JP2014232330A - マスクブランクス及びフォトマスク - Google Patents

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Abstract

【課題】 静電破壊が効果的に防止された構造のフォトマスクが製作できるマスクブランクスを提供する。
【解決手段】 マスク基板1の一方の側の全面を覆って静電破壊防止膜2が形成され、静電破壊防止膜2の上に遮光膜3が形成されている。遮光膜3をパターン化することでフォトマスクが製作される。静電破壊防止膜2は、チタン化合物又はタンタル化合物から成る膜であって、露光波長の光に対する透過率が75%以上であり、100KΩ/□以下のシート抵抗値を有する。静電破壊防止膜2は、アルゴンガスに炭酸ガス及び窒素ガスを添加したガスを用いてスパッタリングにより作成される。
【選択図】 図1

Description

本願の発明は、フォトリソグラフィに使用されるフォトマスクに関するものであり、特にフォトマスクを製作する際の元となる製品であるマスクブランクスに関するものである。
微細回路を基板上に形成するフォトリソグラフィの技術は、各種半導体デバイスや各種ディスプレイデバイスの製造において多用されている。フォトリソグラフィは、レジストが塗布された基板(以下、回路基板と呼ぶ)をフォトマスクの回路パターンで露光し、現像、エッチングを経て回路パターンを転写する技術である。
原盤であるフォトマスクは、透明な基板(以下、回路基板と区別するためにマスク基板と呼ぶ)上に転写すべき回路パターンが形成されたものであるが、マスクブランクスと呼ばれる製品を元に製作される。マスクブランクスは、マスク基板の一方の側の全面に遮光膜が作成された製品である。
特開2008−241921号公報 特開平06−289592号公報 特開平07−098493号公報 特開平07−261375号公報
フォトリソグラフィにおいて、フォトマスクの帯電が以前より問題となっている。フォトマスクのうち、遮光膜はクロム又はクロム化合物などで形成されていて導電性であるが、マスク基板はガラス製であるため、帯電し易い。特に、回路基板とフォトマスクと密着させるコンタクト露光の場合、露光後にフォトマスクを回路基板から剥離させる際に帯電し易い(いわゆる剥離帯電)。
フォトマスク上の帯電量が多くなると、何らかの拍子に放電(絶縁破壊)し易くなる。例えば、マスク基板上の遮光膜のパターンは、場所によってアイランドになっている(他の遮光膜の部位から完全に切り離されている)部分があり、帯電によりその部分の電位が他の部分の電位と大きく異なってしまうことがあり得る。電位差が大きくなると、マスク基板の表面に沿って放電が生じたり、フォトマスクの付近にある部材やメンテナンスの際にフォトマスクを取り扱う部材等との間で放電が生じることがある。
このようなフォトマスクが帯電することにより生じる問題の一つは、放電の衝撃で遮光膜のパターンに欠け等の欠陥が生じてしまうことである。パターン欠陥が生じると、それが回路基板に転写されるので、歩留まり低下の原因となる。
過剰な帯電による放電は、遮光膜(導電膜)のパターンが鋭利になっている所で生じ易い。例えば、ほぼ90度のコーナーになっている角部等である。この場合、角部を丸く面取りして放電を抑える工夫も考えられるが、パターンの変更や鈍化は、フォトマスクが微細な回路の転写のための原盤であるという性格から許されない場合が多い。
帯電を防止したフォトマスクの構造として、特許文献1に開示されているように、透明導電膜であるITO膜をマスク基板上に形成し、その上に遮光膜をパターン化した構造が考えられる。しかしながら、ITO膜は、遮光膜のパターニングの際、エッチング液に対する耐性が悪く、エッチング液によって削れられて膜厚が薄くなってしまう問題がある。この他、洗浄工程における洗浄液に対する耐性が問題になる場合もあり得る。即ち、これら薬品により膜が削られると、体積減少によりシート抵抗値が増加し、必要なアース性能が得られなくなってしまうことがあり得る。
本願の発明は、このような点を考慮して為されたものであり、静電破壊が効果的に防止された構造のフォトマスクが製作できるマスクブランクスの提供を解決課題とするものである。
上記課題を解決するため、本願の請求項1記載のマスクブランクスは、マスク基板と、マスク基板の一方の側の全面を覆って形成された静電破壊防止膜と、静電破壊防止膜の上に形成された遮光膜とから成り、
静電破壊防止膜は、チタン化合物又はタンタル化合物から成る1nm以上3.5nm以下の厚さの膜であって、露光波長の光に対する透過率が75%以上であり、100KΩ/□以下のシート抵抗値を有しており、
静電破壊防止膜は、アルゴンガスに炭酸ガス及び窒素ガスを添加したガスを用いてスパッタリングにより作成した膜であるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項2記載のマスクブランクスは、前記請求項1の構成において、前記炭酸ガスの添加量はアルゴンガスに対して10%以上20%以下であり、前記窒素ガスの添加量はアルゴンガスに対して5%以上15%以下であるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項3記載の発明は、前記請求項1又は2に記載のマスクブランクスについて、前記遮光膜をパターニングする処理を施すことで製作されたフォトマスクであるという構成を有する。
以下に説明する通り、本願の請求項1又は2記載の発明によれば、チタン化合物又はタンタル化合物から成る膜を静電破壊防止膜として用いているので、75%以上の光透過率になるように薄くしてもエッチング時の浸食が問題になることはなく、100KΩ/□以下のシート抵抗値を有することによって十分な静電破壊防止効果を得ることができる。また、静電破壊防止膜の作成の際に、炭酸ガス及び窒素ガスを添加しているので、十分な導電性を有する期間がより長く確保できる。このため、フォトマスクの交換やメンテナンスの頻度を少なくでき、フォトリソグラフィの生産性向上に寄与できる。
また、請求項3記載の発明によれば、上記効果を有するフォトマスクが提供される。
本願発明の実施形態のマスクブランクスの正面断面概略図である。 図1に示すマスクブランクスからフォトマスクを製作する方法について示した正面断面概略図である。 フォトマスクが露光装置に搭載された状態を示す正面概略図である。 静電破壊防止膜の膜厚に対する光透過率やシート抵抗値の変化を調べた実験の結果を示した図である。 参考例として、静電破壊防止膜の作成の際に酸素ガスや窒素ガスを添加することの効果について確認した実験の結果を示す図である。 実施形態の効果を示す図であり、静電破壊防止膜の作成の際に炭酸ガス及び窒素ガスを添加することの効果について確認した実験の結果を示す図である。
次に、本願発明を実施するための形態(以下、実施形態)について説明する。
図1は、本願発明の実施形態のマスクブランクスの正面断面概略図である。図1に示すマスクブランクスは、透明なマスク基板1と、マスク基板1上に形成された静電破壊防止膜2と、静電破壊防止膜2の上に形成された遮光膜3とから成っている。
マスク基板1は、石英ガラスのようなガラス製であり、露光波長を十分に透過する。マスク基板1は方形である場合が多く、大きさは製作するフォトマスクに依存する。マスク基板1の厚さは、1.5〜17mm程度である。
静電破壊防止膜2は、チタン化合物又はタンタル化合物より成る膜である。チタン化合物としては、酸化チタン、酸窒化チタン等が挙げられ、タンタル化合物についても、酸化タンタル、酸窒化タンタル等が挙げられる。このような材料の膜がガラス基板1の一方の側の全面に設けられることで、製作されるフォトマスクにおいて静電破壊防止膜として機能する。静電破壊防止膜2の膜厚は、1〜3.5nm程度である。
遮光膜3としては、前述したようにクロム又はクロム化合物より成る膜が形成される。膜厚は、90〜150nm程度である。
図2は、図1に示すマスクブランクスからフォトマスクを製作する方法について示した正面断面概略図である。図2に示すように、フォトマスクを製作する場合、図1に示すマスクブランクスの表面にレジスト4を全面塗布し、レーザ等により所定のパターンで光照射してレジストを感光させる(図2(1))。次に、レジストを現像してパターン化した後、エッチング液で遮光膜3をウェットエッチングする(図2(2))。その後、レジスト4をアッシングして除去し、洗浄液による洗浄等を行うと、フォトマスク5が完成する(図2(3))。
図3は、フォトマスクが露光装置に搭載された状態を示す正面概略図である。図3に示すように、フォトマスク5は、光源6からの光がフォトマスク5を通して回路基板7に照射されるように配置される。この際、フォトマスク5はマスクホルダー51によって所定位置に保持される。マスクホルダー51は、フォトマスク5に接触している部分が金属製であり、この部分は図3に示すようにアースされる。
一方、図2から解るように、製作されたフォトマスク5は、マスク基板1とパターン化された遮光膜3との間に静電破壊防止膜2が全面形成された構造である。マスクホルダー51は、フォトマスク5の端面において静電破壊防止膜2に接触し、且つアースされている。このため、静電破壊防止膜2もアースされた状態であり、フォトマスク5の帯電が抑制され、前述したような静電破壊は生じない。
図3では、投影露光型の露光装置が示されているが、コンタクト型やプロキシミティ型の露光装置においても、回路基板に対して所定位置にフォトマスクを配置する際、フォトマスクはホルダーにより保持されたり、ローディング機構において保持部材で保持されたりする。このような部材は金属製である場合が多く、同様にアースしておくことでフォトマスクの静電破壊を防止することができる。仮に露光の際にはアースから絶縁された状態になる場合であっても、ロードやアンロードの際にアースするようにすることができるし、保管用のカセットを金属製にしてアースし、フォトマスクの端面をカセットに対して接触させることで静電破壊防止膜2をアースすることができる。
上述した実施形態のマスクブランクスやフォトマスクにおいて、静電破壊防止膜2は、静電破壊を十分に防止し得る程度の導電性を有することが必要である。必要な導電性は、フォトマスクの帯電のし易さによって異なり、帯電のし易さは、フォトマスクの使用環境や遮光膜3のパターン形状等によって異なるものの、一般的なフォトマスクの場合、静電破壊防止膜2のシート抵抗値が100KΩ/□程度以下であれば、実用上問題になることはない。
また、静電破壊防止膜2の膜厚は、必要な光透過性を確保する上で重要である。チタンやタンタルは露光波長の光に対して光透過性は低く、チタン化合物やタンタル化合物も低い場合が多い。したがって、マスク基板1に対して全面被覆してしまうと、マスクとしての光透過性が得られず、使用不能になるとも予測される。このような予測から、チタンやタンタル等は、フォトマスクの静電破壊防止膜として実用化されていないとも考えられる。しかしながら、発明者の研究によると、膜厚をある程度薄く形成しておけば、光透過性は阻害されず、その一方、静電破壊防止の目的が十分に達成されることが判明した。
図4は、静電破壊防止膜の膜厚に対する光透過率やシート抵抗値の変化を調べた実験の結果を示した図である。この実験では、静電破壊防止膜としてチタンが作成され、膜厚を変えながら、g線(436nm)に対する透過率やシート抵抗値が調べられた。図4(1)が各膜厚に対する光透過率を示し、(2)が各膜厚に対するシート抵抗値を示す。いずれの場合も、静電破壊防止膜(チタン膜)はスパッタリングにより作成され、スパッタガスとしてはアルゴンが使用された。
図4(1)に示すように、膜厚が厚くなるに従って光透過率は減少するものの、膜厚が3.5nm程度以下(例えば1.0〜3.5nm)としておけば、一般的に必要とされる75%以上の光透過率が得られる。また、膜厚を薄くした場合、チタン層の体積が小さくなるのでシート抵抗値が増すが、図4(2)に示すように、例えば1.0〜3.5nm程度まで薄くしてもシート抵抗値は0.9〜1.5KΩ/□程度であり、静電破壊を防止する上で十分な導電性が確保されることがわかる。
尚、1.0〜3.5nm程度まで静電破壊防止膜の厚さを薄くしても、エッチング液に対する耐性は十分であり、エッチングによって膜が削れてシート抵抗値が限度以上に大きくなる問題がないことが確認されている。つまり、化学的安定性、対薬品性に優れているというチタンの長所は、ITO等に比べると光透過性が劣るという欠点を凌駕しており、光透過性を阻害しない程度に十分に薄くすることが可能ということである。この性質はタンタルについても同様であり、またチタン化合物やタンタル化合物についても同様であることが確認されている。
また、静電破壊防止作用を十分な期間に亘って得るためには、静電破壊防止膜2が十分な期間に亘って高い導電性を維持していることが必要である。この点に関し、発明者の研究によると、静電破壊防止膜2の作成の際においてある工夫をすると効果的であることが判明した。以下、この点について説明する。
チタンやタンタルは導電性の良好な材料であるが、経時的には酸化により導電性が低下し易い。静電破壊防止膜2とした場合も同様で、長期間使用していると、酸化して導電性が低下し、静電破壊防止特性に影響が出る場合があり得る。この問題は、静電破壊防止膜2の作成工程を工夫することで解消できる。工夫とは、膜をスパッタリングで作成し、この際、スパッタガスとして、アルゴンに酸素を添加したガス、又はアルゴンに酸素及び窒素を添加したガス、或いは実施形態のようにアルゴンに炭酸ガス及び窒素ガスを添加したガスを用いることである。
図5は、参考例として、静電破壊防止膜の作成の際に酸素ガスや窒素ガスを添加することの効果について確認した実験の結果を示す図である。
図5に示す実験では、アルゴンのみをスパッタガスとして用いて作成した静電破壊防止膜、アルゴンに酸素を添加したガスをスパッタガスとして用いて作成した静電破壊防止膜、アルゴンに酸素と窒素を添加したガスをスパッタガスとして用いて作成した静電破壊防止膜について、それぞれ経時的なシート抵抗値の変化を調べた。成膜の際のターゲットは、いずれの場合もチタン製であり、静電破壊防止膜はチタン又はチタン化合物の膜である。図5(1)がアルゴンのみの場合、図5(2)がアルゴンに酸素を添加した場合、図5(3)がアルゴンに酸素と窒素を添加した場合である。
いずれの場合も、スパッタリングの際の圧力(全圧)は0.20Pa程度である。図5(2)の場合は、アルゴンに対して流量比で10%程度の酸素添加量とされた。図5(3)の場合は、アルゴンに対して、酸素10%、窒素5%の流量比とされた。マスク基板は石英ガラスでり、各膜厚は、アルゴンのみの場合は1nm程度、Ar+O及びAr+O+Nの場合はそれぞれ2.5nm程度とした。
図5(1)に示すように、アルゴンのみで作成した静電破壊防止膜の場合、成膜直後は10KΩ/□程度のシート抵抗値であるが、その後上昇し、150時間経過時には100KΩ/□程度にまで達している。一方、図5(2)に示すように、酸素を添加して作成した静電破壊防止膜の場合、成膜直後のシート抵抗値は6KΩ/□程度で、その後上昇するものの、200時間経過の時点で24KΩ/□程度である。そして、その後は上昇が緩やかとなり850時間経過しても35KΩ/□程度にとどまっている。また、図5(3)に示すように、酸素と窒素を添加した場合、成膜直後のシート抵抗値は僅か1.4KΩ/□程度で、その後の上昇も、600時間経過時に3.2KΩ/□程度と、非常に低く抑えられている。
また、図6は、実施形態の効果を示す図であり、静電破壊防止膜の作成の際に炭酸ガス及び窒素ガスを添加することの効果について確認した実験の結果を示す図である。図6に示す実験では、アルゴンに炭酸ガスと窒素ガスを添加したガスをスパッタガスとして用いてスパッタリングにより作成した静電破壊防止膜について、経時的なシート抵抗値の変化が調べられた。同様に、ターゲットはチタン製で、スパッタリングの際の圧力は0.20Pa程度である。添加ガスの流量比は、アルゴンに対して炭酸ガスは10%、窒素ガスは5%とされた。作成された静電破壊防止膜の厚さは、同様に2.5nm程度である。
図6に示すように、炭酸ガスと窒素ガスとを添加して作成した静電破壊防止膜は、成膜直後のシート抵抗値は僅か1.8KΩ/□程度で、その後、24時間経過時に12KΩ/□程度に上昇するものの、さらに時間が経過して200時間程度になってもほとんど変化がない。恐らく、この後もこの程度の極めて低いシート抵抗値で推移するものと考えられる。
このように、静電破壊防止膜2の作成の際、アルゴンに酸素ガスを添加したり、酸素ガスと窒素ガスを添加したり、或いは実施形態のように炭酸ガスと窒素ガスとを添加したりすると、導電率が良好で、しかも経時的な導電率の悪化が抑えられる良質な膜が得られる。前述したように、静電破壊防止の効果を得るためには、シート抵抗値としては100KΩ/□が目安で、アルゴンのみの場合、150時間程度で交換を余儀なくされるが、酸素を添加した場合、100KΩ/□に達するには6ヶ月程度かかる計算となる。また、酸素と窒素を添加した場合、100KΩ/□に達するには数年以上かかる計算で、実用上何ら交換を必要としないという計算になる。炭酸ガスと窒素ガスとを添加した場合も、同様に実用上何ら交換を必要としない。このように、いずれの場合も静電破壊防止効果は得られるが、成膜の際に酸素ガスを添加したり、酸素ガス及び窒素ガスを添加したり、或いは実施形態のように炭酸ガス及び窒素ガスを添加したりすると、静電破壊防止効果が得られる期間が長くなり、交換頻度が抑えられる。
尚、使用済みのフォトマスク5は、交換後に除電され、再利用が可能になる。また、交換しなくても、ホルダー51に保持された状態で除電が可能な場合には、除電のメンテナンスを定期的に行えば良い。この場合、炭酸ガス及び窒素ガスを添加して作成した静電破壊防止膜2は、メンテナンス頻度が少ないので、フォトリソグラフィの生産性向上に貢献できる。
図5に示す実験で作成された各静電破壊防止膜2の光透過率について説明すると、アルゴンのみで作成した静電破壊防止膜2については、g線(436nm)に対しては95%の透過率、h線(405nm)に対しては94.7%の透過率、i線(365nm)に対しては93.3%の透過率であった。また、酸素を添加して作成した静電破壊防止膜2の場合、g線の透過率は92.6%、h線の透過率は91.9%、i線の透過率は90.4%であった。酸素と窒素を添加して作成した静電破壊防止膜2の場合、g線の透過率は89.5%、h線の透過率は88.4%、i線の透過率は86.4%であった。光透過率は、75%以上が必要値であるが、いずれの場合もこれを大きく上回っており、実用上支障がないことが確認されている。
また、図6に示す炭酸ガスと窒素を添加して作成した実施形態の静電破壊防止膜2の場合、g線の透過率は86.9%、h線の透過率は85.7%、i線の透過率は83.6%であった。いずれの場合も必要な75%を大きく上回っており、実用上支障がないことが確認されている。
上述したように、酸素ガスを添加したり、酸素ガス及び窒素ガスを添加したり、或いは実施形態のように炭酸ガス及び窒素ガスを添加したりして作成した静電破壊防止膜2が長期間高い導電性を維持できる理由については、完全に明らかではないが、以下のような推測が可能である。
酸化チタンや酸化タンタルは絶縁性の材料であるが、アルゴンに酸素を添加しながらチタン製ターゲット又はタンタル製ターゲットをスパッタしてチタン薄膜又はタンタル薄膜を作成した場合、通常の酸化チタン又は酸化タンタルのような薄膜は出来ず、チタン又はタンタル中に酸素が微量混入している構造であるか、又は酸化物が形成されていたとしてもアモルファス状態であるため、通常の酸化チタン結晶又は酸化タンタル結晶とは異なる構造となっていると思われる。このため、導電性は損なわれずに酸素導入による不動態化の効果が得られているものと推測される。酸素ガスと窒素ガスとを添加したり、炭酸ガスと窒素ガスとを添加したりした場合には、チタン又はタンタルの一部窒化又は窒素の微量混入により、不動態化の効果と導電性向上の効果がさらに高く長期間持続されるようになったと推測される。このように、酸素や窒素を添加したスパッタガスを用いて作成した静電破壊防止膜は、膜中に酸素や窒素が混入しているため、アルゴンのみのスパッタガスで作成した膜とは識別が可能である。
上記のように、実施形態のマスクブランクスによれば、マスク基板1上にチタン化合物又はタンタル化合物から成る膜2が全面形成され、その上に遮光膜3のパターンが形成された構造になるので、フォトマスクの帯電が防止される。このため、放電時の衝撃によるパターン欠陥等が生じることがなく、歩留まり低下の要因となるような事故は発生しない。
また、静電破壊防止膜2の膜厚は、十分な光透過率が得られる程度に薄くしてもエッチング時の対薬品性が低下することはなく、エッチングよって膜厚が薄くなって静電破壊防止性能が低下してしまうこともない。
また、成膜時のスパッタガスに炭酸ガス及び窒素ガスを添加することで、静電破壊防止膜2の導電性を長期に亘って高い値に維持することができ、静電破壊防止効果が高くなり、またフォトリソグラフィ生産性向上に貢献できる。
尚、チタン化合物又はタンタル化合物の膜を静電破壊防止膜として全面形成する場合、遮光膜3を露光、エッチングしてパターン化した後、その上から静電破壊防止膜を全面形成することも考えられる。このような構造によっても静電破壊防止作用は得られると予測されるが、静電破壊防止膜に段差ができるため、露光時に光が散乱される等、光学特性の点で問題が生じる恐れがある。また、段差の部分で膜が途切れると、遮光膜3のパターンが十分にアースされない状態となり、静電破壊防止特性も不十分となる。したがって、静電破壊防止膜2は、下地膜として遮光膜3とマスク基板1との間に全面形成されることが望ましい。
1 マスク基板
2 静電破壊防止膜
3 遮光膜
5 フォトマスク
51 ホルダー

Claims (3)

  1. マスク基板と、マスク基板の一方の側の全面を覆って形成された静電破壊防止膜と、静電破壊防止膜の上に形成された遮光膜とから成り、
    静電破壊防止膜は、チタン化合物又はタンタル化合物から成る1nm以上3.5nm以下の厚さの膜であって、露光波長の光に対する透過率が75%以上であり、100KΩ/□以下のシート抵抗値を有しており、
    静電破壊防止膜は、アルゴンガスに炭酸ガス及び窒素ガスを添加したガスを用いてスパッタリングにより作成した膜であることを特徴とするマスクブランクス。
  2. 前記炭酸ガスの添加量はアルゴンガスに対して10%以上20%以下であり、前記窒素ガスの添加量はアルゴンガスに対して5%以上15%以下であることを特徴とする請求項1記載のマスクブランクス。
  3. 請求項1又は2に記載のマスクブランクスについて、前記遮光膜をパターニングする処理を施すことで製作されたフォトマスク。
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