JP2014234763A - 密閉型圧縮機 - Google Patents
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Abstract
【課題】高い運転周波数で運転される場合でも、スラストボールベアリングへの給油を確実にして給油不足となるのを防止する。
【解決手段】密閉型圧縮機は、密閉容器内底部に潤滑油を貯溜すると共に、電動要素と圧縮要素を収容し、圧縮要素は、主軸部と偏心軸部とを有するクランクシャフト、シリンダブロック、ピストン、コンロッド、クランクシャフトの主軸部を支持する主軸受11及びクランクシャフトを軸方向に支持するスラストボールベアリング12などを備える。このスラストボールベアリング12は、ボール12aと、該ボールを保持する保持器12bと、上レース12cと、下レース12dを備え、また保持器の回転遠心方向側に配設され、スラストボールベアリングに供給される潤滑油を保持するための軸方向の壁部21aを有する油捕集手段21が設けられている。
【選択図】図2
【解決手段】密閉型圧縮機は、密閉容器内底部に潤滑油を貯溜すると共に、電動要素と圧縮要素を収容し、圧縮要素は、主軸部と偏心軸部とを有するクランクシャフト、シリンダブロック、ピストン、コンロッド、クランクシャフトの主軸部を支持する主軸受11及びクランクシャフトを軸方向に支持するスラストボールベアリング12などを備える。このスラストボールベアリング12は、ボール12aと、該ボールを保持する保持器12bと、上レース12cと、下レース12dを備え、また保持器の回転遠心方向側に配設され、スラストボールベアリングに供給される潤滑油を保持するための軸方向の壁部21aを有する油捕集手段21が設けられている。
【選択図】図2
Description
本発明は、冷凍冷蔵装置等の冷凍サイクルに搭載される密閉型圧縮機に関し、特に往復動形の密閉型圧縮機に好適なものである。
近年の冷凍冷蔵装置などは高効率化の要求が高く、この高効率化のために冷凍冷蔵装置などに搭載される密閉型圧縮機は、商用電源周波数未満の低い運転周波数から商用電源周波数以上の高い運転周波数までの広領域となるようにその運転範囲が拡大されてきている。また、前記密閉型圧縮機におけるクランクシャフトを軸方向に支持するスラスト軸受は、従来は滑り軸受であったが、最近では転がり軸受であるスラストボールベアリングが多く採用され、摺動損失低減が進められてきている。このため、前記スラストボールベアリング使用による信頼性及び摺動損失低減効果(効率向上)を満足するように、このスラストボールベアリングへの給油が重要になる。
なお、この種の従来技術としては、特開2010−101278号公報(特許文献1)に記載されているものなどがある。この特許文献1には、密閉容器内に潤滑油を貯溜すると共に、固定子と回転子を備えた電動要素と、前記電動要素によって駆動される圧縮要素を収容し、前記圧縮要素は、前記回転子が固定された主軸部と偏心軸部とを有するクランクシャフトと、圧縮室を備えたシリンダブロックと、前記圧縮室内で往復運動するピストンと、前記ピストンと前記偏心軸部とを連結するコンロッドと、前記シリンダブロックに設けられ前記主軸部を支持する主軸受と、前記主軸受のスラスト面に配設されたスラストボールベアリングとを備え、前記スラストボールベアリングは、保持器(ホルダー部)に保持された複数のボールと、前記ボールの上下にそれぞれ配設され該ボールの軌道面となる平板の上レースと下レースとを有する密閉型圧縮機が記載されている。
また、この特許文献1のものには、前記クランクシャフトの下端を前記密閉容器内の潤滑油に浸漬し、このクランクシャフトが回転することにより、潤滑油を圧縮要素の各部に供給して摺動部の潤滑を行う給油構造が記載されている。
上記特許文献1のものでは、前記クランクシャフトと、前記シリンダブロックに設けた軸受部(前記主軸受及び前記スラストボールベアリングの部分)との径方向及び軸方向の隙間から、潤滑油は前記スラストボールベアリングに供給され、このスラストボールベアリングに供給される潤滑油は、前記クランクシャフトと、上レース及び保持器の回転による遠心力により外周方向へ排出される。
このため、遠心力が大きくなる商用電源周波数以上の高い運転周波数領域で運転される場合、遠心力が小さくなる商用電源周波数未満の低い運転周波数領域での運転に比べて、ボールと上レース及び下レースとの摺動に必要な冷凍機油が外周方向へ排出され易い。従って、前記スラストボールベアリングへの給油不足を招き易くなり、信頼性低下や効率低下を引き起こすという課題があった。
なお、商用電源周波数で運転される場合であっても、商用電源周波数が高い場合には、同様に遠心力の影響により信頼性及び効率の低下を招く。
なお、商用電源周波数で運転される場合であっても、商用電源周波数が高い場合には、同様に遠心力の影響により信頼性及び効率の低下を招く。
本発明の目的は、高い運転周波数で運転される場合でも、クランクシャフトを軸方向に支持するスラストボールベアリングへの給油を確実にして給油不足となるのを防止し、これによって高信頼性及び高効率化を図ることのできる密閉型圧縮機を得ることにある。
上記課題を解決するために、本発明は、密閉容器内底部に潤滑油を貯溜すると共に、固定子と回転子を備えた電動要素と、この電動要素によって駆動される圧縮要素を収容し、前記圧縮要素は、前記回転子が固定された主軸部と偏心軸部とを有するクランクシャフトと、圧縮室を備えたシリンダブロックと、前記圧縮室内で往復運動するピストンと、前記ピストンと前記偏心軸部とを連結するコンロッドと、前記シリンダブロックに設けられ前記クランクシャフトの主軸部を支持する主軸受と、前記主軸受のスラスト面に配設され、前記クランクシャフトを軸方向に支持するスラストボールベアリングを備える密閉型圧縮機において、前記スラストボールベアリングは、ボールと、該ボールを保持する保持器と、該保持器の上方に配設された上レースと、該保持器の下方に配設された下レースとを備え、前記スラストボールベアリングの保持器の回転遠心方向側に配設され、前記スラストボールベアリングに供給される潤滑油を保持するための軸方向の壁部を有する油捕集手段を設けていることを特徴とする。
本発明によれば、高い運転周波数で運転される場合でも、クランクシャフトを軸方向に支持するスラストボールベアリングへの給油を確実にして給油不足となるのを防止することができ、これによって高信頼性及び高効率化を図ることのできる密閉型圧縮機を得ることができる効果がある。
以下、本発明の密閉型圧縮機の具体的実施例を図面に基づいて説明する。なお、各図において、同一符号を付した部分は同一或いは相当する部分を示す。
本発明の実施例1を説明する前に、まず、一般的な密閉型圧縮機の構成を、図5及び図6を用いて説明する。図5は一般的な密閉型圧縮機を示す縦断面図、図6は図5に示すスラストボールベアリング部を拡大して示す要部拡大図である。
図5において、1は密閉容器で、この密閉容器1内の底部には潤滑油(冷凍機油)が貯留されている。また、この密閉容器1内には、回転子3a及び固定子3bを備えた電動要素3と、この電動要素3によって駆動される圧縮要素4が収容されている。
前記圧縮要素4は、前記回転子3aが固定された主軸部5aと偏心軸部(ピン部)5bを有するクランクシャフト5、圧縮工程が行われる圧縮室6を形成するためのシリンダ7などを備えたシリンダブロック8、前記圧縮室6内で往復運動するピストン9、このピストン9と前記偏心軸部5bとを連結するコンロッド10、前記シリンダブロック8に設けられ、前記クランクシャフト5の主軸部5aを支持する主軸受11、この主軸受11のスラスト面側に配設され、前記クランクシャフト5を軸方向に支持するスラストボールベアリング(スラスト軸受)12などにより構成されている。
13は前記シリンダ7の端部に設けられたバルブプレートで、このバルブプレート13は前記シリンダブロック8に固定されている。また、前記シリンダブロック8と前記バルブプレート13との間には吸入バルブ(図示せず)が設けられている。
前記ピストン6は、コンロッド10を介してクランクシャフト5の偏心軸部5bに連結され、軸受部(主軸受11及びスラストボールベアリング12)に支持されている前記クランクシャフト5が前記電動要素3により回転すると、前記偏心軸部5b及びコンロッド8を介して前記ピストン9は往復運動する。このピストン9の往復運動により圧縮動作(圧縮工程)が行われるように構成されている。
この圧縮動作中、シリンダ7とピストン9、ピストン9とコンロッド10、コンロッド10とクランクシャフト5、クランクシャフト5と前記軸受部など、それぞれの摺動部の摺動面には潤滑油が供給されて油膜が形成され、摺動面での金属接触を防止して、圧縮機の信頼性を確保するようにしている。
次に、上記各摺動部に潤滑油を供給するための給油構造について説明する。
前記クランクシャフト5下部には遠心オイルポンプ通路14が設けられており、この遠心オイルポンプ通路14により密閉容器1底部の潤滑油(冷凍機油)2が吸い上げられる。この吸い上げられた潤滑油2は、クランクシャフト5に形成された下オイルポンプ孔15を通り、クランクシャフト5の外周面に形成され粘性オイルポンプとなるスパイラル溝16を通過した後、前記下オイルポンプ孔15に対して上方向に位置した上オイルポンプ孔17に到達する。ここから、潤滑油は、前記偏心軸部5b内に形成された給油穴18に導かれ、この給油穴18の上端18aや該給油穴18と連通するように形成した径方向給油穴18bなどから、シリンダ7との摺動面となるピストン9の外周上面9aなどに、放射状に飛散され、これによって各摺動面の潤滑が行なわれる。
前記クランクシャフト5下部には遠心オイルポンプ通路14が設けられており、この遠心オイルポンプ通路14により密閉容器1底部の潤滑油(冷凍機油)2が吸い上げられる。この吸い上げられた潤滑油2は、クランクシャフト5に形成された下オイルポンプ孔15を通り、クランクシャフト5の外周面に形成され粘性オイルポンプとなるスパイラル溝16を通過した後、前記下オイルポンプ孔15に対して上方向に位置した上オイルポンプ孔17に到達する。ここから、潤滑油は、前記偏心軸部5b内に形成された給油穴18に導かれ、この給油穴18の上端18aや該給油穴18と連通するように形成した径方向給油穴18bなどから、シリンダ7との摺動面となるピストン9の外周上面9aなどに、放射状に飛散され、これによって各摺動面の潤滑が行なわれる。
また、上記のように構成された給油経路の途中において、クランクシャフト5と軸受部との軸方向及び径方向の隙間から前記スラストボールベアリング12への給油も行なわれる。
このスラストボールベアリング12の部分の構成を図6に示す要部拡大図により説明する。スラストボールベアリング12は、ボール12a、該ボール12aを保持する保持器(ホルダー部)12b、該保持器12bの上方に配設され前記ボール12aの軌道面となる上レース12c、前記保持器12bの下方に配設され前記ボール12aの軌道面となる下レース12dを備えている。なお、19は、前記下レース12dと前記主軸受11のスラスト面20との間に設けられ、前記スラストボールベアリング12を支持する調心部材である。
このように構成された密閉型圧縮機においては、上記スラストボールベアリング12への給油が、商用電源周波数未満の低い運転周波数帯域でクランクシャフト5が回転される場合に比べ、商用電源周波数以上の高い運転周波数領域でクランクシャフト5が駆動される場合、クランクシャフト5、上レース12c及び保持器12bの回転により、給油される潤滑油に大きな遠心力が作用する。このため、前記スラストボールベアリング12に給油された潤滑油がスラストボールベアリング12の部分に保持されずに回転遠心方向(径方向)に排出されてしまい、スラストボールベアリング12の部分の摺動に必要な潤滑油量が不足(給油不足)し易い構造となっている。
スラストボールベアリング12が給油不足になると、密閉型圧縮機の信頼性及び効率を低下させる要因となる。そこで、本発明の密閉型圧縮機の実施例1では図1及び図2に示す構成としている。以下、本発明の実施例1を、図1及び図2を用いて説明する。
図1は本発明の密閉型圧縮機の実施例1を示す縦断面図、図2は図1に示すスラストボールベアリング部を拡大して示す要部拡大図である。また、これらの図1及び図2において、上述した図5及び図6と同一符号を付した部分は同一或いは相当する部分であり、密閉型圧縮機としての基本構成は同一である。従って、シリンダ7とピストン9、ピストン9とコンロッド10、コンロッド10とクランクシャフト5、クランクシャフト5と軸受部(主軸受11やスラストボールベアリング12)などの各摺動部に潤滑油を供給するための給油構造については図1及び図2に示すものも、上述した図5及び図6に示したものと同一であるので、同一部分についての説明は省略する。
即ち、遠心オイルポンプを用いた給油経路は、図5に示すものと同様に、密閉容器1底部の潤滑油(冷凍機油)は、遠心オイルポンプ通路14から吸い上げられ、下オイルポンプ孔15を通り、粘性オイルポンプとなるスパイラル溝16を通過した後、前記下オイルポンプ孔14に対して上方向に位置した上オイルポンプ孔17に到達する。ここから、潤滑油は、前記偏心軸部5b内に形成された給油穴18に導かれ、この給油穴18の上端18aや径方向給油穴18bなどから、シリンダ7との摺動面となるピストン9の外周上面9aなどに放射状に飛散され、これによって各摺動面の潤滑が行なわれる。
また、上記給油経路の途中において、クランクシャフト5と軸受部との径方向及び軸方向の隙間から前記スラストボールベアリング12への給油も行なわれる。
また、上記給油経路の途中において、クランクシャフト5と軸受部との径方向及び軸方向の隙間から前記スラストボールベアリング12への給油も行なわれる。
本実施例における前記スラストボールベアリング12の部分の構成を図2に示す要部拡大図により説明する。スラストボールベアリング12は、図5に示したものと同様に、ボール12a、該ボール12aを保持する保持器(ホルダー部)12b、該保持器12bの上方に配設され前記ボール12aの軌道面となる上レース12c、前記保持器12bの下方に配設され前記ボール12aの軌道面となる下レース12dを備えている。また、前記スラストボールベアリング12を支持する調心部材19も、前記下レース12dと前記主軸受11のスラスト面20との間に設けられている。
本実施例においては、前記スラストボールベアリング12に給油された潤滑油がスラストボールベアリング12の部分に保持されずに遠心方向(径方向)に排出されてしまうのを防止するために、この遠心方向に排出される潤滑油を捕集するための油捕集部(油捕集手段)21を備えている。この油捕集部21は、前記スラストボールベアリング12の保持器12bの回転遠心方向側に配設され、前記スラストボールベアリング12に供給される潤滑油を保持するための軸方向の壁部を有するものである。
即ち、本実施例においては、図2に示すように、前記油捕集部21は、前記スラストボールベアリング12の下レース12dを外径方向に延ばすと共に更に軸方向に曲げて軸方向の壁部21aを形成することにより構成され、この軸方向の壁部21aは、前記下レース12dを前記保持器12bの回転遠心方向側まで延長して形成されている。
このように構成することにより、クランクシャフト5、上レース12c及び保持器12bの回転により、スラストボールベアリング12に給油される潤滑油に大きな遠心力が作用しても、前記油捕集部21の軸方向の壁部21aにより、前記潤滑油が遠心方向(径方向)に排出されてしまうのを抑制することができる。従って、スラストボールベアリング12の部分の摺動に必要な潤滑油量を確保し、給油不足となるのを防止することができるので、高い運転周波数で運転される場合であっても、密閉型圧縮機の信頼性を確保し、また軸受部の摺動損失を低減できるので、高効率化を図ることもできる。
以上のように、本実施例においては、運転周波数の変化に影響がなく回転しない下レース12dを外径方向に延ばすと共に更に軸方向に曲げて環状形状に形成した壁部21aを有する油捕集部21を備えているので、この油捕集部21により保持器12bから回転遠心方向に排出される潤滑油を捕集することができる。これにより商用電源周波数以上の高い運転周波数領域でもスラストボールベアリング12への給油が円滑となり、潤滑に必要な給油量の潤滑油をスラストボールベアリング12部に保持することができ、高信頼性で高効率な密閉型圧縮機を得ることができる。
なお、本実施例では、下レース12dに設けた前記油捕集部21の軸方向の壁部21aを、保持器12bに保持されているボール12aの高さ以上となる位置まで設けている。具体的には、図2に示すように、本実施例では、前記油捕集部21の軸方向の壁部21aは、前記上レース12cの径方向部分まで設けられている。
前記油捕集部21の軸方向の壁部21aをこのように構成することにより、遠心方向に流れる潤滑油をより効率的に捕集することが可能になり、より多くの潤滑油をスラストボールベアリング12部に確保することが可能となるから、より高信頼性でより高効率な密閉型圧縮機とすることができる。
本発明の密閉型圧縮機の実施例2を図3及び図4により説明する。図3は本発明の密閉型圧縮機の実施例2を示す縦断面図、図4は図3に示すスラストボールベアリング部を拡大して示す要部拡大図である。また、これらの図3及び図4において、上述した図1、図2、図5及び図6と同一符号を付した部分は同一或いは相当する部分であり、密閉型圧縮機としての基本構成は同一である。従って、クランクシャフト5と軸受部(主軸受11やスラストボールベアリング12)などの各摺動部に潤滑油を供給するための給油構造については図3及び図4に示すものも、上述した図1、図2、図5及び図6に示したものと同一であるので、同一部分についての説明は省略する。
即ち、本実施例2の図3に示す密閉型圧縮機における遠心オイルポンプによる給油構造や給油経路は、上記図1や図5に示すものと同様であり、また、上記給油経路の途中において、クランクシャフト5と軸受部との径方向及び軸方向の隙間から前記スラストボールベアリング12への給油も同様に行なわれる。
本実施例2においても、前記スラストボールベアリング12に給油された潤滑油がスラストボールベアリング12の部分に保持されずに回転遠心方向(径方向)に排出されてしまうのを防止するために、この回転遠心方向に排出される潤滑油を捕集するための油捕集手段が備えられている。また、本実施例2における油捕集手段は、下レース12dと調心部材19との間に、前記下レース12dとは別部材で構成された油捕集部材22を設けて構成したものである。以下、この構成を図4に示す要部拡大図により説明する。
上記実施例1においては、油捕集手段を、下レース12dを外径方向に延ばすと共に更に軸方向に曲げて環状形状に形成した壁部21aを有する油捕集部21を備えた構成としたものであるが、本実施例2における油捕集手段は、図4に示すように、前記下レース12dとは別部材で構成された油捕集部材22を設けているものである。
即ち、スラストボールベアリング12の下レース12dについては、上記図5に示した下レース12dに使用されているものと同様のものを使用し、この下レース12dの下部と調心部材19との間に、下レース12dとは別部材の油捕集部材22を設け、この油捕集部材22の外径側に潤滑油を捕集するための軸方向の壁部22aを備えた構造としたものである。
前記油捕集部材22を更に詳しく説明する。この油捕集部材22は、前記下レース12dと調心部材19との間に配設された底面部22bと、この底面部22bの外径側から更に軸方向に曲げて形成された環状形状で軸方向の壁部22aにより構成され、この軸方向の壁部22aは前記保持器12bの回転遠心方向側まで延長して配設されている。
また、上記実施例1と同様に、本実施例2においても、前記油捕集部材22の軸方向の壁部22aは、前記保持器12bに保持されているボール12aの高さ以上となる位置まで(具体的には、図4に示すように、前記上レース12cの径方向部分まで)設けられている。
このように、油捕集手段としての油捕集部材22を前記下レース12dとは別部材として設けることにより、スラストボールベアリング12の摺動部としての材質(例えば、SAE規格のSAE1075やJIS規格のSK85など)及び板厚(例えば1.2mm)などの構造強度の制約が少なくなる。従って、前記油捕集部材22を、より安価で、より製作し易い材質の材料で構成することが可能となる。
以上説明したように、本実施例2によれば、油捕集手段を、前記下レース12dとは別部材となる油捕集部材22を用いて構成しているので、油捕集手段(油捕集部材22)の板厚を薄くすることが可能となり、下レース12dに油捕集部21を一体形成する上記実施例1の場合と比較して、下レース12dの加工性及び寸法精度を確保し易くなる。また、下レース12dとは別部材で構成された油捕集部材22は摺動面を持たないから、安価で加工性の良い材料を使用することができ、しかも上記実施例1と同様に、広い運転範囲、或いは高速回転される密閉型圧縮機の信頼性及び効率を向上させることができる。
なお、前記油捕集部材22は、本実施例では、前記下レース12dと調心部材19との間に配設する例を示したが、前記油捕集部材22は前記下レース12dや調芯部材19に固定しても、或いは主軸受11やシリンダブロック8などの静止部材に固定するようにしても良く、前記スラストボールベアリング12部に供給される潤滑油を保持することができる構成であれば良い。
以上説明した本発明の各実施例によれば、スラストボールベアリング12の保持器12bの回転遠心方向側に配設されて、前記スラストボールベアリング12に供給される潤滑油を保持するための軸方向の壁部21aまたは22aを有する油捕集手段(油捕集部21または油捕集部材22)を設けている。これにより、商用電源周波数以上の高い運転周波数で運転される場合でも、クランクシャフト5を軸方向に支持するスラストボールベアリング12への給油を確実にして給油不足となるのを防止することができ、油膜形成に必要な潤滑油を確保できる。従って、スラストボールベアリング12部での金属接触による異常摩耗や入力増加を防止することができ、高信頼性で高効率な密閉型圧縮機を得ることができる。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。また、上記した実施例は本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。更に、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
1:密閉容器、2:潤滑油(冷凍機油)、
3:電動要素、3a:回転子、3b:固定子、
4:圧縮要素、
5:クランクシャフト、5a:主軸部、5b:偏心軸部、
6:圧縮室、7:シリンダ、
8:シリンダブロック、
9:ピストン、9a:外周上面、
10:コンロッド、
11:主軸受、
12:スラストボールベアリング、12a:ボール、12b:保持器(ホルダー部)、
12c:上レース、12d:下レース、
13:バルブプレート、
14:遠心オイルポンプ通路、
15:下オイルポンプ孔、16:スパイラル溝、17:上オイルポンプ孔、
18:給油穴、18a:給油穴の上端、18b:径方向給油穴、
19:調心部材、20:スラスト面、
21:油捕集部(油捕集手段)、21a:壁部、
22:油捕集部材(油捕集手段)、22a:壁部、22b:底面部。
3:電動要素、3a:回転子、3b:固定子、
4:圧縮要素、
5:クランクシャフト、5a:主軸部、5b:偏心軸部、
6:圧縮室、7:シリンダ、
8:シリンダブロック、
9:ピストン、9a:外周上面、
10:コンロッド、
11:主軸受、
12:スラストボールベアリング、12a:ボール、12b:保持器(ホルダー部)、
12c:上レース、12d:下レース、
13:バルブプレート、
14:遠心オイルポンプ通路、
15:下オイルポンプ孔、16:スパイラル溝、17:上オイルポンプ孔、
18:給油穴、18a:給油穴の上端、18b:径方向給油穴、
19:調心部材、20:スラスト面、
21:油捕集部(油捕集手段)、21a:壁部、
22:油捕集部材(油捕集手段)、22a:壁部、22b:底面部。
Claims (5)
- 密閉容器内底部に潤滑油を貯溜すると共に、固定子と回転子を備えた電動要素と、この電動要素によって駆動される圧縮要素を収容し、前記圧縮要素は、前記回転子が固定された主軸部と偏心軸部とを有するクランクシャフトと、圧縮室を備えたシリンダブロックと、前記圧縮室内で往復運動するピストンと、前記ピストンと前記偏心軸部とを連結するコンロッドと、前記シリンダブロックに設けられ前記クランクシャフトの主軸部を支持する主軸受と、前記主軸受のスラスト面に配設され、前記クランクシャフトを軸方向に支持するスラストボールベアリングを備える密閉型圧縮機において、
前記スラストボールベアリングは、ボールと、該ボールを保持する保持器と、該保持器の上方に配設された上レースと、該保持器の下方に配設された下レースとを備え、
前記スラストボールベアリングの保持器の回転遠心方向側に配設され、前記スラストボールベアリングに供給される潤滑油を保持するための軸方向の壁部を有する油捕集手段を設けている
ことを特徴とする密閉型圧縮機。 - 請求項1に記載の密閉型圧縮機において、前記油捕集手段は、前記スラストボールベアリングの下レースを、前記保持器の回転遠心方向側まで延長して前記軸方向の壁部を形成することにより構成していることを特徴とする密閉型圧縮機。
- 請求項1に記載の密閉型圧縮機において、前記油捕集手段は、前記下レースとは別部材の油捕集部材で構成され、前記下レースと静止部材との間に固定される固定部と、この固定部から延長され前記保持器の回転遠心方向側で軸方向に延びる軸方向の壁部を有することを特徴とする密閉型圧縮機。
- 請求項1〜3の何れかに記載の密閉型圧縮機において、前記油捕集手段の軸方向の壁部は、前記ボールの高さ以上となる位置まで設けられていることを特徴とする密閉形圧縮機。
- 請求項4に記載の密閉型圧縮機において、前記油捕集手段の軸方向の壁部は、前記上レースの径方向部分の位置まで設けられていることを特徴とする密閉型圧縮機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013116596A JP2014234763A (ja) | 2013-06-03 | 2013-06-03 | 密閉型圧縮機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013116596A JP2014234763A (ja) | 2013-06-03 | 2013-06-03 | 密閉型圧縮機 |
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Family Applications (1)
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2013
- 2013-06-03 JP JP2013116596A patent/JP2014234763A/ja active Pending
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