本発明は植物細胞を培養する、または増殖させる装置に関する。
より詳細には、本発明は、効果的な滅菌システム、冷却システムおよび多元的制御システムが革新的に組み込まれ、さらに任意の植物細胞の大量生産の使用に適した植物細胞培養タンクに関する。
細胞培養とは、制御された状態で細胞を増殖させるプロセスである。さまざまな種類の細胞を培養するための既存技術において、多様な手法が利用されている。植物細胞を培養する手法は、一般に動物細胞を培養する手法とは異なる。各植物種の細胞の増殖に影響を及ぼす要因は個々の種によって異なり、独特である。したがって、最適な細胞増殖の最適化は植物種ごとに行う必要がある。
植物細胞培養は、クローンを作成するため、そして特に有益な二次代謝産物を生産するために、研究者が植物細胞または組織を繁殖させる手段で、植物科学の分野においてますます利用されるようになっている。このような手段は、特にさまざまな生物工学的応用や薬学的応用において非常に有益である。二次代謝産物の生産、除草剤の開発、植物ホルモンの生成、およびその他の商業的応用において利用が可能である。したがって、効果的な細胞培養手法による特定の植物細胞の大量生産が不可欠だ。適切かつ効率的な細胞培養システムが、成果の上がる持続可能な最終生成物生産のための決定的かつ重要な要因となっている。
撹拌タンク反応器といった従来の植物細胞培養装置は、植物細胞の大量培養には適していない場合がある。そのため、生産する植物細胞の生産性および品質を確保するために革新的な細胞培養タンクが必須である。植物細胞を培養するプロセスはある程度制御された条件下で実施する必要があることから、植物細胞を増殖させるための望ましい条件を達成するために、あらゆる必要不可欠なシステムまたは部品が組み込まれた細胞培養タンクが望まれる。これらの必要不可欠なシステムには、滅菌、および温度・pH・通気・照明制御システムのような多元的制御システムが含まれるものとする。
細胞を培養する、または増殖させる装置に関する先行技術においては、いくつかの既存技術が開示されている。こうした装置の大部分は培養器か、または培養器ユニットを含んでいる。米国特許第2006151185号明細書では、オートクレーブ滅菌を利用した自動細胞培養装置およびこれを用いた方法が開示されている。この自動細胞培養装置は、目的物の細胞を培養するために操作する操作ユニット、細胞を培養するための培養器ユニット、試薬を貯蔵するための冷蔵ユニット、培養器具を保管するための常温貯蔵ユニット、試薬および培養器具を出し入れするための出入口ユニットを備える。オートクレーブ滅菌用に蒸気供給ユニットが設けられ、培養器ユニット、冷蔵ユニット、常温貯蔵ユニットおよび出入口ユニットは操作ユニットと通信する。この細胞培養装置はさまざまな部品を含むため、複雑で持ち運びができない。これは任意の種類の植物細胞を培養するために用いられる適切な培養タンクとはならない。さらにこれには、安価ではないオートクレーブ滅菌システムが必要とされる。
別の米国特許第4696902号明細書は、等温壁を有する筺体、培養容器を貯蔵するための少なくとも1つの機器、少なくとも1つの温度調節器、閉鎖循環式ろ過層流滅菌器、空気、二酸化炭素、蒸気などのガスを供給および調節するための機器を備える細胞培養用モジュール式装置を開示している。さらに、従来の細胞培養操作の任意の1つまたはこの筺体で提供されるその他の任意の特定操作を実行し、必要に応じて選択されるモジュール式作業ポストを定めるための少なくとも1つの追加機器もある。この装置はプログラム可能な自動操作アームと、データを制御および処理するためのマイクロプロセッサを備えることもできる。しかし、滅菌器および温度調節器が提供されているにもかかわらず、この装置には植物細胞を大量生産できる培養タンクが備わっていない。
実開4020280号公報でも、気相培養装置である培養装置が開示されている。加熱殺菌および温度制御手段は、タンク内の加熱殺菌および温度制御を可能にするために、培養タンク外部に設置されている。培養目的物を入れるための注入口および通気口は、培養タンクの上部に形成されており、培養タンクの底部には培養液の保持部分が設けられている。しかしこの装置は、気相内の細胞は培養するが、液相内では培養しない。これは同様に一体型システムではなく、持ち運び不可能で、柔軟なシステムではないため、任意の種類の植物細胞を培養するのに適していない。
つまり、先行技術において、滅菌、冷却システムおよび多元的制御システムを有し、培養細胞の増殖に望ましい条件を提供するためにさまざまな探針や装備を装着することのできる一体型植物細胞培養タンクを開示している既存技術はない。加えて、先行技術で開示されている細胞培養装置は持ち運びできない。細胞培養タンクに用いられている構造および構成材料では培養細胞の生産状態および増殖を観察することもできない。明らかに本発明は、先行技術の欠点を克服する一体型植物細胞培養タンクを提供する必要がある。
本発明の主な目的は、さまざまな種類の植物細胞を培養および大量生産するのに適切な、改良されたさまざまな装備およびシステムが組み込まれた一体型培養タンクを提供することである。
本発明の他の目的は、細胞培養プロセスに望ましい条件をもたらすために、任意の望ましいパラメーターを測定するさまざまな探針を付けることができる柔軟かつ多用途の植物細胞培養タンクを提供することである。
本発明のまた他の目的は、細胞培養の生産性を向上させることができるさまざまな機能特性を有する植物細胞培養タンクを提供することである。
本発明のさらに他の目的は、培養細胞の生産状態および増殖を目で見て容易に観察できるか、またはコンピューターでモニタリングできる植物細胞培養タンクを提供することである。
本発明のさらなる目的は、培養細胞の汚染を防ぐことのできる自動オートクレーブシステムを備える植物細胞培養タンクを提供することである。
本発明の他のさらなる目的は、耐久性があり、持ち運びが可能で、安価で商業的に持続可能な植物細胞培養タンクを提供することである。
本発明は、前記目的の少なくとも1つの全部または一部を満たすものであり、本発明の実施形態の1つは、培地で植物細胞を増殖させるための、上部(121)および下部(122)を有する培養タンク(110);培養タンク(110)の上部(121)を取り囲む、培養タンク(110)を滅菌するための滅菌手段(107);培養タンクの下部(122)を包み込む、温度を安定させるための冷却システム(109);培養タンク(110)の上部(121)の内部に装着された、細胞培養物に必要な強度と色の光を供給するための照明手段(106);培養タンク(110)の下部(122)の内部に装着された、細胞培養物に空気を供給するための通気手段(123);および細胞培養物に所定の増殖条件をもたらすためのさまざまなアプリケーターを挿入するための複数の開口部を有する遮蔽手段(120)を備える細胞培養装置(100)を説明している。
本発明の望ましい実施形態の1つでは、細胞培養装置(100)の培養タンク(110)がステンレス鋼製であることが開示されている。
本発明の他の望ましい実施形態では、滅菌手段(107)がバンドヒーターであることが開示されている。
本発明のさらに他の望ましい実施形態に従って、冷却システム(109)は給水口(116)と排水口(108)を有するウォータージャケットであってよい。
本発明のまた他の望ましい実施形態では、照明手段(106)が遮蔽手段(120)に取り付けられ、遮蔽手段(120)の開口部を介して培養タンク(110)内に延長されていることが開示されている。
本発明の他の望ましい実施形態において、通気手段(123)がポンプ手段(111)および排出手段(112)に連結されていることも開示されている。
本発明のまた他の望ましい実施形態に従って、複数の探針には温度センサー(101)、pHセンサー(102)、溶存酸素(DO)センサー(103)、酸または塩基アプリケーター(115)および換気装置(105)が含まれる。
本発明のさらなる実施形態は、これに従って、培養タンク(110)内の細胞培養物を継続的に攪拌および混合するために、遮蔽手段(120)に取り付けられ、中心の開口部を介して培養タンク(110)内に延長されている撹拌機(117)をさらに備える細胞培養装置(100)である。好ましくは、回転させるために撹拌機(117)に接続されたモーター(104)がある。
本発明の他のさらなる実施形態は、上に培養タンク(110)が取り付けられる支持手段(124)をさらに備える細胞培養装置(100)である。
本発明の他のさらなる実施形態に従って、細胞培養装置(100)は使用者が培養タンク(110)内の状態を観察することができる覗き窓(125)を培養タンク(110)上にさらに備える。
好ましくは、細胞培養装置(100)には培養タンク(110)内の状態をモニタリングおよび制御するためのコンピュータープログラムが搭載されている。この状態は、好ましくはコントロールパネル(200)を介して制御することができる。
本発明の植物細胞培養装置(100)は、同一ユニット内に革新的な滅菌と効果的な冷却システムが組み込まれたバイオリアクターとして機能する。効率的な温度制御システムを利用し、大型オートクレーブ装置が必要なオートクレーブ滅菌の使用を排除している。オートクレーブ装置内に培養タンク(110)を設置する必要がないため、タンク(110)の容量は限定されない。加えて、培養タンク(110)の遮蔽手段(120)には、任意の望ましいパラメーターを測定するためのさまざまな探針、ならびに培養細胞の生産状態および増殖を観察することができる覗き窓(125)を設けることができる。さらに、本発明の培養タンク(110)は耐久性があり、持ち運びが可能で、安価で商業的に持続可能でもある。
当業者は、本発明をうまく適用して目的が実行できることをすぐさま十分に理解し、言及した目標および利点、ならびにそれに固有の利点を得ることができる。本明細書に説明した実施形態は、本発明の範囲を限定するものではない。
本発明の理解を容易にするため、添付の図面に望ましい実施形態を図示し、本発明、その構造および操作を以下の説明に関連して検討して検証し、その多くの利点は、容易に理解され、かつ認識される。
図1は、本発明の望ましい実施形態の1つで説明する細胞培養装置(100)の断面図である。
図2は、図1の遮蔽手段(120)または細胞培養装置(100)の上面図である。
図3は、図1の細胞培養装置(100)のコントロールパネル(200)の概略図である。
図4は、覗き窓(125)を示す図1の細胞培養装置(100)の正面図である。
本発明は植物細胞を培養する、または増殖させる装置に関する。
より詳細には、本発明は、効果的な滅菌システム、冷却システムおよび多元的制御システムが革新的に組み込まれ、さらに任意の植物細胞の大量生産の使用に適した植物細胞培養タンクに関する。
以下、本発明を本発明の望ましい実施形態に従って、添付の説明と図面に言及して説明する。しかし、説明を本発明の望ましい実施形態と図面に限定することは、単に本発明の考察を容易にするためにすぎないことが理解され、当業者であれば添付の請求の範囲から逸脱することなくさまざまな修正を考案できることが想定される。
本発明は、培地で植物細胞を増殖させるための、上部(121)および下部(122)を有する培養タンク(110);培養タンク(110)の上部(121)を取り囲む、培養タンク(110)を滅菌するための滅菌手段(107);培養タンクの下部(122)を包み込む、温度を安定させるための冷却システム(109);培養タンク(110)の上部(121)の内部に装着された、細胞培養物に必要な強度と色の光を供給するための照明手段(106);培養タンク(110)の下部(122)の内部に装着された、細胞培養物に空気を供給するための通気手段(123);および細胞培養物に所定の増殖条件をもたらすためのさまざまなアプリケーターを挿入するための複数の開口部を有する遮蔽手段(120)を備える細胞培養装置(100)を開示する。
図1に図示するのは、装置(100)の全体配置を示す、本発明の望ましい実施形態の1つで説明する細胞培養装置(100)の断面である。細胞培養装置(100)は、さまざまな種類の植物細胞を培養し、増殖させるのに適した一体型バイオリアクターとして機能することができる。この発明された細胞培養タンクは、トンカットアリ(Eurycoma longifolia Jack.)、クミスクチン(Orthosiphon stameneus)、ランプットガンダ(Rumput Ganda)(Cyperus aromaticus)およびクソニンジン葉の植物細胞および生物活性化合物の大量生産に適していることが証明されている。使用する細胞培地の種類は、培養する植物細胞の種によって異なる。
本発明の望ましい実施形態の1つに従って、細胞培養装置(100)の培養タンク(110)はステンレス鋼製である。しかし本発明は、耐久性が高く容易に壊れない材料であれば、培養タンク(110)に使う材料を限定しない。これは通常ガラス材料でできている従来の種類の培養タンクまたはバイオリアクターとは異なる。
本発明の望ましい実施形態に従って、本発明の培養タンク(110)は、その適用に応じてさまざまな容量や寸法で作ることができる。培養タンク(110)の望ましい容量には10Lおよび20Lタンクが含まれ、タンク(110)は10Lまたは20L培養タンク(110)のそれぞれ75%の体積の培地がうまく収まるように作ることができる。例えば10L培養タンクは、高さ約30.5〜50cm、内径約16〜20.5cm、外径約21〜26cmであってよい。さらに20L培養タンクは、高さ約40.0〜50.0cm、内径約22.5〜27.2cm、外径約28〜32.6cmとなるように作ることができる。それにより、培養タンク(110)は好ましくは円筒形に形成する。その用途や使用者の好みに応じて、その他の適切な形状を採用することもできる。
図1に示すように、培養タンク(110)は上部(121)と下部(122)に分けられる。培養タンク(110)の上部(121)には滅菌手段(107)が設置されている。一例として、培養タンク(110)の上部(121)は、10Lタンクで高さ約15.5〜25.5cm、20Lタンクで高さ19.6〜25.0cmであってよい。好ましくは、培養タンク(110)で培養された植物細胞に対する滅菌設備を設けるために、この滅菌手段(107)は培養タンク(110)の外壁を取り囲む。本発明の望ましい実施形態に従って、滅菌手段(107)はバンドヒーターである。バンドヒーターは、培養タンク(110)内の細胞培養物に自己滅菌させることができるので、本明細書で用いられている。
培養タンク(110)の下部(122)には、図1に示すように、冷却システム(109)が設置されている。本発明の他の望ましい実施形態に従って、冷却システム(109)はウォータージャケットであってよい。このウォータージャケットは、好ましくは、培養タンク(110)内の細胞培養物の温度を安定させるために、培養タンク(110)の下部(122)を包み込んでいる。ウォータージャケットは、ウォータージャケット内部の水流を維持することにより培養タンク(110)の冷却効果を得るために、培養タンク(110)の下部(122)の比較的下の方に給水口(116)を、比較的上の方に排水口(108)を有する。
滅菌手段(107)と冷却システム(109)に加えて、本発明の望ましい実施形態で説明する細胞培養装置(100)の他の重要な機能は照明手段(106)である。この照明手段は、好ましくは培養タンク(110)の遮蔽手段(120)に取り付けられ、遮蔽手段(120)の開口部を介して培養タンク(110)内に延長されている。必要な光の強度と色に応じて、本発明に適用することのできる適切な照明手段(106)には多くの種類がある。使用する照明手段(106)は、好ましくは特定の植物種の細胞の増殖に必要な光の強度と色の種類に応じて容易に変更されるため、細胞培養装置(100)は植物細胞の最適な増殖のために外部の光源を必要としない。
加えて他の望ましい実施形態では、本発明の培養タンク(110)が好ましくは三方弁を有する通気手段(123)を備えることが開示されている。通気手段(123)はポンプ手段(111)および排出手段(112)に連結され、好ましくは培養タンク(110)の下部(122)に装着されている。ポンプ手段により、外気が培養タンク(110)に供給されてタンク(110)内に通気することができ、その一方で、排出手段(112)は培養された細胞生成物を試料検査や収穫目的で集めるために用いられる。
図2は、図1の遮蔽手段(120)または細胞培養装置(100)の上面図である。本発明の望ましい実施形態に従って、遮蔽手段(120)は、好ましくは鋳鉄または引張強度の高いその他の適切な材料でできている。
図1および図2にともに示すように、遮蔽手段(120)は、それぞれ細胞培養物のための各所定の増殖条件をもたらすために設けられたさまざまなアプリケーターを挿入するための多数の開口部を備える。本発明のまた他の望ましい実施形態に従って、アプリケーターには温度センサー(101)、pHセンサー(102)、DOセンサー(103)、酸または塩基アプリケーター(115)および換気装置(105)が含まれる。好ましくは、温度センサー(101)が熱電対であってよい。pHセンサー(102)およびDOセンサー(103)は、それぞれpH探針およびDO探針として知られる。さらに、酸または塩基アプリケーター(115)は、タンク(110)内の培地および細胞培養物のpHを調整するために用いられる。加えて、排気は培養タンク(110)内で生じた圧力を解放するための換気装置(105)として用いられる。前述の説明に記載するように、遮蔽手段(120)に設置された照明手段(106)のための開口部もある。さらに、1つまたは複数の予備の開口部(113、114)を、培養タンク(110)内の最適な培養条件のためのその他の望ましいパラメーターを測定するために設けることもできる。したがって、本発明の一体型細胞培養装置(100)は柔軟かつ多用途である。
本発明のさらなる実施形態では、一体型細胞培養装置(100)は、培養タンク(110)内の細胞を継続的に攪拌および混合するために、遮蔽手段(120)に取り付けられ、遮蔽手段(120)の中心の開口部を介して培養タンク(110)内に延長されている撹拌機(117)をさらに備えることが開示されている。好ましくは、これを回転させるために撹拌機(117)に接続されたモーター(104)がある。モーター付き撹拌機(117)は、タンク(110)内の培地と培養細胞を確実に完全に混合できるように、好ましくは遮蔽手段(120)の中心に取り付けられる。
加えて、細胞培養装置(100)は、本発明の他のさらなる実施形態に従って、上に培養タンク(110)が取り付けられる支持手段(124)をさらに備える。支持手段(124)は、好ましくは複数の支持脚である。遮蔽手段(120)と同様に、培養タンク(110)の支持手段(124)は、鋳鉄または引張強度と耐久性の高いその他の適切な材料でできている。
本発明の他のさらなる実施形態に従って、細胞培養装置(100)は使用者が培養タンク(110)内の細胞増殖状態を観察することができる、好ましくは表示窓である覗き窓(125)を培養タンク(110)上にさらに備える。図4は、培養タンク(110)の外部正面にある覗き窓(125)の位置を示している。その結果、培養細胞の生産状態および増殖を、この覗き窓(125)から観察およびモニタリングすることができる。
好ましくは、細胞培養装置(100)には培養タンク(110)内の状態をモニタリングおよび制御するためのコンピュータープログラムが搭載されている。この状態は、コントロールパネル(200)を介して制御することができる。図3に図示するように、コントロールパネル(200)は、pHおよびDO測定器(202)、温度制御ボタン(201)、モーター付き撹拌機制御装置(217)、速度制御装置(216)、タイマー(219)、光制御装置(206)、通気制御装置(211)、ヒーター制御装置(207)および電源スイッチ(218)などのさまざまな制御ボタンを含むことができる。pHボタンは細胞培養物および培地のpHを測定するのに用いられるのに対し、DOボタンは細胞培養物に追加すべき溶存酸素量を測定するため、または細胞培養物に含まれる溶存酸素量を測定するためのものである。温度制御ボタン(201)は、滅菌プロセス中のタンク内部の温度および増殖プロセス中の細胞培養物の温度を制御する。モーター付き撹拌機制御装置(217)は撹拌機(117)を回転させるために用いられる。速度制御装置(216)は撹拌機(117)の速度を測定する。タイマー(219)は滅菌プロセス時間および細胞培養時間を測定することができる;さらに、光制御装置(206)は光度を測定する。通気制御装置(211)が細胞培養システムへの給気量を測定する一方で、ヒーター制御装置(207)は加熱バンドの温度を測定する。電源スイッチ(218)は電力供給の電源をオンまたはオフする。
本発明によって提供される細胞培養装置(100)は持ち運びが可能で、車またはオートバイなどの簡単な車両であっても容易に運搬することができるため、清潔で温度管理された部屋に設置される限り、どこででも使用することができる。この装置(100)によって実行される細胞培養システムは、安価な開業資金で商業的に適用することができるため、商業的に持続可能である。本装置(100)は個別のタンク(110)で構成されていることから、タンク内の細胞培養物の汚染は、従来利用できる大型バイオリアクターと比べて容易に防ぐことができる。
本開示には、添付の請求の範囲および前述の説明の内容が含まれる。本発明はある程度の具体性を持つその望ましい形態において説明してきたが、望ましい形態の本開示は単に例としてなされていること、また、発明の範囲を逸脱することなく、構成ならびに部品の組合せおよび配置の詳細について多数の変更を加えることができることが理解される。