JP2014240800A - 検査補助装置 - Google Patents
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Description
また、タイヤ製造における最終検査では、検査員がタイヤの所定の部位を目視や触診することで、タイヤの製品としての総合的な異常の有無が検査される。このような検査では、検査員への検査作業の負担が大きいため、検査員の作業状態をカメラで撮影し、最終検査に携わる交代検査員が待機する待機室のモニタに映し出し、待機室で待機する交代検査員に作業中の検査員を監視させて、検査員の疲労が見受けられたときには、交代検査員と検査作業を交代するようにしている。
しかしながら、上記いずれの検査においても、検査員にかかる負担が大きく、検査効率の向上や検査の質を安定化させる上で問題となっている。
前者の場合、検査員によってタイヤ表面に照射するレーザ光の向きを調整する必要がある。特にタイヤのトレッド部には、タイヤのモデル毎に異なるトレッドパターンやサイプ形状が成型されるため、溝やサイプの底までレーザ光を到達させるようにレーザの向きを調整した上で、カメラの視野内においてレーザ光の照射部位が収まるようにレーザとカメラの位置関係を調整する必要がある。この作業は、作業者の熟練度によって調整の精度や早さが変わるため、検査効率や検査精度にムラが生じてしまう。例えば、調整が正確に行われない場合には、正常に撮影されなかった部位が画像処理の段階で不良として判定されるため、この検出個所を検査員の目視によって再検査する必要が生じ、検査員への負担を増加させているという問題がある。
また、後者の場合、交代検査員が検査員の検査作業から疲労の有無を判断するため、監視する交代検査員によってその交代すべきタイミングが異なるという問題がある。例えば、検査員の疲労の状態を初期段階で気付いた場合には検査ミスを防止することができるが、初期段階以降で気付いた場合には検査員の交代に至るまでの間に検査ミスや検査不足が生じている可能性があるという懸念があった。
また、本発明にかかる検査補助装置の他の構成として、検査対象物がタイヤの場合には、モデリング手段はタイヤを輪郭線でモデル化するので、タイヤ検査に係る処理時間を短縮できる。
また、本発明にかかる検査補助装置の他の構成として、検査対象物がタイヤを検査する検査員の場合には、モデリング手段は検査員の関節部位同士を結ぶ骨格モデルにモデル化するので、タイヤ検査に携わる検査員の状態、例えば疲労や怠慢を自動的に判定することができる。
図1は、実施形態1に係る検査補助装置の概略構成図である。以下、同図を用いて検査補助装置の装置構成について説明する。なお、本実施形態では、検査補助装置をタイヤの外観検査に適用した場合について説明する。この場合、検査補助装置は、タイヤ外観検査装置として機能する。
検査補助装置1は、画像取得手段2と、画像処理手段3とにより概略構成される。
また、異なる型番のタイヤTにおけるトレッド部T1を構成するトレッド部比較モデル群やサイド部比較モデル群としてタイヤTにおける部位毎に比較モデル群を作成しておくと良い。距離画像に含まれる形状において、トレッド部T1は最も特徴的であることから、まず複数の異なる型番のタイヤのトレッド部T1を構成する要素の集合であるトレッド部比較モデル群からマッチングを開始して、最もマッチング率の高い比較モデルMを有する型番の決定木を記憶手段から読み出して、距離画像にマッチングさせることで、距離画像からタイヤT全体を検出することができる。
これはトレッドブロックB2のエッジE2を含む同一の部分を異なる角度で見たものであり、記憶手段に記憶した比較モデルMがいずれかの部分にマッチングすることになる。そこで、追跡判定手段24では、成型物の同一部分の時間的な変化におけるマッチング率を追跡し、着目した同一部分におけるマッチング率の開きが所定の閾値以上のときに、該当する部分に異常有りと判定することで外観検査、換言すれば、成型物の良否を判定することができる。例えば、検査員が外観検査をする場合、タイヤTが静止又は回転していても成型物全体を自身の記憶と比較し、全体の中から違和感を感じた部位に対して焦点を移すことで異常を確認している。つまり、追跡判定手段24では、人目と同様に連続するフレームに含まれる同一部分のマッチング率の変化を追跡することで異常を検出することができる。なお、追跡判定手段24による追跡は、各フレームに含まれ、比較モデルMがマッチングするすべての部分について実行される。このように、距離画像にマッチングした比較モデルMと、タイヤTの輪郭画像とを比較することで、処理する情報量を少なくして、回転するタイヤTを撮影している最中にリアルタイムで成型の良否の判定処理が可能となる。
したがって、後工程で複雑な画像処理を必要としないので検査時間を短縮できる。また、検査対象物を線画としても、成型時の欠損が発生した場合、周方向の同一位置の線素と比較することで、不良個所の検出が可能となる。
図1に示すような載置台に被検体であるタイヤTを横向きにテーブル10上に載置する。テーブル10は、回転機構により回転自在に構成され、検査対象であるタイヤTをテーブル10とともに回転させることで外観検査が実行される。
画像取得手段2は、撮影方向をテーブル上に載置したタイヤTのトレッド部T1に対向した状態でタイヤTに対して所定距離離間して配置される。所定距離とは、例えば、トレッド部T1が、カメラ11や距離画像センサ12の視野内に納まる距離である。距離画像センサ12の赤外線投光器13や赤外線カメラ14は、所定範囲の視野をそれぞれ有しているので、従来の光切断法による画像の取得方法のように、光源からの光が溝底やサイプ底に到達するように正確に配置する必要がない。
画像処理手段3では、カメラ11で撮影されたカラー画像と、赤外線カメラ14により撮影された距離画像とをフレーム毎に重ね合わせて、表示手段5に出力表示する。
タイヤTを回転させることで、検査対象検出手段21がフレーム毎にタイヤTを距離画像から検出し、モデリング手段22によりトレッド部T1の凹凸として成型されたトレッドパターンを輪郭線にモデル化処理する。次に、追跡判定手段24により、トレッドパターンに比較モデルMがマッチングした部分毎のマッチング率の変化を追跡する。追跡判定手段24は、時間的に移動した各同一部分におけるマッチング率の開きが閾値以上のときには、不良あり、閾値よりも小さいときには異常なしとして判定する。例えば、図4(a)に示すように、トレッドブロックB1が傾斜して撮影された場合には、エッジE2を含むトレッドブロックB1の表面の形状には、ほとんど不良としては見られず、比較モデルMiがあるマッチング率でマッチングすることになるが、図4(b)に示すように、次フレームにおけるトレッドブロックB1は、ほぼ正面から撮影されたことで、本来、比較モデルMi+1が、比較モデルMiとのマッチング率に近いマッチング率でマッチングするところ、エッジE2を含む形状に異常があるため、マッチング率が悪化することになり、このトレッドブロックB1の形状には異常がありと判定される。なお、異常ありとして検出された部分は、カメラ11により撮影されたカラー画像とともに、その位置が表示手段5上に表示される。これにより、検査員による不良箇所の確認動作が容易なものとなる。
なお、3次元で画像形状を取得する類似する方法として、2台のカメラにより撮影して奥行き情報を計算するステレオカメラによる方法が知られているが、この場合、各カメラにより撮影される2つの画像の対応点を検出し、一致させた上で奥行きを計算する必要があり、画像同士がミスマッチングしたり、処理に時間を要したりすることになる。本願発明では、距離画像センサ12により検査対象物の形状と奥行き情報とを同時に取得するため、ステレオカメラを用いるときのような画像同士のミスマッチングや対応点の検出など不要な処理時間を短縮することができる。
図5は、実施形態2に係る検査補助装置の概略構成図である。同図では、検査員Hによる動作が確認できるように、検査対象であるタイヤTを含み、このタイヤTを検査する検査員Hの動作が撮影できるように、検査員Hの左前方に画像取得手段2を配置したものである。
本発明の検査補助装置1の他の適用例として、タイヤの検査を実施する検査員の動作を監視する監視装置として機能させることも可能である。なお、検査補助装置1の構成は、同一であり、画像処理手段3により処理される検査対象が異なる点で相違する。上記実施形態1で示した同一構成については、同じ符号を付して説明を省略する。
そして、この距離画像の各フレームに撮影された検査員Hについて、頭部,左右肩,肩中心,左右肩,肩中心,左右肘,左右手首,左右手,左右尻,尻中心,左右膝,左右足首,左右足,脊椎など体の部位のうち、連続する体の部位が含まれるように距離画像から比較モデルMを作成する。具体的には、頭部と肩中心を結ぶ頸部、肩中心と左右肩とを結ぶ肩峰部、左右肩と左右肘とを結ぶ上腕部、左右肘から左右手首までを結ぶ前腕部、肩中心から尻中心までを結ぶ脊柱部、尻中心から左右尻を結ぶでん部、左右尻から左右膝までを結ぶ大腿部、左右膝から足首までを結ぶ下腿部などを含むように比較モデルMを作成し、体の全身の動作を紐付けする。このように分類された比較モデルMは、上記体の部位毎に分類し、さらに部位毎の関係について紐付けされるように機械学習させて決定木を作成して記憶手段に記憶させる。つまり、上記体の各部位を繋ぐ名称毎に分類して記憶手段に記憶させておく。
検査動作は、検査手順に設定される複数の検査項目の各項目毎に動作が規定されるため、あらかじめ検査動作の検査用比較モデルを作成し、記憶手段に記憶させておく。
追跡判定手段24では、検査対象検出手段22でモデル化された骨格モデルに対して検査用比較モデルをマッチングさせて、マッチング率の変化を追跡することで、骨格モデルの動きを追跡し、マッチング率の変化が閾値以上のときには記憶手段に登録された検査手順と異なる動作を行なったものとして判定する。例えば、検査員が異なる手順や異なる検査方法を行なったときには、検査エラーを図外の報知手段により検査員に対して報知する。これにより、検査の質を向上させることができる。
タイヤ検査作業場のタイヤを検査する所定位置に検査員を配置して、検査員Hに両腕を広げたり、両腕を回転させたりして、画像取得手段2によりその動作を撮影させる。この検査員Hによる動作は、カメラ11と赤外線カメラ14により撮影されたカラー画像及び距離画像は、動画として画像処理手段3に逐次出力され、距離画像において検査員Hが認識されるとともに、モデリング手段22により骨格モデルとしてモデル化され、表示手段5上にカラー画像に重ね合わせて表示される。
図6(a)乃至(c)に示す動作は、タイヤ表面を検査員Hが右手35Rで、タイヤ側面の上から円周方向に左向きに撫でて、触感により異常の有無を検査している様子を示している。このとき、追跡判定手段24では、右手35Rと頭部30の動く範囲を追跡して所定の検査動作を行っているかどうかを判定する。
例えば、右手35Rによる触感とともにその部位を目視により検査するためには右手35Rとともに視線が移動する必要があり、右手35R及び頭部30の動きが連動しているかどうかを、検査用比較モデルをフレーム毎にマッチングさせることで、正しく検査をしているか、或いは疲れていないかを判定できる。
検査開始位置では、図6(a)に示すように、右上腕部42Rが右肩31Rよりも上に上がり、右肘33R、右手首34R、右手35Rの順に上方に向けられている。次に検査員Hは、タイヤ表面の左上側を検査するために、タイヤ表面に手を接触させた状態で、右手35Rをタイヤ円周方向に沿って左に移動させる。このとき、図6(b)に示すように、検査員Hは、右肘33Rを下げながら右前腕部43Rを回転させ、図6(c)に示すように、右前腕部43Rをほぼ横向きにして右手35Rを回転させることで、1つの検査動作が終了する。
例えば、検査員Hの疲労状態を判定するときには、検査開始位置における検査員Hの右上腕部42Rや右前腕部43Rの延長方向と、右肩31Rの位置の変化を追跡することで疲労状態にあるかそうでないかを判定できる。疲労状態の場合、右上腕部42Rを含む腕をあげるのが困難になるため、右肩31Rの位置が徐々に下がり始めることになり、この場合タイヤ側面の最上部に右手35Rが届かなくなるため、右上腕部42Rの角度が正規の検査位置よりも傾斜することになり、検査開始位置における検査用比較モデルとマッチングしないため、疲労状態であることが検出できる。
したがって、上記構成の検査補助装置1によれば、従来のように別室で控える交代作業員に監視させることなく、現在検査している検査員Hの検査動作の疲労状態などを自動で検出できる。
21 対象物検出手段、22 モデリング手段、24 追跡判定手段。
Claims (3)
- 検査対象物を含む3次元画像を動画として撮影取得する距離画像センサと、
前記距離画像センサにより撮影された3次元画像から検査対象物を検出する検査対象検出手段と、
前記検査対象検出手段により抽出された3次元の検査対象物を2次元モデルにモデル化するモデリング手段と、
動画の連続するフレームに撮影された前記検査対象物の同一箇所にあらかじめ良品として用意した検査対象物の2次元の比較モデルをマッチングさせ、マッチング率の変化を追跡してマッチング率の開きが閾値以上のときに異常ありと判定する追跡判定手段とを備えた検査補助装置。 - 前記検査対象物がタイヤの場合には、前記モデリング手段はタイヤを輪郭線でモデル化する請求項1記載の検査補助装置。
- 前記検査対象物が人の場合には、前記モデリング手段は人の関節を含む部位同士を結ぶ骨格モデルにモデル化する請求項1記載の検査補助装置。
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