以下に、添付の図面に基づいて本発明の好ましい実施例を説明する。
図1〜図3は実施例のモータ駆動装置の外観を説明するための図である。図1は複数のモータアンプ100を配列した例を説明するための図である。図1の参照符号200は通信ユニットを示す。通信ユニット200は、複数のモータアンプ100に電源を供給すると共に、モータ8の駆動電源でもある。図2は、制御盤(図示せず)に含まれるDINレール2にモータアンプ100を組み付けた例を説明するための図である。制御盤の内部にモータアンプ100を組み付ける方法として、DINレール2を使わずに基台に固定するようにしてもよい。図3は、モータアンプ100の前面の構成を説明するための正面図である。周知のように、制御盤に搭載されたモータアンプ100は、その上位装置であるPLC(後に説明するCPUユニット4が相当する)に接続される。PLCの設定はPLCに接続されたパーソナルコンピュータを使って行われる。PLCは各種のセンサからの信号を受け取り、ラダー図によって作成された制御プログラムに従ってモータアンプ100に指令信号を供給する。
実施例のモータアンプ100は、後に説明する位置決め機能を内蔵し、且つ、ユーザが操作する操作部を設けて、パーソナルコンピュータを使うことなくモータアンプ100でユーザが主要なパラメータを設定できる機能を有している。更に、モータアンプ100は、ユーザに求める操作を必要最小限にすることを目指して設計されている。更に、設定作業の繁雑化を回避する、換言すればユーザインターフェースを高めたなかでユーザの簡単な操作で且つ必要最小限のパラメータを設定するだけで直ぐにモータアンプ100が使える状態になることを目指して設計されている。
モータアンプの前面の構成(図1、図3):
図1、図3を参照して、モータアンプ100は表示部102を有し、この表示部102がモータアンプ筐体の略長方形状の前面に対して大きな面積を占めている。当業者であれば、この主要な部分を占める大きさの表示部102を見ることでモータアンプ100が従来に比べて極端に小型化されていることに気付くであろうし、また、相対的に大きな表示部102を備えていることに気付くであろう。なお、モータアンプ筐体の略長方形状の前面は、上下方向の長辺と左右方向の短辺を有しており、短辺の長さは長辺の長さの略2分の1以下である。このように、本実施形態に係るモータアンプ100は左右方向(幅方向)にスリムな形状になっている。
モータアンプ100は直方体の形状を有し、制御盤には縦置きにした状態で設置される。このことから、制御盤での設置状態を念頭に置いて上下という言葉を使って略長方形の前面の構成を説明する。図3を参照して、表示部102は複数の区分された表示エリア104を有している。具体的には、表示部102は、長尺の第1表示エリア104aと、小さな矩形の第2表示エリア104bとを有している。第1表示エリア104aは、モータアンプ前面の一方の側部において下部から上端部まで延びる長尺の長方形の形状を有している。第2表示エリア104bは、モータアンプ前面の他方の側部において上下方向中間部分に位置する短尺の長方形の形状を有している。勿論、第2表示エリア104bも第1表示エリア104aと実質的に同じ大きさを有していてもよい。すなわち、第2表示エリア104bは第1表示エリア104aに対して右隣りに配置されている。この第2表示エリア104bには、モータアンプ100の現在の動作状態や第1表示エリア104aに表示されている数字列や文字列が何に関連したキャラクタであるかを識別するための表示が行われる。要するに、第2表示エリア104bは、第1表示エリア104aに表示されている数字列の意味合いを識別するための識別情報を表示している。
第1表示エリア104a及び第2表示エリア104bは、例えば液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、ドットマトリックスディスプレイなどのディスプレイであってもよいが、実施例では、7セグメントディスプレイ(1キャラクタを表示するために個別点灯・個別消灯可能な7個のセグメントから構成された7セグメント表示器)が採用されている。長尺の第1表示エリア104aの表示は、その態様が図1から良く分かるように横向きになっている。第2表示エリア104bも同じである。すなわち、数字、文字などの各キャラクタが横向きに表示され、そして複数のキャラクタが縦方向に配列されている。図1を参照して説明すれば、長尺の第1表示エリア104aには、上から下に向けて順に「1」「2」「3」「4」「5」「6」「7」の7つのキャラクタが表示されている。この表示は、その表示の一例として数字列「1234567」の意味である。このように各キャラクタを横向きに表示し、そして、複数のキャラクタを縦方向に配列することで、幅狭の第1表示エリア104aに7桁の数値を表示することができる。また、別の言い方をすれば、複数のキャラクタの配列方向(上下方向)は、複数のモータアンプ100が組み付けられるDINレール2の延伸方向と略直交し、且つ、複数のモータアンプ100の組み付け方向とも略直交している。さらに別の言い方をすれば、複数のキャラクタの配列方向(上下方向)は、複数のモータアンプ100が連結される連結方向と略直交している。
換言すれば、例えば7桁の数値を横並びに表示するとしたら、モータアンプ前面の幅寸法を大きくするか、表示するキャラクタを小さくせざるを得ない。最も好ましい態様として、第1表示エリア104aの上つまり上記「1234567」の数字列の左に「*」又は「−」を表示可能な付記的な表示部116を追加に設けるのがよい。この追加の表示部116は、上記「1234567」の数字列が意味する位置座標が表示可能な数値よりも大きいオーバーフロー値の場合には「*」を表示し、マイナス座標の場合には「−」を表示する。例えば第1表示エリア104aを液晶ディスプレイで構成する場合には、この追加の表示部116を含めて液晶ディスプレイで表示するようにしてもよい。
モータアンプ100に、その前面の主要部分を占める表示部102を設けたことから、桁数の多い数値を表示することができるのは前述した通りであるが、この比較的大きな表示部102を使ってモータアンプ100のエラー表示を、エラーの内容が直感的に分かる文字列、例えば過負荷のときに「overRoad」(8桁以上の表示が可能な場合)というような文字列で表示することができる。これによりユーザはエラーの内容を瞬時に把握することができる。なお、従来はエラーが発生したときにモータアンプ100又はPLCにパーソナルコンピュータを接続して、このパーソナルコンピュータでエラー内容を表示させるようになっていたが、実施例では、パーソナルコンピュータを使うことなくエラー内容を直感的に把握することができる。
勿論、モータアンプ100に、その前面の主要部分を占める表示部102を設けることで桁数の多い数値を表示できることから、モータ8が動作することにより移動又は回転する部材の現在座標又は目標座標(移動量を含む)を数多くの桁数で表示することができる。表示部102に表示されている桁数の多い座標値や移動量を確認しながらユーザは精緻な位置合わせを行うことができる。例えば、表示部102において4桁の数字しか表示できないとなると粗い位置決めしかできない。しかし、本実施形態に係るモータアンプ100のように、表示部102にて5桁以上の数字が表示できれば、高精度に位置決めすることが可能になる。
引き続き図3を参照して、モータアンプ前面は、また、その下端部にマニュアル操作部106を有している。操作部106は、プッシュ式のSET/TESTキー110と、プッシュ式のモードキー(Mキー)112と、プッシュ式の4つの方向キー114とで構成されている。方向キー114に含まれるアップキーを参照符号114aで示し、ダウンキーを参照符号114bで示す。アップダウンキー114a、114bは、例えば表示部102に表示されている数値を上げ下げ(増減)するのに用いられる。
方向キー114は、また、ライトキー114cと、レフトキー114dを有している。方向キーとして十字形状のキーやJOGスティックを採用してもよい。操作部106を構成するキー110、112、114を使って各種の設定が可能である。例えば、システムを組み立てて位置合わせを行うときに、後に詳しく説明するように、ライトキー114c又はレフトキー114dを押し下げてモータ8を右回転又は左回転させて位置合わせすることで所望のポジションの位置座標や移動量を設定することができる。勿論、この操作部106の各種キー110、112、114をタッチパネルで構成してもよく、このタッチパネルは上述した表示部102と一体であってもよい。
モータアンプ前面には、ユーザが操作するストップキー118が設けられている。ストップキー118は、プッシュ式のボタンで構成されており、モータアンプ前面の左上角隅部に配置されている。すなわち、第1表示エリア104aと第2表示エリア104bとで囲まれた左上角隅部にストップキー118が配置されている。
このストップキー118は、後に説明するように緊急時に制御対象のモータを緊急停止する機能を有し、モータを緊急停止するのに特化した専用のスイッチである。変形例として、例えばモードキー112などの任意のキーにこのモータ緊急停止機能を付加的に割り付けてもよい。誤操作を回避するために、好ましくはストップキー118は操作部106から大きく離れた位置に配置される。より詳しくは、ストップキー118は、表示部102を挟んで操作部106とは対抗した位置に配置されている。すなわち、筐体の前面は上下方向を長手方向としているが、この長手方向に沿って、ストップキー118と操作部106とが分離して配置されている。ストップキー118の配置位置の変形例として、モータアンプ前面の上端部の幅方向中央部分に配置してもよいし、右上角隅部に配置してもよい。ストップキー118は非常時に限定して操作すべきスイッチであることから、ストップキー118の色を、操作部106を構成する各種のキーとは異なる色(例えば一般的に非常時を認識させる赤色)や外観形状、凹凸などの手触りを、操作部106に配置された各種キー110、112、114から視覚、触覚で差別化できるようにするのが好ましい。
モータアンプ前面の右上部分、つまり第1表示エリア104aと、その右隣に位置し、第1表示エリア104aの下端の高さレベルと一致した下端を備えた比較的短尺の第2表示エリア104bとで囲まれた右上部分120には、第1表示エリア104aに沿って複数(この実施例では6つ)のシステム・インジケータ122が一列に配置されている。一番上の第1インジケータ122aには「SYS」の文字が付記されている。「SYS」はシステムを意味する。上から二番目の第2インジケータ122bには「ORG」の文字が付記されている。「ORG」は原位置を意味する。上から三番目の第3インジケータ122cには「Pt1」の文字が付記されている。「Pt1」は第1ポジションを意味する。上から四番目の第4インジケータ122dには「Pt2」の文字が付記されている。「Pt2」は第2ポジションを意味する。上から五番目の第5インジケータ122eには「Pt3」の文字が付記されている。「Pt3」は第3ポジションを意味する。一番下の第6インジケータ122fには「Pt4」の文字が付記されている。「Pt4」は第4ポジションを意味する。これら第1〜第4ポジションの意味については後に説明する。
モータアンプ前面の右上角隅部、つまり右上部分120の一番上にステータス・インジケータ124が配置されている。このステータス・インジケータ124は、モータアンプ100が正常に動作しているときには緑色に点灯する。他方、エラーが発生したときには赤色に点灯又は点滅してユーザにアラームを発する。
このステータス・インジケータ124の直ぐ下には、当該モータアンプ100に与えられた局番・設定するロータリスイッチ126が配置されている。また、モータアンプ前面の右上部分120には、局番表示・設定ロータリスイッチ126と第2表示エリア104bとの間にモード切替スイッチ128が配設されている。モード切替スイッチ128は、モータアンプ100の動作及び表示の態様を切り替えるためのマニュアルスイッチであり、ユーザが操作することにより少なくとも2つの異なるモードの間で択一的に切り替えることができる。このモード切替スイッチ128はプッシュプッシュ式のボタンスイッチなどの任意のスイッチやタッチパネル式のディスプレイを採用してもよいが、この実施例ではスライド式の2位置スイッチが採用されている。後に詳しく説明するが、このモード切替スイッチ128をユーザが操作することにより、ティーチングモード(「TEACH」モード)と自動モード(「AUTO」モード)とを択一的に切り替えることができる。
ティーチングモード(「TEACHモード」)では、上位装置であるPLCからモータアンプ100を切り離した状態になる。他方、自動モードではモータアンプ100はPLCの指令を受ける状態になる。誤操作を回避するうえで、ユーザの明確な意図を伴うスイッチ機構を採用するのが好ましく、この観点でスライド式スイッチをモード切替スイッチ128として採用するのが合目的的であるが、これに限定されない。例えばプッシュボタンスイッチを例えば2秒間以上押し続ける「長押し」が行われたときに限定してモード切替えを行うようにしてもよい。他の例として、2つのキーを同時に操作することでモード切替えを行うようにしてもよい。
全ての設定が完了した後は、運用のためにモード切替スイッチ128を自動モード(「AUTO」)にすることで、モータアンプ100は、設定されたパラメータに基づいて動作する。したがって、自動モードを運用モードと呼ぶことができる。他方、モータ8の動作位置、つまりこのモータ8によって駆動される部材の位置や移動量の設定やその設定変更が必要な場合には、モード切替スイッチ128をティーチングモード(「TEACH」モード)に切り替えた状態でライトキー114c又はレフトキー114dを押し下げてモータ8を右回転又は左回転させながら位置合わせすることで、その設定を行うことができる。この設定作業の過程で、現在座標、設定座標(移動量)が第1表示エリア104aに表示される。
好ましい態様として時々刻々と変化する現在のモータ速度を表示するのが好ましい。実施例では、長尺の第1表示エリア104aの左側に第1表示エリア104aと平行に配置したインジケータ群130によってモータ速度の表示が行われる。このインジケータ群130を構成する各インジケータ(この実施例では8つのインジケータ)はバー形式でモータ速度を表示するようになっている。
モータアンプ100の種類(図4、図5):
モータアンプ100はその外観を実質的に共通にした2種類のアンプ100a、100bを有している。第1のモータアンプ100(I/O)を「I/Oタイプ」と呼び(図4)、第2のモータアンプ100(pls)を「パルス列タイプ」と呼ぶ(図5)。
図4を参照してI/Oタイプのモータアンプ100(I/O)を説明すると、I/Oタイプのモータアンプ100(I/O)は、CPUユニット4(一般的にはPLC)に接続されたI/Oユニット6を通じてON/OFF信号を受け取り、モータアンプ100(I/O)で制御信号(パルス列)を生成して、このパルス列信号を制御対象であるモータ8に供給する。モータ8はパルス列のパルスの数に対応した角度だけ回転する。ここに、上位装置のCPUユニット4を構成するPLCユニットの制御プログラムは上述したように典型的にはラダー図で作成される。I/Oタイプのモータアンプ100(I/O)は、ステッピングモータに対して最適化できるように設計されているが、サーボモータに対しても実質的に同様に適用可能である。このことは、パルス列タイプのモータアンプ100(pls)についても同様である。
なお、ステッピングモータはモータアンプ100からの指令を一方的に受けて動作するため、モータアンプ100から指令されたパルス数よりも少ないパルス数しか動作しない「脱調」と呼ばれる動作エラーが発生し易いことが知られている。これに対応すべく、エンコーダを組み込んだステッピングモータが出現している。このエンコーダ付きのステッピングモータではエンコーダからの信号に基づいてフィードバック制御が可能になる。実施例では、エンコーダ無しのステッピングモータを制御対象として、その最適化設計が行われているが、変形例として、エンコーダ付きのステッピングモータを制御対象として、その最適化設計を行ってもよい。ステッピングモータに対する制御を最適化することで、ステッピングモータの脱調やモータ100に供給する電流値の最適化が可能になりモータの発熱を低減することができる。勿論、サーボモータを制御対象として、その最適化設計を行ってもよい。
図5を参照してパルス列タイプのモータアンプ100(pls)を含むシステムを説明すると、CPUユニット4に接続された位置決めユニット10はユーザが設定したパラメータに基づいてモータ8に所望の動作をさせるための位置決め機能を有する。モータ8がステッピングモータである場合を例に位置決め機能を説明すると、ユーザが設定したパラメータに基づいてパルス列の総数と、当該パルス列に含まれるパルス間の時間間隔を演算するのが位置決め機能である。位置決めユニット10が生成したパルス列信号はモータアンプ100(pls)に供給される。このパルス列信号を受け取ったモータアンプ100(pls)は、制御対象であるモータ8に対して制御信号(例えばパルス列など)を供給する。位置決めユニット10の詳しい構成及び機能は後に説明する。
I/Oタイプのモータアンプ100(I/O)及びパルス列タイプのモータアンプ100(pls)の具体的な構成(図6、図7):
図6はI/Oタイプのモータアンプ100(I/O)のブロック図である。図7はパルス列タイプのモータアンプ100(pls)のブロック図である。I/Oタイプとパルス列タイプの双方に共通する要素には同じ参照符号を付して説明する。
図6を参照して、I/Oタイプのモータアンプ100(I/O)は、PLCユニット群に含まれるI/Oユニット6を通じて信号を受け取るI/Oインターフェース12を有し、このI/Oインターフェース12を介して制御部14にON/OFF信号が供給される。制御部14には、前述した操作部106(SET/TESTキー110、モードキー112、方向キー114の他にストップキー118:図3)から信号が供給される。また、モータアンプ100(I/O)はパラメータ記憶部16を有し、このパラメータ記憶部16に保存されている各種のパラメータが必要に応じて書き換え又は制御部14に供給される。
制御部14はモータアンプ100(I/O)の全体(表示エリア104(図3)を含む)を統合的に制御すると共に各種の演算を行う。制御部14は、また、位置決め指令部18と協働して制御対象のモータ8に所望の動作をさせる演算処理を行う。モータ8は、サーボモータであってもよいし、ステッピングモータであってもよい。図8を参照して、ポイントpt(n)においてモータ8に図示の動作をさせる場合、ユーザが設定したモータ速度(例えば100pls/s)、移動距離(回転角度)(例えば500pls/s)、場合によっては加速・減速レート(例えば10pls/s/ms)に基づいて所望のポイントでのモータ8の動作を規定するのに必要な演算処理が行われる。すなわち、図8に示すように、初速、加速レート、目標速度、減速レート、終速で規定される六角形の面積データに基づいて、この面積と等価の移動距離に到達するようにモータ8を動作させるための演算処理に基づく演算が行われる。モータ8に供給するパルス駆動電流の周期がモータ速度となる。
位置決め指令部18は、パラメータ記憶部16から必要とするパラメータを読み出し、このユーザが設定したパラメータに基づいてモータ8に所望の動作をさせるための指令情報(例えばパルス列)を生成する機能を有する。位置決め指令部18が生成した指令情報は駆動信号出力部20に供給される。モータ8は駆動信号出力部20からパルス駆動電流を受け取る。このパルス駆動電流によってモータ8は上記の動作を実行することになる。
図6を引き続き参照して、I/Oタイプのモータアンプ100(I/O)は過熱検知部22を有する。過熱検知部22は、モータアンプ100(I/O)の内部に配置したサーミスタで構成され、このサーミスタがモータアンプ100(I/O)内部の過熱を検知すると、制御部14は直ちにモータ8の動作を緊急停止させると共にアラームを上位装置(CPUユニット4)に供給する。
図7を参照してパルス列タイプのモータアンプ100(pls)の構成を説明すると、上位装置のCPUユニット4に接続された位置決めユニット10は、位置決め指令部30とパラメータ記憶部32とを有する。この位置決めユニット10の位置決め指令部30は、パラメータ記憶部32から所望のパラメータを読み込んで実質的にモータ8に所望の動作をさせるための指令情報を生成する。この位置決めユニット10が生成した指令情報に対応するパルス列信号がモータアンプ100(pls)の制御部14に供給される。なお、制御部14に供給されたパルス列信号は、位置決め指令部18によって生成される指令情報として駆動信号出力部20に供給されてもよいし、位置決め指令部18を経由せずにそのまま駆動信号出力部20に供給されてもよい(この場合、制御部14と駆動信号出力部20は位置決め指令部18を介在せずに電気的に接続される)。
図6及び図7を参照して、I/Oタイプのモータアンプ100(I/O)とパルス列タイプのモータアンプ100(pls)とを対比して説明すると、I/Oタイプのモータアンプ100(I/O)(図6)を含むシステムでは、モータアンプ100(I/O)に含まれるメモリを使ったパラメータ記憶部16に次のパラメータが記憶される。つまり、(i)モータ8を動作させる単数又は複数のポイントPt(n)のパラメータ(座標又は移動量)、(ii)モータ8の原点復帰のパラメータ、(iii)システムパラメータがパラメータ記憶部16に記憶される。
システムパラメータにはモータアンプ100(I/O)の運転電流の上限値が含まれる。この上限値はユーザによって設定可能である。ユーザは、発熱量を念頭に置いてモータアンプ100(I/O)の最大電流値に対して例えば80%という数値を指定することで運転電流の上限値を設定することができる。システムパラメータは停止電流値を含む。停止電流値は、モータアンプ100(I/O)のホールド電流値つまり、モータ8が停止状態のときにモータ8が不用意に回転しないようにモータ8の動作を固定するための電流値を意味する。システムパラメータは、更に、分解能を含む。分解能とは、モータ8を一回転させるのに必要なパルス数を意味する(例えば1万のパルスでモータ8が一回転)。
上記(i)〜(iii)のパラメータは、モータアンプ100(I/O)の操作部106を操作することによりユーザが任意に設定することができる。操作部106を使ってパラメータを設定するための操作に関しては後に詳しく説明する。勿論、モータアンプ100(I/O)にパーソナルコンピュータ(図示せず)や設定ツールを接続して、これらの外部機器によってパラメータを設定する構成を採用してもよい。
引き続き図6を参照して、I/Oタイプのモータアンプ100(I/O)によるモータ8の制御を例示的に説明すると次の通りである。
(1)上位装置のCPUユニット4(PLC)から例えば第1ポイントにおいてモータ8を駆動させるコマンドをモータアンプ100(I/O)に供給する。
(2)モータアンプ100(I/O)は、パラメータ記憶部16(図6)から第1ポイントのパラメータを読み出して、この第1ポイントのパラメータに基づいて図8のモータ動作を実行させる指令情報を生成する。この指令情報を駆動信号出力部20に送る。
(3)駆動信号出力部20はモータ8にパルス状の駆動信号を供給する。これにより、モータ8は例えば図8に図示の動作を行うことになる。
図7を参照してパルス列タイプのモータアンプ100(pls)を含むシステムを説明すると、パルス列タイプのモータアンプ100(pls)に含まれるパラメータ記憶部16には上記(iii)のシステムパラメータが記憶される。他のパラメータである(i)、(ii)のパラメータ、つまり(i)「モータ8を動作させる単数又は複数のポイントPt(n)のパラメータ(位置座標や移動量)」、(ii)「モータ8の原点復帰のパラメータ」は、モータアンプ100(pls)の上位に位置づけられる位置決めユニット10のパラメータ記憶部32(図7)に記憶される。ユーザは、PLCにパーソナルコンピュータを接続して、このパーソナルコンピュータを使って位置決めユニット10のパラメータ記憶部32に上記(i)、(ii)を記憶させることができる。なお、変形例として、パルス列タイプのモータアンプ100(pls)の操作部106(図3)を使って位置決めユニット10のパラメータ記憶部32に上記 (i)、(ii)のパラメータを記憶させるようにしてもよい。
引き続き図7を参照して、パルス列タイプのモータアンプ100(pls)を含むシステムは次の動作を実行する。
(1)位置決めユニット10は、この位置決めユニット10に含まれるパラメータ記憶部32から例えば第1ポイントのパラメータを読み出して、この第1ポイントのパラメータに基づいて図8のモータ動作を実行させる指令情報を生成する。
(2)CPUユニット4(PLC)のラダー図に基づくタイミングでCPUユニット4から位置決めユニット10にコマンドが供給されると、位置決めユニット10は第1ポイントの指令情報(パルス列)をモータアンプ100(pls)に供給する。
(3)モータアンプ100(pls)の制御部14は、受信したパルス列に基づいて駆動信号出力部20に動作指令を供給する。この動作指令は、位置決めユニット10から受け取った連続パルスをそのまま駆動信号出力部20に供給してもよいし、パルスの高さや周期を整形した後に、この整形後の連続パルスを駆動信号出力部20に供給してもよい。
(4)駆動信号出力部20はモータ8にパルス状の駆動信号を供給する。これにより、モータ8は例えば図8に図示の動作を行うことになる。
一般的に、複数のモータアンプ100を使って複数のモータ8の制御が行われる。この複数のモータ8に対して「1軸」「2軸」・・という呼び名を使うのが一般的である。具体的に説明すると、モータ8によって駆動される装置に関して言うと、X軸方向の移動を担う第1モータ(1軸)と、Y軸方向の移動を担う第2モータ(2軸)と、Z軸方向の移動を担う第3モータ(3軸)の3つのモータ8が当該装置に搭載され、各モータ8は、これに対応するモータアンプ100によって制御される。
上位装置であるCPUユニット4から複数のモータアンプ100にコマンドを供給する方式を、I/Oタイプのモータアンプ100(I/O)を例示的に示す図9を参照して説明すると、I/Oユニット6と各モータアンプ100(I/O)とを個別に結線して、各モータアンプ100(I/O)毎にCPUユニット4の指令を供給してもよい(図9)。他の方式として、図10に示すように、複数のモータアンプ100(pls)に関連した通信ユニット200を用意し、この通信ユニット200とモータアンプ100(pls)との間でシリアル通信する方式を採用してもよい。ユーザは、通信ユニット200を入手するだけで煩わしい通信設定や確認を行うことなくモータアンプシステムを構築することができる。
また、I/Oタイプのモータアンプ100(I/O)が位置決め機能を有していることから、その上位装置であるCPUユニット4は比較的簡単な指令をモータアンプ100に供給するだけでモータ8の制御を実行することができる。したがってCPUユニット4の制御プログラムの複雑化を回避することができる。
第1の表示の遷移(図11〜図14):
モータアンプ100に含まれる操作部106を使った各種のパラメータ設定に関して、図11は、「原点復帰に関するパラメータの設定」「システムパラメータの設定」「ポイントパラメータの共通設定」「各ポイントにおけるパラメータの設定」の各設定項目の遷移を説明するための図である。
操作部106の一部を構成するモードキー112(Mキー)を押し下げると、モータアンプ100は設定モードに入り、先ず、システム・インジケータ122のORGインジケータが例えば赤色に点灯状態になる。このORGインジケータは原点復帰パラメータの設定が可能であることを意味している。このORGインジケータが点灯している意味を直感できる文字を第1表示エリア104a又は第2表示エリア104bに表示するのが好ましい。
この状態で方向キー114に含まれる例えばライトキー114cを押し下げると、SYSインジケータが点灯状態になる。このSYSインジケータはシステムパラメータの設定が可能であることを意味している。次にライトキー114cを押し下げると、第1乃至第4の4つポイントインジケータPt1〜Pt4が点灯状態になる。この4つのポイントインジケータが全て点灯すると、全てのポイントに共通するパラメータの設定が可能であることを意味している。4つのポイントインジケータの点灯と共に、この意味を直感できる文字を第1表示エリア104a又は第2表示エリア104bに表示するのが好ましい。
次にライトキー114cを押し下げると、第1ポイントのインジケータPt1が点灯状態になる。この第1ポイントのインジケータPt1が点灯すると、第1ポイントPt1に関するパラメータの設定が可能であることを意味している。第1ポイントPt1の点灯と共に、この意味を直感できる文字を第1表示エリア104a又は第2表示エリア104bに表示するのが好ましい。
次にライトキー114cを押し下げると、第2ポイントのインジケータPt2が点灯状態になる。この第2ポイントのインジケータPt2が点灯すると、第2ポイントPt2に関するパラメータの設定が可能であることを意味している。第2ポイントPt2の点灯と共に、この意味を直感できる文字を第1表示エリア104a又は第2表示エリア104bに表示するのが好ましい。
次にライトキー114cを押し下げると、第3ポイントのインジケータPt3が点灯状態になる。この第3ポイントのインジケータPt3が点灯すると、第3ポイントPt3に関するパラメータの設定が可能であることを意味している。第3ポイントPt3の点灯と共に、この意味を直感できる文字を第1表示エリア104a又は第2表示エリア104bに表示するのが好ましい。
次にライトキー114cを押し下げると、第4ポイントのインジケータPt4が点灯状態になる。この第4ポイントのインジケータPt4が点灯すると、第4ポイントPt4に関するパラメータの設定が可能であることを意味している。第4ポイントPt4の点灯と共に、この意味を直感できる文字を第1表示エリア104a又は第2表示エリア104bに表示するのが好ましい。このように、各ポイントのインジケータが巡回して点灯表示可能となっている。
なお、ライトキー114cとは逆方向であるレフトキー114dを押し下げることにより、上記の遷移とは逆方向にシステム・インジケータ122の各インジケータを点灯させることができる。
例えば原点復帰パラメータの設定を行うときには、ORGインジケータが点灯した状態のときにSET/TESTキー110(図3)を押し下げることにより、モータアンプ100を原点復帰パラメータ設定モードに移行させることができる。
例えばシステム・インジケータ122のORGインジケータが例えば赤色に点灯している状態のときに、SET/TESTキー110を押し下げると、表示が原点復帰パラメータ設定モードに切り替わる。図12は原点復帰パラメータの設定モードでの表示の遷移を説明するための図である。この図12を参照して原点復帰パラメータ設定モードの表示を説明すると、ライトキー114cを押し下げることで原点復帰制御に必要とされる所望のパラメータを選択できる。図12は、原点復帰パラメータ設定モードにおける表示の遷移を示すフローである。原点復帰に関するパラメータには、少なくともモータ速度、原点復帰の動作の方向が含まれ、好ましくは起動速度(図8に示す「初速」が相当する)、加速レート、減速レートが含まれる。ライトキー114cを押し下げることで、次の表示に切り替えることができる。例えば加速レートのパラメータが表示されるときには、「Acc」の文字が第2表示エリア104b(図3)に表示され、また、現在設定されている加速レートの数値が第1表示エリア104aに表示される。減速レートに関しては「dEc」、モータ速度に関しては「SPd」、原点復帰方向に関しては「dir」が第2表示エリア104bに表示される。ユーザは、この第2表示エリア104bに出現する文字を見て、今、どのパラメータを設定できるかを知ることができる。また、同時に第1表示エリア104aに表示される文字や数値を見ることで、現在の設定内容を知ることができる。
所望の項目が出現したらSET/TESTキー110を押し下げることで、その設定を変更することができる。具体的にはアップキー114a、ダウンキー114bを使って第1表示エリア104a(図3)に表示されている数値を増加又は減少させることができる。第1表示エリア104aの数値が所望の値になったらSET/TESTキー110(図3)を押し下げることで、この値の設定が完了する。
図13はシステムパラメータの設定モードでの表示の遷移を説明するための図である。設定可能なシステムパラメータには、運転電流、システムホールド電流が含まれ、好ましくは、オーバードライブ・ピーク電流、過電流値、許容オーバードライブ時間、過電流検出電流値、許容位置偏差パルス数、モータ選択が含まれる。ここに、「オーバードライブ・ピーク電流」とは定格を超えてモータに流せる電流を意味する。「許容オーバードライブ時間」とはモータに定格を超えてオーバードライブ・ピーク電流を流せる時間を意味する。「許容位置偏差パルス数」とは偏差過大エラーにならない最大の位置偏差パルス数を意味する。「モータ選択」とはユーザがモータサイズを選択し、システムがその選択したモータに適した運転電流、システムホールド電流等を自動設定することを意味する。このシステムパラメータの設定での操作は上述した原点復帰パラメータ設定と同じである。
図14はユーザが設定可能な複数のポイントでの共通のパラメータの設定モードでの表示の遷移を説明するための図である。複数のポイントでの共通パラメータには、モータ8の起動速度(初速)、特殊動作、回転角近回りが含まれる。ここに、「特殊動作」とは、例えばパレタイジング動作、ピッチ送り動作、回転角近回り動作など、ポイントパラメータを用いない特殊な動作を意味する。「回転角近回り」とは、現在の角度から移動量の少ない方向を自動的に選択して目標座標まで回転する動作を意味する。このポイントパラメータ共通設定での操作は前述した原点復帰パラメータ設定と同じである。
モータアンプ100の特徴的な機能の概要:
(1)モータアンプ100に電源を投入した直後から、JOGキーを操作することでモータを回転動作させることができる。モータアンプ100の動作に必要とされるパラメータは出荷時にデフォルト値が設定されており、電源投入した直後からJOGキー(ライトキー114c又はレフトキー114d)を押下げるとモータ8が一定速度で且つJOGキーの操作方向つまりライトキー114cであれば右方向に動作する。そして、このJOGキーを操作することによって位置合わせすることで、その現在位置や移動量をポイントPt(n)として登録することができる。
ここで、JOG動作とは、モータ8が回転する回転数(移動量)を指定することなく、ユーザの操作(手動操作)に応じてモータ8の位置決めを行う動作である。本実施例でいえば、ユーザがライトキー114c又はレフトキー114dを押下げている間、モータ8が回転する動作である。JOG動作として、他にも例えば、ユーザがJOG動作開始ボタンを押下げるとモータ8の回転が開始され、ユーザがJOG動作終了ボタンを押下げるとモータ8の回転が停止する、といった変形例も考え得る。要するに、JOG動作は、操作部106を介したユーザの操作に基づき制御部14に対してモータ8の回転開始命令がなされてから、操作部106を介してユーザの操作に基づき制御部14に対してモータ8の回転停止命令がなされるまでの間、モータ8が回転する動作であるということもできる。後述する「JOGモード」とは、このようなJOG動作を可能にさせるモードである。
(2)モータアンプ100は、動作モードとして、(i)「速度モード」と、(ii)「位置モード」とを有する(図15)。
(3)「速度モード」は、例えばPLCからトリガー信号を受け取るとベルトコンベアを回転させるような制御に用いられる。この「速度モード」では、モータ8の回転速度の設定がユーザにとって重要である。ユーザはモータアンプ100の操作部106を操作することで「モータ8の回転速度」を設定することができる。
(4)引き続き図15を参照して、「位置モード」には2つの制御モードが含まれる。第1の制御モードは、例えば棒材を一定長さで切断するのを反復するような場合に用いられる。この第1の制御モードでは、「現在位置から例えば5000パルス回転せよ」との信号がモータ8に供給される。これを「相対位置制御」と呼ぶと、この相対位置制御では、モータ8が回転する数(移動量)の設定がユーザにとって重要である。ユーザはモータアンプ100の操作部106を操作することで「モータ8が回転する数(移動量)」を設定することができる。
(5)「位置モード」に含まれる第2の制御モードは、「第1のポイントから第2のポイントまで移動させよ」との信号がモータ8に供給される。これを「絶対位置制御」と呼ぶと、この絶対位置制御ではモータ8は図8で説明したような動作を行うことになる。第1のポイント、第2のポイント、第nのポイントは、ユーザがモータアンプ100の第1表示エリア104aに座標を表示させた状態で、第nポイントの座標値や移動量をユーザが操作部106を操作して入力することで登録つまりパラメータ設定できる。これとは別の方法として上記(1)で説明したティーチングによってポイントPt(n)の座標や移動量を登録つまりパラメータ設定することができる。
(6)モータアンプ100はマニュアル式のスイッチつまりモード切替スイッチ128を有し、このモード切替スイッチ128をユーザが操作することでモード切替えが可能である。このモード切替は、スイッチ128の第1位置でモータアンプ100は自動モード(「AUTO」)つまり運用モードになる。この自動モードでモータ8の制御が実行される。スイッチ128の第2位置でモータアンプ100はティーチングモード(「TEACH」)に切り替わる。このティーチングモードでは、その上位装置であるPLCからモータアンプ100を切り離した状態、つまりPLCからの信号をモータアンプ100が受け付けない状態になる。前述したようにユーザの操作に基づいてモータ8を動作させるJOGモードを実施例のモータアンプ100が備えているが、このJOGモードの最中にPLCから指令が入って、このPLCからの指令に基づいてモータ8がユーザの意図とは関係なく動き出すのは好ましくない。実施例のモータアンプ100では、ティーチングモードに切り替えたときにはPLCからモータアンプ100を切り離すことで、JOG操作の際にはユーザの操作だけに基づいてモータ8が動作することを約束することができる。
ティーチングモードで、ユーザは実際の動きを目で確認しながら位置合わせでき且つこの位置データをモータアンプ100に登録することができる。また、ユーザの明確な意図を伴う操作が必要とされるマニュアル式のスイッチ128を採用してモード切替えを行う本発明の実施例では、モード切替えをソフトウエアで行う場合に比べてユーザの操作の煩雑さを回避することができる。ソフトウエアでモード切替えを行う場合には、フローを階層化するのが一般的な手法であるが、比較的大きな表示部102をモータアンプ100が備えているとは言え、これで表示できる情報は限定的である。限定的な表示しかできない表示部102ではユーザの操作に基づいて情報を一つずつ順次表示させて行く手法を採用せざるを得ない。そのなかでモードを切り替えるには表示のフローを階層化せざるを得ず、階層化したなかで、ユーザはモード切り替え表示を表示部102に呼び出すのに複数回の操作を行うことが必要となる。
典型的な例として、モータアンプ100を現場に設置する際、電子機器と機械とを相互に関連付けるシステム構築には2種類の専門家が必要とされている。機械系の専門家と電気系の専門家である。システム構築の完成までは機械系と電気系の双方の専門家が共同した作業となる。例えばモータ8を動作させて位置合わせし、その位置合わせを適正なものにするまでは機械系の専門家が行うことが多いが、位置合わせが完了した時点でその座標位置や移動量の登録は電気系の専門家が行うというように、機械的な問題に対しては機械系の専門家が行い、モータアンプ100を適切に動作させるための登録(パラメータ設定)という作業は電気系の専門家が行う。この2種類の異なる作業が相互に関連しながらシステム構築の作業を行うことになる。
このシステム構築作業の際、モータアンプ100に設けた比較的大きな表示部102を使って作業者が直感的に把握できる表示を行うことは機械系及び電気系の双方の専門家にとって有意義である。ただし、表示部102の表示を見てモードの切り替えを電気系の専門家が行い、次いで、位置合わせを機械系の専門家が行い、登録(パラメータ設定)を電気系の専門家が行い、その結果を確認するための試運転を機械系の専門家が行い、設定の微調整を電気系の専門家が行う、という状況は必ずしも効率的な作業とは言えない。加えて、表示部102の表示を階層化した中でモード切替えをソフト的に行う場合には、モータアンプ100の操作に馴れてない機械系の専門家はモータアンプ100の表示を見て事ある度に電気系の専門家を呼び出す必要性が頻発する。本発明の実施例は、モータアンプ100に物理的なスイッチ128を設け、このスイッチ128を操作することでモードを切り替えることとし、そして機械系の専門家がやるべき仕事を一つのモードに集約すれば電気系の専門家の出番を少なくすることができる。更に、この一つのモード(この実施例ではティーチングモード)において従来であれば電気系の専門家が行っていた登録(パラメータ設定)を機械系の専門家であっても簡単に行うことができれば、電気系の専門家の負担を軽減することができる。
ティーチングモードでは、上位装置であるPLCからモータアンプ100を切り離した状態となる。換言すれば、ティーチングモードではPLCからの信号を受け付けない状態になる。他方、PLCから信号をモータアンプ100が受け付ける状態になるのが前述した自動モードである。ティーチングモードにおいて、ユーザがモータアンプ100の操作部106を操作するという手動操作に基づいてモータ8を動作させるJOGモードを備えていれば、機械系の専門家が位置合わせや部材間で干渉してないか、モータ8の負荷を確認するのに好都合である。好ましくは、位置合わせが完了した時点で直ちにその座標や移動量をモータアンプ100に登録するのを機械系の専門家が行うことができれば電気系の専門家の負担を軽減できる。更に好ましくは次に説明するテスト運転を同じティーチングモードで行うことができれば、機械系の専門家は初期の位置合わせ、登録、テスト運転の一連の作業を電気系の専門家の手を煩わせることなく行うことができるのが良い。勿論、自動モードでもPLCからの信号を受け付けてテスト運転するのも可能である。自動モードでのテスト運転は一般的には電気系の専門家が行うことになる。
ティーチングモードに含まれるJOGモードは、前述した絶対位置制御に限らず相対位置制御でも有効であり且つ効果的である。機械的な連携、例えば何かが落ちてきたら、この物体をベルトコンベアで運ぶというような制御にモータアンプ100を使う場合には、落下物を受け取る第1位置、この第1位置からベルトコンベアで搬送する第2位置などの登録や調整をティーチングモードで行うことができる。
(7)ティーチングモードにおいて各ポイントPt(n)毎にテスト運転できるのが好ましい。ユーザは操作部106を操作することで、システム・インジケータ122の点灯位置を変えることができる。図3は第1ポイントPt1をユーザが選択した状態が図示されている。第1ポイントPt1のテスト運転を実行したいときには、操作部106を操作することで、ユーザが登録したパラメータに従ってモータ8が動作して第1ポイントPt1まで移動するテスト運転を実行させることができる。他のポイントPt(n)でも同様にテスト運転を実行させることができる。このテスト運転によって各ポイントPt(n)に登録した座標値や移動量が適切であるか否かを確認することできる。後に、具体的にその操作を説明するが、電気系の専門家を必要とする特別な操作無しにテスト運転を行うことができるようにしてあるため機械系の専門家が気軽にテスト運転を実行させることができる。
テスト運転で座標値や移動量が適切であることを確認できたら、そのまま自動モードに移って通常運転を行うことになる。その一方で、座標値や移動量が適切でない場合には、ティーチングモードに戻って適切なパラメータを登録し直すことになる。つまり、パラメータ登録(つまりパラメータ設定)を行い、次いでテスト運転を行い、パラメータの設定が適切でない場合には、パラメータ再登録つまりパラメータ再設定を行うことになる。
(8)好ましい一つの態様として、自動モード(「AUTO」)でパラメータを調整することができる。この自動モードは電気系の専門家が使用するのが一般的である。この電気系の専門家の手でモータ8の目標速度や加減速レートなどのシステム全体の動作に関係するようなパラメータを最適化できる。自動モードは運用時に使用する動作モードであり、表示部102は、運用状態を確認するのに好都合な情報を表示することになる。つまり、上位装置のPLCからの指令が関連するシステム全体を統合したなかでの動作を自動モードで実行する。
モード切替スイッチ128をティーチングモードから自動モードに切替えると、モータアンプ100は、その上位装置であるPLCと関連付けられた状態となる。この自動モードにおいて、表示部102に表示されるパラメータ設定の表示を選択すると、システム・インジケータ122に含まれる各種のインジケータが順次、点灯する。すなわち、第1ポイントPt1の点灯、次に、第2ポイントPt2の点灯、次に、第3ポイントPt3の点灯というように第nポイントPt(n)のインジケータが順次点灯する。所望の第nポイントPt(n)の目標速度や加減速レートなどのパラメータを変更したいときには、当該所望の第nポイントPt(n)を選択すると第nポイントPt(n)に含まれる各種のパラメータを操作部106の操作に基づいて表示部102に表示させ且つその表示を遷移させることができる。例えば目標速度のパラメータを変更したいときには、目標速度が表示部102に表示されたときにアップキー114a又はダウンキー114bを操作することで表示値を変更させることができる。所望の目標速度の数値になったらこれを選択することで目標速度のパラメータを調整して設定し直すことができる。自動モードでのパラメータの調整は主に電気系の専門家によって行われることであろう。
上記の例では、自動モードの中に上記のパラメータ設定モードが含まれているが、パラメータ設定モードをティーチングモードに含ませてもよい(図17)。
図16を参照しながら、一つの具体例を説明すると、例えばティーチングモードを使って第1ポイントPt1の位置を登録したときに、この第1ポイントPt1での動作を確認してその位置や加減速などの動作を確認したいときには前述したテスト運転を行う。このテスト運転で、座標位置のパラメータは適切であるが、動作のパラメータを変更したいときには、このテスト運転の最中に前述したJOG操作が可能になるようにしてもよいが、好ましい実施形態ではスライド式のモード切替スイッチ128を自動モード(「AUTO」)に切り替えると共にこの自動モードに含まれるパラメータ設定モードを選択するようにしてある。そして、システム・インジケータ122の第1ポイントPt1のインジケータが点灯したときに、この第1ポイントPt1を選択することで当該第1ポイントPt1の動作パラメータを変更することができる。
そして、変更した動作パラメータが適切であるかを確認したいときには、モード切替スイッチ128をティーチングモード(「TEACH」)に切り替えて第1ポイントPt1のテスト運転を行うことができる。これを反復することで、第1ポイントPt1の各種のパラメータを最適化できる。他のポイントPt(n)についても同様の操作を行うことで当該ポイントPt(n)の絶対座標の最適化だけでなく当該ポイントPt(n)での動作を最適化できる。このパラメータの最適化はパーソナルコンピュータを使うことなくモータアンプ100の表示部102の表示及び操作部106の操作で自己完結的に行うことができる。勿論、変形例として、自動モードからテスト運転モードに直接的に移行できるようにショートカットキー設定を行ってもよく、また、テスト運転モードから自動モードに直接的に復帰できるショートカットキー設定を行ってもよい。図16では、このショートカットキーを使ったフローを図示してある。ショートカットキー設定は、操作部106に配置されたいずれか2つのキーを同時に押し下げた時に上記の直接的な遷移を行う等が考えられる。
具体的な操作及び機能(図17〜図23):
図17はモード切替えに関する一つの例を示す。図18はモード切替えに関する他の例を示す。図17の例と図18の例との違いは、図18に示す他の例では、モード切替スイッチ128を操作して「自動モード(「AUTO」)」を選択したときにパラメータの変更が可能である。ただし、図17に示す例では、自動モードではパラメータの変更ができないが、ティーチングモード(「TEACH」)でパラメータの変更が可能である。典型例として、図18に図示の例で以下に具体的な操作及び機能を説明する。
なお、パルス列タイプのモータアンプ100(pls)では、スライド式のモード切替スイッチ128を操作してティーチングモード(「TEACH」)を選択したときに、このティーチングモードでは、ライトキー114c、レフトキー114dを使ってモータ8を右回転又は左回転させて位置合わせが可能である。図7に図示の構成のパルス列タイプのモータアンプ100(pls)の場合には、当該モータアンプ100(pls)のパラメータ記憶部16には、システムパラメータが記憶されているだけで、ポイントパラメータや原点復帰パラメータは、その上位装置の位置決めユニット10に記憶されている。このことから、ティーチングモードでの座標のティーチング及びそのテスト運転は実質的に不可能である。勿論、このパルス列タイプのモータアンプ100(pls)のパラメータ記憶部16にポイントパラメータ、原点復帰パラメータを記憶させる構成を採用すれば、ティーチングモードでのティーチング及びテスト運転が可能になる。
ティーチングモード(「TEACH」):
図19を参照して、スライド式のモード切替スイッチ128(図3)を「TEACH」の位置にすることでモータアンプ100はティーチングモードになる(図19のステップS1)。ティーチングモードは、ユーザが操作部106を操作して位置合わせすることのできるJOGモードと、好ましくは、このJOGモードに続いて位置データをモータアンプ100に登録するティーチング操作とが可能である。モータアンプ100がティーチングモードに入っていることは、第2表示エリア104bに表示される「tch」を見ることで確認できる(図18)。「tch」はティーチングモードを意味する。なお、第1表示エリア104aには現在の座標値又はPLCからの指令値が表示される。JOGモードに入ると、第2表示エリア104bに「JOG」の文字が表示される。
例えば第1ポイントpt1のティーチングを行いたいのであれば、SET/TESTキー110を押し下げることでJOGモードに入ることができる(図18)。JOGモードでは、ライトキー114c又はレフトキー114dを押し下げることでモータ8を右回転又は左回転させることできる(図19のステップS2)。そして、第1ポイントpt1の位置合わせが完了したら、当該位置の座標や移動量は、ユーザがSET/TESTキー110を一定時間(例えば1秒間)押し下げることによりモータアンプ100のパラメータ記憶部16に記憶(保持又は登録)される。これにより、モータアンプ100の電源を切っても、当該位置の座標や移動量が保持されることになる。このように、モータアンプ100は、ユーザ操作(ライトキー114c又はレフトキー114d)に基づいてJOG運転を行い、所望位置に位置合わせが完了した後、次のユーザ操作(SET/TESTキー110の長押し)に基づいて所望位置の座標や移動量をパラメータ記憶部16に保持する。
図20、図21を参照してティーチングの詳細を説明すると、JOG動作は低速と高速の2つの動作速度(モータ速度)からユーザが選択したモータ速度で行われる。
ティーチングモード(「TEACH」)に入ると、システム・インジケータ122のPt1〜Pt4のいずれかのインジケータが点灯する。Pt1のインジケータが点灯すれば第1ポジションに対するティーチングが可能であることを意味している。Pt2のインジケータが点灯すれば第2ポジションに対するティーチングが可能であることを意味している。Pt3のインジケータが点灯すれば第3ポジションに対するティーチングが可能であることを意味している。Pt4のインジケータが点灯すれば第4ポジションに対するティーチングが可能であることを意味している。このシステム・インジケータ122の点灯する位置を変更するにはモードキー112(Mキー)を押せばよい。
図20、図21は、第1〜第4のポジション(Pt1〜Pt4)を順番にティーチングするときのフローである。図20を参照して、第1ポジションPt1のティーチングを行うのであれば、第1ポジションのインジケータが点灯していることを確認した後に、JOG動作の低速又は高速を選択する。この選択はライトキー114c又はレフトキー114dを操作することによって行うことができる。低速のときは第2表示エリア104bに「J−L」が表示される。高速のときには第2表示エリア104bに「J−H」が表示される。例えば、高速を選択したいときには、第2表示エリア104bに「J−H」の表示が行われたことを確認した後にSET/TESTキー110を押し下げることで高速でのJOG動作モードを登録することができる。
JOGモードでは、ユーザがライトキー114c又はレフトキー114dを操作することでモータ8を右回転又は左回転させて位置合わせすることができる。図20、図21にはモータ8に連結されたねじ棒24によって部材Wを動かす装置を例示している。ユーザの操作に基づくJOG動作によって部材Wを第1ポジションPt1に位置合わせできたら、当該位置の座標や移動量を登録するために、SET/TESTキー110を押し下げればよい。これにより、JOGモードで位置合わせした値がパラメータ記憶部16に記憶される。このティーチング(設定)は、例えばモードキー112の長押し(例えば2秒以上押し続ける)に基づいて行うようにしてもよい。第1表示エリア104aには現在の座標値や移動量が表示される。ユーザの操作部106の操作によって第1表示エリア104aにPLCからの指令値と現在の座標値や移動量とを交互に表示するようにしてもよい。
第2〜第4ポジションPt2〜Pt4についても同じ要領で、その位置座標や移動量のティーチングができる。勿論、例えば第2ポジションPt2だけティーチング(パラメータ登録、パラメータ設定)させることもできる。そのときには、システム・インジケータ122の点灯位置をモードキー112(Mキー)を操作して移動させ、ポジションPt2のインジケータが点灯する状態にした後に上記の要領でJOG操作及びこれに続くティーチング(設定)のためのキー操作を行えばよい。
ティーチングモードは、既に設定されているパラメータによってモータ8の動作を試行させることのできるテスト運転モードを好ましくは含んでいるのがよい。図17、図18を参照して、第1〜第4ポジションPt1〜Pt4のティーチング又は所望のポジションのティーチングが完了したら、必要であれば、テスト運転により既に設定されているパラメータに基づく動作を確認することができる(図19のステップS4)。
第4ポジションインジケータPt4が点灯している状態でモードキー112を押し下げると、第1ポジションPt1のテスト運転モードに切り替わる。テスト運転モードに入ると第2表示エリア104bの表示が「tst」に変化する(図22)。「tst」はテスト運転モードであることを意味している。例えば第1ポジションPt1のテスト運転を行いたいときには、システム・インジケータ122の第1ポジションPt1が点灯している状態でSET/TESTキー110を押し下げると、モータアンプ100に記憶されているパラメータに基づいてモータ8が動作して部材Wを第1ポジションPt1まで移動させるテスト運転が実行される(図19のステップS4)。このテスト運転モードでは、第1表示エリア104aに現在座標又は移動量が表示される。必要であればモータ速度を表示させるようにしてもよい。
次に第2ポジションPt2のテスト運転を行いたいときにはモードキー112を押し下げると、システム・インジケータ122の第2ポジションPt2が点灯する。この状態でSET/TESTキー110を押し下げると、モータアンプ100に記憶されているパラメータに基づいてモータ8が動作して部材Wを第1ポジションPt1から第2ポジションPt2まで移動させるテスト運転が実行される。以下、第3、第4ポジションPt3、Pt4のテスト運転も同様である。第4ポジションPt4から原点復帰させるテスト運転を行いたいときには、モードキー112を押し下げて、システム・インジケータ122の原点ポジションORGが点灯するのを確認する(図22)。そして、SET/TESTキー110を押し下げると、モータアンプ100に記憶されているパラメータに基づいてモータ8が動作して部材Wを原点ORGまで移動させるテスト運転が実行される(図22)。
例えば、第2ポジションPt2のテスト運転で位置合わせが上手く行かないときには、図22から分かるように、モードキー112を押し下げることでJOGモード(図20)に戻ることができる。
変形例として、第1ポジションPt1のティーチングの次に当該第1ポジションPt1のテスト運転、第2ポジションPt2のティーチングの次に第2ポジションPt2のテスト運転というように、ティーチングを実行した直後にそのテスト運転を行うようにしてもよい。
上述したティーチングモードでのJOGモードやテスト運転は、PLCに接続したパーソナルコンピュータをユーザが操作することによって行うようにしてもよい。以上説明したように、ティーチングモードにおいて、ユーザは、JOG操作で所望位置の座標を探索し、所望位置の座標が見つかれば、SET/TESTキー110の操作によりパラメータ値の登録(ティーチング)を行うことができる。そして、SET/TESTキー110の操作により、ティーチングの内容が正しいか否かをテスト運転にて仮実行できる。要するに、本実施形態に係るモータアンプ100は、ティーチングモードにおいて、所望位置の座標を探索するためのJOG動作と、所望位置の座標をパラメータ値としてモータアンプ100に記憶・保持するティーチング動作と、ティーチング動作により記憶・保持されたパラメータ値を用いて実際のモータ動作を仮実行するテスト運転と、を操作部106の操作に基づき切替え可能に構成されている。したがって、機械系の専門家であっても、「JOG動作⇒ティーチング⇒テスト運転」というモータアンプ100の設定に必要な設定を簡易に行うことができ、ひいては設定作業の負担を軽減することができる。
自動モード(「AUTO」):
モード切替スイッチ128を操作して自動モード(「AUTO」)に切り替えると(図19のステップS5)、モータアンプ100はPLCからの信号(例えばモータ駆動信号)を受け付けることができる状態になる。図23を参照して説明すると、自動モードでは、典型的にはPLCからトリガー信号(例えばポイントパラメータpt1)が入ると(ステップS21)、モータアンプ100は、典型的にはこのモータアンプ100に内蔵したパラメータ記憶部16に記憶されているポイントパラメータを読み出して(ステップS22)、このポイントパラメータに基づく演算を行って指令情報を生成する(ステップS23)。そして、駆動信号出力部20からモータ8に駆動信号が出力され(ステップS24)、これによりモータ8が駆動することになる。この自動モードによってシステムを運用することができる(図19のステップS9)。運用時の使用形態である自動モードでは、第1表示エリア104a、第2表示エリア104bにどのポジションの制御を行っているか、どのような制御を実行中であるか、現在の速度や現在の位置などの情報を表示すればよい。また、モータがポイントパラメータpt1で規定される動作を行っているときは、第3インジケータ122cが点灯し、モータがポイントパラメータpt2で規定される動作を行っているときは、第4インジケータ122dが点灯する。すなわち、ポイントパラメータpt1で規定される動作と、ポイントパラメータpt2で規定される動作が交互に行われる場合には、第3インジケータ122cと第4インジケータ122dとが交互に点灯する。このように、ユーザはインジケータ122を視認することによって、モータ8の現在の動作状態を認識することができる。
運用時には、第1、第2の表示エリア104a、104bを含む表示部102や各種のインジケータは、運用の監視にとって効果的な運用モード表示が行われる。この表示情報についてユーザが予め指定できるのが好ましい。一つの例として、第2表示エリア104bに現在のポジションを表示し、第1表示エリア104aに現在又は設定した座標値や移動量を表示する例を挙げることができる。また、他の例として、第2表示エリア104bに、第1表示エリア104aに何の情報を示すかを指定する文字、位置(pos)、速度(spd)などを表示し、第1表示エリア104aに、第2表示エリア104bで指定された情報の現在の数値を表示するようにしてもよい。
図18に図示の実施例では、この自動モードにおいてパラメータ設定が可能である(図19のステップS6、S7)。図24、図25は自動モード(「AUTO」)での表示例を示す。図24、図25を参照して、自動モードの初期画面は、位置情報を表示する第1表示態様と、速度情報を表示する第2表示態様を有し、ユーザが操作部106を操作することで第1、第2の表示態様のいずれか一方を選択できる。図24、図25の例であれば、アップキー114a又はダウンキー114bを押し下げることで、位置情報(ポジションPt(n)の番号×当該ポジションの座標や移動量(現在値又は設定値))又は速度情報(速度情報を意味する「SPd×速度(現在値又は設定値」)のいずれか一方を表示部102に表示させることができる。
引き続き図24、図25を参照してこの自動モードにおいてモードキー112を押し下げるとパラメータ設定モードに入ることができる。ユーザは自動モードに含まれるパラメータ設定モードを使って設定値の調整や設定し直しが可能である。このパラメータ設定モードは一般的には電気系の専門家が使うことになる。
図24はパラメータ設定モードを使って設定可能な項目を絞り込んだ限定表示モードでの表示の遷移を示す。限定表示モードは、設定変更や設定値の調整の頻度が比較的高い項目に絞り込まれている。図25はパラメータ設定モードを使って設定できる可能な全ての項目を表示するフル表示モードでの表示の遷移を示す。図24の限定表示モードでは、動作モードの設定、具体的には、図15に示す相対位置制御モード(INC)、絶対位置制御モード(ABS)、目標座標又は移動量の設定、運転速度(モータ速度)の設定を含む。好ましい態様として、図24から分かるように、限定表示モードにするかフル表示モードにするかの設定を含んでいてもよい。この表示項目の遷移はライトキー114cを押し下げることにより行うことができる。なお、レフトキー114dを押し下げたときには逆方向に遷移する。
ユーザが例えば第1ポイントPt1の運転速度(モータ速度)の設定を変更したいときには、SET/TESTキー110を押し下げることで、第1〜第4のポイントPt1〜Pt4のインジケータを順次点灯状態にすることができる。SET/TESTキー110を使って第1ポイントPt1のインジケータを点灯させた状態でライトキー114c又はレフトキー114dを押し下げて運転速度の項目を表示させる。運転速度の項目では、図24から分かるように第2表示エリア104bに「SPd」の文字が表示され、また、第1表示エリア104aにその設定値(図示例では「10000」)が表示される。この「10000」の数値はアップキー114aを押すことで増加させることができる。逆に、ダウンキー114bを押すことで「10000」の数値を減少させることができる。所望の運転速度の数値になったらSET/TESTキー110を押し下げて確定することで、新しい運転速度の目標値がモータアンプ100のパラメータ記憶部16に記憶される(設定値の更新)。動作モードや目標座標(移動量)の設定についても同様の操作で行うことができる。
図25は、フル表示モードでの表示項目を示す。このフル表示モードでは、限定表示モードでの表示項目の他に、「加速レート」、「減速レート」、「次ポイントの指定」、「連続」、「停止センサの設定」、「停止入力後の移動量」を含んでいる。ここに、「連続」とはポイントを跨ぐ際に、起動速度まで減速して連結するか、或いは、減速せずに連結するか、の設定を意味する。また、「停止センサの設定」とは、外部入力を使って停止動作を行うか否かの設定を意味する。また、「停止入力後の移動量」とは、外部入力が入った後、停止するまでの移動量の設定を意味する。このフル表示モードを使った各種の設定の変更は前述した限定表示モードと同じ要領で行うことができる。
自動モード(「AUTO」)で設定を行った場合、前述したように、ティーチングモードにモード切替えしてテスト運転を行うことができる(図19のステップS8、S4)。勿論、自動モードのままでPLCからの指令に基づくテスト運転も可能である。
アラーム解除(図26):
自動モードやティーチングモードで異常が発生したときにはアラーム状態になる。アラーム状態の具体例としては、例えば、I/Oタイプのモータアンプ100(I/O)において、ポイントパラメータpt3の座標として、所定の範囲内の数値をティーチングしていたにも関わらずメモリ化け等によって予期せぬ座標になった場合等である。この場合、自動モードにてPLCからポイントパラメータpt3への切替信号を受け取って、制御部14がパラメータ記憶部16からポイントパラメータpt3を読み出したとき、制御部14が異常を検知する。つまり、制御部14は、ポイントパラメータの座標がとり得る値の所定範囲(閾値)を記憶しており、パラメータ記憶部16から読み出したポイントパラメータの座標が所定範囲か否かを判断する機能を有している。そして、所定範囲外であれば、上述したアラーム状態になる。なお、このようなアラーム状態は、自動モードだけでなく、ティーチングモードのテスト運転でも生じ得る。アラーム状態ではモータ8は強制的に停止された状態になる。また、ステータス・インジケータ124が赤色に点灯又は点滅する。自動モードやティーチングモード(ティーチングモードでは特にテスト運転)でアラームが発生すると、表示部102やシステム・インジケータ122の表示がアラーム表示モードに切り替わり、アラーム状態表示が行われる(図26)。アラーム表示状態では、第2表示エリア104bに「ALM」の文字が表示される。「ALM」はアラーム発生を意味している。「ALM」表示は赤文字や点滅表示でもよい。勿論、モータアンプ100にブザーなどの音源を用意し、アラーム発生と同期してアラーム音を発生させてもよい。
システム・インジケータ122は故障やトラブルに関連した部位に相当するインジケータが点灯又は点滅する。また、第1表示エリア104aには故障やトラブルの内容がコード番号又はこれが直感的に分かる文字が表示される。このアラーム解除は、操作部106に含まれるモードキー112以外のキーを押し下げることで行うことができる。ただし、この操作で解除できないアラームがある。一例としてステッピングモータのエンコーダが故障した場合ではモードキー112を押し下げてもアラーム表示を解除できない。他方、モードキー112を押し下げることで、このアラーム表示モードに入る直前の表示状態に戻すことができる。
緊急時のモータの強制停止(図27):
モータアンプ100は、前述したように操作部106から離れた場所つまり表示部102を挟んで対抗する位置にストップキー118が配置されている。このストップキー118はモータ8を緊急停止するのに用いられる。例えばテスト運転で想定外の動きになったときにストップキー118を押し下げることでモータ8の動作を停止することができる。ストップキー118は常時、その押し下げ操作(ON出力)が監視されている。図27を参照して、モータアンプ100はストップキー118の操作を常時監視しており(ステップS30、S31)、ストップキー118が押し下げられるとステップS32に進んで、位置決め中つまりモータ8が動作中であるか否かの判別が行われ、YES(モータ動作中)であればステップS33に進んでモータ8への制御信号が遮断される。これによりモータ8は強制停止状態になる。
モード切替スイッチ128の操作に伴う事故発生対策(図28、図29):
前述したように自動モードでは、その上位装置のPLCの指令に基づいてモータアンプ100が動作する。他方、ティーチングモードではPLCとモータアンプ100との交信が遮断された状態になる。例えば自動モードでモータ8が動作中にモード切替スイッチ128が操作されてティーチングモードに切り替わるとモータ8が暴走してしまう可能性がある。ティーチングモードでテスト運転中にモード切替スイッチ128が操作されて自動モードに切り替わるときも同じようにモータ8が暴走してしまう可能性がある。このように、モータ8が実際に動作している最中にモード切替スイッチ128が操作されると、モータ8が予期せぬ動作をしてしまう虞がある。
図28及び図29は、これに対する対策である。図28は自動モードからティーチングモードに切り替わったときの安全制御例を示す。この図28を参照して、いまモード切替スイッチ128が自動モードからティーチングモードに切り替わったとする(S41)。モータアンプ100は、モータ8が動作中つまり位置決め動作中であることを常時監視している(S42)。モータ8の動作が完了すると、モード切替スイッチ128の信号を受け付けてその状態を判別する(S43)。自動モードであればモータアンプ100は自動モードが継続される。これによりモータ8は自動モードに基づいて制御されることになる(S44)。他方、スイッチ128がティーチングモード位置であれば、モータアンプ100はティーチングモードに切り替わる。すなわち、この図28の例では、モータ8が動作中はモード切替スイッチ128の状態監視をキャンセルする処理を行う、換言すればモード切替スイッチ128の受信を無効化することでモータ8の動作中でのモード切替えを行わないようにしてある。
図29はティーチングモードでテスト運転中にモード切替スイッチ128が操作されたときの安全対策である。図29を参照して、テスト運転が開始され(S51)、このテスト運転が実行中のときにはモード切替スイッチ128の信号はキャンセルされる(S52)。テスト運転が終了した時点つまりモータ8の動作が終わった時点でモード切替スイッチ128の信号を受け付けてその状態を判別する(S53)。スイッチ128が自動モード位置であればモータアンプ100は自動モードに切り替えられる(S54)。他方、スイッチ128がティーチングモード位置であれば、モータアンプ100はティーチングモードの状態が維持される。
モータアンプ100の前面構成の変形例(図30):
図30は、モータアンプ100の変形例の前面構成を説明するための正面図である。図30を参照して、方向キー114の左右に、SET/TESTキー110とモードキー(Mキー)112が離れて配置されている。これにより、SET/TESTキー110とモードキー112の押し間違いを防止することができる。
図30に示すモータアンプ100の変形例の前面構成では、前述した図3に示すストップキー118が設けられておらず、このストップキー118の機能をモードキー112に割り付けられている。モードキー112は、図17や図18の状態遷移図を用いて既に説明したように、ティーチングモード(「TEACH」)において各モード(ティーチング、JOG操作、テスト運転、パラメータ設定等)を切り替える機能、自動モード(「AUTO」)において各モード(モニタ、パラメータ設定等)を切り替える機能を有している。例えばティーチングモード(「TEACH」)におけるテスト運転時(モータが実際に動作している時)に、モードキー112を押してテスト運転モードから抜けることにより、モータを緊急停止させることができる。また、自動モード(「AUTO」)における通常運転時(モータが実際に動作している時)に、モードキー112を押してモニタモードから抜けることにより、モータを緊急停止させることができる。このように、モードキー112をストップキー118の代わりとして用いることも可能である。
図30に示すモータアンプ100の変形例の前面構成では、局番表示用のロータリスイッチ126が設けられていないが、局番設定機能は通信ユニット200にもたせるようにしている(図10参照)。すなわち、通信ユニット200は、ユーザ操作に基づいて、各モータアンプ100を一意に特定するための局番を設定する機能を有し得る。
図30に示すモータアンプ100の変形例の前面構成では、現在JOGモードであることを示すJOG・インジケータ122gが設けられている。このJOG・インジケータ122gは、ティーチングモード(「TEACH」)におけるJOGモード時に点灯するよう制御部14によって制御される。また、ステータス・インジケータ124は、左右に細長の形状を有しており、且つ、ユーザが視認しやすい位置、すなわちモータアンプ筐体の上方に取り付けられている。第1実施形態で説明したように、ステータス・インジケータ124は、モータアンプ100が正常に動作しているときには緑色に点灯し、エラーが発生したときには赤色に点灯又は点滅してユーザにアラームを発する。
図30に示すモータアンプ100の変形例の前面構成では、モード切替スイッチ128は、「SETTING」と「MONITOR」を切り替え可能となっているが、上述したティーチングモード(「TEACH」)が「SETTING」に対応し、上述した自動モード(「AUTO」)が「MONITOR」に対応する。図30に示すモード切替スイッチ128は、前述した図3と異なり、左右方向に切替可能に構成されている(図3では上下方向に切り替える)。すなわち、モード切替スイッチ128の切替方向は、表示部102の延伸方向と略直交する方向となっている。
図30に示すモータアンプでは、左右の側面に4個ずつ突起149が設けられている(図30では、下方の突起149が重なっているため、3個ずつの突起149が視認される)。片面4個の突起149は、例えば、隣接配置されるモータアンプのうち一方のモータアンプの側面に設けられた突起が雄、他方のモータアンプの側面に設けられた突起が雌となって、両モータアンプを仮固定させる機能を有する。例えば図30では、大径の突起149aの内部空間に、(隣接配置されるモータアンプ側面に設けられた)小径の突起149bが挿入され、両モータアンプが仮固定される。
モータアンプ100の結線(図31〜図37):
図31はモータアンプ100の結線構造を説明するための図である。モータアンプ100の筐体140は、前述した前面、背面142、上面144、下面146、右側面148、左側面150を有する略立方体の形状を有している。図31に図示の例では、上面144にはセンサコネクタ160、モータ駆動用コネクタ162が配置され、このセンサコネクタ160、モータ駆動用コネクタ162には上方からアクセス可能である。センサコネクタ160には各種のセンサ(図39の参照符号314)に通じるセンサケーブル164が接続される。モータ駆動用コネクタ162にはモータ8(例えば図4)に通じるモータケーブル166が接続される。
筐体140の下面146には電源用コネクタ170、上位装置用コネクタ172が配置され、この電源用コネクタ170、上位装置用コネクタ172には下方からアクセス可能である。電源用コネクタ170には電源ユニット310(図39等)に通じる電源ケーブル176が接続され、この電源ケーブル176を通じて電源ユニットからモータアンプ100に電源が供給される。上位装置用コネクタ172には上位装置であるCPUユニット(PLC)4(例えば図4)に通じる上位ケーブル178が接続される。
モータケーブル166と上位ケーブル178の接続部が筐体140の上下に大きく離れて配置されているため、ノイズ源となるモータケーブル166からノイズが上位ケーブル178へ伝搬するのを抑制することができる。また、これらの接続部を筐体140の上面144、下面146に配置したことから、積極的にモータアンプ100を小型化したとしても、前面に相対的に大きな面積を占める表示部102を配置することができる。
図32〜図38はモータ100の結線構造の他の例を例示的に示す。図32は、センサコネクタ160及びモータ駆動用コネクタ162を筐体140の左側面150の上方部分に横方向からアクセス可能に配置し、他方、電源用コネクタ170、上位装置用コネクタ172を下面146に下方向からアクセス可能に配置した例を示す。変形例として、電源用コネクタ170、上位装置用コネクタ172を左側面150に配置し、センサコネクタ160及びモータ駆動用コネクタ162を下面146に配置してもよい。
図33は、センサコネクタ160及びモータ駆動用コネクタ162を筐体140の左側面150の上方部分に横方向からアクセス可能に配置し、他方、電源用コネクタ170、上位装置用コネクタ172を右側面148の下方部分に横方向からアクセス可能に配置した例を示す。変形例として、電源用コネクタ170、上位装置用コネクタ172を左側面150に配置し、センサコネクタ160及びモータ駆動用コネクタ162を右側面148に配置してもよい。
図34の例は、センサコネクタ160及びモータ駆動用コネクタ162を筐体140の左側面150の上方部分に横方向からアクセス可能に配置してある。筐体140は背面142から後方に突出する突出部分142aを有し、この突出部分142aに電源用コネクタ170、上位装置用コネクタ172が下方からアクセス可能に配置されている。変形として、電源用コネクタ170、上位装置用コネクタ172を背面142の下方部分に後方からアクセス可能に配置してもよい。図34の例の変形例として、電源用コネクタ170、上位装置用コネクタ172を左側面150に配置し、センサコネクタ160及びモータ駆動用コネクタ162を背面142に配置してもよい。
図35の例は、センサコネクタ160及びモータ駆動用コネクタ162を筐体140の背面142の上方部分に後方からアクセス可能に配置してある。他方、電源用コネクタ170、上位装置用コネクタ172は右側面148の下方部分に横方向からアクセス可能に配置されている。変形例として、センサコネクタ160及びモータ駆動用コネクタ162を筐体140の背面142の突出部分142aに上方からアクセス可能に配置してもよい。図35の例の変形例として、電源用コネクタ170、上位装置用コネクタ172を右側面148に配置し、センサコネクタ160及びモータ駆動用コネクタ162を背面142に配置してもよい。
図36の例は、センサコネクタ160及びモータ駆動用コネクタ162を筐体140の背面142の上方部分に後方からアクセス可能に配置してある。他方、電源用コネクタ170、上位装置用コネクタ172は下面146に下方からアクセス可能に配置されている。変形例として、センサコネクタ160及びモータ駆動用コネクタ162を筐体140の背面142の突出部分142aに上方からアクセス可能に配置してもよい。図36の例の変形例として、電源用コネクタ170、上位装置用コネクタ172を背面142に配置し、センサコネクタ160及びモータ駆動用コネクタ162を下面146に配置してもよい。
図37の例は、センサコネクタ160及びモータ駆動用コネクタ162を筐体140の上面144に上方からアクセス可能に配置してある。他方、電源用コネクタ170、上位装置用コネクタ172は右側面148の下方部分に横方向からアクセス可能に配置されている。変形例として、電源用コネクタ170、上位装置用コネクタ172を左側面150の下方部分に横方向からアクセス可能に配置してもよい。図37の例に関して、電源用コネクタ170、上位装置用コネクタ172を上面144に配置し、センサコネクタ160及びモータ駆動用コネクタ162を右側面148または左側面150に配置してもよい。
図38の例は、センサコネクタ160及びモータ駆動用コネクタ162を筐体140の上面144に上方からアクセス可能に配置してある。他方、電源用コネクタ170、上位装置用コネクタ172は背面142の下方部分に後方からアクセス可能に配置されている。変形例として、電源用コネクタ170、上位装置用コネクタ172を背面142の突出部分142aに下方からアクセス可能に配置してもよい。図38の例に関して、電源用コネクタ170、上位装置用コネクタ172を上面144に配置し、センサコネクタ160及びモータ駆動用コネクタ162を背面142に配置してもよい。
上述した図31〜図38の種々の例及びその変形例ではセンサコネクタ160及びモータ駆動用コネクタ162が同じ面に配置されているが、センサコネクタ160はモータ駆動用コネクタ162とは違う面に配置してもよい。例えば、センサコネクタ160を前面に配置してもよい。この場合、例えば筐体140の上端又は下端を段状に形成し、筐体140の前面よりも一段奥(一段後方)に位置する面に各種コネクタを設けてもよい。これにより、筐体140の前方にデッドスペースが生じるのを防ぐことができる。この点、図31に示すように、筐体140の上面又は下面に各種コネクタを設けることにより、筐体140の前方にデッドスペースが生じるのを防ぐことができ、また、筐体140の前方にデッドスペースが生じるのを防ぐために上述した追加の加工(段状に形成する)を施さなくてもよい。
図31〜図38はモータ駆動用コネクタ162と上位装置用コネクタ172の配置に関する単なる例示に過ぎない。
(1)例えばモータ駆動用コネクタ162(又は上位装置用コネクタ172)を前面に配置した場合には、上位装置用コネクタ172(又はモータ駆動用コネクタ162)の配置場所として、筐体140の背面142、右側面148、左側面150、上面144、下面146のいずれかの面を選択すればよい。
(2)例えばモータ駆動用コネクタ162(又は上位装置用コネクタ172)を背面142に配置した場合には、上位装置用コネクタ172(又はモータ駆動用コネクタ162)の配置場所として、前面、右側面148、左側面150、上面144、下面146のいずれかの面を選択すればよい。
(3)例えばモータ駆動用コネクタ162(又は上位装置用コネクタ172)を右側面148に配置した場合には、上位装置用コネクタ172(又はモータ駆動用コネクタ162)の配置場所として、前面、背面142、左側面150、上面144、下面146のいずれかの面を選択すればよい。
(4)例えばモータ駆動用コネクタ162(又は上位装置用コネクタ172)を左側面150に配置した場合には、上位装置用コネクタ172(又はモータ駆動用コネクタ162)の配置場所として、前面、背面142、右側面148、上面144、下面146のいずれかの面を選択すればよい。
(5)例えばモータ駆動用コネクタ162(又は上位装置用コネクタ172)を上面144に配置した場合には、上位装置用コネクタ172(又はモータ駆動用コネクタ162)の配置場所として、前面、背面142、右側面148、左側面150、下面146のいずれかの面を選択すればよい。
(6)例えばモータ駆動用コネクタ162(又は上位装置用コネクタ172)を下面146に配置した場合には、上位装置用コネクタ172(又はモータ駆動用コネクタ162)の配置場所として、前面、背面142、右側面148、左側面150、上面144のいずれかの面を選択すればよい。