JP2014236569A - ボイスコイルモータの駆動回路および駆動方法ならびにそれらを用いたレンズモジュールおよび電子機器 - Google Patents

ボイスコイルモータの駆動回路および駆動方法ならびにそれらを用いたレンズモジュールおよび電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】フィードバック方式のVCMアクチュエータにおいて、振動を抑制する。【解決手段】変換部14は、ボイスコイルモータ200の可動子の位置を指示するステップ状に変化する位置指令値S1を受け、三角関数の半周期の波形にしたがって変化する内部指令値S2に変換する。駆動部20は、ホール素子40から、可動子の現在位置を示す位置検出値S3を受け、位置検出値S3が内部指令値S2と一致するように、ボイスコイルモータ200を駆動する。【選択図】図2

Description

本発明は、ボイスコイルモータの制御技術に関する。
デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラあるいは撮像機能付きの電子機器(たとえば携帯電話)には、フォーカシングレンズを位置決めするためのアクチュエータが設けられる。アクチュエータとしてはステッピングモータ方式、ピエゾ方式、ボイスコイルモータ(VCM)方式等が採用される。
VCMは、そのコイルに流れる電流の向きに応じた直線方向に推進力を発生させることができる。たとえばVCMにHブリッジ回路を接続した場合、コイル電流の向きを切りかえることができ、正方向と負方向に推進力を得ることができる。
特開2004−12492号公報 特開平9−298430号公報 特開2008−113506号公報 特開2008−043171号公報 米国特許出願公開第2010/0201301A1号明細書
このようなアクチュエータでは、オープンループ方式とフィードバック方式(クローズドループ方式)のいずれかが採用される。オープンループ方式では、目標位置を指示する位置指令値に応じた駆動電流をVCMに供給する。フィードバック方式では、ホールセンサなどを取り付け、VCMの可動子の位置を示す位置検出値を生成し、位置検出値が位置指令値と一致するようにVCMを駆動する。
オートフォーカス用のアクチュエータでは、オートフォーカスによるピントの合焦後に、レンズが振動すると画像が劣化し、あるいは騒音が発生する。したがって、レンズの移動後には、その振動を極力抑制する必要がある。
オープンループ方式のアクチュエータでは、VCMに対する駆動信号から、アクチュエータの共振周波数成分を除去し、共振周波数成分を含まない駆動信号によりVCMを駆動することにより、振動が抑制される。
本発明者は、フィードバック方式のアクチュエータについて検討をした結果、以下の課題を認識するに至った。このアクチュエータでは、マイクロプロセッサからの位置指令値はステップ状に遷移する。したがってVCMの駆動回路が、位置指令値と同じ波形の駆動信号によりVCMを駆動すると、駆動信号が高調波成分を含むこととなり、高調波成分により可動子の移動後の振動が引き起こされる。なお、高調波成分に起因する可動子の振動は、いわゆる当業者の共通の認識ととらえてはならず、本発明者が独自に認識したものである。
本発明はかかる課題に鑑みてなされたものであり、そのある態様の例示的な目的のひとつは、フィードバック方式のVCMアクチュエータにおいて、振動を抑制可能な駆動回路の提供にある。
本発明のある態様は、可動子を有するボイスコイルモータの駆動回路に関する。駆動回路は、可動子の位置を指示するステップ状に変化する位置指令値を、三角関数の半周期の波形にしたがって変化する内部指令値に変換する変換部と、センサから可動子の現在位置を示す位置検出値を受け、位置検出値が内部指令値と一致するようにボイスコイルモータを駆動する駆動部と、を備える。
この態様によると、ボイスコイルモータに供給される駆動信号は、高調波成分を含まない単一スペクトルを有するため、可動子の移動後の振動を抑制することができる。
変換部は、FIR(Finite Impulse Response)フィルタを含んでもよい。
FIRフィルタは、直列に接続されたN×2個の遅延素子と、N×2個の遅延素子のうち、前半のN個の遅延素子に対応づけられ、それぞれが、対応する遅延素子の入力信号に、個別の係数を乗算するN個の第1係数回路と、N×2個の遅延素子のうち、後半のN個の遅延素子に対応づけられ、それぞれが、対応する遅延素子の出力信号に、個別の係数を乗算するN個の第2係数回路と、N個の第1係数回路それぞれの出力、N番目の遅延素子の出力、N個の第2係数回路それぞれの出力を加算する加算回路を含んでもよい。i番目(1≦i≦N)の第1係数回路の係数および(N−i+1)番目の第2係数回路の係数は、C={cos(π・i/(N+1)−π)+1}/2であってもよい。
この態様によれば、三角関数にしたがって変化する内部指令値を生成できる。
遅延素子の遅延時間は外部から設定可能であってもよい。
三角関数の周期は、遅延素子の遅延時間に比例するため、この態様によれば、可動子の移動速度を調節できる。また駆動対称のボイスコイルモータの品種や、ボイスコイルモータに接続される負荷の重量は、使用されるプラットフォーム毎に異なるため、フィードバックループの帯域幅もプラットフォームごとに異なる。三角関数の周期時間を可変とすることで、駆動回路をさまざまなプラットフォームで使用できる。
三角関数の周期の逆数である遷移周波数は、ループ帯域幅に含まれるよう設定されてもよい。
三角関数の周期、つまり遷移周波数は、外部から設定可能であってもよい。
駆動対称のボイスコイルモータの品種や、ボイスコイルモータに接続される負荷の重量は、使用されるプラットフォーム毎に異なるため、フィードバックループの帯域幅もプラットフォームごとに異なる。三角関数の周期時間を可変とすることで、駆動回路をさまざまなプラットフォームで使用できる。
変換部は、三角関数波形を保持するテーブルを含み、位置指令値が変化すると、テーブルから三角関数波形を読み出すことにより内部指令値に変換してもよい。
駆動回路は、一つの半導体基板上に一体集積化されてもよい。
本発明の別の態様は、レンズモジュールに関する。レンズモジュールは、フォーカシングレンズと、フォーカシングレンズに連結された可動子を有するボイスコイルモータと、可動子の位置を示す位置検出値を生成するセンサと、外部のプロセッサからの、可動子の位置を指示するステップ状に変化する位置指令値と、センサからの位置検出値と、にもとづいてボイスコイルモータを駆動する上述のいずれかの駆動回路と、を備えてもよい。
本発明の別の態様は、レンズモジュールに関する。レンズモジュールは、手ぶれ補正用レンズと、手ぶれ補正用レンズに連結された可動子を有するボイスコイルモータと、可動子の位置を示す位置検出値を生成するセンサと、外部のプロセッサからの、可動子の位置を指示するステップ状に変化する位置指令値と、センサからの位置検出値と、にもとづいてボイスコイルモータを駆動する上述のいずれかの駆動回路と、を備えてもよい。
本発明の別の態様は電子機器に関する。電子機器は、上述のレンズモジュールと、レンズモジュールを通った光を撮像する撮像素子と、を備えてもよい。
本発明によれば、可動子の振動を抑制できる。
実施の形態に係る駆動回路を備える電子機器の全体構成を示すブロック図である。 実施の形態に係るアクチュエータの構成を示すブロック図である。 図3(a)、(b)は、周期Tp、遷移周波数fpおよびループ帯域幅fcの関係を示す図である。 変換部の構成例を示す回路図である。 図2の駆動回路の動作を示す波形図である。 電子機器の一例である携帯電話端末を示す斜視図である。
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
本明細書において、「部材Aが、部材Bと接続された状態」とは、部材Aと部材Bが物理的に直接的に接続される場合のほか、部材Aと部材Bが、それらの電気的な接続状態に実質的な影響を及ぼさない、あるいはそれらの結合により奏される機能や効果を損なわせない、その他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
同様に、「部材Cが、部材Aと部材Bの間に設けられた状態」とは、部材Aと部材C、あるいは部材Bと部材Cが直接的に接続される場合のほか、それらの電気的な接続状態に実質的な影響を及ぼさない、あるいはそれらの結合により奏される機能や効果を損なわせない、その他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
図1は、実施の形態に係る駆動回路100を備える電子機器500の全体構成を示すブロック図である。電子機器500は、撮像機能付きの携帯電話、あるいはデジタルカメラ、ビデオカメラ、WEBカメラ、タブレットPC(Personal Computer)などであり、レンズモジュール502、撮像素子504、画像処理プロセッサ506、CPU(Central Processing Unit)508、を備える。
レンズモジュール502は、いわゆるオートフォーカス機能を実現するために設けられ、フォーカシングレンズ512およびアクチュエータ510を含む。レンズ512は、光軸方向に移動可能に支持される。アクチュエータ510は、CPU508からの位置指令値S1にもとづいて、レンズ512の位置を制御する。
撮像素子504には、レンズ512を通過した光(画像)が入射する。画像処理プロセッサ506は、撮像素子504から画像データを読み出す。
CPU508は、画像処理プロセッサ506により読み出された画像にもとづき、フォーカシングレンズ512を通過した像が、撮像素子504上で結像するように、フォーカシングレンズ512の目標位置を決定し、その目標位置に応じた位置指令値S1をアクチュエータ510に出力する。
以上が電子機器500の全体構成である。続いてレンズモジュール502の具体的な構成を説明する。
図2は、実施の形態に係るアクチュエータ510の構成を示すブロック図である。
アクチュエータ510は、ボイスコイルモータ(VCM)200、およびその駆動回路100を備える。
ボイスコイルモータ200の可動子は、フォーカシングレンズ(不図示)と連結されている。
駆動回路100は、ボイスコイルモータ200のコイルL1に駆動電流IDRVを供給し、ボイスコイルモータ200の可動子の位置を制御する。具体的には、駆動回路100はCPU508から、ボイスコイルモータ200の可動子の目標位置を指示する位置指令値S1を受け、位置指令値S1に応じた駆動電流IDRVをボイスコイルモータ200のコイルに供給することにより、可動子を、指示された目標位置に変位させる。
駆動回路100は、インタフェース部10、レジスタ12、変換部14、駆動部20、ホール素子40、A/Dコンバータ42、を備え、ひとつの半導体基板上に一体集積化される。「一体集積化」とは、回路の構成要素のすべてが半導体基板上に形成される場合や、回路の主要構成要素が一体集積化される場合が含まれ、回路定数の調節用に一部の抵抗やキャパシタなどが半導体基板の外部に設けられていてもよい。
CPU508とインタフェース部10は、たとえばIC(Inter IC)バスを介して接続されている。CPU508は上述のように、時々刻々と、フォーカシングレンズ512の目標位置を決定し、その目標位置を指示する位置指令値S1を駆動回路100に出力する。インタフェース部10は、位置指令値S1を受信し、それをレジスタ12に書き込む。
変換部14は、レジスタ12に書き込まれた位置指令値S1を読み出す。つまり位置指令値S1は、CPU508からの値の更新のたびに、ステップ状に変化する。変換部14は、ステップ状に変化する位置指令値S1を、周期Tpを有する三角関数の半周期Tp/2の波形にしたがって変化する内部指令値S2に変換する。
三角関数の周期Tpの逆数である遷移周波数fpは、駆動部20のループ帯域幅fcに含まれるように、かつボイスコイルモータ200の共振周波数を避けて設定される。図3(a)、(b)は、周期Tp、遷移周波数fpおよびループ帯域幅fcの関係を示す図である。
ここでフィードバックループの帯域幅fcは、駆動回路100と組み合わされるボイスコイルモータ200の種類や、駆動回路100が搭載されるプラットフォームによってさまざまである。そこで周期Tpは、外部から設定可能とすることが好ましい。これにより、駆動回路100の汎用性を高めることができる。
ホール素子40は、ボイスコイルモータ200の可動子の現在位置を示す位置検出信号S3を生成するセンサである。A/Dコンバータ42は、ホール素子40からの位置検出信号S3をデジタル値に変換する。駆動部20は、ホール素子40から可動子の現在位置を示す位置検出値S3を受け、位置検出値S3が内部指令値S2と一致するように、ボイスコイルモータ200に供給する駆動信号、すなわち電圧レベルまたは電流量を制御する。
たとえば駆動部20は、減算器22、アンプ24、ループゲインコントローラ26、イコライザ28、D/Aコンバータ30、ドライバ32を含む。減算器22は、内部指令値S2から位置検出値S3を減じ、それらの差分(誤差信号)S4を計算する。駆動部20はこの差分がゼロとなるように、ボイスコイルモータ200に対する駆動信号をフィードバック制御する。こうしたフィードバック制御としては、P(比例)制御、PI(比例積分)制御、PID(比例積分微分)制御などが知られている。アンプ24は、誤差信号S4を所定係数倍し、制御信号S5を生成する。ループゲインコントローラ26は、アンプ24の利得を調節する。イコライザ28は、2次系を対象とするフィードバック制御において、系が発振しないように設けられた位相補償回路である。イコライザ28は、必要に応じて制御信号S5をイコライジングする。D/Aコンバータ30は、制御信号S5をアナログの制御信号S6に変換する。ドライバ32は、制御信号S6に応じた駆動信号をボイスコイルモータ200に供給する。
続いて変換部14の構成を説明する。
図4は、変換部14の構成例を示す回路図である。変換部14は、たとえばFIRフィルタ14aを含む。FIRフィルタ14aは、直列に接続されたN×2個の遅延素子50_1〜50_14、N個の第1係数回路K1、N個の第2係数回路K2、加算回路60を備える。図4には、N=7の場合が示される。
N個の第1係数回路K1_1〜K1_7は、N×2個の遅延素子50_1〜50_14のうち、前半のN個の遅延素子50_1〜50_7に対応づけられる。i番目(1≦i≦N)の第1係数回路K1_iは、対応する遅延素子50_iの入力信号に、個別の係数Cを乗算する。
N個の第2係数回路K2_1〜K2_7は、N×2個の遅延素子50_1〜50_14のうち、後半のN個の遅延素子50_8〜50_14に対応づけられる。i番目(1≦i≦N)の第2係数回路K2_iは、対応する遅延素子50_(N+i)の出力信号に、個別の係数CN−i+1を乗算する。
加算回路60は、N個の第1係数回路K1_1〜K1_7それぞれの出力、N番目の遅延素子50_7の出力、N個の第2係数回路K2_1〜K2_7それぞれの出力を加算する。
i番目(1≦i≦N)の第1係数回路K1_iの係数Cおよび(N−i+1)番目の第2係数回路の係数Cは、C={cos(π・i/(N+1)−π)+1}/2である。
N=7の場合、C={cos(π・(i−8)/8)+1}/2となり、各係数C〜Cは以下の値をもつ。
=0.0381
=0.1464
=0.3087
=0.5000
=0.6913
=0.8536
=0.9619
このFIRフィルタ14aでは、遅延素子50の遅延時間は、三角関数波形の周期Tpと比例する。そこで遅延素子50の遅延時間を可変に構成することが望ましい。これにより周期Tpを、駆動回路100の用途に応じて最適化することができる。
以上が駆動回路100の構成である。続いて駆動回路100を含むアクチュエータ510の動作を説明する。
駆動部20のフィードバックループにより、内部指令値S2が位置検出値S3と一致するように、すなわちボイスコイルモータ200の可動子の位置が、CPU508が指示した目標位置と一致するように、フィードバックがかかる。
実施の形態に係る駆動回路100の効果を明確とするため、変換部14を設けない場合、つまり内部指令値S2がステップ状に変化する場合の動作を説明する。内部指令値S2がステップ状に変化すると、駆動部20の応答速度がステップ状に変化する内部指令値S2に追従できない。したがって応答遅れによるリンギングやオーバーシュートが発生し、可動子が目標位置に到達した後も、振動が発生してしまう。また、ステップ波形の内部指令値S2は、高調波を含むため、この高調波の信号成分により、可動子の振動が引き起こされる。
続いて変換部14を備える駆動回路100の動作を説明する。
図5は、図2の駆動回路100の動作を示す波形図である。時刻tより前に、位置指令値S1は現在の値p1をとっており、可動子は値p1に応じた位置に静止している。時刻tに、位置指令値S1が次の目標値p2にステップ状に変化する。また、時刻tに、位置指令値S1は別の値p3にステップ状に変化する。
変換部14は、ステップ波形の位置指令値S1を、周期Tpを有する三角関数の半周期Tp/2の区間にわたる波形f(t)を有する内部指令値S2に変換する。時刻t=0に、位置指令値S1が初期値p1から目標値p2に変化するとき、位置検出値S3の波形f(t)は、式(1)で表される。
f(t)=p1+(p2−p1)・{cos(2π(t/Tp)+π/2)+1} …(1)
ボイスコイルモータ200の可動子の位置は、式(1)で表される波形を有する内部指令値S2に追従するように移動する。
以上がアクチュエータ510の動作である。
図2のアクチュエータ510では、内部指令値S2に含まれるスペクトルが、駆動部20のフィードバックループの帯域内に収まっている。したがって、駆動部20は、可動子を内部指令値S2の変化に追従させることができ、ボイスコイルモータ200の可動子のリンギングやオーバーシュートを抑制しつつ、可動子の位置を内部指令値S2の波形にしたがって変位させることができる。
ここで、内部指令値S2に含まれる三角関数波形f(t)は、単一のスペクトルf=1/Tpのみを含む。したがって、不要な高調波成分が含まれないため、高調波に起因する不要な振動も抑制することができる。また、遷移周波数fpは、ボイスコイルモータ200の共振周波数とは異なる周波数であるため、共振も抑制される。
加えて、位置指令値S1を内部指令値S2に変換する変換部14を駆動回路100に内蔵することにより、CPU508からは、アクチュエータ510をブラックボックスとして扱うことができる。すなわち、フィードバックループの帯域や共振周波数などを考慮することなく、順次、可動子の目標位置を示す位置指令値S1を駆動回路100に通知すれば済むため、アクチュエータ510の制御が容易となる。
最後に、電子機器500の具体例を説明する。図6は、電子機器500の一例である携帯電話端末を示す斜視図である。電子機器500は、筐体501、レンズモジュール502、撮像素子504を備える。撮像素子504は、筐体501に内蔵される。筐体501には、撮像素子504とオーバーラップする箇所に開口部が設けられ、レンズモジュール502は開口部に設けられる。図6の電子機器500によれば、オートフォーカスの時間を短縮できる。
以上、本発明について、実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。以下、こうした変形例について説明する。
(第1の変形例)
変換部14は、三角関数波形f(t)を保持するテーブルを含んでもよい。変換部14は、位置指令値S1が変化すると、テーブルから三角関数波形f(t)を読み出すことにより内部指令値S2に変換してもよい。
(第2の変形例)
実施の形態では、フォーカシング用のレンズモジュールを説明したが、駆動回路100の用途はそれには限定されない。たとえばボイスコイルモータ200は、手ぶれ補正用のレンズを駆動してもよい。
(第3の変形例)
変換部14の構成は、上述したものには限定されず、その他の構成であってもよい。たとえば変換部14は、別形式のフィルタであってもよい。
実施の形態にもとづき、具体的な語句を用いて本発明を説明したが、実施の形態は、本発明の原理、応用を示しているにすぎず、実施の形態には、請求の範囲に規定された本発明の思想を逸脱しない範囲において、多くの変形例や配置の変更が可能である。
500…電子機器、501…筐体、502…レンズモジュール、504…撮像素子、506…画像処理プロセッサ、508…CPU、510…アクチュエータ、512…レンズ、100…駆動回路、OUT…駆動端子、10…インタフェース部、12…レジスタ、14…変換部、20…駆動部、22…減算器、24…アンプ、26…ループゲインコントローラ、28…イコライザ、30…D/Aコンバータ、32…ドライバ、40…ホール素子、42…A/Dコンバータ、200…ボイスコイルモータ、50…遅延素子、K1…第1係数回路、K2…第2係数回路、60…加算回路、S1…位置指令値、S2…内部指令値、S3…位置検出値、S4…誤差信号、S5,S6…制御信号。

Claims (12)

  1. 可動子を有するボイスコイルモータの駆動回路であって、
    前記可動子の位置を指示するステップ状に変化する位置指令値を、三角関数の半周期の波形にしたがって変化する内部指令値に変換する変換部と、
    センサから、前記可動子の現在位置を示す位置検出値を受け、前記位置検出値が前記内部指令値と一致するように、前記ボイスコイルモータを駆動する駆動部と、
    を備えることを特徴とする駆動回路。
  2. 前記変換部は、FIR(Finite Impulse Response)フィルタを含むことを特徴とする請求項1に記載の駆動回路。
  3. 前記FIRフィルタは、
    直列に接続されたN×2個の遅延素子と、
    N×2個の遅延素子のうち、前半のN個の遅延素子に対応づけられ、それぞれが、対応する遅延素子の入力信号に、個別の係数を乗算するN個の第1係数回路と、
    N×2個の遅延素子のうち、後半のN個の遅延素子に対応づけられ、それぞれが、対応する遅延素子の出力信号に、個別の係数を乗算するN個の第2係数回路と、
    前記N個の第1係数回路それぞれの出力、N番目の遅延素子の出力、前記N個の第2係数回路それぞれの出力を加算する加算回路を含み、
    i番目(1≦i≦N)の第1係数回路の係数および(N−i+1)番目の第2係数回路の係数は、C={cos(π・i/(N+1)−π)+1}/2であることを特徴とする請求項2に記載の駆動回路。
  4. 前記遅延素子の遅延時間は外部から設定可能であることを特徴とする請求項3に記載の駆動回路。
  5. 前記三角関数の周期の逆数である遷移周波数は、ループ帯域幅に含まれるよう設定されることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の駆動回路。
  6. 前記三角関数の周期は、外部から設定可能であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の駆動回路。
  7. 前記変換部は、三角関数波形を保持するテーブルを含み、前記位置指令値が変化すると、前記テーブルから前記三角関数波形を読み出すことにより前記内部指令値に変換することを特徴とする請求項1に記載の駆動回路。
  8. 一つの半導体基板上に一体集積化されたことを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の駆動回路。
  9. フォーカシングレンズと、
    前記フォーカシングレンズに連結された可動子を有するボイスコイルモータと、
    前記可動子の位置を示す位置検出値を生成するセンサと、
    外部のプロセッサからの、前記可動子の位置を指示するステップ状に変化する位置指令値と、前記センサからの前記位置検出値と、にもとづいて前記ボイスコイルモータを駆動する請求項1から8のいずれかに記載の駆動回路と、
    を備えることを特徴とするレンズモジュール。
  10. 手ぶれ補正用レンズと、
    前記手ぶれ補正用レンズに連結された可動子を有するボイスコイルモータと、
    前記可動子の位置を示す位置検出値を生成するセンサと、
    外部のプロセッサからの、前記可動子の位置を指示するステップ状に変化する位置指令値と、前記センサからの前記位置検出値と、にもとづいて前記ボイスコイルモータを駆動する請求項1から8のいずれかに記載の駆動回路と、
    を備えることを特徴とするレンズモジュール。
  11. 請求項9または10に記載のレンズモジュールと、
    前記レンズモジュールを通った光を撮像する撮像素子と、
    を備えることを特徴とする電子機器。
  12. 可動子を有するボイスコイルモータの駆動方法であって、
    前記可動子の位置を指示するステップ状に変化する位置指令値を生成するステップと、
    前記位置指令値を、半数の半周期の波形にしたがって変化する内部指令値に変換するステップと、
    センサにより、前記可動子の現在位置を示す位置検出値を生成するステップと、
    前記位置検出値が前記内部指令値と一致するように、前記ボイスコイルモータに供給する電圧または電流を制御するステップと、
    を備えることを特徴とする駆動方法。
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