JP2014505482A - 細菌中の機能的タンパク質発現を向上させるための方法および物質 - Google Patents

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Abstract

FkpAおよび/またはSkpを発現する原核細胞を含む、原核細胞中で異種タンパク質を発現するために有用な新規の物質および方法を提供する。

Description

関連出願の相互参照
本願は、参照することによって全体として組み込まれる、2011年2月3日出願の米国仮出願第61/439,232号の優先権を主張するものである。
電子的に提出した資料の参照による引用
本願と並行して提出され、「45785A_seq_listing.txt」というファイル名の8,192バイトのASCII(テキスト)ファイル(2012年2月3日に作成)として識別される、コンピュータ可読アミノ酸配列表が、参照することによって全体として組み込まれる。
発明の分野
本発明は、原核細胞中で異種タンパク質を発現するために有用な物質および方法に関する。
背景
FkpAは、分子シャペロンおよびcis−transペプチジル−プロリル異性化活性の両方を呈する、E.coliの周辺質タンパク質である。未変性FkpAは、周辺質への分泌を指示するシグナル配列によって、E.coli中の245個のアミノ酸ホモ二量体として、細胞膜周辺腔に局在化する。FkpAのシャペロン活性は、成熟タンパク質の最初の120個のアミノ酸中に常駐し、ペプチジル−プロリル異性化活性は、アミノ酸121〜245中に常駐する。抗体一本鎖可変断片(scFv)の周辺質収率に及ぼす、周辺質中のFkpA過剰発現の影響が、研究されている。Ramm and Pluckthun,J Biol Chem,275:22,17106−17113(2000)(非特許文献1)を参照されたい。
Skpは、外膜タンパク質中間体の適切なフォールディングを促進し、その溶解度を維持するために有用である、E.coli中の外膜タンパク質集合のための17kDa周辺質シャペロンである。Skpは、ホモ三量体として機能し、その基質と空洞中で結合する、空洞含有シャペロンファミリーに属し、それによって、適切なフォールディングのための好適な環境を提供し、基質を凝集から保護する。細胞質中のSkpおよび細菌細胞質中のFab抗体断片の共発現の影響が、研究されている。Levy et al.,Protein Expr Purif.23(2):338−47(2001)(非特許文献2)を参照されたい。
原核細胞系中の異種タンパク質、例えば、抗体の発現に関する一般的問題は、タンパク質のかなりの部分が、不溶性または非機能的となる程度までの異種タンパク質の凝集である。本発明の方法および物質は、本問題に対する解決策を提供する。
Ramm and Pluckthun,J Biol Chem,275:22,17106−17113(2000) Levy et al.,Protein Expr Purif.23(2):338−47(2001)
本開示は、原核細胞(例えば、E.coli細胞)中での異種発現したタンパク質(例えば、抗体)の収率を改善するために有用である、方法および物質に関する。当該原核宿主細胞は、FkpAおよび/またはSkpを細胞質中で発現し、目的とする異種タンパク質(例えば、抗体)を分泌するように提供される。発明者らは、予想外にも、FkpAおよびSkpが、周辺質ではなく、細胞質に局在化されるように、シグナル配列を欠いたFkpAおよびSkpを発現するE.coli細胞が、E.coli周辺質中に分泌される、可溶性であって、正しくフォールディングされ、かつ機能的である異種タンパク質の収率を有意に改善することを発見した。
本開示の一態様は、(a)(i)機能的シグナル配列に連結されていないFkpAもしくはその機能的断片、または(ii)機能的シグナル配列に連結されていないSkpもしくはその機能的断片、をコードするポリヌクレオチドと、(b)異種タンパク質をコードするポリヌクレオチドとを含む、異種タンパク質を発現する組換え生産用の原核宿主細胞を提供し、当該異種タンパク質は、機能的シグナル配列に連結されている。いくつかの実施形態では、宿主細胞は、(i)機能的シグナル配列に連結されていないFkpAまたはその機能的断片をコードするポリヌクレオチドと、(ii)機能的シグナル配列に連結されていないSkpまたはその機能的断片をコードするポリヌクレオチドの両方を含む。当該ポリヌクレオチドは、いくつかの実施形態では同一のベクター内にあり、他の実施形態では異なるベクター内にある。いくつかの実施形態では、2つのポリヌクレオチドは、同一のメッセンジャーRNA上に発現される。
本開示の関連態様は、コードされたタンパク質の発現を調節するように作用する制御調節配列に、動作可能なように連結されている、これらのポリヌクレオチドを提供する。別の関連態様は、これらのポリヌクレオチドを含む、ベクターまたは染色体を提供する。本開示のさらなる関連態様は、そのようなポリヌクレオチドおよび/またはベクターおよび/または染色体を含む宿主細胞、ならびに、そのような宿主細胞を用いて、抗体および抗体断片を含むそのような異種タンパク質を組換え発現する方法を提供する。本開示のさらに別の関連態様は、ファージ粒子の表面上において、あるいは単離または精製形態においてのいずれかで表される、ポリヌクレオチドによってコードされた異種タンパク質を提供する。
本明細書に説明される実施形態のいくつかまたはいずれかでは、原核宿主細胞は、エシェリヒア・コリ(Escherichia coli)、サルモネラ・ティフィムリウム(Salmonella typhimurium)、バチルス・サブティリス(Bacillus subtilis)、シュードモナス・エルギノーサ(Pseudomonas aeruginosa)、およびセラチア・マルセッセンス(Serratia marcescans)から成る群より選択される。例示的実施形態では、原核宿主細胞は、E.coliである。
本明細書に説明される実施形態のいくつかまたはいずれかでは、異種タンパク質は、FkpAおよびSkpの不在下ではミスフォールディングまたは低フォールディング速度を伴う。そのような異種タンパク質として、成長因子(例えば、上皮成長因子、インスリン様成長因子−1);血液凝固因子(例えば、抗血友病因子);ホルモン(例えば、インスリン、グルカゴン、成長ホルモン、ソマトトロピン、エリスロポエチン);サイトカイン(例えば、インターフェロン、インターロイキン;果粒球コロニー刺激因子、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子、CD86);ケモカイン(例えば、CCL3);受容体(例えば、ケモカイン受容体、チロシンキナーゼ受容体);酵素(例えば、プロテアーゼ、リパーゼ、カルボヒドラーゼ、キモシン、DNAアーゼ、プロウロキナーゼ、アルギニンデイミナーゼ、シトシンデアミナーゼ、L−アスパラギナーゼ);酵素アクチベーター(例えば、組織型プラスミノゲンアクチベーター);酵素インヒビター(例えば、メタロプロテアーゼの組織インヒビター);ペプチド(例えば、ヒルジン、ニューレグリン−1断片);抗体断片(例えば、Fab断片);タンパク質骨格(例えば、Adnectins、Affibodies、Anticalins、DARPins、遺伝子組換えKunitz型インヒビター、テトラネクチン、A−ドメインタンパク質、リポカリン、反復タンパク質、例えば、アンキリン反復タンパク質、免疫タンパク質、α2p8ペプチド、昆虫ディフェンシンA、PDZドメイン、カリブドトキシン、PHDフィンガー、TEM−1β−ラクタマーゼ、フィブロネクチンIII型ドメイン、CTLA−4、T細胞受容体、ノッティン、ネオカルチノスタチン、糖結合モジュール4−2、緑色蛍光タンパク質、チオレドキシン);ワクチン(例えば、インフルエンザワクチン、アンスラックスワクチン、例えば、rPAワクチン、肝炎Eウイルスワクチン、例えば、ORF2ワクチン、ヒトパピローマウイルスワクチン);毒素;および免疫毒素(Misawa and Kumagai,Biopolymers 51:297−307(1999)、Zhang et al,Protein Expr.Purif.25(1):105−13(2002)、Demain,Trends in Biotech.18(1):26−31(2000)、Gebauer & Skerra,Curr.Opin.Chem.Biol.13:245−55(2009)、Gill & Damle,Curr.Opin.Biotech 17:653−58(2006)、Hosse et al,Protein Sci.15:14−27(2006)、Skerra,Curr.Opin.Biotech 18:295−3−4(2007)、Song et al,PLoS ONE 3(5):e2257(2008)、Vahedi et al,Applied Biochem.and Biotech.157(3):554−61(2009)、Hakim and Benhar,MAbs.1(3):281-87(2009))が挙げられる。
本明細書に説明される実施形態のいくつかまたはいずれかでは、異種タンパク質は、プロリン異性化に依存する。例示的実施形態では、プロリン異性化依存異種タンパク質は、カッパ軽鎖を含む、抗体または抗体断片である。
本明細書の実施形態のいくつかまたはいずれかでは、異種タンパク質は、繊維状ファージコートタンパク質またはその断片に融合されている。例示的実施形態では、繊維状ファージコートタンパク質またはその断片に融合されている異種タンパク質を含む、宿主細胞は、その表面上に異種タンパク質を表すファージ粒子を産生するために使用される。
本明細書に説明される実施形態のいくつかまたはいずれかでは、異種タンパク質は、抗体である。例示的実施形態では、抗体は、Fv、ジスルフィド結合Fv、scFv、カッパ軽鎖断片、ラムダ軽鎖断片、およびFab断片から成る群より選択される、抗体断片である。
本明細書の実施形態のいくつかまたはいずれかでは、FkpAの機能的断片は、機能的異種タンパク質の収率を増加させる能力を留保する、シャペロンドメイン断片、例えば、配列番号1のアミノ酸26〜140あるいはその断片またはバリアントを含む。例示的実施形態では、シャペロンドメイン断片は、配列番号1のアミノ酸26〜140のうち少なくとも100個のアミノ酸と少なくとも75%同一であるアミノ酸配列を含む。
本明細書の実施形態のいくつかまたはいずれかでは、FkpAの機能的断片は、機能的異種タンパク質の収率を増加させる能力を留保する、ペプチジルプロリルイソメラーゼドメイン断片、例えば、配列番号1のアミノ酸141〜270あるいはその断片またはバリアントを含む。例示的実施形態では、ペプチジルプロリルイソメラーゼドメイン断片は、配列番号1のアミノ酸141〜270のうちの少なくとも100個のアミノ酸の断片と少なくとも75%同一であるアミノ酸配列を含む。
本明細書の実施形態のいくつかまたはいずれかでは、Skpの機能的断片は、機能的異種タンパク質の収率を増加させる能力を留保する、配列番号2のアミノ酸21〜161あるいはその断片またはバリアントを含む。例示的実施形態では、Skpの機能的断片は、配列番号2の少なくとも100個のアミノ酸の断片と少なくとも75%同一であるアミノ酸配列を含む。
本明細書に説明される実施形態のいくつかまたはいずれかでは、本明細書に説明される実施形態のいずれかによる、少なくとも約10、10、10、10、10、10、10、またはそれ以上の異なる原核宿主細胞を含む、複数の細胞が提供され、各そのような宿主細胞は、異なる異種タンパク質(例えば、抗体、例えば、一本鎖抗体)を発現する。
本開示の別の態様は、原核宿主細胞中の機能的異種タンパク質(例えば、抗体)の組換え生産を増加させるための方法であって、機能的シグナル配列に連結されていないFkpAまたはその機能的断片をコードするポリヌクレオチド、および機能的シグナル配列に連結されていないSkpまたはその機能的断片をコードするポリヌクレオチドから成る群より選択される、ポリヌクレオチドと、機能的シグナル配列に連結されている異種タンパク質をコードするポリヌクレオチドとを共発現させる工程を含み、それによって、産生される機能的異種タンパク質の量が、FkpAおよび/またはSkpの不在下での異種タンパク質発現と比較して増加する、方法を提供する。
本明細書の実施形態のいくつかまたはいずれかでは、異種タンパク質に連結されているシグナル配列は、周辺質への異種タンパク質の分泌を指示する。
本開示のポリヌクレオチドは、制御調節配列(例えば、プロモーター、エンハンサー、または1つ以上の他の転写調節配列)に、随意に、これらの配列を含むベクターとして、動作可能なように連結されてもよい。いくつかのまたはいずれかの実施形態では、(a)(i)機能的シグナル配列に連結されていないFkpAもしくはその機能的断片、または(ii)機能的シグナル配列に連結されていないSkpもしくはその機能的断片、をコードするポリヌクレオチドと、(b)機能的シグナル配列に連結されている異種タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、同一の調節配列(すなわち、被覆配列は、多シストロン性である)に、適切に作用するように連結されている。そのようなポリヌクレオチドまたはベクターを含む宿主細胞は、当技術分野において公知のまたは本明細書に説明される方法を使用して、調製されてもよい。
本明細書に説明される各特徴または実施形態、あるいは組み合わせは、本発明の態様のいずれかの非限定的例証的実施例であって、したがって、本明細書に説明される任意の他の特徴または実施形態、あるいは組み合わせと組み合わせ可能であるとことが意図されることを理解されたい。例えば、特徴が、「一実施形態」、「いくつかの実施形態」、「さらなる実施形態」、「特異的例示的実施形態」、および/または「別の実施形態」等の用語によって説明される場合、これらのタイプの実施形態はそれぞれ、あらゆる可能性として考えられる組み合わせを列挙する必要なく、本明細書に説明される任意の他の特徴または特徴の組み合わせと組み合わせられることが意図される、特徴の非限定的実施例である。そのような特徴または特徴の組み合わせは、本発明の態様のいずれかに適用される。同様に、本開示が、ある特徴によって特徴付けられるポリペプチドをコードする、ポリヌクレオチドについて説明する場合、それらの特徴によって特徴付けられるポリペプチド、そのようなポリペプチドを発現する宿主細胞、およびそのような宿主細胞を使用する全ての関連方法もまた、本開示によって想定される。ある範囲中の値の実施例が開示される場合、これらの実施例のいずれも、ある範囲の可能性として考えられる終点として想定され、そのような終点間のあらゆる数値が、想定され、かつ上限および下限終点のあらゆる組み合わせが、想定される。
本発明の多数の付加的態様および利点が、その現在好ましい実施形態を説明する、以下の発明を実施するための形態の検討によって、当業者に明白となるであろう。本願で参照される、全ての米国特許、米国特許出願公開、米国特許出願、外国特許、外国特許出願、および非特許刊行物は、参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる。
本明細書に開示される実験において使用される、FkpAおよびSkp構築物の例証である。 E.coli中に発現し、ウエスタンブロット法によって検出された種々のSkp(図2A)およびFkpA(図2B)構築物を図示する。 FkpAおよびSkp構築物の種々の組み合わせを発現する、E.coli菌株中に発現した抗EpCAM ING1 Fabの総量(灰色バー)または機能的(黒色バー)ING1 Fabを検出するためのELISAの結果を図示する。「cytSkp」は、シグナル配列を伴わないSkp(すなわち、細胞質Skp)を示す。同様に、「cytFkpA」は、シグナル配列を伴わずに発現したFkpA(すなわち、細胞質FkpA)を示す。「perSkp」および「perFkpA」は、シグナル配列を伴って発現したSkpおよびFkpA(すなわち、周辺質SkpまたはFkpA)を示す。「cytBic」は、2シストロン性メッセージからのFkpAおよびSkp両方の細胞質発現を示す。「perBic」は、2シストロン性メッセージからのFkpAおよびSkp両方の周辺質発現を示す。 FkpAおよびSkp構築物の種々の組み合わせを発現する、E.coli菌株中に発現した抗IL1 XPA23 Fabの総量(灰色バー)または機能的(黒色バー)XPA23 Fabを検出するためのELISAの結果を図示する。SkpおよびFkpA構築物は、図3に関して前述された通りである。 FkpAおよびSkp構築物の種々の組み合わせを発現する、E.coli菌株中で発現したマウス軽鎖カッパ抗ヒトインスリン受容体83−7Fabまたは機能的83−7Fabの総量を検出するためのELISAの結果を図示する。図5Aは、産生された83−7Fabの総量を検出する、抗体希釈系列である一方、図5Bは、機能的83−7Fabを検出する、抗体希釈系列である。SkpおよびFkpA構築物は、図3に関して前述された通りである。 細胞質FkpA(淡灰色バー)または両細胞質FkpAおよび細胞質Skp(濃灰色バー)構築物を発現する、E.coli菌株中で発現しヒトカッパBM7−2Fab(固有のキナーゼを認識する)または機能的BM7−2Fabの総量を検出するためのELISAの結果を図示する。図6Aは、産生されたBM7−2Fabの総量を検出する、抗体希釈系列である一方、図6Bは、機能的BM7−2Fabを検出する、抗体希釈系列である。 細胞質FkpAまたは両細胞質FkpAおよび細胞質Skp構築物を発現する、E.coli菌株中で発現した抗ガストリンヒトカッパ抗TIE1−Fc Fab CF1または機能的CF1 Fabの総量を検出するためのELISAの結果を図示する。「発現ELISA」は、産生されるCF1 Fabの総量を検出する、抗体希釈系列である一方、「標的ELISA」は、機能的CF1 Fabを検出する、抗体希釈系列である。 細胞質FkpAまたは両細胞質FkpAおよび細胞質Skp構築物を発現する、E.coli菌株中で発現したA10、C10、D1、およびE6Fabの総量および機能的ヒトラムダ軽鎖を検出するためのELISAの結果を図示する。図8Aは、産生される示されたFabの総量を検出する、抗体希釈系列である一方、図8Bは、機能的Fabを検出する、抗体希釈系列である。 示されるように、種々のFkpAおよびSkp構築物を発現する、E.coli菌株中で産生される示されたFabの実際の収率を計算するための表面プラズモン共鳴アッセイの結果を図示する。 標的抗原に結合するための能力を伴う、カッパ軽鎖Fabを検出するためのファージパニングアッセイの結果を図示する。図10Aは、細胞質FkpAの発現を伴わない、ファージディスプレイライブラリからFabを検出するためのELISAの結果を表す一方、10Bは、細胞質FkpAの発現を伴う、ライブラリからFabを検出するためのELISAの結果を表す。アッセイ中で同定された陽性クローンは、太字で示される。 標的抗原に結合するための能力を伴う、ラムダ軽鎖Fabを検出するためのファージパニングアッセイの結果を図示する。図11Aは、細胞質FkpAの発現を伴わない、ファージディスプレイライブラリからFabを検出するためのELISAの結果を表す一方、11Bは、細胞質FkpAの発現を伴う、ライブラリからFabを検出するためのELISAの結果を表す。アッセイ中で同定された陽性クローンは、太字で示される。 標的抗原に結合するための能力を伴う、scFvを検出するためのファージパニングアッセイの結果を図示する。図12Aは、細胞質FkpAの発現を伴わない、ファージディスプレイライブラリからscFvを検出するためのELISAの結果を表す一方、12Bは、細胞質FkpAの発現を伴う、ライブラリからscFvを検出するためのELISAの結果を表す。アッセイ中で同定された陽性クローンは、太字で示される。 種々の細菌種からのFkpAオルソログと、E.coli O6からのFkpAの残基39−248(配列番号1の残基39−248)とのアミノ酸配列アライメントを描写する。 TIE2に結合する能力を伴う、ラムダFabおよびカッパFabを検出するためのファージパニングアッセイの結果を図示する。ELISAの展開後の450nmにおける吸光度が、各正方形中の下の数字であって、上の数字は、フォールドオーバーバックグラウンド陰性対照(A1およびA2)である。アッセイ中に同定された陽性クローンは、太字で示される。Well H12は、陽性対照である。円形は、一意のアミノ酸配列を伴う、クローンを表す。 ファージレスキューの間、TG1またはTG1+cytFkpA細胞を使用する、パニング中に選択された一意のクローンに対する競合ELISAの結果を図示する。TIE2、100nM(白色バー)、10nM(灰色バー)、または1nM(黒色バー)を、Fabを含有する周辺質抽出物と混合した。ELISAの展開後、TIE2の各濃度に対する450nmにおける吸光度を、TIE2が周辺質抽出物に添加されなかったときの450nmにおける吸光度と比較し、比率として表した。 TG1細胞または細胞質FkpAを発現するTG1細胞中に産生されるファージ上のカッパおよびラムダFabの相対的ディスプレイの結果を図示する。ヘルパーファージ感染から8(K8、L8)および25(K25、L25)時間後に、試料を採取した。値は、それぞれ、感染から25時間後、TG1細胞中のカッパまたはラムダライブラリレスキューに対して表される。 図17Aは、M13ファージpIIIタンパク質をコードする遺伝子断片を、細胞質発現したシャペロンcytFkpA(その未変性シグナル配列を伴わないFkpA)と置き換え、ING1 Fabおよび細胞質FkpAを発現する、3シストロン性プラスミドをもたらすように修飾されたE.coli周辺質(実施例1参照)中でING1(抗EpCAM)Fabを発現する、ファージミドベクターの概略である。図17Bは、図17Aで説明された3シストロン性Fabベクター(TG1細胞中で発現された)からのFkp(−)の検出のために、抗FLAG抗体で展開されたウエスタンブロット法(還元された)である。図17Cおよび17Dは、発現および標的ELISAによって査定されたE.coli周辺質中のING1 Fabの総量および機能量を図示する。これらの結果は、cytFkpAの共発現に応じて、総Fabレベル(図17C)およびEpCAM結合(図17D)の両方の発現の実質的改善を示した。 図18Aおよび18Bは、標準曲線に基づいて、推定される周辺質ING1 Fab収率のSPRセンサーグラム(図18A)およびチャート(図18B)を図示する。ING1 Fab(14.2μg/ml)の総収率は、E.coli細胞質中のcytFkpAの共発現に応じて、劇的に増加した。図18Cは、実施例1に説明されるように計算された、抗原EpCAMに結合された活性ING1 Fabの量およびその特異的活性を図示する。cytFkpAの共発現は、機能的ING1 Fabの量を増加させた。その特異的活性は、不変のままであった。 図19Aおよび19Bは、細胞質FkpAを伴う、または伴わない、ING1 Fabを発現する、漏出E.coli菌株CY15070を使用した実験の結果を図示する。周辺質中に発現したING1 Fabの総量(図19A)およびING1標的抗原EpCAMに結合する活性ING1 Fabの量(図19B)は、それぞれ、発現および標的ELISAによって査定した。発現ELISAでは、抗カッパ被覆抗体を使用して、Fab軽鎖を検出した。次いで、Fab重鎖を、CH1のC−末端上のV5タグを認識する抗体によって検出した。
発明の詳細な説明
本開示は、原核細胞(例えば、E.coli細胞)中で異種発現したタンパク質(例えば、抗体)の収率を改善するために有用な方法および物質に関する。本開示中の方法および物質は、FkpAおよび/またはSkpが、原核宿主細胞の細胞質内に局在化するように、機能的シグナル配列に連結されていない、FkpAおよび/またはSkpを発現することによって、周辺質に分泌される、可溶性であって、正しくフォールディングされ、かつ機能的の異種タンパク質の有意に改善された収率をもたらすという発見に関する。本発明の有利な態様の1つは、ファージディスプレイ法が、本開示によって提供される宿主細胞中に産生されるファージによって、より効率的に実施することができることである。例えば、望ましい抗原結合特性を伴う希少抗体は、ファージ被覆上に表される異種タンパク質が、正しくフォールディングされ、かつ機能的となる可能性がより高いため、これらの宿主細胞を使用して発見される可能性がより高い。
A.定義
本明細書で使用されるように、「特異的に結合する」、「抗原特異的」である、抗原「に対して特異的」である、または抗原と「免疫反応性」である、抗体とは、類似配列に関連のない他の抗原よりも高い親和性、好ましくは、少なくとも10、10、10、または10を超える親和性で、抗原に結合する抗体を指す。一態様では、本発明の抗体、あるいはその断片、バリアント、または誘導体は、他の、すなわち、非ヒト種の類似抗原に対するその結合親和性と比較して、ヒト抗原に対してより高い親和性を伴って結合するであろうが、オルソログを認識および結合する抗体も、想定される。
例えば、その同種抗原に対して「特異的」抗体またはその断片は、抗体の可変領域が、検出可能選好によって、所望の抗原を認識および結合することを示す(例えば、所望の抗原が、ポリペプチドである場合、抗体の可変領域は、ファミリー構成要素間の局在化された配列同一性、相同性、または類似性の可能性として考えられる存在にかかわらず、結合親和性における測定可能差異によって、抗原ポリペプチドを同一ファミリーの他の公知のポリペプチドと区別可能である)。特異的抗体はまた、抗体の可変領域外、特に、分子の定常領域中の配列との相互作用を通して、他のタンパク質と相互作用し得ることを理解されるであろう(例えば、ELISA技法におけるS.aureusタンパク質Aまたは他の抗体)。本発明の方法において使用するための抗体の結合特異性を判定するためのスクリーニングアッセイは、周知であって、当技術分野において、日常的に実践されている。そのようなアッセイの包括的議論については、Harlow et al.(Eds),Antibodies:A Laboratory Manual;Cold Spring Harbor Laboratory;Cold Spring Harbor,NY(1988),Chapter 6を参照されたい。本発明において使用するための抗体は、当技術分野において公知であって、本明細書でより詳細に説明される、任意の方法を使用して産生することができる。
用語「エピトープ」は、抗原結合領域のうちの1つ以上において、選択的結合剤によって認識および結合されることが可能な任意の分子のその部分を指す。エピトープは、通常、分子の化学的活性表面基、例えば、アミノ酸または炭化水素側鎖から成り、特異的3次元構造特性ならびに特異的電荷特性を有する。エピトープは、本明細書で使用されるように、連続的または非連続的であってもよい。
用語「誘導体」は、ポリペプチド(例えば、目的とするタンパク質、その抗体または抗原結合断片)と併用されるとき、ユビキチン化、治療または診断剤への結合、標識化(例えば、放射性核種または種々の酵素によって)、共有結合ポリマー付着、例えば、ペグ化(ポリエチレングリコールによる誘導体化)、およびアミノ酸、例えば、通常、ヒトタンパク質では生じない、オルニチンの化学合成による挿入または置換等の技法によって、化学的に修飾されたポリペプチドを指す。誘導体は、本発明の非誘導化分子の結合特性を留保する。
「検出可能部分」または「標識」は、分光学的、光化学的、生化学的、免疫化学的、または化学的手段によって検出可能な組成物を指す。例えば、有用標識として、32P、35S、蛍光染料、高電子密度試薬、酵素(例えば、一般に、ELISAにおいて使用されるような)、ビオチン−ストレプトアビジン、ジゴキシゲニン、ハプテン、および抗血清またはモノクローナル抗体が利用可能である、タンパク質、あるいは別の標識された核酸分子に相補的配列を伴う核酸分子が挙げられる。検出可能部分は、多くの場合、試料中の結合された検出可能部分の量を定量化するために使用することができる、測定可能シグナル、例えば、放射線活性、色素産生、または蛍光シグナルを生成する。
用語「宿主細胞」は、特定の対象細胞または複数の細胞だけではなく、また、その子孫も指すと理解されたい。また、培養の間、自然または偶発的変異が、後続世代において生じ得、したがって、そのような子孫は、親細胞と完全に同じではない場合があるが、依然として、本明細書で使用される用語の範囲内に含まれるものと理解されたい。
用語「動作可能なように連結されている」は、2つ以上のポリヌクレオチド(例えば、DNA)セグメント間の機能的関係を指す。典型的には、転写された配列に対する、制御調節配列、例えば、転写制御配列の機能的関係を指す。例えば、cis作用性転写制御要素の任意の組み合わせを含む、プロモーター/エンハンサー配列は、適切な宿主細胞または他の発現系中の被覆配列の転写を刺激または調節する場合、動作可能なように被覆配列に連結されている。概して、転写された配列に、動作可能なように連結されているプロモーター転写制御配列は、転写された配列に対して、物理的に連続的である、すなわち、それらは、cis作用性である。しかしながら、いくつかの転写制御配列、例えば、エンハンサーは、物理的に連続的である、またはその転写を向上させる被覆配列に近接して位置する必要はない。ポリリンカーは、被覆配列を挿入するための便宜的場所を提供し、したがって、遺伝子は動作可能なようにプロモーターに連結されている。ポリリンカーは、一連の3つ以上の密集した制限エンドヌクレアーゼ認識配列を含む、ポリヌクレオチド配列である。
用語「シグナル配列」は、通常、細胞によって、非細胞質場所に運ばれる(例えば、分泌)、または膜成分となる、あるタンパク質のNH−末端に存在する、短アミノ酸配列(すなわち、シグナルペプチド)をコードする、ポリヌクレオチド配列を指す。「機能的シグナル配列」は、細胞質から、非細胞質場所、例えば、周辺質へのタンパク質の輸送を指示することが可能である。
本明細書で使用されるように、用語「機能的シグナル配列に連結されていない」は、未変性シグナル配列が、細胞質から、非細胞質場所へのタンパク質の輸送を指示する機能を欠くように除去または修飾(例えば、変異または切断)され、非未変性機能的シグナル配列に連結されていない、ポリペプチドを包含する。本用語は、したがって、ポリペプチドが、シグナル配列をコードする1つ以上のコドンが、除去または変異されている、ポリヌクレオチドによってコードされる実施形態、ならびにシグナル配列をコードする1つ以上のコドンが、組み込まれないように、新たに合成されたポリヌクレオチドを包含する。
用語「機能的断片」は、ポリペプチドを参照して使用されるとき、切断される、すなわち、N−末端またはC−末端から1つ以上のアミノ酸が欠けており、所望の活性を留保する、ポリペプチドを意味する。FkpAまたはSkpを参照して使用されるとき、「機能的断片」は、機能的異種タンパク質の収率を増加させる能力を留保する、断片を意味する。本用語は、同様に、切断される、ポリヌクレオチドにも適用されてもよい。
用語「バリアント」は、ポリペプチドを参照して使用されるとき、親ポリペプチドに対して、1つ以上の置換、欠失、または挿入を有する、ポリペプチドを意味する。いくつかの状況では、バリアントは、所望の活性を留保するものである。FkpAまたはSkpを参照して使用されるとき、「機能的バリアント」は、機能的異種タンパク質の収率を増加させる能力を留保する、バリアントを意味する。本用語は、同様に、親ポリヌクレオチドに対して、1つ以上の置換、欠失、または挿入を有する、ポリヌクレオチドに適用されてもよい。
本明細書で使用されるように、用語「同類アミノ酸置換」は、類似特性、例えば、サイズ、電荷、疎水性、親水性、および/または芳香族性を有する、別のアミノ酸とのあるアミノ酸の置き換えであって、以下に示されるような交換を含む。
Figure 2014505482
共通側鎖特性を共有する、アミノ酸残基は、多くの場合、以下のようにグループ化される。
(1)疎水性:ノルロイシン、met、ala、val、leu、ile;
(2)中性親水性:cys、ser、thr;
(3)酸性:asp、glu;
(4)塩基性:asn、gln、his、lys、arg;
(5)鎖配向に影響を及ぼす残基:gly、pro;および
(6)芳香族:trp、tyr、phe。
B.FkpA
FkpA(配列番号1)は、270アミノ酸タンパク質として発現される。アミノ酸残基1〜25は、周辺質中へのFkpAの分泌を指示後、裂開され、245アミノ酸成熟タンパク質をもたらす、シグナル配列として機能する。成熟タンパク質配列は、配列番号3に記載されており、配列番号1のアミノ酸26〜270に対応する。シャペロン活性は、アミノ酸残基26〜140中に常駐し、ペプチジル−プロリル異性化活性は、アミノ酸残基141〜270中に常駐する。
例示的実施形態では、本開示の原核宿主細胞は、機能的シグナル配列に連結されていない、機能的異種タンパク質の収率を増加させる能力を留保する、FkpAあるいはFkpAの機能的断片または機能的バリアントをコードするポリヌクレオチドを含む。いくつかのまたはいずれかの実施形態では、機能的断片は、機能的異種タンパク質の収率を増加させる能力を留保する、配列番号1のアミノ酸26〜270またはその断片を含む。いくつかのまたはいずれかの実施形態では、機能的バリアントは、機能的異種タンパク質の収率を増加させる能力を留保する、配列番号1のアミノ酸26〜270のうちの少なくとも50個のアミノ酸と少なくとも75%、80%、85%、90%、または95%同一であるアミノ酸配列を含む。
いくつかのまたはいずれかの実施形態では、機能的断片は、機能的異種タンパク質の収率を増加させる能力を留保する、シャペロンドメインである、配列番号1のアミノ酸残基26〜140またはその断片、例えば、配列番号1の残基40〜140を含む。例示的実施形態では、断片は、少なくとも約50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105以上のアミノ酸長である。いくつかのまたはいずれかの実施形態では、機能的バリアントは、機能的異種タンパク質の収率を増加させる能力を留保する、配列番号1の残基26〜140または40〜140のうち少なくとも50個のアミノ酸と少なくとも75%、80%、85%、90%、または95%同一であるアミノ酸配列を含む。シャペロンドメインのそのような機能的断片および機能的バリアントは、本明細書では、「シャペロンドメイン断片」と称される。
いくつかのまたはいずれかの実施形態では、機能的断片は、機能的異種タンパク質の収率を増加させる能力を留保する、FkpA(すなわち、配列番号1のアミノ酸残基141〜270)またはその断片のペプチジル−プロリル異性化ドメイン、例えば、配列番号1の残基141〜249を含む。例示的実施形態では、断片は、少なくとも約50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105またはそれより長いアミノ酸長である。いくつかのまたはいずれかの実施形態では、機能的バリアントは、機能的異種タンパク質の収率を増加させる能力を留保する、配列番号1の残基141−270または141−249の少なくとも50個のアミノ酸と少なくとも75%、80%、85%、90%または95%同一であるアミノ酸配列を含む。ペプチジル−プロリル異性化ドメインのそのような機能的断片および機能的バリアントは、本明細書では、「ペプチジル−プロリル異性化ドメイン断片」と称される。
いくつかのまたはいずれかの実施形態では、FkpAは、異なる細菌種からの配列番号1のオルソログである。実施例として、Enterobacter cloacae(Swiss−Prot受託番号CBK86063)、Cronobacter sakazakii(Swiss−Prot受託番号YP001440409)、Klebsiella pneumoniae(Swiss−Prot受託番号YP002921574)、Citrobacter koseri(Swiss−Prot受託番号YP001456234)、Shigella flexneri(Swiss−Prot受託番号NP709121)、Shigella boydii(Swiss−Prot受託番号YP001882020)、Shigella dysenteriae(Swiss−Prot受託番号YP404977)、Escherichia albertii(Swiss−Prot受託番号ZP02904021)、Escherichia fergusonii(Swiss−Prot受託番号YP002384399),Citrobacter rodentium(Swiss−Prot受託番号YP003367879)、Yersinia kristensenii(Swiss−Prot受託番号ZP04624699)、Erwinia tasmaniensis(Swiss−Prot受託番号YP001909086),Erwinia billingiae(Swiss−Prot受託番号YP003743520)、Edwardsiella tarda(Swiss−Prot受託番号YP003297282)、Sodalis glossinidius(Swiss−Prot受託番号YP455971)、Salmonella enterica(Swiss−Prot受託番号NP462357)、およびSerratia odorifera(Swiss−Prot受託番号ZP06192651)が挙げられる。
前述のFkpAオルソログの配列アライメントは、図13に提供される。配列アライメントからの情報は、前述に定義されるように、FkpAの機能的バリアントおよび機能的断片バリアントを生成するために使用することができる。アミノ酸を欠失および変異させるための技法は、当技術分野において周知である。Ausubel,F.M. et al.,Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley & Sons,(1998)(2011年までの全ての増補を含む)を参照されたい。概して、機能的バリアントを構築するために、非同類または同類置換あるいは欠失のいずれかが、種間で異なる位置に導入されることができ、これらの位置は、機能を留保しながら、非同類置換を可能にする傾向にある。種にわたって保存されるアミノ酸残基を伴う位置に対しては、残基が、留保されるか、または同類置換が、導入されるかのいずれかとなる。FkpAバリアントは、本明細書に開示される方法に従って、機能的異種タンパク質の収率を増加させるための能力のために試験される。
C.Skp
Skp(配列番号2)は、161アミノ酸タンパク質として発現される。アミノ酸残基1〜20は、周辺質中へのSkpの分泌を指示した後、裂開され、ホモ三量体として機能する、141アミノ酸成熟タンパク質をもたらす、シグナル配列として機能する。成熟タンパク質配列は、配列番号4に記載されており、配列番号2のアミノ酸残基21〜161に対応する。
例示的実施形態では、本開示の原核宿主細胞は、機能的シグナル配列に連結されていない、機能的異種タンパク質の収率を増加させる能力を留保する、SkpあるいはSkpの機能的断片または機能的バリアントをコードするポリヌクレオチドを含む。いくつかのまたはいずれかの実施形態では、機能的断片は、機能的異種タンパク質の収率を増加させる能力を留保する、配列番号2のアミノ酸21〜161またはその断片を含む。例示的実施形態では、断片は、少なくとも約50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、125、130以上のアミノ酸長である。いくつかのまたはいずれかの実施形態では、機能的バリアントは、機能的異種タンパク質の収率を増加させる能力を留保する、配列番号2の残基21〜161の少なくとも50個のアミノ酸と少なくとも75%、80%、85%、90%または95%同一であるアミノ酸配列を含む。
いくつかのまたはいずれかの実施形態では、Skpは、異なる細菌種からの配列番号2のオルソログである。
異なる細菌種からのSkpオルソログの配列アライメントは、前述に定義されるように、Skpの機能的バリアントを生成するために使用することができる。Skpの機能的バリアントは、FkpAに関して説明されるものと同一の一般的様式において生成される。Skpバリアントは、本明細書に開示される方法に従って、機能的異種タンパク質の収率を増加させる能力のために試験される。
D.宿主細胞
いくつかのまたはいずれかの実施形態では、宿主細胞は、原核細胞である。本目的のための好適な原核生物として、真正細菌、例えば、グラム陰性またはグラム陽性菌、例えば、Enterobacteriaceae、例えば、Escherichia、例えば、E.coli、Enterobacter、Erwinia、Klebsiella、Proteus、Salmonella、例えば、S.typhimurium、Serratia、例えば、S.marcescans、およびShigella、ならびにBacilli、例えば、B.subtilisおよびB.licheniformis(例えば、1989年4月12日出版のDD266,710に開示されるB.licheniformis 41P)、B.megaterium、B.brevi、Pseudomonas、例えば、P.aeruginosa、およびP.fluorescens、Ralstonia、例えば、R.eutropha、Staphylococcus、例えば、S.carnosus、およびStreptomycesが挙げられる。ある好ましいE.coliクローニング宿主は、E.coli 294(ATCC 31,446)であるが、他の菌株、例えば、E.coliB、E.coli X1776(ATCC 31,537)、およびE.coli W3110(ATCC 27,325)も好適である。別の好ましいE.coli宿主細胞は、「漏出」菌株CY15070(Paluh et al.,Nucl.Acids Res.24;14(20):7851−60(1986);(ATCC#47022))である。これらの実施例は、限定ではなく、例証である。「漏出表現型」である、宿主細胞は、細胞外培地中への周辺質成分の放出をもたらす、変性した細胞エンベロープを伴う細胞を指す。細胞外組換えタンパク質産生は、精製の単純性、プロテアーゼ攻撃の回避、および細胞膜周辺腔中の組換えタンパク質の高レベル蓄積によって生じる、宿主細胞に及ぼす有害な影響の最小化を含む、いくつかの潜在的利点を有する。「漏出」表現型を生じさせる、いくつかの変異(自然発生または遺伝子組換え)は、当技術分野において公知である(Ni and Chen,Biotechnol.Lett.31:1661−70(2009))。例えば、Braunリポタンパク質をコードするlpp遺伝子の変異または欠失は、E.coli外膜の浸透性を劇的に増加させることが示されている(Ni et al,Biotech.and Bioeng.97(6):1347−56(2007))。
E.目的とする異種タンパク質
1.異種タンパク質は、ミスフォールディングおよび/または凝集しやすい
例示的実施形態では、異種タンパク質は、FkpAおよびSkp(または、他のシャペロン)の不在下ではミスフォールディングまたは低フォールディング速度を伴う。異種タンパク質(例えば、哺乳類タンパク質、例えば、抗体)は、低レベルで原核細胞中に発現される、または封入体中に凝集することがよくある。そのような異種タンパク質として、成長因子(例えば、上皮成長因子、インスリン様成長因子−1);血液凝固因子(例えば、抗血友病因子);ホルモン(例えば、インスリン、グルカゴン、成長ホルモン、ソマトトロピン、エリスロポエチン);サイトカイン(例えば、インターフェロン、インターロイキン;果粒球コロニー刺激因子、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子、CD86);ケモカイン(例えば、CCL3);受容体(例えば、ケモカイン受容体、チロシンキナーゼ受容体);酵素(例えば、プロテアーゼ、リパーゼ、カルボヒドラーゼ、キモシン、DNAアーゼ、プロウロキナーゼ、アルギニンデイミナーゼ、シトシンデアミナーゼ、L−アスパラギナーゼ);酵素アクチベーター(例えば、組織型プラスミノゲンアクチベーター);酵素インヒビター(例えば、メタロプロテアーゼの組織インヒビター);ペプチド(例えば、ヒルジン、ニューレグリン−1断片);抗体断片(例えば、Fab断片);タンパク質骨格(例えば、Adnectins、Affibodies、Anticalins、DARPins、遺伝子組換えKunitz型インヒビター、テトラネクチン、A−ドメインタンパク質、リポカリン、反復タンパク質、例えば、アンキリン反復タンパク質、免疫タンパク質、α2p8ペプチド、昆虫ディフェンシンA、PDZドメイン、カリブドトキシン、PHDフィンガー、TEM−1β−ラクタマーゼ、フィブロネクチンIII型ドメイン、CTLA−4、T細胞受容体、ノッティン、ネオカルチノスタチン、糖結合モジュール4−2、緑色蛍光タンパク質、チオレドキシン);ワクチン(例えば、インフルエンザワクチン、アンスラックスワクチン、例えば、rPAワクチン、肝炎Eウイルスワクチン、例えば、ORF2ワクチン、ヒトパピローマウイルスワクチン);毒素;ならびに免疫毒素(Misawa and Kumagai,Biopolymers 51:297−307(1999)、Zhang et al,Protein Expr.Purif.25(1):105−13(2002)、Demain,Trends in Biotech.18(1):26−31(2000)、Gebauer & Skerra,Curr.Opin.Chem.Biol.13:245−55(2009)、Gill & Damle,Curr.Opin.Biotech 17:653−58(2006)、Hosse et al,Protein、Sci.15:14−27(2006)、Skerra,Curr.Opin.Biotech、18:295−3−4(2007);Song et al,PLoS ONE 3(5):e2257(2008)、Vahedi et al,Applied Biochem.and Biotech.157(3):554−61(2009)、Hakim and Benhar,MAbs.1(3):281-87(2009))が挙げられる。異種タンパク質のドメインまたは断片もまた、本発明から恩恵を受けるであろう。
本発明から恩恵を受けるであろう異種タンパク質は、容易に表されることができる。例えば、目的とする異種タンパク質は、ストレス応答プロモーターの制御下、レポーター(例えば、LacZ)も発現している、原核細胞中で発現することができる。ストレス応答プロモーターは、ミスフォールドしたタンパク質凝集の蓄積に応答するであろう。好適なストレス応答プロモーターとして、E.coliのibpAB、ybeD、yhgI、およびyrfGHI遺伝子からのプロモーターが挙げられるが、それらに限定されない。Lesley et al.,Protein Eng,15(2):153−60(2002)を参照されたい。さらに、本発明から恩恵を受けるであろう異種タンパク質は、パラメータ、例えば、電荷平均およびターン形成残基断片が、E.coli中の封入体形成と相関することが示されているため、予測のための基礎として、タンパク質のアミノ酸組成物のみを使用して、同定することができる(Wilkinson and Harrison,Nat.Biotech.9,443−448(1991))。
2.cis−transイソメラーゼを要求する異種タンパク質
タンパク質中の大部分のプロリン残基は、配座にエネルギー的に有利に働く。しかしながら、いくつかのタンパク質は、機能のために、cis配座を要求し、ペプチジル−プロリル(proyly)cis−transイソメラーゼは、本変換触媒作用を及ぼす。プロリルイソメラーゼのいくつかの重要な天然基質は、現在、公知であって、例えば、ヒト免疫不全ウイルス−1ビリオンのGagポリペプチド、ステロイド受容体、および細胞内カルシウム放出チャネルであって、生存細胞中の種々のプロリル異性化機能を実証する(Gothel et al,Cell.Mol.Life Sci.55(3):423−36(1999)。したがって、例示的実施形態では、異種タンパク質は、適切なフォールディングおよび/または機能に対して、プロリン異性化に依存する。一実施形態では、プロリン異性化依存異種タンパク質は、可変軽(カッパ)鎖(Vκ)を含む、抗体または抗体断片を含む。
3.抗体および抗体断片
例示的実施形態では、異種タンパク質は、抗体である。用語「抗体」は、広範な意味で使用され、完全集合抗体、四量体抗体、モノクローナル抗体、多クローン性抗体、多選択性抗体(例えば、二重特異性抗体)、抗原(例えば、Fab′、F′(ab)2、Fv、一本鎖抗体、二特異性抗体)に結合する抗体断片、および所望の生物学的活性を呈する限り、前述を含む組換えペプチドを含む。「免疫グロブリン」または「四量体抗体」は、2つの重鎖および2つの軽鎖から成り、それぞれ、可変領域および定常領域を含む、四量体糖タンパク質である。抗原結合部分は、組換えDNA技法によって、または無傷抗体の酵素または化学裂開によって、産生されてもよい。抗体断片または抗原結合部分として、Fab、Fab′、F(ab′)2、Fv、ドメイン抗体(dAb)、Fcab(商標)、相補性決定領域(CDR)断片、一本鎖抗体(scFv)、一本鎖抗体断片、フレームワーク領域によって連結されている2つのみのCDRを含有する抗体分子、例えば、VCDR1−VFR2−VCDR3融合ペプチド、キメラ抗体、二特異性抗体、三特異性抗体、四特異性抗体、低分子化抗体、線形抗体;キレート化組換え抗体、三量体抗体または二量体抗体、細胞内抗体、ナノ抗体、小モジュール免疫薬(SMIP)、抗原結合−ドメイン免疫グロブリン融合タンパク質、ラクダ化抗体、VHH含有抗体、あるいはそのバリアントまたは誘導体、および抗体が所望の生物学的活性を留保する限り、特異的抗原結合をポリペプチドにもたらすために十分な免疫グロブリンの少なくとも一部、例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、または6つのCDR配列を含有する、ポリペプチドが挙げられる。
天然の免疫グロブリンでは、各四量体は、2つの同じ対のポリペプチド鎖から成り、各対は、1つの「軽」鎖(約25kDa)および1つの「重」鎖(約50〜70kDa)を有する。各鎖のアミノ末端部分は、主に、抗原認識に関与する、約100〜110個以上のアミノ酸の可変領域を含む。各鎖のカルボキシ末端部分は、主に、エフェクター機能に関与する、定常領域を定義する。ヒト軽鎖は、カッパ(κ)およびラムダ(λ)軽鎖として分類される。重鎖は、ミュー(μ)、デルタ(Δ)、ガンマ(γ)、アルファ(α)、およびエプシロン(ε)として分類され、それぞれ、IgM、IgD、IgG、IgA、およびIgEとして、抗体のアイソタイプを定義する。軽鎖および重鎖内では、可変および定常領域は、約12個以上のアミノ酸の「J」領域によって結び付けられ、重鎖はまた、約10個以上のアミノ酸の「D」領域を含む。概して、Fundamental Immunology,Ch.7(Paul,W.,ed.,2nd ed.Raven Press,N.Y.(1989))(あらゆる目的のために、参照することによって全体として組み込まれる)を参照されたい。各軽/重鎖対の可変領域は、無傷免疫グロブリンが2つの結合部位を有するように、抗体結合部位を形成する。
各重鎖は、一端に、可変ドメイン(VH)に続いて、いくつかの定常ドメインを有する。各軽鎖は、可変ドメインを一端(VL)に、定常ドメインをその他端に有する。すなわち、軽鎖の定常ドメインは、重鎖の第1の定常ドメインとアライメントされ、軽鎖可変ドメインは、重鎖の可変ドメインとアライメントされる。特定のアミノ酸残基は、軽鎖可変ドメインと重鎖可変ドメインとの間の界面を形成すると考えられる(Chothia et al.,J.Mol.Biol.196:901−917,1987)。
免疫グロブリン可変ドメインは、3つの超可変領域またはCDRによって結び付けられる、比較的に保存されたフレームワーク領域(FR)の同一の一般構造を呈する。N−末端からC−末端へと、両軽鎖および重鎖は、ドメインFR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、およびFR4を含む。各ドメインへのアミノ酸の割当は、Kabat Sequences of Proteins of Immunological Interest(National Institutes of Health,Bethesda,Md.(1987 and 1991))、またはChothia & Lesk,(J.Mol.Biol.196:901−917,1987);Chothia et al.,(Nature342:878−883,1989)の定義に従う。
抗体の超可変領域は、抗原結合に関与する、抗体のCDRアミノ酸残基を指す。超可変領域は、CDRからのアミノ酸残基(Kabat et al.,Sequences of Proteins of Immunological Interest,5th Ed.Public Health Service,National Institutes of Health,Bethesda,Md.(1991))によって説明されるように、軽鎖可変ドメイン中の残基24〜34(L1)、50〜56(L2)、および89〜97(L3)と、重鎖可変ドメイン中の31〜35(H1)、50〜65(H2)、および95〜102(H3))、および/または超可変ループからのそれらの残基(Chothia et al.,J.Mol.Biol.196:901−917(1987)によって説明されるように、軽鎖可変ドメイン中の残基26〜32(L1)、50〜52(L2)、および91〜96(L3)と、重鎖可変ドメイン中の26〜32(H1)、53〜55(H2)、および96〜101(H3))を含む。
フレームワークまたはFR残基は、超可変領域残基以外のそれらの可変ドメイン残基である。
「重鎖可変領域」は、本明細書で使用されるように、該抗体重鎖可変ドメインの少なくとも1つの相補性決定領域(CDR)を含む、抗体分子の領域を指す。重鎖可変領域は、該抗体重鎖の1つ、2つ、または3つのCDRを含有してもよい。
「軽鎖可変領域」は、本明細書で使用されるように、該抗体軽鎖可変ドメインの少なくとも1つの相補性決定領域(CDR)を含む、抗体分子の領域を指す。軽鎖可変領域は抗体に応じて、カッパまたはラムダ軽鎖のいずれかであり得る、該抗体軽鎖の1つ、2つ、または3つのCDRを含有してもよい。
カッパ軽鎖可変領域(Vκ)を伴う抗体または抗体断片は、本明細書に説明される方法および物質に特に好適である。Vκドメインは、cis−プロリン(Kabatのナンバリングでは、L8およびL95)を有する。さらに、Pro−L95に先行するペプチド結合のゆっくりとした異性化は、未変性V/V界面の形成のために、cisでなければならないため、重要である。実際、Pro−L95のcis、trans異性化は、VおよびVの正しいドッキングのための律速段階である。適切なペプチジル(petidyl)−プロリル異性化の欠如は、凝集を助長する、異常通路フォールディング中間体の形成をもたらし得る。
その重鎖の定常ドメインのアミノ酸配列に応じて、免疫グロブリンは、異なるクラス、IgA、IgD、IgE、IgG、およびIgMに割り当てられることができ、さらに、サブクラスまたはアイソタイプ、例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1、およびIgA2に分割されてもよい。免疫グロブリンの異なるクラスのサブユニット構造および3次元構成は、周知である。異なるアイソタイプは、異なるエフェクター機能を有する。例えば、IgG1およびIgG3アイソタイプは、ADCC活性を有する。本発明の抗体は、定常ドメインを含む場合、これらのサブクラスまたはアイソタイプ、あるいはそのバリアントまたは共通配列、もしくは異なるアイソタイプのハイブリッド(例えば、IgG1/IgG2ハイブリッド)のいずれかであってもよい。
例示的実施形態では、本発明の抗体は、ヒトカッパ(κ)またはヒトラムダ(λ)軽鎖、あるいはそこから誘導されたアミノ酸配列、もしくはそのハイブリッド、随意に、そこから誘導されたヒト重鎖または配列とともに、あるいは一本鎖、二量体、四量体(例えば、2つの重鎖および2つの軽鎖)、または他の形態中の両重および軽鎖を一緒に含むことができる。
「モノクローナル抗体」は、実質的に均一である抗体の個体群から得られる抗体を指す、すなわち、個体群を含む個々の抗体は、微量で存在し得る、可能性として考えられる自然発生変異を除き、同じである。
「抗体バリアント」は、本明細書で使用されるように、天然抗体可変領域ドメインの可変領域に少なくとも1つのアミノ酸置換、欠失、または挿入を含有する、抗体ポリペプチド配列を指す。バリアントは、非修飾抗体と実質的に相同性または実質的に同じであってもよい。
「キメラ抗体」は、本明細書で使用されるように、典型的には、異なる種に由来する、2つの異なる抗体から誘導された配列を含有する抗体を指す(例えば、米国特許第4,816,567号参照)。最も典型的には、キメラ抗体は、ヒトおよび齧歯類抗体断片、概して、ヒト定常およびマウス可変領域を含む。
「中和抗体」は、それが結合する抗原の生物学的機能を排除または有意に低減させることが可能な抗体分子である。故に、「中和」抗体は、生物学的機能、例えば、酵素活性、リガンド結合、または細胞内シグナル伝達を排除あるいは有意に低減させることが可能である。
「単離された」抗体は、同定され、その天然環境の成分から分離され、復元されるものである。その天然環境の汚染成分は、抗体のための診断または治療用途に干渉するであろう物質であって、酵素、ホルモン、および他のタンパク質性または非タンパク質性溶質を含み得る。いくつかの実施形態では、抗体は、例えば、(1)Lowry法によって判定されるように、抗体の95重量%を上回って、好ましくは、99重量%を上回って、(2)スピニング・カップ・シークエネーターの使用によって、N末端または内部アミノ酸配列の少なくとも15個の残基を得るために十分な程度まで、または(3)クマーシー・ブルーもしくは銀染色を用いて、還元もしくは非還元条件下でのSDS−PAGEによって均一になるまで精製される。単離された抗体は、抗体の天然環境の少なくとも1つの成分が存在しないであろうため、組換え細胞内にインサイチューで抗体を含む。しかしながら、通常、単離された抗体は、少なくとも1つの精製ステップによって調製されるであろう。
F.ベクター
本発明のベクターは、概して、制御調節配列、例えば、外因性ポリペプチドを発現するために要求される、転写または翻訳調節配列を含む。好適な制御調節配列は、複製起点、プロモーター、エンハンサー、リプレッサ結合領域、転写開始部位、リボソーム結合部位、翻訳開始部位、ならびに転写および翻訳の終結部位を含むが、それらに限定されない。
いくつかのまたはいずれかの実施形態では、機能的シグナル配列に連結されていないFkpAおよび機能的シグナル配列に連結されていないSkpをコードする、ポリヌクレオチドは、同一のベクター上に存在する。いくつかの実施形態では、同一のベクター上に存在するとき、ポリヌクレオチドは、オペロンを形成するように配列される、すなわち、ポリヌクレオチドの転写は、多シストロン性メッセンジャーRNAを生成するであろう。いくつかのまたはいずれかの実施形態では、機能的シグナル配列に連結されていないFkpAおよび/または機能的シグナル配列に連結されていないSkpをコードする、ポリヌクレオチド、ならびに機能的シグナル配列に連結されている異種タンパク質をコードする、ポリヌクレオチドは、同一のベクター上に存在する。いくつかの実施形態では、同一のベクター上に存在するとき、細胞質FkpAおよび/またはSkpをコードする、ポリヌクレオチド、ならびに異種タンパク質をコードする、ポリヌクレオチドは、それらがオペロンを形成するように配列される。いくつかの実施形態では、細胞質FkpAをコードする、ポリヌクレオチド、可変領域軽鎖をコードする、ポリヌクレオチド、および可変領域重鎖をコードする、ポリヌクレオチドは、同一の制御配列に、適切な作用するように連結されている(すなわち、それらは、オペロンを形成する)。当業者によって理解されるであろうように、各FkpA−およびSkp−コードポリヌクレオチドは、宿主細胞中に適切な発現をもたらす好適な制御調節配列を有するであろう。
1.複製起点
複製起点(概して、ori配列と称される)は、好適な宿主細胞中でベクターの複製を可能にする。oriの選択肢は、採用される宿主細胞のタイプに依存するであろう。宿主細胞が、原核生物である場合、発現ベクターは、典型的には、原核細胞中のベクターの自律複製を指示するoriを含む。本クラスのoriの非限定的実施例として、pMB1、pUC、ならびに他の細菌起点が挙げられる。
2.シグナル配列
いくつかのまたはいずれかの実施形態では、宿主細胞は、組換え生産用に異種タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含み、当該異種タンパク質は、機能的シグナル配列に連結されている。細菌細胞中の周辺質分泌のための融合ポリペプチドを指示するシグナル配列は、spA、phoA、リボース結合タンパク質、pelB、ompA、ompT、dsbA、torA、torT、およびtolT(de Marco,Microbial Cell Factories,8:26(2009))から誘導されるものを含む。米国特許第5,846,818号および第5,576,195号に開示されるpelBシグナル配列は、参照することによってその全体として組み込まれる。
また、発明の範囲内に含まれるのは、原核宿主細胞(例えば、E.coli)中のシグナル配列としても機能する、真核性細胞から誘導されるシグナル配列である。そのような配列は、米国特許第7,094,579号に開示されており、その内容は、参照することによって全体として組み込まれる。
Watson(Nucleic Acids Research 12:5145−5164(1984))は、シグナル配列の編成について開示している。米国特許第4,963,495号は、成熟タンパク質をコードする、DNAのその3′末端から5′末端において連結されている原核分泌シグナル配列DNAを使用して、宿主生物の細胞膜周辺腔中の成熟真核性タンパク質の発現および分泌について開示している。Chang et al.(Gene 55:189−196(1987))は、E.coli中でhGHを分泌するためのSTIIシグナル配列の使用について開示している。Gray et al.(Gene 39:247−245(1985))は、ヒト成長ホルモンの天然シグナル配列の使用と、E.coli中のヒト成長ホルモンの分泌のためのE.coliアルカリホスファターゼプロモーターおよびシグナル配列の使用について開示している。Wong et al.(Gene,68:193−203(1988))は、E.coli中のLamBおよびOmpF分泌リーダー配列に融合されているインスリン様成長因子1(IGF−1)の分泌と、prlA4変異の存在下におけるこれらのシグナル配列の処理効率の向上について開示している。Fujimoto et al.(J.Biotech.8:77−86(1988))は、E.coli中のヒト上皮成長因子(hEGF)の分泌のための4つの異なるE.coliエンテロトキシンシグナル配列、STI、STII、LT−A、およびLT−Bの使用について開示している。Denefle et al.(Gene 85:499−510(1989))は、成熟ヒトインターロイキン1βの分泌のためのOmpAおよびPhoAシグナルペプチドの使用について開示している。前述の文書の全ての内容は、参照することによって全体として組み込まれる。
3.選択可能マーカー
前述の要素に加え、ベクターは、選択可能マーカー(例えば、ベクターによって形質転換された宿主細胞の生存または成長のために必要なタンパク質をコードする、遺伝子)を含有してもよいが、そのようなマーカー遺伝子は、宿主細胞中に同時導入された別のポリヌクレオチド配列上にも担持され得る。選択可能遺伝子が導入されたそれらの宿主細胞のみが、選択的条件下、生存および/または成長するであろう。典型的選択遺伝子は、(a)抗生物質または他の毒素、例えば、アンピシリン、カナマイシン、ネオマイシン、G418、メトトレキサート等に対する耐性をもたらす、(b)栄養要求性欠損を補完する、または(c)複合培地から利用可能ではない必須栄養素を供給する、タンパク質をコードする。適切な選択可能マーカー遺伝子の選択肢は、宿主細胞に依存し、異なる宿主のための適切な遺伝子は、当技術分野において公知である。
本発明によって包含されるベクターは、組換えクローニング方法を使用して、および/または化学合成によって、得ることができる。膨大の数の組換えクローニング技法、例えば、PCR、制限エンドヌクレアーゼ消化、およびライゲーションが、当技術分野において周知である。当業者はまた、本明細書に提供される配列データ、または当技術分野において利用可能な任意の合成手段によって、所望のベクターを得るための公共または固有のデータベース中の配列データを使用することができる。加えて、公知の制限およびライゲーション技法を使用して、適切な配列は、本発明に従って、種々のDNA源から切り取られ、外因性配列との操作性関係に統合されることができる。
G.ファージディスプレイ
本開示の物質および方法はまた、ファージディスプレイ技法において有用である。細胞質FkpA、ならびに本明細書に説明されるようなその機能的断片および機能的バリアントおよび/またはSkpを発現するE.coli細胞は、ファージディスプレイの効率を向上させ、希少クローンの同定をもたらす。いくつかの実施形態では、本開示の原核宿主細胞(例えば、E.coli細胞)は、ファージディスプレイライブラリをスクリーニングするために使用される。
ファージミドベクターから構築されたライブラリを含むファージディスプレイライブラリの構築は、その表面上、すなわち、そのカプシド上にペプチドおよびタンパク質を表すために、バクテリオファージの能力を利用する。多くの場合、線維状ファージ、例えば、M13、f1またはfdが、使用される。線維状ファージは、主要および微量被覆タンパク質、例えば、pIIIの複数のコピーによって囲繞される一本鎖DNAを含有する。目的とするタンパク質は、被覆タンパク質の断片、例えば、pIIIに融合されていてもよい。pIII断片のための配列コーディングを含む、ファージミドベクターは、ヘルパーファージとともに使用され、ファージディスプレイライブラリを構築してもよい。被覆タンパク質は、カプシドの外側表面上に表される。カプシドタンパク質遺伝子とともにフレーム内に挿入されたDNA配列は、同時転写され、ファージ表面上に表される融合タンパク質またはタンパク質断片を生成する。ペプチドファージライブラリは、したがって、挿入されるゲノム配列の多様性を表す、ペプチドを表すことができる。有意に、これらのエピトープは、天然のフォールドされた配座内に表され得る。ファージディスプレイライブラリ上に発現されたペプチドは、次いで、標的分子に結合することができる、すなわち、それらは、結合パートナー分子、例えば、抗体(Petersen Mol.Gen.Genet.249:425−31(1995))、細胞表面受容体(Kay,Gene 128:59−65)(1993)、ならびに細胞外および細胞内タンパク質(Gram,J.Immunol.Methods 161:169−76(1993))と特異的に相互作用することができる。
ペプチドをファージカプシド表面上に表すために、線維状ファージ、例えば、M13、fd、またはflを使用する概念は、最初に、Smithによって、Science 228:1315−1317(1985)において紹介された。ペプチドは、ファージ表面上に表され、多くの潜在的リガンドを同定する(例えば、Cwirla,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87:6378−6382(1990)参照)。科学的および特許文献に説明される、ファージディスプレイライブラリを生成するための多数のシステムおよび方法が存在する(例えば、Sambrook and Russell,Molecule Cloning:A Laboratory Manual,3rd edition,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Chapter 18,2001、"Phage Display of Peptides and Proteins: A Laboratory Manual,Academic Press,San Diego,1996、Crameri,Eur.J.Biochem.226:53−58(1994)、de Kruif,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 92:3938−42(1995)、McGregor,Mol.Biotechnol.6:155−162(1996)、Jacobsson,Biotechniques,20:1070−1076(1996)、Jespers Gene 173:179−181(1996)、Jacobsson,Microbiol Res.152:121−128(1997)、Fack,J.Immunol.Methods 206:43−52(1997)、Rossenu,J.Protein Chem.16:499−503(1997)、Katz,Annu.Rev.Biophys.Biomol.Struct.26:27−45(1997)、Rader,Curr.Opin.Biotechnol.8:503−508(1997)、Griffiths,Curr.Opin.Biotechnol.9:102−108(1998)参照)。
典型的には、表されるべきペプチドまたはタンパク質をコードする、外因性核酸が、被覆タンパク質遺伝子、例えば、ファージの遺伝子IIIまたは遺伝子VIII中に挿入される。得られた融合タンパク質は、カプシドの表面上に表され得る。タンパク質VIIIは、タンパク質IIIに対する3個から5個のコピーと比較して、ファージあたり約2700個のコピー中に存在する。多価発現ベクター、例えば、ファージまたはファージミドは、外因性ゲノムDNAまたはcDNAの操作および細菌中のファージ粒子の産生のために使用することができる(例えば、Felici,J.Mol.Biol.222:301−310(1991)参照)。
ファージミドベクターは、多くの場合、ファージライブラリを構築するために採用される。これらのベクターは、一本鎖線維状バクテリオファージ、例えば、M13、f1、またはfdのゲノムからのDNA複製起点を含む。ファージミドは、オーソドックスなプラスミドベクターと同一の方法で使用することができるが、また、DNAのクローン化されたセグメントの一本鎖コピーを含有する、線維状バクテリオファージ粒子を産生するためにも使用することができる。成熟ファージ粒子上に表された産物が、細胞溶解によって放出される、二本鎖T7ベクターもまた、採用することができる。
抗体または抗体断片、例えば、scFv、Fab、またはFvは、ファージディスプレイ技法を使用して、ファージの表面上に表されてもよい。例示的抗体ファージディスプレイ法は、当業者に公知であって、例えば、Hoogenboom,Overview of Antibody Phage−Display Technology and Its Applications,from Methods in Molecular Biology Antibody Phage Display: Methods and Protocols(2002)178:1−37(O'Brien and Aitken,eds.,Human Press,Totowa,N.J.)に説明されている。例えば、抗体または抗体断片のライブラリ(例えば、V−V対を安定化させるための遺伝子組換え分子間ジスルフィド結合を伴う、scFv、Fab、dAb、Fvs、および二特異性抗体)は、線維状ファージ、例えば、非溶解性線維状ファージfdまたはM13の表面上に表すことができる。所望の結合特異性を伴う、抗体または抗体断片を、次いで、選択することができる。
タンパク質骨格は、ファージディスプレイ技法を使用して、ファイージの表面上に表されてもよい。例示的タンパク質骨格ライブラリとして、Adnectins、Affibodies、Anticalins、DARPins、遺伝子組換えKunitz型インヒビター、テトラネクチン、A−ドメインタンパク質、リポカリン、反復タンパク質例えば、アンキリン反復タンパク質、免疫タンパク質、α2p8ペプチド、昆虫ディフェンシンA、PDZドメイン、カリブドトキシン、PHDフィンガー、TEM−1β−ラクタマーゼ、フィブロネクチンIII型ドメイン、CTLA−4、T細胞受容体、ノッティン、ネオカルチノスタチン、糖結合モジュール4−2、緑色蛍光タンパク質、チオレドキシン(Gebauer & Skerra,Curr.Opin.Chem.Biol.13:245−55(2009)、Gill & Damle,Curr.Opin.Biotech 17:653−58(2006)、Hosse et al,Protein Sci.15:14−27(2006)、Skerra,Curr.Opin.Biotech 18:295−3−4(2007))が挙げられるが、それらに限定されない。
H.親和性成熟
本明細書に開示される物質および方法はまた、親和性成熟のためにも有用である。本発明による、多数の置換バリアントが、生成され、複数のファージ粒子の表面上に表され、ファージ粒子を標的タンパク質と接触させることによって、所望の標的結合特性のために選択することができる。親和性成熟は、概して、親ポリペプチドのCDR内に置換を有する、ポリペプチドバリアント、例えば、抗体バリアントを調製およびスクリーニングし、生物学的特性、例えば、親ポリペプチドに対する結合親和性を改善したバリアントを選択することを伴う。そのような置換バリアントを生成するための便宜的方法は、親和性成熟である。概説すると、いくつかの超可変領域残基(例えば、6〜7個の残基)が、全ての可能性として考えられる置換を各部位に生成するように変異される。したがって、生成された抗体バリアントは、細胞の表面上に一価様式で表される。細胞表面に表されるバリアントは、次いで、その生物学的活性(例えば、結合親和性)のためにスクリーニングされる。例えば、親和性成熟のファージディスプレイ法の、例えば、第WO92/01047号、第WO93/112366号、第WO95/15388号、および第WO93/19172号を参照されたい。
2つの変異誘発に属する現在の抗体親和性成熟方法は、確率論的および非確率論的のカテゴリに分けられる。変異性PCR、ミューテーター細菌菌株(Low et al.,J.Mol.Biol.260,359−68(1996))、および飽和変異誘発(Nishimiya et al.,J.Biol.Chem.275:12813−20(2000);Chowdhury,P.S.Methods Mol.Biol.178,269−85(2002))は、確率論的変異誘発方法(Rajpal et al.,Proc Natl Acad Sci USA.102:8466−71(2005))の典型的実施例である。非確率論的技法は、多くの場合、アラニンスキャニングまたは部位特異的変異誘発を使用して、特異的バリアントの限定集合を生成する。利用可能な方法として、パニング法を介した親和性成熟、ルックスルー型変異誘発、変異性PCR、遺伝子部位飽和変異誘発、標的親和性成熟、およびDNAシャフリング((Huls et al,Cancer Immunol Immunother.50:163−71(2001)、Zaccolo et al.,J.Mol.Biol.285:775−783(1999)、Kretz et al.,Methods Enzymol.388:3−11(2004)、第WO2009/088933号、Stemmer,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,91:10747−51(1994))が挙げられる。
I.標識
いくつかの実施形態では、細胞および/または異種タンパク質は、その検出を促進するために標識される。「標識」または「検出可能部分」は、分光学的、光化学的、生化学的、免疫化学的、化学的、または他の物理的手段によって検出可能な組成物である。例えば、本発明において使用するために好適な標識として、放射線活性標識(例えば、32P)、蛍光体(例えば、フルオレセイン)、高電子密度試薬、酵素(例えば、一般に、ELISAで使用されるように)、ビオチン、ジゴキシゲニン、またはハプテン、ならびに、例えば、放射線標識をハプテンまたはペプチド中に組み込むことによって、検出可能である、ハプテンまたはペプチドとの抗体特異性反応を検出するために使用することができる、タンパク質が挙げられる。他の抗原様タグ、例えば、FLAGタグ、Hisタグ等も、当技術分野において公知である。
本開示において使用するために好適な標識の例として、蛍光染料(例えば、フルオレセインイソチオシアネート、テキサスレッド、ローダミン、および同等物)、放射線標識(例えば、H、125I、35S、14C、または32P)、酵素(例えば、ホースラディッシュペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、およびELISAにおいて一般に使用されるその他)、および発色標識、例えば、コロイド金、着色ガラス、またはプラスチックビーズ(例えば、ポリスチレン、ポリプロピレン、ラテックス等)が挙げられるが、それらに限定されない。
標識は、当技術分野において公知の方法に従って、組み込まれてもよい。
標識を検出するための手段は、当業者に周知である。したがって、例えば、標識が、放射線活性である場合、検出のための手段は、オートラジオグラフィーにおけるように、シンチレーション計数器または写真用フィルムを含む。標識が、蛍光標識である場合、適切な光の波長によって、蛍光色素を励起させ、結果として生じる蛍光発光を検出することによって検出されてもよい。蛍光発光は、電子検出器、例えば、電荷結合素子(CCD)または光電子倍増管および同等物の使用によって、視覚的に検出されてもよい。同様に、酵素標識は、酵素のための適切な基質を提供し、結果として生じる反応産物を検出することによって検出されてもよい。発色または化学発光標識は、単に、標識に伴う色を観察することによって検出されてもよい。本発明の方法における使用のために好適な他の標識および検出システムは、当業者に容易に明白となるであろう。そのような標識された異種タンパク質は、疾患または健康状態の診断において使用することができる。
実施例1
材料および方法
i.FkpAまたはSkpシャペロンを発現するプラスミドベクターの構築
XL1Blue細胞(recA1 endA1 gyrA96 thi−1 hsdR17 supE44 relA1 lac [F´ proAB lacIqZΔM15 Tn10 (Tetr)])およびTG1細胞(supE thi−1 Δ(lac−proAB) Δ(mcrB−hsdSM)5 (rK−mK-) [F´ traD36 proAB lacIqZΔM15])を、Stratagene(現在は、Agilent(Santa Clara,CA))から購入した。シャペロンの細胞質発現のために、未変性シグナル配列を、シャペロンFkpA(Swiss Prot番号P65764)およびSkp(Swiss Prot番号P0AEU7)をコードする、遺伝子から欠失した。シャペロンの周辺質発現のために、未変性シグナル配列が含まれた。シャペロンSkp、FkpA、および2シストロン性Skp−FkpAの細胞質または周辺質バージョンのプラスミド構築物を生成するために、シャペロン遺伝子断片を、PCRによって増幅し、次いで、プラスミドベクターpAR3(ATCC番号87026)中にクローン化した。ベクターpAR3(Perez−Perez et al,Gene,1995,158(1):141−2)は、pBADプロモーターと、クロラムフェニコール抗生物質耐性をもたらす、cat遺伝子とを含有する。また、後続実験において、全てのFabまたはscFvを共発現させるベクターのために使用された複製起点pBR322(ColE1)と適合性がある、p15A複製起点を持つ。最初に、2つの異なる順方向プライマーを、1つの逆方向プライマーとともに、シグナル配列を伴う、または伴わない、PCRによって、FkpAをXL1Blue細胞から増幅させるように設計した。同様に、2つの順方向プライマーおよび1つの逆方向プライマーを、シグナル配列を伴う、または伴わない、PCRによって、SkpをXL1Blue細胞から増幅させるように設計した。
単シストロン性シャペロンプラスミド構築物pAR3−FkpA_per、pAR3−Skp_per(周辺質発現に対して)およびpAR3−FkpA_cyt、pAR3−Skp_cyt(細胞質発現に対して)を生成するために、以前のPCR反応の産物を、順方向プライマーを使用して、PCR再増幅のための鋳型として使用し、BglII制限部位の後、遺伝子断片をコードするシャペロンから上流のエンハンサー配列
Figure 2014505482
を組み込んだ。逆方向プライマーを使用して、V5タグ配列
Figure 2014505482
をpAR3−Skp_perおよびpAR3−Skp_cyt中に、かつFLAGタグ配列
Figure 2014505482
をpAR3−FkpA_perおよびpAR3−FkpA_cyt中に、その後、制限部位HindIIIを組み込んだ。
2シストロン性周辺質pAR3−Skp−FkpA_perおよび細胞質pAR3−Skp−FkpA_cyt構築物を生成するために、単シストロン性PCR産物を再増幅した。Skpを再増幅するために、順方向プライマーを、BglIIを組み込んだ後、エンハンサー
Figure 2014505482
およびSkpの周辺質または細胞質バージョンが続くように設計した。逆方向プライマーを、V5タグ全体および最適化されたShine−Dalgarno(SD)配列にアニールし、FkpAの翻訳開始をもたらすように設計した。FkpAを再増幅するために、順方向プライマーを、V5のC末端部分、最適化されたSD、およびFkpAの周辺質または細胞質バージョンにアニールするように設計した。逆方向プライマーを、FkpAのC末端部分、FLAGタグ配列にアニールし、HindIII制限部位を付加するように設計した。SkpおよびFkpA PCR産物を、次いで、Qiagenゲル抽出キット(Valencia,CA)を使用して、ゲル精製し、外部順方向Skpプライマーおよび外部逆方向FkpAプライマーを使用して、重複伸長PCR反応のための鋳型として使用した。図1は、シャペロン構築物の略図を示す。
BglII−HindIII消化pAR3ベクターへのBglII−HindIII消化PCR産物のライゲーションを、次いで、XL1Blue細胞中へ電気穿孔処理し、結果として生じる構築物を、DNAシークエンシングによって確認した。
ii.Fabを発現するプラスミドベクターの構築
本研究のために使用された全てのFabおよびscFvを、トリプル6His−cmyc−V5タグ、アンピシリン耐性をもたらすベータラクタマーゼ遺伝子、およびpAR3ベクター(シャペロン発現ベクターのための主鎖)のp15A起点に適合性があるpBR322(ColE1)複製起点を持つ、ファージミドベクター中でクローン化した。本明細書で使用される代表的カッパFabは、a)XPA23(抗IL1β、ヒト)、b)ING1(抗EpCAM、ヒト)、c)83−7(抗ヒトインスリン受容体(huINSR)、マウス)、d)CF1(抗TIE−1、ヒト)、およびBM7−2(キナーゼ標的に特異的、ヒト)であった。本明細書で使用されるラムダガストリン特異的Fabは、a)A10、b)C10、c)D1、およびd)E6であった。抗原試薬huINSR、TIE1−Fc、およびIL1βを、R&D Systems(Minneapolis,MN)から購入した。
iii.細胞質および周辺質E.coli抽出物の調製
TG1電気穿孔法適格細胞を、2つのプラスミド:a)シャペロン発現単シストロン性ベクターpAR3−FkpA_per、pAR3−Skp_per、pAR3−FkpA_cyt、pAR3−Skp_cyt、または2シストロン性ベクターpAR3−Skp−FkpA_per、pAR3−Skp−FkpA_cytとともに、b)Fab発現ベクター(または、陰性対照として使用された空プラスミドpAR3)と同時形質転換した。
シャペロンのみを発現する、細胞質および周辺質抽出物を調製するために、空pAR3(陰性対照)あるいは単シストロン性または2シストロン性シャペロンプラスミド構築物を持つTG1細胞を、一晩、37°Cで、34μg/mlクロラムフェニコールおよび2%(w/v)グルコースで補充された2YT成長培地中において、成長させた。次いで、OD600が0.5〜0.6に到達するまで、37°Cで100mlフラスコ中にてサブカルチャーを行った。次いで、シャペロンの発現を、30°Cで一晩、0.2%アラビノース(w/v)で誘発した。その時点で、OD600を記録し、培養物を同一のOD600に正規化した。細胞を、次いで、ペレット状にし、1:4の希釈で、10ml氷冷PPBスクロース緩衝剤(Teknova(Hollister,CA))中で再懸濁させた。4°Cで、1時間、インキュベーション後、試料を、30分間、遠心分離し、周辺質抽出物を含有する上清を収集した。ペレットを、10ml Bugbuster(商標)溶液(Novagen(Gibbstown,NJ))中で再懸濁させ、溶解物の粘度を低下させるための10μlベンゾナーゼヌクレアーゼ(Novagen)および1錠の完全EDTA不在プロテアーゼインヒビターカクテル(Roche(Idianapolis,IN))で補充された。氷上で1時間インキュベーション後、溶解物を、16,000gで、20分間、4°Cで遠心分離し、細胞質抽出物を含有する上清を収集した。
シャペロンとともに、Fabを発現する細胞の周辺質抽出物を調製するために、Fabをおよびシャペロンプラスミド構築物(または、陰性対照として使用されるpAR3のみ)持つTG1細胞を、一晩、37°Cで、34μg/mlクロラムフェニコール、100μg/mlアンピシリン、および2%(w/v)グルコースで補充された2YT成長培地中で成長させた。次いで、OD600が0.5〜0.6に到達するまで、37°Cで、100mlフラスコ中にてサブカルチャーを行った。0.2%アラビノース(w/v)の添加30分後、IPTGを1mMの最終濃度になるまで添加し、一晩、30°Cで、インキュベートした。その時点で、OD600を記録し、培養物を、同等のOD600に正規化した。細胞を、次いで、ペレット状にし、1:4の希釈における10ml氷冷PPBスクロース緩衝剤(Teknova)および1錠の完全EDTA不在プロテアーゼインヒビターカクテル(Roche)中に再懸濁させた。4°Cで、1時間、インキュベーション後、試料を、30分間、遠心分離し、周辺質抽出物を含有する上清を収集した。
iv.ウエスタンブロット法
ウエスタンブロット法分析のために、周辺質および細胞質抽出物の試料(20μl)を、0.7Mベータ−メルカプトエタノールとともに、SDS装填緩衝剤中に懸濁させ、沸騰させ、次いで、NuPAGE MOPS SDS泳動緩衝剤(Invitrogen)を使用して、NuPAGE(商標)4〜12%Bis−Trisプレキャストゲル(Invitrogen(Carlsbad,CA))中に装填した。還元されたゲルからのタンパク質を、次いで、Millipore−SNAP−i.d.(商標)エレクトロブロッター(Millipore Corp.(Bedford,CA))を使用して、PVDF膜に転移させた。膜を、0.5%ウシ血清アルブミン(BSA)/リン酸塩緩衝生理食塩水(PBS)でブロッキングし、15分間、室温で、0.5%BSA/PBS中において、1:2,000でマウス抗V5抗体(Sigma(St.Louis,MO))(skp検出のため)と、または1:1,000希釈でマウス−抗FLAG一次抗体(Sigma)と、その後、1:2,000希釈でホースラディッシュペルオキシダーゼ(Jackson Immunoresearch(West Grove,PA))共役したヤギ抗マウスIgG(H+L)とともにインキュベートした後。色を、1−StepTMB-Blotting基質溶液(Pierce,Thermo Fisher Scientific(Rockford,IL))で展開させた。
v.ELISA
a.標的ELISA
機能的Fabの量を、ELISAによって判定した。Maxisorp(商標)96−ウェルプレート(Nunc(Rochester,NY))を、リン酸塩緩衝生理食塩水(PBS)中で希釈された50μl/ウェル(以下の詳細参照)において、3μg/mlまたは1μg/ml抗原で被覆した。EpCAM(ING−1 Fabに結合)、IL1β(XPA23 Fabに結合)、およびTIE1−Fc(CF1 Fabに結合)を、3μg/mlで被覆した。キナーゼ標的(BM7−2Fabに結合)を、2μg/mlで被覆した。ヒトインスリン受容体(huINSR)(83−7Fabに結合)を、1μg/mlで被覆した。ビオチン化ガストリン(A10、C10、D1、E6Fabによって認識された14量体ペプチド)を、Reacti−Bind(商標)ストレプトアビジン被覆96−ウェルプレート(Thermo Scientific(Minneapolis,MN))上において、PBS中で希釈された1μg/mlで被覆した。被覆されたプレートを、一晩、4°Cで、インキュベートし、次いで、PBS緩衝剤(350μl/ウェル)(ブロッキングは、ストレプトアビジン被覆プレートに対して要求されなかった)中で、5%乾燥脱脂乳(Carnation(Nestle,OH))でブロッキングした。プレート洗浄を、0.05% Tween 20を伴うPBS中で実施した。Fab、一次、および二次抗体の連続希釈を、PBS中の5%乾燥脱脂乳中で行った。希釈されたFab(50μl/ウェル)を、1時間、室温で、そのブロッキングされた抗原に結合させた。ING1、XPA23、CF1、BM7−2、A10、C10、D1、E6 Fabの存在を、1:2,000希釈で、ヤギ−抗ヒトIgG(F(ab′)に特異的)(Jackson Immunoresearch)一次抗体の後、1:10,000希釈でホースラディッシュペルオキシダーゼ(Santa Cruz Biotechnology(SantaCruz,CA))と共役したロバ抗ヤギIgG(H+L)を使用して確認いた。83−7Fabの存在は、1:2,000希釈でウサギ−抗マウスIgG[F(ab′)に特異的](Jackson Immunoresearch)一次抗体の後、1:10,000希釈でホースラディッシュペルオキシダーゼ(Jackson Immunoreasearch)と共役したヤギ抗ウサギIgG(H+L)を使用して検出した。アッセイを、TBD可溶性基質(CALBIOCHEM(La Jolla,CA))の添加によって展開した。反応物を、50μlの4.5 NHSOの添加によって急冷し、SPECTRAmax Plus(商標)マイクロプレートリーダー(Molecular Devices(Sunnyvale,CA)によって、405nmで読み取った。
b.発現ELISA
総Fabの量を、ELISAによって判定した。ING1、XPA23、BM7−2、およびCF1ヒトカッパFabの検出のために、Maxisorp(商標)96−ウェルプレート(Nunc、Thermo Scientific)を、リン酸塩緩衝生理食塩水(PBS)中で希釈した3μg/mlヤギ−抗ヒトカッパ(Invitrogen、Carlsbad、CA)の50μl/ウェルで被覆した。83−7マウスカッパFabの検出のために、Maxisorp(商標)96−ウェルプレートを、リン酸塩緩衝生理食塩水(PBS)中で希釈した3μg/mlヤギ−抗マウスカッパ抗体(Jackson Immunoresearch)の50μl/ウェルで被覆した。ヒトラムダA10、C10、D1、およびE6 Fabの検出のために、96−ウェル高結合アッセイMaxisorp(商標)96−ウェルプレートを、リン酸塩緩衝生理食塩水(PBS)中で希釈した3μg/mlヤギ−抗ヒトラムダ(Pierce、Rockford、IL)の50μl/ウェルで被覆した。被覆されたプレートを、一晩、4°Cで、インキュベートし、次いで、PBS緩衝剤(350μl/ウェル)(ブロッキングは、ストレプトアビジン被覆プレートに対して要求されなかった)中で、5%乾燥脱脂乳(Carnation、Nestle、OH)でブロッキングした。プレート洗浄は、0.05% Tween 20を伴うPBSで実施された。Fab、一次および二次抗体の連続希釈を、PBS中5%乾燥脱脂乳中で行った。希釈されたFab(50μl/ウェル)を、1時間、室温で、そのブロッキングされた抗原に結合させた。Fabの存在は、1:2,000希釈でウサギ−抗V5(Sigma)一次抗体の後、1:10,000希釈でホースラディッシュペルオキシダーゼ(Jackson Immunoresearch)と共役されたヤギ抗ウサギIgG(Fc特異的)を使用して検出した。アッセイを、TBD可溶性基質(CALBIOCHEM(La Jolla,CA))の添加によって展開した。反応物を、4.5N HSOの50μlの添加によって急冷し、SPECTRAmax Plus(商標)マイクロプレートリーダー(Molecular Devices(Sunnyvale,CA)によって、450nmで読み取った。
vi.表面プラズモン共鳴
周辺質抽出物中のヒトFabの定量化を、Biacore 2000装置(GE Healthcare)上における表面プラズモン共鳴(SPR)によって判定した。Fabを、BiacoreCM5センサチップ(GE Healthcareカタログ番号BR−1000−12)上に高密度で固定したヤギ−抗ヒトIgG[F(ab′)2に特定的](Jackson Immunoresearchカタログ番号109−006−097)を使用して定量化した。標準曲線を、2倍の連続希釈でのヒトFab(Jackson Immunoresearchカタログ番号009−000−007)をアッセイ泳動緩衝剤中に希釈することによって生成し、Fab濃度の推定に用いた。データ分析を、BIA評価ソフトウェアV4.1(GE Healthcare(Piscataway,NJ))を使用して実施した。
抗原EpCAMに結合した活性ING1 Fabの濃度およびその特異的活性([リガンド結合(RU)]/[Fab捕捉(RU)]x[MW(Fab)/MW(リガンド)]x100)を、同一の量のFab(cytFkpAと共発現した、またはしなかった)をヤギ−抗ヒトIgG[F(ab′)2に特異的]表面上に固定後、2μg/ml EpCAMを注入して推定した。
vii.scFvおよびFabナイーブファージディスプレイライブラリ;選択およびレスキュー
a.計画およびレスキュー
キナーゼ標的を、製造業者のプロトコルおよび10倍のモル過剰ビオチン試薬を使用して、Sulfo−NHS−LC−Biotin(Pierce(Rockford,IL))でビオチン化した。キナーゼのビオチン化を、SPRによって確認した。次いで、ビオチン化試薬を使用して、scFvおよびFabナイーブファージディスプレイライブラリをパニングした。
カッパscFvナイーブライブラリを使用した1回目のファージパニングに対して、4.5x1012コロニー形成単位(cfu)のファージ粒子を使用した。Fabナイーブライブラリを使用した1回目のファージパニングに対しては、Fabラムダライブラリの1.5x1013cfuのファージ粒子またはFabカッパライブラリの1x1013cfuのファージ粒子を、1時間、室温で、ゆっくりと回転させながら、PBS緩衝剤中で、1mlの5%乾燥脱脂乳(Carnation(Nestle,OH))中でブロッキングした。したがって、2つの別個のパニング選択(1つは、Fab−カッパライブラリから、1つは、Fab−ラムダライブラリから)を、実施した。
ブロッキングされたファージを、2回、30分間、ストレプトアビジン被覆磁気Dynabeads(登録商標)M−280(Invitrogen Dynal AS(Oslo,Norway))に対して除外した。1回目、2回目、および3回目の選択に対して、それぞれ、200、50、および10ピコモルのビオチン化キナーゼ試薬を使用した。次いで、ビオチン−キナーゼを固定化し、非ビオチン化物質を除去するために、ビオチン−キナーゼを、ブロッキングされたストレプトアビジン被覆磁気Dynabeads(登録商標)M−280とともに、1時間、ゆっくり回転させながら、インキュベートした。キナーゼ−捕捉ビーズを、次いで、2回、PBSで洗浄した。除外されたファージを、ビオチン−キナーゼストレプトアビジンビーズとともに、90分間、室温で、インキュベートした。
1回目のパニングに対して、ビーズを、3回、PBS−0.05% Tweenで、その後、3回、PBSで、急速洗浄した(すなわち、ビーズを、磁石を使用して、溶液から引き出し、1ml洗浄緩衝剤中に再懸濁させた)。2回目のパニングに対して、ビーズを、6回、PBS−0.05% Tweenで、その後、室温で、ゆっくり回転させながら、PBS−0.05% Tweenで、1ml洗浄緩衝剤中での単回の10分間洗浄、次いで、6回、PBSで、その後、PBSでの1回の10分間の洗浄で、急速洗浄した。3回目のパニングに対して、ビーズを、6回、PBS−0.05% Tweenで、その後、5分間、PBS−0.05% Tweenで、4回の洗浄、次いで、PBSでの6回の急速洗浄、その後、PBSでの4回の5分間洗浄で急速に洗浄した。キナーゼ−結合ファージを、30分間、100mMトリエチルアミン(TEA)とともに、室温で、インキュベーションを介して溶出し、続いて、1M Tris−HCl(pH7.4)で中和した。1回目および2回目のパニングから溶出したファージを使用して、OD600が0.5と同等になったとき、TG1 E.coli細胞を感染させた。3回目のパニングから出力されたファージを、2つのアリコートに分割した。その半分を使用して、2YT培地中で成長されたTG1細胞のみを感染させ、残り半分を使用して、34ug/mlクロラムフェニコールで補充された2YT培地中で成長された細胞質シャペロンFkpA(プラスミドpAR3−FkpA_cytから)を発現するTG1細胞を感染させた。
90rpmで振盪しながら、1時間、37°Cで、感染後、細胞を遠心分離し、ペレットを、100μg/mlアンピシリンおよび2%(w/v)グルコースで補充された2YT成長培地中に再懸濁させた。再懸濁された細胞を、次いで、100μg/mlカルベニシリンおよび2%グルコースを含有する2YT寒天プレート上に置き、一晩、30°Cで、インキュベートした。同様に、シャペロンFkpAを発現する、TG1細胞を、100ug/mlカルベニシリン、34ug/mlクロラムフェニコール、および2%グルコースを伴う2YT寒天プレート上に置き、一晩、30°Cで、インキュベートした。
ファージを、感染の多重度(MOI)約20で、ヘルパーファージM13K07でレスキューした。本目的のために、3回目の選択出力クローンを、OD600約0.5まで成長させた。その時点で、細胞を、100rpmで振盪しながら、37°Cで、1時間、ヘルパーファージで感染させた。細胞ペレットを、100ug/mlアンピシリンおよび50ug/mlカナマイシンで補充された2YT培地中に再懸濁させ、一晩、25°Cで、成長させた。上清中のファージを、遠心分離によって回収し、次回のパニングのために使用した。ファージ選択から生じる濃縮を推定するために、入力および出力ファージの量を滴定し、適切な抗生物質で補充された2YT寒天プレート上に置いた。
b.ライブラリ選択抗体クローンからの周辺質抽出物の生成
個々のTG1コロニーを採取し、100ug/mlアンピシリンおよび0.1%(w/v)グルコースで補充された2YT中で、37°Cで、成長させた。FabまたはscFv発現を、次いで、OD600が値0.5に到達したとき、1mM IPTGで誘発した。誘発を、一晩、30°Cで、継続した。
同様に、細胞質FkpAを発現するプラスミドを持つ、個々のTG1クローンを、3回目の選択出力から採取し、100μg/mlアンピシリン、34μg/mlクロラムフェニコール、および0.1%(w/v)グルコースで補充された2YT成長培地中で、37°Cで、成長させた。FkpAを発現させるために、アラビノースを、OD600が0.5に到達したとき、30°Cで、添加した。アラビノースの添加から30分後、1mM IPTGを添加し、FabまたはscFvの発現を誘発し、インキュベーションを、一晩、30°Cで継続した。
細菌周辺質抽出物を、EDTA不在プロテアーゼインヒビターカクテルタブレット(Roche,IN)で補充された再蒸留水(ddH2O)中で、1:4希釈(Teknova)における氷冷PPB溶液を使用して、標準的方法に従って調製した。結果として生じる溶解物上清(周辺質抽出物)を、以下に説明されるように、ELISAによってアッセイを行った。
c.抗体ファージクローンのELISAスクリーニング
ELISA Maxisorp(登録商標)プレートを、一晩、4°Cで、PBS中の2ug/mlキナーゼ試薬で被覆した。プレートを、次いで、1時間、室温で、5%乳/PBSの350ul/ウェルでブロッキングした。細菌周辺質抽出物を、また、1時間、5%乾燥脱脂乳でブロッキングし、次いで、ELISAプレート(50ul/ウェル)に装填し、2時間、室温で、被覆キナーゼに結合させた。抗キナーゼmAbを、陽性ELISAスクリーニング対照として使用した。ELISA結合抗体断片を、1時間、室温で、1:2,000希釈でマウス抗V5抗体(Sigma)の後、1:10,000希釈でホースラディッシュペルオキシダーゼ(Jackson Immunoresearch)と共役されたヤギ抗マウスIgG(H+L)で検出した。ELISAスクリーニングの段階後、毎PBS−0.05% Tween−20(Teknova)で3回洗浄を実施した。陽性対照mAbを、1時間、室温で、ホースラディッシュペルオキシダーゼと共役されたヤギ抗ヒトIgG(H+L)によって検出した。アッセイを、TBD可溶性基質(CALBIOCHEM)の添加によって展開した。反応物を、50ulの4.5N HSOの添加によって急冷し、SPECTRAmax Plusマイクロプレートリーダー(Molecular Devices)によって、450nmで読み取った。
実施例2
i.E.coliの周辺質中のFabおよびscFvの発現の向上
E.coliペプチジルプロリルcis/trans異性化FkpA、E.coli分子シャペロンSkp、および2シストロン性Skp−FkpAの共発現に応じた、カッパおよびラムダ軽鎖Fab断片の周辺質発現を調査した。E.coli周辺質または細胞質中でのシャペロンの発現を可能にするために、シャペロンをコードする遺伝子を、その未変性シグナル配列を伴う、または伴わない、XL1Blue細胞のE.coli染色体から、PCRによって増幅した。PCR産物を、次いで、発現ベクターpAR3中にクローン化した。周辺質および細胞質Skp−FkpA 2シストロン性産物を、重複伸長PCRによって生成し、pAR3中にクローン化した。シャペロンプラスミドを、最初に、E.coli TG1細胞および周辺質ならびに細胞質中に電気穿孔することによって形質転換し、抽出物を、実施例1に説明されるように、生成した。TG1細胞中のシャペロンの発現を、次いで、抗V5および抗FLAGタグ抗体を使用して、ウエスタンブロット法によって試験し、SkpおよびFkpAの存在を検出した(図2A、2B参照)。Skp、FkpAおよび2シストロン性Skp−FkpAは、E.coli細胞質抽出物中にその周辺質シグナル配列((−)符号参照)を伴わず、かつE.coli周辺質抽出物中にその周辺質シグナル配列((+)符号参照)を伴って、正常に発現した。当然のことながら、周辺質および細胞質抽出物の調製の間、E.coli内側膜の漏出のため、そのリーダー配列を伴わない、少量のSkpおよびFkpAもまた、細菌周辺質中に見出され得、かつそのリーダー配列を伴う、少量のSkpおよびFkpAもまた、細胞質中に見出され得る。
a.カッパ軽鎖を伴うFab
最初に、ヒトカッパ軽鎖抗EpCAM ING1 Fabを、単シストロン性または2シストロン性シャペロン構築物を伴う、あるいは伴わずに、TG1中に発現させた。周辺質中で発現したFabの総量およびタンパク質EpCAMに結合する活性Fabの量を、それぞれ、発現および標的ELISAによって査定した。発現ELISAでは、抗カッパ被覆抗体を使用して、Fab軽鎖を検出した。Fab重鎖を、次いで、CH1のC−末端上のV5タグを認識する抗体によって検出した(図3、灰色列参照)。標的ELISAでは、Fab特異的多クローン性抗体を使用して、被覆EpCAM抗原を認識可能な機能的抗体を同定した(図3、黒色列参照)。
これらのELISA結果は、FkpAの細胞質(シグナル配列不在)バージョンと共発現されるとき、機能的ING1 Fabの発現が、実質的に、増加することを実証する(左から6番目の黒色列)。また、細胞質FkpAの存在とともに発現したFab量全体が機能的であることは、興味深い(左から6番目の灰色列)。
同様に、ヒト軽カッパ鎖抗IL1β XPA23 Fabを、単シストロン性または2シストロン性シャペロン構築物を伴う、あるいは伴わずに、TG1中で発現させた。周辺質中で発現したFabの総量およびタンパク質IL1βに結合する活性Fab結合の量を、それぞれ、発現(図4、灰色列)および標的ELISA(図4、黒色列)によって査定した。
これらのELISA結果は、FkpAの細胞質(シグナル配列不在)バージョンと共発現されるとき、機能的XPA23 Fabの発現が、実質的に、増加することを実証する(図4、左から6番目の黒色列)。これらの結果はまた、シャペロンの存在を伴って、または伴わずに、発現されたFabの総量の大部分(細胞質FkpAを除く)が、非機能的であることを示す。
マウス軽カッパ抗ヒトインスリン受容体(huINSR)83−7Fabを、単シストロン性または2シストロン性シャペロン構築物を伴う、あるいは伴わずに、TG1中で発現させた。周辺質中で発現されたFabの総量およびhuINSRに結合する活性Fabの量を、それぞれ、発現(図5A)および標的ELISA(図5B)によって査定した。連続83−7Fab抗体希釈を実施した。
これらの結果は、活性83−7Fab収率が、細胞質FkpAの共発現のため、改善することを示す(左から5番目の積層列)。
キナーゼ標的を認識する、ヒトカッパBM7−2Fabを、FkpAおよびSkp−FkpAの細胞質バージョンを伴って、または伴わずに、TG1中に発現させた。以前に説明されるように、総周辺質Fabおよび抗原結合活性Fabを、それぞれ、発現(図6A)および標的ELISA(図6B)によって試験した。3回(図6)または5回(図6B)の抗体希釈を実施した。
これらの結果は、両細胞質FkpA単独との、ならびにE.coliの細胞質中で両SkpおよびFkpAを発現する、2シストロン性構築物との、総BM7−2Fab発現の有意な向上を実証する。しかしながら、細胞質FkpA単独の共発現に応じて、活性Fabの実質的増加が存在する。
抗TIE1−Fc Fab CF1を、単シストロン性FkpAおよび2シストロン性Skp−FkpA細胞質構築物を伴って、または伴わずに、TG1中で共発現させた。総収率および機能的Fab収率を、次いで、それぞれ、発現(図7、左から最初の4つの列集合)および標的ELISA(図7、左から最後の3つの列集合)によって試験した。5回の抗体希釈を実施した。
これらのELISA結果は、細胞質FkpAが、E.coli周辺質中の機能的CF1の発現を改善することを示す。
b.ラムダ軽鎖を伴うFab
細胞質FkpA、SkpおよびSkp−FkpAの存在を伴う、TG1 E.coli周辺質中の総量および活性ヒト抗ガストリンラムダ軽鎖含有Fab A10、C10、D1、およびE6の発現を、ELISAによって査定した。総Fab発現を判定するために、抗ラムダ抗体を、最初に、プレート上で被覆した。続いて、Fab重鎖を、CH1のC−末端上のV5タグを発現する抗体によってプローブした(図8A参照)。機能的Fab特異的結合ガストリンの相対量を同定するために、Fab特異的多クローン性抗体を使用した(図8B参照)。連続Fab希釈を、両ELISAのために使用した。
プロリン残基をcis配座に含む、カッパ軽鎖を伴うFabと異なり、活性ラムダ軽鎖Fab(cis Pro残基を有していない)の発現収率に及ぼすFkpAの影響は、あまり明白ではない。我々の結果は、C10およびD1 Fab発現のみ、過剰細胞質FkpAの発現から、若干、恩恵を受けることが見られたことを示す。FkpAは、E6の発現に影響を及ぼさず、シャペロンが共発現されなかったとき、検出不可能であった。興味深いことに、TG1の細胞質中のFkpAの共発現は、TG1周辺質中のA10 Fabの発現を消失させた。Fab含有ラムダ軽鎖の発現に及ぼすFkpAの分子シャペロン機能の影響は、Fab含有カッパ軽鎖に及ぼす影響よる予測不能であると考えられる。重要なこととして、我々の研究は、A10の発現が、実質的に、改善し、E6の発現が、細胞質2シストロン性Skp−FkpAの共発現後、劇的にレスキューされたことを実証した。これらの結果は、細胞質Skpが、A10およびE6 Fabの活性タンパク質収率の向上の主要因であって、FkpAは、その支援に失敗したことを示す。
Skp、FkpA、または2シストロン性Skp−FkpAの共発現に応じた、実際のFabタンパク質収率を計算するために、表面プラズモン共鳴を採用し、ヒトFabを捕捉する、抗ヒトFabセンサチップを使用した。最も顕著なタンパク質収率改善をもたらした、シャペロンバージョンと共発現されたヒトFabの周辺質抽出物を、以前のELISA結果に基づいて、試験した。標準曲線を、最初に、対照ヒトFabを使用して、生成し、タンパク質濃度を、次いで、SPR応答単位(RU)に基づいて、推定した(図9参照)。
ii.scFvおよびFabファージライブラリの発現に及ぼす細胞質FkpAの影響
a.カッパFabライブラリ
我々の結果は、当然ながら、細胞質FkpAの共発現が、E.coli周辺質中の機能的カッパ軽鎖Fab(および、あるラムダFab)の発現を向上させることを示した。続いて、我々は、ファージディスプレイによって選択されたナイーブFabまたはscFvライブラリの発現を改善するためのFkpAの能力を試験した。最初に、3回のファージパニング選択を、実施例1に説明されるように、カッパFabナイーブファージディスプレイライブラリを使用して、ビオチン化キナーゼ標的に対して実施した。3回目のパニング後、93個の出力クローンを採取し、96−ウェルプレート中で成長させた。Fab発現の誘発を、以前に説明されるように実施し、周辺質抽出物を、実施例1に説明されるように、ELISAによって、標的抗原への結合に対して試験した(図10A参照)。全てのプレートにおいて、ウェルA1およびA2は、陰性対照とし、ウェルH12は、陽性対照とした。3回目のパニング後、93個の付加的出力クローンを採取し、細胞質FkpAとともに、Fab断片を発現するように誘発した。細菌周辺質中の活性Fabの発現を、ELISAによって査定した(図10B参照)。
我々は、過剰細胞質FkpAの発現が、シャペロンの不在下では、無かったことと比較して、6つの陽性クローンが同定されたため、E.coli周辺質中のカッパ軽鎖Fab発現収率を改善すると結論付ける。
b.ラムダFabライブラリ
同様に、3回目のクローンを選定し、Fabラムダ鎖ライブラリでのパニング後、試験した。TG1細胞中のFab周辺質抽出物のELISAスクリーニングは、キナーゼ標的への32個のクローン結合を同定した(図11A)。細胞質FkpAの共発現後、26個のバインダーが、同定された。発現レベル(図11B参照)は、FkpAの存在下、明らかに高かった。
c.カッパScFvライブラリ
ファージ選択もまた、ナイーブXOMAカッパscFvライブラリを使用して、キナーゼ標的に対して実施した。scFv周辺質抽出物のELISAスクリーニングは、scFvが、細胞質FkpAと共発現されたとき、65個の陽性(かつより強固な)バインダーを同定した(図12B参照)。シャペロンの不在下では、26個のより脆弱なバインダーのみ、同定された(図12A参照)。
したがって、PPIase FkpAの細胞質バージョンの共発現は、カッパscFvファージライブラリから選択された抗体候補のa)数、およびb)発現を劇的に増加させる。
実施例3
i.細胞質Fkpの発現は、ファージディスプレイライブラリをパニング時、ヒットの多様性および発現を増加させる
1回目のファージパニングに対して、ナイーブFabライブラリを使用して、Fabラムダライブラリの1.6x1013cfuのファージ粒子およびFabカッパライブラリの2.2x1013cfuのファージ粒子を、1時間、室温で、ゆっくり回転させながら、PBS緩衝剤中の3.5mlの5%乾燥脱脂乳(Marvel,Premier Foods(UK))中で、ブロッキングした。ブロッキングされたファージを、2回、45分間、ストレプトアビジン被覆磁気Dynabeads(登録商標)M−280(Invitrogen Dynal AS(Oslo,Norway))に対して除外した。製造業者のプロトコルおよび20倍のモル過剰のビオチン試薬を使用して、Sulfo−NHS−LC−Biotin(Pierce(Rockford,IL))でビオチン化され、ELISAによって確認された、TIE2を、ビオチン−TIE2を固定し、非ビオチン化物質を除去するために、45分間、ゆっくり回転させながら、ブロッキングされたストレプトアビジン被覆磁気Dynabeads(登録商標)M−280とともにインキュベートした。TIE2捕捉ビーズを、次いで、2回、PBSで洗浄した。1回目、2回目、および3回目の選択に対して、100、50、および10ピコモルのビオチン化TIE2を、それぞれ、使用した。1回目に対して、除外されたファージを、2つのアリコートに分割し、一方は、TG1細胞を感染させるために使用し、他方は、pAR3−FkpA_cytを持つTG1細胞感染させるために使用した。レスキューされ、除外されたファージを使用して、90分間、室温で、ビオチン−TIE2ストレプトアビジンビーズとのインキュベーションによって、並行して、1回目のパニングを実施した。2回目および3回目に対する入力ファージを、1回目のTG1感染または1回目のpAR3−FkpA_cytを伴うTG1のいずれかからの別個のレスキューによって生成した。
1回目のパニングに対して、ビーズを、5分間(すなわち、ビーズを、磁石を使用して、溶液から引き出し、1ml洗浄緩衝剤中に再懸濁させ、5分間、ゆっくりと回転させた)、3回、PBS−0.05% Tweenで、その後、3回、PBSで洗浄した。2回目のパニングに対して、ビーズを、5分間、6回、PBS−0.05% Tweenで洗浄し、その後、6回、5分間、PBSで洗浄した。3回目のパニングに対して、ビーズを、5分間、8回、PBS−0.05% Tweenで洗浄し、その後、8回、5分間、PBSで洗浄した。TIE2結合ファージを、30分間、100mMトリエチルアミン(TEA)で、室温で、インキュベーションを介して溶出し、続いて、1M Tris−HCl(pH7.4)で中和した。各回のパニングから溶出されたファイージを使用して、OD600が0.5と同等になったとき、TG1 E.coli細胞またはpAR3−FkpA_cytを伴うTG1のいずれかを感染させた。TG1細胞を、2YT培地中で成長させ、細胞質シャペロンFkpA(プラスミドpAR3−FkpA_cyt由来)を発現する、TG1細胞を、34μg/mlクロラムフェニコールで補充された2YT培地中で成長させた。
1時間、37°Cで、感染後、細胞を遠心分離し、ペレットを、100μg/mlカルベニシリンおよび2%(w/v)グルコースで補充された2YT成長培地中に再懸濁させた。再懸濁された細胞を、次いで、100μg/mlカルベニシリンおよび2%グルコースを含有する2YT寒天プレート上に置き、一晩、30°Cで、インキュベートした。同様に、シャペロンFkpAを発現する、TG1細胞を、100μg/mlカルベニシリン、34μg/mlクロラムフェニコール、および2%グルコースを伴う、2YT寒天プレート上に置き、一晩、30°Cで、インキュベートした。
ファージを、感染の多重度(MOI)約20で、ヘルパーファージM13K07でレスキューした。本目的のために、1回目および2回目の選択出力クローンを、OD600約0.5まで成長させた。その時点で、細胞を、100rpmで振盪させながら、37°Cで、1時間、ヘルパーファージで感染させた。細胞ペレットを、100μg/mlカルベニシリンおよび50μg/mlカナマイシンで補充された2YT培地中に再懸濁させ、一晩、25°Cで、成長させた。上清中のファージを、遠心分離によって回収し、次回のパニングのために使用した。ファージ選択から生じた濃縮を推定するために、入力および出力ファージの量を滴定し、適切な抗生物質で補充された2YT寒天プレート上に置いた。
周辺質抽出物の生成およびELISAスクリーニングは、ブロッキングを要求しなかった、Reacti−Bind(商標)ストレプトアビジン被覆96−ウェルプレート上に被覆されたビオチン−TIE2によって、実施例1のプロトコルに従って行った。競合ELISAを、個々のクローンの親和性を概算するために実施した。競合ELISAのためのプロトコルは、前述のスクリーニングELISAに類似するが、非ビオチン化TIE2を、0、1、10、および100nM濃度で、ブロッキングされた周辺質抽出物に添加し、ELISAプレートに添加される前に、1時間、インキュベートした。TIE2の各濃度に対する450nmでのODを、TIE2が周辺質抽出物に添加されなかったときの450nmでのODと比較した。プレート上に被覆されたTIE2−ビオチンに対するFabの結合と比較して、周辺質抽出物と混合されたTIE2の最低濃度(TIE2を伴うA450と、TIE2<0.6を伴わないA450の比率)は、周辺質抽出物中の抗体断片の親和性を示した(Sidhu et al,JMB,338:299−310(2004)、Deshayes et al,Chem.& Biol.,9:495−505(2002))。
各パニング群、TG1または細胞質FkpA(TG1+cytFkpA)を発現するTG1から、93個のクローンを、TIE2への結合に対してスクリーニングした。TG1およびTG1+cytFkpAパニングは、それぞれ、47および43と、ほぼ等しいヒット数(背景シグナルを3倍上回るOD450)をもたらした。しかしながら、TG1+cytFkpAパニングからのヒットは、これらのヒットのうちの40%が、背景を12倍上回るOD450を有していた一方、TG1ヒットに対しては、15%のみ、背景を12倍超上回ったため、より良好に発現すると考えられた。TG1+cytFkpAパニングはまた、より多様性を有し、47クローン中40が、一意の抗体断片であった一方、TG1パニングに対しては、47クローン中15のみであった(図14)。
一意のクローン(TG1由来15およびTG1+cytFkpA由来40)からの周辺質抽出物を、次いで、競合ELISAで使用した。TG1+cytFkpAでのパニングにおいて選択されたより高い割合のクローンが、依然として、周辺質抽出物と混合されたTIE2のあらゆる濃度の存在下、ELISAプレートに結合可能であった(図15)。パニングプロセスの間の細胞質FkpAの発現は、選択されたクローンの多様性を増加させ、この多様性の増加は、選択された高親和性クローンの増加につながる。
実施例4
i.Fkpの細胞質発現は、ファージ上のFab抗体断片の表示を増加させる
それぞれ、ラムダまたはカッパ軽鎖のいずれかを伴う、FabのXOMAライブラリを発現する、ファージミドも担持する、TG1またはpAR3−FkpA_cyt(TG1+cytFkpA)を持つTG1の1リットルの培養物を、OD600=0.1で開始した。これらの4つの培養物を、OD600が0.5に到達するまで、2%グルコース(w/v)および100μg/mlカルベニシリンで補充された2YT培地中で、250rpmで振盪させながら、成長させた。クロラムフェニコール(34μg/ml)もまた、TG1+cytFkpAに添加した。細胞を、次いで、MOI20で、M13K07ヘルパーファージで感染させた。感染は、30分は、振盪させず、30分は、100rpmで振盪させながら、1時間、37°Cで行った。感染後、培地を、100μg/mlカルベニシリン、50μg/mlカナマイシンで補充された2YTに変更し、TG1+cytFkpA培養物はまた、34μg/mlクロラムフェニコールを有していた。試料(50ml)を、ヘルパーファージで感染開始から、8時間および25時間後、各培養物から採取した。これらを遠心分離し、60°Cまで加熱し、細菌を除去した。ファージを15%グリセロール中に、−80°Cで保存した。
8時間および25時間の時点で採取された試料を、PEG沈殿させ、ファージを濃縮した。これらの試料の連続希釈を、PBS中3%乳中で行い、一晩、4°Cで、PBS中の1:1000希釈における抗M13(27−9420−01、GE Healthcare)またはPBS中1:2000希釈における抗V5(V−8012、Sigma−Aldrich)で被覆したMaxisorpプレートに、1時間、室温で、適用し、次いで、1時間、室温で、PBS中3%乳でブロッキングした。ファージを、1時間、室温で、PBS中3%乳中1:5000希釈における抗M13−HRP(27−9421−01、GE Healthcare)で検出した。アッセイを、TMB可溶性基質(50−76−11、KPL)の添加によって展開した。反応物を、50ulの2N HSOの添加によって急冷し、SPECTRAMax(登録商標)Plusマイクロプレートリーダーによって、450nmで読み取った。希釈集合に対するEC50を、GraphPad Prismを使用して、シグモイド型用量反応曲線を適合することによって計算した。V5−タグが、ファージ上に表されるFab分子の存在を示す、抗V5 ELISAからのEC50の逆数を、抗M13 ELISAからのEC50の逆数で除算し、各比率をTG1細胞中のレスキューの25時間の時点に対して計算した比率と比較することによって、Fab表示の相対的レベルを計算した(図16)。集菌のための通常時間である、25時間の時点では、FkpAの細胞質発現とともに行われたレスキューは、FkpA発現を伴わないライブラリレスキューの3.5倍超の表示を有していた。したがって、ファージライブラリ産生のための本シャペロンの使用は、ライブラリの質を増加させる。
実施例5
i.ING1 Fabおよび細胞質FkpAを発現する3シストロン性プラスミドの構築
E.coli周辺質中でING1(抗EpCAM)Fabを発現するファージミドベクター(実施例1参照)を、M13ファージpIIIタンパク質をコードする、遺伝子断片を細胞質発現したシャペロンcytFkpA(その未変性シグナル配列を伴わないFkpA)と置き換えるように修飾した。2つの非アンバー終止コドンを、トリプル検出タグ(6His−cmyc−V5;特許出願第WO2010/040073A1号に説明される)の下流に追加した。cytFkpAをコードする、遺伝子断片を、エンハンサー配列およびC末端FLAGタグとともに、ベクターpAR3−FkpA_cytから、PCRによって増幅し(実施例1に説明される)、ING1 Fabを発現する、プラスミド中にクローン化し、ING1 Fabおよび細胞質FkpAを発現する、3シストロン性プラスミドを産生した(図17A)。
周辺質リーダー配列を伴わないFkpA((−)符号参照)を、ING1 FabとともにcytFkpAを共発現する3シストロン性プラスミドを持つTG1細胞中で発現させた(図17B)。周辺質抽出物を、クロラムフェニコールを伴わない(アンピシリンのみ)選択と、1mM IPTGを使用するING1 FabおよびcytFkpAの同時誘発とを使用して、実施例1に説明されるように、生成した。
E.coli周辺質中のING1 Fabの総量および機能量を、以前に説明されるように、発現および標的ELISAによって査定した。これらの結果は、cytFkpAの共発現に応じて、総Fabレベル(図17C参照)およびEpCAM結合(図17D参照)両方の発現の実質的改善を示した。これは、単一プラスミドベクター中の単一プロモーターの制御下、E.coli細胞質中のcytFkpAの異種共発現の有用性を実証する。
周辺質ING1 Fab収率を、実施例1に説明されるように、SPRによって計算した。標準曲線に基づいて推定されるタンパク質収率のSPRセンサーグラムおよびチャートは、それぞれ、図18Aおよび18Bに示される。結論として、ING1 Fab(14.2μg/ml)の総収率は、E.coli細胞質中のcytFkpAの共発現に応じて、劇的に増加した。抗原EpCAMに結合された活性ING1 Fabの量およびその特異的活性もまた、実施例1に説明されるように、計算した。図18Cは、cytFkpAの共発現が、機能的ING1 Fabの量を増加させたことを示す。その特異的活性は、不変のままであった。
実施例6
i.「漏出」E.coli菌株CY15070からのING1 Fabタンパク質収率に及ぼす細胞質FkpAの影響
組換え抗体断片(または、他のタンパク質)を細胞外培地中に運ぶことを可能にする、E.coli(漏出)菌株の使用は、周辺質抽出物を生成する必要性を排除し得る。これは、高処理量スクリーニングプロセスを大幅に加速させ、コストおよび製造時間を削減し得る。ヒト軽鎖カッパ抗EpCAM ING1 Fabを、シャペロンプラスミドpAR3−FkpA_cytを伴って、または伴わずに、漏出菌株CY15070中に発現させた(Paluh et al.、Nucl.Acids Res.24;14(20):7851−60(1986))。CY15070電気穿孔法適格細胞(ATCC#47022)を、確立されたプロトコル(Biotechniques,20:42−44(1996))に従って調製し、単独で、またはシャペロン発現単シストロン性ベクターpAR3−FkpA_cyt(実施例1に説明されるベクター)とともに、またはいずれかにおいて、ING1 Fabを発現する、プラスミドベクターで形質転換した。Fab単独またはcytFkpAとともに発現する、CY15070細胞の周辺質抽出物を、実施例1に説明されるように、調製した。細胞上清を、細胞遠心分離後、収集した。ING1 FabおよびpAR3−FkpA_cytシャペロンプラスミドを持つTG1細胞からの周辺質抽出物を、後続ELISAアッセイのための陽性対照として使用した。周辺質中で発現したING1 Fabの総量およびING1標的抗原EpCAMに結合する活性ING1 Fabの量を、それぞれ、発現および標的ELISAによって査定した。発現ELISAでは、抗カッパ被覆抗体を使用して、Fab軽鎖を検出した。Fab重鎖を、次いで、CH1のC−末端上のV5タグを認識する抗体によって検出した(図19A参照)。標的ELISAでは、Fab特異的多クローン性抗体を使用して、被覆EpCAM抗原を認識可能な機能的抗体を同定した(図19B参照)。CY15070の上清中のFabの量を、実施例1に説明されるように、ELISAによって試験した。発現ELISA(図19A)は、CY15070の上清中に見出されるING1 Fabの総量が、Fabが細胞質FkpAと共発現されるときのみ、TG1細胞の周辺質中で発現される総Fabより、若干、多くなることを実証する。本シャペロンの不在下では、Fabは、CY10570の周辺質中に発現しないが、一部のFabは、上清中に存在し得る。
標的ELISA結果(図19B)は、CY15070周辺質および上清中の機能的ING1 Fabのレベルが、細胞質FkpAと共発現されるときのみ、TG1細胞の周辺質中に発現される活性Fabのレベルに類似することを示す。これらの見解は、CY15070 E.coli細胞中のING1 Fabのフォールディングにおける本シャペロンの重要性を強調する。

Claims (39)

  1. (a)(i)機能的シグナル配列に連結されていないFkpAもしくはその機能的断片または(ii)機能的シグナル配列に連結されていないSkpもしくはその機能的断片をコードするポリヌクレオチド、および
    (b)機能的シグナル配列に連結されている異種タンパク質をコードするポリヌクレオチド
    を含む、異種タンパク質を発現する組換え生産用の原核宿主細胞。
  2. 機能的シグナル配列に連結されていないFkpAまたはその機能的断片をコードするポリヌクレオチドを含む、請求項1に記載の宿主細胞。
  3. 機能的シグナル配列に連結されていないSkpまたはその機能的断片をコードするポリヌクレオチドを含む、請求項1に記載の宿主細胞。
  4. 機能的シグナル配列に連結されていないSkpまたはその機能的断片をコードするポリヌクレオチドをさらに含む、請求項2に記載の宿主細胞。
  5. エシェリヒア・コリ(Escherichia coli)、サルモネラ・ティフィムリウム(Salmonella typhimurium)、バチルス・サブティリス(Bacillus subtilis)、バチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)、バチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)、バチルス・ブレビス(Bacillus brevi)、シュードモナス・エルギノーサ(Pseudomonas aeruginosa)、シュードモナス・フルオレッセンス(Pseudomonas fluorescens)、ラルストニア・ユートロファ(Ralstonia eutropha)、スタフィロコッカス・カルノーサス(Staphylococcus carnosus)、およびセラチア・マルセッセンス(Serratia marcescans)から成る群より選択される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の宿主細胞。
  6. 前記異種タンパク質が、FkpAおよびSkpの不在下ではミスフォールディングまたは低フォールディング速度を伴う、請求項1〜5のいずれか一項に記載の宿主細胞。
  7. 前記異種タンパク質のフォールディングが、プロリン異性化に依存する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の宿主細胞。
  8. 前記異種タンパク質が、繊維状ファージコートタンパク質またはその断片に融合されている、請求項1〜7のいずれか一項に記載の宿主細胞。
  9. 前記異種タンパク質が抗体である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の宿主細胞。
  10. 前記抗体が、Fv、ジスルフィド結合Fv、scFv、カッパ軽鎖断片、ラムダ軽鎖断片、dAb、およびFab断片から成る群より選択される抗体断片である、請求項9に記載の宿主細胞。
  11. 前記FkpAの機能的断片が、シャペロンドメイン断片である、請求項1〜2および4〜10のいずれか一項に記載の宿主細胞。
  12. 前記シャペロンドメイン断片が、配列番号1のアミノ酸26〜140を含む、請求項11に記載の宿主細胞。
  13. 前記シャペロンドメイン断片が、配列番号1のアミノ酸26〜140のうち少なくとも100個のアミノ酸と少なくとも75%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項11に記載の宿主細胞。
  14. 前記FkpAの機能的断片が、ペプチジルプロリルイソメラーゼドメイン断片である、請求項1〜2および4〜10のいずれか一項に記載の宿主細胞。
  15. 前記ペプチジルプロリルイソメラーゼドメイン断片が、配列番号1のアミノ酸141〜270を含む、請求項14に記載の宿主細胞。
  16. 前記ペプチジルプロリルイソメラーゼドメイン断片が、配列番号1のアミノ酸141〜270のうちの少なくとも100個のアミノ酸の断片と少なくとも75%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項14に記載の宿主細胞。
  17. 前記Skpの機能的断片が、配列番号2のアミノ酸21〜161を含む、請求項3〜14のいずれか一項に記載の宿主細胞。
  18. 請求項1〜17のいずれか一項に記載の少なくとも10個の異なる原核宿主細胞を含み、そのような宿主細胞がそれぞれ異なる異種タンパク質を発現する、複数の細胞。
  19. 請求項1〜17のいずれか一項に記載の少なくとも10個の異なる原核宿主細胞を含み、そのような宿主細胞がそれぞれ異なる異種タンパク質を発現する、請求項18に記載の複数の細胞。
  20. 原核宿主細胞における機能的異種タンパク質の組換え生産を増加させる方法であって、
    (a)(i)機能的シグナル配列に連結されていないFkpAもしくはその機能的断片または(ii)機能的シグナル配列に連結されていないSkpもしくはその機能的断片をコードするポリヌクレオチド、および
    (b)機能的シグナル配列に連結されている異種タンパク質をコードするポリヌクレオチド
    を共発現させる工程を含み、
    それによって、産生される機能的異種タンパク質の量が、(a)の不在下での(b)の発現と比較して増加する、方法。
  21. 前記異種タンパク質に連結されている機能的シグナル配列が、周辺質への分泌を指示する、請求項20に記載の方法。
  22. 前記宿主細胞が、(a)機能的シグナル配列に連結されていないFkpAまたはその機能的断片をコードするポリヌクレオチドと、(b)機能的シグナル配列に連結されていないSkpまたはその機能的断片をコードするポリヌクレオチドとを含む、請求項20に記載の方法。
  23. 前記原核宿主細胞が、エシェリヒア・コリ、サルモネラ・ティフィムリウム、バチルス・サブティリス、バチルス・リケニフォルミス、バチルス・メガテリウム、バチルス・ブレビス、シュードモナス・エルギノーサ、シュードモナス・フルオレッセンス、ラルストニア・ユートロファ、スタフィロコッカス・カルノーサス、およびセラチア・マルセッセンスから成る群より選択される、請求項20〜22のいずれか一項に記載の方法。
  24. 前記異種タンパク質が、FkpAおよびSkpの不在下ではミスフォールディングまたは低フォールディング速度を伴う、請求項20〜23のいずれか一項に記載の方法。
  25. 前記異種タンパク質のフォールディングが、プロリン異性化に依存する、請求項20〜23のいずれか一項に記載の方法。
  26. 前記異種タンパク質が、繊維状ファージコートタンパク質またはその断片に融合されている、請求項20〜25のいずれか一項に記載の方法。
  27. 前記異種タンパク質が抗体である、請求項20〜26のいずれか一項に記載の方法。
  28. 前記抗体が、Fv、ジスルフィド結合Fv、scFv、カッパ軽鎖断片、ラムダ軽鎖断片、dAb、およびFab断片から成る群より選択される抗体断片である、請求項27に記載の方法。
  29. 前記FkpAの機能的断片がシャペロンドメイン断片である、請求項20〜28のいずれか一項に記載の方法。
  30. 前記シャペロンドメイン断片が、配列番号1のアミノ酸26〜140を含む、請求項29に記載の方法。
  31. 前記シャペロンドメイン断片が、配列番号1のアミノ酸26〜140のうち少なくとも100個のアミノ酸と少なくとも75%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項29に記載の方法。
  32. 前記FkpAの機能的断片が、ペプチジルプロリルイソメラーゼドメイン断片である、請求項20〜28のいずれか一項に記載の方法。
  33. 前記ペプチジルプロリルイソメラーゼドメイン断片が、配列番号1のアミノ酸141〜270を含む、請求項32に記載の方法。
  34. 前記ペプチジルプロリルイソメラーゼドメイン断片が、配列番号1のアミノ酸141〜270のうちの少なくとも100個のアミノ酸の断片と少なくとも75%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項32に記載の方法。
  35. 前記Skpの機能的断片が、配列番号2のアミノ酸21〜161を含む、請求項20〜34のいずれか一項に記載の方法。
  36. 前記宿主細胞が漏出表現型を有する、請求項1〜19のいずれか一項に記載の宿主細胞または請求項20〜35のいずれか一項に記載の方法。
  37. 前記(a)のポリヌクレオチドおよび前記(b)のポリヌクレオチドが、同一の制御調節配列に、適切に作用するように連結されている、請求項1〜19のいずれか一項に記載の宿主細胞または請求項20〜35のいずれか一項に記載の方法。
  38. 前記(a)のポリヌクレオチドおよび前記(b)のポリヌクレオチドが、同一のプラスミド上にある、請求項1〜19のいずれか一項に記載の宿主細胞または請求項20〜35のいずれか一項に記載の方法。
  39. 前記(a)のポリヌクレオチドおよび前記(b)のポリヌクレオチドが、異なるプラスミド上にある、請求項1〜19のいずれか一項に記載の宿主細胞または請求項20〜35のいずれか一項に記載の方法。
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