JP2014230765A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】遊技状態の遷移状態に基づく特定遊技状態終了後の遊技状態の選択により遊技の興趣を向上させることが可能な遊技機を提供することである。
【解決手段】大当り遊技状態に制御されるごとに、遊技モードの遷移状態に対応して、遊技者にとって有利な遊技モードに移行する(第1遊技モード→第2遊技モード→第3遊技モード→第4遊技モード)。さらに、第4遊技モードにおいて、第3遊技モードで選択される変動時間よりも短い変動時間の変動パターンを選択する。
【選択図】図3

Description

本発明は、遊技者により遊技を行うことが可能であり、遊技者に所定の遊技価値を付与可能な遊技機に関する。
この種の遊技機として一般的に知られているものとしては、たとえば、パチンコ遊技機のように、遊技媒体(遊技球)が始動領域(始動入賞口)に進入したことに基づいて、各々を識別可能な識別情報(特別図柄)の変動表示を開始し、表示結果を導出表示する変動表示部を備え、該変動表示部の表示結果が特定表示結果(大当り表示結果)となったときに、遊技状態を通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御するものがあった。
このような遊技機には、始動領域を遊技媒体が通過可能な第1状態(開状態)と、該第1状態よりも始動領域を遊技媒体が通過しにくい第2状態(閉状態)とに変化可能で、所定の条件が成立したときに当該第1状態に制御な電動チューリップ等の可変始動装置が設けられたものがあった。そして、このような遊技機では、大当り遊技状態の終了後等の予め定められた条件が成立したときに、所定回数の変動表示が実行されるまで、可変始動装置に遊技媒体が進入する頻度が、通常遊技状態における低進入状態よりも高い高進入状態(高ベース状態)に制御する場合があった。
また、このような高ベース状態への制御は、識別情報の変動表示時間を短縮する時短制御に伴って行なわれる場合があり、このような遊技機としては、たとえば、時短制御に伴って高ベース状態の制御が行なわれる変動表示回数が、大当り遊技状態終了後の遊技状態に応じて異なるように制御されるものがあった(特許文献1)。
特開2007−313212号公報(段落番号0123、0131、図9)
しかし、前述のような従来技術の遊技機においては、今一つ遊技の面白味に欠けるという問題があった。
本発明は、かかる実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、遊技状態の遷移状態に基づく遊技の興趣を向上させることが可能な遊技機を提供することである。
(1) 遊技者により遊技を行うことが可能であり、遊技者に所定の遊技価値を付与可能な遊技機(パチンコ遊技機1)であって、
所定の遊技価値が付与された後に所定の終了条件が成立するまで、遊技者にとって有利な有利状態に制御する有利状態制御手段と、
所定の遊技状態中に所定の遊技価値のうちの特別遊技価値が付与された後に、前記有利状態として第1有利状態に移行させる直接移行手段と、
前記所定の遊技状態中に所定の遊技価値のうちの特別遊技価値以外の遊技価値が付与された後に、前記有利状態として前記第1有利状態よりも前記所定の終了条件が不利な第2有利状態に移行させ、前記第2有利状態中に所定の遊技価値が付与された後に、前記有利状態として前記第1有利状態に移行させることにより、前記有利状態を段階的に移行させる段階移行手段と、
前記所定の遊技状態中に前記特別遊技価値が付与されて前記直接移行手段により前記第1有利状態に移行されることに基づいて、特別な演出を実行する特別演出実行手段とを備える。
(2) 前記(1)の遊技機において、所定の遊技価値を付与するか否かを決定する事前決定手段と、
前記事前決定手段による決定に基づいて演出を実行する演出実行手段とを備える。
パチンコ遊技機を正面からみた正面図である。 大当りを含む当り種別の制御の特徴を表形式で説明する図である。 遊技モードの移行例を示すブロック図である。 遊技制御基板(主基板)の回路構成例を示すブロック図である。 演出制御基板、ランプドライバ基板および音声出力基板の回路構成例を示すブロック図である。 主基板におけるCPUが実行するメイン処理を示すフローチャートである。 タイマ割込処理を示すフローチャートである。 各乱数を示す説明図である。 大当り判定テーブルおよび大当り種別判定テーブルを示す説明図である。 演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。 開放パターンデータテーブルの内容を表形式で示す図である。 特別図柄プロセス処理のプログラムの一例を示すフローチャートである。 始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。 保留記憶バッファの構成例を示す説明図である。 第1遊技モード状態はずれ時第1判定テーブルおよび第1遊技モード状態はずれ時第2判定テーブルを示す説明図である。 第2遊技モード状態はずれ時判定テーブルおよび第3遊技モード状態はずれ時判定テーブルを示す説明図である。 第4遊技モード状態はずれ時判定テーブルを示す説明図である。 第1遊技モード状態16R大当り時判定テーブル、第2遊技モード状態16R大当り時判定テーブル、第3遊技モード状態16R大当り時判定テーブル、および、第4遊技モード状態16R大当り時判定テーブルを示す説明図である。 第1遊技モード状態7R大当り時判定テーブル、第2遊技モード状態7R大当り時判定テーブル、第3遊技モード状態7R大当り時判定テーブル、および、第4遊技モード状態7R大当り時判定テーブルを示す説明図である。を示す説明図である。 第1遊技モード状態2R大当り時判定テーブル、第2遊技モード状態2R大当り時判定テーブル、第3遊技モード状態2R大当り時判定テーブル、および、第4遊技モード状態2R大当り時判定テーブルを示す説明図である。 特別図柄通常処理を示すフローチャートである。 特別図柄通常処理を示すフローチャートである。 変動パターン設定処理を示すフローチャートである。 特別図柄変動中処理を示すフローチャートである。 特別図柄停止処理を示すフローチャートである。 特別図柄プロセス処理における大入賞口開放前処理を示すフローチャートである。 特別図柄プロセス処理における大入賞口開放中処理を示すフローチャートである。 大当り終了処理を示すフローチャートである。 大当り終了処理において実行される終了設定処理を示すフローチャートである。 普通図柄表示結果決定テーブルを示す説明図である。 普通図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。 演出制御用マイクロコンピュータが用いる乱数を示す説明図である。 演出表示装置における演出図柄の停止図柄の一例を示す説明図である。 特別演出決定テーブルと特別変動パターン決定テーブルとを示す図である。 先読結果保留記憶部を表形式で示す図である。 昇格演出パターン決定テーブルを示す図である。 先読演出実行判定テーブルを示す図である。 先読プロセスフラグの設定を例示する説明図である。 先読演出実行タイミング決定テーブルを示す図である。 放出演出実行タイミング決定テーブルを示す図である。 大当り確定演出決定テーブルを示す図である。 演出制御メイン処理を示すフローチャートである。 コマンド解析処理内に含まれる始動入賞時コマンド処理を示すフローチャートである。 コマンド解析処理内に含まれる遊技モード移行状態コマンド処理を示すフローチャートである。 演出制御プロセス処理を示すフローチャートである。 プロセステーブルの構成例を示す説明図である。 演出図柄変動開始処理を示すフローチャートである。 演出図柄変動開始処理により実行される放出演出設定処理を示すフローチャートである。 演出図柄変動開始処理により実行される大当り確定報知設定処理を示すフローチャートである。 演出図柄変動停止処理を示すフローチャートである。 演出図柄変動停止処理を示すフローチャートである。 大当り制御中演出処理を示すフローチャートである。 大当り制御中演出処理を示すフローチャートである。 演出表示装置で表示される先読演出および放出演出の表示例を示す表示画面図である。 演出表示装置で表示される先読演出および放出演出の表示例を示す表示画面図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はパチンコ遊技機に限られず、コイン遊技機等のその他の遊技機であってもよく、遊技媒体が始動領域に進入したことに基づいて、各々を識別可能な識別情報の変動表示を開始し、表示結果を導出表示する変動表示部を備え、該変動表示部の表示結果が特定表示結果となったときに、遊技状態を通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技機であれば、どのような遊技機であってもよい。
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。図2は、大当りを含む当り種別の制御の特徴を表形式で説明する図である。図3は、遊技モードの移行例を示すブロック図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取付けられる機構板(図示せず)と、それらに取付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技媒体としての遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球(遊技球)を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。遊技領域7には、遊技球を誘導するための多数の釘が植設されている。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9では、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に同期した演出図柄(飾り図柄)の変動表示(可変表示、更新表示、または、巡回表示ともいう)が行なわれる。よって、演出表示装置9は、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄(飾り図柄)の変動表示を行なう変動表示装置に相当する。演出表示装置9では、表示画面上で演出図柄を表示する演出図柄表示領域が設けられており、当該演出図柄表示領域に、たとえば「左」,「中」,「右」の3つ(複数)の演出図柄を変動表示する表示領域としての図柄表示エリアがある。これら3つの演出図柄のそれぞれは、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄である。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴って演出表示装置で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
遊技盤6における演出表示装置9の上部の左側には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器(第1変動表示手段)8aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。遊技盤6における演出表示装置9の上部の右側には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器(第2変動表示手段)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。
この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(たとえば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、たとえば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を変動表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器と総称することがある。第1特別図柄は、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の変動表示が実行されていないことを条件に変動表示が実行される。第2特別図柄は、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の変動表示が実行されていないことを条件に変動表示が実行される。つまり、第1特別図柄と第2特別図柄とは、同時に変動表示されることなく、どちらか一方が変動表示される。
第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(たとえば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に入賞(進入)したこと)した後、変動表示の開始条件(たとえば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことに基づいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、入賞とは、入賞口等の予め入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したこと(遊技球が入ったこと)である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
以下の説明においては、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことを第1始動入賞と呼ぶ場合があり、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことを第2始動入賞と呼ぶ場合がある。始動条件は成立しているが開始条件が成立していない変動表示に関するデータは、開始条件が成立するまで特別図柄の変動表示を行なう権利である保留記憶データとして保留して記憶される。具体的に、保留記憶データは、後述する遊技制御用マイクロコンピュータ560のRAM55の所定領域に記憶される。第1始動入賞の保留記憶データは所定数(たとえば、4個)を上限として第1保留記憶データとして第1保留記憶バッファに記憶され、第2始動入賞の保留記憶データは所定数(たとえば、4個)を上限として第2保留記憶データとして第2保留記憶バッファに記憶される。
パチンコ遊技機1には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄(飾り図柄)の変動表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の変動表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄(飾り図柄)の変動表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の変動表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動表示時間中、および第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄(飾り図柄)の変動表示を行なう。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。同期とは、変動表示の開始時点および終了時点がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であって、変動表示の期間がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組合せが停止表示される。前述した第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、および、演出表示装置9は、識別情報の変動表示を行ない表示結果を導出表示する変動表示装置であり、変動表示部として用いられる。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14(第2始動口)を有する可変入賞球装置(電動チューリップ)15が設けられている。第2始動入賞口14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。このように、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態は、遊技球が第2始動入賞口14に入賞しにくいまたは入賞しない状態であればよい。このような可変入賞球装置15については、遊技球が進入しにくい不利状態の一例が開状態であり、遊技球が進入しやすい有利状態の一例が閉状態であるともいうことができる。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13は演出表示装置9の直下に設けられているが、演出表示装置9の下端と第1始動入賞口13との間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13の周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13の周辺での釘配列を遊技球を第1始動入賞口13に導きづらくして、第2始動入賞口14の入賞率の方を第1始動入賞口13の入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aの下部には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器(たとえば、LED)からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞があるごとに、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの変動表示が開始されるごとに、点灯する表示器の数を1減らす。
第2特別図柄表示器8bの下部には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器(たとえば、LED)からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞があるごとに、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの変動表示が開始されるごとに、点灯する表示器の数を1減らす。
また、演出表示装置9の表示画面には、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部18cと、第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部18dとが設けられている(それぞれの表示領域が設けられている)。なお、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(合算保留記憶表示部)が設けられるようにしてもよい。そのように、合計数を表示する合算保留記憶表示部が設けられているようにすれば、変動表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。
なお、この実施の形態では、図1に示すように、第2始動入賞口14に対してのみ開閉動作を行なう可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれについても開閉動作を行なう可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
演出表示装置9における演出図柄の変動表示中には、リーチ状態が生じる場合がある。ここで、リーチ状態は、演出表示装置9の表示領域において停止表示された演出図柄が大当り図柄の組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄の変動が継続している表示状態、または、全部もしくは一部の演出図柄が大当り図柄の組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。言い換えると、リーチとは、複数の変動表示領域において識別情報が特定表示結果を構成しているが少なくとも一部の変動表示領域が変動表示中である状態をいう。この実施形態において、リーチ状態は、たとえば、左,右の図柄表示エリアで同じ図柄が停止し、中の図柄表示エリアで図柄が停止していない状態で形成される。リーチ状態が形成されるときの左,右の図柄表示エリアで停止された図柄は、リーチ形成図柄、または、リーチ図柄と呼ばれる。
そして、リーチ状態における表示演出が、リーチ演出表示(リーチ演出)である。また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行なわれることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄(演出図柄等)とは異なるもの)を表示させたり、演出表示装置9の背景画像の表示態様(たとえば、色等)を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様の変化をリーチ演出表示という。また、リーチの中には、それが出現すると、通常のリーチ(ノーマルリーチ)に比べて、大当りが発生しやすいように設定され、大当りとなる信頼度が高いものがある。このような特別(特定)のリーチをスーパーリーチという。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は、開閉板を備え、遊技球が入賞可能な開状態(第1の状態)と、遊技球が入賞しない閉状態(第2の状態)とに変化可能である可変入賞装置である。なお、特別可変入賞球装置20は、閉状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。このように、特別可変入賞球装置20が閉状態になっている状態は、遊技球が特別可変入賞球装置20に入賞しにくいまたは入賞しない状態であればよい。
特別可変入賞球装置20は、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、および第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が開放状態と閉鎖状態とを繰返す繰返し継続制御が行なわれる。繰返し継続制御において、特別可変入賞球装置20が開放されている状態が、ラウンド(Rという略称が用いられる)と呼ばれる。本実施の形態では、大当りの種別が複数設けられており、大当りとすることが決定されたときには、いずれかの大当り種別が選択される。なお、本実施の形態では、1ラウンドで1回だけ特別可変入賞球装置20を開放状態とする制御例を示したが、これに限らず、1ラウンドで2回等の複数回、特別可変入賞球装置20を開放状態とする制御を行なうようにしてもよい。
また、画像表示装置9の右側には、LEDよりなる大当り保留表示ランプ1000が設けられている。大当り保留表示ランプ1000は、後述する先読演出および放出演出等の保留記憶データに関する所定の演出を行なうときに、発光制御される。演出表示装置9の下部には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(たとえば、「○」および「×」)を変動表示する。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の変動表示が開始される。この実施の形態では、左右のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって変動表示が行なわれ、たとえば、変動表示の終了時に左側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄「○」)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。
普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つの表示器(たとえば、LED)を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過があるごとに、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出されるごとに、普通図柄保留記憶表示器41は点灯する表示器を1増やす。そして、普通図柄表示器10の変動表示が開始されるごとに、点灯する表示器を1減らす。普図保留記憶数の上限値は4つであり、普通図柄保留記憶表示器41においては、この4つを上限値として表示器を点灯する。
図2においては、(A)に大当り種別の制御の特徴を示す当り種別表が示されている。また、図2においては、(B)に大当り確率(大当りとするか否かを判定するときの大当りと判定する確率)の状態、および、ベース(発射球数に対して入賞に応じて賞球として払出される遊技球数の割合)の状態により規定される遊技状態のモードである遊技モードの特徴を示す遊技モード種別表が示されている。
図2(A)の当り種別表においては、大当りの種別ごとに、発生対象特別図柄(第1特別図柄と第2特別図柄とのどちらを対象として発生するか)、大当りにおける特別可変入賞球装置20の開放回数(ラウンド数)、および、各ラウンドの開放時間(特別可変入賞球装置20の開放時間)が示されている。図2(A)に示すように、ラウンド数が異なる大当り遊技状態としては、16R大当りにおける16ラウンドの大当り遊技状態と、7R大当りにおける7ラウンドの大当り遊技状態と、2R第1大当りおよび2R第2大当りにおける2ラウンドの大当り遊技状態との複数種類の大当り遊技状態が設けられている。
具体的に、16R大当りでの大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が、開放状態とされた後、所定の開放状態の終了条件(開放状態において所定期間(たとえば29秒間)が経過したこと、または、所定個数(たとえば10個)の入賞球が発生したという開放終了条件)が成立したことに応じて閉鎖状態とされる。そして、開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、特別可変入賞球装置20の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が予め定められた上限値となる16ラウンド(最終ラウンド)に達するまで繰返される。
また、7R大当りでの大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が、開放状態とされた後、所定の開放状態の終了条件(開放状態において所定期間(たとえば29秒間)が経過したこと、または、所定個数(たとえば10個)の入賞球が発生したという開放終了条件)が成立したことに応じて閉鎖状態とされる。そして、開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、特別可変入賞球装置20の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が予め定められた上限値となる7ラウンド(最終ラウンド)に達するまで繰返される。
また、2R第1大当りおよび2R第2大当りのそれぞれでの2ラウンドの大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が、開放状態とされた後、所定の開放状態の終了条件(開放状態において所定期間(たとえば0.5秒間)が経過したこと、または、所定個数(たとえば10個)の入賞球が発生したという開放終了条件)が成立したことに応じて閉鎖状態とされる。そして、開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、特別可変入賞球装置20の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が予め定められた上限値となる2ラウンド(最終ラウンド)に達するまで繰返される。
このように、2ラウンドの大当りは、大入賞口の開放回数が16R大当りおよび7R大当りよりも少ない回数(この実施の形態では2回)まで許容されるが、大入賞口の開放時間が短い(たとえば、0.5秒間)大当り種類(種別)である。また、本実施の形態の場合は、2ラウンドの大当りとして、大入賞口の開放時間が極めて短く(0.5秒間)、実質的に賞球(入賞に対して払出される景品球)が得られない当りが設けられている。
なお、2ラウンドの大当りとしては、実質的に賞球が得られない当りのみを設けてもよく、賞球を得ることができる当りのみを設けてもよく、実質的に賞球が得られない当りと賞球を得ることができる当りとの両方を設けてもよい。
本実施の形態において、16R大当り、7R大当り、2R第1大当り、または、2R第2大当りの大当り遊技状態に制御された後は、特別遊技状態として、通常状態(確変状態でない通常の遊技状態)に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(確率変動状態の略語であり、高確率状態ともいう)となる遊技モードに移行する制御が行なわれる。
また、本実施の形態で、特別遊技状態としては、大当り遊技状態の終了後において、確変状態に付随して、または、確変状態とは独立して、可変入賞球装置15に遊技球が進入する頻度を高くして可変入賞球装置15への入賞を容易化(高進入化)する電チューサポート制御状態に制御される場合がある。なお、電チューサポート制御状態は、可変入賞球装置15が開状態になる頻度を高くして可変入賞球装置15への入賞を容易化(高頻度化)する制御であるということができる。
ここで、電チューサポート制御について説明する。電チューサポート制御としては、普通図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を短縮して早期に表示結果を導出表示させる制御(普通図柄短縮制御)、普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率を高める制御(普通図柄確変制御)、可変入賞球装置15の開放時間を長くする制御(開放時間延長制御)、および、可変入賞球装置15の開放回数を増加させる制御(開放回数増加制御)が行なわれる。このような制御が行なわれると、当該制御が行なわれていないときと比べて、可変入賞球装置15が開状態となっている時間比率が高くなるので、第2始動入賞口14への入賞頻度が高まり、遊技球が始動入賞しやすくなる(特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における変動表示の実行条件が成立しやすくなる)。また、このような制御によって第2始動入賞口14への入賞頻度が高まることにより、第2始動条件の成立頻度および/または第2特別図柄の変動表示の実行頻度が高まる遊技状態となる。
このような電チューサポート制御により第2始動入賞口14への入賞頻度(遊技球の進入頻度)が高められた状態(高進入状態)は、発射球数に対して入賞に応じて賞球として払出される遊技球数の割合である「ベース」が、当該制御が行なわれないときと比べて、高い状態であるので、「高ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御が行なわれないときは、「低ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御は、可変入賞球装置15、すなわち、電動チューリップにより入賞をサポートすることにより可変入賞球装置15への入賞を容易化する制御であり、「電チューサポート制御」と呼ばれる。
さらに、電チューサポート制御としては、普通図柄短縮制御状態、普通図柄確変制御状態、開放時間延長制御状態、および、開放回数増加制御状態のうちのいずれか複数を組合せた状態に移行させることによって、高ベース状態に移行するようにしてもよい。また、電チューサポート制御としては、普通図柄短縮制御状態、普通図柄確変制御状態、開放時間延長制御状態、および、開放回数増加制御状態のうちのいずれか1つの状態に移行させることによって、高ベース状態に移行するようにしてもよい。このように、電チューサポート制御としては、普通図柄短縮制御状態、普通図柄確変制御状態、開放時間延長制御状態、および、開放回数増加制御状態のうち、いずれか1つの状態、いずれか複数(すべての組合せを除く)を組合せた状態、または、すべてを組合せた状態に制御するものであれば、どのような制御を行なうようにしてもよい。
また、本実施の形態では、特別遊技状態としては、確変状態に付随して、特別図柄や演出図柄の変動時間(変動表示期間)が非時短状態よりも短縮される時短状態に制御される場合がある。なお、特別遊技状態としては、確変状態とは独立して時短状態に制御される場合があるようにしてもよい。
このように、時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、時短状態となったときには、有効な始動入賞が発生しやすくなり大当り遊技が行なわれる可能性が高まる。
また、本実施の形態では、特別遊技状態として、確変状態に付随して、電チューサポート制御状態に制御される場合と、確変状態となるが、電チューサポート制御状態に制御される場合とがある。つまり、この実施の形態の場合は、大当り遊技状態の終了後において、特別遊技状態として、確変状態に制御されたときに電チューサポート制御状態に制御される場合と、確変状態に制御されたときに電チューサポート制御状態に制御されない場合とがある。
この実施の形態においては、大当り確率の状態を示す用語として、「高確率状態(確変状態)」と、「低確率状態(非確変状態、通常確率)」とを用い、ベースの状態の組合せを示す用語として、「高ベース状態(電チューサポート制御状態)」と、「低ベース状態(非電チューサポート制御状態)」とを用いる場合がある。
また、この実施の形態においては、大当り確率の状態およびベースの状態の組合せを示す用語として、「低確低ベース状態」、「高確低ベース状態」、「低確高ベース状態」、および、「高確高ベース状態」を用いる。「低確低ベース状態」とは、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が低ベース状態であることを示す状態である。パチンコ遊技機1の電源投入直後の初期状態における大当り確率の状態およびベースの状態は、「低確低ベース状態」である。「高確低ベース状態」とは、大当り確率の状態が高確率状態で、かつ、ベースの状態が低ベース状態であることを示す状態である。「低確高ベース状態」とは、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である。「高確高ベース状態」とは、大当り確率の状態が高確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である。
図2(A)に示すように、16ラウンドの大当りとしては、第1特別図柄および第2特別図柄の両方で発生する「16R大当り」という一種類の大当りが設けられている。7ラウンドの大当りとしては、第2特別図柄のみで発生する「7R大当り」という一種類の大当りが設けられている。また、2ラウンドの大当りとしては、第1特別図柄および第2特別図柄の両方で発生する「2R第1大当り」と「2R第2大当り」との複数種類の確変大当りが設けられている。
図2(B)に示すように、遊技モードとしては、第1遊技モード、第2遊技モード、第3遊技モードA、第3遊技モードB、および、第4遊技モードが設けられている。これら遊技モードのうち、第1遊技モードおよび第2遊技モードにおいては、電チューサポート状態に制御されず、第3遊技モードA、第3遊技モードB、および、第4遊技モードにおいては、電チューサポート状態に制御される。
第1遊技モードは、低確低ベース状態が特別図柄の変動表示回数とは無関係に継続する遊技モードである。第2遊技モードは、遊技モードの開始時から特別図柄の変動表示が4回行なわれるまで高確低ベース状態が継続した後高確率状態が終了すると、低確低ベース状態の第1遊技モードに移行する遊技モードである。
第3遊技モードAは、遊技モードの開始時から特別図柄の変動表示が4回行なわれるまで高確高ベース状態(第1高確高ベース状態)が継続した後高確率状態および高ベース状態が終了すると、低確低ベース状態の第1遊技モードに移行する遊技モードである。第3遊技モードBは、遊技モードの開始時から特別図柄の変動表示が4回行なわれるまで高確高ベース状態(第1高確高ベース状態)が継続した後高確率状態が終了すると低確高ベース状態(第1低確高ベース状態)となり、その後特別図柄の変動表示が2回行なわれるまで(遊技モードの開始時からの特別図柄の変動表示は6回)低確高ベース状態が継続して高ベース状態が終了すると、低確低ベース状態の第1遊技モードに移行する遊技モードである。
第4遊技モードは、遊技モードの開始時から特別図柄の変動表示が4回行なわれるまで高確高ベース状態(第2高確高ベース打玉)が継続した後高確率状態が終了すると低確高ベース状態(第2低確高ベース状態)となり、その後特別図柄の変動表示が50回行なわれるまで(遊技モードの開始時からの特別図柄の変動表示は54回)低確高ベース状態が継続して高ベース状態が終了すると、低確低ベース状態の第1遊技モードに移行する遊技モードである。
次に、図2および図3を用いて遊技モードの移行制御について説明する。
図2に示すように、遊技モードにおける遊技者にとっての有利度の度合いの大小関係は、高確率状態の継続回数および高ベース状態の継続回数に基づいて判断すると、第1遊技モード<第2遊技モード<第3遊技モード(第3遊技モードA<第3遊技モードB)<第4遊技モードという関係がある。第2〜第4遊技モードは、第1遊技モードと比べて、遊技者にとって有利度合いが高い有利状態であり、所定の制御条件が成立したときにこれらの遊技モードに移行することにより、遊技者の期待感を増大させて遊技の興趣を向上させることができる。
図2の遊技モードの開始条件、および、図3の移行態様に示すように、このような有利度の大小関係に基づいて、遊技モードについては、各遊技モードにおいて予め定められた種別の大当りが発生し、大当り遊技状態が終了したというような移行条件が成立すると、第1遊技モード→第2遊技モード→第3遊技モード(第3遊技モードAまたは第3遊技モードB)→第4遊技モードの順番で有利度が高くなるように遊技モードが複数段階で段階的に移行する制御が行なわれることで、遊技状態が遷移する。第1〜第4遊技モードは、遊技者にとって有利度合いが複数段階に分けられた遊技モードであり、予め定められた種別の大当りが発生したという遊技モードの移行条件が成立するごとに、このように1段階ごとに有利度が高い遊技モードに移行するので、遊技状態の遷移状態に基づく大当り遊技状態終了後の有利状態の移行により遊技の興趣を向上させることができる。
具体的に、図2の遊技モードの開始条件、および、図3の移行態様に示すように、第1遊技モードは、電源投入、および、第1遊技モード以外の遊技モードからの移行により生じる。第2遊技モードは、第1遊技モードにおいて、16R大当り、7R大当り、および、2R第1大当りのうちのいずれかの大当りが発生したことを移行条件として、遊技モードが第2遊技モードに移行することにより生じる。
また、図2の遊技モードの開始条件、および、図3の移行態様に示すように、第3遊技モードA,Bは、第2遊技モードにおいて、大当りが発生したことを移行条件として、遊技モードが第3遊技モードに移行することにより生じる。具体的に、第3遊技モードAは、第2遊技モードにおいて、16R大当りまたは7R大当りが発生したことを移行条件として、遊技モードが第3遊技モードAに移行することにより生じる。一方、第3遊技モードBは、第2遊技モードにおいて、2R第1大当りが発生したことを移行条件として、遊技モードが第3遊技モードBに移行することにより生じる。また、第3遊技モードAは、第3遊技モードAにおいて、2R第1大当りが発生したことを移行条件として、繰返し実行される。さらに、第3遊技モードBは、第3遊技モードBにおいて、2R第1大当りが発生したことを移行条件として、繰返し実行される。
このように、第2遊技モードにおいて2R第1大当りとする決定がされたときの方が、第2遊技モードにおいて16R大当りおよび7R大当りとする決定がされたときよりも多い変動表示回数で、第3遊技モードにおいて、高ベース状態に制御されるので、第2遊技モードにおいて2R第1大当りとなったときには、16R大当りおよび7R大当りとなったときよりも、第3遊技モードに移行した場合の高ベース状態となる変動表示回数が多くなることについて遊技者に期待感を与えることができる。
また、図2の遊技モードの開始条件、および、図3の移行態様に示すように、第4遊技モードは、第3遊技モードにおいて、16R大当りまたは7R大当りが発生したことを移行条件として、遊技モードが第4遊技モードに移行することにより生じる。なお、第3遊技モードにおいて、7R大当りが発生したことのみを移行条件として、遊技モードが第4遊技モードに移行するようにしてもよい。また、第4遊技モードは、第4遊技モードにおいて、16R大当り、7R大当り、2R第1大当り、および、2R第2大当りのうちのいずれかの大当りが発生したことを移行条件として、繰返し実行される。
また、図2の遊技モードの開始条件、および、図3の移行態様に示すように、各遊技モードにおいて、特別な2R大当りとしての2R第2大当りが発生すると、第1遊技モード、第2遊技モード、および、第3遊技モード(第3遊技モードAまたは第3遊技モードB)の遊技モードのそれぞれから、第4遊技モードに直接的に移行させられる。このような各遊技モードから第4遊技モードの直接的な移行は、通常上行なわれる1段階ごとの遊技モードの移行に対して、特別な遊技モードの移行と呼ばれる。このように、2R第2大当りとする決定がされたときには、遊技状態がいずれの遊技モードであるかに関わらず、第4遊技モードに移行させられるので、いずれの遊技モードにおいても、第4遊技モードに移行することを遊技者に期待させることができるため、遊技の興趣をより一層向上させることができる。
そして、図2の遊技モードの終了条件、および、図3の移行態様に示すように、遊技モードについては、前述のように各遊技モードにおいて予め定められた種別の大当りの発生に応じて遊技モードが移行するとき、および、遊技モードが繰返し実行されるときに終了するが、さらに、次のような終了条件が成立したときに終了し、第1遊技モードに移行する。
第2遊技モードおよび第3遊技モードAのそれぞれについては、高確率状態が終了する回数の変動表示が実行されたときに終了し、第1遊技モードに移行する。第2遊技モードおよび第3遊技モードのそれぞれについては、高確率状態が終了する回数の変動表示が実行されたときに終了し、第1遊技モードに移行する。
第3遊技モードB、第4遊技モード、および、第4遊技モードのそれぞれについては、高ベース状態が終了する回数の変動表示が実行されたときに終了し、第1遊技モードに移行する。
また、図3に示すように、第2遊技モードであるときには、特別図柄の変動表示が行なわれるときに、大当りの発生に応じて第3遊技モードに移行するか否かの遊技者の期待感を煽るために、当該第2遊技モード以外の遊技モードでは実行されないような特別な演出としての第1特別演出が実行される。また、図3に示すように、第3遊技モード(第3遊技モードA,第3遊技モードB)であるときには、特別図柄の変動表示が行なわれるときに、大当りの発生に応じて第4遊技モードに移行するか否かの遊技者の期待感を煽るために、当該第3遊技モード以外の遊技モードでは実行されないような特別な演出としての第2特別演出が実行される。第1特別演出および第2特別演出の具体的な演出態様については、後述する。また、図3に示すように、第4遊技モードであるときには、特別図柄の変動表示が行なわれるときに、特別演出が実行されない。同様に、第1遊技モードであるときには、特別図柄の変動表示が行なわれるときに、特別演出が実行されない。
遊技モードが第2遊技モードまたは第3遊技モードに移行した場合には、他の遊技モードでは実行されない特別演出が実行されるので、そのような特別演出の内容を確認することにより、遊技者が、現在どのような遊技モードの状態であるかを容易に把握することができる。また、第4遊技モードに移行した場合には、第4遊技モードが遊技者にとっての有利度が最も高い遊技モードであり、さらに有利度が高い遊技モードに移行し得ないので、特別な演出を行なっても遊技者の期待感を煽る効果が低いと思われるため、第4遊技モードにおいて、特別演出が実行されないことにより、特別な演出実行の無駄を省くことができる。
このように、16R大当り、7R大当り、2R第1大当り、および、2R第2大当りのうちのいずれかの大当りが発生したときには、確変状態に制御される。2R第1大当りおよび2R第2大当りのような2ラウンドの大当りは、16R大当りおよび7R大当りと比べて、ラウンド数が少なく(2回)、大入賞口の開放時間が極めて短い態様(0.5秒間開放)で大入賞口が開放されることにより、大当り遊技状態の終了後に、遊技者に対して突然に確変状態となったかのように見せることが可能なものであり、「突然確変大当り」とも呼ばれる。「突然確変大当り」は、「突確大当り」または「突確」という略称で呼ばれる場合もある。2R第1大当りおよび2R第2大当りのような2ラウンドの大当りは、大当り遊技状態において、0.5秒間の開放が2回しか行なわれないため、実質的に賞球が得られない当りである。
なお、2ラウンドの大当りのような実質的に賞球が得られない大当りとしては、次のような大当りであってもよい。たとえば、16ラウンドの大当りではあるが、1ラウンドあたりの開放時間がたとえば0.1秒間のように極めて短いことにより、実質的に賞球が得られないものであってもよい。また、実質的に賞球が得られない大当りとしては、ラウンド数が少ないこと、または、1ラウンドあたりの開放時間が短いことのうち少なくとも一方が実行されることにより実質的に賞球が得られないものであればよい。また、実質的に賞球が得られない大当りの代わりに、たとえば、開放回数が2回で開放時間が29秒という大当りのように、16R大当りよりも大当り遊技状態における開放時間の合計値が短いことにより、16R大当りよりも得られる賞球が少ない大当りを設けてもよい。
また、大当りとしては、ラウンド数が同じであるが、1回の開放時間が長い開放パターンの大当りと、1回の開放時間が短い開放パターンの大当りとを設ける等、ラウンド数が同じであるが開放パターンが異なるものを複数設け、第1特別図柄の変動領域で大当りとなったときと、第2特別図柄の変動表示で大当りとなったときとで異なる選択割合で選択して実行されるようにしてもよい。
また、第1遊技モード〜第4遊技モードの各遊技モード間の移行条件(遊技モードが移行する大当りの種別)が異なる例を示した。しかし、これに限らず、各遊技モード間の移行条件(遊技モードが移行する大当りの種別)が同じであるように設定してもよい。
また、遊技モードの移行例としては、第1遊技モード〜第4遊技モードでの4段階の遊技モード間での移行例を示した。しかし、これに限らず、遊技モードの移行例としては、4段階の遊技モードよりも多い段階に分けられた遊技モード間で移行するように遊技モードを設けてもよい。
また、第3遊技モードおよび第4遊技モードのそれぞれにおいては、変動表示回数に基づいて高ベース状態が終了したときに、第1遊技モードへ移行する例を示した。しかし、これに限らず、第3遊技モードの場合は、変動表示回数に基づいて高ベース状態が終了したときに、第2遊技モードへ移行するようにしてもよく、また、変動表示回数に基づいて高ベース状態が終了したときに、第1遊技モードまたは第2遊技モードのうちから選択された遊技モードに移行するようにしてもよい。そして、第4遊技モードの場合は、変動表示回数に基づいて高ベース状態が終了したときに、第3遊技モードへ移行するようにしてもよく、または、第2遊技モードへ移行するようにしてもよい。また、第3遊技モードの場合は、変動表示回数に基づいて高ベース状態が終了したときに、第1遊技モード、または、第2遊技モードのうちから選択された遊技モードに移行するようにしてもよい。また、第4遊技モードの場合は、変動表示回数に基づいて高ベース状態が終了したときに、第1遊技モード、第2遊技モード、または、第3遊技モードのうちから選択された遊技モードに移行するようにしてもよい。
また、第1遊技モード〜第3遊技モードについて、各遊技モードにおける遊技モードの移行先が、第1特別図柄が大当りとなったときと、第2特別図柄が大当りとなったときとで、異なるようにしてもよい。たとえば、第2遊技モードであるときに、第2特別図柄で大当りとなったときには、第3遊技モードへ移行し、第1特別図柄で大当りとなったときには、第4遊技モードへ移行するようにしてもよい。
また、第1遊技モード〜第3遊技モードについて、各遊技モードにおける遊技モードの移行先を選択する割合が、第1特別図柄が大当りとなったときと、第2特別図柄が大当りとなったときとで、異なるようにしてもよい。たとえば、第2遊技モードであるときに、第3遊技モードと第4遊技モードとへ選択的に決定して移行できるようにし、第1特別図柄で大当りとなったときには、第2特別図柄で大当りとなったときよりも、第4遊技モードへ移行する決定をする割合が高くなるように設定してもよい。
また、第2遊技モード〜第4遊技モードについては、確変状態に制御される変動表示の回数が同じ例を示した。しかし、これに限らず、第2遊技モード〜第4遊技モードについては、確変状態に制御される変動表示の回数が異なるようにしもてよい。たとえば、第2遊技モード<第3遊技モード<第4遊技モードの関係で、遊技モードが移行するごとに確変状態に制御される変動表示の回数が増加するように設定してもよい。また、第2遊技モード>第3遊技モード>第4遊技モードの関係で、遊技モードが移行するごとに確変状態に制御される変動表示の回数が減少するように設定してもよい。
また、第3遊技モードについては、高ベース状態が継続する変動表示の回数が異なる、2種類の遊技モードを含むようにした例を示した。しかし、これに限らず、第3遊技モードについては、1種類の遊技モードを用いるように設定してもよい。
図3に示すように、第2遊技モードにおいては、大当り遊技状態の終了後、第1の回数(4回)の変動表示が実行されるまで高確率状態および低ベース状態に制御される。また、第3遊技モードにおいては、大当り遊技状態の終了後、第1の回数(4回)の変動表示が実行されるまで高確率状態に制御され、第2の回数(4回または6回)の変動表示が実行されるまで高ベース状態に制御される。また、第4遊技モードにおいては、第1の回数(4回)の変動表示が実行されるまで高確率状態に制御され、第1の回数および第2の回数よりも多い第3の回数(50回)の変動表示が実行されるまでベース状態に制御される。
第3遊技モードにおいて、高ベース状態に制御される前記第2の回数は、高確率状態に制御される前記第1の回数と比べて、第1の回数未満の回数でもよく、第1の回数と同じ回数でもよく、第1の回数を超える回数でもよい。
前記第2の回数を前記第1の回数と同じ回数とした場合には、第2遊技モードおよび第3遊技モードにおける第1の回数(4回)の高確率状態(高確低ベースおよび高確高ベースの状態)の期間が、大当りの発生を煽る期間であり、第4遊技モードにおける低確高ベース状態の期間が、保留記憶データの消化効率を高くする期間であるというように、遊技状態の遷移状態を明確に区別することができるようになる。
また、前記第2の回数を前記第1の回数未満の回数とした場合には、低確高ベース状態が、第4遊技モードに移行して初めて発生するので、第4遊技モードが、遊技者にとって有利な状態のうちの希少な遊技状態となるため、第4遊技モードに移行したときの遊技者の満足感を向上させることができる。
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾LED25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27R,27Lが設けられている。遊技領域7の外周上部、外周左部および外周右部には、前面枠に設けられた天枠LED28a、左枠LED28bおよび右枠LED28cが設けられている。また、左枠LED28bの近傍には賞球残数があるときに点灯する賞球LED51が設けられ、右枠LED28cの近傍には補給球が切れたときに点灯する球切れLED52が設けられている。天枠LED28a、左枠LED28bおよび右枠LED28cおよび装飾LED25は、パチンコ遊技機1に設けられている演出用の発光体の一例である。なお、上述した演出用(装飾用)の各種LEDの他にも演出のためのLEDやランプが設置されている。
また、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(以下、単に「カードユニット」ともいう。)が、パチンコ遊技機1に隣接して設置される(図示せず)。
図4は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図4には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムにしたがって制御動作を行なうCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムにしたがって制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、CPU56がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(たとえば、0)と上限値(たとえば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則にしたがって更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路503は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切替え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。たとえば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ560の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路503が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行なうことによって、乱数回路503が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aへの始動入賞が生じたときに乱数回路503から数値データをランダムRとして読出し、特別図柄および演出図柄の変動開始時にランダムRに基づいて特定の表示結果としての大当り表示結果にするか否か、すなわち、大当りとするか否かを決定する。そして、大当りとすると決定したときに、遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に移行させる。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグや各保留記憶数カウンタの値等)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータに基づいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
遊技制御用マイクロコンピュータ560のリセット端子には、電源基板からのリセット信号(図示せず)が入力される。電源基板には、遊技制御用マイクロコンピュータ560等に供給されるリセット信号を生成するリセット回路が搭載されている。なお、リセット信号がハイレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560等は動作可能状態になり、リセット信号がローレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560等は動作停止状態になる。したがって、リセット信号がハイレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560等の動作を許容する許容信号が出力されていることになり、リセット信号がローレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560等の動作を停止させる動作停止信号が出力されていることになる。なお、リセット回路をそれぞれの電気部品制御基板(電気部品を制御するためのマイクロコンピュータが搭載されている基板)に搭載してもよい。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、電源基板からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号が入力される。すなわち、電源基板には、遊技機において使用される所定電圧(たとえば、DC30VやDC5V等)の電圧値を監視して、電圧値が予め定められた所定値にまで低下すると(電源電圧の低下を検出すると)、その旨を示す電源断信号を出力する電源監視回路が搭載されている。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、RAMの内容をクリアすることを指示するためのクリアスイッチが操作されたことを示すクリア信号(図示せず)が入力される。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令にしたがって駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。さらに、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(図5の演出制御用マイクロコンピュータ100で構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を変動表示する演出表示装置9との表示制御を行なう。
図5は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図5に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101およびRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムにしたがって動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドに基づいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行なわせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行なうVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、VDPによって生成された画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データを演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドにしたがってキャラクタROM(図示せず)から必要なデータを読出す。キャラクタROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データ、具体的には、人物、文字、図形または記号等(演出図柄を含む)を予め格納しておくためのものである。演出制御用CPU101は、キャラクタROMから読出したデータをVDP109に出力する。VDP109は、演出制御用CPU101から入力されたデータに基づいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、たとえばダイオードやトランジスタが使用される。図5には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号ごとに設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図5に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してLEDを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してLEDドライバ352に入力される。LEDドライバ352は、駆動信号を天枠LED28a、左枠LED28b、右枠LED28c等の枠側に設けられている各LEDに供給する。また、遊技盤側に設けられている装飾LED25および大当り保留表示ランプ1000に駆動信号を供給する。なお、LED以外の発光体が設けられている場合には、それを駆動する駆動回路(ドライバ)がランプドライバ基板35に搭載される。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27R,27Lに出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(たとえば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
次に、パチンコ遊技機1の動作について説明する。図6は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS(以下、単にSという)1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行なう。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(S1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(S2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(S3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化等)を行なった後(S4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(S5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(たとえば、電源基板に搭載されている。)の出力信号(クリア信号)の状態を確認する(S6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理(S10〜S15)を実行する。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(たとえばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行なわれたか否か確認する(S7)。そのような保護処理が行なわれていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、たとえば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行なわれたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行なう(S8)。この実施の形態では、データチェックとしてパリティチェックを行なう。よって、S8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(S41〜S43の処理)を行なう。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(S41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(S42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。S41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、たとえば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグ、時短フラグ等)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分等である。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(S43)。そして、S14に移行する。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行なう(S10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(たとえば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値または予め決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(たとえば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(S11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(S12)。
S11およびS12の処理によって、たとえば、普通図柄当り判定用乱数カウンタ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグ等制御状態に応じて選択的に処理を行なうためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する(S13)。たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行なう。
また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(S14)。CPU56は、たとえば、乱数回路設定プログラムにしたがって処理を実行することによって、乱数回路503にランダムRの値を更新させるための設定を行なう。
そして、S15において、CPU56は、所定時間(たとえば2ms)ごとに定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値としてたとえば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、2msごとに定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(S10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(S17)および初期値用乱数更新処理(S18)を繰返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(S16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(S19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、大当りとしない場合の特別図柄の停止図柄を決定するための乱数や大当りとしない場合にリーチとするか否かを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施の形態では、初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
なお、この実施の形態では、リーチ演出は、演出表示装置9において変動表示される演出図柄(飾り図柄)を用いて実行される。また、特別図柄の表示結果を大当り図柄にする場合には、リーチ演出は常に実行される。特別図柄の表示結果を大当り図柄にしない場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数を用いた抽選によって、リーチ演出を実行するか否か決定する。ただし、実際にリーチ演出の制御を実行するのは、演出制御用マイクロコンピュータ100である。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図7に示すS20〜S34のタイマ割込処理を実行する。図7は、タイマ割込み処理を示すフローチャートである。
タイマ割込処理においては、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(S20)。電源断信号は、たとえば電源基板に搭載されている電源監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行なう(スイッチ処理:S21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう表示制御処理を実行する(S22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、S32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行なう(判定用乱数更新処理:S23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行なう(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:S24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行なう(S26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行なう(S27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行なう(演出制御コマンド制御処理:S28)。
さらに、CPU56は、たとえばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報等のデータを出力する情報出力処理を行なう(S29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号に基づく賞球個数の設定等を行なう賞球処理を実行する(S30)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23のいずれかがオンしたことに基づく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(S31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行なうための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行なう(S32)。CPU56は、たとえば、特別図柄プロセス処理でセットされる開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過するごとに、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bにおける第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示を実行する。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行なうための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行なう(S33)。CPU56は、たとえば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切替えるような速度であれば、0.2秒が経過するごとに、出力バッファに設定される表示制御データの値(たとえば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(S34)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2msごとに起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるS21〜S33(S29を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理ではたとえば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態にならずに、リーチにならない所定の演出図柄の組合せが停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示態様を、変動表示結果がはずれ図柄になる場合における「非リーチ」(「通常はずれ」ともいう)の変動表示態様という。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り図柄とはならない所定の演出図柄の組合せが停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示結果を、変動表示結果が「はずれ」となる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の変動表示態様という。
この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、最終的に演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアに、演出図柄が揃って停止表示される。
図8は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1(MR1):大当りの種類(種別、16R大当り、7R大当り、2R第1大当り、および、2R第2大当りのいずれかの種別)および大当り図柄を決定する(大当り種別判定用、大当り図柄決定用)
(2)ランダム2(MR2):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)
(3)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)
(4)ランダム4(MR4):普通図柄に基づく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(5)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)。
本実施の形態では、前述したように、特定遊技状態である大当りとして、16R大当り、7R大当り、2R第1大当り、および、2R第2大当りという複数の種別が含まれている。したがって、大当りとする決定がされたときには、大当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当りの種別が、これらいずれかの大当り種別に決定される。さらに、大当りの種別が決定されるときに、同時に大当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当り図柄も決定される。したがって、ランダム1は、大当り図柄決定用乱数でもある。
この実施の形態では、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。
変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴にしたがってグループ化したものである。変動パターン種別には、1または複数の変動パターンが属している。変動パターンを決定するときには、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定する。そして、決定した変動パターン種別に属する変動パターンから、1つの変動パターンを変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて決定する。
この実施の形態では、16R大当りおよび7R大当りである場合には、ノーマルリーチを伴う変動パターン種別であるノーマルリーチ変動パターン種別と、スーパーリーチを伴うスーパーリーチ変動パターン種別とに種別分けされている。さらに、16R大当りおよび7R大当りである場合には、変動時間が5秒または10秒等の特別に短縮された時間に設定された時短変動パターンを伴う変動パターン種別である時短変動パターン種別にも種別分けされている。また、2R第1大当りおよび2R第2大当りである場合には、非リーチの変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチ特殊変動パターン種別と、リーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるリーチ特殊変動パターン種別とに種別分けされている。さらに、2R第1大当りおよび2R第2大当りである場合には、時短種別にも種別分けされている。このような変動パターン種別は、予め定められた割合で選択される。
また、はずれである場合には、リーチを伴わない変動パターン種別である通常変動パターン種別と、ノーマルリーチを伴う変動パターン種別であるノーマルリーチ変動パターン種別と、スーパーリーチを伴う変動パターン種別であるスーパーリーチ変動パターン種別と、通常変動パターン種別よりも短い時間で変動表示を行なう時短変動パターンを伴う変動パターン種別である時短変動パターン種別とに種別分けされている。これら変動パターン種別の変動パターンについての平均的な変動時間の関係は、時短変動パターン種別<通常変動パターン種別<ノーマルリーチ変動パターン種別<スーパーリーチ変動パターン種別である。
このような変動パターン種別は、時短状態であるときと、時短状態でないときとで、選択する変動パターン種別が異なることにより、時短状態でないときと比べて、変動時間が短縮される。なお、時短状態であるときと、時短状態でないときとで、変動パターン種別の選択割合が異なる(時短状態では、時短状態でないときと比べて、通常変動パターン種別のような変動時間が短い変動パターン種別が選択される割合が高く設定されている)ように設定されていることにより、時短状態であるときには、時短状態でないときと比べて、変動時間が短縮されるようにしてもよい。
また、このような変動パターン種別は、変動表示をする各特別図柄の保留記憶数が所定個数以上であるときと、所定個数未満であるときとで選択割合が異なるように設定されていることにより、変動表示をする各特別図柄の保留記憶数が所定個数以上であるときには、各特別図柄の保留記憶数が所定個数未満であるときと比べて、変動時間が短縮される制御が行なわれる場合がある。このように変動表示時間を短縮する制御は、保留数短縮制御と呼ばれる。
変動パターン種別の設定としては、たとえば、複数の変動パターンをリーチの種類でグループ化して、ノーマルリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチAを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチBを伴う変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、たとえば、複数の変動パターンを擬似連の再変動の回数でグループ化して、擬似連を伴わない変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動2回未満の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動3回の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動4回の変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、たとえば、複数の変動パターンを擬似連や滑り演出等の特定演出の有無でグループ化してもよい。
ここで、擬似連とは、本来は1つの保留記憶に対応する1回の変動であるものの複数の保留記憶に対応する複数回の変動が連続して行なわれているように見せる演出表示である擬似連続変動を示す略語である。
また、擬似連とは、1の始動入賞に対して、あたかも複数回の図柄の変動表示(可変表示)が実行されたかのように見せるために、1の始動入賞に対して決定された変動時間内にて、全部の図柄列(左,中,右)について仮停止と、再変動とを所定回数実行する特殊な変動パターン(変動表示パターンともいう)のことを指す。たとえば、再変動の繰返し実行回数(初回変動およびその後の再変動を含む合計の変動回数であり、擬似連変動回数ともいう)が多い程、大当りとなる信頼度(大当りとなるときとはずれとなるときとを含むすべての選択割合に対して大当りとなるときに選択される割合の度合い、大当りとなる割合の程度、すなわち、大当りとなる信頼性の度合い)が高くなる。より具体的には、大当りと決定されたときに選択される割合が高くなる。擬似連の変動パターンにおいては、演出表示装置9において仮停止される図柄の組合せが、仮停止図柄の組合せと呼ばれる。仮停止図柄の組合せは、大当り図柄の組合せ以外の図柄の組合せよりなる複数種類のチャンス目(以下、擬似連チャンス目という)のうちからいずれかの擬似連チャンス目に決定される。また、擬似連変動を実行した場合には、必ず最終的にリーチ状態として何らかのリーチ演出を実行するようにしてもよい。
図7に示された遊技制御処理におけるS23では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(1)の大当り種別判定用乱数、および(4)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算更新)を行なう。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数(ランダム2、ランダム3)または初期値用乱数(ランダム5)である。なお、遊技効果を高めるために、上記の乱数以外の乱数も用いてもよい。また、この実施の形態では、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部のハードウェアでもよい。)が生成する乱数を用いる。
図9は、大当り判定テーブルおよび大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図9(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態、すなわち非確変状態)において用いられる通常時(非確変時)大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。
通常時大当り判定テーブルには、図9(A)の左欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定され、確変時大当り判定テーブルには、図9(A)の右欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定されている。確変時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値は、通常時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値と共通の大当り判定値(第1大当り判定値ともいう)に、確変時固有の大当り判定値が加えられたことにより、確変時大当り判定テーブルよりも多い個数(10倍の個数)の大当り判定値が設定されている。これにより、確変状態には、通常状態よりも高い確率で大当りとする判定がなされる。
以下の説明において、通常時大当り判定テーブルおよび確変時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値のうち、通常時大当り判定テーブルに設定された通常時(非確変時)用の大当り判定値は、確変時大当り判定テーブルにおいても共通の大当り判定値として用いられるものであり、通常時大当り判定値(第1大当り判定値ともいう)という。また、確変時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値のうち、通常時大当り判定値以外の確変時固有の大当り判定値(第2大当り判定値ともいう)は、確変時において前述の通常時大当り判定値に加えて固有の大当り判定値として用いられるものであり、確変時大当り判定値という。図9(A)に記載されている数値が大当り判定値である。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値と比較するのであるが、大当り判定用乱数値が図9(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(16R大当り、7R大当り、2R第1大当り、または、2R第2大当り)にすることに決定する。なお、図9(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。
図9(B),(C)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブルを示す説明図である。このうち、図9(B)は、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことに基づく保留記憶(第1保留記憶ともいう)を用いて(すなわち、第1特別図柄の変動表示が行なわれるとき)大当り種別を決定する場合に用いる第1特別図柄大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)である。
また、図9(C)は、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことに基づく保留記憶(第2保留記憶ともいう)を用いて(すなわち、第2特別図柄の変動表示が行なわれるとき)大当り種別を決定する場合に用いる第2特別図柄大当り種別判定テーブルである。
図9(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブル、および、図9(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルのそれぞれは、変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)に基づいて、大当りの種別を「16R大当り」、「7R大当り」、「2R第1大当り」、「2R第2大当り」のうちのいずれかに決定するとともに、大当り図柄を決定するために参照されるテーブルである。
図9(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1の値と比較される数値であって、「16R大当り」、「2R第1大当り」、「2R第2大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。
図9(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1の値と比較される数値であって、「16R大当り」、「7R大当り」、「2R第1大当り」、「2R第2大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。
「7R大当り」については、第2特別図柄大当り種別判定テーブルに判定値が設定されているが、第1特別図柄大当り種別判定テーブルに判定値が設定されていない。これにより、「7R大当り」は、第1特別図柄の変動表示において発生せず、第2特別図柄の変動表示においてのみ発生する大当りとなるように設定されている。
また、図9(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブル、および、図9(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルのそれぞれにおいて、大当り種別判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄を決定する判定値(大当り図柄判定値)としても用いられる。「16R大当り」に対応した判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄の「7」に対応した判定値としても設定されている。「7R大当り」に対応した判定値は、第2特別図柄の大当り図柄の「5」に対応した判定値としても設定されている。「2R第1大当り」に対応した判定値は、大当り図柄の第1特別図柄および第2特別図柄の「1」に対応した判定値としても設定されている。「2R第2大当り」に対応した判定値は、大当り図柄の第1特別図柄および第2特別図柄の「3」に対応した判定値としても設定されている。
このように、図9(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブル、および、図9(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルのそれぞれにおいては、1つの大当り図柄に複数の判定値が対応付けられている場合がある。しかし、これに限らず、複数の大当り図柄の各図柄(1つの大当り図柄)に1つの判定値が対応付けられるようにしてもよい。たとえば、大当り図柄が「00」〜「99」までの100図柄ある場合に、たとえば、大当り図柄「00」に対して大当り種別判定値「00」が対応し、大当り図柄「99」に対して大当り種別判定値「99」が対応するというように、「00」〜「99」という100個の大当り種別判定値が、「00」〜「99」という100図柄の大当り図柄に1対1で対応するようにしてもよい。
このような大当り種別大当り種別判定テーブルを用いて、CPU56は、大当り種別として、ランダム1の値が一致した大当り種別判定値に対応する種別を決定するともに、大当り図柄として、ランダム1の値が一致した大当り図柄を決定する。これにより、大当り種別と、大当り種別に対応する大当り図柄とが同時に決定される。
図9(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブル、および、図9(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルにおいては、次のような関係でデータが設定されている。
図9(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルと、図9(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルのそれぞれとを比較した場合、図9(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、図9(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、16R大当りに決定される割合が高い。また、図9(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、図9(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、7R大当りに決定される割合が高い。これらにより、第2特別図柄の変動表示の方が、第1特別図柄の変動表示よりも、賞球を多く獲得しやすいという点で遊技者にとって有利となる変動表示を行なうことが可能である。その理由は、16R大当りおよび7R大当りは、大当り遊技状態において、2R第1大当りおよび2R第2大当りを含む2R大当りと比べて、特別可変入賞球装置20の開放パターンが多くの入賞球が得られるように設定されているため、より多くの賞球が得られる大当りであるからである。つまり、2R大当りが実質的に賞球が得られない当りにより構成されるため、16R大当りおよび7R大当りでは、2R大当りと比べて、多くの賞球が得られる。
また、図9(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、図9(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、2R第2大当りに決定する判定値数が多く設定されている。これにより、第2特別図柄の変動表示の方が、第1特別図柄の変動表示よりも、2R第2大当りに決定される割合が高くなる。したがって、第2特別図柄の方が、遊技者にとっての有利度が最も高い第4遊技モードに直接的に移行する割合が高い。これにより、第2特別図柄の変動表示に対する遊技者の期待感を高めることができる。なお、第1特別図柄の方が、遊技者にとっての有利度が最も高い第4遊技モードに直接的に移行する割合が高くなるように設定してもよい。
電チューサポート制御が行なわれる高ベース状態であるときには、第1始動入賞口13に対して第2始動入賞口14に入賞する頻度が極めて高くなることに基づいて、第1特別図柄に対して第2特別図柄の変動表示が実行される頻度が極めて高くなる。前述のように、第2特別図柄は、第1特別図柄と比べて、16R大当りおよび7R大当りが選択される割合が高い。これにより、時短状態のときの方が、実質的に賞球が得られる大当りに制御される割合が高くなる。また、前述のように、第2特別図柄は、第1特別図柄と比べて、遊技者にとっての有利度が最も高い第4遊技モードに直接的に移行する割合が高い。これにより、時短状態のときの方が、第4遊技モードに直接的に移行する割合が高くなる。
また、この実施の形態では、遊技状態を通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な状態に制御する特定遊技状態である大当りとして、所定量の遊技価値(たとえば、ラウンド数)を付与する第1特定遊技状態としての16R大当りおよび7R大当りと、該遊技価値よりも少ない量の遊技価値を付与することで第1特定遊技状態よりも不利な第2特定遊技状態としての2R第1大当りおよび2R第2大当り)とを決定する場合を説明している。しかし、特定遊技状態に対して付与される遊技価値は、この実施の形態で示したようなラウンド数に限られない。たとえば、第2特定遊技状態と比較して、遊技価値として1ラウンドあたりの大入賞口への遊技球の入賞数(カウント数)の許容量を多くした第1特定遊技状態を用いるようにしてもよい。また、たとえば、第2特定遊技状態と比較して、遊技価値として大当り中の1回あたりの大入賞口の開放時間を長くした第1特定遊技状態を用いるようにしてもよい。また、たとえば、同じ16ラウンドの大当りであっても、1ラウンドあたり大入賞口を1回開放する第2特定遊技状態と、1ラウンドあたり大入賞口を複数回開放する第1特定遊技状態とを用意し、大入賞口の開放回数が実質的に多くなるようにして第1特定遊技状態の遊技価値を高めるようにしてもよい。この場合、たとえば、いずれの特定遊技状態の場合であっても、大入賞口を16回開放したときに(この場合、第2特定遊技状態の場合には16ラウンドすべてを終了し、第1特定遊技状態の場合には未消化のラウンドが残っていることになる)、大当りがさらに継続するか否かを煽るような態様の演出を実行するようにしてもよい。そして、第2特定遊技状態の場合には内部的に16ラウンドすべてを終了していることから大当り遊技を終了し、第1特定遊技状態の場合には内部的に未消化のラウンドが残っていることから、大当り遊技が継続する(あたかも16回開放の大当りを終了した後にさらにボーナスで大入賞口の開放が追加で始まったような演出)ようにしてもよい。このように、第1特定遊技状態と第2特定遊技状態との関係は、特定遊技状態に付与される前述のような遊技価値等により、第1特定遊技状態に対して第2特定遊技状態の方が不利なものであればよい。
図10は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図10に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置9において変動表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、使用されうる変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。したがって、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において演出図柄の変動表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C05(H)は、大当りとするか否か、および、大当り種別を示す演出制御コマンドである。コマンド8C01(H)は、はずれに決定されていることを指定する演出制御コマンドである。コマンド8C02(H)は、16R大当りに決定されていることを指定する演出制御コマンドである。コマンド8C03(H)は、7R大当りに決定されていることを指定する演出制御コマンドである。コマンド8C04(H)は、2R第1大当りに決定されていることを指定する演出制御コマンドである。コマンド8C05(H)は、2R第2大当りに決定されていることを指定する演出制御コマンドである。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の変動表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の変動表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動指定コマンド)と総称することがある。なお、第1特別図柄の変動表示を開始するのか第2特別図柄の変動表示を開始するのかを示す情報を、変動パターンコマンドに含めるようにしてもよい。
コマンド8F00(H)は、演出図柄の変動表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、演出図柄の変動表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001〜A003(H)は、大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド)である。大当り開始指定コマンドには、大当りの種類に応じて、大当り開始1指定コマンド、大当り開始2指定コマンド、大当り開始3指定コマンド、および、大当り開始4指定コマンドというような複数のコマンドが含まれる。大当り開始1指定コマンドは、16R大当りの大当り遊技状態の開始を指定する場合に送信される。大当り開始2指定コマンドは、7R大当りの大当り遊技状態の開始を指定する場合に送信される。大当り開始3指定コマンドは、2R第1大当りの大当り遊技状態の開始を指定する場合に送信される。コマンドA006は、2R第1大当りの大当り遊技状態の開始を指定する演出制御コマンドである。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。
コマンドA301〜コマンドA30A(H)は、大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(大当り終了指定コマンド)である。コマンドA301は、大当り遊技の終了を指定するとともに、16R大当りであったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了1指定コマンド)である。コマンドA302(H)は、大当り遊技の終了を指定するとともに、7R大当りであったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了2指定コマンド)である。コマンドA303(H)は、大当り遊技の終了を指定するとともに、2R第1大当りであったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了3指定コマンド)である。コマンドA304(H)は、大当り遊技の終了を指定するとともに、2R第2大当りであったことを指定する演出制御コマンドである。
コマンドA401(H)は、第1始動入賞口13について第1特別図柄の変動表示が行なわれる始動入賞、すなわち、第1始動入賞があったことを指定する演出制御コマンド(第1始動入賞指定コマンド)である。コマンドA302(H)は、第2始動入賞口14について第2特別図柄の変動表示が行なわれる始動入賞、すなわち、第2始動入賞があったことを指定する演出制御コマンド(第2始動入賞指定コマンド)である。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態(低確低ベース状態)であることを指定する演出制御コマンド(通常状態指定コマンド)である。コマンドB001(H)は、遊技状態が時短状態であることを指定する演出制御コマンド(時短状態指定コマンド)である。コマンドB002(H)は、遊技状態が確変状態であることを指定する演出制御コマンド(確変状態指定コマンド)である。コマンドB003(H)は、遊技状態が高ベース状態であることを指定する演出制御コマンド(高ベース状態指定コマンド)である。コマンドB004(H)は、時短状態が終了したことを指定する演出制御コマンド(時短終了指定コマンド)である。コマンドB005(H)は、確変状態が終了したことを指定する演出制御コマンド(確変終了指定コマンド)である。コマンドB006(H)は、高ベース状態が終了したことを指定する演出制御コマンド(高ベース終了指定コマンド)である。
このような演出制御コマンドにより、遊技状態が、通常状態、時短状態、高ベース状態、および、確変状態のうちのどの状態またはどの状態の組合せになっているかを演出制御用マイクロコンピュータ100に知らせることができる。たとえば、確変状態指定コマンドおよび時短状態指定コマンドを送信すると、第4遊技モードにおいて、高確高ベース状態で時短状態となっていることを知らせることができる。また、確変状態指定コマンドおよび時短状態指定コマンドを送信した後、確変状態終了指定コマンドを送信すると、第4遊技モードにおいて、低確高ベース状態で時短状態となっていることを知らせることができる。
これにより、演出制御用マイクロコンピュータ100においては、遊技状態が、通常状態、時短状態、および、確変状態のうちのどの状態またはどの状態の組合せになっているかを認識することができるので、通常状態、時短状態、および、確変状態のそれぞれの状態に応じた画像表示等の各種演出を行なうことが可能となる。
コマンドC0XX(H)は、第1保留記憶数を指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC0XX(H)における「XX」が、第1保留記憶数を示す。コマンドC1XX(H)は、第2保留記憶数を指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC1XX(H)における「XX」が、第2保留記憶数を示す。
コマンドD000(H)は、第2遊技モード移行状態であることを指定する演出制御コマンド(第2遊技モード移行状態指定コマンド)である。コマンドD001(H)は、第3遊技モード移行状態であることを指定する演出制御コマンド(第3遊技モード移行状態指定コマンド)である。コマンドD002(H)は、第4遊技モード移行状態であることを指定する演出制御コマンド(第4遊技モード移行状態指定コマンド)である。
このような第2遊技モード移行状態指定コマンド、第3遊技モード移行状態指定コマンド、第4遊技モード移行状態指定コマンド、および、第4遊技モード移行状態指定コマンドのそれぞれが送信されることにより、演出制御用マイクロコンピュータ100では、遊技モードがどのモードに移行しているかを認識することができる。
コマンドD003(H)は、第2遊技モードに移行した状態、第3遊技モードに移行した状態、および、第4遊技モードに移行した状態のような遊技モード移行状態を終了することを指定する演出制御コマンド(モード移行終了指定コマンド)である。このような遊技モード移行終了指定コマンドが送信されることにより、演出制御用マイクロコンピュータ100では、遊技モード移行状態が終了したことを認識することができる。
コマンドE0××(H)は、第1保留記憶バッファからの先読結果を通知する第1保留先読結果通知コマンドである。また、コマンドE1××(H)は、第2保留記憶バッファからの先読結果を通知する第2保留先読結果通知コマンドである。ここで、先読みとは、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファに記憶されている保留記憶データを、当該保留記憶データに基づく特別図柄の変動表示が開始される以前に読出すことをいう。
第1保留先読結果通知コマンドおよび第2保留先読結果通知コマンドのそれぞれでは、図14に示す第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファのそれぞれから先読みされた保留記憶データに含まれる大当り判定用のランダムRを示す数値データに基づき決定される表示結果が「大当り」および「はずれ」のいずれであるか、大当り種別決定用のランダム1を示す数値データに基づき決定される大当り種別が「16R大当り」、「7R大当り」、「2R第1大当り」、および、「2R第2大当り」のうちいずれであるかに対応して、異なるEXTデータが設定される。
たとえば、第1保留先読結果通知コマンドを例にとれば、コマンドE000Hは、変動表示結果が「はずれ」である旨の先読結果を示すコマンドである。コマンドD001Hは、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「7R大当り」と「16R大当り」とのいずれかとなる旨の先読結果を示すコマンドである。コマンドE002Hは、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「2R第1大当り」と「2R第2大当り」とのいずれかとなる旨の先読結果を示すコマンドである。第2保留先読結果通知コマンドの場合も、第1保留先読結果通知コマンドの場合と同様の対応関係で、EXTデータと、変動表示結果および大当り種別との関係が定められている。
このように、演出制御用マイクロコンピュータ100の側では、第1始動条件または第2始動条件が成立したときに、遊技制御用マイクロコンピュータ560側から送信された第1保留先読結果通知コマンドまたは第2保留先読結果通知コマンドを受信して、第1特別図柄および第2特別図柄のそれぞれについて、先読結果を特定することができる。なお、所定の電源基板からの電力供給の開始時に、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行する場合には、前回の電力供給停止時における保留記憶数を通知する第1保留記憶数指定コマンドおよび第2保留記憶数指定コマンドと、前回の電力供給停止時における第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファからの先読結果を通知する第1保留先読結果通知コマンドおよび第2保留先読結果通知コマンドとを、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると、図10に示された内容に応じて演出表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞があり第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおいて特別図柄の変動表示が開始される度に、演出図柄の変動パターンを指定する変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。たとえば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
なお、演出制御コマンドの送出方式として、演出制御信号CD0〜CD7の8本のパラレル信号線で1バイトずつ主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に演出制御コマンドデータを出力し、演出制御コマンドデータの他に、演出制御コマンドデータの取込を指示するパルス状(矩形波状)の取込信号(演出制御INT信号)を出力する方式を用いる。演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取込み処理を開始する。
図10に示す例では、変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動に対応した演出図柄の変動表示(変動)と、第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動に対応した演出図柄の変動表示(変動)とで共通に使用でき、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示に伴って演出を行なう演出表示装置9等の演出用部品を制御する際に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるコマンドの種類を増大させないようにすることができる。
図11は、ROM54に記憶されている開放パターンデータテーブルの内容を表形式で示す図である。開放パターンデータテーブルのデータは、各種別の大当りのそれぞれについて、開放回数(ラウンド上限数)、開放時間(各ラウンド中の開放時間)、および、インターバル時間(各ラウンド間時間)を含む特別可変入賞球装置20の開放パターンを示すテータである。
図11を参照して、16R大当りは、開放回数が16回、開放時間が29秒、インターバル時間が5秒である。7R大当りは、開放回数が7回、開放時間が29秒、インターバル時間が5秒である。2R第1大当り、および、2R第2大当り小当りのそれぞれは、開放回数は2回であり、インターバル時間が0.5秒であることで共通する。
なお、インターバル時間は、16R大当りおよび7R大当りと、2R第1大当りおよび2R第2大当りとで同じ時間となるように設定してもよい。また、賞球が得られやすい大当り(たとえば16R大当り、7R大当り)と、賞球が得られにくい大当り(たとえば2R第1大当り)とについて、大当りのラウンド数を一定のラウンド数(たとえば16ラウンド)に設定し、賞球が得られやすい大当りについては賞球が得られやすい長い開放時間とし、賞球が得られにくい大当りについては賞球が得られにくい極めて短い開放時間とするようにしてもよい。
図12は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(S26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。
上述したように、特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13aがオンして第1始動入賞口13への始動入賞(第1始動入賞)が発生していたとき、または、第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ14aがオンして第2始動入賞口14への始動入賞(第2始動入賞)が発生していたときには(S311)、始動口スイッチ通過処理を実行する(S312)。そして、内部状態に応じて、S300〜S310のうちのいずれかの処理を行なう。第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aがオンしていなければ、始動口スイッチ通過処理を実行せずに、内部状態に応じて、S300〜S310のうちのいずれかの処理を行なう。
S300〜S310の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(S300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の変動表示が開始できる状態になると、変動表示を開始する特別図柄に対応する保留記憶バッファ(図14の第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)に記憶される数値データの記憶数(保留記憶数)を確認する。保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数は保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には、大当り種別を決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(S301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(変動表示時間:変動表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の変動表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果指定コマンド送信処理(S302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行なう。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(S303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(S301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS304に対応した値(この例では4)に更新する。
特別図柄停止処理(S304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける変動表示を停止して停止図柄を導出表示させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行なう。そして、大当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、大当りフラグがセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS300に対応した値(この例では0)に更新する。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において演出図柄および飾り図柄が停止されるように制御する。また、大当り遊技状態となったときの状態が確変状態であり、確変フラグまたは時短フラグがセットされていたときには、確変フラグまたは時短フラグがリセットされる。また、変動表示回数により確変状態の終了条件または時短状態の終了条件が成立したときには、確変フラグまたは時短フラグがリセットされる。
大入賞口開放前処理(S305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大当りの種別に応じて、前述のような開放パターンにしたがって、特別可変入賞球装置20において大入賞口を開放する制御を行なう。具体的には、カウンタ(たとえば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)等を初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンドごとに実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
大入賞口開放中処理(S306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(S307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行なわせるための制御を行なう。また、大当り遊技状態の終了後の遊技状態を示すフラグ(たとえば、確変フラグ、時短フラグ等)をセットする処理を行なう。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図13は、S312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。第1始動口スイッチ13aと第2始動口スイッチ14aとのうちの少なくとも一方がオン状態の場合に実行される始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、オンしたのが第1始動口スイッチ13aであるか否かを確認する(S211)。第1始動口スイッチ13aがオンしていれば、CPU56は、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(S212)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、S221に移行する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(S213)。
図14は、保留記憶に対応する乱数等を保存する領域(保留記憶バッファ)の構成例を示す説明図である。図14に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。「RAMに形成されている」とは、RAM内の領域であることを意味する。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数である大当り判定用乱数(ランダムR)、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。
次に、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する(S214)。具体的に、S214の処理では、大当り判定用乱数(ランダムR)、大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が保存(格納)される。以下の保留記憶に関する説明に関しては、このように第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに前述のような始動入賞に関する情報が記憶されることを「保留記憶される」と示す場合がある。なお、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域に予め格納しておくのではなく、第1特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を生成するための変動パターン種別判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。また、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域に予め格納しておくのではなく、第1特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、第1始動入賞指定コマンドを送信する制御を行なう(S215)。また、CPU56は、S204で抽出した各乱数値を示す数値データを、S300の特別図柄通常処理に先立って読出す(先読する)(S216)。そして、S216により読出した数値データが示す先読結果を通知する第1保留先読結果通知コマンドを送信する制御を行なう(S217)。
S207の処理では、S214で抽出した各乱数値を示す数値データに基づいて決定される表示結果および大当り種別等が、S300の特別図柄通常処理に先立って判定される。具体的には、まず、S214で抽出した大当り判定用のランダムRに対応する変動表示結果が「大当り」と「はずれ」とのいずれとなるかが判定される。このとき、変動表示結果が「大当り」となると判定された場合には、大当り種別決定用のランダム1に対応して、大当り種別が「16R大当り」、「7R大当り」、「2R第1大当り」、および、「2R第2大当り」のいずれかとなるかが特定される。そして、S217では、S216により特定された変動表示結果および当り種別に対応する第1保留先読結果通知コマンドを送信する制御が行われる。
これにより、第1始動入賞口13を通過した遊技球が検出された時点で、表示結果が「大当り」となるか否か、および、大当り種別がいずれの種別になるかを判定し、判定結果に応じて異なる第1保留先読結果通知コマンドを、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信することができる。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100の側では、第1始動入賞口13を通過して第1始動口スイッチ13aでの遊技球の検出に基づく演出図柄の変動表示が開始されるより前に、表示結果が「大当り」となるか否か、および、大当り種別がいずれの種別になるかを特定することができる。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する場合には、CPU56は、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(予めROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(S29)において演出制御コマンドを送信する。
S211で第1始動口スイッチがオン状態でないと判定された場合、S212で第1保留記憶数が上限値に達していると判定された場合、または、S215で第1始動入賞指定コマンドを送信する制御を行なった後に、CPU56は、第2始動口スイッチ14aがオンしたか否かを確認する(S221)。第2始動口スイッチ14aがオンしていれば、CPU56は、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(S222)。第2保留記憶数カウンタの値が4であれば、処理を終了する。なお、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値が4であれば、再度第1始動口スイッチ13aがオンしているか否かを確認する(S211参照)処理を行なうようにしてもよい。
第2保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(S223)。
次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する(S224)。
次いで、CPU56は、第2始動入賞指定コマンドを送信する制御を行なう(S225)。また、CPU56は、S224で抽出した各乱数値を示す数値データを、S300の特別図柄通常処理に先立って読出す(先読する)(S226)。そして、S226により読出した数値データが示す先読結果を通知する第2保留先読結果通知コマンドを送信する制御を行なう(S227)。
S227の処理では、S224で抽出した各乱数値を示す数値データに基づいて決定される表示結果および大当り種別等が、S300の特別図柄通常処理に先立って判定される。具体的には、まず、S224で抽出した大当り判定用のランダムRに対応する変動表示結果が「大当り」と「はずれ」とのいずれとなるかが判定される。このとき、変動表示結果が「大当り」となると判定された場合には、大当り種別決定用のランダム1に対応して、大当り種別が「16R大当り」、「7R大当り」、「2R第1大当り」、および、「2R第2大当り」のうちいずれかとなるかが特定される。そして、S227では、S226により特定された変動表示結果および当り種別に対応する第2保留先読結果通知コマンドを送信する制御が行われる。
これにより、第2始動入賞口14を通過した遊技球が検出された時点で、表示結果が「大当り」となるか否か、および、大当り種別がいずれの種別になるかを判定し、判定結果に応じて異なる第2保留先読結果通知コマンドを、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信することができる。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100の側では、第2始動入賞口14を通過して第2始動口スイッチ14aでの遊技球の検出に基づく演出図柄の変動表示が開始されるより前に、表示結果が「大当り」となるか否か、および、大当り種別がいずれの種別になるかを特定することができる。
なお、S213〜S217の処理とS223〜S227の処理とを、1つの共通ルーチンで実現してもよい。その場合、CPU56は、まず、第1始動口スイッチ13aがオン状態になったことを検出した場合に「第1」を示すデータをセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態になったことを検出した場合に「第2」を示すデータをセットし、共通ルーチンで、セットされているデータに応じて、保留記憶バッファ(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)を選択したり始動入賞指定コマンド(第1始動入賞指定コマンドまたは第2始動入賞指定コマンド)を選択する。
次に、図15〜図20を用いて、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、特別図柄および演出図柄の変動パターンを選択決定するために用いる変動パターンテーブルについて説明する。図15〜図20は、変動パターンを決定するために用いるデータテーブルを表形式で示す図である。
変動パターンテーブルとしては、ROM54に、第1遊技モード状態はずれ時第1判定テーブル、第1遊技モード状態はずれ時第2判定テーブル、第2遊技モード状態はずれ時判定テーブル、第3遊技モード状態はずれ時判定テーブル、第4遊技モード状態はずれ時判定テーブル、第1遊技モード状態16R大当り時判定テーブル、第2,第3遊技モード状態16R大当り時判定テーブル、第1遊技モード状態7R大当り時判定テーブル、第2,第3遊技モード状態7R大当り時判定テーブル、第1遊技モード状態2R大当り時判定テーブル、および、第2,第3遊技モード状態2R大当り時判定テーブルが記憶されており、遊技状態に応じて選択的に用いられる。
図15は、第1遊技モード状態はずれ時第1判定テーブルおよび第1遊技モード状態はずれ時第2判定テーブルを示す説明図である。図16は、第2遊技モード状態はずれ時判定テーブルおよび第3遊技モード状態はずれ時判定テーブルを示す説明図である。図17は、第4遊技モード状態はずれ時判定テーブルを示す説明図である。図18は、第1遊技モード状態16R大当り時判定テーブル、第2遊技モード状態16R大当り時判定テーブル、第3遊技モード状態16R大当り時判定テーブル、および、第4遊技モード状態16R大当り時判定テーブルを示す説明図である。図19は、第1遊技モード状態7R大当り時判定テーブル、第2遊技モード状態7R大当り時判定テーブル、第3遊技モード状態7R大当り時判定テーブル、および、第4遊技モード状態7R大当り時判定テーブルを示す説明図である。図20は、第1遊技モード状態2R大当り時判定テーブル、第2遊技モード状態2R大当り時判定テーブル、第3遊技モード状態2R大当り時判定テーブル、および、第4遊技モード状態2R大当り時判定テーブルを示す説明図である。
図15〜図20の各判定テーブルは、ROM54に記憶されており、遊技状態に応じて選択され、変動パターン種別および変動パターンを選択決定(判定)するために用いられる。
図15〜図20に示す判定テーブルのそれぞれは、ランダム2と変動パターン種別との関係を示す変動パターン種別判定テーブル部と、各変動パターン種別についてランダム3と各種別に属する変動パターンとの関係を示す変動パターン判定テーブル部とを含む。
図15〜図20の各テーブルでの変動パターンの欄において、変動パターンの欄には、各変動パターンの変動表示が行なわれるときの変動時間が括弧書きで示されている。
「通常変動」は、リーチとならない非リーチの変動パターン(10秒)を示している。
「ノーマルリーチ」は、ノーマルリーチの変動パターンを示している。「第1ノーマルリーチ」(20秒)と「第2ノーマルリーチ」(20秒)とは、変動表示時の背景が異なる。
「スーパーリーチ」は、リーチ状態となったときに特別な背景画像を表示するリーチ演出を行なう変動パターンを示している。「第1スーパーリーチ」(30秒)は、第1の特別な背景画像を用いたリーチ演出を行なうスーパーリーチの変動パターンである。「第2スーパーリーチ」(30秒)は、第2の特別な背景画像を用いたリーチ演出を行なうスーパーリーチの変動パターンである。「第3スーパーリーチ」(30秒)は、第3の特別な背景画像を用いたリーチ演出を行なうスーパーリーチの変動パターンである。「第4スーパーリーチ」40秒)は、第4の特別な背景画像を用いたリーチ演出を行なうスーパーリーチの変動パターンである。「第5スーパーリーチ」(40秒)は、第5の特別な背景画像を用いたリーチ演出を行なうスーパーリーチの変動パターンである。
「通常変動」(10秒)は、「第1ノーマルリーチ」および「第2ノーマルリーチ」のようなノーマルリーチの変動パターン種別、ならびに、「第1スーパーリーチ」〜「第3スーパーリーチ」のようなスーパーリーチの変動パターン種別と比べて、変動時間が短い。また、「第1ノーマルリーチ」および「第2ノーマルリーチ」は、「第1スーパーリーチ」〜「第5スーパーリーチ」と比べて、変動時間が短い。
「第1時短変動」(5秒)は、5秒間等のように「通常変動」よりも短い変動時間で変動表示を行なう時短変動パターンを示している。「第1時短変動」の変動表示は、変動時間が短いため、たとえば演出図柄の変動態様としては、短時間で演出図柄の停止図柄が表示される態様の変動が行なわれ、演出図柄以外の変動態様としては、大当りとなるかどうかを煽るようなリーチ演出(リーチとなる変動パターンで行なわれるようなリーチ演出)は行なわれない。「第2時短変動」(10秒)は、10秒間等のように短い変動時間であるが、「第1時短変動」よりも変動時間が長い変動表示を行なう超時短変動パターンである。
「第1非リーチ特殊」(10秒)および「第2非リーチ特殊」(10秒)は、2R第1大当り用および2R第2大当り用の非リーチ特殊変動パターン種別に含まれる変動パターンであり、「第1ノーマルリーチ」および「第2ノーマルリーチ」と比べて変動時間が短い。また、「第1リーチ特殊」(15秒)、「第2リーチ特殊」(15秒)、「第3リーチ特殊」(15秒)、「第4リーチ特殊」(20秒)、および、「第5リーチ特殊」(20秒)は、2R第1大当り用および2R第2大当りのリーチ変動パターン種別に含まれる変動パターンであり、たとえば、「第1スーパーリーチ」〜「第4スーパーリーチ」と比べて変動時間が短い。「第1非リーチ特殊」、および、「第2非リーチ特殊」のそれぞれは、変動表示中にリーチ図柄の組合せを表示せずに2R大当り図柄の組合せとしてのチャンス目を表示する特殊な変動パターンである。「第1リーチ特殊」、「第2リーチ特殊」、「第3リーチ特殊」、「第4リーチ特殊」、および、「第5リーチ特殊」のそれぞれは、変動表示中に一旦リーチ図柄の組合せを表示した後、図柄が差替えられることにより最終的に2R大当り図柄の組合せとしてのチャンス目を表示する特殊な変動パターンである。「第1リーチ特殊」〜「第5リーチ特殊」のそれぞれは、これら変動パターンごとに異なる特定の背景画像を用いた演出が行なわれる変動パターンである。
また、「第1非リーチ特殊」および「第2非リーチ特殊」は、「第1リーチ特殊」および「第2リーチ特殊」と比べて、変動時間が短い。
なお、2ラウンド大当り用の変動パターンは、2ラウンド大当り以外の大当り種別の変動パターンと共通の変動パターンを用いるようにしてもよい。「第1ノーマルリーチ」と「第2ノーマルリーチ」との演出の相違点、「第1スーパーリーチ」と「第2スーパーリーチ」と「第3スーパーリーチ」との演出の相違点、「第1非リーチ特殊」と「第2非リーチ特殊」との演出の相違点、および、「第1リーチ特殊」と「第2リーチ特殊」と「第3リーチ特殊」と「第4リーチ特殊」と「第5リーチ特殊」との演出の相違点は、それぞれ変動表示時の背景が異なるものであってもよいが、変動表示時の背景が異なるものではなく、たとえば、変動表示時に表示されるキャラクタが異なるもの、または、変動表示時における図柄の変動態様(たとえば、変動方向)が異なるもの等、遊技者が何らかの形で異なる変動表示であることを認識できるものであればよい。また、前述したように、「スーパーリーチ」は、「ノーマルリーチ」と比べて大当りとなるときに選択される割合が高く、大当りとなる信頼度が高い変動パターンである。
「はずれ」は、変動表示の最終的な表示結果が「はずれ」の表示結果となる変動パターンである。「16R大当り」は、変動表示の最終的な表示結果が「16R大当り」の表示結果となる変動パターンである。「7R大当り」は、変動表示の最終的な表示結果が「7R大当り」の表示結果となる変動パターンである。「2R大当り」は、変動表示の最終的な表示結果が「2R第1大当りまたは2R第2大当り」の表示結果となる変動パターンである。
これらの情報に基づいて、たとえば、「第1スーパーリーチ はずれ」という変動パターンは、変動パターンコマンドにより、「はずれ表示結果となる第1スーパーリーチの変動パターン」であることが示される。
図15〜図20のテーブルにおいて、「ランダム2範囲」および「変動パターン種別」という記載がされた欄は、「ランダム2範囲」と「変動パターン種別」との関係を示す変動パターン種別判定テーブルを示す欄である。たとえば、図15(a)を例にとれば、「通常」、「ノーマルリーチ」、「スーパーリーチ」というような複数の変動パターン種別のそれぞれに、ランダム2(1〜251)のすべての値が複数の数値範囲に分けて割振られている。たとえば、所定のタイミングで抽出したランダム2の値が230〜251の数値範囲のいずれかの数値と合致すると、変動パターン種別として「スーパーリーチ」とすることが決定される。また、図17を例にとれば、「時短」というような変動パターン種別に、ランダム2(1〜251)のすべての値が割振られている。また、図20(a)を例にとれば、「非リーチ特殊」、「リーチ特殊」というような複数の変動パターン種別のそれぞれに、ランダム2(1〜251)のすべての値が複数の数値範囲に分けて割振られている。
また、図15〜図20のそれぞれのテーブルにおいて、「ランダム3範囲」および「変動パターン」という記載がされた欄は、「ランダム3範囲」と「変動パターン」との関係を示す変動パターン判定テーブル部を示す欄である。変動パターン種別判定テーブル部の各種別に対応して示されている変動パターンが、各種別に属する変動パターンである。たとえば、図15(a)を例にとれば、「ノーマルリーチ」の種別に属する変動パターンは、「第1ノーマルリーチ はずれ」、「第2ノーマルリーチ はずれ」である。各変動パターン種別に対応する複数の変動パターンのそれぞれに、ランダム3(0〜99)のすべての値が、複数の数値範囲に分けて割振られている。たとえば、「スーパーリーチ」の変動パターン種別とすることが決定されたときに、所定のタイミングで抽出したランダム3の値に応じて、「第1スーパーリーチ はずれ」、「第2スーパーリーチ はずれ」、および、「第3スーパーリーチ はずれ」のうちから変動パターンが選択決定される。
本実施の形態では、第1遊技モード(低確低ベース状態)においては、変動パターンを決定するために、次のように判定テーブルを選択する。変動表示結果がはずれとなるときには、変動表示を開始する特別図柄について、変動パターン決定時の保留記憶数が0または1であれば図15(a)の第1遊技モード状態はずれ時第1判定テーブルを選択し、変動パターン決定時の保留記憶数が2または3であれば保留数短縮制御を行なうために図15(b)の第1遊技モード状態はずれ時第2判定テーブルを選択する。
図15(a),(b)に示すように、第1遊技モード状態ではずれとする決定がされたときに、変動表示を開始する特別図柄に対応する変動パターン決定時の保留記憶数が2または3のときは、当該変動パターン決定時の保留記憶数が0または1のときと比べて、通常変動(非リーチはずれ変動)に決定される割合が高く、リーチ変動(ノーマルリーチ変動およびスーパーリーチ変動を含む)に決定される割合が低いように、図15の第1遊技モード状態はずれ時第1判定テーブルおよび第1遊技モード状態はずれ時第2判定テーブルにデータが設定されている。これにより、第1遊技モード状態のときには、保留記憶数の増加に基づいて、変動表示が短い変動パターンが選択される割合が高くなるので、保留記憶数に応じて変動時間が短縮される保留数短縮制御が行なわれる。
第2遊技モード状態においては、変動パターンを決定するために、次のように判定テーブルを選択する。
第2遊技モード状態において、第1特別図柄および第2特別図柄のそれぞれについて変動表示結果がはずれとなるときには、変動パターン決定時の保留記憶数に関係なく、図16(a)の第2遊技モード状態はずれ時判定テーブルを選択する。
なお、図15(a),(b)に示す非時短状態はずれ時第1,第2判定テーブルについては、「通常変動」の変動パターンに関し、保留数短縮制御が行なわれるときの方が、保留数短縮制御が行なわれないときと比べて、変動時間が短くなるように設定してもよい。
図16(a)の第2遊技モード状態はずれ時判定テーブルでは、第2スーパーリーチ(30秒)と、第3スーパーリーチ(30秒)と含むスーパーリーチの変動パターン種別のみが選択されるようにデータが設定されている。これにより、第2遊技モードにおいて、第1特別図柄および第2特別図柄のそれぞれの変動表示がはずれとなるときには、第2スーパーリーチまたは第3スーパーリーチの変動パターンが選択されることにより、変動時間が、比較的長い30秒という時間に固定されたような態様で変動表示が行なわれる。また、第2スーパーリーチおよび第3スーパーリーチは、第1スーパーリーチと比べて、大当りとなるときに選択される割合が高いので、第2遊技モード状態においては、第1スーパーリーチが選択されず、第2スーパーリーチおよび第3スーパーリーチが選択されることにより、遊技者の大当りへの期待感を高めることができる。
第2遊技モード状態において、第1特別図柄および第2特別図柄のそれぞれについて変動表示結果がはずれとなるときには、変動パターン決定時の保留記憶数に関係なく、図16(a)の第2遊技モード状態はずれ時判定テーブルを選択する。
図16(b)の第3遊技モード状態はずれ時判定テーブルでは、第4スーパーリーチ(40秒)と、第5スーパーリーチ(40秒)と含むスーパーリーチの変動パターン種別のみが選択されるようにデータが設定されている。これにより、第2遊技モードにおいて、第1特別図柄および第2特別図柄のそれぞれの変動表示がはずれとなるときには、第4スーパーリーチまたは第5スーパーリーチの変動パターンが選択されることにより、変動時間が、比較的長い40秒という時間に固定されたような態様で変動表示が行なわれる。また、第4スーパーリーチおよび第5スーパーリーチは、第3遊技モードにおいてのみ選択されるスーパーリーチであるので、第3遊技モード状態においては、第4スーパーリーチおよび第5スーパーリーチが選択されることにより、遊技者の大当りへの期待感を高めることができる。
第3遊技モード状態において、第1特別図柄および第2特別図柄のそれぞれについて変動表示結果がはずれとなるときには、変動パターン決定時の保留記憶数に関係なく、図16(b)の第3遊技モード状態はずれ時判定テーブルを選択する。16(b)の変動パターンは、図16(a)の変動パターンと比べて、変動時間が長く設定されている。これにより、第3遊技モード状態において用いられる変動パターンは、第2遊技モード状態において用いられる変動パターンよりも、変動時間が長い変動パターンが選択される割合が高い。
第4遊技モード状態において、第1特別図柄および第2特別図柄のそれぞれについて変動表示結果がはずれとなるときには、変動パターン決定時の保留記憶数に関係なく、図17の第4遊技モード状態はずれ時判定テーブルを選択する。
図17の第4遊技モード状態はずれ時判定テーブルでは、極めて短い変動時間で変動表示を行なう第1時短変動の変動パターン(5秒間)のみが決定されるように、データが設定されている。これにより、第4遊技モードにおいて、第1特別図柄および第2特別図柄のそれぞれの変動表示がはずれとなるときには、固定的に定められた第1時短変動の変動パターンでのみ変動表示が行なわれる。
このように、第4遊技モードにおいて、第1〜第3遊技モードで選択される変動時間よりも短い変動時間の変動パターンが選択されるので、遊技者にとって最も有利な遊技モードとなると、変動時間の短縮化により単位時間あたりの大当りの発生率を向上させることができるため、より一層遊技の興趣の向上を図ることができる。
図17の第4遊技モード状態はずれ時判定テーブルでは、極めて短い変動時間で変動表示を行なう第1時短変動の変動パターン(5秒間)のみが決定されるように、データが設定されている。これにより、第4遊技モードにおいて、第1特別図柄および第2特別図柄のそれぞれの変動表示がはずれとなるときには、固定的に定められた第1時短変動の変動パターンでのみ変動表示が行なわれる。
図18(a)の第1遊技モード状態16R大当り時判定テーブルは、第1遊技モード状態において16R大当りとすることが決定されたときに用いられる。図18(b)の第2遊技モード状態16R大当り時判定テーブルは、第2遊技モードにおいて16R大当りとすることが決定されたときに用いられる。図18(c)の第3遊技モード状態16R大当り時判定テーブルは、第3遊技モードにおいて16R大当りとすることが決定されたときに用いられる。図18(d)の第4遊技モード状態16R大当り時判定テーブルは、第4遊技モード状態において16R大当りとすることが決定されたときに用いられる。
図19(a)の第1遊技モード状態7R大当り時判定テーブルは、第1遊技モード状態において7R大当りとすることが決定されたときに用いられる。図19(b)の第2遊技モード状態7R大当り時判定テーブルは、第2遊技モードにおいて7R大当りとすることが決定されたときに用いられる。図19(c)の第3遊技モード状態7R大当り時判定テーブルは、第3遊技モードにおいて7R大当りとすることが決定されたときに用いられる。図19(d)の第4遊技モード状態7R大当り時判定テーブルは、第4遊技モード状態において7R大当りとすることが決定されたときに用いられる。
図20(a)の第1遊技モード状態2R大当り時判定テーブルは、第1遊技モード状態において2R第1大当りまたは2R第2大当りとすることが決定されたときに用いられる。図20(b)の第2遊技モード状態2R大当り時判定テーブルは、第2遊技モードにおいて2R第1大当りまたは2R第2大当りとすることが決定されたときに用いられる。図20(c)の第3遊技モード状態2R大当り時判定テーブルは、第3遊技モードにおいて2R第1大当りまたは2R第2大当りとすることが決定されたときに用いられる。図20(d)の第4遊技モード状態7R大当り時判定テーブルは、第4遊技モード状態において2R第1大当りまたは2R第2大当りとすることが決定されたときに用いられる。
図18(a)に示すように、第1遊技モードにおいて、16R大当りとすることが決定されたときには、図15(a),(b)のようなはずれとすることが決定されたときと比べて、スーパーリーチの変動パターン種別が選択される割合が高くなるように設定されている。これにより、第1遊技モードにおいて、16R大当りとなるときには、はずれとなるときと比べて、スーパーリーチの変動パターンが選択される割合が高くなる。
また、図18(a)に示すように、第1遊技モードにおいて、16R大当りとなるときには、図15(a),(b)のようなはずれとすることが決定されたときと比べて、ノーマルリーチの変動パターン種別について、第2ノーマルリーチの変動パターンが選択される割合が高くなるように設定されている。これにより、第1遊技モードにおいて、16R大当りとなるときには、はずれとすることが決定されたときとはずれとなるときと比べて、ノーマルリーチとなるときには、第2ノーマルリーチの変動パターンが選択される割合が高くなる。
また、図18(a)に示すように、第1遊技モードにおいて、16R大当りとなるときには、図15(a),(b)のようなはずれとなるときと比べて、スーパーリーチの変動パターン種別について、第3スーパーリーチの変動パターンが選択される割合が高くなるように設定されている。これにより、第1遊技モードにおいて、16R大当りとなるときには、はずれとなるときと比べて、スーパーリーチとなるときに、第3スーパーリーチの変動パターンが選択される割合が高くなる。
図18(b)に示すように、第2遊技モードにおいて、16R大当りとすることが決定されたときには、図16(a)のようなはずれとすることが決定されたときと比べて、第3スーパーリーチの変動パターンが選択される割合が高くなるように設定されている。これにより、第2遊技モードにおいて、16R大当りとなるときには、はずれとなるときと比べて、第3スーパーリーチの変動パターンが選択される割合が高くなるので、第3スーパーリーチの表示が実行されたときに、遊技者の大当りへの期待感を高めることができる。
図18(c)に示すように、第3遊技モードにおいて、16R大当りとすることが決定されたときには、図16(b)のようなはずれとすることが決定されたときと比べて、第5スーパーリーチの変動パターンが選択される割合が高くなるように設定されている。これにより、第3遊技モードにおいて、16R大当りとなるときには、はずれとなるときと比べて、第5スーパーリーチの変動パターンが選択される割合が高くなるので、第5スーパーリーチの表示が実行されたときに、遊技者の大当りへの期待感を高めることができる。
図18(d)に示すように、第4遊技モードにおいて16R大当りとすることが決定されたときには、図17のようなはずれとすることが決定されたときと比べて、第1時短変動の変動パターン(5秒間)に加え、第2時短変動の変動パターン(10秒間)が選択されるように、データが設定されている。これにより、第4遊技モードにおいて、第1特別図柄および第2特別図柄のそれぞれについて16R大当りとなるときには、変動時間が極めて短い第1時短変動の変動パターンよりも変動時間が長い第2時短変動の変動パターンでの変動表示が選択され得るので、変動表示が5秒間よりも長くなったときに、大当りとなることを把握することができるので、遊技者の期待感を高めることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、図19(a)に示すように、第1遊技モードにおいて、7R大当りとなるときには、図15(a),(b)のようなはずれとなるときと比べて、スーパーリーチの変動パターン種別について、第3スーパーリーチの変動パターンが選択される割合が高くなるように設定されている。これにより、第1遊技モードにおいて、7R大当りとなるときには、はずれとなるときと比べて、スーパーリーチとなるときに、第3スーパーリーチの変動パターンが選択される割合が高くなる。
図19(b)に示すように、第2遊技モードにおいて、7R大当りとすることが決定されたときには、図16(a)のようなはずれとすることが決定されたときと比べて、第3スーパーリーチの変動パターンが選択される割合が高くなるように設定されている。これにより、第2遊技モードにおいて、7R大当りとなるときには、はずれとなるときと比べて、第3スーパーリーチの変動パターンが選択される割合が高くなるので、第3スーパーリーチの表示が実行されたときに、遊技者の大当りへの期待感を高めることができる。
図19(c)に示すように、第3遊技モードにおいて、7R大当りとすることが決定されたときには、図16(b)のようなはずれとすることが決定されたときと比べて、第5スーパーリーチの変動パターンが選択される割合が高くなるように設定されている。これにより、第3遊技モードにおいて、7R大当りとなるときには、はずれとなるときと比べて、第5スーパーリーチの変動パターンが選択される割合が高くなるので、第5スーパーリーチの表示が実行されたときに、遊技者の大当りへの期待感を高めることができる。
図19(d)に示すように、第4遊技モードにおいて7R大当りとすることが決定されたときには、図17のようなはずれとすることが決定されたときと比べて、第1時短変動の変動パターン(5秒間)に加え、第2時短変動の変動パターン(10秒間)が選択されるように、データが設定されている。これにより、第4遊技モードにおいて、第1特別図柄および第2特別図柄のそれぞれについて7R大当りとなるときには、変動時間が極めて短い第1時短変動の変動パターンよりも変動時間が長い第2時短変動の変動パターンでの変動表示が選択され得るので、変動表示が5秒間よりも長くなったときに、大当りとなることを把握することができるので、遊技者の期待感を高めることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
図20(a)〜(c)に示すように、2R第1大当りまたは2R第2大当りとすることが決定されたときには、第2遊技モードまたは第3遊技モードであるときに決定された場合の方が、第1遊技モードで決定された場合よりも、「リーチ特殊」の変動パターン種別が選択される割合が高くなるように、第1遊技モード状態2R大当り時判定テーブル、第2遊技モード状態2R大当り時判定テーブル、および、第3遊技モード状態2R大当り時判定テーブルにデータが設定されている。これにより、第2遊技モードまたは第3遊技モードにおいて2R第1大当りまたは2R第2大当りとなるときには、第1遊技モードにおいて2R第1大当りまたは2R第2大当りとなるときと比べて、「リーチ特殊」の変動パターン種別が選択される割合が高くなるので、リーチ特殊の変動表示が実行されたときに、遊技者の大当りへの期待感を高めることができる。
また、図20(c)に示すように、第3遊技モードであるときには、4リーチ特殊変動パターンおよび第5リーチ特殊変動パターンのみが選択されるので、第3遊技モード状態においては、4リーチ特殊変動パターンおよび第5リーチ特殊変動パターンが選択されることにより、遊技者の大当りへの期待感を高めることができる。
図20(d)に示すように、第4遊技モードにおいて2R第1大当りまたは2R第2大当りとすることが決定されたときには、図17のようなはずれとすることが決定されたときと比べて、第1時短変動の変動パターン(5秒間)に加え、第2時短変動の変動パターン(10秒間)が選択されるように、データが設定されている。これにより、第4遊技モードにおいて、第1特別図柄および第2特別図柄のそれぞれについて2R第1大当りまたは2R第2大当りとなるときには、変動時間が極めて短い第1時短変動の変動パターンよりも変動時間が長い第2時短変動の変動パターンでの変動表示が選択され得るので、変動表示が5秒間よりも長くなったときに、大当りとなることを把握することができるので、遊技者の期待感を高めることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
図21および図22は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(S300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに保留記憶データがあるかどうかを確認する(S51)。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファのどちらにも保留記憶データがない場合には、処理を終了する。
第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに保留記憶データがあるときに(図14参照)は、CPU56は、第2保留記憶バッファの方に保留記憶データがあるか否か確認する(S52)。第2保留記憶バッファに保留記憶データがあれば、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(S54)。一方、第2保留記憶バッファに保留記憶データがなければ、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(S53)。
この実施の形態では、以下、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されたか「第2」を示すデータが設定されたかに応じて、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示とを、共通の処理ルーチンを用いて実行する。特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されたときには、第1保留記憶バッファに記憶された保留記憶データに基づいて、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示が行なわれる。一方、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されたときには、第2保留記憶バッファに記憶された保留記憶データに基づいて、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示が行なわれる。なお、ここでいう「共通の処理ルーチン」とは、ある特定の一連の処理を実現するためのプログラムであり、この実施の形態では、第1特別図柄や第2特別図柄の変動表示を行なう一連の処理を実現するためのプログラムを指している。この実施の形態において、「共通の処理ルーチン」には、後述する特別図柄通常処理におけるS55〜S76の処理、S301の変動パターン設定処理、S302の表示結果特定コマンド送信処理、S303の特別図柄変動中処理およびS304の特別図柄停止処理が含まれる。
S52〜S54の制御により、第2保留記憶バッファ内に第2保留記憶のデータが1つでも存在すれば、その第2保留記憶のデータに基づいた第2特別図柄表示器8bの変動表示が、第1保留記憶のデータに基づいた第1特別図柄表示器8aの変動表示に優先して実行される。
このように、第2特別図柄の変動表示が優先して実行される。これにより、次のような効果を得ることができる。大当り遊技状態の終了後の所定期間中においては、時短制御が行なわれることにより、可変入賞球装置15において、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすくなる。したがって、大当り遊技状態の終了後の所定期間中には、それ以外のときに比べて、第2保留記憶のデータが発生しやすくなる。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファの両方に保留記憶データが記憶されている場合は、第1保留記憶データに基づいた第1特別図柄表示器8aの変動表示よりも第2保留記憶のデータに基づいた第2特別図柄表示器8bの変動表示が優先して実行されるので、大当り遊技状態の終了後の時短状態において発生しやすい保留記憶データを効率的に処理することができるから、第2保留記憶数の上限値による制限により第2保留記憶として記憶できず無効となる始動入賞(始動条件)の発生を低減することができる。これにより、大当り遊技状態の終了後の時短状態における第2特別図柄表示器8bの変動表示の実行効率を向上させることができる。
次いで、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(S55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(S56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第1保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第2保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
また、CPU56は、減算後の特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタの値に基づいて、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S59)。この場合、特別図柄ポインタに「第1」を示す値が設定されている場合には、CPU56は、第1保留記憶数指定コマンドを送信する制御を行なう。また、特別図柄ポインタに「第2」を示す値が設定されている場合には、CPU56は、第2保留記憶数指定コマンドを送信する制御を行なう。
演出制御用マイクロコンピュータ100では、第1保留記憶数指定コマンドを受信したときに第1保留記憶数指定コマンドが指定する第1保留記憶数を記憶する第1保留記憶数記憶領域と、第2保留記憶数指定コマンドを受信したときに、第2保留記憶数指定コマンドが指定する第2保留記憶数を記憶する第2保留記憶数記憶領域とが設けられている。演出制御用マイクロコンピュータ100では、第1保留記憶数指定コマンドを受信するごとに第1保留記憶数記憶領域に記憶された第1保留記憶数のデータを更新することで、最新の第1保留記憶数を認識し、第2保留記憶数指定コマンドを受信するごとに第2保留記憶数記憶領域に記憶された第2保留記憶数のデータを更新することで、最新の第2保留記憶数を認識する。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、S300〜S307の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域からランダムR(大当り判定用乱数)を読出し、大当り判定モジュールを実行する(S60)。なお、この場合、CPU56は、始動口スイッチ通過処理のS214や始動口スイッチ通過処理のS224で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファに予め格納した大当り判定用乱数を読出し、大当り判定を行なう。大当り判定モジュールは、予め決められている大当り判定値(図9参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定の処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態(高確率状態)の場合は、遊技状態が非確変状態(通常遊技状態および時短状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、予め大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM54における図9(A)の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変時大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM54における図9(A)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU56は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行ない、遊技状態が通常遊態や時短状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行なう。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図9(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(S60)、S71に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行なわれる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的に、確変フラグは、16R大当り、7R大当り、または、2R第1大当り、または、2R第2大当りとすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされ、その後、所定回数(4回)の変動表示が行なわれたという条件と、次回の大当りが決定されたという条件とのいずれか早い方の条件が成立したときに、特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングでリセットされる。
S60において大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(S60のN)、後述するS75に進む。一方、S60において大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれか大当り判定値に一致すればCPU56は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする(S71)。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、図9(B)の第1特別図柄大当り種別判定用テーブルおよび図9(C)の第2特別図柄大当り種別判定用テーブルのうち、いずれかのテーブルを選択する(S72)。具体的に、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、図9(B)に示す第1特別図柄大当り種別判定用テーブルを選択する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合において、図9(C)の第2特別図柄大当り種別判定用テーブルを選択する。
次いで、CPU56は、始動口スイッチ通過処理のS214や始動口スイッチ通過処理のS224で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファに予め格納した大当り種別判定用乱数を読出し、S72で選択した大当り種別判定テーブルを用いて、乱数バッファ領域に格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した大当り種別および大当り図柄を決定する(S73)。また、この場合に、図9(C)に示すように、第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、第1別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、16R大当りおよび7R大当りが選択される割合が高い。
図9(C)に示すように、第1特別図柄および第2特別図柄については、大当り種別ごとに大当り図柄が異なるように大当り種別と大当り図柄との関係が設定されており、大当り種別と大当り図柄とが同時に決定されるので、大当り図柄と、大当り種別に応じた遊技制御との対応関係が単純化するため、遊技制御の複雑化を防ぐことができる。
また、CPU56は、決定した大当りの種別を示すデータをRAM55における大当り種別バッファに設定する(S74)。たとえば、大当り種別が「16R大当り」の場合には、大当り種別を示すデータとして「01」が設定される。大当り種別が「7R大当り」の場合には、大当り種別を示すデータとして「02」が設定される。大当り種別が「2R第1大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「03」が設定される。大当り種別が「2R第2大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「04」が設定される。
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を設定する(S75)。具体的には、大当りフラグおよび小当りフラグのどちらもセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄として設定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、S73により決定された大当り図柄を特別図柄の停止図柄に設定する。すなわち、大当り種別が「16R大当り」に決定されたときには「7」を特別図柄の停止図柄に設定する。大当り種別が「7R大当り」に決定した場合には「5」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当り種別が「2R第1大当り」に決定した場合には「1」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当り種別が「2R第2大当り」に決定した場合には「3」を特別図柄の停止図柄に決定する。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(S301)に対応した値に更新する(S76)。
図23は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(S301)を示すフローチャートである。
変動パターン設定処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(S91)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、S74で記憶された大当り種別情報と、第1遊技モード〜第4遊技モードのうちどの遊技モードの状態にあるかを示す遊技モード情報とに応じて、変動パターン種別および変動パターンを決定するために使用するテーブルとして、第1遊技モード状態16R大当り時判定テーブル、第2遊技モード状態16R大当り時判定テーブル、第3遊技モード状態16R大当り時判定テーブル、第4遊技モード状態16R大当り時判定テーブル、第1遊技モード状態7R大当り時判定テーブル、第2遊技モード状態7R大当り時判定テーブル、第3遊技モード状態7R大当り時判定テーブル、第4遊技モード状態7R大当り時判定テーブル、第1遊技モード状態2R大当り時判定テーブル、第2遊技モード状態2R大当り時判定テーブル、第3遊技モード状態2R大当り時判定テーブル、および、第4遊技モード状態2R大当り時判定テーブルのうちいずれかを選択する(S92)。そして、S114に移行する。
ここで、遊技モード情報は、第2遊技モードに移行しているときにセットされる第2遊技モード移行フラグの状態と、第3遊技モードに移行しているときにセットされる第3遊技モード移行フラグ(第3遊技モード移行フラグA,第3遊技モード移行フラグB)の状態と、第4遊技モードに移行しているときにセットされる第4遊技モード移行フラグの状態との状態とに基づいて特定される情報である。遊技モード情報については、第2遊技モード移行フラグがセットされているときには、第2遊技モード状態であることが特定され、第3遊技モード移行フラグAがセットされているときには、第3遊技モードA状態であることが特定され、第3遊技モード移行フラグBがセットされているときには、第3遊技モードB状態であることが特定され、第4遊技モード移行フラグがセットされているときには、第4遊技モード状態であることが特定され、第2〜第4遊技モード移行フラグのいずれもセットされていないときには、第1遊技モードであることが特定される。
S91で大当りフラグがセットされていない場合、CPU56は、第2遊技モード状態であることを示す第2遊技モード移行フラグがセットされているか否かを確認する(S95)。
第2遊技モード移行フラグがセットされているとき(S95のY)、第2遊技モード状態であるので、CPU56は、第2遊技モードに応じた変動パターン種別および変動パターンを決定するために使用するテーブルとして、図16(a)の第2遊技モード状態はずれ時判定テーブルを選択し(S96)、後述するS114に進む。一方、第2遊技モード移行フラグがセットされていないとき(S96のN)、CPU56は、第3遊技モード状態であることを示す第3遊技モード移行フラグAまたは第3遊技モード移行フラグBがセットされているか否かを確認する(S97)。
第3遊技モード移行フラグAまたは第3遊技モード移行フラグBがセットされているとき(S97のY)、第3遊技モード状態(第3遊技モードAまたは第3遊技モードA)であるので、CPU56は、第3遊技モードに応じた変動パターン種別および変動パターンを決定するために使用するテーブルとして、図16(b)の第3遊技モード状態はずれ時判定テーブルを選択し(S98)、後述するS114に進む。一方、第3遊技モード移行フラグAまたは第3遊技モード移行フラグBがセットされていないとき(S96のN)、CPU56は、第4遊技モード状態であることを示す第4遊技モード移行フラグがセットされているか否かを確認する(S99)。
第4遊技モード移行フラグがセットされているとき(S99のY)、第4遊技モード状態であるので、CPU56は、第4遊技モードに応じた変動パターン種別および変動パターンを決定するために使用するテーブルとして、図17の第4遊技モード状態はずれ時判定テーブルを選択し(S100)、後述するS114に進む。一方、第4遊技モード移行フラグがセットされていないとき(S99のN)、消去法に第1遊技モード状態であるので、CPU56は、次のように、第1遊技モードに応じた変動パターン種別および変動パターンを決定するために使用するテーブルを選択する。
まず、変動表示をする特別図柄に対応する保留記憶数(第1特別図柄の変動表示時には第1保留記憶数、第2特別図柄の変動表示時には第2保留記憶数)が2以上であるか否かを確認する(S101)。S101において、変動表示をする特別図柄がどちらであるかの確認は、特別図柄ポインタのデータに基づいて行なう。変動表示をする特別図柄に対応する保留記憶数2未満(すなわち0または1)であるとき(S101のN)、CPU56は、変動パターン種別および変動パターンを決定するために使用するテーブルとして、図15(a)の第1遊技モード状態はずれ時第1判定テーブルを選択し(S102)、S114に進む。一方、変動表示をする特別図柄に対応する保留記憶数2以上(すなわち2または3)であるとき(S101のY)、CPU56は、変動パターン種別および変動パターンを決定するために使用するテーブルとして、図15(b)の第1遊技モード状態はずれ時第2判定テーブルを選択し(S103)、S114に進む。
次いで、S114において、CPU56は、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム2(変動パターン種別判定用乱数)を読出し、S92,S96,S98,S100,S102,S103の処理で選択した判定テーブルにおける変動パターン種別判定テーブル部のデータを参照することによって、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定する(S114)。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム3(変動パターン判定用乱数)を読出し、S92,S96,S98,S100,S102,S103の処理で選択した判定テーブルにおいて、変動パターン判定テーブル部におけるS114で決定した変動パターン種別に関するデータを参照することによって、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定する(S115)。
なお、始動入賞のタイミングでランダム3(変動パターン判定用乱数)を抽出しないように構成する場合には、CPU56は、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出し、抽出した乱数値に基づいて変動パターンを決定するようにしてもよい。
また、始動入賞のタイミングでランダム2(変動パターン種別判定用乱数)を抽出せず、S114で変動パターン種別を決定するときに、ランダム2を生成するための変動パターン種別判定用乱数カウンタから値を直接抽出し、抽出した乱数値に基づいて変動パターン種別を決定するようにしてもよい。
次いで、決定した変動パターンに対応する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S116)。
また、特別図柄の変動を開始する(S117)。たとえば、S32の特別図柄表示制御処理で参照される特別図柄に対応した開始フラグをセットすることにより、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおいて、前述のように変動表示を開始させる。特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されている場合には第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動表示を開始させ、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されている場合には第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動表示を開始させる。なお、S32の特別図柄表示制御処理においては、開始フラグを参照して特別図柄の変動表示を開始するのではなく、特別図柄プロセス処理のプロセスの状態を参照して特別図柄の変動表示を開始するようにしてもよい。また、RAM55に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(S118)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果指定コマンド送信処理(S302)に対応した値に更新する(S119)。
なお、はずれと決定されている場合において、いきなり変動パターン種別を決定するのではなく、まず、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理によってリーチとするか否かを決定するようにしてもよい。そして、リーチとするか否かの判定結果に基づいて、S95〜S103の処理を実行し、変動パターン種別を決定するようにしてもよい。この場合、予め非リーチ用の変動パターン種別判定テーブルと、リーチ用の変動パターン種別判定テーブルとを用意しておき、リーチ判定結果に基づいて、いずれかの変動パターン種別判定テーブルを選択して、変動パターン種別を決定するようにしてもよい。
前述した表示結果指定コマンド送信処理(S302)においては、CPU56が、決定されている大当りの種類、または、はずれに応じて、表示結果1指定〜表示結果5指定コマンドのいずれかの演出制御コマンド(図10参照)を送信する制御を行なう。
図24は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動中処理(S303)を示すフローチャートである。特別図柄変動中処理において、CPU56は、変動時間タイマを1減算し(S125)、変動時間タイマがタイムアウトしたら(S126)、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(S304)に対応した値に更新する(S127)。変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、そのまま処理を終了する。
図25は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(S304)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、S32の特別図柄表示制御処理で参照される終了フラグをセットして特別図柄の変動を終了させ、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに停止図柄を導出表示する制御を行なう(S131)。特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されている場合には第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動を終了させ、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されている場合には第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動を終了させる。なお、S32の特別図柄表示制御処理においては、終了フラグを参照して特別図柄の変動表示を終了するのではなく、特別図柄プロセス処理のプロセスの状態を参照して特別図柄の変動表示を終了するようにしてもよい。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行なう(S132)。そして、大当りフラグがセットされているか否かを確認する(S133)。
大当りフラグがセットされていない場合には、後述するS140に進む。一方、大当りフラグがセットされている場合には、確変フラグ、第1時短フラグ、第2超時短フラグ、および、第3時短フラグのうちセットされているフラグをリセットする(S134)。そして、確変回数カウンタ、時短回数カウンタ、および、制御回数カウンタのうち、データがセットされて使用中のものを「0」にリセットする(S134A)。
ここで、確変回数カウンタは、確変状態における特別図柄の変動可能回数を計数する計数手段であり、確変状態となるときに、図29の終了設定処理において、変動可能回数を示すデータがセットされ、第1,第2特別図柄の変動表示が行なわれるごとに減算更新される。また、時短回数カウンタは、時短状態における特別図柄の変動可能回数を計数する計数手段であり、時短状態となるときに、図29の終了設定処理において、変動可能回数を示すデータがセットされ、第1,第2特別図柄の変動表示が行なわれるごとに減算更新される。また、制御回数カウンタは、第2遊技モード、第3遊技モード、および、第4遊技モードという、少なくとも確変状態または時短状態に制御されている遊技モードにおける特別図柄の変動可能回数(制御回数)を計数する計数手段であり、これら遊技モードのうちいずれかとなるときに、図29の終了設定処理において、変動可能回数を示すデータがセットされ、第1,第2特別図柄の変動表示が行なわれるごとに減算更新される。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ100に大当り開始指定コマンドを送信する制御を行なう(S135)。具体的には、大当りの種別が16R大当りである場合には大当り開始1指定コマンドを送信する。大当りの種別が7R大当りである場合には大当り開始2指定コマンドを送信する。大当りの種別が2R第1大当りである場合には大当り開始3指定コマンドを送信する。大当りの種別が2R第2大当りである場合には大当り開始4指定コマンドを送信する。S135において、大当りの種別がいずれであるかは、RAM55に記憶されている大当り種別を示すデータ(大当り種別バッファに記憶されているデータ)に基づいて判定される。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に通常状態指定コマンドを送信する制御を行なう(S136)。
また、大当り遊技状態における制御時間を管理するための大入賞口制御タイマに、大当りの発生時において演出表示装置9で大当りが発生したことを報知する大当り表示時間に相当する値を設定する(S137)。また、RAM55に記憶されている大当り種別を示すデータにより特定される大当りの種別に応じて、ROM54に記憶されている開放パターンデータ(図11)を参照し、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(たとえば、16R大当りの場合には16回、7R大当りの場合には7回。2R第1大当りまたは2R第2大当りの場合には2回。)をセットする(S138)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(S305)に対応した値に更新し(S139)、処理を終了する。
なお、前述のように第1特定遊技状態(16R大当り、7R大当り)と、第1特定遊技状態よりも不利な第2特定遊技状態(2R第1大当り、2R第2大当り)とで、ラウンド数を同じラウンド数とする場合には、S138においてセットする開放回数のデータとして固定値(たとえば16回)を用いればよいので、大当り遊技状態の開放回数を設定するための処理を簡素化することができる。
次いで、S133で大当りフラグがセットされていないときに、CPU56は、確変状態であることを示す確変フラグがセットされているか否か確認する(S140)。S140で確変フラグがセットされていない場合には、後述するS145に進む。一方、S140で確変フラグがセットされている場合には、確変状態における特別図柄の変動可能回数を計数する確変回数カウンタの値を−1する(S141)。確変回数カウンタは、確変状態となるときに、大当り終了処理の終了設定処理(S157)において所定回数(4回)を示す値にセットされ、変動表示が1回行なわれるごとに、特別図柄停止処理において、1ずつ減算更新される。
次いで、CPU56は、確変回数カウンタの値が0になったか否か確認する(S142)。確変回数カウンタの値が0になっていないときには、後述するS145に進む。一方、確変回数カウンタの値が0になっているときには、確変状態となってから所定回数(4回)の変動表示が実行されたときであるので、確変状態を終了させるために、確変フラグをリセットする(S143)。これにより、確変状態であったときは、4回の変動表示が行なわれた時点で確変状態が終了する。そして、確変状態が終了したことに応じて、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して確変終了指定コマンドを送信する制御を行なう(S144)。このように、S140〜S144により確変状態が継続する特別図柄の変動表示回数を管理する。
次に、高ベースフラグがセットされているか否かを確認する(S145)。高ベースフラグがセットされていないときは、後述するS149Aに進む。一方、高ベースフラグがセットされているときは、高ベース状態における特別図柄の変動可能回数を計数する高ベース回数カウンタの値を−1する(S146)。高ベース回数カウンタは、高ベース状態となるときに、大当り終了処理の終了設定処理(S157)において遊技モードに応じて予め定められた回数(4回、16回、または、54回)を示す値にセットされ、変動表示が1回行なわれるごとに、特別図柄停止処理において、1ずつ減算更新される。
なお、S145において、高ベースフラグがセットされているか否かを判断せずに、高ベース回数カウンタの値が0であるか否かを確認することに基づいて、時短状態であるか否かを判断するようにしてもよい。つまり、時短状態となるときには、後述する大当り終了処理において高ベース回数カウンタが予め定められた値にセットされるので、高ベース回数カウンタの値が0であるか否かに基づいて、高ベース状態であるか否かが判断できる(高ベース回数カウンタの値が0でないときには高ベース状態であり、高ベース回数カウンタの値が0であるときには時短状態ではない)のである。これにより、高ベース状態であるか否かを、高ベースフラグの状態を確認する処理をすることなく判断することができるので、特別図柄停止処理における処理内容を簡略化することができる。
次いで、CPU56は、高ベース回数カウンタの値が0になったか否か確認する(S147)。高ベース回数カウンタの値が0になっていないときには、後述するS149Aに進む。一方、高ベース回数カウンタの値が0になっているときには、高ベースフラグをリセットする(S148A)。これにより、高ベース状態であったときは、遊技モードに応じて設定された回数の変動表示が行なわれた時点で確変状態が終了する。そして、高ベース状態が終了したことに応じて、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して高ベース終了指定コマンドを送信する制御を行なう(S148B)。このように、S145〜S148Bにより高ベース状態が継続する特別図柄の変動表示回数を管理する。
次に、時短フラグがセットされているか否かを確認する(S148C)。時短フラグがセットされていないときは、後述するS149Aに進む。一方、時短フラグがセットされているときは、第4遊技モードのように高ベース状態とともに時短状態となっている場合であり、時短フラグをリセットする(S148D)。これにより、高ベース状態とともに時短状態であったときは、遊技モードに応じて設定された回数の変動表示が行なわれた時点で高ベース状態が終了する。そして、時短状態が終了したことに応じて、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して時短終了指定コマンドを送信する制御を行なう(S148E)、S149Aに進む。このように、S148C〜S148Eにより時短状態の終了管理がされる。
次に、第2遊技モード、第3遊技モードA,B、第4遊技モード、または、第4遊技モードのいずれかに移行した状態であることにより、制御回数カウンタが計数中であるか否かを確認する(S149A)。S149Aでは、第2遊技モード移行フラグ、第3遊技モード移行フラグA、第3遊技モード移行フラグB、または、第4遊技モード移行フラグがセットされているときに、制御回数カウンタが計数中であると判断する。なお、制御回数カウンタの値が「1」以上であるときに制御回数カウンタが計数中であると判断するようにしてもよい。
S149Aで制御回数カウンタが計数中でないときには、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(S300)に対応した値に更新し(S149F)、処理を終了する。一方、S149Aで制御回数カウンタが計数中であるときには、制御回数カウンタの値を−1する(S149B)。制御回数カウンタは、第2遊技モード、第3遊技モードA,B、または、第4遊技モードとなるときに、大当り終了処理の終了設定処理(S157)において遊技モード別に予め定められた(4回、6回、または、54回)を示す値にセットされ、変動表示が1回行なわれるごとに、特別図柄停止処理において、1ずつ減算更新される。
次いで、CPU56は、制御回数カウンタの値が0になったか否か確認する(S149C)。制御回数カウンタの値が0になっていないときには、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(S300)に対応した値に更新し(S149F)、処理を終了する。一方、制御回数カウンタの値が0になっているときには、第2遊技モード移行フラグ、第3遊技モード移行フラグA、第3遊技モード移行フラグB、および、第4遊技モード移行フラグのうち、セットされている移行フラグをリセットし(S149D)、遊技モード移行終了指定コマンドを送信する(S149E)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(S300)に対応した値に更新し(S149F)、処理を終了する。
このように、第2遊技モード、第3遊技モードA,B、第4遊技モード、または、第4遊技モードのような遊技者にとって有利な遊技モードに移行した状態であるときは、遊技モード別に定められた制御回数(4回、6回、または、54回)の変動表示(はずれとなる変動表示)が行なわれた時点で、移行した遊技モードが終了する。このように、S149A〜S149Eにより、第2遊技モード、第3遊技モードA,B、第4遊技モード、および、第4遊技モードが継続する特別図柄の変動表示回数が管理される。
図26は、特別図柄プロセス処理における大入賞口開放前処理(S305)を示すフローチャートである。大入賞口開放前処理において、CPU56は、大入賞口制御タイマの値を−1する(S401)。そして、大入賞口制御タイマの値が0であるか否かを確認し(S402)、大入賞口制御タイマの値が0になっていなければ、処理を終了する。これにより、大当り遊技状態の開始時においては、大入賞口制御タイマの値が0になるまで、前述したように設定された大当り表示時間となるので、大当りが発生したことを報知する制御が行なわれる。また、大当り遊技状態中のラウンド間においては、大入賞口制御タイマの値が0になるまで、後述するS440により設定されたインターバル時間となるので、インターバル時間について予め定められた演出をする制御が行なわれる。
大入賞口制御タイマの値が0になっている場合には、CPU56は、大入賞口の開放中(ラウンド中)におけるラウンド数に応じた表示状態を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A1XX(H))を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S403)。CPU56は、ラウンド数を、大当り遊技中のラウンド数をカウントするための開放回数カウンタの値を確認することにより認識する。そして、CPU56は、ソレノイド21を駆動して大入賞口(特別可変入賞球装置20)を開放する制御を行なうとともに(S404)、開放回数カウンタの値を−1する(S405)。
また、大入賞口制御タイマに、各ラウンドにおいて大入賞口が開放可能な最大時間に応じた値として、大当りの種別に応じた開放パターンデータに基づく、当該ラウンドの開放時間に相当する値を設定する(S406)。ラウンドの開放時間は、RAM55に記憶されている大当り種別を示すデータにより特定される大当りの種別に応じて、ROM54に記憶されている開放パターンデータ(図11)を参照して設定する。たとえば、16R大当りおよび7R大当りの場合には開放時間が29秒に設定され、2R第1大当りおよび2R第2大当りの場合には開放時間が0.5秒に設定される。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放中処理(S306)に応じた値に更新する(S407)。
図27は、特別図柄プロセス処理における大入賞口開放中処理(S306)を示すフローチャートである。大入賞口開放中処理において、CPU56は、大入賞口制御タイマの値を−1する(S420)。
そして、CPU56は、大入賞口制御タイマの値が0になったか否か確認する(S421)。大入賞口制御タイマの値が0になっていないときは、カウントスイッチ23がオンしたか否か確認し(S432)、カウントスイッチ23がオンしていなければ、処理を終了する。カウントスイッチ23がオンした場合には、大入賞口への遊技球の入賞個数をカウントするための入賞個数カウンタの値を+1する(S433)。そして、CPU56は、入賞個数カウンタの値が所定数(たとえば10)になっているか否か確認する(S434)。入賞個数カウンタの値が所定数になっていなければ、処理を終了する。なお、S421とS432との判定順は逆でもよい。
大入賞口制御タイマの値が0になっているとき、または入賞個数カウンタの値が所定数になっているときには、CPU56は、ソレノイド21を駆動して大入賞口を閉鎖する制御を行なう(S435)。そして、入賞個数カウンタの値をクリアする(0にする)(S436)。
次いで、CPU56は、開放回数カウンタの値を確認する(S438)。開放回数カウンタの値が0でない場合には、CPU56は、大入賞口の開放後(ラウンドの終了後)におけるラウンド数に応じた表示状態を指定する大入賞口開放後指定コマンド(A2XX(H))を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S439)。そして、大入賞口制御タイマに、ラウンドが終了してから次のラウンドが開始するまでのインターバル時間に相当する値を設定する(S440)。具体的に、具体的に、大当り種別は、RAM55における大当り種別バッファに設定した大当り種別を示すデータに基づいて確認する。また、インターバル時間は、RAM55に記憶されている大当り種別を示すデータにより特定される大当りの種別に応じて、ROM54に記憶されている開放パターンデータ(図11)を参照して設定する。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(S305)に応じた値に更新する(S441)。
また、開放回数カウンタの値が0である場合に、CPU56は、大当り種別に応じた大当り終了コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するための制御を行なう(S442)。具体的に、RAM55における大当り種別バッファに設定した大当り種別を示すデータに基づいて、大当り種別を確認する。そして、CPU56は、大入賞口制御タイマに大当り終了時間(大当り遊技が終了したことをたとえば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定し(S443)、特別図柄プロセスフラグの値を大当り終了処理(S307)に応じた値に更新し(S444)、処理を終了する。
図28は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(S307)を示すフローチャートである。図29は、大当り終了処理において実行される終了設定処理を示すフローチャートである。
図28を参照して、大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了表示タイマが設定されて動作中であるか否か確認し(S151)、大当り終了表示タイマが動作中である場合には、S154に移行する。大当り終了表示タイマが動作中でない場合には、終了する大当りの種別に応じた大当り終了指定コマンドを送信する制御を行なう(S152)。具体的に、大当り種別は、RAM55における大当り種別バッファに設定した大当り種別を示すデータに基づいて確認する。そして、大当り種別が16R大当りであった場合には、大当り終了1指定コマンドを送信する。大当り種別が7R大当りであった場合には、大当り終了2指定コマンドを送信する。大当り種別が2R第1大当りであった場合には、大当り終了3指定コマンドを送信する。大当り種別が2R第2大当りであった場合には、大当り終了4指定コマンドを送信する。
そして、大当り終了表示タイマに、演出表示装置9において大当り終了表示が行なわれている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(S153)、処理を終了する。
S154では、大当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU56は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(S155)。経過していなければ処理を終了する。一方、経過していれば、大当りフラグをリセットし(S156)、終了設定処理を実行する(S157)。
次に、図29を参照して終了設定処理を説明する。終了設定処理において、CPU56は、大当り種別バッファのデータに基づいて、終了する大当りの種別が2R第2大当りであるか否かを確認する(S171)。終了する大当りの種別が2R第2大当りではないときには、第2遊技モード移行フラグ、第3遊技モード移行フラグA、第3遊技モード移行フラグB、および、第4遊技モード移行フラグのうち、いずれかのモード移行フラグがセットされているか否かを判定する(S172)。
S172でいずれのモード移行フラグもセットされていないときには、第1遊技モード状態であり、16R大当り、7R大当り、または、2R第1大当りの発生に応じて遊技モードを第2遊技モードに移行するために、S173に進む。S173では、確変フラグをセットし(S173)、確変回数カウンタの値を4回にセットするともに(S174)、制御回数カウンタの値を4回にセットする(S175)。そして、第2遊技モード移行フラグをセットし(S176)、処理を終了する。
これにより、図2(B)および図3に示すように、第1遊技モードにおいて、16R大当り、7R大当り、または、2R第1大当りが発生したときに、大当り遊技状態の終了後において、遊技モードを第1遊技モードから第2遊技モードへ移行させる制御が行なわれ、変動表示が4回実行される間に、高確低ベース状態に制御され、その間に大当りが発生しないときに、4回の変動表示が終了したことに応じて、第2遊技モードが終了するように制御される。
S172で第2遊技モード移行フラグがセットされていないときには、第2遊技モード移行フラグがセットされているか否かを判定する(S177)。S177で第2遊技モード移行フラグがセットされているときには、第2遊技モード状態であり、大当りの発生に応じて遊技モードを第3遊技モード(第3遊技モードAまたは第3遊技モードB)に移行するために、S178に進む。S178では、第2遊技モード移行フラグをリセットする。そして、確変フラグをセットし(S179)、確変回数カウンタの値を4回にセットする(S180)。また、高ベースフラグをセットする(S181)。
次に、大当り種別バッファのデータに基づいて、終了する大当りの種別が2R第1大当りであるか否かを確認する(S182)。S182で2R第1大当りでないとき、すなわち、16R大当りまたは7R大当りであるときは、第3遊技モードAに移行するために、高ベース回数カウンタの値を4回にセットするともに(S183)、制御回数カウンタの値を4回にセットし(S184)、第3遊技モード移行フラグAをセットして(S184A)、処理を終了する。これにより、大当り遊技状態の終了後に第3遊技モードAとなったときには、変動表示が4回実行される間に、高確高ベース状態に制御され、その間に大当りが発生しないときに、このような4回の変動表示が終了したことに応じて、第3遊技モードAが終了するように制御される。
一方、S182で2R第1大当りであるときは、第3遊技モードBに移行するために、高ベース回数カウンタの値を6回にセットするともに(S185)、制御回数カウンタの値を6回にセットし(S186)、第3遊技モード移行フラグBをセットして(S186A)、処理を終了する。これにより、大当り遊技状態の終了後に第3遊技モードBとなったときには、変動表示が4回実行される間に、高確高ベース状態に制御され、その間に大当りが発生しないときに、さらに変動表示が2回実行される間において低確高ベース状態に制御され、その間に大当りが発生しないときに、このような合計6回の変動表示が終了したことに応じて、第3遊技モードBが終了するように制御される。
これにより、図2(B)および図3に示すように、第2遊技モードにおいて、16R大当り、7R大当り、または、2R第1大当りが発生したときに、大当り遊技状態の終了後において、遊技モードを、第3遊技モードAまたは第3遊技モードBとなる第3遊技モードに移行させる制御が行なわれる。より具体的には、第2遊技モードで16R大当りまたは7R大当りが発生すると、第3遊技モードAに制御され、第2遊技モードで2R第1大当りが発生すると、第3遊技モードBに制御される。
S177で第2遊技モード移行フラグがセットされていないときには、第3遊技モード移行フラグAまたは第3遊技モード移行フラグBがセットされているか否かを判定する(S196)。S196で第3遊技モード移行フラグAまたは第3遊技モード移行フラグBがセットされているときには、第3遊技モードA状態または第3遊技モードB状態であり、16R大当りまたは7R大当りの発生に応じて遊技モードを第4遊技モードに移行するか、第3遊技モードAまたは第3遊技モードBを繰返すために、S198に進む。
S198では、大当り種別バッファのデータに基づいて、終了する大当りの種別が7R大当りであるか否かを確認する(S198)。終了する大当りの種別が16R大当りまたは7R大当りではないときには、第3遊技モードAまたは第3遊技モードBを繰返すために、前述したS206に進み、再度第3遊技モードAまたは第3遊技モードBとするために、S206以降の処理を行なう。
S206では、確変フラグをセットし(S206)、確変回数カウンタの値を4回にセットする(S207)。また、高ベースフラグをセットする(S208)。そして、第3遊技モード移行フラグのうち、第3遊技モード移行フラグAがセットされているか否かを確認する(S209)。
S209で第3遊技モード移行フラグAがセットされているときには、第3遊技モード移行フラグAをリセットして(S210)、前述したS183に進み、S183,S184,S184Aを実行することにより、再度第3遊技モードAに移行するための処理が行なわれる。これにより、図2(B)および図3に示すように、第3遊技モードAにおいて、2R第1大当りが発生したときに、大当り遊技状態の終了後において、遊技モードが再度第3遊技モードAに移行する(第3遊技モードAを継続)。
一方、S209で第3遊技モード移行フラグBがセットされているときには、第3遊技モード移行フラグBをリセットして(S211)、前述したS185に進み、S185,S186,S186Aを実行することにより、再度第3遊技モードBに移行するための処理が行なわれる。これにより、図2(B)および図3に示すように、第3遊技モードBにおいて、2R第1大当りが発生したときに、大当り遊技状態の終了後において、遊技モードが再度第3遊技モードBに移行する(第3遊技モードBを継続)。
また、S198で、終了する大当りの種別が16R大当りまたは7R大当りであるときには、第4遊技モードに移行するために、S199に進み、確変フラグをセットし(S199)、確変回数カウンタの値を4回にセットする(S200)。また、高ベースフラグおよび時短フラグをセットする(S201)。
次に、時短回数カウンタの値を54回にセットするともに(S202)、制御回数カウンタの値を54回にセットし(S203)、第4遊技モード移行フラグをセットして(S204)、処理を終了する。これにより、大当り遊技状態の終了後に第4遊技モードとなったときには、変動表示が4回実行される間に、高確高ベース状態に制御され、その間に大当りが発生しないときに、さらに変動表示が50回実行される間において低確高ベース状態に制御され、その間に大当りが発生しないときに、このような合計54回の変動表示が終了したことに応じて、第4遊技モードが終了するように制御される。
これにより、図2(B)および図3に示すように、第3遊技モードにおいて、16R大当りまたは7R大当りが発生したときに、大当り遊技状態の終了後において、遊技モードを、第4遊技モードに移行させる制御が行なわれる。
また、前述のS196で第3遊技モード移行フラグAまたは第3遊技モード移行フラグBがセットされていないときは、消去法的に第4遊技モード移行フラグがセットされているときであり、大当りの発生に応じて遊技モードを、第4遊技モードとして繰返すために、S205に進む。S205では、第4遊技モード移行フラグをリセットする。そして、前述のS199に進み、再度第4遊技モードとするために、前述のような処理を行なう。
これにより、図2(B)および図3に示すように、第4遊技モードにおいて、16R大当り、7R大当り、または、2R第1大当りが発生したときに、大当り遊技状態の終了後において、遊技モードを、第4遊技モードで繰返す制御が行なわれる。
また、前述のS171で終了する大当りの種別が2R第2大当りではあるときには、遊技モードが第1遊技モード、第2遊技モード、第3遊技モード、および、第4遊技モードのいずれのモードであっても、大当り遊技状態の終了後に第4遊技モードに制御するために、前述のS199に進み、第4遊技モードとするための前述のような処理を行なう。
これにより、図2(B)および図3に示すように、第1遊技モード、第2遊技モード、第3遊技モード、第4遊技モード移行フラグ、第4遊技モードのうちいずれのモードでも、2R第2大当りが発生したときに、大当り遊技状態の終了後において、遊技モードを、第4遊技モードとする制御が行なわれる。このような制御が行なわれると、第4遊技モードの1段階前の第3遊技モードでない遊技モードである第1遊技モード、および、第2遊技モードであっても、2R第2大当りが発生すると、通常の移行段階(第1遊技モード→第2遊技モード→第3遊技モード→第4遊技モードというような移行的段階)を経ずに、遊技者に最も有利な第4遊技モードに直接的に移行するように制御される。したがって、2R第2大当りは、遊技者にとって特別な価値が付与される大当りとして実行されることとなり、遊技の興趣を向上させることができる。
次に、図28を参照して、終了設定処理(S157)の後のS158以降の処理を説明する。本実施の形態では、大当り遊技状態の終了後は、必ず確変状態となるので、終了設定処理の終了後、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して確変状態指定コマンドを送信する制御を行なう(S158)。
次に、高ベースフラグがセットされているか否かを判定する(S159)。S159で、高ベースフラグがセットされているときには、高ベース状態指定コマンドを送信し(S160)、S161に進む。これにより、高ベース状態であることが演出制御用マイクロコンピュータ100に示される。
S159で、高ベース状態フラグがセットされていないときには、高ベース状態指定コマンドを送信せず、S161に進む。S161では、時短状態フラグがセットされているか否かを判定する(S161)。S161で、時短状態フラグがセットされているときには、時短状態指定コマンドを送信し(S162)、S163に進む。これにより、時短状態であることが演出制御用マイクロコンピュータ100に示される。S161で、時短状態フラグがセットされていないときには、時短状態指定コマンドを送信せず、S163に進む。
S163では、終了設定処理(S157)においてセットされたモード移行フラグに応じた遊技モードの状態を指定する遊技モード移行状態指定コマンドを送信する(S163)。具体的に、第2遊技モード移行フラグがセットされているときには、第2遊技モード移行状態指定コマンドを送信する。第3遊技モード移行フラグAまたは第3遊技モード移行フラグBがセットされているときには、第3遊技モード移行状態指定コマンドを送信する。第4遊技モード移行フラグがセットされているときには、第4遊技モード移行状態指定コマンドを送信する。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(S300)に対応した値に更新し(S164)、処理を終了する。
次に、普通図柄の表示結果を決定するために用いる普通図柄表示結果決定テーブルについて説明する。図30は、普通図柄表示結果決定テーブルを示す説明図である。普通図柄表示結果決定テーブルは、ROM54に記憶されている。
普通図柄表示結果決定テーブルにおいては、普通図柄当り判定用のランダム4(1〜201)の値(決定値)と、普通図柄の表示結果と、普通図柄の変動時間と、可変入賞球装置15(第2始動入賞口14)の開放時間および開放回数との関係が、通常遊技状態(電チューサポート制御がされていない低ベースの遊技状態)と、電チューサポート制御状態(高ベースの遊技状態)とに分けて示されている。
通常遊技状態のときにおいて、決定値が1〜20のいずれかとなったときには、普通図柄の表示結果を当りとし、変動時間が10秒間に設定されるとともに、開放時間が0.3秒間で1回開放することに設定される。一方、通常遊技状態のときにおいて、決定値が21〜201のいずれかとなったときには、普通図柄の表示結果をはずれとし、変動時間が10秒間に設定される。
また、電チューサポート制御状態のときにおいて、決定値が1〜180のいずれかとなったときには、普通図柄の表示結果を当りとし、変動時間が1秒間に設定されるとともに、開放時間が1.5秒間で3回開放することに設定される。一方、電チューサポート制御状態のときにおいて、決定値が181〜201のいずれかとなったときには、普通図柄の表示結果をはずれとし、変動時間が1秒間に設定される。
このように、普通図柄の制御に関し、電チューサポート制御状態のときには、通常遊技状態と比べて、決定値が当りとなる割合が高くなるように設定され、変動時間が短くなるように設定され、さらに、開放時間および開放回数が増加するように設定される。
図31は、図7のS27において実行される普通図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。この普通図柄プロセス処理において、CPU56は、まず、ゲート32に設けられたゲートスイッチ32aからの検出信号がオン状態であるか否かをチェックすることにより、ゲート32を通過した遊技球が検出されたか否かの判定を行なう(S501)。S501では、遊技球がゲート32を通過してゲートスイッチ32aからの検出信号が所定期間オン状態となった場合に、遊技球のゲート通過(通過球)の検出があったものと判断して、ゲート通過時処理を実行する(S502)。
S502において実行されるゲート通過時処理の一例として、以下のような処理が実行される。まず、RAM55の所定領域に設けられた普図保留記憶部に記憶されている普図保留記憶データの個数である普図保留記憶数が、所定の上限値(たとえば「4」)となっているか否かを判定する。普図保留記憶部は、ゲートスイッチ32aにより遊技球のゲート通過が検出されたときに抽出した普通図柄の表示結果決定用のランダム4の数値データを普図保留記憶データとして、最大限4つ保留記憶するデータ記憶領域を有する。この普図保留記憶部は、前述した第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファと同様に、普図保留記憶データを格納された順番を特定可能な状態で保存していき、順番にしたがって変動表示に使用された普図保留記憶データを消去し、残りの普図保留記憶データについてデータ記憶領域を1つずつシフトしていく構成となっている。
S502において、普図保留記憶数が上限値未満であるときには、CPU56が、ランダム4を示す数値データを抽出する。そして、抽出したランダム4の数値データを普図保留記憶データとして、普図保留記憶部でデータが記憶されずに空いているデータ記憶領域のうち先頭順番の領域にセットする。一方、普図保留記憶部において、普図保留記憶数が上限値となっていれば、今回の遊技球の検出は無効として、ランダム4の数値データの新たな抽出および記憶は行なわない。
ゲート通過時処理を実行した後、および、S501でゲートスイッチ32aからの検出信号がオフ状態であると判定された後には、普通図柄プロセスフラグの値に応じて、以下のようなS510〜S514の各処理を実行する。
S510の普通図柄通常処理は、普通図柄プロセスフラグの値が「0」のときに実行される。この普通図柄通常処理では、普図保留記憶部に格納された普図保留記憶データの有無等に基づいて、普通図柄表示器10による普通図柄の変動表示を開始するか否かの判定が行なわれる。このとき、たとえば普図保留記憶部に格納された普図保留記憶データがある場合には、普通図柄プロセスフラグの値を「1」に更新する。
S511の普通図柄判定処理は、普通図柄プロセスフラグの値が「1」のときに実行される。この普通図柄判定処理では、高ベースフラグがセットされているか否かに基づいて、電チューサポート制御状態であるか否かを認識し、普図保留記憶部の先頭順番に格納された普図保留記憶データ(普通図柄の表示結果決定用のランダム4を示す数値データ)に基づき、図30に示す普通図柄表示結果決定テーブルを参照して、普通図柄の変動表示における表示結果を、「当り」とするか「はずれ」とするかの決定等が行なわれる。
前述したように、普通図柄表示結果決定テーブルでは、第1時短状態および超時短状態を含む時短状態に対応した電チューサポート制御状態である場合に、非電チューサポート制御状態である通常遊技状態である場合よりも普通図柄の表示結果を「当り」とする決定がなされる割合が高くなるように、ランダム4と比較される決定値が割振られている。これにより、電チューサポート制御状態では、S511の普通図柄判定処理において、通常遊技状態と比べて普通図柄の表示結果が「当り」と判定されやすくなることで、可変入賞球装置15が形成する第2始動入賞口14が開放状態となりやすく、遊技球が第2始動入賞口14に進入(始動入賞)しやすくなる。
また、普通図柄判定処理では、普通図柄表示結果決定テーブルを用いて、普通図柄の変動時間も決定される。前述したように、普通図柄表示結果決定テーブルでは、第1時短状態および超時短状態を含む時短状態に対応した電チューサポート制御状態である場合に、非電チューサポート制御状態である通常遊技状態である場合よりも普通図柄の変動時間が短くなるように設定されている。これにより、電チューサポート制御状態では、S511の普通図柄判定処理において、高ベースフラグがセットされているときに電チューサポート制御状態であると認識し、通常遊技状態と比べて普通図柄の変動時間が短くなるように変動時間が決定される。電チューサポート制御状態では、普通図柄の変動表示結果が導出表示される間隔が短くなることで、「当り」の変動表示結果が導出表示される間隔も短くなり、可変入賞球装置15が形成する第2始動入賞口14が開放状態となりやすく、遊技球が第2始動入賞口14に進入(始動入賞)しやすくなる。
さらに、普通図柄判定処理では、普通図柄表示結果決定テーブルを用いて、可変入賞球装置15(第2始動入賞口14)の開放時間および開放回数も決定される。前述したように、普通図柄表示結果決定テーブルでは、高ベースフラグがセットされているときに電チューサポート制御状態であると認識し、電チューサポート制御状態である場合に、非電チューサポート制御状態である通常遊技状態である場合よりも、可変入賞球装置15(第2始動入賞口14)の開放時間が長くなり、かつ、開放回数が多くなるように設定されている。したがって、電チューサポート制御状態である場合に、非電チューサポート制御状態である通常遊技状態である場合よりも、可変入賞球装置15(第2始動入賞口14)の開放時間が長くなり、かつ、開放回数が多くなるような制御が行なわれる。これにより、電チューサポート制御状態では、開放時間が長くなり、かつ、開放回数が多くなることで、可変入賞球装置15(第2始動入賞口14)が開放状態となる時間および回数が増加し、遊技球が第2始動入賞口14に進入(始動入賞)しやすくなる。
普通図柄判定処理では、前述のような各種判定がされた後、普通図柄プロセスフラグの値を「2」に更新する。
S512の普通図柄変動処理は、普通図柄プロセスフラグの値が「2」のときに実行される。この普通図柄変動処理では、普通図柄表示器10による普通図柄の変動表示において普通図柄を変動させるための設定が行なわれる。こうした設定に基づいて変動表示する普通図柄は、S513の普通図柄停止処理が実行されることにより、その変動表示が停止して普通図柄の表示結果となる普通図柄の表示結果が表示される。普通図柄変動処理では、普通図柄が変動表示を開始してからの経過時間が計測される。このときには、計測された経過時間が、普通図柄判定処理で決定された変動時間に達したか否かの判定が行なわれる。そして、決定された変動時間に達したときには、普通図柄プロセスフラグの値を「3」に更新する。
S513の普通図柄停止処理は、普通図柄プロセスフラグの値が「3」のときに実行される。この普通図柄停止処理では、普通図柄表示器10において普通図柄の変動表示を停止して表示結果を導出表示させるための設定が行なわれる。なお、普通図柄の表示結果を導出表示させるための設定は、S512の普通図柄変動処理において、計測された経過時間が決定された変動時間に達したときに、普通図柄プロセスフラグの値を「3」に更新する以前に行なわれるようにしてもよい。また、普通図柄停止処理では、普通図柄判定処理で決定された普通図柄の表示結果が「当り」である場合に、普通図柄判定処理で決定された開放時間および開放回数で可変入賞球装置15を開閉するようにソレノイド16を駆動する作動パターンの設定を行なってから、普通図柄プロセスフラグの値が「4」に更新される。一方、普通図柄判定処理で決定された普通図柄の表示結果が「はずれ」である場合には、普通図柄プロセスフラグをクリアして、その値を「0」に更新する。
S514の普通電動役物作動処理は、普通図柄プロセスフラグの値が「4」のときに実行される。この普通電動役物作動処理では、普通図柄の変動表示における表示結果が「当り」となったことに対応して、可変入賞球装置15において可動片を開放状態に動作させることにより、第2始動入賞口14を閉状態から開状態に変化させる制御が行なわれる。たとえば、普通電動役物作動処理では、S513の普通図柄停止処理においてセットされた作動パターンの設定に応じて、ソレノイド16を駆動するための駆動制御信号を生成することにより、可変入賞球装置15を、普通図柄判定処理で決定された開放時間および開放回数で開状態とする制御を行なう。これにより、図30に示すような遊技状態および表示結果に応じた動作パターンで可変入賞球装置15が開閉動作させられることとなる。そして、作動パターンの設定に応じたソレノイド16の駆動が終了すると、普通図柄プロセスフラグをクリアして、その値を「0」に更新する。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ100で実行される制御を説明する。図32は、演出制御用マイクロコンピュータ100が用いる乱数を示す説明図である。
図32には、一例として、演出図柄の左停止図柄決定用のSR1−1、演出図柄の中停止図柄決定用のSR1−2、演出図柄の右停止図柄決定用のSR1−3、昇格演出パターン決定用のSR2、先読演出実行判定用のSR3、先読演出実行タイミング決定用のSR4、放出演出実行タイミング決定用のSR5、および、大当り確定報知演出実行判定用のSR6が示されている。
SR1−1,SR1−2,SR1−3は、演出図柄の左,中,右の停止図柄(仮停止図柄を除く最終的な停止図柄)をランダムに決定するために用いられる。SR2は、大当り遊技状態において、大当りのラウンド数が「7」となるか「16」となるかを報知する演出としての昇格演出の演出パターンを決定するために用いられる。
SR3は、大当り遊技状態において、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファに、表示結果が「大当り」で、大当り種別が「16R大当り」または「7R大当り」となる保留記憶データが記憶されていることを報知する演出としての先読演出を実行するか否かを判定するために用いられる。このような先読演出が行なわれることにより、遊技者の大当りへの期待感を高めて遊技の興趣を向上させることができる。
SR4は、先読演出を実行するタイミングを決定するために用いられる。SR5は、大当り遊技状態で先読演出が実行された後の特別図柄の変動表示において、当該先読演出の実行対象となった保留記憶データに対応した変動表示が実行されるときに当該変動表示の表示結果が「大当り」となることを報知する演出としての放出演出を実行するタイミングを決定するために用いられる。SR6は、特別図柄の表示結果が「大当り」となるときの変動表示中において、表示結果が大当り表示結果となる前に、表示結果が「大当り」となることを事前に報知する大当り確定報知演出を実行するか否かを判定するために用いられる。
このような乱数SR1−1〜SR6のそれぞれは、ソフトウェアによりカウント値を更新するランダムカウンタのカウントにより生成されるものであり、図32において対応付けられた範囲内でそれぞれ巡回更新され、それぞれについて定められたタイミングで抽出されることにより乱数として用いられる。
図33は、演出表示装置9における演出図柄(飾り図柄)の停止図柄の一例を示す説明図である。
図33に示す例では、演出制御用CPU101は、受信した表示結果指定コマンドが、7R大当りまたは16R大当りを示している場合(受信した表示結果指定コマンドが表示結果2指定コマンド、または、表示結果3指定コマンドである場合)には、停止図柄として左,中,右の3図柄が一致した図柄で揃った演出図柄の組合せ(大当り図柄の組合せ)を決定する。
演出制御用CPU101は、受信した表示結果指定コマンドが、2R第1大当り示している場合(受信した表示結果指定コマンドが表示結果4指定コマンド、である場合)に、停止図柄として「6,7,8」、または、「7,8,9」等の予め定められた第1特殊図柄(第1チャンス目図柄)による演出図柄の組合せを決定する。また、2R第2大当りを示している場合(受信した表示結果指定コマンドが表示結果5指定コマンドである場合)に、停止図柄として「1,2,3」、または、「2,3,4」等の予め定められた第2特殊図柄(第2チャンス目図柄)による演出図柄の組合せを決定する。
演出制御用CPU101は、受信した表示結果指定コマンドが、はずれを示している場合(受信した表示結果指定コマンドが表示結果1指定コマンドである場合)には、前述の大当りに関する演出図柄の組合せ以外の演出図柄の組合せ(左右不一致、左右のみ一致等のはずれ図柄の組合せ)を決定する。ただし、リーチ演出を伴う場合には、左,右の2図柄が揃った演出図柄の組合せを決定する。
図34は、演出制御用マイクロコンピュータ100が特別演出の演出パターンを決定するときに用いる特別演出決定テーブルと、特別演出実行時において演出図柄を変動表示するときに用いられる特別変動パターンを決定するときに用いる特別変動パターン決定テーブルとを示す図である。このような特別演出決定テーブルおよび特別変動パターン決定テーブルは、演出制御用マイクロコンピュータ100のROMに記憶されている。
図34(A)の特別演出決定テーブルにおいては、遊技モードごとに、特別演出の種別と、特別演出の演出パターンとが対応付けられて、データが設定されている。
特別演出決定テーブルにおいては、第2遊技モードのときに、第2遊技モード以外の遊技モードでは実行されないような特別な演出としての第1特別演出を実行することが決定される。第1特別演出の演出パターンは、演出表示装置9において、第2遊技モード以外の遊技モードでは表示されないキャラクタ画像としての第1特別キャラクタが登場し、第1特別キャラクタにより大当りとなるか否かを煽る演出が実行される。第1特別キャラクタには、小さい円形模様等の第1の模様が付されている。
また、特別演出決定テーブルにおいては、第3遊技モードのときに、第3遊技モード以外の遊技モードでは実行されないような特別な演出としての第2特別演出を実行することが決定される。第2特別演出の演出パターンは、演出表示装置9において、第3遊技モード以外の遊技モードでは表示されないキャラクタ画像としての第1特別キャラクタが登場し、第2特別キャラクタにより大当りとなるか否かを煽る演出が実行される。第2特別キャラクタには、小さい三角形模様等の第2の模様が付されている。
また、特別演出決定テーブルにおいて、第4遊技モードのときには、特別な演出を実行しないことが決定される。したがって、第4遊技モードのときには、特別なキャラクタ画像が表示されて大当りとなるか否かを煽る特別な演出が行なわれない。このように第4遊技モードにおいては、特別演出が実行されないことにより、特別演出の実行が制限される。なお、特別演出の実行を制限するときには、特別演出がまったく実行されないように禁止してもよく、特別演出が実行される割合をその他の遊技モードよりも大幅に低くするようにしてもよい。同様に、特別演出決定テーブルにおいて、第1遊技モードのときには、特別な演出を実行しないことが決定される。したがって、第1遊技モードのときには、特別なキャラクタ画像が表示されて大当りとなるか否かを煽る特別な演出が行なわれない。
このように、第2遊技モードにおいては第1特別演出が実行され、第3遊技モードにおいては第2特別演出が実行されるので、有利度合いが高い有利状態へ移行するか否かを演出するための特別演出が行なわれることにより、遊技者の期待感を増大させ、遊技の興趣を向上させることができる。一方、第4遊技モードにおいては、それよりも有利度合いが高い有利状態が存在せず、有利度合いが最も高い遊技モードであるため、何らかの特別演出を行なっても、遊技者の期待感を増大させることは困難であると考えられる。そこで、第4遊技モードにおいては、特別演出を実行しないことにより、遊技モードがさらに有利な遊技モードに移行し得ないにも関わらず、特別演出が実行されることによって演出が冗長になるのを防ぐことができる。
なお、特別演出としては、前述のような特別なキャラクタを表示することに加えて、または、特別なキャラクタを表示することに代えて、その他の遊技モードでは表示されないような特別な背景画像を表示する等、その他の演出を行なうようにしてもよい。
また、ここでは、第4遊技モードのときに、特別演出が行なわれないことを示した。しかし、これに限らず、第4遊技モードのときには、特別演出を行なわない代わりに、遊技者にとっての有利度合いが最も高い遊技モード状態に制御されている旨を報知する演出を行なうようにしてもよい。このような演出は、第4遊技モードに移行した段階の所定期間中に実行するようにしてもよく、また、第4遊技モード状態である期間中の全期間において実行するようにしてもよい。
また、このような特別演出を行なうことに関しては、次のような構成を用いてもよい。低確低ベースの第1モードでモード移行条件が成立すると、高確高ベース状態が所定回数の変動表示(たとえば4回)の変動表示が行なわれるまで継続する第2モードに移行し、当該第2モードでモード移行条件が成立すると、高確高ベース状態が所定回数の変動表示(たとえば4回)の変動表示が行なわれるまで継続した後、低確高ベース状態が予め定められた回数(たとえば、50回)継続する第3モードに移行する制御を行なうような構成で、前述のような特別演出を行なうようにしてもよい。つまり、前述のような特別演出は、遊技者にとって有利な有利状態に該当する遊技モードが少なくとも2段階設けられればよい。
図34(B)の特別パターン決定テーブルにおいては、遊技演出の種別ごとに、特別変動パターンの種別と、特別演出パターンとが対応付けられて、データが設定されている。
特別パターン決定テーブルにおいては、第1特別演出が実行されるときに、第1特別演出が実行されるとき以外の状態では実行されないような特別な変動パターンとしての第1特別変動パターンでの変動表示を実行することが決定される。第1特別変動パターンは、演出表示装置9において、演出図柄が変動表示されるときに、第1特別演出で表示される第1特別キャラクタの模様と同じ第1の模様が付された演出図柄で変動表示が実行される。これにより、第1特別変動パターンでは、第1特別演出に対応した態様で演出図柄が変動表示される。
特別パターン決定テーブルにおいては、第2特別演出が実行されるときに、第2特別演出が実行されるとき以外の状態では実行されないような特別な変動パターンとしての第2特別変動パターンでの変動表示を実行することが決定される。第2特別変動パターンは、演出表示装置9において、演出図柄が変動表示されるときに、第2特別演出で表示される第2特別キャラクタの模様と同じ第2の模様が付された演出図柄で変動表示が実行される。これにより、第2特別変動パターンでは、第2特別演出に対応した態様で演出図柄が変動表示される。
また、特別パターン決定テーブルにおいては、演出が実行されないときには、特別変動パターンを実行する決定がされないので、特別な演出が実行されない第1遊技モードおよび第4遊技モードのときには、特別変動パターンを実行する決定が行なわれない。したがって、第1遊技モードおよび第4遊技モードのときには、特別変動パターンによる演出図柄の変動表示が行なわれない。
このように、特別演出が実行されているときに行なわれる変動表示の変動パターンとして、特別演出に対応した態様で変動表示をする特別変動パターンが選択されるので、特別演出と対応関係にある特別変動パターンにより、特別演出をより一層効果的に遊技者に提供することができる。
なお、このような特別演出の実行の有無の決定および特別演出の演出パターンの選択は、遊技制御用マイクロコンピュータ560の側で行ない、当該特別演出の実行の有無および演出パターンを指定する演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信し、その演出制御コマンドに基づいて、演出制御用マイクロコンピュータ100側で特別演出を実行するようにしてもよい。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ100のRAMに設けられ、先読結果を記憶する先読結果保留記憶部について説明する。図35は、先読結果保留記憶部を表形式で示す図である。
先読結果保留記憶部は、演出制御用マイクロコンピュータ100が受信した先読結果通知指定コマンドに基づいて、先読結果に関するデータおよび先読演出に関するデータを記憶する記憶領域により構成されている。
先読結果保留記憶部としては、図35(A)に示すような、第1特別図柄に対応する先読結果保留記憶部としての第1先読結果保留記憶部と、図35(B)に示すような、第2特別図柄に対応する先読結果保留記憶部としての第2先読結果保留記憶部とが設けられている。
第1先読結果保留記憶部においては、対応する第1特別図柄に関して、第1保留先読結果通知コマンドにより通知される先読結果(たとえば、「はずれ」、「7R大当り/16R大当り」(変動表示結果が大当りで大当り種別が7R大当りと16R大当りとのいずれかの先読結果)、「2R第1大当り/2R第2大当り」(変動表示結果が大当りで大当り種別が2R第1大当りと2R第2大当りとのいずれかの先読結果)のような先読結果)を、第1保留記憶バッファの保留記憶データに対応する保留データとして記憶する。たとえば、第1保留先読結果通知コマンドの受信順に保留番号と関連付けて、第1保留先読結果通知コマンドにより通知される先読結果を保留データとして、その数が所定の上限値(たとえば「4」)に達するまで記憶する。同様に、第2先読結果保留記憶部においては、対応する第2特別図柄に関して、第2保留先読結果通知コマンドにより通知される先読結果(たとえば、「はずれ」、「7R大当り/16R大当り」、「2R第1大当り/2R第2大当り」のような先読結果)を第2保留記憶バッファの保留記憶データに対応する保留データとして記憶する。たとえば、第2保留先読結果通知コマンドの受信順に保留番号と関連付けて、第2保留先読結果通知コマンドにより通知される先読結果を保留データとして、その数が所定の上限値(たとえば「4」)に達するまで記憶する。
第1先読結果保留記憶部および第2先読結果保留記憶部のそれぞれの保留データには、先読演出実行フラグが対応付けて記憶される。先読演出実行フラグは、当該保留データに対して、先読演出が実行されるか否か、および、当該保留データに対して先読演出を実行するか否かの判定が済んでいるか否かを示すフラグである。先読演出実行フラグは、保留データに対応する先読演出(第1先読演出および第2先読演出)を実行するか否かの判定が完了する前の場合、または、第1先読演出を実行しないと判定された場合(第2先読演出の実行判定前)には、「0」の値がセットされ、当該保留データに対応する先読演出(第1先読演出、および、第2先読演出)を実行すると判定された場合には、「1」の値がセットされ、当該保留データに対応する先読演出を実行するか否かの判定が完了して、先読演出を実行しないと判定された場合には、「2」の値がセットされる。
図36は、演出制御用マイクロコンピュータ100のROMに記憶された昇格演出パターン決定テーブルを示す図である。昇格演出パターン決定テーブルは、昇格演出パターンを、昇格演出パターン決定用の乱数値SR2に基づいて、複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるデータが設定されたテーブルである。
昇格演出としては、たとえば、大当り遊技状態において、いずれかのラウンドが終了してから次のラウンドが開始されるまでの期間(ランド間のタイミング)等の所定のタイミング(第8ラウンドが開始される前のいずれかのタイミング)で、大当り遊技状態におけるラウンドの実行回数であるラウンド数が「7」となるか(7R大当りとなるか)、「16」となるか(16R大当りとなるか)を報知する演出が実行される。昇格演出には、ラウンド数が「16」となる昇格があり、大当り遊技状態が継続する旨を報知する昇格成功演出と、ラウンド数が「16」となる昇格がなく、第7ラウンドで大当り遊技状態が終了する旨を報知する昇格失敗演出とがある。たとえば、昇格演出では、演出表示装置9の表示画面にて所定の演出画像の表示を行なうことなどにより、ラウンド数が「16」となる昇格の有無を、遊技者が認識できるように報知すればよい。
昇格SP1の演出パターンは、たとえば、味方キャラクタと複数(例えば100体)の敵キャラクタとが対戦し、敵キャラクタのうちのサブキャラクタを倒した数によって、昇格の有無が示唆されるものである。昇格SP2の演出パターンは、ハートを複数個(例えば10個)集めてプレゼントの箱を貰い、箱の中にプレゼントの品によって、昇格の有無が示唆されるものである。昇格SP3の演出パターンは、キャラクタが空を飛び、キャラクタが画面から飛び出す演出画像の態様によって昇格の有無が示唆されるものである。
昇格演出パターン決定テーブルでは、大当り種別が「7R大当り」および「16R大当り」のいずれであるかに応じて、昇格演出パターン決定用の乱数値SR2と比較される数値(決定値)が、昇格SP1〜昇格SP3の昇格演出パターンのいずれかに割当てられている。
図37は、演出制御用マイクロコンピュータ100のROMに記憶された先読演出実行判定テーブルを示す図である。この実施の形態では、先読演出を実行するか否かを決定するために参照させるデータが設定された先読演出実行判定決定テーブルとして、図37(A)に示す第1先読演出実行判定テーブルと、図37(B)に示す第2先読演出実行判定テーブルとが設けられている。
この実施の形態において実行される先読演出としては、第1先読演出と、第2先読演出とが設けられている。第1先読演出は、大当り遊技状態の開始時において、先読結果保留記憶部に記憶されている保留データに「7R大当り」または「16R大当り」のいずれかとなる先読結果が含まれている場合に、第1ラウンド〜第7ラウンドのいずれかのタイミングで実行される先読演出である。また、第2先読演出は、大当り遊技状態の第1ラウンド〜第7ラウンドの間において、先読結果保留記憶部に記憶された保留データに「7R大当り」または「16R大当り」のいずれかとなる先読結果が含まれている場合に、第8ラウンド〜第16ラウンドのいずれかのタイミングで実行される先読演出である。
第1先読演出実行判定テーブルは、大当り遊技状態の開始時に、特別図柄の変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「7R大当り」、「16R大当り」のいずれかとなる先読結果が先読結果保留記憶部(図35)に記憶されている場合に、第1先読演出を実行するか否かを、先読演出実行判定用の乱数値SR2に基づいて判定するために参照されるテーブルである。
第1先読演出実行判定テーブルでは、大当り遊技状態の開始前の遊技状態が、通常状態であるか、確変状態および時短状態のいずれかであるか、および、先読プロセスフラグの値に応じて、先読演出実行判定用の乱数値SR2と比較される数値(決定値)が、第1先読演出を実行するか否かの判定結果に割当てられている。
図38は、先読プロセスフラグの設定を例示する説明図である。ここで、先読プロセスフラグは、先読演出が実行されているか否か等の先読演出に関するプロセスを示すもので、後述する図54に示すように、先読演出が開始されて犬のキャラクタC2を出現させる演出画像が演出表示装置9に表示されたときに、その値が「1」に更新される。そして、大当り保留表示ランプ1000が消灯されて先読演出が終了したときに、その値が「2」に更新され、大当り保留表示ランプ1000の消灯に続いて制御される大当り遊技状態が終了したときに、その値が「0」に更新される。
第2先読演出実行判定テーブルは、7R大当りの開始時に、特別図柄の変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「7R大当り」、「16R大当り」のいずれかとなる先読結果が先読結果保留記憶部(図35)に記憶されている場合に、第2先読演出を実行するか否かを、先読演出実行判定用の乱数値SR2に基づいて、判定するために参照されるテーブルである。
第2先読演出実行判定テーブルでは、大当り遊技状態の開始前の遊技状態が通常状態であるか、確変状態および時短状態のいずれかであるか、および、前述の先読プロセスフラグの値に応じて、先読演出実行判定用の乱数値SR2と比較される数値(決定値)が、第2先読演出を実行するか否かの判定結果に割当てられている。
第1先読演出実行判定テーブルの設定では、大当り遊技状態の開始前の遊技状態が通常状態である場合に、確変状態および時短状態のいずれかである場合よりも多くの決定値が、第1先読演出を実行する判定結果に割当てられている。また、第2先読演出実行判定テーブルの設定では、大当り遊技状態の開始前の遊技状態が通常状態である場合、確変状態および時短状態のいずれかである場合よりも多くの決定値が、第2先読演出を実行する判定結果に割当てられている。
ここで、大当り遊技状態の開始前に通常状態に制御されていた場合は、確変状態および時短状態のいずれかに制御されていた場合よりも、第2始動入賞口14への遊技球の入賞頻度が低く、第2保留記憶バッファに保留記憶データが記憶される可能性は低くなる。このため、大当り遊技状態の開始前に通常状態(第1遊技モードの状態)に制御されていた場合には、確変状態および時短状態のいずれかに制御されていた場合よりも、先読結果保留記憶部(図35)に記憶される先読結果の個数、ひいては特別図柄の変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「7R大当り」、「16R大当り」のいずれかとなる先読結果の個数が少なくなる可能性が高くなる。
そこで、この実施の形態では、大当り遊技状態の開始前の遊技状態が通常状態である場合、確変状態および時短状態のいずれかである場合よりも、特別図柄の変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「7R大当り」、「16R大当り」のいずれかとなる先読結果の個数が少なくなる可能性が高くなる分、先読演出を実行する旨の判定がなされる割合を高くすることで、大当り遊技状態の開始前の遊技状態が通常状態、時短状態、および確変状態のいずれであっても、先読演出の実行割合が極端に低下することを防止することができる。これにより、遊技状態が通常状態から大当り遊技状態に移行した場合にも、確変状態や時短状態から大当り遊技状態に移行した場合と同様に、遊技者に先読演出を効果的に印象付けることができる。
さらに、第1先読演出実行判定テーブルの設定では、先読プロセスフラグの値が「1」または「2」である場合、その値が「0」である場合よりも多くの決定値が、第1先読演出を実行する判定結果に割当てられている。また、第2先読演出実行判定テーブルの設定では、先読プロセスフラグのが「1」または「2」である場合、「0」である場合よりも多くの決定値が、第2先読演出を実行する判定結果に割当てられている。
ここで、大当り遊技状態において先読演出が実行されると、遊技者は、再度大当り遊技状態に制御されることを認識してしまうため、遊技球の発射を停止してしまう。このため、再度大当り遊技状態に制御されたときには、前回大当り遊技状態に制御されたときよりも、先読結果保留記憶部(図35)に記憶される先読結果の個数、ひいては特別図柄の変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「7R大当り」、「16R大当り」のいずれかとなる先読結果の個数が少なくなる可能性が高くなる。
そこで、この実施の形態では、先読プロセスフラグの値が「1」または「2」である場合、その値が「0」である場合よりも、特別図柄の変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「7R大当り」、「16R大当り」のいずれかとなる先読結果の個数が少なくなる可能性が高くなる分、先読演出を実行する旨の判定がなされる割合を高くすることで、先読プロセスフラグの値が「0」〜「2」のいずれであっても、先読演出の実行割合が極端に低下することを防止することができる。これにより、再度大当り遊技状態に制御されたときにも、前回大当り遊技状態に制御されたときと同様に、遊技者に先読演出を効果的に印象付けることができる。
加えて、大当り遊技状態の開始前の遊技状態が通常状態、時短状態、および確変状態のいずれである場合においても、第2先読演出実行判定テーブルにおいて第2先読演出を実行する判定結果に割当てられている決定値は、第1先読演出実行判定テーブルにおいて第1先読演出を実行する判定結果に割当てられている決定値よりも多く設定されている。このような設定により、第2先読演出は、第1先読演出よりも高い割合で実行されるため、大当り遊技状態が開始された後に先読結果保留記憶部(図35)に記憶された保留データに基づいて実行される第2先読演出をより印象付けることができる。
図39は、演出制御用マイクロコンピュータ100のROMに記憶された先読演出実行タイミング決定テーブルを示す図である。この実施の形態では、先読演出を実行するタイミングを決定するために参照されるデータが設定された先読演出実行タイミング決定テーブルとして、図39(A)に示す第1先読演出実行タイミング決定テーブルと、図39(B)に示す第2先読演出実行タイミング決定テーブルとが設けられている。
第1先読演出実行タイミング決定テーブルは、第1先読演出を実行する場合に、その実行タイミングを、先読演出実行タイミング決定用の乱数値SR4に基づいて、第1ラウンド〜第7ラウンドのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。第1先読演出実行タイミング決定テーブルでは、昇格演出パターンが昇格SP1〜昇格SP3のいずれであるかや、大当り種別が「7R大当り」、「16R大当り」のいずれであるかに応じて、先読演出実行タイミング決定用の乱数値SR4と比較される数値(決定値)が、第1ラウンド〜第7ラウンドに割当てられている。
第1先読演出実行タイミング決定テーブルの設定では、昇格演出パターンが昇格SP1で大当り種別が「7R大当り」である場合、先読演出実行タイミング決定用の乱数値SR4のうち、「68」〜「200」の範囲の値が第7ラウンドに割当てられている一方で、大当り種別が「16R大当り」である場合には、7R大当りに対して先読演出実行タイミング決定用の乱数値SR4が割当てられていない。このように設定により、昇格SP1の昇格演出パターンに対応した昇格演出が実行される場合には、第1先読演出が第4ラウンドで実行されなかったときでも、大当り種別が「7R大当り」であれば、第7ラウンドで実行されるようにすることができる。
また、第1先読演出実行タイミング決定テーブルの設定では、昇格演出パターンが昇格SP2で大当り種別が「7R大当り」である場合、先読演出実行タイミング決定用の乱数値SR4のうち、「64」〜「200」の範囲の値が第7ラウンドに割当てられている一方で、大当り種別が「16R大当り」である場合には、第7ラウンドに対して先読演出実行タイミング決定用の乱数値SR4が割当てられていない。このように設定により、昇格SP2の昇格演出パターンに対応した昇格演出が実行される場合には、第1先読演出が第1ラウンド〜第6ラウンドのいずれで実行されなかったときでも、大当り種別が「7R大当り」であれば、第7ラウンドで実行されるようにすることができる。
また、第1先読演出実行タイミング決定テーブルの設定では、大当り種別が「16R大当り」である場合において、昇格演出パターンが昇格SP1、昇格SP2のいずれかであるときには、第1先読演出の実行タイミングが第7ラウンドに決定されることがないのに対し、昇格演出パターンが昇格SP3であるときには、第1先読演出の実行タイミングが第7ラウンドに決定されることがある。さらに、昇格演出パターンが昇格SP1であるときには、第1先読演出の実行タイミングとして、第4ラウンド、第7ラウンドのいずれかしか決定されないのに対し、昇格演出パターンが昇格SP2、昇格SP3のいずれかであるときには、第1先読演出の実行タイミングとして、第1ラウンド〜第7ラウンドのいずれも決定されることがある。このように、第1先読演出実行タイミング決定テーブルの設定では、昇格演出パターンとして昇格SP1〜昇格SP3のいずれが選択されたかに応じて、第1先読演出の実行タイミングが異なっている。
第2先読演出実行タイミング決定テーブルは、第2先読演出を実行する場合に、その実行タイミングを、先読演出実行タイミング決定用の乱数値SR4に基づいて、第8ラウンド〜第16ラウンドのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。第2先読演出実行タイミング決定テーブルでは、演出制御用マイクロコンピュータ100のRAMに設けられた大当り保留記憶数カウンタにおける格納値(大当り保留記憶数カウント値)に応じて、先読演出実行タイミング決定用の乱数値SR4と比較される数値(決定値)が、第8ラウンド〜第16ラウンドに割当てられている。
ここで、大当り保留記憶数カウンタは、先読演出を終了するまでに実行される特別図柄の変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「7R大当り」、「16R大当り」のいずれかとなる変動表示の残存回数を特定可能にカウントするためのものである。一例として、大当り保留記憶数回数カウンタには、先読演出が開始されるときに、先読結果保留記憶部(図35)に記憶されている、特別図柄の変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「7R大当り」、「16R大当り」のいずれかとなる先読結果の個数(大当り保留記憶数)を示すデータが、大当り保留記憶数カウント値として設定される。その後、変動表示結果が「7R大当り」、「16R大当り」のいずれかとなるごとに、大当り保留記憶数カウント値が1減算されるなどして更新される。
このような設定により、第2先読演出を第8ラウンド〜第16ラウンドのいずれのラウンドで実行させるかを、先読結果保留記憶部(図35)に記憶される大当り保留記憶数に応じて異なる割合で決定することができるため、第2先読演出を第8ラウンド〜第16ラウンドのいずれのラウンドで実行されるかによって、先読結果保留記憶部(図35)に記憶される大当り保留記憶数に対する遊技者の期待感を異ならせることができる。
図40は、演出制御用マイクロコンピュータ100のROMに記憶された放出演出実行タイミング決定テーブルを示す図である。放出演出実行タイミング決定テーブルは、放出演出の実行タイミングを決定するためのテーブルである。
放出演出実行タイミング決定テーブルでは、放出演出実行タイミング決定用の乱数値SR5と比較される数値(決定値)が、「リーチ前」、「リーチ中」、「仮停止後」のいずれかのタイミングに割当てられている。放出演出実行タイミングが「リーチ前」に決定された場合には、変動表示の態様がリーチ状態となる前に放出演出が実行される。放出演出実行タイミングが「リーチ中」に決定された場合には、変動表示の態様がリーチ状態となっているときに放出演出が実行される。放出演出実行タイミングが「仮停止後」に決定された場合には、変動表示の態様がはずれ図柄の組合せで仮停止状態(たとえば最終停止前に左,中,右の演出図柄が揺れ変動表示をしている状態)となった後に放出演出が実行される。本実施の形態の場合は、たとえば、放出演出実行タイミングが「仮停止後」に決定されたときには、変動表示の演出制御データを設定するときに、中図柄について、最終的図柄の1つ手前の表示順番の図柄を仮停止図柄とすることにより、左図柄と右図柄とが揃っているが中図柄が1図柄ずれているような仮停止図柄の組合せを、最終停止図柄を表示する前に表示し、放出演出を実行した後、最終停止図柄を表示することができるようにデータを設定する。
図41は、演出制御用マイクロコンピュータ100のROMに記憶された大当り確定演出決定テーブルを示す図である。大当り確定演出決定テーブルは、大当り確定報知演出実行判定用の乱数値SR6に基づいて、大当り確定報知演出を実行するか否かを決定するためのテーブルである。大当り確定演出決定テーブルは、2R第1大当りまたは2R第2大当りと、7R大当りと、16R大当りとのそれぞれの大当り種別に対応して乱数値SR6と比較される数値(決定値)が、大当り確定報知演出を実行する旨、または、大当り確定報知演出を実行しない旨に割当てられている。
大当り確定演出決定テーブルにおいては、2R第1大当りまたは2R第2大当り<7R大当り<16R大当りという大小関係で、大当り確定報知演出を実行すると決定する割合が設定されている。したがって、大当り確定報知演出を実行されたときには、2R第1大当りまたは2R第2大当りと、7R大当りと、16R大当りとのうち、16R大当りとなる割合が高い。
なお、この実施の形態では、大当り種別が2R第1大当りおよび2R第2大当りである場合も、大当り確定報知演出が実行されるが、大当り遊技状態における賞球の獲得数に関して遊技者にとって有利度が低い2R第1大当りおよび2R第2大当りである場合には、大当り確定報知演出が実行されないようにしてもよい。また、先読演出や放出演出の実行の対象となる大当り種別である場合のみ、大当り確定報知演出が実行されるようにしてもよい。このように報知対象となる大当り種別を統一することで、各演出の報知対象を分かりやすくすることができる。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ100の動作を説明する。図42は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。
演出制御用CPU101は、電源が投入されると、演出制御メイン処理の実行を開始する。演出制御メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(たとえば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行なうための初期化処理を行なう(S701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(S702)を行なうループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。演出制御メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(S703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドがどのようなことを指示するコマンドであるかを特定可能なフラグ等のデータをセットする処理等を行なう(コマンド解析処理:S704)。次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行なう(S705)。演出制御プロセス処理では、S704で解析した演出制御コマンドの内容にしたがって演出表示装置9での演出図柄の変動表示等の各種演出を行なうために、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出制御を実行する。
次いで、図32に示すようなSR1−1,SR1−2,SR1−3、および、SR2〜SR6を含む各種乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(S706)。また、第1保留記憶表示部18cおよび第2保留記憶表示部18dの表示状態の制御を行なう保留記憶表示制御処理を実行する(S707)。具体的に、前述の第1保留記憶数記憶領域に記憶された第1保留記憶数のデータ対応して第1保留記憶表示部18cにおいて第1保留記憶数を表示する制御を行なう。また、前述の第2保留記憶数記憶領域に記憶された第2保留記憶数のデータ対応して第2保留記憶表示部18dにおいて第2保留記憶数を表示する制御を行なう。その後、S702に移行する。
このような演出制御メイン処理が実行されることにより、演出制御用マイクロコンピュータ100では、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信され、受信した演出制御コマンドに応じて、演出表示装置9、各種ランプ、および、スピーカ27等の演出装置を制御することにより、遊技状態に応じた各種の演出制御が行なわれる。
次に、コマンド解析処理(S704)に含まれる処理の代表例を説明する。
図43は、演出制御メイン処理におけるコマンド解析処理内(S704)に含まれる始動入賞時コマンド処理を示すフローチャートである。
始動入賞時コマンド処理は、第1保留先読結果通知コマンドおよび第2保留先読結果通知コマンドを解析するための処理である。始動入賞時コマンド処理において、演出制御用CPU101は、まず、第1保留先読結果通知コマンドまたは第2保留先読結果通知コマンドの先読結果通知コマンドを受信したか否かを判定する(S711)。受信した演出制御コマンドは、演出制御用マイクロコンピュータ100に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納されており、演出制御用CPU101は、この演出制御コマンド受信用バッファに格納されているコマンドを読み出して内容を確認することにより、受信した演出制御コマンドを特定することができる。
S711で、いずれの保留先読結果通知コマンドを受信していないと判定されたときは、処理を終了する。一方、S711で、いずれかの保留先読結果通知コマンドを受信したと判定されたときには、たとえば、受信した保留先読結果通知コマンドにおけるEXTデータを読取ること等により、先読結果を特定する(S712)。そして、演出制御用CPU101は、特定した先読結果を、図35に示す先読結果保留記憶部において、受信した保留先読結果通知コマンドにより特定される第1特別図柄または第2特別図柄に対応する第1先読結果保留記憶部または第2先読結果保留記憶部での空きエントリの先頭において、受信した保留先読結果通知コマンドにより特定される先読結果のデータを記憶し(S713)、処理を終了する。
図44は、演出制御メイン処理におけるコマンド解析処理内(S704)に含まれる遊技モード移行状態コマンド処理を示すフローチャートである。
遊技モード移行状態コマンド処理は、遊技モード移行状態指定コマンドを解析するための処理である。遊技モード移行状態コマンド処理において、演出制御用CPU101は、まず、遊技モード移行状態指定コマンドを受信したか否かを判定する(S721)。S721で、遊技モード移行状態指定コマンドを受信したと判定されたときは、受信した遊技モード移行状態指定コマンドから、遊技モードが、第2遊技モード、第3遊技モードA,B、および、第4遊技モードのうちのどの遊技モードの状態にあるかを特定する(S722)。そして、S722で特定した遊技モードの状態を示す遊技モード移行状態データを、演出制御用マイクロコンピュータ100のRAMに設けた遊技モード移行状態記憶部に記憶し(S723)、処理を終了する。
これにより、大当りの発生により、遊技モードが移行したことに応じて、遊技モード移行状態記憶部に遊技モード移行状態データが記憶されるので、演出制御用マイクロコンピュータ100においては、遊技モード移行状態記憶部の記憶データを参照することにより、現在の遊技モードがどのモードにあるかを認識することができる。
また、前述のS721で、遊技モード移行状態指定コマンドを受信していないと判定されたときは、モード移行終了コマンドを受信したか否かを判定する(S724)。S724で、モード移行終了コマンドを受信していないと判定されたときは、処理を終了する。一方、S724で、モード移行終了コマンドを受信したと判定されたときは、遊技モード移行状態記憶部に記憶されている遊技モード移行状態データをクリア(消去)し(S725)、処理を終了する。
これにより、大当りの発生により遊技モードが移行した後、移行後の遊技モードが終了したときに、遊技モード移行状態記憶部に記憶された遊技モード移行状態データが消去されるので、演出制御用マイクロコンピュータ100においては、遊技モード移行状態記憶部のデータを参照して、遊技モード移行状態データが記憶されていないことを確認することにより、現在の遊技モードがいずれの遊技モードにも移行していない状態、すなわち、第1遊技モードにあることを認識することができる。
図45は、図42に示された演出制御メイン処理における演出制御プロセス処理(S705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてS800〜S806のうちのいずれかの処理を行なう。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄の変動表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(S801):演出図柄(飾り図柄)の変動表示が開始されるように制御する。また、演出図柄の停止図柄(表示結果)をSR1−1〜SR1−3等に基づいて決定する。変動表示の開始時に、受信した変動パターンコマンドに対応して実行する変動表示の変動時間を計時する変動表示時間タイマの計時をスタートさせる。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(S802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替えタイミング等を制御するとともに、変動表示時間タイマにより計時される変動時間が終了したか否かを監視する。そして、変動時間が終了したか、または、全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことに基づいて、変動表示を終了させるために、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(S803):演出図柄(飾り図柄)の変動表示を停止し、変動表示の表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(S804):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(S805)に対応した値に更新する。
大当り制御中演出処理(S805):ラウンド中およびラウンド間の表示制御を行なう。そして、各ラウンドにおいてラウンド終了条件が成立したら、最終ラウンドが終了していなければ、次のラウンドに移行させ、最終ラウンドが終了していれば、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了演出処理(S806)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(S806):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
演出制御用CPU101は、たとえば、次のように演出図柄の停止図柄を決定する。たとえば、演出図柄変動開始処理において、演出図柄の停止図柄決定用の乱数SR1−1〜SR1−3を抽出し、これらと、演出図柄を示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄決定テーブルとを用いて、演出図柄の停止図柄を決定する。すなわち、抽出した乱数に一致する数値に対応する演出図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定する。そして、演出制御用CPU101は、演出図柄の変動表示を停止するときに、このように決定された停止図柄で演出図柄を停止させる。演出図柄についても、大当りを想起させるような停止図柄を大当り図柄という。そして、はずれを想起させるような停止図柄をはずれ図柄という。
具体的に、演出図柄の停止図柄は、たとえば、次のように決定する。非リーチはずれの図柄の組合せを決定する場合においては、所定のタイミングでSR1−1〜SR1−3のそれぞれから数値データ(乱数)を抽出し、演出制御用マイクロコンピュータ100のROMに記憶されたはずれ図柄決定用データテーブルを用い、抽出した乱数に対応する図柄がそれぞれ左,中,右の演出図柄の変動表示結果となる停止図柄の組合せとして決定される。このように非リーチはずれの図柄の組合せを決定する場合において、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然大当り図柄の組合せまたは特殊図柄(チャンス目)の組合せと一致する場合には、はずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、右図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。また、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然リーチ図柄となってしまう場合には、非リーチはずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、中図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。
また、リーチはずれの図柄の組合せを決定する場合においては、所定のタイミングでSR1−1〜SR1−3のそれぞれから数値データ(乱数)を抽出し、はずれ図柄決定用データテーブルを用い、SR1−1から抽出された乱数に対応する図柄がリーチ状態を形成する各演出図柄の停止図柄として決定され、SR1−2から抽出されたカウンタの値と合致する乱数に対応する図柄が最終停止図柄の停止図柄として決定される。
16R大当りまたは7R大当りの図柄の組合せを決定する場合においては、演出制御用マイクロコンピュータ100のROMに記憶された大当り図柄決定用テーブルを用いて、たとえば、左,中,右が「7,7,7」というようないずれかの図柄で左,中,右の演出図柄が一致する大当り図柄の組合せを選択決定する。大当り図柄決定用テーブルは、予め定められた複数種類の図柄のそれぞれに、SR1−1のそれぞれの数値データが対応付けられている。大当り図柄の組合せを決定するときには、所定のタイミングでSR1−1から数値データ(乱数)を抽出し、大当り図柄決定用テーブルを用い、抽出した乱数に対応する図柄を、大当り図柄の組合せを構成する左,中,右の演出図柄の停止図柄の組合せとして決定する。このように決定された図柄が大当り遊技状態に制御される前の変動表示結果である最終停止図柄として用いられる。
図46は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルとは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、変動表示の開始時から変動表示の停止時まで、および、大当り遊技状態の開始時から大当り遊技状態の終了時までの予め定められた演出制御期間中において、プロセステーブルに設定されているプロセスデータにしたがって演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行なう。
プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と、表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組合せが複数集まったデータとで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄(飾り図柄)の変動表示の変動時間(変動表示時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を表示させる制御を行なう。
図41に示すプロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。
なお、リーチ演出を伴う変動パターンについて演出制御を実行する場合に用いられるプロセステーブルには、変動開始から所定時間が経過したときに左図柄を停止表示させ、さらに所定時間が経過すると右図柄を停止表示させることを示すプロセスデータが設定されている。なお、停止表示させる図柄をプロセステーブルに設定するのではなく、決定された停止図柄、擬似連や滑り演出における仮停止図柄に応じて、図柄を表示するための画像を合成して生成するようにしてもよい。
演出制御用CPU101は、演出図柄の変動表示を行なうときに、S801〜S803において、変動パターンに応じて選択したプロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)にしたがって演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27R,27L)の制御を実行する。たとえば、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行なわせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27R,27Lからの音声出力を行なわせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに1対1に対応する変動パターンによる演出図柄の変動表示が行なわれるように制御するが、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
図47は、図45に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(S801)を示すフローチャートである。図48は、演出図柄変動開始処理により実行される放出演出設定処理を示すフローチャートである。図49は、演出図柄変動開始処理により実行される大当り確定報知設定処理を示すフローチャートである。
図47を参照して、演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、変動表示結果をはずれとすることに決定されているか否か確認する(S501)。はずれとすることに決定されているか否かは、たとえば、コマンド解析処理により当該変動表示について表示結果1指定コマンドを受信したことを示すデータがRAMに設けられた変動パターンコマンド格納領域に格納されているか否かによって判定される。なお、はずれとすることに決定されているか否かは、大当りとするか否かを特定可能な変動パターンコマンドの種類に基づいて、確認するようにしてもよい。はずれとすることに決定されている場合には、変動パターンコマンドとして、リーチとならない非リーチ変動パターン(通常変動の変動パターン)に対応したコマンド(通常変動の変動パターンを示す変動パターンコマンド)を受信したか否か確認する(S502)。非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したか否かは、たとえば、変動パターンコマンド格納領域に格納されているデータによって判定される。
非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したと判定した場合、演出制御用CPU101は、予め定められたはずれ図柄決定用データテーブルを用いて、演出図柄のリーチにならないはずれの停止図柄を決定し(S504)、S506へ進む。はずれ図柄決定用データテーブルでは、複数種類の演出図柄のそれぞれに、SR1−1〜SR1−3のそれぞれの数値データが対応付けられている。S504の処理では、所定のタイミングでSR1−1〜SR1−3のそれぞれから数値データ(乱数)を抽出し、演出制御用マイクロコンピュータ100のROMに記憶されたはずれ図柄決定用データテーブルを用い、抽出した乱数に対応する図柄がそれぞれ左,中,右の演出図柄の変動表示結果となる停止図柄の組合せとして決定される。このように非リーチはずれの図柄の組合せを決定する場合において、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然、大当り図柄の組合せ(確変大当り図柄の組合せ、通常大当り図柄の組合せ、または、2R第1,第2大当り図柄の組合せ(チャンス目図柄の組合せ)と一致する場合には、はずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、右図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。また、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然、リーチ図柄となってしまう場合には、非リーチはずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、右図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。
S502の処理で非リーチ変動パターンではないと判定した場合(リーチ変動パターンであると判定した場合)に、演出制御用CPU101は、リーチの組合せを構成する演出図柄の停止図柄を決定し(S505)、S516へ進む。S505の処理では、所定のタイミングでSR1−1〜SR1−3のそれぞれから数値データ(乱数)を抽出し、はずれ図柄決定用データテーブルを用い、SR1−1から抽出された乱数に対応する図柄がリーチ状態を形成する左,右の各演出図柄の停止図柄として決定され、SR1−2から抽出されたカウンタの値と合致する乱数に対応する図柄が中図柄の停止図柄として決定される。また、この場合も、偶然、大当り図柄の組合せ、または、チャンス目図柄の組合せとなってしまうときには、チャンス目以外のはずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、中図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。
また、はずれとすることに決定されていない場合に(S501)、演出制御用CPU101は、大当りの種別に応じて、当り図柄の組合せを構成する演出図柄の停止図柄を決定し(S503)、S506へ進む。
S503では、以下のように、当りの種別に応じて当り図柄の組合せを決定する。
演出制御用CPU101は、表示結果2指定コマンド〜表示結果5指定コマンドのうちのどの表示結果指定コマンドが表示結果特定コマンド格納領域に格納されているかに基づいて、大当りの種別を判定する。
16R大当りまたは7R大当りにすることに決定されていると判定したときには、ROMに記憶された大当り図柄決定用テーブルを用いて、大当り図柄の組合せ(たとえば、左,中,右が「7,7,7」というようないずれかの図柄の組合せ)を選択決定する。大当り図柄決定用テーブルは、予め定められた複数種類の大当り図柄のそれぞれに、SR1−1のそれぞれの数値データが対応付けられている。大当り図柄の組合せを決定するときには、所定のタイミングでSR1−1から数値データ(乱数)を抽出し、大当り図柄決定用テーブルを用い、抽出した乱数に対応する図柄を、確変大当り図柄の組合せを構成する左,中,右の演出図柄の停止図柄の組合せとして決定する。このように決定された図柄が大当り遊技状態に制御される前の変動表示結果である最終停止図柄として用いられる。
また、演出制御用CPU101は、2R第1大当りにすることに決定されていると判定したときには、ROMに記憶された第1チャンス目図柄決定用テーブルを用いて、第1チャンス目図柄の組合せ(たとえば、左,中,右が「6,7,8」、または、「7,8,9」等)を選択決定する。第1チャンス目図柄決定用テーブルは、複数種類の第1チャンス目図柄の組合せのそれぞれに、SR1−1のそれぞれの数値データが対応付けられている。チャンス目図柄の組合せを決定するときには、所定のタイミングでSR1−1から数値データ(乱数)を抽出し、第1チャンス目図柄決定用テーブルを用い、抽出した乱数に対応する図柄を、第1チャンス目図柄の組合せを構成する左,中,右の演出図柄の停止図柄の組合せとして決定する。
また、演出制御用CPU101は、2R第2大当りにすることに決定されていると判定したときには、ROMに記憶された第2チャンス目図柄決定用テーブルを用いて、第2チャンス目図柄の組合せ(たとえば、左,中,右が「1,2,3」、または、「2,3,4」等)を選択決定する。第2チャンス目図柄決定用テーブルは、複数種類の第2チャンス目図柄の組合せのそれぞれに、SR1−1のそれぞれの数値データが対応付けられている。第2チャンス目図柄の組合せを決定するときには、所定のタイミングでSR1−1から数値データ(乱数)を抽出し、第2チャンス目図柄決定用テーブルを用い、抽出した乱数に対応する図柄を、第2チャンス目図柄の組合せを構成する左,中,右の演出図柄の停止図柄の組合せとして決定する。
次に、S506では、前述した放出演出を実行するか否かを決定するとともに、放出演出の設定を行なう放出演出設定処理を実行する。次に、図48を参照して、放出演出設定処理の内容を説明する。
放出演出設定処理において、演出制御用CPU101は、まず、第1保留先読結果保留記憶部と第2保留先読結果保留記憶部とのうち、変動表示を実行する特別図柄に対応する保留データの先読演出実行フラグが「1」であるか否かを判定する(S540)。S540で変動表示を実行する特別図柄に対応する保留データの先読演出実行フラグが「1」であれば、当該保留データに対応した先読演出が、大当り遊技状態中に実行されたことを示している。この実施の形態では、「大当り」をストックするような先読演出が実行された場合、その保留データに対応する変動表示が実行されるときには、そのストックされた「大当り」を放出するような演出としての放出演出が実行される。このような放出演出が行なわれることにより、遊技の興趣を向上させることができる。この実施の形態では、図40に示すように、放出演出の実行を開始するタイミングが複数設けられている。
S540で判定した保留番号「1」の保留データの先読演出実行フラグが「1」でなければ、放出演出設定処理を終了する。一方、S540で判定した保留番号「1」の保留データの先読演出実行フラグが「1」であれば、遊技モード移行状態記憶部に記憶された遊技モード移行状態データを参照することにより、現在の遊技モードが第4遊技モードであるか否かを判定する(S541)。
S541で第4遊技モードではないと判定されたとき(第1遊技モード、第2遊技モード、または、第3遊技モードであるとき)は、図40の放出演出実行タイミング決定テーブルをセットする(S542)。そして、放出演出実行タイミング決定用の乱数値SR5を示す数値データを抽出し、当該SR5に基づき、S542の処理でセットした放出演出実行タイミング決定テーブルを参照することにより、放出演出実行タイミングを決定し(S543)、処理を終了する。
一方、S541で第4遊技モードではあると判定されたときは、放出演出実行タイミングを、仮停止後に決定し(S544)、処理を終了する。このように、第4遊技モードであるときに放出演出実行タイミングを仮停止後にのみ決定するのは、前述したように第4遊技モードにおいては、変動表示の変動時間が、たとえば5秒間となる等、比較的短く、リーチ演出が行なわれない等、リーチ前またはリーチ中に放出演出を実行することが困難となるからである。
なお、第4遊技モードについては、変動表示の変動時間を前述した例よりも少し長くして、リーチ前およびリーチ中の放出演出が可能となるように変動パターンを設定し、第1〜第3遊技モードと同様に図40の放出演出実行タイミング決定テーブルを用いて放出演出の実行タイミングを選択決定するようにしてもよい。
次に、S506の後、前述した大当り確定報知演出を実行するか否かを決定するとともに、大当り確定報知演出の設定を行なう大当り確定報知演出設定処理を実行する。次に、図49を参照して、大当り確定報知演出設定処理の内容を説明する。
大当り確定報知演出設定処理において、演出制御用CPU101は、まず、表示結果指定コマンドにおけるEXTデータを読取ること等により、変動表示の表示結果が「大当り」となるか否かを判定する(S551)。S551で、表示結果が「大当り」とならないときには、大当り確定報知演出設定処理を終了する。
一方、表示結果が「大当り」となるときには、第1保留先読結果保留記憶部と第2保留先読結果保留記憶部とのうち、変動表示を実行する特別図柄に対応する保留データの先読演出実行フラグが「1」であるか否かを判定する(S552)。S552で変動表示を実行する特別図柄に対応する保留データの先読演出実行フラグが「1」であれば、今回の変動表示において前述のような処理によって放出演出が実行されるので、大当り確定報知演出は実行しないように制限(禁止)するため、大当り確定報知演出設定処理を終了する。このように、変動表示の表示結果が大当り表示結果であることを報知する放出演出が実行される変動表示においては、当該放出演出が実行されるよりも前の大当り確定報知演出の実行が制限(禁止)されるので、放出演出が実行されるより前に大当り確定報知演出が実行されてしまうことを防止でき、放出演出の演出効果が向上し、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、この実施の形態では、放出演出を実行する変動表示においては、大当り確定報知演出を実行しないようにしているが、大当り確定報知演出の実行タイミングを複数設けて、放出演出が実行される変動表示においては、当該放出演出より遅いタイミングで大当り確定報知演出が実行されるようにしてもよい。また、放出演出が実行される変動表示において、大当り確定報知演出が実行される旨が決定された場合には、その大当り確定報知演出に代えて、放出演出が実行されるように制御してもよい。
S552で判定した保留番号「1」の保留データの先読演出実行フラグが「1」でなければ、放出演出設定処理を終了する。一方、S540で判定した保留番号「1」の保留データの先読演出実行フラグが「1」であれば、図41の大当り確定報知演出決定テーブルをセットする(S553)。そして、大当り確定報知演出実行判定用の乱数値SR6を示す数値データを抽出し、当該SR6、および、表示結果指定コマンドにより特定される大当り種別に基づき、S542の処理でセットした大当り確定報知演出決定テーブルを参照することにより、大当り確定演出を実行するか否かを決定する(ステップS554)し、処理を終了する。
次に、図47を用いて、演出図柄変動開始処理の続きを説明する。S520において、演出制御用CPU101は、演出制御パターンを複数種類の演出制御パターンうちのいずれかに決定する(S520)。S520において、演出制御用CPU101は、変動パターン指定コマンドによって指定された変動パターンにより指定された各種演出制御(演出動作)パターンに応じて、図柄変動制御パターンテーブルに格納されている複数種類の図柄変動制御パターンのうち、指定された各種演出動作パターンに対応するいずれかの演出制御パターン(変動時間も含む)を変動表示の演出として使用する演出制御パターンとして選択決定する。
このようなS520における演出制御パターンの選択に際しては、さらに、次のような制御内容も付加する。放出演出設定処理(S506)により放出演出を行なうことが決定されたときには、放出演出設定処理において決定されたタイミングで、放出演出を実行するように、演出制御データを設定する。一例として、放出演出実行タイミングが「仮停止後」に決定されたときには、S520の演出制御パターンのデータを設定するときに、中図柄について、S503で決定された最終的図柄の1つ手前の表示順番の図柄を仮停止図柄として決定し、左図柄と右図柄とが揃っているが中図柄が1図柄ずれているような仮停止図柄の組合せを、最終停止図柄を表示する前に表示し、放出演出を実行した後、最終停止図柄を表示することができるようにデータを設定する。また、大当り確定報知演出設定処理(S507)により大当り確定報知演出を行なうことが決定されたときには、所定のタイミングで大当り確定報知演出を実行するように、演出制御データを設定する。
なお、第4遊技モードにおいては、他の遊技モードと比べて変動時間が短い時間とされるが、当該短い変動時間中に前述のような放出演出を実行する余裕がないときには、変動表示の開始直前または変動表示の開始直後に、ストックされた大当りが放出されたことを示すメッセージを短期間表示する等、その他の態様で放出演出を実行するようにしてもよい。
また、前述したような演出モードの移行状態に応じた特別演出を実行するときには、S520において、前述したように選択された演出モードに対応する特別演出が実行されるように、演出制御データを設定する。これにより、演出モードの移行に対応して特別演出が実行されることとなる。
また、演出モードの移行状態に応じた特別演出が実行されるときに、当該特別演出に応じた特別変動パターンを実行するときにおいては、S520において、図34(B)の特別変動パターン決定テーブルを用いて、実行されている特別演出に対応する特別変動パターンを決定し、特別演出が実行されていないときに用いられる通常の変動パターンに代えて、その決定された特別変動パターンで、変動表示が行なわれるように、演出制御データを設定する。これにより、演出モードの移行に対応して特別演出が実行されるときには、演出図柄が特別変動パターンにより変動表示されることとなる。
また、各図柄変動制御パターンは、たとえば、演出制御プロセスタイマ設定値、演出制御プロセスタイマ判定値、演出表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、および、終了コードといった、演出図柄の変動表示に応じた各種の演出動作を制御するための制御データを含み、時系列的に、各種の演出制御の内容、および、演出制御の切替えタイミング等が設定されている。これにより、S520で決定された演出制御パターンに基づいて、変動表示の開始時から終了時までの間において、時間の経過にしたがって、演出表示装置9での演出図柄等の表示制御、スピーカ27R,27Lから出力される音声の制御、および、各種ランプ(LED等)による発光制御等の演出制御が実行されることなる。
次いで、演出制御用CPU101は、S520で選択した演出制御パターンに応じたプロセステーブルを選択する(S521)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマ(演出設定プロセスタイマ)をスタートさせる(S522)。
そして、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)にしたがって演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、および、演出用部品としてのスピーカ27)の制御を開始する(S524)。たとえば、表示制御実行データにしたがって、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像(演出図柄を含む。)を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行なわせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行なわせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。また、可動部材制御データにしたがって、可動部材78を動作させるための駆動信号を出力する。
そして、変動表示時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定する(S525)。ここで、変動表示時間タイマは、演出図柄の変動を開始してから最終停止図柄を停止表示するまでの変動時間を計測するためのタイマである。次に、第1保留先読結果保留記憶部と第2保留先読結果保留記憶部とのうち、変動表示を実行する特別図柄に対応する保留番号「1」の保留データを消去して、保留番号「2」以降の保留データを1エントリずつ上位にシフトさせる(S526)。その後、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S802)に対応した値にし(S527)、処理を終了する。
その後、演出図柄変動中処理(S802)が実行されることにより、演出表示装置9において、演出図柄の変動表示(特別変動パターンでの変動表示を含む)、および、当該変動表示に付随した各種の演出表示等の各種演出(特別演出、先読演出、放出演出、および、大当り確定報知演出等)が実行され、それに伴なって、前述のような各種の音声制御、および、発光制御が実行される。
図50および図51は、図45のS803で実行される演出図柄変動停止処理を示すフローチャートである。
演出図柄変動停止処理において、演出制御用CPU101は、まず、最終停止図柄となる確定演出図柄を完全停止表示させて導出表示する(図50のS571)。なお、図柄確定指定コマンドが受信されるまで、左,中,右の演出図柄は、演出図柄変動中処理(S802)において、たとえば揺れ変動表示が行なわれている。
S571の処理に続いて、たとえば大当り開始指定コマンドを受信したか否かを判定し、受信した場合に大当り開始指定コマンドのEXTデータを読取ること等により、特別図柄の変動表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(S572)。このとき、特別図柄の変動表示結果が「大当り」ではないと判定されれば、演出制御プロセスフラグの値を、変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値である「0」に更新し、演出図柄変動停止処理を終了する。
S572で変動表示結果が「大当り」であると判定されたときには、大当り開始指定コマンドのEXTデータを読取ること等により、大当り種別が、2ラウンドの大当り(「2R第1大当り」または「2R第2大当り」)であるか否かを判定する(S574)。大当り種別が2ラウンドの大当りであるときには、先読演出を実行する場合がないので、このとき、大当り種別が2ラウンドの大当りではないと判定されれば、先読演出を実行する場合があるので、先読プロセスフラグの値が先読演出の実行中に対応した値である「1」であるか否かを判定する(S575)。
S575で先読プロセスフラグの値が「1」であると判定された場合には、先読結果保留記憶部(第1先読結果保留記憶部および第2先読結果保留記憶部)において、先読演出実行フラグが、先読演出を実行することに対応した「1」である保留データがあるか否かを判定する(S576)。先読演出を実行することに対応した「1」である保留データがなければ、先読演出のプロセスを終了するために、先読プロセスフラグの値を先読演出の終了時に対応した値である「2」に更新する(S580)。
S575で先読プロセスフラグの値が「1」ではないと判定された場合、S576で先読演出実行フラグが、先読演出を実行することに対応した「1」である保留データがないと判定された場合、または、S580の処理を実行した後には、受信した大当り開始指定コマンドのEXTデータを読取ること等により、大当り種別が「7R大当り」、「16R大当り」のいずれであるかを特定する(S581)。続いて、大当り遊技状態において行なう昇格演出パターンを決定するためのデータテーブルとして、図36に示す昇格演出パターン決定テーブルを選択してセットする(S582)。そして、昇格演出パターン決定用の乱数値SR1を抽出し、抽出したSR1の数値データに基づき、S582の処理でセットした昇格演出パターン決定テーブルを参照することにより、昇格演出パターンを、複数種類のいずれかに決定する(S583)。
S583の処理を実行した後には、図35に示す先読結果保留記憶部(第1先読結果保留記憶部および第2先読結果保留記憶部)に保留データが記憶されているか否かを判定する(図51のS584)。このとき、先読結果保留記憶部に保留データが記憶されていれば、先読結果保留記憶部に記憶されている保留データとして、先読結果のデータを読出す(S585)。
そして、S585で読出された先読結果のデータに、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「7R大当り」、「16R大当り」のいずれかとなる先読結果のデータが含まれているか否かを判定する(S586)。このとき、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「7R大当り」、「16R大当り」のいずれかとなる旨の先読結果が含まれていれば、その先読結果に対応した先読演出実行フラグが、先読演出を実行するか否かの判定が完了する前であることに対応した「0」であるか否かを判定する(S631)。先読演出実行フラグが「0」であれば、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「7R大当り」、「16R大当り」のいずれかとなる旨の先読結果が複数(N個)含まれているか否かを判定する(S632)。変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「7R大当り」、「16R大当り」のいずれかとなる旨の先読結果が1個であれば、その保留データについて第1先読演出の有無を判定するためのデータテーブルとして、図37(A)に示す第1先読演出実行判定テーブルを選択してセットする(S587)。そして、先読演出実行判定用の乱数値SR2を抽出し、抽出したSR2の数値データに基づき、S587の処理でセットした第1先読演出実行判定テーブルを参照することにより、第1先読演出の有無を判定する(S588)。
S588で「第1先読演出あり」と判定された場合には、当該保留データの先読演出実行フラグに、先読演出を実行することに対応した「1」をセットする(S633)。
また、S632で、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「7R大当り」、「16R大当り」のいずれかとなる旨の先読結果が複数(N個)含まれていると判定された場合、N個目の保留データの先読演出実行フラグに「1」をセットし、それ以外の保留データの先読演出実行フラグに、先読演出を実行しないことに対応した「2」をセットする(S634)。すなわち、この実施の形態では、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「7R大当り」、「16R大当り」のいずれかとなる旨の先読結果が複数(N個)含まれている場合には、N個目の保留データについてのみ先読演出、および、それに対応した放出演出を実行する。このようにすることにより、先読演出の実行回数は1回であるが、その後1回「大当り」となっても放出演出が実行されず、N回「大当り」となるまで、大当り保留表示ランプ1000の表示が継続する。したがって、先読演出の回数よりも、「大当り」となる回数の方が多くなる。これにより、遊技者に対して、「大当り」となる権利が温存されたように見せることができる。また、遊技者の認識と実際に「大当り」となる回数が異なるので遊技に意外性を持たせることができる。
S633またはS634の処理の後には、第1先読演出の実行タイミングを決定するためのデータテーブルとして、図39(A)に示す第1先読演出実行タイミング決定テーブルを選択してセットする(S592)。そして、先読演出実行タイミング決定用の乱数値SR3を抽出し、抽出したSR3の数値データに基づき、S592でセットした第1先読演出実行タイミング決定テーブルを参照することにより、第1先読演出の実行タイミングを、複数種類のいずれかに決定する(S593)。
このように決定された第1先読演出の実行タイミングに対応して、たとえば演出制御バッファ設定部に設けられた先読演出実行タイミング指定バッファの格納値である先読演出実行タイミング指定バッファ値を更新すること等により、決定された第1先読演出の実行タイミングを記憶させる(S594)。ここで、演出制御バッファ設定部は、演出制御用マイクロコンピュータ100のRAMにおいて各種演出動作の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられた記憶領域である。S594の処理の一例として、第1先読演出の実行タイミングが「第4ラウンド」であれば第1先読演出実行タイミング指定バッファ値を「4」とし、「第7ラウンド」であれば第1先読演出実行タイミング指定バッファ値を「7」とすればよい。
図50のS574で大当り種別が「2ラウンドの大当り」であると判定された場合、S584で先読結果保留記憶部に保留データが記憶されていないと判定された場合、S586で変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「7R大当り」、「16R大当り」のいずれかとなる旨の先読結果が含まれていないと判定された場合、S631で先読演出実行フラグが「1」または「2」であると判定された場合、S588で「第1先読演出なし」と判定された場合、または、図51のS594の処理を実行した後には、大当り遊技状態に対応して行なわれる大当り中演出となる演出動作を開始するための設定を行なう(図50のS595)。一例として、S595の処理では、大当り種別が「7R大当り」、「16R大当り」である場合、S583で決定した昇格演出パターンに対応した昇格演出を含む大当り中演出に対応した演出制御パターンを各種演出制御パターンテーブルから読出し、演出制御プロセスタイマの設定を行なう。その後、演出制御プロセスタイマ値に応じて演出制御パターンから読出した制御データにしたがい、表示制御指令をVDP109に供給すること、効果音信号を音声出力基板70に対して伝送すること、電飾信号をランプドライバ基板35に対して伝送すること等により、S583で決定した昇格演出パターンに対応した昇格演出を含む大当り中演出となる演出動作を実行させる。
その後、演出制御プロセスフラグの値を大当り制御中演出処理に対応した値である「4」に更新してから(S596)、演出図柄変動停止処理を終了する。
図52および図53は、図45のS805で実行される大当り制御中演出処理を示すフローチャートである。
図52を参照して、大当り制御中演出処理において、演出制御用CPU101は、まず、いずれかの大当り終了指定コマンドを受信したか否かを判定する(S601)。このとき、大当り終了指定コマンドを受信していなければ、前述の先読演出実行タイミング指定バッファの値を読出して(S602)、先読演出の実行タイミングになったか否かを判定する(S603)。一例として、S603の処理では、受信した大入賞口開放中指定コマンド等から、大当り遊技状態におけるラウンド数を特定してラウンド数が更新されたか否かを判定し、更新されていれば、更新後のラウンド数が先読演出実行タイミング指定バッファの値と合致しているか否かを判定する。そして、更新後のラウンド数が先読演出実行タイミング指定バッファ値と合致していれば、先読演出の実行タイミングになったと判定する。
S603で先読演出の実行タイミングになっていないと判定された場合には、第7ラウンドの開始タイミングであるか否かを判定する(S604)。一例として、S604の処理では、受信した大入賞口開放中指定コマンド等から、大当り遊技状態におけるラウンド数を特定し、ラウンド数が「6」から「7」に更新されたか否かを判定すればよい。
S604で第7ラウンドの開始タイミングであると判定された場合には、図35に示す先読結果保留記憶部(第1先読結果保留記憶部および第2先読結果保留記憶部)に保留データが記憶されているか否かを判定する。このとき、先読結果保留記憶部に保留データが記憶されていれば、先読結果保留記憶部に記憶されている保留データとして、先読結果のデータを読出す(S606)。
そして、S606で読出された先読結果のデータに、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「7R大当り」、「16R大当り」のいずれかとなる先読結果のデータが含まれているか否かを判定する(S607)。このとき、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「7R大当り」、「16R大当り」のいずれかとなる旨の先読結果のデータが含まれていれば、その先読結果に対応した先読演出実行フラグの値が、先読演出を実行するか否かの判定が完了する前であることに対応した「0」であるか否かを判定する(S641)。
先読演出実行フラグの値が「0」であれば、第2先読演出の有無を判定するためのデータテーブルとして、図37(B)に示す第2先読演出実行判定テーブルを選択してセットする(S608)。そして、先読演出実行判定用の乱数値SR2を抽出し、抽出したSR2の数値データに基づき、S608でセットした第2先読演出実行判定テーブルを参照することにより、第2先読演出の有無を判定する(S609)。
S609で「第2先読演出あり」と判定された場合には、当該保留データの先読演出実行フラグに、先読演出を実行することに対応した「1」をセットする(S642)。また、「第2先読演出なし」と判定された場合には、当該保留データの先読演出実行フラグに、先読演出を実行することに対応した「2」をセットする(S643)。
S642の処理を実行した後には、第2先読演出の実行タイミングを決定するためのデータテーブルとして、図39(B)に示す第2先読演出実行タイミング決定テーブルを選択してセットする(S613)。そして、先読演出実行タイミング決定用の乱数値SR3を抽出し、抽出したSR3の数値データに基づき、S613の処理でセットした第2先読演出実行タイミング決定テーブルを参照することにより、第2先読演出の実行タイミングを、複数種類のいずれかに決定する(S614)。このように決定された第2先読演出の実行タイミングに対応して、前述の先読演出実行タイミング指定バッファの値を更新すること等により、決定された第1先読演出の実行タイミングを記憶させる(S615)。
S603で先読演出の実行タイミングになっていると判定された場合には、先読演出実行タイミング指定バッファをクリアして、その値を「0」に初期化するとともに(図52のS616)、先読演出となる演出動作を実行するための設定を行なう(S617)。一例として、S617の処理では、先読演出に対応した演出制御パターンのデータを各種演出制御パターンテーブルから読出し、演出制御プロセスタイマの設定を行なう。その後、演出制御プロセスタイマ値に応じて演出制御パターンから読出した制御データにしたがい、表示制御指令をVDP109に供給すること、効果音信号を音声出力基板70に対して伝送すること、電飾信号をランプドライバ基板35に対して伝送すること等により、先読演出となる演出動作を実行させる。
その後、先読プロセスフラグの値を先読演出の実行中に対応した値である「1」に更新してから(S618)、演出図柄変動停止処理を終了する。
S604で第7ラウンドの開始タイミングではないと判定された場合、図53のS605で先読結果保留記憶部に保留データが記憶されていないと判定された場合、S607で変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「7R大当り」、「16R大当り」のいずれかとなる旨の先読結果が含まれていないと判定された場合、S641で先読演出実行フラグが「1」または「2」であると判定された場合、S643の処理を実行した後、または、S615の処理を実行した後には、大当り遊技状態におけるラウンドの実行回数であるラウンド数に応じた大当り中演出となる演出動作を実行するための設定を行なう(図52のS619)。一例として、S619の処理では、受信した大入賞口開放中指定コマンド等から、大当り遊技状態におけるラウンド数を特定する。そして、ラウンド数が更新されたときには、更新後のラウンド数に対応する演出制御パターンを各種演出制御パターンテーブルから読出し、演出制御プロセスタイマの設定を行なう。その後、演出制御プロセスタイマ値に応じて演出制御パターンから読出した制御データにしたがい、表示制御指令をVDP109に供給すること、効果音信号を音声出力基板70に対して伝送すること、電飾信号をランプドライバ基板35に対して伝送すること等により、大当り中演出となる演出動作を実行させる。このようなS619の処理を実行した後には、大当り制御中演出処理を終了する。
S601で大当り終了指定コマンドの受信があると判定された場合には、先読プロセスフラグの値が「2」であるか否かを判定する(S620)。このとき、先読プロセスフラグの値が「2」であれば、先読プロセスフラグをクリアして、その値を「0」に初期化する(S621)。
S620で先読プロセスフラグの値が「2」ではないと判定された場合、または、S621の処理を実行した後には、大当り遊技状態に対応して行なわれる大当り中演出を終了するための設定を行ない(S622)、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了演出処理に対応した「7」に更新してから(S623)、大当り制御中演出処理を終了する。一例として、S622の処理では、VDP109に対して所定の表示制御指令を供給すること、所定の効果音信号を音声出力基板70に対して伝送すること、所定の電飾信号をランプドライバ基板35に対して伝送すること等により、大当り中演出となる演出動作を終了させる制御が行なわれる。
次に、パチンコ遊技機1において実行される各種の演出動作の具体例について説明する。図54および図55は、演出表示装置9で表示される先読演出および放出演出の表示例を示す表示画面図である。
一例として、特別図柄の変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「16R大当り」である場合において、昇格演出パターンを昇格SP3に決定するとともに(S583)、「第1先読演出あり」と判定したときには(S589Y)、第1先読演出の実行タイミングを複数種類のいずれかに決定する(S593)。この例では、第1先読演出の実行タイミングとして4ラウンドが決定される。
そして、演出制御用CPU101は、図52および図53に示す大当り制御中演出処理において、ラウンド数に応じた大当り中演出となる演出動作を実行するための設定を行なうことにより(S619)、図54(B)〜(F)に示すように、昇格SP3の昇格演出パターンに対応して、人のキャラクタC1が空を飛ぶ昇格演出となる演出動作を実行し、キャラクタが画面から飛び出す演出画像を表示する。
その間、演出制御用CPU101は、第4ラウンドの開始時に先読演出の実行タイミングになったと判定し(S603Y)、先読演出となる演出動作を実行するための設定を行なうことにより(S617)、図54(C)および(D)に示すように、犬のキャラクタC2が出現して、大当り保留表示ランプ1000に吸い込まれる演出画像が表示されるとともに、大当り保留表示ランプ1000を青色で点灯させる。
そして、演出制御用CPU101は、ラウンド数「7」に応じた大当り中演出となる演出動作を実行するための設定を行なうことにより(S619)、図54(E),(F)に示すように、大当り遊技状態が継続する旨を報知する。その後、演出制御用CPU101は、図45に示す大当り終了演出処理において、大当り終了演出となる演出動作を実行するための設定を行なうことにより、図54(G)に示すように、大当り遊技状態が終了する旨を報知する。
上述のようにして行われた大当り保留表示ランプ1000の青色点灯は、図55(A)に示すように、大当り遊技状態の終了後の演出図柄の変動表示においても継続される。そして、演出図柄の変動表示結果が「はずれ」である場合には、図50および図51に示す演出図柄変動停止処理において、図55(K)に示すように、はずれ組合せとなる確定演出図柄が導出表示させるとともに(S571)、大当り保留表示ランプ1000の青色点灯をそのまま継続する。
これに対して、演出図柄の変動表示結果が「大当り」である場合であって、先読演出を実行した保留データに対応する変動表示においては、図34(A)に示す放出演出設定処理のS540で、先読演出実行フラグが「1」であると判定され(S540Y)、放出演出の実行タイミングを決定する処理が実行される(S540〜S544)。ここで、S543で放出演出の実行タイミングが「リーチ中」に決定された場合には、図55(B)に示すように、演出図柄の変動表示態様が「7」の数字を示す演出図柄が左,右図柄で揃ったリーチ態様となった後、図55(C)に示すように、大当り保留表示ランプ1000の青色点灯と消灯とを繰り返し行なう点灯動作を実行するとともに、「7」の数字を示す演出図柄を大当り保留表示ランプ1000から放出し、演出図柄の中図柄として変動表示されている演出図柄を、放出した「7」の数字を示す演出図柄に置換える放出演出の演出動作を実行する。そして、大当り保留表示ランプ1000を消灯させる。
図55(B),(C)に示す例では、中図柄として変動表示されている演出図柄を、リーチ状態を形成する演出図柄(「7」の数字を示す演出図柄)に置換えているが、リーチ状態を形成する演出図柄がたとえば「6」であれば、「中」の演出図柄として変動表示されている演出図柄を、「6」の数字を示す演出図柄に置換えればよいし、「大当り!」といった7ラウンド大当り状態や16ラウンド大当り状態に制御される旨を報知するメッセージを大当り保留表示ランプ1000から放出する演出表示を行ってもよい。
そして、演出制御用CPU101は、図50および図51に示す演出図柄変動停止処理において、図55(D)に示すように、大当り図柄の組合せとなる確定演出図柄が導出表示させる(S571)。なお、大当り保留表示ランプ1000の消灯するタイミングは、演出図柄の変動終了時に限定されるものではなく、任意に設定可能であり、たとえば演出図柄の変動開始時、変動中、大当り遊技状態、小当り遊技状態の制御開始時、制御中、または、制御終了後に行われてもよい。また、大当り保留表示ランプ1000の点灯態様は、大当り保留表示ランプ1000を消灯させて先読演出を終了するまで、不変としてもよい。
また、S814で放出演出の実行タイミングが「仮停止後」に決定された場合には、図55(G)に示すように、リーチはずれ図柄の組合せとなる演出図柄が停止表示(仮停止表示)された後、図55(H)に示すように、大当り保留表示ランプ1000の青色点灯と消灯とを繰り返し行なう点灯動作を実行するとともに、「中」の演出図柄として変動表示されている「6」の数字を示す演出図柄を「7」の数字を示す演出図柄に置換える放出演出の演出動作を実行する。そして、大当り保留表示ランプ1000を消灯させる。
そして、演出制御用CPU101は、図50および図51に示す演出図柄変動停止処理において、図55(I)に示すように、大当り図柄の組合せとなる確定演出図柄を導出表示させる(S571)。
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 図2および図3に示すように、大当り遊技状態の終了後に制御される高確率状態および高ベース状態のそれぞれが変動表示の回数によって制限される。図2、図3、および、図29のS173〜S176、S178〜S186A、S190〜S195、および、S199〜204に示すように、低確率状態かつ低ベース状態の第1遊技モードにおいて大当り遊技状態とすることが決定されると、大当り遊技状態の終了後に、高確率状態かつ低ベース状態の第2遊技モードに移行する。そして、第2遊技モードにおいて大当り遊技状態とすることが決定されると、大当り遊技状態の終了後に、高確率状態かつ高ベース状態の第3遊技モードA,Bのいずれかに移行し、第3遊技モードA,Bのいずれかにおいて大当り遊技状態とすることが決定されると、大当り遊技状態の終了後に、高確率状態かつ高ベース状態であって、当該高ベース状態が、高確率状態に制御される変動表示回数、および、第3遊技モードA,Bにおいて高ベース状態に制御される変動表示回数よりも多い回数となる第4遊技モードおよび第4遊技モードに移行する。このように大当り遊技状態に制御されるごとに、遊技状態の遷移状態に対応して、遊技者にとって有利な遊技モードに移行し得るので、遊技状態の遷移状態に基づく大当り遊技状態終了後の遊技状態の選択により遊技の興趣を向上させることができる。さらに、図16、図17、および、図29のS181,S192,S201に示すように、第4遊技モードおよび第4遊技モードにおいて、第3遊技モードA,Bで選択される変動時間よりも短い変動時間の変動パターンが選択されるので、遊技者にとってより有利な遊技モードとなると、変動時間の短縮化により単位時間あたりの大当り遊技状態の発生率を向上させることができるため、より一層遊技の興趣の向上を図ることができる。
(2) 図2および図3に示すように、たとえば大当り遊技状態が終了したという所定の制御条件が成立したときに、大当り遊技状態の終了後、第2遊技モード、第3遊技モードA,B、および、第4遊技モードのような有利状態に制御される。そして、図2、図3、および、図29のS173〜S176、S178〜S186A、および、S199〜204に示すように、このような有利状態に制御されているときにおいて、たとえば予め定められた種別の大当りが発生したというような予め定められた移行条件が成立したときに、当該大当り遊技状態の終了後に、当該有利状態よりも有利度合いが高い有利状態に移行させられる。このように予め定められた移行条件が成立するごとに、有利状態が、遊技状態の遷移状態に対応して、有利度合いが高い有利状態に移行し得るので、遊技状態の遷移状態に基づく有利状態の移行により遊技の興趣を向上させることができる。また、図34(A)で第2遊技モードおよび第3遊技モードには特別演出が設定されており、図47のS508,520では、第2遊技モードおよび第3遊技モードのときには特別演出の実行を設定することにより、第2遊技モード、第3遊技モードA,B、および、第4遊技モードというような複数段階の有利状態のうち、有利度合いが最も高い第4遊技モード以外の有利状態において、有利度合いがさらに高い遊技モードへ移行する期待感を煽るための特別演出1,2が実行されるが、図34(A)で第4遊技モードには特別演出が設定されておらず、図47のS508,520では、第4遊技モードのときには、特別演出の実行が設定されないことにより、最高有利状態である第4遊技モードに移行されたときにおいては特別演出の実行が制限される(禁止される)ので、第4遊技モードになったときに、遊技状態が移行し得ないにも関わらず、特別演出が実行されることによって演出が冗長になるのを防ぐことができる。なお、有利度合いが異なる複数の有利状態における有利度合いが異なる場合としては、たとえば、有利状態中において大当り確率等の有利状態中の制御内容が異なる場合と、有利状態の継続期間が異なる等の有利状態の終了条件が異なる場合(たとえば制御内容が同じで終了条件が異なる場合)と、これらの両方が異なる場合とが含まれる。また、有利状態中の制御内容が異なる場合には、たとえば、大当り確率が高確率、中確率、低確率というような複数段階のいずれかに制御されることで有利な度合いが異なる場合があり、ベース状態が高ベース状態、中ベース状態、低ベース状態というような複数段階のいずれかに制御されることで有利な度合いが異なる場合があり、これら大当り確率とベース状態との組合せが複数種類の組合せのいずれかに制御されることで有利な度合いが異なる場合が含まれる。また、所定の制御条件が成立したときに有利状態に制御され、予め定められた移行条件が成立したときに複数段階で有利状態が移行させられるが、たとえば、所定の制御条件と、予め定められた移行条件とは、同じである場合(たとえば、同じ種別の特定遊技状態が終了したこと)と、異なる場合(たとえば、最初に有利状態に制御されるときの条件となる特定遊技状態の終了と、その後有利状態が移行するときの条件となる特定遊技状態の終了とで特定遊技状態の種別が異なること)とが含まれる。
(3) 図2、図3、および、図29のS182〜S186に示すように、第2遊技モードにおいて2R第1大当りとする決定がされたときの方が、第2遊技モードにおいて16R大当りおよび7R大当りとする決定がされたときよりも多い変動表示回数で、第3遊技モードにおいて、高ベース状態に制御されるので、第2遊技モードにおいて2R第1大当りとなったときには、16R大当りおよび7R大当りとなったときよりも、第3遊技モードに移行した場合の高ベース状態となる変動表示回数が多くなることについて遊技者に期待感を与えることができる。
(4) 図2、図23のS114,S115、図16(a),(b)、および、図29のS520に示すように、特別演出1〜3が実行されるときに行なわれる変動表示の変動パターンとして、特別演出に対応した態様で変動表示をする図16(a)の第2遊技モード状態はずれ時判定テーブルの変動パターン、図16(b)の第3遊技モード状態はずれ時判定テーブルの変動パターンが選択される。また、このような変動パターンに応じて、図34(B)の第1特別変動パターンまたは第2特別変動パターンが選択される。これにより、特別演出と対応関係にある特別変動パターンにより、特別演出をより一層効果的に遊技者に提供することができる。
(5) 図16(b)の変動パターンは、図16(a)の変動パターンと比べて、変動時間が長い変動パターンが選択される割合が高いことを示したように、第3遊技モードA,Bにおいて高確率状態が終了するまでに選択される変動表示の変動パターンの方が、第2遊技モードにおいて高確率状態が終了するまでに選択される変動表示の変動パターンと比べて、変動時間が長い変動パターンを選択する期待度が高い。これにより、遊技者にとって有利な遊技モードに移行することを煽る演出を行なう時間をより長くすることができる等、高ベース状態となる第3遊技モードA,Bにおいて、遊技球が始動入賞しやすくなることによる恩恵をより受けることができる。さらに、たとえば、遊技球が可変入賞球装置15に進入したことに基づいて遊技に使用できる遊技球が遊技者に払出される場合には、遊技者にとって有利な遊技モードの期間が長くなることにより遊技者がより多くの遊技球の払出しを受けることができる。また、たとえば、遊技球が可変入賞球装置15に進入したことに基づいて変動表示を行なう権利が保留記憶される場合には、遊技者にとって有利な保留記憶を得られやすい遊技モードの期間が長くなることにより遊技者が多くの保留記憶を確保することができる。
(6) 図2、図3、および、図29のS171,S199〜S204に示すように、2R第2大当りとする決定がされたときに、遊技状態がいずれの遊技モードであるかに関わらず、第4遊技モードに移行させられるので、いずれの遊技モードにおいても、第4遊技モードに移行することを遊技者に期待させることができるため、遊技の興趣をより一層向上させることができる。
(7) 第4遊技モードで用いられる図17の変動パターンは、確変状態と、非確変状態とで同じ単一の変動パターンであることを示したように、第4遊技モードにおいて、高確率状態であるか、低確率状態であるかに関わらず、同一の変動時間の変動パターンが選択されるので、第4遊技モードのように遊技者にとっての有利度合いが極めて高くなったときに、変動時間の固定化により変動表示の実行効率を向上させることができるため、より一層遊技の興趣の向上を図ることができる。
(8) 図49のS552で先読演出実行フラグが「1」のときには、大当り確定報知演出を実行するためのS553,S554を実行しないことにより、大当り確定報知演出を実行しないことを示したように、先読演出の実行対象となった保留記憶情報に対応する変動表示の期間において、当該変動表示の表示結果が大当り表示結果であることを報知する放出演出が実行される変動表示においては、当該放出演出が実行されるよりも前の大当り確定報知演出の実行が制限(禁止)されるので、放出演出が実行されるより前に大当り確定報知演出が実行されてしまうことを防止でき、放出演出の演出効果が向上し、遊技の興趣を向上させることができる。
次に、以上に説明した実施の形態の変形例や特徴点等を以下に列挙する。
(1) 前述の実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27R,27L等)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
(2) 前述の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(たとえば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35等、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、またはたとえば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行なうのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行なうことができる。
(3) 前述した実施の形態は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
(4) 前述した実施の形態は、パチンコ遊技機1の動作をシミュレーションするゲーム機などの装置にも適用することができる。前述した実施の形態を実現するためのプログラムおよびデータは、コンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラムおよびデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。そして、ゲームの実施形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラムおよびデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行なうことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
(5) 時短状態を実現するための制御としては、時短状態に制御されたときに、変動パターンのうち、非時短状態と比べて、変動時間が比較的短い変動パターンの選択割合を増加させることにより時短状態となるようにしてもよい。また、時短状態を実現するための制御としては、非時短状態専用の複数種類の変動パターンと、当該変動パターンよりも平均的な変動時間が短い時短状態専用の複数種類の変動パターンとを設け、非時短状態においては非時短状態専用の複数種類の変動パターンから変動パターンを選択し、時短状態においては時短状態専用の複数種類の変動パターンから変動パターンを選択することにより、時短状態を実現するようにしてもよい。
(6) 前述した実施形態では、第1遊技モードであるときに、保留記憶数に応じて変動パターンの選択割合を異ならせる制御を行なう例を示した。しかし、これに限らず、保留記憶数に応じて変動パターンの選択割合を異ならせる制御は行なわないようにしてもよい。
(7) 前述した実施形態では、第3遊技モードA,Bと、第2高確高ベースとの相違点が、高ベース状態に制御されるか否かの違いである例を説明した。しかし、これに限らず、第3遊技モードA,Bと、第2高確高ベースとの相違点は、確変状態中(たとえば、変動表示4回)は、両モードとも高ベース状態に制御され、第2遊技モードは確変状態が終了したときに高ベース状態が終了し、第3遊技モードは確変状態が終了した後も高ベース状態が予め定められた回数継続するような相違点であってもよい。つまり、第3遊技モードA,Bの方が、第2遊技モードよりも遊技者にとって有利な度合いが高ければよい。
(8) 前述した実施形態では、第4遊技モードと、第3遊技モードとの相違点が、高ベース状態が継続する変動表示回数の違いである例を説明した。しかし、これに限らず、第4遊技モードと、第3遊技モードとの相違点は、高ベース状態の継続する変動表示回数の違いのみでもよく、第4遊技モードと、第3遊技モードとにおける始動入賞のしやすさの度合い(高ベース数値の大きさ)を相違点として加えたものでもよい。つまり、第4遊技モードの方が、第3遊技モードよりも遊技者にとって有利な度合いが高ければよい。このように、第4遊技モードは、第1遊技モード〜第3遊技モードのような第4遊技モード以外の遊技モードと比べて、遊技者にとって有利な度合いが高いものであればよく、有利度合いの種類は問われない。
(9) 前述した実施形態では、大当り種別と大当り図柄とを1対1で対応させておき、同じ乱数値(ランダム1)を用いて同時に選択する例を示した。しかし、これに限らず、各大当り種別につき、複数の大当り図柄のそれぞれを、大当り種別決定用の乱数値とは別に設けた大当り図柄決定用の乱数値により対応付けておき、大当り種別を決定した後に、大当り図柄決定用の乱数値を用いて、決定された大当り種別に含まれる複数の大当り図柄のうちから1つの大当り図柄を選択決定する処理を行なうようにしてもよい。
(10) 前述した実施形態では、賞球が得られやすい大当り(16R大当り、7R大当り)と、賞球が得られにくい大当り(2R第1大当り、2R第2大当り)とについて、大当り遊技状態における特別可変入賞球装置20の開放回数で大当りの種別を分ける例を示した。しかし、これに限らず、賞球が得られやすい大当りと、賞球が得られにくい大当りとについて、開放回数を同じとし、賞球が得られやすい大当りについては賞球が得られやすい長い開放時間とし、賞球が得られにくい大当りについては賞球が得られにくい極めて短い開放時間とするようにしてもよい。このような場合には、前述したような小当りを設けるときにも、賞球が得られにくい大当りと同様の開放回数および開放時間とする。このようにすれば、大当り時の開放回数を区別するために表示するランプ(ラウンドランプ)を設ける必要がなくなるので、パチンコ遊技機1の外部から確変状態であるか否かを全く判別できなくすることができる。
(11) 前述した実施の形態では、第1遊技モード〜第4遊技モードの各遊技モード間の移行条件(遊技モードが移行する大当りの種別)が異なる例を示した。しかし、これに限らず、各遊技モード間の移行条件(遊技モードが移行する大当りの種別)が同じであるように設定してもよい。
(12) 前述した実施の形態では、第1保留記憶データに基づく第1特別図柄の変動表示と、第2保留記憶データに基づく第2特別図柄の変動表示とについて、第2特別図柄の変動表示を優先的に実行させる例を示した。しかし、これに限らず、第1保留記憶データに基づく第1特別図柄の変動表示と、第2保留記憶データに基づく第2特別図柄の変動表示とについて、始動入賞した順番にしたがって変動表示を実行させるようにしてもよい。
(13) 前述した実施の形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とで、決定される大当りの種別が一部異なる場合を示したが、これに限らず、第1特別図柄と第2特別図柄とで、決定される大当りの種別は同一であってもよい。その場合には、たとえば、第3遊技モードから第4遊技モードへ移行する条件は、たとえば、前述の第2特別図柄のみで決定される7R大当りの終了後とする代わりに、第2特別図柄の側で特定の大当り(たとえば、2R第1大当り)とすることが決定されたときの当該大当りの終了後としてもよい。また、第3遊技モードから第4遊技モードへ移行する条件は、第1特別図柄の側で特定の大当りとすることが決定されたときの当該大当りの終了後としてもよい。
(14) 遊技媒体(遊技球)が始動領域(第1始動入賞口13、第2始動入賞口14)に進入したことに基づいて、各々を識別可能な識別情報(図柄)の変動表示を開始し、表示結果を導出表示する変動表示部(第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、演出表示装置9)を備え、該変動表示部の表示結果が特定表示結果(大当り表示結果)となったときに、遊技状態を通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御する遊技機(パチンコ遊技機1)であって、
所定の条件が成立したときに、前記始動領域に遊技媒体が進入し難い不利状態(閉状態)から進入しやすい有利状態(開状態)に変化する可変始動装置(可変入賞球装置15)と、
前記変動表示について、前記特定遊技状態(16R大当り、7R大当り、2R第1大当り、2R第2大当り)に制御するか否かを前記変動表示の表示結果が導出表示される以前に決定する事前決定手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560、図22のS60,S71〜S73)と、
該事前決定手段による決定に基づいて、前記変動表示が行なわれる変動時間(図15〜図20の変動パターンに対応する変動時間)が定められた変動パターンを複数種類の変動パターン(図15〜図20の変動パターン)のうちから選択する変動パターン選択手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560、図23のS114,S115)と、
該変動パターン選択手段による選択結果に応じた前記変動表示を実行する変動表示実行手段と(遊技制御用マイクロコンピュータ560、図23のS117、図12のS303,S304)、
前記特定遊技状態の終了後において、予め定められた回数(たとえば、4回)の前記変動表示が実行されるまで、前記事前決定手段により前記特定遊技状態に制御すると決定される確率(大当り確率)を、前記通常遊技状態における通常確率状態よりも高い高確率状態(確変状態)に制御する高確率状態制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560、図29のS173,S179,S199、図22のS60)と、
前記特定遊技状態の終了後において、所定回数の前記変動表示が実行されるまで、前記可変始動装置に遊技媒体が進入する頻度が低い低進入状態(低ベース状態)にするか、前記可変始動装置に遊技媒体が進入する頻度が高い高進入状態(高ベース状態)にするかを制御する進入状態制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560、図29のS181,S201、図31のS511,S514)と、
前記通常確率状態かつ低進入状態の第1遊技モードにおいて前記事前決定手段により前記特定遊技状態とする決定がされたときに、当該特定遊技状態の終了後に、前記高確率状態制御手段により第1の回数(4回)の変動表示が実行されるまで前記高確率状態に制御するとともに、前記進入状態制御手段により前記低進入状態を維持する(高確低ベース状態とする)第2遊技モード(第2遊技モード)に移行させる第1モード移行手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560、図29のS173〜S176)と、
前記第2遊技モードにおいて前記事前決定手段により前記特定遊技状態とする決定がされたときに、当該特定遊技状態の終了後に、前記高確率状態制御手段により前記第1の回数(4回)の変動表示が実行されるまで前記高確率状態に制御するとともに、前記進入状態制御手段により第2の回数(4回または4+2回)の変動表示が実行されるまで前記高進入状態に制御する(高確高ベース状態とする)第3遊技モード(第3遊技モード)に移行させる第2モード移行手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560、図29のS179〜S186A)と、
前記第3遊技モードにおいて前記事前決定手段により前記特定遊技状態とする決定がされたときに、当該特定遊技状態の終了後に、前記高確率状態制御手段により前記第1の回数(4回)の変動表示が実行されるまで前記高確率状態に制御するとともに、前記進入状態制御手段により前記第1の回数および前記第2の回数よりも多い第3の回数(4+50回)の変動表示が実行されるまで前記高進入状態に制御する(高確高ベース状態とする)第4遊技モード(第4遊技モード)に移行させる第3モード移行手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560、図29のS199〜S204)とを備え、
前記変動パターン選択手段は、前記第4遊技モードにおいて、前記第3遊技モードで選択される変動時間(図16(b)等の第4,第5スーパーリーチの変動パターンの変動時間)よりも短い変動時間の変動パターン(図17等の時短変動パターン)を選択する。
このような構成によれば、特定遊技状態の終了後に制御される高確率状態および高進入状態のそれぞれが変動表示の回数によって制限される。通常確率状態かつ低進入状態の第1遊技モードにおいて特定遊技状態とすることが決定されると、特定遊技状態の終了後に、高確率状態かつ低進入状態の第2遊技モードに移行する。そして、第2遊技モードにおいて特定遊技状態とすることが決定されると、特定遊技状態の終了後に、高確率状態かつ高進入状態の第3遊技モードに移行し、第3遊技モードにおいて特定遊技状態とすることが決定されると、特定遊技状態の終了後に、高確率状態かつ高進入状態であって、当該高進入状態が、高確率状態に制御される変動表示回数、および、第3遊技モードにおいて高進入状態に制御される変動表示回数よりも多い回数となる第4遊技モードに移行する。このように特定遊技状態に制御されるごとに、遊技状態の遷移状態に対応して、遊技者にとって有利な遊技モードに移行し得るので、遊技状態の遷移状態に基づく特定遊技状態終了後の遊技状態の選択により遊技の興趣を向上させることができる。さらに、第4遊技モードにおいて、第3遊技モードで選択される変動時間よりも短い変動時間の変動パターンが選択されるので、遊技者にとってより有利な遊技モードとなると、変動時間の短縮化により単位時間あたりの特定遊技状態の発生率を向上させることができるため、より一層遊技の興趣の向上を図ることができる。なお、可変始動装置について、始動領域に遊技媒体が進入し難い不利状態は、遊技媒体が進入しづらいが進入可能である状態と、遊技媒体が進入しない状態との両方を含む。
(15) 前記(14)の遊技機において、遊技媒体が入賞しやすい第1の状態(開状態)と該第1の状態よりも遊技媒体が入賞し難い第2の状態(閉状態)とに変化可能であり、前記特定遊技状態に制御されたときに当該第1の状態に制御される可変入賞装置(特別可変入賞球装置20)をさらに備え、
前記事前決定手段は、前記特定遊技状態として、第1特定遊技状態(16R大当り、7R大当り)と、該第1特定遊技状態よりも前記可変入賞装置を遊技者にとって不利な態様で前記第1の状態とする第2特定遊技状態(2R第1大当り)を含む複数種類の特定遊技状態のいずれにするかを決定し(図9、図22のS72,S73)、
前記第2の回数は、前記第1の回数以下(4回)であり、
前記第2遊技モードにおいて前記事前決定手段により前記第2特定遊技状態とする決定がされたときの方が、前記第2遊技モードにおいて前記事前決定手段により前記第1特定遊技状態とする決定がされたときよりも多い変動表示回数(16R大当りの場合は4回、2R第1大当りの場合は6回)で、前記第3遊技モードにおいて、前記高進入状態に制御される(図29のS182,S185)。
このような構成によれば、第2遊技モードにおいて第2特定遊技状態とする決定がされたときの方が、第2遊技モードにおいて第1特定遊技状態とする決定がされたときよりも多い変動表示回数で、第3遊技モードにおいて、高進入状態に制御されるので、第2遊技モードにおいて第2特定遊技状態となったときには、第1特定遊技状態となったときよりも、第3遊技モードに移行した場合の高進入状態の回数が多くなることについて遊技者に期待感を与えることができる。なお、可変入賞装置について、遊技媒体が入賞し難い第2の状態は、遊技媒体が入賞しづらいが入賞可能である状態と、遊技媒体が入賞しない状態との両方を含む。
(16) 前記(14),(15)の遊技機において、前記変動パターン選択手段は、前記第3遊技モードにおいて前記高確率状態が終了するまでに選択される変動表示の変動パターン(図16(b)の変動パターン)の方が、前記第2遊技モードにおいて前記高確率状態が終了するまでに選択される変動表示の変動パターン(図16(a)の変動パターン)と比べて、変動時間が長い変動パターンを選択する期待度が高い(図16(b)の変動パターンは、図16(a)の変動パターンと比べて、変動時間が長い変動パターンが選択される割合が高い)。
このような構成によれば、第3遊技モードにおいて高確率状態が終了するまでに選択される変動表示の変動パターンの方が、第2遊技モードにおいて高確率状態が終了するまでに選択される変動表示の変動パターンと比べて、変動時間が長い変動パターンを選択する期待度が高い。これにより、遊技者にとって有利な遊技モードに移行することを煽る演出を行なう時間をより長くすることができる等、第3遊技モードにおいて高進入状態となることによる恩恵をより受けることができる。さらに、たとえば、遊技媒体が始動領域に進入したことに基づいて遊技に使用できる遊技媒体が遊技者に払出される場合には、遊技者にとって有利な遊技モードの期間が長くなることにより遊技者がより多くの遊技媒体の払出しを受けることができる。また、たとえば、遊技媒体が始動領域に進入したことに基づいて変動表示を行なう権利が保留記憶される場合には、遊技者にとって有利な保留記憶を得られやすい遊技モードの期間が長くなることにより遊技者が多くの保留記憶を確保することができる。
(17) 前記(14)〜(16)の遊技機において、前記事前決定手段は、前記特定遊技状態として、前記第1特定遊技状態および前記第2特定遊技状態に加えて、第3特定遊技状態(2R第2大当り)を含む複数種類の特定遊技状態のいずれにするかを決定し(図9、図22のS72,S73)、
前記事前決定手段により前記特定遊技状態として第3特定遊技状態とする決定がされたときに、遊技状態がいずれの遊技モードであるかに関わらず、前記第4遊技モードに移行させる第4モード移行手段をさらに備える(遊技制御用マイクロコンピュータ560、図29のS171,S199〜S204)。
このような構成によれば、第3特定遊技状態とする決定がされたときに、遊技状態がいずれの遊技モードであるかに関わらず、第4遊技モードに移行させられるので、いずれの遊技モードにおいても、第4モードに移行することを遊技者に期待させることができるため、遊技の興趣をより一層向上させることができる。
(18) 前記(14)〜(17)の遊技機において、前記変動パターン選択手段は、前記第4遊技モードにおいて、前記高確率状態であるか、前記通常確率状態であるかに関わらず、同一の変動時間の変動パターンを選択する(第4遊技モードで用いられる図17の変動パターンは、確変状態と、非確変状態とで同じ単一の変動パターンである。)。
このような構成によれば、第4遊技モードにおいて、高確率状態であるか、通常確率状態であるかに関わらず、同一の変動時間の変動パターンが選択されるので、第4遊技モードのように遊技者にとっての有利度合いが極めて高くなったときに、変動時間の固定化により変動表示の実行効率を向上させることができるため、より一層遊技の興趣の向上を図ることができる。
(19) 前記(14)〜(18)の遊技機において、前記変動表示の実行条件が成立したことに基づいて、所定の数値データを抽出する数値データ抽出手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560、図13のS214,S224)と、
該数値データ抽出手段によって抽出された数値データを変動表示を行なう権利として保留記憶する保留記憶手段(RAM55、図14の第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファ)とをさらに備え、
前記事前決定手段は、前記変動表示を開始するときに、当該変動表示を行なう権利に対応する数値データを前記保留記憶手段から読出して(図21のS55)、当該読出した数値データが特定の数値データ(図9(A)の大当り判定値)であるか否かを判定することにより前記特定遊技状態に制御するか否かを決定し(図22のS60)、
前記事前決定手段によって前記変動表示を開始する権利に対応する数値データが特定の数値データである旨の判定がなされたことに基づいて、当該判定の対象となった権利に対応する変動表示中において、表示結果が前記特定表示結果となることを報知する特定表示結果確定報知演出(大当り確定報知演出)を実行する特定表示結果確定報知演出実行手段(演出制御用マイクロコンピュータ100、図47のS507、図49のS551〜S554、図45のS802)と、
前記事前決定手段によって前記変動表示を開始する権利に対応する数値データが特定の数値データである旨の判定がなされたことに基づいて、前記保留記憶手段に記憶されている数値データのうちに特定の数値データが含まれているか否かを判定する保留判定手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560、図13のS216,S226)と、
該保留判定手段によって前記特定の数値データが含まれていると判定されたことに基づいて、所定の報知演出(先読演出)を実行するか否かを決定する報知演出決定手段(演出制御用マイクロコンピュータ100、図51のS588、図53のS609)と、
該報知演出決定手段によって前記所定の報知演出を実行する旨の決定がなされたことに基づいて、前記変動表示部に前記特定表示結果が導出表示された後、前記所定の報知演出を実行する報知演出実行手段(演出制御用マイクロコンピュータ100、図47のS507、図49のS551〜S554、図45のS802)と、
前記所定の報知演出の実行対象となった権利に対応する変動表示の期間において、当該変動表示の表示結果が前記特定表示結果であることを報知する放出演出(図55(A),(G),(M))を実行する放出演出実行手段(演出制御用マイクロコンピュータ100、図47のS506、図48のS540〜S544、図45のS802)とをさらに備え、
前記特定表示結果確定報知演出実行手段は、放出演出実行手段により前記放出演出が実行される変動表示においては、当該放出演出が実行されるよりも前の前記特定表示結果確定報知演出の実行を制限する(図49のS552で先読演出実行フラグが「1」のときには、大当り確定報知演出を実行するためのS553,S554を実行しないことにより、大当り確定報知演出を実行しない)。
このような構成によれば、所定の報知演出の実行対象となった権利に対応する変動表示の期間において、当該変動表示の表示結果が特定表示結果であることを報知する放出演出が実行される変動表示においては、当該放出演出が実行されるよりも前の特定表示結果確定報知演出の実行が制限されるので、放出演出が実行されるより前に特定表示結果確定報知演出が実行されてしまうことを防止でき、放出演出の演出効果が向上し、遊技の興趣を向上させることができる。
(20) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
13 第1始動入賞口、14 第2始動入賞口、8a 第1特別図柄表示器、8b 第2特別図柄表示器、9 演出表示装置、1 パチンコ遊技機、15 可変入賞球装置、20 特別可変入賞球装置、560 遊技制御用マイクロコンピュータ、100 演出制御用マイクロコンピュータ、55 RAM。

Claims (2)

  1. 遊技者により遊技を行うことが可能であり、遊技者に所定の遊技価値を付与可能な遊技機であって、
    所定の遊技価値が付与された後に所定の終了条件が成立するまで、遊技者にとって有利な有利状態に制御する有利状態制御手段と、
    所定の遊技状態中に所定の遊技価値のうちの特別遊技価値が付与された後に、前記有利状態として第1有利状態に移行させる直接移行手段と、
    前記所定の遊技状態中に所定の遊技価値のうちの特別遊技価値以外の遊技価値が付与された後に、前記有利状態として前記第1有利状態よりも前記所定の終了条件が不利な第2有利状態に移行させ、前記第2有利状態中に所定の遊技価値が付与された後に、前記有利状態として前記第1有利状態に移行させることにより、前記有利状態を段階的に移行させる段階移行手段と、
    前記所定の遊技状態中に前記特別遊技価値が付与されて前記直接移行手段により前記第1有利状態に移行されることに基づいて、特別な演出を実行する特別演出実行手段とを備えることを特徴とする、遊技機。
  2. 所定の遊技価値を付与するか否かを決定する事前決定手段と、
    前記事前決定手段による決定に基づいて演出を実行する演出実行手段とを備えることを特徴とする、請求項1に記載の遊技機。
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