JP2014233476A - 電気ケトル - Google Patents

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Abstract

【課題】転倒時の湯こぼれが防止できるという安全性と、軽量で低コストであるという手軽さとを備え、さらには容量増の需要にも対応可能な電気ケトルを得ること。【解決手段】内容器12と、前記内容器の底面18に配置され前記内容器内の液体を加熱するヒータ16とを備えた本体1と、前記内容器の開口部14を開閉可能に封鎖して前記本体の上部に着脱可能に固着される転倒時止水機能を備えた蓋体2と、前記本体が着脱可能に載置される電源台3とを備え、前記本体の側面に把手4が固着され、前記本体の前記把手とは径方向反対側の上端部に注口部5が形成され、前記内容器は、前記開口部の径が前記底面の径よりも小さく形成され、かつ、前記開口部の中心が前記底面の中心に対して前記注口部側に位置している。【選択図】図2

Description

本願は、電源台に着脱自在に載置される本体でお湯を沸かすことができる電気ケトルに関し、特に、転倒時にお湯がこぼれることを防止する構成を備えた電気ケトルに関する。
近年、使いたいときに少量のお湯を素早く沸かしたいというユーザのニーズに応えるために、電源台に着脱自在に載置される本体を備えた電気ケトルの普及が進んでいる。
このような電気ケトルは、0.15リットルから1.2リットルぐらいの比較的小容量のものであり、本体内の内容器に水を入れて電源台上に載置すると、電源台を通じて本体内のヒータに通電されて、1〜3分程度の短時間で沸騰したお湯を沸かすことができる。
電気ケトルは、電気ポットのような保温機能を有していない。また、お湯が沸くと、電源台から本体だけを持ち上げ、従来のやかんでお湯を注ぐように本体を傾けて本体内のお湯を注口部からコーヒーカップなどに注ぐことができる。
現在市販されている電気ケトルとして、内部に内容器を備える本体が樹脂やガラス製の一層構造で構成されていて、内容器部分の下部に熱源であるヒータを備えたという簡潔な形態なものがある。このような形態の電気ケトルは、内容器を覆う蓋体として板状の部材が用いられ、レバーによって開閉して水を入れることができるというような極めて簡単な構成となっていて、軽量でかつ低コストの電気ケトルを実現することができるものである。
一方、現在市販されている電気ケトルの別の形態として、本体の開口部分を覆う蓋体に、必要な場合にのみお湯を注ぐことができるようにする給湯スイッチや、誤って電気ケトル本体を転倒させてしまった場合でもお湯がこぼれてしまうことを防止する機構を備えたものがある。この形態の電気ケトルは、電気ケトルが沸騰したお湯を取り扱うことを重視して安全性に配慮したものである。このような安全性を高めた構成である、転倒時にお湯がこぼれない転倒時止水機能を備えた蓋体を備えた電気ケトルとして、お湯の注ぎ残しが少なく、かつ、本体の容積率を高くした構成が提案されている(特許文献1参照)。
特開2009−172109号公報
電気ケトルは、上記したように本体を電源台に載置した状態でお湯を沸かせた後、電源台から本体を持ち上げて、お湯を注ぎたいコーヒーカップなどに注口部を近づけ、本体を傾けてお湯を注ぐという使い方をされる。このような使用方法であることから、電気ケトルの本体底面は、電源台を介さずにテーブルなどの台上にも直接載置可能な構造となっていて、ユーザはお湯を使用する場所の近くに電気ケトルを載置することが多く、本体に物をぶつけたり手を滑らせてしまったりして電気ケトルの本体を転倒させてしまうおそれがある。このため、電気ケトルにおいて、本体が転倒した場合でも内部の熱湯がこぼれないように配慮することは極めて重要である。
一方で、手軽に素早くお湯を沸かすことができるということが電気ケトルの基本的なニーズであり、本体の軽量性や、電気ケトルが低コストで得られる構成であるという、電気ケトルに対する手軽さを追求するニーズも強い。さらに近年は、安全性の高い電気ケトルの普及に伴って、1.0リットル(l)以上の比較的容量の大きな電気ケトルの需要が高まるという傾向がある。
本開示はこのような電気ケトルの新たなニーズに対応するものであり、転倒時の湯こぼれが防止できるという安全性と、軽量で低コストであるという手軽さとを備え、さらには容量増の需要にも対応可能な電気ケトルを得ることを目的とする。
上記課題を解決するため、本開示にかかる電気ケトルは、内容器と、前記内容器の底面に配置され前記内容器内の液体を加熱するヒータとを備えた本体と、前記内容器の開口部を開閉可能に封鎖して前記本体の上部に着脱可能に固着される転倒時止水機能を備えた蓋体と、前記本体が着脱可能に載置される電源台とを備え、前記本体の側面に把手が固着され、前記本体の前記把手とは径方向反対側の上端部に注口部が形成され、前記内容器は、前記開口部の径が前記底面の径よりも小さく形成され、かつ、前記開口部の中心が前記底面の中心に対して前記注口部側に位置していることを特徴とする。
本開示にかかる電気ケトルは、内容器の開口部を開閉可能に封鎖して本体の上部に固着される蓋体が転倒時止水機能を備えるとともに、内容器は、開口部の径が底面の径よりも小さく形成され、かつ、開口部の中心が底面の中心に対して注口部側に位置している。このため、転倒時には注口部が載置面に対してより高い位置に維持されて、注口部からこぼれる湯量を低減することができる安全性の高い電気ケトルを得ることができる。
本開示の実施形態にかかる電気ケトルの外観を示す斜視図である。 本開示の実施形態にかかる電気ケトルの内部構成例を示す側面側から見た断面図である。 本開示の実施形態にかかる電気ケトルの本体の構成例を説明する断面図である。 本開示の実施形態にかかる電気ケトルの蓋体の構成例を説明する断面図である。 内容器の開口部の中心と底面の中心との位置関係を説明する側面図である。 内容器の開口部の中心位置の違いによる電気ケトル転倒時の注口部の高さの違いを説明する図である。 さらに、把手部の長さの違いが加わった場合の、電気ケトル転倒時の注口部の高さの違いを説明する図である。 内容器の開口部の中心と底面の中心との位置関係による残湯状態の違いを説明するための図である。 本開示の実施形態にかかる電気ケトルの把手の構成例を示す背面図である。 把手の幅の違いによる電気ケトル転倒時の注口部の高さの違いを説明する図である。
本開示にかかる電気ケトルは、内容器と、前記内容器の底面に配置され前記内容器内の液体を加熱するヒータとを備えた本体と、前記内容器の開口部を開閉可能に封鎖して前記本体の上部に着脱可能に固着される転倒時止水機能を備えた蓋体と、前記本体が着脱可能に載置される電源台とを備え、前記本体の側面に把手が固着され、前記本体の前記把手とは径方向反対側の上端部に注口部が形成され、前記内容器は、前記開口部の径が前記底面の径よりも小さく形成され、かつ、前記開口部の中心が前記底面の中心に対して前記注口部側に位置している。
本開示にかかる電気ケトルは、上記構成を備えることで、ユーザが誤って電気ケトルを倒してしまった場合でも、蓋体が転倒時止水機能を備えているため、直接的な湯こぼれを防止することができる。また、内容器は、開口部の径が底面の径よりも小さく形成され、かつ、開口部の中心が底面の中心に対して注口部側に位置しているため、転倒時には、注口部が上側に位置する姿勢となって、注口部からこぼれる液量を低減することができる。このため、内容器の容量が大きくなった場合でも、転倒時の注口部からの漏水量を効果的に低減させることができる。
上記本開示にかかる電気ケトルにおいて、前記内容器の前記開口部の中心と前記底面の中心とが、前記注口部と前記把持部とを結ぶ径上に位置することが好ましい。このようにすることで、電気ケトルが転倒した場合に、注口部をより高い位置に維持することができ、注口部からの漏水量を低減することができる。
また、前記開口部の前記注口部側端部が、前記底面の前記注口部端部よりも前記底面の中心側に位置することが好ましい。このようにすることで、電気ケトル転倒時に内容器内部の液体を注口部とは反対の側に集めることができ、転倒時に、注口部が高い位置に来る姿勢を素早く実現することができる。
以下、本開示にかかる電気ケトルの実施形態について、図面を参照しながら説明する。
なお、本明細書において、電気ケトルの各構成部材を説明する際に用いる上下方向の概念は、電気ケトル本体を電源台上に載置した状態での上下方向に基づくものとする。また、電気ケトル内に貯水される液体の説明においては、電気ケトルの最も一般的な使用法に基づいて、水からお湯を沸かす場合を例示して説明する。
(実施の形態)
図1は、本実施形態にかかる電気ケトルの外観を示す斜視図である。
本実施形態の電気ケトルは、本体1と、本体1の内部に配置された図1では図示しない内容器の上部の開口部を開閉自在に封鎖して、本体1の上部に着脱可能に固着される蓋体2と、本体1が着脱可能に載置される電源台3とを備えている。
本実施形態の電気ケトルの本体1の側面には、本体1を持ち運びできる把手4が固着されている。また、本体1の上端部の、把手4が固着されている方向とは径方向反対側には、把手4の突出する方向とは反対の方向に突出するように注口部5が形成されていて、水やこの水を沸騰させたお湯などの本体1内の内容器に貯水された液体を、把手4を持って本体1を傾けることによりコーヒーカップなどに注ぐことができる。
なお、以下、本明細書において、把手4が設けられている側を背面側、その反対側である注口部5が設けられている側を前面側、注口部5と把手4とを左右方向に同時に見込む側を側面側と称することとする。
本実施形態の電気ケトルでは、本体1における上下方向の中間部分であって、本体内部に形成された内容器の側面を覆う部分に外装ケース6が配置されている。外装ケース6の側面部には、内容器内部の湯量を外部から確認できる湯量確認窓10が形成されている。
本実施形態の電気ケトルは、蓋体2が、本体1の上方から挿入されることによって、本体1の内部に配置された内容器上端の開口部を封鎖する構造となっている。蓋体2には、内容器の開口部を封鎖した状態で本体1の上部に蓋体2を固着する図示しないバネ機構が設けられていて、蓋体2の上面には、このバネ機構を解除して蓋体2を本体1から取り外す際に使用する着脱レバー7が配置されている。また、蓋体2の上面には、給湯ボタン8が配置されている。給湯ボタン8は、本体1の内部に貯水されているお湯などを注口部5から注ぐ際に、本体1内の内容器から注口部5への給湯通路を開通させるための給湯スイッチを操作するボタンである。
把手4には、電源ボタン9が配置されている。電源ボタン9を操作することで、本体1内の内容器底部に配置されたヒータへの通電を開始して、内容器内に貯水された水などの液体を加熱して沸騰させることができる。
図2〜図4は、図1に外観構成を示した本実施形態の電気ケトルについて、内部の構成を説明するための断面図である。図2は、図1と同様に、本体1に蓋体2が固着された状態であり、かつ、本体1が電源台3の上に載置された状態における電気ケトルを側面側から見た場合の、本体1、蓋体2、電源台3の断面構成を示している。また、図3は、本体1の断面構成を、図4は、蓋体2の断面構成をそれぞれ示している。
図2、および、図3に示すように、本実施形態にかかる電気ケトルの本体1は、注口部5と、内側に蓋体2が着脱可能に固着される本体1上側の筒状部分から内容器12の底部までが、樹脂製の一体成型された筐体11によって構成されている。筐体11における内容器12の上端部分には、肉厚に形成された鍔部13が形成されていて、この鍔部13の内周面が内容器12上面の開口部14を構成している。
筐体11の下端部に当たる内容器12の底部には、裏面に内容器12内部の液体を加熱するヒータ16が配置されたステンレスなどの金属製の加熱プレート15が、下方側から内容器12に嵌入されていて、この加熱プレート15が内容器12の底面18を形成している。加熱プレート15の裏面中央には、ヒータ16に電源を供給する電源プラグ17が配置されている。
本体1の下端部分には、電源プラグ17部分を除いて筐体11の下端部までを覆う底面カバー部材19が配置されている。底面カバー部材19は、筐体11の下端部分と互いに嵌合することで一体化されている。このような構成とすることにより、筐体11の内容器12下端部に下側からヒータ16や電源プラグ17と一体化された加熱プレート15を嵌入、固定した後、底面カバー部材19を筐体11の下端部に嵌合、固定させることで、本体1の全体形状を容易に形成することができる。
なお、図2、および、図3に示す構成では、筐体11の内容器12の底部が筒状の開口となっていて、加熱プレート15が内容器12の底面18の全体を占める構成を例示したが、内容器12の底面の一部を筐体11で形成して、加熱プレート15を内容器12の底面部分に対して嵌入、若しくは、固着する構成とすることもできる。
本実施形態の電気ケトルにおいて、筐体11に形成された厚肉の鍔部13の内周、および、加熱プレート15の外周は、いずれも平面視したときに円形であり、本実施形態の電気ケトルの内容器12は、開口部14と底面18とがいずれも円形に形成されている。しかし、本開示にかかる電気ケトルの内容器12の開口部14と底面18の平面形状は、本実施形態で例示した円形に限らず、長円や楕円形状、または、角部に丸みを持たせた矩形形状など、電気ケトルの外観デザインに応じて各種形状を採用することができる。
本開示にかかる電気ケトルでは、内容器12上端の開口部14の中心が、底面18である加熱プレート15の中心に対して前方側である注口部5側に位置する構成となっている。具体的には、一例として内容器12内部の内容量が1.0リットルの電気ケトルとして、開口部14の径を約100mm、底面の径を約138mm、開口部14と底面18の加熱プレート15の上面との間の高さが約100mm、とすることができる。この場合において、内容器12の開口部の中心を底面の中心に対して、約15mm注口部側に位置させる構成を採用することができる。なお、内容器の開口部14の中心と底面18の中心との位置関係、特にその作用効果については、図5等を用いて後に詳述する。
本実施形態の電気ケトルでは、図2、および、図3に示すように、内容器12の側面には、内容器12内部の貯水空間20に貯められた液体の上端位置が確認できる内容器窓21が形成されている。内容器窓21は、図1に示した外装ケース6の側面部に形成された湯量確認窓10と重なる位置にあり、ユーザは、内容器窓21と湯量確認窓10とを介して、外部から内容器12内の液量を把握することができる。この場合において、湯量確認窓10に湯量を示すメモリを付しておくことで、ユーザが内容器12内の残量を容易に把握することができる。
内容器12の外側表面には、環状に突出したリブ22が形成されている。このリブ22によって、内容器12の外側に配置される外装ケース6と内容器12との間に所定の間隔23が確保され、内部にお湯が貯められるために高温となる内容器12の温度が、直接外装ケース6に伝わって、ユーザが電気ケトルの側面を触った場合に熱さを感じることを回避できるようになっている。このため、本実施形態の電気ケトルにおいて、外装ケース6は、内容器12上端の開口部14よりも少し上方の位置から、内容器12の底面18である加熱プレート15よりも少し下方の位置までの、内側が貯水空間20となっている部分を包含できる領域で内容器12の側面全体を覆っている。
なお、本実施形態の電気ケトルでは、外装ケース6は、その水平断面形状が略「C」字状となる、側面の一部分が欠けた略円筒形状となっている。本実施形態の電気ケトルでは、外装ケース6の側面の欠けた部分を少し開くようにして前方側から内容器12の側面を包むように筐体11に装着した後、把手4によって外装ケース6の欠けた部分全体を押さえることで、把手4を筐体11に固着する際に同時に筐体11に外装ケース6を固着することができるようになっている。
筐体11の前方側上端部には、注口部5が形成されている。本実施形態の電気ケトルでは、筐体11の前方上端部を前方に突出させることで、筐体11と注口部5とを一体のものとして形成しているが、筐体11の上端部分にU字状もしくはV字状の切れ込みを形成して、この切れ込みから筐体11とは別部材で形成した注口部を前方に突出させる構成とすることもできる。
図2に示すように、注口部5上側の後方側部分は、蓋体2の前方側に張り出した庇状部分2a(図4参照)が覆うようになっている。
筐体11の、注口部5が形成された側とは反対側である背面側部分には、電気ケトルを保持するための把手4が固着されている。
本実施形態における電気ケトルの把手4は、ユーザが実際に握る把持部分4aと、把手4を筐体11の背面に固着する固着部分4b、把持部分4aと固着部分4bとを上部で接続する上部接続部4c、把持部分4aと固着部分4bとを下部で接続する下部接続部4dで形成された、全体が縦長環状の部材である。
本実施形態の電気ケトルの把手4は、固着部分4bの上端部分と下端部分とが筐体11の背面に固着され、前述のように外装ケース6側面の欠けた部分を固着部分4b全体で押さえる構成となっているため、全体形状が環状とされているが、把手4で外装ケース6を押さえる必要がない場合は、固着部分4bは必ずしも必要ではない。この場合に、把手4の全体形状を、環状ではなく上端部と下端部のみが筐体11に固着された略U字状もしくは略C字状とすることができる。また、把手は、ユーザが電気ケトルを持ち上げることができれば最低限の機能を果たせるため、把持部の上端部のみが筐体11に固着され把持部の下端部が筐体11に接続されずに終端するレバー状の部材として形成することもできる。
把手4の上部接続部4cの内部には、把手4の他の部分よりも広い空間が形成されていて、この空間内に電源ボタン9によって操作される電源スイッチ24が配置されている。
本実施形態の電気ケトルでは、筐体11の蓋体2固着部分の背面側壁部に形成された蒸気導入口25、蓋体2の蒸気孔26(図4参照)を介して内容器12内部の貯水空間20と、電源スイッチ24が配置された部分に形成された蒸気検出部27とが空間的に接続されている。このため、貯水空間20に一定量以上の蒸気が発生していることを蒸気検出部27によって検出すると、貯水空間20内部のお湯が沸いたと判断して自動的に電源スイッチ24をオフにし、いわゆる炊き過ぎを防止することができる。
次に、図4を参照して、蓋体2の構成について説明する。
蓋体2は、図2に示すように筐体11上部の所定位置に嵌入された状態で、その底部に形成された環状のシール部材であるフタシール28が、内容器12の開口部14を形成する鍔部13の上面に押圧された状態で密着されることで、内容器12の開口部14を気密に封鎖することができる。
図1に示した給湯ボタン8の下部には、周囲をシール部材で覆われた円板状の封鎖部材29と、この封鎖部材29を上方に付勢するコイルバネなどの弾性部材30などからなる給湯スイッチ31が配置されている。図2に示すように、給湯ボタン8が押し下げられていない状態では、封鎖部材29の上面が弾性部材30によって蓋体2の給湯経路33との接続部分の下面32に押しつけられるため、貯水空間20と注口部5とは空間的に隔離されている。一方、給湯ボタン8が押下されると、封鎖部材29が押し下げられ、図2では図示しないロック機構により封鎖部材29が押し下げられた状態で固定されると、封鎖部材29と蓋体2の下面32との間に間隙が生じた状態で固定される。給湯ボタン8が押し下げられた状態では、内容器12の貯水空間20と蓋体2内部で注口部5へと繋がる給湯経路33とが、封鎖部材29の周囲の間隙部分を介して空間的に繋がるため、貯水空間20内部のお湯を注口部5からコーヒーカップ等に注ぐことができるようになる。
なお、図3に示すように、本実施形態の電気ケトルでは、筐体11の蓋体2配置部分の背面側の、蒸気導入口25の上部に、蒸気検出部27と繋がる蒸気導出口34が形成されている。また、蓋体2の背面側には、蓋体2が筐体11の上部に装着された際に、筐体11に形成された蒸気導出口34に対向してこれと繋がる蒸気開口35が形成されている。さらに、蓋体2内部には、給湯スイッチ31の周辺部分を経由して蒸気開口35から給湯経路33に繋がる蒸気経路36が形成されている。このため、蓋体2が筐体11の上部に固着された状態で、蓋体2の蒸気孔26、蒸気導入口25、蒸気検出部27、蒸気導出口34、蒸気開口35、蒸気経路36、給湯経路33、注水口5を介して、内容器12内部の貯水空間20と電気ケトルの外部とが空間的に繋がっている。このため、給湯スイッチ31が閉じられている状態で貯水空間20内部の水が沸騰して蒸気が発生しても、この蒸気を、蒸気排出口を兼ねる注水口5から外部に放出することができる。よって、貯水空間20内部の気圧が上昇して、給湯スイッチ31に隙間が生じ、不所望な状態で貯水空間20内部のお湯が外部に漏れ出すことを防止することができる。
電源台3は、その上面に本体1の底面が安定した状態で載置できるように、周辺部が環状に高くなった載置面37が形成されている。また、載置面37の中央部分には、本体1の底面に形成された電源プラグ17と接続される電源コネクタ38が形成されている。
なお、図2では図示を省略するが電源コネクタ38には家庭用コンセントから商用電源を得るための電源ケーブルが接続されていて、電源台3の内部には電源ケーブルを巻き取るリール機構を配置することができる。
本開示の電気ケトルは、本体1の内部に配置され、その内側に入れられた水を沸かしてお湯にする貯水空間20を形成する内容器12が、上端の開口部の径が底面の径よりも小さく形成されているとともに、開口部の中心が底面の中心に対して注口部側に位置するという特徴ある形状となっている。
ここで、図5を用いて、内容器12の開口部の中心と底面の中心との位置関係を具体的に説明する。
図5(a)は、本実施形態に示す電気ケトルの内容器の形状を説明する図面である。なお、図5(a)では、図面を煩雑にすることなく電気ケトルの全体構成における内容器の位置と形状を明確にするため、電気ケトルの側面図に内容器の位置を追加記載して示している。
図5(a)に示すように、本実施形態の電気ケトルでは、内容器12上端の開口部14の径が、内容器12下端の底面18の径よりも小さく形成されている。また、開口部14の中心41が、底面18の中心42よりも、注口部5側に位置している。
図5(b)は、図5(a)に示した本実施形態の電気ケトルとの比較を行うための比較例の構成を示す図である。図5(b)に示した比較例の電気ケトルでは、内容器12’上端の開口部14’の径は下端の底面18’の径よりも小さく形成されているものの、開口部14’の中心43は、同時に底面18’の中心となっている。
本実施形態の電気ケトルは、内容器12上端の開口部14の径を下端の底面18の径よりも小さくすることで、内容器12内部の貯水空間20に貯められた水の重心位置を下げることができるので、ユーザが使用時にテーブルの上などに電気ケトルを載置した場合の安定性を向上させることができる。また、内容器12の底面18の径を開口部14の径よりも大きくすることで、内容器12の高さを必要以上に高くすることなく、また、内容器12の水平断面面積を必要以上に大きくすることなく、内容器12内部の貯水空間20の容量を大きくすることができる。このため、本実施形態の電気ケトルでは、内容量の増大を求めるニーズに、好適に合致させることができる。
また、本実施形態の電気ケトルは、開口部14の中心41が底面18の中心42よりも注口部5側、すなわち、電気ケトルの前方側としている。このため、図5(b)に示した比較例の電気ケトルと比較して、内容器12内側に形成された貯水空間20の重心位置を電気ケトルの前方側に位置させることができ、把手3を把持したユーザが貯水空間20内部のお湯などをコーヒーカップに注ぐ際に、電気ケトルを自然に注口部5側に傾けることができるようになる。
さらに、図5(a)に内容器12の形状と位置を示す本実施形態の電気ケトルは、開口部14の中心41が底面18の中心42よりも注口部5側に位置している。このため、蓋体2と、蓋体2の前方側に配置される注口部5の位置を、図5(b)に示す比較例の場合と比較して、内容器12の底面の中心42に対してより前方側に位置させることができる。
また、蓋体2の位置を前方側に配置できることによって、筐体11の上端部分において蓋体2の後方側部分にスペースが生じ、筐体11と把手4の上側の接続部分をより前方側に位置させることができる。このため、図3において領域45として示した電源スイッチ24や蒸気検出部27の配置位置を、より前方側とすることができ、結果として把手4をより前方側に傾けた状態で筐体11の背面側に配置することができる。このため、内容器12の底部近傍の位置が同じであった場合でも、内容器12の底面18の中心42に対する把手4の後方への突出量を小さくすることができる。
また、内容器12の開口部14の中心41が注口部5側に位置しているため、図3に示したように、内容器12において、開口部14下側の後方に一定の空間44を形成することができる。
これらの構成とすることで、図5(b)に示した比較例の電気ケトルと比較して、電気ケトルを転倒させてしまった場合に、外部にお湯が流出する流出経路となる注口部5の位置を、載置面に対してより高い位置に維持することができ、漏水量を低減することができる。
また、内容器12の底面18の中心42に対して、開口部14の中心41が注口部5側となるため、図5(b)に示す比較例の場合と比べて、内容器12の前面側の側面12aが内容器12の底面18に対してより垂直に立つような形状となる。この結果、本実施形の電気ケトルでは、内容器20内部の残湯量を効果的に低減することができる。
以下、本実施形態にかかる電気ケトルの内容器の形状が奏するこれらの作用効果について、順次図面を用いて説明する。
図6は、内容器の開口部の中心と底面の中心との位置関係の違いによる、電気ケトル転倒時の注口部の位置の違いを説明する図である。図6(a)は、図5(a)に示した本実施形態の電気ケトルのように、開口部の中心が底面の中心よりも注口部側に位置するように構成された電気ケトルが転倒した状態を、蓋体の側から見た状態を示している。また、図6(b)は、図5(b)に示した比較例の電気ケトルのように、開口部の中心が底面の中心と同じ位置にある電気ケトルが転倒した状態を、同じく蓋体の側から見た状態を示している。なお、図6(c)は、比較のために、図6(a)と図6(b)の状態とを重ねて示した図である。
本実施形態の電気ケトルのように、本体に把手が固着された電気ケトルが転倒した場合には、他の部分よりも重い把手を下にした状態で停止する。このとき、開口部の中心が底面の中心よりも注口部側に位置するように構成された電気ケトルの場合には、図6(a)に示すように、内容器の底面の中心52に対して内容器の開口部の中心53が注口部5側に位置しているために、相対的に把手4からより遠い位置にある注口部5は、電気ケトルの載置面51からの高さH1がより高い位置になる。
これに対し、図6(b)に示すように、内容器の底面の中心54と開口部の中心とが同じ位置にある電気ケトルが転倒した場合には、注口部5’の把手4’からの位置が比較的近くなり、電気ケトルが転倒した場合の載置面51からの注口部4’までの高さH2が低くなる。
図6(c)に、2つの場合を重ねて示すように、転倒した電気ケトルが把手4、4’を下側にして停止した場合に、開口部の中心が底面の中心よりも注口部側に位置する図6(a)に示す形態の場合の載置面51に対する注口部5の高さH1が、開口部の中心が底面の中心と同じ位置にある図6(b)に示す形態の場合の載置面51に対する注口部5’の高さH2よりも、H3(=H1−H2)だけ高くなることがわかる。
上述のように、本実施形態の電気ケトルは、蓋体が内容器の開口部を密閉した状態で封鎖、固着されているため、給湯スイッチ8を押下していない給湯時以外の状態で電気ケトルが転倒しても、内容器12内部の貯水空間20のお湯が、そのまま給湯経路33を通って注口部5から流出することはない。しかし、貯水空間20内部のお湯が、常に外部と接続されている蒸気を放出させる経路を通って注口部に到達し、外部に流出する場合が考えられる。このため、図6を示して説明したように、電気ケトルが転倒した場合に注口部の位置を高く保持することで、貯水空間20内部のお湯が外部へと流出することを効果的に制限することができる。
次に、図7は、本実施形態の電気ケトルにおける、内容器の底面の中心に対する把手の後方への最大突出量が小さくできることによる、外部へのお湯の流出量を低減できる効果を説明するための図である。
図7(a)は、図5(a)に示す、内容器の開口部の中心が底面の中心よりも注口部側に位置する本実施形態の電気ケトルと同じ構成の電気ケトルにおける、転倒時の注口部位置を示す。また、図7(b)は、図5(b)に示した、開口部の中心が底面の中心と同じ位置にある比較例としての電気ケトルの、転倒時の注口部位置を示す図である。なお、図6と同様に、図7においても、図7(c)として図7(a)と図7(b)との構成を重ねて示している。
上述したように、図5(a)に内容器の配置位置を示した本実施形態の構成例の電気ケトルの場合は、内容器の開口部の中心が注口部側に位置するために、蓋体が注口部側に配置されるために生じた蓋体後方の空間に把手内部の電源スイッチ部分を配置することができるので、図7(a)に示すように、内容器の底面の中心52に対する把手4の後方への最大突出量L1を小さくすることができる。このため、電気ケトルが転倒した場合に、把手4の中心と注口部5の中心とを結ぶ、電気ケトル上面の中心線54が、載置面51に対して比較的大きな角度で交わることになる。
これに対し、図5(b)に内容器の配置位置を示した、内容器の開口部の中心が底面の中心と同じ位置にある比較例の電気ケトルの場合には、図7(b)に示すように、内容器の底面の中心54に対する把手4’の最大突出量L2が大きくなるため、電気ケトルが転倒した場合に、載置面51と把手4’と注口部5’とを結ぶ電気ケトル上面の中心線55との為す角度が小さくなる。
このため、図7(c)に2つの状態を重ねて示すように、図7(a)に示す電気ケトルの場合は、内容器の開口部の中心53が、底面の中心52よりも注口部5側に位置するために、注口部5の位置が載置面51に対して高い位置となることに加え、電気ケトルの上面の中心線54が載置面51と為す角度が大きいことも相俟って、注口部の載置面51からの高さH4がより高い位置となる。このため、図7(b)に示す、比較例の電気ケトルにおける載置面51からの注口部5’の高さH5との差H6(=H4−H5)が、図6で示した高さの差H3よりもさらに大きくなる。この結果、本実施形態の電気ケトルでは、転倒した場合に、注口部5からのお湯の漏れが効果的に防止できることがわかる。
このように、本実施形態の電気ケトルでは、転倒した場合にお湯の流出経路となる注口部の位置を高くして、貯水空間からのお湯の流出量を低減することができる。この場合に、転倒した電気ケトルが、把手4を下に注口部5を上にして載置面上で安定した姿勢となることを前提としているため、転倒させてしまった電気ケトルが、より早く把手4を下側とする安定姿勢に移行することが重要となる。
このため、本実施形態の電気ケトルでは、図3に示したように、内容器12の形状を、開口部14を形成する鍔部13の下方で後方側である把手4側に突出させて、貯水空間20において後方側に大きな領域44を形成することで、電気ケトルが転倒した場合に、貯水空間20内に溜められていたお湯が領域44に集まることでその重心位置が把手4側に移動して、より早く把手4を下側にした姿勢で安定するようにしている。また、開口部14を形成する鍔部13下方の後方側に領域44を形成することで、電気ケトルが転倒した際に貯水空間20内部のお湯が領域44の上面部分に遮られるので、貯水空間20内部のお湯が直接蓋体2の底面側に殺到することを防ぎ、流水経路となる部分の水圧が一気に高まることを防止する効果も得られる。
また、本実施形態の電気ケトルでは、図4に示すように、蓋体2の底面側の構造においても、給湯スイッチ31の後方である把手4側に空間46を形成することで、転倒時に蓋体2内部においてもお湯が後方の把手4側に集まるようにして、より早く把手4を下側にした姿勢で安定するようになっている。
次に、本実施形態の電気ケトルにおける、貯水空間20内部に残る残湯量を低減できる効果について説明する。
図8は、図5(a)に示した本実施形態の電気ケトルと、図5(b)に示した比較例の電気ケトルとにおいて、内容器12内部の貯水空間内のお湯などをコーヒーカップ等に注ぐ場合に生じる、残湯量の多少を説明するための図である。
図8(a)が、図5(a)として示した内容器の開口部の中心が底面の中心よりも注口部側に位置した電気ケトルの場合を、また、図8(b)が図5(b)として示した、内容器の開口部の中心が底面の中心と同じ位置にある比較例の電気ケトルの場合を示す。なお、図8(a)、図8(b)の場合ともに、内容器の底面の中心軸が水平となった状態で、内容器の内部に残存するお湯を図中にハッチングを加えて示している。
図5(a)を用いて説明したように、本実施形態の電気ケトルの場合は、内容器12の開口部14の中心41が底面18の中心42よりも注口部5側に位置しているため、内容器12の注口部5側である前面側の側面12aは、底面18に対してほぼ垂直に形成されていて、側面12aの把手4側への後退量が比較的小さい。このため、電気ケトルを底面18の中心42が水平となるように傾けた場合に、内容器12の開口部14の前面側の壁部分に遮られて、給湯経路に到達できずに内容器12内部に残存する残湯となる領域56が比較的小さい。
これに対し、図8(b)に示すように、比較例の電気ケトルでは、内容器12’の開口部14’と底面18’との中心43が一致しているため、内容器12’の前面壁12a’は、内容器12’の開口部14’の径と底面18’の径との差異の半分に相当する分だけ、把手4’側に後退して傾斜している。このため、電気ケトルを内容器12’の底面18’の中心43が水平となるように傾けた場合の、開口部14’の前面壁によって遮られて内容器12’に残存して残湯量となる領域57が大きい。このように、本実施形態の電気ケトルでは、同じように電気ケトルを傾斜させた場合に、開口部の前面壁により遮られる部分の容積を小さくすることができ、内容器内部の残湯量を低減することができる。
なお、図3に示したように、本実施形態の電気ケトルでは、内容器12上端部の開口部14の下側に傾斜部47が形成されているため、電気ケトルを大きく傾斜させなくても、内容器12内部のお湯が給湯経路33へと導出されるようにしている。
本実施形態の電気ケトルでは、電気ケトルが転倒した際に、載置面に接触する部分の把手の幅を狭くすることによっても、転倒時の流水経路である注口部の位置をより高く維持できる構成としている。
以下、本実施形態の電気ケトルの把手の形状による漏水低減効果について、図9および図10を用いて説明する。
図9は、本実施形態の電気ケトルの把手の形状を示す背面図である。
図9に示すように、本実施形態の電気ケトルでは、把手の、特にユーザが把持する把持部の幅を狭く形成している。
図9に示すように、把手4の把持部4aの幅を狭くすることで、電気ケトルからお湯を注ぐ場合に、ユーザが電気ケトルの把手4をよりしっかりと保持することができるという効果が期待できる。さらに、図6、図7を用いて説明したように、転倒した電気ケトルは、把手4自体の重さによって、さらには、内容器12や蓋体2内部の空間44、46の形状を工夫することで、把手4を下側にした状態が載置面上での安定姿勢となる。
このとき、本実施形態の電気ケトルの本体1は、内容器12の開口部14付近の径が最も小さくなる形状にデザインされているため、転倒した場合の載置面と本体1との接触面は、本体の上端部と、底部の筐体と底面カバー部材との接合部分近傍の外側面となる。このとき、図9に示すように、本体の上端部分の径D1と、筐体と底面カバー部材の接続部分の径D2との関係により、把手4の中間部分、特に、上下方向の中央よりもやや下方の図9中領域61として示す部分が、載置面と接触することになる。そこで、本実施形態の電気ケトルでは、把手4の特に転倒時に載置面と接触する把持部4aの幅W1を、把手4全体の幅W2に対して狭く形成している。
図10は、電気ケトルが転倒した場合に、把手の把持部の幅の違いによる電気ケトルの傾きの差異を説明するための図である。
図10では、図6、および、図7と同様に載置面64上に転倒した状態の電気ケトルを蓋体の上方から見た図を示す。なお、図9を用いて上述したように、本実施形態の電気ケトルでは、本体のデザイン上、本体上端部の径D1が本体の底面カバー部材との接合部の径D2よりも小さいため、実際に電気ケトルが転倒した場合には内容器の底面の中心軸は載置面と平行にはならず、本体の上部側が下部側と比較して載置面に近づいた斜めの状態となる。しかし、図10では、図面が複雑になることを避けるために、電気ケトルの内容器の底面の中心軸が載置面と平行となっている状態を用いて示すこととする。
図10に示すように、転倒した電気ケトルは、本体の側面の一箇所Aと、把手4の把持部4aの側端部分Bとの2箇所が載置面64と接触した状態で安定姿勢を示す。このとき、本実施形態の電気ケトルでは、把持部4aの転倒時に載置面64と接触する部分61の幅が狭いため、転倒した状態で、電気ケトルの上面において把手4の中心と注口部5の中心とを結ぶ中心線63と、載置面64との為す角度65を大きくすることができる。
これに対し、図10に点線で示すように、把持部4aの幅を把手4全体の幅と同じに形成した場合には、把手4の幅広い部分62が載置面と接触することになり、電気ケトルの傾斜を代えずに示した場合には、点線66で示した面が載置面となる。この結果、電気ケトルの上面の中心線63と相対的な載置面66との為す角度67が、小さい値となる。このことから明らかなように、電気ケトルが転倒した場合に、載置面と接触する部分の把手の幅を狭くすることにより、載置面からの注口部の高さをより高くすることができ、転倒時における注口部からのお湯の流出量を低減することができる。
以上説明したように、本実施形態の電気ケトルでは、内容器の開口部の径を底面の径よりも小さく形成し、かつ、内容器の開口部の中心を底面の中心よりも注口部側とすることで、内容器内部の貯水空間における貯水量を増やすとともにお湯を注ぎやすくすることができるのみならず、電気ケトル転倒時のお湯の流出を低減することができるという効果を奏することができる。また、給湯時に、内容器内部に残留する残湯量を低減するという効果も得ることができる。
なお、上記の実施形態では、内容器の開口部の中心と底面の中心とが、いずれも把手の中心と注口部の中心とを結ぶ線上に位置する例を示したが、本開示の電気ケトルにおいて、内容器開口部の中心と底面の中心とが、必ずしも把手と注口部との中心を結ぶ、電気ケトルの上面の中心線上に位置している必要はない。内容器の開口部の中心が底面の中心よりも、少なくとも注口部の側に位置していればよい。また、より好ましくは、内容器の底面の中心から注口部を見込んだ場合に、開口部の中心が注口部の配置方向に対して左右方向に45度の範囲に属すること、言い換えると、内容器の底面を中心から90度の範囲に4つに分割した場合に、注口部側に位置する4分の1の領域内に開口部の中心を位置させることで、本開示の電気ケトルの効果を発揮させることができる。
また、上記したように、外観デザインからの制約などによって、電気ケトルの内容器の開口部の形状や底面の形状は、上記実施形態として示したような真円ではないようにすることが可能であるが、この場合において、内容器の開口部および底面の径とは、把手と注口部とを結ぶ方向における長さを意味し、開口部と底面の中心とは、この把手と注口部とを結ぶ方向における中点を意味するものとして解することができる。
また、上記実施形態では、内容器の開口部の注口部側の端部が、内容器底面の注口部側端部よりも把手側にある構成、すなわち、平面視したときに、内容器の開口部が内容器の底面と完全に重複する形態を例示した。しかし、本開示の電気ケトルでは、開口部の注口部側端部の位置が、底面の注口部側の端部の位置よりも前方である注口部側に位置する構成とすることもできる。
このように、内容器の開口部の中心の位置を底面の中心の位置に対して、より前方側に配置することにより、図6に示したように、電気ケトル転倒時において、貯水空間内部のお湯の流出経路となる注口部を、より高い位置に維持することができる。なお、内容器の開口部の中心位置が、底面の中心位置よりも大きくかけ離れて前方側に突出する形状とした場合には、電気ケトルの側面の形状として、上部側が下部側に比べて斜め前方に傾いたデザインとせざるを得ず、デザイン上あまり好ましくはない。また、電気ケトルの側面形状が、斜め前方に傾いた形態となってしまうと、電気ケトルの側面が相対的に広くなり過ぎて転倒時に本体部が回転しにくくなり、把手が載置面に接触せずに側面を下方として横倒しになった形状で安定してしまう可能性が高くなる。このような場合には、把手が載置面に接触する状態を安定状態とする本開示の電気ケトルでの前提自体が崩れてしまい、貯水空間内部のお湯の流出を防止または低減する効果が十分に発揮されないこととなる。これらの観点から、内容器開口部の前端部は、上記実施形態として示したように、内容器底面の前端部分よりも少し後方にあることが好ましい。仮に、内容器の開口部の前端部が底面の前端部よりも注口部側に位置させる場合でも、開口部の中心が底面の前端部位置と重なる程度までが好ましい範囲であると考えられる。
また、上記実施形態では、本体の筐体を樹脂で形成し、この筐体の一部を内容器とするとともに、内容器の周辺部分に樹脂製の外装ケースが配置された構成を例示した。これは、従来、転倒時止水機能を備えた蓋体を有する電気ケトルで主流として用いられてきた、ステンレスなどの金属製の内容器を用いる構成と比較して、本体を軽量化できることに加えて、内容器を樹脂で形成することにより、開口部の径を底面の径よりも小さくし、さらに、開口部の中心を底面の中心よりも注口部側に位置させるという、本開示の電気ケトルの特徴ある構成を容易に実現しやすいからである。
しかし、本開示の電気ケトルの本体と内容器の構成は、上記例示した構成に限られず、金属製内容器を成形する際の金型として分割金型を用いるなどにより所望の形状の内容器が形成できる場合等における、本開示にかかる電気ケトルとして金属製の内容器を備えた構成を排除するものではない。
また、本実施形態の電気ケトルでは、樹脂製の筐体の一部を内容器として、内容器の側面部分を所定の間隔を隔てて配置された別部材の外装ケースで覆う構成を示したが、筐体の上端部または下端部で折り返して二重構成とするなどして、外装ケースを筐体と一体の樹脂部材で構成することも可能である。また、筐体を構成する部材の厚さを工夫することにより、内容器の外表面がそのまま本体の外面として露出する構成も可能であり、さらに、樹脂製の筐体の内部に、別部材として形成された樹脂製の内容器を配置する構成とすることも可能である。さらに、本開示にかかる電気ケトルの筐体や外装ケースとして、樹脂製のものに限られず、金属やガラス製の部材を用いることも可能である。
また、上記実施形態では、電気ケトルの蒸気経路の出口として給湯経路の出口である注口部を兼用する構成を示したが、本開示の電気ケトルにおいて、蒸気経路の出口は注口部とする構成に限らず、従来公知のように、蓋体の上面に蒸気放出口を設けて蒸気経路の出口と給湯経路の出口とを異ならせる構成を採用することができる。本開示の電気ケトルでは、転倒時により早く把手が下側に位置する安定姿勢となるように設計されているため、注口部以外に蒸気出口を配置する場合には、蓋体上面のより前方の注口部側、すなわち、把手の配置側からより遠い位置に蒸気出口を配置することが好ましい。
なお、上記の蒸気経路の構成以外の部分においても、上記実施形態として示した蓋体の構成はあくまで例示に過ぎず、本体が転倒したときに内部のお湯がこぼれ出さないような転倒時止水機能を備えた各種の蓋体の構成を、本開示にかかる電気ケトルの蓋体として採用することができる。また、電源スイッチや電源台の構成なども、上記例示した以外の各種の構成を採用することができる。
本発明の電気ケトルは、転倒時の湯こぼれを防止できる安全性と、本体の簡易な構成とを備えた軽量かつ低コスト化が可能な電気ケトルとして有用である。特に、内容器の貯水空間の容量を増やした場合でも、内容器や電気ケトル全体の高さや平面視した際の占有面積を大幅に拡大する必要が無く、確実な止水機能備えた電気ケトルを実現することができる。
1 本体
2 蓋体
3 電源台
4 把手
11 筐体
12 内容器
14 (内容器の)開口部
18 (内容器の)底面

Claims (3)

  1. 内容器と、前記内容器の底面に配置され前記内容器内の液体を加熱するヒータとを備えた本体と、
    前記内容器の開口部を開閉可能に封鎖して前記本体の上部に着脱可能に固着される転倒時止水機能を備えた蓋体と、
    前記本体が着脱可能に載置される電源台とを備え、
    前記本体の側面に把手が固着され、
    前記本体の前記把手とは径方向反対側の上端部に注口部が形成され、
    前記内容器は、前記開口部の径が前記底面の径よりも小さく形成され、かつ、前記開口部の中心が前記底面の中心に対して前記注口部側に位置していることを特徴とする電気ケトル。
  2. 前記内容器の前記開口部の中心と前記底面の中心とが、前記注口部と前記把持部とを結ぶ径上に位置する請求項1に記載の電気ケトル。
  3. 前記開口部の前記注口部側端部が、前記底面の前記注口部端部よりも前記底面の中心側に位置する請求項1または2に記載の電気ケトル。
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