JP2014506645A - 流量制限部を備えるインジェクションバルブ - Google Patents

Abstract

本発明は、燃料を噴射するためのバルブに関するものであり、バルブシート（３）および流入穴（４）を備えるバルブ支持体（２）と、バルブアクチュエータ（５）と、バルブアクチュエータ（５）に配置された流量制限部材（７）とを含んでおり、流入穴（４）は周回する環状エッジ（６ａ）を備える段部（６）を有しており、流量制限部材（７）は、バルブが開いたときに環状エッジ（６ａ）と流量制限部材（７）との間の貫流面（Ａ１）が第１の貫流面（Ａ１）から第２の貫流面（Ａ２）へ縮小するように、バルブアクチュエータ（５）に配置されている。
【選択図】図１

Description

本発明は、流量制限部材を備える、燃料を噴射するためのインジェクションバルブに関する。

従来技術では、磁気駆動部を備える多孔弁として構成された、または、圧電駆動部を備える外部に向かって開いたインジェクションバルブとして構成された、インジェクションバルブが知られている。一方において磁気駆動式のインジェクションバルブは比較的低コストに製造可能であるのに対し、圧電式インジェクションバルブは外方に向かって開くバルブアクチュエータにより、大幅に改善されたカーボン付着ロバスト性を有している。磁気式のインジェクションバルブでは、新品状態での燃料流量のばらつきをできる限り少なく抑えるストッパがしばしば設けられている。これに加えて、ストッパのならし運転効果の影響が、車両の動作にマイナスの影響を及ぼしてはならない。その一方で、外方に向かって開くバルブでは、摩耗の増加に伴ってマグネットアーマチュアのストッパ面が変化する可能性があり、その結果、ニードルのストロークが時間とともに長くなる可能性がある。しかしこのことは流量の増加につながり、このことは適用量の変化をもたらす可能性がある。

それに対して、請求項１の構成要件を備える、燃料を噴射するための本発明によるインジェクションバルブは、バルブの耐用寿命を通じて流量を一定に保つことができるという利点を有している。さらに、バルブが開いたときの燃料経路について二重の絞りが生じ、すなわち、バルブシートから持ち上げられたバルブアクチュエータと流量制限部材とに絞りが生じる。このように本発明では、インジェクションバルブの利用期間中に、ニードルのストロークの増大につながることになる摩耗の増加がコンポーネントに発生したときでさえ、バルブアクチュエータに流量制限部材が配置されていることで、流量制限部材と、流入穴に設けられた段部との間の貫流断面積の縮小による補償が行われる。このとき本発明によるバルブは、非常に簡素で低コストな構造を有している。

従属請求項は、本発明の好ましい発展例を示している。

バルブは、外方に向かって開くインジェクションバルブであるのが特別に好ましい。それによって特に、バルブへのカーボン付着の危険性を明らかに削減することができ、それにもかかわらず、本発明の流量制限部材によって摩耗の補償を確保することができる。

摩耗の特別に良好な補償が実現されるのは、流量制限部材が、流動方向で先細になる面を有しており、この面が流入穴にある段部とともに、バルブアクチュエータの位置に依存して貫流面の大きさを定義するときである。それにより、先細になる面を、発生している摩耗に応じて選択することができるので、特に電磁弁の場合に、摩耗の正確な補償が得られる。

流量制限部材の先細になる面は、テーパ状の面であるのが特別に好ましい。このような面は非常に簡単かつ低コストに製作することができる。さらに、それによって特に実質的に一定の摩耗を流量制限部材により補償することができる。

上記に代わる好ましい実施形態では、先細になる面は凸面状または凹面状に構成されている。それにより、利用ケースに応じてさまざまに異なる仕方で増大していく摩耗を、耐用寿命を通じて補償することができる。

本発明の別の好ましい実施形態では、先細になる面は、先細になる２つの部分面の間の段部を有するように構成される。先細になる２つの部分面は、特別に好ましくはそれぞれ異なる傾きを有する、それぞれテーパ状の面であるのが好ましい。このような流量制限部材の実施形態により、特にバルブストロークの長さの観点からも、たとえば噴射サイクルごとの多重噴射の場合などに、流量を調整することができる。さらに、先細になる両方の部分面は軸方向で等しい長さであるのが好ましい。

バルブが開いたときのできる限り良好な流動案内を得るために、流入穴の流動領域は、貫流方向で見て、流入穴にある段部と一定の直径をもつバルブシートとの間に形成されるのが好ましい。

本発明によるバルブは電磁弁であるのが好ましい。しかしながら付言しておくと、原則として、本発明によるバルブは圧電式バルブでも適用することができる。

次に、添付の図面を参照しながら、本発明の好ましい実施例について詳しく説明する。図面には次のものが示されている：

第１の実施例に基づくインジェクションバルブを閉じた状態で示す模式的な断面図である。 図１のインジェクションバルブを開いた状態で示す模式的な断面図である。 第２の実施例に基づくインジェクションバルブを閉じた状態で示す模式的な断面図である。 第３の実施例に基づくインジェクションバルブを閉じた状態で示す模式的な断面図である。 第４の実施例に基づくインジェクションバルブを閉じた状態で示す模式的な断面図である。

次に、図１と図２を参照しながら、本発明の第１の好ましい実施例に基づくインジェクションバルブ１について詳しく説明する。

図１を見ると明らかなとおり、インジェクションバルブ１は、段状の流入穴４が設けられたバルブ支持体２を含んでいる。流入穴４は、段部６と、流動方向（図２の矢印Ｂ参照）で見て段部６とバルブシート３の間に位置する、一定の直径をもつ流動領域１０とを含んでいる。バルブシート３では、バルブアクチュエータ５として、バルブニードルが周知の仕方で密閉をする。さらに図１から明らかなように、バルブニードルには流量制限部材７が取り付けられている。図１に示すインジェクションバルブ１の閉じた状態からわかるように、流量制限部材７と、段部６の環状に周回する環状エッジ６ａとの間では、貫流間隙８における環状の貫流面Ａ１が定義される。流量制限部材７は、流動方向Ｂでテーパ状に先細になる領域１１を有している。

図１から明らかなように、燃焼室内に位置するバルブアクチュエータ５のもっとも遠い最終点に対して、流量制限部材７の一定の間隔Ｚが生じている。この間隔Ｚは、インジェクションバルブの作動中に場合により存在する摩耗によって変化することがない。図２から明らかなように、バルブアクチュエータ５が矢印Ｃの方向に動いてインジェクションバルブが開くと、燃料（矢印Ｂ）が、流量制限部材７のテーパ状の領域１１と、段部６の環状エッジ６ａとの間の絞りを通って流れ、開いたバルブシート３に沿って通過し、このときバルブシート３には第２の絞り（ニードル環状隙間９）が、バルブニードルの球欠状の領域５ａと、バルブシート３との間に存在している。図２を見るとすぐにわかるとおり、貫流間隙８のところでは貫流面の広さがＡ１からＡ２に縮小される。そして、たとえばバルブアクチュエータの摩耗に基づき、時間を通じて増えていくニードルストロークが生じると、インジェクションバルブが開いたときに存在する貫流面Ａ２は、流量制限部材７のテーパ状の構成に基づいて次第に狭くなっていく。すなわち、バルブシート３と、バルブニードルの球欠領域との間のニードル環状隙間における圧力低下の縮小が、流量制限部材７における圧力低下の増大によって補償される。このときテーパ状の領域１１の角度の選択に応じて、インジェクションバルブの耐用寿命全体を通じて一定の噴射量を可能にする任意の特性曲線をモデリングすることができる。

このように本発明では、特に電磁弁として構成された、外方に向かって開くバルブを具体化することができる。それによって特に電磁弁のためのストッパも設けることができ、この電磁弁は、摩耗に起因するバルブニードルのストローク変化にもかかわらず、電磁弁の耐用寿命にわたる一定の噴射時間のために、流量制限部材７を通じての補償を確保することができる。それにより、摩耗に起因するニードル環状隙間９における面積の拡大を、流量制限部材７における面積の縮小によって補償することができる。このとき流量制限部材７は非常に簡素に構成されており、同じく簡単に製作可能な流入穴４の段部６との協働作用で面積を制限する。流動方向Ｂで見て段部６に後続して配置された一定の直径をもつ流動領域１０は、インジェクションバルブから出る前に燃料流の流動が安定化されることを保証する。

図３から図５は本発明の別案の実施形態を示しており、同じ部品ないし機能的に同じ部品には、第１の実施例と同じ符号が付されている。

図３は、段部６とともに貫流面Ａ１を制限する、凹面状の領域１２を有する流量制限部材７を示している。凹面状の領域１２の実施形態に応じて、バルブ圧力が増加したときに、貫流面Ａ１はこれよりも大きい程度に減少する。段部６とともに貫流面Ａ１を定義する凸面状の領域１３を流量制限部材７に有する、図４の第３の実施例では、これと逆の環状の貫流面Ａ１の変化が与えられる。図５に示す第４の実施例では、段部１５と、第１のテーパ状の領域１６と、第２のテーパ状の領域１７とを有する段状の領域１４が、流量制限部材７に構成されている。ここでは段部１５は、第１および第２のテーパ状の領域１６，１７の間に配置されている。テーパ状の領域１５，１６は等しい傾きを有することができ、または別案として、それぞれ異なる傾きを有することができる。このような流量制限部材７の実施形態では、特に、バルブアクチュエータ５の部分ストロークでの流量を調整することができる。

１ インジェクションバルブ
２ バルブ支持体
３ バルブシート
４ 流入穴
５ バルブアクチュエータ
５ａ バルブニードルの球欠状の領域
６ 段部
６ａ 環状エッジ
７ 流量制限部材
８ 貫流間隙
１０ 一定の直径をもつ流動領域
１１ 流量制限部材のテーパ状に先細になる領域
１２ 流量制限部材の凹面状の領域
１３ 流量制限部材の凸面状の領域
１４ 段状の領域
１５ 段部
１６ 流量制限部材の第１のテーパ状の領域
１７ 流量制限部材の第２のテーパ状の領域
Ａ１ 第１の貫流面
Ａ２ 第２の貫流面
Ｂ 流動方向
Ｚ 間隔

Claims (10)

1. 燃料を噴射するためのバルブにおいて、
   バルブシート（３）および流入穴（４）を備えるバルブ支持体（２）と、
   バルブアクチュエータ（５）と、
   前記バルブアクチュエータ（５）に配置された流量制限部材（７）とを含んでおり、
   前記流入穴（４）は周回する環状エッジ（６ａ）を備える段部（６）を有しており、
   前記流量制限部材（７）は、前記バルブが開いたときに前記環状エッジ（６ａ）と前記流量制限部材（７）との間の貫流面（Ａ１）が第１の貫流面（Ａ１）から第２の貫流面（Ａ２）へ縮小するように、前記バルブアクチュエータ（５）に配置されているバルブ。
2. 前記バルブは外方に向かって開くバルブであることを特徴とする、請求項１に記載のバルブ。
3. 前記流量制限部材（７）は、前記バルブアクチュエータ（５）の位置に依存して貫流面（Ａ２）の大きさを前記環状エッジ（６ａ）とともに定義する、流動方向で先細になる領域を有していることを特徴とする、先行請求項のうちいずれか１項に記載のバルブ。
4. 先細になる前記領域はテーパ状の領域（１１）であることを特徴とする、請求項３に記載のバルブ。
5. 先細になる前記領域は凹面状の領域（１２）であることを特徴とする、請求項３に記載のバルブ。
6. 先細になる前記領域は凸面状の領域（１３）であることを特徴とする、請求項３に記載のバルブ。
7. 先細になる前記領域は、段部（１５）と、先細になる第１および第２の部分領域（１６，１７）とを備える段状の領域（１４）であることを特徴とする、請求項３に記載のバルブ。
8. 第１および第２の前記部分領域（１６，１７）はそれぞれテーパ状に構成されていることを特徴とする、請求項７に記載のバルブ。
9. 流動方向（Ｂ）で見て前記段部（６）と前記バルブシート（３）との間に配置された、一定の直径をもつ流動領域（１０）を特徴とする、先行請求項のうちいずれか１項に記載のバルブ。
10. 前記バルブは電磁弁であることを特徴とする、先行請求項のうちいずれか１項に記載のバルブ。

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