JP2014233238A - 携帯作業機 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来と比較してグリスの漏出を低減することの可能な携帯作業機を提供する。
【解決手段】上刃6dと下刃6eは、ライナー14を間に挟んでブレードガイド6cに、往復運動が可能なように僅かな隙間をもって段付ボルト6g及びワッシャー6hにより取り付けられる。ライナー14には、側縁から斜めに中央側に向かうように切欠14aが形成されている。上刃6dが前方に向かって移動するときは、グリスはライナー14の切欠14aを通って中央側に移動し、グリス戻し通路、すなわち貫通穴15a、溝15b、及び貫通穴15cを通ってカムギヤ12側に戻る。
【選択図】図1
【解決手段】上刃6dと下刃6eは、ライナー14を間に挟んでブレードガイド6cに、往復運動が可能なように僅かな隙間をもって段付ボルト6g及びワッシャー6hにより取り付けられる。ライナー14には、側縁から斜めに中央側に向かうように切欠14aが形成されている。上刃6dが前方に向かって移動するときは、グリスはライナー14の切欠14aを通って中央側に移動し、グリス戻し通路、すなわち貫通穴15a、溝15b、及び貫通穴15cを通ってカムギヤ12側に戻る。
【選択図】図1
Description
本発明は、ヘッジトリマ等の携帯作業機に関する。
ヘッジトリマは、相対的に往復運動する上刃と下刃によって枝葉を刈り込む作業機である。エンジン等の駆動源に接続されたカム機構が、上刃と下刃を往復運動させる。カム機構はギヤケースに内蔵され、ギヤケース内には潤滑のためにグリスが注入される。グリスは、カム機構の摩擦による異常発熱や異常摩耗を防止する。上刃と下刃(以下、両者を合わせて「ブレード」とも表記)は、ギヤケースに固定されたブレードガイドに、往復運動が可能なように僅かな隙間をもって取り付けられる。
ブレードとブレードガイドの隙間は、ブレードの往復運動のために必要であるが、グリスが漏出する通路にもなっている。雑木林の伐採等が目的であれば、グリスの漏出は特に問題にならない。しかし、例えば住宅地の生垣の剪定の場合には、漏出したグリスが生垣に付着すると、作業後の景観、及び植物である生垣の生育の観点で好ましくない。
本発明はこうした状況を認識してなされたものであり、その目的は、従来と比較してグリスの漏出を低減することの可能な携帯作業機を提供することにある。
本発明のある態様は、携帯作業機である。この携帯作業機は、駆動源と、前記駆動源の回転動力を出力する出力軸と、前記出力軸の回転運動を往復運動に変換するカム機構と、前記カム機構を内蔵するギヤケースと、少なくとも一方が前記カム機構に係合する第1及び第2の刈込刃と、前記第1及び第2の刈込刃を相互に近接した状態で支持するブレードガイドとを備え、前記第1及び第2の刈込刃の相対的な往復運動により対象物を刈り込む携帯作業機であって、前記カム機構から前記第1及び第2の刈込刃の延出方向に移動したグリスを前記カム機構側に戻すグリス戻し通路を有することを特徴とする。
前記グリス戻し通路は、前記ブレードガイドに形成された貫通穴を含んで構成されてもよい。
前記グリス戻し通路は、前記ギヤケースの前記カム機構の上側壁面に開口する貫通孔を含んで構成されてもよい。
前記第1及び第2の刈込刃と前記ブレードガイドとの間に設けられたライナーを備え、前記ライナーに、前記グリスを前記グリス戻し通路に導く切欠が形成されていてもよい。
前記切欠は、前記ライナーの側縁から斜めに中央側に向かうように形成されていてもよい。
前記切欠が前記側縁から斜め前方に延びていてもよい。
前記グリスを前記第1及び第2の刈込刃の先端側に送る開閉可能なグリス送り通路を有してもよい。
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法やシステムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、従来と比較してグリスの漏出を低減することの可能な携帯作業機を提供できる。
以下、図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態を詳述する。なお、各図面に示される同一または同等の構成要素、部材等には同一の符号を付し、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は発明を限定するものではなく例示であり、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
図1は、本発明の実施の形態に係る携帯作業機の側面図である。図2は、同側断面図である。図3は、同要部拡大側断面図である。図4は、ギヤケースカバー7及びブレード6aを省略した、図3のA−A断面図である。図5は、図1に示す携帯作業機の、ギヤケースカバー7を省略した底面図である。図6は、図5においてブレード6a及びカムギヤ12を省略した底面図である。
本実施の形態の携帯作業機は、ヘッジトリマであり、相互に近接した状態で支持された上刃6dと下刃6e(以下、両者を合わせて「ブレード6a」とも表記)の相対的な往復運動により対象物を刈り込むものである。駆動源としてのエンジン1はギヤケース2に固定される。フロントハンドル3はギヤケース2に固定され、リアハンドル4はブラケット5を介してギヤケース2に回動可能に支持される。リアハンドル4にはスロットルレバー9が設けられる。使用者はスロットルレバー9の操作量により、燃料タンク10からエンジン1への燃料供給(すなわちエンジン1の回転)を制御する。ギヤケース2には、長手方向に往復運動するブレード6aを有するブレード組6が取り付けられる。ギヤケース2の下側にはギヤケースカバー7がネジ止め等により取り付けられる。
図5に示すように、ギヤケース2には、カム機構を成すピニオンギヤ11及びカムギヤ12が内蔵される。エンジン1からの動力は、ピニオンギヤ11を介してカムギヤ12に伝達される。ギヤケース2に支持(例えば圧入)されたギヤシャフト13は、カムギヤ12の中心を貫通する。カムギヤ12は、ギヤシャフト13を中心に回転可能に保持される。カムギヤ12には偏心カム12aが形成される。偏心カム12aは、上刃6dと下刃6eの各々に対して設けられる。下刃6eの基端部には係合穴6bが設けられる。上刃6dの基端部にも同様に不図示の係合穴が設けられる。係合穴6bの内周面は偏心カム12aの外周面と係合しており、カムギヤ12が回転すると係合穴6b内で偏心カム12aが回転し、下刃6eが長手方向に往復直線運動する。上刃6dは、下刃6eと同様の構成により、かつ180°異なる位相で往復直線運動される。なお、下刃6eを固定し、上刃6dのみを往復直線運動する構成としてもよい。偏心カム12aの外周面と係合穴6bの内周面との相互摺動を始めとするギヤケース2内の各部材の係合は、ギヤケース2内のグリスにより潤滑される。潤滑不良は、摩擦による異常発熱や異常摩耗の原因となり、本体寿命にも影響を及ぼしかねない。エンジン1の発生する熱により、ギヤケース2内部は比較的高温になり、ギヤケース2内のグリスは軟化する。グリスは、図1に示すグリスニップル8からギヤケース2内に注入できる。
ブレード組6は、ブレード6aと、ブレードガイド6cとを含む。ブレード6aは、第1の刈込刃としての上刃6dと、第2の刈込刃としての下刃6eとからなる。ブレードガイド6cは、図3に示すように、ボタンボルト6fによりギヤケース2に固定される。上刃6dと下刃6eは、ブレードガイド6cに、僅かな隙間をもってワッシャー6hが嵌められた段付ボルト6gにより取り付けられる。この隙間は上刃6d及び下刃6eの往復運動のために必要であるが、グリスがギヤケース2から漏出する通路にもなっている。そこで、本実施の形態では、グリスの漏出防止のために、ブレード6aとブレードガイド6cとの間にライナー14を挿入する。すなわち、上刃6dと下刃6eは、ライナー14を間に挟んでブレードガイド6cに、往復運動が可能なように僅かな隙間をもって、ワッシャー6hが嵌められた段付ボルト6gにより取り付けられる。
ライナー14は、例えば熱処理された鉄板等の金属板である。図6に示すように、ライナー14には、両側縁から斜めに(90°未満の角度をもって)中央側に向かうように切欠14aが形成されている。切欠14aは、側縁から斜め前方に延びる。切欠14aは図示の例では両側縁に3つずつ設けられている。ブレードガイド6cには、切欠14aと連通する貫通穴15aが形成される。ブレードガイド6cには、また、図3に示すように、貫通穴15aから後方(カムギヤ12側)に延びる溝15bが形成される。ギヤケース2には、一端がカムギヤ12側であって特にギヤシャフト13寄りの上壁面に開口し、他端が溝15bに臨んで開口する貫通穴15cが設けられる。貫通穴15a、溝15b、及び貫通穴15cは、カムギヤ12からブレード6aの延出方向(前方)に移動したグリスをカムギヤ12側に戻すグリス戻し通路を成す。一方、ブレードガイド6cには、貫通穴15aから前方に延びる溝16bが形成されるとともに、溝16bの前端から下方(ブレード6a側)に貫通する貫通穴16aが形成される。貫通穴16aの上部開口は通路切替レバー17を例えば手動操作することで開閉可能である。貫通穴15a、溝16b、及び貫通穴16aは、グリスをブレード6aの先端側に送るグリス送り通路を成す。ライナー14には、ブレードガイド6cの貫通穴16aと連通する貫通穴14bが設けられる。
上刃6dが前方に向かって移動するときは、グリスはライナー14の切欠14aを通って中央側に移動し、グリス戻し通路、すなわち貫通穴15a、溝15b、及び貫通穴15cを通ってカムギヤ12側に戻る。これによりグリスがブレード6aとブレードガイド6cとの隙間からギヤケース2の外部に漏出することを防止できる。なお、グリスの漏出を防止する場合には通路切替レバー17によって貫通穴16aの上部開口を塞いでおく。一方、通路切替レバー17によって貫通穴16aの上部開口が塞がれていなければ、グリス送り通路、すなわち貫通穴15a、溝16b、及び貫通穴16aを通し、さらに貫通穴14bを通してグリスをブレード6aの先端側に送ることもできる。この場合、ギヤケース2内のグリスを利用してブレード6aを潤滑することができる。
上刃6dが後方に向かって移動するときは、グリスはライナー14の切欠14aを通って側方(中央から離れる方向)に移動し、ブレード6aとブレードガイド6cとの隙間から側方に排出される。これにより、ブレード組6を通じてグリスがギヤケース2から漏出することを防止できる。
本実施の形態によれば、下記の効果を奏することができる。
(1) ブレードガイド6c及びギヤケース2にグリス戻し通路を設けているため、ギヤケース2内のグリスがブレード組6を通じて漏出することを防止でき、生垣等の剪定作業後の景観、及び植物である生垣の生育の観点で好ましい。
(2) ブレード6aとブレードガイド6cとの間にライナー14を設けているため、ライナー14の切欠14aによりグリスを効率良くグリス戻し通路に導くことができる。
(3) 通路切替レバー17により開閉可能なグリス送り通路を設けているため、必要に応じてギヤケース2内のグリスを積極的にブレード6aの潤滑に利用することもできる。雑木林の伐採等の場合にはグリスの漏出よりもブレード6aの潤滑状態の維持の方が必要であり、グリス送り通路を設けたことで様々な用途に柔軟に対応可能となる。
以上、実施の形態を例に本発明を説明したが、実施の形態の各構成要素や各処理プロセスには請求項に記載の範囲で種々の変形が可能であることは当業者に理解されるところである。
1 エンジン、2 ギヤケース、3 フロントハンドル、4 リアハンドル、5 ブラケット、6 ブレード組、6a ブレード、6b 係合穴、6c ブレードガイド、6d 上刃、6e 下刃、6f ボタンボルト、6g 段付ボルト、6h ワッシャー、7 ギヤケースカバー、8 グリスニップル、9 スロットルレバー、10 燃料タンク、11 ピニオンギヤ、12 カムギヤ、12a 偏心カム、13 ギヤシャフト、14 ライナー、14a 切欠、14b 貫通穴、15a 貫通穴、15b 溝、15c 貫通穴、16a 貫通穴、16b 溝、17 通路切替レバー
Claims (7)
- 駆動源と、前記駆動源の回転動力を出力する出力軸と、前記出力軸の回転運動を往復運動に変換するカム機構と、前記カム機構を内蔵するギヤケースと、少なくとも一方が前記カム機構に係合する第1及び第2の刈込刃と、前記第1及び第2の刈込刃を相互に近接した状態で支持するブレードガイドとを備え、前記第1及び第2の刈込刃の相対的な往復運動により対象物を刈り込む携帯作業機であって、前記カム機構から前記第1及び第2の刈込刃の延出方向に移動したグリスを前記カム機構側に戻すグリス戻し通路を有することを特徴とする、携帯作業機。
- 前記グリス戻し通路は、前記ブレードガイドに形成された貫通穴を含んで構成されることを特徴とする、請求項1に記載の携帯作業機。
- 前記グリス戻し通路は、前記ギヤケースの前記カム機構の上側壁面に開口する貫通孔を含んで構成されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の携帯作業機。
- 前記第1及び第2の刈込刃と前記ブレードガイドとの間に設けられたライナーを備え、前記ライナーに、前記グリスを前記グリス戻し通路に導く切欠が形成されている、請求項1から3のいずれか一項に記載の携帯作業機。
- 前記切欠は、前記ライナーの側縁から斜めに中央側に向かうように形成されている、請求項4に記載の携帯作業機。
- 前記切欠が前記側縁から斜め前方に延びている請求項5に記載の携帯作業機。
- 前記グリスを前記第1及び第2の刈込刃の先端側に送る開閉可能なグリス送り通路を有する請求項1から6のいずれか一項に記載の携帯作業機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2013115981A JP2014233238A (ja) | 2013-05-31 | 2013-05-31 | 携帯作業機 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2013115981A JP2014233238A (ja) | 2013-05-31 | 2013-05-31 | 携帯作業機 |
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JP2014233238A true JP2014233238A (ja) | 2014-12-15 |
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Family Applications (1)
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JP2013115981A Pending JP2014233238A (ja) | 2013-05-31 | 2013-05-31 | 携帯作業機 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2014233238A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20170044374A1 (en) * | 2007-12-17 | 2017-02-16 | Merck Patent Gmbh | Filler pigments |
-
2013
- 2013-05-31 JP JP2013115981A patent/JP2014233238A/ja active Pending
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US20170044374A1 (en) * | 2007-12-17 | 2017-02-16 | Merck Patent Gmbh | Filler pigments |
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