JP2014229961A - 弾性表面波素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】 チップ端面からの反射の影響を抑制して吸収帯の面積を縮小でき、小型で且つ優れた通過特性を有する弾性表面波素子を提供する。
【解決手段】 入力櫛型電極12及び出力櫛型電極13の外側(端面側)に、入出力櫛型電極12,13から端面側への波を通過させると共に、端面で反射された入出力櫛型電極12,13側への波を反射しやすい特性を備えた一方向性電極から成る反射電極14,15を備え、更に端面に近接して幅の狭い吸収帯16,17を設けた構成であり、端面からの反射波と、反射電極14,15で端面側に反射された波とが相殺されることにより、端面からの反射の影響を抑制することができ、吸収帯の面積を縮小可能とし、チップの小型化を図ると共に通過特性を良好にするものである。
【選択図】 図1
【解決手段】 入力櫛型電極12及び出力櫛型電極13の外側(端面側)に、入出力櫛型電極12,13から端面側への波を通過させると共に、端面で反射された入出力櫛型電極12,13側への波を反射しやすい特性を備えた一方向性電極から成る反射電極14,15を備え、更に端面に近接して幅の狭い吸収帯16,17を設けた構成であり、端面からの反射波と、反射電極14,15で端面側に反射された波とが相殺されることにより、端面からの反射の影響を抑制することができ、吸収帯の面積を縮小可能とし、チップの小型化を図ると共に通過特性を良好にするものである。
【選択図】 図1
Description
本発明は、フィルタ等に用いられる弾性表面波素子に係り、特に小型化を図ると共に通過特性を良好にすることができる弾性表面波素子に関する。
[先行技術の説明]
弾性表面波(SAW;Surface Acoustic Wave)を利用したフィルタは、圧電体基板に形成された櫛型電極に電圧を印加することにより、表面波を生じさせ、特定の周波数の信号を伝搬して取り出すものである。
弾性表面波フィルタは、高精度の高周波フィルタとして広く用いられている。
弾性表面波(SAW;Surface Acoustic Wave)を利用したフィルタは、圧電体基板に形成された櫛型電極に電圧を印加することにより、表面波を生じさせ、特定の周波数の信号を伝搬して取り出すものである。
弾性表面波フィルタは、高精度の高周波フィルタとして広く用いられている。
[従来の弾性表面波素子の構成(1):図3]
従来の弾性表面波素子の構成について図3を用いて説明する。図3は、従来の弾性表面波素子(1)の構成を示す概略説明図である。
図3に示すように、従来の弾性表面波素子(1)は、圧電基板31上に形成された入力櫛型電極32と、出力櫛型電極33と、入力側のグレーティング34と、出力側のグレーティング35の金属パターンを備え、更に、グレーティング34,35の外側(端面側)に、それぞれ、樹脂で形成された吸収帯(ダンパー材)36,37を備えている。
従来の弾性表面波素子の構成について図3を用いて説明する。図3は、従来の弾性表面波素子(1)の構成を示す概略説明図である。
図3に示すように、従来の弾性表面波素子(1)は、圧電基板31上に形成された入力櫛型電極32と、出力櫛型電極33と、入力側のグレーティング34と、出力側のグレーティング35の金属パターンを備え、更に、グレーティング34,35の外側(端面側)に、それぞれ、樹脂で形成された吸収帯(ダンパー材)36,37を備えている。
入力櫛型電極32と出力櫛型電極33は、一方向性のテーパー型電極であり、特定の周波数の表面波を発生する形状及び寸法に形成されている。
吸収帯36,37は、チップ端面(図3では両短辺側の面)からの反射波を吸収して、反射波の影響を低減するものである。吸収帯36,37は、樹脂を塗布することによって形成される。
吸収帯36,37は、チップ端面(図3では両短辺側の面)からの反射波を吸収して、反射波の影響を低減するものである。吸収帯36,37は、樹脂を塗布することによって形成される。
グレーティング34,35は、格子状に形成され、電気的に接続されていない金属パターンであり、吸収帯36,37を形成する際に樹脂が入力櫛型電極32及び出力櫛型電極33に流入するのを防ぐものである。
しかし、グレーティングを備えた場合、チップ端面側への励振効率がよくなり、チップ端面からの反射量が大きくなるため、吸収帯36,37の面積を大きくする必要がある。
しかし、グレーティングを備えた場合、チップ端面側への励振効率がよくなり、チップ端面からの反射量が大きくなるため、吸収帯36,37の面積を大きくする必要がある。
[従来の弾性表面波素子の構成(2):図4]
別の構成の従来の弾性表面波素子について図4を用いて説明する。図4は従来の弾性表面波素子(2)の構成を示す概略説明図である。
図4に示すように、従来の弾性表面波素子(2)は、圧電基板41上に形成された入力櫛型電極42と、出力櫛型電極43と、入出力櫛型電極42,43の外側(端面側)にそれぞれ形成された吸収帯46,47とを備えており、グレーティングは設けられていない。
別の構成の従来の弾性表面波素子について図4を用いて説明する。図4は従来の弾性表面波素子(2)の構成を示す概略説明図である。
図4に示すように、従来の弾性表面波素子(2)は、圧電基板41上に形成された入力櫛型電極42と、出力櫛型電極43と、入出力櫛型電極42,43の外側(端面側)にそれぞれ形成された吸収帯46,47とを備えており、グレーティングは設けられていない。
そのため、図3の構成と比較すると、入出力櫛型電極42,43から外側への波の拡散が大きく、端面側への励振効率は低くなり、チップ端からの反射の影響は小さくなる。
その反面、吸収帯46,47の形成時に、樹脂が入出力櫛型電極42,43に流れ込むのを防ぐために、吸収帯46,47と入出力電極42,43との間に大きなマージン(スペース)を取らなければならない。
その反面、吸収帯46,47の形成時に、樹脂が入出力櫛型電極42,43に流れ込むのを防ぐために、吸収帯46,47と入出力電極42,43との間に大きなマージン(スペース)を取らなければならない。
[小型化の要求]
弾性表面波フィルタは、広帯域化及び小型化が要求されている。
チップ面積を小型化すると、チップの有効パターンエリアに対して入出力櫛型電極面積の割合が大きくなり、チップ端面からの反射の影響を受け易くなる。
また、小型化を図ると、チップ端面からの反射波を十分に吸収できる面積の吸収帯を設けられず、特性が劣化する場合がある。
弾性表面波フィルタは、広帯域化及び小型化が要求されている。
チップ面積を小型化すると、チップの有効パターンエリアに対して入出力櫛型電極面積の割合が大きくなり、チップ端面からの反射の影響を受け易くなる。
また、小型化を図ると、チップ端面からの反射波を十分に吸収できる面積の吸収帯を設けられず、特性が劣化する場合がある。
[関連技術]
尚、弾性表面波素子に関する技術としては、特開2001−285012号公報「弾性表面波フィルタ」(日本無線株式会社、特許文献1)、特開平07−336187号公報「弾性表面波デバイス」(松下電器産業株式会社、特許文献2)、特開2001−358555号公報「弾性表面波共振子」(セイコーエプソン株式会社、特許文献3)がある。
また、一方向性電極を用いた弾性表面波素子に関する技術として、特開2002−164763号公報「弾性表面波フィルタおよびこれを用いた通信機器」(松下電器産業株式会社、特許文献4)、特開2002−330048号公報「弾性表面波フィルタおよびこれを用いた通信機器」(松下電器産業株式会社、特許文献5)がある。
尚、弾性表面波素子に関する技術としては、特開2001−285012号公報「弾性表面波フィルタ」(日本無線株式会社、特許文献1)、特開平07−336187号公報「弾性表面波デバイス」(松下電器産業株式会社、特許文献2)、特開2001−358555号公報「弾性表面波共振子」(セイコーエプソン株式会社、特許文献3)がある。
また、一方向性電極を用いた弾性表面波素子に関する技術として、特開2002−164763号公報「弾性表面波フィルタおよびこれを用いた通信機器」(松下電器産業株式会社、特許文献4)、特開2002−330048号公報「弾性表面波フィルタおよびこれを用いた通信機器」(松下電器産業株式会社、特許文献5)がある。
特許文献1には、弾性表面波フィルタにおいて、斜め電極指電極と反射電極とを備え、反射電極が端面からの反射波を各斜め電極指電極とは異なる方向に反射することが記載されている。
特許文献2には、反射器のストリップ電極の1本当たりの反射率を場所によって異ならせて、反射器に重み付けを施し、帯域外特性を向上させることが記載されている。
特許文献3には、反射器の反射体の線幅をIDTから外側に向けて大きくして、SAWの閉じ込めを強くし、反射体本数を少なくして小型化を図ることが記載されている。
特許文献2には、反射器のストリップ電極の1本当たりの反射率を場所によって異ならせて、反射器に重み付けを施し、帯域外特性を向上させることが記載されている。
特許文献3には、反射器の反射体の線幅をIDTから外側に向けて大きくして、SAWの閉じ込めを強くし、反射体本数を少なくして小型化を図ることが記載されている。
また、特許文献4には、一方向性のIDT電極を用いたトランスバーサル型の弾性表面波フィルタの構成が記載されている。
特許文献5には、IDTが、一方向性電極と両方向電極とを含み、一方向性電極の基本セルの長さを両方向電極よりも長くした構成が開示されている。
特許文献5には、IDTが、一方向性電極と両方向電極とを含み、一方向性電極の基本セルの長さを両方向電極よりも長くした構成が開示されている。
上述したように、従来の弾性表面波素子では、小型化に伴い、チップ端面からの反射波の影響を受け易くなり、また反射波を十分吸収できる面積を備えた吸収体を設けられず、通過特性が劣化してしまうという問題点があった。
尚、特許文献1〜5には、入出力櫛型電極の外側に、入出力電極側から端面側への波を通過させ、端面側からの波を反射しやすい特性の一方向性電極から成る反射電極を備え、更に反射電極の外側に吸収帯を備えた構成は記載されていない。
本発明は、上記実状に鑑みて為されたもので、チップ端面からの反射の影響を抑制して吸収帯の面積を縮小でき、小型で且つ優れた通過特性を有する弾性表面波素子を提供することを目的とする。
上記従来例の問題点を解決するための本発明は、対向する2つの端面を備えた圧電基板上に、入力櫛型電極と出力櫛型電極が形成された弾性表面波素子であって、入力櫛型電極とそれに近接する一方の端面との間に形成された第1の反射電極と、出力櫛型電極とそれに近接する他方の端面との間に形成された第2の反射電極と、2つの端面に近接してそれぞれ形成され、弾性表面波を吸収する2つの吸収帯とを備え、第1の反射電極が、入力櫛型電極から入力される弾性表面波を近接する一方の端面側に通過させると共に、一方の端面で反射された弾性表面波を当該一方の端面側に反射する特性を備えた一方向性電極であり、第2の反射電極が、出力櫛型電極から入力される弾性表面波を近接する他方の端面側に通過させると共に、他方の端面で反射された弾性表面波を当該他方の端面側に反射する特性を備えた一方向性電極であることを特徴としている。
また、本発明は、上記弾性表面波素子において、端面で反射された弾性表面波と、反射電極によって反射された波とが相殺されるように、第1及び第2の反射電極の構成が調整されていることを特徴としている。
また、本発明は、上記弾性表面波素子において、反射電極と吸収帯との間に、グレーティングが設けられていることを特徴としている。
また、本発明は、上記弾性表面波素子において、入力櫛型電極と出力櫛型電極がテーパー型電極で形成されていることを特徴としている。
また、本発明は、上記弾性表面波素子において、反射電極がテーパー型電極で形成されていることを特徴としている。
本発明によれば、対向する2つの端面を備えた圧電基板上に、入力櫛型電極と出力櫛型電極が形成された弾性表面波素子であって、入力櫛型電極とそれに近接する一方の端面との間に形成された第1の反射電極と、出力櫛型電極とそれに近接する他方の端面との間に形成された第2の反射電極と、2つの端面に近接してそれぞれ形成され、弾性表面波を吸収する2つの吸収帯とを備え、第1の反射電極が、入力櫛型電極から入力される弾性表面波を近接する一方の端面側に通過させると共に、一方の端面で反射された弾性表面波を当該一方の端面側に反射する特性を備えた一方向性電極であり、第2の反射電極が、出力櫛型電極から入力される弾性表面波を近接する他方の端面側に通過させると共に、他方の端面で反射された弾性表面波を当該他方の端面側に反射する特性を備えた一方向性電極である弾性表面波素子としているので、端面からの反射の影響を抑制して、吸収帯の面積を小さくでき、小型化を図ると共に通過特性を良好にすることができる効果がある。
また、本発明によれば、端面で反射された弾性表面波と、反射電極によって反射された波とが相殺されるように、第1及び第2の反射電極の構成が調整されている上記弾性表面波素子としているので、端面からの反射波を効率よく打ち消すことができ、通過特性を一層向上させることができる効果がある。
また、本発明によれば、反射電極と吸収帯との間に、グレーティングが設けられている上記弾性表面波素子としているので、吸収帯を形成する際に、樹脂が反射電極に流入するのを防ぐことができ、製造を容易にし、歩留まりを向上させることができる効果がある。
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
[実施の形態の概要]
本発明の実施の形態に係る弾性表面波素子は、入力櫛型電極及び出力櫛型電極の外側(端面側)に、入出力櫛型電極から端面側への波を通過させると共に、端面から入出力櫛型電極側への波を反射しやすい特性を備えた一方向性電極から成る反射電極を備え、更に反射電極の外側に幅の狭い吸収帯を設けた構成であり、端面からの反射波と、反射電極で端面側に反射された波とが相殺されることにより、端面からの反射の影響を低減することができ、吸収帯の面積を縮小可能とし、チップの小型化を図ると共に通過特性を良好にすることができるものである。
[実施の形態の概要]
本発明の実施の形態に係る弾性表面波素子は、入力櫛型電極及び出力櫛型電極の外側(端面側)に、入出力櫛型電極から端面側への波を通過させると共に、端面から入出力櫛型電極側への波を反射しやすい特性を備えた一方向性電極から成る反射電極を備え、更に反射電極の外側に幅の狭い吸収帯を設けた構成であり、端面からの反射波と、反射電極で端面側に反射された波とが相殺されることにより、端面からの反射の影響を低減することができ、吸収帯の面積を縮小可能とし、チップの小型化を図ると共に通過特性を良好にすることができるものである。
[本発明の実施の形態に係る弾性表面波素子の構成:図1]
本発明の実施の形態に係る弾性表面波素子の構成について図1を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る弾性表面波素子の構成を示す概略説明図である。
図1に示すように、本発明の実施の形態に係る弾性表面波素子(本弾性表面波素子)は、フィルタ等に用いられるものであり、水晶等の圧電基板11上に、入力櫛型電極12と、出力櫛型電極13と、本弾性表面波素子の特徴部分である入力側の反射電極14と、出力側の反射電極15と、入力側の吸収帯16と、出力側の吸収帯17とを備えている。
本発明の実施の形態に係る弾性表面波素子の構成について図1を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る弾性表面波素子の構成を示す概略説明図である。
図1に示すように、本発明の実施の形態に係る弾性表面波素子(本弾性表面波素子)は、フィルタ等に用いられるものであり、水晶等の圧電基板11上に、入力櫛型電極12と、出力櫛型電極13と、本弾性表面波素子の特徴部分である入力側の反射電極14と、出力側の反射電極15と、入力側の吸収帯16と、出力側の吸収帯17とを備えている。
本弾性表面波素子の特徴部分について説明する。
入力櫛型電極12、出力櫛型電極13は、複数の交差指電極を備えたテーパー型電極であり、所望の弾性表面波を発生させる周波数特性を備えている。
ここでは、入力櫛型電極12及び出力櫛型電極13をテーパー型電極で形成しているが、テーパー型でなくてもよい。
入力櫛型電極12、出力櫛型電極13は、複数の交差指電極を備えたテーパー型電極であり、所望の弾性表面波を発生させる周波数特性を備えている。
ここでは、入力櫛型電極12及び出力櫛型電極13をテーパー型電極で形成しているが、テーパー型でなくてもよい。
反射電極14,15は、端面からの反射波の影響を低減するものであり、入出力櫛型電極12,13と同様に、少なくとも1組の交差指電極を備えた一方向性のテーパー型電極であるが、電極幅は入出力櫛型電極12,13より狭く形成されている。
また、反射電極14,15は、入出力電極12,13に接続されていてもよいし、接続されていなくてもよく、少なくともグランド端子には接続されている。
また、ここでは反射電極14,15の形状をテーパー型電極としているが、一方向性電極で所望の特性が得られるものであれば、テーパー型でなくてもよい。
また、反射電極14,15は、入出力電極12,13に接続されていてもよいし、接続されていなくてもよく、少なくともグランド端子には接続されている。
また、ここでは反射電極14,15の形状をテーパー型電極としているが、一方向性電極で所望の特性が得られるものであれば、テーパー型でなくてもよい。
そして、本弾性表面波素子の特徴として、反射電極14,15は、入出力櫛型電極側12,13から端面側への波を通過させ、逆向きの波(端面で反射された波)を反射しやすい特性を備えている。
具体的には、入力側の反射電極14は、入力櫛型電極12側から入力された波を通過させて、図1の向かって左側の端面に向けて出力すると共に、当該端面からの反射波を入力櫛型電極12側へは通過させずに端面側に反射する。
同様に、出力側の反射電極15は、出力櫛型電極13側から入力された波を通過させ、向かって右側の端面に出力すると共に、当該端面からの反射波を通過させずに端面側に反射する。
具体的には、入力側の反射電極14は、入力櫛型電極12側から入力された波を通過させて、図1の向かって左側の端面に向けて出力すると共に、当該端面からの反射波を入力櫛型電極12側へは通過させずに端面側に反射する。
同様に、出力側の反射電極15は、出力櫛型電極13側から入力された波を通過させ、向かって右側の端面に出力すると共に、当該端面からの反射波を通過させずに端面側に反射する。
反射電極14,15の反射特性は、交差指電極のパターン寸法や配置に依存しており、所望の周波数において所望の反射特性(反射の強さ、位相等)が得られるよう、電極指パターンの線幅、ピッチ、本数、傾き等の構成や、配置位置が調整されている。電極指の数が多いほど反射は強くなる。また、交差指電極の傾きが小さい(弾性表面波の伝搬方向に直交する)ほど反射は強く、傾きが大きいと小さくなる。
そして、本弾性表面波素子では、反射電極14と吸収帯16との間及び反射電極15と吸収帯17との間において、端面から反射された波と、反射電極14,15で反射されて端面に向かう波とが逆位相で合成されて効率的に相殺される。
これにより、本弾性表面波素子では、端面からの反射の影響を抑制することができるものである。
これにより、本弾性表面波素子では、端面からの反射の影響を抑制することができるものである。
吸収帯16,17は、従来と同様に、樹脂を塗布することにより形成されるが、従来に比べて幅(弾性表面波の伝搬方向の長さ)が狭く形成されている。具体的には、図3に示した従来の弾性表面波素子(1)の吸収帯と比較して、半分から3分の2程度の幅で形成されている。
つまり、本弾性表面波素子では、反射電極14,15によって端面からの反射の影響を低減できるため、吸収帯16,17の面積を小さくすることができ、有効パターン面積を広くすることができるものである。
つまり、本弾性表面波素子では、反射電極14,15によって端面からの反射の影響を低減できるため、吸収帯16,17の面積を小さくすることができ、有効パターン面積を広くすることができるものである。
[本弾性表面波素子の動作:図2]
次に、本弾性表面波素子の動作について図2を用いて説明する。図2は、本弾性表面波素子の動作の概要を表す模式説明図である。
図2に示すように、本弾性表面波素子では、入出力櫛型電極12,13から出力された波(a)は、反射電極14,15を通過して、吸収帯16,17で一部が吸収され、残った波が端面で反射され、吸収帯16,17で吸収されずに残った波は、端面からの反射波として入出力櫛型電極12,13方向へ戻ってくる。
次に、本弾性表面波素子の動作について図2を用いて説明する。図2は、本弾性表面波素子の動作の概要を表す模式説明図である。
図2に示すように、本弾性表面波素子では、入出力櫛型電極12,13から出力された波(a)は、反射電極14,15を通過して、吸収帯16,17で一部が吸収され、残った波が端面で反射され、吸収帯16,17で吸収されずに残った波は、端面からの反射波として入出力櫛型電極12,13方向へ戻ってくる。
端面からの反射波は、一方向性の反射電極14,15によって反射されて、再び端面に向かう波(b)となる。
そして、図2に示すように、端面から反射電極14,15に向かう波(a)と、反射電極14,15から端面に向かう波(b)とが逆位相で合成されて打ち消しあう。
そして、図2に示すように、端面から反射電極14,15に向かう波(a)と、反射電極14,15から端面に向かう波(b)とが逆位相で合成されて打ち消しあう。
このようにして、本弾性表面波素子では、反射電極14,15によって端面からの反射波の影響を低減でき、吸収帯16,17を大きく形成しなくても良好な特性のフィルタを実現することができるものである。
また、吸収帯16,17の面積を小さくして、チップを小型化しても有効パターン面積を広く取ることができ、特性を向上させることができるものである。
但し、反射電極14,15と吸収帯16,17との間隔は、吸収帯16,17の形成時に樹脂が反射電極14,15に流れ込まない程度に確保しておく。
また、吸収帯16,17の面積を小さくして、チップを小型化しても有効パターン面積を広く取ることができ、特性を向上させることができるものである。
但し、反射電極14,15と吸収帯16,17との間隔は、吸収帯16,17の形成時に樹脂が反射電極14,15に流れ込まない程度に確保しておく。
また、樹脂の流れ込みを防止するために、反射電極14,15と吸収帯16,17との間に、図3に示したようなグレーティングを備えた構成としてもよく、これにより、製造を容易にし、歩留まりを向上させるものである。
但し、グレーティングによって入出力櫛型電極12,13から外側への波の拡散が妨げられるため、グレーティングを設けない場合と比べて端面からの反射の影響が大きくなり、フィルタ特性は、グレーティングを設けない場合のほうが良好である。
但し、グレーティングによって入出力櫛型電極12,13から外側への波の拡散が妨げられるため、グレーティングを設けない場合と比べて端面からの反射の影響が大きくなり、フィルタ特性は、グレーティングを設けない場合のほうが良好である。
[実施の形態の効果]
本発明の実施の形態に係る弾性表面波素子によれば、入力櫛型電極12及び出力櫛型電極13とそれに近接する端面との間に、それぞれ反射電極14,15を備え、更に反射電極14,15と近接する端面との間に、幅の狭い吸収帯16,17を設け、反射電極14,15は、入出力櫛型電極12,13から端面側への波を通過させると共に、端面からの波を反射しやすい特性を備えた一方向性電極から成り、端面側からの反射波と、当該反射波が反射電極14,15によって反射された波とが相殺されるよう構成や配置が調整されているので、端面からの反射の影響を低減することができ、吸収帯16,17の面積を小さくしても端面からの反射波を十分吸収可能とし、チップの小型化を図ると共に通過特性を良好にすることができる効果がある。
本発明の実施の形態に係る弾性表面波素子によれば、入力櫛型電極12及び出力櫛型電極13とそれに近接する端面との間に、それぞれ反射電極14,15を備え、更に反射電極14,15と近接する端面との間に、幅の狭い吸収帯16,17を設け、反射電極14,15は、入出力櫛型電極12,13から端面側への波を通過させると共に、端面からの波を反射しやすい特性を備えた一方向性電極から成り、端面側からの反射波と、当該反射波が反射電極14,15によって反射された波とが相殺されるよう構成や配置が調整されているので、端面からの反射の影響を低減することができ、吸収帯16,17の面積を小さくしても端面からの反射波を十分吸収可能とし、チップの小型化を図ると共に通過特性を良好にすることができる効果がある。
また、本弾性表面波素子によれば、反射電極14,15と吸収帯16,17との間にグレーティングを備えた弾性表面波素子としているので、吸収帯16,17の形成時に樹脂が反射電極14,15に流れ込むのを防ぐことができる効果がある。
本発明は、小型で且つ通過特性を良好にすることができる弾性表面波素子に適している。
11,31,41...圧電基板、 12,32,42...入力櫛型電極、 13,33,43...出力櫛型電極、 14,15...反射電極、 16,17,36,37,46,47...吸収帯、 34,35...グレーティング
Claims (5)
- 対向する2つの端面を備えた圧電基板上に、入力櫛型電極と出力櫛型電極が形成された弾性表面波素子であって、
前記入力櫛型電極とそれに近接する一方の端面との間に形成された第1の反射電極と、
前記出力櫛型電極とそれに近接する他方の端面との間に形成された第2の反射電極と、
前記2つの端面に近接してそれぞれ形成され、弾性表面波を吸収する2つの吸収帯とを備え、
前記第1の反射電極が、前記入力櫛型電極から入力される弾性表面波を前記近接する一方の端面側に通過させると共に、前記一方の端面で反射された弾性表面波を当該一方の端面側に反射する特性を備えた一方向性電極であり、
前記第2の反射電極が、前記出力櫛型電極から入力される弾性表面波を前記近接する他方の端面側に通過させると共に、前記他方の端面で反射された弾性表面波を当該他方の端面側に反射する特性を備えた一方向性電極であることを特徴とする弾性表面波素子。 - 端面で反射された弾性表面波と、反射電極によって反射された波とが相殺されるように、第1及び第2の反射電極の構成が調整されていることを特徴とする請求項1記載の弾性表面波素子。
- 反射電極と吸収帯との間に、グレーティングが設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の弾性表面波素子。
- 入力櫛型電極と出力櫛型電極がテーパー型電極で形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか記載の弾性表面波素子。
- 反射電極がテーパー型電極で形成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか記載の弾性表面波素子。
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