JP2014233931A - 可逆熱変色性積層体及びそれを用いた可逆熱変色性貼着体 - Google Patents

可逆熱変色性積層体及びそれを用いた可逆熱変色性貼着体 Download PDF

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中島 明雄
Akio Nakajima
明雄 中島
義明 熊沢
Yoshiaki Kumazawa
義明 熊沢
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Abstract

【課題】 複数枚を重ねて保存したり、巻いて保存しても可逆熱変色層と該可逆熱変色層に隣接する積層体が固着することなく、よって、使用時に積層体同士を分離し易く、剥がす際に可逆熱変色層が支持体から剥離することのない可逆熱変色性積層体及びそれを用いた可逆熱変色性貼着体を提供する。【解決手段】 支持体2上に、可逆熱変色性組成物を内包させた可逆熱変色性マイクロカプセル顔料31が、バインダー樹脂中に分散状態に固着された可逆熱変色層3を設けてなり、前記可逆熱変色層の厚みよりも大きい粒子径を有する可逆熱変色性マイクロカプセル顔料をマイクロカプセル顔料全量中5体積%以上含有する可逆熱変色性積層体1、前記可逆熱変色性積層体に粘着層を設けてなる可逆熱変色性貼着体。【選択図】 図4

Description

本発明は可逆熱変色性積層体及びそれを用いた可逆熱変色性貼着体に関する。更に詳細には、保存性に優れた可逆熱変色性積層体及びそれを用いた可逆熱変色性貼着体に関する。
従来、支持体上に可逆熱変色層を設けた可逆熱変色性積層体が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
前記可逆熱変色性積層体は、色や変色温度を多様に設定でき、装飾分野、玩具分野、文具分野等、多様な分野に適用性を有している。
前記可逆熱変色性積層体は、製造時或いは保管時に複数枚を重ねて保存したり、長尺の場合は巻いて保存することがある。その際、可逆熱変色層と該可逆熱変色層に隣接する積層体が接触した状態になるため、可逆熱変色層と隣接する積層体が固着して使用時に積層体同士を分離できなくなったり、剥がす際に可逆熱変色層が支持体から剥離し、隣接する積層体に付着して商品性を損なうことがあった。
特開昭62−140881号公報
本発明は、支持体上に可逆熱変色層を設けた可逆熱変色性積層体の保存後の不具合を解消しようとするものであって、即ち、複数枚を重ねて保存したり、巻いて保存しても可逆熱変色層と該可逆熱変色層に隣接する積層体が固着することなく、使用時に積層体同士を分離し易く、剥がす際に可逆熱変色層が支持体から剥離することのない可逆熱変色性積層体及びそれを用いた可逆熱変色性貼着体を提供しようとするものである。
本発明は、支持体上に、(イ)電子供与性呈色性有機化合物、(ロ)電子受容性化合物、及び(ハ)前記両者の呈色反応の生起温度を決める反応媒体を含む可逆熱変色性組成物を内包させた可逆熱変色性マイクロカプセル顔料が、バインダー樹脂中に分散状態に固着された可逆熱変色層を設けてなり、前記可逆熱変色層の厚みよりも大きい粒子径を有する可逆熱変色性マイクロカプセル顔料をマイクロカプセル顔料全量中5体積%以上含有することを特徴とする可逆熱変色性積層体を要件とする。
更には、前記可逆熱変色層の厚みが、可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の最小粒子径よりも大きいこと、前記可逆熱変色層の厚みが、可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の平均粒子径よりも大きいこと等を要件とする。
更には、可逆熱変色性積層体に粘着層を設けてなる可逆熱変色性貼着体を要件とする。
本発明は、複数枚を重ねて保存したり、巻いて保存しても可逆熱変色層と該可逆熱変色層に隣接する積層体の支持体が固着することなく、よって、使用時に積層体同士を分離し易く、剥がす際に可逆熱変色層が支持体から剥離することのない実用性に富む可逆熱変色性積層体及びそれを用いた可逆熱変色性貼着体を提供できる。
加熱消色型の可逆熱変色性組成物を内包したマイクロカプセル顔料の変色挙動を示す説明図である。 色彩記憶性を有する加熱消色型の可逆熱変色性組成物を内包したマイクロカプセル顔料の変色挙動を示す説明図である。 加熱発色型の可逆熱変色性組成物を内包したマイクロカプセル顔料の変色挙動を示す説明図である。 本発明の可逆熱変色性積層体の一実施例を示す拡大縦断面説明図である。 図4の可逆熱変色性積層体を巻回した状態を示す斜視図である。
前記支持体は、印刷適性を備えた基材であれば全て有効である。
前記支持体の材質は特に限定されるものではないが、紙、合成紙、不織布等の布帛、フィルム、プラスチック、ゴム、合成皮革等が挙げられる。
前記支持体の形状としては平面状、シート状のものが好ましい。
前記フィルム、プラスチックの材質としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリウレタン、ポリオレフィン、酢酸ビニル樹脂、エチレン酢酸ビニル樹脂等を例示できる。
前記支持体は、無色透明の他、半透明、着色透明、着色半透明であってもよいが、不透明であってもよい。
前記支持体上に設けられる可逆熱変色層は、可逆熱変色性マイクロカプセル顔料をバインダー樹脂中に分散状態に固着させた層である。
前記可逆熱変色性マイクロカプセル顔料は、(イ)電子供与性呈色性有機化合物、(ロ)電子受容性化合物、及び(ハ)前記両者の呈色反応の生起温度を決める反応媒体を含む可逆熱変色性組成物をカプセル壁膜に内包させた顔料である。
前記可逆熱変色性マイクロカプセル顔料としては、特公昭51−44706号公報、特公昭51−44707号公報、特公平1−29398号公報等に記載された、所定の温度(変色点)を境としてその前後で変色し、高温側変色点以上の温度域で消色状態、低温側変色点以下の温度域で発色状態を呈し、前記両状態のうち常温域では特定の一方の状態しか存在せず、もう一方の状態は、その状態が発現するのに要した熱又は冷熱が適用されている間は維持されるが、前記熱又は冷熱の適用がなくなれば常温域で呈する状態に戻る、ヒステリシス幅が比較的小さい特性(ΔH=1〜7℃)を有する加熱消色型(加熱により消色し、冷却により発色する)の可逆熱変色性組成物を内包した可逆熱変色性マイクロカプセル顔料を適用できる(図1参照)。
また、特公平4−17154号公報、特開平7−179777号公報、特開平7−33997号公報、特開平8−39936号公報等に記載されている大きなヒステリシス特性(ΔH=8〜50℃)を示す、即ち、温度変化による着色濃度の変化をプロットした曲線の形状が、温度を変色温度域より低温側から上昇させていく場合と逆に変色温度域より高温側から下降させていく場合とで大きく異なる経路を辿って変色し、完全発色温度(t)以下の低温域での発色状態、又は完全消色温度(t)以上の高温域での消色状態が、特定温度域〔t〜tの間の温度域(実質的二相保持温度域)〕で色彩記憶性を有する加熱消色型(加熱により消色し、冷却により発色する)の可逆熱変色性組成物を内包した可逆熱変色性マイクロカプセル顔料も適用できる(図2参照)。
以下に可逆熱変色性組成物を内包した可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の色濃度−温度曲線におけるヒステリシス特性を図2のグラフによって説明する。
図2において、縦軸に色濃度、横軸に温度が表されている。温度変化による色濃度の変化は矢印に沿って進行する。ここで、Aは完全に消色した状態に達する温度t(以下、完全消色温度と称す)における濃度を示す点であり、Bは消色し始める温度t(以下、消色開始温度と称す)における濃度を示す点であり、Cは発色し始める温度t(以下、発色開始温度と称す)における濃度を示す点であり、Dは完全に発色した状態に達する温度t(以下、完全発色温度と称す)における濃度を示す点である。
また、線分EFの長さが変色のコントラストを示す尺度であり、線分HGの長さがヒステリシスの程度を示す温度幅(以下、ヒステリシス幅ΔHと記す)であり、このΔH値が大きい程、変色前後の各状態の保持が容易である。
ここで、tとtの差、或いは、tとtの差(Δt)が変色の鋭敏性を示す尺度である。
前記可逆熱変色性マイクロカプセル顔料は25℃乃至50℃、好ましくは30℃乃至40℃で色変化することにより、環境温度の変化により変色したり、或いは、指や手で触ったり擦ったりすることにより簡便に変色させることができる。
更に、可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の発消色状態のうち常温域では特定の一方の状態(発色状態)のみ存在させるためには、完全消色温度(t)が50℃以上であり、且つ、発色開始温度(t)が5℃以下であることが好ましい。
ここで、発色状態が常温域(25℃前後)で保持するために何故完全消色温度(t)が50℃以上、且つ、発色開始温度(t)が5℃以下であるかを説明すると、発色状態から消色開始温度(t)を経て完全消色温度(t)に達しない状態で加温を止めると、再び第一の状態に復する現象を生じること、及び、消色状態から発色開始温度(t)を経て完全発色温度(t)に達しない状態で冷却を中止しても発色を生じた状態が維持されることから、完全消色温度(t)が常温域を越える50℃以上であれば、発色状態は通常の使用状態において維持されることになり、発色開始温度(t)が常温域を下回る5℃以下の温度であれば消色状態は通常の使用において維持される。
前述の完全消色温度(t)の温度設定において、発色状態が通常の使用状態において維持されるためにはより高い温度であることが好ましく、完全消色温度(t)は55℃以上が好適であり、60℃以上がより好適である。
更に、前述の発色開始温度(t)の温度設定において、消色状態が通常の使用状態において維持されるためにはより低い温度であることが好ましく、0℃以下が好適であり、−5℃以下がより好適である。
なお、可逆熱変色性組成物を内包したマイクロカプセル顔料を予め発色状態にするためには冷却手段としては汎用の冷凍庫にて冷却することが好ましいが、冷凍庫の冷却能力を考慮すると、−50℃迄が限度であり、完全発色温度(t)は−50℃〜5℃、好ましくは−50℃〜0℃、より好ましくは−50℃〜−5℃である。
ヒステリシス幅(ΔH)は40℃乃至100℃の範囲であり、好ましくは50乃至100℃、更に好ましくは60乃至100℃である。
以下に可逆熱変色性組成物を構成する(イ)、(ロ)、(ハ)成分について説明する。
前記(イ)成分である電子供与性呈色性有機化合物としては、ジフェニルメタンフタリド類、フェニルインドリルフタリド類、インドリルフタリド類、ジフェニルメタンアザフタリド類、フェニルインドリルアザフタリド類、フルオラン類、スチリノキノリン類、ジアザローダミンラクトン類等が挙げられる。
以下にこれらの化合物を例示する。
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、
3−(4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、
3,3−ビス(1−n−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、
3,3−ビス(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、
3−〔2−エトキシ−4−(N−エチルアニリノ)フェニル〕−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、
3,6−ジフェニルアミノフルオラン、
3,6−ジメトキシフルオラン、
3,6−ジ−n−ブトキシフルオラン、
2−メチル−6−(N−エチル−N−p−トリルアミノ)フルオラン、
3−クロロ−6−シクロヘキシルアミノフルオラン、
2−メチル−6−シクロヘキシルアミノフルオラン、
2−(2−クロロアミノ)−6−ジブチルアミノフルオラン、
2−(2−クロロアニリノ)−6−ジ−n−ブチルアミノフルオラン、
2−(3−トリフルオロメチルアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−(N−メチルアニリノ)−6−(N−エチル−N−p−トリルアミノ)フルオラン、
1,3−ジメチル−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−クロロ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−ジ−n−ブチルアミノフルオラン、
2−キシリジノ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、
1,2−ベンツ−6−ジエチルアミノフルオラン、
1,2−ベンツ−6−(N−エチル−N−イソブチルアミノ)フルオラン、
1,2−ベンツ−6−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)フルオラン、
2−(3−メトキシ−4−ドデコキシスチリル)キノリン、
スピロ〔5H−(1)ベンゾピラノ(2,3−d)ピリミジン−5,1′(3′H)イソベンゾフラン〕−3′−オン、
2−(ジエチルアミノ)−8−(ジエチルアミノ)−4−メチル−スピロ〔5H−(1)ベンゾピラノ(2,3−g)ピリミジン−5,1′(3′H)イソベンゾフラン〕−3−オン、
2−(ジ−n−ブチルアミノ)−8−(ジ−n−ブチルアミノ)−4−メチル−スピロ〔5H−(1)ベンゾピラノ(2,3−g)ピリミジン−5,1′(3′H)イソベンゾフラン〕−3−オン、
2−(ジ−n−ブチルアミノ)−8−(ジエチルアミノ)−4−メチル−スピロ〔5H−(1)ベンゾピラノ(2,3−g)ピリミジン−5,1′(3′H)イソベンゾフラン〕−3−オン、
2−(ジ−n−ブチルアミノ)−8−(N−エチル−N−i−アミルアミノ)−4−メチル−スピロ〔5H−(1)ベンゾピラノ(2,3−g)ピリミジン−5,1′(3′H)イソベンゾフラン〕−3−オン、
2−(ジブチルアミノ)−8−(ジペンチルアミノ)−4−メチル−スピロ[5H−(1)ベンゾピラノ(2,3−g)ピリミジン−5,1′(3′H)−イソベンゾフラン]−3−オン、
3−(2−メトキシ−4−ジメチルアミノフェニル)−3−(1−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、
3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、
3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−ペンチル−2−メチルインドール−3−イル)−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、
4,5,6,7−テトラクロロ−3−[4−(ジメチルアミノ)−2−メチルフェニル]−3−(1−エチル−2−メチル−1H−インドール−3−イル)−1(3H)−イソベンゾフラノン、
3′,6′−ビス〔フェニル(2−メチルフェニル)アミノ〕−スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9′−〔9H〕キサンテン]−3−オン、
3′,6′−ビス〔フェニル(3−メチルフェニル)アミノ〕−スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9′−〔9H〕キサンテン]−3−オン、
3′,6′−ビス〔フェニル(3−エチルフェニル)アミノ〕−スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9′−〔9H〕キサンテン]−3−オン、
4−[2,6−ビス(2−エトキシフェニル)−4−ピリジニル]−N,N−ジメチルベンゼンアミン等を挙げることができる。
前記(ロ)成分の電子受容性化合物としては、活性プロトンを有する化合物群、偽酸性化合物群(酸ではないが、組成物中で酸として作用して成分(イ)を発色させる化合物群)、電子空孔を有する化合物群等がある。
活性プロトンを有する化合物を例示すると、フェノール性水酸基を有する化合物としては、モノフェノール類からポリフェノール類があり、さらにその置換基としてアルキル基、アリール基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルボキシ基及びそのエステル又はアミド基、ハロゲン基等を有するもの、及びビス型、トリス型フェノール等、フェノール−アルデヒド縮合樹脂等を挙げることができる。また、前記フェノール性水酸基を有する化合物の金属塩であってもよい。
以下に具体例を挙げる。
フェノール、o−クレゾール、ターシャリーブチルカテコール、ノニルフェノール、n−オクチルフェノール、n−ドデシルフェノール、n−ステアリルフェノール、p−クロロフェノール、p−ブロモフェノール、o−フェニルフェノール、p−ヒドロキシ安息香酸n−ブチル、p−ヒドロキシ安息香酸n−オクチル、レゾルシン、没食子酸ドデシル、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、4,4−ジヒドロキシジフェニルスルホン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、1−フェニル−1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルプロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−ヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−ヘプタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−オクタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−ノナン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−デカン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−ドデカン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)2−エチルヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチルプロピオネート、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−ヘプタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−ノナン等がある。
前記フェノール性水酸基を有する化合物が最も有効な熱変色特性を発現させることができるが、芳香族カルボン酸及び炭素数2〜5の脂肪族カルボン酸、カルボン酸金属塩、酸性リン酸エステル及びそれらの金属塩、1、2、3−トリアゾール及びその誘導体から選ばれる化合物等であってもよい。
前記(イ)、(ロ)成分による電子授受反応を特定温度域において可逆的に生起させる反応媒体の(ハ)成分としては、アルコール類、エステル類、ケトン類、エーテル類を挙げることができる。
前記(ハ)成分のうち、低分子量のものは高熱処理を施すとカプセル外に蒸散するので、安定的にカプセル内に保持させるために炭素数10以上の化合物が好適に用いられる。
アルコール類としては、炭素数10以上の脂肪族一価の飽和アルコールが有効であり、具体的にはデシルアルコール、ウンデシルアルコール、ドデシルアルコール、トリデシルアルコール、テトラデシルアルコール、ペンタデシルアルコール、ヘキサデシルアルコール、ヘプタデシルアルコール、オクタデシルアルコール、エイコシルアルコール、ドコシルアルコール等が挙げられる。
エステル類としては、炭素数10以上のエステル類が有効であり、脂肪族及び脂環或いは芳香環を有する一価カルボン酸と、脂肪族及び脂環或いは芳香環を有する一価アルコールの任意の組み合わせから得られるエステル類、脂肪族及び脂環或いは芳香環を有する多価カルボン酸と、脂肪族及び脂環或いは芳香環を有する一価アルコールの任意の組み合わせから得られるエステル類、脂肪族及び脂環或いは芳香環を有する一価カルボン酸と、脂肪族及び脂環或いは芳香環を有する多価アルコールの任意の組み合わせから得られるエステル類が挙げられ、具体的にはカプリル酸エチル、カプリル酸オクチル、カプリル酸ステアリル、カプリン酸ミリスチル、カプリン酸ドコシル、ラウリン酸2−エチルヘキシル、ラウリン酸n−デシル、ミリスチン酸3−メチルブチル、ミリスチン酸セチル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸ネオペンチル、パルミチン酸ノニル、パルミチン酸シクロヘキシル、ステアリン酸n−ブチル、ステアリン酸2−メチルブチル、ステアリン酸3,5,5−トリメチルヘキシル、ステアリン酸n−ウンデシル、ステアリン酸ペンタデシル、ステアリン酸ステアリル、ステアリン酸シクロヘキシルメチル、ベヘン酸イソプロピル、ベヘン酸ヘキシル、ベヘン酸ラウリル、ベヘン酸ベヘニル、安息香酸セチル、p−tert−ブチル安息香酸ステアリル、フタル酸ジミリスチル、フタル酸ジステアリル、シュウ酸ジミリスチル、シュウ酸ジセチル、マロン酸ジセチル、コハク酸ジラウリル、グルタル酸ジラウリル、アジピン酸ジウンデシル、アゼライン酸ジラウリル、セバシン酸ジ−(n−ノニル)、1,18−オクタデシルメチレンジカルボン酸ジネオペンチル、エチレングリコールジミリステート、プロピレングリコールジラウレート、プロピレングリコールジステアレート、ヘキシレングリコールジパルミテート、1,5−ペンタンジオールジステアレート、1,2,6−ヘキサントリオールトリミリステート、1,4−シクロヘキサンジオールジデシル、1,4−シクロヘキサンジメタノールジミリステート、キシレングリコールジカプリネート、キシレングリコールジステアレート等が挙げられる。
また、飽和脂肪酸と分枝脂肪族アルコールのエステル、不飽和脂肪酸又は分枝もしくは置換基を有する飽和脂肪酸と分岐状であるか又は炭素数16以上の脂肪族アルコールのエステル、酪酸セチル、酪酸ステアリル及び酪酸ベヘニルから選ばれるエステル化合物も有効である。
具体的には、酪酸2−エチルヘキシル、ベヘン酸2−エチルヘキシル、ミリスチン酸2−エチルヘキシル、カプリン酸2−エチルヘキシル、ラウリン酸3,5,5−トリメチルヘキシル、パルミチン酸3,5,5−トリメチルヘキシル、ステアリン酸3,5,5−トリメチルヘキシル、カプロン酸2−メチルブチル、カプリル酸2−メチルブチル、カプリン酸2−メチルブチル、パルミチン酸1−エチルプロピル、ステアリン酸1−エチルプロピル、ベヘン酸1−エチルプロピル、ラウリン酸1−エチルヘキシル、ミリスチン酸1−エチルヘキシル、パルミチン酸1−エチルヘキシル、カプロン酸2−メチルペンチル、カプリル酸2−メチルペンチル、カプリン酸2−メチルペンチル、ラウリン酸2−メチルペンチル、ステアリン酸2−メチルブチル、ステアリン酸2−メチルブチル、ステアリン酸3−メチルブチル、ステアリン酸1−メチルヘプチル、ベヘン酸2−メチルブチル、ベヘン酸3−メチルブチル、ステアリン酸1−メチルヘプチル、ベヘン酸1−メチルヘプチル、カプロン酸1−エチルペンチル、パルミチン酸1−エチルペンチル、ステアリン酸1−メチルプロピル、ステアリン酸1−メチルオクチル、ステアリン酸1−メチルヘキシル、ラウリン酸1,1−ジメチルプロピル、カプリン酸1−メチルペンチル、パルミチン酸2−メチルヘキシル、ステアリン酸2−メチルヘキシル、ベヘン酸2−メチルヘキシル、ラウリン酸3,7−ジメチルオクチル、ミリスチン酸3,7−ジメチルオクチル、パルミチン酸3,7−ジメチルオクチル、ステアリン酸3,7−ジメチルオクチル、ベヘン酸3,7−ジメチルオクチル、オレイン酸ステアリル、オレイン酸ベヘニル、リノール酸ステアリル、リノール酸ベヘニル、エルカ酸3,7−ジメチルオクチル、エルカ酸ステアリル、エルカ酸イソステアリル、イソステアリン酸セチル、イソステアリン酸ステアリル、12−ヒドロキシステアリン酸2−メチルペンチル、18−ブロモステアリン酸2−エチルヘキシル、2−ケトミリスチン酸イソステアリル、2−フルオロミリスチン酸2−エチルヘキシル、酪酸セチル、酪酸ステアリル、酪酸ベヘニル等が挙げられる。
また、色彩記憶性を有する可逆熱変色性組成物を得るための(ハ)成分としては、5℃以上50℃未満のΔT値(融点−曇点)を示すカルボン酸エステル化合物、例えば、分子中に置換芳香族環を含むカルボン酸エステル、無置換芳香族環を含むカルボン酸と炭素数10以上の脂肪族アルコールのエステル、分子中にシクロヘキシル基を含むカルボン酸エステル、炭素数6以上の脂肪酸と無置換芳香族アルコール又はフェノールのエステル、炭素数8以上の脂肪酸と分岐脂肪族アルコール又はエステル、ジカルボン酸と芳香族アルコール又は分岐脂肪族アルコールのエステル、ケイ皮酸ジベンジル、ステアリン酸ヘプチル、アジピン酸ジデシル、アジピン酸ジラウリル、アジピン酸ジミリスチル、アジピン酸ジセチル、アジピン酸ジステアリル、トリラウリン、トリミリスチン、トリステアリン、ジミリスチン、ジステアリン等が用いられる。
また、炭素数9以上の奇数の脂肪族一価アルコールと炭素数が偶数の脂肪族カルボン酸から得られる脂肪酸エステル化合物、n−ペンチルアルコール又はn−ヘプチルアルコールと炭素数10乃至16の偶数の脂肪族カルボン酸より得られる総炭素数17乃至23の脂肪酸エステル化合物も有効である。
具体的には、酢酸n−ペンタデシル、酪酸n−トリデシル、酪酸n−ペンタデシル、カプロン酸n−ウンデシル、カプロン酸n−トリデシル、カプロン酸n−ペンタデシル、カプリル酸n−ノニル、カプリル酸n−ウンデシル、カプリル酸n−トリデシル、カプリル酸n−ペンタデシル、カプリン酸n−ヘプチル、カプリン酸n−ノニル、カプリン酸n−ウンデシル、カプリン酸n−トリデシル、カプリン酸n−ペンタデシル、ラウリン酸n−ペンチル、ラウリン酸n−ヘプチル、ラウリン酸n−ノニル、ラウリン酸n−ウンデシル、ラウリン酸n−トリデシル、ラウリン酸n−ペンタデシル、ミリスチン酸n−ペンチル、ミリスチン酸n−ヘプチル、ミリスチン酸n−ノニル、ミリスチン酸n−ウンデシル、ミリスチン酸n−トリデシル、ミリスチン酸n−ペンタデシル、パルミチン酸n−ペンチル、パルミチン酸n−ヘプチル、パルミチン酸n−ノニル、パルミチン酸n−ウンデシル、パルミチン酸n−トリデシル、パルミチン酸n−ペンタデシル、ステアリン酸n−ノニル、ステアリン酸n−ウンデシル、ステアリン酸n−トリデシル、ステアリン酸n−ペンタデシル、エイコサン酸n−ノニル、エイコサン酸n−ウンデシル、エイコサン酸n−トリデシル、エイコサン酸n−ペンタデシル、ベヘニン酸n−ノニル、ベヘニン酸n−ウンデシル、ベヘニン酸n−トリデシル、ベヘニン酸n−ペンタデシル等を挙げることができる。
また、ケトン類としては、総炭素数が10以上の脂肪族ケトン類が有効であり、2−デカノン、3−デカノン、4−デカノン、2−ウンデカノン、3−ウンデカノン、4−ウンデカノン、5−ウンデカノン、2−ドデカノン、3−ドデカノン、4−ドデカノン、5−ドデカノン、2−トリデカノン、3−トリデカノン、2−テトラデカノン、2−ペンタデカノン、8−ペンタデカノン、2−ヘキサデカノン、3−ヘキサデカノン、9−ヘプタデカノン、2−ペンタデカノン、2−オクタデカノン、2−ノナデカノン、10−ノナデカノン、2−エイコサノン、11−エイコサノン、2−ヘンエイコサノン、2−ドコサノン、ラウロン、ステアロン等を挙げることができる。
また、総炭素数が12乃至24のアリールアルキルケトン類、例えば、n−オクタデカノフェノン、n−ヘプタデカノフェノン、n−ヘキサデカノフェノン、n−ペンタデカノフェノン、n−テトラデカノフェノン、4−n−ドデカアセトフェノン、n−トリデカノフェノン、4−n−ウンデカノアセトフェノン、n−ラウロフェノン、4−n−デカノアセトフェノン、n−ウンデカノフェノン、4−n−ノニルアセトフェノン、n−デカノフェノン、4−n−オクチルアセトフェノン、n−ノナノフェノン、4−n−ヘプチルアセトフェノン、n−オクタノフェノン、4−n−ヘキシルアセトフェノン、4−n−シクロヘキシルアセトフェノン、4−tert−ブチルプロピオフェノン、n−ヘプタフェノン、4−n−ペンチルアセトフェノン、シクロヘキシルフェニルケトン、ベンジル−n−ブチルケトン、4−n−ブチルアセトフェノン、n−ヘキサノフェノン、4−イソブチルアセトフェノン、1−アセトナフトン、2−アセトナフトン、シクロペンチルフェニルケトン等を挙げることができる。
また、エーテル類としては、総炭素数10以上の脂肪族エーテル類が有効であり、ジペンチルエーテル、ジヘキシルエーテル、ジヘプチルエーテル、ジオクチルエーテル、ジノニルエーテル、ジデシルエーテル、ジウンデシルエーテル、ジドデシルエーテル、ジトリデシルエーテル、ジテトラデシルエーテル、ジペンタデシルエーテル、ジヘキサデシルエーテル、ジオクタデシルエーテル、デカンジオールジメチルエーテル、ウンデカンジオールジメチルエーテル、ドデカンジオールジメチルエーテル、トリデカンジオールジメチルエーテル、デカンジオールジエチルエーテル、ウンデカンジオールジエチルエーテル等を挙げることができる。
また、前記(ハ)成分として、下記一般式(1)で示される化合物を用いることもできる。
Figure 2014233931
〔式中、Rは水素原子又はメチル基を示し、mは0〜2の整数を示し、X、Xのいずれか一方は−(CHOCOR又は−(CHCOOR、他方は水素原子を示し、nは0〜2の整数を示し、Rは炭素数4以上のアルキル基又はアルケニル基を示し、Y及びYは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、メトキシ基、又は、ハロゲンを示し、r及びpは1〜3の整数を示す。〕
前記式(1)で示される化合物のうち、Rが水素原子の場合、より広いヒステリシス幅を有する可逆熱変色性組成物が得られるため好適であり、更にRが水素原子であり、且つ、mが0の場合がより好適である。
なお、式(1)で示される化合物のうち、より好ましくは下記一般式(2)で示される化合物が用いられる。
Figure 2014233931
式中のRは炭素数8以上のアルキル基又はアルケニル基を示すが、好ましくは炭素数10〜24のアルキル基、更に好ましくは炭素数12〜22のアルキル基である。
前記化合物として具体的には、オクタン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、ノナン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、デカン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、ウンデカン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、ドデカン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、トリデカン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、テトラデカン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、ペンタデカン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、ヘキサデカン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、ヘプタデカン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、オクタデカン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチルを例示できる。
更に、前記(ハ)成分として、下記一般式(3)で示される化合物を用いることもできる。
Figure 2014233931
(式中、Rは炭素数8以上のアルキル基又はアルケニル基を示し、m及びnはそれぞれ1〜3の整数を示し、X及びYはそれぞれ水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ハロゲンを示す。)
前記化合物として具体的には、オクタン酸1,1−ジフェニルメチル、ノナン酸1,1−ジフェニルメチル、デカン酸1,1−ジフェニルメチル、ウンデカン酸1,1−ジフェニルメチル、ドデカン酸1,1−ジフェニルメチル、トリデカン酸1,1−ジフェニルメチル、テトラデカン酸1,1−ジフェニルメチル、ペンタデカン酸1,1−ジフェニルメチル、ヘキサデカン酸1,1−ジフェニルメチル、ヘプタデカン酸1,1−ジフェニルメチル、オクタデカン酸1,1−ジフェニルメチルを例示できる。
更に、前記(ハ)成分として下記一般式(4)で示される化合物を用いることもできる。
Figure 2014233931
(式中、Xは水素原子、炭素数1乃至4のアルキル基、メトキシ基、ハロゲン原子のいずれかを示し、mは1乃至3の整数を示し、nは1乃至20の整数を示す。)
前記化合物としては、マロン酸と2−〔4−(4−クロロベンジルオキシ)フェニル)〕エタノールとのジエステル、こはく酸と2−(4−ベンジルオキシフェニル)エタノールとのジエステル、こはく酸と2−〔4−(3−メチルベンジルオキシ)フェニル)〕エタノールとのジエステル、グルタル酸と2−(4−ベンジルオキシフェニル)エタノールとのジエステル、グルタル酸と2−〔4−(4−クロロベンジルオキシ)フェニル)〕エタノールとのジエステル、アジピン酸と2−(4−ベンジルオキシフェニル)エタノールとのジエステル、ピメリン酸と2−(4−ベンジルオキシフェニル)エタノールとのジエステル、スベリン酸と2−(4−ベンジルオキシフェニル)エタノールとのジエステル、スベリン酸と2−〔4−(3−メチルベンジルオキシ)フェニル)〕エタノールとのジエステル、スベリン酸と2−〔4−(4−クロロベンジルオキシ)フェニル)〕エタノールとのジエステル、スベリン酸と2−〔4−(2,4−ジクロロベンジルオキシ)フェニル)〕エタノールとのジエステル、アゼライン酸と2−(4−ベンジルオキシフェニル)エタノールとのジエステル、セバシン酸と2−(4−ベンジルオキシフェニル)エタノールとのジエステル、1,10−デカンジカルボン酸と2−(4−ベンジルオキシフェニル)エタノールとのジエステル、1,18-オクタデカンジカルボン酸と2−(4−ベンジルオキシフェニル)エタノールとのジエステル、1,18-オクタデカンジカルボン酸と2−〔4−(2−メチルベンジルオキシ)フェニル)〕エタノールとのジエステルを例示できる。
更に、前記(ハ)成分として下記一般式(5)で示される化合物を用いることもできる。
Figure 2014233931
(式中、Rは炭素数1乃至21のアルキル基又はアルケニル基を示し、nは1乃至3の整数を示す。)
前記化合物としては、1,3−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼンとカプリン酸とのジエステル、1,3−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼンとウンデカン酸とのジエステル、1,3−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼンとラウリン酸とのジエステル、1,3−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼンとミリスチン酸とのジエステル、1,4−ビス(ヒドロキシメトキシ)ベンゼンと酪酸とのジエステル、1,4−ビス(ヒドロキシメトキシ)ベンゼンとイソ吉草酸とのジエステル、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼンと酢酸とのジエステル、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼンとプロピオン酸とのジエステル、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼンと吉草酸とのジエステル、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼンとカプロン酸とのジエステル、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼンとカプリル酸とのジエステル、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼンとカプリン酸とのジエステル、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼンとラウリン酸とのジエステル、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼンとミリスチン酸とのジエステルを例示できる。
更に、前記(ハ)成分として下記一般式(6)で示される化合物を用いることもできる。
Figure 2014233931
(式中、Xは水素原子、炭素数1乃至4のアルキル基、炭素数1乃至4のアルコキシ基、ハロゲン原子のいずれかを示し、mは1乃至3の整数を示し、nは1乃至20の整数を示す。)
前記化合物としては、こはく酸と2−フェノキシエタノールとのジエステル、スベリン酸と2−フェノキシエタノールとのジエステル、セバシン酸と2−フェノキシエタノールとのジエステル、1,10-デカンジカルボン酸と2−フェノキシエタノールとのジエステル、1,18-オクタデカンジカルボン酸と2−フェノキシエタノールとのジエステルを例示できる。
更に、電子受容性化合物として炭素数3乃至18の直鎖又は側鎖アルキル基を有する特定のアルコキシフェノール化合物を用いたり(特開平11−129623号公報、特開平11−5973号公報)、特定のヒドロキシ安息香酸エステルを用いたり(特開2001−105732号公報)、没食子酸エステル等を用いた(特公昭51−44706号公報、特開2003−253149号公報)加熱発色型(加熱により発色し、冷却により消色する)の可逆熱変色性組成物を内包したマイクロカプセル顔料を適用することもできる(図3参照)。
前記(イ)、(ロ)、(ハ)成分の配合割合は、濃度、変色温度、変色形態や各成分の種類に左右されるが、一般的に所望の変色特性が得られる成分比は、(イ)成分1に対して、(ロ)成分0.1〜50、好ましくは0.5〜20、(ハ)成分1〜800、好ましくは5〜200の範囲である(前記割合はいずれも質量部である)。また、各成分は各々二種以上を混合して用いてもよい。
前記可逆熱変色性組成物はマイクロカプセル壁膜に内包して可逆熱変色性マイクロカプセル顔料として使用される。これは、種々の使用条件において可逆熱変色性組成物は同一の組成に保たれ、同一の作用効果を奏することができるからである。
前記可逆熱変色性組成物をマイクロカプセル化する方法としては、界面重合法、界面重縮合法、in Situ重合法、液中硬化被覆法、水溶液からの相分離法、有機溶媒からの相分離法、融解分散冷却法、気中懸濁被覆法、スプレードライング法等があり、用途に応じて適宜選択される。更にマイクロカプセルの表面には、目的に応じて更に二次的な樹脂皮膜を設けて耐久性を付与したり、表面特性を改質させて実用に供することもできる。
ここで、可逆熱変色性組成物とマイクロカプセル壁膜の質量比は7:1〜1:1、好ましくは6:1〜1:1の範囲を満たす。
可逆熱変色性組成物の壁膜に対する比率が前記範囲より大になると、壁膜の厚みが肉薄となり過ぎ、圧力や熱に対する耐性の低下を生じ易く、壁膜の可逆熱変色性組成物に対する比率が前記範囲より大になると発色時の色濃度及び鮮明性の低下を生じ易くなる。
前記可逆熱変色性マイクロカプセル顔料は、平均粒子径が0.1〜30μm、好ましくは0.3〜20μm、より好ましくは0.5〜10μmの範囲が実用性を満たす。
前記マイクロカプセルは平均粒子径が30μmを越えると分散安定性に欠けることがあり、また、平均粒子径が0.1μm未満では高濃度の発色性を示し難くなる。
粒子径の測定はレーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置〔(株)堀場製作所製;LA−300〕を用いて測定し、その数値を基に平均粒子径(メジアン径)を体積基準で算出する。
前記可逆熱変色性マイクロカプセル顔料は、バインダー樹脂を含む水性又は油性ビヒクル中に所定量を分散させてインキや塗料となし、汎用の印刷乃至塗布手段により、支持体上(支持体の表面又は裏面)に可逆熱変色層を配設する。
可逆熱変色層は、層中に一種の可逆熱変色性顔料を含有させたものに限らず、相異なる変色点を有する複数の可逆熱変色性マイクロカプセル顔料を含有させて多段変色させることもできる。
前記可逆熱変色層は、ベタ印刷されたものに限らず、文字、数字、記号、図柄等の印刷像であってもよい。
前記可逆熱変色層は、可逆熱変色性マイクロカプセル顔料が、バインダー樹脂中に分散状態に固着されてなり、前記可逆熱変色層の厚みよりも大きい粒子径を有する可逆熱変色性マイクロカプセル顔料をマイクロカプセル顔料全量中5体積%以上含有する。
これを詳しく説明すると、可逆熱変色層の厚みよりも大きい粒子径を有する可逆熱変色性マイクロカプセル顔料が存在すると、可逆熱変色層表面よりマイクロカプセル顔料の一部が突出するため、複数枚を重ねて保存したり、長尺の場合は巻いて保存する際、可逆熱変色層と該可逆熱変色層に隣接する積層体が密着し難くなり、可逆熱変色層と隣接する積層体が固着して使用時に積層体同士を分離できなくなる(ブロッキング)を防止することができる。
その結果、剥がす際に可逆熱変色層が容易に剥離して隣接する積層体に付着することもなく商品性を満足させることができる。
前記可逆熱変色性マイクロカプセル顔料は、可逆熱変色層の厚みよりも大きい粒子径を有する顔料をマイクロカプセル顔料全量中5体積%以上含有することにより、可逆熱変色層表面に適度な凸部を生じて可逆熱変色層表面よりマイクロカプセル顔料が突出して隣接する積層体との密着を防止する効果に優れる。
可逆熱変色層の厚みよりも大きい粒子径を有する顔料がマイクロカプセル顔料全量中5体積%未満では、可逆熱変色層表面に適度な凸部を生じさせ難く、隣接する積層体との密着防止が困難になる。
前記可逆熱変色性マイクロカプセル顔料は、好ましくは可逆熱変色層の厚みよりも大きい粒子径を有する顔料をマイクロカプセル顔料全量中10体積%以上、より好ましくは15体積%以上含有する。
また、前記可逆熱変色層の厚みは、可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の最小粒子径よりも大きいことが好ましく、前記可逆熱変色層の厚みは、可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の平均粒子径よりも大きいことがより好ましい。
前記可逆熱変色層の厚みが可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の最小粒子径よりも大きいことにより、層中にマイクロカプセル顔料が内在されるため、耐擦過性に富み、色変化の永続性に優れた可逆熱変色層を形成することができる。
前記可逆熱変色層の厚みが可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の平均粒子径よりも大きいことにより、層中に大多数のマイクロカプセル顔料が内在されるため、より耐擦過性に富み、色変化の永続性に優れた可逆熱変色層を形成することができる。
前記可逆熱変色性積層体は、粘着層を設けてテープやラベル(シール)等の可逆熱変色性貼着体として用いることができる。
前記粘着層は、汎用のアクリル樹脂系、ウレタン樹脂系、スチレン−ブタジエン共重合体、ビニルエーテル共重合体、天然ゴム等や公知のタック付与剤を適宜に併用して形成する。
前記可逆熱変色層上の視認される側(粘着層を設けていない側)には、金属光沢層を設けることもできる。
前記金属光沢層は、透明性金属光沢顔料をバインダー樹脂中に分散状態に固着させた層である。
前記透明性金属光沢顔料としては、透明性芯物質の表面を金属酸化物で被覆した顔料が有用である。
前記透明性金属光沢顔料として具体的には、天然雲母、合成雲母、偏平ガラス片、薄片状酸化アルミニウム等の芯物質の表面を金属酸化物で被覆した透明性金属光沢顔料、コレステリック液晶型金属光沢顔料が用いられる。
天然雲母を芯物質とする透明性金属光沢顔料は、天然雲母粒子の表面に酸化チタンを被覆したもの、前記酸化チタンの上層に酸化鉄や非熱変色性染顔料を被覆したもの等が有効であり、天然雲母の表面を41〜44質量%の酸化チタンで被覆した粒度が5〜50μmの金色金属光沢顔料、天然雲母の表面を30〜38質量%の酸化チタンで被覆し、その上に0.5〜10質量%の非熱変色性有色顔料を被覆した粒度が5〜60μmの金色金属光沢顔料、天然雲母の表面を16〜39質量%の酸化チタンで被覆した粒度が5〜100μmの銀色金属光沢顔料、天然雲母の表面を45〜58質量%の酸化チタンで被覆したメタリック色金属光沢顔料、天然雲母の表面を45〜58質量%の酸化チタンで被覆し、その上に0.5〜10質量%の非熱変色性有色染顔料を被覆したメタリック色金属光沢顔料等が挙げられる。
前記天然雲母の表面を酸化チタン等の金属酸化物で被覆した顔料として具体的には、メルク社製の商品名「イリオジン」品番:100(粒度分布10〜60μm:シルバーパール)、120(粒度分布5〜25μm:ラスターサテン)、201(粒度分布5〜25μm:ルチルファインゴールド)、205(粒度分布10〜60μm:ルチルプラチナゴールド)、221(粒度分布5〜25μm:ルチルファインブルー)、225(粒度分布10〜60μm:ルチルブルーパール)、231(粒度分布5〜25μm:ルチルファインレッド)、235(粒度分布10〜60μm:ルチルグリーンパール)、BASF社製の商品名「ルミナカラーズ」品番:ルミナゴールド(粒度分布10〜48μm:金色)、ルミナレッド(粒度分布10〜48μm:メタリックレッド)、ルミナレッドブルー(粒度分布10〜48μm:メタリックブルー)、ルミナアクアブルー(粒度分布10〜48μm:メタリックブルー)、ルミナグリーン(粒度分布10〜48μm:メタリックグリーン)、ルミナターコイズ(粒度分布10〜48μm:メタリックグリーン)等を例示できる。
合成雲母を芯物質とし、その表面を酸化チタン等の金属酸化物で被覆した透明性金属光沢顔料は、芯物質として天然雲母を用いた系に較べて不純物や鉄等の着色因子となる金属イオンの含有量が少なく、光輝性に優れ、キラキラ光る様相を呈すると共に、透明性も優れる。
前記金属光沢顔料は、合成雲母の表面を被覆する金属酸化物の被覆率によって、金色、銀色、或いはメタリック色の金属光沢を呈する。
合成雲母としては、KMg(AlSi10)Fが挙げられる。
前記雲母の形状は特定されないが、偏平形状や鱗片形状のものを例示できる。 合成雲母の表面を被覆する金属酸化物としては、チタン、ジルコニウム、クロム、バナジウム、鉄等の金属酸化物を例示できるが、好適には酸化チタンを主成分とする金属酸化物が挙げられる。
前記金属光沢顔料は平均の厚みが0.1〜5μmであり、平均粒子径が2〜200μm、好ましくは2〜100μmのものが有効である。
前記合成雲母の表面を金属酸化物で被覆した顔料として具体的には、日本光研工業(株)製の商品名「アルティミカ」品番:SB−100(5〜30μm:銀色)、SD−100(10〜60μm:銀色)、SE−100(15〜100μm:銀色)、SF−100(44〜150μm:銀色)、SH−100(150〜600μm:銀色)、YB−100(5〜30μm:金色)、YD−100(10〜60μm:金色)、YE−100(15〜100μm:金色)、YF−100(44〜150μm:金色)、RB−100(5〜300μm:メタリックレッド)、RD−100(10〜60μm:メタリックレッド)、RE−100(15〜100μm:メタリックレッド)、RF−100(44〜150μm:メタリックレッド)、RBB−100(5〜30μm:メタリックパープル)、RBD−100(10〜60μm:メタリックパープル)、RBE−100(15〜100μm:メタリックパープル)、RBF−100(44〜150μm:メタリックパープル)、VB−100(5〜30μm:メタリックバイオレット)、VD−100(10〜60μm:メタリックバイオレット)、VE−100(15〜100μm:メタリックバイオレット)、VF−100(44〜150μm:メタリックバイオレット)、BB−100(5〜30μm:メタリックブルー)、BD−100(10〜60μm:メタリックブルー)、BE−100(15〜100μm:メタリックブルー)、BF−100(44〜150μm:メタリックブルー)、GB−100(5〜30μm:メタリックグリーン)、GD−100(10〜60μm:メタリックグリーン)、GE−100(15〜100μm:メタリックグリーン)、GF−100(44〜150μm:メタリックグリーン)等を例示できる。
偏平ガラス片を芯物質とし、その表面を酸化チタン等の金属酸化物で被覆した透明性金属光沢顔料は、金属酸化物の被覆率により金色、銀色、或いはメタリック色の金属光沢を呈する。
前記偏平ガラス片の表面を金属酸化物で被覆した顔料として具体的には、鱗片状のガラス片を酸化チタンで被覆した日本板硝子(株)製の商品名「メタシャイン」MC5090RS(90μm:銀色)、MC5090RY(90μm:金色)、MC5090RR(90μm:赤色)、MC5090RV(90μm:紫色)、MC5090RB(90μm:青色)、MC5090RG(90μm:緑色)、MC1080RS(80μm:銀色)、MC1080RY(80μm:金色)、MC1080RR(80μm:赤色)、MC1080RB(80μm:青色)、MC1080RG(80μm:緑色)、MC1040RS(40μm:銀色)、MC1040RY(40μm:金色)、MC1040RR(40μm:赤色)、MC1040RB(40μm:青色)、MC1040RG(40μm:緑色)、MC1020RS(20μm:銀色)、MC1020RY(20μm:金色)、MC1020RR(20μm:赤色)、MC1020RB(20μm:青色)、MC1020RG(20μm:緑色)、MC1080RSS1(80μm:銀色)、MC1080RYS1(80μm:金色)等を例示できる。
薄片状酸化アルミニウムを芯物質とし、その表面を酸化チタン等の金属酸化物で被覆した透明性金属光沢顔料は、芯物質が天然雲母の系と比較して不純物の含有量が少なく、光輝性に優れている。
前記酸化アルミニウムの表面を被覆する金属酸化物としては、チタン、ジルコニウム、クロム、バナジウム、鉄等の金属酸化物を例示できるが、好適には酸化チタンを主成分とする金属酸化物が適用され、前記金属酸化物の被覆率によって、金色、銀色、メタリック色等の金属色を呈する。
前記金属光沢顔料は平均の厚みが0.1〜5μmであり、平均粒子径が2〜200μm、好ましくは2〜100μmのものが有効である。
前記薄片状酸化アルミニウムの表面を金属酸化物で被覆した顔料として具体的には、メルク社製の商品名「シラリック」品番:T50−10(10〜30μm:銀色)、T60−10WNT(10〜30μm:銀色)、T60−20WNT(10〜30μm:金色)、T60−24WNT(10〜30μm:メタリックグリーン)、T60−23WNT(10〜30μm:メタリックブルー)等を例示できる。
前記カラーフロップ性を有する透明性金属光沢顔料としては、コレステリック液晶型金属光沢顔料、酸化珪素を1種又は2種以上の金属酸化物で被覆してなる透明性金属光沢顔料が挙げられる。
前記コレステリック液晶型光輝性顔料について説明する。
コレステリック液晶型光輝性顔料として用いられる液晶ポリマーは光の干渉効果によって広いスペクトル領域で入射する光の一部の領域のみが反射し、これ以外の領域は全て光が透過する性質を有する。反射スペクトルの領域は、らせん状のポリマーのピッチ幅、及び材料の屈折率によって決まり、また、反射スペクトル領域は左、及び右らせんに偏光した光線成分に分割され、その際、らせんの回転方向に応じて一方は反射され、他方は透過させることが可能となる。これによりコレステリック液晶型光輝性材料は全体的なスペクトル領域にわたり、透過、及び反射する性質、即ち、優れた金属光沢と視点により色相が変化するカラーフロップ性を有する。
また、前記コレステリック液晶型光輝性顔料は、光輝性と共に透明性も有する。
前記コレステリック液晶型光輝性顔料としては、メソジェンを側鎖に持つシロキサン骨格をベースとした材料を例示できる。
前記コレステリック液晶型光輝性顔料として、具体的にはワッカーケミー社製の商品名「ヘリコーンHC」、品番:Sapphire(SLM90020)〔青色→暗色〕、Scarabeus(SLM90120)〔緑色→青色〕、Jade(SLM90220)〔金色→緑青色〕、Maple(SLM90320)〔赤銅色→緑色〕等を挙げることができる。
前記コレステリック液晶型光輝性顔料は平均の厚みが3〜15μm、好ましくは5〜10μmの範囲であり、平均の粒度が1〜100μm、好ましくは10〜60μmの範囲のものが好適に用いられる。
前記酸化珪素を1種又は2種以上の金属酸化物で被覆してなる金属光沢顔料は、光透過性を有すると共に、光の干渉効果によって視覚する角度や光の当たる角度で様々な色彩を表現できるカラーフロップ性と金属光沢性を有する。
また、2種以上の金属酸化物で酸化珪素を多層に被覆する場合、光反射率の異なる金属酸化物を用いることで、より効果的にカラーフロップ性と金属光沢性を付与できる。
前記金属酸化物としては、酸化錫、酸化チタン、酸化鉄等が挙げられる。
前記金属光沢顔料としては、メルク社製の商品名:Colorstream T10−01 Viola Fantasy、Colorstream T10−00 Autumn Mystery等を例示できる。
前記金属光沢顔料はカラーフロップ性を有するものであればどのような粒度でも使用できるが、好適には平均粒度が1〜100μm、好ましくは5〜50μmの範囲のものが用いられる。
前記透明性金属光沢顔料を分散状態に固着させるバインダー樹脂としては、汎用の樹脂、例えば、アイオノマー樹脂、イソブチレン−無水マレイン酸系共重合樹脂、アクリロニトリル−アクリリックスチレン共重合樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂、アクリロニトリル塩素化ポリエチレン−スチレン共重合樹脂、エチレン−塩化ビニル共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニル−塩化ビニルグラフト共重合樹脂、塩化ビニリデン樹脂、塩化ビニル樹脂、塩素化塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合樹脂、塩素化ポリエチレン樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ハイインパクトポリスチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリメチルスチレン樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、エポキシアクリレート樹脂、アルキルフェノール樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、ロジン変性アルキド樹脂、フェノール樹脂変性アルキド樹脂、エポキシ樹脂変性アルキド樹脂、スチレン変性アルキド樹脂、アクリル変性アルキド樹脂、アミノアルキド樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アルキッド樹脂、天然ゴム、ポリイソブチレン、ブチルゴム、ポリビニルアルキルエーテル、ロジン、ロジンエステル、ロジン誘導体、ポリテルペン樹脂、油溶性フェノール樹脂、石油系炭化水素樹脂、シェラック、環化ゴム、酢酸ビニル系エマルジョン樹脂、スチレン−ブタジエン系エマルジョン樹脂、アクリル酸エステル系エマルジョン樹脂、水溶性アルキド樹脂、水溶性メラミン樹脂、水溶性尿素樹脂、水溶性フェノール樹脂、水溶性エポキシ樹脂、水溶性ポリブタジエン樹脂、酢酸セルローズ、硝酸セルローズ、エチルセルローズ等を挙げることができる。
前記透明性金属光沢顔料とバインダー樹脂は、水や有機溶剤等の適宜の溶剤に溶解または分散させてインキや塗料を調製し、透明性テープ基材の裏面に塗布し、乾燥させて金属光沢層が形成される。
前記金属光沢層上の視認される側(粘着層を設けていない側)に非変色性着色剤を含む非変色像を設けたり、前記可逆熱変色層の下層に非変色性着色剤を含む非変色像を設けたり、可逆熱変色層を設けていない箇所に非変色像を設けることもできる。
前記非変色像としては、文字、数字、記号、図柄等の像が挙げられる。
更に、前記可逆熱変色層や金属光沢層の上層には光安定剤層を適宜設けることができる。
具体的には、前記光安定剤層は紫外線吸収剤、酸化防止剤、老化防止剤、一重項酸素消光剤、スーパーオキシドアニオン消光剤、オゾン消色剤、可視光線吸収剤、赤外線吸収剤から選ばれる光安定剤を分散状態に固着した層である。
前記可逆熱変色性貼着体の具体的な積層構造としては、透明性支持体の裏面に、可逆熱変色性マイクロカプセル顔料をバインダー樹脂を含むビヒクルに分散させたインキを用いて、印刷乃至塗布手段により可逆熱変色層を設け、前記可逆熱変色層上に汎用の粘着剤の塗布により粘着層を形成することが好ましい。
また、金属光沢層を設ける場合は、透明性支持体の裏面に、透明性金属光沢顔料をバインダー樹脂を含むビヒクルに分散させたインキを用いて、汎用の印刷乃至塗布手段により金属光沢層を設け、前記金属光沢層上に可逆熱変色性マイクロカプセル顔料をバインダー樹脂を含むビヒクルに分散させたインキを用いて、印刷乃至塗布手段により可逆熱変色層を設け、前記可逆熱変色層上に汎用の粘着剤の塗布により粘着層を形成することが好ましい。
なお、前記可逆熱変色性積層体及びそれを用いた可逆熱変色性貼着体は、加熱又は冷却することにより変色させることができる。
加熱手段としては、抵抗発熱体を装備した通電加熱変色具、温水等を充填した加熱変色具、ヘアドライヤーを用いたり、指や手で擦る方法が挙げられるが、簡便な方法により変色可能な手段として摩擦体を用いることができる。
前記摩擦体としては、弾性感に富み、擦過時に適度な摩擦を生じて摩擦熱を発生させることのできるゴム、エラストマー、プラスチック発泡体等の弾性体が好適である。
前記摩擦体の材質としては、シリコーン樹脂、SBS樹脂(スチレン−ブチレン−スチレン共重合体)、SEBS樹脂(スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体)、ポリエステル系樹脂が好適に用いられる。
前記摩擦体の形状は特に限定されるものではないが、球形の他、正方形、長方形、三角錘、四角錘、円錐、円柱等の多面体形状、人形、動物、植物、乗物、建造物、食品等の形態であってもよい。
また、前記摩擦体をプラスチック、ガラス、陶磁器、木材、石材、金属等の成形物や筆記具に取り付けて用いることもできる。
前記冷却手段としては、ペルチエ素子を利用した冷熱変色具、冷水、氷片等の冷媒を充填した冷熱変色具、冷蔵庫や冷凍庫の適用が挙げられる。
前記可逆熱変色性貼着体は、測温を要する対象物に必要により適宜形状、大きさに切断して、貼りつけることにより簡便に温度を視認でき、飲料、食品分野、衣料分野、家庭用品、冷凍冷蔵分野、包装分野等は勿論、品質乃至工程管理、保守保安分野等の広範な分野への適用性を有する。
以下に本発明の可逆熱変色性積層体及びそれを用いた可逆熱変色性貼着体の実施例を記載する。
なお、実施例中の部は、質量部を示す。
実施例1(図4、5参照)
支持体2として、厚さ25μmの長尺透明ポリエステル製フィルム上に、(イ)成分として2−(2−クロロアニリノ)−6−ジブチルアミノフルオラン3部、(ロ)成分として1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルプロパン5部、(ハ)成分としてミリスチン酸ミリスチル50部からなる可逆熱変色性組成物をエポキシ樹脂及びアミン硬化剤による界面重合反応によりエポキシ樹脂壁膜に内包した可逆熱変色性マイクロカプセル顔料31(30℃以下で黒色、40℃以上で無色に変色する)65部を、ポリエステル系樹脂(固形分30質量%)150部、消泡レベリング剤5部、粘度調整剤2部、水35部を含む水性ビヒクル中に分散させた可逆熱変色性インキを塗工、乾燥して、平均厚み17μmの可逆熱変色層3を設けて可逆熱変色性積層体1を得た。
前記可逆熱変色性積層体は、支持体側から視認すると、30℃以下では黒色であるが、40℃以上に加温すると無色となり、この状態は何度も繰り返し行うことができた。
なお、前記可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の平均粒子径(メジアン径)は、9.4μmであり、最少粒子径は1.8μm、最大粒子径は40μmであり、可逆熱変色層の平均厚み17μmより大きい粒子径を有する割合は、11.8体積%であった。
前記可逆熱変色性積層体を可逆熱変色層側が内側になるように巻いて可逆熱変色性巻回体4とし、可逆熱変色層と該可逆熱変色層に隣接する積層体の支持体が密着した状態で保存した。
その後、可逆熱変色性巻回体を実用に供する際、可逆熱変色層と隣接する積層体の支持体が分離できなくなる(ブロッキング)現象を生じることなく使用することができた。
実施例2
支持体として、厚さ25μmの長尺ポリエステル製フィルム上に、天然雲母の表面を51重量%の酸化チタンで被覆したメタリックゴールド色の透明性金属光沢顔料(BASF社製、商品名;ルミナゴールド(粒度分布10〜48μm:金色)15部を、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤3部、ポリエステル系樹脂(固形分30質量%)80部及び消泡レベリング剤2部を含むビヒクル中に添加した金属光沢インキを塗工、乾燥して厚さ10μmの金属光沢層を設けた。
次いで、前記金属光沢層上に、(イ)成分として2−(2−クロロアニリノ)−6−ジブチルアミノフルオラン3部、(ロ)成分として1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルプロパン5部、(ハ)成分としてセチルアルコール25部、カプリン酸ステアリル25部からなる可逆熱変色性組成物をエポキシ樹脂及びアミン硬化剤による界面重合反応によりエポキシ樹脂壁膜に内包した可逆熱変色性マイクロカプセル顔料(30℃以下で黒色、35℃以上で無色に変色する)65部を、ポリウレタン系樹脂(固形分35質量%)130部、消泡レベリング剤5部、粘度調整剤2部、水35部を含む水性ビヒクル中に分散させた可逆熱変色性インキを塗工、乾燥して、平均厚み20μmの可逆熱変色層を設けて可逆熱変色性積層体を得た。
前記可逆熱変色性積層体は、支持体側から視認すると、30℃以下では金色であったが、35℃以上に加温すると無色となり、この状態は何度も繰り返し行うことができた。
なお、前記可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の平均粒子径(メジアン径)は、14.5μmであり、最少粒子径は5.2μm、最大粒子径は45μmであり、可逆熱変色層の平均厚み18μmより大きい粒子径を有する割合は、16.0体積%であった。
前記可逆熱変色性積層体を可逆熱変色層側が内側になるように巻いて可逆熱変色性巻回体とし、可逆熱変色層と該可逆熱変色層に隣接する積層体の支持体が密着した状態で保存した。
その後、可逆熱変色性巻回体を実用に供する際、可逆熱変色層と隣接する積層体の支持体が分離できなくなる(ブロッキング)現象を生じることなく使用することができた。
実施例3
支持体として、厚さ25μmの透明ポリエステル製フィルム(ポリエステル樹脂を厚さ0.5μmで塗布してなる)上に、天然雲母の表面を酸化チタンで被覆したメタリックバイオレット色の透明性金属光沢顔料(BASF社製、商品名;スーパーバイオレット5303V)15部を、ポリエステル樹脂エマルジョン(固形分30質量%)75部及び消泡レベリング剤2部、粘度調整剤3部、水5部を含むビヒクル中に添加した金属光沢インキを塗工、乾燥して厚さ10μmの金属光沢層を設けた。
前記金属光沢層上に、(イ)成分として1,2−ベンツ−6−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)フルオラン3部、(ロ)成分として1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルプロパン5部、(ハ)成分としてミリスチン酸ミリスチル50部からなる可逆熱変色性組成物をエポキシ樹脂及びアミン硬化剤による界面重合反応によりエポキシ樹脂壁膜に内包した可逆熱変色性マイクロカプセル顔料(30℃以下でピンク色、40℃以上で無色に変色する)65部、黄色蛍光顔料3部を、ポリエステル系樹脂(固形分30質量%)150部、消泡レベリング剤5部、粘度調整剤2部、水35部を含む水性ビヒクル中に分散させた可逆熱変色性インキを塗工、乾燥して、厚さ15μmの可逆熱変色層を設け、更に、支持体の可逆熱変色層を設けていない側に、オフセット印刷にて非変色の花柄を部分的に印刷して、可逆熱変色性積層体を得た。
前記可逆熱変色性積層体は、支持体側(可逆熱変色層を設けていない側)から視認すると、部分的に非変色の花柄が視覚され、花柄が印刷されていない部分は、30℃以下でメタリックピンク色になり、40℃以上に加温するとメタリックイエロー色になり、この状態は何度も繰り返し行うことができた。
なお、前記可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の平均粒子径(メジアン径)は、12.5μmであり、最少粒子径は4.0μm、最大粒子径は30μmであり、可逆熱変色層の平均厚み15μmより大きい粒子径を有する割合は、28.3体積%であった。
前記可逆熱変色性積層体を可逆熱変色層側が内側になるように巻いて可逆熱変色性巻回体とし、可逆熱変色層と該可逆熱変色層に隣接する積層体の支持体が密着した状態で保存した。
その後、可逆熱変色性巻回体を実用に供する際、可逆熱変色層と隣接する積層体の支持体が分離できなくなる(ブロッキング)現象を生じることなく使用することができた。
実施例4
支持体として、厚さ100μmの白色ミラコート紙上に、(イ)成分として3,3−ビス(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド1部、(ロ)成分として1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルプロパン5部、(ハ)成分としてミリスチン酸ミリスチル50部からなる可逆熱変色性組成物をエポキシ樹脂及びアミン硬化剤による界面重合反応によりエポキシ樹脂壁膜に内包した可逆熱変色性マイクロカプセル顔料(30℃以下で青緑色、40℃以上で無色に変色する)65部を、ポリエステル系樹脂(固形分30質量%)150部、消泡レベリング剤5部、粘度調整剤2部、水35部を含む水性ビヒクル中に分散させた可逆熱変色性インキを塗工、乾燥して、平均厚み20μmの可逆熱変色層を設けて可逆熱変色性積層体を得た。
前記可逆熱変色性積層体は、30℃以下では青緑色であるが、40℃以上に加温すると白色となり、この状態は何度も繰り返し行うことができた。
なお、前記可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の平均粒子径(メジアン径)は、9.8μmであり、最少粒子径は2.3μm、最大粒子径は40μmであり、可逆熱変色層の平均厚み20μmより大きい粒子径を有する割合は、5.9体積%であった。
前記可逆熱変色性積層体を可逆熱変色層側が内側になるように巻いて可逆熱変色性巻回体とし、可逆熱変色層と該可逆熱変色層に隣接する積層体の支持体が密着した状態で保存した。
その後、可逆熱変色性巻回体を実用に供する際、可逆熱変色層と隣接する積層体の支持体が分離できなくなる(ブロッキング)現象を生じることなく使用することができた。
実施例5
支持体として、厚さ25μmのポリエステル製フィルム上に、天然雲母の表面を酸化チタンで被覆したメタリックグリーン色の透明性金属光沢顔料(BASF社製、商品名;ルミナグリーン)15部を、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤3部、ポリエステル系樹脂(固形分40質量%)80部及び消泡レベリング剤2部を含むビヒクル中に添加した金属光沢インキを塗工、乾燥して厚さ8μmの金属光沢層を設けた。
次いで、前記金属光沢層上に、(イ)成分として2−(2−クロロアニリノ)−6−ジブチルアミノフルオラン3部、(ロ)成分として1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルプロパン5部、(ハ)成分としてセチルアルコール25部、カプリン酸ステアリル25部からなる可逆熱変色性組成物をエポキシ樹脂及びアミン硬化剤による界面重合反応によりエポキシ樹脂壁膜に内包した可逆熱変色性マイクロカプセル顔料(30℃以下で黒色、35℃以上で無色に変色する)65部を、ポリエステル系樹脂(固形分40質量%)120部、消泡レベリング剤5部、粘度調整剤2部、水35部を含む水性ビヒクル中に分散させた可逆熱変色性インキを用いて塗工、乾燥して、平均厚み22μmの可逆熱変色層を設けた。
更に、前記可逆熱変色層上に、スクリーン印刷にて非変色の黒色の文字(I LOVE YOU)を部分的に印刷して、可逆熱変色性積層体を得た。
前記可逆熱変色性積層体は、支持体側から視認すると、30℃以下ではメタリックグリーン色であったが、35℃以上に加温するとメタリックグリーン色の文字(I LOVE YOU)が現出し、この状態は何度も繰り返し行うことができた。
なお、前記可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の平均粒子径(メジアン径)は、14.5μmであり、最少粒子径は5.2μm、最大粒子径は45μmであり、可逆熱変色層の平均厚み22μmより大きい粒子径を有する割合は、10.5体積%であった。
前記可逆熱変色性積層体を可逆熱変色層側が内側になるように巻いて可逆熱変色性巻回体とし、可逆熱変色層と該可逆熱変色層に隣接する積層体の支持体が密着した状態で保存した。
その後、可逆熱変色性巻回体を実用に供する際、可逆熱変色層と隣接する積層体の支持体が分離できなくなる(ブロッキング)現象を生じることなく使用することができた。
実施例6
実施例1で作製した可逆熱変色性積層体の可逆熱変色層上に粘着剤を塗工して粘着層を設け、更に前記粘着層上に離型フィルムを貼りあわせた後、50mm×10mmの長方形に断裁して可逆熱変色性貼着体を得た。
前記可逆熱変色性貼着体は、30℃以下では黒色であるが、40℃以上に加温すると無色となり、対象物の任意の個所に貼って実用に供することができる。
前記可逆熱変色性貼着体を印刷物に貼着したところ、可逆熱変色層が発色した状態では黒色が視認されるため、印刷物に形成された文字を隠蔽することができた。
前記可逆熱変色性貼着体表面を指で擦ると、摩擦熱で可逆熱変色層が消色して印刷物に形成された文字を視認することができた。
なお、前記可逆熱変色性貼着体表面は支持体が存在するため擦過で傷つくことなく、30℃未満の温度になると再び黒色になって文字を隠蔽することができた。
実施例7
実施例2で作製した可逆熱変色性積層体の可逆熱変色層上に粘着剤を塗工して粘着層を設け、更に前記粘着層上に離型フィルムを貼りあわせた後、50mm×10mmの長方形に断裁して可逆熱変色性貼着体を得た。
前記可逆熱変色性貼着体は、30℃以下で金色であったが、35℃以上に加温すると無色となり、対象物の任意の個所に貼って実用に供することができる。
前記可逆熱変色性貼着体を印刷物に貼着したところ、可逆熱変色層が発色した状態では金色が視認されるため、印刷物に形成された文字を隠蔽することができた。
前記可逆熱変色性貼着体表面を指で擦ると、摩擦熱で可逆熱変色層が消色して印刷物に形成された文字を視認することができた。
なお、前記可逆熱変色性貼着体表面は支持体が存在するため指で擦っても傷つくことなく、30℃未満の温度になると再び金色になって文字を隠蔽することができた。
実施例8
実施例3で作製した可逆熱変色性積層体の可逆熱変色層上に粘着剤を塗工して粘着層を設け、更に前記粘着層上に離型紙を貼りあわせた後、直径50mmの円形に断裁して可逆熱変色性貼着体を得た。
前記可逆熱変色性貼着体を白色紙に貼着したところ、可逆熱変色層が発色した状態では花柄が部分的に描かれたメタリックピンク色が視認されていたが、可逆熱変色性貼着体の表面を指で擦ると、摩擦熱で可逆熱変色層が変色してメタリックイエロー色になった。
30℃以下の温度になると再びメタリックピンク色になり、この様相は繰り返し行うことができた。
実施例9
実施例4で作製した可逆熱変色性積層体のコート紙上に粘着剤を塗工して粘着層を設け、更に前記粘着層上に離型紙を貼りあわせた後、星形に断裁して可逆熱変色性貼着体を得た。
前記可逆熱変色性貼着体を透明なPVCシートに貼着したところ、可逆熱変色層が発色した状態では青緑色の星が視認されていたが、可逆熱変色性貼着体の表面を指で触ると、摩擦熱で可逆熱変色層が消色して白色の星に変化した。
30℃未満の温度になると再び青緑色の星を視認することができ、この様相は繰り返し行うことができた。
実施例10
実施例5で作製した可逆熱変色性積層体の可逆熱変色層及び非変色図柄上に粘着剤を塗工して粘着層を設け、更に前記粘着層上に離型フィルムを貼りあわせた後、50mm×10mmの長方形に断裁して可逆熱変色性貼着体を得た。
前記可逆熱変色性貼着体を白色紙に貼着したところ、可逆熱変色層が発色した状態ではメタリックグリーン色が視認されていたが、可逆熱変色性貼着体の表面を指で擦ると、摩擦熱で可逆熱変色層が消色してメタリックグリーン色の文字(I LOVE YOU)が視認された。
30℃以下の温度になると再び全面がメタリックグリーン色をとなり、この様相は繰り返し行うことができた。
比較例1
支持体として、厚さ25μmの長尺透明ポリエステル製フィルム上に、(イ)成分として2−(2−クロロアニリノ)−6−ジブチルアミノフルオラン3部、(ロ)成分として1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルプロパン5部、(ハ)成分としてミリスチン酸ミリスチル50部からなる可逆熱変色性組成物をエポキシ樹脂及びアミン硬化剤による界面重合反応によりエポキシ樹脂壁膜に内包した可逆熱変色性マイクロカプセル顔料(30℃以下で黒色、40℃以上で無色に変色する)65部を、ポリエステル系樹脂(固形分30質量%)150部、消泡レベリング剤5部、粘度調整剤2部、水35部を含む水性ビヒクル中に分散させた可逆熱変色性インキを塗工、乾燥して、平均厚み17μmの可逆熱変色層を設けて可逆熱変色性積層体を得た。
前記可逆熱変色性積層体は、支持体側から視認すると、30℃以下では黒色であるが、40℃以上に加温すると無色となり、この状態は何度も繰り返し行うことができた。
なお、前記可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の平均粒子径(メジアン径)は、2.3μmであり、最少粒子径は0.8μm、最大粒子径は15μmであり、可逆熱変色層の平均厚み17μmより大きい粒子は存在しなかった。
前記可逆熱変色性積層体を可逆熱変色層側が内側になるように巻いて可逆熱変色性巻回体とし、可逆熱変色層と該可逆熱変色層に隣接する積層体の支持体が密着した状態で保存した。
その後、可逆熱変色性巻回体を実用に供する際、可逆熱変色層と隣接する積層体の支持体が分離できなくなる(ブロッキング)現象を生じて使用することができなかった。
比較例2
支持体として、厚さ25μmの長尺透明ポリエステル製フィルム上に、(イ)成分として2−(2−クロロアニリノ)−6−ジブチルアミノフルオラン3部、(ロ)成分として1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルプロパン5部、(ハ)成分としてミリスチン酸ミリスチル50部からなる可逆熱変色性組成物をエポキシ樹脂及びアミン硬化剤による界面重合反応によりエポキシ樹脂壁膜に内包した可逆熱変色性マイクロカプセル顔料(30℃以下で黒色、40℃以上で無色に変色する)65部を、ポリエステル系樹脂(固形分30質量%)150部、消泡レベリング剤5部、粘度調整剤2部、水35部を含む水性ビヒクル中に分散させた可逆熱変色性インキを塗工、乾燥して、平均厚み17μmの可逆熱変色層を設けて可逆熱変色性積層体を得た。
前記可逆熱変色性積層体は、支持体側から視認すると、30℃以下では黒色であるが、40℃以上に加温すると無色となり、この状態は何度も繰り返し行うことができた。
なお、前記可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の平均粒子径(メジアン径)は、5.3μmであり、最少粒子径は1.0μm、最大粒子径は20μmであり、可逆熱変色層の平均厚み17μmより大きい粒子の割合は、3.5体積%であった。
前記可逆熱変色性積層体を可逆熱変色層側が内側になるように巻いて可逆熱変色性巻回体とし、可逆熱変色層と該可逆熱変色層に隣接する積層体の支持体が密着した状態で保存した。
その後、可逆熱変色性巻回体を実用に供する際、可逆熱変色層と隣接する積層体の支持体が分離できなくなる(ブロッキング)現象を生じて使用することができなかった。
加熱消色型の可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の完全発色温度
加熱消色型の可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の発色開始温度
加熱消色型の可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の消色開始温度
加熱消色型の可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の完全消色温度
加熱発色型の可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の完全消色温度
加熱発色型の可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の消色開始温度
加熱発色型の可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の発色開始温度
加熱発色型の可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の完全発色温度
ΔH ヒステリシス幅
1 可逆熱変色性積層体
2 支持体
3 可逆熱変色層
31 可逆熱変色性マイクロカプセル顔料
4 可逆熱変色性巻回体

Claims (6)

  1. 支持体上に、(イ)電子供与性呈色性有機化合物、(ロ)電子受容性化合物、及び(ハ)前記両者の呈色反応の生起温度を決める反応媒体を含む可逆熱変色性組成物を内包させた可逆熱変色性マイクロカプセル顔料が、バインダー樹脂中に分散状態に固着された可逆熱変色層を設けてなり、前記可逆熱変色層の厚みよりも大きい粒子径を有する可逆熱変色性マイクロカプセル顔料をマイクロカプセル顔料全量中5体積%以上含有することを特徴とする可逆熱変色性積層体。
  2. 前記可逆熱変色層の厚みが、可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の最小粒子径よりも大きい請求項1記載の可逆熱変色性積層体。
  3. 前記可逆熱変色層の厚みが、可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の平均粒子径よりも大きい請求項1記載の可逆熱変色性積層体。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載された可逆熱変色性積層体に粘着層を設けてなる可逆熱変色性貼着体。
  5. 前記可逆熱変色層上の視認される側に透明性金属光沢顔料とバインダー樹脂を含む金属光沢層を設けてなる請求項4記載の可逆熱変色性貼着体。
  6. 前記金属光沢層上の視認される側に非変色性着色剤を含む非変色像を設けてなる請求項5記載の可逆熱変色性貼着体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115895418A (zh) * 2022-09-16 2023-04-04 武汉仕全兴聚氨酯科技有限公司 一种三重可逆热致变色示温涂层材料、涂层及其制备方法

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