JP2014233484A - 眼科撮影装置及びその画像生成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】シャープさを損なうことなく、ノイズの少ない眼底画像を生成できるようにする。
【解決手段】被検眼Eの眼底を異なる撮影条件で撮影を行い、画素値の分布が異なる複数の眼底画像を生成する撮影部140と、撮影部140で生成された眼底画像における画素値の範囲よりも広い画素値の範囲からなる画像であって、撮影部140に入射する入射光量に基づき前記複数の眼底画像を合成してなる合成画像を生成する合成画像生成部150と、合成画像における画素値の範囲を圧縮して、合成画像における画素値の範囲よりも狭い画素値の範囲からなる圧縮画像を生成する圧縮画像生成部160を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、被検眼の眼底を撮影する眼科撮影装置及びその画像生成方法、眼底画像を処理する画像処理装置及び画像処理方法、画像処理装置と眼科撮影装置とが通信可能に接続された画像処理システム、並びに、眼科撮影装置の画像生成方法及び画像処理方法の各ステップをコンピュータに実行させるためのプログラムに関するものである。
従来から、被検眼の眼底を撮影する眼科撮影装置の一種として眼底カメラが知られている。眼底カメラの種類としては、散瞳型眼底カメラ、無散瞳型眼底カメラ、散瞳・無散瞳一体型眼底カメラがある。
散瞳型眼底カメラは、被検眼に散瞳剤を点眼して、観察・撮影に可視光を用いて、眼底検査及び眼底撮影をする装置である。
無散瞳型眼底カメラは、被検眼に散瞳剤を点眼せずに、被検眼が眩しさを感じない近赤外光を用いて観察し、撮影する瞬間に可視光で眼底を照明して撮影する装置である。被検眼を観察する際に近赤外光を用いることにより、被検眼を観察する際に被検眼は縮瞳しない。もし、縮瞳してしまうと、眼底を撮影することができなくなってしまう。この無散瞳型眼底カメラの一例としては、例えば、下記の特許文献1に開示されている。
散瞳・無散瞳一体型眼底カメラは、散瞳型眼底カメラと無散瞳型眼底カメラとを一体化させることで、多機能化を実現している眼底カメラである。この散瞳・無散瞳一体型眼底カメラの一例としては、例えば、下記の特許文献2に開示されている。
特開平9−308610号公報 特開平9−66030号公報
図10は、被検眼の眼底画像301を模式的に表現した図である。
被検眼の眼底の診断に重要な部位の1つに、乳頭部303と呼ばれる部位がある。また、図10に示す眼底画像301には、黄斑部302が示されている。乳頭部303及び黄斑部302のどちらの部位も眼底中央に位置している。乳頭部303は、可視光を強く反射するため、輝度が大きい。従来の散瞳眼底カメラも、従来の無散瞳眼底カメラも、この乳頭部303が白飛びしてしまわないように撮影光量を少なくして、眼底画像301を撮影している。これは、眼底画像301において白飛びが生じると、乳頭部303や乳頭部303付近を診断することができなくなるためである。
従来の眼底カメラでは、予め、どの被検眼でも白飛びしないような可視光の光量を探しておいて、その光量で撮影をしている。そして、撮影後、画像処理を行って眼底画像が明るくなるように補正をすることにより、眼底画像を診断しやすい明るさにしている。言いかえると、従来の眼底カメラでは、あえて必要以上に撮影光量を小さくして、黒つぶれ気味の光量で撮影している。そして、黒つぶれ気味の光量で撮影しているため、撮影された眼底画像は、ノイズが多いという課題がある。
そのため、従来の眼底カメラは、画像処理により眼底画像を適正な明るさへ変換するときに、同時にノイズリダクションの機能を適用することが多い。しかしながら、画像処理によるノイズ除去の能力には限界がある。また、多くのノイズリダクションの処理では、画像データを平均化することによりノイズを目立たなくするため、シャープさが損なわれてしまう。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、シャープさを損なうことなく、ノイズの少ない眼底画像を生成することを実現する仕組みを提供することを目的とする。
本発明の眼科撮影装置は、被検眼の眼底を異なる撮影条件で撮影を行い、画素値の分布が異なる複数の眼底画像を生成する撮影手段と、前記眼底画像における画素値の範囲よりも広い画素値の範囲からなる画像であって、前記撮影手段に入射する入射光量に基づき前記複数の眼底画像を合成してなる合成画像を生成する合成画像生成手段と、を有する。
また、本発明は、上述した眼科撮影装置の画像生成方法、眼底画像を処理する画像処理装置及び画像処理方法、画像処理装置と眼科撮影装置とが通信可能に接続された画像処理システム、並びに、眼科撮影装置の画像生成方法及び画像処理方法の各ステップをコンピュータに実行させるためのプログラムを含む。
本発明によれば、シャープさを損なうことなく、ノイズの少ない眼底画像を生成することが可能となる。
本発明の実施形態に係る眼科撮影装置の機能構成の一例を示すブロック図である。 本発明の実施形態に係る眼科撮影装置の機械的構成の一例を示す図である。 本発明の実施形態に係る眼科撮影装置の画像生成方法における処理手順の一例を示すフローチャートである。 撮影パラメータセットが適正であるときの眼底画像の画素値の分布の一例を示すヒストグラムの図である。 本発明の実施形態を示し、白飛び画像の画素値の分布の一例を示すヒストグラムの図である。 本発明の実施形態を示し、黒潰れ画像の画素値の分布の一例を示すヒストグラムの図である。 本発明の実施形態を示し、合成画像の画素値の分布の一例を示すヒストグラムの図である。 本発明の実施形態を示し、圧縮画像の画素値の分布の一例を示すヒストグラムの図である。 本発明の第1の実施形態を示し、図6−1に示す合成画像を図6−2に示す圧縮画像に変換する方法の処理例を示す図である。 本発明の実施形態を示し、被写体である被検眼に照射する光の照射領域の一例を示す図である。 本発明の実施形態を示し、被写体である被検眼に照射する光の光量と時間との関係の一例を示す図である。 本発明の実施形態に係る眼科撮影装置の機能構成の他の一例を示すブロック図である。 被検眼の眼底画像を模式的に表現した図である。
以下に、図面を参照しながら、本発明を実施するための形態(実施形態)について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る眼科撮影装置100の機能構成の一例を示すブロック図である。
本実施形態に係る眼科撮影装置100は、被写体として被検眼Eの眼底を撮影するカメラである。
この眼科撮影装置100は、図1に示すように、入力部110、撮影制御部120、被写体照明部130、撮影部140、合成画像生成部150、圧縮画像生成部160、及び、出力部170の各機能構成を有して構成されている。また、撮影部140は、汎用デジタルカメラ141を備えており、また、汎用デジタルカメラ141は、撮像センサ141aを含み構成されている。
また、図2は、本発明の実施形態に係る眼科撮影装置100の機械的構成の一例を示す図である。なお、図2に示す眼科撮影装置100としては、無散瞳型眼底カメラの例を示している。
図2に示す眼科撮影装置100において、被検眼Eにおける観察撮影光学系には、対物レンズ1、被検眼Eの瞳孔Epに略共役な穴あきミラー2、撮影絞り3、フォーカスレンズ4、フォーカスレンズ4の位置を検出するポテンショメータ5が配置されている。さらに、結像レンズ6、近赤外光を透過し可視光を反射するダイクロ跳ね上げミラー7、固定ミラー12及び14、リレーレンズ13及び15が配置されている。さらに、撮影時光路内に挿入される赤外カットフィルター16、眼底画像を観察及び撮影を行う汎用デジタルカメラ41が順次配置されている。
また、ダイクロ跳ね上げミラー7で反射する光の光軸には、可動ミラー8、視野絞り10及び接眼レンズ11からなるファインダー光学系と、内部固視灯9が配置されている。
また、穴あきミラー2の入射方向の照明系光路上には、穴あきミラー2に向かって被検眼Eの眼底Erの観察用光源であるハロゲンランプ27、拡散板26、コンデンサレンズ25、可視カットフィルター24が配置されている。さらに、被検眼Eの瞳孔Epに略共役なキセノン管23、リングスリット22、コンデンサレンズ21、固定ミラー20、リレーレンズ18及び19、角膜バッフル17が順次配置されている。ここで、キセノン管23は、可視光の撮影用光源である。なお、本実施形態では、撮影用光源として、キセノン管23を適用した例を示しているが、例えば、可視光のLEDであってもよい。また、ハロゲンランプ27は、赤外光(近赤外光)の観察用光源であるが、観察用光源として、例えば、赤外光(近赤外光)のLEDであってもよい。
汎用デジタルカメラ41は、着脱可能なマウントを介して眼科撮影装置本体に取り付けられている。この汎用デジタルカメラ41は、クイックリターンミラー42、CMOSエリアセンサ43、LCDモニタ44、処理回路45などを内蔵している。CMOSエリアセンサ43は、赤外線を除去する赤外カットフィルターを有していないため、可視領域と赤外領域に感度を有しており、ライブビュー画像及び静止画像を撮像できる。
ライブビュー画像の撮像時には、眼科撮影装置100は、処理回路45でLCDモニタ44の解像力(解像度)に合うように間引きして解像度を下げ、汎用デジタルカメラ41のLCDモニタ44にライブビュー画像を表示する。同時に、処理回路45は、汎用デジタルカメラ41の外部へライブビュー画像を出力する。
被検眼Eの眼底Erの撮影を行う際には、眼科撮影装置100は、キセノン管23を発光させて、CMOSエリアセンサ43において静止画像を撮像する。そして、汎用デジタルカメラ41は、CMOSエリアセンサ43の全画素での解像力を有する画像データを処理回路45で現像処理し、不図示の記憶媒体へ所定のファイル形式で保存する。
制御部46は、必要に応じて、図2に示す眼科撮影装置100の各構成を制御して、眼科撮影装置100の動作を統括的に制御する。
出力部47は、制御部46で処理された画像データや各種の情報を出力する。例えば、出力部47は、制御部46で処理された画像データに基づく画像を表示する表示部の機能を含むものである。
入力部48、49及び50は、操作者により操作入力され、操作入力された情報を制御部46に入力する。
以下に、図1に示す構成と、図2に示す構成との対応関係の一例を示す。
図1に示す撮影部140は、例えば、図2に示す1〜22、24〜26、41〜45に対応している。この際、図1に示す汎用デジタルカメラ141は、例えば、図2に示す汎用デジタルカメラ41に対応し、図1に示す撮像センサ141aは、例えば、CMOSエリアセンサ43に対応している。また、図1に示す被写体照明部130は、例えば、図2に示すキセノン管23及びハロゲンランプ27に対応している。また、図1に示す撮影制御部120、合成画像生成部150及び圧縮画像生成部160は、例えば、図2に示す制御部46に対応している。また、図1に示す入力部110は、例えば、図2に示す入力部48〜50に対応している。また、図1に示す出力部170は、例えば、図2に示す出力部47に対応している。
図3は、本発明の実施形態に係る眼科撮影装置100の画像生成方法における処理手順の一例を示すフローチャートである。この図3の説明においては、図1に示す構成を用いて説明を行う。
まず、図3において、「はじめ」のトリガーは、図1に示す入力部110の撮影ボタンが押下されたことが契機となる。ここで、撮影ボタンとは、眼科撮影装置100の操作者が静止画像を撮影することを眼科撮影装置100に指示するためのユーザインターフェイスである。
続いて、図3のステップS101において、図1に示す撮影制御部120は、入力部110を介して、データベースDから撮影パラメータセット1を取得する。ここで、本例では、データベースDは、撮影パラメータセットを2つ格納しており、撮影パラメータセット1と撮影パラメータセット2を格納しているものとする。
本例では、2回の撮影を行うため、データベースDは、2種類の撮影パラメータセットを格納しているが、N回の撮影を行う場合には、N種類(N≧2)の撮影パラメータセットを格納することになる。各撮影パラメータセットは、相互に異なる撮影条件で撮影を行うためのものであり、各撮影パラメータセットに基づき撮影された結果得られる各眼底画像は、相互に画素値の分布が異なるものである。
各撮影パラメータセットは、次の3つの撮影パラメータの集合である。
3つの撮影パラメータとは、撮影時に被検眼Eに照射する光量(照射光量)、撮影部140に含まれる撮像センサ141aの信号を増幅するアンプの利得、及び、撮影における露光時間である。また、上述したように、撮影パラメータセットは、眼底画像の画素値に関与する撮影パラメータの集合である。例えば、撮影時に被検眼Eに照射する光量を大きくすると、眼底画像の画素値は大きくなる。例えば、撮影部140に含まれる撮像センサ141aの信号を増幅するアンプの利得を大きくすると、眼底画像の画素値は大きくなる。また、例えば、撮影における露光時間を長くすると、眼底画像の画素値は大きくなる。本実施形態では、相互に異なる撮影条件で撮影を行うために、上述した3つの撮影パラメータのうちの少なくとも1つの撮影パラメータを異なるようにする。
図4は、撮影パラメータセットが適正であるときの眼底画像の画素値の分布の一例を示すヒストグラムの図である。
ここで、撮影パラメータセットが適正とは、眼底画像において白飛びも黒潰れも生じない撮影パラメータセットのことである。
ここで、白飛び画像と黒潰れ画像について説明を行う。
図5−1は、本発明の実施形態を示し、白飛び画像の画素値の分布の一例を示すヒストグラムの図である。
また、図5−2は、本発明の実施形態を示し、黒潰れ画像の画素値の分布の一例を示すヒストグラムの図である。
まず、図5−1に示す白飛び画像(第1の画像)について説明する。
図5−1は、被検眼Eの眼底を、214のダイナミックレンジを有する撮像センサ(画素値の範囲が0〜214である撮像センサ)で撮影した場合の眼底画像の画素値の分布の一例を示すヒストグラムの図である。
図5−1(a)に示すように、撮像センサのダイナミックレンジの上限(画素値が214)を超えるデータは、図5−1(b)に示すように、すべて、ダイナミックレンジの最大値(画素値が214)になる。この場合、本来、明るい階調であるはずであるが、眼底画像では、白飛びの画像となる。
次いで、図5−2に示す黒潰れ画像(第2の画像)について説明する。
図5−2は、被検眼Eの眼底を、214のダイナミックレンジを有する撮像センサ(画素値の範囲が0〜214である撮像センサ)で撮影した場合の眼底画像の画素値の分布の一例を示すヒストグラムの図である。
図5−2(a)に示すように、撮像センサのダイナミックレンジの下限(画素値が0)未満のデータは、図5−2(b)に示すように、すべて、ダイナミックレンジの最小値(画素値が0)になる。この場合、本来、暗い階調であるはずであるが、眼底画像では、黒潰れ画像となる。
診断に供する眼底画像は、白飛びも黒潰れも生じてはならないから、撮影パラメータセットが適正であることが必要である。
ここで、図4(a)と図4(b)は、同一の被検眼Aを撮影しているが、異なる撮影パラメータセットに基づき得られた眼底画像の画素値の分布である。図4(b)の眼底画像における撮影パラメータセットは、図5(a)の眼底画像における撮影パラメータセットのうち、撮影時に被検眼Eに照射する光量(照射光量)を少し小さくした場合である。図4(a)及び図4(b)は、適正な撮影パラメータセットに基づき得られた眼底画像の画素値の分布であるが、図4(a)の方が撮像センサに蓄積される信号量が大きいため、SN比が大きい。そのため、図4(a)の方が図4(b)よりも眼底画像に含まれるノイズは小さくなるため、図4(a)の方が図4(b)よりも診断する画像として好ましい。しかしながら、眼科撮影装置では、図4(a)のような眼底画像における撮影パラメータセットを見つけることが困難である。その理由としては、個々の被検眼Eに対する赤外光(近赤外光)と可視光との反射率の正確な関係性が不明であるためである。即ち、被検眼Eに可視光を1度も照射することなく、図4(a)のような眼底画像における撮影パラメータセットを見つけることは困難である。
この点、図4(a)のような眼底画像における撮影パラメータセットを見つけることが難しくても、図5−1(b)、図5−2(b)のような眼底画像における撮影パラメータセットを見つけることは比較的容易である。図5−1(b)及び図5−2(b)の眼底画像は、図4(a)の眼底画像における撮影パラメータセットを大きく変えたときに得られたものである。
図5−1(b)の白飛び画像及び図5−2(b)の黒潰れ画像における撮影パラメータセットを見つけることは、個々の被検眼Eに対する赤外光(近赤外光)と可視光との反射率の正確な関係性が不明であっても、統計的な関係性が分かれば見つけることが可能である。本実施形態では、図5−1(b)の白飛び画像及び図5−2(b)の黒潰れ画像を利用することが特徴である。
ここで、各眼底画像における被検眼Eの眼底の或る同一箇所の画素値をKとする。
撮影パラメータセットを定めると、画素値Kが決まる。
図4(a)の眼底画像における撮影パラメータセットに対応する画素値KをK0、図5−1(b)の眼底画像における撮影パラメータセットに対応する画素値KをKA、図5−2(b)の眼底画像における撮影パラメータセットに対応する画素値KをKBとする。そうすると、KB<K0<KAという関係がある。
本実施形態では、ステップS101で取得した撮影パラメータセット1は、図5−1(b)の眼底画像(白飛び画像)における撮影パラメータセットとする。
続いて、図3のステップS102において、図1に示す撮影制御部120は、ステップS101で取得した撮影パラメータセット1を用いて、被検眼Eの眼底を撮影する制御を行う。
具体的に、撮影制御部120は、被写体照明部130に対して、撮影パラメータセット1における照射光量の情報を送る。これにより、被写体照明部130は、被検眼Eに対して、当該照射光量に基づく撮影光(可視光)を照射する。
また、撮影制御部120は、撮影部140に対して、撮影パラメータセット1における撮像センサ141aの信号を増幅するアンプの利得及び撮影における露光時間の情報を送る。撮影部140は、撮影制御部120から送られた、撮影パラメータセット1における撮像センサ141aの信号を増幅するアンプの利得及び撮影における露光時間の情報を、汎用デジタルカメラ141に送る。そして、汎用デジタルカメラ141は、受け取った、撮影パラメータセット1における撮像センサ141aの信号を増幅するアンプの利得及び撮影における露光時間の情報を、自身に設定する。次いで、撮影部140は、被写体照明部130と同期しながら、撮影パラメータセット1に基づいて、被検眼Eの眼底を撮影し、眼底画像(静止画像)を生成する(眼底画像生成ステップ)。この眼底画像(静止画像)は、合成画像生成部150に送られる。
続いて、図3のステップS103において、図1に示す撮影制御部120は、入力部110を介して、データベースDから撮影パラメータセット2を取得する。
本実施形態では、撮影パラメータセット2は、図5−2(b)の眼底画像(黒潰れ画像)における撮影パラメータセットとする。
続いて、図3のステップS104において、図1に示す撮影制御部120は、ステップS103で取得した撮影パラメータセット2を用いて、被検眼Eの眼底を撮影する制御を行う。
具体的に、撮影制御部120は、被写体照明部130に対して、撮影パラメータセット2における照射光量の情報を送る。これにより、被写体照明部130は、被検眼Eに対して、当該照射光量に基づく撮影光(可視光)を照射する。
また、撮影制御部120は、撮影部140に対して、撮影パラメータセット2における撮像センサ141aの信号を増幅するアンプの利得及び撮影における露光時間の情報を送る。撮影部140は、撮影制御部120から送られた、撮影パラメータセット2における撮像センサ141aの信号を増幅するアンプの利得及び撮影における露光時間の情報を、汎用デジタルカメラ141に送る。そして、汎用デジタルカメラ141は、受け取った、撮影パラメータセット2における撮像センサ141aの信号を増幅するアンプの利得及び撮影における露光時間の情報を、自身に設定する。次いで、撮影部140は、被写体照明部130と同期しながら、撮影パラメータセット2に基づいて、被検眼Eの眼底を撮影し、眼底画像(静止画像)を生成する(眼底画像生成ステップ)。この眼底画像(静止画像)は、合成画像生成部150に送られる。
なお、本実施形態においては、ステップS102及びステップS104の撮影の結果得られた各眼底画像は、図10に示す眼底画像301のように黄斑部302と乳頭部(視神経乳頭部)303を含む眼底画像であって、各眼底画像が被検眼Eの眼底における略同一の箇所のものであるとする。また、ステップS102及びステップS104の撮影の結果得られた各眼底画像は、図5−1(b)及び図5−2(b)に示すように、各眼底画像における画素値の範囲が略同一の範囲である。
続いて、図3のステップS105において、図1の合成画像生成部150は、ステップS102の撮影の結果得られた眼底画像と、ステップS104の撮影の結果得られた眼底画像とを合成して、合成画像を生成する。このステップS105の処理の詳細について、以下に説明する。
ステップS105の処理では、まず、ステップS102の撮影の結果得られた図5−1(b)に示す眼底画像の画素値の範囲のうち、最小値と最大値を除く画素値の範囲L1に対応する、撮影部140の撮像センサ141aに入射する入射光量を算出する。
ここで、画素値は、撮影時の露光時間、撮像センサ141aの信号を増幅するアンプの利得、及び、撮像センサ141aに入射する入射光量に関係している。このため、撮影時の露光時間及び撮像センサ141aの信号を増幅するアンプの利得の情報を保存しておくことにより、画素値に対応する入射光量を算出することが可能である。
次いで、ステップS104の撮影の結果得られた図5−2(b)に示す眼底画像の画素値の範囲のうち、最小値と最大値を除く画素値の範囲L2に対応する、撮影部140の撮像センサ141aに入射する入射光量を算出する。
なお、本実施形態においては、図5−1(b)に示す画素値の範囲L1に対応する入射光量と、図5−2(b)に示す画素値の範囲L2に対応する入射光量とは、その範囲に、重複する部分があるものとする。
次いで、合成画像生成部150は、ステップS102及びS104の撮影の結果得られた複数の眼底画像(本実施形態では2つの眼底画像)における画素値の範囲よりも広い画素値の範囲からなる画像であって、撮影部140の撮像センサ141aに入射する入射光量に基づき前記複数の眼底画像を合成してなる合成画像を生成する。
図6−1は、本発明の実施形態を示し、合成画像の画素値の分布の一例を示すヒストグラムの図である。この図6−1に示す合成画像は、図5−1(b)及び図5−2(b)に示す眼底画像に画素値の範囲である0〜214よりも広い画素値の範囲である0〜216からなる画像である。換言すれば、合成画像は、図5−1(b)及び図5−2(b)に示す眼底画像よりもダイナミックレンジの大きいハイダイナミックレンジ(High Dynamic Range:HDR)画像である。また、この図6−1に示す合成画像は、ステップS102の撮影の結果得られた図5−1(b)に示す眼底画像の画素値の範囲L1に対応する入射光量とステップS104の撮影の結果得られた図5−2(b)に示す眼底画像の画素値の範囲L2に対応する入射光量とを考慮して、当該複数の眼底画像(本実施形態では2つの眼底画像)を合成して得られた画像である。本実施形態では、上述したように、図5−1(b)に示す画素値の範囲L1に対応する入射光量と、図5−2(b)に示す画素値の範囲L2に対応する入射光量とは、その範囲に、重複する部分があるため、図6−1に示す合成画像では、2つの眼底画像を合成した際に重なり領域が存在している。なお、図6−1に示す合成画像において、重なり領域の画素値は、例えば、図5−1(b)に示す眼底画像の画素値と図5−2(b)に示す眼底画像の画素値との平均値で構成する。
以上のようにして、図3のステップS105における合成画像の生成処理が行われる。
続いて、図3のステップS106において、図1の圧縮画像生成部160は、ステップS105で生成された合成画像における画素値の範囲を圧縮して、当該合成画像における画素値の範囲よりも狭い画素値の範囲からなる圧縮画像を生成する。
図6−2は、本発明の実施形態を示し、圧縮画像の画素値の分布の一例を示すヒストグラムの図である。この図6−2に示す圧縮画像は、図6−1に示す合成画像に画素値の範囲である0〜216よりも狭い画素値の範囲である0〜28からなる画像である。換言すれば、圧縮画像は、図6−1に示すHDR画像である合成画像よりもダイナミックレンジの小さい標準的なダイナミックレンジ(Standard Dynamic Range:SDR)画像である。ここで、標準的なダイナミックレンジとは、図1に示す出力部170の一機能である表示部に画像を表示する際の画像のダイナミックレンジである。即ち、このステップS106の処理は、表示部の表示特性に合った階調に変換するものである。本実施形態では、圧縮画像は、1画素あたりのRGBの色深度が8ビットの画像であるとする。
以下に、図6−1に示す合成画像を図6−2に示す圧縮画像に変換する方法の処理例について説明する。
図6−3は、本発明の第1の実施形態を示し、図6−1に示す合成画像を図6−2に示す圧縮画像に変換する方法の処理例を示す図である。
まず、第1の例としては、図6−3(a)に示す変換曲線1のように、画素値を定数で除算することにより、ダイナミックレンジを圧縮する方法が挙げられる。
次いで、第2の例としては、図6−3(b)に示す変換曲線2のように、変換曲線の傾きを画素値に応じて強弱をつける方法が挙げられる。この図6−3(b)は、乳頭部303の血管を見えやすくするために、合成画像において画素値の大きい領域のコントラストを大きくした例である。即ち、図6−3(b)では、乳頭部303は画素値が大きいため、合成画像の画素値の大きい領域の変換曲線2の傾きを急にしてコントラストを大きくし、その結果、乳頭部303の血管などの構造物を見えやすくしている。
次いで、第3の例としては、図6−3(c)に示す変換曲線3のように、合成画像を解析して、変換曲線の傾きを撮影ごとに動的に変更する方法が挙げられる。この方法は、合成画像を解析して乳頭部303の画素値の範囲を求め、その画素値の範囲において変換曲線の傾きが急になるように、変換曲線を動的に変更するものである。被検眼Eの乳頭部303における画素値の範囲の傾向を把握できていても、乳頭部303における画素値の範囲が想定外となる場合も少なからず存在する。このような場合に、乳頭部303の血管などの構造物が見えやすくなるように、本例のように、変換曲線を動的に変更することも考えられる。
続いて、図3のステップS107において、図1の撮影制御部120は、ステップS106で生成された圧縮画像を、当該出力部170の一機能である表示部に表示する制御を行う。このステップS107における、圧縮画像を表示部に表示する制御を行う撮影制御部120は、表示制御手段を構成する。
図3のステップS107の処理が終了すると、図3の「おわり」に到達する。図3の「おわり」に到達すると、例えば図1の撮影制御部120は、撮影が終了したことを眼科撮影装置100の操作者に通知するために、例えば出力部170からその旨を出力する。この際の通知方法としては、例えば、ブザー音を鳴らすことや、その旨を表示すること等がある。その後、図3のフローチャートを終了する。
なお、本実施形態において、被写体である被検眼Eに照射する光の照射領域について、1回目の撮影よりも2回目の撮影を小さく絞るようにしてもよい。
図7は、本発明の実施形態を示し、被写体である被検眼Eに照射する光の照射領域の一例を示す図である。
図7(a)は、1回目の撮影の照射領域であり、被検眼Eの眼底の周辺領域を撮影するためにドーナツ状の直径は大きくなっている。
図7(b)は、2回目の撮影の照射領域であり、被検眼Eの眼底の中央領域を撮影するために1回目の撮影よりも小さく絞っている。これを一般化すると、撮影部140により被検眼Eの眼底を撮影する際に、当該撮影の回数が増えるのに従って、被検眼Eに照射する光の照射領域を小さくすることになる。このように、被検眼Eに照射する光の照射領域を小さく絞ることにより、被検者の眩しさを軽減することができるという利点がある。また、被検眼Eに照射する光の照射領域を小さく絞ることにより、被検眼Eに照射する光の光量も少なくて済むため、眼科撮影装置100のエネルギー消費量を小さくできるという効果もある。
また、本実施形態では、図5−1(b)の白飛び画像及び図5−2(b)の黒潰れ画像における撮影パラメータセットを用いた例について説明を行ったが、これに限定されるものではない。例えば、白飛び及び黒潰れを生じていない眼底画像における撮影パラメータセットを用いることも可能である。
例えば、1回目の撮影と2回目の撮影の撮影パラメータセットに対応する上述した画素値Kを、それぞれ、K1、K2とすると、K1≠K2という関係があればよい。
なお、被検眼Eの縮瞳を考慮すると、K2<K1という関係があると利点がある。
被検眼Eの縮瞳は、光刺激から約0.3秒程度遅れて始まり、瞳の大きさは徐々に小さくなり、約0.5秒で50%になる。この50%の数字の意味であるが、最大縮瞳時の瞳の大きさを0%、縮瞳していないときの瞳の大きさを100%としている。50%程度の縮瞳ならば、乳頭部303は見える。そのため、まず先に被検眼Eの眼底の周辺領域を撮影してから、次に、被検眼Eの眼底の中央領域を撮影してもよい。この場合、被検眼Eの眼底の周辺領域は暗いため、1回目の撮影は、画素値Kが大きい撮影パラメータセットで撮影する。乳頭部303は被検眼Eの眼底の中央領域に位置しており、可視光をよく反射して明るいため、2回目の撮影は、1回目の撮影よりも画素値Kが小さい撮影パラメータセットで撮影する。
また、さらに、K2<K1という関係があると別の利点がある。
本実施形態では、撮影光(可視光)を照射する撮影用光源としてキセノン管23を適用した例を示した。このキセノン管23は、コンデンサに充電したエネルギーを放電することにより発光する。続けて2回の撮影を行うためには、2回分の撮影のエネルギーをコンデンサに予め蓄えておくという方法もあるが、1回目の撮影が終わったら、急いで2回目の撮影のためのエネルギーを充電するという方法もある。後者の方法の場合、K2<K1という関係があると、2回目の撮影のための充電エネルギーを1回目よりも小さくする撮影パラメータセットを選択することが可能であり、2回目の撮影の充電時間を短くできるという効果がある。
図8は、本発明の実施形態を示し、被写体である被検眼Eに照射する光の光量と時間との関係の一例を示す図である。
図8(a)は、1回目(1枚目)の撮影よりも2回目(2枚目)の撮影における光量を小さくしたときの、キセノン管23の発光波形を示す図である。
なお、本実施形態では、撮影用光源として、キセノン管23を適用した例を示しているが、上述したように、可視光のLEDを適用することもできる。撮影用光源としてLEDを適用した場合、図8(b)に示すように、LEDが発光している間に、2回の撮影を行うという方法が可能である。この撮影用光源としてLEDを適用した場合、撮影パラメータセットのうち、撮影時に被検眼Eに照射する光量が一定であるから、撮像センサ141aの信号を増幅するアンプの利得または露光時間を変化させることにより、画素値Kを変化させることになる。この際、撮像センサ141aの信号を増幅するアンプの利得と露光時間の両方を変えてもよいし、どちらか一方だけを変えてもよい。
なお、撮影パラメータセットの露光時間と関係するが、もしも、約0.3秒(より好適には約0.2秒)の間に、撮影を2回行うことが可能な撮影パラメータセットならば、縮瞳の影響を受けない。そのため、K1≠K2という関係があればよい。
また、本実施形態では、撮影回数が2回の場合を例として説明を行ったが、本発明においてはこれに限定されるものではなく、撮影回数がN回(Nは3以上の整数)であってもよい。N回の撮影を行う場合には、N種類の撮影パラメータセットをデータベースDに格納することになるが、これらの撮影パラメータセットに対応する上述した画素値Kは全て異なる。撮影回数が2回のときは、K2<K1という関係があると利点があることを上述したが、N回の撮影のときは、N回目の撮影パラメータセットに対応するKをKNとすると、KN<KN−1<・・・<K2<K1という関係があれば、同様の利点がある。これを一般化すると、撮影の回数が増えるのに従って、眼底画像における被検眼Eの眼底の或る同一箇所の画素値Kが小さくなる撮影条件で撮影を行うということになる。
また、画素値Kとなる撮影パラメータセットは多数存在するが、眼底画像のノイズをより少なくするために、SN比が大きくなるような撮影パラメータセットを用いることが望ましい。例えば、撮像センサ141aの信号を増幅するアンプの利得が小さくなるような撮影パラメータセットを選択すると、SN比が大きくすることができるため、眼底画像のノイズをより少なくすることができる。例えば、本実施形態においては、撮影の回数が増えるのに従って、撮像センサ141aの信号を増幅するアンプの利得を小さくする態様が好適である。
ここで、撮影回数が2回のとき、かつ、K2<K1という場合を考える。
A=撮影時に被検眼Eに照射する光量、B=撮像センサ141aの信号を増幅するアンプの利得、C=撮影における露光時間とする。そして、1回目の撮影における撮影パラメータセットを、A1、B1、C1とし、2回目の撮影における撮影パラメータセットを、A2、B2、C2とする。また、適正な撮影パラメータセットのうち、図4(a)のように、少しでも画素値Kを大きくすると白飛びしてしまうような撮影パラメータセットを、A0、B0、C0とする。このとき、A0、B0、C0に対応する画素値KをK0とすると、K2<K0<K1である。
例えば、A1>A0、B1=B0、C1=C0と設定すると、白飛びが生じて、図5−1(b)に示すような眼底画像となる。この場合、Aが大きいため、被検眼Eの眼底の暗部は、K0よりもノイズが少ない。
さらに、例えば、A2= A0、B2 <B0、C2=C0と設定すると、黒潰れが生じて、図5−2(b)に示すような眼底画像となる。この場合、AとCは同じであるため、被検眼Eの眼底の明部は、K0と同じである。
この2枚の眼底画像を使用して合成画像(HDR画像)を生成し、そして、圧縮画像(SDR画像)を生成すると、K0に対応する画像よりも、ノイズを小さくすることができる。このように、本実施形態では、従来よりも、ノイズが少ない眼底画像を提供することが可能である。従来においては、白飛びや黒潰れをする撮影パラメータセットは嫌われるが、本実施形態では、敢えてこれらの撮影パラメータセットを用いた撮影により得られた眼底画像を用いることにより、ノイズが少ない眼底画像を実現している。
また、図1に示す眼科撮影装置100では、合成画像生成部150と圧縮画像生成部160は、汎用デジタルカメラ141の外部に構成されているものであったが、当該汎用デジタルカメラがこれらの機能を有している場合には、これを利用してもよい。
図9は、本発明の実施形態に係る眼科撮影装置200の機能構成の他の一例を示すブロック図である。図9において、図1に示す構成と同様の構成については、同じ符号を付している。
この眼科撮影装置200は、図9に示すように、入力部110、撮影制御部120、被写体照明部130、撮影部240、及び、出力部170の各機能構成を有して構成されている。また、撮影部240は、汎用デジタルカメラ241を備えており、また、汎用デジタルカメラ241は、撮像センサ141a、合成画像生成部150、及び、圧縮画像生成部160を含み構成されている。
図9に示すように、合成画像生成部150及び圧縮画像生成部を搭載した汎用デジタルカメラ241を利用することにより、眼科撮影装置200を安価にユーザへ提供できるという効果がある。
本実施形態では、眼科撮影装置として、例えば無散瞳眼底カメラを想定した場合を説明した。この場合、被検眼Eの縮瞳を考慮すると、複数回の撮影を行う際の最初の撮影をするための光(可視光)の照射から最後の撮影をするための光(可視光)の照射までの時間を、0.3秒以内(より好適には約0.2秒以内)とすること好ましい。
なお、本実施形態では、上述したように、眼科撮影装置として、無散瞳眼底カメラを想定した場合を説明したが、例えば、散瞳眼底カメラであっても適用可能である。
散瞳眼底カメラでは、被検眼Eに散瞳剤を点眼して撮影を行うため、被検眼Eの縮瞳は無い。そのため、被検眼Eに可視光を何度か照射することにより、図4(a)のような眼底画像における撮影パラメータセットを見つけることも可能である。しかしながら、被検眼Eに可視光を照射すると、被検者はそのたびに眩しさを感じる。この点、本実施形態では、2回の撮影で乳頭部303も眼底周辺領域も診断しやすい画像を提供することが可能であるため、被検者の眩しさを軽減する効果がある。
一般に、無散瞳眼底カメラでは、被検眼Eを観察するための観察光として赤外光(近赤外光)を使用している。これは、被検眼Eの眼底を観察しながら撮影構図を決めるときに、もしも観察光として可視光を照射してしまうと、被検者が眩しさを感じて眼が縮瞳してしまい、被検眼Eの眼底を可視光で撮影することができなくなるからである。また、可視光を用いて被検眼Eの眼底を撮影する理由は、医師が、医師自身の眼で被検者の眼を診断することもあるからである。
白飛びや黒潰れを生じた眼底画像は、診断に適さない。もしも、撮影光量を必要以上に大きくして撮影すると、画像が白飛びを生じてしまう可能性があり、また、撮影光量を必要以上に小さくして撮影すると、画像が黒潰れを生じてしまう可能性がある。
白飛びも黒潰れも生じない撮影光量は、被写体の輝度のコントラストが大きいほど、その存在範囲が狭い。ここで、被写体の輝度のコントラストが大きいとは、被写体の輝度分布において、一番小さい輝度と一番大きい輝度との差が大きいことを指す。被検眼Eの眼底の赤外光(近赤外光)と可視光との反射率に関係性があればよいが、正確な関係性は不明である。最近の報告によれば、被検者全員の統計をとると、関係は線形であるらしい。ただし、集団で関係性を見ると線形だが、個々で関係性を見ると線形と見なせない。即ち、個々の被検眼Eに対する赤外光(近赤外光)と可視光の反射率の正確な関係性は不明である。そのため、無散瞳眼底カメラは、撮影構図を決めているときに、撮影光の適正光量を算出することが困難である。このように無散瞳眼底カメラでは、適正光量を見つけることが難しいため、撮影の失敗が多く、また、撮影を失敗すると、縮瞳した眼が散瞳するまで待ってから再撮影しなければならない。
そこで、本実施形態では、適正光量より大きい撮影光量と小さい撮影光量を選択することは比較的容易であることに着目して、HDR技術により、適正光量で撮影したときと同様の眼底画像を提供できるようにしたものである。
本実施形態によれば、シャープさを損なうことなく、ノイズの少ない眼底画像を生成することが可能となる。この結果、従来と比較して、医者が診断しやすい眼底画像することができる。また、撮影の失敗が少なくなり、再撮影の回数が減るため、撮影のスループットを向上させることも可能となる。
(その他の実施形態)
上述した本発明の実施形態では、本発明に係る眼科撮影装置として眼底カメラを適用した例について説明を行ったが、本発明においてはこれに限定されるものではない。例えば、本発明に係る眼科撮影装置として、OCT(Optical Coherence Tomography:光干渉断層装置)や、SLO(Scanning Laser Ophthalmoscope:走査型レーザ検眼装置)を適用することも、本発明に含まれる。
また、上述した本発明の実施形態では、図1及び図9に示すように、眼科撮影装置の内部に、眼底画像の処理に係る、合成画像生成部150や圧縮画像生成部160などを構成するものであったが、本発明においては、この形態に限定されるものではない。
例えば、図1及び図9に示す合成画像生成部150と圧縮画像生成部160を(必要に応じて出力部170も)含む構成を、眼科撮影装置の外部に、画像処理装置として別構成で形成する形態も本発明に含まれる。この形態の場合、当該画像処理装置と当該眼科撮影装置とが無線或いは有線によって通信可能に接続された画像処理システムの構成を採る。そして、この形態を採用する場合、当該画像処理装置は、合成画像生成部150と圧縮画像生成部160(必要に応じて出力部170も)の構成に加えて、当該眼科撮影装置により撮影して得た複数の眼底画像を取得する取得部も備えたものとなる。この際、例えば、取得部は、画素値の分布が異なるように被検眼の眼底を撮影して得られた複数の眼底画像を取得する。そして、本形態の場合、画像処理装置の内部に設けられた合成画像生成部150は、例えば、取得部で取得された複数の眼底画像の画素値の分布に基づいて複数の眼底画像を合成することにより、複数の眼底画像における画素値の範囲よりも広い画素値の範囲からなる合成画像を生成する。
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。
即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
このプログラム及び当該プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、本発明に含まれる。
なお、上述した本発明の実施形態は、いずれも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。即ち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
100 眼科撮影装置、110 入力部、120 撮影制御部、130 被写体照明部、140 撮影部、141 汎用デジタルカメラ、141a 撮像センサ、150 合成画像生成部、160 圧縮画像生成部、170 出力部、D データベース、E 被検眼

Claims (19)

  1. 被検眼の眼底を異なる撮影条件で撮影を行い、画素値の分布が異なる複数の眼底画像を生成する撮影手段と、
    前記眼底画像における画素値の範囲よりも広い画素値の範囲からなる画像であって、前記撮影手段に入射する入射光量に基づき前記複数の眼底画像を合成してなる合成画像を生成する合成画像生成手段と、
    を有することを特徴とする眼科撮影装置。
  2. 前記複数の眼底画像には、前記眼底画像における画素値の範囲の上限に画素値が存在する第1の画像と、前記眼底画像における画素値の範囲の下限に画素値が存在する第2の画像とが含まれていることを特徴とする請求項1に記載の眼科撮影装置。
  3. 前記合成画像生成手段は、前記第1の画像と前記第2の画像とを合成する際に、前記第1の画像の画素値の分布と前記第2の画像の画素値の分布とが重複する範囲の画素値については、前記第1の画像の画素値と前記第2の画像の画素値との平均値とすることを特徴とする請求項2に記載の眼科撮影装置。
  4. 前記合成画像における画素値の範囲を圧縮して、前記合成画像における画素値の範囲よりも狭い画素値の範囲からなる圧縮画像を生成する圧縮画像生成手段と、
    前記圧縮画像を表示手段に表示させる表示制御手段と、
    を更に有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の眼科撮影装置。
  5. 前記複数の眼底画像が前記眼底における略同一の箇所のものであり、前記複数の眼底画像における画素値の範囲が略同一の範囲であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の眼科撮影装置。
  6. 前記眼底画像は、黄斑部と視神経乳頭部を含む眼底画像であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の眼科撮影装置。
  7. 前記異なる撮影条件とは、前記被検眼に照射する光量、前記撮影手段に含まれる撮像センサの信号を増幅するアンプの利得および前記撮影における露光時間の3つの撮影パラメータのうちの少なくとも1つの撮影パラメータが異なることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の眼科撮影装置。
  8. 前記撮影の回数が増えるのに従って、前記撮影手段に含まれる撮像センサの信号を増幅するアンプの利得を小さくすることを特徴とする請求項7に記載の眼科撮影装置。
  9. 前記異なる撮影条件とは、前記撮影の回数が増えるのに従って、前記眼底画像における前記被検眼の眼底の或る同一箇所の画素値が小さくなる条件であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の眼科撮影装置。
  10. 前記撮影手段により前記被検眼の眼底を撮影する際に、当該撮影の回数が増えるのに従って、前記被検眼に照射する光の照射領域を小さくすることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の眼科撮影装置。
  11. 前記撮影手段は、デジタルカメラを備えることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の眼科撮影装置。
  12. 当該眼科撮影装置は、無散瞳眼底カメラまたは散瞳眼底カメラであることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の眼科撮影装置。
  13. 当該眼科撮影装置は、無散瞳眼底カメラであり、
    前記複数の眼底画像における最初の眼底画像を撮影するための光の照射から前記複数の眼底画像における最後の眼底画像を撮影するための光の照射までの時間が0.3秒以内であることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の眼科撮影装置。
  14. 画素値の分布が異なるように被検眼の眼底を撮影して得られた複数の眼底画像を取得する取得手段と、
    前記複数の眼底画像の画素値の分布に基づいて前記複数の眼底画像を合成することにより、前記複数の眼底画像における画素値の範囲よりも広い画素値の範囲からなる合成画像を生成する合成画像生成手段と、
    を有することを特徴とする画像処理装置。
  15. 請求項14に記載の画像処理装置と、被検眼の眼底を異なる撮影条件で撮影を行って画素値の分布が異なる複数の眼底画像を生成する撮影手段を備える眼科撮影装置とが通信可能に接続された画像処理システムであって、
    前記取得手段は、前記眼科撮影装置により撮影して得た前記複数の眼底画像を取得することを特徴とする画像処理システム。
  16. 被検眼の眼底を撮影する撮影手段を備える眼科撮影装置の画像生成方法であって、
    前記撮影手段により、前記被検眼の眼底を異なる撮影条件で撮影を行い、画素値の分布が異なる複数の眼底画像を生成する眼底画像生成ステップと、
    前記眼底画像における画素値の範囲よりも広い画素値の範囲からなる画像であって、前記撮影手段に入射する入射光量に基づき前記複数の眼底画像を合成してなる合成画像を生成する合成画像生成ステップと、
    を有することを特徴とする眼科撮影装置の画像生成方法。
  17. 請求項16に記載の眼科撮影装置の画像生成方法の各ステップをコンピュータに実行させるためのプログラム。
  18. 画素値の分布が異なるように被検眼の眼底を撮影して得られた複数の眼底画像を取得する取得ステップと、
    前記複数の眼底画像の画素値の分布に基づいて前記複数の眼底画像を合成することにより、前記複数の眼底画像における画素値の範囲よりも広い画素値の範囲からなる合成画像を生成する合成画像生成ステップと、
    を有することを特徴とする画像処理方法。
  19. 請求項18に記載の画像処理方法の各ステップをコンピュータに実行させるためのプログラム。
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