JP2014234385A - クロピドグレル含有錠剤およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明は、クロピドグレルまたはその生理学的に許容される塩(以下、単に「クロピドグレル」と記載する。)を含有する錠剤およびフィルムコート錠に関する。本発明の目的は、良好な配合安定性、良好な打錠性を示し、また色調変化が少なく、さらに崩壊性も良好であるクロピドグレル製剤を提供する。
【解決手段】 本発明は、クロピドグレル又はその塩及び滑沢剤としてグリセリン脂肪酸エステルを使用することを特徴とするクロピドグレル含有錠剤である。
【選択図】なし
【解決手段】 本発明は、クロピドグレル又はその塩及び滑沢剤としてグリセリン脂肪酸エステルを使用することを特徴とするクロピドグレル含有錠剤である。
【選択図】なし
Description
本発明は、クロピドグレルまたはその生理学的に許容される塩(以下、単に「クロピドグレル」と記載することがある。)を含有する製剤に関する。詳しくは、良好な配合安定性、良好な打錠性を示し、また色調変化が少なく、さらに崩壊性も良好であるクロピドグレル含有錠剤及びその製造方法を提供することに関する。
クロピドグレル(Clopidogrel)は、米国特許第4847265号(特許文献1)により公知である化学名が(+)−(S)−メチル 2−(2−クロロフェニル)−2−(4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン−5−イル)アセテートとして知られている。その塩としては、硫酸塩、塩酸塩、硫酸水素塩、臭化水素塩等がある。クロピドグレルは血小板凝集抑制剤等として作用することにより、虚血性脳血管障害後の再発抑制、経皮的冠動脈形成術が適用される急性冠症候群等の患者の治療に有用である。日本においては、フィルムコート錠剤の形態が市販されている。
クロピドグレルはその強力な薬理作用から医療上よく使われている薬剤であるが、通常の錠剤を製造する方法によって得られたクロピドグレルを含有する錠剤は、長期又は高温・高湿下の保存のため、錠剤の生体内投与後又は溶液中で錠剤が長時間にわたり崩壊しない場合があり、薬物の溶出面からの品質上の問題となっていた。
これまでクロピドグレルを含有する錠剤に関するものとして、下記のような技術が知られている。クロピドグレルの錠剤に滑沢剤として、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、硬化油、ステアリン酸及びステアリン酸アルミニウムを用いた崩壊遅延防止錠剤としたもの(特許文献2)。同様に、滑沢剤としてステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリルフマル酸ナトリウム、ステアリン酸カルシウム、微結晶性セルロースおよび二酸化シリコーン、硬化綿実油、硬化ヒマシ油、ステアリン酸、ステアリン酸亜鉛またはその混合物から選択した調節放出クロピドグレル製剤としたもの(特許文献3)。また、ステアリン酸を含有し、かつ、溶融造粒法により得られたクロピドグレル又はその塩を含む粒状物を打錠し錠剤としたもの(特許文献4)。
また、クロピドグレルではないもののグリセリン脂肪酸エステルを滑沢剤として使用したもの(特許文献5〜8)などがある。
また、クロピドグレルではないもののグリセリン脂肪酸エステルを滑沢剤として使用したもの(特許文献5〜8)などがある。
しかしながら、特許文献2および3によって得られる製剤は安定性が充分とはいえない。特許文献4は、製剤製法の工程が複雑であって生産コストがかかり、工業的生産には不向きであり、なおかつ、安定性が不十分である。また、特許文献5〜8は、クロピドグレル以外の製剤例であり、本発明とは技術的思想が異なるものである。したがって、本発明のごとく、クロピドグレル含有錠剤に滑沢剤としてグリセリン脂肪酸エステルを使用することにより、良好な配合安定性および良好な打錠性を有し、また色調変化が少なく、さらに崩壊性も良好であるクロピドグレル含有錠剤は従来一切知られていない。
本発明者らは、クロピドグレル含有錠剤を検討したところ、本発明によって、上記課題を解決できることを見出した。従来、本発明のようなクロピドグレル錠剤は報告されていないことから、まったく新しい知見である。本発明はこの知見に基づくものであり、したがって、本発明は、良好な配合安定性、良好な打錠性を示し、また色調変化が少なく、さらに崩壊性も良好であるクロピドグレル含有錠剤及びその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題について鋭意検討した結果、良好なクロピドグレル含有錠剤を開発するに至った。すなわち、本発明者は、クロピドグレルの錠剤化に関する検討過程で、滑沢剤として繁用されているステアリン酸マグネシウムやショ糖脂肪酸エステル等を使用すると、クロピドグレルが予想外に高い比率で色調変化を起こしたり、打錠性や崩壊性が悪く、さらに純度が悪化しやすい錠剤になることがわかった。ところが驚くべきことに、ステアリン酸マグネシウムに代えてグリセリン脂肪酸エステルを使用すると、顕著にステアリン酸マグネシウムを用いた場合に比べて良好な錠剤を得ることができることを見出した。そこで本発明者は、さらに検討を加えることにより、良質なクロピドグレル含有錠剤を見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は以下に示す通りである。
1)クロピドグレル又はその塩及び滑沢剤としてグリセリン脂肪酸エステルを使用することを特徴とするクロピドグレル含有錠剤。
2)グリセリン脂肪酸エステルが、錠剤全重量に対して0.1〜20重量%である1)に記載のクロピドグレル含有錠剤。
3)グリセリン脂肪酸エステルの主成分が、ベヘン酸トリグリセリドであることを特徴とする1)乃至2)に記載のクロピドグレル含有錠剤。
4)クロピドグレル又はその塩、及び滑沢剤としてグリセリン脂肪酸エステルを使用することを特徴とするクロピドグレル含有錠剤の製造方法。
5)直接打錠あるいは溶融造粒または湿式造粒によって製造することを特徴とする4)記載のクロピドグレル含有錠剤の製造方法。
すなわち、本発明は以下に示す通りである。
1)クロピドグレル又はその塩及び滑沢剤としてグリセリン脂肪酸エステルを使用することを特徴とするクロピドグレル含有錠剤。
2)グリセリン脂肪酸エステルが、錠剤全重量に対して0.1〜20重量%である1)に記載のクロピドグレル含有錠剤。
3)グリセリン脂肪酸エステルの主成分が、ベヘン酸トリグリセリドであることを特徴とする1)乃至2)に記載のクロピドグレル含有錠剤。
4)クロピドグレル又はその塩、及び滑沢剤としてグリセリン脂肪酸エステルを使用することを特徴とするクロピドグレル含有錠剤の製造方法。
5)直接打錠あるいは溶融造粒または湿式造粒によって製造することを特徴とする4)記載のクロピドグレル含有錠剤の製造方法。
本発明により、製剤の崩壊性がよく、製剤から有効成分の放出性が良好であり、製剤の経時的安定性がよく、製剤中に分解物を生じることなく、配合変化に優れたクロピドグレル含有錠剤を得ることができる。したがって、本発明のクロピドグレルに滑沢剤としてグリセリン脂肪酸エステルを用いたクロピドグレル含有錠剤は医薬品として極めて有用である。すなわち、本発明の経口製剤によれば、クロピドグレル含有錠剤として良好な配合安定性、良好な打錠性を示し、また色調変化が少なく、さらに崩壊性も良好であるクロピドグレル含有錠剤を得ることができる。したがって、患者にとってQOL(Quality of Life)の点でも優れた医薬品を提供できる利点を有する。
以下、さらに本発明を詳細に説明する。
本発明のクロピドグレル含有錠剤は、クロピドグレルを錠剤にする際に滑沢剤としてグリセリン脂肪酸エステルを用いることによって得られるクロピドグレル錠剤である。
本発明に用いるクロピドグレルとしては、医療用に用いることができるものであれば、いずれのクロピドグレルまたはその生理学的に許容される塩を用いることができるが、クロピドグレル硫酸塩を用いることが望ましい。
本発明のクロピドグレル含有錠剤は、クロピドグレルを錠剤にする際に滑沢剤としてグリセリン脂肪酸エステルを用いることによって得られるクロピドグレル錠剤である。
本発明に用いるクロピドグレルとしては、医療用に用いることができるものであれば、いずれのクロピドグレルまたはその生理学的に許容される塩を用いることができるが、クロピドグレル硫酸塩を用いることが望ましい。
本発明で用いるグリセリン脂肪酸エステルとは、グリセリンと脂肪酸がエステル結合しているものをいい、1個のグリセリンに1個または3個の脂肪酸が付いたモノグリセリドまたはトリグリセリドが好ましい。また、エステルを構成する脂肪酸はベヘン酸、ステアリン酸、オレイン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸が挙げられる。本発明に用いられるグリセリン脂肪酸エステルは、脂肪酸の種類およびグリセリンエステルの割合は特に限定するものではないが、本発明に用いられるグリセリン脂肪酸エステルは、ベヘン酸トリグリセリドをより多く含むものであることが好ましい。さらに、トリエステル体が50%程度のベヘン酸トリグリセリドを多く含むものがスティッキング等の打錠障害がなく好ましい。しかしながら、トリエステル体が100%に近くなるとスティッキングがやや発生する傾向であったことも本発明者らは見出している。
本発明で用いるグリセリン脂肪酸エステルの量は、錠剤全体に対して、0.001重量%〜10重量%が好ましく、0.005重量%〜5重量%がより好ましく、更には、0.01重量%〜1重量%が好ましい。配合量が0.001重量%未満であると、本発明が期待する充分な効果が得られず、10重量%を超えても、効果に差がないことから増量する意義がない。
本発明における錠剤の製造においては、一般にロータリー式の打錠機を使用することが出来る。このロータリー式の打錠機は、錠剤成形用の複数の貫通孔が形成された回転盤を有し、それらの貫通孔内に錠剤成形する造粒物を充填し、加圧部材である上杵と下杵で造粒物を加圧して成形する装置である。グリセリン脂肪酸エステルを他の成分と一緒に他の配合成分と混合した後に圧縮成型してもよいが、グリセリン脂肪酸エステルを他の成分と混合することなく、圧縮成型機の杵の表面および臼の壁面にあらかじめ塗布し、圧縮成型する方法(外部滑沢法)で製造することも可能であり、所望の硬度や崩壊性を付与することができる。滑沢剤を杵臼に塗布する方法は、従来の公知の方法や機械で行うことができる。グリセリン脂肪酸エステルは、製造途中の何時でも添加することができるが、錠剤の場合はクロピドグレルと充分に混合されうるように添加されることが望ましい。
本発明の錠剤は、通常40〜200N、好ましくは40〜150N、より好ましくは40〜120Nの硬度である。また、打錠圧は錠剤の大きさによって変わるため、上述の硬度とするように打錠圧を適時調整することができる。直径8mmの杵を用い、200mgの錠剤を打錠するとき、打錠圧力は、使用する打錠機のサイズや型式に応じて、通常2〜50kN、好ましくは5〜15kNである。
本発明者らは、クロピドグレルが医薬品添加物の種類によっては配合変化を起こすことを確認している。何の工夫も施さない場合は、これらの配合変化を起こす医薬品添加物は、クロピドグレル製剤に用いることができない。しかしながら、本発明のグリセリン脂肪酸エステルは、クロピドグレルの医薬組成物を製造するに当たり、このような影響がないことを本発明者らは見出している。したがって、種々の医薬品剤形に用いることができる利点を有することになる。
本発明によれば、このような医薬組成物を通常採用される環境下で、あるいは過酷な条件下で長期間保存した場合にも、クロピドグレルが安定に維持される。このような医薬組成物としては、経口投与用医薬組成物、特に錠剤形態にあるのが好ましく、特に、フィルムコーティング錠の形態にあるのが好ましい。これらの製剤は、通常使用される賦形剤、結合剤、崩壊剤などを用いて、通常の周知慣用の方法により容易に調製することができる。
本発明のクロピドグレル含有錠剤は、滑沢剤としてグリセリン脂肪酸エステル以外に、その他の医薬品添加物を含有してもよい。
その他の医薬品添加物としては、例えば、乳糖、白糖、D−マンニトール、トウモロコシデンプン、粉末セルロース、リン酸水素カルシウム、炭酸カルシウムなどの賦形剤;低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルメロースカルシウム、部分アルファー化デンプン、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、カルボキシメチルスターチなどの崩壊剤;ヒドロキシプロピルセルロース、ポビドン(ポリビニルピロリドン)、キサンタンガムなどの結合剤;ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メタクリル酸コポリマーLD、エチルセルロース水分散液などのコーティング剤;ショ糖脂肪酸エステル、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリソルベート60などの乳化剤;タルク、ステアリン酸マグネシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、軽質結晶セルロース・カルメロースナトリウムなどのその他の添加物が挙げられる。
その他の医薬品添加物としては、例えば、乳糖、白糖、D−マンニトール、トウモロコシデンプン、粉末セルロース、リン酸水素カルシウム、炭酸カルシウムなどの賦形剤;低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルメロースカルシウム、部分アルファー化デンプン、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、カルボキシメチルスターチなどの崩壊剤;ヒドロキシプロピルセルロース、ポビドン(ポリビニルピロリドン)、キサンタンガムなどの結合剤;ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メタクリル酸コポリマーLD、エチルセルロース水分散液などのコーティング剤;ショ糖脂肪酸エステル、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリソルベート60などの乳化剤;タルク、ステアリン酸マグネシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、軽質結晶セルロース・カルメロースナトリウムなどのその他の添加物が挙げられる。
本発明に含まれる錠剤などを製造するには通常の錠剤の製造方法を利用することができる。例えば、溶融造粒、湿式造粒、直打法等を用いることができるが、本発明者らは、このうち溶融造粒または湿式造粒による方法が本発明には好ましいことを見出した。すなわち、溶融造粒または湿式造粒によって製造された錠剤は、流動性が優れたものであり、また、打錠性においても溶融造粒によって製造された錠剤は、スティッキングを起こすことがなく、湿式造粒によって製造された錠剤もスティッキングを起こすことが少なかった。
これに対して、直打法は下記のような欠点を有していることが判明した。すなわち、直打法によって製造された錠剤は流動性が劣り、さらに流動化剤を添加する必要が判明した。さらに、直打法によって製造された錠剤はスティッキングが大量に発生した。具体的には、通常錠剤に用いられるステアリン酸マグネシウムを用いて直打法により製造した錠剤は、ステアリン酸マグネシウムを3%加えてもスティッキングが発生した。
また、無水ケイ酸を添加物として用いた場合、無水ケイ酸は流動性改善効果があるものの、無水ケイ酸を用いて直打法によって製造した錠剤は純度低下を起こすことを確認した。
以上のことから、本発明には溶融造粒または湿式造粒がより好ましい製法であることを見出したものである。
これに対して、直打法は下記のような欠点を有していることが判明した。すなわち、直打法によって製造された錠剤は流動性が劣り、さらに流動化剤を添加する必要が判明した。さらに、直打法によって製造された錠剤はスティッキングが大量に発生した。具体的には、通常錠剤に用いられるステアリン酸マグネシウムを用いて直打法により製造した錠剤は、ステアリン酸マグネシウムを3%加えてもスティッキングが発生した。
また、無水ケイ酸を添加物として用いた場合、無水ケイ酸は流動性改善効果があるものの、無水ケイ酸を用いて直打法によって製造した錠剤は純度低下を起こすことを確認した。
以上のことから、本発明には溶融造粒または湿式造粒がより好ましい製法であることを見出したものである。
本発明は、上述のようにして得られる錠剤を、更に必要によりフィルムコーティングすることでフィルムコーティング錠を製造することができる。コーティング剤としては、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン等の基材と、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、トリアセチン、クエン酸トリエチル、グリセリン、ポリエチレングリコール等の可塑剤とを組み合わせたもの等が挙げられる。必要に応じて酸化チタン、マンニトール等の添加剤を加えてもよい。また、コーティング剤のプレミックス品を用いてフィルムコーティング液を調製することもできる。この場合、例えば商品名オパドライとして、カラコン社から入手することができる。コーティング装置としては、例えばハイコーター((株)フロイト社製)等が挙げられる。
コーティングに用いる液体には、静電気防止剤、可塑剤、界面活性剤、滑沢剤、甘味料、着色料、香味料およびこれらの混合物からなる群より選択される一以上の成分をさらに含むことができる。
可塑剤は、トリアセチン、トリエチルシトレート、アセチルトリブチルシトレート、トリブチルシトレート、ジエチルフタレート、ポリエチレングリコール、ポリソルベート、モノアセチル化グリセリド、ジアセチル化グリセリド、またはこれらの混合物からなる群より選択される。可塑剤は、コーティングポリマーの多くとも約40重量%、好ましくは15から30重量%の割合で用いられる。
界面活性剤は、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤および両性界面活性剤からなる群より選択される。界面活性剤は、コーティングポリマーの多くとも約20重量%、好ましくは5から15重量%の割合で用いられる。
静電気防止剤は、微粉または非微粉タルク、コロイド状シリカ(Aerosil 200)、加工シリカ(Aerosil R972)、沈降シリカ(Syloid FP244)、およびこれらの混合物からなる群より選択される。静電気防止剤は、コーティングポリマーの多くとも約10重量%、好ましくは0から3重量%、さらに好ましくは1重量%未満の割合で用いられる。
滑沢剤としては、グリセリン脂肪酸エステル以外の他にも各種乳化剤を合わせて使用することが可能であり、例えば、ショ糖脂肪酸エステル、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、二酸化珪素、硬化油、ワックス、タルクから成る群から選ばれる1又は2以上をグリセリン脂肪酸エステルと組み合わせて使用することができる。
可塑剤は、トリアセチン、トリエチルシトレート、アセチルトリブチルシトレート、トリブチルシトレート、ジエチルフタレート、ポリエチレングリコール、ポリソルベート、モノアセチル化グリセリド、ジアセチル化グリセリド、またはこれらの混合物からなる群より選択される。可塑剤は、コーティングポリマーの多くとも約40重量%、好ましくは15から30重量%の割合で用いられる。
界面活性剤は、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤および両性界面活性剤からなる群より選択される。界面活性剤は、コーティングポリマーの多くとも約20重量%、好ましくは5から15重量%の割合で用いられる。
静電気防止剤は、微粉または非微粉タルク、コロイド状シリカ(Aerosil 200)、加工シリカ(Aerosil R972)、沈降シリカ(Syloid FP244)、およびこれらの混合物からなる群より選択される。静電気防止剤は、コーティングポリマーの多くとも約10重量%、好ましくは0から3重量%、さらに好ましくは1重量%未満の割合で用いられる。
滑沢剤としては、グリセリン脂肪酸エステル以外の他にも各種乳化剤を合わせて使用することが可能であり、例えば、ショ糖脂肪酸エステル、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、二酸化珪素、硬化油、ワックス、タルクから成る群から選ばれる1又は2以上をグリセリン脂肪酸エステルと組み合わせて使用することができる。
以下に実施例及び比較例ならびに試験例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
実施例1
表1に示す処方に従って下記のようにしてコーティング錠を製造した。クロピドグレル、無水乳糖、部分アルファー化デンプン、ポリエチレングリコールを流動層造粒機((株)パウレック製 FD−MP−01DH)に投入し、混合した。その後、給気温度を80℃に設定し、PEG融解による溶融造粒を行い、その後ポリエチレングリコールの融点以下まで冷却し、造粒物を得た。得られた造粒物を、30メッシュを用いて篩過した後、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを加え攪拌混合し、さらにグリセリン脂肪酸エステルを加え攪拌混合した。得られた打錠用顆粒をロータリー打錠機(菊水製作所、VELA5)により打錠成型し、8.5mm径の錠剤を得た。その後、ヒプロメロース、酸化チタン、ポリエチレングリコールを用いて常法によりフィルムコーティングを被覆し、フィルムコーティング錠を得た。
表1に示す処方に従って下記のようにしてコーティング錠を製造した。クロピドグレル、無水乳糖、部分アルファー化デンプン、ポリエチレングリコールを流動層造粒機((株)パウレック製 FD−MP−01DH)に投入し、混合した。その後、給気温度を80℃に設定し、PEG融解による溶融造粒を行い、その後ポリエチレングリコールの融点以下まで冷却し、造粒物を得た。得られた造粒物を、30メッシュを用いて篩過した後、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを加え攪拌混合し、さらにグリセリン脂肪酸エステルを加え攪拌混合した。得られた打錠用顆粒をロータリー打錠機(菊水製作所、VELA5)により打錠成型し、8.5mm径の錠剤を得た。その後、ヒプロメロース、酸化チタン、ポリエチレングリコールを用いて常法によりフィルムコーティングを被覆し、フィルムコーティング錠を得た。
実施例2
実施例1に準じて錠剤を得た。
実施例1に準じて錠剤を得た。
実施例3
実施例1に準じて錠剤を得た。
実施例1に準じて錠剤を得た。
比較例1
グリセリン脂肪酸エステルに代えて硬化油、ショ糖脂肪酸エステル、ステアリン酸、タルクを用いて実施例1に準じて比較例1〜5の錠剤を得た。
グリセリン脂肪酸エステルに代えて硬化油、ショ糖脂肪酸エステル、ステアリン酸、タルクを用いて実施例1に準じて比較例1〜5の錠剤を得た。
比較例8
実施例1に準じて比較例8の錠剤を得た。
実施例1に準じて比較例8の錠剤を得た。
比較例9
表に示す処方に従って下記のようにして錠剤を製造した。クロピドグレル、無水乳糖、部分アルファー化デンプン、L−HPCを袋混合した。さらに、ステアリン酸Mgを加え、袋混合した。得られた打錠用顆粒をロータリー打錠機(菊水製作所、VELA5)により打錠成型し、8.5mm径の錠剤を得た。
表に示す処方に従って下記のようにして錠剤を製造した。クロピドグレル、無水乳糖、部分アルファー化デンプン、L−HPCを袋混合した。さらに、ステアリン酸Mgを加え、袋混合した。得られた打錠用顆粒をロータリー打錠機(菊水製作所、VELA5)により打錠成型し、8.5mm径の錠剤を得た。
試験例1 (純度試験)
クロピドグレルコーティング錠の純度試験を行った。即ち、実施例3,比較例2、4、10で調製したクロピドグレル錠を無包装で、40℃75%RH、60℃で2w保存した。各サンプルの類縁物質の量を定量することにより、安定性の指標とした。
類縁物質の測定方法
次の条件で液体クロマトグラフィーにより試験を行い、それぞれの液の各々のピーク面積を自動積分法で測定する。
測定条件
検出器:紫外吸光光度計(測定波長:220nm)
カラム:ULTRON ES−OVM(4.6mm ID×150mm,粒子径5μm)
カラム温度:25℃付近の一定温度
移動相:リン酸緩衝液/アセトニトリル(75:25)
リン酸二水素カリウム1.36gを水に溶かし,1000mLとした。
流量:毎分0.5mL
注入量:10μL
溶媒:移動相
試料溶液の調製
クロピドグレル硫酸塩として5mgに対応する量をとり,溶媒10mLを加えて振り混ぜる。
この液を遠心分離し,上澄液を試料溶液とする。(3000rpm,10min)
クロピドグレルコーティング錠の純度試験を行った。即ち、実施例3,比較例2、4、10で調製したクロピドグレル錠を無包装で、40℃75%RH、60℃で2w保存した。各サンプルの類縁物質の量を定量することにより、安定性の指標とした。
類縁物質の測定方法
次の条件で液体クロマトグラフィーにより試験を行い、それぞれの液の各々のピーク面積を自動積分法で測定する。
測定条件
検出器:紫外吸光光度計(測定波長:220nm)
カラム:ULTRON ES−OVM(4.6mm ID×150mm,粒子径5μm)
カラム温度:25℃付近の一定温度
移動相:リン酸緩衝液/アセトニトリル(75:25)
リン酸二水素カリウム1.36gを水に溶かし,1000mLとした。
流量:毎分0.5mL
注入量:10μL
溶媒:移動相
試料溶液の調製
クロピドグレル硫酸塩として5mgに対応する量をとり,溶媒10mLを加えて振り混ぜる。
この液を遠心分離し,上澄液を試料溶液とする。(3000rpm,10min)
試験例2(色調変化試験)
クロピドグレルコーティング錠の色調変化試験を行った。即ち、実施例2,比較例8で調製したクロピドグレル錠を無包装で、60℃で2w保存した。各サンプルの色差を測定した。
色彩色差計(ミノルタ(株)製、CR−300)を用いて、initialとの色差変化をΔEとして算出した。各3錠を用い、錠剤の両面を測定した。
クロピドグレルコーティング錠の色調変化試験を行った。即ち、実施例2,比較例8で調製したクロピドグレル錠を無包装で、60℃で2w保存した。各サンプルの色差を測定した。
色彩色差計(ミノルタ(株)製、CR−300)を用いて、initialとの色差変化をΔEとして算出した。各3錠を用い、錠剤の両面を測定した。
試験例3(打錠試験)
実施例2および実施例3、比較例1、3〜7の造粒物に各々滑沢剤を添加し、打錠した。打錠の際のスティッキングの有無を判定した。
打錠条件:打圧9±1kN、回転数30rpm、杵本数1本、打錠数150錠、打錠時間5min
実施例2および実施例3、比較例1、3〜7の造粒物に各々滑沢剤を添加し、打錠した。打錠の際のスティッキングの有無を判定した。
打錠条件:打圧9±1kN、回転数30rpm、杵本数1本、打錠数150錠、打錠時間5min
試験例4(崩壊試験)
クロピドグレルコーティング錠の崩壊時間を測定した。即ち、実施例1,比較例9で調製したクロピドグレル錠を無包装で、40℃75%RHで2w保存した。各サンプルの崩壊時間を測定し、崩壊性の指標とした。崩壊時間の測定は、第一六改正日本薬局方の崩壊試験に準じて、試験液に水を用い試験を行った。
クロピドグレルコーティング錠の崩壊時間を測定した。即ち、実施例1,比較例9で調製したクロピドグレル錠を無包装で、40℃75%RHで2w保存した。各サンプルの崩壊時間を測定し、崩壊性の指標とした。崩壊時間の測定は、第一六改正日本薬局方の崩壊試験に準じて、試験液に水を用い試験を行った。
本発明により、良好な配合安定性、良好な打錠性を示し、また色調変化が少なく、さらに崩壊性も良好であるクロピドグレル製剤を提供することができる。
Claims (5)
- クロピドグレル又はその塩及び滑沢剤としてグリセリン脂肪酸エステルを使用することを特徴とするクロピドグレル含有錠剤。
- グリセリン脂肪酸エステルが、錠剤全重量に対して0.1〜20重量%である請求項1に記載のクロピドグレル含有錠剤。
- グリセリン脂肪酸エステルの主成分が、ベヘン酸トリグリセリドであることを特徴とする請求項1乃至2に記載のクロピドグレル含有錠剤。
- クロピドグレル又はその塩、及び滑沢剤としてグリセリン脂肪酸エステルを使用することを特徴とするクロピドグレル含有錠剤の製造方法。
- 直接打錠あるいは溶融造粒または湿式造粒によって製造することを特徴とする請求項4記載のクロピドグレル含有錠剤の製造方法。
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