JP2014231545A - シームレスベルト用樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】導電性および機械的物性に優れたシームレスベルト用樹脂組成物を提供する。【解決手段】重量平均分子量が3.5万以上8万以下であるポリイミド樹脂およびポリアミドイミド樹脂の少なくとも一方 100重量部に対し、平均繊維径が10〜45nmであるカーボンナノファイバーを0.1〜10重量部含有し、かつ体積抵抗値が1?106〜1?1013Ω・cmであることを特徴とする、シームレスベルト用樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、シームレスベルト用樹脂組成物に関する。
電子写真方式の画像形成装置は、オフィス向けの複写機、プリンターに加えて、最近では、軽印刷と呼ばれる印刷分野にまで普及し、版を起こさずに数千枚レベルのプリントを短時間で行えるというメリットから注目されるようになってきた。
電子写真方式の画像形成方法の一つに、感光体上に形成されたトナー画像を中間転写体上に転写し、中間転写体より記録媒体上に二次転写する工程を経て画像形成を行うものがある。
そして、中間転写体の実施形態の一つに、樹脂製のシームレスベルト(無端ベルト)を用いた中間転写ベルトがあり、良好な転写性能を発現させるために、中間転写ベルトの改良が進められてきている。
このような中間転写ベルトは、例えば、ポリイミド系樹脂に導電性フィラーとしてアセチレンブラック等のカーボンブラックが分散された溶液を、例えば、円筒状の回転体等に塗布した後、加熱して溶媒の除去およびイミド添加反応を行うことによって製造される。
特許文献1には、ガラス転移温度が100℃以上および/または融点が200℃以上の耐熱性樹脂ならびに平均繊維径が50〜130nmの気相法炭素繊維を、前記耐熱性樹脂100質量部に対して1〜30質量部含有するシームレスベルト用樹脂組成物が記載されている。
特許第4684840号明細書
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、炭素繊維同士の付着や凝集が起こり、炭素繊維が均一に耐熱性樹脂中に分散し難い。したがって、炭素繊維を少量添加しても所望の体積抵抗値が得られず導電性が不十分となる。また、十分な電導性が得られるよう多量の炭素繊維を添加すると引張破断伸度が低下するなど機械的物性が不十分となる等の問題があった。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、その課題は、導電性および機械的物性に優れたシームレスベルト用樹脂組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく、鋭意研究を積み重ねた。その結果、重量平均分子量が3.5万以上8万以下であるポリイミド樹脂およびポリアミドイミド樹脂の少なくとも一方と、平均繊維径が10〜45nmであるカーボンナノファイバーとを含む樹脂組成物により、上記課題が解決することを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明に係る上記課題は、以下の手段により解決される。
1.重量平均分子量が3.5万以上8万以下であるポリイミド樹脂およびポリアミドイミド樹脂の少なくとも一方 100重量部に対し、平均繊維径が10〜45nmであるカーボンナノファイバーを0.1〜10重量部含有し、かつ体積抵抗値が1×106〜1×1013Ω・cmであることを特徴とする、シームレスベルト用樹脂組成物。
2.前記ポリイミド樹脂およびポリアミドイミド樹脂の少なくとも一方の重量平均分子量が5万以上8万以下であることを特徴とする、上記1.に記載のシームレスベルト用樹脂組成物。
3.前記カーボンナノファイバーの平均繊維径が10〜20nmであることを特徴とする、上記1.または2.に記載のシームレスベルト用樹脂組成物。
4.体積抵抗値が1×108〜1×1012Ω・cmであることを特徴とする、上記1.〜3.のいずれか1つに記載のシームレスベルト用樹脂組成物。
5.上記1.〜4.のいずれか1つに記載のシームレスベルト用樹脂組成物からなるシームレスベルト。
本発明によれば、導電性および機械的物性に優れたシームレスベルト用樹脂組成物が得られる。
円筒状の回転体に塗布液を塗布する一例を示した模式図である。 塗布液を塗布した回転体をヒーターで乾燥する一例を示す模式図である。 画像形成装置の一例を示す断面概略図である。
本発明は、重量平均分子量が3.5万以上8万以下であるポリイミド樹脂およびポリアミドイミド樹脂の少なくとも一方 100重量部に対し、平均繊維径が10〜45nmであるカーボンナノファイバーを0.1〜10重量部含有し、かつ体積抵抗値が1×106〜1×1013Ω・cmである、シームレスベルト用樹脂組成物である。かような構成を有する本発明のシームレスベルト用樹脂組成物は、導電性および機械的物性に優れる。
以下、本発明とその構成要素、および本発明を実施するための形態・態様について詳細な説明をする。なお、本願において、「〜」は、その前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用する。
<ポリイミド樹脂>
本発明に係るポリイミド樹脂は、特に制限されないが、有機極性溶媒中に酸二無水物とジアミンとを溶解し、重合してポリアミック酸溶液を調製後、乾燥・焼成を行うことにより得られる樹脂であることが好ましい。
前記有機極性溶媒は、極性を有する有機物の溶媒である。使用可能な有機極性溶媒としては、例えば、N,N’−ジメチルホルムアミド、N,N’−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、またはN−メチルピロリドン等が挙げられる。これら有機極性溶媒は、単独でもまたは2種以上混合しても用いることができる。
前記酸二無水物としては、例えば、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,2’−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、ペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、またはエチレンテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。これら酸二無水物は、単独でもまたは2種以上混合しても用いることができる。
これら酸二無水物の中でも、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物が好ましい。
前記ジアミンとしては、例えば、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジクロロベンジジン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、1,5−ジアミノナフタレン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニルジアミン、ベンジジン、3,3’−ジメチルベンジジン、3,3’−ジメトキシベンジジン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、2,4−ビス(β−アミノ−t−ブチル)トルエン、ビス(p−β−アミノ−t−ブチルフェニル)エーテル、ビス(p−β−メチル−δ−アミノフェニル)ベンゼン、ビス−p−(1,1−ジメチル−5−アミノ−ペンチル)ベンゼン、1−イソプロピル−2,4−m−フェニレンジアミン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、ジ(p−アミノシクロヘキシル)メタン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ジアミノプロピルテトラメチレン、3−メチルヘプタメチレンジアミン、4,4−ジメチルヘプタメチレンジアミン、2,11−ジアミノドデカン、1,2−ビス−3−アミノプロポキシエタン、2,2−ジメチルプロピレンジアミン、3−メトキシヘキサメチレンジアミン、2,5−ジメチルヘプタメチレンジアミン、3−メチルヘプタメチレンジアミン、5−メチルノナメチレンジアミン、2,11−ジアミノドデカン、2,17−ジアミノエイコサデカン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,10−ジアミノ−1,10−ジメチルデカン、1,12−ジアミノオクタデカン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、ピペラジン、H2N(CH23O(CH22OCH2NH2、H2N(CH23S(CH23NH2、またはH2N(CH23N(CH22(CH23NH2等が挙げられる。これらジアミンは、単独でもまたは2種以上混合しても用いることができる。
これらジアミンの中でも、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、p−フェニレンジアミンが好ましい。
前記有機極性溶媒中に、酸二無水物とジアミンとを溶解し重合を行い、ポリアミック酸溶液を調製する方法は特に制限されない。例えば、アルゴン、窒素などの不活性ガス雰囲気下において、1種または2種以上のジアミンを有機極性溶媒に溶解し、この溶液に少なくとも一種の酸二無水物を添加すると、発熱を伴って開環重付加反応が起こり、急速に溶液の粘度増大が見られ、高分子量のポリアミック酸溶液が得られる。この際の反応温度は、通常、−20〜100℃の範囲内が好ましく、60℃以下にすることがより好ましい。反応時間は、30分間〜12時間の範囲内が好ましい。
なお、上記添加手順に限らず、例えば、まず、酸二無水物を有機極性溶媒にスラリー状態に分散させておき、この溶液中にジアミンを添加させても良い。ジアミンの添加は、固体状態のままでも、有機極性溶媒に溶解した溶液状態でも、スラリー状態でも良い。また、酸二無水物とジアミンとを同時に有機極性溶媒中に添加反応させても良く、酸二無水物と、ジアミンとの混合順序は限定されない。
また、ポリアミック酸溶液は、上述のようにして合成したものを使用することができるが、簡便には有機極性溶媒にポリアミック酸組成物が溶解された状態の、いわゆるポリイミドワニスとして上市されているものを使用することができる。このような市販品としては、例えば、U−ワニス−A(宇部興産株式会社製)、リカコート(登録商標)(新日本理化株式会社製)、オプトマー(登録商標)(JSR株式会社製)、SE812(日産化学工業株式会社製)等が代表的なものとして挙げられる。
<ポリアミドイミド樹脂>
ポリアミドイミド樹脂は、ポリイミドの主鎖中にアミド結合を導入したポリマーである。本発明に用いられるポリアミドイミド樹脂としては、特に制限されず、酸成分とイソシアネート成分またはアミン成分とから、イソシアネート法または酸クロリド法などの通常の方法で、アミド系溶剤などの高沸点極性溶剤中で合成されたものが使用できる。
前記酸成分として、以下に示す酸無水物、多価カルボン酸、または酸クロリドが挙げられるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。酸無水物としては、例えば、トリメリット酸無水物、エチレングリコールビスアンヒドロトリメリテート、プロピレングリコールビスアンヒドロトリメリテート、1,4−ブタンジオールビスアンヒドロトリメリテート、ヘキサメチレングリコールビスアンヒドロトリメリテート、ポリエチレングリコールビスアンヒドロトリメリテート、ポリプロピレングリコールビスアンヒドロトミメリテートなどのアルキレングリコールビスアンヒドロトリメリテート、ピロメリット酸無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、3,3',4,4'−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸無水物、3,3',4,4'−ジフェニルテトラカルボン酸無水物、4,4'−オキシジフタル酸無水物などが挙げられる。
また、多価カルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、4,4’−ビフェニルエーテルジカルボン酸、4,4’−ビフェニルスルホンジカルボン酸、4,4’−ベンゾフェノンジカルボン酸、ピロメリット酸、トリメリット酸、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、アジピン酸、セバチン酸、マレイン酸、フマール酸、ダイマー酸、スチルベンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸等が挙げられる。酸クロリドとしては、例えば、前記多価カルボン酸の酸クロリドが挙げられる。これら酸成分は、単独でもまたは2種以上混合しても用いることができる。
これら酸成分の中でも、トリメリット酸無水物が好ましい。
前記イソシアネート成分としては、例えば、4,4’-ジイソシアネートジフェニルエーテル、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、3,3’−ジメチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、3,3’−ジエチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、3,3’−ジクロロジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、3,3’−ジクロロジフェニル−4,4’−ジイソシアネート、4,4’−ジイソシアネート−3,3’−ジメチルビフェニル、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート等が挙げられる。これらイソシアネート成分は、単独でもまたは2種以上混合しても用いることができる。
これらイソシアネート成分の中でも、4,4’-ジイソシアネートジフェニルエーテル、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネートが好ましい。
前記アミン成分としては、例えば、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン、1,3−シクロヘキサンビス(メチルアミン)、オルトクロロパラフェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、2,2’−ビス(アミノフェニル)プロパン、2,4−トリレンジアミン、2,6−トリレンジアミン、p−キシレリンジアミン、イソホロンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン等が挙げられる。これらアミン成分は、単独でもまたは2種以上混合しても用いることができる。
これらアミン成分の中でも、p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメタンが好ましい。
本発明に係るポリアミドイミド樹脂の合成に使用される溶剤は、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチル尿素、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、ジメチルイミダゾリジノン等の高沸点極性溶剤の単独または混合溶剤を用いることができる。
本発明に係るポリアミドイミド樹脂は、上記溶剤中に、酸成分と、イソシアネート成分またはアミン成分とを溶解し、好ましくは50〜230℃、より好ましくは80〜200℃で攪拌することにより合成される。反応を促進するためにトリエチルアミン、ルチジン、ピコリン、ウンデセン、トリエチレンジアミン等のアミン類、リチウムメチラート、ナトリウムメチラート、カリウムブトキサイド、フッ化カリウム、フッ化ナトリウム等のアルカリ金属、アルカリ土類金属化合物、あるいはコバルト、チタン、スズ、亜鉛などの金属、半金属化合物等の触媒の存在下に行ってもよい。
また、ポリアミドイミド樹脂溶液は、上述のようにして調製したものを使用することができるが、簡便には有機極性溶媒に酸成分、およびイソシアネート成分またはアミン成分が溶解された状態の、いわゆるポリアミドイミドワニスとして上市されているものを使用することができる。このような市販品としては、例えば、バイロマックス(登録商標)(東洋紡株式会社製)、ポリアミドイミド樹脂HPCシリーズ(日立化成株式会社製)等が代表的なものとして挙げられる。
なお、本発明においては、上記ポリイミド樹脂およびポリアミドイミド樹脂の少なくとも一方を用いればよく、それぞれを単独で用いてもよいし、ポリイミド樹脂とポリアミドイミド樹脂とを組み合わせて用いてもよい。
本発明で用いられる上記ポリアミック酸および上記ポリアミドイミド樹脂の重量平均分子量は、3.5万以上8万以下である。該重量平均分子量が3.5万未満であると、シームレスベルトとして必要な引張破断強度を得ることが困難になる。一方、8万を超えると、樹脂の分子間相互作用が強くなり、カーボンナノファイバーの樹脂中への分散性が悪化する。そのため所望の電導性を得るためにカーボンナノファイバーを多量に添加することが必要となり、引張破断伸度等の機械的特性が低下する。該重量平均分子量は、好ましくは5万以上8万以下である。
ポリアミック酸およびポリアミドイミド樹脂の重量平均分子量は、ポリスチレンを標準物質としたゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定することができる。より具体的には、実施例に記載の方法により測定することができる。
なお、ポリイミド樹脂の分子量は、その前駆体であるポリアミック酸の分子量と同等の範囲にある。したがって、本発明で用いられるポリイミド樹脂の重量平均分子量は、3.5万以上8万以下であり、好ましくは5万以上8万以下である。
<カーボンナノファイバー>
本発明に係るカーボンナノファイバー(以下、単にCNFとも称する)は、平均繊維径が10〜45nmで、極めて高いアスペクト比を有しているものを指す。一般的なカーボンブラック等に比べて導電性が高いのが特徴である。
該カーボンナノファイバーの平均繊維径が10nm未満であると、繊維同士の凝集力が増大し、十分に樹脂マトリックス中に分散することができない。一方、45nmを超えると、所望の電導性を得るために多量に添加することが必要となり、引張破断伸度等の機械的特性が低下する。カーボンナノファイバーの平均繊維径は、好ましくは10〜20nmである。なお、該平均繊維径は、例えば走査型電子顕微鏡(SEM)や透過型電子顕微鏡(TEM)などの写真像により測定することができる。
本発明に係るCNFは、従来公知の製造方法に従って製造することができ、例えば、気相成長法または溶融紡糸法等を挙げることができる。
以下、一例として気相成長法によるCNFの製造方法について説明する。
気相成長法により得られるCNFは、比較的容易に大きいアスペクト比を有することができる。例えば、気相成長法によってCNFを連続的に製造する反応装置の一例としては、CNFの原料となる炭素源として、CO、メタン、アセチレン、エチレン、ベンゼン、トルエン等を用いる。炭素源が常温で気体である場合には、ガス状でキャリアーガスと混合して供給する。また、炭素源が液体である場合には、気化器で気化させてからキャリアーガスと混合して供給するか、または液状で加熱帯域に噴霧する。キャリアーガスとしては不活性ガスである窒素ガスや還元性の水素ガス等が用いられる。真空に減圧した系内に炭素源を供給する場合もある。
このような気相法によるCNF製造法における触媒としては、アルミナ等の担体に金属を担持した担持型触媒やフェロセン等の有機金属化合物が使用される。担持型触媒を用いる場合は、担持型触媒を予め加熱帯域に設置して加熱し、必要な前処理を行った後で、炭素源を供給して反応させる方法、あるいは前処理した担持型触媒を系外から連続的にまたはパルス的に供給して反応を行う方法等が挙げられる。また、炭素源に容易に溶解するフェロセン等の有機金属化合物を触媒前駆体として採用し、炭素源とともに加熱帯域に連続的、あるいはパルス的にフィードして、触媒前駆体化合物の熱分解で発生した金属粒子を触媒として炭素繊維を生成させることもできる。
CNFを製造する際に用いる炭素源としては、炭素原子を含有しているものであれば特に制限は無い。有用性の高い炭素化合物の一例を挙げると、一酸化炭素、二酸化炭素等の無機ガス類、メタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等のアルカン類;エチレン、プロピレン、ブテン、ブタジエン等のアルケン類;アセチレン等のアルキン類;ベンゼン、トルエン、キシレン、スチレン等の単環式芳香族炭化水素;インデン、ナフタリン、アントラセン、フェナントレン等の縮合環を有する多環式化合物;シクロプロパン、シクロペンタン、シクロヘキサン等のシクロパラフィン類;シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエン等のシクロオレフィン類;ステロイド等の縮合環を有する脂環式炭化水素化合物などが挙げられる。これらは条件を満たすものであれば、酸素含有炭素源化合物としても使用することが可能である。
また、触媒としては、CNFの成長を促進する物質である限り、特に制限されない。この触媒としては、例えば、長周期型元素周期表3〜12族からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属、特にそれらの微粒子が挙げられる。さらには3、5、6、8、9、10族からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属が好ましく、鉄、ニッケル、コバルト、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、白金および希土類元素が特に好ましい。
また、CNFの製造に際しては、CNFの径制御に効果があるとされているイオウ化合物を併用してもよい。本発明において用いることができるイオウ化合物としては、イオウ;チオフェン;硫化水素;硫化炭素;メチルメルカプタン、ターシャリーブチルメルカプタン等のメルカプタン類;ジメチルスルフィド等のスルフィド類;およびジメチルジスルフィド等のジスルフィド類等の化合物が挙げられる。また、このイオウ化合物は好ましくは、チオフェン、二硫化炭素、ジメチルスルフィドおよびジメチルジスルフィドを挙げることができ、さらに好ましくは、ジメチルスルフィドまたはジメチルジスルフィドを挙げることができる。
樹脂組成物中のCNFの含有量は、ポリイミド樹脂およびポリアミドイミド樹脂の少なくとも一方 100重量部に対し、0.1〜10重量部である。含有量が0.1重量部未満であると、電気伝導経路の形成が困難であり、所望の電導性が得られない。一方、10重量部を超えると、シームレスベルトに必要な引張破断伸度等の機械的特性が低下する。該含有量は、ポリイミド樹脂およびポリアミドイミド樹脂の少なくとも一方 100重量部に対し、好ましくは1〜5重量部である。
本発明のシームレスベルト用樹脂組成物は、上記の成分以外に、例えば、酸化防止剤、充填剤、滑剤、染料、有機顔料、無機顔料、可塑剤、アクリル加工助剤等の加工助剤、紫外線吸収剤、光安定剤、発泡剤、ワックス、結晶核剤、離型剤、加水分解防止剤、アンチブロッキング剤、帯電防止剤、ラジカル捕捉剤、防曇剤、防徽剤、イオントラップ剤、難燃剤、難燃助剤等の他の添加成分を、上記目的を損なわない範囲で適宜配合することができる。
本発明のシームレスベルト用樹脂組成物の体積抵抗値は、1×106〜1×1013Ω・cmであり、1×108〜1×1012Ω・cmが好ましい。本発明のシームレスベルト用樹脂組成物は、上記のような少量のCNFの添加で、所望の体積抵抗値を実現することができる。
<シームレスベルト用樹脂組成物の製造方法>
本発明のシームレスベルト用樹脂組成物の製造方法は特に制限されないが、例えば、下記の(1)〜(4)の工程を含む製造方法が挙げられる。
(1)カーボンナノファイバー分散液調製工程
本発明に係るカーボンナノファイバー分散液調製工程は、有機極性溶媒中に、カーボンナノファイバーを分散してカーボンナノファイバー分散液を調製する工程である。
本工程で使用可能な分散機は、一般に使用される分散機であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ボールミル、ロールミル、またはサンドミル等が挙げられる。これらの中でも、高速型のサンドミルが好ましく、例えば、スーパーミル、サンドグラインダー、ビーズミル、アジテータミル、グレンミル、ダイノーミル、パールミル、またはコボルミル(いずれも商品名)等が挙げられる。
また、カーボンナノファイバー分散液は、上述のようにして調製したものを使用することができるが、簡便には有機極性溶媒にカーボンナノファイバーが分散された状態の分散液として上市されている市販品を使用することができる。このような市販品の例としては、例えば、AMC(登録商標)(宇部興産株式会社製)、MDCNF−D(エムディーナノテック株式会社製)等が挙げられる。
(2)混合工程
本発明に係る混合工程は、前記ポリアミック酸溶液および/または前記ポリアミドイミド樹脂溶液と、前記カーボンナノファイバー分散液とを混合する工程である。
本工程では、ポリアミック酸溶液および/または前記ポリアミドイミド樹脂溶液と、カーボンナノファイバー分散液とを、例えばディゾルバ型の攪拌機で混合する。なお、本工程において、シリコンオイル等のレベリング剤を添加することが、金型に塗布液を塗布した際の表面がより均一となる点で好ましい。
さらに、塗布液は、自転公転式ミキサー等で脱泡しておくことが好ましい。
(3)塗布工程
本発明に係る塗布工程は、塗布液を金型に塗布する工程である。
本発明において用いられる金型としては、例えば、図1に示すような円筒状の回転体100等を使用することができる。
円筒状の回転体100の外面または内面全体に塗布液Tを塗布する。塗布液Tは、例えば、ディスペンサー101等を使用して塗布することができる。また、塗布液Tを塗布した後、回転体100を回転させることによって均一な塗布面を形成する。なお、回転体100を所定速度で回転させながら、塗布液Tを回転体100の外面または内面全体に均一になるように塗布しても良い。
また、回転体100の塗布液Tを塗布する面には、あらかじめ、剥離しやすいように離型剤を塗布しておくことが好ましい。
(4)乾燥・焼成工程
本発明に係る乾燥・焼成工程は、金型に塗布した塗布液を乾燥し、焼成する工程である。
具体的には、上記塗布工程で塗布液Tを塗布した回転体100を、図2に示すようにヒーター102等で、例えば、100〜150℃、10〜90分の範囲内で乾燥する。その後、焼成炉で、例えば、150〜250℃で10〜60分の範囲内で段階的に焼成し、その後、250〜450℃で10〜120分間、高温加熱処理して焼成する。
なお、回転体への焼成は、カーボンナノファイバーの凝集を抑制するために均等に行う必要がある。具体的には、焼成炉内で回転体を回転させながら焼成したり、熱風の循環の改善を行ったりする等の方法や、上記加熱温度より低温で焼成炉内に回転体を投入して昇温速度を小さくするなどの方法が挙げられる。
最後に、室温まで冷却した後、回転体から取り外して樹脂組成物(シームレスベルト)を得る。
製造するシームレスベルトの厚さは、50〜200μmの範囲内とすることが好ましい。
<画像形成装置>
次に、上述のようにして得られたシームレスベルトを、電子写真方式の画像形成装置の中間転写ベルトとして用いる例について説明する。
図3は、画像形成装置の一例を示す概略断面構成図である。なお、図3では、フルカラー画像形成装置の場合を示している。
画像形成装置1は、複数組の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Kと、転写部としてのシームレスベルト状中間転写体形成ユニット7と、記録媒体Pを搬送するシームレスベルト状の給紙搬送手段21、および定着手段としてのベルト式定着装置24と、を備えている。画像形成装置1の本体Aの上部には、原稿画像読み取り装置SCが配置されている。
各感光体1Y、1M、1C、1Kに形成される異なる色のトナー像の一つとして、イエロー色の画像を形成する画像形成ユニット10Yは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1Yと、感光体1Yの周囲に配置された帯電手段2Yと、露光手段3Yと、現像剤担持体4Y1を有する現像手段4Yと、一次転写手段としての一次転写ローラー5Yと、クリーニング手段6Yと、を有する。
また、別の異なる色のトナー像の一つとして、マゼンタ色の画像を形成する画像形成ユニット10Mは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1Mと、感光体1Mの周囲に配置された帯電手段2Mと、露光手段3Mと、現像剤担持体4M1を有する現像手段4Mと、一次転写手段としての一次転写ローラー5Mと、クリーニング手段6Mと、を有する。
また、さらに別の異なる色のトナー像の一つとして、シアン色の画像を形成する画像形成ユニット10Cは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1Cと、感光体1Cの周囲に配置された帯電手段2Cと、露光手段3Cと、現像剤担持体4C1を有する現像手段4Cと、一次転写手段としての一次転写ローラー5Cと、クリーニング手段6Cと、を有する。
また、さらに他の異なる色のトナー像の一つとして、黒色画像を形成する画像形成ユニット10Kは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1Kと、感光体1Kの周囲に配置された帯電手段2Kと、露光手段3Kと、現像剤担持体4K1を有する現像手段4Kと、一次転写手段としての一次転写ローラー5Kと、クリーニング手段6Kと、を有する。
シームレスベルト状中間転写体形成ユニット7は、複数のローラーにより巻回され、回動可能に支持された半導電性エンドレスベルト状の第2の像担持体として、シームレスの中間転写ベルト70を有する。
画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Kより形成された各色の画像は、一次
転写ローラー5Y、5M、5C、5Kにより、回動するシームレスの中間転写ベルト70上に逐次転写されて、合成されたカラー画像が形成される。
給紙カセット20内に収容された用紙等の記録媒体Pは、給紙搬送手段21により給紙され、複数の中間ローラー22A、22B、22C、22Dおよびレジストローラー23を経て、二次転写手段としての二次転写ローラー5Aに搬送され、記録媒体P上にカラー画像が一括転写される。
カラー画像が転写された記録媒体Pは、熱ローラー定着器270が装着された定着装置24により定着処理され、排紙ローラー25に挟持されて機外の排紙トレイ26上に載置される。
一方、二次転写ローラー5Aにより記録媒体Pにカラー画像を転写した後、記録媒体Pを曲率分離したシームレスの中間転写ベルト70は、クリーニング手段6Aにより残留トナーが除去される。
画像形成処理中、一次転写ローラー5Kは常時、感光体1Kに圧接している。他の一次転写ローラー5Y、5M、5Cはカラー画像形成時にのみ、それぞれ対応する感光体1Y、1M、1Cに圧接する。
二次転写ローラー5Aは、ここを記録媒体Pが通過して二次転写が行われる時にのみ、シームレスの中間転写ベルト70に圧接する。
また、装置本体Aから筐体8を支持レール82L、82Rを介して引き出し可能にしてある。筐体8は、画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Kと、シームレスベルト状中間転写体形成ユニット7と、を有する。
画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Kは、垂直方向に縦列配置されている。感光体1Y、1M、1C、1Kの図示左側方にはシームレスベルト状中間転写体形成ユニット7が配置されている。シームレスベルト状中間転写体形成ユニット7は、ローラー71、72、73、74、76を巻回して回動可能なシームレスの中間転写ベルト70、一次転写ローラー5Y、5M、5C、5Kおよびクリーニング手段6Aを有している。
筐体8の引き出し操作により、画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Kと、シームレスベルト状中間転写体形成ユニット7とは、一体となって、本体Aから引き出される。
このように感光体1Y、1M、1C、1Kの外周面上を帯電、露光し外周面上に潜像を形成した後、現像によりトナー像(顕像)を形成し、シームレスの中間転写ベルト70上で各色のトナー像を重ね合わせ、一括して記録媒体Pに転写し、ベルト式定着装置24で加圧および加熱により固定して定着する。なお、本発明で像形成時とは潜像形成、トナー像(顕像)を記録媒体Pに転写し最終画像を形成することを含む。
トナー像を記録媒体Pに転移させた後の感光体1Y、1M、1C、1Kは、各感光体1Y、1M、1C、1Kに配設されたクリーニング手段6Y、6M、6C、6Kで転写時に感光体に残されたトナーを清掃した後、上記の帯電、露光、現像のサイクルに入り、次の像形成が行われる。
上記画像形成装置1では、中間転写ベルト70をクリーニングするクリーニング手段6Aのクリーニング部材として、弾性ブレードを用いる。また、各感光体に脂肪酸金属塩を塗布する手段(11Y、11M、11C、11K)を設けている。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるもの
ではない。なお、ポリイミド樹脂またはポリアミドイミド樹脂の重量平均分子量および数平均分子量は、下記表1に記載の測定機器および測定条件により測定した。
(実施例1)
ポリアミドイミドワニス(東洋紡株式会社製、バイロマックス(登録商標)HR−11NN、溶媒:NMP、含まれるポリアミドイミド樹脂の重量平均分子量:7.2万、含まれるポリアミドイミド樹脂の数平均分子量:1.9万)963.86gと、カーボンナノファイバー分散液(宇部興産株式会社製、AMC(登録商標)、5.0重量%分散液、溶媒:NMP、カーボンナノファイバーの平均粒子径:11nm)36.145gとを混合し、数回分に分けて自転公転ミキサー(株式会社シンキー製、AR−250)で脱泡し、塗布液とした。
得られた塗布液を、外径350mm、周長1100mmの円筒状金型の外面にディスペンサーで塗布後、回転させ均一な塗布面を得た。金型の外側より60℃の熱風を30分間あてた後、150℃で60分間加熱、その後250℃で60分間焼成を実施した。その後室温(25℃)に戻し、金型から剥離し、目的とするシームレスベルトを(厚さ:60μm)を得た。
(実施例2)
ポリアミドイミドワニス(東洋紡株式会社製、バイロマックス(登録商標)HR−11NN、溶媒:NMP、含まれるポリアミドイミド樹脂の重量平均分子量:7.2万、含まれるポリアミドイミド樹脂の数平均分子量:1.9万)を954.20g用い、カーボンナノファイバー分散液として、MDCNF−D(エムディーナノテック株式会社製、5.0重量%分散液、溶媒:NMP、カーボンナノファイバーの平均粒子径:15nm)を45.802g用いたこと以外は、実施例1と同様にして、シームレスベルトを得た。
(実施例3)
ポリアミドイミドワニス(東洋紡株式会社製、バイロマックス(登録商標)HR−11NN、溶媒:NMP、含まれるポリアミドイミド樹脂の重量平均分子量:7.2万、含まれるポリアミドイミド樹脂の数平均分子量:1.9万)を869.57g用い、カーボンナノファイバー分散液として、NT−5(保土谷化学工業株式会社製、5.0重量%分散液、溶媒:NMP、カーボンナノファイバーの平均粒子径:45nm)を、130.43g用いたこと以外は、実施例1と同様にして、シームレスベルトを得た。
(実施例4)
ポリイミドワニス(宇部興産株式会社製、U−ワニス−A、溶媒:NMP、ポリアミック酸、含まれるポリアミック酸の重量平均分子量:5.3万、含まれるポリアミック酸の数平均分子量:2.2万)を932.84g用い、カーボンナノファイバー分散液として、MDCNF−D(エムディーナノテック株式会社製、5.0重量%分散液、溶媒:NMP、カーボンナノファイバーの平均粒子径:15nm)を67.164g用いた。実施例1と同様にして金型に塗布した後、金型の外側より60℃の熱風を30分間あてた後、150℃で60分間加熱、その後250℃で60分間加熱、さらに350℃で60分間焼成を実施した。その後室温(25℃)に戻し、金型から剥離し、目的とするシームレスベルトを得た。
(比較例1)
ポリアミドイミドワニス(東洋紡株式会社製、バイロマックス(登録商標)HR−16NN、溶媒:NMP、含まれるポリアミドイミド樹脂の重量平均分子量:12.2万、含まれるポリアミドイミド樹脂の数平均分子量:2.9万)を764.53g用い、カーボンナノファイバー分散液として、MDCNF−D(エムディーナノテック株式会社製、5.0重量%分散液、溶媒:NMP、カーボンナノファイバーの平均粒子径:15nm)を235.47g用いたこと以外は、実施例1と同様にして、シームレスベルトを得た。
(比較例2)
ポリアミドイミドワニス(東洋紡株式会社製、バイロマックス(登録商標)HR−11NN、溶媒:NMP、含まれるポリアミドイミド樹脂の重量平均分子量:7.2万、含まれるポリアミドイミド樹脂の数平均分子量:1.9万)を704.23g用い、カーボンナノファイバー分散液として、CT−12(保土谷化学工業株式会社製、5.0重量%分散液、溶媒:NMP、カーボンナノファイバーの平均粒子径:110nm)を295.77g用いたこと以外は、実施例1と同様にして、シームレスベルトを得た。
(比較例3)
ポリイミドワニスとして、以下のようにして調製したものを用いた。
円筒型の重合容器に3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物 147.1g、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル 100.12g、およびNMP 1400.9gを、攪拌機と窒素ガス導入管とが付設された円筒型重合容器に入れて、窒素ガスを流通し、攪拌しながら、室温(25℃)で6時間重合してポリイミドワニス(ポリアミック酸溶液)を得た。得られたポリイミドワニスに含まれるポリアミック酸の重量平均分子量は9.0万、数平均分子量は3.3万であった。
上記で得られたポリイミドワニス 769.23g、およびカーボンナノファイバー分散液として、MDCNF−D(エムディーナノテック株式会社製、5.0重量%分散液、溶媒:NMP、カーボンナノファイバーの平均粒子径:15nm)を230.77g用いたこと以外は、実施例4と同様にして、シームレスベルトを得た。
(比較例4)
ポリイミドワニス(宇部興産株式会社製、U−ワニス−A、溶媒:NMP、含まれるポリアミック酸の重量平均分子量:5.3万、含まれるポリアミック酸の数平均分子量:2.2万)を649.35g用い、カーボンナノファイバー分散液として、CT−12(保土谷化学工業株式会社製、5.0重量%分散液、溶媒:NMP、カーボンナノファイバーの平均粒子径:110nm)を350.65g用いたこと以外は、実施例4と同様にして、シームレスベルトを得た。
(比較例5)
ポリアミドイミドワニス(東洋紡株式会社製、バイロマックス(登録商標)HR−16NN、溶媒:NMP、含まれるポリアミドイミド樹脂の重量平均分子量:12.2万、含まれるポリアミドイミド樹脂の数平均分子量:2.9万)を652.74g用い、カーボンナノファイバー分散液として、CT−12(保土谷化学工業株式会社製、5.0重量%分散液、溶媒:NMP、カーボンナノファイバーの平均粒子径:110nm)を347.26g用いたこと以外は、実施例1と同様にして、シームレスベルトを得た。
(比較例6)
ポリイミドワニスとして、比較例3と同様にして調製したものを用いた。
ポリイミドワニス 602.41g、およびカーボンナノファイバー分散液として、CT−12(保土谷化学工業株式会社製)、5.0重量%分散液、溶媒:NMP、カーボンナノファイバーの平均粒子径:110nm)を397.59g用いたこと以外は、実施例4と同様にして、シームレスベルトを得た。
[評価]
シームレスベルトに含まれる樹脂組成物の体積抵抗値は、株式会社三菱化学アナリテック製、ハイレスタ(登録商標)(URSプローブ、100V、10sec)を用いて測定した。
また、シームレスベルトに含まれる樹脂組成物の引張破断伸度は、株式会社エーアンドデイ製、テンシロン万能材料試験機を用い、10mm幅の試験片で2回測定し、その平均値を測定値とした。評価結果を下記表2に示す。なお、CNFの添加量は、樹脂成分100重量部に対する添加量である。
上記表2から明らかなように、実施例1〜4の樹脂組成物は、比較例1〜6の樹脂組成物に比べて、少量のCNFの添加で、1010レベルの体積抵抗値を実現でき、また、引張破断伸度にも優れることが分かった。
1 画像形成装置、
1Y、1M、1C、1K 感光体、
2Y、2M、2C、2K 帯電手段、
3Y、3M、3C、3K 露光手段、
4Y、4M、4C、4K 現像手段、
4Y1、4M1、4C1、4K1 現像剤担持体、
5Y、5M、5C、5K 一次転写ローラー、
5A 二次転写ローラー、
6Y、6M、6C、6K クリーニング手段、
7 シームレスベルト状中間転写体形成ユニット、
8 筐体、
10Y、10M、10C、10K 画像形成ユニット、
11Y、11M、11C、11K 脂肪酸金属塩を塗布する手段、
20 給紙カセット、
21 給紙搬送手段、
22 中間ローラー、
23 レジストローラー、
24 ベルト式定着装置、
25 排紙ローラー、
26 排紙トレイ、
70 中間転写ベルト、
71、72、73、74、76 ローラー、
82 支持レール、
100 回転体、
101 ディスペンサー、
102 ヒーター、
270 熱ローラー定着器、
A 本体、
P 記録媒体、
SC 原稿画像読み取り装置、
T 塗布液。

Claims (5)

  1. 重量平均分子量が3.5万以上8万以下であるポリイミド樹脂およびポリアミドイミド樹脂の少なくとも一方 100重量部に対し、
    平均繊維径が10〜45nmであるカーボンナノファイバーを0.1〜10重量部含有し、かつ体積抵抗値が1×106〜1×1013Ω・cmであることを特徴とする、シームレスベルト用樹脂組成物。
  2. 前記ポリイミド樹脂およびポリアミドイミド樹脂の少なくとも一方の重量平均分子量が5万以上8万以下であることを特徴とする、請求項1に記載のシームレスベルト用樹脂組成物。
  3. 前記カーボンナノファイバーの平均繊維径が10〜20nmであることを特徴とする、請求項1または2に記載のシームレスベルト用樹脂組成物。
  4. 体積抵抗値が1×108〜1×1012Ω・cmであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のシームレスベルト用樹脂組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のシームレスベルト用樹脂組成物からなることを特徴とする、シームレスベルト。
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