JP2014233723A - 溶接トーチ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】溶接トーチは、ガスシールドアーク溶接に用いる溶接トーチであって、トーチ銃身に接続される筒状のチップボディ30と、チップボディ30の外周に先端側から挿入する筒状のオリフィス40と、チップボディ30の先端外周に着脱自在に設けられ、オリフィス40をチップボディ30の外周に支持するオリフィス支持具50と、チップボディ30の先端に着脱自在に設けられた筒状のコンタクトチップ60とを備えることを特徴とする。
【選択図】図4
Description
すなわち、従来から提案されている溶接トーチの構成では、コンタクトチップを交換する際に、オリフィスが落下するという問題点があった。
以下、本発明の実施するための形態を、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
各図は、本発明を十分に理解できる程度に、概略的に示してあるに過ぎない。よって、本発明は、図示例のみに限定されるものではない。また、参照する図面において、本発明を構成する部材の寸法は、説明を明確にするために誇張して表現されている場合がある。なお、各図において、共通する構成要素や同様な構成要素については、同一の符号を付し、それらの重複する説明を省略する。
最初に、実施形態に係る溶接トーチの全体像を把握するために、図1及び図2を参照して実施形態に係る溶接トーチが用いられる溶接ロボット1の構成例について説明する。続いて、実施形態に係る溶接トーチの構成について説明する。
溶接ロボット1は、主にワイヤパック2と、コンジットケーブル3と、ワイヤ送給装置4と、溶接電源5と、マニピュレータ6と、溶接トーチ10とを備えて構成される。なお、図1における符号Aは、溶接対象である母材である。
図1に示すように、ワイヤパック2は、溶接ワイヤWの供給源であり、所定量の溶接ワイヤWが格納されるものである。溶接ワイヤWは、例えば、銅めっきワイヤ、銅めっきなしワイヤ、銅めっきなしワイヤ(SEワイヤ)等を用いることができる。
コンジットケーブル3(トーチケーブル)は、溶接電源5から供給される溶接電流、ワイヤパック2に格納される溶接ワイヤW及び図示しないシールドガス格納手段に格納されるシールドガスを溶接トーチ10に供給するものである。コンジットケーブル3は、一端がワイヤ送給装置4に接続され、他端が溶接トーチ10に接続されている。
ワイヤ送給装置4は、コンジットケーブル3を介して、溶接ワイヤWをローラ等により繰り出して溶接トーチ10に送給するものである。溶接ロボット1は、このワイヤ送給装置4を備えることにより、溶接ワイヤWを溶接トーチ10に自動的に供給することができる。
溶接電源5は、溶接電流の供給源であり、ワイヤ送給装置4及びコンジットケーブル3を介して溶接トーチ10に溶接電流を供給するものである。
マニピュレータ6は、溶接トーチ10を支持する多関節ロボットである。マニピュレータ6は、離れた場所に設置された図示しないコンピュータ等を通じて、操作・制御され、作業者の代わりに溶接作業を行う。
溶接トーチ10は、溶接ワイヤWが筒内に自動的に送給され、溶接ワイヤWを用いてアーク溶接を行うものである。図2に示すように、溶接トーチ10には、通電金具11、トーチクランプ12、及びゴムカバー13が装着されている。
通電金具11は、ノズル70と母材Aとの接触を検知するために使用する微弱な電流を、ノズル70に流すためのものである。トーチクランプ12は、溶接トーチ10をマニピュレータ6に固定するものである。ゴムカバー13は、溶接トーチ10とコンジットケーブル3との接続部を保護するためのものである。
溶接トーチ10は、トーチ銃身20と、チップボディ30と、オリフィス40と、オリフィス支持ナット50と、コンタクトチップ60と、ノズル70とを備えている。
トーチ銃身20は、トーチクランプ12に支持されると共に、ノズル70、及びチップボディ30を支持する機構を備えている。
図3に示すように、トーチ銃身20は、円筒形状をなし、先端の内面にチップボディが螺合する雌ねじ部21(図4参照)が形成されている。また、トーチ銃身20は、溶接ワイヤWをガイドするインナチューブ22が先端方向に突出し、チップボディ30が雌ねじ部21に螺合することでチップボディ30内に挿入されるように設けられている(図5参照)。そして、トーチ銃身20は、先端の外面にノズルが螺合する雄ねじ部23(図4参照)が形成されている。また、トーチ銃身20は、先端近傍に通電金具11(図2参照)が装着される通電金具装着部24が形成されている。
チップボディ30は、オリフィス40、オリフィス支持ナット50、及びコンタクトチップ60を支持する機構を備えている。チップボディ30は、金属等の通電性を有する材料で形成されている。
チップボディ30は、円筒形状をなし、後端の外面にトーチ銃身20に形成される雌ねじ部21が螺合する雄ねじ部31が形成されている。また、チップボディ30は、内径R1がインナチューブ22の外径よりも大きく形成されている。ここで、図4では、トーチ銃身20にチップボディ30が離脱された状態を二点鎖線で表し、また、図5では、トーチ銃身20にチップボディ30が装着された状態を二点鎖線で表している。チップボディ30は、トーチ銃身20の雌ねじ部21に接続されると、インナチューブ22と内面との間に一定の空間が形成され、また、コンタクトチップ60の内径にインナチューブ22の開口端が対面するように設置される。
オリフィス40は、シールドガスの整流を行う機構を備えている。
オリフィス40は、円筒形状をなし、チップボディ30の外周の先端側から挿入することで装着される。オリフィス40は、チップボディ30に装着された状態で、チップボディ30に形成される貫通孔33よりも先端側の位置に、シールドガスが流通する複数(本実施形態では8つ)の貫通孔41が周方向に等間隔で形成されている。また、オリフィス40は、貫通孔40が形成される周辺の内径が他の部分よりも大きく形成されるように内周凹部42を有している。この構成により、オリフィス40は、内周凹部42に流れ込んだシールガスが貫通孔41にスムーズに導かれ、シールドガスが乱流を起こすことを防止することができる。
オリフィス支持具であるオリフィス支持ナット50は、チップボディ30の外面に挿入されたオリフィス40が先端側から抜けないように外周位置で支持する機構を備えている。
オリフィス支持ナット50は、リング形状をなし、内面にチップボディ30に形成される雄ねじ部35が螺合する雌ねじ部51が形成されている。また、オリフィス支持ナット50は、スパナ等の工具を用いて締め付けを行うために、外面に少なくとも2面幅を有している。
コンタクトチップ60は、溶接電流を溶接ワイヤWに給電すると共に、溶接対象の母材A(溶接部)へ溶接ワイヤWをガイドする機構を備えている。コンタクトチップ60は、金属等の通電性を有する材料で形成されている。
ノズル70は、溶接対象の母材A(溶接部)に対して、図示しないガス供給装置から供給されたアルゴン(Ar)や炭酸ガス(CO2)等のシールドガスを噴射する機構を備えている。
ノズル70は、一体的に組み立てられた状態のチップボディ30、オリフィス40、オリフィス支持ナット50、及びコンタクトチップ60(図5参照)を内部に納めることが可能な内部空間を有する筒状に形成されている(図6(e)参照)。
前記説明した通り、溶接トーチ10は、コンタクトチップ60がワイヤパック2(図1参照)から供給された溶接ワイヤWをガイドしている。その為、コンタクトチップ60は、溶接時間とともに通電部として機能するコンタクトチップ60の内面が溶接ワイヤWとの接触により磨耗する。そして、コンタクトチップ60の磨耗量が増加するにしたがい、溶接ワイヤWとの接触圧の低下や接触点の移動が生じ、アーク不安定やワイヤ狙いズレが発生しやすくなる。その為、溶接時間の経過と共にコンタクトチップ60を交換する必要がある。コンタクトチップ60を交換するタイミングとしては、例えば、使用しているコンタクトチップ60の溶接時間が所定時間を経過した場合やセンサによりコンタクトチップ60の磨耗量が所定量を超えた場合等が考えられる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲の趣旨を変えない範囲で実施することができる。実施形態の変形例を以下に示す。
2 ワイヤパック
3 コンジットケーブル
4 ワイヤ送給装置
5 溶接電源
6 マニピュレータ
10 溶接トーチ
20 トーチ銃身
30 チップボディ
40 オリフィス
50 オリフィス支持ナット(オリフィス支持具)
51a 止め輪(オリフィス支持具)
60 コンタクトチップ
70 ノズル
W 溶接ワイヤ
A 母材
B ブラシ
Claims (5)
- ガスシールドアーク溶接に用いる溶接トーチであって、
トーチ銃身に接続される筒状のチップボディと、
前記チップボディの外周に先端側から挿入する筒状のオリフィスと、
前記チップボディの先端外周に着脱自在に設けられ、前記オリフィスを前記チップボディの外周に支持するオリフィス支持具と、
前記チップボディの先端に着脱自在に設けられた筒状のコンタクトチップと、
を備えることを特徴とする溶接トーチ。 - 前記オリフィス支持具は、
前記チップボディに装着された場合に、前記チップボディと前記コンタクトチップとのつなぎ目が隠れる軸方向の長さに形成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の溶接トーチ。 - 前記オリフィス支持具は、材質がクロム銅からなる、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の溶接トーチ。 - 前記オリフィス支持具は、
前記チップボディの先端外周に形成した螺子部に螺合するオリフィス支持ナットである、
ことを特徴とする請求項1ないし請求項3の何れか1項に記載の溶接トーチ。 - 前記オリフィス支持具は、
前記チップボディの先端外周に形成した溝部に係合するCリング状の止め輪である、
ことを特徴とする請求項1ないし請求項3の何れか1項に記載の溶接トーチ。
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