JP2014237959A - 改修枠 - Google Patents
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また、ドア自体は老朽化していなくても、居住者が住宅をリフォームする際などに、耐震・断熱等の性能向上及びドアのデザインを変更したいと希望する場合がある。
第2発明の改修枠は、第1発明において、前記距離調整手段は、前記枠本体の挿入壁の外面に配置される弾性部材と、前記枠本体の挿入壁の外面に対して前記弾性部材が揺動可能となるように該弾性部材を前記枠本体に連結する連結部と、前記枠本体の挿入壁の外面に対する前記弾性部材の揺動量を調整する揺動量調整部と、を備えていることを特徴とする。
第3発明の改修枠は、第2発明において、前記弾性部材は、弾性部材本体部と、該弾性部材本体部の一端に設けられた固定部と、を備えており、該固定部は、その表面と前記弾性部材本体部の表面とが挟む角が鈍角となるように設けられており、前記連結部は、前記弾性部材の弾性部材本体部の表面が前記枠本体の挿入壁の外面と対向しかつ前記弾性部材の固定部の表面が前記枠本体において前記枠本体の挿入壁の外面と交差する交差面と対向するように、前記弾性部材を前記枠本体に連結するものであり、前記揺動量調整部は、前記弾性部材の固定部の表面と前記枠本体の交差面とがなす角を変化させるものであることを特徴とする。
第4発明の改修枠は、第3発明において、前記枠本体の交差面が、該枠本体の戸当りの裏面であり、該戸当りと前記交差面との間を貫通する枠側貫通孔が形成されており、前記弾性部材の固定部には、該固定部の表面と裏面を貫通する固定部側貫通孔が形成されており、前記揺動量調整部は、前記枠側貫通孔および前記固定部側貫通孔に挿通された軸部材を備えており、該軸部材は、該軸部材を回転させると、前記枠本体の交差面に前記弾性部材の固定部が接近離間するように該弾性部材の固定部に連結されていることを特徴とする。
第5発明の改修枠は、第3または第4発明において、前記弾性部材の弾性部材本体部は、前記固定部が設けられた一端と該一端と対向する他端との間で屈曲されていることを特徴とする。
第2発明によれば、連結部によって弾性部材が枠本体に揺動可能に連結されているので、揺動量調整部によって弾性部材の揺動量を調整すれば、隙間距離や付勢力を調整することができる。
第3発明によれば、弾性部材本体部と固定部の連結部分(以下単に連結部分という)を交差面の端縁に当てた状態で揺動量調整部によって固定部の表面と交差面とが挟む角を変化させれば、弾性部材本体部の揺動量を調整することができる。しかも、固定部の表面と弾性部材本体部の表面とが挟む角が鈍角となっているので、弾性部材をコンパクトにしつつ、ある程度の付勢力を発生させることができる。また、弾性部材本体部と固定部との挟む角を調整すれば、隙間距離の調整範囲を変えることができるので、種々の既設枠の改修に適用することができる。
第4発明によれば、軸部材を回転させるだけで固定部が交差面に対して移動し、固定部の表面と交差面とが挟む角を変化させることができる。したがって、既設枠の開口部に枠本体の挿入壁を簡単に固定できるし、枠本体の取り付け精度も簡単に調整することができる。しかも、戸当りにクッション材などを設ければ、軸部材や枠側貫通孔を隠すことができるので、新設した枠の見栄えも良くすることができる。
第5発明によれば、付勢力に対する弾性部材の耐久性を高くすることができる。
本発明の改修枠は、居住用建物の室内と室外とを連通する入口に設けられているドアの戸枠を改修するために使用される枠であり、既設枠を残したままで設置することができるものである。
以下では、本発明の改修枠を、マンションの住戸の玄関ドアの改修に使用した場合を代表として説明する。
まず、本実施形態の改修枠1を説明する前に、本実施形態の改修枠1によって改修する既設枠Fについて説明する。
なお、本実施形態の改修枠1は、ドアが室外側に開く場合、ドアが室内側に開く場合のいずれの場合にも適用できるが、以下では、ドアが室外側に開く場合について説明する。
また、図1では、下方が室外、上方が室内、となるように記載している。
既設枠Fは、一対の縦枠、上枠、および下枠を備えている。各枠は、ほぼ同じ断面形状に形成されており、玄関側壁EWの室内面に位置する室内側見付け壁Fiと、玄関側壁EWの室外面に位置する室外側見付け壁Foと、両見付け壁Fi,Fo間に位置する開口形成壁Faと、を備えている。
開口形成壁Faは、階段上の壁面を形成するように、壁Fb〜Fdを備えている。壁Fb,Fcは、互いに平行な壁であり、壁Fcが壁Fbよりも外方に位置するように配設されている。そして、壁Fcと壁Fbの間に、両壁を連結する戸当り壁Fdが設けられている。
つまり、既設枠Fは、各枠の開口形成壁Faに囲まれた空間に既設開口Fhが形成されており、各枠の壁Fcに囲まれた部分に戸Dを収容する空間が形成されているのである。
なお、既設枠Fの各枠の開口形成壁Faが、特許請求の範囲にいう既設枠の開口部に相当し、各枠の開口形成壁Faの内面が、特許請求の範囲にいう既設枠の開口部の内面に相当する。
本実施形態の改修枠1は、図1に示すように、既設枠Fの既設開口Fhに取り付けられるものである。この改修枠1は、枠本体2と、枠本体2と既設枠Fとの間に設けられる弾性部材10と、内部カバー部材1bと、を備えている。
なお、上記例では、内部カバー部材1bとして断面略L字状に形成された部材を使用した場合を説明した。しかし、内部カバー部材1bの断面形状はとくに限定されず、例えば、断面柄杓型や断面Z型などの形状としてもよい。
また、上記例では、既設枠Fや枠本体2と内部カバー部材1bをビスで連結する場合を説明した。しかし、内部カバー部材1bを介して枠本体2と既設枠Fを連結する方法はとくに限定されない。例えば、リベットなどによって連結することも可能である。
つぎに、枠本体2および弾性部材10の詳細な構造を説明する。
図2に示すように、枠本体2は、開口2hを有する矩形に形成された部材である。具体的には、枠本体2は、一対の縦枠と、一対の縦枠の上端間に設けられた上枠と、一対の縦枠の下端間に設けられた下枠と、から構成されており、一対の縦枠、上枠および下枠に囲まれた空間に、開口2hが形成されている。
つぎに、枠の断面構造について詳細に説明するが、以下では、一方の縦枠の断面構造を代表として説明する。
まず、正面壁3は、枠本体2を既設枠Fに取り付けたときに、既設枠Fの室外側見付け壁Foを覆うように配設される壁である。この正面壁3は、挿入壁5の正面側端部に連結されている。
つぎに、挿入壁5を説明する。
挿入壁5は、枠本体2の開口2hを形成する壁である。つまり、挿入壁5は、本実施形態の改修枠1を既設枠Fに取り付けたときに、室内と室外を連通する通路を形成する壁である。
もちろん、ビス以外の方法によって枠本体2を既設枠Fに固定する場合であって、とくに孔を形成する必要がない場合などには、室内側壁6および室外側壁7に貫通孔6h,7hを設けなくてもよいのは、いうまでもない。
図3に示すように、この連結壁8は、室内側壁6の室外側端縁よりも室内側に位置するように配設されている。つまり、連結壁8は、室内側壁6の室外側端部と室外側壁7の室内側端部との間に、連結壁8を底面とする溝が形成されるように設けられている。そして、この溝には、戸当りとして機能するクッションCを配設することができる程度の大きさに形成されている。つまり、連結壁8は、クッションCとともに戸当りとして機能するのである。そして、この連結壁8には、表裏を貫通する貫通孔8hが形成されているが、その理由は後述する。
つまり、既設枠Fの各枠における開口形成壁Faにおける壁Fb,Fcよりも内方には、室内側壁6と室外側壁7が配置される。また、既設枠Fの各枠における開口形成壁Faにおける壁Fdの室外側には、連結壁8が配置される。そして、既設枠Fの一対の縦枠および上枠の室外側見付け壁Foの外面(室外側の面)の室外側には、正面壁3が配置される。
したがって、枠本体2によって既設枠Fが覆われて、外部から見えない状態にすることができるのである。
図1〜図3に示すように、複数の弾性部材10は、枠本体2の一対の縦枠および上枠における挿入壁5の外面に取り付けられている。具体的には、複数の弾性部材10は、挿入壁5における室外側壁7の外面に取り付けられている。そして、複数の弾性部材10は、枠本体2の一対の縦枠および上枠と既設枠Fの一対の縦枠および上枠が直接接しないように形成されている。
しかも、この固定部12には、表裏を貫通する貫通孔12hが形成されている。この貫通孔12hは雌ネジ孔である。
そして、この調整ネジ15は、その軸部に雄ネジ部が形成されており、この雄ネジ部は固定部12の貫通孔12hに螺合している。
そして、固定部12の表面12aと連結壁8の背面とが面接触した状態となれば、枠本体2に対する弾性部材10の弾性部材本体部11の揺動を固定することができる。
また、固定部12の表面12aと連結壁8の背面との間には、ゴムワッシャーなどを配置してもよい。この場合、調整ネジ15をある程度安定した状態で保持できるし、また、調整ネジ15の自由な移動も確保できるので、好ましい。
さらに、固定部12の背面にさらに鋼板を追加したり固定部12の板厚を厚くしたりするなどすれば、調整ネジ15と固定部12の貫通孔12hとをしっかりと螺合させることができる。すると、調整ネジ15を回転させたときに、固定部12を確実に移動させることができる。
本実施形態の改修枠1は、枠本体2が上述したような弾性部材10を備えているので、既設枠Fに対して、枠本体2を簡単かつ精度よく取り付けることができる。
以下、本実施形態の改修枠1を既設枠Fに対して取り付ける作業を説明する。
このとき、既設枠Fの各枠の開口形成壁Faには、弾性部材10の弾性部材本体部11の外面(裏面)が接触する。しかし、弾性部材10は、室外側壁7の外面に対して自由に揺動できるから、最も抵抗が少なくなるように揺動する。
したがって、弾性部材10が、枠本体2の挿入壁5の外面に設けられていても、枠本体2を既設開口Fhに挿入する抵抗を小さくすることができる。
したがって、改修枠1を既設枠Fに仮固定するまでの作業を非常に楽に行うことができるので、改修枠1の設置作業を簡単かつ短時間で行うことができる。
また、調整ネジ15を回転させる量を変化させれば、弾性部材10はその弾性部材本体部11の揺動量が変化する。弾性部材10の弾性部材本体部11は、室外側壁7と開口形成壁Faの壁Fcとの間に配設されているので、弾性部材本体部11の揺動量が変化すれば、室外側壁7と開口形成壁Faの壁Fcとの間の隙間距離を変化させることも可能である。つまり、枠本体2が移動できる状態であれば、弾性部材10の弾性部材本体部11の揺動量を大きくすれば、付勢力によって枠本体2を移動させることも可能となる。
また、上述した連結壁8の背面が特許請求の範囲にいう交差面に相当し、クッション材Cと連結壁8が、特許請求の範囲にいう戸当りに相当する。
さらに、上述した弾性部材10、調整ネジ15および内部カバー部材1bが、特許請求の範囲にいう枠固定機構に相当する。
各枠において弾性部材10を設ける間隔はとくに限定されない。しかし、弾性部材10の弾性部材本体部11の幅が50〜100mm程度であれば、各枠の傾きなどを調整する調整代を設けるために、弾性部材10は、300〜400mm間隔で設けることが望ましい。
なお、本実施形態の改修枠1における弾性部材は、以下のような構造としてもよい。
つまり、弾性部材20は、その固定部22がヒンジ機構などによって室内側壁6の外面に連結されている。
しかも、調整ネジ15を回転させれば、弾性部材20の弾性部材本体部21を室外側壁7の外面に対して接近離間するように揺動させることができるから、開口形成壁Faの壁Fcを室外側壁7から離間するように付勢力を発生させることができる。
また、図6(B)に示すような構造としても、開口形成壁Faの壁Fcを室外側壁7から離間するように付勢力を発生させて、両者間の距離を調整することができる。
しかも、ネジBの先端が支持プレート7bから突出している量が室外側壁7と開口形成壁Faの壁Fcとの間隔になるので、ネジBの先端の突出量を調整すれば、室外側壁7と開口形成壁Faの壁Fcとの間隔を調整できる。
2 枠本体
2h 開口
5 挿入壁
10 弾性部材
11 弾性部材本体部
12 固定部
15 調整ネジ
20 弾性部材
21 弾性部材本体部
22 固定部
F 既設枠
Fh 既設開口
Claims (5)
- 既設枠に設置される改修枠であって、
前記既設枠の開口部に挿入され、該開口部に配置される挿入壁を備えた枠本体と、
該枠本体を前記既設枠に固定する枠固定機構と、を備えており、
該枠固定機構は、
前記既設枠の開口部に前記枠本体を挿入した状態において、該枠本体の挿入壁の外面と前記既設枠の開口部の内面との間の距離を調整する距離調整手段を備えており、
該距離調整手段は、
前記既設枠の開口部に前記枠本体を挿入した状態において、前記枠本体の挿入壁の外面を前記既設枠の開口部の内面から離間する方向に付勢する付勢力を発生させ得る機構を有している
ことを特徴とする改修枠。 - 前記距離調整手段は、
前記枠本体の挿入壁の外面に配置される弾性部材と、
前記枠本体の挿入壁の外面に対して前記弾性部材が揺動可能となるように該弾性部材を前記枠本体に連結する連結部と、
前記枠本体の挿入壁の外面に対する前記弾性部材の揺動量を調整する揺動量調整部と、を備えている
ことを特徴とする請求項1記載の改修枠。 - 前記弾性部材は、
弾性部材本体部と、
該弾性部材本体部の一端に設けられた固定部と、を備えており、
該固定部は、
その表面と前記弾性部材本体部の表面とが挟む角が鈍角となるように設けられており、
前記連結部は、
前記弾性部材の弾性部材本体部の表面が前記枠本体の挿入壁の外面と対向しかつ前記弾性部材の固定部の表面が前記枠本体において前記枠本体の挿入壁の外面と交差する交差面と対向するように、前記弾性部材を前記枠本体に連結するものであり、
前記揺動量調整部は、
前記弾性部材の固定部の表面と前記枠本体の交差面とがなす角を変化させるものである
ことを特徴とする請求項2記載の改修枠。 - 前記枠本体の交差面が、
該枠本体の戸当りの裏面であり、
該戸当りと前記交差面との間を貫通する枠側貫通孔が形成されており、
前記弾性部材の固定部には、
該固定部の表面と裏面を貫通する固定部側貫通孔が形成されており、
前記揺動量調整部は、
前記枠側貫通孔および前記固定部側貫通孔に挿通された軸部材を備えており、
該軸部材は、
該軸部材を回転させると、前記枠本体の交差面に前記弾性部材の固定部が接近離間するように該弾性部材の固定部に連結されている
ことを特徴とする請求項3記載の改修枠。 - 前記弾性部材の弾性部材本体部は、
前記固定部が設けられた一端と該一端と対向する他端との間で屈曲されている
ことを特徴とする請求項3または4記載の改修枠。
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