JP2014147221A - スプリングリターン機構付きボイスコイルモータの駆動回路およびそれを用いたレンズモジュールおよび電子機器、ならびにボイスコイルモータの駆動方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】共振周波数に依存せずに、振動を抑制する。
【解決手段】電流指令値生成部10は、位置指令値S1に応じた電流指令値S2を生成する。コントローラ20は、電流指令値S2に応じた制御値S3を生成する。ドライバ回路30は、VCM200のコイルL1に、制御値S3に応じた駆動電圧VDRVを印加する。コントローラ20は、(i)VCM200の可動子の位置を固定する期間において、VCM200のコイルL1に流れる電流に応じた電流検出値S4が電流指令値S2と一致するように、制御値S3を調節し、(ii)VCM200の可動子の位置を変化させる遷移期間において、電流指令値S2に固定値を乗じた値を制御値S3とする。
【選択図】図2
【解決手段】電流指令値生成部10は、位置指令値S1に応じた電流指令値S2を生成する。コントローラ20は、電流指令値S2に応じた制御値S3を生成する。ドライバ回路30は、VCM200のコイルL1に、制御値S3に応じた駆動電圧VDRVを印加する。コントローラ20は、(i)VCM200の可動子の位置を固定する期間において、VCM200のコイルL1に流れる電流に応じた電流検出値S4が電流指令値S2と一致するように、制御値S3を調節し、(ii)VCM200の可動子の位置を変化させる遷移期間において、電流指令値S2に固定値を乗じた値を制御値S3とする。
【選択図】図2
Description
本発明は、スプリングリターン機構付きボイスコイルモータの制御技術に関する。
デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラあるいは撮像機能付きの電子機器(たとえば携帯電話)には、フォーカシングレンズを位置決めするためのアクチュエータが設けられる。アクチュエータとしてはステッピングモータ方式、ピエゾ方式、ボイスコイルモータ(VCM)方式等が採用される。
VCMは、そのコイルに流れる電流の向きに応じた直線方向に推進力を発生させることができる。たとえばVCMにHブリッジ回路を接続した場合、コイル電流の向きを切りかえることができ、正方向と負方向に推進力を得ることができる。
これに対して、スプリングリターン機構付きのVCMが利用される場合がある。スプリングリターン機構付きVCMは、第1の方向への推進力をコイルに駆動電流を供給することで発生し、それと反対の第2の方向への推進力を可動子に取り付けられたばね(スプリング)の力を利用して発生させる構造となっている。つまり電気的な駆動と力学的な駆動が併用されている。スプリングリターン機構付きVCMを駆動する場合、そのコイルの一方向にのみ駆動電流を供給すればよく、駆動回路が簡素化できる。
ばねを有する振動系は、ばね定数Kと、質量Mで定まる共振周波数foを有する。
fo=√(K/M)/2π …(1)
電子機器の小型化にともない、スプリングリターン機構付きVCMの小型化が要求されている。VCMが小型化すると、コイルのインダクタンスが小さくなり、また可動子の重量も小さくなることから、スプリングの力によって可動子、つまりレンズが振動するという問題が発生する。
fo=√(K/M)/2π …(1)
電子機器の小型化にともない、スプリングリターン機構付きVCMの小型化が要求されている。VCMが小型化すると、コイルのインダクタンスが小さくなり、また可動子の重量も小さくなることから、スプリングの力によって可動子、つまりレンズが振動するという問題が発生する。
レンズの振動を抑制するために、共振周波数foの周波数成分が除去されたスペクトルを有する駆動電流によって、VCMを駆動する方法が提案されている。具体的には、(1)ステップ波形を、共振周波数を除去する帯域除去フィルタBEFによって波形整形し、駆動電流を生成する手法や、(2)波形整形された駆動信号をあらかじめ演算により計算してそれをメモリに格納しておき、駆動時に読み出す、といった手法が提案されている。
この手法では、想定する共振周波数が実際の共振周波数から乖離すると、所望の特性が得られないことから、共振周波数foをあらかじめ正確に測定しておく必要がある。従来では、VCMを搭載するセット(電子機器)の製造段階において、レーザ変位計を用いて可動子の振動を計測し、共振周波数foを測定していた。製造段階における共振周波数foの測定は、コストを増大させる要因となる。
加えて、測定した共振周波数foを、電子機器に搭載されるROM(Road Only Memory)などの不揮発性メモリに書き込んでおき、電子機器の電源が投入されるたびに、ROMから駆動回路の内部のレジスタに共振周波数foを読み出すという処理が必要であった。
レンズの振動を抑制するための別の手段としては、可動子の位置をホールセンサで監視し、振動を抑制するように、フィードバック制御するものも提案されている。この手法では、共振周波数の測定は不要であるが、位置検出用のホールセンサが必要となるため、システムの複雑化、コストの上昇という問題がある。
本発明は係る課題に鑑みてなされたものであり、そのある態様の例示的な目的のひとつは、共振周波数に依存せずに、振動を抑制可能なスプリングリターン機構付きVCMの駆動回路の提供にある。
本発明のある態様は、可動子の位置を指示する位置指令値にもとづいて、スプリングリターン機構付きボイスコイルモータを駆動する駆動回路に関する。駆動回路は、位置指令値に応じた電流指令値を生成する電流指令値生成部と、電流指令値に応じた制御値を生成するコントローラであって、(i)ボイスコイルモータの可動子の位置を固定する期間において、ボイスコイルモータのコイルに流れる電流に応じた電流検出値が電流指令値と一致するように、制御値を調節し、(ii)ボイスコイルモータの可動子の位置を変化させる遷移期間において、電流指令値に固定値を乗じた値を制御値とするコントローラと、ボイスコイルモータのコイルに、制御値に応じた駆動電圧を印加するドライバ回路と、を備える。
可動子の位置を変化させる遷移期間において、ボイスコイルモータの可動子が共振により振動しようとすると、そのコイルには振動に応じた逆起電力が発生し、コイルの両端間の電圧が振動しようとする。この態様によれば、この遷移期間において、コイルの両端間を制御値に応じた駆動電圧に保たれるように定電圧駆動することにより、振動に起因した逆起電力を打ち消すことができ、共振による振動を抑制することができる。
コントローラは、電流検出値と電流指令値の誤差に応じた誤差係数を生成する比較演算器と、電流指令値に誤差係数を乗算し、制御値を生成する乗算器と、を含んでもよい。比較演算器は、遷移期間の間アサートされるホールド信号を受け、ホールド信号がアサートされたときの誤差係数の値をラッチし、遷移期間の間、その値を維持してもよい。
駆動回路は、ひとつの半導体基板上に一体集積化されてもよい。
「一体集積化」とは、回路の構成要素のすべてが半導体基板上に形成される場合や、回路の主要構成要素が一体集積化される場合が含まれ、回路定数の調節用に一部の抵抗やキャパシタなどが半導体基板の外部に設けられていてもよい。
「一体集積化」とは、回路の構成要素のすべてが半導体基板上に形成される場合や、回路の主要構成要素が一体集積化される場合が含まれ、回路定数の調節用に一部の抵抗やキャパシタなどが半導体基板の外部に設けられていてもよい。
本発明の別の態様は、レンズモジュールに関する。レンズモジュールは、フォーカシングレンズと、その可動子がフォーカシングレンズに連結されたリターン機構付きボイスコイルモータと、ボイスコイルモータを駆動する上述のいずれかの態様の駆動回路と、を備える。
本発明の別の態様は、レンズモジュールに関する。レンズモジュールは、手ぶれ補正用レンズと、その可動子が手ぶれ補正用レンズに連結されたリターン機構付きボイスコイルモータと、ボイスコイルモータを駆動する上述のいずれかの態様の駆動回路と、を備える。
本発明の別の態様は電子機器に関する。電子機器は、上述のいずれかのレンズモジュールと、レンズモジュールを通った光を撮像する撮像素子と、を備える。
本発明によれば、共振周波数に依存せずに、振動を抑制できる。
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
本明細書において、「部材Aが、部材Bと接続された状態」とは、部材Aと部材Bが物理的に直接的に接続される場合のほか、部材Aと部材Bが、それらの電気的な接続状態に実質的な影響を及ぼさない、あるいはそれらの結合により奏される機能や効果を損なわせない、その他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
同様に、「部材Cが、部材Aと部材Bの間に設けられた状態」とは、部材Aと部材C、あるいは部材Bと部材Cが直接的に接続される場合のほか、それらの電気的な接続状態に実質的な影響を及ぼさない、あるいはそれらの結合により奏される機能や効果を損なわせない、その他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
同様に、「部材Cが、部材Aと部材Bの間に設けられた状態」とは、部材Aと部材C、あるいは部材Bと部材Cが直接的に接続される場合のほか、それらの電気的な接続状態に実質的な影響を及ぼさない、あるいはそれらの結合により奏される機能や効果を損なわせない、その他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
図1は、実施の形態に係る電子機器500の全体構成を示すブロック図である。電子機器500は、撮像機能付きの携帯電話、あるいはデジタルカメラ、ビデオカメラ、WEBカメラ、タブレットPC(Personal Computer)などであり、レンズモジュール502、撮像素子504、画像処理プロセッサ506、CPU(Central Processing Unit)508、を備える。
レンズモジュール502は、いわゆるオートフォーカス機能を実現するために設けられ、フォーカシングレンズ512およびアクチュエータ510を含む。レンズ512は、光軸方向に移動可能に支持される。アクチュエータ510は、CPU508からの位置指令値S1にもとづいて、レンズ512の位置を制御する。
撮像素子504には、レンズ512を通過した光(画像)が入射する。画像処理プロセッサ506は、撮像素子504から画像データを読み出す。
CPU508は、画像処理プロセッサ506により読み出された画像にもとづき、フォーカシングレンズ512を通過した像が、撮像素子504上で結像するように、フォーカシングレンズ512の目標位置を決定し、その目標位置に応じた位置指令値S1をアクチュエータ510に出力する。
以上が電子機器500の全体構成である。続いてレンズモジュール502の具体的な構成を説明する。
図2は、実施の形態に係るレンズモジュール502の構成を示すブロック図である。
レンズモジュール502は、ボイスコイルモータ(VCM)200、スプリング202、駆動回路2を備える。
レンズモジュール502は、ボイスコイルモータ(VCM)200、スプリング202、駆動回路2を備える。
VCM200は、フォーカシングレンズ512を位置決めするアクチュエータであり、その可動子は、フォーカシングレンズ512と連結されている。VCM200は、リターンスプリング機構を備え、その可動子はスプリング202と連接されている。
駆動回路2は、VCM200のコイルL1に駆動電流IDRVを供給し、レンズ512の位置を制御する。具体的には、駆動回路2はコイルL1に駆動電流IDRVを流すことにより、可動子を第1の方向に変位させる。スプリング202は、可動子を第1の方向と反対の第2の方向に押し戻すように作用する。コイルL1の等価回路は、インダクタンス成分Lcと直流抵抗成分Rcを含む。
駆動回路2は、出力端子OUT+、OUT−、電源端子PVDD、接地端子PGND、電流指令値生成部10および駆動部11を備え、ひとつの半導体基板上に一体集積化される。
電源端子PVDDには電源電圧VDDが、接地端子PGNDには接地電圧VSSが供給される。
電流指令値生成部10は、入力端子PINを介して、図1のCPU508からVCM200の可動子の目標位置(目標ストローク量)を指示する位置指令値S1を受ける。電流指令値生成部10は、位置指令値S1に応じて、VCM200のコイルL1に流れる電流を指示する電流指令値S2を生成する。
電流指令値生成部10は、入力端子PINを介して、図1のCPU508からVCM200の可動子の目標位置(目標ストローク量)を指示する位置指令値S1を受ける。電流指令値生成部10は、位置指令値S1に応じて、VCM200のコイルL1に流れる電流を指示する電流指令値S2を生成する。
駆動部11は、電流指令値S2に応じてVCM200のコイルL1を駆動する。駆動部11は、(i)VCM200の可動子の位置を固定する期間において、コイルL1に流れる電流IDRVに応じた電流検出値S4が、電流指令値S2に応じた目標値と一致するように、VCM200のコイルL1を定電流駆動する。また駆動部11は、(ii)VCM200の可動子の位置を変化させる遷移期間において、コイルL1の両端間の電圧が、電流指令値S2に応じた目標値と一致するように、コイルL1を定電圧駆動する。
駆動部11は、コントローラ20、ドライバ回路30、電流検出部40を備える。
電流検出部40は、VCM200のコイルL1に流れる駆動電流IDRVを示す電流検出値S4を生成する。たとえば電流検出部40は、駆動電流IDRVの経路上に設けられた検出抵抗42と、検出抵抗42の電圧降下(電流検出信号VCS)をデジタル値に変換するA/Dコンバータ44と、を含む。A/Dコンバータ44の前段に、電流検出信号VCSを増幅するアンプを追加してもよい。
コントローラ20は、電流指令値S2に応じた制御値S3を生成する。コントローラ20は、第1状態φ1と、第2状態φ2が切りかえ可能に構成される。コントローラ20は、(i)VCM200の可動子の位置を固定する期間において、第1状態φ1となり、VCM200のコイルL1に流れる電流IDRVに応じた電流検出値S4が電流指令値S2と一致するように、制御値S3を調節する。またコントローラ20は、(ii)VCM200の可動子の位置を変化させる遷移期間において第2状態φ2となり、電流指令値S2に固定値を乗じた値を制御値S3とする。
ドライバ回路30は、VCM200のコイルL1に、制御値S3に応じた駆動電圧VOUTを印加する。たとえばドライバ回路30は、D/Aコンバータ32、アンプ34を含む。D/Aコンバータ32は、デジタルの制御値S3をアナログの制御電圧S5に変換する。アンプ34は、制御電圧S5を増幅し、出力端子OUT+を介してVCM200のコイルL1の一端に印加する。なお、ドライバ回路30の構成は、図2のそれには限定されない。たとえばアンプ34は、利得1のボルテージフォロアであってもよいし、リニアレギュレータであってもよいし、反転アンプであってもよい。
図3は、図2のコントローラ20の構成例を示すブロック図である。
コントローラ20は、比較演算器22、乗算器24を含む。比較演算器22は、電流検出値S4と電流指令値S2の誤差に応じた誤差係数S6を生成する。比較演算器22は、P(比例)制御、PI(積分・比例)制御、PID(比例・積分・微分)制御等を利用して誤差係数S6を生成する。比較演算器22の構成は特に限定されず、公知の技術を用いればよい。乗算器24は、電流指令値S2に誤差係数S6を乗算し、制御値S3を生成する。
コントローラ20は、比較演算器22、乗算器24を含む。比較演算器22は、電流検出値S4と電流指令値S2の誤差に応じた誤差係数S6を生成する。比較演算器22は、P(比例)制御、PI(積分・比例)制御、PID(比例・積分・微分)制御等を利用して誤差係数S6を生成する。比較演算器22の構成は特に限定されず、公知の技術を用いればよい。乗算器24は、電流指令値S2に誤差係数S6を乗算し、制御値S3を生成する。
比較演算器22には、ホールド信号S7が入力される。ホールド信号S7は、遷移期間においてアサート(たとえばハイレベル)される。ホールド信号S7は、電流指令値生成部10によって生成されてもよい。
比較演算器22は、ホールド信号S7がアサートされたときの誤差係数S6の値をラッチし、遷移期間の間、その値を維持する。
以上が駆動回路2の構成である。続いてその動作を説明する。
図4は、図2の駆動回路2の動作波形図である。実線が図2の駆動回路2の動作を、一点鎖線は、従来の駆動回路の動作を示す。
図4は、図2の駆動回路2の動作波形図である。実線が図2の駆動回路2の動作を、一点鎖線は、従来の駆動回路の動作を示す。
時刻t1より前において、CPU508からの位置指令値S1は、第1の値S1aをとっており、電流指令値生成部10が生成する電流指令値S2は、それに対応する値S2aをとっている。
このとき駆動回路2のコントローラ20は、第1状態φ1で動作しており、電流検出値S4がS2aと一致するようにフィードバック制御が行われる。すなわち駆動電流IDRVは、位置指令値S1に応じた値IDRVaに安定化されており、VCM200の可動子は、位置指令値S1aに応じた位置に安定化されている。
時刻t1に、CPU508からの位置指令値S1が、第2の値S1bに切りかえられる。電流指令値生成部10は、電流指令値S2を、それまでの値S2aから、第2の値S1bに対応する新たな値S2bに向かって変化させる。たとえば電流指令値生成部10は電流指令値S2を、連続的に変化させてもよいし、ステップ状に変化させてもよい。電流指令値生成部10は、電流指令値S2が変化する期間、ホールド信号S7をアサート(ハイレベル)する。
コントローラ20は、ホールド信号S7がアサートされる期間、第2状態φ2となる。コントローラ20の比較演算器22は、ホールド信号S7がアサートされると、そのときの誤差係数S6の値をラッチし、遷移期間τ1の間、その値を維持する。
遷移期間τ1の間、誤差係数S6の値が固定されると、電流指令値S2の変化にともなって制御値S3、すなわち駆動電圧VOUTが変化する。
電流指令値S2が第2の値S2bに達する時刻t2に、遷移期間τ1が終了する。遷移期間τ1の終了とともに、ホールド信号S7がネゲート(ローレベル)され、コントローラ20が第1状態φ1に戻る。時刻t2以降は、時刻t1以前と同様に、コイルL1に流れる駆動電流IDRVが、電流指令値S2bに応じた値IDRV2に安定化される。
なお、ホールド信号S7をネゲートする時刻は、電流指令値S2が第2の値S2bに到達してから、ある時間、経過後の時刻であってもよい。
以上が駆動回路2の動作である。
実施の形態に係る駆動回路2によれば、VCM200の固定子の位置が固定される期間は、コイルL1に流れる電流を目標値と一致させるように定電流駆動し、VCM200の固定子の位置が変化する期間は、コイルL1に印加される電圧が目標値と一致するように定電圧駆動する。
実施の形態に係る駆動回路2によれば、VCM200の固定子の位置が固定される期間は、コイルL1に流れる電流を目標値と一致させるように定電流駆動し、VCM200の固定子の位置が変化する期間は、コイルL1に印加される電圧が目標値と一致するように定電圧駆動する。
可動子の位置を変化させる遷移期間τ1において、可動子が共振により振動しようとすると、そのコイルL1には振動に応じた逆起電力が発生し、コイルL1の両端間の電圧が振動しようとする。このとき、コイルL1の両端間は、制御値S3に応じた駆動電圧VDRVに保たれるように定電圧駆動されるため、振動に起因した逆起電力を打ち消すことができ、可動子の振動を抑制することができる。
実施の形態に係る駆動回路2では、振動を抑制するために、共振周波数foを利用していないため、共振周波数foを測定する必要がなく、あるいは測定するとしても、低い精度で測定すれば足りるため、従来技術に比べて、コストを下げることができる。
続いて、電子機器500の具体例を説明する。図5は、電子機器500の一例である携帯電話端末を示す斜視図である。電子機器500は、筐体501、レンズモジュール502、撮像素子504を備える。撮像素子504は、筐体501に内蔵される。筐体501には、撮像素子504とオーバーラップする箇所に開口部が設けられ、レンズモジュール502は開口部に設けられる。
以上、本発明について、実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。以下、こうした変形例について説明する。
(変形例1)
実施の形態では、遷移期間τ1において、比較演算器22が生成した誤差係数S6をラッチする場合を説明したが、本発明はそれには限定されない。遷移期間τ1における誤差係数S6は、第1状態φ1におけるその値とは無関係に定めてもよい。
実施の形態では、遷移期間τ1において、比較演算器22が生成した誤差係数S6をラッチする場合を説明したが、本発明はそれには限定されない。遷移期間τ1における誤差係数S6は、第1状態φ1におけるその値とは無関係に定めてもよい。
(変形例2)
実施の形態では、電流ソース型の駆動回路2について説明したが、駆動回路2はシンク型で構成されてもよい。この場合、VCM200の高電位側の一端には、電源電圧VDDが印加され、その低電位側の他端には、ドライバ回路30の出力電圧VDRVが印加される構成とすればよい。
実施の形態では、電流ソース型の駆動回路2について説明したが、駆動回路2はシンク型で構成されてもよい。この場合、VCM200の高電位側の一端には、電源電圧VDDが印加され、その低電位側の他端には、ドライバ回路30の出力電圧VDRVが印加される構成とすればよい。
(変形例3)
実施の形態では、フォーカシング用のレンズモジュールを説明したが、駆動回路2の用途はそれには限定されない。たとえばVCM200は、手ぶれ補正用のレンズを駆動してもよい。
実施の形態では、フォーカシング用のレンズモジュールを説明したが、駆動回路2の用途はそれには限定されない。たとえばVCM200は、手ぶれ補正用のレンズを駆動してもよい。
実施の形態にもとづき、具体的な語句を用いて本発明を説明したが、実施の形態は、本発明の原理、応用を示しているにすぎず、実施の形態には、請求の範囲に規定された本発明の思想を逸脱しない範囲において、多くの変形例や配置の変更が可能である。
500…電子機器、501…筐体、502…レンズモジュール、504…撮像素子、506…画像処理プロセッサ、508…CPU、510…アクチュエータ、512…レンズ、100…駆動回路、102…出力端子、10…駆動電流生成部、12…D/Aコンバータ、14…電流ドライバ、16…演算増幅器、18…トランジスタ、R2…抵抗、20…コントローラ、22…波形メモリ、24…係数設定部、26…演算部、40…第1乗算器、42…係数選択部、44…第2乗算器、46…振幅計算部、48…加算器、50…開始点計算部、30…インタフェース回路、200…ボイスコイルモータ(VCM)、202…スプリング、S1…指令値、S2…制御信号。
Claims (10)
- 可動子の位置を指示する位置指令値にもとづいて、スプリングリターン機構付きボイスコイルモータを駆動する駆動回路であって、
前記位置指令値に応じた電流指令値を生成する電流指令値生成部と、
前記電流指令値に応じた制御値を生成するコントローラであって、(i)前記ボイスコイルモータの可動子の位置を固定する期間において、前記ボイスコイルモータのコイルに流れる電流に応じた電流検出値が前記電流指令値と一致するように、前記制御値を調節し、(ii)前記ボイスコイルモータの可動子の位置を変化させる遷移期間において、前記電流指令値に固定値を乗じた値を前記制御値とするコントローラと、
前記ボイスコイルモータのコイルに、前記制御値に応じた駆動電圧を印加するドライバ回路と、
を備えることを特徴とする駆動回路。 - 前記コントローラは、
前記電流検出値と前記電流指令値の誤差に応じた誤差係数を生成する比較演算器と、
前記電流指令値に前記誤差係数を乗算し、前記制御値を生成する乗算器と、
を含み、
前記比較演算器は、前記遷移期間の間アサートされるホールド信号を受け、前記ホールド信号がアサートされたときの前記誤差係数の値をラッチし、前記遷移期間の間、その値を維持することを特徴とする請求項1に記載の駆動回路。 - 可動子の位置を指示する位置指令値にもとづいて、スプリングリターン機構付きボイスコイルモータを駆動する駆動回路であって、
前記位置指令値に応じた電流指令値を生成する電流指令値生成部と、
前記電流指令値に応じて前記ボイスコイルモータのコイルを駆動する駆動部と、
を備え、
前記駆動部は、
(i)前記ボイスコイルモータの可動子の位置を固定する期間において、前記ボイスコイルモータのコイルに流れる電流に応じた電流検出値が、前記電流指令値に応じた目標値と一致するように、前記ボイスコイルモータのコイルを定電流駆動し、
(ii)前記ボイスコイルモータの可動子の位置を変化させる遷移期間において、前記コイルの両端間の電圧が、前記電流指令値に応じた目標値と一致するように、前記コイルを定電圧駆動するよう構成されることを特徴とする駆動回路。 - 一つの半導体基板上に一体集積化されたことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の駆動回路。
- フォーカシングレンズと、
その可動子が前記フォーカシングレンズに連結されたリターン機構付きボイスコイルモータと、
前記ボイスコイルモータを駆動する請求項1から4のいずれかに記載の駆動回路と、
を備えることを特徴とするレンズモジュール。 - 手ぶれ補正用レンズと、
その可動子が前記手ぶれ補正用レンズに連結されたリターン機構付きボイスコイルモータと、
前記ボイスコイルモータを駆動する請求項1から4のいずれかに記載の駆動回路と、
を備えることを特徴とするレンズモジュール。 - 請求項5または6に記載のレンズモジュールと、
前記レンズモジュールを通った光を撮像する撮像素子と、
を備えることを特徴とする電子機器。 - スプリングリターン機構付きボイスコイルモータの駆動方法であって、
可動子の位置を指示する位置指令値に応じて電流指令値を生成するステップと、
前記電流指令値に応じた制御値を生成するステップと、
前記ボイスコイルモータのコイルに、前記制御値に応じた駆動電圧を印加するステップと、
を備え、
前記制御値を生成するステップは、
(i)前記ボイスコイルモータの可動子の位置を固定する期間において、前記ボイスコイルモータのコイルに流れる電流に応じた電流検出値が前記電流指令値と一致するように、前記制御値を調節し、
(ii)前記ボイスコイルモータの可動子の位置を変化させる遷移期間において、前記電流指令値に固定値を乗じた値を前記制御値とすることを特徴とする駆動方法。 - 前記制御値を生成するステップは、
前記電流検出値と前記電流指令値の誤差に応じた誤差係数を生成するステップと、
前記電流指令値に前記誤差係数を乗算し、前記制御値を生成するステップと、
前記遷移期間の間アサートされるホールド信号にもとづき、前記ホールド信号がアサートされたときの前記誤差係数の値をラッチし、前記遷移期間の間、その値を維持するステップと、
を含むことを特徴とする請求項8に記載の駆動方法。 - スプリングリターン機構付きボイスコイルモータの駆動方法であって、
可動子の位置を指示する位置指令値に応じて電流指令値を生成するステップと、
(i)前記ボイスコイルモータの可動子の位置を固定する期間において、前記ボイスコイルモータのコイルに流れる電流に応じた電流検出値が、前記電流指令値に応じた目標値と一致するように、前記ボイスコイルモータのコイルを定電流駆動するステップと、
(ii)前記ボイスコイルモータの可動子の位置を変化させる遷移期間において、前記コイルの両端間の電圧が、前記電流指令値に応じた目標値と一致するように、前記コイルを定電圧駆動するステップと、
を備えることを特徴とする駆動方法。
Priority Applications (1)
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JP2013014403A JP2014147221A (ja) | 2013-01-29 | 2013-01-29 | スプリングリターン機構付きボイスコイルモータの駆動回路およびそれを用いたレンズモジュールおよび電子機器、ならびにボイスコイルモータの駆動方法 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN110729943A (zh) * | 2019-10-24 | 2020-01-24 | 广东威博特科技有限公司 | 一种提高线性马达振动一致性的方法 |
JP2020120496A (ja) * | 2019-01-23 | 2020-08-06 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | アクチュエータ駆動装置 |
-
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- 2013-01-29 JP JP2013014403A patent/JP2014147221A/ja active Pending
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