JP2014234560A - 水分散型樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】接着性および塗工性に優れ、臭気性が低い繊維構造物用水分散型樹脂組成物を提供する。
【解決手段】本発明は、(A)水系樹脂エマルションと、(B)アミノアルコールとを含む繊維構造物用水分散型樹脂組成物に関する。
【選択図】なし
【解決手段】本発明は、(A)水系樹脂エマルションと、(B)アミノアルコールとを含む繊維構造物用水分散型樹脂組成物に関する。
【選択図】なし
Description
本発明は、水分散型樹脂組成物に関する。より詳細には、繊維構造物に塗布される水分散型樹脂組成物に関する。
繊維製品の性能を向上させるため、繊維加工剤を繊維構造物に塗布し、臭気や防汚性等の衛生面改良、耐久性や強度等の物理特性の向上、風合いや触感等の外観の改善等が行われてきた。種々の改善が要望される繊維製品の一つとして、紙おむつ、失禁パッド、生理用ナプキン、ペットシート、病院用ガウン、手術用白衣、シーツ、エプロン、白衣、手術衣、手術用手袋、マスク等の衛生材料がある。上記衛生材料のうち、紙オムツ、失禁パッド及び生理用ナプキン等は吸収物品と称され、繊維構造物である不織布や水分吸収体、さらには、高分子シートから構成されている。
一般的に、吸収物品は、水分吸収体(以下、本明細書においては「水分」とは、塩類、固形分等を含んでよい一般的な水、例えば蒸留水、イオン交換水等であって、具体的には、例えば、尿や血液等の体液をいう。)が紙等で覆われ、その紙等の一部がホットメルト接着剤等で止められて、着用者の肌に直接あたる通気性の高分子シートと不透水性の不織布の間に設けられているという構造を有する。
これらの吸収物品は、衛生的であって、吸水性及び保水性が高い等という特性が求められている。この水分吸収体は、通常、パルプでできた薄型の繊維集合体であって、この繊維集合体中には必要に応じて、多量の水分を吸収し保持することができる吸水性高分子を含んでいる。
しかし、このような水分吸収体は、多量の水分を吸収した状態では、機械的強度が十分ではないので、自重によって吸収体の形状が崩れて割れてしまい、吸収物品内部で通気性高分子シートと不織布の間で吸収体が移動してしまう。その結果、吸収物品内部で水分吸収体の分布に偏りが生じ、吸収物品が充分に水分を吸収できずに漏れが生ずるという問題が発生してしまう。
この問題を解決するために、特許文献1には、ホットメルト接着剤をファイバー状に吐出し、複数のホットメルト接着剤をオーバーラップさせることで、水分吸収体の偏りを少なくする方法が記載されている。しかし、この方法では、水分吸収体の偏りを完全に防ぐことはできない。
特許文献2には、ホットメルト接着剤ではなく、水系エマルションで繊維を強く結合して繊維集合体を製造し、繊維間の結合力が高い繊維集合体で水分吸収体分布の偏りを防止する旨が開示されている。しかしながら、文献2では、繊維集合体へ多量のエマルションをミスト状に塗工する必要があった。エマルションを繊維集合体へ多量に塗工すると繊維基材の乾燥に時間がかかるので、エマルションは高速ライン塗工には適さず、繊維製品を生産するのに好適とは言えない。その他にも、多量のエマルション塗工には、幾つかの問題点があった。多量のエマルションをミスト状に塗布すると、エマルションミストが飛散し作業環境が悪化するうえ、エマルションが被着体以外に付着することで、生産ラインを汚染することがある。さらには、衛生材料の生産を考慮すると、多量のエマルション塗工は刺激臭を伴うので好ましくない。エマルションの塗工量を少なくすると、繊維集合体へエマルションが充分に浸透せず、その結果、繊維間の結合強度にムラができ、水分吸収体の偏りを完全に防止できない。
本発明は、上記課題を解決し、繊維への塗工性が良好で、繊維間の接着強度に優れた水分散型樹脂組成物であって、特に、臭気もなく、衛生材料の製造に適した水分散型樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、(A)水系樹脂エマルションおよび(B)アミノアルコールを含む水分散型樹脂組成物は、繊維構造物への複雑な塗工が可能となり、種々の塗工において繊維に満遍なく塗布されることで、繊維間同士の結合が強くなることを見出し、本発明を完成させるに至った。これにより、吸水性高分子を含む繊維構造物において、多量の水分を吸収した場合も、吸水性高分子の偏りを少なくすることができる。
すなわち、本発明および本発明の好ましい態様は以下のとおりである。
1. (A)水系樹脂エマルションと、(B)アミノアルコールとを含む繊維構造物用水分散型樹脂組成物。
2. 前記(A)水系樹脂エマルションが、1以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物の重合体を含むことを特徴とする上記1に記載の水分散型樹脂組成物。
3. 前記(B)アミノアルコールが、アミノ基を有する炭素数1〜10の脂肪族アルコールであることを特徴とする上記1または2に記載の水分散型樹脂組成物。
4. 前記(B)アミノアルコールがCH3-C(NH2)(CH3)CH2-OHで示される2-アミノ-2-メチル-1-プロパノールを含んでいる、上記1〜3のいずれかに記載の水分散型樹脂組成物。
5. 前記(A)水系樹脂エマルションが、下記式(I)で表される化合物を含むモノマーの重合体を含む、上記1〜4のいずれかに記載の水分散型樹脂組成物。
CH2=C(R1)-COOR2 (I)
[式(I)中、R1は水素原子又はメチル基、R2は水素原子またはアルキル基である。]
[式(I)中、R1は水素原子又はメチル基、R2は水素原子またはアルキル基である。]
6. 前記(A)水系樹脂エマルションが、メチルメタクリレート、ブチルアクリレートおよびアクリル酸の共重合体を含む、上記1〜5のいずれかに記載の水分散型樹脂組成物。
7. 前記(A)水系樹脂エマルションの固形分のガラス転移温度が−50〜80℃である、上記1〜6のいずれかに記載の水分散型樹脂組成物。
8. 前記(A)水系樹脂エマルションの固形分100重量部に対し、前記(B)アミノアルコールが0.1〜3.0重量部である、上記1〜7のいずれかに記載の水分散型樹脂組成物。
9. pHが4.0〜9.0に調整された上記1〜8のいずれかに記載の水分散型樹脂組成物。
10. 粘度(温度30℃、固形分濃度45重量%)が10〜2000mPa・sである上記1〜9のいずれかに記載の水分散樹脂組成物。
11. 上記1〜10のいずれかに記載の水分散型樹脂組成物が繊維構造物に塗工されることで得られる衛生材料。
本発明の水分散型樹脂組成物は、(A)水系樹脂エマルションと(B)アミノアルコールを含むことで、臭気性が低く、繊維構造物に対してドット塗工が可能であり、被着体である繊維の結合力を強くすることができる。紙おむつ等の吸収物品を構成する繊維構造物に本発明の水分散型樹脂組成物を塗布すると、繊維構造物内の水分吸収体が繊維間でしっかり保持されるので、水分吸収性に優れた吸収物品が得られる。
本発明に係る水分散型樹脂組成物は、(A)水系樹脂エマルションおよび(B)アミノアルコールを含む。ここで、本発明において、「(A)水系樹脂エマルションおよび(B)アミノアルコールを含む」とは、組成物中、これら成分の一部または全部が反応していてもよいものとする。本発明の水分散型樹脂組成物は、繊維構造物に塗工するのに適している。
(A)水系樹脂エマルション
本発明において、(A)水系樹脂エマルションは、分散質であるポリマー微粒子、および分散媒である水性媒体の双方を含む分散液である。ポリマー微粒子が水性媒体に分散されることによって、エマルション(乳液、乳濁物)となる。以下、(A)水系樹脂エマルションを、単に「(A)エマルション」または「(A)成分」と記載することもある。
本発明において、(A)水系樹脂エマルションは、分散質であるポリマー微粒子、および分散媒である水性媒体の双方を含む分散液である。ポリマー微粒子が水性媒体に分散されることによって、エマルション(乳液、乳濁物)となる。以下、(A)水系樹脂エマルションを、単に「(A)エマルション」または「(A)成分」と記載することもある。
本明細書において「水性媒体」とは、水道水、蒸留水又はイオン交換水等の一般的な水のことをいうが、水溶性又は水に分散可能な有機溶剤であって、本発明に関するエマルションの原料(例えば、単量体等)と反応性の乏しい有機溶剤を含んでもよい。
本発明に用いる水系樹脂エマルションは、さらに、水溶性又は水に分散可能な単量体、オリゴマー、プレポリマー及び/又は樹脂等を含んでもよく、また後述するように水系樹脂又は水溶性樹脂を製造する際に通常使用される、乳化剤、重合性乳化剤、重合反応開始剤、鎖延長剤及び/又は各種添加剤等を含んでもよい。
(A)水系樹脂エマルションとして、特に限定はされないが、例えば、アクリル樹脂系エマルション、酢酸ビニル樹脂系エマルション、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系エマルション、スチレン−ブタジエン共重合体系エマルション、エチレン−酢酸ビニル共重合体系エマルション、ポリエステル樹脂系エマルション、ウレタン樹脂系エマルション、ナイロン樹脂系エマルション及びポリオレフィン系エマルション等を例示できる。また、生理処理用品自主基準関係資料集(社団法人日本衛生材料工業連合会平成10年10月発行)等を参照できる。これらの(A)水系樹脂エマルションは、単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができ、既知の方法で製造することができる。尚、(A)水系樹脂エマルションは、低臭気または無臭のものを使用するのが好ましい。
本発明において、(A)水系樹脂エマルションは、分散質として、アクリル系樹脂を含むアクリル樹脂系エマルションであることが好ましい。以下、(A)水系樹脂エマルションの一例として、アクリル樹脂系エマルションについて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
アクリル樹脂系エマルションは、(メタ)アクリル酸および/または(メタ)アクリル酸誘導体を含むモノマーの重合体を含むことが望ましい。尚、本明細書においては、アクリル酸とメタクリル酸を総称して「(メタ)アクリル酸」ともいい、アクリル酸誘導体とメタクリル酸誘導体を総称して「(メタ)アクリル酸誘導体」ともいう。
(メタ)アクリル酸または(メタ)アクリル酸誘導体は、1以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物であり、2以上の(メタ)アクリロイル基を有していてもよい。
本発明において、(A)水系樹脂エマルションは、1以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物として、下記式(I)で表される(メタ)アクリル酸および/または(メタ)アクリル酸誘導体を含むモノマーの重合体を含むことが好ましい。
CH2=C(R1)-COOR2 (I)
(式(I)中、R1は水素原子又はメチル基、R2は水素原子又は水素原子以外の官能基である。)
(式(I)中、R1は水素原子又はメチル基、R2は水素原子又は水素原子以外の官能基である。)
上記式(I)でR2が水素原子である場合、式(I)で表される化合物は(メタ)アクリル酸となり、R2が水素原子以外の官能基である場合、式(I)は(メタ)アクリル酸誘導体となる。
式(I)において、R2は、特に限定されないが、水素原子またはアルキル基であることが好ましい。後述する成分(B)を考慮すると、本発明は、(A)水系樹脂エマルションが(メタ)アクリル酸(すなわち、R2が水素原子)を含むモノマーの重合体を含むのがより好ましい。
式(I)において、R2がアルキル基の場合、アルキル基は、鎖状であっても環状であってもよく、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよい。鎖状アルキル基の場合、炭素数は1〜20が好ましく、1〜16がより好ましい。環状アルキル基の場合、炭素数は3〜8が好ましく、3〜6がより好ましい。
式(I)において、R2が鎖状アルキル基の場合、R2としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、イソノニル基、デシル基、ラウリル基、ミリスチル基、セチル基等が挙げられる。R2が環状アルキル基の場合、R2としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
「(メタ)アクリル酸誘導体」としては、(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましい。具体的には、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸n−ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ミリスチル、及び(メタ)アクリル酸セチル等が挙げられる。これらのうち、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチルがより好ましい。
さらに、本発明に用いることができる他の「(メタ)アクリル酸誘導体」として、例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル等のOH基を有する(メタ)アクリル酸エステル;ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、及びアセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸とグリコールとから得られるジエステル及びモノエステル;(メタ)アクリル酸アミド、N−メチロールアクリルアミド、及びジアセトンアクリルアミド等の(メタ)アクリル酸アミド;メタクリル酸グリシジル、及び3,4−エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート等のエポキシ基を有する(メタ)アクリル酸エステルを例示できる。
これら(メタ)アクリル酸および(メタ)アクリル酸誘導体は、1種類を単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
本発明の水分散型樹脂組成物は、(A)水系樹脂エマルションが、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸およびメタクリル酸メチルの共重合体を含む場合、臭気が少なく、繊維構造物への塗工性が良好になり、衛生材料(吸収物品)用途としてより適したものとなる。
更に、本発明においては、(A)水系樹脂エマルションの製造において、(メタ)アクリル酸および/または(メタ)アクリル酸誘導体に、他の共重合可能な単量体を単独で又は2種以上組み合わせて用いることもできる。この場合、(A)水系樹脂エマルションに含まれる重合体の製造に用いるモノマーの全重量に対し、(メタ)アクリル酸および(メタ)アクリル酸誘導体(両方含む場合はその合計)の重量が、80重量%以上(100重量%を含む)であることが好ましい。
そのような「他の共重合可能な単量体」としては、例えば、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、及び無水マレイン酸等のエチレン性二重結合を有しカルボキシル基又は酸無水物を含有する単量体;塩化ビニル、及びアクリロニトリル等のエチレン性二重結合を有し塩素又はシアノ基を含む単量体;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、t−ブチルビニルエステル、及びバーサチック酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル;スチレン等の芳香族ビニル単量体;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリプロポキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルメチルジプロポキシシラン、ビニルトリス(β-メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルトリプロポキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、及びγ-メタクリロキシプロピルトリス(イソプロポキシ)シラン等のエチレン性二重結合を有しケイ素を含有する単量体等を例示できる。
(A)水系樹脂エマルションの製造方法として、例えば、通常のエマルション重合方法(室井宗一著、高分子ラテックスの化学、第51頁〜第54頁、高分子刊行会1970年発行参照)及び強制乳化方法(特公平6−102748号公報参照)等を例示できる。また、(A)水系樹脂エマルションとして市販のものを使用することもできる。
本発明に係る(A)水系樹脂エマルションは、例えば、上述の(メタ)アクリル酸及び/又は(メタ)アクリル酸誘導体、ならびに必要に応じて他の共重合可能な単量体を用いて、公知の乳化重合法により得ることができる。「乳化重合」とは、水性媒体中、乳化剤を用いて行うラジカル重合である。本発明に係る(A)エマルションは、乳化重合法の既知の手順に従い得ることができる。
乳化重合の手順として、例えば、(メタ)アクリル酸及び/又は(メタ)アクリル酸誘導体を乳化重合させる場合、
(i)(メタ)アクリル酸及び/又は(メタ)アクリル酸誘導体と乳化剤とを、水性媒体中に仕込んで重合させる方法、
(ii)(メタ)アクリル酸及び/又は(メタ)アクリル酸誘導体と乳化剤とを、連続的又は間欠的に水性媒体中に滴下して重合させる方法
(iii)(メタ)アクリル酸及び/又は(メタ)アクリル酸誘導体と乳化剤とを、水に加えて乳化液を調製し、これを連続的又は間欠的に水性媒体中に滴下して重合させる方法
等を例示することができる。
(i)(メタ)アクリル酸及び/又は(メタ)アクリル酸誘導体と乳化剤とを、水性媒体中に仕込んで重合させる方法、
(ii)(メタ)アクリル酸及び/又は(メタ)アクリル酸誘導体と乳化剤とを、連続的又は間欠的に水性媒体中に滴下して重合させる方法
(iii)(メタ)アクリル酸及び/又は(メタ)アクリル酸誘導体と乳化剤とを、水に加えて乳化液を調製し、これを連続的又は間欠的に水性媒体中に滴下して重合させる方法
等を例示することができる。
「乳化剤」は、モノマー乳化力を有し、乳化重合の過程ではミセルを形成してモノマーに重合の場を提供し、重合中又は重合後はポリマー粒子の表面に固定化して粒子の分散安定性を図る。乳化剤として、例えば、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、高分子界面活性剤、乳化剤の一分子内にラジカル重合可能な二重結合を有する「反応性界面活性剤」等を例示できる。
「アニオン系界面活性剤」として、例えば、
ナトリウムドデシルサルフェート、カリウムドデシルサルフェート等のアルカリ金属アルキルサルフェート;
ナトリウムドデシルポリグリコールエーテルサルフェート;
アンモニウムドデシルサルフェート等のアンモニウムアルキルサルフェート;
ナトリウムスルホシノエート;
スルホン化パラフィンのアルカリ金属塩、スルホン化パラフィンのアンモニウム塩等のアルキルスルホネート;
ナトリウムラウレート、トリエタールアミンオレエート、トリエタールアミンアビエテート等の脂肪酸塩;
ナトリウムドデシルベンゼンスルホネート、アルカリフェノールヒドロキシエチレンのアルカリ金属サルフェート等のアルキルアリールスルホネート;
高アルキルナフタレンスルホン酸塩;
ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物;
ジアルキルスルホコハク酸塩;
ポリオキシエチレンアルキルサルフェート塩;
ポリオキシエチレンアルキルアリールサルフェート塩;
等を例示できる。
ナトリウムドデシルサルフェート、カリウムドデシルサルフェート等のアルカリ金属アルキルサルフェート;
ナトリウムドデシルポリグリコールエーテルサルフェート;
アンモニウムドデシルサルフェート等のアンモニウムアルキルサルフェート;
ナトリウムスルホシノエート;
スルホン化パラフィンのアルカリ金属塩、スルホン化パラフィンのアンモニウム塩等のアルキルスルホネート;
ナトリウムラウレート、トリエタールアミンオレエート、トリエタールアミンアビエテート等の脂肪酸塩;
ナトリウムドデシルベンゼンスルホネート、アルカリフェノールヒドロキシエチレンのアルカリ金属サルフェート等のアルキルアリールスルホネート;
高アルキルナフタレンスルホン酸塩;
ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物;
ジアルキルスルホコハク酸塩;
ポリオキシエチレンアルキルサルフェート塩;
ポリオキシエチレンアルキルアリールサルフェート塩;
等を例示できる。
「ノニオン系界面活性剤」として、例えば、
ポリオキシエチレンアルキルエーテル;
ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル;
ソルビタン脂肪酸エステル;
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル;
グリセロールのモノラウレート等の脂肪酸モノグリセライド;
ポリオキシエチレンオキシプロピレン共重合体;
エチレンオキサイドと脂肪族アミン、アミド又は酸との縮合生成物;
等を例示できる。
ポリオキシエチレンアルキルエーテル;
ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル;
ソルビタン脂肪酸エステル;
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル;
グリセロールのモノラウレート等の脂肪酸モノグリセライド;
ポリオキシエチレンオキシプロピレン共重合体;
エチレンオキサイドと脂肪族アミン、アミド又は酸との縮合生成物;
等を例示できる。
「高分子界面活性剤」として、例えば、ポリビニルアルコール等を例示できる。
「反応性界面活性剤」として、例えば、ポリオキシエチレンアリルグリシジルノニルフェニルエーテルの硫酸エステル塩(アデカリアソープSEシリーズ(商品名)、旭電化工業社製)、α−スルホ−ω−(1−(アルコキシ)メチル−2−(2−プロペニルオキシ)エトキシ)−ポリ(オキシ−1,2−エタンジイル)のアンモニウム塩(アデカリアソープSRシリーズ(商品名)、旭電化工業社製)、ポリオキシエチレン(又はアルキレン)アルキル(又はアルケニル)エーテル硫酸アンモニウム塩(PDシリーズ(商品名)、花王社製)、スルホコハク酸型反応性活性剤(ラテムル180シリーズ(商品名)、花王社製)、アルキルアリルスルホコハク酸ナトリウム塩(エレミノールJS−20(商品名)、三洋化成工業社製)、ポリオキシエチレンノニルプロペニルフェニルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩(アクアロンHSシリーズ(商品名)、第一工業製薬社製)、ポリオキシエチレン−1−(アリルオキシメチル)アルキルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩(アクアロンKHシリーズ(商品名)、第一工業製薬社製)、ポリオキシエチレンアリルグリシジルノニルフェニルエーテル(アデカリアソープNEシリーズ(商品名)、旭電化工業社製)、ポリオキシエチレンノニルプロペニルエーテル(アクアロンRNシリーズ(商品名)、第一工業製薬社製)、α−ヒドロ−ω−(1−(アルコキシ)メチル−2−(プロペニルオキシ)エトキシ)−ポリ(オキシ−1,2−エタンジイル)(アデカリアソープERシリーズ(商品名)、旭電化工業社製)等を例示できる。
また、ラジカル重合によって得られるアクリル系高分子の分子量を調整するために連鎖移動剤を用いる事ができる。「連鎖移動剤」として、メルカプトエタノール、チオグリセロール、チオグリコール酸、チオグリコール酸オクチル、メルカプトプロピオン酸メチル、n−ドデシルメルカプタン等を例示できる。
さらに、(A)エマルションは、必要に応じて、乳化重合後にアルカリを添加してpHを調整することが好ましい。エマルションのpHは、4.0〜9.0に調整されることが好ましく、6.0〜9.0に調整されることがより好ましく、6.5〜8.5に調整されることが特に好ましい。尚、pHはpHメータで測定することができる。本発明の水分散型樹脂組成物は、pHが上記範囲にあることによって、臭気が少なくなり、衛生材料を製造するのに適したものとなる。
乳化重合後に、エマルションのpHを調整するために用いる塩基として、例えば、ナトリウム、カリウム及びリチウム等のアルカリ金属の水酸化物及び炭酸塩;マグネシウム及びカルシウム等のアルカリ土類金属の水酸化物及び炭酸塩;アンモニア;アルキルアミン、アリルアミン、アミノアルコール等のアミン類;等を例示でき、これらは一種を単独で使用しても、二種以上を併用してもよい。なお、本発明において、これらpHを調整するための塩基は、(A)水系樹脂エマルションを構成する成分には含まれないものとする。また、pH調整剤として用いられるアミノアルコールは、(B)成分に含まれるものとする。
(A)水系樹脂エマルションの固形分のガラス転移温度(以下「Tg」ともいう)は、−50℃〜80℃以下が好ましく、−40℃〜60℃であることがより好ましく、−30℃〜60℃であることが最も望ましい。(A)エマルションの固形分のTgが、上記範囲にあることによって、繊維構造物を構成する繊維同士の結合が高くなる。ここで、(A)エマルションの固形分とは、(A)エマルションを105℃で3時間乾燥して得られる固形分のことをいう。
本明細書では、(A)水系樹脂エマルションのTgは、(A)エマルションの原料となる単量体のTgから算出される。各々の単量体が単独重合したときに得られるホモポリマーのガラス転移温度(以下「ホモポリマーのTg」ともいう)を考慮して、各単量体の混合比(重量部)を決める。具体的には、(A)エマルションのTgは、式(1)を用いて計算することによって求めることができる。
1/Tg=C1/Tg1+C2/Tg2+・・・+Cn/Tgn (1)
[算出式(1)において、Tgは、共重合体の理論Tg、Cnは、n番目の単量体nが単量体混合物中に含まれる重量割合、Tgnは、n番目の単量体nのホモポリマーのTg、nは、共重合体を構成する単量体の数であり、正の整数。]
[算出式(1)において、Tgは、共重合体の理論Tg、Cnは、n番目の単量体nが単量体混合物中に含まれる重量割合、Tgnは、n番目の単量体nのホモポリマーのTg、nは、共重合体を構成する単量体の数であり、正の整数。]
単量体のホモポリマーのTgは、文献に記載されている値を用いることができる。そのような文献として、例えば、「POLYMER HANDBOOK」(第4版;John Wiley & Sons,Inc.発行)がある。一例として、POLYMER HANDBOOKに記載された単量体のホモポリマーTgを以下に示す。
メチルメタクリレート(以下、「MMA」という)(和光純薬社製、Tg=105℃)
n−ブチルアクリレート(以下、「n−BA」という)(和光純薬社製、Tg=−56℃)
2−エチルヘキシルアクリレート(以下、「2EHA」という)(和光純薬社製、Tg=−70℃)
シクロヘキシルメタクリレート(以下、「CHMA」という)(和光純薬社製、Tg=66℃)
アクリル酸(以下、「AA」という)(和光純薬社製、Tg=106℃)
メタクリル酸(以下、「MAA」という)(和光純薬社製、Tg=130℃)
n−ブチルメタクリレート(以下、「BMA」という)(和光純薬社製、Tg=20℃)
n−ブチルアクリレート(以下、「n−BA」という)(和光純薬社製、Tg=−56℃)
2−エチルヘキシルアクリレート(以下、「2EHA」という)(和光純薬社製、Tg=−70℃)
シクロヘキシルメタクリレート(以下、「CHMA」という)(和光純薬社製、Tg=66℃)
アクリル酸(以下、「AA」という)(和光純薬社製、Tg=106℃)
メタクリル酸(以下、「MAA」という)(和光純薬社製、Tg=130℃)
n−ブチルメタクリレート(以下、「BMA」という)(和光純薬社製、Tg=20℃)
また、本発明において、(A)水系樹脂エマルションの固形分濃度は、特に限定されないが、(A)成分中、5〜70重量%であることが好ましい。
(B)アミノアルコール
本発明において、(B)アミノアルコールとは、1以上のアミノ基と、1以上のアルコール性水酸基とを有する化合物のことをいう。ここで、「アルコール性水酸基」とは、脂肪族炭化水素の炭素原子に結合した水酸基のことをいう。なお、本明細書において、(B)アミノアルコールのことを「(B)成分」と記載することもある。
本発明において、(B)アミノアルコールとは、1以上のアミノ基と、1以上のアルコール性水酸基とを有する化合物のことをいう。ここで、「アルコール性水酸基」とは、脂肪族炭化水素の炭素原子に結合した水酸基のことをいう。なお、本明細書において、(B)アミノアルコールのことを「(B)成分」と記載することもある。
(B)アミノアルコールは、1分子中、アミノ基を2個以上有していてもよく、アミノ基を1個または2個有していることが好ましい。また、アミノ基は、1級、2級、および3級アミノ基のいずれであってもよい。また、(B)アミノアルコールは、1分子中、アルコール性水酸基を2個以上有していてもよく、例えば、アルコール性水酸基を1〜3個有していることが好ましく、1個または2個有していることがより好ましい。
本発明の(B)アミノアルコールにおいては、アミノ基の窒素原子と、アルコール性水酸基とが、脂肪族基を介して結合していることが好ましく、脂肪族アルコールの炭素原子に結合した水素原子の少なくとも1つがアミノ基で置換されている化合物であることがより好ましく、炭素数1〜10の脂肪族アルコールの水素原子の少なくとも1つがアミノ基で置換されていることがさらに好ましい。
本発明の(B)アミノアルコールとして、特に限定はされないが、脂肪族アルコールの炭素原子と結合した水素原子の少なくとも1つが、下記アミノ基のいずれかで置換された化合物が挙げられる。
−NH2で表されるアミノ基;メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、ブチルアミノ基、イソブチルアミノ基、sec−ブチルアミノ基、tert−ブチルアミノ基等の炭素数1〜10の直鎖状、分枝鎖状または環状のアルキル基を1個有するアルキルアミノ基;
ジメチルアミノ基、メチルエチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基等の炭素数1〜10の直鎖状、分枝鎖状または環状のアルキル基を2個有するアルキルアミノ基;および
ピロリジル基、ピロリル基、イミダゾリル基等の環内に1以上の窒素原子を有する環状アミノ基;
で置換されている化合物が挙げられる。
ジメチルアミノ基、メチルエチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基等の炭素数1〜10の直鎖状、分枝鎖状または環状のアルキル基を2個有するアルキルアミノ基;および
ピロリジル基、ピロリル基、イミダゾリル基等の環内に1以上の窒素原子を有する環状アミノ基;
で置換されている化合物が挙げられる。
さらに、本発明において、(B)アミノアルコールは、好ましくは炭素数1〜10の脂肪族アルコール、より好ましくは炭素数1〜8の直鎖状、分枝鎖状または環状の脂肪族アルコールの水素原子の少なくとも1つが上記アミノ基で置換されていることが好ましい。
炭素数1〜10の脂肪族アルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、tert−ブタノール、ペンタノール、3−メチルブタノール、2,2−ジメチルプロパノール、3−メチル−2−ブタノール、2−エチルヘキサノール、ノナノール、デカノール、シクロヘキサノール等の直鎖状、分枝鎖状または環状の脂肪族アルコールが挙げられる。
また、本発明に用いる(B)アミノアルコールは、アルコール性水酸基を1以上有するヒドロキシアルキル基が、一のアミノ基の窒素原子に2つまたは3つ結合した構造を有していてもよい。この場合、アルコール性水酸基を1以上有するヒドロキシアルキル基は、炭素数1〜10であることが好ましい。
あるいは、(B)アミノアルコールは、上記アミノ基で置換された脂肪族アルコールの該アミノ基の水素原子がさらにアルキルアミノ基で置換されていてもよく、該アルキルアミノ基の水素原子がさらにヒドロキシアルキル基で置換されていてもよい。
炭素数1〜10の脂肪族アルコールは水性媒体に混じりやすい。よって、(B)アミノアルコールが炭素数1〜10の脂肪族アルコールに基づく構造を含むと、(A)水系樹脂エマルションと(B)アミノアルコールとが容易に混じり合い、本発明の水分散型樹脂組成物は中和されて臭気が少なくなり、さらに、繊維構造物への塗工性も向上する。
(B)アミノアルコールの具体例として、N,N-ジメチルエタノールアミン、N,N-ジエチルエタノールアミン、N,N-ジブチルエタノールアミン、N-(β-アミノエチル)エタノールアミン、N-メチルエタノールアミン、N-メチルジエタノールアミン、N-エチルエタノールアミン、N-エチルジエタノールアミン、N-n-ブチルエタノールアミン、N-n-ブチルジエタノールアミン、N-t-ブチルエタノールアミン、N-t-ブチルジエタノールアミン、N-(β-アミノエチル)イソプロパノールアミン、N,N-ジエチルイソプロパノールアミン、2-アミノ−2−メチル−1−プロパノール、2-メチルアミノ−2−メチル−1−プロパノール、2−アミノ−2−ヒドロキシメチル1,3−プロパンジオール、アミノメチル−プロパンジオールが挙げられる。アミノアルコールは、一種を単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明において、(B)アミノアルコールは、下記式(b1)で表される2-アミノ−2−メチル−1−プロパノールを含んでいるのが好ましく、2-アミノ−2−メチル−1−プロパノールおよび2-メチルアミノ−2−メチル−1−プロパノールの混合物であるのがより好ましい。2-アミノ−2−メチル−1−プロパノールおよび2-メチルアミノ−2−メチル−1−プロパノールの混合物の総重量100重量部に対し、2-アミノ−2−メチル−1−プロパノールが3〜97重量部である混合物を用いるのがさらに望ましい。
CH3-C(NH2)(CH3)CH2-OH (b1)
本発明の水分散型樹脂組成物は、(B)アミノアルコールを含むことによって、従来のエマルション塗工では困難であった複雑な塗工、例えばドット塗工等で繊維構造物に均一に塗工されることが可能となり、繊維同士の結合を強くすることができる。この繊維構造物で吸収物品を製造する場合、吸収物品内部で水分吸収体を偏りなく保持することができるので、本発明の水分散型樹脂組成物は吸収物品用途として好ましい。(B)アミノアルコールとして2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールを含むと、これら効果はより得られやすくなる。
本発明において、(B)アミノアルコールは、(A)水系樹脂エマルションに含まれる化合物がカルボキシル基(-COOH)を含む場合、カルボキシル基と中和反応し、水分散型樹脂組成物を中性付近に保つ。これにより、本発明の水分散型樹脂組成物は、臭気が少なく、種々の繊維製品、特に、衛生材料用途に好ましいものとすることができる。
(水分散型樹脂組成物)
本発明の水分散型樹脂組成物は、(A)水系樹脂エマルションおよび(B)アミノアルコールを含む。本発明の水分散型樹脂組成物は、(A)成分の固形分100重量部に対し、(B)成分が0.1〜3.0重量部であるのが好ましく、0.5〜3.0重量部であることがより好ましく、0.5〜2.0重量部であることがさらに好ましい。本発明の水分散型樹脂組成物は、(B)成分の重量割合が上記範囲にあることによって、臭気が少なく、繊維構造物への複雑な塗工が容易で、かつ、繊維同士の強い結合力を維持することができる。
本発明の水分散型樹脂組成物は、(A)水系樹脂エマルションおよび(B)アミノアルコールを含む。本発明の水分散型樹脂組成物は、(A)成分の固形分100重量部に対し、(B)成分が0.1〜3.0重量部であるのが好ましく、0.5〜3.0重量部であることがより好ましく、0.5〜2.0重量部であることがさらに好ましい。本発明の水分散型樹脂組成物は、(B)成分の重量割合が上記範囲にあることによって、臭気が少なく、繊維構造物への複雑な塗工が容易で、かつ、繊維同士の強い結合力を維持することができる。
ここで、(A)水系樹脂エマルションの「固形分」とは、(A)成分を105℃で3時間加熱して得られる残分のことをいう。尚、上述の(B)アミノアルコールの重量部数は、(B)成分そのもの(水分や不純物なし)を意味する。
本発明の水分散型樹脂組成物は、添加剤として、更に、粘着付与樹脂、可塑剤、消泡剤、増粘剤、ワックス、防腐剤、及び着色剤等を、必要に応じて適宜含むことができる。これらの添加剤は、(A)成分と(B)成分とを混ぜた後に混合されても良いし、予め(A)成分または(B)成分のいずれかに混合されていても良い。
「粘着付与樹脂」として、例えば、ロジン系樹脂、テルペン樹脂、テルペン・フェノール系樹脂、クマロン・インデン樹脂、石油系炭化水素樹脂等を例示できる。
ロジン系樹脂としては、ロジンエステル類、ロジンフェノール類が例示できる。
粘着付与樹脂は市販されているものでも良く、例えば、スーパーエステルE−730−55、スーパーエステルE−720、スーパーエステル786−60、スーパーエステルE−650、スーパーエステルE−865、タマノルE−200、タマノルE−100、AM−1002(荒川化学社製);ハリエスターDS−70E、ハリエスターSK−70D、ハリエスターSK−90D−55、ハリエスターSK−508H、ハリエスターSK−816E、ハリエスター822E等が例示できる。いずれの名称も、商品名で示した。
また、近年、環境意識の高まりから、トルエン・キシレンフリー型の粘着付与樹脂、無溶剤型の粘着付与樹脂を使用する事が好ましい。このような粘着付与樹脂として、例えば、スーパーエステルE−865NT、スーパーエステルE−625NT、スーパーエステルNS−100H、スーパーエステルNS−121、タマノルE−200NT(荒川化学社製);ハリエスターSK−218NS、ハリエスターSK−323NS、ハリエスターSK−370N、ハリエスターSK−501NS、ハリエスターSK−385NS等を例示できる。いずれの名称も、商品名で示した。
「可塑剤」として、例えば、グリセリン;エチレングリコール、プロピレングリコール等の多価アルコール類;アジピン酸系、安息香酸系、アセチルクエン酸系、アルキルスルホン酸系、フタル酸系等のポリエステル類;ショ糖、ソルビトール等の糖類;セロソルブ類等の有機溶剤類等を例示できる。
「消泡剤」として、例えば、
ジメチルポリシロキサン、ポリオキシアルキレン変性シリコーン、有機変性ポリシロキサン、フッ素シリコーン等のシリコーン系消泡剤;
ヒマシ油、ゴマ油、アマニ油、動植物油等の油脂系消泡剤;
ステアリン酸、オレイン酸、パルミチン酸等の脂肪酸系消泡剤;
イソアミルステアリン酸、ジグリコールラウリン酸、ジステアリルコハク酸、ジステアリン酸、ソルビタンモノラウリン酸、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン、モノラウリン酸ブチルステアレート、ショ糖脂肪酸エステル、スルホン化リチノール酸のエチル酢酸アルキルエステル、天然ワックス等の脂肪酸エステル系消泡剤;
ポリオキシアルキレングリコールとその誘導体、ポリオキシアルキレンアルコール水和物、ジアミルフェノキシエタノール、3−ヘプタノール、2−エチルヘキサノール等のアルコール系消泡剤;
3−ヘプチルセルソルブ、ノニルセルソルブ−3−ヘプチルカルビトール等のエーテル系消泡剤;
トリブチルホスフェート、オクチルリン酸ナトリウム、トリス(ブトキシエチル)ホスフェート等のリン酸エステル系消泡剤;
ジアミルアミン等のアミン系消泡剤;
ポリアルキレンアマイド、アシレイトポリアミン、ジオクタデカノイルピペリジン等のアマイド系消泡剤;
ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、オレイン酸カリウム、ウールオレインのカルシウム塩等の金属石鹸系消泡剤;
ラウリルスルホン酸ナトリウム、ドデシルスルホン酸ナトリウム等のスルホン酸エステル系消泡剤;
疎水性シリカ系消泡剤;鉱油系消泡剤等を例示することができる。
ジメチルポリシロキサン、ポリオキシアルキレン変性シリコーン、有機変性ポリシロキサン、フッ素シリコーン等のシリコーン系消泡剤;
ヒマシ油、ゴマ油、アマニ油、動植物油等の油脂系消泡剤;
ステアリン酸、オレイン酸、パルミチン酸等の脂肪酸系消泡剤;
イソアミルステアリン酸、ジグリコールラウリン酸、ジステアリルコハク酸、ジステアリン酸、ソルビタンモノラウリン酸、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン、モノラウリン酸ブチルステアレート、ショ糖脂肪酸エステル、スルホン化リチノール酸のエチル酢酸アルキルエステル、天然ワックス等の脂肪酸エステル系消泡剤;
ポリオキシアルキレングリコールとその誘導体、ポリオキシアルキレンアルコール水和物、ジアミルフェノキシエタノール、3−ヘプタノール、2−エチルヘキサノール等のアルコール系消泡剤;
3−ヘプチルセルソルブ、ノニルセルソルブ−3−ヘプチルカルビトール等のエーテル系消泡剤;
トリブチルホスフェート、オクチルリン酸ナトリウム、トリス(ブトキシエチル)ホスフェート等のリン酸エステル系消泡剤;
ジアミルアミン等のアミン系消泡剤;
ポリアルキレンアマイド、アシレイトポリアミン、ジオクタデカノイルピペリジン等のアマイド系消泡剤;
ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、オレイン酸カリウム、ウールオレインのカルシウム塩等の金属石鹸系消泡剤;
ラウリルスルホン酸ナトリウム、ドデシルスルホン酸ナトリウム等のスルホン酸エステル系消泡剤;
疎水性シリカ系消泡剤;鉱油系消泡剤等を例示することができる。
本発明の水分散型樹脂組成物を製造する際、(A)成分および(B)成分に加えて、必要に応じて、上記添加剤を混合することが好ましい。「混合」は、通常樹脂組成物を混合するために使用されている方法であって、本発明に係る水分散型樹脂組成物を得ることができる方法であれば、特に制限されるものではない。
本発明の水分散型樹脂組成物のpHは、4.0〜9.0に調整されることが好ましく、6.0〜9.0に調整されることがより好ましく、6.5〜8.5に調整されることが特に好ましい。尚、pHはpHメータで測定することができる。本発明の水分散型樹脂組成物は、pHが上記範囲にあることによって、臭気が少なくなり、衛生材料を製造するのに適したものとなる。
上述のようにして得られた本発明に係る水分散型樹脂組成物は、粘度(30℃、固形分濃度45重量%)がB型回転式粘度計の測定で10〜2000mPa・sであることが好ましく、10〜1800mPa・sであることがより好ましく、20〜1500mPa・sであることが特に好ましい。本発明の水分散型樹脂組成物は、粘度が上記範囲にあることによって、繊維構造物に対し、ドット塗工等の複雑な塗工や、繊維間への均一塗工が行いやすくなる。
繊維構造物に対する水分散型樹脂組成物の塗工量は、固形分として5〜100g/m2であるのが好ましく、5〜50g/m2であるのがより好ましく、10〜20g/m2であるのが特に好ましい。ここで、水分散型樹脂組成物の固形分とは、水分散型樹脂組成物を105℃で3時間乾燥して得られる固形分をいう。塗工方法としては、本発明の水分散型樹脂組成物を用いると、一般的なエマルション塗工である「ミスト塗工」だけでなく、ホットメルト接着剤の塗工方法である、スパイラル塗工、ドット塗工、ZIP塗工も可能である。
本明細書において、繊維構造物とは、綿、麻などの天然セルロース類、レーヨンなどの再生セルロース類、テンセル(リヨセル)などの精製セルロース類の織物、編物または不織布などの布帛はもちろん、帯状物、紐状物、糸状物などの繊維を含むものであれば、その構造、形状を問わない。また、セルロース繊維のほかに、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル類、ナイロン6、ナイロン66などのポリアミド類、ポリアクリロニトリルなどの合成繊維とセルロース繊維とが複合された織物、編物または不織布などの布帛はもちろん、帯状物、紐状物、糸状物などの繊維を含むものであれば、その構造、形状を問わない。
本発明の繊維構造物がセルロース繊維を含有する場合は、水酸化ナトリウムによる通常のシルケットや液体アンモニア処理、更にはシルケット後、液体アンモニア処理したもの及び先染め、浸染、捺染等の染色したものも使用できる。ポリエステルで代表される合成繊維との混用では必要があれば予めヒートセットしてもかまわない。
本発明に係る水分散型樹脂組成物を繊維構造物に塗工し、所定の加工を施すことで繊維製品が得られる。繊維製品としては、オムツ、生理用ナプキン、失禁パッド、シーツ、白衣、手術衣、手術用手袋、マスク等の衛生材料;
エプロン、帽子、ハンカチ、タオル、カーテン、枕カバー、シャツ、ブラウス、レース製品等の日用雑貨および衣料;
が挙げられる。
エプロン、帽子、ハンカチ、タオル、カーテン、枕カバー、シャツ、ブラウス、レース製品等の日用雑貨および衣料;
が挙げられる。
上記衛生製品のうち、オムツ、生理用ナプキン、失禁パッドは、繊維構造物の内部に吸水樹脂を含んでおり、吸収物品と称される。図1は、吸収物品を構成する吸水性複合体の断面図の一例である。
図1に示されるように、吸収性複合体は、繊維構造物である不織布1、吸水性高分子2、及び水分散型樹脂組成物3から成る。不織布1は嵩高構造を有しており、吸水性高分子2の一部は嵩高構造内部に包持され、吸水性高分子2の残部は不織布基材1の表面に露出しており、不織布1を構成する繊維は吸水性高分子2の表面に被膜状に接している。
水分散型樹脂組成物3は、図1のように吸水性高分子2と吸水性高分子2に接している繊維とを外表面から被覆したり、あるいは、不織布と吸水性高分子とを付着したりしており、吸水性高分子2は吸収性複合体内で保持される。
本明細書において「吸収性高分子」とは、多量の水分を吸収し、保持することができる高分子をいい、衛生材料用の吸収性高分子として用いられるものであれば、特に限定されるものではない。
吸収性高分子として、例えば、ポリアクリル酸塩、ポリビニルアルコール類及びポリアクリルアミド類等の合成高分子、デンプン類及びセルロース類等の天然高分子等を例示できる。これらは単独で又は組み合わせて用いることができる。このような吸収性高分子は、既知の方法で製造することができるが、市販のものを使用することができ、例えば、住友精化(株)製のアクアキープ(商品名)及び三洋化成工業(株)製のサンウェット(商品名)等を例示できる。
本発明においては、「吸収性高分子」を、繊維構造物100g当たり、0.1〜50g加えるのが好ましく、1〜20g加えるのがより好ましく、1〜5g加えるのが特に好ましい。「吸収性高分子」が繊維構造物に存在している形態は、吸水性複合体の繊維構造物に通常用いられる形態でよく、繊維構造物の特性に好ましくない効果を与える形態でなければ特に制限されることはない。例えば、繊維構造物の上に粒状の吸収性高分子が振りかけられてもよいし、繊維構造物の中に粒状又は塊状の吸収性高分子が分散させられてもよいし、繊維構造物中に吸収性高分子がシート状に挿入されてもよい。
(A)水系樹脂エマルションは、繊維構造物に塗工され、繊維構造物を構成する繊維間に侵入する。侵入した(A)水系樹脂エマルションに由来する樹脂が繊維構造物中の繊維同士の結合を強くすると推察される。従って、繊維構造物の機械的強度が改善され、吸水性高分子の機械的強度が高められることとなる。但し、吸水性高分子が水分を吸収しても、この結合は容易に切断されないで存在し得るので、吸水性高分子の吸水時の機械的強度も改善されることとなる。
吸収性高分子を含んだ繊維構造物に本発明の水分散型樹脂組成物を塗工後、乾燥して、吸収性複合体を得ることができる。この吸収性複合体から目的とする吸収物品を製造することができる。乾燥方法としては、従来から水分を除去するために、乾燥する方法として通常用いられている乾燥方法であれば、限定されることなく使用することができる。例えば、温風乾燥、減圧乾燥、及び自然乾燥等を例示できる。
以下、本発明の実施例を詳細に説明するが、これらの実施例は本発明の一態様にすぎず、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。
本発明に係る水分散型樹脂組成物を(A)水系樹脂エマルションおよび(B)アミノアルコールから調製した。成分(A)および(B)の詳細について以下に記載する。
(A)水系樹脂エマルション(成分(A))
成分(A)の原料となる重合性単量体(a)を以下に示す。尚、(a)重合性単量体のホモポリマーTgは、既出の理論計算式で算出された値である。
成分(A)の原料となる重合性単量体(a)を以下に示す。尚、(a)重合性単量体のホモポリマーTgは、既出の理論計算式で算出された値である。
(a)重合性単量体
(a1)メチルメタクリレート(以下、「MMA」という)(和光純薬社製、Tg=105℃)
(a2)n−ブチルアクリレート(以下、「n−BA」という)(和光純薬社製、Tg=−56℃)
(a3)アクリル酸(以下、「AA」という)(和光純薬社製、Tg=106℃)
(a4)メタクリル酸(以下、「MAA」という)(和光純薬社製、Tg=130℃)
(a5)n−ブチルメタクリレート(以下、「BMA」という)(和光純薬社製、Tg=20℃)
(a6)シクロヘキシルメタクリレート(以下、「CHMA」という)(和光純薬社製、Tg=66℃)
(a7)2−エチルヘキシルアクリレート(以下、「2EHA」という)(和光純薬社製、Tg=−70℃)
(a1)メチルメタクリレート(以下、「MMA」という)(和光純薬社製、Tg=105℃)
(a2)n−ブチルアクリレート(以下、「n−BA」という)(和光純薬社製、Tg=−56℃)
(a3)アクリル酸(以下、「AA」という)(和光純薬社製、Tg=106℃)
(a4)メタクリル酸(以下、「MAA」という)(和光純薬社製、Tg=130℃)
(a5)n−ブチルメタクリレート(以下、「BMA」という)(和光純薬社製、Tg=20℃)
(a6)シクロヘキシルメタクリレート(以下、「CHMA」という)(和光純薬社製、Tg=66℃)
(a7)2−エチルヘキシルアクリレート(以下、「2EHA」という)(和光純薬社製、Tg=−70℃)
(B)アミノアルコール
(B1)AMP90(2-アミノ−2−メチル−1−プロパノール85重量%、2-メチルアミノ-2-メチル−1−プロパノール5重量%、水10重量%(ダウ・ケミカル社製)
(B2)N−MMA(N-メチルエタノールアミン(和光純薬工業社製))
(B3)N−MDA(N-メチルジエタノールアミン(和光純薬工業社製))
(B1)AMP90(2-アミノ−2−メチル−1−プロパノール85重量%、2-メチルアミノ-2-メチル−1−プロパノール5重量%、水10重量%(ダウ・ケミカル社製)
(B2)N−MMA(N-メチルエタノールアミン(和光純薬工業社製))
(B3)N−MDA(N-メチルジエタノールアミン(和光純薬工業社製))
(乳化剤)
エマルゲン1135S−70(花王(株)社製)
エマルゲン118B(花王(株)社製)
エマルゲン1135S−70(花王(株)社製)
エマルゲン118B(花王(株)社製)
(重合用触媒)
過硫酸ナトリウム(過硫酸ナトリウム 三菱瓦斯化学社製)
過硫酸ナトリウム(過硫酸ナトリウム 三菱瓦斯化学社製)
<(A)水系樹脂エマルションの合成>
(A1)水系樹脂エマルション
攪拌機、温度調節器、還流冷却器、2つの滴下槽、温度計及び窒素導入管を備えた反応器に80重量部の蒸留水、0.7重量部の(株)花王製、エマルゲン1135S−70(商品名)、0.2重量部の(株)花王製、エマルゲン118B(商品名)を加え、系内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら75℃に加熱した。表1に示されるように、21重量部の(a1)メチルメタクリレート、77重量部の(a2)ブチルアクリレート及び2重量部の(a3)アクリル酸を均一に混合した。
(A1)水系樹脂エマルション
攪拌機、温度調節器、還流冷却器、2つの滴下槽、温度計及び窒素導入管を備えた反応器に80重量部の蒸留水、0.7重量部の(株)花王製、エマルゲン1135S−70(商品名)、0.2重量部の(株)花王製、エマルゲン118B(商品名)を加え、系内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら75℃に加熱した。表1に示されるように、21重量部の(a1)メチルメタクリレート、77重量部の(a2)ブチルアクリレート及び2重量部の(a3)アクリル酸を均一に混合した。
得られた重合性単量体の混合物を、25重量部の蒸留水、3.5重量部のエマルゲン1135S−70、および2.0重量部のエマルゲン118Bからなる均一溶液に加えて、攪拌機を用いて撹拌しプレエマルションを調製した。
さらに、重合用触媒として0.3重量部の過硫酸ナトリウムを6重量部の蒸留水に溶解した水溶液を調製した。上述のプレエマルション及び重合用触媒の水溶液を各々別の滴下槽から4時間かけて滴下した。滴下後、さらに80℃で2時間攪拌した後、室温に冷却し、固形分濃度45重量%の(A1)水系樹脂エマルションを得た。
(A2)〜(A4)水系樹脂エマルションの合成についても、原料の単量体を表1に示したように用いた以外は(A1)と同様の方法で合成した。(A2)〜(A4)を合成する際の(a)重合性単量体の組成を表1に示す。
<実施例および比較例の水分散型樹脂組成物の製造>
(A)水系樹脂エマルション100重量部(固形分換算)に対し、(B)成分やその他中和剤(エタノールやアンモニア水)を配合し、水分散型樹脂組成物を調製した。各水分散型樹脂組成物の組成は、表2に示されるとおりである。
(A)水系樹脂エマルション100重量部(固形分換算)に対し、(B)成分やその他中和剤(エタノールやアンモニア水)を配合し、水分散型樹脂組成物を調製した。各水分散型樹脂組成物の組成は、表2に示されるとおりである。
各実施例および比較例の組成物の粘度は、30℃、固形分濃度45重量%における粘度を、B型回転式粘度計を用いて測定した。
<水分散型樹脂組成物の評価>
粉砕パルプから成る15cm×15cm×0.5cm(目付12g)の繊維構造物に吸収性高分子(住友精化(株)製、アクアキープ(商品名))を、100gの繊維構造物あたり、5gとなる重量比で繊維構造物に振りかけ、15cm×15cmのティッシュ上に万遍なく広げた。
粉砕パルプから成る15cm×15cm×0.5cm(目付12g)の繊維構造物に吸収性高分子(住友精化(株)製、アクアキープ(商品名))を、100gの繊維構造物あたり、5gとなる重量比で繊維構造物に振りかけ、15cm×15cmのティッシュ上に万遍なく広げた。
実施例1〜7および比較例1〜4の水分散型樹脂組成物を、それぞれ、hhs社製のグルーガンで繊維構造物に10g/m2となる重量比で塗布し、塗工面に15cm×15cmのティッシュを被せ、1kg重のロールプレスを行い、23℃、40RH%の環境下に1時間静置して試験体とした。
<塗工性評価>
実施例および比較例の水分散型樹脂組成物を吐出量30g/分でhhs製グルーガンを用いて吐出試験を行い、10分毎に60分後までの吐出量を測定した。評価基準は以下のとおりである。
実施例および比較例の水分散型樹脂組成物を吐出量30g/分でhhs製グルーガンを用いて吐出試験を行い、10分毎に60分後までの吐出量を測定した。評価基準は以下のとおりである。
◎ 初期吐出量からのばらつきが0以上、10%未満
○ 初期吐出量からのばらつきが10%以上、15%未満
△ 初期吐出量からのばらつきが15%以上、20%未満
× 初期吐出量からのばらつきが20%以上
○ 初期吐出量からのばらつきが10%以上、15%未満
△ 初期吐出量からのばらつきが15%以上、20%未満
× 初期吐出量からのばらつきが20%以上
<接着性評価>
1.乾燥時の接着性評価
上述の試験体を幅25mm×長さ145mmに切断し、塗工面のティッシュを手で剥離し、ティッシュに付着した水分散型樹脂組成物で結合された繊維の重量を測定した。評価基準は以下のとおりである。
1.乾燥時の接着性評価
上述の試験体を幅25mm×長さ145mmに切断し、塗工面のティッシュを手で剥離し、ティッシュに付着した水分散型樹脂組成物で結合された繊維の重量を測定した。評価基準は以下のとおりである。
× 繊維の重量が0.2g未満
△ 繊維の重量が0.2g以上、0.4g未満
○ 繊維の重量が0.4g以上、0.6g未満
◎ 繊維の重量が0.6g以上
△ 繊維の重量が0.2g以上、0.4g未満
○ 繊維の重量が0.4g以上、0.6g未満
◎ 繊維の重量が0.6g以上
2.湿潤時の接着性評価
上述の試験体中央部に人口尿15mlを滴下し、3分間放置した後、幅25mm×長さ145mmに切断し、塗工面のティッシュを手で剥離し、ティッシュに付着した水系樹脂エマルションで結合された繊維の重量を測定した。評価基準は以下のとおりである。
上述の試験体中央部に人口尿15mlを滴下し、3分間放置した後、幅25mm×長さ145mmに切断し、塗工面のティッシュを手で剥離し、ティッシュに付着した水系樹脂エマルションで結合された繊維の重量を測定した。評価基準は以下のとおりである。
× 繊維の重量が0.5g未満
△ 繊維の重量が0.5g以上、1.0g未満
○ 繊維の重量が1.0g以上、2.0g未満
◎ 繊維の重量が2.0g以上
△ 繊維の重量が0.5g以上、1.0g未満
○ 繊維の重量が1.0g以上、2.0g未満
◎ 繊維の重量が2.0g以上
<臭気評価>
実施例および比較例の水分散型樹脂組成物の臭気を個人の嗅覚で評価した。
実施例および比較例の水分散型樹脂組成物の臭気を個人の嗅覚で評価した。
× 刺激臭を感じる
△ 僅かな刺激臭を感じる
○ かすかに臭いを感じる
◎ 無臭
△ 僅かな刺激臭を感じる
○ かすかに臭いを感じる
◎ 無臭
表2に示されるように、実施例の水分散型樹脂組成物は、(A)水系樹脂エマルションおよび(B)アミノアルコールの両成分を有するので、接着性および塗工性が良好であり、臭気も殆どない。比較例の水分散型樹脂組成物は、(A)水系樹脂エマルション若しくは(B)アミノアルコールいずれかを含まないので、実施例と比較すると、接着性、塗工性のいずれかが劣っている。
本発明は、水分散型樹脂組成物を提供できる。本発明に係る水分散型樹脂組成物は、繊維構造物に塗工され、衛生材料用途、衛生材料の中でも、おむつ、生理用ナプキン、失禁パッド等の吸収物品を製造するのに有効である。
1 繊維構造物(不織布)
2 吸水性高分子
3 水分散型樹脂組成物
2 吸水性高分子
3 水分散型樹脂組成物
Claims (5)
- (A)水系樹脂エマルションと、(B)アミノアルコールとを含む繊維構造物用水分散型樹脂組成物。
- 前記(A)水系樹脂エマルションが、1以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物の重合体を含むことを特徴とする請求項1に記載の水分散型樹脂組成物。
- 前記(A)水系樹脂エマルションが、下記式(I)で表される化合物を含むモノマーの重合体を含む、請求項1または2に記載の水分散型樹脂組成物。
CH2=C(R1)-COOR2 (I)
[式(I)中、R1は水素原子又はメチル基であり、R2は水素原子またはアルキル基である。] - 前記(A)水系樹脂エマルションの固形分のガラス転移温度が−50〜80℃である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の水分散型樹脂組成物。
- 前記(A)水系樹脂エマルションの固形分100重量部に対し、前記(B)アミノアルコールが0.1〜3.0重量部である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の水分散型樹脂組成物。
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- 2013-05-31 JP JP2013116161A patent/JP2014234560A/ja active Pending
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