JP2014229870A - 太陽電池用保護シートおよび太陽電池モジュール - Google Patents

太陽電池用保護シートおよび太陽電池モジュール Download PDF

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Abstract

【課題】熱プレスで太陽電池モジュールを製造する場合に、封止材と太陽電池用保護シートの界面で剥離が生じ難い太陽電池用保護シート、およびかかる太陽電池用保護シートを備えた太陽電池モジュールを提供する。
【解決手段】本発明の太陽電池用保護シートは、融点が150℃以上のプロピレン(共)重合体を含有するポリプロピレン系樹脂材料から形成される基材を備え、前記基材の23℃における引張弾性率は、900MPa以上である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、太陽電池モジュールの表面保護シートまたは裏面保護シートとして用いられる太陽電池用保護シートおよびその製造方法、ならびに当該太陽電池用保護シートを用いた太陽電池モジュールに関するものである。
太陽の光エネルギーを電気エネルギーに変換する太陽電池モジュールは、大気汚染や地球温暖化などの環境問題に対応して、二酸化炭素を排出せずに発電できるクリーンなエネルギー源として注目されている。
一般に、太陽電池モジュールは、結晶シリコン、アモルファスシリコンなどからなり光電変換を行う太陽電池セルと、太陽電池セルを封止する電気絶縁体からなる封止材(充填材)と、封止材の表面(受光面)に積層された表面保護シート(フロントシート)と、封止材の裏面に積層された裏面保護シート(バックシート)とから構成されている。屋外において長期間の使用に耐えうる耐候性および耐久性を太陽電池モジュールに持たせるためには、太陽電池セルおよび封止材を風雨、湿気、砂埃、機械的な衝撃などから守り、太陽電池モジュールの内部を外気から遮断して密閉した状態に保つことが必要である。このため、太陽電池用保護シートには、長期間の使用に耐え得る耐湿性と耐候性とが要求される。以下、表面保護シートと裏面保護シートを総称して、「保護シート」と言うこともある。
この保護シートとして、従来は耐候性や耐熱性の観点から、金属などの水蒸気透過を防止する層の片面または両面に、耐候性を有するフッ素系樹脂を接着したものやポリエチレンテレフタレート(PET)などのシートが知られている。この裏面保護シートは、上記の封止材に対して加熱圧着される。コスト面などから、保護シートの材料として、オレフィン系材料も検討されている。
オレフィン系樹脂を用いた太陽電池用裏面保護シートとして、特許文献1には、特定の密度を有するポリエチレン系樹脂を用いて、耐候性と防湿性を備えたシートが開示されている。
特許文献2では、防湿持続性に富み、耐貫通性に優れ、かつ形状安定性に優れるシートとして、ポリプロピレン系樹脂シートの少なくとも1面側に、密度が0.94〜0.97g/cmのポリエチレン系樹脂からなるシートが積層された太陽電池用裏面保護シートが開示されている。
特開平11−261085号公報 特開2004−223925号公報
しかしながら、特許文献1,2に開示されるオレフィン系樹脂を用いた太陽電池用保護シートと封止材とを、熱プレスして積層させ、太陽電池モジュールを製造する場合に、封止材と太陽電池用保護シートとの界面で剥離が生じることにより封止材と太陽電池用保護シートとの界面から水蒸気が透過して、モジュールの性能が低下することがあった。
本発明は、このような実状に鑑みてなされたものであり、熱プレスで太陽電池モジュールを製造する場合に、封止材と太陽電池用保護シートとの界面で剥離が生じ難い、すなわち耐剥離性に優れる、太陽電池用保護シート、およびかかる太陽電池用保護シートを備えた太陽電池モジュールを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために提供される本発明は、第1に、融点が150℃以上のプロピレン(共)重合体を含有するポリプロピレン系樹脂材料から形成される基材を備え、前記基材の23℃における引張弾性率は、900MPa以上であることを特徴とする太陽電池用保護シートを提供する(発明1)。
上記発明(発明1)において、前記基材の一の主面に積層された封止材接着層をさらに備えることが好ましい(発明2)。
上記発明(発明2)において、前記封止材接着層がポリエチレン系樹脂を含むことが好ましい(発明3)。
上記発明(発明3)において、前記ポリエチレン系樹脂は、低密度ポリエチレンおよび超低密度ポリエチレンの少なくとも一方であることが好ましい(発明4)に記載の太陽電池用保護シート。
上記発明(発明1から4)において、前記基材は、過度に延伸処理が施されていないことおよび延伸処理が施されていないことの少なくとも一方を満たすことが好ましい(発明5)。
本発明は、第2に、上記発明(発明1から5)に係る太陽電池用保護シートに、封止材層が積層されてなる太陽電池用保護シートを提供する(発明6)。
本発明は、第3に、太陽電池セルと、前記太陽電池セルを封止する封止材と、前記封止材に積層された保護シートとを備えた太陽電池モジュールであって、前記保護シートは、上記発明(発明1から6)に係る太陽電池用保護シートからなることを特徴とする太陽電池モジュールを提供する(発明7)。
本発明によれば、熱プレスで太陽電池モジュールを製造する場合に、封止材と太陽電池用保護シートの界面で剥離が生じ難い太陽電池用シート、および封止材と太陽電池用保護シートとの界面から水蒸気が透過し、モジュールの性能が低下することが低減された太陽電池モジュールを提供することができる。
本発明の一実施形態に係る太陽電池用保護シートの概略断面図である。 本発明の一実施形態に係る、封止材接着層を備えた太陽電池用保護シートの概略断面図である。 本発明の他の実施形態に係る、耐侯性層を備える太陽電池用保護シートの概略断面図である。 本発明の他の実施形態に係る、封止材層を備える太陽電池用保護シートの概略断面図である。 本発明の一実施形態に係る太陽電池モジュールの概略断面図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。
1.太陽電池用保護シート
図1に示すように、本実施形態に係る太陽電池用保護シート1は、基材11を備えている。以下、図1に示される太陽電池用保護シート1を構成する各要素について説明し、その後、本実施形態に係る太陽電池用保護シート1が備え得る他の構成について説明する。
(1)基材
本実施形態に係る基材11は、融点が150℃以上のプロピレン(共)重合体を含有するポリプロピレン系樹脂材料から形成され、基材11の23℃における引張弾性率(本明細書において、ことわりのない「引張弾性率」は、23℃における引張弾性率を意味する。)は、900MPa以上である。
(1−1)ポリプロピレン系樹脂材料
ポリプロピレン系樹脂材料は、融点が150℃以上のプロピレン(共)重合体を含有するものである。本明細書において、「プロピレン(共)重合体」とは、プロピレンに基づく構成単位を含む単独重合体および共重合体の総称を意味する。融点が150℃以上のプロピレン(共)重合体は、プロピレンに由来する構成単位の含有比率が、当該重合体を形成する単量体換算で、50質量%以上の樹脂である。融点が150℃以上のプロピレン(共)重合体の具体例として、プロピレンの単独重合体、プロピレン−エチレン共重合体などのプロピレンとその他のオレフィンからなる単量体から形成される共重合体が挙げられる。本発明の効果を安定的に得る観点から、融点が150℃以上のプロピレン(共)重合体は、上記のプロピレンに由来する構成単位の含有比率が70質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることが特に好ましい。
プロピレンとその他のオレフィンからなる単量体から形成される共重合体は、ランダム共重合体であってもよく、ブロック共重合体であってもよいが、基材11の熱収縮を低減させることができるため、ブロック共重合体またはその混合物であることが好ましい。また、その他のオレフィンからなる単量体としては、炭素数が2〜6のアルケンが好ましく、より好ましい炭素数は2〜4のアルケンである。具体的には、エチレン、1−ブテン、1−ヘキセン等が挙げられ、エチレンおよび1−ブテンが特に好ましい。
また、ポリプロピレン系樹脂材料は、融点が150℃以上のプロピレン(共)重合体のみを含有するものであってもよいし、その他の樹脂や各種添加剤を含有するものであってもよい。その他の樹脂としては、例えば、融点が150℃以上のプロピレン(共)重合体を除くポリオレフィン系樹脂が挙げられる。また、ポリプロピレン系樹脂材料中における、融点が150℃以上のプロピレン(共)重合体の含有比率は、70質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることが特に好ましい。
また、ポリプロピレン系樹脂材料は、当該樹脂材料を構成するプロピレン(共)重合体の一部が架橋剤と反応してなる架橋構造を有していてもよい。この架橋構造を与える架橋剤の使用は任意であり、架橋構造をもたらす架橋剤の種類は任意である。架橋剤として、ジクミルパーオキサイドのような有機過酸化物やエポキシ基を有する化合物やイソシアネート基を有する化合物が典型的に例示される。架橋構造の存在密度、すなわち架橋の程度は任意である。
ポリプロピレン系樹脂材料は、形状加工性を高める観点から、JIS K7210:1999(ISO 1133:1997)に準拠した、温度230℃、荷重2.16kgfにおけるメルトフローレート(MFR)が、1g/10min以上20g/10min以下であることが好ましく、特に2g/10min以上10g/10min以下であることが好ましい。
プロピレン(共)重合体の融点は、150℃以上であり、好ましくは160℃以上である。融点の上限は、特に制限はないが、加工性の観点から、通常200℃以下である。なお、本明細書において、プロピレン(共)重合体の融点は、示差走査熱量計を用いて、以下の方法で測定される値である。
昇温速度20℃/分で−40℃から250℃まで加熱を行い、250℃で5分間保持した後に、降温速度20℃/分で−40℃まで冷却を行い5分間保持した。その後、昇温速度20℃/分で加熱を行い、融解に伴うピークの温度を、プロピレン(共)重合体の融点とする。
本実施形態に係る基材11の引張弾性率は、900MPa以上である。太陽電池用保護シート1にカールが生じる可能性を低減させる観点から900MPa以上2000MPa以下の範囲であることが好ましく、1000MPa以上2500MPa以下であることがより好ましい。なお、本明細書において、基材11の引張弾性率は、JIS K7127に準じて、以下の条件で測定される値である。
試験片:ダンベル1号試験片
引張速度:50mm/分
基材11を形成するためのポリプロピレン系樹脂材料に含有されるプロピレン(共)重合体の融点および基材11の引張弾性率を上記範囲とすることで、基材11の形状加工のときや、太陽電池用保護シート1を用いて太陽電池モジュールを組み立てるときなどに、基材11に対して加熱(およびその後冷却)を含む処理が施された場合に、基材11が熱収縮しにくくなる。これにより、熱プレスで太陽電池モジュールを製造する場合に、太陽電池用保護シート1が封止材から剥離することを防止することができる。また、基材11のカールが抑制され、太陽電池用保護シート1の反りを抑制することができる。
基材11の引張弾性率が900MPaよりも低い場合や、プロピレン(共)重合体の融点が150℃未満の場合には、基材11の収縮が大きくなって、太陽電池用保護シート1が封止材から剥離したり、太陽電池用保護シート1に残留する応力が大きくなり、太陽電池用保護シート1にカールが発生するおそれがある。一方、基材11の引張弾性率が上記の範囲を過度に超える場合には、基材11が可撓性を有することができなくなるおそれがある。
なお、基材11は、必要に応じて、顔料、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、可塑剤、帯電防止剤、滑剤、ブロッキング防止剤、難燃剤、シリカ粒子等の各種添加剤を含んでいてもよい。顔料としては、例えば、二酸化チタン、カーボンブラック等が挙げられる。また、紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、蓚酸アニリド系、シアノアクリレート系、トリアジン系等が挙げられる。
基材11は、後述するその他の層に対する耐剥離性を向上させるために、コロナ処理、プラズマ処理、プライマー処理などの表面処理(易接着処理)を施されていることが好ましい。これらの表面処理の中でも、処理が容易であることおよび基材11へのダメージが少ないことなどの観点からコロナ処理が特に好ましい。
基材11の厚さは、例えば、基材11の厚さは10μm以上300μm以下であることが好ましく、30μm以上250μm以下であることがより好ましく、40μm以上200μm以下であることが特に好ましく、50μm以上150μm以下であることがきわめて好ましい。
本実施形態に係る基材11は、150℃に環境に30分間静置した際の熱収縮率が、MD方向およびTD方向の双方について、5%以内であることが好ましく、2%以下であることがより好ましく、1%以下であることが特に好ましい。
なお、本明細書において、「熱収縮率」とは、後述する実施例において説明する方法で測定した値を意味する。本明細書において、MD方向とは、基材11を与える原反の長手方向(原反の製造時の送り方向)に平行な方向といい、TD方向とは、上記の原反の主面内でMD方向に直交する方向をいう。
基材11は過度に延伸処理が施されていないことおよび延伸処理が施されていない(無延伸)ことの少なくとも一方を満たすことが好ましく、延伸処理が施されていない(無延伸)ことがより好ましい。基材11が無延伸の材料であることで、基材11のMD方向の熱収縮率SおよびTD方向の熱収縮率Sを同程度とすることできる。これにより、封止材と太陽電池用保護シートとの界面で剥離が生じる可能性が低減する。過度に延伸処理が施された基材は、上記の熱収縮率がMD方向およびTD方向のいずれかについて、5%超となるおそれがある。なお、本発明において、「過度に延伸処理が施される」とは、具体的には、(i)寸法安定性、形態安定性を付与するための熱処理(ヒートセット)を行なわずに、MD方向およびTD方向のいずれかまたはその両方について延伸処理が施される場合、および(ii)ヒートセットを行う場合であっても、MD方向およびTD方向のいずれかまたはその両方について3倍以上に延伸処理を施される場合のいずれかをいう。
(2)その他の層
本実施形態に係る太陽電池用保護シート1は、基材11の両面または片面に、直接または接着性を有する層を介して、その他の層が設けられていてもよい。その他の層としては、熱融着することにより封止材と太陽電池用保護シート1とを強固に接着させるための封止材接着層、太陽電池用保護シート1に耐候性および耐薬品性を付与するための耐候性層、防湿性を付与するためのガスバリア層等が挙げられる。
(2−1)封止材接着層
本実施形態に係る太陽電池用保護シート1は、図2に示すように、基材11と、基材11の一方の面(図2中では上面)に積層された封止材接着層12とを備えている。封止材接着層12は、基材11における使用時に封止材と対向する側の面に設けられ、基材11が封止材から剥離する可能性を低減させる効果がある。具体的には、封止材接着層12が封止材に対して熱融着することにより、封止材接着層12は封止材に強固に接着する。これにより、太陽電池用保護シート1は、封止材に強固に接着することができる。
本実施形態に係る封止材接着層12を形成するための材料は、封止材に対して熱融着し、かつ、基材11に対して強固に接着するものであれば、その材料は特に限定されない。基材11と封止材接着層12とを共押出成形により効率よく加工することができ、さらに太陽電池用保護シート1にカールが生じる可能性は低減することができるという点から、封止材接着層12は、オレフィン系樹脂を含むことが好ましい。以下、封止材接着層12を形成するためのオレフィン系樹脂を「接着層形成用オレフィン系樹脂」という。
接着層形成用オレフィン系樹脂は、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂(但し、融点が150℃以上のものを除く)等のオレフィン系エラストマー(TPO)、シクロオレフィン系樹脂(COP)などが挙げられる。これらのオレフィン系樹脂は一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの中でも、接着層形成用オレフィン系樹脂は、ポリエチレン系樹脂であることが好ましい。ポリエチレン系樹脂は、エチレンの含有比率が、当該樹脂を形成する単量体換算で、60質量%以上100質量%以下であることが好ましい。接着層形成用オレフィン系樹脂がポリエチレン系樹脂であることにより、基材11に対する耐剥離性、および封止材に対する耐剥離性のいずれにも優れる。
ポリエチレン系樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体(但し、融点が150℃以上のものを除く)、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸ブチル共重合体(EBA)、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル−無水マレイン酸共重合体などが挙げられる。上記のポリエチレン系樹脂の中でも、基材11および封止材に対する耐剥離性に優れるという観点から、低密度ポリエチレンまたは超低密度ポリエチレンであることが好ましく、低密度ポリエチレンの中でも直鎖状短鎖分岐低密度ポリエチレンであることがより好ましい。
封止材接着層12は、上記の接着層形成用オレフィン系樹脂に加えて、必要に応じて、二酸化チタン、カーボンブラック等の着色材料、シリカ粒子などのブロッキング防止剤、ベンゾフェノン等の紫外線吸収剤、紫外線安定剤、難燃剤、可塑剤、帯電防止剤、滑剤、二酸化チタン等の白色顔料などの各種添加剤を含んでいてもよい。
封止材接着層12の厚さは10μm以上300μm以下であることが好ましく、30μm以上250μm以下であることがより好ましく、40μm以上200μm以下であることが特に好ましく、50μm以上150μm以下であることがきわめて好ましい。
封止材接着層12を設ける方法は、特に限定されず、あらかじめシート状に形成された基材11の一方の面上に、あらかじめシート状に形成された封止材接着層12を貼付してもよい。また、封止材接着層12を形成するための材料を溶融状態にして、シート状の基材11の一方の面上に供給して冷却固化させることにより、封止材接着層12を基材11の一方の面上に直接形成してもよい。また、基材11を形成するための材料および封止材接着層12を形成するための材料を共押出成形して、基材11および封止材接着層12を備えた太陽電池用保護シート1を製造してもよい。
これらのなかでも、基材11を形成するための材料および封止材接着層12を形成するための材料を共押出成形して、基材11および封止材接着層12を備えた太陽電池用保護シート1を製造することが好ましい。
このように共押出成形することで、基材11の封止材接着層12に対する耐剥離性が高く、太陽電池用保護シート1がカールすることを抑制することができる。これにより、太陽電池用保護シート1のカールに起因して太陽電池モジュールに反りが生じることを抑制することができる。
(2−2)耐候性層
本実施形態に係る太陽電池用保護シート1は、図3に示すように、基材11における封止材接着層12が積層されない側の面(図3中では下面)には、耐候性層13が設けられている。このように耐候性層13を設けることで、太陽電池用保護シート1の耐候性および耐薬品性が向上する。
耐候性層13は、特に制限されず、例えば、フッ素含有樹脂を有するシート(フッ素含有樹脂シート)や、フッ素含有樹脂を含む塗料を塗布してなる塗膜などのフッ素樹脂によって構成される。
フッ素含有樹脂シートとしては、例えば、ポリフッ化ビニル(PVF)、エチレンクロロトリフルオロエチレン(ECTFE)またはエチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)を主成分とする樹脂をシート状に加工したものが用いられる。PVFを主成分とする樹脂としては、例えば、E.I.du Pont de Nemours and Company社製の「Tedlar」(商品名)が挙げられる。ECTFEを主成分とする樹脂としては、例えば、Solvay Solexis社製の「Halar」(商品名)が挙げられる。ETFEを主成分とする樹脂としては、例えば、旭硝子社製の「Fluon」(商品名)が挙げられる。
フッ素含有樹脂シートは、接着性を有する層を介して、基材11に積層される。
一方、フッ素含有樹脂を有する塗料を塗布してなる塗膜は、通常、接着性を有する層を介することなく、フッ素含有樹脂を含有した塗料を基材11に直接塗布することにより、基材11に積層される。
フッ素含有樹脂を含有する塗料としては、溶媒に溶解または水に分散されたものであって、塗布可能なものであれば特に限定されない。
塗料に含まれるフッ素含有樹脂としては、特に限定されないが、架橋性官能基を有するフルオロオレフィン樹脂を用いることが好ましい。架橋性官能基としては、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、グリシジル基などが挙げられる。フルオロオレフィン樹脂としては、クロロトリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、ペンタフルオロプロピレンなどが挙げられる。
架橋性官能基を有するフルオロオレフィン樹脂の具体例としては、旭硝子社製の「LUMIFLON」(商品名)、セントラル硝子社製の「CEFRAL COAT」(商品名)、DIC社製の「FLUONATE」(商品名)などのクロロトリフルオロエチレン(CTFE)を主成分としたポリマー類、ダイキン工業社製の「ZEFFLE」(商品名)などのテトラフルオロエチレン(TFE)を主成分としたポリマー類などが挙げられる。
塗料は、上述したフッ素含有樹脂の他に、架橋剤、硬化触媒、溶媒等を含んでいてもよく、さらに必要であれば、顔料、充填剤等の無機化合物を含んでいてもよい。
フッ素含有樹脂の塗膜は、耐候性および耐擦傷性を向上させるため、架橋剤により架橋していることが好ましい。架橋剤としては、本発明の効果を損なうものでなければ特に限定されず、金属キレート系架橋剤、シラン系架橋剤、イソシアネート系架橋剤またはメラミン系架橋剤が好適に用いられる。太陽電池用保護シート1を屋外において長期間使用することを想定した場合、耐候性の観点から、架橋剤としては、脂肪族のイソシアネート類が好ましい。
塗料を基材11に塗布する方法としては、公知の方法が用いられ、例えば、バーコート法、ダイコート法、グラビアコート法等によって、得られる耐候性層13が所望の厚さになるように塗布すればよい。
基材11に塗布した塗料の乾燥温度は、本発明の効果を損なわない温度であればよく、基材11への影響を低減する観点からは、50℃以上130℃以下の範囲であることが好ましい。
耐候性層13の厚さは、耐候性、耐薬品性、軽量化などを考慮して設定され、5μm以上50μm以下であることが好ましく、特に10μm以上30μm以下であることが好ましい。
(2−3)ガスバリア層
ガスバリア層は、太陽電池用保護シート1に防湿性(水蒸気バリア性)および耐候性を付与することができる。ガスバリア層が設けられる位置は、特に限定されない。ガスバリア層としては、例えば、蒸着層または金属シート等が挙げられる。なお、本明細書において、「金属シート」とは、金属系材料からなるシート状の部材を意味する。
蒸着層は、金属もしくは半金属、または金属もしくは半金属の酸化物、窒化物、珪化物などの無機材料から構成される。
蒸着層を形成する蒸着方法としては、例えば、プラズマ化学気相成長法、熱化学気相成長法、光化学気相成長法などの化学気相法、または真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などの物理気相法が用いられる。
この蒸着層の原料となる金属としては、例えば、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、カリウム(K)、スズ(Sn)、ナトウリム(Na)、チタン(Ti)、鉛(Pb)、ジルコニウム(Zr)、イットリウム(Y)などが挙げられる。半金属としては、例えば、ケイ素(Si)、ホウ素(B)などが挙げられる。これらの金属または半金属の酸化物、窒化物、酸窒化物としては、例えば、酸化アルミニウム、酸化スズ、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、酸窒化アルミニウムなどが挙げられる。これらの原料は一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
蒸着層の厚さは、水蒸気バリア性を考慮して適宜設定され、用いる無機材料の種類や蒸着密度などによって変更される。通常、蒸着層の厚さは、5nm以上200nm以下であることが好ましく、特に10nm以上100nm以下であることが好ましい。
(2−4)金属シート
金属シートの材料としては、かかる機能を有するものであれば特に制限されず、例えば、アルミニウム、アルミニウム−鉄合金等のアルミニウム合金などの金属が挙げられる。
金属シートの厚さは、本発明の効果を損なわない限り特に限定されないが、ピンホール発生頻度の低さ、機械強度の強さ、水蒸気バリア性の高さ、および軽量化などの観点から、5μm以上100μm以下であることが好ましく、10μm以上50μm以下であることが特に好ましい。
(2−5)接着性を有する層
接着性を有する層は、基材11と、上述の耐侯性層13、ガスバリア層等その他の層に対して接着性を有する接着剤から構成される。接着剤としては、例えば、アクリル系接着剤、ポリウレタン系接着剤、エポキシ系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリエステルポリウレタン系接着剤などが用いられる。これらの接着剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
接着性を有する層の厚さは、本発明の効果を損なわない限り特に限定されないが、通常は、1μm以上20μm以下であることが好ましく、3μm以上10μm以下であることが特に好ましい。
2.封止材層を備える太陽電池用保護シート
本発明の一実施形態に係る封止材層を備える太陽電池用保護シートは、本発明の一実施形態に係る太陽電池用保護シートに、封止材層が積層されてなる。
図4に、本実施形態に係る封止材層を備える太陽電池用保護シート2の一例を示す。本実施形態に係る封止材層を備える太陽電池用保護シート2は、基材11と、基材11の一方の面(図4中では上面)に封止材接着層12とを備える太陽電池用保護シート1の封止材接着層12の面上に、封止材層21が積層されてなる。本実施形態に係る封止材層を備える太陽電池用保護シート2は、太陽電池セルに封止材層21が接するように、加熱しながらラミネーション工程を実施することにより、太陽電池セルを効率よく封止することができる。
本実施形態に係る封止材層を備える太陽電池用保護シート2を製造する方法は特に限定されないが、基材11と封止材接着層12と封止材層21とを共押出成形して形成することが好ましい。
このように共押出成形することで、耐剥離性に優れる本実施形態に係る封止材層を備える太陽電池用保護シート2を得ることができる。
封止材層21を形成するための材料は、熱融着し、太陽電池セルを封止できるものであれば、その材料は特に限定されない。基材11と封止材接着層12と封止材層21とを共押出成形により効率よく加工することができ、封止材接着層12に対する封止材層21の耐剥離性に優れるという点から、封止材層21を形成するための材料はポリオレフィン系樹脂であることが好ましい。かかるポリオレフィン系樹脂の具体例として、低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体(但し、融点が150℃以上のものを除く)、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸ブチル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル−無水マレイン酸共重合体等のポリエチレン系樹脂や、ポリプロピレン系樹脂(但し、融点が150℃以上のものを除く)、酸変性ポリオレフィン、アイオノマー系樹脂等が挙げられる。封止材層21を形成するための材料は、上記の例示された樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種のポリオレフィン系樹脂であることが特に好ましい。
3.太陽電池モジュール
本発明の一実施形態に係る太陽電池モジュールは、太陽電池セルと、前記太陽電池セルを封止する封止材と、前記封止材に積層された、本発明の一実施形態に係る太陽電池用保護シートとを備える。図5は、本発明の一実施形態に係る太陽電池モジュールの概略断面図である。本実施形態に係る太陽電池モジュール10は、光電変換素子である結晶シリコン、アモルファスシリコン、有機薄膜太陽素子等からなる複数の太陽電池セル41と、太陽電池セル41を封止する電気絶縁体からなる封止材42と、封止材42の表面(図5中では上面)に積層されたガラス板43と、封止材42の裏面(図5中では下面)に積層された裏面保護シート(バックシート)としての太陽電池用保護シートとから構成されている。本実施形態に係る太陽電池モジュール10はこの太陽電池用保護シートが前述の本実施形態に係る太陽電池用保護シート1である。
なお、太陽電池用保護シート1は、封止材接着層12が設けられている場合には、封止材接着層12が封止材42に接するように配置される。封止材接着層12を備えることにより、太陽電池モジュール10が高温試験に供されても、使用中に熱膨張・収縮を繰り返しても、太陽電池用保護シート1が封止材42から剥離する可能性を低くすることができる。
封止材42の材料は特に限定されない。生産性の観点からエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリビニルブチラール(PVB)、ウレタン系樹脂、アイオノマー系樹脂、スチレン系樹脂、シリコーン系材料を主材とするものなどが例示される。
上記太陽電池モジュール10を製造する方法は特に限定されない。例えば、封止材42を構成する2枚のシートで太陽電池セル41をはさみ、この重積体の一方の面に太陽電池用保護シート1、他方の面にガラス板43を配置し、こうして得られた重積体全体を加熱しながらプレスして一体化するラミネーション工程を実施することにより、太陽電池モジュール10を製造することができる。このとき、太陽電池用保護シート1は、封止材接着層12と封止材42との熱融着および化学的な相互作用により、封止材42に接着される。
ラミネーション工程では、加熱のみの熱ラミネーション、雰囲気を減圧環境としつつ加熱する真空ラミネーション、またはこれらを併用して行ってもよい。熱ラミネーションと真空ラミネーションを併用する場合には、圧着される部材間の界面に気泡が残留する可能性を低減させることができる。また、ラミネーション工程は、加熱温度を段階的に上昇させてもよい。この場合には、まず、封止材42の架橋の進行が緩やかとなる温度にて保持する仮固定を行うことにより、太陽電池モジュール10を構成する複数の部材の熱膨張率の相違に基づいて生じるせん断力を封止材42などにより緩和・吸収させ、続いて、加熱温度を高めて封止材42の熱架橋を十分に進行させる。このようにすると熱膨張率の差に基づくせん断力によって部材間の剥離や部材内部の破壊が発生する可能性を低減させることができる。
なお、ガラス板43の替わりに、樹脂シートを使用することもできる。この場合、フレキシブル性を有する太陽電池モジュールを得ることができる。このように、樹脂シートを使用することで、ロール・トゥ・ロールで太陽電池モジュールを大量生産することが可能となる。また、フレキシブル性を有する太陽電池モジュールは、アーチ状や放物線状の壁面を有する物体にもフィットさせることができるので、ドーム状の建築物や高速道路の防音壁などに設置することが可能となる。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
以下、実施例等により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例等に限定されるものではない。
〔実施例1〕
基材を形成するための樹脂材料としてプロピレンのブロック共重合体(プライムポリマー社製「プライムポリプロF704W」)と、封止材接着層を形成するための材料であるオレフィン系材料として、密度880kg/mのポリエチレン系樹脂(住友化学社製「エクセレンCX4002T」)とを、2種2層の押出成形装置の押出機に投入した。基材の厚さが125μm、封止材接着層の厚さが85μmとなる様にスクリュ回転数を調整し、Tダイ製膜機(シリンダー温度:180〜220℃,Tダイ温度:220℃)により、無延伸の2種2層の共押出フィルムからなる、すなわち、基材と封止材接着層とからなる積層体を得て太陽電池用保護シートとした。
〔実施例2〕
基材を形成するための樹脂材料としてのプロピレンのブロック共重合体を、プライムポリマー社製「プライムポリプロF707W」に変更したこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、太陽電池用保護シートを得た。
〔実施例3〕
基材を形成するための樹脂材料としてのプロピレンのブロック共重合体を、プライムポリマー社製「プライムポリプロF300SP」に変更したこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、太陽電池用保護シートを得た。
〔比較例1〕
基材を形成するための樹脂材料としてのプロピレンのブロック共重合体を、プロピレンのランダム共重合体(プライムポリマー社製「プライムポリプロF744NP」に変更したこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、太陽電池用保護シートを得た。
〔比較例2〕
基材を形成するための樹脂材料としてのプロピレンのブロック共重合体を、ポリエチレン(プライムポリマー社製「630ET」に変更したこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、太陽電池用保護シートを得た。
〔比較例3〕
基材を形成するための樹脂材料としてのプロピレンのブロック共重合体を、ポリエチレン(住友化学社製「スミカセンL705」に変更したこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、太陽電池用保護シートを得た。
〔実施例4〕
基材を形成するための樹脂材料としてプロピレンのブロック共重合体(プライムポリマー社製「プライムポリプロF704W」)と、封止材接着層を形成するための材料であるオレフィン系材料として密度880kg/mのポリエチレン系樹脂(住友化学社製「エクセレンCX4002T」)と、封止材層を形成するための材料としてエチレン−酢酸ビニル共重合体とを、3種3層の押出成形装置の押出機に投入した。基材の厚さが125μm、封止材接着層の厚さが85μm、封止材層の厚さが500μmとなる様にスクリュ回転数を調整し、Tダイ製膜機(シリンダー温度:180〜220℃,Tダイ温度:220℃)により、無延伸の3種3層の共押出フィルムからなる、すなわち、基材/封止材接着層/封止材層の積層構成からなる封止材層を備える太陽電池用保護シートを得た。
〔試験例1〕<熱収縮率>
実施例および比較例において用いた基材を形成するための樹脂材料を、押出機(東洋精機製作所社製)により押出成形して、厚さ125μmの単層の試験用基材を製膜した。得られた試験用基材のそれぞれを、温度が150℃に設定されたオーブン中に無緊張状態にて30分間保持する加熱処理を行った。加熱処理前後の各試験用基材の標点間距離を測定し、MD方向とTD方向それぞれについて、下記式により熱収縮率を算出した(ASTMD12041984年版に準ずる)。この測定を5回繰り返し、平均値を基材の熱収縮率S(MD方向)、S(TD方向)とした。
熱収縮率(%)=((L−L)/L)×100
:熱処理前の標点間距離
L:熱処理後の標点間距離
測定および算出結果を表1に示す。なお、比較例に係る試験用基材は、加熱処理中に融解して大きく変形してしまったため、熱収縮率の測定は不可能であった。
〔試験例2〕<引張弾性率>
実施例および比較例において用いた基材を形成するための樹脂材料を、押出機(東洋精機製作所社製)により押出成形して、厚さ125μmの単層の試験用基材を製膜した。得られた試験用基材のそれぞれについて、切断加工を行って、ダンベル1号試験片を得た。得られたダンベル1号試験片を引張試験機(島津製作所社製「オートグラフ」)に取り付け、JIS K7127に準じて、23℃において、引張速度50mm/分で引張試験を行い、引張弾性率を測定した。測定結果を表1に示す。
〔試験例3〕<耐剥離性評価>
実施例1〜3および比較例1〜3で得られた太陽電池用保護シートについて、以下の方法で太陽電池モジュールを作製した。
まず、封止材として、エチレン−酢酸ビニル共重合体からなる樹脂シートを2枚用意した。次いで、複数個の太陽電池素子を2枚の封止材の間に配置した。次に、2枚の封止材の一方の面側に透明平板ガラスを、もう一方の面側に、実施例および比較例で得られた太陽電池用保護シートを重ね合わせた。次いで、加熱しながら一体化するように熱プレスして積層させ、太陽電池モジュールを作製した。
実施例4で得られた封止材層を備える太陽電池用保護シートについて、以下の方法で太陽電池モジュールを作製した。
まず、封止材として、エチレン−酢酸ビニル共重合体からなる樹脂シートを1枚用意した。次いで、複数個の太陽電池素子を、封止材層を備える太陽電池用保護シートおよび1枚の樹脂シート(封止材)の間に配置した。次に、樹脂シート(封止材)側に透明平板ガラスを重ね合わせた。次いで、加熱しながら一体化するように熱プレスして積層させ、太陽電池モジュールを作製した。
得られた太陽電池モジュールを、温度150℃のオーブンに30分間保持し、加熱試験を行った。その後、封止材と太陽電池用保護シートとの界面を観察し、剥離がある場合を「不良」、剥離が無い場合を「良好」と判定した。なお、実施例4の封止材層を備える太陽電池用保護シートを用いた太陽電池モジュールについては、封止材層と太陽電池用保護シートとの界面を観察した。
Figure 2014229870
本発明に係る太陽電池用保護シートは、太陽電池モジュールの裏面保護シート(バックシート)や表面保護シート(フロントシート)として好適に用いられる。
1…太陽電池用保護シート
11…基材
12…封止材接着層
13…耐侯性層
2…封止材層を備える太陽電池用保護シート
21…封止材層
10…太陽電池モジュール
41…太陽電池セル
42…封止材
43…ガラス板

Claims (7)

  1. 融点が150℃以上のプロピレン(共)重合体を含有するポリプロピレン系樹脂材料から形成される基材を備え、前記基材の23℃における引張弾性率は、900MPa以上であることを特徴とする太陽電池用保護シート。
  2. 前記基材の一の主面に積層された封止材接着層をさらに備える、請求項1に記載の太陽電池用保護シート。
  3. 前記封止材接着層が、ポリエチレン系樹脂を含む、請求項2に記載の太陽電池用保護シート。
  4. 前記ポリエチレン系樹脂は、低密度ポリエチレンおよび超低密度ポリエチレンの少なくとも一方である、請求項3に記載の太陽電池用保護シート。
  5. 前記基材は、過度に延伸処理が施されていないことおよび延伸処理が施されていないことの少なくとも一方を満たす、請求項1から4のいずれか一項に記載の太陽電池用保護シート。
  6. 請求項1から5のいずれか一項に記載された太陽電池用保護シートに、封止材層が積層されてなる太陽電池用保護シート。
  7. 太陽電池セルと、前記太陽電池セルを封止する封止材と、前記封止材に積層された保護シートとを備えた太陽電池モジュールであって、前記保護シートは、請求項1から6のいずれか一項に記載された太陽電池用保護シートからなることを特徴とする太陽電池モジュール。
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