JP2014234550A - 溶出促進液および貴金属の回収方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 貴金属の溶出を促進させるための溶出促進液およびその溶出促進液を用いた貴金属の回収方法を提供する。【解決手段】 本発明の溶出促進液は、表面に貴金属が付着された廃棄物を酸性溶液に溶出させて該貴金属を回収する前に使用される。この溶出促進液は、キレート剤もしくは界面活性剤またはイオン交換樹脂として用いられる有機化合物を含む。本発明の方法は、該溶出促進液に上記廃棄物を浸漬させるステップと、酸性溶液に上記廃棄物を浸漬させ、貴金属を溶出させるステップとを含む。【選択図】 なし

Description

本発明は、表面に貴金属が付着された廃棄物から該貴金属を回収するために用いられる溶出促進液および該溶出促進液を用いて該貴金属を回収する方法に関する。
車両に搭載されているガソリンエンジンや、トラック、建設機械、漁船、発電機等に搭載されているディーゼルエンジンは、燃焼室内で燃料を燃焼させた後、高温の排ガスを排出する。この排ガス中には、燃料の燃焼により生成された二酸化炭素や蒸気のほか、余剰空気、炭化水素、カーボン、一酸化炭素、窒素酸化物等が含まれる。これらの炭化水素、窒素酸化物、一酸化炭素、カーボン等の粒子状物質(PM)は、大気汚染の原因となる大気汚染物質であり、人の健康や環境に悪影響をもたらすことから、環境基準が設定され、その排出量が制限されている。
そのため、これらのエンジンの後流側には、これらの大気汚染物質を環境基準値以下にして大気中に排出するために排ガス処理装置が設置されている。排ガス処理装置は、一般に、炭化水素、一酸化炭素、窒素酸化物としての一酸化窒素を酸化するための酸化触媒と、PMを捕捉し、燃焼させるフィルタと、窒素酸化物としての二酸化窒素等を還元するための還元触媒とを含んで構成される。排ガス処理装置としては、上記フィルタを担体とし、そのフィルタ内に酸化触媒が担持され、その後流側にハニカム構造とされたセラミックス内に還元触媒が担持されたものが用いられる。
酸化触媒としては、高い浄化活性を示す貴金属触媒が一般的に用いられる。貴金属としては、白金(Pt)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)等が挙げられる。また、還元触媒としては、吹き込んだアンモニアと窒素酸化物とを反応させるために、酸化チタン、バナジウム、タングステン等が用いられる。なお、上記の貴金属は、限られた地域でのみ産出されることから、その供給に不安があり、高価であるため、表面に貴金属が付着された廃棄物から回収して再利用する技術が数多く提案され(例えば、特許文献1〜4参照)、また、貴金属に代わる代替物質の開発が進められている。
特開平6−170246号公報 特開2011−021259号公報 特開2012−107294号公報 特開2012−149318号公報
従来の廃棄物から回収して再利用する技術では、例えば、廃棄物を王水等に浸漬し、貴金属を溶出させることにより、その廃棄物から分離して回収しているが、王水等に溶出する貴金属の量が少なく、その回収率が低いという問題があった。
本発明者は、鋭意検討の結果、王水に浸漬して貴金属を溶出させる前に、特定の有機化合物を含む溶液に浸漬させることで、王水中に溶出する貴金属量が増加し、その回収率を向上させることができることを見出した。本発明は、このことを見出すことによりなされたものであり、上記課題は、本発明の溶出促進液および該溶出促進液を用いた貴金属の回収方法を提供することにより解決することができる。
すなわち、本発明によれば、表面に貴金属が付着された廃棄物を酸性溶液に溶出させて該貴金属を回収する前に、前記廃棄物を浸漬させるための溶出促進液であって、キレート剤もしくは界面活性剤またはイオン交換樹脂として用いられる有機化合物を含む、溶出促進液が提供される。
また、本発明によれば、表面に貴金属が付着された廃棄物から該貴金属を回収する方法であって、キレート剤もしくは界面活性剤またはイオン交換樹脂として用いられる有機化合物を含む溶出促進液に前記廃棄物を浸漬させるステップと、酸性溶液に前記廃棄物を浸漬させ、前記貴金属を溶出させるステップとを含む、方法が提供される。
本発明の溶出促進液および方法を提供することにより、より多くの貴金属を溶出させることができ、貴金属の回収率を向上させることができる。
DPFの表面に担持された貴金属の様子を例示した図。 表面に貴金属が担持されたDPFから貴金属を回収する処理の第1実施形態を示したフローチャート。 表面に貴金属が担持されたDPFから貴金属を回収する処理の第2実施形態を示したフローチャート。 試験条件を示した表。 図4に示した条件により試験を実施した結果を示した表。 別の試験を実施した結果を示した表。
本発明の溶出促進液は、表面に貴金属が付着された廃棄物を、酸性溶液に溶出させて該貴金属を回収する前に、該廃棄物を浸漬させるための溶液である。表面に貴金属が付着された廃棄物としては、使用済みのプリント基板、ICチップ、コネクタ、スイッチ等の電子部品、装飾品、食器、ディーゼルエンジンの後流側に設置されるディーゼル微粒子捕集フィルタ(DPF)、ガソリンエンジンの後流側に設置される三元触媒等を挙げることができる。これらは一例であり、これらに限定されるものではない。
酸性溶液としては、貴金属を溶出させることができる王水を挙げることができる。王水は、濃塩酸と濃硝酸を3:1の体積比で混合して得られる液体である。市販される濃塩酸は、塩化水素が約37質量%の水溶液とされている。市販される濃硝酸は、約60〜70質量%の水溶液とされている。ここでは、王水を酸性溶液の一例として例示したが、貴金属を溶出させることができれば、その他の酸性溶液を用いることも可能である。例えば、塩酸を用い、その塩酸中に塩素を吹き込んで貴金属を溶解してもよい。
貴金属としては、Pt、Pd、Rh、金(Au)、銀(Ag)、イリジウム(Ir)、ルテニウム(Ru)、オスミウム(Os)を挙げることができる。これらの金属は、希少で、耐腐食性を有する。このうち、Pt、Pd、Rh、Ir、Ru、Osは、白金族元素と呼ばれる。
以下、表面に貴金属が付着された廃棄物として、使用済みのDPFを取り上げて説明する。DPFは、トラック、建設機械、漁船、発電機等に搭載されているディーゼルエンジンの後流側に設置され、ディーゼルエンジン内で燃料が燃焼して生成された排ガスが通される排ガス浄化用のフィルタである。このDPFは、図1(a)に示すように、トラック等の排気管にフランジ接続される円管10内に設置するべく、円筒状のセラミックスから構成された担体12に、直線状に延びる複数の孔11が形成されたものとなっている。DPFの各孔11内には、Pt、Pd、Rh等の貴金属が酸化触媒として担持されている。
排ガスは、担体12に形成された複数の孔11の一方から入り、他方から排出される。各孔11では、カーボン等からなるPMを捕捉し、各孔11内において、担持された貴金属と接触し、この貴金属の触媒作用により、排ガス中の炭化水素、一酸化炭素、カーボン、一酸化窒素等が酸化される。このため、排ガス中の炭化水素等は、二酸化炭素、水蒸気、二酸化窒素等となって排出される。なお、二酸化窒素については、DPFの後流に設けられた還元触媒により還元され、窒素および酸素となって大気中へ排出される。
DPFの担体12に貴金属を担持させる方法としては、含浸法を挙げることができる。含浸法は、例えば、白金を担体12に担持させる場合、塩化白金酸水溶液に担体12を浸漬させ、水分を蒸発させて乾燥させた後、焼成して白金酸化物とし、水素を流して還元することにより担体12に白金を担持させる方法である。
図1(b)は、孔11内の表面を拡大して示した図である。孔11内は、目で見ると、平滑な面を有しているが、拡大して見ると、細かい凹凸を有している。貴金属13は、孔11内の細かい凹凸により形成された溝部14の開口よりそのサイズが小さく、複数の溝部14内に担持される。
このような貴金属13が担持された担体12を王水に浸漬させても、溝部14内へは王水がしみ込みにくく、従来においては、貴金属13の溶出が充分ではなく、貴金属13の回収率が低いものとなっていた。
本発明では、貴金属13が担持された担体12を、王水等の酸性溶液に浸漬させる前に、キレート剤もしくは界面活性剤またはイオン交換樹脂として用いられる有機化合物を含む溶出促進液に浸漬させることにより、溝部14内へ酸性溶液をしみ込みやすくする等、貴金属13の溶出を促進させることができ、充分に貴金属13を酸性溶液中に溶出させることができることを見出した。
この詳しいメカニズムは、はっきりしないが、界面活性剤は、酸性溶液中の水の表面張力を低下させ、溝部14内に酸性溶液をしみ込みやすくして、貴金属13の溶出を促進させるものと推定される。キレート剤およびイオン交換樹脂は、溝部14内に担持された貴金属13と結合し、溝部14内から貴金属13を引き出す等して酸性溶液中に露出させ、これにより、貴金属13の溶出を促進させるものと推定される。
溶出促進液に含まれる有機化合物は、キレート剤もしくは界面活性剤またはイオン交換樹脂として用いられるものであれば、いかなるものであってもよいが、水溶性の有機化合物が好ましく、例えば、水溶液中に0.1〜20質量%で含有することができる。溶出促進液を安価に提供することができ、取り扱いも容易だからである。
キレート剤としては、式1で示されるエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム(C1014Na)、式2で示されるアセチルアセトン(C)等を、一例として挙げることができる。
界面活性剤としては、式3で示されるポリ(オキシエチレン)オクチルフェニルエーテル(C346211)、式4で示されるp−トルエンスルホン酸(CS)等を、一例として挙げることができる。なお、式3で示される界面活性剤は、トリトン(登録商標)X−100として知られるものである。
イオン交換樹脂としては、式5で示されるポリp−スチレンスルホン酸((CS)、nは2以上の自然数)等を、一例として挙げることができる。
溶出促進液は、上記キレート材もしくは界面活性剤またはイオン交換樹脂として用いられる有機化合物を含む溶液であり、その有機化合物以外の添加剤等を含んでいてもよい。
図2に示すフローチャートを参照して、溶出促進液を用いた貴金属の回収処理について詳細に説明する。ステップ200からこの処理を開始し、ステップ210では、溶出促進液を準備し、その溶出促進液にDPFを一定期間浸漬させる。溶出促進液は、上記に例示したキレート剤もしくは界面活性剤またはイオン交換樹脂を、例えば水に溶解し、その濃度が上記の0.1〜20質量%の範囲内の任意の値となるように調整し、準備される。この濃度は、最適な濃度を試験等で決定しておき、その濃度に調整することができる。準備された溶出促進液を一定の容量を有する容器に入れ、その溶出促進液の中にDPFを浸漬させ、例えば24〜48時間静置する。
なお、上記濃度の範囲は、一例であり、上記範囲外の値であってもよい。また、溶出促進液は、有機化合物として、キレート剤と界面活性剤、キレート剤とイオン交換樹脂、界面活性剤とイオン交換樹脂、キレート剤と界面活性剤とイオン交換樹脂の全部を含んでいてもよい。
また、この溶出促進液にDPFを浸漬させている間、溶出促進液が収容されている容器を超音波洗浄装置内に置き、溶出促進液に振動を与え、溶出促進液内の有機化合物の濃度を均一に保持することができる。濃度にムラが生じると、貴金属の溶出が促進されない部分が生じるからである。この振動は、DPFを浸漬させている間、連続して与えることもできるし、間欠的に与えることもできる。例えば、6時間毎に30分だけ与えるようにしてもよい。なお、超音波洗浄装置のほか、撹拌機を用い、溶出促進液を適宜撹拌してもよい。
ステップ220では、DPFを上記容器内の溶出促進液の中から取り出し、乾燥させる。DPFは、放置して自然乾燥させることもできるし、乾燥器に入れ、温風を当てて乾燥させることも可能である。このとき、DPFの表面や各孔11内には、溶出促進液に含まれる有機化合物が付着している。
ステップ230では、王水等の酸性溶液を準備し、一定の容量を有する容器にその準備した酸性溶液を入れ、その酸性溶液にDPFを一定期間浸漬させ、貴金属13を溶出させる。このとき、上記ステップ210と同様、超音波洗浄装置を用い、この溶液に振動を与えることができる。一定期間としては、ステップ210と同様、例えば24〜48時間とすることができる。
一定期間の浸漬後、酸性溶液の中から取り出し、ステップ240において、従来から使用されている手法により、容器内に残留する酸性溶液の中からその酸性溶液に溶解している貴金属を回収する。そして、ステップ250においてこの処理を終了する。
従来から使用されている手法としては、キレート剤やイオン交換樹脂等を使用し、貴金属を吸着させ、貴金属が吸着したキレート剤やイオン交換樹脂を焼却することにより燃え残った貴金属を回収する方法を一例として挙げることができる。この方法は一例であり、当然にしてこれ以外の公知の手法を使用することもできる。
図3に示すフローチャートを参照して、別の貴金属の回収処理について説明する。ステップ300からこの処理を開始し、ステップ310では、まず、DPFにエアを噴射し、DPFに担持されている貴金属の一部を剥離させ、回収する。例えば、ブロワや空気圧縮機を用い、0.02〜1MPaの圧力に昇圧したエアを噴射させることができる。
図3では、エアを噴射しているが、エアに限定されるものではなく、窒素や炭酸ガス、水等であってもよい。なお、水を噴射して洗浄する場合、ポンプを使用することができる。
ステップ320〜ステップ350は、ステップ210〜ステップ240と同様であるため、ここでは説明を省略する。なお、DPFは、円管内に装着されたままブロワ等に一端が接続され、円管の他端は、ホース等に接続され、そのホース等は、容器内に収容された酸性溶液内に浸漬することができる。このような構成にすることで、貴金属が大気中に放出されてロスが生じることなく、酸性溶液にすべてを溶解させ、回収することができる。
本発明の新規な溶出促進液を用い、酸性溶液で貴金属を溶出させた結果を評価するために、以下のような試験を行った。通常、使用済みのDPFを使用して試験を行うが、同じ条件のDPFを複数用意するのは難しいため、新品のDPFを使用して試験を行った。ただし、比較のために、約15万km走行した4tトラックから取り外したDPFを使用品として採用した。
DPFは、そのまま使用するのでは大きすぎるため、試料として、一辺が約1cmの略立方体に切り出し、秤量後、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製のボトルに入れた。また、振動を与え、溶液を均一に保持するために、シャープマニファクチャリングシステム株式会社製の超音波洗浄装置(UT-105S)を用いた。
試験は、図4に示すように、14種類の溶液を用い、2種類の方法により実施した。処理方法「A」と記載されている方法では、図4に示す溶液を「溶液量」と記載されている量だけ入れ、30分間の超音波処理を1回実施した後、一晩静置し、30分間の超音波処理を3回実施し、また一晩静置し、この処理を開始してから48時間経過したところで試料を取り出し、ボトルに残った溶液中の貴金属量を測定した。
処理方法「B」と記載されている方法では、図4に示す溶出促進液を「溶液量」と記載されている量だけ入れ、30分間の超音波処理を1回実施した後、一晩静置し、試料を取り出して乾燥した。別のボトルに入れた後、図4に示す王水を「溶液量」と記載されている量だけ入れた。その後の処理は、上記「A」と同様で、30分間の超音波処理を1回実施した後、一晩静置し、30分間の超音波処理を3回実施し、また一晩静置し、先の超音波処理の開始から48時間経過したところで試料を取り出し、ボトルに残った溶液中の貴金属量を測定した。
なお、各貴金属の量は、広く使用されている多元素同時測定法(ICP-MS法)を用いて測定した。ICP−MS法は、高温の誘導結合プラズマにより原子をイオン化し、質量分析計で元素の同定および定量を行う方法である。
試料1〜試料10で使用した溶液は、比較のために使用された溶液である。NMPは、N−メチル−2−ピロリドン(CNO)である。EDTA2Naは、上記式1で示されるエチレンジアミン四酢酸二ナトリウムである。
試料11〜14では、本発明の溶出促進液と、酸性溶液としての王水とを用いて処理を実施した。試料11では、溶出促進液として、アセチルアセトンが5体積%で含まれる水溶液を使用した。試料12では、溶出促進液として、EDTA2Naが1体積%で含まれる水溶液を使用した。試料13では、溶出促進液として、市販のTriton(登録商標)X-100(ポリ(オキシエチレン)オクチルフェニルエーテル)をそのままで使用した。試料14では、溶出促進液として、ポリp−スチレンスルホン酸が5体積%で含まれる水溶液を使用した。
図5は、図4に示した条件により実施した試験結果を示した表である。試料1〜試料10で使用した溶液では、試料1および4の王水以外は、ほとんど溶液中に溶出しなかった。王水を使用した場合は、新品の試料1においてPtが1500ppm、使用品の試料4でも、Ptが1400ppmも溶出した。
本発明の溶出促進液を用いて溶出を促進させ、王水に溶出させた場合、試料11〜14に示すように、Ptがそれぞれ2900ppm、2600ppm、3000ppm、2000ppmも溶出し、約1.3〜約2倍もその溶出量が増加することが見出された。
試料11〜試料14で使用した有機化合物に共通する官能基等は存在しないため、上述したようなキレート剤、イオン交換樹脂、界面活性剤としての機能により、貴金属の溶出が促進されたものと考えられる。
図6は、上記の使用品を試料15および試料16として用い、エアを噴射して剥離させ、王水に溶出させた場合と、水で洗浄して剥離させ、王水に溶出させた場合の試験結果を示した表である。この結果は、数台分の使用品を用いて処理を行った結果を示したものである。
エアは、0.8MPaの圧力で、15分間噴射させた。そして、試料15を通して排出されるエアを王水中に噴射させ、剥離した貴金属を王水に溶出させた。試料16を水で洗い流し、剥離した貴金属を含む排水を加熱して水を除去した後の残留物を、王水に入れ、貴金属を溶出させた。
図6に示すように、エアを噴射させただけで、Ptが1100ppmも剥離し、水洗浄においては、390ppm剥離した。数台分の結果ではあるが、この結果から、上記の溶出促進液への浸漬と、これらのエア噴射や水洗浄を組み合わせることで、より多くの貴金属を回収することができる。
上記試験では、貴金属としてPtのみの結果を示したが、Pt以外の貴金属も同様であり、王水のみを用いる場合に比較して、より多くの貴金属を回収することができる。貴金属以外にも、例えばセリウム(Ce)について、試料11のアセチルアセトン水溶液を用いた場合、試料1の王水のみで処理した場合に比較して約3倍も溶出させることができており、貴金属以外の金属(例えば、レアメタル)についてもその溶出を促進させることができる。
なお、酸性溶液は、必要に応じて、温めて使用することができる。温める温度は、貴金属を溶出させるのに適切な温度とすることができ、予め試験等を行い、決定した温度を採用することができる。また、溶出促進液および酸性溶液は、ポンプ等により循環させることができ、その循環により溶液を均一の濃度に保ち、また、液流により貴金属を剥離させる効果を得ることができる。これにより、廃棄物からより多くの貴金属を溶出させ、回収することができる。
これまで本発明の溶出促進液および方法について詳細に説明してきたが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態や、追加、変更、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
10…円管、11…孔、12…担体、13…貴金属、14…溝部

Claims (7)

  1. 表面に貴金属が付着された廃棄物を酸性溶液に溶出させて該貴金属を回収する前に、前記廃棄物を浸漬させるための溶出促進液であって、
    キレート剤もしくは界面活性剤またはイオン交換樹脂として用いられる有機化合物を含む、溶出促進液。
  2. 前記溶出促進液は、前記有機化合物の水溶液である、請求項1に記載の溶出促進液。
  3. 前記有機化合物は、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム、トルエンスルホン酸、ポリ(オキシエチレン)オクチルフェニルエーテル、ポリスチレンスルホン酸、アセチルアセトンの少なくとも1つを含む、請求項1または2に記載の溶出促進液。
  4. 表面に貴金属が付着された廃棄物から該貴金属を回収する方法であって、
    キレート剤もしくは界面活性剤またはイオン交換樹脂として用いられる有機化合物を含む溶出促進液に前記廃棄物を浸漬させるステップと、
    酸性溶液に前記廃棄物を浸漬させ、前記貴金属を溶出させるステップとを含む、方法。
  5. 前記浸漬させるステップの後に、前記廃棄物を前記溶出促進液から取り出し、乾燥させるステップをさらに含む、請求項4に記載の方法。
  6. 前記浸漬させるステップの前に、前記廃棄物にエアを噴射または水で洗浄するステップをさらに含む、請求項4または5に記載の方法。
  7. 前記溶出促進液に振動を与える、または前記溶出促進液を撹拌するステップと、前記酸性溶液に振動を与える、または前記酸性溶液を撹拌するステップとをさらに含む、請求項4〜6のいずれか1項に記載の方法。
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