JP2011181671A - 太陽電池モジュール用保護シートおよび太陽電池モジュール - Google Patents

太陽電池モジュール用保護シートおよび太陽電池モジュール Download PDF

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Abstract

【課題】基材シートに対するフッ素樹脂層の密着性が高く、耐久性に優れ、太陽電池セルの安定した長期間使用が可能な太陽電池モジュール用保護シート、および、太陽電池モジュール用保護シートを備えた太陽電池モジュールの提供。
【解決手段】基材シート11の一方の面11aに、ポリオレフィン系樹脂層12を介してフッ素樹脂層13が積層されてなることを特徴とする太陽電池モジュール用保護シートである。基材シート11のポリオレフィン系樹脂層12とフッ素樹脂層13とが積層された面とは反対側の面上に、熱接着性層が積層されていることが好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、太陽電池モジュールの表面保護シートまたは裏面保護シートとして用いられる太陽電池モジュール用保護シート、および、太陽電池モジュール用保護シートを備えた太陽電池モジュールに関する。
太陽の光エネルギーを電気エネルギーに変換する太陽電池モジュールは、大気汚染や地球温暖化などの環境問題に対応して、二酸化炭素を排出せずに発電できるクリーンなエネルギー源として注目されている。
一般に、太陽電池モジュールは、光電変換を行う太陽電池セルと、太陽電池セルを封止する電気絶縁体からなる封止材(充填層)と、封止材の表面に積層された表面保護シート(フロントシート)と、封止材の裏面に積層された裏面保護シート(バックシート)とから概略構成されている。太陽電池モジュールは、屋外および屋内において、長期間の使用に耐え得る耐湿性と耐候性が要求される。
太陽電池モジュールの主な構成は、光発電素子である太陽電池セル、電気回路のショートを防ぐ電気絶縁体である封止材、およびそれらを保護する保護シートからなる。この太陽電池モジュールの受光面側(表面側)とその裏面側には、それぞれ表面保護シートと裏面保護シートが接着されている。屋外および屋内において長期間の使用に耐えうる耐候性および耐久性を太陽電池モジュールに持たせるためには、太陽電池セルおよび封止材を風雨、湿気、砂埃、機械的な衝撃などから守り、太陽電池モジュールの内部を外気から遮断して密閉した状態に保つことが必要である。このため、太陽電池モジュール用保護シートには、耐候性に優れることが求められる。
一般的な太陽電池モジュール用保護シートの構成としては、基材シートに耐候性および耐久性を付与するためにポリフッ化ビニル樹脂フィルムが貼り合わされているものが多い。しかし、ポリフッ化ビニル樹脂フィルムは価格が高く、さらに供給量が少ないため入手しにくいという問題点があった。
そこで、ポリフッ化ビニル樹脂フィルムに代えてポリエステルフィルムなどの基材シート上に樹脂塗料で同様の層を形成することが提案されている(特許文献1参照)。
国際公開第2007/010706号パンフレット
しかしながら、特許文献1に記載の技術のように、水不透過性シートであるポリエステルフィルムなどにフッ素樹脂の硬化塗膜を形成した場合、フッ素樹脂の水不透過性シートへの初期密着性は低く、また、耐湿性試験を行うとフッ素樹脂の基材シートへの密着性が著しく低下する欠点を有していた。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、基材シートに対するフッ素樹脂層の密着性が高く、耐久性に優れ、太陽電池モジュールのフロントシートまたはバックシートとして用いた場合、太陽電池セルの安定した長期間使用が可能な太陽電池モジュール用保護シート、および、太陽電池モジュール用保護シートを備えた太陽電池モジュールを提供することを目的とする。
本発明の太陽電池モジュール用保護シートは、基材シートの一方の面に、ポリオレフィン系樹脂層を介してフッ素樹脂層が積層されてなることを特徴とする。
本発明の太陽電池モジュール用保護シートは、前記基材シートの前記ポリオレフィン系樹脂層と前記フッ素樹脂層とが積層された面とは反対側の面上に、熱接着性層が積層されてなることが好ましい。
本発明の太陽電池モジュール用保護シートは、前記熱接着性層が、ポリオレフィン系樹脂からなることが好ましい。
さらに、本発明の太陽電池モジュール用保護シートは、前記ポリオレフィン系樹脂層および前記熱接着性樹脂層が、押出成形により形成されることが好ましい。
また、本発明は、上記太陽電池モジュール用保護シートを用いてなる太陽電池モジュールを提供する。
本発明の太陽電池モジュール用保護シートは、基材シート上にポリオレフィン系樹脂層を介してフッ素樹脂層を積層させる構成としたことにより、基材シートへの密着性および耐久性に非常に優れたフッ素樹脂層を有する太陽電池モジュール用保護シートを提供することができる。したがって、フッ素樹脂層が基材シートに積層された状態を長時間にわたり維持することができるため、本発明の太陽電池モジュール用保護シートを用いた太陽電池モジュールは、太陽電池セルの安定した長期使用が可能となる。
本発明に係る太陽電池モジュール用保護シートの第一の実施形態を示す概略断面図である。 本発明に係る太陽電池モジュール用保護シートの第二の実施形態を示す概略断面図である。 本発明に係る太陽電池モジュール用保護シートのその他の実施形態の一例を示す概略断面図である。 本発明の太陽電池モジュールの一実施形態を示す概略断面図である。
本発明の太陽電池モジュール用保護シートおよび太陽電池モジュールの実施の形態について説明する。
なお、この形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
(1)第一の実施形態
図1は、本発明に係る太陽電池モジュール用保護シートの第一の実施形態を示す概略断面図である。
この実施形態の太陽電池モジュール用保護シート10は、基材シート11と、基材シート11の一方の面11aにポリオレフィン系樹脂層12を介してフッ素樹脂層13が積層された構成となっている。
この太陽電池モジュール用保護シート10は、太陽電池モジュールのフロントシートまたはバックシートに適用されるものである。
基材シート11としては、電気絶縁性を有し、ポリオレフィン系樹脂層12が積層可能であればよく、樹脂フィルムなどが用いられる。
基材シート11に用いられる樹脂フィルムとしては、一般に太陽電池モジュール用保護シートにおける樹脂フィルムとして用いられているものが選択される。このような樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレートなどのエステル系樹脂、ナイロン(商品名)などのアミド系樹脂、カーボネート系樹脂、スチレン系樹脂、アクリルニトリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ビニルアセタール系樹脂、ビニルブチラール系樹脂、フッ素系樹脂などの樹脂からなる樹脂のフィルムまたはシートが用いられる。これらの樹脂フィルムのなかでも、ポリエステルからなるフィルムが好ましく、より具体的にはPETフィルムが好適である。
基材シート11の厚みは、太陽電池モジュールに要求される電気絶縁性に基づいて適宜設定される。例えば、基材シート11が樹脂フィルムである場合、その厚みが10μm〜300μmの範囲であることが好ましい。より具体的には、基材シート11がPETフィルムである場合、軽量性および電気絶縁性の観点から、その厚みが10μm〜300μmの範囲であることが好ましく、20μm〜250μmの範囲であることがより好ましく、30μm〜200μmの範囲であることが特に好ましい。
また、基材シート11は、耐候性、耐湿性等を高めるために、表面改質処理が施されていてもよい。例えば、前記PETシートにシリカ(SiO)および/またはアルミナ(Al)を蒸着させることにより、当該保護シートの耐候性、耐湿性等を高めることができる。なお、シリカおよび/またはアルミナの蒸着処理は、基材シート11の両面に行ってもよく、いずれか一方の面にのみ行ってもよい。基材シート11の耐候性等を高める観点から、基材シート11が太陽電池セルおよび封止材に面する側とは反対側の面に、シリカおよび/またはアルミナの蒸着処理を行うことが好ましい。
フッ素樹脂層13としては、フッ素含有樹脂を有する塗料を塗布してなる塗膜などが挙げられる。フッ素含有樹脂を有する塗料を塗布してなる塗膜よりフッ素樹脂層13を形成することにより、フッ素樹脂層13をより薄くすることができ、太陽電池モジュール用保護シート10を軽量化することができる。
フッ素樹脂層13が、フッ素含有樹脂を有する塗料を塗布してなる塗膜である場合、通常、接着層を介することなく、フッ素含有樹脂を含有した塗料をポリオレフィン系樹脂層12に直接塗布することにより、ポリオレフィン系樹脂層12にフッ素樹脂層13が積層される。
フッ素含有樹脂を含有する塗料としては、溶剤に溶解または水に分散されたものであって、塗布可能なものであれば特に限定されない。
塗料に含まれるフッ素含有樹脂としては、共重合可能なモノマーからなる共重合体などが用いられる。塗料に含まれるフッ素含有樹脂を形成する共重合可能なモノマーとしては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ブチル、イソ酪酸ビニル、ピバル酸ビニル、カプロン酸ビニル、バーサチック酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、シクロヘキシルカルボン酸ビニルおよび安息香酸ビニルなどのカルボン酸のビニルエステル類、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテルおよびシクロヘキシルビニルエーテなどのアルキルビニルエーテル類が用いられる。
塗料に含まれるフッ素含有樹脂の好ましい例としては、旭硝子社製のLUMIFLON(商品名)、セントラル硝子社製のCEFRALCOAT(商品名)、DIC社製のFLUONATE(商品名)等のクロロトリフルオロエチレン(CTFE)を主成分とした樹脂類や、ダイキン工業社製のZEFFLE(商品名)等のテトラフルオロエチレン(TFE)を主成分とした樹脂が挙げられる。
「LUMIFLON」は、CTFEと数種類の特定のアルキルビニルエーテル、ヒドロキシアルキルビニルエーテルとを主な構成単位として含む非結晶性の樹脂である。この「LUMIFLON」のように、ヒドロキシアルキルビニルエーテルのモノマー単位を有する樹脂は、溶剤可溶性、架橋反応性、基材密着性、顔料分散性、硬さおよび柔軟性に優れるので好ましい。
「ZEFFLE」は、TFEと有機溶媒可溶性の炭化水素オレフィンとの共重合体であり、なかでも反応性の高い水酸基を備えた炭化水素オレフィンを含むものが、溶剤可溶性、架橋反応性、基材密着性および顔料分散性に優れるので好ましい。
塗料は、上述したフッ素含有樹脂の他に、架橋剤、触媒および溶媒を含んでいてもよく、さらに必要であれば、顔料および充填剤などの無機化合物を含んでいてもよい。
塗料に含まれる溶媒としては、本発明の効果を損なうものでなければ特に限定されず、例えば、メチルエチルケトン(MEK)、シクロヘキサノン、アセトン、メチルイソブチルケトン(MIBK)、トルエン、キシレン、メタノール、イソプロパノール、エタノール、ヘプタン、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチルまたはn−ブチルアルコールの群から選択されるいずれか1種または2種以上の有機溶媒を含む溶媒が好適に用いられる。
このような溶媒のなかでも、塗料中の含有成分の溶解性および塗膜中への残留性の低さ(低い沸点温度)の観点から、溶媒としては、キシレン、シクロヘキサノンまたはMEKから選択されるいずれか1種または2種以上の有機溶媒を含む溶媒が好ましい。
塗料に含まれる顔料としては、本発明の効果を損なうものでなければ特に限定されず、例えば、二酸化チタン、カーボンブラック、ペリレン、マイカ、窒化ホウ素、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、シリカなどが用いられる。具体的には、耐久性を付与するため、酸化ケイ素で処理したルチル型二酸化チタンである「Ti−Pure R105(商品名、E.I.du Pont de Nemours and Company社製)」、および、ジメチルシリコーンの表面処理によってシリカ表面の水酸基を修飾した疎水性シリカである「CAB−O−SIL TS 720(商品名、Cabot社製)」が好適に用いられる。
前記の塗膜は耐候性、耐擦傷性を向上させるため、架橋剤により硬化していることが好ましい。
架橋剤としては、本発明の効果を損なうものでなければ特に限定されず、金属キレート類、シラン類、イソシアネート類またはメラミン類が好適に用いられる。太陽電池モジュール用保護シート10を屋外において30年以上使用することを想定した場合、耐候性の観点から、架橋剤としては、脂肪族のイソシアネート類が好ましい。
塗料の組成は、本発明の効果を損なわなければ特に限定されず、例えば、フッ素含有樹脂、顔料、架橋剤、溶媒および触媒を混合して調製される。
この組成物の組成比は、塗料全体を100質量%としたとき、フッ素含有樹脂の含有率は3〜80質量%が好ましく、10〜40質量%がより好ましく、顔料の含有率は5〜60質量%が好ましく、10〜30質量%がより好ましく、溶媒の含有率は20〜80質量%が好ましく、30〜70質量%がより好ましい。
溶媒としては、例えば、MEKとキシレンとシクロヘキサノンとの混合溶媒が用いられる。
また、触媒としては、例えば、ジブチルジラウリン酸スズが用いられ、この触媒はフッ素含有樹脂とイソシアネートとの架橋を促進するために用いられる。
塗料を基材シート11に塗布する方法としては、公知の方法が用いられ、例えば、ロッドコーターで所望の厚みになるように塗布すればよい。
基材シート11に塗布した塗料の乾燥温度は、本発明の効果を損なわない温度であればよく、基材シート11への影響を低減する観点からは、50〜130℃の範囲であることが好ましい。
フッ素樹脂層13の厚みは、耐候性、耐薬品性、軽量化などを考慮して設定され、5μm〜50μmの範囲が好ましく、10μm〜30μmの範囲がより好ましい。
ポリオレフィン系樹脂層12は、フッ素樹脂層13を基材シート11へと密着させるために設けられている。ポリオレフィン系樹脂層12は基材シート11およびフッ素樹脂層13への高い密着性を有している。そのため、ポリオレフィン系樹脂層12を設けることにより、基材シート11とフッ素樹脂層13とを密着性良好に接着させることができる。
ポリオレフィン系樹脂層12を構成するポリオレフィン系樹脂としては、低密度ポリエチレン(LDPE、密度:0.910g/cm以上、0.930g/cm未満)、中密度ポリエチレン(MDPE、密度:0.930g/cm以上、0.942g/cm未満)、高密度ポリエチレン(HDPE、密度:0.942g/cm以上)などのポリエチレン、ポリプロピレン(PP)、オレフィン系エラストマー(TPO)、シクロオレフィン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル−無水マレイン酸共重合体などが挙げられ、これらの中でも基材シート11への密着性の観点から低密度ポリエチレン、マレイン酸変性ポリエチレン、エチレン−アクリル酸エステル−グリシジルメタクリレート共重合体、EVAが好ましい。
ポリオレフィン系樹脂層12の厚みは、本発明の効果を損なわない限り特に制限されず、ポリオレフィン系樹脂層12の種類に応じて適宜調節される。ポリオレフィン系樹脂層12の厚みは、例えば、1μm〜200μmの範囲であることが好ましく、軽量性および電気絶縁性などの観点から、10μm〜200μmの範囲であることがより好ましく、15μm〜150μmの範囲であることがさらに好ましい。
ポリオレフィン系樹脂層12は、押出成形によって、基材シート11の一方の面11aに、溶融したポリオレフィン系樹脂が押出されて積層される。より詳しくは、ポリオレフィン系樹脂層12を形成するポリオレフィン系樹脂を溶融・混練し、Tダイを用いた押出成形により、基材シート11を一定の速度にて移動させながら、基材シート11の一方の面11aに、溶融したポリオレフィン系樹脂を押出して積層し、基材シート11の一方の面11aにポリオレフィン系樹脂からなるポリオレフィン系樹脂層12を形成する。
ポリオレフィン系樹脂を溶融する温度は、溶融したポリオレフィン系樹脂の温度(熱)により、基材シート11が収縮しない程度とし、80〜350℃であることが好ましく、150〜300℃であることがより好ましい。
また、ポリオレフィン系樹脂のTダイ押出機からの吐出量は、目的とするポリオレフィン系樹脂層12の厚みや基材シート11の移動する速度(移動速度)に応じて適宜調製される。
基材シート11は、例えば、ロールtoロール式により一定速度にて、長手方向に移動(搬送)され、その移動速度は、ポリオレフィン系樹脂のTダイ押出機からの吐出量に応じて適宜調製される。
このような押出成形によれば、基材シート11に積層されるポリオレフィン系樹脂層12を形成するポリオレフィン系樹脂が延伸されることがないので、ポリオレフィン系樹脂層12には、延伸による応力が作用せず、結果として、太陽電池モジュール用保護シート10には、ポリオレフィン系樹脂層12を形成するポリオレフィン系樹脂の延伸に起因する応力が存在しない。
また、このような押出成形によれば、基材シート11の一方の面11aに、Tダイ押出機から溶融したポリオレフィン系樹脂を押出して積層するだけで、基材シート11にポリオレフィン系樹脂層12を接合することができる。ポリオレフィン系樹脂層12は、その一方の面12aに積層されるフッ素樹脂層13との密着性が良好であることから、押出成形により形成されたポリオレフィン樹脂層12を介して、フッ素樹脂層13を基材シート11へと積層させることにより、フッ素樹脂層13の密着性が高い太陽電池モジュール用保護シート10を提供することができる。
このように、太陽電池モジュール用保護シート10は、耐候性に優れるフッ素樹脂層13が、押出成形により形成されたポリオレフィン系樹脂層12を介して基材シート11へと強固に接着されているので、太陽電池モジュール用保護シート10を、太陽電池モジュールのフロントシートまたはバックシートに適用した場合であっても、フッ素樹脂層13の密着性が長期間に亘って維持されるので、太陽電池セルの安定した長期使用が可能となる
(2)第二の実施形態
図2は、本発明に係る太陽電池モジュール用保護シートの第二の実施形態を示す概略断面図である。
図2において、図1に示した太陽電池モジュール用保護シート10と同じ構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
この実施形態の太陽電池モジュール用保護シート20は、第一の実施形態と同様に、太陽電池モジュールのフロントシートまたはバックシートに適用される。
太陽電池モジュール用保護シート20においては、第一の実施形態の太陽電池モジュール用保護シート10の構成に加えて、基材シート11のポリオレフィン系樹脂層12およびフッ素樹脂層13が積層された面11aとは反対側の面11bに、熱接着性層14がさらに設けられている。
この実施形態では、基材シート11、ポリオレフィン系樹脂層12およびフッ素樹脂層13は、第一の実施形態と同様な構成である。
熱接着性層14は、熱可塑性樹脂からなり、太陽電池モジュールを構成する封止材との接着に用いられる接着層をなしている。
熱接着性層14における熱接着性とは、加熱処理によって接着性を発現する特性である。本発明では、熱接着性層14を構成する熱可塑性樹脂としては、熱接着性を有する熱可塑性樹脂であれば特に限定されない。接着性を発現する加熱処理の温度は、50〜200℃の範囲が好ましい。
熱接着性層14を構成する熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂が好適に用いられる。
ポリオレフィン系樹脂としては、低密度ポリエチレン(LDPE、密度:0.910g/cm以上、0.930g/cm未満)、中密度ポリエチレン(MDPE、密度:0.930g/cm以上、0.942g/cm未満)、高密度ポリエチレン(HDPE、密度:0.942g/cm以上)などのポリエチレン、ポリプロピレン(PP)、オレフィン系エラストマー(TPO)、シクロオレフィン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル−無水マレイン酸共重合体などが挙げられる。
熱接着性層14の厚みは、本発明の効果を損なわない限り特に制限されず、熱接着性層14の種類に応じて適宜調節される。熱接着性層14の厚みは、例えば、1μm〜200μmの範囲であることが好ましく、軽量性および電気絶縁性などの観点から、10μm〜200μmの範囲であることがより好ましく、15μm〜150μmの範囲であることがさらに好ましく、15μm〜120μmの範囲であることが最も好ましい。
熱接着性層14は、押出成形によって、基材シート11の一方の面11bに、溶融した熱可塑性樹脂が押し出されて積層されている。より詳しくは、熱接着性層を形成する熱可塑性樹脂を溶融・混練し、Tダイ押出機を用いた押出成形により、基材シート11を一定の速度にて移動させながら、その基材シート11の一方の面11bに、溶融した熱可塑性樹脂を押し出して積層し、基材シート11の一方の面11bに、熱可塑性樹脂からなる熱接着性層14を形成する。
熱可塑性樹脂を溶融する温度は、溶融した熱可塑性樹脂の温度(熱)により、基材シート11が収縮しない程度とし、80〜350℃であることが好ましく、より好ましくは150〜320℃である
また、熱可塑性樹脂のTダイ押出機からの吐出量は、目的とする熱接着性層14の厚みや基材シート11の移動する速度(移動速度)に応じて適宜調整される。
基材シート11は、例えば、ロールtoロール式により一定速度にて、長手方向に移動(搬送)され、その移動速度は、熱可塑性樹脂のTダイ押出機からの吐出量に応じて適宜調整される。
熱接着性層14は、このように押出成形により形成されるため、基材シート11の一方の面11bに積層した後の接着性発現の加熱処理、および、その後の冷却によって、熱接着性層14の寸法は大きく変化することがない。このため、温度変化に起因して、熱接着性層14自体に発生する応力が小さく、熱接着性層14が積層されている基材シート11に対して作用する応力も小さくなる。
本実施形態の太陽電池モジュール用保護シート20は、第一の実施形態の太陽電池モジュール用保護シート10の効果に加えて、熱接着性層14が設けられたことにより、太陽電池モジュールの封止材に対する密着性を向上させることができる。したがって、本実施形態の太陽電池モジュール用保護シートを太陽電池モジュールに適用することにより、太陽電池モジュールの封止材から剥がれにくくなり、フッ素樹脂層の密着性も良好であるので、長期に亘り、耐候性および耐久性に優れた太陽電池モジュールを提供することができる。
また、本実施形態の太陽電池モジュール用保護シート20は、ポリオレフィン系樹脂層12と熱接着性層14が、押出形成により基材シート11へと積層されているので、ポリオレフィン系樹脂層12と基材シート11、および、熱接着性層14と基材シート11との接合性が大きくなり、各層の密着性が良好となる。
さらに、このような押出成形によれば、基材シート11に積層されるポリオレフィン系樹脂層12を形成するポリオレフィン系樹脂、および、熱接着性層14を形成する熱可塑性樹脂が延伸されることがないので、ポリオレフィン系樹脂層12および熱接着性層14には、延伸による応力が作用せず、結果として、太陽電池モジュール用保護シート20には、ポリオレフィン系樹脂および熱可塑性樹脂の延伸に起因する応力が存在しない。したがって、太陽電池モジュール用保護シート20に反りが発生することを抑制できる。
熱接着性層14を構成するポリオレフィン系樹脂として、ポリオレフィン系樹脂12を構成するポリオレフィン系樹脂と同一の樹脂を用いた場合、太陽電池モジュール用保護シートに反りが発生することを更に抑制することができる。
このように、太陽電池モジュール用保護シート20には、ポリオレフィン系樹脂層12および熱接着性層14の延伸に起因する応力が存在しないので、太陽電池モジュール用保護シート20を、太陽電池モジュールのフロントシートまたはバックシートに適用した場合であっても、製造工程中の温度変化に起因して、太陽電池モジュールに反りが発生することを抑制できる。また、太陽電池モジュール用保護シート20は、太陽電池モジュールに対する接着性が向上し、太陽電池モジュールから剥がれ難くなる。
また、上述のような押出成形以外の方法、例えば、インフレーション成形により成膜されたシートを熱接着性層14に適用する場合、基材シートに、熱接着性層14を直接積層することはできないため、接着剤を用いる必要がある。また、インフレーション成形により成膜されたシートには、成膜時の残留応力があり、製造工程中の温度変化に起因して、熱接着性層14に応力が発生(熱収縮)する。
このように、インフレーション成形により成膜されたシートを熱接着性層に用いた場合、太陽電池モジュール用保護シートには、熱接着性層のインフレーション成形時の残留応力があるので、太陽電池モジュール用保護シートを、太陽電池モジュールのフロントシートまたはバックシートに適用した場合、製造工程中の温度変化に起因して、太陽電池モジュールに反りが発生する。
(3)その他の実施形態
上述した第一の実施形態では、基材シート11の一方の面11a上にポリオレフィン系樹脂層12を介してフッ素樹脂層13が積層された構造の太陽電池モジュール用保護シート10を例示し、第二の実施形態では、第一の実施形態にさらに熱接着性層14が設けられた太陽電池モジュール用保護シート20を例示したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。
例えば、第一の実施形態および第二の実施形態において、防湿性、耐候性等を向上させるために、基材シート11の両面または一方の面に、蒸着層が設けられていてもよい。
蒸着層は、金属または半金属、金属または半金属の酸化物、窒化物、珪化物などの無機材料から構成されるものであり、基材シート11に対する蒸着によって形成されるものであれば特に限定されない。
蒸着層を形成する蒸着方法としては、例えば、プラズマ化学気相成長法、熱化学気相成長法、光化学気相成長法などの化学気相法、または、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などの物理気相法が用いられる。これらの方法の中でも、操作性や層厚の制御性を考慮した場合、真空蒸着法が好ましい。
この蒸着層は、水蒸気バリア性を有した防湿層として機能する。また、蒸着層は、太陽電池モジュールに適用することにより、太陽電池モジュールの耐候性を高めることができる。
金属としては、例えば、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、カリウム(K)、スズ(Sn)、ナトウリム(Na)、チタン(Ti)、鉛(Pb)、ジルコニウム(Zr)、イットリウム(Y)などの金属が用いられる。
半金属としては、例えば、ケイ素(Si)、ホウ素(B)などの半金属が用いられる。
これらの金属または半金属の酸化物、窒化物、酸窒化物としては、例えば、酸化アルミニウム、酸化スズ、酸化ケイ素、窒化珪素、酸窒化珪素、酸窒化アルミニウムなどが挙げられる。
蒸着層は、一種の無機材料からなるものであっても、複数種の無機材料からなるものであってもよい。
蒸着層が複数種の無機材料からなる場合、各無機材料からなる層が順に蒸着された積層構造の蒸着層であってもよく、複数種の無機材料が同時に蒸着された蒸着層であってもよい。
蒸着層の厚みは、水蒸気バリア性を考慮して適宜設定され、用いる無機材料の種類や蒸着密度などによって変更される。蒸着層の厚みは、5nm〜200nmであることが好ましく、より好ましくは10nm〜100nmである。
このように基材シート11の両面または一方の面に蒸着層を設ける構成とすることにより、第一の実施形態の太陽電池モジュール用保護シート10の効果、および、第二の実施形態の太陽電池モジュール用保護シート20の効果に加えて、防湿性、耐候性を向上させることができる。
また、本発明においては、第一の実施形態および第二の実施形態において、水蒸気バリア性を向上させるために、金属シートが設けられていてもよい。
金属シートを設ける場合、第一の実施形態の太陽電池モジュールシート10においては、基材シート11のポリオレフィン系樹脂層12とフッ素樹脂層13とが積層された面とは反対側の面に、接着層を介して金属シートが積層される構成となる。
また、第二の実施形態の太陽電池モジュール用保護シート20に、さらに、金属シートを設ける場合には、図3に示す太陽電池モジュール用保護シート30のような積層構造とされる。図3において、図2に示した太陽電池モジュール用保護シート20と同じ構成要素には、同一の符号を付して説明を省略する。図3に示す太陽電池モジュール用保護シート30は、第2の実施形態の太陽電池モジュール用保護シート20における基材シート11が、基材シート11/接着層15/金属シート16/接着層15/基材シート11の積層体に置き換えられた構造となっている。
このように、第一の実施形態の太陽電池モジュール用保護シート10および第二の実施形態の太陽電池モジュール用保護シート20に、さらに、金属シートを設ける場合には、当該太陽電池モジュール用保護シートは、太陽電池モジュールのバックシートに適用される。
第一の実施形態の太陽電池モジュール用保護シート10に金属シートを設ける際の金属シートおよび接着層、並びに、第二の実施形態の太陽電池モジュール用保護シート20に金属シートを設ける際の金属シート16および接着層15としては、同様のものが挙げられる。以下、これらを纏めて「金属シート16」、「接着層15」として説明する。
接着層15を構成する接着剤としては、ポリアクリル系接着剤、ポリウレタン系接着剤、エポキシ系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリエステルポリウレタン系接着剤などが用いられる。これらの接着剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
金属シート16としては、例えば、アルミニウム、アルミニウム−鉄合金などの金属からなるシートが用いられる。
金属シート16の厚みは、本発明の効果を損なわない限り特に限定されないが、ピンホール発生頻度の低さ、機械強度の強さ、水蒸気バリア性の高さ、および、軽量性などの観点から、5μm〜100μmであることが好ましく、より好ましくは10μm〜30μmである。
このように金属シートを設けた構成とすることにより、第一の実施形態の太陽電池モジュール用保護シート10の効果、および、第二の実施形態の太陽電池モジュール用保護シート20の効果に加えて、水蒸気バリア性を向上させることができる。
「太陽電池モジュール」
図4は、本発明に係る太陽電池モジュールの一実施形態を示す概略断面図である。
太陽電池モジュール100は、結晶シリコン、アモルファスシリコンなどからなる太陽電池セル101と、太陽電池セル101を封止する電気絶縁体からなる封止材(充填層)102と、封止材102の表面に積層された表面保護シート(フロントシート)103と、封止材102の裏面に積層された裏面保護シート(バックシート)104とから概略構成されている。
この実施形態では、太陽電池モジュール100は、上述の第一、第二の実施形態およびその他の実施形態における太陽電池モジュール用保護シートが、フロントシート103またはバックシート104として設けられたものである。
この実施形態では、封止材102を構成する樹脂が、ポリオレフィン系樹脂であることが好ましい。
ポリオレフィン系樹脂としては、低密度ポリエチレン(LDPE、密度:0.910g/cm以上、0.930g/cm未満)、中密度ポリエチレン(MDPE、密度:0.930g/cm以上、0.942g/cm未満)、高密度ポリエチレン(HDPE、密度:0.942g/cm以上)などのポリエチレン、ポリプロピレン(PP)、オレフィン系エラストマー(TPO)、シクロオレフィン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル−無水マレイン酸共重合体などが用いられる。
このようにすれば、上記実施形態の太陽電池モジュール用保護シートの熱接着性層14と封止材102との親和性が大きくなり、熱接着性層14と封止材102との大きな接合力が得られる。
本発明に係る太陽電池モジュール用保護シートを、太陽電池モジュールのフロントシートまたはバックシートに適用した太陽電池モジュールとすることにより、上述の効果を奏する太陽電池モジュールが得られる。より詳しくは、本発明に係る太陽電池モジュール用保護シートは、基材シートへの密着性および耐久性に非常に優れたフッ素樹脂層を有し、フッ素樹脂層が基材シートに積層された状態を長時間にわたり維持することができるため、本発明の太陽電池モジュール用保護シートを用いた太陽電池モジュールは、太陽電池セルの安定した長期使用が可能となる。
また、本発明に係る太陽電池モジュール用保護シートは、さらに、押出成形された熱接着性層を有する構成とすることにより、封止材への密着性に優れる効果に加えて、保護シートの反りが発生することが低減されている。したがって、本発明の太陽電池モジュール用保護シートを太陽電池モジュールに適用することにより、高い耐久性、耐候性で、かつ、反りの発生が少ない太陽電池モジュールを提供することができる。
さらに、太陽電池モジュールを構成する太陽電池セルにフレキシブル基板を用い、本発明に係る太陽電池モジュール用保護シートをフロントシートおよびバックシートとして設けることにより、フレキシブル性を有する太陽電池モジュールを得ることができる。このように、太陽電池モジュールをフレキシブル化することにより、ロールtoロールで大量生産することが可能となる。また、フレキシブル性を有する太陽電池モジュールは、アーチ状や放物線状の壁面を有する物体にもフィットさせることができるので、ドーム状の建築物や高速道路の防音壁などに設置することが可能となる。
以下、実施例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
「実施例1」
PETフィルム(商品名:メリネックスS、帝人デュポンフィルム社製、厚さ125μm)上にコロナ処理を施し(2000W)、Tダイ製膜機(シリンダー温度:200℃、Tダイ温度:320℃)により、低密度ポリエチレン(商品名:ペトロセン205、東ソー社製)を厚さ30μmとなるように、PETフィルムのコロナ処理面に押出成形して低密度ポリエチレン層を形成した。次に、形成した低密度ポリエチレン層上にフッ素樹脂(旭硝子社製のルミフロンLF−200(商品名)、住化バイエルウレタン社製のスミジュール3300(商品名)、デュポン社製のタイピュアR105(商品名)を、100重量部:10重量部:30重量部で混合)をマイヤーバーで塗布し、120℃、1分間乾燥させて厚さ15μmのフッ素樹脂層を形成し、太陽電池モジュール用保護シートを得た。
「実施例2」
実施例1と同様の方法で、PETフィルム/低密度ポリエチレン樹脂層/フッ素樹脂層の積層体を作製し、この積層体のPETフィルム露出面にコロナ処理を施し、このコロナ処理面に、Tダイ製膜機(シリンダー温度:200℃、Tダイ温度:320℃)により、低密度ポリエチレン(商品名:ペトロセン205、東ソー社製)を厚さ30μmとなるように押出成形して、熱接着性層である低密度ポリエチレン樹脂層を形成し、太陽電池モジュール用保護シートを得た。
「実施例3」
低密度ポリエチレン樹脂層を、低密度ポリエチレン(商品名:ペトロセン205、東ソー社製)と高密度ポリエチレン(商品名:ニポロンハード、東ソー社製)の1:1(重量比)混合物に変更した以外は、実施例2と同様にして太陽電池モジュール用保護シートを得た。
「実施例4」
低密度ポリエチレン樹脂層をエチレン−グリシジルメタクリレート2元共重合体(商品名:LOTADER AX8840、アルケマ社製、エチレン92%−グリシジルメタクリレート8%)に変更した以外は、実施例2と同様にして太陽電池モジュール用保護シートを得た。
「実施例5」
低密度ポリエチレン樹脂層をエチレン−アクリル酸エステル−無水マレイン酸3元共重合体(商品名:BONDINE LX4110、アルケマ社製、エチレン92% アクリル酸エステル5% 無水マレイン酸3%)に変更した以外は、実施例2と同様にして太陽電池モジュール用保護シートを得た。
「比較例1」
PETフィルム(商品名:メリネックスS、帝人デュポンフィルム社製、厚さ125μm)上に、直接、フッ素樹脂(旭硝子社製のルミフロンLF−200(商品名)、住化バイエルウレタン社製のスミジュール3300(商品名)、デュポン社製のタイピュアR105(商品名)を、100重量部:10重量部:30重量部で混合)をマイヤーバーで塗布し、120℃、1分間乾燥させて厚さ15μmのフッ素樹脂層を形成し、太陽電池モジュール用保護シートを得た。
「比較例2」
比較例1と同様の方法で、PETフィルムの上に直接フッ素樹脂層を形成し、PETフィルムのフッ素樹脂層とは反対の面に、実施例2と同様にして熱接着性層である低密度ポリエチレン層を形成し、太陽電池モジュール用保護シートを得た。
実施例1〜5および比較例1〜2で得られた太陽電池モジュール用保護シートについて、フッ素樹脂層の密着性、封止材に対する接着力およびカールの評価を行った。結果を表1に示す。なお、各試験方法は次の通りである。
[フッ素樹脂層の密着性]
実施例1〜5および比較例1〜2の太陽電池モジュール用保護シートについて、日本工業規格JIS K−5600−5−6「塗料一般試験方法−塗膜の機械的性質−付着性(クロスカット法)」に準拠して、フッ素樹脂層の密着性を評価した。
フッ素樹脂層の表面(外面)に、1mm間隔で切り込みを入れ、100個(縦10個×横10個)の碁盤目を形成し、その碁盤目にセロハンテープ(商品名:CT−24、ニチバン社製)を貼着した後、セロハンテープを剥離した際、碁盤目において剥離せずに残ったフッ素樹脂層の数を調べた。判定は100マス内の剥離しないマス目の数で表し、フッ素樹脂層が全く剥離しない場合を100/100、完全に剥離する場合を0/100とした。
また、実施例1〜5および比較例1〜2の太陽電池モジュール用保護シートについて、IEC 60068−2−66に準じて、温度121℃、相対湿度100%、圧力2atmの条件化に放置し、24時間後および48時間後のフッ素樹脂層の密着性についても同様に評価を行った。
[カール測定]
実施例1〜5および比較例1〜2の太陽電池モジュール用保護シートを300mm×300mmにカットして水平なテーブルに置き、各角(四隅)のテーブルからの浮きの高さを測定し、その平均値を算出した。
[接着性試験:封止材に対する接着力]
日本工業規格:JIS K6854−3「接着剤−はく離接着強さ試験方法−第3部:T形はく離」に規定された方法に準拠して、実施例1〜5および比較例1〜2の太陽電池モジュール用保護シートの封止材EVAに対する密着性を評価した。
太陽電池モジュール用保護シートを70×200mmに切断し、70×200mmに切断した封止材EVA(商品名:SC−4、三井化学ファブロ社製)の両面に貼り合わせ、真空ラミネーター(商品名:ラミネータPVL0505S、日清紡メカトロニクス社製)を用いて、温度150℃、真空5分、圧着15分の条件で圧着させることにより試験片を作製した。試験片を15×200mmに切断し、23℃50%RH条件下、はく離速度300mm分で保護シートを封止材EVAからはく離して、接着力を測定した。
Figure 2011181671
表1の結果から、本発明の太陽電池モジュール用保護シートに係る実施例1〜5は、比較例1〜2に比べて、フッ素樹脂層の密着性が高いことが確認された。また、熱接着性層が設けられた実施例2〜5では、封止材との密着性に優れ、カール(反り)の少ない太陽電池モジュール用保護シートとなることが確認された。
10,20,30 太陽電池モジュール用保護シート
11 基材シート
12 ポリオレフィン系樹脂層
13 フッ素樹脂層
14 熱接着性層
15 接着層
16 金属シート
100 太陽電池モジュール
101 太陽電池セル
102 封止材
103 表面保護シート(フロントシート)
104 裏面保護シート(バックシート)

Claims (5)

  1. 基材シートの一方の面に、ポリオレフィン系樹脂層を介してフッ素樹脂層が積層されてなることを特徴とする太陽電池モジュール用保護シート。
  2. 前記基材シートの前記ポリオレフィン系樹脂層と前記フッ素樹脂層とが積層された面とは反対側の面上に、熱接着性層が積層されてなることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池モジュール用保護シート。
  3. 前記熱接着性層が、ポリオレフィン系樹脂からなることを特徴とする請求項2に記載の太陽電池モジュール用保護シート。
  4. 前記ポリオレフィン系樹脂層および前記熱接着性樹脂層が、押出成形により形成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の太陽電池モジュール用保護シート。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の太陽電池モジュール用保護シートを用いてなる太陽電池モジュール。
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