JP2014237769A - 高耐熱性液晶ポリマーフィルムとその製造方法 - Google Patents

高耐熱性液晶ポリマーフィルムとその製造方法 Download PDF

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【課題】本発明は、340℃以上という高温下でも耐熱性を示す高耐熱性液晶ポリマーフィルム、その製造方法、並びに当該高耐熱性液晶ポリマーフィルムを含む金属層張積層フィルムおよび電子回路基板を提供することを目的とする。【解決手段】本発明に係る高耐熱性液晶ポリマーフィルムは、液晶ポリマーフィルムに2000kGy以上の電離放射線を照射したものであり、横軸に温度、縦軸に測定された貯蔵弾性率値をプロットした温度−貯蔵弾性率曲線グラフの300℃以上、400℃以下の範囲において、温度上昇に対する貯蔵弾性率値が減少から増加に転ずる点が存在することを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、極めて優れた耐熱性を有する高耐熱性液晶ポリマーフィルム、その製造方法、並びに当該高耐熱性液晶ポリマーフィルムを含む金属層張積層フィルムおよび電子回路基板に関するものである。
従来、電子回路基板材料には、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂をガラス繊維などからなる織布や不織布で補強したものが用いられてきたが、かかる材料ではリジッド基板とせざるを得ない。一方、近年、フレキシブル基板が求められるようになってきており、その材料としてはポリイミドが主に用いられる。しかしポリイミドは吸湿性を示し、高湿下で寸法精度や電気特性に衰えが見られるという問題がある。
また、最近では、環境問題から電子回路基板には鉛フリー半田が用いられるようになってきている。ところが、鉛フリー半田のリフローには260〜280℃という高温が必要であるため、一般的な樹脂を基板材料として用いることはできない。
そこで、樹脂材料の耐熱性を向上させるための技術が検討されている。
例えば特許文献1〜5には、PBT(ポリブチレンテレフタレート)などのポリエステル、アクリル系樹脂やスチレン系樹脂の組成物に電離放射線を照射することにより耐熱性や強度を向上させる技術が開示されている。
また、上述したように電子回路基板材料には低吸湿性や耐熱性が要求されることから、液晶ポリマーに注目が集まってきている。液晶ポリマーは溶融状態または溶液状態で液晶性を示す高分子の総称であり、高い耐溶剤性、寸法安定性、電気絶縁性、誘電特性の他、低吸湿性と優れた耐熱性を有する。
液晶ポリマーなどのエンジニアリングプラスチックの耐熱性を向上させる技術として、特許文献6には、特定の酸素濃度雰囲気下、エンジニアリングプラスチックに1kGy〜10MGyの電離放射線を照射する方法が開示されている。また、特許文献7には、液晶ポリマーの組成物に電離放射線を照射して架橋した成形品が開示されている。
その他、特許文献8〜10には、液晶ポリマーの耐摩耗性などを改善するために特定条件で加熱処理する方法が記載されている。
特開2001−348442号公報 特開2002−155154号公報 特開2003−82132号公報 特開2003−128741号公報 特開2003−327713号公報 特許第3790865号公報 特開平3−167208号公報 特許第3882213号公報 特許第3655464号公報 特許第3878741号公報
上述したように、電子回路基板の材料として用い得る樹脂の耐熱性などを改善するための技術は種々検討されてきた。
しかし最近では、より高融点の半田を用い、340℃近傍といった高温下でも半田実装が為されるようになってきており、電子回路基板材料には、より一層高い耐熱性が要求されるようになってきている。かかる高温下での半田処理では、従来の樹脂材料は使えない。
例えば特許文献1〜5と特許文献7の技術では、複数の炭素−炭素二重結合を有するトリアリルイソシアヌレートなどの架橋剤を含む組成物に電離放射線を照射して樹脂高分子を架橋することにより耐熱性を向上させているが、架橋剤は反応性の高い官能基を複数有するものが多く、その配合により組成物に水分が混入したり組成物が吸湿性を示すようになってしまう。かかる組成物を高温に曝すと、内部の水分が急激に気化して発泡し、製品品質が低下するという問題がある。また、これら技術での電離放射線照射の目的は架橋剤を反応させることにあり、照射線量はせいぜい数百kGy程度である。
また、特許文献6に記載の発明はエンジニアリングプラスチックに関するものでありエンジニアリングプラスチックとして液晶ポリマーの例示があるが、実際に試験されている樹脂はポリエーテルエーテルケトン(PEEK)とテトラフルオロエチレン系重合体(PTFE)のみである。また、照射すべき電離照射線量として1kGy〜10MGyという極めて広い範囲が記載されているが、そもそも当該技術では低線量の放射線照射で樹脂を架橋することを課題としており、実際に照射されている電離放射線量は50kGyのみである。
さらに特許文献8〜10の技術のように液晶ポリマーを単に熱処理するのみでは、特に340℃を超えるような高温下での耐熱性は十分にはならない。
そこで本発明は、340℃以上という高温下でも耐熱性を示す高耐熱性液晶ポリマーフィルム、その製造方法、並びに当該高耐熱性液晶ポリマーフィルムを含む金属層張積層フィルムおよび電子回路基板を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた。その結果、従来、樹脂に電離放射線を照射することによりその耐熱性が高まることや、その照射量が大き過ぎると分子の切断が優勢になり強度の低下が見られることが知られていたのに対して、従来では考えられなかったほどの高照射量である2000kGy以上の電離放射線を液晶ポリマーに照射すると、340℃以上の高温下では貯蔵弾性率がかえって高まるという特異な現象を見出して、本発明を完成した。
本発明に係る高耐熱性液晶ポリマーフィルムは、原料液晶ポリマーフィルムに2000kGy以上の電離放射線を照射したものであり、横軸に温度、縦軸に測定された貯蔵弾性率値をプロットした温度−貯蔵弾性率曲線グラフの300℃以上、400℃以下の範囲において、温度上昇に対する貯蔵弾性率値が減少から増加に転ずる点が存在することを特徴とする。
本発明に係る高耐熱性液晶ポリマーフィルムの350℃における貯蔵弾性率は、1.0×107Pa以上、より好ましくは2.0×107Pa以上になり得る。一般的な液晶ポリマーフィルムでは、高温になるにつれ貯蔵弾性率が低下し続けるが、本発明に係る高耐熱性液晶ポリマーフィルムは、340℃以上の高温下でその貯蔵弾性率がかえって高まるという特有の特性を有する。
本発明に係る高耐熱性液晶ポリマーフィルムとしては、架橋剤により架橋されていないか、および/または、架橋剤を含まないものが好ましい。架橋剤を配合すると不可避的に水分も混入するが、かかる水分は高温下で急激に気化することにより発泡の原因となる。また、本発明に係る高耐熱性液晶ポリマーフィルムは、架橋剤により架橋されていなくても、340℃以上といった高温下でも耐熱性を示す。
本発明に係る高耐熱性液晶ポリマーフィルムの平面方向の線膨張係数としては10ppm/℃以上、25ppm/℃以下が好ましい。本発明に係る高耐熱性液晶ポリマーフィルムに例えば金属層を積層する場合、平面方向の線膨張係数が当該範囲内に調整されていれば、金属層との線膨張係数との差が小さく、線膨張係数の差に起因する反りなどが低減される。
本発明に係る高耐熱性液晶ポリマーフィルムにおいては、平面方向の一方向での線膨張係数と、当該方向に直交する方向の線膨張係数との比が0.4以上、2.5以下であることが好ましい。当該比が所定範囲に調整されていれば、平面方向の異方性が少なく、一方方向に裂け易いなど液晶ポリマーフィルム特有の欠点が抑制される。
本発明に係る高耐熱性液晶ポリマーフィルムにおいては、Z方向(厚み方向)の線膨張係数が、電離放射線を照射していない原料液晶ポリマーフィルムに比して6ppm/℃以上低下している。一般の液晶ポリマーフィルムでは、フィラーの配合などによらなければZ方向の線膨張係数は低減できないが、本発明に係る高耐熱性液晶ポリマーフィルムでは、所定量以上の電離放射線を照射することにより、Z方向の線膨張係数が簡便に低減されている。また、Z方向の線膨張係数の低減により、電子回路基板とする場合に厚み方向の接続信頼性が高まり、また、金属層などと積層した場合における反りなどが抑制される。
本発明に係る高耐熱性液晶ポリマーフィルムの厚さとしては、10μm以上、500μm以下とすることが好ましい。当該厚さが10μm未満であると、強度などに問題が生じ、適用範囲が限定されるおそれがあり得る。一方、液晶ポリマーフィルムはZ方向の線膨張係数が大きいので、厚過ぎると厚み方向の接続信頼性に問題が生じるおそれがあり得ることから、当該厚さとしては500μm以下が好ましい。
本発明の高耐熱性液晶ポリマーフィルムは、フィラーを含むものであることが好ましい。適切なフィラーを選択することによって、耐熱性をさらに向上したり、線膨張係数を所定の範囲内のものとすることなどが可能になる。
本発明に係る高耐熱性液晶ポリマーフィルムの製造方法は、原料液晶ポリマーフィルムに2000kGy以上の電離放射線を照射する工程を含むことを特徴とする。
上記本発明方法において、電離放射線の照射量としては5000kGy以上がより好ましい。本発明者らによる実験的知見によれば、電離放射線照射量が5000kGy以上であれば、340℃以上における貯蔵弾性率の向上がより明確に認められ、耐熱性に一層優れるポリマーフィルムをより確実に製造できる。
上記本発明方法においては、上記と同様の理由により、原料液晶ポリマーフィルムとして、架橋剤により架橋されておらず、および/または、架橋剤を含まないものを用いることが好ましい。
本発明に係る金属層張積層フィルムは、上記本発明に係る高耐熱性液晶ポリマーフィルムに金属層が積層されているものであることを特徴とする。
本発明に係る電子回路基板は、上記本発明に係る金属層張積層フィルムを含むことを特徴とする。
本発明に係る高耐熱性液晶ポリマーフィルムは、通常の熱可塑性樹脂では温度が上昇するに連れて貯蔵弾性率が低下し続けるのに対して、340℃以上という高温下において貯蔵弾性率がかえって上昇するという非常に特異な特性を示し、極めて優れた耐熱性を有する。よって本発明に係る高耐熱性液晶ポリマーフィルムは、340℃以上という高温が求められる高融点半田実装や半田リペアにも耐えることができる。
また、液晶ポリマーフィルムのZ方向の線膨張係数は、電子回路基板とする場合に厚み方向の接続信頼性に大きく影響するファクターであることから、材料メーカーや基板加工メーカーは、Z方向の線膨張係数を数ppm/℃程度下げることに多大な努力を重ねている。それに対して本発明では、非常に容易な方法でZ方向の線膨張係数を低減している。
従って本発明は、電子回路基板材料などに有用な高耐熱性の液晶ポリマーフィルムに関する技術として、産業上非常に優れている。
図1は、電離放射線を照射しない、または、1500kGyの電離放射線を照射したI型液晶ポリマーフィルムの温度−貯蔵弾性率曲線グラフである。 図2は、2500〜10000kGyの電離放射線を照射したI型液晶ポリマーフィルムの温度−貯蔵弾性率曲線グラフである。 図3は、電離放射線を照射しない、または、1000kGyもしくは1500kGyの電離放射線を照射したII型液晶ポリマーフィルムの温度−貯蔵弾性率曲線グラフである。 図4は、2500〜10000kGyの電離放射線を照射したII型液晶ポリマーフィルムの温度−貯蔵弾性率曲線グラフである。
本発明に係る高耐熱性液晶ポリマーフィルムは、原料液晶ポリマーフィルムに2000kGy以上の電離放射線を照射したものであり、横軸に温度、縦軸に測定された貯蔵弾性率値をプロットした温度−貯蔵弾性率曲線グラフの300℃以上、400℃以下の範囲において、温度上昇に対する貯蔵弾性率値が減少から増加に転ずる点が存在することを特徴とする。
従来、高分子フィルムに数百kGyの電離放射線を照射し、架橋剤により高分子間を架橋したり、或いは高分子同士を直接架橋することが行われていた一方で、過剰な電離放射線を照射すると高分子の分解が架橋よりも優勢となり、フィルム強度などが低下することが知られていた。それに対して本発明は、2000kGy以上という従来では考えられなかったような高エネルギーの電離放射線を液晶ポリマーフィルムに照射することにより、特に耐熱性が顕著に向上するとの新たな知見に基づいて完成したものである。
即ち、本発明に係る高耐熱性液晶ポリマーフィルムは、横軸に温度、縦軸に測定された貯蔵弾性率値をプロットした温度−貯蔵弾性率曲線グラフの300℃以上、400℃以下の範囲において、温度上昇に対する貯蔵弾性率値が減少から増加に転ずる点が存在するという独特の性質を有する。
本発明において「貯蔵弾性率」は、動的粘弾性の測定から得られる値である。動的粘弾性の測定は、測定物に正弦的な歪を与えて、測定物を通過した応力を検知して行われ、その測定値として貯蔵弾性率と損失弾性率が得られる。なお、該貯蔵弾性率とは系内に貯蔵されたエネルギー(弾性率)をいい、該損失弾性率とは系内で損失されたエネルギーをいう。
本発明で動的粘弾性を採用した理由は、ばらつきが小さく、また高温域での測定が容易であることによる。そして、動的粘弾性の測定から得られる貯蔵弾性率を主要な指標として用いた理由は、貯蔵弾性率は、引張弾性率と一定の相関関係があることによる。
上記のとおり貯蔵弾性率は測定温度における引張弾性率の指標をいうので、横軸に温度、縦軸に測定された貯蔵弾性率値をプロットした温度−貯蔵弾性率曲線グラフにおいて、通常の熱可塑性樹脂フィルムの場合には貯蔵弾性率は温度上昇と共に低下し続ける。それに対して本発明に係る高耐熱性液晶ポリマーフィルムの場合、高温域において温度上昇に対する貯蔵弾性率値が減少から増加に転ずる点が存在する。このような特異な性質を有する本発明に係る高耐熱性液晶ポリマーフィルムにおいては、高エネルギーの電離放射線照射によりおそらくは液晶ポリマー分子中のエステル基がいったん開裂した後に生じたラジカル間で架橋が起こっていると考えられるが、液晶ポリマーにいかなる構造変化が起こっているかは分析することができず、残念ながらその構造を特定することはできなかった。
本発明において「温度上昇に対する貯蔵弾性率値が減少から増加に転ずる点が存在する」とは、横軸に温度、縦軸に測定された貯蔵弾性率値をプロットした温度−貯蔵弾性率曲線グラフの300℃以上、400℃以下の範囲において、換言すれば、曲線の微分値が負から0を経て正に変換する点が存在することや、貯蔵弾性率の最低値が、400℃における貯蔵弾性率値未満であることをいう。
液晶ポリマーには、溶融状態で液晶性を示すサーモトロピック液晶ポリマーと、溶液状態で液晶性を示すレオトロピック液晶ポリマーとがある。本発明では何れの液晶ポリマーも用い得るが、耐熱性や難燃性により優れることから、サーモトロピック液晶ポリマーを好適に用いる。
サーモトロピック液晶ポリマーのうちサーモトロピック液晶ポリエステル(以下、単に「液晶ポリエステル」という)とは、例えば、芳香族ジカルボン酸と芳香族ジオールや芳香族ヒドロキシカルボン酸などのモノマーを主体として合成される芳香族ポリエステルであって、溶融時に液晶性を示すものである。その代表的なものとしては、パラヒドロキシ安息香酸(PHB)と、フタル酸と、4,4’−ビフェノールから合成されるI型[下式(1)]、PHBと2,6−ヒドロキシナフトエ酸から合成されるII型[下式(2)]、PHBと、テレフタル酸と、エチレングリコールから合成されるIII型[下式(3)]が挙げられる。上記のうちI型液晶ポリエステルとII型液晶ポリエステルが耐熱性により一層優れることから、本発明ではI型液晶ポリエステルおよび/またはII型液晶ポリエステルを用いることが好ましい。
上記式(1)において、フタル酸としてはイソフタル酸が好ましい。
通常の液晶ポリマーは、一般的な溶媒に対して不溶性または難溶性を示す。なお、本発明において不溶とは、1gの物質(液晶ポリマー)を溶解するのに要する25℃の溶媒が10,000mL以上であることをいい、難溶とは、同溶媒が1,000mL以上、10,000mL未満であることをいう。また、液晶ポリマーを溶解するための溶媒としては、ペンタフルオロフェノール、テトラフルオロフェノール、3,5−ビストリフルオロメチルフェノールなどの含フッ素フェノール溶媒が知られているが、かかる溶媒は特殊で非常に高価であり、環境へ与える負荷も大きく到底工業的に用い得るものではないため、一般的な溶媒とはいえない。また、N−メチル−ピロリドンやパラクロロフェノールのような非プロトン性極性溶媒に可溶な構造を持ち、非プロトン性極性溶媒に溶解する液晶ポリマーもあるが、ポリイミドなど他の樹脂とのアロイなどであり、液晶ポリマー由来の特性が減ぜられてしまったものである。本発明では、溶媒に対して不溶性または難溶性を示す液晶ポリマーを用いる。
本発明で用いる原料液晶ポリマーフィルムには、架橋剤を含まないものを用いることが好ましい。架橋剤は一般的に反応性の高い官能基を複数有するものであり、親水性を示すことから、架橋剤を配合すると水の混入や吸収の原因となる。半田リフローなどに用いるフィルムに水が含まれると、水が急激に気化することにより発泡し、フィルムの品質が低下する。よって、本発明で原料として用いる液晶ポリマーフィルムおよび本発明に係る高耐熱性液晶ポリマーフィルムとしては、架橋剤を含んでおらず且つ架橋剤により架橋されたものでないものが好ましい。
但し、例えば340℃以上の高温下において、発泡の原因とならない程度の架橋剤であれば含んでいてもよい。例えば、原料液晶ポリマーフィルムを作製するに当たり、原料全体に対する架橋剤の使用量を5質量%以下とし、また、原料液晶ポリマーフィルムおよび本発明に係る高耐熱性液晶ポリマーフィルム全体に対して、未反応のまま残留している架橋剤が2質量%以下とすることが好ましい。上記の架橋剤の使用量としては2質量%以下がより好ましく、1質量%以下がさらに好ましく、0.5質量%以下が特に好ましい。また、上記の架橋剤の残留量としては1質量%以下がより好ましく0.5質量%以下がさらに好ましく、0.1質量%以下が特に好ましい。また、これらの下限は特に制限されないが、当然に0質量%であることが好ましい。
或いは、架橋剤を用いる場合には、親水性の低いものを用いることが好ましい。かかる低親水性の架橋剤としては、例えば、ジシクロペンタニルアクリレート、ベンジルアクリレート、フェノキシエチルアクリレートなどのアクリレート系架橋剤;ジビニルベンゼン、ビニルシリコーンなどのビニル系架橋剤などを挙げることができる。
本発明で用いる原料液晶ポリマーフィルムは、フィルムといえるものであれば特に制限されない。例えば、電離放射線照射が可能なものであれば、厚さや巾などは特に制限されず、長尺のものを用いてもよい。原料液晶ポリマーフィルムの厚さは、例えば10μm以上、500μm以下とすることができる。
本発明で用いる原料液晶ポリマーフィルムとしては、フィラーが配合されているものであってもよい。本発明で用い得るフィラーは特に制限されず、有機フィラーや無機フィラーの何れも用いることができる。フィラーとしては、例えば、タルク、マイカ、ウォラスナイト、アタパルジャイト、シラスバルーン、モンモリロナイト、活性白土、ゼオライト、セピオライト、ゾノトライトなどから成る鉱物フィラー;銅、金、銀、鉛、鉄、タングステン、ステンレス、アルミニウム、ニッケル、合金(Fe−Ni系、Fe-Si系、Fe−Si−Al系、Fe−Si−Cr系、Fe−Co系、Fe−Si−B−Cr系など)などからなる金属フィラー;シリカなどからなる珪素系フィラー;黒鉛、木炭、炭素繊維、活性炭などからなる炭素系フィラー;フェライト、酸化亜鉛、アルミナ、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化セリウムなどからなる金属酸化物フィラー;硫酸バリウム、チタン酸カリウム、炭酸カルシウムなどからなる金属塩フィラー;芳香族ポリアミドやポリイミドなどからなる有機フィラーを挙げることができる。
フィラーの種類は、その特性により選択すればよい。即ち、フィラーの特性は液晶ポリマーフィルムに付与され、また、フィラーにより液晶ポリマーのみからなるフィルムの欠点が改善され得ることから、その目的に応じてフィラーを選択する。具体的には、例えば、弾性率、熱伝導率、導電率、電磁波の遮蔽・反射などの改善や、異方性や高い線膨張係数など液晶ポリマー由来の欠点の改善といった目的に応じて、フィラーを選択することができる。かかる目的などに応じて、フィラーは一種のみ選択してもよいし、二種以上を併用してもよい。
フィラーの形状も特に制限されず、板状フィラー、粒状フィラー、棒状(針状)フィラー、不定形フィラーなどを用いることができる。
板状フィラーは互いに対向した面部と面部間の側部を有する形状のものである。例えば、その面部分の平均アスペクト比が1以上、4以下であり、且つ、厚さに対する面部分の長径の平均比が10以上であるものをいう。また、面部は湾曲していてもかまわない。
粒状フィラーとは球状または略球状のものである。例えば、最も長い部分と最も短い部分の平均比が1以上、2以下のものをいう。
棒状(針状フィラー)とは、面などの確認の有無に関わらず棒状のものをいう。例えば、長さ部分の平均長さが0.5μm以上、300μm以下程度、断面部の平均長径が0.05μm以上、15μm以下程度であり、一般的には、断面部の長径に対する長さの比が5以上のものをいう。
不定形フィラーは、統一された形状が無く、様々な形状を含むものをいう。
なお、フィラーの定義における形状は走査型電子顕微鏡(SEM)などによる拡大写真で、その画面中の半数以上のフィラーで確認できるものをいう。また、フィラーの定義における平均アスペクト比や平均長さなどは、同様の拡大写真で観察できる100以上のフィラーの平均値をいうものとする。
また、本発明で用いるフィラーの平均粒径としては、体積基準で測定される粒度分布測定から求められるものとして、5μm以下の小粒径のものが好ましく、1μm以下がより好ましい。但し、当該平均粒径は、市販のフィラーを用い、そのカタログ値がある場合には、カタログ値を参照すればよいものとする。
フィラーの配合量は適宜調整すればよいが、例えば、原料液晶ポリマーフィルムまたは本発明に係る高耐熱性液晶ポリマーフィルムを構成する液晶ポリマー100質量部に対して1質量部以上、100質量部以下の範囲とすることが好ましく、5質量部以上、30質量部以下とすることがより好ましい。
本発明においては、原料液晶ポリマーフィルムに2000kGy以上の電離放射線を照射する。
本発明において「電離放射線」とは、原子や分子を電離する作用をもつ高エネルギーの放射線の総称であり、電子線やα線などの高速荷電粒子や高速中性子などの粒子線や、短波長で高いエネルギーをもつ紫外線、X線、γ線などを挙げることができる。本発明では、安全性の面などから電子線を用いることが好ましい。また、電離放射線から原料液晶ポリマーフィルムに付与される照射量の単位である「1kGy」は、原料液晶ポリマーフィルム1kg当たり1Jのエネルギー吸収があったことを示す。かかる照射量は、使用した照射装置などにより調節することができる。なお、当然ではあるが、電離放射線は、原料液晶ポリマーフィルムの平面方向において、できる限り均一に照射するものとする。
照射する電離放射線の照射量としては、2500kGy以上が好ましく、5000kGy以上がより好ましく、10000kGy以上がさらに好ましい。当該照射量が5000kGy以上の場合、特にI型液晶ポリマーフィルムでは350℃における貯蔵弾性率が 1.0×10Pa以上と、高温域での耐熱性に極めて優れるフィルムとなる。一方、当該照射量が大き過ぎるとフィルムの機械的強度が過度に低下するおそれがあり得ることから、75000kGy以下が好ましく、50000kGy以下がより好ましく、25000kGy以下がさらに好ましい。
上記のとおり、電離放射線の照射により液晶ポリマー分子にいかなる構造変化が生じるか、必ずしも明らかではない。しかし、少なくとも上記のとおり高温域において貯蔵弾性率が上昇に転ずる点があり、また、Z方向(フィルムの厚み方向)の線膨張係数が低下することから、高線量の電離放射線の照射によりZ方向の液晶ポリマー分子間でも架橋が起こっている可能性がある。
具体的には、高線量の電離放射線の照射によって、Z方向の線膨張係数が、電離放射線を照射していない原料液晶ポリマーフィルムに比して6ppm/℃以上低下する。液晶ポリマーフィルムのZ方向の線膨張係数を低減することは、一般的には極めて難しいが、本発明においては、高線量の電離放射線の照射により簡便に低減することができる。また、液晶ポリマーフィルムのZ方向の線膨張係数を低減できれば、例えば電子回路基板に利用する場合、厚み方向の接続信頼性が高まる等の利点が得られる。
また、本発明に係る高耐熱性液晶ポリマーフィルムの耐熱性は極めて高く、340℃以上の高温を要する半田リペアなどにおいても耐える。具体的には、350℃における貯蔵弾性率が1.0×107Pa以上であることが好ましく、2.0×107Pa以上であることがより好ましい。
さらに、本発明に係る高耐熱性液晶ポリマーフィルムは、340℃以上の高温下では貯蔵弾性率がかえって高まり、350℃における貯蔵弾性率よりも370℃における貯蔵弾性率の方が高いという極めて特異で優れた耐熱性を示す。具体的には、370℃における貯蔵弾性率が1.0×107Pa以上であることが好ましく、2.0×107Pa以上であることがより好ましく、5.0×107Pa以上であることがさらに好ましい。
その他、本発明に係る高耐熱性液晶ポリマーフィルムの平面方向の線膨張係数としては10ppm/℃以上、25ppm/℃以下が好ましく、また、平面方向の一方向での線膨張係数と、当該方向に直交する方向の線膨張係数との比が0.4以上、2.5以下であることが好ましい。上記線膨張係数と上記比が上記範囲内にあれば、例えば金属層と積層した場合に金属層との線膨張係数の差が比較的小さく、反りを低減することができる。
なお、平面方向の線膨張係数を測定する方向は特に制限されないが、液晶ポリマーフィルムを溶融押出した後に押出方向(MD方向)と直交する方向(TD方向)に延伸して異方性を低減した場合には、通常、MD方向の線膨張係数が平面方向で最も小さくなる。しかし延伸倍率を高めた場合には、TD方向の線膨張係数が最小になり、MD方向が最大になることもあり得る。このように、液晶ポリマーフィルムの平面方向ではMD方向またはTD方向で線膨張係数が最大または最小となるので、線膨張係数はMD方向とTD方向で測定することが好ましい。
本発明者らによる実験的知見によれば、少なくとも平面方向の線膨張係数は電離放射線を照射してもほとんど変化しない。また、フィルム厚さも電離放射線の放射ではほぼ変化しない。よって、本発明に係る高耐熱性液晶ポリマーフィルムの平面方向の線膨張係数やその比、厚さを調整するには、原料となる液晶ポリマーフィルムで調整しておけばよい。
本発明に係る金属層張積層フィルムは、上記の本発明に係る高耐熱性液晶ポリマーフィルムに金属層が積層されているものであることを特徴とする。
金属層の材質は、金属層張積層フィルムの用途に応じて適宜選択すればよいが、例えば電子回路基板に用いる場合には、銅、銅合金、ニッケル、ニッケル合金、金、銀などを挙げることができ、汎用性などの点から銅または銅合金が好ましい。
積層すべき金属層の厚さは適宜選択すればよいが、例えば、0.1μm以上、2mm以下程度とすることができる。
本発明に係る高耐熱性液晶ポリマーフィルムと金属層との積層方法は特に制限されないが、例えば、接着剤により接着してもよいし、或いは熱圧着により接着してもよい。その他、湿式めっきなどのめっき法や、蒸着、スパッタなどにより金属層を積層形成してもよい。より好適には、熱可塑性樹脂である液晶ポリマーの特性を活かして熱圧着することが好ましい。
本発明に係る金属層張積層フィルムは、金属層の少なくとも一部をエッチングするなどして、電子回路基板として用いることができる。当該電子回路基板は、本発明に係る高耐熱性液晶ポリマーフィルムの耐熱性が極めて優れることから、340℃以上、400℃以下程度の高温半田実装にも耐えるものとして非常に有用である。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
実施例1〜4および比較例1,2
I型液晶ポリマーからなり、フィラーとして直径20〜100μmのシリカをフィルム全体に対して10質量%含む市販の50μm厚液晶ポリマーフィルム(プライマテック社製,製品名「BIAC(登録商標) BA」)を310mm×210mmに切断し、窒素雰囲気下、加速電圧200kVの電子線を250kGyずつ、総照射量が1500kGy、2500kGy、5000kGy、7500kGyまたは10000kGyとなるまで繰り返し照射した。また、比較のために、電子線を照射しないフィルムも同様に作製した。
実施例5〜8および比較例3〜5
II型液晶ポリマーからなり、フィラーを含まない市販の50μm厚液晶ポリマーフィルム(プライマテック社製,製品名「BIAC(登録商標)BC」)を310mm×210mmに切断し、窒素雰囲気下、加速電圧200kVの電子線を250kGyずつ、総照射量が1000kGy、1500kGy、2500kGy、5000kGy、7500kGyまたは10000kGyとなるまで繰り返し照射した。また、比較のために、電子線を照射しないフィルムも同様に作製した。
試験例1:貯蔵弾性率の測定
日本工業規格JIS−K7244に準拠して、粘弾性測定装置(ユービーエム社製,製品名「Rheogel−E4000」)を用い、引張法により、上記各フィルムのMD方向の貯蔵弾性率を、振動周波数1Hz、歪み0.1%、昇温速度5℃/分で室温から400℃まで測定した。電離放射線を照射しない、または、1500kGyの電離放射線を照射したI型液晶ポリマーフィルムの温度−貯蔵弾性率曲線グラフを図1に、2500〜10000kGyの電離放射線を照射したI型液晶ポリマーフィルムの温度−貯蔵弾性率曲線グラフを図2に、電離放射線を照射しない、または、1000kGyもしくは1500kGyの電離放射線を照射したII型液晶ポリマーフィルムの温度−貯蔵弾性率曲線グラフを図3に、2500〜10000kGyの電離放射線を照射したII型液晶ポリマーフィルムの温度−貯蔵弾性率曲線グラフを図4に示す。また、各液晶ポリマーフィルムの350℃または370℃における貯蔵弾性率の数値などを表1,2に示す。
図1〜4と表1,2の結果のとおり、電子線を照射しない液晶ポリマーフィルム(比較例1,3)と電子線照射量が1000kGyまたは1500kGyの液晶ポリマーフィルム(比較例2,4,5)は、測定温度が上昇するにつれ貯蔵弾性率は一過的に低下し続ける。また、350℃または370℃において融解してしまった。
それに対して2500〜10000kGyの電子線を照射した場合(実施例1〜8)には、測定温度の上昇につれ低下し続けた貯蔵弾性率値が上昇に転じる変極点が明確に認められ、また、350℃および370℃においても融解せず、明確な貯蔵弾性率を示した。
このように、本発明に係る液晶ポリマーフィルムは、高エネルギー量の電離放射線の照射により340℃以上という高温域での耐熱性が顕著に向上していることが実証された。
試験例2:機械的強度の測定
ASTM D882に準拠して、上記フィルムの常温での引張強度と引張伸び率を測定した。詳しくは、テンシロン万能材料試験機(オリエンテック社製)を用い、10mm×100mmの短冊状試験片を10mm/minの速度で引張り、破断した時の加重と伸び率を測定した。電子線未照射液晶ポリマーフィルムの測定値を100とした場合の各電子線照射液晶ポリマーフィルムの測定値の割合を表1,2に示す。当該値により、電子線照射によっても各強度が何%保持されているかを把握することができる。
表1,2の結果のとおり、従来、樹脂フィルムへ過剰な電離放射線を照射すると分解が優勢となって機械的強度が低下すると考えられていたが、液晶ポリマーフィルムの場合、2000kGy以上という高エネルギー量で電離放射線を照射しても、機械的強度はそれほど低下しないことが明らかとなった。
試験例3:線膨張係数(CTE)の測定
上記で得られた電子線未照射液晶ポリマーフィルムと、5000kGyまたは10000kGyの電子線を照射した液晶ポリマーフィルムにつき、MD方向、TD方向およびZ方向の線膨張係数を測定した。
具体的には、熱機械分析装置(TMA:Thermal Mechanical Analysis,セイコー電子社製)を用い、上記各液晶ポリマーフィルムの温度を40℃/分で230℃まで昇温させてひずみを除去した後に、30℃まで10℃/分で降温しながらサンプルの長さを計測し、50〜100℃の変位から線膨張係数を算出した。MD方向とTD方向の線膨張係数の測定では、フィルム中央部から20mm×4mmの試験片を切り出し、チャック間距離10mmでTMAのプローブに設置し、5gの荷重を印加して測定した。Z方向の線膨張係数の測定では、直径5mm切り出した試験片を40枚重ねてプローブに設置し、20gの加重を印加して測定した。結果を表3に示す。
上記結果のとおり、液晶ポリマーフィルムに電離放射線を照射しても平面方向の線膨張係数はほとんど変化しないといえる。
一方、一般的な液晶ポリマーフィルムでは、延伸条件をいかに工夫しても液晶ポリマー分子はZ方向に配向しないため、Z方向の線膨張係数は高いままであるが、電離放射線を照射した場合には、その照射量に応じてZ方向の線膨張係数は低下することが分かった。従って、本発明に係る高耐熱性液晶ポリマーフィルムは、平面方向とZ方向との線膨張係数の差が低減されている点でも優れているといえる。

Claims (14)

  1. 原料液晶ポリマーフィルムに2000kGy以上の電離放射線を照射したものであり、
    横軸に温度、縦軸に測定された貯蔵弾性率値をプロットした温度−貯蔵弾性率曲線グラフの300℃以上、400℃以下の範囲において、温度上昇に対する貯蔵弾性率値が減少から増加に転ずる点が存在することを特徴とする高耐熱性液晶ポリマーフィルム。
  2. 350℃における貯蔵弾性率が1.0×107Pa以上である請求項1に記載の高耐熱性液晶ポリマーフィルム。
  3. 350℃における貯蔵弾性率が2.0×107Pa以上である請求項1に記載の高耐熱性液晶ポリマーフィルム。
  4. 架橋剤により架橋されておらず、および/または、架橋剤を含まないものである請求項1〜3のいずれかに記載の高耐熱性液晶ポリマーフィルム。
  5. 平面方向の線膨張係数が10ppm/℃以上、25ppm/℃以下である請求項1〜4のいずれかに記載の高耐熱性液晶ポリマーフィルム。
  6. 平面方向の一方向での線膨張係数と、当該方向に直交する方向の線膨張係数との比が0.4以上、2.5以下である請求項1〜5のいずれかに記載の高耐熱性液晶ポリマーフィルム。
  7. Z方向の線膨張係数が、電離放射線を照射していない原料液晶ポリマーフィルムに比して6ppm/℃以上低下している請求項1〜6のいずれかに記載の高耐熱性液晶ポリマーフィルム。
  8. 厚さが10μm以上、500μm以下である請求項1〜7のいずれかに記載の高耐熱性液晶ポリマーフィルム。
  9. フィラーを含むものである請求項1〜8のいずれかに記載の高耐熱性液晶ポリマーフィルム。
  10. 原料液晶ポリマーフィルムに2000kGy以上の電離放射線を照射する工程を含むことを特徴とする高耐熱性液晶ポリマーフィルムの製造方法。
  11. 電離放射線量を5000kGy以上とする請求項10に記載の高耐熱性液晶ポリマーフィルムの製造方法。
  12. 原料液晶ポリマーフィルムとして、架橋剤により架橋されておらず、および/または、架橋剤を含まないものを用いる請求項10または11に記載の高耐熱性液晶ポリマーフィルムの製造方法。
  13. 請求項1〜9のいずれかに記載の高耐熱性液晶ポリマーフィルムに金属層が積層されているものであることを特徴とする金属層張積層フィルム。
  14. 請求項13に記載の金属層張積層フィルムを含むことを特徴とする電子回路基板。
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