JP2859694B2 - 気相培養装置 - Google Patents

気相培養装置

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裕比古 織田
利治 大場
穂積 田中
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は植物組織、植物細胞あるいは再生植物体等の
被培養体を気相中にて培養する気相培養装置に関する。
(従来の技術) 植物組織や植物細胞等の大量培養は、従来では、ジャ
ーファメンター等のタンクを用いて、発酵法に準じる液
体培養により行われたいた。液体培養においては、撹拌
羽根や空気等による撹拌、混合が不可欠であるため、こ
の撹拌時に植物組織等が破壊あるいは損傷されるおそれ
がある。特に、分化した植物組織系にこのような被害が
生じ易い。このため、植物組織等を液体培養によって大
量培養することは容易ではなかった。
近時、このような液体培養にかわり、気相中にて植物
組織等を培養し得る方法及び装置が、例えば、特公昭60
−4713号公報に開示されている。ここで開示されている
装置は、第2図に示すように、密閉な培養槽1Aと、被培
養体14Aが保持される多孔板からなる保持器13Aと、保持
器13Aの下方に設けられた培養液収容部12Aと、保持器13
Aの上方に配設されており、培養液を保持器13Aの被培養
体14Aにシャワーするノズル15Aと、このノズル15Aと培
養液収容部12Aとを接続する送液部16Aと、送液部16Aに
接続され培養液収容部12A内の培養液3をノズル15Aへ供
給するための循環ポンプ17Aと、を具備して構成されて
いる。
このような装置にあっては、循環ポンプ17Aの駆動に
より培養液収容部12A内の培養液3をノズル部15Aにまで
組み上げてノズル部15Aから保持器13A上の植物組織14A
等へシャワーし、そして、保持器13Aから落下した培養
液3を再び培養液収容部12A内に溜めるものである。従
って、このような装置を用いて植物組織14Aを気相培養
する場合には、植物組織等を撹拌する必要がないため
に、植物組織等の物理的損傷が少なく、さらには撹拌の
ためのエネルギーが不要になるという利点を有する。
(発明が解決しようとする課題) しかし、上記公報に開示された気相培養装置では、そ
の構造上長期間の無菌状態を維持すること、長期間の安
定した培養液を供給すること、等の点で未だ充分でなか
った。
すなわち、循環ポンプ17Aが無菌状態を壊すことがあ
り、長期間の無菌状態が維持しにくい。特に植物組織培
養においては、4〜6週間の長期培養になることがあ
り、このような長期間の培養においては無菌状態を充分
に保つことは難しい。
また、植物組織14A等への培養液3の供給量は循環ポ
ンプ17Aの供給能力によっているので、循環ポンプ17Aの
能力によっては長期間の運転で経時的に送液流量が減少
することがある。また、植物組織14Aの一部あるいはそ
の破片が、保持器13A上から培養液収容部12Aへ落下する
と、この植物組織片が送液管16A、ノズル15A、あるいは
循環ポンプ17A内を閉塞させるおそれがある。その結果
として、培養液を植物組織14A等へ定期的に供給するこ
とが困難となるおそれがある。
本発明は、上記問題点を殊く解決するものであり、そ
の目的は植物組織等の培養を長期間安定して続けること
ができる気相培養装置を提供することにある。本発明の
他の目的は植物組織等に損傷を与えることなく均一に培
養液を植物組織等に供給することができる気相培養装置
を提供することにある。
(課題を解決するための手段) 本発明の気相培養装置は、培養すべき被培養体を気相
中にて培養する気相培養装置であって、内部を気密状態
に保持可能な培養槽と、該培養槽内に配設されており被
培養体が保持される通孔を有する保持器と、該保持器の
下方に設けられた培養液収容部と、該培養液収容部内に
配設されており該収容部内の培養液を該培養槽内へ霧状
に励起させて立ち上がらせる霧化手段と、を具備してお
り、そのことにより上記目的が達成される。
本発明の気相培養装置の一例を第1図に示す。
上記培養槽1の外部には加熱滅菌および温度調節手段
11が設けられ、培養槽1を適宜加熱滅菌したり、あるい
はその内部の温度を調節できるように構成されている。
培養槽1の上部には被培養体14を投入するための植込口
100及び通気口101が設けられ、培養槽1の底部には培養
液収容部12が設けられている。この培養液収容部12の上
方気相中には少なくとも一段の保持器13が配設されてい
る。保持器13は目的の被培養体14を保持するものであ
り、保持器13としては、例えば多数の通孔を有するステ
ンレス製金網など網状物等の多孔板が好ましく用いられ
る。この例では一段の多孔板の場合を示しているが、複
数段保持器13を設けてもよい。
保持器13に設けられた孔の大きさは扱う被培養体14の
種類などによって適宜選択すればよい。本発明において
被培養体14としては、例えば、植物組織、植物細胞およ
び再生植物体からなる群から選ばれた少なくとも一種を
用いることができ、図に示すように保持器13上に被培養
体14が載置される。
本発明に用いる霧化手段2としては、例えば、超音波
発信器がある。霧化手段2は培養液収容部12内に配設さ
れ、培養槽1の外部より操作できるようになっている。
この霧化手段2を起動させた場合には、培養液収容部12
内の培養液3を霧状にして立ち上がらせて保持器13の通
孔を通って培養液3を被培養体14に供給できるものであ
る。余量の培養液3は保持器13の通孔から落下して培養
液収容部12に貯溜され、再び霧化手段2により槽内に霧
状に立ち上がらせることになる。超音波発信器等の霧化
手段2による培養液3の供給は、連続的もしくは断続的
に行われる。供給量は被覆培養体の必要最小量になるよ
うに、断続する時間や発信素子数が任意に設定される。
(実施例) 次に、前記気相培養装置で植物組織を培養した実施例
を具体的に示す。
実施例1〜2 ウコギ科(Araliaceae)に属するエゾウコギ(学名:A
canthopanax esnticosus)の葉から誘導したカルスをシ
ードとして用いた。カルス誘導に関しては特開平1−22
8464号公報に詳しく開示されている。窒素源を修正した
MS倍地にオーキシンとしてIBA 1ppm、サイトカイニンと
してカイネチン1ppmを添加し培養液とした。糖源として
シュクロース3%を使用した。
この培養液2を前記単一多孔板の培養槽1(容量10
)に入れて滅菌した。これに上記シード組織の所定量
を植込口100から多孔板13上に接種した。接種量は1回
目は105g、2回目は150g(いずれも湿重量)であった。
植込口100を密閉した後、超音波発信器(超音波加湿ユ
ニット:周波数は約1.7MHz、霧化能力約60cc/h)2を起
動させて、培養液収容部12の培養液3を培養槽1内に立
ち上がらせ、シード組織に断続的(1日に計4時間の運
転)に供給した。
供給培養液(霧状、平均粒径5〜50μm)3のうち必
要量が植物組織14に吸収され、残余は多孔板13から培養
液収容部12へ液滴となって落下した。また、一部の培養
液(霧状)は培養槽1の内壁を液滴となって培養液収容
部12へ落下した。落下した培養液3は再び超音波発信器
2により霧状となって培養槽1内に立ち上がり、植物組
織14に吸収された。超音波発信器2が起動している間は
このようなサイクルを繰り返した。超音波発信器2が起
動せず停止している間は霧は立ち上がらず、培養液3を
植物組織14に供給しない状態を維持した。植物組織14は
このようにして25℃にて2週間培養された。培養後、成
長倍率を測定した。その結果を表1に示す。
比較例1 比較例として、第2図で示した従来の気相培養装置を
用いて気相培養を行った。循環ポンプとしてチュービン
グポンプを使用し、上記培養液と同一の培養液を同量用
い、2週間の培養を行った。培養後、成長倍率を測定し
た結果を表1に示す。
比較例2、3 実施例1で用いた培養液及びシードを用い、1000mml
のフラスコの中で常法に従って寒天培養を行った。2週
間培養した後の成長倍率を測定した結果を表1に示す。
表1は本発明の気相培養の生産性が比較例の従来の気
相培養及び寒天倍地上のフラスコ培養に比較し、優れて
いることを示している。
(発明の効果) 本発明の気相培養装置は、構造が簡単であるために、
内部の滅菌が容易であり、従って長期間の無菌状態を維
持することができる。また、従来のように培養液を循環
させる必要がないので、循環系に被培養体が閉塞して経
時的に送液流量が減少することなく安定して培養液を供
給することができる。さらに、霧化した培養液を被培養
体に供給することができるので、植物組織等に損傷を与
えることなく均一に培養液を植物組織等に供給すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の気相培養装置の一例を示す断面図、第
2図は従来例の気相培養装置の断面図である。 1……培養槽、2……霧化手段、3……培養液、12……
培養液収容部、13……保持器、14……被培養体、100…
…植え込み口、101……通気口。
フロントページの続き (72)発明者 大場 利治 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日 東電工株式会社内 (72)発明者 田中 穂積 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日 東電工株式会社内 (72)発明者 辻倉 佳子 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日 東電工株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−187709(JP,A) 特開 昭62−248479(JP,A) 特開 昭59−45879(JP,A) 特開 昭63−74421(JP,A) 特開 平1−269481(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C12M 3/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】培養すべき被培養体を気相中にて培養する
    気相培養装置であって、 内部を気密状態に保持可能な培養槽と、該培養槽内に配
    設されており被培養体が保持される通孔を有する保持器
    と、該保持器の下方に設けられた培養液収容部と、該培
    養液収容部内に配設されており該収容部内の培養液を該
    培養槽内へ霧状に励起させて立ち上がらせる霧化手段
    と、を具備する気相培養装置。
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