AAA72004)、C.violaceum(AAC69615)、A.borkumensis SK2(CAL17662)、A.borkumensis SK2(CAL16866)、R.sphaeroides KD131(ACM01571及びYP002526072)、R.opacus B4(BAH51880及びYP002780825)、B.multivorans ATCC17616(YP001946215及びBAG43679)、A.borkumensis SK2(YP693934及びYP693138)、R.rubrum(AAD53179)、gamma proteobacterium HTCC5015 (ZP05061661 and EDY86606)、 Azoarcus sp.BH72(YP932525)、C.violaceum ATCC 12472 (NP902459)、 Limnobacter sp.MED105(ZP01915838及びEDM82867)、M.algicola DG893(ZP01895922 and EDM46004)、 R. sphaeroides (CAA65833)、C.violaceum ATCC 12472(AAQ60457)、A.latus(AAD10274、AAD01209及びAAC83658)、S.maltophilia K279a(CAQ46418及びYP001972712)、R.solanacearum IPO1609(CAQ59975及びYP002258080)、B.multivorans ATCC 17616(YP001941448及びBAG47458)、Pseudomonas sp.gl13(ACJ02400)、Pseudomonas sp.gl06(ACJ02399)、 Pseudomonas sp.gl01(ACJ02398)、R.sp.gl32(ACJ02397)、R.leguminosarum bv. viciae 3841 (CAK10329 and YP770390)、Azoarcus sp.BH72(CAL93638)、Pseudomonas sp.LDC−5(AAV36510)、L.nitroferrum 2002(ZP03698179)、Thauera sp.MZ1T(YP002890098及びACR01721)、M.radiotolerans JCM2831(YP001755078及びACB24395)、Methylobacterium sp.4−46(YP001767769及びACA15335)、L.nitroferrum 2002(EEG08921)、P.denitrificans(BAA77257)、M.gryphiswaldense(ABG23018)、Pseudomonas sp.USM4−55(ABX64435及びABX64434)、A.hydrophila(AAT77261及びAAT77258)、Bacillus sp.INT005(BAC45232及びBAC45230)、P.putida(AAM63409及びAAM63407)、G.rubripertinctus(AAB94058)、B.megaterium(AAD05260)、D.acidovorans(BAA33155)、P.seriniphilus(ACM68662)、Pseudomonas sp.14−3(CAK18904)、Pseudomonas sp.LDC−5(AAX18690)、Pseudomonas sp.PC17(ABV25706)、Pseudomonas sp.3Y2(AAV35431、AAV35429及びAAV35426)、P.mendocina(AAM10546及びAAM10544)、P.nitroreducens(AAK19608)、P.pseudoalcaligenes(AAK19605)、P.resinovorans(AAD26367及びAAD26365)、Pseudomonas sp.USM7−7(ACM90523及びACM90522)、P.fluorescens(AAP58480)並びに他の非培養細菌(BAE02881、BAE02880、BAE02879、BAE02878、BAE02877、BAE02876、BAE02875、BAE02874、BAE02873、BAE02872、BAE02871、BAE02870、BAE02869、BAE02868、BAE02867、BAE0286、BAE02865、BAE02864、BAE02863、BAE02862、BAE02861、BAE02860、BAE02859、BAE02858、BAE02857、BAE07146、BAE07145、BAE07144、BAE07143、BAE07142、BAE07141、BAE07140、BAE07139、BAE07138、BAE07137、BAE07136、BAE07135、BAE07134、BAE07133、BAE07132、BAE07131、BAE07130、BAE07129、BAE07128、BAE07127、BAE07126、BAE07125、BAE07124、BAE07123、BAE07122、BAE07121、BAE07120、BAE07119、BAE07118、BAE07117、BAE07116、BAE07115、BAE07114、BAE07113、BAE07112、BAE07111、BAE07110、BAE07109、BAE07108、BAE07107、BAE07106、BAE07105、BAE07104、BAE07103、BAE07102、BAE07101、BAE07100、BAE07099、BAE07098、BAE07097、BAE07096、BAE07095、BAE07094、BAE07093、BAE07092、BAE07091、BAE07090、BAE07089、BAE07088、BAE07053、BAE07052、BAE07051、BAE07050、BAE07049、BAE07048、BAE07047、BAE07046、BAE07045、BAE07044、BAE07043、BAE07042、BAE07041、BAE07040、BAE07039、BAE07038、BAE07037、BAE07036、BAE07035、BAE07034、BAE07033、BAE07032、BAE07031、BAE07030、BAE07029、BAE07028、BAE07027、BAE07026、BAE07025、BAE07024、BAE07023、BAE07022、BAE07021、BAE07020、BAE07019、BAE07018、BAE07017、BAE07016、BAE07015、BAE07014、BAE07013、BAE07012、BAE07011、BAE07010、BAE07009、BAE07008、BAE07007、BAE07006、BAE07005、BAE07004、BAE07003、BAE07002、BAE07001、BAE07000、BAE06999、BAE06998、BAE06997、BAE06996、BAE06995、BAE06994、BAE06993、BAE06992、BAE06991、BAE06990、BAE06989、BAE06988、BAE06987、BAE06986、BAE06985、BAE06984、BAE06983、BAE06982、BAE06981、BAE06980、BAE06979、BAE06978、BAE06977、BAE06976、BAE06975、BAE06974、BAE06973、BAE06972、BAE06971、BAE06970、BAE06969、BAE06968、BAE06967、BAE06966、BAE06965、BAE06964、BAE06963、BAE06962、BAE06961、BAE06960、BAE06959、BAE06958、BAE06957、BAE06956、BAE06955、BAE06954、BAE06953、BAE06952、BAE06951、BAE06950、BAE06949、BAE06948、BAE06947、BAE06946、BAE06945、BAE06944、BAE06943、BAE06942、BAE06941、BAE06940、BAE06939、BAE06938、BAE06937、BAE06936、BAE06935、BAE06934、BAE06933、BAE06932、BAE06931、BAE06930、BAE06929、BAE06928、BAE06927、BAE06926、BAE06925、BAE06924、BAE06923、BAE06922、BAE06921、BAE06920、BAE06919、BAE06918、BAE06917、BAE06916、BAE06915、BAE06914、BAE06913、BAE06912、BAE06911、BAE06910、BAE06909、BAE06908、BAE06907、BAE06906、BAE06905、BAE06904、BAE06903、BAE06902、BAE06901、BAE06900、BAE06899、BAE06898、BAE06897、BAE06896、BAE06895、BAE06894、BAE06893、BAE06892、BAE06891、BAE06890、BAE06889、BAE06888、BAE06887、BAE06886、BAE06885、BAE06884、BAE06883、BAE06882、BAE06881、BAE06880、BAE06879、BAE06878、BAE06877、BAE06876、BAE06875、BAE06874、BAE06873、BAE06872、BAE06871、BAE06870、BAE06869、BAE06868、BAE06867、BAE06866、BAE06865、BAE06864、BAE06863、BAE06862、BAE06861、BAE06860、BAE06859、BAE06858、BAE06857、BAE06856、BAE06855、BAE06854、BAE06853及びBAE06852)に由来するポリマーシンターゼが挙げられる。
種々の実施形態では、ポリマーシンターゼは、基質(R)−ヒドロキシアシル-CoA又は他のCoAチオエステル又はその誘導体を重合する又はその重合を促進することによって試験管内でポリマー粒子を作出するのに使用することができる。
種々の実施形態では、基質又は基質の混合物は、少なくとも任意で置換されるアミノ酸、乳酸塩、エステル又は飽和若しくは不飽和の脂肪酸、好ましくはアセチル−CoAを含む。
種々の実施形態では、触媒は酵素である。代表例では、触媒は酵素であり、前駆体物質は酵素の基質であり、標的物質は酵素によって触媒される反応の生成物である。さらなる実施形態では、ポリマー粒子の集団は1を超える酵素を含み得る。特に熟考されるのは、ポリマー粒子の集団が、別の酵素、たとえば、2以上の酵素によって触媒される反応の生成物が合成経路又は触媒経路の一部又はすべてを含む2以上の酵素を含む実施形態である。
一実施形態では、1以上のポリマー粒子は透過性又は半透過性の支持体と永続的に結合する。別の実施形態では、1以上のポリマー粒子は透過性又は半透過性の支持体と可逆的に結合する。
種々の実施形態では、1以上のポリマー粒子は半透過性フィルターに共有結合又は非共有結合する。たとえば、1以上のポリマー粒子は半透過性の支持体又は膜に吸着される。別の例では、1以上のポリマー粒子は半透過性の支持体又は膜に結合することが可能であるリガンドを含む。
種々の実施形態では、半透過性の支持体は以下:ポリエーテルスルホン、PVDF、PP、PEES、HDPE(高密度ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)PET及びFEP(フッ素化エチレンプロピレン)の1以上を含む。別の実施形態では、半透過性の支持体は、たとえば、セルロース、誘導体化セルロース又は安定化セルロースを含む多糖類を含む。さらに別の実施形態では、半透過性の支持体は、1以上のセラミックを含む。
種々の実施形態では、半透過性フィルターは以下の構成:らせん状にねじれたもの、板及び枠、平坦なシート、中空の繊維、スピン円板、又は管状のものの1つである。その例はカセット又はカートリッジとして好都合に提供され得る。
種々の実施形態では、1以上のポリマー粒子は、以下:界面活性剤、PH調節剤、1以上の溶媒、1以上のカオトロピック、1以上の酵素及び1以上のチオールの1以上の存在下で接線流濾過によって調製され、分離され、又は精製される。たとえば、接線流濾過には、たとえば、酸又は塩基の処理のような化学処理が含まれる。種々の実施形態では、方法は、本明細書で例示されるような化学処理の1以上、たとえば、実施例12で例示される処理の1以上を含む。
種々の実施形態では、接線流濾過を用いて1以上の物質又は1以上のポリマー粒子を調製する、分離する又は精製する方法は、均質化、微少溶液操作、超音波処理、遠心分離又はそれらの組み合わせを含む、又はそれに先行する又はそれが続く。
種々の実施形態では、抗体に結合することが可能であるリガンドは、プロテインA、プロテインG、プロテインA/G、プロテインL、その組換え変異体、たとえば、プロテインAのZドメインのようなその機能的な組み合わせ断片を含むその機能的断片、及びたとえば、プロテインAのZドメインの隣接反復を含むZZドメインのようなその組み合わせを含む群から選択される。
本明細書で開示される数の範囲(たとえば、1〜10)はまたその範囲内の有理数すべて(たとえば、1、1.1、2、3、3.9、4、5、6、6.5、7、8、9及び10)及びその範囲内の有理数の任意の範囲(たとえば、2〜8、1.5〜5.5及び3.1〜4.7)に対する参照を組み入れるので、本明細書で明らかに開示される範囲すべての下位範囲すべてが本明細書によって明らかに開示されることが意図される。これらは、具体的に意図されるものの例にすぎず、最低値と最高値の間の数値の考えられる組み合わせすべてが同様に本出願で明らかに言及されるとみなされるべきである。
特許明細書、他の外部文書又は他の情報源を参照する本明細書では、これは一般に、本発明の特徴を議論するための背景を提供することを目的とする。具体的に言及されない限り、そのような外部文書に対する参照は、そのような文書又はそのような情報源がいかなる権限においても従来技術である又は当該技術で共通する一般的な知識の一部を形成するという了解として解釈されるべきではない。
本発明のさらなる態様及び利点は、例のみを目的として提供される確かなものにする記載から明らかになるであろう。
接線流濾過膜カートリッジを介して供給リザーバからのシステムにおける透過液の再循環を可能にする供給ポンプを利用する接線流濾過の模式図を示す図である。 例となる単純な接線流濾過システムの模式図を示す図である。 本発明の方法を用いて原料液から1以上の標的物質を精製する又は調製するのに使用され得る一般的な模式図を示す図である。 本発明の方法を用いて原料液から1以上の標的物質を精製する又は調製するのに使用され得る一般的な模式図を示す図である。 本発明の方法を用いて原料液から1以上の標的物質を精製する又は調製するのに使用され得る一般的な模式図を示す図である。 実施例にて本明細書で記載されるようにIgG免疫グロブリンの接線流濾過精製で使用されるZZPhaCポリマー粒子のポリマー粒子タンパク質プロファイル(クマシーブルー染色及び銀染色)のSDS/PAGE解析の写真を示す。レーン1:MWマーカー、レーン2:未濾過の顆粒、レーン3:100kDa濾過からのリテンテート、レーン4:0.1μmの濾過からのリテンテート、レーン3:0.2μmの濾過からのリテンテート。 実施例にて本明細書で記載されるようにIgG免疫グロブリンの接線流濾過精製で使用されるZZPhaCポリマー粒子のポリマー粒子タンパク質プロファイルのGC/MSスペクトルを示す図である。 実施例にて本明細書で記載されるようにIgG免疫グロブリンの接線流濾過精製で使用されるZZPhaCポリマー粒子のポリマー粒子タンパク質プロファイルのGC/MSスペクトルを示す図である。 実施例にて本明細書で記載されるようにIgG免疫グロブリンの接線流濾過精製で使用されるZZPhaCポリマー粒子のポリマー粒子タンパク質プロファイルのGC/MSスペクトルを示す図である。 実施例にて本明細書で記載されるようにIgG免疫グロブリンの接線流濾過精製で使用されるZZPhaCポリマー粒子のポリマー粒子タンパク質プロファイルのGC/MSスペクトルを示す図である。 実施例にて本明細書で記載されるように、原材料による透析濾過前(A)及び後(B)のZZポリマー粒子の透過電子顕微鏡像を示す図である。 BSAとIgGの混合物のTFF透析濾過からの透過液分画溶出プロファイルを示すグラフである。A5BSAはZドメインを含む本発明のポリマー粒子に結合せず、システムから容易に除かれた。リテンテートビーズを濃縮し、50mMのクエン酸、150mMの生理食塩水pH3.0で処理する際(分画13にて)、IgGはビーズから解放され、リテンテートから容易に透析濾過された。 実施例2にて本明細書で記載されるように、BSAからのヒトIgGのTFF分離からの透過液分画のSDS/PAGE解析を示す。図9Aは、最初のTFF280nmピークにおけるBSA含有分画の溶出を示す(1×PBS、pH7.4洗浄分画)。図9Bは、Zドメインのビーズを含む本発明のポリマー粒子の透析濾過の後のIgG含有分画のクエン酸(pH3.0)による溶出を示す。 実施例2にて本明細書で記載されるように、BSAからのヒトIgGのTFF分離からの透過液分画のSDS/PAGE解析を示す。図9Bは、Zドメインのビーズを含む本発明のポリマー粒子の透析濾過の後のIgG含有分画のクエン酸(pH3.0)による溶出を示す。 実施例3にて記載するように、プロテインG及びTFFからのGB1ドメインを含む本発明のポリマー粒子を用いたヤギ血清からのヤギIgGの精製を示す溶出分析結果を示す図である。1:10希釈した(PBSで)ヤギ血清の50mL懸濁液を、GB1ドメイン粒子を含む本発明のポリマー粒子の湿重量5gと共にインキュベートし、次いで透析濾過し(50cm2カートリッジ、0.1μm)、血清タンパク質を除いた。20mLに濃縮した後、150mMのNaCl中50mMのクエン酸ナトリウム、pH3.0に対して透析濾過する分画15にてIgGを溶出した。 ヤギ血清からのIgG精製のTFF透過液分画のSDS/PAGE解析を示す図である。図11AはTFFから溶出した銀染色した血清タンパク質を示す。 pH3.0でのクエン酸/生理食塩水で透析濾過した後TTFから溶出されたタンパク質を示すが、溶出分画ではIgG重鎖及びIgG軽鎖が優勢なタンパク質として明瞭に目に見えた。 実施例4にて記載するように、TFFと金結合ドメインを含む本発明のポリマー粒子とを用いた溶液からのコロイド状の金の除去の測定のグラフを示す。9mL/分の透過流量での20cm2、0.2μmの中空繊維精密濾過カートリッジを伴ったTFFシステムにて0.005%コロイド状の金の30mL懸濁液を再循環させた。8、13及び29分にて(*)、それぞれ30mg、300mg及び300mgの金結合ドメインを含む本発明のポリマー粒子がリテンテートに加えられた。透過液におけるコロイド状の金の吸収を520nmで測定した。 実施例5にて本明細書で記載するように、TFFを用いたアミラーゼ結合粒子が介在するデンプンの生体変換からのマルトースの回収のグラフを示す。2gのPolyEnzAmyビーズを用いて可溶性デンプン(300mL、1%、4%及び8%w/v)をマルトースに変換した。TFFによって懸濁液を濾過し、透過液にてマルトースを回収し、リテンテート分画にビーズを含有した。 実施例7に記載するように、TFFの間での有機リン酸ヒドロラーゼを結合した粒子によるメチルパラチオンのパラ−ニトロフェノールへの変換を示す図である。20cm2で0.2μmの中空繊維カートリッジを伴ったTFFシステムにてメチルパラチオン(200μM)の30mL溶液を再循環させた。同一条件下での生体変換の2サイクルを記録した。 実施例7にて本明細書で記載するように、TFF透析濾過を用いた有機リン酸ヒドロラーゼを結合した粒子の懸濁液からのパラ−ニトロフェノールの除去を示す図である。 実施例8にて本明細書で記載するように、細胞ホモジネートから直接採取したPHBポリマー粒子の精製のための簡略化した小型の交差流濾過の方法スキームの説明を示す図である。示量性の微少溶液操作を用いることによって高度に分散するホモジネート懸濁液を可能にするように戦略を設計する。均質化の後、DNA分解酵素とMgCl2を加えて濾過に先立ってDNA断片の大きさを小さくする。EDTAに大過剰のMgCl2を加えてDNA分解酵素を活性化する。TFFの間、8容の透析濾過緩衝液にてホモジネート懸濁液を透析濾過して宿主細胞のタンパク質及び核酸を取り除く。 本明細書の実施例9で記載されるように、250mLの粗精製の細胞ホモジネートの透過液溶出プロファイルTFFを示す図である。8透析濾過容量の20%EtOH中PBS/EDTAを用いて、110cm2で0.1μmの中空繊維カートリッジにて細胞ホモジネートでTFF精製を行った。 細胞ホモジネートのTFF精製からの透過液分画でのBradfordタンパク質アッセイのグラフを示す。 透過液分画のSDS/PAGEを示す図である。20μLアリコートの透過液分画1〜8(レーン3〜10)を15%ゲル上で流した(レーン1:分子量標準、レーン2:20μLの最終ビーズ懸濁液)。容積によって試料を負荷し、タンパク質含量について調整しなかった。 本明細書の実施例10で記載されるように、0.2%のデオキシコレートを伴ったTFFによって精製したPHB粒子の透過液分析を示す図である。指し示すように、記号は、12透析濾過容量にわたって回収した透過液分画のA260(△)及びA280(■)nmでの吸収測定を表し、測定したpH(○)も示す。8容の10mMトリス、10mMのEDTA、0.2%のデオキシコレート、pH11、次いで4容のpBS、pH7.4に対して粒子を透析濾過した。 本明細書の実施例10で記載されるように、TFF精製後のZドメインを含む本発明のポリマー粒子のIgG結合能のアッセイを示す図である。透析濾過後、0.2%のデオキシコレートを含有する溶液の範囲内で(表2)、PBS、pH7.4にて室温で30分間、50mgアリコートのビーズを5mgのヒトIgGと共にインキュベートした。インキュベート後、ポリマー粒子を遠心して未結合の分画を除き、次いでグリシン緩衝液、pH2.7で溶出してZドメインを含む本発明のポリマー粒子からIgGを溶出した。ポリマー粒子を再び遠心し、Bradfordタンパク質アッセイを用いて溶出上清における回収されたIgGを測定した。 実施例11にて本明細書で記載するように、開水路TFFシステムを用いた、GB1ドメインを含む本発明のポリマー粒子の透過液分析を示す図である。ルブロール抽出したPHBポリマー粒子をミリポアProstak−4stakシステムに負荷した。ビーズを懸濁して1.3リットルのリテンテートを創り、1リットルの透過液分画を回収し、解析した。 実施例11にて本明細書で記載するように、TFF精製後のZドメインを含む本発明のポリマー粒子のIgG結合能のアッセイを示す図である。グリセロール勾配又はTFF/ルブロール法のいずれかから精製した後、PBS、pH7.4にて室温で30分間、50mgアリコートのビーズを5mgのヒトIgGと共にインキュベートした。インキュベート後、ポリマー粒子を遠心して未結合の分画を除き、次いでグリシン緩衝液、pH2.7で溶出してポリマー粒子からIgGを溶出した。ポリマー粒子を再び遠心し、Bradfordタンパク質アッセイを用いて溶出上清における回収されたIgGを測定した。 細胞抽出物におけるZドメインを含む本発明のポリマー粒子からの宿主細胞のタンパク質/核酸の除去及び残った結合活性に対する種々の抽出剤の効果を示すグラフである。PBS、20%(必要に応じて)で希釈したバッチ洗浄上清におけるA260nmとA280nmの吸収結果を示す。 細胞抽出物におけるZドメインを含む本発明のポリマー粒子からの宿主細胞のタンパク質/核酸の除去及び残った結合活性に対する種々の抽出剤の効果を示すグラフである。IgGの結合活性を示すが、その際、粗精製のポリマー粒子ペレットをPBSで1回洗浄し、15,000×gで20分間遠心し、水気を切ったペレットを秤量し、重量で標準化したIgG結合活性を確定した。 細菌バイオマスからPHBポリマー粒子を精製するための自由自在な規模のスキームを示す図である。 実施例14にて本明細書で記載するように、SDS界面活性剤抽出によるPHBポリマー粒子からの宿主細胞バイオマスの除去を示す図である。2つの別々の複製サブバッチのバイオマス(1.1〜1.2kg)を2.7リットルの0.08%SDS、25mMトリス、10mMのEDTA、pH11に懸濁し、微少溶液操作を行った。溶解緩衝液、10mMのチオグリセロール及び0.1MのNaOHにて順次化学洗浄を2.7L、1L及び1L容量でそれぞれ行った。各操作工程で粗精製ポリマー粒子の湿重量を測定した。 実施例14にて本明細書で記載するように、SDSに基づくTFF精製工程で精製したZドメインを含む本発明のポリマー粒子の透過液分析を示す図である。システムにて3.2stakモジュールを伴うミリポアProstakシステム(0.41m2)にSDS抽出したPHBビーズを負荷した。ビーズを懸濁して2リットルのリテンテート分画及び2リットルの透過液分画を創り、次いで回収し、260、280、600nmの吸収及びpHについて解析した。 実施例14で記載するように、SDSに基づいたTFF工程で精製したPHBビーズのSDS/PAGE解析を示す図である。5μLの試料緩衝液と20μLの試料のアリコート(25μL)を8〜15%勾配のゲルに負荷した。記号を付けた試料は、1:MWマーカー、2:粗精製の細胞溶解物、3:溶解後のポリマー粒子、4:溶解緩衝液(SDS)で洗浄した後のポリマー粒子、5:チオグリセロール洗浄後のポリマー粒子、6:NaOH洗浄後(TFFの前)のポリマー粒子、7:TFF精製後のポリマー粒子である。
本発明は、接線流濾過技法で使用するための方法及び組成物に関する。接線流濾過は、原材料を膜に向かって接線方向に流す(全量濾過における膜に実質的に垂直であることとは対照的に)分離技術である。接線流は、膜を差次的に横切る圧力を創る。その結果、一部の粒子が膜を通過する一方で、他の粒子は膜を横切って流れ続け(図1を参照)、それは場合によっては膜をきれいにするのに役立つ。全量濾過と比べた場合、接線流は一般に濾過ケーキへの粒子の集積を遅くする。接線流濾過システムによって実現される他の利益は、当業者に周知であり、高い液体体積容量、高い標的物質結合能、ポリマー粒子の再生の容易さが挙げられる。
定義
本明細書で使用されるとき、用語「非晶性ポリマー」は、分子鎖の不規則な配置にもかかわらず、室温で固体であるポリマーとして理解されるべきである。これらのポリマーは本質的に非結晶性であり、結晶性のその程度は、通常20%未満、好ましくは15%未満、10%未満、5%未満、好ましくは2%未満又は0%である。そのガラス転移温度が、0〜60℃、好ましくは0〜50℃、好ましくは0〜40℃、好ましくは0〜35°及び特に0〜30℃であるそれらの非晶性ポリマーが特に好適である。
本明細書で使用されるとき、用語「バイオポリマー」は、生物、細胞又はタンパク質のような、しかし、これらに限定されない生物系又は生物実体によって合成され得るポリマーとして理解されるべきである。従って、用語「バイオポリエステル」及び「バイオポリチオエステル」はそれぞれ、生物系又は生物実体によって合成され得るポリエステル及びポリチオエステルとして理解されるべきである。例には、通常、ポリチオエステル及びポリヒドロキシアルカノエートのような、しかし、これらに限定されない炭素又はエネルギーを貯蔵する手段として種々の細菌及び古細菌によって産生されるポリエステル及びポリヒドロキシカルボキシレートが挙げられる。
用語「コーディング領域」又は「オープンリーディングフレーム」(ORF)は、適切な調節配列の制御下で転写産物及び/又はポリペプチドを作出することが可能であるゲノムDNA配列又はcDNA配列のセンス鎖を指す。コーディング配列は、5’翻訳開始コドン及び3’翻訳終結コドンの存在によって特定される。遺伝子構築物に挿入されると、それがプロモータ及びターミネータの配列に操作可能に連結される場合、「コーディング配列」が発現されることが可能である。
用語「comprising」は本明細書で使用されるとき、「少なくとも部分的に成る」ことを意味する。用語「comprising」を含む本明細書でのそのような表現を解釈する場合、その用語によって前置きされたもの以外の特徴も存在し得る。たとえば、「comprise」及び「comprises」のような関連用語は同様に解釈されるべきである。
用語「混入物質」は、標的物質とは異なり、望ましくは最終的な標的物質の調製物から排除される、原料物質における物質(単数)又は物質(複数)を指す。生物学的な原料物質の典型的な混入物質には、核酸、タンパク質、ペプチド、エンドトキシン、ウイルス等が挙げられる。本発明の実践によって取り除くことができる混入物質は、所望の生成物とは異なる1以上の特性、たとえば、分子量、電荷、種々のリガンドに対する特異的親和性などを有する。
用語「接線流フィルター」及び文法上の同等物は本明細書では、たとえば、原媒体の選択された成分又は混入物質のフィルター要素を介した透過のために、濾過される原媒体がその表面を横切って接線流方式で流れる多孔性で透過性又は半透過性のフィルター要素を含むフィルターモジュール又はフィルターカセットの型を指す。
用語「カップリング試薬」は本明細書で使用されるとき、一方の側でのカップリング試薬と他方の側での少なくとも1つの物質を結合するのに好適である少なくとも1つの物質又はさらなるカップリング試薬を結合するのに好適である無機化合物又は有機化合物を指す。好適なカップリング試薬の例は、本発明の粒子又は融合タンパク質の化学修飾に好適な方法を含む例となるその使用法と共に、その全体が参照によって本明細書に組み入れられるWO2004/020623(Bernd Rehm)として公表されたPCT/DE2003/002799にて提示されている。
用語「発現構築物」は、挿入ポリヌクレオチド分子を転写する、任意で転写物をポリペプチドに翻訳するのを可能にする要素を含む遺伝子構築物を指す。発現構築物は通常、5’から3’方向に
(1)構築物が導入される宿主細胞で機能的なプロモータと
(2)発現されるポリヌクレオチドと
(3)構築物が導入される宿主細胞で機能的なターミネータと
を含む。
本発明の発現構築物は、クローニング又は発現のために複製可能なベクターに挿入され、又は宿主ゲノムに組み入れられる。
本発明での使用に適用できる発現構築物の例は、その全体が参照によって本明細書に組み入れられるWO2004/020623(Bernd Rehm)として公表されたPCT/DE2003/002799及びWO2007/037706(Bernd Rehm)として公表されたPCT/NZ2006/000251にて提供されている。
用語「ポリマー粒子を形成する」及び「ポリマー粒子の形成」は粒子形成タンパク質と関連して本明細書で使用されるとき、本明細書で議論されるような粒子形成タンパク質の活性を指す。
ポリペプチドの「断片」は、酵素活性又は結合活性に必要とされ、及び/又はポリペプチドの三次構造を提供する機能を実施するポリペプチドの部分配列である。
用語「融合ポリペプチド」は本明細書で使用されるとき、ペプチド結合によってそれぞれアミノ末端及びカルボキシル末端を介して融合する2以上のアミノ酸配列、たとえば、2以上のポリペプチドドメインを含んで単一の連続するポリペプチドを形成するポリペプチドを指す。2以上のアミノ酸配列はそれぞれアミノ末端及びカルボキシル末端を介して、直接融合でき、又はリンカー又はスペーサー又は追加のポリペプチドを介して間接的に融合することができることが理解されるべきである。
一実施形態では、融合ポリペプチドを含むアミノ酸配列の一方が粒子形成タンパク質を含む。一実施形態では、融合ポリペプチドを含むアミノ酸配列の一方がポリマーシンターゼを含む。
一実施形態では、融合ポリペプチドを含むアミノ酸配列の一方が融合パートナーを含む。
用語「融合パートナー」は本明細書で使用されるとき、タンパク質のようなポリペプチド、タンパク質断片、結合ドメイン、標的結合ドメイン、結合タンパク質、結合タンパク質断片、抗体、抗体断片、抗体重鎖、抗体軽鎖、単鎖抗体、単一ドメイン抗体(たとえば、VHH)、Fab抗体断片、Fc抗体断片、Fv抗体断片、F(ab)2抗体断片、Fab’抗体断片、単鎖Fv(scFv)抗体断片、抗体結合ドメイン(たとえば、ZZドメイン)、抗原、抗原決定基、エピトープ、ハプテン、免疫原、免疫原断片、ビオチン、ビオチン誘導体、アビジン、ストレプトアビジン、基質、酵素、抗体酵素、補因子、受容体、受容体断片、受容体サブユニット、受容体サブユニット断片、リガンド、阻害剤、ホルモン、レクチン、ポリヒスチジン、カップリングドメイン、DNA結合ドメイン、FLAGエピトープ、システイン残基、ライブラリペプチド、レポーターペプチド、アフィニティ精製ペプチド、又はその任意の2以上の任意の組み合わせを指す。
上記で列記した2以上のポリペプチドは融合パートナーを形成することができることが理解されるべきである。
一実施形態では、融合ポリペプチドのアミノ酸配列は、リンカー又はスペーサーを介して間接的に融合され、前記融合ポリペプチドのアミノ酸配列は、ポリマーシンターゼ/リンカー/融合パートナー、又は融合パートナー/リンカー/ポリマーシンターゼの順に配置される。他の実施形態では、融合ポリペプチドのアミノ酸配列は、ポリマーシンターゼ/追加のポリペプチド/融合パートナー、又はポリマーシンターゼ/リンカー/融合パートナー/追加のポリペプチドの順で配置される追加のポリペプチドを介して間接的に融合される、又はそれを含む。再び、ポリマーシンターゼのN末端伸長が本明細書で明らかに企図される。
例となる一実施形態では、融合ポリペプチドのアミノ酸配列は、リンカー又はスペーサーを介して間接的に融合され、前記融合ポリペプチドのアミノ酸配列は、ポリマーシンターゼ/リンカー/抗体結合ポリペプチド又は抗体結合ポリペプチド/リンカー/ポリマーシンターゼ、又はポリマーシンターゼ/リンカー/酵素又は酵素/リンカー/ポリマーシンターゼの順に配置される。例となる他の実施形態では、融合ポリペプチドのアミノ酸配列は、ポリマーシンターゼ/追加のポリペプチド/抗体結合ポリペプチド又はポリマーシンターゼ/追加のポリペプチド/酵素、又はポリマーシンターゼ/リンカー/抗体結合ポリペプチド/追加のポリペプチド又はポリマーシンターゼ/リンカー/酵素/追加のポリペプチド順で配置される追加のポリペプチドを介して間接的に融合される、又はそれを含む。再び、ポリマーシンターゼのN末端伸長が本明細書で明らかに企図される。
本発明に係る融合ポリペプチドは、別のポリペプチドの配列内に挿入された1以上のポリペプチド配列も含み得る。たとえば、プロテアーゼ認識配列のようなポリペプチド配列が粒子結合ドメインを含むタンパク質の可変領域に挿入される。
好都合なことに、本発明の融合ポリペプチドは、単一の核酸配列によってコードされ、その際、核酸配列は、それぞれポリペプチド又はポリペプチドドメインをコードする少なくとも2つの部分配列を含む。特定の実施形態では、少なくとも2つの部分配列は単一のオープンリーディングフレームを含むので本明細書で企図されるような融合ポリペプチドをコードする「インフレーム」で存在する。他の実施形態では、少なくとも2つの部分配列は「フレーム外」に存在し、翻訳の際、融合ポリペプチドが形成されるようにリーディングフレームでシフトを促進するリボソームフレームシフト部位又は他の配列によって分離される。特定の実施形態では、少なくとも2つの部分配列は隣接する。他の実施形態では、少なくとも2つのポリペプチド又はポリペプチドドメインが追加のポリペプチドを介して間接的に融合される上記で議論したように、少なくとも2つの部分配列は隣接しない。
「結合ドメイン」又は「結合することが可能であるドメイン」に対する参照は、相補性の結合対の半分を意味し、上記リストからの結合対を含む。たとえば、抗体/抗原、抗体/抗体結合ドメイン、ビオチン/ストレプトアビジン、受容体/リガンド、酵素/阻害剤の対。標的結合ドメインは試料中の標的分子に結合し、たとえば、抗体又は抗体断片である。ポリペプチド結合ドメインはポリペプチドに結合し、たとえば、抗体又は抗体断片、又は受容体若しくはシグナル伝達タンパク質に由来する結合ドメインである。
結合ドメインによって結合される物質の例には、タンパク質、タンパク質断片、ペプチド、ポリペプチド、ポリペプチド断片、抗体、抗体断片、抗体結合ドメイン、抗原、抗原断片、抗原決定基、エピトープ、ハプテン、免疫原、免疫原断片、医薬活性剤、生物活性剤、アジュバント又はその任意の2以上の任意の組み合わせが挙げられる。そのような物質は、本発明の方法に従って分析される試料における「標的成分」である。
従って、「標的物質を結合することが可能であるドメイン」及び文法上の同等物は、相補性の結合対の一方の成分を指すと理解され、その際、他方は標的物質である。
用語「遺伝子構築物」は、cDNA分子のような、しかし、これに限定されない別のポリヌクレオチド分子(挿入ポリヌクレオチド分子)に挿入していてもよいポリヌクレオチド分子、普通、二本鎖DNAを指す。遺伝子構築物は、挿入ポリヌクレオチド分子を転写すること、及び任意で転写物をポリペプチドに翻訳することを可能にする必要な要素を含有し得る。種々の実施形態では、挿入ポリヌクレオチド分子は宿主細胞に由来し、又は異なる細胞若しくは生物に由来し、及び/又は組換えポリヌクレオチドである。一実施形態では、宿主細胞に入ると直ちに、遺伝子構築物は、たとえば、宿主染色体DNAのような宿主ゲノムに組み入れられるようになる。一例では、遺伝子構築物はベクターに連結される。
用語「宿主細胞」は、1)天然のPHA粒子産生の宿主細胞である、又は2)少なくともチオラーゼ及びレダクターゼ及び任意でファシンをコードする核酸配列を含む発現構築物を運ぶ宿主細胞である細菌細胞、真菌細胞、酵母細胞、植物細胞、又は哺乳類細胞のような動物細胞を指す。ポリマー粒子の形成に宿主細胞が欠くものを増強するのにどの遺伝子が必要とされるかは、宿主細胞の遺伝的性質及びどの基質が培養培地に提供されるかに依存する。
用語「リンカー又はスペーサー」は、本明細書で使用されるとき、2以上のポリペプチド又は2以上のポリペプチドをコードする2以上の核酸配列を間接的に融合するアミノ酸又はヌクレオチドの配列を指す。一部の実施形態では、リンカー又はスペーサーは、長さ約1、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95又は約100のアミノ酸又はヌクレオチドである。他の実施形態では、リンカー又はスペーサーは、長さ約100、125、150、175、200、225、250、275、300、325、350、375、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950又は約1000のアミノ酸又はヌクレオチドである。さらに他の実施形態では、リンカー又はスペーサーは、長さ約1〜約1000のアミノ酸又はヌクレオチド、約10〜約1000、約50〜約1000、約100〜約1000、約200〜約1000、約300〜約1000、約400〜約1000、約500〜約1000、約600〜約1000、約700〜約1000、約800〜約1000、又は約900〜約1000のアミノ酸又はヌクレオチドである。
一実施形態では、リンカー又はスペーサーは、制限酵素認識部位を含み得る。別の実施形態では、リンカー又はスペーサーは、エンテロキナーゼ、トロンビン又は因子Xa認識配列、又はインテインのような自己スプライシング要素のようなプロテアーゼ切断認識配列を含み得る。別の実施形態では、リンカー又はスペーサーは、融合ポリペプチドの無関係な折り畳みを促進する。
用語「混合集団」は本明細書で使用されるとき、実体の2以上の集団を指し、混合集団の中での実体の各集団は、混合集団の中での実体の別の集団とは幾つかの点で異なる。たとえば、発現構築物の混合集団に関連して使用される場合、これは、発現構築物の2以上の集団を指し、その際、発現構築物の各集団は、その集団のメンバーによってコードされる融合ポリペプチドという点で、又は構築物に存在するプロモータの同一性という点で異なる。或いは、融合ポリペプチドの混合集団に関連して使用される場合、これは、融合ポリペプチドの2以上の集団を指し、その際、融合ポリペプチドの各集団は、ポリマーシンターゼのようなポリペプチド、抗体結合ドメイン又は酵素のような融合パートナー、集団が含有するメンバーという点で異なる。たとえば、精製抗体の調製における使用という文脈では、融合ポリペプチドの混合集団は融合ポリペプチドの2以上の集団を指し、その際、融合ポリペプチドの各集団は、ポリマーシンターゼ、抗体結合ドメイン、集団が含有するメンバーのようなポリペプチドという点で異なる。同様に、標的物質の調製における使用という文脈では、融合ポリペプチドの混合集団は融合ポリペプチドの2以上の集団を指し、その際、融合ポリペプチドの各集団は、たとえば、ポリマーシンターゼ、酵素、前駆体結合ドメイン、又は酵素/基質結合ドメイン、集団が含有するメンバーのようなポリペプチドという点で異なる。その上さらに、ポリマー粒子の混合集団に関連して使用される場合、これは、ポリマー粒子の2以上の集団を指し、その際、ポリマー粒子の各集団は、融合ポリペプチド(単数)又は融合ポリペプチド(複数)、集団が運ぶメンバーという点で異なる。ポリマー粒子の2以上の部分集団を含み、各部分集団が本明細書で記載される(たとえば、上記のような)融合ポリペプチドの1以上を含み得るポリマー粒子の混合集団は特に企図される。
用語「核酸」は本明細書で使用されるとき、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド塩基、又は天然のヌクレオチドの既知の類似体、その混合物の一本鎖又は二本鎖の高分子を指す。その用語は、指示されない限り、特定の配列と共にそれに相補性の配列への参照を含む。用語「核酸」及び「ポリヌクレオチド」は本明細書では相互交換可能に使用される。
「操作可能に連結される」は、プロモータ、組織特異的な調節要素、一時的な調節要素、エンハンサ、リプレッサ及びターミネータを含む調節要素の制御下に発現される配列が置かれることを意味する。
用語「過剰発現」は一般に、正常な又は非形質転換の宿主細胞における産生のレベルを超える宿主における遺伝子産物の産生を指す。用語「過剰発現」はメッセンジャーRNAと関連して使用される場合、好ましくは対照での宿主細胞又は非形質転換の細胞で通常見られるものより少なくとも約3倍高い発現レベルを指す。さらに好ましくは、発現のレベルは、対照の宿主細胞又は非形質転換の細胞で通常見られるものより少なくとも約5倍高い、約10倍高い、約15倍高い、約20倍高い、約25倍高い、約30倍高い、約35倍高い、約40倍高い、約45倍高い、約50倍高い、約55倍高い、約60倍高い、約65倍高い、約70倍高い、約75倍高い、約80倍高い、約85倍高い、約90倍高い、約95倍高い、又は約100倍以上高い。
mRNAのレベルは、ノーザンブロット解析及び定量RT−PCRを含むRT−PCRを含むが、これらには限定されない当業者に既知の多数の技法のいずれかを用いて測定される。
用語「粒子結合タンパク質」は本明細書で使用されるとき、粒子に結合することが可能であるタンパク質及びタンパク質ドメインを指す。そのような結合には、たとえば、ポリマーに共有結合したポリマーシンターゼを介した、ポリマーとの相互作用、又はポリマーに結合した部分との相互作用が直接介在し得る。本明細書での使用に好適な粒子結合タンパク質は、たとえば、PHAシンターゼのC末端断片又はポリマーデポリメラーゼの粒子結合ドメインのようなポリマー粒子のコアに結合することが可能であるタンパク質からの1以上の粒子結合ドメインが挙げられる。
用語「粒子形成タンパク質」は本明細書で使用されるとき、粒子の形成に関与するタンパク質を指す。それは、たとえば、ポリマーデポリメラーゼ、ポリマー調節因子、ポリマーシンターゼ及び粒子決定タンパク質を含むタンパク質の群から選択され得る。好ましくは、粒子形成タンパク質は、チオラーゼ、レダクターゼ、ポリマーシンターゼ及びファシンを含む群から選択される。たとえば、シンターゼのような粒子形成タンパク質は、ポリマー粒子を形成する基質又は基質の誘導体を重合することによるポリマー粒子の形成を触媒し得る。或いは、チオラーゼ、レダクターゼ、又はファシンのような粒子形成タンパク質は、重合を促進することによってポリマー粒子の形成を促進し得る。たとえば、チオラーゼ又はレダクターゼは、ポリメラーゼ用の好適な基質の産生を触媒し得る。ファシンは、形成されるポリマー粒子のサイズを制御し得る。好ましくは、粒子形成タンパク質は粒子結合ドメイン及び粒子形成ドメインを含む。
本明細書で使用されるとき、用語「粒子形成反応混合物」は、宿主細胞又は発現構築物がシンターゼ触媒ドメインを含むのであれば、少なくともポリマーシンターゼの基質を指し、又は宿主細胞又は発現構築物がポリマーシンターゼ触媒ドメインではない別の粒子形成タンパク質若しくは粒子結合タンパク質を含むのであれば、ポリマーシンターゼ及びその基質を指す。
「粒子サイズ決定タンパク質」は、ポリマー粒子のサイズを制御するタンパク質を指す。それは、たとえば、ファシン様タンパク質のファミリー、好ましくは、属Ralstonia、Alcaligenes及びPseudomonas、さらに好ましくはRalstonia eutrophaに由来するファシン遺伝子phaP及びPseudomonas oleovorans由来するファシン遺伝子phaFに由来し得る。ファシンは、ポリマー粒子の疎水性表面にしっかり結合する分子量14〜28kDaの両親媒性のタンパク質である。それはまた、粒子に結合し、粒子のサイズに影響する他の宿主細胞タンパク質も含み得る。
ポリマーシンターゼは、ポリマーの重合及びシンターゼタンパク質の粒子コアへの連結に介在するシンターゼタンパク質のC末端にて少なくともシンターゼ触媒ドメインを含む。本発明で使用するためのポリマーシンターゼは、その全体が参照によって本明細書に組み入れられるRehm、2003に詳細に記載されている。たとえば、ポリマーシンターゼは、クラス1の属、Acinetobacter、Vibrio、Aeromonas、Chromobacterium、Pseudomonas、Zoogloea、Alcaligenes、Delftia、Burkholderia、Ralstonia、Rhodococcus、Gordonia、Rhodobacter、Paracoccus、Rickettsia、Caulobacter、Methylobacterium、Azorhizobium、Agrobacterium、Rhizobium、Sinorhizobium、Rickettsia、Crenarchaeota、Synechocystis、Ectothiorhodospira、Thiocapsa、Thyocystis及びAllochromatium、クラス2の属、Burkholderia及びPseudomonas、又はクラス4の属、Bacillusに由来する、さらに好ましくはクラス1、Acinetobacter sp.RA3849、Vibrio cholerae、Vibrio parahaemolyticus、Aeromonas punctata FA440、Aeromonas hydrophila、Chromobacterium violaceum、Pseudomonas sp.61−3、Zoogloea ramigera、Alcaligenes latus、Alcaligenes sp.SH−69、Delftia acidovorans、Burkholderia sp.DSMZ9242、Ralstonia eutrophia H16、Burkholderia cepacia、Rhodococcus rubber PP2、Gordonia rubripertinctus、Rickettsia prowazekii、Synechocystis sp.PCC6803、Ectothiorhodospira shaposhnikovii N1、Thiocapsa pfennigii 9111、Allochromatium vinosum D、Thyocystis violacea 2311、Rhodobacter sphaeroides、Paracoccus denitrificans、Rhodobacter capsulatus、Caulobacter crescentus、Methylobacterium extorquens、Azorhizobium caulinodans、Agrobacterium tumefaciens、Sinorhizobium meliloti 41、Rhodospirillum rubrum HA、 and Rhodospirillum rubrum ATCC25903、クラス2、Burkholderia caryophylli、Pseudomonas chloraphis、 Pseudomonas sp.61−3、Pseudomonas putida U、Pseudomonas oleovorans、Pseudomonas aeruginosa、Pseudomonas resinovorans、Pseudomonas stutzeri、Pseudomonas mendocina、Pseudomonas pseudolcaligenes、Pseudomonas putida BM01、Pseudomonas nitroreducins、Pseudomonas chloraphis、並びにクラス4、Bacillus megaterium及びBacillus sp.INT005を含む群に由来するPHAシンターゼである。
本発明での使用に適する他のポリマーシンターゼには、以下の生物に由来し、以下の受入番号:C.necator(AY836680)、P.aeruginosa(AE004091)、A.vinosum(AB205104)、B.megaterium(AF109909)、H.marismortui(YP137339)、P.aureofaciens(AB049413)、P.putida(AF150670)、R.eutropha(A34341)、T.pfennigii(X93599)、A.punctata(O32472)、Pseudomonas sp.61−3(AB0147570及びAB014758)、R.sphaeroides(AAA72004、C.violaceum(AAC69615)、A.borkumensis SK2(CAL17662)、A.borkumensis SK2(CAL16866)、R.sphaeroidesKD131(ACM01571及びYP002526072)、R.opacusB4(BAH51880及びYP002780825)、B.multivorans ATCC17616(YP001946215及びBAG43679)、A.borkumensis SK2(YP693934及びYP693138)、R.rubrum(AAD53179)、gamma proteobacterium HTCC5015(ZP05061661及びEDY86606)、Azoarcus sp.BH72(YP932525)、C.violaceum ATCC12472(NP902459)、Limnobacter sp.MED105(ZP01915838及びEDM82867)、M.algicola DG893(ZP01895922及びEDM46004)、R.sphaeroides(CAA65833)、C.violaceum ATCC12472(AAQ60457)、A.latus(AAD10274、AAD01209及びAAC83658)、S.maltophilia K279a(CAQ46418及びYP001972712)、R.solanacearum IPO1609(CAQ59975及びYP002258080)、B. multivorans ATCC17616(YP001941448及びBAG47458)、Pseudomonas sp.gl13(ACJ02400)、Pseudomonas sp.gl06(ACJ02399)、Pseudomonas sp.gl01(ACJ02398)、R.sp.gl32(ACJ02397)、R.leguminosarum bv.viciae3841(CAK10329及びYP770390)、Azoarcus sp.BH72(CAL93638)、Pseudomonas sp.LDC−5(AAV36510)、L.nitroferrum 2002(ZP03698179)、Thauera sp.MZ1T(YP002890098及びACR01721)、M. radiotolerans JCM2831(YP001755078及びACB24395)、Methylobacterium sp.4−46(YP001767769及びACA15335)、L.nitroferrum 2002(EEG08921)、P.denitrificans(BAA77257)、M.gryphiswaldense(ABG23018)、Pseudomonas sp.USM4−55(ABX64435及びABX64434)、A.hydrophila(AAT77261及びAAT77258)、Bacillus sp.INT005(BAC45232及びBAC45230)、P.putida(AAM63409及びAAM63407)、G.rubripertinctus(AAB94058)、B.megaterium(AAD05260)、D.acidovorans(BAA33155)、P.seriniphilus(ACM68662)、Pseudomonas sp.14−3(CAK18904)、Pseudomonas sp.LDC−5(AAX18690)、Pseudomonas sp.PC17(ABV25706)、Pseudomonas sp.3Y2(AAV35431、AAV35429及びAAV35426)、P.mendocina(AAM10546及びAAM10544)、P.nitroreducens(AAK19608)、P.pseudoalcaligenes(AAK19605)、P.resinovorans(AAD26367及びAAD26365)、Pseudomonas sp.USM7−7(ACM90523及びACM90522)、P.fluorescens(AAP58480)並びに他の未培養の細菌(BAE02881、BAE02880、BAE02879、BAE02878、BAE02877、BAE02876、BAE02875、BAE02874、BAE02873、BAE02872、BAE02871、BAE02870、BAE02869、BAE02868、BAE02867、BAE0286、BAE02865、BAE02864、BAE02863、BAE02862、BAE02861、BAE02860、BAE02859、BAE02858、BAE02857、BAE07146、BAE07145、BAE07144、BAE07143、BAE07142、BAE07141、BAE07140、BAE07139、BAE07138、BAE07137、BAE07136、BAE07135、BAE07134、BAE07133、BAE07132、BAE07131、BAE07130、BAE07129、BAE07128、BAE07127、BAE07126、BAE07125、BAE07124、BAE07123、BAE07122、BAE07121、BAE07120、BAE07119、BAE07118、BAE07117、BAE07116、BAE07115、BAE07114、BAE07113、BAE07112、BAE07111、BAE07110、BAE07109、BAE07108、BAE07107、BAE07106、BAE07105、BAE07104、BAE07103、BAE07102、BAE07101、BAE07100、BAE07099、BAE07098、BAE07097、BAE07096、BAE07095、BAE07094、BAE07093、BAE07092、BAE07091、BAE07090、BAE07089、BAE07088、BAE07053、BAE07052、BAE07051、BAE07050、BAE07049、BAE07048、BAE07047、BAE07046、BAE07045、BAE07044、BAE07043、BAE07042、BAE07041、BAE07040、BAE07039、BAE07038、BAE07037、BAE07036、BAE07035、BAE07034、BAE07033、BAE07032、BAE07031、BAE07030、BAE07029、BAE07028、BAE07027、BAE07026、BAE07025、BAE07024、BAE07023、BAE07022、BAE07021、BAE07020、BAE07019、BAE07018、BAE07017、BAE07016、BAE07015、BAE07014、BAE07013、BAE07012、BAE07011、BAE07010、BAE07009、BAE07008、BAE07007、BAE07006、BAE07005、BAE07004、BAE07003、BAE07002、BAE07001、BAE07000、BAE06999、BAE06998、BAE06997、BAE06996、BAE06995、BAE06994、BAE06993、BAE06992、BAE06991、BAE06990、BAE06989、BAE06988、BAE06987、BAE06986、BAE06985、BAE06984、BAE06983、BAE06982、BAE06981、BAE06980、BAE06979、BAE06978、BAE06977、BAE06976、BAE06975、BAE06974、BAE06973、BAE06972、BAE06971、BAE06970、BAE06969、BAE06968、BAE06967、BAE06966、BAE06965、BAE06964、BAE06963、BAE06962、BAE06961、BAE06960、BAE06959、BAE06958、BAE06957、BAE06956、BAE06955、BAE06954、BAE06953、BAE06952、BAE06951、BAE06950、BAE06949、BAE06948、BAE06947、BAE06946、BAE06945、BAE06944、BAE06943、BAE06942、BAE06941、BAE06940、BAE06939、BAE06938、BAE06937、BAE06936、BAE06935、BAE06934、BAE06933、BAE06932、BAE06931、BAE06930、BAE06929、BAE06928、BAE06927、BAE06926、BAE06925、BAE06924、BAE06923、BAE06922、BAE06921、BAE06920、BAE06919、BAE06918、BAE06917、BAE06916、BAE06915、BAE06914、BAE06913、BAE06912、BAE06911、BAE06910、BAE06909、BAE06908、BAE06907、BAE06906、BAE06905、BAE06904、BAE06903、BAE06902、BAE06901、BAE06900、BAE06899、BAE06898、BAE06897、BAE06896、BAE06895、BAE06894、BAE06893、BAE06892、BAE06891、BAE06890、BAE06889、BAE06888、BAE06887、BAE06886、BAE06885、BAE06884、BAE06883、BAE06882、BAE06881、BAE06880、BAE06879、BAE06878、BAE06877、BAE06876、BAE06875、BAE06874、BAE06873、BAE06872、BAE06871、BAE06870、BAE06869、BAE06868、BAE06867、BAE06866、BAE06865、BAE06864、BAE06863、BAE06862、BAE06861、BAE06860、BAE06859、BAE06858、BAE06857、BAE06856、BAE06855、BAE06854、BAE06853及びBAE06852)によってそれぞれ特定されるポリマーシンターゼが挙げられる。
PHAシンターゼタンパク質のN末端断片(アミノ酸ほぼ1〜200、又は1〜150又は1〜100)は非常に可変性であり、場合によっては、シンターゼを不活化することなく、又はポリマー粒子結合ドメイン(すなわち、C末端断片)を介したポリマーコアへのシンターゼの結合を妨げることなく、欠失する又は酵素、抗体結合ドメイン若しくは他の融合パートナーによって置き換えられる。シンターゼのポリマー粒子結合ドメインは、ポリマーコアの重合及びポリマー粒子の形成に介在するシンターゼタンパク質の少なくとも触媒ドメインを含む。
一部の実施形態では、PHAシンターゼタンパク質のC末端断片は、シンターゼを不活化することなく又はシンターゼのポリマー粒子への共有結合を妨げることなく、修飾され、部分的に欠失し、又は酵素、抗体結合ドメイン若しくは別の融合パートナーによって置き換えられる。
特定の場合、酵素、抗体結合ドメイン又は別の融合パートナーは、シンターゼを不活化することなく又はシンターゼのポリマー粒子への共有結合を妨げることなく、PHAシンターゼタンパク質のN末端及び/又はC末端に融合される。同様に、他の場合では、酵素、抗体結合ドメイン又は別の融合パートナーは、PHAシンターゼタンパク質の中へ、又は実際、粒子形成タンパク質の中へ挿入される。PhaC融合の例は、当該技術で既知であり、本明細書で提示される。
特定の一例では、PHAシンターゼタンパク質のN末端断片(アミノ酸ほぼ1〜200、又は1〜150又は1〜100)は、シンターゼを不活化することなく又はシンターゼのポリマー粒子への共有結合を妨げることなく、欠失する、又はプロテインAのZドメインのような抗体結合ドメイン又はその直列反復によって置き換えられる。
「ポリマーデポリメラーゼ」は本明細書で使用されるとき、ポリマー粒子で見られるように、既存のポリマーを水溶性モノマー及びオリゴマーに加水分解することが可能であるタンパク質を指す。ポリマーデポリメラーゼの例は、多種多様なPHAを分解する細菌及び真菌に存在し、Paucimonas lemoigneiに由来するPhaZ1〜PhaZ7細胞外デポリメラーゼ、Acidovorax sp.、A.faecalis(株AE122及びT1)、Delftia(Comamonas)acidovorans、株YM1069、Comamonas testosteroni、Comamonas sp.、Leptothrix sp.、株HS、Pseudomonas sp.、株GM101(受入番号AF293347)、P.fluorescens、株GK13、P.stutzeri、R.pickettii(株A1及びK1、受入番号JO4223、D25315)、S.exfoliatus、K10及びStreptomyces hygroscopicusに由来するPhaZデポリメラーゼが挙げられる(Jendrossek D., and Handrick, R., Microbial Degredation of Polyhydroxyalkanoates, Annual Review of Microbiology, 2002, 56:403-32を参照)。
用語「ポリペプチド」は本明細書で使用されるとき、完全長のタンパク質を含む、任意の長さの、しかし好ましくは少なくとも5アミノ酸のアミノ酸鎖を包含し、その際、アミノ酸残基は共有ペプチド結合で連結される。本発明のポリペプチドは精製された天然の産物であり、又は組換え法若しくは合成法を用いて部分的に若しくは全体的に作出される。その用語は、ポリペプチド、たとえば、二量体又は他の多量体のようなポリペプチドの凝集体、融合ポリペプチド、ポリペプチドの変異体、又はその誘導体を指し得る。
用語「プロモータ」は、遺伝子の転写を調節するコーディング領域の上流の非転写性のシス調節性要素である。プロモータは、転写開始部位を特定するシス開始要素及びTATAボックスのような保存されたボックス及び転写因子が結合するモチーフを含む。
用語「ターミネータ」は、翻訳された配列の下流の遺伝子の3’非翻訳末端に見られる、転写を終了させる配列を指す。ターミネータはmRNAの安定性の重要な決定基であり、場合によっては、空間調節機能を有することが分っている。
用語「物質」は、ポリマー粒子に結合すること又は吸着すること又はその中に組み入れられることと関連して言及される場合、ポリマー粒子に吸着する又はその中に組み入れられる融合パートナー又は物質が結合する物質を意味するように意図される。
用語「変異体」は本明細書で使用されるとき、具体的に特定された配列とは異なるポリヌクレオチド配列又はポリペプチド配列を指し、その際、1以上のヌクレオチド又はアミノ酸が欠失する、置換される、又は付加される。変異体は、天然に存在する対立遺伝子変異体であり、又は天然に存在しない変異体である。変異体は同一種又は他の種に由来し、ホモログ、パラログ及びオルソログを包含し得る。特定の実施形態では、ポリヌクレオチド及びポリペプチドの変異体は、野生型のポリヌクレオチド及びポリペプチドと同一の又はそれに類似する生物活性を持つ。ポリヌクレオチド及びポリペプチドを参照した用語「変異体」は本明細書で定義されるようなポリヌクレオチド及びポリペプチドのすべての形態を包含する。
ポリヌクレオチド及びポリペプチドの変異体
用語「ポリヌクレオチド」は本明細書で使用されるとき、任意の長さの、しかし好ましくは少なくとも15ヌクレオチドの一本鎖又は二本鎖のデオキシリボヌクレオチド又はリボヌクレオチドの高分子を意味し、非限定例として、遺伝子のコーディング配列及び非コーディング配列、センス配列及びアンチセンス配列の相補体、エクソン、イントロン、ゲノムDNA、cDNA、プレmRNA、mRNA、rRNA、siRNA、miRNA、tRNA、リボザイム、天然に存在するDNA又はRNAの配列から単離され、精製された組換えポリペプチド、合成のRNA及びDNAの配列、核酸のプローブ、プライマー及び断片が挙げられる。多数の核酸類似体が当該技術で周知であり、熟考もされる。
本明細書で提供されるポリヌクレオチド配列の「断片」は、好ましくは少なくとも長さ15ヌクレオチドである隣接するヌクレオチドの配列である。本発明の断片は、本発明のポリヌクレオチドの、好ましくは少なくとも20ヌクレオチド、さらに好ましくは少なくとも30ヌクレオチド、さらに好ましくは少なくとも40ヌクレオチド、さらに好ましくは少なくとも50ヌクレオチド、最も好ましくは少なくとも60の隣接するヌクレオチドを含む。ポリヌクレオチド配列の断片は、アンチセンス、遺伝子スプライシング、三重らせん又はリボザイム技術、又はマイクロアレイに関与するプローブに使用することができ、又はポリヌクレオチドに基づいた選抜法に使用することができる。
プロモータポリヌクレオチド配列に関連する用語「断片」は、断片が操作可能に連結されるポリヌクレオチド配列の発現を調節することが可能であるプロモータポリヌクレオチド配列のシス要素及び領域を含む配列を含むように意図される。
好ましくは、本発明のプロモータポリヌクレオチド配列の断片は、本発明のプロモータポリヌクレオチドの少なくとも20、さらに好ましくは少なくとも30、さらに好ましくは少なくとも40、さらに好ましくは少なくとも50、さらに好ましくは少なくとも100、さらに好ましくは少なくとも200、さらに好ましくは少なくとも300、さらに好ましくは少なくとも400、さらに好ましくは少なくとも500、さらに好ましくは少なくとも600、さらに好ましくは少なくとも700、さらに好ましくは少なくとも800、さらに好ましくは少なくとも900及び最も好ましくは少なくとも1000の隣接するヌクレオチドを含む。
用語「プライマー」は、鋳型とハイブリッド形成し、鋳型に相補性のポリヌクレオチドの重合を開始するのに使用される、普通、遊離の3’OH基を有する短いポリヌクレオチドを指す。そのようなプライマーは好ましくは、長さ少なくとも5、さらに好ましくは少なくとも6、さらに好ましくは少なくとも7、さらに好ましくは少なくとも9、さらに好ましくは少なくとも10、さらに好ましくは少なくとも11、さらに好ましくは少なくとも12、さらに好ましくは少なくとも13、さらに好ましくは少なくとも14、さらに好ましくは少なくとも15、さらに好ましくは少なくとも16、さらに好ましくは少なくとも17、さらに好ましくは少なくとも18、さらに好ましくは少なくとも19、さらに好ましくは少なくとも20のヌクレオチドである。
用語「プローブ」は、ハイブリッド形成に基づくアッセイにてプローブに相補性であるポリヌクレオチド配列を検出するのに使用される短いポリヌクレオチドを指す。プローブは本明細書で定義されるようなポリヌクレオチドの「断片」から成り得る。好ましくは、そのようなプローブは、長さ少なくとも5、さらに好ましくは少なくとも10、さらに好ましくは少なくとも20、さらに好ましくは少なくとも30、さらに好ましくは少なくとも40、さらに好ましくは少なくとも50、さらに好ましくは少なくとも100、さらに好ましくは少なくとも200、さらに好ましくは少なくとも300、さらに好ましくは少なくとも400及び最も好ましくは少なくとも500ヌクレオチドである。
用語「変異体」は本明細書で使用されるとき、具体的に特定された配列とは異なるポリヌクレオチド配列又はポリペプチド配列を指し、その際、1以上のヌクレオチド又はアミノ酸が欠失する、置換される、又は付加される。変異体は、天然に存在する対立遺伝子変異体であり、又は天然に存在しない変異体である。変異体は同一種又は他の種に由来し、ホモログ、パラログ及びオルソログを包含し得る。特定の実施形態では、ポリヌクレオチド及びポリペプチドの変異体は、野生型のポリヌクレオチド及びポリペプチドと同一の又はそれに類似する生物活性を持つ。ポリヌクレオチド及びポリペプチドを参照した用語「変異体」は本明細書で定義されるようなポリヌクレオチド及びポリペプチドのすべての形態を包含する。
ポリヌクレオチドの変異体
変異体ポリヌクレオチド配列は好ましくは、特定されたポリヌクレオチド配列に対して少なくとも50%、さらに好ましくは少なくとも51%、少なくとも52%、少なくとも53%、少なくとも54%、少なくとも55%、少なくとも56%、少なくとも57%、少なくとも58%、少なくとも59%、少なくとも60%、少なくとも61%、少なくとも62%、少なくとも63%、少なくとも64%、少なくとも65%、少なくとも66%、少なくとも67%、少なくとも68%、少なくとも69%、少なくとも70%、少なくとも71%、少なくとも72%、少なくとも73%、少なくとも74%、少なくとも75%、少なくとも76%、少なくとも%、少なくとも77%、少なくとも78%、少なくとも79%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の同一性を示す。同一性は、特定されたポリヌクレオチド配列の少なくとも20ヌクレオチドの位置、好ましくは少なくとも50ヌクレオチドの位置、少なくとも100ヌクレオチドの位置の比較ウインドウにわたって、又は全体の長さにわたって見い出される。
ポリヌクレオチド配列の同一性は以下の方法で決定することができる。NCBI(ftp://ftp.ncbi.nih.gov/blast/)から公的に利用できる、bl2seqにおけるBLASTN(プログラムのBLASTsuite、バージョン2.2.10[Oct、2004])(Tatiana、A.Tatusova,Thomas、L.Madden(1999),“Blast2 sequences−a new tool for comparing protein and nucleotide sequences”,FEMS Microbiol Lett.174:247−250)を用いて主題のポリヌクレオチド配列を候補ポリヌクレオチド配列と比較する。複雑性の低い部分のフィルタリングを止めるべきであることを除いてbl2seqの初期設定パラメータを利用する。
ポリヌクレオチド配列の同一性は以下のunixコマンドラインのパラメータを用いて調べることができる:
bl2seq-i nucleotideseq1-j nucleotideseq2-F F-p blastn
パラメータ−F Fは複雑性の低い区分のフィルタリングを止める。パラメータ-pは配列の対について適切なアルゴリズムを選択する。bl2seqプログラムは、ライン”Identities=”にて同一ヌクレオチドの数及び比率の双方として配列同一性を報告する。
広範囲配列の配置プログラム(たとえば、Needleman, S. B. and Wunsch, C. D. (1970) J. Mol. Biol. 48, 443-453)を用いて、候補と主題のポリヌクレオチド配列の間での重複の長さ全体にわたってポリヌクレオチド配列の同一性を算出することもできる。Needleman−Wunschの広範囲配置アルゴリズムの完全実施は、EMBOSSパッケージ (Rice,P. Longden,I. and Bleasby,A. EMBOSS: The European Molecular Biology Open Software Suite, Trends in Genetics June 2000, vol 16, No 6. pp.276-277)のニードルプログラムに見つけることができ、それは、http://www.hgmp.mrc.ac.uk/Software/EMBOSS/.から入手することができる。欧州バイオインフォマティクス研究所のサーバも、http:/www.ebi.ac.uk/emboss/align/にてオンラインで2つの配列間でEMBOSSニードル広範囲配置を実施するための便宜を提供している。
或いは、末端ギャップにペナルティを科すことなく2つの配列の最適な広範囲配置を計算するGAPプログラムを使用することができる。GAPは以下の論文:Huang,X.(1994)On Global Sequence Alignment.Computer Applications in the Biosciences、10,227−235に記載されている。
本発明のポリヌクレオチド変異体は、それらの配列の機能的同等性を保存すると思われる特に特定された配列の1以上に類似性を示し、偶然に生じたとは合理的に予想できないものも包含する。NCBI(ftp://ftp.ncbi.nih.gov/blast/)から公的に利用できるプログラムのBLASTsuites(バージョン2.2.10[Oct、2004])のbl2seqプログラムを用いて決定されるポリヌクレオチドに関するそのような配列類似性。
ポリヌクレオチド配列の類似性は以下のunixコマンドラインのパラメータを用いて調べることができる:
bl2seq-i nucleotideseq1-j nucleotideseq2-F F-p tblastx
パラメータ−F Fは複雑性の低い区分のフィルタリングを止める。パラメータ-pは配列の対について適切なアルゴリズムを選択する。このプログラムは、配列間の類似性の領域を見つけ出し、そのような各領域について、無作為配列を含有する固定した参照サイズのデータベースにて偶然によってそのような一致を見つけることを予想できた回数の期待数である「E値」を報告する。このデータベースのサイズは、bl2seqプログラムにおける初期設定によって設定される。1をはるかに下回る小さなE値については、E値は、近似的にそのような無作為一致の確率である。
変異体ポリヌクレオチド配列は、特に特定された配列のいずれか1つと比較した場合、好ましくは、1×10-10未満、さらに好ましくは1×10-20未満、1×10-30未満、1×10-40未満、1×10-50未満、1×10-60未満、1×10-70未満、1×10-80未満、1×10-90未満、1×10-100未満、1×10-110未満、1×10-120未満又は1×10-123未満のE値を示す。
或いは、本発明の変異体ポリヌクレオチドは、ストリンジェントな条件下で特定されたポリヌクレオチド配列又はその相補体とハイブリッドを形成する。
用語「ストリンジェントな条件下でハイブリッドを形成する」及びその文法上の同等物は、温度及び塩濃度の規定された条件下で標的ポリヌクレオチド分子(たとえば、サザンブロット又はノーザンブロットのようなDNA又はRNAブロットに不動化された標的ポリヌクレオチド分子)とハイブリッド形成するポリヌクレオチド分子の能力を指す。ストリンジェントなハイブリッド形成条件下でハイブリッド形成する能力は、当初、厳密性の低い条件下でハイブリッド形成させ、次いで所望の厳密性まで厳密性を高めることによって判定することができる。
長さ約100塩基を超えるポリヌクレオチド分子に関して、典型的なストリンジェントなハイブリッド形成条件は、天然の二本鎖の融解温度(Tm)未満で25℃〜30℃未満(たとえば、10℃)である(一般にSambrook et al., Eds, 1987, Molecular Cloning, A Laboratory Manual, 2nd Ed. Cold Spring Harbor Press; Ausubel et al., 1987, Current Protocols in Molecular Biology, Greene Publishingを参照)。約100塩基を超えるポリヌクレオチド分子のTmは式Tm=81.5+0.41%(G+C−log(Na+)によって計算することができる(Sambrook et al., Eds, 1987, Molecular Cloning, A Laboratory Manual, 2nd Ed. Cold Spring Harbor Press; Bolton and McCarthy, 1962, PNAS 84:1390)。長さ100塩基を超えるポリヌクレオチドのための典型的なストリンジェントな条件は、たとえば、6×SSC、0.2%SDSの溶液中で予備洗浄し、65℃、6×SSC、0.2%SDSで一晩ハイブリッド形成させ、その後、それぞれ1×SSC、0.1%SDS、65℃で30分間、2回洗浄し、それぞれ0.2×SSC、0.1%SDS、65℃で30分間、2回洗浄するハイブリッド形成条件である。
100塩基未満の長さを有するポリヌクレオチド分子に関して、例となるストリンジェントなハイブリッド形成条件は、Tm未満の5〜10℃である。概して、100塩基未満の長さのポリヌクレオチド分子のTmはおよそ(500/オリゴヌクレオチドの長さ)℃で低下する。
ペプチド核酸(PNA)(Nielsen et al., Science. 1991 Dec 6;254(5037):1497-500)として知られるDNA模倣体に関して、Tm値は、DNA/DNA又はDNA/RNAのハイブリッドよりも高く、Giesenら、Nucleic Acids Res.1998、Nov.1;26(21):5004−6に記載された式を用いて算出することができる。100塩基未満の長さを有するDNA/PNAハイブリッドの例となるストリンジェントなハイブリッド形成条件は、Tm未満の5〜10℃である。
本発明の変異体ポリヌクレオチドはまた、本発明の配列とは異なるが、遺伝子コードの縮重の結果として、本発明のポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドに類似する活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチドも包含する。ポリペプチドのアミノ酸配列を変えない配列の変化は「サイレント変異」である。ATG(メチオニン)及びTGG(トリプトファン)を除いて、場合によっては、当該技術によって承認されている技法によって同一アミノ酸について他のコドンに変更して、たとえば、特定の宿主生物におけるコドンの発現を最適化する。
その生物活性を有意に変えることなく、コードされたポリペプチド配列にて1又は数個のアミノ酸の保存的置換を生じるポリヌクレオチド配列の変化も本発明に含まれる。技能のある熟練者は表現型上サイレントなアミノ酸置換を行う方法に気付くであろう(たとえば、Bowie et al., 1990, Science 247, 1306を参照)。
コードされたポリペプチド配列におけるサイレント変異及び保存的置換による変異体ポリヌクレオチドは、以前記載されたtblastxアルゴリズムを介して、NCBI(ftp://ftp.ncbi.nih.gov/blast/)からのプログラムのBLASTsuites(バージョン2.2.10[Oct、2004])の公的に利用できるbl2seqプログラムを用いて決定することができる。
ポリペプチド変異体
ポリペプチドを参照した用語「変異体」は、天然に存在する、組換えで及び合成して作出されるポリペプチドを包含する。変異ポリペプチド配列は、本発明の配列に対して好ましくは少なくとも50%、さらに好ましくは少なくとも51%、少なくとも52%、少なくとも53%、少なくとも54%、少なくとも55%、少なくとも56%、少なくとも57%、少なくとも58%、少なくとも59%、少なくとも60%、少なくとも61%、少なくとも62%、少なくとも63%、少なくとも64%、少なくとも65%、少なくとも66%、少なくとも67%、少なくとも68%、少なくとも69%、少なくとも70%、少なくとも71%、少なくとも72%、少なくとも73%、少なくとも74%、少なくとも75%、少なくとも76%、少なくとも%、少なくとも77%、少なくとも78%、少なくとも79%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の同一性を示す。同一性は、少なくとも20アミノ酸の位置、好ましくは少なくとも50アミノ酸の位置、少なくとも100アミノ酸の位置の比較ウインドウにわたって、又は本発明のポリペプチド全体の長さにわたって見い出される。
ポリペプチド配列の同一性は以下の方法で決定することができる。NCBI(ftp://ftp.ncbi.nih.gov/blast/)から公的に利用できる、bl2seqにおけるBLASTN(プログラムのBLASTsuite、バージョン2.2.10[Oct、2004])を用いて主題のポリペプチド配列を候補ポリペプチド配列と比較する。複雑性の低い部分のフィルタリングを止めるべきであることを除いてbl2seqの初期設定パラメータを利用する。
ポリペプチド配列の同一性は、広範囲配列の配置プログラムを用いて、候補と主題のポリペプチド配列の間での重複の長さ全体にわたって算出することもできる。上記で議論したようなEMBOSS−ニードル(http:/www.ebi.ac.uk/emboss/align/で利用可能)及びGAP(Huang, X. (1994) On Global Sequence Alignment. Computer Applications in the Biosciences 10, 227-235.)もポリペプチド配列の同一性を算出するための好適な広範囲配列配置プログラムである。
本発明のポリペプチド変異体は、それらの配列の機能的同等性を保存すると思われる特に特定された配列の1以上に類似性を示し、偶然に生じたとは合理的に予想できないものも包含する。ポリペプチドに関するそのような配列類似性は、NCBI(ftp://ftp.ncbi.nih.gov/blast/)からのプログラムのBLASTsuites(バージョン2.2.10[Oct、2004])から公的に利用できるbl2seqプログラムを用いて決定される。ポリペプチド配列の類似性は以下のunixコマンドラインのパラメータを用いて調べることができる:
bl2seq-i peptideseq1-j peptideseq2−F F-p blastp
変異体ポリペプチド配列は、特に特定された配列のいずれか1つと比較した場合、好ましくは、1×10-10未満、さらに好ましくは1×10-20未満、1×10-30未満、1×10-40未満、1×10-50未満、1×10-60未満、1×10-70未満、1×10-80未満、1×10-90未満、1×10-100未満、1×10-110未満、1×10-120未満又は1×10-123未満のE値を示す。
パラメータ−F Fは複雑性の低い区分のフィルタリングを止める。パラメータ-pは配列の対について適切なアルゴリズムを選択する。このプログラムは、配列間の類似性の領域を見つけ出し、そのような各領域について、無作為配列を含有する固定した参照サイズのデータベースにて偶然によってそのような一致を見つけることを予想できた回数の期待数である「E値」を報告する。このデータベースのサイズは、bl2seqプログラムにおける初期設定によって設定される。1をはるかに下回る小さなE値については、E値は、近似的にそのような無作為一致の確率である。
その生物活性を有意に変えることのない、記載されるポリペプチド配列の1又は数個のアミノ酸の保存的置換も本発明に含まれる。技能のある熟練者は表現型上サイレントなアミノ酸置換を行う方法に気付くであろう(たとえば、Bowie et al., 1990, Science 247, 1306を参照)。
本発明のポリペプチド変異体は、ポリペプチドをコードする核酸から作出されるが、それが変化したアミノ酸配列を有するように異なってプロセッシングされるという点で野生型のポリペプチドとは異なるものも包含する。たとえば、野生型のポリペプチドを作出するものに対する一次RNA転写物の選択的スプライシングパターンによって変異体が作出される。
用語「ベクター」は、遺伝子構築物を宿主細胞に輸送するのに使用されるポリヌクレオチド分子、普通、二本鎖DNAを指す。特定の例では、ベクターは、たとえば、大腸菌のような少なくとも1つの追加の宿主系で複製可能である。
接線流濾過
一般に、本発明は接線流濾過技法に適用がある。たとえば、一実施形態では、本発明は、原料液から1以上の標的物質を調製する方法に関するものであり、該方法は、接線流濾過システムに添加中に又は添加に先立ってバイオポリマー粒子の集団に原料液を接触させることを含み、その際、以下の工程の1以上が実施される:
−ポリマー粒子の集団を濃縮すること、
−たとえば、透析濾過によって、1以上のポリマー粒子に結合した標的物質又はポリマー粒子に結合したその前駆体から1以上の混入物質を分離すること、
−ポリマー粒子から標的物質を溶出すること、
−標的物質を回収すること。
標的物質の粒子結合前駆体に関連する実施形態では、ポリマー粒子の1以上は前駆体の標的物質への、又は標的物質へのさらなる前駆体への変換を触媒することが可能である1以上の酵素を含む。たとえば、一実施形態では、標的物質の前駆体は基質の標的物質への変換を触媒することが可能である酵素の基質であり、ポリマー粒子の1以上が酵素を含む。別の例では、標的物質の前駆体は、標的物質へのさらなる前駆体への基質の変換を触媒することが可能である酵素の基質であり、それはそれ自体、標的物質へのさらなる前駆体の変換を触媒することが可能である第2の酵素の基質であり、ポリマー粒子の1以上が第1の酵素、第2の酵素、又は第1と第2双方の酵素を含む。適切に選択された酵素を含む1以上のポリマー粒子を提供することによって、標的物質への前駆体の変換における一連の触媒工程を採用することができることが十分に理解されるであろう。
別の実施形態では、本発明は、原料液から1以上の標的物質を調製する方法に関するものであり、該方法は、接線流濾過システムに添加中に又は添加に先立ってバイオポリマー粒子の集団に原料液を接触させることを含み、その際、以下の工程の1以上が実施される:
−ポリマー粒子の集団を濃縮すること、
−たとえば、透析濾過によって、1以上のポリマー粒子に結合した混入物質から1以上の標的物質又はその前駆体を分離すること、
−標的物質を回収すること。
一実施形態では、バイオポリマー粒子の集団に原料液を接触させることは、接線流濾過システムにてバイオポリマー粒子及び原料液を循環させることによる。
別の実施形態では、本発明は、原料液から1以上の標的物質を調製する方法に関するものであり、該方法は、バイオポリマー粒子の集団及び任意で1以上の標的物質又はその前駆体及び/又は1以上の混入物質を含む原料液を接線流濾過システムに添加することと、ポリマー粒子の集団を濃縮することと、及び/又はポリマー粒子から1以上の標的物質又はその前駆体及び/又は1以上の混入物質を分離することと、ポリマー粒子、標的物質又は混入物質を回収することを含む。
本発明の組成物、方法及びポリマー粒子は既存の接線流システム及び技法と併せた適用を有する。他種多様なそのようなシステムが存在する。接線流濾過システムでは、液体媒体の流れによるフィルター要素上で発揮される剪断力はフィルター要素の表面上での固体の蓄積に対向する傾向がある。
接線流フィルターには、精密濾過、限外濾過、ナノ濾過及び逆浸透のフィルター系が挙げられる。例となる一実施形態では、接線流フィルターは操作可能に積み重ねられた配置にて非常に多くのフィルターシート(濾過膜)を含み、たとえば、フィルターシートは透過シート及びリテンテートシートと交互にあり、濾過される液体がフィルターシートを横切って流れるにつれて、非透過の種、たとえば、フィルターシートの孔サイズより大きな直径の固体又は高分子種は保持され、リテンテートの流れに入り、透過種を伴った液体はフィルターシートを介して拡散し、透過流に入る。
十分に理解されるように、多数の接線流技法(交差流技法とも呼ばれる)が現在利用可能であり、本発明と併せた使用に好適である。接線流膜フィルターを含む市販の接線流技法には、たとえば、VivascienceからのVivaflowフィルター(たとえば、Vivaflow200、100,000MWCO、PES、VivaScienceを含む)、並びにSartoriusからのHydrosart(登録商標)及びポリエーテルスルホンの精密濾過及び限外濾過の膜が挙げられるが、そのような型の好適な接線流フィルターのモジュール及びカセットは、米国特許第4,867,876号;同第4,882,050号;同第5,034,124号;同第5,034,124号;同第5,049,268号;同第5,232,589号;同第5,342,517号;同第5,593,580号;同第5,868,930号、及びWO2010/107677として公表されたPCT国際出願PCT/US10/027266に様々に記載されており、その開示すべては、その全体が参照によって本明細書に組み入れられる。
本発明に適用可能な例となる接線流工程の一般的な概略を図1〜4に示す。接線流濾過(TFF)又は交差流濾過(本明細書では相互交換可能に使用される)は、濾過媒体の表面に平行な溶液流路又は懸濁液流路を走らせることによって濾過を達成する方法である(4図1A)。例となる単純なTFFシステムは、TFF膜カートリッジを介して供給リザーバからシステムにおける透過液の再循環を可能にする供給ポンプを利用する(図1B)。小さな化合物及び溶液は透過液としてフィルターを通過する。このようにリテンテートにおける大きな化合物を濃縮することができる。追加の溶液リザーバを加えることによって濾過によってリテンテートを透析することができる(透析濾過される)。従って、特定の実施形態では透析濾過を工程として使用して小さな化合物から大きな化合物(懸濁液中の分子、細胞、固形物)を分離する。ミクロン以下の範囲、たとえば、0.1〜0.6μmでのTFFフィルターの使用は一般に精密濾過として知られる。図2に示す一般スキームを参照して、原料液を任意で前処理して粒子状又は固形状のものを取り除き(たとえば、当該技術で周知の遠心又は濾過の技法によって)、その後の精製に必要とされるように濃縮し、又は希釈し得る。次いで粒子/標的の複合体の形成を可能にするのに十分な時間、バイオポリマー粒子の集団に原料液を接触させる。
一般に、標的の望ましい比率がバイオポリマー粒子と結合するのに十分な時間、原料液をバイオポリマー粒子と接触させる。たとえば、撹拌又は接線流濾過システムを介した処理による原料液とバイオポリマー粒子の混合は通常、最適な接触及び標的の結合を保証するのに有利である。
粒子:標的の複合体は接線流濾過システムを介して循環するので、接線流フィルターを介して、(a)複合体が濃縮され、(b)透析濾過液(通常、粒子:標的の複合体から非特異的に結合した混入物質を解離するように選択される)に対して複合体が透析濾過され、(c)標的物質が粒子から溶出され(通常、粒子/標的物質複合体を解離する第2の透析濾過液による透析濾過によって)、(d)次いで標的物質がバイオポリマー粒子から分離され(たとえば、標的物質が透析濾過される)、それによって精製された標的物質を回収する。標的物質は任意でさらに、たとえば、濃縮によって(e)処理され得る。
図3に示すさらなる例となる実施形態では、原料液は標的物質の前駆体、たとえば、その生成物が所望の標的物質である、酵素の基質を含む。この実施形態では、前駆体物質を含む原料液を、前駆体の標的物質への変換を触媒することが可能である1以上の酵素を含む1以上のバイオポリマー粒子と接触させる。上述したように、複合体、この場合、粒子:酵素/基質複合体を形成するのに十分な時間、原料液とバイオポリマー粒子を接触させる。バイオポリマー粒子が結合する前駆体の所望の比率を可能にする、及び前駆体分子の標的物質への変換を可能にするのに十分な時間、原料液とバイオポリマー粒子の混合を維持する。
図4は、本発明の方法を用いた標的物質の精製のための一般スキームを示し、その際、バイオポリマー粒子を用いて1以上の混入物質の除去によって標的物質を濃縮する。この場合、原料液に存在する1以上の混入物質を結合することが可能であるポリマー粒子の1以上の集団と原料液を接触させる。ここでは、粒子:混入物質の複合体の形成が、次いでさらに処理され得る(たとえば、本明細書で記載されるような本発明の1以上の接線流法を介して)標的物質の透析濾過を可能にする。透析濾過(通常、第2の透析濾過液による)は、粒子:混入物質の複合体の解離を可能にし、その際、バイオポリマー粒子はさらなる使用のために再循環され得る。
従って、当業者は、本発明の種々の実施形態(上記で概説したそれら代表的な例を含む)が、使用される特定の遠心又はポリマー粒子の特定の集団に応じて、リテンテート又は透過液のいずれかで接線流濾過システムから所望の標的物質を溶出することを企図することを認識するであろう。
原料物質
本発明は原料物質からの標的物質の調製に関する。「原料物質」は本明細書で使用されるとき、少なくとも1、頻繁には1を超える物質、普通、生物物質、又は原料物質に存在する他の物質から抽出される又は精製されることが求められる価値ある生成物を含有する物質、通常、液体を指す。一般に、原料物質は、たとえば、水溶液、有機溶媒系、又は水性/有機系の溶媒混合物又は溶液であり得る。原料物質は、たとえば、タンパク質、抗体、ホルモン、及びウイルスと同様にたとえば、塩、糖、脂質等のような小分子のような多数の生体分子を含有する複雑な混合物又は溶液であることが多い。生体起源の典型的な原料物質が水性の溶液又は懸濁液として始まる一方で、それはまた、溶媒沈殿や抽出等のような前の分離工程で使用した有機溶媒も含有し得る。本発明の精製方法に適する有益な生体物質を含有し得る原料液の例には、生体反応器に由来する培養上清、均質化した細胞浮遊液、血漿、血漿分画、及び乳、初乳、たとえば、チーズ乳清のような乳清のような乳加工ストリームが挙げられるが、これらに限定されない。
種々の実施形態では、原料物質は、血清、血漿、血漿分画、全血、乳、初乳、乳清、細胞流体、組織培養流体、植物細胞流体、植物細胞ホモジネート及び組織ホモジネートから成る群から選択される1以上の液体を含む。たとえば、原料物質は、たとえば、果実ジュース又は野菜ジュースのような植物抽出物である。発酵物は、培養物又は培養上清、特にたとえば、1以上のモノクローナル抗体のような1以上の組換えタンパク質を発現する培養物のもののように特に熟考される。
他の実施形態では、原料物質は本発明のポリマー粒子を含む、生体反応器からの培養上清を含む。当業者は、そのような原料物質が特定の状況では混入物質とみなされ得る有意な量の他の生体材料を含むことを認識するであろう。たとえば、例となる一実施形態では、原料物質は本発明のポリマー粒子を作出するのに使用される細菌を含む培養上清又は細胞調製物である。別の例となる一実施形態では、原料物質は本発明のポリマー粒子を産生する細胞からの及び1以上の標的物質又はその前駆体を産生する細胞からの培養上清又は細胞調製物である。特定の実施形態では、原料物質は、本発明のポリマー粒子及び1以上の標的物質又はその前駆体の双方を産生する細胞の集団を含む培養上清又は細胞調製物である。
標的物質
上記のように、本発明は、標的物質の前駆体を含む原料物質を含む原料物質からの標的物質の調製に関する。用語「標的物質」は本明細書で使用されるとき、原料液から調製される若しくは精製される1以上の所望の生成物(単数)又は生成物(複数)を指す。標的物質は通常、価値ある生体生成物、たとえば、免疫グロブリン、凝固因子、ワクチン、抗原、抗体、選択されたタンパク質又は糖タンパク質、ペプチド、酵素、代謝産物等である。
種々の実施形態では、標的物質は、ワクチン、凝固因子、免疫グロブリン、抗原、抗体、タンパク質、糖タンパク質、ペプチド、糖類、炭水化物及び酵素から成る群から選択される。
種々の実施形態では、1以上の親和性リガンドは、タンパク質、核酸、ウイルス、糖類、炭水化物、免疫グロブリン、凝固因子、糖タンパク質、ペプチド、抗体、抗原、ホルモン又はポリヌクレオチドから成る群から選択される標的種の少なくとも1つを結合する。
しかしながら、本発明は、本明細書で記載されるポリマー粒子と会合し得る機能性部分の多様性の認識の際、十分に理解されるように、通常「生物学的」とみなされるもの以外の他種多様な標的物質の調製に適用を見つけている。たとえば、本発明のポリマー粒子は、たとえば、ポリマーシンターゼ:金属結合ポリペプチドの融合ポリペプチドの発現によって、金属又は金属イオン配位ポリペプチドのような金属又は金属イオン結合部分によって好都合に官能化され得る。実際、ポリマー粒子を含むポリマー形成タンパク質又はポリマー結合タンパク質に1以上のタンパク質官能性を融合する能力は、非常に多様な範囲の標的物質の調製における適用を可能にする。
1以上の発現構築物の使用を含む、当該技術で周知のバイオテクノロジー法を用いて本発明のバイオポリマー粒子を含む融合ポリペプチドを好都合に作出し得る。特定の実施形態では、本発明のバイオポリマー粒子を含む融合ポリペプチド及びバイオポリマー粒子それ自体が本明細書で企図されるような標的物質である。
発現構築物
微生物、植物細胞又は動物細胞(細胞発現系)又は無細胞発現系にて融合ポリペプチドの発現のための発現構築物を作出し、使用する方法、及び本発明での使用のためのポリマー粒子を形成するのに有用な発現構築物を含む宿主細胞は当該技術で周知である(たとえば、Sambrook et al., 1987; Ausubel et al., 1987)。
本発明の方法で使用するための発現構築物は、一実施形態では、クローニング用の若しくは発現用の複製可能なベクターに挿入され、別の実施形態では、宿主のゲノムに組み入れられる。種々のベクターが公的に利用可能である。ベクターは、たとえば、プラスミド、コスミド、ウイルス粒子又はファージの形態である。種々の手順によって適当な核酸配列をベクターに挿入することができる。一般に、当該技術で既知の技法を用いて適当な制限エンドヌクレアーゼ部位にDNAを挿入する。ベクター成分には一般に、シグナル配列の1以上、複製開始点、1以上の選抜可能なマーカー遺伝子、エンハンサ要素、プロモータ及び転写終結配列が含まれるが、これらに限定されない。これら成分の1以上を含有する好適なベクターの構築は当該技術で既知の標準のライゲーション法を採用する。
発現ベクター及びクローニングベクターは双方とも、1以上の選択された宿主細胞でベクターが複製するのを可能にする核酸配列を含有する。そのような配列は種々の細菌、酵母及びウイルスについて周知である。
一実施形態では、発現構築物はコピー数の多いベクターで存在する。
一実施形態では、コピー数の多いベクターは宿主細胞当たり20〜300コピーで存在するものから選択される。
一実施形態では、コピー数の多いベクターは、たとえば、ColE1又はColE1に由来する複製開始点のようなコピー数の多い複製開始点(ori)を含有する。たとえば、ColE1に由来する複製開始点はpUC19の複製開始点を含み得る。
本発明のベクターで使用するのに好適な膨大なコピー数の複製開始点は当業者に既知である。これらには、pBR322からのColE1に由来する複製開始点と同様にM13FRori又はp15Aoriのような他のコピー数の複製開始点が挙げられる。2μのプラスミド開始点が酵母に好適であり、種々のウイルス(SV40、ポリオーマ、アデノウイルス、VSV又はBPV)の開始点は哺乳類細胞でベクターをクローニングするのに有用である。
好ましくは、コピー数の多い複製開始点は、ColE1由来のpUC19の複製開始点を含む。
制限部位は、制限部位への挿入物のクローニングが開始点を不活化し、ベクターの複製の方向付けを不可能にするように複製開始点にて位置づけられる。或いは、少なくとも1つの制限部位は、制限部位への挿入物のクローニングがベクターのコピー数の少ない又は単一コピー数の複製のみを支えるのを可能にするように開始点の中に位置づけられる。
発現ベクター及びクローニングベクターは通常、選抜可能なマーカーとも呼ばれる選抜遺伝子を含有して形質転換した宿主細胞におけるベクターの存在を検出する。典型的な選抜遺伝子は、(a)たとえば、アンピシリン、ネオマイシン、メソトレキセート又はテトラサイクリンのような抗生剤又は他の毒素に対する耐性を付与する、(b)栄養要求性の欠損を補う、又は(c)複雑な培地からは利用できない決定的な栄養、たとえば、Bacillusに対するD−アラニンラセマーゼをコードする遺伝子を供給するタンパク質をコードする。
植物の形質転換に一般に使用される選抜可能なマーカーには、ネオマイシン、カナマイシン耐性を付与するホスホトランスフェラーゼII遺伝子(NPTII)、スペクチノマイシン及びストレプトマイシンへの耐性を付与するaadA遺伝子、Ignite(AgrEvo)に対するホスフィノトリシンアセチルトランスフェラーゼ(bar遺伝子)及びBasta(ヘキスト)耐性、及びハイグロマイシン耐性用のハイグロマイシンホスホトランスフェラーゼ遺伝子(hpt)が挙げられる。
哺乳類細胞用の好適な選抜可能なマーカーの例は、たとえば、DHFR又はチミジンキナーゼのような発現構築物を取り上げるのに適した細胞の特定を可能にするものである。野生型DHFRが採用される場合、適当な宿主細胞は、Urlaubら、1980が調製し、普及させた、DHFR活性を欠損したGHO細胞株である。酵母で使用するのに好適な選抜可能なマーカーは酵母プラスミドYRp7に存在するtrp1遺伝子である(Stinchcomb et al., 1979; Kingsman et al., 1979; Tschemper et al., 1980)。trp1遺伝子は、トリプトファンで増殖する能力を欠いている酵母の変異株、たとえば、ATCC番号44076又はPEP4−1 [Jones, Genetics, 85:12 (1977)]のための選抜マーカーを提供する。
ポリマー粒子を形成するのに有用な発現構築物には好ましくは、ポリマーシンターゼ、粒子形成タンパク質又は融合ポリペプチドをコードする少なくとも1つの核酸の発現を制御するプロモータが含まれる。
種々の考えられる宿主細胞によって認識されるプロモータは周知である。原核細胞宿主での使用に好適なプロモータには、β−ラクタマーゼ及びラクトースのプロモータ系(Chang et al., 1978; Goeddel et al., 1979)、アルカリホスファターゼ、トリプトファン(trp)のプロモータ系(Goeddel, Nucleic Acids Res., 8:4057 (1980); EP 36,776)及びtacプロモータのようなハイブリッドプロモータ(deBoer et al., 1983)が挙げられる。細菌系で使用するプロモータも、ポリマーシンターゼ、粒子形成タンパク質又は融合ポリペプチドをコードする核酸に操作可能に連結されるShine−Dalgarno(S.D.)配列を含有する。
酵母宿主で使用するのに好適なプロモータ配列の例には、3−ホスホグリセレートキナーゼ(Hitzeman et al., 1980)又は他の解糖酵素(Hess et al., 1968; Holland, 1978)、たとえば、エノラーゼ、グリセルアルデヒド−3−リン酸脱水素酵素、ヘキソキナーゼ、ピルビン酸脱炭酸酵素、ホスホフルクトキナーゼ、グルコース−6−リン酸イソメラーゼ、3−ホスホグリセレートムターゼ、ピルビン酸キナーゼ、トリオセリン酸イソメラーゼ、ホスホグルコースイソメラーゼ及びグルコキナーゼのためのプロモータが挙げられる。
増殖条件によって制御される転写の追加の利点を有する誘導可能なプロモータである他の酵母のプロモータは、アルコール脱水素酵素2、イソチトクロームC、酸ホスファターゼ、窒素代謝に関連する分解酵素、メタロチオネイン、グリセルアルデヒド−3−リン酸脱水素酵素、及びマルトースとガラクトースの利用に関与する酵素のためのプロモータ領域である。
単子葉植物及び双子葉植物の組織及び器官を含む植物宿主細胞での使用に好適なプロモータの例には、細胞−、組織−及び器官−特異的なプロモータ、細胞周期特異的なプロモータ、一時的なプロモータ、誘導可能なプロモータ、ほとんどの植物細胞で活性がある構成的プロモータ、及び組換えプロモータが挙げられる。プロモータの選択はそのように所望されるクローニングしたポリヌクレオチドの時間的な及び空間的な発現に左右される。プロモータは、宿主細胞に由来するもの、又は他の植物、ウイルス及び植物に病原性の細菌及び真菌の遺伝子に由来するプロモータである。当業者は、過度の実験を行うことなく、本発明のポリヌクレオチド配列を含む遺伝子構築物を用いた発現構築物を修飾する及び調節することに使用するのに好適であるプロモータを選択することができるであろう。構成的な植物プロモータの例には、CaMV35Sプロモータ、ノパリンシンターゼのプロモータ、及びオクトピンシンターゼのプロモータ、トウモロコシ由来のUbi1プロモータが挙げられる。特定の組織で活性があり、内部の発生シグナル又は外部の生命のない若しくは生命のあるストレスに応答する植物プロモータは科学文献に記載されている。例となるプロモータは、たとえば、参照によって本明細書に組み入れられるWO02/00894に記載されている。
哺乳類宿主細胞で使用するのに好適なプロモータの例は、そのようなプロモータが宿主細胞系で適合性であるという条件で、たとえば、ポリオーマウイルス、鶏痘ウイルス、アデノウイルス(たとえば、アデノウイルス2)、ウシパピローマウイルス、トリ肉腫ウイルス、サイトメガロウイルス、レトロウイルス、B型肝炎ウイルス及びシミアンウイルス40(SV40)のようなウイルスのゲノムから得られるもの、非相同の哺乳類プロモータ、たとえば、アクチンプロモータ又は免疫グロブリンプロモータに由来するもの、及び熱ショックプロモータに由来するものを含む。
高等真核細胞による発現構築物の転写は、場合によっては、ベクターにエンハンサ配列を挿入することによって高められる。エンハンサは、プロモータに作用してその転写を高める普通、約10〜300bpのDNAのシス作用性の要素である。多数のエンハンサ配列が哺乳類遺伝子から今や知られている(グロビン、エラスターゼ、アルブミン、α−フェトタンパク質、及びインスリン)。しかしながら、通常、ヒトは真核細胞ウイルス由来のエンハンサを使用するであろう。例には、複製開始点の後ろ側のSV40エンハンサ(100〜270bp)、サイトメガロウイルスの早期プロモータのエンハンサ、複製開始点の後ろ側のポリオーマエンハンサ及びアデノウイルスエンハンサが挙げられる。通常、エンハンサは、ポリマーシンターゼ、粒子形成タンパク質又は融合ポリペプチドをコードする配列に対して5’位又は3’位でベクターにスプライスされるが、好ましくはプロモータから5’部位に位置する。
真核生物の宿主細胞(酵母、真菌、昆虫、植物、動物、ヒト、又は他の多細胞生物に由来する有核細胞)で使用される発現ベクターはまた、転写の終結及びmRANを安定化させるのに必要な配列も含有する。そのような配列は真核生物又はウイルスのDNA又はcDNAの5’及び時には3’の非翻訳領域から一般に入手できる。これらの領域は、ポリマーシンターゼ、粒子形成タンパク質又は融合ポリペプチドをコードするmRNAの非翻訳領域にてポリアデニル化断片として転写されるヌクレオチド断片を含有する。
一実施形態では、発現構築物はアラビノースによって誘導されるBADプロモータのような上流で誘導可能なプロモータを含む。
一実施形態では、発現構築物は、構成的な又は調節可能なプロモータ系を含む。
一実施形態では、調節可能なプロモータ系は誘導可能な又は抑制可能なプロモータ系である。
組換えタンパク質の産生では強力なプロモータを使用することが望ましい一方で、非相同のタンパク質の構成的な過剰産生は増殖率、プラスミドの安定性及び培養物の生存率の低下につながるので、それらプロモータの調節は必須である。
リプレッサタンパク質のオペレータ(プロモータから下流の領域)との相互作用によって多数のプロモータが調節される。最も周知のオペレータはlacオペロンに由来するもの及びバクテリオファージAに由来するものである。大腸菌における調節されたプロモータの概説は、Friehs及びReardon、1991の表1に提供されている。
標準の細菌培養と組換え大腸菌が関与するものとの間の主な差異は、増殖相と産生相又は誘導相の分離である。組換えタンパク質の産生は、増殖相(プロモータが「オフ」であり、宿主細胞への代謝負荷が軽い)にて高い細胞密度及び次いで誘導相(誘導に続いてプロモータを「オン」にする)にて非相同タンパク質の産生の高い比率を達成する調節されたプロモータを利用することが多い。
一実施形態では、調節可能なプロモータ系はLacI、Trp、ファージγ及びファージRNAポリメラーゼから選択される。
一実施形態では、プロモータ系はlac又はPtacプロモータ及びlacIリプレッサ、又はtrpプロモータ及びTrpRリプレッサから選択される。
一実施形態では、活性のあるリプレッサに結合してオペレータからの解離を生じ、発現を可能にするイソプロピル−β−D−チオガラクトピラノシド(IPTG)の添加によってLacIリプレッサを不活化する。
一実施形態では、trpプロモータ系は、濃度が閾値レベルを下回ると、系が自己誘導性になるように、規定されたトリプトファン濃度の合成培地を使用する。一実施形態では、3−β−インドール−アクリル酸を添加してTrpRリプレッサを不活化する。
一実施形態では、プロモータ系は、バクテリオファージγのリプレッサcIを使用し得る。このリプレッサは、γプロファージを使用し、OL及びORと呼ばれる2つのオペレータと相互作用することによって溶解遺伝子すべての発現を妨害する。これらのオペレータはそれぞれ、2つの強力なプロモータPL及びPRと重複する。cIリプレッサの存在下で、RNAポリメラーゼの結合が妨害される。UV照射又はマイトマイシンCによる細胞の処理によってcIリプレッサを不活化することができる。組換えポリペプチドの発現を可能にするさらに好都合な方法は、cIリプレッサcI857の温度感受性版の適用である。γに基づく発現系を持つ宿主細胞は、低温で指数関数増殖期の中間まで増殖することができ、次いで高温に移して組換えポリペプチドの発現を誘導する。
広く使用されている発現系は、T7DNA上で見られるプロモータのみを認識し、宿主細胞の染色体に存在するプロモータを認識しないファージT7RNAポリメラーゼを使用する。従って、発現構築物は組換え遺伝子が融合されるT7プロモータ(通常、遺伝子10の前に存在するプロモータ)の1つを含有し得る。T7RNAポリメラーゼをコードする遺伝子は発現構築物に存在するか、第2の適合性の発現構築物に存在するか、又は宿主細胞の染色体に統合される。3つの場合すべてにおいて、遺伝子は誘導可能なプロモータに融合されて発現相の間、その転写及び翻訳を可能にする。
大腸菌の株、BL21(DE3)及びBL21(DE3)pLysS(カリフォルニア州、Invitrogen)は、T7RNAポリメラーゼ遺伝子を運ぶ宿主細胞の例である(たとえば、KRX及びXJ(自己融解)のようなT7RNAポリメラーゼ遺伝子を抱く、さらに2、3の非常に好適な、市販の大腸菌の株がある)。T7RNAポリメラーゼ遺伝子を運ぶ他の細胞株、たとえば、ゲノムに統合されたT7RNAポリメラーゼ遺伝子を抱くPseudomonas aeruginosa ADD1976(Brunschwig & Darzins, 1992)、及びphaPプロモータの制御下(Barnard et al., 2004)でゲノムに統合されたT7RNAポリメラーゼ遺伝子を抱くCupriavidus necator(以前のRalstonia eutropha)が当該技術で既知である。
T7RNAポリメラーゼは、宿主細胞の酵素に対して3つの利点を提供する。第1にそれはたった1つのサブユニットから成り、第2にそれは高い処理能力を発揮し、第3にそれはリファンピシンに対して非感受性である。後者の特徴を特に用いて、T7RNAポリメラーゼをコードする遺伝子の誘導後、約10分にこの抗生剤を加えることによって融合ポリペプチドの量を高めることができる。その時間の間、十分なポリメラーゼが合成されて融合ポリペプチドの高レベルの発現を可能にし、宿主細胞の酵素の阻害はプラスミド及び染色体双方に存在する他の遺伝子すべてのさらなる発現を妨げる。たとえば、ストレプトリジギン及びストレプトバリシンのような細菌RNAポリメラーゼを阻害するが、T7RNAポリメラーゼを阻害しない他の抗生剤は当該技術で既知である。
プロモータ系はすべて漏れやすいので、T7RNAポリメラーゼをコードする遺伝子の低レベルの発現は、組換えポリペプチドが毒性タンパク質をコードする場合、細胞に有害であり得る。増殖相の間に存在するこれらのポリメラーゼ分子はリゾチームに対してT7をコードする遺伝子を発現させることによって阻害することができる。この酵素は、宿主細胞における細胞壁の結合を切断し、それに結合することによって、T7感染の間転写の制御されたバーストを保証するフィードバック機構によってT7RNAポリメラーゼを選択的に阻害する二官能性タンパク質である。大腸菌株、BL21(DE3)pLysSはT7リゾチームを構成的に発現するプラスミドpLysSを運ぶ宿主細胞の例である。
一実施形態では、プロモータ系は、温度シフトによって誘導され、又はスイッチが入れられ誘導サイクルを開始する、たとえば、約30〜37℃から42℃に温度を上げることによって誘導サイクルを開始するAPI又はAPRのようなプロモータを使用する。
強力なプロモータは生体内産生の間、粒子の表面で融合ポリペプチドの密度を高め得る。
本発明の一実施形態で使用される好まれる融合ポリペプチドは、(i)ポリマーシンターゼ及び(ii)少なくとも1つの抗体結合ドメインを含む融合パートナーを含む。
本明細書で使用するための(i)及び(ii)双方をコードする核酸配列は、ポリマーシンターゼをコードする核酸と少なくとも1つの抗体結合ドメインを含む融合パートナーをコードする核酸を含む。いったん発現されると、融合ポリペプチドはポリマー粒子を形成することができ、又はポリマー粒子の形成を促進することができる。
一実施形態では、少なくとも1つのポリマーシンターゼをコードする核酸配列は、所望の長さのポリヌクレオチドのリンカー又はスペーサーの配列を介して、粒子形成タンパク質をコードする核酸配列又は融合パートナーをコードする核酸配列と間接的に融合される。
一実施形態では、少なくとも1つ融合パートナーをコードする融合ポリペプチドのアミノ酸配列はポリマーシンターゼを含むアミノ酸配列のC末端に隣接する。
一実施形態では、少なくとも1つ融合パートナーを含む融合タンパク質のアミノ酸配列は、融合ポリペプチドの無関係な折り畳みを促進する所望の長さのペプチドのリンカー又はスペーサーを介してポリマーシンターゼ断片を含むアミノ酸配列のN末端に間接的に融合される。
一実施形態では、少なくとも1つ融合パートナーをコードする融合ポリペプチドのアミノ酸配列は、粒子形成タンパク質を含むアミノ酸配列のN末端、又はC末端シンターゼ断片と隣接する。
一実施形態では、少なくとも1つ融合パートナーをコードする融合タンパク質のアミノ酸配列は、融合ポリペプチドの無関係な折り畳みを促進する所望の長さのペプチドのリンカー又はスペーサーを介して、粒子形成タンパク質を含むアミノ酸配列のC末端、又はN末端シンターゼ断片に間接的に融合される。
一実施形態では、少なくとも1つ融合パートナーをコードする融合ポリペプチドのアミノ酸配列は、デポリメラーゼをコードするアミノ酸配列のN末端、又はC末端デポリメラーゼ断片と隣接する。
本発明に係る融合ポリペプチドの利点の1つは、ポリマー粒子の表面に結合するタンパク質の修飾がポリマー粒子の形成に関与するタンパク質の官能性に影響を及ぼさないことである。たとえば、組換えポリペプチドがそのN末端に融合して粒子の表面に組換えポリペプチドを生じたとしてもポリマーシンターゼの官能性は保持される。それにもかかわらず、タンパク質の官能性が融合によって損なわれるのであれば、この欠点は同じ機能を実行し、活性状態で存在する追加の粒子形成タンパク質の存在によって相殺される。
この方法で、粒子形成タンパク質を介してポリマー粒子に結合する組換えポリペプチドの安定した結合を保証すること可能である。
融合ポリペプチドにおけるタンパク質の配置は、プラスミドに含有される核酸の遺伝子配列の順に左右されることが十分に理解されるべきである。
たとえば、融合パートナーがポリマーシンターゼに間接的に融合される融合ポリペプチドを作出することが望ましくてもよい。用語「間接的に融合される」は、融合ポリペプチドで発現されることが望まれるタンパク質であり得る追加のタンパク質によって分離される、粒子形成タンパク質、好ましくはポリマーシンターゼ及び少なくとも1つの融合パートナーを含む融合ポリペプチドを指す。
一実施形態では、追加のタンパク質は、粒子形成タンパク質、又は融合ポリペプチド、又は上記で議論したような融合ポリペプチドの無関係な折り畳みを促進するリンカー又はスペーサーから選択される。この実施形態では、プラスミドにおける遺伝子の配列を順に並べて融合ポリペプチドの所望の配置を反映することは必要である。
一実施形態では、融合パートナーはポリマーシンターゼに直接融合される。用語「直接融合される」は、2以上のペプチドがペプチド結合を介して連結されることを示すように本明細書で使用される。
粒子がポリマー粒子に結合する少なくとも2つの異なる融合ポリペプチドを含む粒子を形成することが可能であってもよい。ポリマーシンターゼに融合された少なくとも1つの酵素を結合することが可能である結合ドメインを含む第1の融合ポリペプチドが、ポリマー粒子に結合すればよく、酵素を含む第2の融合ポリペプチドがポリマー粒子に結合すればよい。
一実施形態では、発現構築物は生体内で発現される。好ましくは、発現構築物は、微生物、好ましくは大腸菌で発現されるプラスミドである。
一実施形態では、発現構築物は試験管内で発現される。好ましくは、発現構築物は、無細胞発現系を用いて試験管内で発現される。
一実施形態では、1以上の遺伝子を単一の発現構築物に挿入することができ、又は1以上の遺伝子を宿主細胞ゲノムに統合することができる。あらゆる場合、発現は上述したようなプロモータを介して制御することができる。
一実施形態では、発現構築物はさらに、細胞介在性の免疫応答を誘発することが可能である抗原又は細胞介在性の免疫応答を誘発することが可能である少なくとも1つの抗原を結合することが可能である結合ドメイン、及び粒子形成タンパク質、好ましくは上記で議論したようなポリマーシンターゼを含む少なくとも1つの追加の融合ポリペプチドをコードする。
本明細書で有用なプラスミドは実施例で示され、その全体が参照によって本明細書に組み入れられるWO2004/020623(Bernd Rehm)として公表されたPCT/DE2003/002799及びWO2007/037706(Bernd Rehm)として公表されたPCT/NZ2006/000251に詳細に記載されている。
粒子作出用の宿主
本発明の粒子は、本明細書で記載されるような1以上の発現構築物を用いて宿主細胞にて好都合に作出される。本発明のポリマー粒子は宿主細胞が発現構築物を発現するのを可能にすることによって作出される。これは、先ず、たとえば、宿主細胞又は宿主細胞の前駆細胞を形質転換する又はそれに形質移入することにより宿主細胞又は宿主細胞の前駆細胞に発現構築物を導入すること、又はさもなければ、発現構築物が宿主細胞に存在することを確実にすることによって達成することができる。
形質転換に続いて、発現構築物からの融合ポリペプチドの発現及びポリマー粒子の形成に好適な条件下で形質転換した宿主細胞を維持する。そのような条件は、当該技術で知られるように好適な生物におけるプラスミドのような選択された発現構築物の発現に好適なものを含む。たとえば、及び特に、高い収率又は過剰発現が望ましい場合、培養培地における好適な基質の提供は融合ポリペプチドの粒子形成タンパク質成分がポリマー粒子を形成するのを可能にする。
好ましくは、宿主細胞は、たとえば、細菌細胞、真菌細胞、酵母細胞、植物細胞、昆虫細胞、又は動物細胞であり、好ましくは単離された又は非ヒト宿主細胞である。組換えポリマー粒子の作出のための当該技術(たとえば、Sambrook et al., 1987; Ausubel et al., 1987)で周知の方法にて有用な宿主細胞は、本明細書で議論される考慮を念頭に置いて、本発明の方法での使用に好適であることが多い。
好適な原核生物宿主細胞は、たとえば、グラム陰性又はグラム陽性の生物、たとえば、大腸菌のようなEnterobacteriaceaeのような真正細菌を含む。たとえば、大腸菌K12株MM294(ATCC31,446);大腸菌X1776(ATCC31,537);大腸菌株W3110(ATCC27,325)及びK5772(ATCC53,635)のような種々の大腸菌株が公的に利用可能である。他の好適な原核生物宿主細胞には、Escherichia spp.のような他のEnterobacteriaceae、Enterobacter、Erwinia、Klebsiella、Proteus、Salmonella、たとえば、Salmonella typhimurium、Serratia、たとえば、Serratia marcescans、及びShigella、並びにB.subtilis及びB.licheniformisのようなBacilli、P. aeruginosaのようなPseudomonas such、並びにStreptomycesのようなActinomycetes such、Rhodococcus、Corynebacterium並びにMycobateriumが挙げられる。
一部の実施形態では、たとえば、それが組換えDNA産物の発酵用の一般的な宿主株であるので、大腸菌株W3110を使用してもよい。好ましくは、宿主細胞は最少限の量のタンパク質分解酵素を分泌する。たとえば、W3110株は、宿主にとって内因性のタンパク質をコードする遺伝子にて遺伝子変異を達成するように修飾され、そのような宿主の例には、完全な遺伝子型tonAを有する大腸菌W3110株1A2;完全な遺伝子型tonA ptr3を有する大腸菌W3110株9E4;完全な遺伝子型tonA ptr3 phoA E15(argF−lac)169 degP ompT kanrを有する大腸菌W3110株27C7(ATCC55、244);完全な遺伝子型tonA ptr3 phoA E15(argF−lac)169 degP ompT rbs7 ilvG kanrを有する大腸菌W3110株37D6;非カナマイシン耐性degP欠失変異を伴った株37D6である大腸菌W3110株40B4が挙げられる。
好まれる一部の実施形態では、たとえば、リポ多糖類エンドトキシンを産生しない Lactococcus lactis株を使用してもよい。Lactococcus lactis株の例にはMG1363及びLactococcus lactis亜種cremorisNZ9000が挙げられる。
原核生物に加えて、たとえば、糸状菌又は酵母のような真核微生物は本発明の方法で使用するのに好適なクローニング宿主又は発現宿主である。例には、一般に使用される下等真核宿主微生物であるSaccharomyces cerevisiaeが挙げられる。他の例には、Schizosaccharomyces pombe(Beach and Nurse, 1981; EP 139,383)、Kluyveromyces hosts(米国特許第4,943,529号; Fleer et al., 1991)たとえば、K.lactis(MW98−8C, CBS683, CBS4574; Louvencourt et al., 1983)、K.fragilis(ATCC12,424)、K.bulgaricus(ATCC16,045)、K.wickeramii(ATCC24,178)、K.waltii(ATCC56,500)、K.drosophilarum(ATCC36,906;Van den Berg et al, 1990),K.thermotolerans及びK.marxianus;yarrowia(EP402,226);Pichia pastoris(EP183,070; Sreekrishna et al., 1988);Candida;Trichoderma reesia(EP244,234);Neurospora crassa(Case et al., 1979);Schwanniomyces、たとえば、Schwanniomyces occidentalis(1990年10月31日に公開されたEP394,538);糸状菌、たとえば、Neurospora,Penicillium,Tolypocladium(1991年1月10日に公開されたWO91/00357)及びAspergillus宿主、たとえば、A.nidulans(Ballance et al., 1983; Tilburn et al., 1983; Yelton et al., 1984))及びA.niger(Kelly and Hynes, 1985)が挙げられる。メタノール資化性酵母は本明細書で好適であり、Hansenula、Candida、Kloeckera、Pichia、Saccharomyces、Torulopsis、及びRhodotorulaから成る属から選択されるメタノールで増殖することが可能である酵母を含む。酵母のこの部類の例となる具体的な種のリストはAnthony、1982で見つけられ得る。
非脊椎動物宿主細胞の例には、たとえば、DrosophilaS2及びSpodopteraSf9のような昆虫細胞、並びにたとえば、綿、トウモロコシ、ジャガイモ、大豆、ペチュニア、トマト及びタバコの細胞培養のような植物細胞が挙げられる。多数のバキュロウイルス株及び、たとえば、Spodoptera frugiperda(毛虫)、Aedes aegypti(蚊)、Aedes albopictus(蚊)、Drosophila melanogaster(ショウジョウバエ)及びBombyx moriのような宿主からの種々の、相当する許容できる宿主細胞が特定されている。たとえば、Autographa californica NPVのL−1変異体及びBombyx mori NPVのBm−5株のような形質移入用の種々のウイルス株は公的に利用可能であり、そのようなウイルスは、本発明に係る本明細書のウイルスとして、特にSpodoptera frugiperda細胞の形質移入に使用され得る。
哺乳類の宿主細胞株の例は、SV40で形質転換したサル腎臓CV1株(COS−7,ATCC:CRL1651);ヒト胚性腎臓株(浮遊培養での増殖のために継代した293又は293細胞、Grahamら、J.Gen.Virol.36:59(1977));幼若ハムスター腎臓細胞(BHK,ATCC:CCL10);チャイニーズハムスター卵巣細胞/−DHFR(CHO,Urlaubら、1980);マウスセルトリ細胞(TM4,Mather,1980);サル腎臓細胞(CV1、ATCC:CCL70);アフリカミドリザル腎臓細胞(VERO−76,ATCC:CRL−1587);ヒト子宮頸癌細胞(HELA,ATCC:CCL2);イヌ腎臓細胞(MDCK,ATCC:CCL34);スイギュウネズミ肝臓細胞(BRL3A,ATCC:CRL1442);ヒト肺細胞(W138,ATCC:CCL75);ヒト肝臓細胞(HepG2,HB8065);マウス乳癌(MMT060562,ATCC:CCL51);TRI細胞(Matherら、1982);MRC5細胞;FS4細胞;及びヒト肝癌細胞(HepG2)である。
真核生物細胞株、たとえば、哺乳類細胞株は、たとえば、酵素又は抗体結合ドメインのような融合パートナーが、たとえば、糖化のような1以上の翻訳後修飾を必要とする場合、好まれるであろう。たとえば、1以上の酵素は最適に活性があるように翻訳後修飾を必要としてもよいので、普通、そのような翻訳後修飾が可能である発現宿主で発現され得る。
一実施形態では、宿主細胞は酸化する細胞質ゾルを伴った細胞、たとえば、大腸菌Origami株(Novagen)である。
別の実施形態では、宿主細胞は還元する細胞質ゾルを伴った細胞、好ましくは大腸菌である。
宿主細胞は、たとえば、Ralstonia、Acaligenes、Pseudomonas及びHalobiformaを含む属から選択され得る。好ましくは使用される微生物は、たとえば、Ralstonia eutropha、Alcaligenes latus、Escherichia coli、Pseudomonas fragi、Pseudomonas putida、Pseudomonas oleovorans、Pseudomonas aeruginosa、Pseudomonas fluorescens、及びHalobiforma haloterrestrisを含む群から選択される。この群は、生体適合性で生分解性の粒子を天然に産出する微生物及びたとえば、大腸菌のようにその遺伝的性質のためにそのようにすることができない微生物双方を含む。後者の状態の微生物が粒子を産出するのを可能にするのに必要とされる遺伝子は上述のように導入される。
例となる好塩性古細菌は、タンパク質の低レベルで非特異的な結合を伴うポリマー粒子を産出し、細胞からの粒子のさらに容易な単離及び精製を可能にする。
原則として、宿主細胞が異なる代謝のためにポリマー粒子を形成するのに必要とされる基質を産生できないとしても上述の方法によってポリマー粒子を産出するのに任意の培養可能な宿主細胞を使用し得る。そのような場合、必要な基質を培養培地に加え、次いで細胞に導入しておいた遺伝子によって発現されているタンパク質によってポリマー粒子に変換する。
後者の状態の宿主細胞がポリマー粒子を産出するのを可能にするのに利用される遺伝子には、たとえば、チオラーゼ、レダクターゼ又はポリマーシンターゼ、たとえば、phaAチオラーゼ、ケトアシルレダクターゼ又はRalstonia eutropha由来のphaCシンターゼが挙げられる。ポリマー粒子の形成のために宿主細胞が欠いているものを増強するのにどの遺伝子を使用するかは、宿主細胞の遺伝的性質及びどの基質が培養培地に提供されるかに左右される。
ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)粒子の形成に関与する遺伝子とタンパク質、及び粒子形成についての一般的な検討は、Madisonら、1999;公開されたPCT国際出願WO2004/020623(Bernd Rehm);及びRehm,2003;Brockelbank、JA.ら、2006;Peters及びRehm,2006;Backstromら、(2006)並びにRehm,(2006)で報告されており、そのすべてを参照によって本明細書に組み入れる。
基質として(R)−ヒドロキシアシル−CoA又は他のCoAチオエステル又はその誘導体を伴う任意の宿主細胞ではポリマーシンターゼのみを使用することができる。
ポリマー粒子はまた試験管内でも形成することができる。好ましくは、たとえば、無細胞発現系を使用する。そのような系では、ポリマーシンターゼが提供される。組換え生産から、又はタンパク質の翻訳が可能な無細胞系にて入手可能なもの、ポリマーシンターゼをコードする発現構築物の導入によって無細胞系自体にて入手可能なもののような精製されたポリマーシンターゼが好まれるであろう。試験管内での粒子の形成を可能にする環境を作るためにポリマー粒子の形成に必要な基質は培地に含まれるべきである。
たとえば、(R)−ヒドロキシアシル−CoA又は他のCoAチオエステルを基質として用いた官能化されたポリマー粒子の試験管内作出のためにポリマーシンターゼを使用することができる。
ポリマー粒子の試験管内作出に先立って、セルソーター、遠心、濾過又はアフィニティクロマトグラフィを用いて、溶解した細胞から融合ポリペプチドを精製することができる。
ポリマー粒子の試験管内での形成によって、融合ポリペプチドの被覆率のレベル、リン脂質の組成等を含む表面組成の最適な制御が可能になる。
ポリマー粒子を作出する条件を制御することによってポリマー粒子の特徴に影響を与え得る又はそれを制御し得ることが十分に理解されるであろう。これには、たとえば、宿主細胞の遺伝的性質、たとえば、Peters及びRehm,2005で議論されたような大型の顆粒を産生する細胞分裂変異が含まれる。宿主細胞が維持される条件、たとえば、温度、基質の存在、1以上の粒子サイズ決定タンパク質のような粒子形成タンパク質の存在、ポリマー調節因子の存在など。
一実施形態では、ポリマー粒子の望ましい特徴は、それが永続性であるということである。用語「永続性」は、選択された環境で分解に耐性であるポリマー粒子の能力を指す。ポリマー粒子の追加の望ましい特徴は、それがポリマーシンターゼ又は粒子形成タンパク質から形成され、粒子の集合の間、ポリマーシンターゼ又は粒子形成タンパク質のC末端又はN末端に結合することである。
本発明の一部の実施形態では、宿主細胞における発現構築物の過剰発現を達成することが望ましい。特定の発現構築物を過剰に発現するメカニズムは当該技術で周知であり、構築物自体、それが発現されるべき宿主、及び望まれる又は必要とされる過剰発現の程度を含む他の因子に左右される。たとえば、過剰発現は、(i)原核生物宿主における強力なプロモータ系、たとえば、T7RNAプロモータ系の使用、(ii)コピー数の多いプラスミド、たとえば、ColE1複製開始点を含有するプラスミドの使用、又は(iii)たとえば、融合配列の使用を介したメッセンジャーRNAの安定化、又は(iv)リボゾーム結合部位又は終結部位等のコドン使用頻度の最適化を介した翻訳の最適化によって達成することができる。過剰発現の利益によってさらに多数のポリマー粒子の産生が望ましい場合、さらに小さな粒子の産生を可能にする。
ポリマー粒子を形成するポリマーの組成はポリマー粒子の機械的な特性又は物理化学的な特性に影響を及ぼし得る。たとえば、そのポリマーの組成が異なるポリマー粒子は、半減期が異なり得るし、又は生物学的に活性のある物質、特に医薬活性成分を異なった速度で放出し得る。たとえば、C6〜C14の3−ヒドロキシ脂肪酸で構成されたポリマー粒子はポリマーの結晶度が低いので速い速度のポリマー分解を示す。ポリマー主鎖上での相対的に大きな側鎖を伴うポリマー成分のモル比の上昇は普通、結晶度を低下させ、さらに顕著なエラストマー特性を生じる。本明細書で記載され、当該技術で既知の方法に従ってポリマー組成を制御することによって、ポリマー粒子の生分解性に影響を与えるので、ポリマー粒子の持続時間に影響を及ぼす(及び存在する場合、1以上の融合パートナーは、たとえば、接線流濾過システムにて、又は結合、触媒に影響を及ぼすように、又は1以上の標的物質又はポリマー粒子に対する、その上の若しくはそれからのその前駆体を放出するように維持される)。
官能性の側基を持つ少なくとも1つの脂肪酸がポリマー粒子の形成のための基質として培養培地に好ましくは導入され、少なくとも1つのヒドロキシ脂肪酸及び/又は少なくとも1つのメルカプト脂肪酸及び/又は少なくとも1つのβ−アミノ脂肪酸が特に好ましくは導入される。「官能性の側基を持つ脂肪酸」は飽和又は不飽和の脂肪酸を意味するように解釈されるべきである。これらにはまた、メチル基、アルキル基、ヒドロキシル基、フェニル基、スルホヒドリル基、1級、2級及び3級のアミノ基、アルデヒド基、ケト基、エーテル基、カルボキシル基、O−エステル基、チオエステル基、カルボン酸アミド基、ヘミアセタール基、アセタール基、リン酸一エステル基、及びリン酸二エステル基を含む群から選択される官能性の側基を含有する脂肪酸が挙げられる。ポリマー粒子所望の組成及び所望の特性によって基質の使用が決定される。
基質及び基質混合物は、少なくとも1つの任意で置換されたアミノ酸、乳酸塩、エステル又は飽和若しくは不飽和の脂肪酸、好ましくはアセチル−CoAを含み得る。
一実施形態では、基質混合物にて1以上の物質が提供され、ポリマー粒子の形成の間にポリマー粒子に導入され、又はポリマー粒子に拡散するのを可能にされる。
ポリマー粒子は、たとえば、ポリ−β−ヒドロキシ酸、ポリアセテート、ポリチオエステル及びポリエステルから選択されるポリマーを含む。最も好ましくは、ポリマーはポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、好ましくはポリ(3−ヒドロキシブチレート)(PHB)を含む。
ポリマーシンターゼ又はポリマー粒子は、好ましくはポリマー粒子を被包するリン脂質単層を含む。好ましくは、前記粒子形成タンパク質は前記脂質単層を跨ぐ。
ポリマーシンターゼ又は粒子形成タンパク質は好ましくはポリマー粒子又はリン脂質単層に結合し、又は双方に結合する。
粒子形成タンパク質は好ましくは、それが形成するポリマー粒子に共有結合する又は非共有結合する。
ポリマー粒子の表面積の好ましくは少なくとも約1%、2%、3%、4%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%又は100%が融合ポリペプチドによって被覆される。
特定の状況では、本発明の方法で作出される粒子のサイズを制御して、たとえば、所与の適用に特に適する粒子を作出することが望ましくてもよい。たとえば、相対的に大きなサイズの1以上の融合パートナーを含むポリマー粒子を作出して、たとえば、堅牢な耐久性を支えることが望ましくてもよい。たとえば、1以上の抗体を調製するのに使用する粒子の文脈で、相対的に大きなサイズの1以上の抗体結合ドメインを含むポリマー粒子を作出して接線流濾過システムにおける耐久性及び機能性を確保することが望ましくてもよい。他の例では、たとえば、標的物質に対する酵素基質の触媒において、相対的に小さなサイズの1以上の酵素を含むポリマー粒子を作出して接線流濾過システムにおける酵素の相対的に高い濃度を可能にすることが望ましくてもよい。ポリマー粒子のサイズを制御する方法は、WO2004/020623として公開されたPCT/DE2003/002799及びWO2007/037706として公開されたPCT/NZ2006/000251に記載されている。
一部の実施形態では、たとえば、粒子形成タンパク質の発現を制御することによって、又は存在するならば、粒子サイズ決定タンパク質の発現を制御することによって、粒子サイズを制御する。
本発明の他の実施形態では、たとえば、粒子サイズの制御は、基質の利用性、たとえば、培養培地における基質の利用性を制御することによって達成され得る。特定の例では、それがポリマー粒子のサイズの制御を確保するのに十分であるような量で培養培地に基質が加えられ得る。
そのような方法の組み合わせを使用して粒子サイズに一層さらに効果的な制御を発揮する可能性を可能にすることが十分に理解されるであろう。
種々の実施形態では、たとえば、粒子サイズは、約10nm〜3μm、好ましくは約10nm〜約900nm、約10nm〜約800nm、約10nm〜約700nm、約10nm〜約600nm、約10nm〜約500nm、約10nm〜約400nm、約10nm〜約300nm、約10nm〜約200nm、及び特に好ましくは約10nm〜約100nmの直径を有する粒子を作出するように制御され得る。
他の実施形態では、たとえば、粒子サイズは、約10nm〜約90nm、約10nm〜約80nm、約10nm〜約70nm、約10nm〜約60nm、約10nm〜約50nm、約10nm〜約40nm、約10nm〜約30nm、又は約10nm〜約20nmの直径を有する粒子を作出するように制御され得る。
たとえば、約50〜約500nm、約150〜約250nm、又は約100〜約500nm等の直径を有するポリマー粒子のような、上記で言及した範囲の範囲内での範囲を含む平均ポリマーサイズの他の範囲は特に熟考される。
種々の実施形態では、たとえば、作出される粒子の90%は、約200nm以下の直径を有し、80%は約150nm以下の直径を有し、60%は約100nm以下の直径を有し、45%は約80nm以下の直径を有し、40%は約60nm以下の直径を有し、25%は約50nm以下の直径を有し、5%は約35nm以下の直径を有する。
種々の実施形態では、たとえば、方法は約200nm未満、約150nm未満、又は約110nm未満の平均直径を持つポリマー粒子を作出する。
本発明は、上述にあり、実施例のみを提供するその以下の構成も想定する。
実施例
実施例1:接線流濾過によるIgGの精製
本実施例は、種々の市販の接線流膜と併せて抗体結合ポリペプチドドメインを提示するポリマー粒子を使用してIgG免疫グロブリンを精製することを記載する。
材料及び方法
濾過はすべてSartorius交差流スライス200システムにて実施した。以下の膜を使用した:それぞれSartorius製の0.1μmのポリエーテルスルホン、0.2μmのHydrosart及び100kDaのHydrosart。
圧力モニタリング
シグナルを記録し、各点から中央制御装置に送る圧力変換器にP1、P2及びP3を接続する。P1、P2及びP3は当初、管類の締め付けによって制御し、試行全体を通してそのままにした(水流動及び透析濾過)。従って、膜貫通圧(TMP)はポンプ給水速度の自動的な変動によって維持した。
粒子の調製
pET14b−ZZ(−)phaCプラスミドを持つ培養大腸菌BL21細菌(Brockelbank et al., 2006)によって生物反応器にてZZPhaCポリマー粒子を調製した。バイオマスはすべてBugBusterプロトコールによって溶解し、50mMのリン酸カリウム、pH7.5にて3回洗浄した。
50mLの50mMのリン酸カリウム、pH7.5に2.69gのポリマー粒子を懸濁し、53.8g/Lのポリマー粒子懸濁液を生じた。
53.8g/Lのポリマー粒子懸濁液15mLを50mMのリン酸カリウム、pH7.5で100mLにし、8.07g/Lのポリマー粒子懸濁液を生じた。
この8.07g/Lのポリマー粒子懸濁液100mLを接線流濾過の間で透析濾過に使用した。
浄水透過液流速
ポリマー粒子懸濁液の透析濾過の前後で浄水透過液流速を実施し、フィルター膜の品質をモニターした。
0.01μmのフィルター
透析濾過の前:TMP=1バール、透過液流速=272mL/分
透析濾過の後、1MのNaOH(40℃)で15分間、膜を殺菌し、次いで再び30分間殺菌し、MQ水ですすいだ。0.1MのNaOHを保存のために膜で循環させた。
TMP=1バール、透過液流速=248mL/分。
0.02μmのフィルター
透析濾過の前:TMP=1.1バール、透過液流速=284mL/分
透析濾過の後、1MのNaOH(40℃)で30分間、膜を殺菌し、次いで再び50分間、次いで30分間殺菌し、MQ水ですすいだ。0.1MのNaOHを保存のために膜で循環させた。
TMP=1.1バール、透過液流速=228mL/分。
100kDaのフィルター
透析濾過の前:TMP=1.3バール、透過液流速=136mL/分
透析濾過の後、1MのNaOH(40℃)で15分間、膜を殺菌し、MQ水ですすいだ。0.1MのNaOHを保存のために膜で循環させた。
TMP=1.3バール、透過液流速=120mL/分。
透析濾過
2Lの50mMのリン酸カリウム、pH7.5で8.07g/Lのポリマー粒子懸濁液100mLを透析濾過した。2Lにおける最後の容量を使い切るまで(およそ18〜20分間)、濾過を行った。変動するポンプ給水流速によってTMPを一定に維持した。
結果
リテンテートの解析
ポリマー粒子タンパク質のプロファイルのSDS/PAGE(クマシーブルー染色、図5を参照)、IgGの精製、GC/MS(図6を参照)及びTEM(図7を参照)の解析は、元々の原料物質(それぞれ図6A及び図7A)及び接線流濾過のリテンテート(それぞれ図6B及び図7B)で実施した。
見て分かるように、本発明のポリマー粒子によって優れた流速、透過液回収率、及びIgG免疫グロブリンの最終的に効率の高い精製が達成された。GC/MS解析は脂肪酸混入物質の除去を示した。
これらのデータは、本発明のポリマー粒子が、接線流濾過に通常使用される条件下で変形(図7B参照)又は損傷(図6B及び図7B)を受けないことを示している。GC/MSの解析は、ポリマーの分解産物の証拠を示さなかった。これらのデータは、本発明のポリマー粒子を用いた接線流濾過の技術(膜、フィルター及びフィルター装置を含む)が損傷及び汚染に耐性であるので、標的物質を汚染せず、再利用のために容易に再生できることを示している。
考察
本実施例は、接線流濾過法にて本明細書で記載されるようなポリマー粒子を採用する本発明の方法は、複雑な混合物から価値ある標的分子を分離し、調製するのによく適合することを明瞭に明らかにしている。
実施例2.混合溶液からのヒトIgGの精製
序論
本実施例は混合溶液からのヒトIgGの精製におけるポリマー粒子を含むZドメイン及びTFFの使用を記載する。
材料及び方法
Zドメイン(上記実施例1で記載したような)を含む本発明のポリマー粒子5gをBSA及びIgGの溶液(PBS、pH7.4における50mL懸濁液)に加えた。設定した時間(30分間)IgGをポリマー粒子に結合させた。予備インキュベートの後、ポリマー粒子/IgG/BSAの懸濁液を幾つかの透析濾過容量についてTFF(0.1μmの膜)にて透析濾過した。回収した透過液分画に存在するタンパク質を280nmでの吸収で測定し(A280、50mL分画)、溶出プロファイルをプロットした(BSAの除去を観察するために)。A280がゼロに達した際、クエン酸塩、pH3.0を添加することによってIgGが溶出され、A280及びSDS/PAGE(銀染色を伴う)による透過液分画の解析によって透過液にてIgGの溶出が追跡された。
結果
図8に示すように、BSAは最初のA280の吸収の主要因であった。分画13では、透過液分画の吸収がゼロであった際、透析濾過緩衝液としてクエン酸塩を加え、使用した一方でIgGが溶出された。それぞれのモル吸光係数を用いてIgG及びBSAの相対量を算出した。この算出は、元々の溶液でそれらが調製された比率で透過液分画にIgGとBSAの定量的回収があることを示した。
A280の第1のピーク及び第2のピークがそれぞれBSA及びIgGであることを確認するために、SDS/PAGEを行い、透過液分画のそれぞれにおけるタンパク質を調べた。図9Aにおけるゲルは元々の溶液及びTFF解析からの各透過液分画1〜13を示す。ゲルは、溶出前の透過液分画に主としてBSAが存在することを裏付けている(微量の未結合のIgGの存在と共に)。図9Bに示す第2のゲルは、透過液分画14〜26におけるタンパク質を観察するために流した。これらの分画はクエン酸塩(pH3.0)の添加及び結果として起きるIgGの溶出の直後に回収された。
これらの結果は、IgGは主としてポリマー粒子から透過液に溶出されることを示した。
考察
この結果は、TFFにてZドメインを含むポリマー粒子を利用する本発明の方法が混入するタンパク質(BSA)を含む溶液からIgGを精製するのに有効であるという明瞭な実証である。同様に、本発明の方法は、IgGが取り除かれている溶液を調製するのにも有効であるということは、たとえば、免疫グロブリンを含まない血清の調製における本発明の方法の有用性を明らかにしている。
実施例3.ヤギ血清からヤギIgGを精製するためのGB1ドメインポリマー粒子及びTFFの使用
序論
本実施例は、複雑な混合物からヤギIgGを精製するためのプロテインGのGB1ドメインを含むポリマー粒子の調製及びTFFにおけるその使用を記載する。
材料及び方法
発現プラスミドの構築
プラスミドpET−14bPhaC−(GB1)3を以下のように構築した。それぞれリンカー領域(SGGGSGGGSGGGGS、配列番号3)によって分離されたN末端リンカー(LEVLAVIDKRGGGGGSGGGSGGGSGGGG、配列番号2)とプロテインG(Streptococcus sp.)由来の3つのGB1結合をコードするDNA配列(添付の配列ID表における配列番号1)はGenscript社によって合成された。導入されたXhoI/BamHI部位を用いて、プラスミドpET14bPhaC−MalE(Jahns and Rehm, 2009)においてMalEをコードするDNA領域を置き換えた。これによって添付の配列ID表における配列番号4として示されるDNA配列を持つプラスミドpET−14bPhaC−(GB1)3を生じた。
プラスミドpMCS69(Amara and Rehm, 2003)を抱く大腸菌株へのプラスミドpET−14bPhaC−(GB1)3の導入は(GB1)3を提示するPHBポリマー粒子の産生を可能にした。
IgGの精製
TFFに基づくIgGの結合と精製のプロトコールを用いてIgGを結合し、ヤギ血清から精製した。GB1ドメインを含む本発明のポリマー粒子(5g)35.5mLの懸濁液に5mLのヤギ血清を加えた。ポリマー粒子はIgGの総結合(たとえば、5gのポリマー粒子懸濁液の湿重量>220mgのIgGの結合能)を可能にするように計算したレベルで加え、PBSにて50mLの最終容量に調整し、1:10の最終血清希釈を創った。A280(図10)及びSDS/PAGE(図11)によって測定した際、血清が完全に除かれるまで、PBSに対して混合物を透析濾過した。透析濾過は0.1nmの孔サイズを持つ50cm2の中空繊維カートリッジで実施した。いったん血清タンパク質が取り除かれると、リテンテートは20mLに濃縮され、次いで、50mLのリテンテートにてpH3.0のクエン酸ナトリウム/生理食塩水を用いてヤギIgGを溶出した。
結果
図10及び図11に示したデータは、IgGがヤギ血清から上手く取り除かれたのでIgGを含まないヤギ血清が作られ、精製されたIgGは次いでリテンテートにおけるポリマー粒子から溶出し、低pH緩衝液における透析濾過によって透過液から解放することができたことを明らかにしている。
考察
この結果は、TFFにてGB1ドメインを含むポリマー粒子を利用する本発明の方法は、先ず、IgGを含まない血清タンパク質調製物を精製し、次いで複雑な混合物からIgGを精製するのに有効であったことを明らかにしている。従って、適当な透析濾過条件を選択することによって、本発明は複雑な混合物から所望の成分分画を順次提供することができる。
実施例4.水から無機コロイド状の金を精製するための金結合ペプチドポリマー粒子及びTFFの使用
序論
本実施例は溶液から無機物(コロイド状の金)を取り除くことにおける、TFFと、金結合ドメインを含む本発明のポリマー粒子の使用を記載する。
方法
金結合ペプチド(Jahns, A. C et al., Bioconjugate Chem. 2008, 19, 2072-2080を参照)を含むポリマー粒子を記載するように調製した。30mLの脱イオン水にて10nmのコロイド状の金粒子の0.005%溶液を調製し、20cm2、0.2μmの中空繊維精密濾過カートリッジで平衡化した。完全な再循環のもとでシステムを走らせ、透過液をリテンテート容器に供給し戻した。520nmでの吸収によって金粒子の量を測定した。透過液のコロイド状の金溶液の吸収を測定した後、30mg(最終的に1mg/mL)のポリマー粒子をリテンテートリザーバに加えた。4分間隔で供給流から透過液の分画を採取した。8分及び29分にて、追加の300mgのポリマー粒子をリテンテートに加え、溶液中の残留する金をさらに結合した。
結果
透過流におけるコロイド状の金のレベルの低下は図12で容易に見られ、溶液から金粒子を隔離することにおけるTFFと金結合ドメインを含むポリマー粒子の有効性を明らかに実証している。
考察
本実施例は、無機化合物の回収及び溶液からのその除去における本発明の方法の有効性を明らかに実証している。そのような方法は、無機化合物が有益であり、その回収が望ましい状況、及び無機化合物が混入化合物であり、溶液から又は溶液に存在する他の成分からそれを取り除くことが望ましい状況の双方で有用性を有する。
実施例5.可溶性デンプンからのマルトースの生産及び回収のためのアミラーゼ連結ポリマー粒子及びTFFの使用
序論
本実施例は、生体分子の生物学的処理におけるTFFと酵素を含むポリマー粒子の使用を記載する。ここで、可溶性デンプン懸濁液をマルトースに変換するのにアミラーゼを含むポリマー粒子を用いた。
方法
アミラーゼを含むポリマー粒子(Rasiah, I., Rehm, B.H.A., (2009) One-step production of immobilised a-amylase in recombinant Escherichia coli. Appl Environ. Microbiol. 75:2012-2016を参照)を記載するように調製した。振盪しながら50℃にて、2gのポリマー粒子と共に1%w/v、4%w/v及び8%w/vの可溶性デンプンのPBS懸濁液(300mL)をインキュベートした(作出したバッチ)。インキュベートの2時間後、110cm2、0.1μmの精密濾過カートリッジに適合させたTFFシステムで1%デンプン/ポリマー粒子懸濁液を透析濾過した。透過液分画を回収し(50mL)、その後、マルトース濃度を測定した。さらに、200mLのPBS緩衝液を介して透析濾過することによってポリマー粒子からマルトースを洗浄した。
1%溶液を完全に回収した後、4%のデンプン/ポリマー粒子懸濁液を同じリテンテートに加え、システムを介して透析濾過し、同様に8%懸濁液からマルトースを回収した。いったんTFFが終了すると、透過液に回収されたマルトースの量を測定した(図13)。
結果
図13にて明らかに分かるように、ポリマー粒子に結合したアミラーゼ酵素がTFFシステムにてマルトースの生産を触媒することができたということは、粒子に連結した触媒を高温適用で使用することができ、生成物(マルトース)を反応懸濁液から容易に回収することができることを明らかにしている。
考察
本実施例では、ポリマー粒子及び高分子量のデンプンがリテンテート分画に残って加水分解が起きるのを可能にする一方で、低分子量の生成物マルトースを透過液分画に連続的に分離することができる。
本実施例は、ポリマー粒子に結合した酵素活性が介在する出発物質の所望の生成物への変換及び溶液からのその生成物の回収における本発明の方法の有効性を明瞭に実証している。
実施例6.水の除染及び解毒のためにTFFで使用するための触媒ポリマー粒子の作出
序論
本実施例は、A.radiobacterに由来するオルガノホスホヒドロラーゼ(OpdA)を含むポリマー粒子の産生及び大腸菌におけるその粒子の発現のためのベクターの調製を記載する。OpdAは、Ralstonia eutrophaのポリマー粒子形成酵素PhaC(Blatchford et al., in press Biotech. Bioeng.を参照)のC末端に設計されたリンカー領域を介してそのN末端を融合した。
材料及び方法
細菌株及び増殖培地
この試験で使用した細菌株を以下の表1に列記する。特に言及されない限り、大腸菌はすべて37℃で増殖させた。必要に応じて、以下の濃度で抗生剤を加えた:アンピシリン(75μg/mL)、クロラムフェニコール(50μg/mL)、及びテトラサイクリン(12.5μg/mL)。ポリマー粒子の産生のために、37℃にて0.45のOD600まで細胞を増殖させ、次いで1mMのIPTGの添加によって誘導した。誘導の後、振盪フラスコにて培養物を30℃で44時間培養した。
Tcr−テトラサイクリン耐性、Apr−アンピシリン耐性、Cmr−クロラムフェニコール耐性
プラスミド及びオリゴヌクレオチド
この試験で使用したプラスミドは上記表1に列記する。当該技術で一般に知られる方法を用いて一般的なクローニング手順及びDNAの単離を行った。DNAプライマー、デオキシヌクレオシド三リン酸、T4DNAリガーゼ及びTaqポリメラーゼはIntegrated DNA Technologies(米国カリフォルニア州)から購入した。化学薬品はSigma Aldrich(ミズーリ州、セントルイス)から購入した。
機能的なOpdAポリエステル顆粒を産生するためのプラスミドの構築
有機リン酸分解タンパク質をコードするopdADNAは、プラスミドpETMCSIの中の挿入物としてオーストラリア、キャンベラのCSIROから入手した。操作した5’及び3’の制限部位によってプライマーを設計した。5’プライマー(5’−XhoI[配列番号5])はXhoI制限部位を抱き、3’プライマー(3’−BamHI[配列番号6])はBamHI制限部位を抱く。Sigmaが作出したプライマーによってpfxPCRを行い、OpdAをコードする領域を増幅した。断片末端にポリAを付け、プラスミドpGEM−TEasyに連結した。標識プレート上で青/白選抜によって形質転換体をスクリーニングした。配列決定によってopdA挿入物について組換え白色コロニーをスクリーニングした。XhoI及びBamHI制限酵素による加水分解によってプラスミドpGEM−TEasyからopdA配列を切断した。OpdAタンパク質のN末端の疎水性解析の後、リンカー領域を含めることが必要であると思われれば、好適なベクターとしてプラスミドpET14bPhaC/リンカー/MalEを用いた。XhoI及びBamHIによってプラスミドpET14bPhaC/リンカー/MalEを加水分解してプラスミドからMalE領域を切断した。プラスミド主鎖pET14bPhaC/リンカーのXhoI及びBamHIの部位にopdA配列をクローニングしてプラスミドpET14bPhaC/リンカー/OpdAを生じた。これを用いて、プラスミドpMCS69を抱く大腸菌BL21λ(DE3)コンピテント細胞を形質転換したが、それは、ポリマー粒子の形成に必要とされるR−3−ヒドロキシブチリル−補酵素A(CoA)の合成に介在する。DNA配列決定によって新しいプラスミド構築物のDNA配列を確認した。OpdA活性を示さない対照のポリマー粒子を産生するために、プラスミドpMCS69の存在下で大腸菌BL21λ(DE3)にてR.eutrophaの野生型PhaCのみをコードするプラスミドpETCを用いた。
タンパク質の解析
Laemmli,U.K.1970で記載されたようなドデシル硫酸ナトリウム(SDS)/ポリアクリルアミドゲル電気泳動(PAGE)によってポリエステルタンパク質のプロファイルを解析した。バクテリオファージT4の頭部の集合の間での構造タンパク質の切断。Nature、227:680−5。クマシーブリリアントブルーG250でゲルを染色した。タンパク質濃度はBradfordタンパク質定量法を用いて決定した。
MALDL/TOF質量分光法を用いたトリプシンによるペプチドフィンガープリント解析
PhaC/OpdA融合タンパク質を特定するために、当該タンパク質バンドをゲルから切り出し、トリプシン消化に供し、次いで以前記載されたように(15)、得られたトリプシン消化ペプチドのMALDI/TOF質量分光解析を行った。
ポリエステルの解析
Brandl,H.,R.A.Gross,R.W.Lenz,及びR.C.Fuller.1988,生分解性ポリエステルとしての考えられる適用のためのポリ(β−ヒドロキシアルカノエートの供給源としてのPseudomonas oleovorans,Appl.Env.Microbiol.54:1977−1982で記載されたようなガスクロマトグラフィ/質量分光法(GC/MS)によって、ポリエステルシンターゼの生体内活性を示すポリエステル、ポリヒドロキシブチレートの産生を定性的に且つ定量的に測定した。
ポリマー粒子
Jahns,A.C.,R.G.Haverkamp,及びB.H.Rehm.2008.操作した細菌の内部へ自己集合する多官能性無機結合ポリマー粒子。Bioconj.Chem.19:2072−80で記載されたように機械的な細胞破砕及びグリセロール勾配における超遠心を用いて組換え大腸菌からポリマー粒子を単離した。pMCS69及びpETCを抱く大腸菌BL21λ(DE3)から対照のポリマー粒子を作製した。
顕微鏡
Peters,V.,及びB.H.Rehm.2005,GFP標識したPHAシンターゼを用いたPHA顆粒形成の生体内モニタリング。FEMS Microbiol.Lett.248:93−100で記載されたようにナイルレッド染色に続く蛍光顕微鏡によって細菌細胞の内部で産生されるポリエステル粒子を視覚化した。
酵素アッセイ
基質としてメチルパラチオン(O,O−ジエチルO−(4−ニトロフェニル)ホスホロチオエート;Sigma)を用いて、Dumas及び共同研究者(Dumas, D. P., S. R. Caldwell, J. R. Wild, and F. M. Raushel. 1989、Purification and properties of the phosphotriesterase from Pseudomonas diminuta. J. Biol. Chem. 264:19659-19665)及びHarcourtら(Harcourt, R. L., I. Horne, T. D. Sutherland, B. D. Hammock, R. J. Russell, and J. G. Oakeshott. 2002. Development of a simple and sensitive fluorimetric method for isolation of coumaphos-hydrolysing bacteria. Lett. Appl. Microbiol. 34:263-268)によって記載された方法を用いて、ポリマー粒子を結合したPhaC/OpdA及びポリエステルを結合したPhaCのホスホトリエステラーゼ活性を測定した。
Spectromax190分光光度計(Molecular Devices)を用いて、パラ−ニトロフェノールの遊離により生じる405nmでの吸収の上昇によってメチルパラチオンの加水分解の速度をモニターした。酵素活性の単位は1分当たり代謝回転したメチルパラチオンのマイクロモルとして定義する。
結果
ポリエステルシンターゼPhaCのC末端に翻訳時融合した完全長のOpdAをコードするプラスミドpET14b/PhaC/リンカー/OpdAは、組換え大腸菌BL21λ(DE3)におけるポリヒドロキシブチレート(PHB)ポリマー粒子の形成に介在し、野生型のポリエステルシンターゼのみを発現する組換え大腸菌BL21λ(DE3)によって産生された59%の含量に比べてやや少ない約48%のバイオマスにわたる全体的なポリエステル含量を生じた。細胞内部における球状粒子の形成はナイルレッドで染色した細胞の蛍光顕微鏡によってさらに確認された(データは示さず)。単離したポリマー粒子に結合したタンパク質の解析は、PhaC/OpdA融合タンパク質の過剰産生を明瞭に示し、その特定はトリプシン消化ペプチドのフィンガープリント解析によって確認された(データは示さず)。
メチルパラチオンを基質として用いてPhaC及びPhaC/OpdAの融合を示すポリマー粒子をホスホトリエステラーゼ活性について調べた。PhaCポリマー粒子は検出可能なホスホトリエステラーゼ活性を有さなかった一方で、PhaC/OpdA融合タンパク質を提示するポリマー粒子はポリマー粒子の湿質量のグラム当たり約1,840Uの活性を有した。
考察
本実施例は、酵素、この場合OpdAがポリエステルシンターゼPhaCのC末端への融合によって高い密度と機能性で効率的に不動化されている場合、触媒ポリマー粒子を作出することができることを示している。これらポリマー粒子は標準的な細菌発酵法を用いて工業規模で生産することができ、TFFでの使用に好適である。
実施例7.TFFに基づく変換及び解毒への触媒ポリマー粒子の使用
本実施例では、低分子量の有機化合物を触媒し、TFFを用いて酵素部分を含むポリマー粒子の使用を介して溶液から分離した。さらに、この工程では酵素活性を再利用できることを明らかにした。
CHES緩衝液中200μMのメチルパラチオンの50mL溶液がリテンテート溶液を形成した。0.2μm、20cm2のPBA精密濾過カートリッジを用いたTFFシステムを採用し、5分毎に回収する0.5mL分画(約30mL又は1DV)を伴った完全再循環のもとで50mLのTFFリテンテートを流し、吸収を測定し、リテンテートに戻した。10分間流した後、500mgのポリマー粒子を懸濁液に加え、405nmにてMPのPNPへの変換を観察した(図14)。反応が完了した後、リテンテートを透析濾過し、回収した50mL分画と共にPNPをすべて除いた(図15)。PNPすべてを除いた後、残ったポリマー粒子を45mLに再懸濁し、5mLのMP濃縮物を加え、200μMのメチルパラチオン濃度を創り、完全な再循環のもとでバッチ変換工程を反復し、520nmにて5分間隔で反応の進行を測定した(図14)。
結果
図14及び図15から明らかに分かるように、複数サイクルの触媒工程を介して低分子量の有機化合物を取り除くのに本発明の方法を利用することができる。図14はTFFの間でポリマー粒子との接触にてメチルパラチオンのパラ−ニトロフェノールへの迅速な変換を示す。図14から続いて、メチルパラチオンのパラ−ニトロフェノールへの触媒変換の完了後、ポリマー粒子の30mL懸濁液をCHES緩衝液で透析濾過した。405nmでの吸収について透過液の分画を測定することによってパラ−ニトロフェノールの除去をモニターした。いったんパラ−ニトロフェノールが除かれると、さらなる回数の解毒のためにポリマー粒子を再利用することができた。
実施例8.PHBポリマー粒子の精製における接線流濾過の使用
本実施例は、様々な規模及び様々な適用におけるPHBポリマー粒子の精製へのTFFの一般化された使用を記載する。例となる一実施形態では、TFFを用いて細胞ホモジネートから宿主細胞混入物を除去する。リゾチーム及びEDTA(菌体壁を不安定化するための)のような工程賦形剤を含む緩衝溶液に細菌バイオマスを懸濁し、超音波処理、フレンチ圧力セル又は微少溶液操作を含む当該技術で周知の様々な方法によって溶解する。いったん溶解すると、所望の孔サイズ(たとえば、0.1μm〜0.45μm)での精密濾過を用いてポリマー粒子から細胞より小さい成分を分離する。代表的な工程スキームを図16に示す。
実施例9.中空繊維の交差流フィルターを用いたTFFによる宿主細胞混入物の除去−透過液解析
この調製実施例で実施例9における代表的な工程スキームを採用したが、それは、TFFを用いたポリマー粒子組成物の調製を記載する。
方法
1mMのEDTAを伴った250mLのリン酸緩衝化生理食塩水(PBS)にてPHBポリマー粒子を含有するおよそ20mgの大腸菌バイオマスを微少溶液操作した。0.1μmの孔を持つ110cm2のTFFカートリッジの中空フィルターTFFシステムに250mLのホモジネートを直接加え、20%エタノール中8容のPBS(8×250mL)を用いて透析濾過した(図17)。
結果
図17で分かるように、260、280及び600nmでの吸収による透過液分画の含量(図17A)、透過液分画のタンパク質濃度(図17B)を観察することによって及びSDS/PAGE上での透過液分画の解析(図17C)によって明らかにされたように宿主細胞混入物の除去は容易に達成された。従って、精製は、ポリマー粒子から透過液への可溶性タンパク質(A280)と核酸(A260)の除去として明らかにされた。
実施例10.中空繊維の接線流濾過を用いたPHBポリマー粒子の精製における界面活性剤(デオキシコール酸)の使用
本実施例は、界面活性剤、この実施例ではデオキシコール(DOC)酸の使用によって宿主細胞タンパク質と膜の解離がさらに高められることを明らかにする。
方法
様々な緩衝液を用いて、それぞれ0.2%のDOCを含有する宿主細胞を均質化した(PHBポリマー粒子を放出するように)。使用したホモジネート緩衝液の組成は以下の表2に概説する。これらの同一緩衝液を中空繊維TFF工程における透析濾過にも用いてポリマー粒子懸濁液を精製した(図18)。250mLの種々の緩衝液で大腸菌バイオマス(約20g)を微少溶液操作した。8容の同一緩衝液(8×250mL)で110cm2の中空繊維接線流カートリッジ(GE Exampler CFP−1−E−3MA)にてその後ホモジネートを透析濾過した。20%エタノール中のPBSに対する追加のTFF透析濾過の後、IgG結合活性についてポリマー粒子を評価した。
結果
図19で分かるように、様々な厳しさが増す条件下でTFF透析濾過で処理した後、IgG結合活性は保存される。
実施例11.開水路接線流濾過を用いたPHBポリマー粒子の精製における界面活性剤(ルブロール)の使用
パイロット試験規模の精製のために設計された開水路交差流システムを用いて、界面活性剤で高めたPHBポリマー粒子のTFF精製の使用も大規模に開発した。たとえば、デオキシコール酸塩、ルブロール及びSDSのような界面活性剤は、これらポリマー粒子の精製を高めるのに有効であることが明らかにされた。
方法
0.5%のルブロール、50mMのトリス−10mMのEDTA緩衝液、pH10における微少溶液操作によって、Zドメインを含む本発明のポリマー粒子を含有する325gの大腸菌バイオマスを均質化した。16,000×gで30分間、細胞ホモジネートを遠心することによって粗精製のポリマー粒子を回収し、宿主細胞のDNA、タンパク質及び脂質を含む上清を除いた。
開水路の総表面積0.34m2を持つミリポアProstak−4stak膜カートリッジに粗精製のポリマー粒子ホモジネートを適用した。8容の0.1%ルブロール、20mMトリス/10mMのEDTAナトリウム、pH10、8容の25mMクエン酸ナトリウム/生理食塩水、pH3.0、及び8容の20%エタノール中のPBS、pH7.4に対して粗精製のポリマー粒子懸濁液を透析濾過した。pH3.0のクエン酸緩衝液による処理は、ポリマー粒子の溶出条件を模倣し、酸性条件下で溶出され得る残留する宿主細胞タンパク質を除くように設計した。PBS/20%エタノールは微生物の増殖を支えない環境で最終生成物のpH及び塩分濃度を制御するために使用した。
結果
図20に示した透過液解析は、大部分はTFFに先立つ粗精製のポリマー粒子の遠心を介したこれら混入物質の除去による実質的に除去されたタンパク質及び核酸を示した。
リテンテートから回収したGB1ドメインを含む本発明のポリマー粒子をIgG結合活性について解析し、元々の宿主細胞バイオマスをグリセロール勾配精製した試料の結合活性と比較した(図21)。結合データは、これらのポリマー粒子に由来して得られたIgGは、規模変更可能ではないグリセロール勾配法と規模変更可能なTFF/界面活性剤抽出法の双方で類似していた。従って、PHBポリマー粒子の機能性が保存されただけでなく、粒子調製に使用されたTFFに基づく方法は大規模生産に適している。
実施例12.ポリマー粒子のTFF精製を高める化学的手法
本実施例は、ポリマー粒子精製の向上が化学抽出剤の使用を介して達成されることを明らかにする。この手順では、種々の化学的条件のいずれか1つで細菌ホモジネートを処理して細胞残渣の分散及び混入物質の除去による精製を高める。化学的条件の範囲は、化学抽出マトリクスで構成することができる。加えて、化学的処理を調べて化学的処理がポリマー粒子の活性に影響を及ぼすかどうか判定した。
方法
本発明の方法にてPHBポリマー粒子からの混入物質の抽出を高めるのに使用した様々な化学的条件を以下の表3に概説する。
バッチ洗浄試験
Zドメインを含む本発明のポリマー粒子(IgG結合PHBポリマー粒子)を含有する粗精製のバイオマスホモジネートを、酸及び塩基処理、高塩、キレータ、界面活性剤及びカオトロピックを含む様々な化学的処理によって抽出した。ポリマー粒子/ホモジネートを遠心した(15,000×g、20分間)後、上清の吸収を測定することによって混入物質除去の程度を定量した。粗精製のポリマー粒子ペレットをPBS、pH7.4に再懸濁し、残ったIgG結合(PBS対照に比べた)の程度についてアッセイした。
結果
図22Aで分かるように、A260及びA280で定量したとき、混入物質除去の程度は採用した化学的処理に実質的に応じて変化した。さらに、図22Bに示すように、残ったIgG結合の程度は調製方法で使用した化学的方法に実質的に応じて変化した。
実施例13.PHBポリマー粒子の精製についての自由自在な規模での工程
化学抽出とTFFを組み入れるポリマー粒子の精製のための規模変更可能な工程を図23で説明する。この工程は20gのバイオマスの量から数キログラム規模で実行することができる。加えて、化学抽出条件は、本明細書で具体的に例示したもの−界面活性剤の種類、濃度の双方に限定されず、化学的処理はポリマー粒子の調製工程の特定の要件に合うように修正することができる。
化学抽出の後、要件に応じて、0.17m2〜数m2の規模変更可能な膜表面を負荷したProstakシステムに精製したポリマー粒子塊を適用する。
TFF透析濾過に続いて、Prostakシステムから回収した際、PBS/エタノールで保存する、又はさらに小さな規模の中空繊維システムにて特定の「スラリー」濃度に濃縮する。様々な分析測定を実施して最終的なポリマー粒子の調製又は必要に応じて工程全体を通してポリマー粒子の性状分析を行う。
実施例14.大腸菌バイオマスからのPHBポリマー粒子のパイロット試験規模での抽出
本実施例では、上記実施例13で記載した自由自在な規模の工程を用いて、PHBポリマー粒子(1100〜1200g)を含有する大腸菌バイオマスのパイロット試験規模の量を処理した。
方法
SDS/トリス/EDTAアルカリ溶液にてポリマー粒子を微少溶液操作し、細胞を均質化し、粗精製のポリマー粒子を回収した。第2の相では、溶解工程で激しく減量した(図24を参照)粗精製のポリマー粒子塊を、溶解界面活性剤、チオグリセロール及び0.1NのNaOHで順次洗浄した。各工程間で16,000×gにて30分間でポリマー粒子を回収した。
抽出後、粗精製のポリマー粒子を中和し、0.41m2の膜面積の規模変更可能な膜表面を負荷したProstakシステムに負荷し、20容の0.04%SDS/トリス/EDTA、7容のクエン酸生理食塩水緩衝液、pH3.0及び10容までの20%エタノール中リン酸ナトリウム、150mMのNaClで、懸濁液のpHがpH7.4になるまで透析濾過した(図25)。
結果
本実施例で採用した精製方法の有効性は、SDS/PAGE解析(図26を参照)及び以下の表3で示すようなポリマー粒子懸濁液でのエンドトキシン低下の評価の双方によって明瞭に示されている。
考察
本実施例は、TFFによるポリマー粒子のパイロット試験規模の調製は本明細書で記載される方法の使用を介して容易に達成されたことを明らかにしている。混入するタンパク質の実質的な除去は、エンドトキシンレベルの実質的な低下と共に、粗精製バイオマスからのTFF分離を介して達成された。従って、本発明の方法はTFF法を利用して精製されたポリマー粒子の規模変更可能な作出に適している。
産業上の利用
本発明のポリマー粒子及び方法は、複雑な組成物からの標的物質の分離及び1以上の反応基質を含む組成物からの反応生成物の調製を含む広範囲の精製法及び調製法で適用を有する。

Claims (52)

  1. 原料物質から標的物質を分離する精製方法であって、(a)原料物質を提供することと、(b)少なくとも1つの半透過性フィルターによって前記原料物質を接線流濾過することと、(c)標的物質を回収することを含み、原料物質又は半透過性フィルターが1以上のポリマー粒子を含み、原料物質の1以上、半透過性フィルター、又は前記接線流濾過で使用される1以上の溶液が1以上のポリマー粒子を含み、ポリマー粒子の1以上が、
    (i)ポリエステル、ポリチオエステル又はポリヒドロキシアルカノエートから選択されるバイオポリマー;又は
    (ii)たとえば、ポリマーシンターゼ又はポリマーシンターゼ融合体のようなポリマー粒子形成ポリペプチド;又は
    (iii)ポリマー粒子結合ポリペプチド;
    (iv)ポリペプチド融合パートナー;
    (v)親和性リガンド;
    (vi)酵素;
    (vii)上記の2以上を含む融合ポリペプチド;又は
    (viii)上記(i)〜(vii)の2以上の任意の組み合わせを含む方法。
  2. ポリマー粒子の1以上が、ポリエステル、ポリチオエステル又はポリヒドロキシアルカノエートから選択されるバイオポリマー及び
    (i)たとえば、ポリマーシンターゼ又はポリマーシンターゼ融合体のようなポリマー粒子形成ポリペプチド;又は
    (ii)ポリマー粒子結合ポリペプチド;
    (iii)ポリペプチド融合パートナー;
    (iv)親和性リガンド;
    (v)酵素;
    (vi)上記の2以上を含む融合ポリペプチド;又は
    (vii)上記(i)〜(vi)の2以上の任意の組み合わせを含む請求項1の方法。
  3. 1以上のポリマー粒子が、標的物質を結合することが可能であるリガンドを含む請求項1の方法。
  4. 標的物質が1以上の抗体である請求項1又は2の精製方法。
  5. 標的物質が1以上のポリマー粒子である請求項1の精製方法。
  6. 原料物質から標的物質を調製する方法であって、非晶性ポリマー粒子が1以上の標的物質又は1以上の標的物質の前駆体又は1以上の混入物質に結合するのを可能にするのに十分な時間、非晶性ポリマー粒子の集団を原料物質と接触させることと、粒子に結合した標的物質若しくはその前駆体から1以上の混入物質を、又は粒子に結合した混入物質から1以上の標的物質若しくはその前駆体を接線流濾過によって分離することと、標的物質を回収することを含む方法。
  7. 非晶性ポリマー粒子の集団が均質な集団である請求項6の方法。
  8. 非晶性ポリマー粒子の集団が不均質な集団である請求項6の方法。
  9. 非晶性ポリマー粒子の1以上が、ポリエステル、ポリチオエステル又はポリヒドロキシアルカノエートから選択される1以上のバイオポリマーを含む請求項6の方法。
  10. 非晶性ポリマー粒子の1以上が、粒子形成タンパク質によって合成される又は合成されることが可能である請求項6の方法。
  11. ポリマー粒子の集団の実質的にすべてが粒子形成タンパク質によって合成される又は合成されることが可能である請求項10の方法。
  12. 非晶性ポリマー粒子の1以上が、たとえば、ポリマーシンターゼ又はポリマーシンターゼ融合体のようなポリマー粒子形成タンパク質を含む請求項6の方法。
  13. 標的物質の回収がポリマー粒子の溶出による請求項6の方法。
  14. 標的物質の回収が接線流濾過の透過液の回収による請求項6の方法。
  15. 標的システムの回収が接線流濾過のリテンテートの回収による請求項6の方法。
  16. 原料物質から1以上の標的物質を分離する又は精製する方法であって、ポリマー粒子の1以上が1以上の標的物質を結合するのを可能にするのに十分な時間、ポリマー粒子集団に原料物質を接触させることと、接線流濾過によって粒子結合標的物質から1以上の混入物質を分離することと、標的物質を回収することを含み、ポリマー粒子の1以上が、
    (i)ポリエステル、ポリチオエステル又はポリヒドロキシアルカノエートから選択されるバイオポリマー;又は
    (ii)たとえば、ポリマーシンターゼ又はポリマーシンターゼ融合体のようなポリマー粒子形成ポリペプチド;又は
    (iii)ポリマー粒子結合ポリペプチド;
    (iv)ポリペプチド融合パートナー;
    (v)親和性リガンド;
    (vi)酵素;
    (vii)上記の2以上を含む融合ポリペプチド;又は
    (viii)上記(i)〜(vii)の2以上の任意の組み合わせを含む方法。
  17. 原料物質から1以上の標的物質を分離する又は精製する方法であって、ポリマー粒子の1以上が1以上の混入物質を結合するのを可能にするのに十分な時間、ポリマー粒子集団に原料物質を接触させることと、接線流濾過によって粒子結合混入物質から1以上の標的物質を分離することと、標的物質を回収することを含み、ポリマー粒子の1以上が、
    (i)ポリエステル、ポリチオエステル又はポリヒドロキシアルカノエートから選択されるバイオポリマー;又は
    (ii)たとえば、ポリマーシンターゼ又はポリマーシンターゼ融合体のようなポリマー粒子形成ポリペプチド;又は
    (iii)ポリマー粒子結合ポリペプチド;
    (iv)ポリペプチド融合パートナー;
    (v)親和性リガンド;
    (vi)酵素;
    (vii)上記の2以上を含む融合ポリペプチド;又は
    (viii)上記(i)〜(vii)の2以上の任意の組み合わせを含む方法。
  18. 1以上の反応生成物を調製する方法であって、1以上の反応基質の所望の分画に1以上のポリマー粒子が結合するのを可能にするのに十分な時間、1以上の反応基質を含む原料物質を接線流濾過によって1以上のポリマー粒子と接触させることと、任意で、接線流濾過によってポリマー粒子から1以上の混入物質を分離することと、反応生成物を回収することを含み、1以上のポリマー粒子は反応の触媒を含み、ポリマー粒子の1以上が、
    (i)ポリエステル、ポリチオエステル又はポリヒドロキシアルカノエートから選択されるバイオポリマー;又は
    (ii)たとえば、ポリマーシンターゼ又はポリマーシンターゼ融合体のようなポリマー粒子形成ポリペプチド;又は
    (iii)ポリマー粒子結合ポリペプチド;
    (iv)ポリペプチド融合パートナー;
    (v)親和性リガンド;
    (vi)酵素;
    (vii)上記の2以上を含む融合ポリペプチド;又は
    (viii)上記(i)〜(vii)の2以上の任意の組み合わせを含む方法。
  19. ポリマー粒子を調製する方法であって、ポリマー粒子の1以上が、
    (i)ポリエステル、ポリチオエステル又はポリヒドロキシアルカノエートから選択されるバイオポリマー;又は
    (ii)たとえば、ポリマーシンターゼ又はポリマーシンターゼ融合体のようなポリマー粒子形成ポリペプチド;又は
    (iii)ポリマー粒子結合ポリペプチド;
    (iv)ポリペプチド融合パートナー;
    (v)親和性リガンド;
    (vi)酵素;
    (vii)上記の2以上を含む融合ポリペプチド;又は
    (viii)上記(i)〜(vii)の2以上の任意の組み合わせを含み、
    方法が、接線流濾過によってポリマー粒子から1以上の混入物質を分離することと、ポリマー粒子を回収することを含む方法。
  20. 原料物質から1以上のポリマー粒子を分離する又は精製する方法であって、接線流濾過によってポリマー粒子から1以上の混入物質を分離することと、1以上のポリマー粒子を回収することを含み、ポリマー粒子の1以上が、
    (i)ポリエステル、ポリチオエステル又はポリヒドロキシアルカノエートから選択されるバイオポリマー;又は
    (ii)たとえば、ポリマーシンターゼ又はポリマーシンターゼ融合体のようなポリマー粒子形成ポリペプチド;又は
    (iii)ポリマー粒子結合ポリペプチド;
    (iv)ポリペプチド融合パートナー;
    (v)親和性リガンド;
    (vi)酵素;
    (vii)上記の2以上を含む融合ポリペプチド;又は
    (viii)上記(i)〜(vii)の2以上の任意の組み合わせを含む方法。
  21. 1以上の抗体を精製する精製方法であって、1以上の抗体を含む原料物質を提供することと、少なくとも1つの半透過性フィルターで前記原料物質を接線流濾過することと、抗体を回収することとを含み、原料物質の1以上、半透過性フィルター、又は前記接線流濾過で使用される1以上の溶液が1以上のポリマー粒子を含み、1以上のポリマー粒子が抗体を結合するのが可能であるリガンドを含む精製方法。
  22. 接線流濾過で使用するための半透過性フィルターを作製する方法であって、透過性又は半透過性の支持体を提供することと、1以上のポリマー粒子を支持体に結合させて半透過性フィルターを提供することを含み、ポリマー粒子の1以上が、
    (i)ポリエステル、ポリチオエステル又はポリヒドロキシアルカノエートから選択されるバイオポリマー;又は
    (ii)たとえば、ポリマーシンターゼ又はポリマーシンターゼ融合体のようなポリマー粒子形成ポリペプチド;又は
    (iii)ポリマー粒子結合ポリペプチド;
    (iv)ポリペプチド融合パートナー;
    (v)親和性リガンド;
    (vi)酵素;
    (vii)上記の2以上を含む融合ポリペプチド;又は
    (viii)上記(i)〜(vii)の2以上の任意の組み合わせを含む方法。
  23. 接線流濾過で使用するための組成物、膜、フィルター又はフィルター装置であって、前記組成物、膜、フィルター又はフィルター装置が、
    (i)ポリエステル、ポリチオエステル又はポリヒドロキシアルカノエートから選択されるバイオポリマー;又は
    (ii)たとえば、ポリマーシンターゼ又はポリマーシンターゼ融合体のようなポリマー粒子形成ポリペプチド;又は
    (iii)ポリマー粒子結合ポリペプチド;
    (iv)ポリペプチド融合パートナー;
    (v)親和性リガンド;
    (vi)酵素;
    (vii)上記の2以上を含む融合ポリペプチド;又は
    (viii)上記(i)〜(vii)の2以上の任意の組み合わせを含む1以上のポリマー粒子を含む組成物、膜、フィルター又はフィルター装置。
  24. ポリマー粒子であって
    (i)ポリエステル、ポリチオエステル又はポリヒドロキシアルカノエートから選択されるバイオポリマー;又は
    (ii)たとえば、ポリマーシンターゼ又はポリマーシンターゼ融合体のようなポリマー粒子形成ポリペプチド;又は
    (iii)ポリマー粒子結合ポリペプチド;
    (iv)ポリペプチド融合パートナー;
    (v)親和性リガンド;
    (vi)酵素;
    (vii)上記の2以上を含む融合ポリペプチド;又は
    (viii)上記(i)〜(vii)の2以上の任意の組み合わせを含み、
    ポリペプチドの1以上が、Streptococcus sppに由来するプロテインGのGB1ドメインである又はそれを含むポリマー粒子。
  25. ポリマー粒子形成ポリペプチド及びStreptococcus sppに由来するプロテインGの1以上のGB1ドメインを含む融合ポリペプチド。
  26. ポリペプチドが、配列番号4の12以上の隣接するヌクレオチドを含むポリヌクレオチド配列によってコードされるGB1ドメインである又はそれを含む請求項24の粒子又は請求項25のポリペプチド。
  27. ポリペプチドが、配列番号4の12以上の隣接するヌクレオチドを含むポリヌクレオチド配列によってコードされるポリペプチドである又はそれを含む請求項24の粒子又は請求項25のポリペプチド。
  28. ポリマー粒子が、ポリマー粒子の湿重量g当たり30mgを超える免疫グロブリンの免疫グロブリン結合能を有する請求項24〜27のいずれか1項の粒子。
  29. 結合能が、ポリマー粒子の湿重量g当たり少なくとも約35mgの免疫グロブリン、ポリマー粒子の湿重量g当たり少なくとも約40mgの免疫グロブリン、ポリマー粒子の湿重量g当たり少なくとも約45mgの免疫グロブリン、ポリマー粒子の湿重量g当たり少なくとも約50mgの免疫グロブリン、ポリマー粒子の湿重量g当たり少なくとも約55mgの免疫グロブリン、又はポリマー粒子の湿重量g当たり少なくとも約60mgの免疫グロブリンである請求項28の粒子。
  30. 免疫グロブリンがIgGである請求項28又は29の粒子。
  31. 原料物質が細胞溶解物である若しくはそれに由来する、又はタンパク質の発現系である若しくはそれに由来する請求項1〜18、20又は21のいずれか1項の方法。
  32. 原料物質が、乳製品又は乳加工ストリーム、ワイン又はビールの発酵物を含む発酵物を含む食品である又はそれに由来する請求項1〜18、20又は21のいずれか1項の方法。
  33. 原料物質が、反応溶液、化学合成溶液、化学合成中間体を含む溶液である請求項1〜18、20又は21のいずれか1項の方法。
  34. 標的物質が、たとえば、組換えポリペプチド、抗体、酵素、ホルモンを含むポリペプチドである請求項1〜18、20又は21のいずれか1項の方法。
  35. 標的物質が、たとえば、組換えポリヌクレオチド、ベクター、オリゴヌクレオチド、たとえば、rRNA、mRNA、miRNA、siRNA又はtRNAのようなRNA分子又は、たとえば、cDNAのようなDNA分子である請求項1〜18、20又は21のいずれか1項の方法。
  36. 標的物質が、分泌された代謝産物を含む細胞性代謝産物である請求項1〜18、20又は21のいずれか1項の方法。
  37. ポリマー粒子が、ポリエステル、ポリチオエステル又はポリヒドロキシアルカノエート(PHA)から選択されるバイオポリマーを含む請求項1〜22のいずれか1項の方法、請求項23の組成物、膜、フィルター又はフィルター装置、又は請求項24又は26〜30のいずれか1項の粒子。
  38. ポリマーが、ポリヒドロキシアルカノエート、好ましくはポリ(3−ヒドロキシブチレート)(PHB)を含む請求項1〜22のいずれか1項の方法、請求項23の組成物、膜、フィルター又はフィルター装置、又は請求項24又は26〜30のいずれか1項の粒子。
  39. 粒子を構成するポリマーが、ポリエステル、ポリチオエステル又はポリヒドロキシアルカノエート(PHA)から選択されるバイオポリマーから本質的に成る、又は成る請求項1〜22のいずれか1項の方法、請求項23の組成物、膜、フィルター又はフィルター装置、又は請求項24又は26〜30のいずれか1項の粒子。
  40. ポリマー粒子がリン脂質単層によって被包されるポリマー粒子を含む請求項1〜22のいずれか1項の方法、請求項23の組成物、膜、フィルター又はフィルター装置、又は請求項24又は26〜30のいずれか1項の粒子。
  41. 存在する場合、ポリマーシンターゼはポリマー粒子又はリン脂質単層に結合し、又は双方に結合する上記請求項のいずれか1項。
  42. ポリマー粒子が、2以上の異なる融合ポリペプチドを含む上記請求項のいずれか1項。
  43. 存在する場合、ポリマーシンターゼはそれが形成するポリマー粒子に共有結合する又は非共有結合する上記請求項のいずれか1項。
  44. 存在する場合、ポリマーシンターゼはグラム陰性及びグラム陽性の真正細菌に由来する又は古細菌に由来するPHAポリマーシンターゼである上記請求項のいずれか1項。
  45. 存在する場合、ポリマーシンターゼは、それぞれ受入番号AY836680、AE004091、AB205104、AF109909、YP137339、AB049413及びAF150670を有するC.necator、P.aeruginosa、A.vinosum、B.megaterium、H.marismortui、P.aureofaciens、又はP.putidaに由来するPHAポリマーシンターゼである上記請求項のいずれか1項。
  46. ポリマー粒子の1以上が、透過性又は半透過性の支持体に永続的に結合する請求項1〜22のいずれか1項の方法、請求項23の組成物、膜、フィルター又はフィルター装置、又は請求項24又は26〜30のいずれか1項の粒子。
  47. ポリマー粒子の1以上が、透過性又は半透過性の支持体に可逆的に結合する請求項1〜22のいずれか1項の方法、請求項23の組成物、膜、フィルター又はフィルター装置、又は請求項24又は26〜30のいずれか1項の粒子。
  48. ポリマー粒子の1以上が、半透過性フィルターに又はそれを共有結合する又は非共有結合する請求項1〜22のいずれか1項の方法、請求項23の組成物、膜、フィルター又はフィルター装置、又は請求項24又は26〜30のいずれか1項の粒子。
  49. ポリマー粒子の1以上が、半透過性の支持体又は膜に又はそれを吸着する請求項1〜22のいずれか1項の方法、請求項23の組成物、膜、フィルター又はフィルター装置、又は請求項24又は26〜30のいずれか1項の粒子。
  50. ポリマー粒子の1以上が、半透過性の支持体又は膜に又はそれを結合することが可能であるリガンドを含む請求項1〜22のいずれか1項の方法、請求項23の組成物、膜、フィルター又はフィルター装置、又は請求項24又は26〜30のいずれか1項の粒子。
  51. 実施例及び図面を参照して本質的に本明細書に記載されたように原料物質から1以上の標的物質又はポリマー粒子を分離する又は精製する方法。
  52. 実施例及び図面を参照して本質的に本明細書に記載されたような組成物、膜、フィルター、フィルター装置又はポリマー粒子。
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